説明

移動通信端末および移動通信端末の基地局接続先の切替判定方法

【課題】周辺の環境に応じて適切に基地局選定を行う移動通信端末を提供する。
【解決手段】基地局から待ち受け保持レベルを取得し第1の待ち受け保持レベルとする。周辺基地局からRSSI値を取得する(S12)。RSSI値の平均値と分散値を求めて周辺基地局の密集度の指標とする(S21)。相関テーブルを参照して補正量を求め、第2の待ち受け保持レベルを設定する(S22)。密集度が高い場合および他に通信可能な基地局がない場合、第2の待ち受け保持レベルを用いて基地局の接続切替を行う(S14)。密集度が高い場合、基地局の切替が活発になって高品質の通信が可能な状態を維持できる。他に通信可能な基地局がない場合、当初の待ち受け保持レベルの下回っても現在の基地局との接続を維持でき、通信可能エリアが拡がる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話機やPHS(Personal Handyphon System)などの移動通信端末に関し、特に移動通信端末が存在する環境に応じてより適切に基地局選定を行えるようにした技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機やPHS等の移動通信端末は、サービスエリア内に点在する複数の基地局(CS)のいずれかと選択的に通信を行っているのが一般的である。すなわち各基地局は、互いに重複するエリアをカバーしており、各カバーするエリア内の移動通信端末と通信を行っている。
【0003】
移動通信端末は、着信待ち受け中はその時点で接続している基地局からの所定の制御チャネルの信号強度を監視し、この信号強度が当該基地局から予め通知されている基準強度(待ち受け保持レベル)を下回ったときに、当該基地局の接続をあきらめて他の基地局を探索する動作を行う。
【0004】
この基地局を探索する動作は、具体的には、移動通信端末の近傍に存在する基地局からRSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度表示信号)値を取得し、待ち受け保持レベルより信号強度が大きい基地局を選択して通信を開始する。また待ち受け保持レベルより信号強度の大きい基地局がない場合は、サービスエリア外に逸脱した(「圏外」になった)と判断し、待ち受け動作を終了する。
【0005】
これにより例えば移動通信端末の所持者が移動している間は、待ち受け中の基地局が次々に切り替わり、各時点で最も通信しやすい基地局との間で選択的に通信が行われることとなる。
【0006】
なお、移動通信端末における基地局の切替に関する先行技術には、たとえば特許文献1に記載されているものがある。
【0007】
この先行技術によれば、制御チャネルの空き時間を利用して他の基地局の制御チャネルを受信するバックグランドモニタを設けている。そして受信レベルが低下するとバックグランドモニタを起動させるバックグランドモニタ開始レベルを設定しておく。このバックグランドモニタ開始レベルは、保持レベルより高く設定する。
【0008】
前記の制御チャネルの受信レベルがバックグランドモニタ開始レベルより低下したことが検出されると、バックグランドモニタが起動される。バックグランドモニタによって、受信レベルが保持レベル以上にある候補基地局を探し出し記憶するか、あるいはバックグランドモニタで受信状態を保持し、更に受信レベルが保持レベルより低下したとき、接続先を候補基地局に切り替えるものである。
【特許文献1】特開平10−042336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら上記の従来の技術では、待ち受け保持レベルは基地局からあらかじめ通知された値を取得し、当該基地局の接続が確立されている間、かかる待ち受け保持レベルに基づいて信号強度を監視する手法をとるため、移動通信端末の環境に対応して基地局選択を適切に行うのに限界がある問題があった。
【0010】
つまり移動通信端末の周辺に受信強度の高い基地局が多数ある環境においては、より好適な基地局に接続を切り替えて通信品質の向上を図る余地があるにもかかわらず、現在接続中の基地局の信号強度が待ち受け保持レベルを下回るという条件が成立するまで当該基地局に接続が固定されてしまう問題がある。
【0011】
逆に移動通信端末の周辺に受信強度の高い基地局が乏しい環境においては、現在接続中の基地局と通信を継続可能であるにもかかわらず、当該基地局の信号強度が待ち受け保持レベルを下回れば当該基地局との接続が終了してしまい、他に適切な基地局がない場合は通信可能圏外となってしまう問題がある。
【0012】
この発明は、このような事情に鑑み、周辺の環境に応じて、より適切に基地局選定を行うことができる移動通信端末を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、接続中の基地局から通知される基準強度を取得する基準強度取得手段と、周辺基地局の受信強度を取得する周辺基地局受信強度監視手段と、取得した周辺基地局の受信強度から候補基地局を選定する候補基地局選定手段と、前記基地局の信号強度と前記基準強度を比較して基地局接続切替の要否を判定する切替要否判定手段と、前記周辺基地局の受信強度から周辺基地局の密集度を判定する密集度判定手段と、判定された密集度に正相関して基準強度を補正することにより第2の基準強度を設定する第2の基準強度設定手段とを備えた移動通信端末であって、前記切替要否判定手段は、密集度が高い場合に前記基準強度の代わりに第2の基準強度を用いて基地局接続切替の要否を判定するものとしたことを特徴とする。
【0014】
このように、周辺の基地局の受信強度から基地局の密集度を演算し、密集度に正相関して基準強度を補正したうえで基地局の接続切替を行うことにしているので、移動通信端末の周辺の環境を反映した基地局の接続切替が可能となる。すなわち、密集度が高い場合、基準強度を上方修正してなる第2の基準強度を用いることにより基地局の接続切替を活発化し、より好適な基地局との接続を確立することが可能となる利点がある。
【0015】
また請求項2記載の発明は、接続中の基地局から通知される基準強度を取得する基準強度取得手段と、周辺基地局の受信強度を取得する周辺基地局受信強度監視手段と、取得した周辺基地局の受信強度から候補基地局を選定する候補基地局選定手段と、前記基地局の信号強度と前記基準強度を比較して基地局接続切替の要否を判定する切替要否判定手段と、前記周辺基地局の受信強度から周辺基地局の密集度を判定する密集度判定手段と、判定された密集度に正相関して基準強度を補正することにより第2の基準強度を設定する第2の基準強度設定手段とを備えた移動通信端末であって、前記切替要否判定手段は、接続可能な周辺基地局が存在しない場合に前記基準強度の代わりに第2の基準強度を用いて基地局接続切替の要否を判定するものとしたことを特徴とする。
【0016】
このように、密集度が低い場合、基準強度を下方修正してなる第2の基準強度を用いることにより、受信強度が当初の基準強度を下がっても現在接続中の基地局との接続を許容することこととし、従来通信が不可とされていた地域でも通信継続が可能となる利点がある。
【0017】
また請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の移動通信端末において、前記密集度判定手段は、所定受信強度の周辺基地局が所定数以上存在する場合に密集度が高いと判定することを特徴とする。
【0018】
このように、所定受信強度の周辺基地局が所定数以上存在することを判定するだけの処理をもって密集度が高い旨の判定結果を基準とすることが可能となるので、処理の高速化の点で有利である。
【0019】
また請求項4記載の発明は、請求項1ないし3記載の移動通信端末において、前記密集度判定手段は、周辺基地局の受信強度の平均値を求めて密集度の指標とすることを特徴とする。
【0020】
また請求項5記載の発明は、請求項1ないし4記載の移動通信端末において、前記密集度判定手段は、周辺基地局の受信強度の分散値を求めて密集度の指標とすることを特徴とする。
【0021】
このように、周辺基地局の受信強度の平均値や分散値を求めて密集度の指標とすることにより密集度を的確に把握できる。しかも定量化した形で把握できるので、基準強度の補正演算において密集度を反映させるのに有利である。
【0022】
また請求項6記載の発明は、請求項1ないし5記載の移動通信端末において、前記第2の基準強度設定手段は、あらかじめ設定された前記密集度の指標および基準強度の補正量の変換情報を有する変換情報格納手段と、この変換情報を用いて前記密集度の指標の値を基準強度の補正量に変換する補正量演算手段とを備えたことを特徴とする。変換情報は、相関テーブルの形式や変換式をとることができる。
【0023】
このように、周辺基地局の受信強度の平均値や分散値から補正量を定めて基準強度を補正し第2の基準強度を定めるので、周辺基地局の密集度を反映して基地局の接続切替処理を柔軟に実行できる利点がある。
【0024】
すなわち、密集度が高い場合、密集度の高さに従って基地局の接続切替の活発化の度合いを高めることが可能となる。一方、接続可能な周辺基地局が存在しない場合、密集度の低さから現在の基地局の接続を継続する必要性を判断して当該接続を維持するように制御できる利点がある。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、移動通信端末は基地局の密集度を取得することにより、より通信環境が良い基地局と通信が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次にこの発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0027】
図1は、この発明の実施形態に係る携帯電話機のハードウエア構成の概略を示すブロック図である。同図に示すように携帯電話機1において、制御部2は記憶部3に記述されたプログラムに従って携帯電話機1の主制御を行う回路であり、メインCPU(中央処理装置)やローカルCPU、ベースバンド回路、DSP(デジタル信号処理回路)等から構成される。記憶部3は、制御部2のメインメモリ等を構成するものであり、上記のプログラムの他、保持レベル補正量格納テーブル(後述する)その他制御部2の動作に必要な各種データを格納している。
【0028】
送受信回路部4は、制御部2の制御によって送受信処理を実行する回路であり、この送受信回路部4にアンテナ5が接続されている。携帯電話機1は、入出力手段として操作キー6や画面表示部7の他、表示手段としてLED8やバイブレータ9などを備えている。音声処理部10は音声信号の増幅処理を行う回路であり、スピーカ11およびマイク12に接続されている。
【0029】
制御部2は、操作キー6や送受信回路部4から入力される制御指示に基づいて音声通信における呼処理を行うと共に、電子メールの送受信処理などを行う。
【0030】
かかる構成において携帯電話機1は、待ち受け状態において基地局のモニタを行う。図2は、この種の携帯電話機が実行する基地局の従来のモニタ手順を示すフローチャートである。
【0031】
図2に示すように従来のモニタ手順において携帯電話機は、現在接続している基地局との通信をモニタしており、位置登録時、着呼時、発呼時、切断時等、所定の場合あるいは現基地局の制御回線の信号強度があらかじめ設定された基準レベルより低下した場合に周辺の基地局モニタを開始する(S11)。
【0032】
携帯電話機は、現在接続中の基地局以外の近接する基地局のモニタを行い、各基地局のRSSI値を取得する(ステップS12)。基地局は、近接する基地局間でそれぞれタイミングをずらし、制御チャネルにより携帯電話機に情報を送信している。携帯電話機は、受信する全ての基地局の情報(CSID(基地局識別情報)やRSSI値など)を得て認識し、認識した基地局の中から自動的にたとえばRSSI値の高い順など所定の条件でソートをかけ、携帯電話機の仕様に依存するがたとえば10〜16局ほどに絞ってモニタの対象とする。
【0033】
これにより、最適な基地局を候補基地局に選択しておき、現在接続中の基地局のRSSI値が待ち受け保持レベルを下回ったときに候補基地局に接続を切り替える(ステップS13)。 この後、切り替えた基地局から受信する制御チャネルの信号強度をモニタしつつ、待ち受け動作を続行する(ステップS14)。
【0034】
図3は、この発明の実施形態に係る携帯電話機が実行する基地局のモニタ手順を示すフローチャートである。同図に示すように、この実施形態によるモニタ手順では、従来の処理手順にステップS21とステップS22の処理を新たに追加している。
【0035】
ステップS21おいて、周辺の基地局から取得したRSSI値に基づいて基地局の密集度を判定する。そしてステップS22において、周辺基地局の密集度の判定結果を参照し、基地局から通知された待ち受け保持レベル(第1の待ち受け保持レベル)とは別に、携帯電話機独自の待ち受け保持レベル(第2の待ち受け保持レベル)を設定する。そしてステップS13において、状況により第1および第2の待ち受け保持レベルを適宜使い分けて基地局の選択を行うこととする。
【0036】
ここで周辺基地局の密集度の判定にあたっては、統計的な解析手法により密集度を判定する形態をとることができる。すなわちステップS21において、周辺基地局の密集度を統計的な演算により評価する。さらにステップS22において、密集度の評価結果を用いて第1の待ち受け保持レベルを補正することにより、第2の待ち受け保持レベルを設定する。
【0037】
また、たとえばRSSI値にしきい値を設定し、しきい値を上回るRSSI値の基地局の数によって密集度の高低を評価する形態をとることもできる。この場合、ステップS22では、たとえば密集度が「高」の場合、第1の待ち受け保持レベルより大きい値(あらかじめ与えられている固定値)を選択して第2の待ち受け保持レベルを設定し、また密集度が「低」の場合、第1の待ち受け保持レベルより小さい値(あらかじめ与えられている固定値)を選択して第2の待ち受け保持レベルを設定する手法をとることができる。このような形態をとれば処理を簡素化できる利点がある。
【0038】
このようにして周囲基地局の密集度に応じて第2の待ち受け保持レベルを設定することにより、携帯電話機は周囲の環境に応じて柔軟に基地局の選択を行うことが可能となる。たとえば基地局の密集度が高い地域では、第2の待ち受け保持レベルが高くなるようにして他の基地局への切替を活発化し、より好適な基地局に接続を切り替えて高品質な通信を維持することができる。
【0039】
逆に周囲基地局の密集度が低く他に通信可能な基地局がないところでは、第2の待ち受け保持レベルが低くなるようにして現在の基地局との接続の継続を許容することにより、待ち受け動作を維持するようにする。前述のように基地局から通知される第1の待ち受け保持レベルは、通信不可能となるレベルに十分な安全マージンをもった値であるので、第1の待ち受け保持レベルよりRSSI値が下がっても待ち受け動作を維持することによって通信可能となるエリアが拡大する。
【0040】
ここで、この実施形態において追加された処理を、具体例を挙げてさらに詳細に説明する。
【0041】
図4は、携帯電話機がRSSI値を取得する例を示す説明図である。同図は、中央に位置する携帯電話機1が、9つの基地局31〜39のRSSI値をモニタできる例を示している。このとき携帯電話機1は、各基地局31〜39から図中に示すRSSI値を得たとする。すなわち基地局31からは40dBuV、基地局32からは35dBuV、・・・・、基地局39からは35dBuVのRSSI値を得たとする。
【0042】
以上のRSSI値を統計的に処理して密集度の指標となるパラメータを算出する。ここでは、周辺基地局の受信強度の平均値と分散値を求めて上記の指標とする形態を例示する。
【0043】
まず基地局の数を「n=9」として、RSSI値の平均値および分散値を求める。
【0044】
【数1】

【0045】
ただしxは基地局31〜39のRSSI値である。
【0046】
図4に示す例では、平均値(31dBuV)および分散値(23.3)が求まる。
【0047】
ここで平均値および分散値を保持レベルの補正量に変換するための相関テーブルがあらかじめ設定されてるものとする。この相関テーブルは携帯電話機1の記憶部3(図1参照)に格納されている。
【0048】
図5は、この相関テーブルの一例を示す図表である。この相関テーブルを使用すると、平均値(31dBuV)および分散値(23.3)から補正量(−1.6dBuV)が求まる。つまり基地局の密集度が低い為、待ち受け保持レベルを1.6dBuVだけ下げる必要があることがわかる。
【0049】
なお相関テーブルの代わりに、たとえば平均値および補正量の関数式と、分散値および補正量の関数式をあらかじめ設定しておき、各関数式を用いて補正量を求める形態も考えられる。
【0050】
図6は、この実施形態における基地局の接続切替動作を説明するためのグラフであり、縦軸が基地局のRSSI値、横軸が距離を示す。
同図に示すように基地局CS1から取得した第1の待ち受け保持レベルが(26dBuV)であったとすると、上記の補正量(−1.6dBuV)を加算して(24.4dBuV)と補正し、第2の待ち受け保持レベルに設定する。
【0051】
この補正の結果、従来は基地局CS1のRSSI値がa点に低下したときに基地局の接続切替を行っていたのに対し、この実施形態ではb点に低下するまで基地局CS1との接続を維持できるようになる。このようして、従来は通話可能であるのに圏外とされていたエリアでも通話が可能となり、実質的に通話可能エリアが拡大する。
【0052】
また複数の制御チャネルを有する基地局の場合、各チャネルを論理的な基地局として扱い、上記の処理を行う形態をとることもできる。
【0053】
また、上記の実施形態では携帯電話機を例に挙げて説明したが、その他にモバイル端末やPDA(Personal Digital Assistance)等、移動通信端末一般においてこの発明は適用可能である。
【0054】
以上、この発明の一実施形態に係る携帯電話機について説明したが、この発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の実施形態に係る携帯電話機のハードウエア構成の概略を示すブロック図である。
【図2】この種の携帯電話機が実行する基地局の従来のモニタ手順を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施形態に係る携帯電話機が実行する基地局のモニタ手順を示すフローチャートである。
【図4】携帯電話機がRSSI値を取得する例を示す説明図である。
【図5】この発明の実施形態に係る携帯電話機の記憶部に格納される相関テーブルの一例を示す図表である。
【図6】この発明の実施形態に係る携帯電話機における基地局の接続切替動作を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
【0056】
1…携帯電話機
2…制御部
3…記憶部
4…送受信回路部
5…アンテナ
6…操作キー
7…画面表示部
8…LED
9…バイブレータ
10…音声処理部
11…スピーカ
12…マイク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続中の基地局から通知される基準強度を取得する基準強度取得手段と、周辺基地局の受信強度を取得する周辺基地局受信強度監視手段と、取得した周辺基地局の受信強度から候補基地局を選定する候補基地局選定手段と、前記接続中の基地局の信号強度と前記基準強度を比較して基地局接続切替の要否を判定する切替要否判定手段と、前記周辺基地局の受信強度から周辺基地局の密集度を判定する密集度判定手段と、判定された密集度に正相関して基準強度を補正することにより第2の基準強度を設定する第2の基準強度設定手段とを備えた移動通信端末であって、前記切替要否判定手段は、密集度が高い場合に前記基準強度の代わりに第2の基準強度を用いて基地局接続切替の要否を判定するものであることを特徴とする移動通信端末。
【請求項2】
接続中の基地局から通知される基準強度を取得する基準強度取得手段と、周辺基地局の受信強度を取得する周辺基地局受信強度監視手段と、取得した周辺基地局の受信強度から候補基地局を選定する候補基地局選定手段と、前記接続中の基地局の信号強度と前記基準強度を比較して基地局接続切替の要否を判定する切替要否判定手段と、前記周辺基地局の受信強度から周辺基地局の密集度を判定する密集度判定手段と、判定された密集度に正相関して基準強度を補正することにより第2の基準強度を設定する第2の基準強度設定手段とを備えた移動通信端末であって、前記切替要否判定手段は、接続可能な周辺基地局が存在しない場合に前記基準強度の代わりに第2の基準強度を用いて基地局接続切替の要否を判定するものであることを特徴とする移動通信端末。
【請求項3】
前記密集度判定手段は、所定受信強度の周辺基地局が所定数以上存在する場合に密集度が高いと判定することを特徴とする請求項1または2記載の移動通信端末。
【請求項4】
前記密集度判定手段は、周辺基地局の受信強度の平均値を求めて密集度の指標とすることを特徴とする請求項1ないし3記載の移動通信端末。
【請求項5】
前記密集度判定手段は、周辺基地局の受信強度の分散値を求めて密集度の指標とすることを特徴とする請求項1ないし4記載の移動通信端末。
【請求項6】
前記第2の基準強度設定手段は、あらかじめ設定された前記密集度の指標および基準強度の補正量の変換情報を有する変換情報格納手段と、この変換情報を用いて前記密集度の指標の値を基準強度の補正量に変換する補正量演算手段とを備えたことを特徴とする請求項4または5記載の移動通信端末。
【請求項7】
接続中の基地局から通知される基準強度を取得するステップと、周辺基地局の受信強度を取得するステップと、取得した周辺基地局の受信強度から候補基地局を選定するステップと、前記接続中の基地局の信号強度と前記基準強度を比較して基地局接続切替の要否を判定するステップと、前記周辺基地局の受信強度から周辺基地局の密集度を判定するステップと、判定された密集度に正相関して基準強度を補正することにより第2の基準強度を設定するステップを含み、前記判定された密集度が高い場合に前記基準強度の代わりに第2の基準強度を用いて基地局接続切替の要否を判定するステップを含む移動通信端末の基地局接続先の切替判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−101342(P2006−101342A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−286769(P2004−286769)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】