稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性遺伝子CYP81A6
本発明により、単離された水稲内在性のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性遺伝子(遺伝子CYP81A6)、その機能保存変体、機能の同等の生物活性断片または誘導体が提供される。さらにハイブリッド種子生産過程での自家交配混雑を避ける方法、部位特異的遺伝操作の新たな方法及び植物の性質の改良する新たな方法が提供される。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
技術分野
本発明は、遺伝子工学の技術分野に属するものである。より詳しくは、本発明は、稲の中のベンタゾン(Bentazon)及びスルホニルウレア系(sulfonylurea)除草剤に耐性のある遺伝子の正確なマッピング、単離、及びクローニングに関する。さらに本発明は、前記の除草剤耐性遺伝子の助けを借りて他の重要な農学上の性質に関する遺伝子に対して部位特異的突然変異を行って、稲などの作物の重要な農学上の性質に対する改良、ハイブリッド種子を作る場合の自家交配混雑の回避及び部位(座位)特異的な遺伝子の操作などへの応用にも関する。
【0002】
背景技術
稲の雑種強勢を利用して、中国はハイブリット・イネの研究に成功して、稲の生産高を大幅に高めさせている。中国のは核細胞質相互作用雄性不稔(Nuclear Male Sterile)の三系法(Three-line-method)に基づく雑種強勢の利用の成功に続いて、大規模な二系法(Two-line-method)ハイブリット・イネの研究、開発及び普及を進めている。二系法の稲のハイブリッド種子は、光・温度感応性雄性不稔系統の育種(Breeding of PTGMS-Line)により生産されるものであるが、光・温度感応性雄性不稔系統の稔性は、環境温度の影響を受け易く、夏の異常低温が光・温度感応性雄性不稔系統の稔性を回復させることがある。これにより、二系法でハイブリッド種子の生産が低温に遭うと、収穫する種子が真のハイブリッド種子に偽のハイブリッド種子(即ち不稔系統の自家交配で実る種)が混じるという潜在的なリスクが存在している。一旦、このような母本の自家交配の混雑がおこると、これを有効に除去できなければ、種子生産または大面積での生産に重大な損失が引き起こされる。広西では1989年、湖南では1999年に、すべてこのような原因により大きな損失に見舞われた。
【0003】
資料によれば、稲のハイブリッド種の純度が1パーセント下がるごとに、大面積での生産ではヘクタールごとに生産高が75kg減少する。このため、「稲のハイブリッド種子の純度を98%以上に達すること」との、中国農業部による種子規格が規定されている。光・温度感応性雄性不稔系統の種子生産で生産される二系法稲のハイブリッド種子に混雑の問題が存在しているだけでなく、修飾遺伝子が関与する核の主要遺伝子による不稔、薬剤及び施薬条件に影響される人工化学品による除雄不稔、核内の温度感応性遺伝子に影響される核細胞質相互作用雄性不稔、及び人工培養の非整倍体雄性不稔などの不完全雄性不稔系統で種子を培養する場合も、すべて、生産されるハイブリッド種子に母本自家交配の種子が混雑することがある。その自家交配混雑を排除して、作物の雑種強勢の利用の普及によってより信頼できる基礎を確立するために、様々な試みがなされてきた。耐除草剤の特性が現代作物の育種に広く応用されている現状に鑑み、野生型の稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に対して耐性のある特徴を利用して、上記のハイブリッド稲の育種の過程にある種の混雑の問題を解決するように努力している研究者も少なくない。
【0004】
野生型の稲に適用されている選択性の除草剤は主に二種類ある。一つはベンタゾンのような、ベンゾチアジアゾール(benzothiadiazole)類の除草剤である。これは、有効成分が作物の根、葉を通じて吸収され、豆科以外の大多数の双子葉植物及びカヤツリグサ科の雑草に対する除去作用がある一方で、イネ科植物に無害である。ベンタゾンの除草原理は植物の光合成の中のヒル反応(Hill reaction)に対する抑制である。これまでのところ、植物からベンタゾンのような除草剤に耐性のある内在性遺伝子はまだクローニングされていない。もう一つは、DuPont社により開発された、スルホニルウレア系除草剤類であり、選択性が高く、適用範囲の広く、毒性が低く、内部吸収型であるという特徴のある、新しいカテゴリーの超高効果除草剤である。この内、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、トリベヌロンメチル(Tribenuron-methyl)及びその複合剤型は、中国の稲田の除草に最も広く応用されている除草剤である。スルホニルウレア系除草剤は最大の特徴が高い活性にあり、普通の場合、使用剤量が5〜100g/ヘクタールである。スルホニルウレア系除草剤はアセトラクテート合成酵素(ALS)抑制剤であり、多くの一年生または多年生の雑草、特に広葉の雑草に特効を持っていて、稲、小麦、大豆、トウモロコシ、アブラナ(耐エタメツルフロンメチル)、平らな草地及びその他の非耕地の雑草に広く用いられている。DuPont社は複数のスルホニルウレアに耐性のある遺伝子を開発した。一つはタバコ耐性変異体からクローニングされた耐スルホニルウレア遺伝子SURB−Hraである。当遺伝子はタバコALS遺伝子の変異に基いて形成する耐性であり、すでに綿花、大豆など多種の作物に応用されている(US5013659,US5084086,US5141870,US5378824,US5605011)。他のの耐スルホニルウレア遺伝子は土壌細菌からの遺伝子P450 su1であり、スルホニルウレアの代謝を速めて無毒にしてその耐性を実現させるものである。DuPont社は遺伝子P450及びその応用について深く研究した。関連の情報はUS5349127などを参照のこと。日本の日産化学株式会社は特許出願WO9708327において、双子葉の広葉植物のホウキギ(Kochia scoparia)のcDNAから単離されて、形質転換された植物の株をスルホニルウレアに耐えさせる機能を持っているアセトラクテート合成酵素(ALS)の遺伝子を公開した。
【0005】
現在、除草剤耐性の作物の開発方法は主に二種類ある。一つは伝統的な物理化学的な突然変異生成を通じて、耐除草剤の作物の変異体を得る方法であり、もう一つはDNA組換え技術により耐除草剤の遺伝子を現有の種に導入して、耐除草剤の新しい素材を創造する方法である。この内、後者は最も広く応用されているものである。現在、作物の除草剤耐性を高めるために、組換えDNA技術を用いる二種類の方策がある。一つは除草剤の作用を修飾するターゲットタンパク(herbicide target protein)を導入して、除草剤に対して耐性にさせ、または、植物が除草剤を吸収してから正常に代謝できるように、それを過量発現させるものである。もう一つは新たな酵素または酵素システムを導入して、除草剤が働く前にそれを分解したり、解毒したりするものである。例えば、遺伝子P450など(Wang Guanlin & Fang Hongjun、1998)である。
【0006】
野生型稲は天然的にベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に対して耐性を持っている。日本の学者のMori氏及び湖北省農業科学院張集文氏などは相次ぎ、ガンマ線照射技術により、稲のベンタゾン感応性致死変異体である、農林8号M(Mori,1984)及び8077S(張集文氏、武暁智氏、1999)を得た。張集文氏らはさらに、ベンタゾン除草剤に対して感応性である隠性遺伝子の部位(site)で母本不稔系統を表示する除雑保純技術システム(張集文氏ら、2001)も開発した。ハイブリッド稲特に二系ハイブリッド稲の種の純度安全の保障体系の中のこんな種質資源の重要な応用により、8077Sの携帯している変異部位で表示する二系不稔系統を利用すると、最大の限度で二系ハイブリッド稲の種子生産のリスクを下げ、ハイブリッド種子の純度を保証できるので、育種の専門家及び種子企業に高度に重視されている。但し、その除雑保純技術システムは種子生産の後に除雑を行うものであるから、効果がいいであっても、販売の前に、その純度の低い種が国家の規定する種子の純度の規格と衝突するので、種子の管理機関に承認され難い。したがって、新たな除雑保純技術システムが必要となる。但し、多年以来、当性質の制御遺伝子がずっと正確にマッピングまたは単離クローンを行われていないので、当性質に対する遺伝操作及びさらにの利用ができない。これはこの分野の大きな技術障害となった。
【0007】
上述の状況に鑑み、本発明者らは研究を通じて、稲の現有の二つのベンタゾン感応性致死変異体を材料にして、その変異の遺伝子部位に対する精細なマッピングを行って、それにその野生型同部位の遺伝子をクローニングした。同時に、それに基いて有用の方法及び技術を開発した。例えば、植物化学での補充殺雄の温度感応性の不稔系統の創造方法、遺伝子グループの二部位または多(複数)部位の部位特異的な遺伝子の共修飾による遺伝子操作技術、植物遺伝子の生物学機能の新たな調査方法及び植物の性質改良の新たな方法。それにより、ハイブリッド稲の育種の過程にある除雑保純の問題を解決しただけでなく、遺伝子の生物学機能の研究及び生物性質の改良に極めて応用前途を持っている実用的な方法を提供している。
【発明の概要】
【0008】
本発明は目的が下記の通りである:
− 単離された稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に耐える内在性遺伝子(以下「遺伝子CYP81A6」と称する)、その機能保存変体、機能の同等な生物活性の断片または誘導体を提供すること。
− 上述の単離された稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に耐える内在性遺伝子のcDNA配列、その機能保存変体、機能の同等の生物活性の断片または誘導体を提供すること。
− ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の感応性遺伝子を提供すること。
− 遺伝子CYP81A6、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の感応性遺伝子または両方を含む機能同等物を含む組換えベクターを提供すること。
− 遺伝子CYP81A6、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の感応性遺伝子または両方を含む機能同等物によりコードされたポリペプチドを提供すること。
− 遺伝子CYP81A6、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の感応性遺伝子または両方を含む機能同等物または遺伝子CYP81A6または両方を含む機能同等物によりコードされたポリペプチドの遺伝子工学的な細胞を提供すること。
− ハイブリッド稲のハイブリッド種子生産の時にある自家交配混雑の防止方法を提供すること。
− 新たな部位特異的な遺伝子操作方法を提供すること。
− 植物の性質の改良する新たな方法を提供すること。
【発明の具体的説明】
【0009】
本発明の上述の目的および特徴は下記の具体的な説明により明らかにされるであろう。
【0010】
本発明者らはまず、変異体8077S及び農林8号mにあるベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の感応性遺伝子に対する精細なマッピングを行い、それに野生型の栽培稲からベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に耐える遺伝子CYP81A6及び当遺伝子に対する調整及び制御を行うプロモーターのDNA断片を単離して、当遺伝子で大豆以外の大多数の双子葉植物及びカヤツリグサ科雑草植物のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に耐える特性を改良できる。
【0011】
本発明により提供されるベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の耐性遺伝子は、下記の(1)〜(5)からなる群より選択される何れかのヌクレオチド配列を含んでなる:
(1) 配列番号1に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(2) 配列番号1の配列の第1949位から第4216位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(3) 配列番号2に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(4) 配列番号2の塩基の第54位から第1595位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(5) 配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうる、ヌクレオチド配列。
【0012】
前記の単離された稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性の内在性遺伝子は好ましくは配列番号1に示すヌクレオチド配列であり、前記の単離された稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性の内在性遺伝子のcDNAは好ましくは、配列番号2に示すヌクレオチド配列である。
【0013】
本発明により提供されるベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性遺伝子によりコードされてなるポリペプチドは、下記の(1)〜(5)からなる群より選択される何れかのヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列のポリペプチドを含んでなる:
(1) 配列番号1に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(2) 配列番号1の配列の第1949位から第4216位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(3) 配列番号2に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(4) 配列番号2の塩基の第54位から第1595位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(5) 配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうる、ヌクレオチド配列。
【0014】
この内、好ましい具体例は配列番号3に示すアミノ酸配列である。
【0015】
本発明は、生細胞内において遺伝子グループの二つまたは複数の部位におけるターゲット配列に対して、同時に部位特異的な共修飾を行う遺伝操作方法であって、
第一の修飾ターゲットとして、修飾後の選別マーカーとして機能し得るヌクレオチド配列を使用し、付加修飾ターゲットとして、生細胞のターゲット内在性遺伝子のキー塩基対を使用し、
異なる修飾ターゲット配列に向けて設計された二または複数のRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチド分子(RCOs)を、パーティクルガン介在共導入技術によって、ターゲット受容細胞に共導入して、前記二または複数のターゲット部位に対して同時に部位特異的な修飾または変異を行い、
更に選別マーカーとするヌクレオチド配列の修飾表型(選別可能の表型)を利用してターゲット内在性遺伝子の修復または変異の後の遺伝子の型に対して関係の選択を行うこと
を特徴とする方法を提供する。
【0016】
上述の遺伝操作方法の中に、選別マーカーにするヌクレオチド配列は変異または未変異の耐性(感応性)除草剤の遺伝子、耐抗生物質の遺伝子、生物または化学の発光遺伝子及び酵素遺伝子などを含むがそれに限られず、当業者は公知の知識により自由に選択してもいい。その中、除草剤耐性/感応性遺伝子、特に配列番号1または配列番号2のあるヌクレオチド配列またはその機能と同等の断片または誘導体、配列番号1に示すヌクレオチド配列の中の第2455位塩基Cまたは第4006位塩基Gの欠けているヌクレオチド配列、配列番号2に示すヌクレオチド配列の中の第560位の塩基Cまたは第1385位塩基Gの欠けているヌクレオチド配列を優先して選ぶ。
【0017】
現在の研究によれば、単離及びクローニングの行われた耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子はシトクロムP450タンパクをコードしており、これは国際標準分類及び命名システムで正式に「CYP81A6」(http:// drnelson. utmen.edu/cytochromep450. html)と名称を付けられいる。このタンパク質は、一般のタンパクP450の保存領域を含み、そのアミノ酸配列は配列番号3の通りである。現在、タバコのCYP71A11及びCYP81B2(Yamadaら、2000)、大豆のCYP71A10(Siminszky氏ら、1999)、高粱のCYP73A1(Pierrel氏ら、1994)及びCYP76B1(Didierjean氏ら、2002)及びhlaspi arvensae のCYP71B1(Lamb氏ら、1998)のように、種々の除草剤耐性遺伝子P450が植物からクローニングされているが、それらの遺伝子P450と遺伝子CYP81A6との間の同一性はすべて40%未満であり、それにベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤を分解できない。これらの結果から、遺伝子CYP81A6は新たな耐除草剤の遺伝子P450である。したがって、本発明はこの遺伝子と遺伝子自身のプロモーターまたは他の組成型または特異プロモーターとの連接を利用して、豆科以外の大多数の広葉植物またはカヤツリグサ科の雑草に導入して、新たな耐除草剤の植物系統を開発することに関連する。
【0018】
本発明に示すDNA断片の発現は構成的発現であるので、当遺伝子のアンチセンスRNAまたはRNAiと葯組織の特異発現のOsg6B及びRA39などのような特異発現プロモーターとの連結を利用して、稲などの温度感応性の不稔系統に導入して、当遺伝子をその葯で発現できないようにして、スルホニルウレア系除草剤を利用して花粉を殺し、新たな化学的に補充し除雄した温度感応性雄性不稔系統を作製する。
【0019】
他に、本発明で鑑定されているベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に対して感応性する二つのCYP81A6一塩基の変異部位の欠失が遺伝子の部位特異的突然変異に利用できる修飾ターゲットを提供している。故に、RCOs分子の部位特異的修復の変異体の中の遺伝子cyp81A6を利用して、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に対して耐性を修復体に与えて、選別の目的に適合する。この変異遺伝子の助けを借りて、異なるターゲットに向けるRCOs分子に対する設計及び導入を二種またはそれ以上に行ってもいい。その中、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に対するその耐性を回復して選別のマーカーとするように、一種の分子は遺伝子cyp81A6の単ヌクレオチドの欠失変異の部位特異的修復に用いられ、農学上の性質の改良された所望の新たな品種もしくは系統を得るように、もう一種または多種の分子は内在性遺伝子に対する部位特異的突然変異に用いられて、次に、変異体と野生型との間に表示している表型または生理生化型の差異により、その確実な生物学機能を推定し、または目的遺伝子の変異体に対する純系の選育を行う。外に、その他の遺伝子の部位の選択可能性の修飾表型または共に外来選択可能性の遺伝子に対する導入を通じてターゲット遺伝子の変異体に対する関連性選択を行ってもいい。
【0020】
さらに、この技術またはその他のDNA相同組換え技術または物理化学的突然変異生成技術を利用して遺伝子CYP81A6に対する部位特異的またはランダムの変異を行って、この遺伝子の機能を変えて、除雑保純に用いられる新たなベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の感応性変異体を作製してもいい。外に、クローンされる野生型の同等の遺伝子は遺伝形質転換を行われてから豆科以外の大多数の広葉植物またはカヤツリグサ科の雑草にベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に耐える特性を与えられる。
【0021】
CYP81A6のコード配列は異なる種の植物に広く保存しているので、稲の遺伝子CYP81A6及びその誘導配列の約8つまたはもっと多くのヌクレオチドのプライマー及びプローブをイネ科の中の他の属種の相同遺伝子の単離及びクローンに利用する。上述の方法で稲のCYP81A6と高度に相同する遺伝子をクローンできる。この配列を適するベクターにつないで、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に感応性である植物細胞を導入して、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に耐える遺伝子組み換え植物を創造する。
【0022】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される下記用語の意義は当業者のよく知られており、常用されているのものである。ここにその中の一部の用語について例をあげて簡明に説明する。
【0023】
本明細書において「ヌクレオチド配列」とは、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド及びポリヌクレオチド並びにその断片または部分のことであり、ゲノムであってもまたは合成のDNAまたはRNAであってもよく、一本鎖でも二本鎖であってもよく、センス鎖またはアンチセンス鎖を表してもよい。
【0024】
「機能同等の断片」、「機能同等の生物活性断片」とは単離されたDNAの断片の一部または亜配列である。その中、これらの断片または亜配列が活性タンパク質にコードを付けているか付けていないかにかかわらず、すべて遺伝子の発現を変えたり、一定の耐除草剤を生じたりする能力を保留している。例として、上述の断片はキメラ遺伝子の設計またはアンチセンス抑制などに用いられる。「機能同等の誘導体」、「機能保存変体」とは単離されたDNAの断片の配列の全部、または一部である。この内、これらの断片が活性タンパク質にコードを付けているか付けていないかにかかわらず、すべて遺伝子の発現を変えたり、一定の耐除草剤を生じたりする能力を保留していて、それにキメラ遺伝子の設計またはアンチセンス抑制などに用いられる。
【0025】
「変体」とは、一つまたは複数のアミノ酸残基または核酸塩基の変更のあるアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列をいう。ここで言う「変更」とは、アミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列中のアミノ酸またはヌクレオチド塩基の欠失、挿入または置換などを含む。本発明でいう「変体」は保存的変更を有しており、変更されたアミノ酸は元のアミノ酸と構造上もしくは化学的性質上類似している。このポリヌクレオチドの変体は天然発生または非天然発生の変体であってもいい。これらのヌクレオチド変体は、置換体、欠失体、及び挿入体を含む。当該技術分野において知られているように、等位変体はポリヌクレオチドの取替形式であり、一つまたは複数のヌクレオチドの置換、欠失及び挿入であることがあるが、実質にそのコードされたポリペプチドの機能を変えることがない。
【0026】
「アミノ酸配列」とはオリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質配列及びその断片または一部のことである。本発明に関連する「ポリペプチド」または「タンパク質」はいわゆるポリペプチドまたはタンパク質分子の完全な天然アミノ酸配列に限らない。
【0027】
「相同性」とは、二種または多種のアミノ酸またはヌクレオチド配列の比べの中に配列の同じまたは類似のパーセントのことであり、相同性方法の測定に用いられ、例として、プログラムMEGALIGN(Lasergene software package,DNASTAR, Inc.,Madison Wis.)を採用することにより測定することができる。プログラムMEGALIGNはCluster法(Higgins, D.G. 及びP.M.Sharp (1988)Gene 73:237-244)などの異なる方法により二またはそれ以上の配列間を比べてもいいし、Cluster法及びJotun Heinのような当該技術分野において公知の方法により核酸配列の間の相同性(Hein J., (1990) Methods in emzumology 183:625-645)を測定してもよい。
【0028】
「ストリンジェントな条件」とは、(1)低いイオン強度及び高い温度に行うハイブリッド及び洗浄のことであり、例として、0.2×SSC,0.1% SDS,60℃、または、(2)ハイブリッドの場合に変性剤を加えることであり、例として、50%(v/v)のホルムアミド、0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%Ficoll, 42℃など、または、(3)二つの配列の間の相同性が少なくとも95%以上にあり、最適化選択97%以上の場合しかハイブリッドを実施しなく、それに、ハイブリッド実施可能のポリヌクレオチドのコーディングのポリペプチドと配列番号1に示すヌクレオチドのコーディングのポリペプチドとが同じ生物学機能を持っている。
【0029】
「ベクター」とは、当該技術分野においてよく知られている細菌プラスミド、バクテリオファージ、酵母プラスミド及び植物細胞ウイルスなどのことである。本発明に適用するベクターはアグロバクテリウムベクター、大腸菌プラスミドベクター及びウイルスベクターなどを含む。まとめて言うと、宿主の体内に複製及び安定な遺伝を実施さえすれば、いかなるプラスミド及びベクターも本発明の組換え発現ベクターを構成できる。
【0030】
「宿主細胞」とは、本発明のヌクレオチド配列を導入でき、または本発明のヌクレオチド配列の組換えベクターを含む、遺伝子工学的宿主細胞のことをいい、例えば、十字花科植物(musttard)、ナス科植物(solanaceae)、カヤツリグサ科植物(cyperaceae)、旋花科植物(convolvulaceae)、アオイ科植物(malvaceae)、及び亜麻科植物(linaceae)の細胞などが挙げられる。
【0031】
「スルホニルウレア系除草剤」は、効果が非常に高く、適用範囲が広く、毒性が低く、選択性の高い除草剤のカテゴリーであり、生物活性が伝統的な除草剤の100〜1000倍を超え、植物の根、茎及び葉に吸収され、アセトラクテート合成酵素(ALS)に作用して、バリン及びイソロイシンの生物合成を抑制して、タンパク質の合成障害を起こして、感応性植物の成長部の成長を抑制する。本発明の中の遺伝子CYP81A6は耐えるのが表1に示すスルホニルウレア系除草剤を含むが、それに限らない。
【0032】
さらに、本発明の核酸配列または本発明の核酸配列の組換えベクターを含む形質転換宿主細胞は、当業者によく知られている日常的な技術で行ってもいい。宿主が大腸菌のような原核生物である場合、CaCl2法、電気穿孔法などを利用してもいい。宿主が真核細胞である場合、アグロバクテリウム法、粒子衝撃法、DNA転染法、リン酸カルシウム共沈殿法、顕微注射法またはリポソーム包接法などを使用してもいい。
【0033】
【表1】
【0034】
配列番号1: CYP81A6コード遺伝子及びCYP81A6のプロモーターを含む。
配列番号2: CYP81A6遺伝子の全長cDNA配列。
配列番号3: CYP81A6遺伝子によりコードされたアミノ酸配列。
【0035】
次に、具体的な実施例に結び合わせて、本発明について詳細に説明する。当業者が知っているように、これらの実施例は本発明を限定するものではない。通常、下記の実施例において条件及び試験方法について説明されていないものは、Sambrookらの「分子クローン実験ガイド」(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001)に記載されている条件のような公知の手法及びメーカーの説明書により操作される。
【実施例】
【0036】
実施例1: ターゲット遺伝子の精細なマッピング及びクローニング
1. 稲品種8077Sの中のベンタゾン感応性致死遺伝子belの精細なマッピング
1.1 マッピング集団
本実験に使用されるマッピング集団は、F2劣性単株からなる。構成する場合、先ず、遺伝子bel部位を含む低く育成されている64S戻し交配転育系統(「低育成64m」と略す)(野生型の低育成64Sは湖南国家ハイブリッド稲研究及び開発センターより提供)と野生型の93−11回復系統(江蘇里下河地区農科所より提供)とのハイブリッドによりF1を得て、次にF1の自家交配によりF2を計1000株得た。種子を播いてから、苗が3〜4枚の葉まで成長した場合、張集文及び武暁智氏(1999)のベンタゾンの薬塗りの鑑定方法により、濃度1250mg/Lのベンタゾン(江蘇剣ブランド農薬化工有限公司製の25%ベンタゾン水剤)でこのF2群のすべての単株に対して葉を一々に切って(葉先から1cmぐらい切る)、株ごとに3枚の葉に薬を塗った。その後、葉を処理する時のベンタゾン感応性反応により、劣性感応性致死ホモ接合体を231株本実験のマッピング集団に確定した。
【0037】
1.2 DNAの抽出
McCouch氏ら(1988)のCTAB法を応用して、二つの親本93−11、低く育成64m及び231の感応性致死個体からそれぞれ葉総DNAを抽出した。DNAの抽出用試薬は全部上海生工生物工学技術サービス有限公司(以下「上海生工」と略す)から購入した。
【0038】
1.3 SSR分析及び遺伝子belの精細なマッピング
SSR増幅反応の体系は下記の通りである。50ng鋳型DNA、1×PCR反応緩衝液、1.87mM Mg2+、0.2mM dNTP、酵素1.0u rTaq [宝生物工学(大連)有限公司、即ちTakara Biotech、以下「Takara」と略す]及びフォワードおよびリバース プライマー 各0.2μM。反応の総体積:20μl。反応の条件: 95℃ 3分間、次に35の循環(94℃、1分間、60℃、1分間、72℃)を行い、72℃に5分間、最後に、10℃に保存した。3.5%のゲロース糖脂質(上海生工)でPCR産物を単離し、EB(上海生工)で染色を実施し、UVP作像方式(ドイツ)で観察して写真を取った。
【0039】
本発明者らは、先の研究にSSRマーカーで8077Sの中のベンタゾン感応性致死遺伝子を初めに稲の第三染色体の長いアームに位置を決めて、SSR分子のマーカーRM168との遺伝距離が7.1cM(Zhangら、2002)であった。さらに遺伝子belに対する精細なマッピングを行うために、本発明はSSRプライマーサーチソフトウェアのSSRHunter 1.3の助けを借りてRM168から染色体の長いアームの末端までの間のゲノム配列(http://btn.genomics.org.cn/rice)を分析して、SSRマーカーを設計して合成した。例として、7a(フォワードプライマー:5’−GTCAGAGCAAGGTCGGAGAG−3’;リバースプライマー:5’−TCGGTGATCATTGTCATTTG−3’)、3a(フォワードプライマー:5’−TGT TTTCTTTTTCGCTGTGTG−3’;リバースプライマー:5’−GCAAGCCTTTTTGC GTATTC−3’)及び8a(フォワードプライマー:5’−GCTTCCCTCTCCTTCCACTT−3’;リバースプライマー:5’−CTTGTGAGTGAGTGGTGACG−3’)など(プライマー配列はすべて上海生工で合成した)。その中、3a及び7aが同一のBACクローンAC084282にあった。8aで劣性致死グループから検出した四つの単交換の発生した組換え単株を表示し、7aマーカーは感応性致死グループから他の異なる単交換組換え単株を四つ検出した。ベンタゾン感応性致死遺伝子がこの二つのマーカーの間に位置しているとこの結果がさらに証明している。さらに、8aに近い分子マーカー3aで遺伝子belに対する精細なマッピングを行った結果、出てきた単交換組換え単種が一つしかなかったので、ベンタゾン感応性致死遺伝子の位置を3aと7aとの間に決めた。MAPMARKER3.0でbel遺伝子部位の精細なマッピング地図(図1)を作成した。その中、分子マーカー3a及び7aが遺伝子belからの遺伝距離がそれぞれ0.1cM及び0.4cMであった。
【0040】
2. 候補遺伝子の確定及びその単離、クローン
2.1 候補遺伝子の確定及び順序測定、分析
配列の分析によると、分子マーカー3aと7aとの間に推測の遺伝子(putative genes)が18あり、その中、連続して排列しているシトクロム遺伝子P450を4つ(GenBank登録番号がそれぞれAAK63940.1,AAK63920.1,AAK63922.1及びAAK63925.1である)含み、国際標準分類及び命名システムに正式にCYP81A5、CYP81A6、CYP81A7及びCYP81A8と命名された(http://drnelson.utmen. edu/cytochromep450.html)。これまでの研究により、稲の微粒体の中の遺伝子P450がベンタゾンの解毒作用(Haackら、1994)に関与した。それに、Deng及びHatzios(2003)らは稲の苗から分子量約60kDaまで純化されたP450タンパクを単離し、除草剤ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)の分解代謝の過程に非常に重要な役割があることを確認した。故に、ベンタゾンの感応性致死基因が遺伝子P450に関連する可能があると考えて、その四つの遺伝子P450のクラスターを候補遺伝子と確定した。
【0041】
より正確に候補遺伝子を確定するために、私たちは四つの遺伝子P450のゲノム配列によりそれぞれ特異プライマー(表2)を合成し、ハイファイのpyrobest(商標)重合酵素(Takara)を利用して野生型の稲W6154S及び変異体8077Sからそれぞれ候補遺伝子を拡張して、それに直接に配列を測定した(Perkin Elmer AMI 377、上海基康生物技術有限公司、以下「上海基康」と略す)。配列測定の結果に関する分析により、野生型の稲W6154S及び変異体8077SからのCYP81A5、CYP81A7及びCYP81A8などの間にいかなる差異もなく、源泉変異体8077Sのcyp81A6が野生型のW6154Sの中のCYP81A6より一つのG(配列番号1に示す配列の第4006塩基)を欠けている。故に、CYP81A6を唯一の候補遺伝子に確定した。
【0042】
上記の4つの遺伝子に対するPCR増幅及び配列測定に使われたプライマー(配列は上海生工で合成した)は下記の通りであった: CYP81A5:P1−1a及びP1−1b,P1−2a及びP1−2b,P1−3a及びP1−3b;CYP81A6:P2−1a及びP2−1b,P2−2a及びP2−2b,P2−3a及びP2−3b,P2−4a及びP2−4b,P2−5a及びP2−5b,P2−6a及びP2−6b;CYP81A7:P3−1a及びP3−1b,P3−2a及びP3−2b,P3−3a及びP3−3b;CYP81A8:P4−1a及びP4−1b,P4−2a及びP4−2b,P4−3a及びP4−3b。各プライマーの配列は表2の通りである。
【0043】
2.2 ジャポニカ米の稲及びインディカ米の稲の中のベンタゾン感応性致死遺伝子の等位性テスト
早くも1984年の時に、日本の学者のMoriはガンマ線照射誘導技術で農林8号を誘導してベンタゾンに感応性である致死変異体の農林8号m(Mori,1984)を得た。古典的な遺伝学の分析によると、この性質は一対の劣性遺伝子に制御されている。8077Sと農林8号mの中のベンタゾン感応性致死遺伝子と等位であるかどうかを検証するように、私たちは8077Sと農林8号mとのハイブリッドにより、F1ハイブリッド及び一つの800株のF2グループを得た。種をまいてから、苗が生9〜10枚の葉まで出てから、1250mg/L濃度のベンタゾンを8077S、農林8号m及びそれらのF1植株に散布した。一週間の後に、すべての植株が枯れて死亡した(図2)。これにより、二つの変異体の中のベンタゾン感応性致死遺伝子の間の相互の等位が証明された。同時に、800つのF2植株のグループに薬を散布した。その結果、処理されたすべての植株も枯れて死んだ。これはより一歩に二つの変異体の中のべンタゾン感応性致死遺伝子が一対の等位遺伝子であったことを証明した。区別するために、8077S及び農林8号mからのcyp81A6をそれぞれcyp81A6−1及びcyp81A6−2と命名した。
【0044】
遺伝子CYP81A6の特異プライマー(表2)を利用して、ハイファイ重合酵素pyrobest(商標)で野生型稲の農林8号及び変異体の農林8号mからそれぞれCYP81A6及びcyp81A6−2を拡充して、それに直接に配列(Perkin Elmer AMI 377、上海基康)を測定した。その結果によると、変異体農林8号mからのcyp81A6−2は野生型の農林8号の中のCYP81A6より、配列番号1に示す配列の第2455bpの部に一つのCを欠失している。それにより、等位分析の結果がさらに証明された。
【0045】
【表2】
【0046】
2.3 PCR−RFLP分析
配列測定にある可能の誤差を防止するように、私たちはさらにPCR−RFLP分析法を利用して二つの変異体の中のcyp81A6−1及びcyp81A6−2の一塩基の変異部位に対する検査及び検証を行った。実験に、先ず分析ソフトウェアWEBCUTTER 2.0を利用してcyp81A6−1変異部位を含む一つの断片の野生型及び変異型配列に対する対比分析を行い、その変異の前後に変えられたまたは新たに生じた制限酵素の部位(Restriction Enzyme cutting site)を観察した結果、そんな部位を見つけなかった。故に、私たちはプライマー設計を通じてcyp81A6−1変異部位の上位置の付近の二つの異なる塩基G及びAを二つのCに変え、当プライマーを利用して拡充した当変位点を含んだ一断片のDNA配列を人工により新たなBgl I(GCCNNNNNGGC)酵素部位を導入させた。検査の結果により、野生型の稲の品種の中で、その拡充の産物に欠失していない塩基Gが余っているので、Bgl Iに酵素部位点と識別されられなく、当酵素で切ってから長さの251bpしか形成しなかった。けれども、その変異体中に、そのPCR産物が酵素Bgl Iに切られてから24bp及び227bpの二本の帯(図3)が形成できた。さらに当該PCR−RFLPプライマー利用してそれぞれ二つの親本93−11、低育成64m及びそのF2マッピング集団のDNA混合サンプル((46株/部))を5部拡充して、得た拡充産物がPCR産物専用試薬ケース(Takara)で純化されてから、酵素Bgl I(Takara)で切り、すべてのF2混合サンプルのバンドtypeが親本の低育成64mのそれと一致(図4)していたので、CYP81A6−1変異部位に対して人工で導入したBglI−PCR−RFLPマーカーが遺伝子CYP81A6と共に単離されたものと証明した。私たちは当マーカーをDP1(図1)と命名した。
【0047】
変異体cyp81A6−2に対して、同様に、分析ソフトウェアWEBCUTTER 2.0利用して、その野生型及び変異体のDNA配列に対する制限性酵素部位分析を行った。結果によると、当変異体に生じた一塩基欠失変異部位がちょうどNae I(GCCGGC)酵素識別配列にあったので、当酵素に識別されなく、その上位50bpのところ(PCR増幅範囲の内)にあるもう一つのNae I酵素部位が変えられなかった。故に、当酵素でcyp81A6−2の野生型及び変異体のPCR産物に対したPCR−RFLP分析(技術プロセスは図5を参照)の結果によると、野生型の農林8号から得るPCR産物はTakara純化試薬に純化されてから酵素NaeI(Takara)に三本のバンド(21bp、50bp及び151bp)に切られるが、変異体農林8号mから得るPCR産物はTakara純化試薬ケースに純化されてから当部位で酵素NaeIに切られなく、21bp及び200bpの二本のバンド(図5)しか切られる。CYP81A6−1のPCR−RLP分析結果と同様に、変異点に基くNae I−PCR−RFLPマーカーが遺伝子CYP81A6と共に単離されたものであると当結果が証明したので、DP2(図1)と命名した。同時に、それらの結果はさらに前述の配列測定結果を証明した。
【0048】
2.4 候補遺伝子CYP81A6のクローン及びその生物学機能の相互補完の検証
候補遺伝子CYP81A6の全遺伝子配列はTakara社製の酵素LA Taq(商標)及びその試薬ケースを利用して一次性拡充を通じて得たものであり、使用した長い断片のPCRプライマー(フォワードプライマー: 5’−CAAACTTCCAACTTTCCCGTCACCTTCA CT−3’。リバースプライマー:5’−CCGCGGGTCACCGAGCAGAAAGCCC TTCCTCCCAAGTTAGAA−3’、上海生工で合成した)がインディカ米稲の遺伝子グループのデータベース(http://btn.genomics.org.cn/rice)に公布したDNA配列により、それぞれ当遺伝子の5’端の酵素BamHIの部位の前の124bpのところ及びその後の4145bpのところで設計して、それに、生粘性末端の発生、クローン及び連結に便利にするように、3’端のプライマーに酵素BstEIIの部位を加えた。この対のプライマーから拡充した4311bpの断片は長さがそれぞれ124bpのBamHI上流配列、1321bpのプロモーター配列、2321bpの遺伝子引導区にエクソン及びイントロンの加えられた配列、272bpの3’−UTR及びその後の遺伝子288bpグループ配列(その中、制限酵素(restriction endonuclease)7bpBstEIIの識別部位及び保護塩基5bpを含む)を含む。拡充の後に得た断片は先ず用バクテリオファージT4−DNA連結酵素でTAプラスミドベクター(Takara)につないで重複のある配列測定(Perkin Elmer AMI 377、上海基康)分析を行った。後に、エクソンの全部誤りのなく拡充されたクローンを選択して、酵素BamHI及びBstEII(Takara)でそれをTAプラスミドのベクターから切ってから、同じ双酵素で切られた遺伝形質転換ベクターpCAMBIA1301につないだ。次に、正しく断片を挿されたプラスミドを選択して、電子形質転換法でそれをアグロバクテリウムEHA105菌株に導入した。当菌株形質転換遺伝子グループ8077Sで生物学機能の相互補完検証を行い、得た耐性傷ふさがりが50mg/Lのハイグロマイシン(ABI、USA)で3度に選別してから、4.2μΜ/Lのベンスルフロンメチル(Bensulfonyluron- methyl,Sigma)選別(図6)を行い、それにより得た双耐傷ふさがりを含50mg/lのハイグロマイシンの再生培養基に置いて緑苗分化を行い、得た植株がPCR検証を経て、ベンタゾン(1250mg/l)を塗って鑑定した。結果により、すべての形質転換体がべンタゾンに対する耐性(図7にその中の一株の結果を示す)を回復した。私たちのクローンした遺伝子CYP81A6がベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の耐性遺伝子であったとこれらの結果は証明した。
【0049】
2.5 遺伝子の構造上の特徴
遺伝子CYP81A6の構造上の特徴は翻訳開始コドンの前にある53bpの長さ(配列番号1に示す配列の第1896〜1948bp)の5’−UTR、2268bpの長さ(配列番号1示す配列の第1949〜4216bp)のコード領域及び終止コドンの後にある272bpの長さの(配列番号1示す配列の第4217〜4488bp)3’−UTRを含む。当遺伝子のコード領域は二つのエクソンからなり、真ん中に一つのイントロンを隔てている(図8)。二つのエクソンは長さがそれぞれ924bp(配列番号1に示す配列の1949〜2872bp)及び618bp(配列番号1に示す配列の3599〜4216bp)であり、イントロンは長さが726bp(配列番号1に示す配列の第2873〜3598bp)である。
【0050】
当該遺伝子はシトクロムP450タンパク(その配列は配列番号3を参照)をコードし、大多数のP450タンパクの共有する四つの保存域がある。即ち、C末端にあるPhe−x−x−Gly−x−Arg−x−Cys−x−Glyのヘム結合ドメイン(heme-binding domain)、分子の酸化、活発化に重要な作用のあるヘム結合ドメインの上位の150のアミノ酸残基のA1a/Gly−Gly−x−Asp/Glu−Thr−Thr/SerのIヘリックス(I helix)、ヘム結合ドメインとIヘリックスとの間にあるPro−Glu/Asp−Arg/His−Phe/Trpの湾曲(meander)区及びN末端にあるプロリンリッチヒンジ機能域(proline-rich hinge)(Werch- Reichhartら、2000)。実際、ちょうどこれらの保存ドメインの存在により、大多数のシトクロムP450タンパクの保存の三次元構造を維持することができた。
【0051】
実施例2: 稲のWx遺伝子のターゲット変異及び遺伝的改良
栽培稲に広く当遺伝子Wx部位に分布している野生型の等位遺伝子Wxa及びWxbが二つある。その中、Wxaはインディカ米の稲の特徴であり、RNA及びタンパク質レベルでの発現活発性がWxbより10倍強い。その高量発現は高いアミラーゼ(amylase)を起こし、蒸したり、煮たりするご飯が硬くて、緊密ではなく、口当たりがおいしくない。Wxbは主にジャポニカ米の稲にあり、その低量発現がジャポニカ米の稲タイプのミラーゼの含有量を起こし、その米が蒸したり、煮たりされてから柔らかでり、おいしい。研究によれば、Wxa及びWxbの二つの等位遺伝子の発現の活発性にある差異は主に後者のリーダー区イントロンの5’スプライシング部位にG→Tの変異がある(程世軍ら、2001)。当変異はWxb前体mRNAの中のリーダー区イントロンの連結効率の低下を起こし、成熟のmRNA及び遺伝子コーディングのアミラーゼの合成酵素(granule-bound starch synthase,GBSS)の量の減少を起こし、最終にアミラーゼの合成量減少に発現する。
【0052】
Wx遺伝子リーダー領域イントロンの5’スプライシング部位配列及びCYP81A6一塩基欠失変異配列により、それぞれスプライシング部位のG塩基に向けて変異できる変異分子(図9 RCO1)及びcyp81A6−1の一塩基に向けて欠失の部位修復を行う修復子分子(図10 RCO2)を設計した。パーティクルボンバードメント(particle bombardment)でそれをそれぞれ一部分の修復子:三部分の変異子により同時に対の形式で変異体8077Sに導入して、スルホニルウレア系除草剤で一塩基cyp81A6−1の欠失変異の回復体及び遺伝子Wxの共修飾変異体を選別した。それから、設計した特異プライマーを利用して(フォワードプライマー:5’−CTCTCTCACCATTC CTTCAG−3’。リバースプライマー: 5’−AGCCTAACCAAACATAACGA−3’)共修飾変異体のターゲットDNA配列に対するPCR増幅及びAccI(Takara)酵素切りを行い、成功してWx遺伝子真実変異体を得て、大面積の稲田中間試験及び純系選択育成を経て、新たなWx遺伝子の改良系を得た。
【0053】
実施例3: 稲CYP81A5、CYP81A7及びCYP81A8などの未知遺伝子の生物学機能を研究するための二重RCOs分子部位特異的な遺伝子共修飾技術の利用
ジーン・ターゲッティング(gene targeting)修飾技術は理論において具体的なターゲット遺伝子部位に向けて精確に行う。既知のCYP81A5、CYP81A7及びCYP81A8などの遺伝子のコーディングは一類シトクロムP450のモノオキシゲナーゼ(monooxygenase)タンパクであるが、稲P450は厖大な遺伝子ファミリーであり、インディカ米稲だけでは454のメンバーがある。当遺伝子ファミリーはタンパクのレベルに存在する高度に保存しているヘム結合ドメインモティフ(F−X−X−G−X−R−X−C−X−G)であり、特にその中のシスティン(cystine)のコア残基は遺伝子P450の生物学機能の決定に対してきわめて重要であるので、理想的な変異ターゲットとしてもいい。
【0054】
現有の稲P450のデータベース(http://drnelson.utmen.edu/cytochromep 450.html)から、稲CYP81A5、CYP81A7及びCYP81A8などの3つのシトクロムP450酵素のヘムの保存モティフの中のアミノ酸配列がそれぞれFGMG RRRCPGETLA、FGMGRRKCPGETMA及びFGMGRRRCPGEMLAであると調べている。それらのモティフのヌクレオチド配列の情報及びCYP81A6一塩基の欠失変異の情報を利用してそれぞれモティフの中のキー残基システィン(C)コドンまたはその他の塩基に対して変異できる変異子分子(図11 RCO 3及び図12 RCO 4)及びcyp81A6−2の一塩基に向けて欠失部位に対して修復を行う修復分子(図13 RCO 5)を設計した。パーティクルバードメントでそれぞれそれを一部分の修復子:三部分の変異子またはその他の比率により同時に対の形式で農林8号mの変異体に導入し、スルホニルウレア系除草剤でcyp81A6−2一塩基の欠失変異の回復体及び推定のCYP81A5、CYP81A7及びCYP81A8の共修飾変異体を選別してから、特異プライマーを利用してそれらの変異体を推定したターゲットDNA配列に対するPCR増幅及び配列測定検証を行い、得たCYP81A5、CYP81A7及びCYP81A8の共修飾変異体を野生型と比べて、発現の表型または生物化学型の差異によりそれに関連していた生物学機能を推測した。
【0055】
上述の実験ステップに、cyp81A6−2の一塩基の欠失部位に対する修復の目的はその他の遺伝子の変異に選別作用を提供することにある。故に、理論から言うと、一つのサルフォニラリアスルフォニル・ターゲット酵素アセトラクテート合成酵素(ALS)(Okuzaki及びToriyama、2004)のような遺伝子部位は修飾されてから選別可能の特性があるだけで、修飾ターゲットとしてその目的に用いられる。
【0056】
実施例4: 外来発現遺伝子の選別作用及びRCOs分子の修飾機能を助けを借りた、未知の稲P450遺伝子の生物学機能の検討
抗生物質耐性マーカー遺伝子、生物発光もしくは化学発光遺伝子、炭素源代謝キー酵素遺伝子、細菌、動物またはその他の植物からの耐除草剤遺伝子及びGUS遺伝子などのような外来選択マーカー遺伝子は共導入、整合及び発現の方法を通じてRCOs対ターゲット遺伝子の変異に選別作用を提供する。ここにハイグロマイシンリン酸転移酵素遺伝子を例にして説明する。機能未知のP450遺伝子に向けてRCOs分子(図14 RCO6)を一つ設計して、同時にハイグロマイシンリン酸転移酵素遺伝子を(hph)プラスミドベクターに構成して形質転換プラスミドpHPH(図15)を得た。次に公知のパーティクルバードメント(Tu et al、1998)を利用してプラスミドpHPH及びRCOs分子を共に受体の細胞に導入し、ハイグロマイシンリン酸転移酵素遺伝子の整合及び発現の発生したハイグロマイシン耐性を利用してP450遺伝子のRCO修飾変異体を選別した。次に、特異プライマーを利用して当変異体のターゲットDNA配列に対するPCR増幅及び配列測定検証を行い、得た稲P450修飾変異体を野生型のものと比べて、発現していた表型または生物化学型差異によりその関連した生物学機能を推測した。
【0057】
実施例5: 稲の内在性Bel遺伝子に対するアンチセンスRNA断片の抑制効果に対する観察
クローンした稲の耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子のコーディング配列により、そのアンチセンスRNAまたはRNAi配列(配列番号1の第1939位から第2439位までのヌクレオチド配列を参照)を設計して、それをアクチン1のような稲の組成型発現のプロモーターとつなぎで、遺伝形質転換用のアグロバクテリウム二元ベクターpAANTI1(図16)を構成して、アグロバクテリウムに仲介された(Agrobacterium-mediated transformation)標準の形質転換ステップによりそれをMinghui63/Btのような野生型の品系に導入した。続いて、特異プライマーを利用して遺伝子組み換えのT0代の植株に対するPCR分析を行った。その結果により、すべての遺伝子組み換えの植株は対照プラスミドの拡充産物に一致していた断片を発現していて、外来のアンチセンスRNA断片にMinghui63受体の遺伝子グループ(図17)を導入していたと証明した。さらに、ベンタゾンを1250mg/L利用してそれらの遺伝子組み換えの植株の葉(株ごとに3枚の葉)に塗った。36時間の後に、それらの処理された葉は枯れて死んだ(図18)。稲の内在性Bel遺伝子の発現に対するアンチセンスRNA断片の抑制が有効的であったとその結果は証明した。
【0058】
実施例6: 化学的に補充した除雄−温度感応性不稔系統の育成
上述の有効的であったと証明されたアンチセンスRNA断片を稲の下生え及びOsg6BまたはRA39のような花粉特異発現プロモーターにつないでから、遺伝形質転換用のアグロバクテリウム二元ベクターpOANTI1(図19)を構成した。次に、アグロバクテリウムに仲介された標準の双遺伝子の共形質転換ステップによりそれをそれぞれ現在に稲の生産に大面積に利用していた光温度感応性不稔系統の低育成64Sに導入して、それを特異性により温度感応性不稔系統の内在性耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子の下生え細胞及び花粉粒の中での発現を抑制させて、大面積の稲田での中間試験及び純系育成を通じて新たな化学的に補充した除雄−温度感応性不稔系統に転換できる。そんな二系不稔系統がハイブリッド種子生産の過程に真夏の異常な低温に遭って育成可能の花粉が出てくる場合、スルホニルウレア系除草剤でそれを死なせて、防雑保純の目的に達させる。
【0059】
実施例7: 新たな耐除草剤選別マーカーの構成及び応用
耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤のCYP81A6遺伝子の全遺伝子の配列またはそのコーディング配列を35S、Ubi−1、アクチン1等及びnosターミネーター(terminator)などのような組成型の発現プロモーターにつないでから、アグロバクテリウム二元ベクターに構成して、現在常用のハイグロマイシン、カナマイシン耐性遺伝子またはGUS報告遺伝子などを替えた。当耐性遺伝子をベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に感応性である稲8077S細胞に導入して、得た形質転換陽性傷ふさがりがBSMの含んだ培養基で続いて成長できたが(図6左)、対照グループが当培養基で成長を停止し(図6右)、除草剤での耐性または陽性傷ふさがりの目的に達した。
【0060】
実施例8: 耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子組み換え植物の育成
耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤のCYP81A6遺伝子の全遺伝子配列またはそのコーディング配列を35S、Ubi−1、アクチン1等及びnosターミネーターなどのような組成型の発現プロモーターにつないでから、アグロバクテリウム二元ベクターに構成して、直接に形質転換及び選別に用いられ、得た分子分析及び表型鑑定検証の行われた遺伝子組み換え植株は大面積の中間試験及び純系育成を経て耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子組み換え系に転換できた。CYP81A6遺伝子の全遺伝子配列を感応性稲の8077Sに導入して、耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子組み換えの新たな株系(図7左)を得られた。
【0061】
実施例9: 稲の耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子CYP81A6の相同クローン
シトクロムP450のメンバーに保存の配列が4つあり、触媒作用に重要な作用を発揮したヘム結合ドメイン(heme-binding domain)、膜の結合に重要なN−末端疎水領域、タンパク質の正確な組立の担当するグリシン/プロラインリッチ(glycine/proline-rich)領域及びヘムの結合領域の上位にある150のアミノ酸のIへリックス(I helix)(Werch-Reichhart氏ら、2000)を含む。故に、それらの保存領域でプライマー(フォワードプライマー:5’−GCAGGAACAGAGACAACC−3’。リバースプライマー:5’−CACCTCCGCCTCCCCATC−3’)を設計して、稲以外のイネ科または豆科植物の遺伝子に対する拡充を行い、高度に相同する配列して、5’RACE及び3’RACE法により単離して相同配列の両端の配列の全部を得て、高度に相同した遺伝子を分離した。
【0062】
参考文献
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第3染色体分子マーカー遺伝連鎖図上の本発明の稲ベンタゾン感応性致死遺伝部位bel及びそれと共に分離するPCR−RFLPマーカーDP1及びDP2の位置。
【図2】農林8号m及び8077Sの中のベンタゾン感応性致死位点の等位性テスト。 a: ベンタゾンで処理前の植株。左:農林8号m、右:8077S、中:農林8号mと8077SとのF1ハイブリッド。b: ベンタゾンで処理後一週間の植株。処理用のベンタゾンの濃度が1250mg/lである。
【図3】8077Sにあるcyp81A6−1一塩基の欠失変異部位を検証するPCR−RFLP分析のフローチャート。変異部位、PCRプライマーの配列、プライマー設計を利用して人工で導入する、変異部位の含むBglIの酵素切断部位(Restriction Enzyme cutting site)、及びBglIでPCR産物に対する切断の断片の長さの差異の詳細は図の中の注の通りである。
【図4】マッピング集団のPCR−RFLPマーカーの分析結果。 M:100bp DNA Ladder(Takara)、 1−5: F2マッピング集団(劣性感応性致死ホモ接合体)の5つのDNA混合サンプル(46株/サンプル)、 6: 93−11、 7: 低育成64m。
【図5】農林8号mにあるcyp81A6−2一塩基の欠失変異部位を検証するPCR−RFLP分析のフローチャート。変異部位、PCRプライマーの配列、cyp81A6−2一塩基欠失変異部位に対応する野生型のCYP81A6コード配列にもとに存在していたNaeI酵素切断部位及びNaeIでPCR産物に対する酵素切断の断片の長さの差異の詳細は図の中の注を参照すること。
【図6】8077Sを受体とするCYP81A6の形質転換して傷がふさがるベンスルフロンメチルの選別結果。 左:遺伝子組み換えの傷がふさがる、右: 8077S対照の傷がふさがる。
【図7】8077S受体とするCYP81A6遺伝子組み換えの苗のベンタゾン耐性の鑑定結果。左:8077S対照、中:遺伝子組み換えの苗、右: W6154S対照。
【図8】遺伝子CYP81A6の構造。 黒色の長方形:遺伝子の発現区域(expressed region)を表す、灰色の長方形:遺伝子の5’端及び3’端の非コード領域を表す、真中の実線:遺伝子の内部区域(Intervening region)を表す。それらの長さはそれぞれ図の上部に表示されている。図の下部に表示されているのは開始コドンのATG、終止コドンのTGA及び編集点配列GT及びAGである。
【図9】遺伝子Waxa のターゲット配列及び該配列により設計されたRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチドRCO1。
【図10】遺伝子cyp81A6−1のターゲット配列及び該配列により設計されたRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチドRCO2。
【図11】遺伝子CYP81A5、CYP81A6、CYP81A7、CYP81A8のターゲット配列及び該配列により設計されたRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチドRCO3.
【図12】遺伝子CYP81A8のターゲット配列及び該配列により設計されたRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチドRCO4。
【図13】遺伝子cyp81A6−2のターゲット配列及び該配列により設計されたRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチドRCO5。
【図14】機能未知の稲P450(GenBank番号:B1147A04)遺伝子のターゲット配列及び該配列により設計されたRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチドRCO6。
【図15】ヒグロマイシン ホスホトランスフェラーゼ遺伝子を運ぶpHPHプラスミド地図。
【図16】プロモーター・アクチンIに駆動されるCYP81A6アンチセンスRNA遺伝子pAANTI1プラスミド地図。
【図17】Minghui63回復系統を起源とするCYP81A6アンチセンスRNA遺伝子形質転換植株のPCR鑑定結果。 M: DL2000(Takara)分子量マーカー。 1−2:遺伝子組み替え植株。 3:野生型の対照植株; 4:プラスミド対照。
【図18】Minghui63回復系統を起源とするCYP81A6アンチセンスRNA遺伝子形質転換植株のベンタゾン耐性の試験結果。 左:ベンタゾン感応性変異体のマイナス対照。中:アンチセンスRNA形質転換植株。右:Minghui63野生型のプラス対照。ベンタゾン処理濃度:1250mg/L。
【図19】組織特異型のプロモーターOsg6Bに駆動されるCYP81A6アンチセンスRNA遺伝子pOANTI1プラスミド地図。
【発明の背景】
【0001】
技術分野
本発明は、遺伝子工学の技術分野に属するものである。より詳しくは、本発明は、稲の中のベンタゾン(Bentazon)及びスルホニルウレア系(sulfonylurea)除草剤に耐性のある遺伝子の正確なマッピング、単離、及びクローニングに関する。さらに本発明は、前記の除草剤耐性遺伝子の助けを借りて他の重要な農学上の性質に関する遺伝子に対して部位特異的突然変異を行って、稲などの作物の重要な農学上の性質に対する改良、ハイブリッド種子を作る場合の自家交配混雑の回避及び部位(座位)特異的な遺伝子の操作などへの応用にも関する。
【0002】
背景技術
稲の雑種強勢を利用して、中国はハイブリット・イネの研究に成功して、稲の生産高を大幅に高めさせている。中国のは核細胞質相互作用雄性不稔(Nuclear Male Sterile)の三系法(Three-line-method)に基づく雑種強勢の利用の成功に続いて、大規模な二系法(Two-line-method)ハイブリット・イネの研究、開発及び普及を進めている。二系法の稲のハイブリッド種子は、光・温度感応性雄性不稔系統の育種(Breeding of PTGMS-Line)により生産されるものであるが、光・温度感応性雄性不稔系統の稔性は、環境温度の影響を受け易く、夏の異常低温が光・温度感応性雄性不稔系統の稔性を回復させることがある。これにより、二系法でハイブリッド種子の生産が低温に遭うと、収穫する種子が真のハイブリッド種子に偽のハイブリッド種子(即ち不稔系統の自家交配で実る種)が混じるという潜在的なリスクが存在している。一旦、このような母本の自家交配の混雑がおこると、これを有効に除去できなければ、種子生産または大面積での生産に重大な損失が引き起こされる。広西では1989年、湖南では1999年に、すべてこのような原因により大きな損失に見舞われた。
【0003】
資料によれば、稲のハイブリッド種の純度が1パーセント下がるごとに、大面積での生産ではヘクタールごとに生産高が75kg減少する。このため、「稲のハイブリッド種子の純度を98%以上に達すること」との、中国農業部による種子規格が規定されている。光・温度感応性雄性不稔系統の種子生産で生産される二系法稲のハイブリッド種子に混雑の問題が存在しているだけでなく、修飾遺伝子が関与する核の主要遺伝子による不稔、薬剤及び施薬条件に影響される人工化学品による除雄不稔、核内の温度感応性遺伝子に影響される核細胞質相互作用雄性不稔、及び人工培養の非整倍体雄性不稔などの不完全雄性不稔系統で種子を培養する場合も、すべて、生産されるハイブリッド種子に母本自家交配の種子が混雑することがある。その自家交配混雑を排除して、作物の雑種強勢の利用の普及によってより信頼できる基礎を確立するために、様々な試みがなされてきた。耐除草剤の特性が現代作物の育種に広く応用されている現状に鑑み、野生型の稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に対して耐性のある特徴を利用して、上記のハイブリッド稲の育種の過程にある種の混雑の問題を解決するように努力している研究者も少なくない。
【0004】
野生型の稲に適用されている選択性の除草剤は主に二種類ある。一つはベンタゾンのような、ベンゾチアジアゾール(benzothiadiazole)類の除草剤である。これは、有効成分が作物の根、葉を通じて吸収され、豆科以外の大多数の双子葉植物及びカヤツリグサ科の雑草に対する除去作用がある一方で、イネ科植物に無害である。ベンタゾンの除草原理は植物の光合成の中のヒル反応(Hill reaction)に対する抑制である。これまでのところ、植物からベンタゾンのような除草剤に耐性のある内在性遺伝子はまだクローニングされていない。もう一つは、DuPont社により開発された、スルホニルウレア系除草剤類であり、選択性が高く、適用範囲の広く、毒性が低く、内部吸収型であるという特徴のある、新しいカテゴリーの超高効果除草剤である。この内、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、トリベヌロンメチル(Tribenuron-methyl)及びその複合剤型は、中国の稲田の除草に最も広く応用されている除草剤である。スルホニルウレア系除草剤は最大の特徴が高い活性にあり、普通の場合、使用剤量が5〜100g/ヘクタールである。スルホニルウレア系除草剤はアセトラクテート合成酵素(ALS)抑制剤であり、多くの一年生または多年生の雑草、特に広葉の雑草に特効を持っていて、稲、小麦、大豆、トウモロコシ、アブラナ(耐エタメツルフロンメチル)、平らな草地及びその他の非耕地の雑草に広く用いられている。DuPont社は複数のスルホニルウレアに耐性のある遺伝子を開発した。一つはタバコ耐性変異体からクローニングされた耐スルホニルウレア遺伝子SURB−Hraである。当遺伝子はタバコALS遺伝子の変異に基いて形成する耐性であり、すでに綿花、大豆など多種の作物に応用されている(US5013659,US5084086,US5141870,US5378824,US5605011)。他のの耐スルホニルウレア遺伝子は土壌細菌からの遺伝子P450 su1であり、スルホニルウレアの代謝を速めて無毒にしてその耐性を実現させるものである。DuPont社は遺伝子P450及びその応用について深く研究した。関連の情報はUS5349127などを参照のこと。日本の日産化学株式会社は特許出願WO9708327において、双子葉の広葉植物のホウキギ(Kochia scoparia)のcDNAから単離されて、形質転換された植物の株をスルホニルウレアに耐えさせる機能を持っているアセトラクテート合成酵素(ALS)の遺伝子を公開した。
【0005】
現在、除草剤耐性の作物の開発方法は主に二種類ある。一つは伝統的な物理化学的な突然変異生成を通じて、耐除草剤の作物の変異体を得る方法であり、もう一つはDNA組換え技術により耐除草剤の遺伝子を現有の種に導入して、耐除草剤の新しい素材を創造する方法である。この内、後者は最も広く応用されているものである。現在、作物の除草剤耐性を高めるために、組換えDNA技術を用いる二種類の方策がある。一つは除草剤の作用を修飾するターゲットタンパク(herbicide target protein)を導入して、除草剤に対して耐性にさせ、または、植物が除草剤を吸収してから正常に代謝できるように、それを過量発現させるものである。もう一つは新たな酵素または酵素システムを導入して、除草剤が働く前にそれを分解したり、解毒したりするものである。例えば、遺伝子P450など(Wang Guanlin & Fang Hongjun、1998)である。
【0006】
野生型稲は天然的にベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に対して耐性を持っている。日本の学者のMori氏及び湖北省農業科学院張集文氏などは相次ぎ、ガンマ線照射技術により、稲のベンタゾン感応性致死変異体である、農林8号M(Mori,1984)及び8077S(張集文氏、武暁智氏、1999)を得た。張集文氏らはさらに、ベンタゾン除草剤に対して感応性である隠性遺伝子の部位(site)で母本不稔系統を表示する除雑保純技術システム(張集文氏ら、2001)も開発した。ハイブリッド稲特に二系ハイブリッド稲の種の純度安全の保障体系の中のこんな種質資源の重要な応用により、8077Sの携帯している変異部位で表示する二系不稔系統を利用すると、最大の限度で二系ハイブリッド稲の種子生産のリスクを下げ、ハイブリッド種子の純度を保証できるので、育種の専門家及び種子企業に高度に重視されている。但し、その除雑保純技術システムは種子生産の後に除雑を行うものであるから、効果がいいであっても、販売の前に、その純度の低い種が国家の規定する種子の純度の規格と衝突するので、種子の管理機関に承認され難い。したがって、新たな除雑保純技術システムが必要となる。但し、多年以来、当性質の制御遺伝子がずっと正確にマッピングまたは単離クローンを行われていないので、当性質に対する遺伝操作及びさらにの利用ができない。これはこの分野の大きな技術障害となった。
【0007】
上述の状況に鑑み、本発明者らは研究を通じて、稲の現有の二つのベンタゾン感応性致死変異体を材料にして、その変異の遺伝子部位に対する精細なマッピングを行って、それにその野生型同部位の遺伝子をクローニングした。同時に、それに基いて有用の方法及び技術を開発した。例えば、植物化学での補充殺雄の温度感応性の不稔系統の創造方法、遺伝子グループの二部位または多(複数)部位の部位特異的な遺伝子の共修飾による遺伝子操作技術、植物遺伝子の生物学機能の新たな調査方法及び植物の性質改良の新たな方法。それにより、ハイブリッド稲の育種の過程にある除雑保純の問題を解決しただけでなく、遺伝子の生物学機能の研究及び生物性質の改良に極めて応用前途を持っている実用的な方法を提供している。
【発明の概要】
【0008】
本発明は目的が下記の通りである:
− 単離された稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に耐える内在性遺伝子(以下「遺伝子CYP81A6」と称する)、その機能保存変体、機能の同等な生物活性の断片または誘導体を提供すること。
− 上述の単離された稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に耐える内在性遺伝子のcDNA配列、その機能保存変体、機能の同等の生物活性の断片または誘導体を提供すること。
− ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の感応性遺伝子を提供すること。
− 遺伝子CYP81A6、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の感応性遺伝子または両方を含む機能同等物を含む組換えベクターを提供すること。
− 遺伝子CYP81A6、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の感応性遺伝子または両方を含む機能同等物によりコードされたポリペプチドを提供すること。
− 遺伝子CYP81A6、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の感応性遺伝子または両方を含む機能同等物または遺伝子CYP81A6または両方を含む機能同等物によりコードされたポリペプチドの遺伝子工学的な細胞を提供すること。
− ハイブリッド稲のハイブリッド種子生産の時にある自家交配混雑の防止方法を提供すること。
− 新たな部位特異的な遺伝子操作方法を提供すること。
− 植物の性質の改良する新たな方法を提供すること。
【発明の具体的説明】
【0009】
本発明の上述の目的および特徴は下記の具体的な説明により明らかにされるであろう。
【0010】
本発明者らはまず、変異体8077S及び農林8号mにあるベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の感応性遺伝子に対する精細なマッピングを行い、それに野生型の栽培稲からベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に耐える遺伝子CYP81A6及び当遺伝子に対する調整及び制御を行うプロモーターのDNA断片を単離して、当遺伝子で大豆以外の大多数の双子葉植物及びカヤツリグサ科雑草植物のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に耐える特性を改良できる。
【0011】
本発明により提供されるベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の耐性遺伝子は、下記の(1)〜(5)からなる群より選択される何れかのヌクレオチド配列を含んでなる:
(1) 配列番号1に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(2) 配列番号1の配列の第1949位から第4216位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(3) 配列番号2に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(4) 配列番号2の塩基の第54位から第1595位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(5) 配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうる、ヌクレオチド配列。
【0012】
前記の単離された稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性の内在性遺伝子は好ましくは配列番号1に示すヌクレオチド配列であり、前記の単離された稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性の内在性遺伝子のcDNAは好ましくは、配列番号2に示すヌクレオチド配列である。
【0013】
本発明により提供されるベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性遺伝子によりコードされてなるポリペプチドは、下記の(1)〜(5)からなる群より選択される何れかのヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列のポリペプチドを含んでなる:
(1) 配列番号1に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(2) 配列番号1の配列の第1949位から第4216位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(3) 配列番号2に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(4) 配列番号2の塩基の第54位から第1595位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(5) 配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうる、ヌクレオチド配列。
【0014】
この内、好ましい具体例は配列番号3に示すアミノ酸配列である。
【0015】
本発明は、生細胞内において遺伝子グループの二つまたは複数の部位におけるターゲット配列に対して、同時に部位特異的な共修飾を行う遺伝操作方法であって、
第一の修飾ターゲットとして、修飾後の選別マーカーとして機能し得るヌクレオチド配列を使用し、付加修飾ターゲットとして、生細胞のターゲット内在性遺伝子のキー塩基対を使用し、
異なる修飾ターゲット配列に向けて設計された二または複数のRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチド分子(RCOs)を、パーティクルガン介在共導入技術によって、ターゲット受容細胞に共導入して、前記二または複数のターゲット部位に対して同時に部位特異的な修飾または変異を行い、
更に選別マーカーとするヌクレオチド配列の修飾表型(選別可能の表型)を利用してターゲット内在性遺伝子の修復または変異の後の遺伝子の型に対して関係の選択を行うこと
を特徴とする方法を提供する。
【0016】
上述の遺伝操作方法の中に、選別マーカーにするヌクレオチド配列は変異または未変異の耐性(感応性)除草剤の遺伝子、耐抗生物質の遺伝子、生物または化学の発光遺伝子及び酵素遺伝子などを含むがそれに限られず、当業者は公知の知識により自由に選択してもいい。その中、除草剤耐性/感応性遺伝子、特に配列番号1または配列番号2のあるヌクレオチド配列またはその機能と同等の断片または誘導体、配列番号1に示すヌクレオチド配列の中の第2455位塩基Cまたは第4006位塩基Gの欠けているヌクレオチド配列、配列番号2に示すヌクレオチド配列の中の第560位の塩基Cまたは第1385位塩基Gの欠けているヌクレオチド配列を優先して選ぶ。
【0017】
現在の研究によれば、単離及びクローニングの行われた耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子はシトクロムP450タンパクをコードしており、これは国際標準分類及び命名システムで正式に「CYP81A6」(http:// drnelson. utmen.edu/cytochromep450. html)と名称を付けられいる。このタンパク質は、一般のタンパクP450の保存領域を含み、そのアミノ酸配列は配列番号3の通りである。現在、タバコのCYP71A11及びCYP81B2(Yamadaら、2000)、大豆のCYP71A10(Siminszky氏ら、1999)、高粱のCYP73A1(Pierrel氏ら、1994)及びCYP76B1(Didierjean氏ら、2002)及びhlaspi arvensae のCYP71B1(Lamb氏ら、1998)のように、種々の除草剤耐性遺伝子P450が植物からクローニングされているが、それらの遺伝子P450と遺伝子CYP81A6との間の同一性はすべて40%未満であり、それにベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤を分解できない。これらの結果から、遺伝子CYP81A6は新たな耐除草剤の遺伝子P450である。したがって、本発明はこの遺伝子と遺伝子自身のプロモーターまたは他の組成型または特異プロモーターとの連接を利用して、豆科以外の大多数の広葉植物またはカヤツリグサ科の雑草に導入して、新たな耐除草剤の植物系統を開発することに関連する。
【0018】
本発明に示すDNA断片の発現は構成的発現であるので、当遺伝子のアンチセンスRNAまたはRNAiと葯組織の特異発現のOsg6B及びRA39などのような特異発現プロモーターとの連結を利用して、稲などの温度感応性の不稔系統に導入して、当遺伝子をその葯で発現できないようにして、スルホニルウレア系除草剤を利用して花粉を殺し、新たな化学的に補充し除雄した温度感応性雄性不稔系統を作製する。
【0019】
他に、本発明で鑑定されているベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に対して感応性する二つのCYP81A6一塩基の変異部位の欠失が遺伝子の部位特異的突然変異に利用できる修飾ターゲットを提供している。故に、RCOs分子の部位特異的修復の変異体の中の遺伝子cyp81A6を利用して、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に対して耐性を修復体に与えて、選別の目的に適合する。この変異遺伝子の助けを借りて、異なるターゲットに向けるRCOs分子に対する設計及び導入を二種またはそれ以上に行ってもいい。その中、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に対するその耐性を回復して選別のマーカーとするように、一種の分子は遺伝子cyp81A6の単ヌクレオチドの欠失変異の部位特異的修復に用いられ、農学上の性質の改良された所望の新たな品種もしくは系統を得るように、もう一種または多種の分子は内在性遺伝子に対する部位特異的突然変異に用いられて、次に、変異体と野生型との間に表示している表型または生理生化型の差異により、その確実な生物学機能を推定し、または目的遺伝子の変異体に対する純系の選育を行う。外に、その他の遺伝子の部位の選択可能性の修飾表型または共に外来選択可能性の遺伝子に対する導入を通じてターゲット遺伝子の変異体に対する関連性選択を行ってもいい。
【0020】
さらに、この技術またはその他のDNA相同組換え技術または物理化学的突然変異生成技術を利用して遺伝子CYP81A6に対する部位特異的またはランダムの変異を行って、この遺伝子の機能を変えて、除雑保純に用いられる新たなベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の感応性変異体を作製してもいい。外に、クローンされる野生型の同等の遺伝子は遺伝形質転換を行われてから豆科以外の大多数の広葉植物またはカヤツリグサ科の雑草にベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に耐える特性を与えられる。
【0021】
CYP81A6のコード配列は異なる種の植物に広く保存しているので、稲の遺伝子CYP81A6及びその誘導配列の約8つまたはもっと多くのヌクレオチドのプライマー及びプローブをイネ科の中の他の属種の相同遺伝子の単離及びクローンに利用する。上述の方法で稲のCYP81A6と高度に相同する遺伝子をクローンできる。この配列を適するベクターにつないで、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に感応性である植物細胞を導入して、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に耐える遺伝子組み換え植物を創造する。
【0022】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される下記用語の意義は当業者のよく知られており、常用されているのものである。ここにその中の一部の用語について例をあげて簡明に説明する。
【0023】
本明細書において「ヌクレオチド配列」とは、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド及びポリヌクレオチド並びにその断片または部分のことであり、ゲノムであってもまたは合成のDNAまたはRNAであってもよく、一本鎖でも二本鎖であってもよく、センス鎖またはアンチセンス鎖を表してもよい。
【0024】
「機能同等の断片」、「機能同等の生物活性断片」とは単離されたDNAの断片の一部または亜配列である。その中、これらの断片または亜配列が活性タンパク質にコードを付けているか付けていないかにかかわらず、すべて遺伝子の発現を変えたり、一定の耐除草剤を生じたりする能力を保留している。例として、上述の断片はキメラ遺伝子の設計またはアンチセンス抑制などに用いられる。「機能同等の誘導体」、「機能保存変体」とは単離されたDNAの断片の配列の全部、または一部である。この内、これらの断片が活性タンパク質にコードを付けているか付けていないかにかかわらず、すべて遺伝子の発現を変えたり、一定の耐除草剤を生じたりする能力を保留していて、それにキメラ遺伝子の設計またはアンチセンス抑制などに用いられる。
【0025】
「変体」とは、一つまたは複数のアミノ酸残基または核酸塩基の変更のあるアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列をいう。ここで言う「変更」とは、アミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列中のアミノ酸またはヌクレオチド塩基の欠失、挿入または置換などを含む。本発明でいう「変体」は保存的変更を有しており、変更されたアミノ酸は元のアミノ酸と構造上もしくは化学的性質上類似している。このポリヌクレオチドの変体は天然発生または非天然発生の変体であってもいい。これらのヌクレオチド変体は、置換体、欠失体、及び挿入体を含む。当該技術分野において知られているように、等位変体はポリヌクレオチドの取替形式であり、一つまたは複数のヌクレオチドの置換、欠失及び挿入であることがあるが、実質にそのコードされたポリペプチドの機能を変えることがない。
【0026】
「アミノ酸配列」とはオリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質配列及びその断片または一部のことである。本発明に関連する「ポリペプチド」または「タンパク質」はいわゆるポリペプチドまたはタンパク質分子の完全な天然アミノ酸配列に限らない。
【0027】
「相同性」とは、二種または多種のアミノ酸またはヌクレオチド配列の比べの中に配列の同じまたは類似のパーセントのことであり、相同性方法の測定に用いられ、例として、プログラムMEGALIGN(Lasergene software package,DNASTAR, Inc.,Madison Wis.)を採用することにより測定することができる。プログラムMEGALIGNはCluster法(Higgins, D.G. 及びP.M.Sharp (1988)Gene 73:237-244)などの異なる方法により二またはそれ以上の配列間を比べてもいいし、Cluster法及びJotun Heinのような当該技術分野において公知の方法により核酸配列の間の相同性(Hein J., (1990) Methods in emzumology 183:625-645)を測定してもよい。
【0028】
「ストリンジェントな条件」とは、(1)低いイオン強度及び高い温度に行うハイブリッド及び洗浄のことであり、例として、0.2×SSC,0.1% SDS,60℃、または、(2)ハイブリッドの場合に変性剤を加えることであり、例として、50%(v/v)のホルムアミド、0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%Ficoll, 42℃など、または、(3)二つの配列の間の相同性が少なくとも95%以上にあり、最適化選択97%以上の場合しかハイブリッドを実施しなく、それに、ハイブリッド実施可能のポリヌクレオチドのコーディングのポリペプチドと配列番号1に示すヌクレオチドのコーディングのポリペプチドとが同じ生物学機能を持っている。
【0029】
「ベクター」とは、当該技術分野においてよく知られている細菌プラスミド、バクテリオファージ、酵母プラスミド及び植物細胞ウイルスなどのことである。本発明に適用するベクターはアグロバクテリウムベクター、大腸菌プラスミドベクター及びウイルスベクターなどを含む。まとめて言うと、宿主の体内に複製及び安定な遺伝を実施さえすれば、いかなるプラスミド及びベクターも本発明の組換え発現ベクターを構成できる。
【0030】
「宿主細胞」とは、本発明のヌクレオチド配列を導入でき、または本発明のヌクレオチド配列の組換えベクターを含む、遺伝子工学的宿主細胞のことをいい、例えば、十字花科植物(musttard)、ナス科植物(solanaceae)、カヤツリグサ科植物(cyperaceae)、旋花科植物(convolvulaceae)、アオイ科植物(malvaceae)、及び亜麻科植物(linaceae)の細胞などが挙げられる。
【0031】
「スルホニルウレア系除草剤」は、効果が非常に高く、適用範囲が広く、毒性が低く、選択性の高い除草剤のカテゴリーであり、生物活性が伝統的な除草剤の100〜1000倍を超え、植物の根、茎及び葉に吸収され、アセトラクテート合成酵素(ALS)に作用して、バリン及びイソロイシンの生物合成を抑制して、タンパク質の合成障害を起こして、感応性植物の成長部の成長を抑制する。本発明の中の遺伝子CYP81A6は耐えるのが表1に示すスルホニルウレア系除草剤を含むが、それに限らない。
【0032】
さらに、本発明の核酸配列または本発明の核酸配列の組換えベクターを含む形質転換宿主細胞は、当業者によく知られている日常的な技術で行ってもいい。宿主が大腸菌のような原核生物である場合、CaCl2法、電気穿孔法などを利用してもいい。宿主が真核細胞である場合、アグロバクテリウム法、粒子衝撃法、DNA転染法、リン酸カルシウム共沈殿法、顕微注射法またはリポソーム包接法などを使用してもいい。
【0033】
【表1】
【0034】
配列番号1: CYP81A6コード遺伝子及びCYP81A6のプロモーターを含む。
配列番号2: CYP81A6遺伝子の全長cDNA配列。
配列番号3: CYP81A6遺伝子によりコードされたアミノ酸配列。
【0035】
次に、具体的な実施例に結び合わせて、本発明について詳細に説明する。当業者が知っているように、これらの実施例は本発明を限定するものではない。通常、下記の実施例において条件及び試験方法について説明されていないものは、Sambrookらの「分子クローン実験ガイド」(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001)に記載されている条件のような公知の手法及びメーカーの説明書により操作される。
【実施例】
【0036】
実施例1: ターゲット遺伝子の精細なマッピング及びクローニング
1. 稲品種8077Sの中のベンタゾン感応性致死遺伝子belの精細なマッピング
1.1 マッピング集団
本実験に使用されるマッピング集団は、F2劣性単株からなる。構成する場合、先ず、遺伝子bel部位を含む低く育成されている64S戻し交配転育系統(「低育成64m」と略す)(野生型の低育成64Sは湖南国家ハイブリッド稲研究及び開発センターより提供)と野生型の93−11回復系統(江蘇里下河地区農科所より提供)とのハイブリッドによりF1を得て、次にF1の自家交配によりF2を計1000株得た。種子を播いてから、苗が3〜4枚の葉まで成長した場合、張集文及び武暁智氏(1999)のベンタゾンの薬塗りの鑑定方法により、濃度1250mg/Lのベンタゾン(江蘇剣ブランド農薬化工有限公司製の25%ベンタゾン水剤)でこのF2群のすべての単株に対して葉を一々に切って(葉先から1cmぐらい切る)、株ごとに3枚の葉に薬を塗った。その後、葉を処理する時のベンタゾン感応性反応により、劣性感応性致死ホモ接合体を231株本実験のマッピング集団に確定した。
【0037】
1.2 DNAの抽出
McCouch氏ら(1988)のCTAB法を応用して、二つの親本93−11、低く育成64m及び231の感応性致死個体からそれぞれ葉総DNAを抽出した。DNAの抽出用試薬は全部上海生工生物工学技術サービス有限公司(以下「上海生工」と略す)から購入した。
【0038】
1.3 SSR分析及び遺伝子belの精細なマッピング
SSR増幅反応の体系は下記の通りである。50ng鋳型DNA、1×PCR反応緩衝液、1.87mM Mg2+、0.2mM dNTP、酵素1.0u rTaq [宝生物工学(大連)有限公司、即ちTakara Biotech、以下「Takara」と略す]及びフォワードおよびリバース プライマー 各0.2μM。反応の総体積:20μl。反応の条件: 95℃ 3分間、次に35の循環(94℃、1分間、60℃、1分間、72℃)を行い、72℃に5分間、最後に、10℃に保存した。3.5%のゲロース糖脂質(上海生工)でPCR産物を単離し、EB(上海生工)で染色を実施し、UVP作像方式(ドイツ)で観察して写真を取った。
【0039】
本発明者らは、先の研究にSSRマーカーで8077Sの中のベンタゾン感応性致死遺伝子を初めに稲の第三染色体の長いアームに位置を決めて、SSR分子のマーカーRM168との遺伝距離が7.1cM(Zhangら、2002)であった。さらに遺伝子belに対する精細なマッピングを行うために、本発明はSSRプライマーサーチソフトウェアのSSRHunter 1.3の助けを借りてRM168から染色体の長いアームの末端までの間のゲノム配列(http://btn.genomics.org.cn/rice)を分析して、SSRマーカーを設計して合成した。例として、7a(フォワードプライマー:5’−GTCAGAGCAAGGTCGGAGAG−3’;リバースプライマー:5’−TCGGTGATCATTGTCATTTG−3’)、3a(フォワードプライマー:5’−TGT TTTCTTTTTCGCTGTGTG−3’;リバースプライマー:5’−GCAAGCCTTTTTGC GTATTC−3’)及び8a(フォワードプライマー:5’−GCTTCCCTCTCCTTCCACTT−3’;リバースプライマー:5’−CTTGTGAGTGAGTGGTGACG−3’)など(プライマー配列はすべて上海生工で合成した)。その中、3a及び7aが同一のBACクローンAC084282にあった。8aで劣性致死グループから検出した四つの単交換の発生した組換え単株を表示し、7aマーカーは感応性致死グループから他の異なる単交換組換え単株を四つ検出した。ベンタゾン感応性致死遺伝子がこの二つのマーカーの間に位置しているとこの結果がさらに証明している。さらに、8aに近い分子マーカー3aで遺伝子belに対する精細なマッピングを行った結果、出てきた単交換組換え単種が一つしかなかったので、ベンタゾン感応性致死遺伝子の位置を3aと7aとの間に決めた。MAPMARKER3.0でbel遺伝子部位の精細なマッピング地図(図1)を作成した。その中、分子マーカー3a及び7aが遺伝子belからの遺伝距離がそれぞれ0.1cM及び0.4cMであった。
【0040】
2. 候補遺伝子の確定及びその単離、クローン
2.1 候補遺伝子の確定及び順序測定、分析
配列の分析によると、分子マーカー3aと7aとの間に推測の遺伝子(putative genes)が18あり、その中、連続して排列しているシトクロム遺伝子P450を4つ(GenBank登録番号がそれぞれAAK63940.1,AAK63920.1,AAK63922.1及びAAK63925.1である)含み、国際標準分類及び命名システムに正式にCYP81A5、CYP81A6、CYP81A7及びCYP81A8と命名された(http://drnelson.utmen. edu/cytochromep450.html)。これまでの研究により、稲の微粒体の中の遺伝子P450がベンタゾンの解毒作用(Haackら、1994)に関与した。それに、Deng及びHatzios(2003)らは稲の苗から分子量約60kDaまで純化されたP450タンパクを単離し、除草剤ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)の分解代謝の過程に非常に重要な役割があることを確認した。故に、ベンタゾンの感応性致死基因が遺伝子P450に関連する可能があると考えて、その四つの遺伝子P450のクラスターを候補遺伝子と確定した。
【0041】
より正確に候補遺伝子を確定するために、私たちは四つの遺伝子P450のゲノム配列によりそれぞれ特異プライマー(表2)を合成し、ハイファイのpyrobest(商標)重合酵素(Takara)を利用して野生型の稲W6154S及び変異体8077Sからそれぞれ候補遺伝子を拡張して、それに直接に配列を測定した(Perkin Elmer AMI 377、上海基康生物技術有限公司、以下「上海基康」と略す)。配列測定の結果に関する分析により、野生型の稲W6154S及び変異体8077SからのCYP81A5、CYP81A7及びCYP81A8などの間にいかなる差異もなく、源泉変異体8077Sのcyp81A6が野生型のW6154Sの中のCYP81A6より一つのG(配列番号1に示す配列の第4006塩基)を欠けている。故に、CYP81A6を唯一の候補遺伝子に確定した。
【0042】
上記の4つの遺伝子に対するPCR増幅及び配列測定に使われたプライマー(配列は上海生工で合成した)は下記の通りであった: CYP81A5:P1−1a及びP1−1b,P1−2a及びP1−2b,P1−3a及びP1−3b;CYP81A6:P2−1a及びP2−1b,P2−2a及びP2−2b,P2−3a及びP2−3b,P2−4a及びP2−4b,P2−5a及びP2−5b,P2−6a及びP2−6b;CYP81A7:P3−1a及びP3−1b,P3−2a及びP3−2b,P3−3a及びP3−3b;CYP81A8:P4−1a及びP4−1b,P4−2a及びP4−2b,P4−3a及びP4−3b。各プライマーの配列は表2の通りである。
【0043】
2.2 ジャポニカ米の稲及びインディカ米の稲の中のベンタゾン感応性致死遺伝子の等位性テスト
早くも1984年の時に、日本の学者のMoriはガンマ線照射誘導技術で農林8号を誘導してベンタゾンに感応性である致死変異体の農林8号m(Mori,1984)を得た。古典的な遺伝学の分析によると、この性質は一対の劣性遺伝子に制御されている。8077Sと農林8号mの中のベンタゾン感応性致死遺伝子と等位であるかどうかを検証するように、私たちは8077Sと農林8号mとのハイブリッドにより、F1ハイブリッド及び一つの800株のF2グループを得た。種をまいてから、苗が生9〜10枚の葉まで出てから、1250mg/L濃度のベンタゾンを8077S、農林8号m及びそれらのF1植株に散布した。一週間の後に、すべての植株が枯れて死亡した(図2)。これにより、二つの変異体の中のベンタゾン感応性致死遺伝子の間の相互の等位が証明された。同時に、800つのF2植株のグループに薬を散布した。その結果、処理されたすべての植株も枯れて死んだ。これはより一歩に二つの変異体の中のべンタゾン感応性致死遺伝子が一対の等位遺伝子であったことを証明した。区別するために、8077S及び農林8号mからのcyp81A6をそれぞれcyp81A6−1及びcyp81A6−2と命名した。
【0044】
遺伝子CYP81A6の特異プライマー(表2)を利用して、ハイファイ重合酵素pyrobest(商標)で野生型稲の農林8号及び変異体の農林8号mからそれぞれCYP81A6及びcyp81A6−2を拡充して、それに直接に配列(Perkin Elmer AMI 377、上海基康)を測定した。その結果によると、変異体農林8号mからのcyp81A6−2は野生型の農林8号の中のCYP81A6より、配列番号1に示す配列の第2455bpの部に一つのCを欠失している。それにより、等位分析の結果がさらに証明された。
【0045】
【表2】
【0046】
2.3 PCR−RFLP分析
配列測定にある可能の誤差を防止するように、私たちはさらにPCR−RFLP分析法を利用して二つの変異体の中のcyp81A6−1及びcyp81A6−2の一塩基の変異部位に対する検査及び検証を行った。実験に、先ず分析ソフトウェアWEBCUTTER 2.0を利用してcyp81A6−1変異部位を含む一つの断片の野生型及び変異型配列に対する対比分析を行い、その変異の前後に変えられたまたは新たに生じた制限酵素の部位(Restriction Enzyme cutting site)を観察した結果、そんな部位を見つけなかった。故に、私たちはプライマー設計を通じてcyp81A6−1変異部位の上位置の付近の二つの異なる塩基G及びAを二つのCに変え、当プライマーを利用して拡充した当変位点を含んだ一断片のDNA配列を人工により新たなBgl I(GCCNNNNNGGC)酵素部位を導入させた。検査の結果により、野生型の稲の品種の中で、その拡充の産物に欠失していない塩基Gが余っているので、Bgl Iに酵素部位点と識別されられなく、当酵素で切ってから長さの251bpしか形成しなかった。けれども、その変異体中に、そのPCR産物が酵素Bgl Iに切られてから24bp及び227bpの二本の帯(図3)が形成できた。さらに当該PCR−RFLPプライマー利用してそれぞれ二つの親本93−11、低育成64m及びそのF2マッピング集団のDNA混合サンプル((46株/部))を5部拡充して、得た拡充産物がPCR産物専用試薬ケース(Takara)で純化されてから、酵素Bgl I(Takara)で切り、すべてのF2混合サンプルのバンドtypeが親本の低育成64mのそれと一致(図4)していたので、CYP81A6−1変異部位に対して人工で導入したBglI−PCR−RFLPマーカーが遺伝子CYP81A6と共に単離されたものと証明した。私たちは当マーカーをDP1(図1)と命名した。
【0047】
変異体cyp81A6−2に対して、同様に、分析ソフトウェアWEBCUTTER 2.0利用して、その野生型及び変異体のDNA配列に対する制限性酵素部位分析を行った。結果によると、当変異体に生じた一塩基欠失変異部位がちょうどNae I(GCCGGC)酵素識別配列にあったので、当酵素に識別されなく、その上位50bpのところ(PCR増幅範囲の内)にあるもう一つのNae I酵素部位が変えられなかった。故に、当酵素でcyp81A6−2の野生型及び変異体のPCR産物に対したPCR−RFLP分析(技術プロセスは図5を参照)の結果によると、野生型の農林8号から得るPCR産物はTakara純化試薬に純化されてから酵素NaeI(Takara)に三本のバンド(21bp、50bp及び151bp)に切られるが、変異体農林8号mから得るPCR産物はTakara純化試薬ケースに純化されてから当部位で酵素NaeIに切られなく、21bp及び200bpの二本のバンド(図5)しか切られる。CYP81A6−1のPCR−RLP分析結果と同様に、変異点に基くNae I−PCR−RFLPマーカーが遺伝子CYP81A6と共に単離されたものであると当結果が証明したので、DP2(図1)と命名した。同時に、それらの結果はさらに前述の配列測定結果を証明した。
【0048】
2.4 候補遺伝子CYP81A6のクローン及びその生物学機能の相互補完の検証
候補遺伝子CYP81A6の全遺伝子配列はTakara社製の酵素LA Taq(商標)及びその試薬ケースを利用して一次性拡充を通じて得たものであり、使用した長い断片のPCRプライマー(フォワードプライマー: 5’−CAAACTTCCAACTTTCCCGTCACCTTCA CT−3’。リバースプライマー:5’−CCGCGGGTCACCGAGCAGAAAGCCC TTCCTCCCAAGTTAGAA−3’、上海生工で合成した)がインディカ米稲の遺伝子グループのデータベース(http://btn.genomics.org.cn/rice)に公布したDNA配列により、それぞれ当遺伝子の5’端の酵素BamHIの部位の前の124bpのところ及びその後の4145bpのところで設計して、それに、生粘性末端の発生、クローン及び連結に便利にするように、3’端のプライマーに酵素BstEIIの部位を加えた。この対のプライマーから拡充した4311bpの断片は長さがそれぞれ124bpのBamHI上流配列、1321bpのプロモーター配列、2321bpの遺伝子引導区にエクソン及びイントロンの加えられた配列、272bpの3’−UTR及びその後の遺伝子288bpグループ配列(その中、制限酵素(restriction endonuclease)7bpBstEIIの識別部位及び保護塩基5bpを含む)を含む。拡充の後に得た断片は先ず用バクテリオファージT4−DNA連結酵素でTAプラスミドベクター(Takara)につないで重複のある配列測定(Perkin Elmer AMI 377、上海基康)分析を行った。後に、エクソンの全部誤りのなく拡充されたクローンを選択して、酵素BamHI及びBstEII(Takara)でそれをTAプラスミドのベクターから切ってから、同じ双酵素で切られた遺伝形質転換ベクターpCAMBIA1301につないだ。次に、正しく断片を挿されたプラスミドを選択して、電子形質転換法でそれをアグロバクテリウムEHA105菌株に導入した。当菌株形質転換遺伝子グループ8077Sで生物学機能の相互補完検証を行い、得た耐性傷ふさがりが50mg/Lのハイグロマイシン(ABI、USA)で3度に選別してから、4.2μΜ/Lのベンスルフロンメチル(Bensulfonyluron- methyl,Sigma)選別(図6)を行い、それにより得た双耐傷ふさがりを含50mg/lのハイグロマイシンの再生培養基に置いて緑苗分化を行い、得た植株がPCR検証を経て、ベンタゾン(1250mg/l)を塗って鑑定した。結果により、すべての形質転換体がべンタゾンに対する耐性(図7にその中の一株の結果を示す)を回復した。私たちのクローンした遺伝子CYP81A6がベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の耐性遺伝子であったとこれらの結果は証明した。
【0049】
2.5 遺伝子の構造上の特徴
遺伝子CYP81A6の構造上の特徴は翻訳開始コドンの前にある53bpの長さ(配列番号1に示す配列の第1896〜1948bp)の5’−UTR、2268bpの長さ(配列番号1示す配列の第1949〜4216bp)のコード領域及び終止コドンの後にある272bpの長さの(配列番号1示す配列の第4217〜4488bp)3’−UTRを含む。当遺伝子のコード領域は二つのエクソンからなり、真ん中に一つのイントロンを隔てている(図8)。二つのエクソンは長さがそれぞれ924bp(配列番号1に示す配列の1949〜2872bp)及び618bp(配列番号1に示す配列の3599〜4216bp)であり、イントロンは長さが726bp(配列番号1に示す配列の第2873〜3598bp)である。
【0050】
当該遺伝子はシトクロムP450タンパク(その配列は配列番号3を参照)をコードし、大多数のP450タンパクの共有する四つの保存域がある。即ち、C末端にあるPhe−x−x−Gly−x−Arg−x−Cys−x−Glyのヘム結合ドメイン(heme-binding domain)、分子の酸化、活発化に重要な作用のあるヘム結合ドメインの上位の150のアミノ酸残基のA1a/Gly−Gly−x−Asp/Glu−Thr−Thr/SerのIヘリックス(I helix)、ヘム結合ドメインとIヘリックスとの間にあるPro−Glu/Asp−Arg/His−Phe/Trpの湾曲(meander)区及びN末端にあるプロリンリッチヒンジ機能域(proline-rich hinge)(Werch- Reichhartら、2000)。実際、ちょうどこれらの保存ドメインの存在により、大多数のシトクロムP450タンパクの保存の三次元構造を維持することができた。
【0051】
実施例2: 稲のWx遺伝子のターゲット変異及び遺伝的改良
栽培稲に広く当遺伝子Wx部位に分布している野生型の等位遺伝子Wxa及びWxbが二つある。その中、Wxaはインディカ米の稲の特徴であり、RNA及びタンパク質レベルでの発現活発性がWxbより10倍強い。その高量発現は高いアミラーゼ(amylase)を起こし、蒸したり、煮たりするご飯が硬くて、緊密ではなく、口当たりがおいしくない。Wxbは主にジャポニカ米の稲にあり、その低量発現がジャポニカ米の稲タイプのミラーゼの含有量を起こし、その米が蒸したり、煮たりされてから柔らかでり、おいしい。研究によれば、Wxa及びWxbの二つの等位遺伝子の発現の活発性にある差異は主に後者のリーダー区イントロンの5’スプライシング部位にG→Tの変異がある(程世軍ら、2001)。当変異はWxb前体mRNAの中のリーダー区イントロンの連結効率の低下を起こし、成熟のmRNA及び遺伝子コーディングのアミラーゼの合成酵素(granule-bound starch synthase,GBSS)の量の減少を起こし、最終にアミラーゼの合成量減少に発現する。
【0052】
Wx遺伝子リーダー領域イントロンの5’スプライシング部位配列及びCYP81A6一塩基欠失変異配列により、それぞれスプライシング部位のG塩基に向けて変異できる変異分子(図9 RCO1)及びcyp81A6−1の一塩基に向けて欠失の部位修復を行う修復子分子(図10 RCO2)を設計した。パーティクルボンバードメント(particle bombardment)でそれをそれぞれ一部分の修復子:三部分の変異子により同時に対の形式で変異体8077Sに導入して、スルホニルウレア系除草剤で一塩基cyp81A6−1の欠失変異の回復体及び遺伝子Wxの共修飾変異体を選別した。それから、設計した特異プライマーを利用して(フォワードプライマー:5’−CTCTCTCACCATTC CTTCAG−3’。リバースプライマー: 5’−AGCCTAACCAAACATAACGA−3’)共修飾変異体のターゲットDNA配列に対するPCR増幅及びAccI(Takara)酵素切りを行い、成功してWx遺伝子真実変異体を得て、大面積の稲田中間試験及び純系選択育成を経て、新たなWx遺伝子の改良系を得た。
【0053】
実施例3: 稲CYP81A5、CYP81A7及びCYP81A8などの未知遺伝子の生物学機能を研究するための二重RCOs分子部位特異的な遺伝子共修飾技術の利用
ジーン・ターゲッティング(gene targeting)修飾技術は理論において具体的なターゲット遺伝子部位に向けて精確に行う。既知のCYP81A5、CYP81A7及びCYP81A8などの遺伝子のコーディングは一類シトクロムP450のモノオキシゲナーゼ(monooxygenase)タンパクであるが、稲P450は厖大な遺伝子ファミリーであり、インディカ米稲だけでは454のメンバーがある。当遺伝子ファミリーはタンパクのレベルに存在する高度に保存しているヘム結合ドメインモティフ(F−X−X−G−X−R−X−C−X−G)であり、特にその中のシスティン(cystine)のコア残基は遺伝子P450の生物学機能の決定に対してきわめて重要であるので、理想的な変異ターゲットとしてもいい。
【0054】
現有の稲P450のデータベース(http://drnelson.utmen.edu/cytochromep 450.html)から、稲CYP81A5、CYP81A7及びCYP81A8などの3つのシトクロムP450酵素のヘムの保存モティフの中のアミノ酸配列がそれぞれFGMG RRRCPGETLA、FGMGRRKCPGETMA及びFGMGRRRCPGEMLAであると調べている。それらのモティフのヌクレオチド配列の情報及びCYP81A6一塩基の欠失変異の情報を利用してそれぞれモティフの中のキー残基システィン(C)コドンまたはその他の塩基に対して変異できる変異子分子(図11 RCO 3及び図12 RCO 4)及びcyp81A6−2の一塩基に向けて欠失部位に対して修復を行う修復分子(図13 RCO 5)を設計した。パーティクルバードメントでそれぞれそれを一部分の修復子:三部分の変異子またはその他の比率により同時に対の形式で農林8号mの変異体に導入し、スルホニルウレア系除草剤でcyp81A6−2一塩基の欠失変異の回復体及び推定のCYP81A5、CYP81A7及びCYP81A8の共修飾変異体を選別してから、特異プライマーを利用してそれらの変異体を推定したターゲットDNA配列に対するPCR増幅及び配列測定検証を行い、得たCYP81A5、CYP81A7及びCYP81A8の共修飾変異体を野生型と比べて、発現の表型または生物化学型の差異によりそれに関連していた生物学機能を推測した。
【0055】
上述の実験ステップに、cyp81A6−2の一塩基の欠失部位に対する修復の目的はその他の遺伝子の変異に選別作用を提供することにある。故に、理論から言うと、一つのサルフォニラリアスルフォニル・ターゲット酵素アセトラクテート合成酵素(ALS)(Okuzaki及びToriyama、2004)のような遺伝子部位は修飾されてから選別可能の特性があるだけで、修飾ターゲットとしてその目的に用いられる。
【0056】
実施例4: 外来発現遺伝子の選別作用及びRCOs分子の修飾機能を助けを借りた、未知の稲P450遺伝子の生物学機能の検討
抗生物質耐性マーカー遺伝子、生物発光もしくは化学発光遺伝子、炭素源代謝キー酵素遺伝子、細菌、動物またはその他の植物からの耐除草剤遺伝子及びGUS遺伝子などのような外来選択マーカー遺伝子は共導入、整合及び発現の方法を通じてRCOs対ターゲット遺伝子の変異に選別作用を提供する。ここにハイグロマイシンリン酸転移酵素遺伝子を例にして説明する。機能未知のP450遺伝子に向けてRCOs分子(図14 RCO6)を一つ設計して、同時にハイグロマイシンリン酸転移酵素遺伝子を(hph)プラスミドベクターに構成して形質転換プラスミドpHPH(図15)を得た。次に公知のパーティクルバードメント(Tu et al、1998)を利用してプラスミドpHPH及びRCOs分子を共に受体の細胞に導入し、ハイグロマイシンリン酸転移酵素遺伝子の整合及び発現の発生したハイグロマイシン耐性を利用してP450遺伝子のRCO修飾変異体を選別した。次に、特異プライマーを利用して当変異体のターゲットDNA配列に対するPCR増幅及び配列測定検証を行い、得た稲P450修飾変異体を野生型のものと比べて、発現していた表型または生物化学型差異によりその関連した生物学機能を推測した。
【0057】
実施例5: 稲の内在性Bel遺伝子に対するアンチセンスRNA断片の抑制効果に対する観察
クローンした稲の耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子のコーディング配列により、そのアンチセンスRNAまたはRNAi配列(配列番号1の第1939位から第2439位までのヌクレオチド配列を参照)を設計して、それをアクチン1のような稲の組成型発現のプロモーターとつなぎで、遺伝形質転換用のアグロバクテリウム二元ベクターpAANTI1(図16)を構成して、アグロバクテリウムに仲介された(Agrobacterium-mediated transformation)標準の形質転換ステップによりそれをMinghui63/Btのような野生型の品系に導入した。続いて、特異プライマーを利用して遺伝子組み換えのT0代の植株に対するPCR分析を行った。その結果により、すべての遺伝子組み換えの植株は対照プラスミドの拡充産物に一致していた断片を発現していて、外来のアンチセンスRNA断片にMinghui63受体の遺伝子グループ(図17)を導入していたと証明した。さらに、ベンタゾンを1250mg/L利用してそれらの遺伝子組み換えの植株の葉(株ごとに3枚の葉)に塗った。36時間の後に、それらの処理された葉は枯れて死んだ(図18)。稲の内在性Bel遺伝子の発現に対するアンチセンスRNA断片の抑制が有効的であったとその結果は証明した。
【0058】
実施例6: 化学的に補充した除雄−温度感応性不稔系統の育成
上述の有効的であったと証明されたアンチセンスRNA断片を稲の下生え及びOsg6BまたはRA39のような花粉特異発現プロモーターにつないでから、遺伝形質転換用のアグロバクテリウム二元ベクターpOANTI1(図19)を構成した。次に、アグロバクテリウムに仲介された標準の双遺伝子の共形質転換ステップによりそれをそれぞれ現在に稲の生産に大面積に利用していた光温度感応性不稔系統の低育成64Sに導入して、それを特異性により温度感応性不稔系統の内在性耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子の下生え細胞及び花粉粒の中での発現を抑制させて、大面積の稲田での中間試験及び純系育成を通じて新たな化学的に補充した除雄−温度感応性不稔系統に転換できる。そんな二系不稔系統がハイブリッド種子生産の過程に真夏の異常な低温に遭って育成可能の花粉が出てくる場合、スルホニルウレア系除草剤でそれを死なせて、防雑保純の目的に達させる。
【0059】
実施例7: 新たな耐除草剤選別マーカーの構成及び応用
耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤のCYP81A6遺伝子の全遺伝子の配列またはそのコーディング配列を35S、Ubi−1、アクチン1等及びnosターミネーター(terminator)などのような組成型の発現プロモーターにつないでから、アグロバクテリウム二元ベクターに構成して、現在常用のハイグロマイシン、カナマイシン耐性遺伝子またはGUS報告遺伝子などを替えた。当耐性遺伝子をベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に感応性である稲8077S細胞に導入して、得た形質転換陽性傷ふさがりがBSMの含んだ培養基で続いて成長できたが(図6左)、対照グループが当培養基で成長を停止し(図6右)、除草剤での耐性または陽性傷ふさがりの目的に達した。
【0060】
実施例8: 耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子組み換え植物の育成
耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤のCYP81A6遺伝子の全遺伝子配列またはそのコーディング配列を35S、Ubi−1、アクチン1等及びnosターミネーターなどのような組成型の発現プロモーターにつないでから、アグロバクテリウム二元ベクターに構成して、直接に形質転換及び選別に用いられ、得た分子分析及び表型鑑定検証の行われた遺伝子組み換え植株は大面積の中間試験及び純系育成を経て耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子組み換え系に転換できた。CYP81A6遺伝子の全遺伝子配列を感応性稲の8077Sに導入して、耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子組み換えの新たな株系(図7左)を得られた。
【0061】
実施例9: 稲の耐ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の遺伝子CYP81A6の相同クローン
シトクロムP450のメンバーに保存の配列が4つあり、触媒作用に重要な作用を発揮したヘム結合ドメイン(heme-binding domain)、膜の結合に重要なN−末端疎水領域、タンパク質の正確な組立の担当するグリシン/プロラインリッチ(glycine/proline-rich)領域及びヘムの結合領域の上位にある150のアミノ酸のIへリックス(I helix)(Werch-Reichhart氏ら、2000)を含む。故に、それらの保存領域でプライマー(フォワードプライマー:5’−GCAGGAACAGAGACAACC−3’。リバースプライマー:5’−CACCTCCGCCTCCCCATC−3’)を設計して、稲以外のイネ科または豆科植物の遺伝子に対する拡充を行い、高度に相同する配列して、5’RACE及び3’RACE法により単離して相同配列の両端の配列の全部を得て、高度に相同した遺伝子を分離した。
【0062】
参考文献
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第3染色体分子マーカー遺伝連鎖図上の本発明の稲ベンタゾン感応性致死遺伝部位bel及びそれと共に分離するPCR−RFLPマーカーDP1及びDP2の位置。
【図2】農林8号m及び8077Sの中のベンタゾン感応性致死位点の等位性テスト。 a: ベンタゾンで処理前の植株。左:農林8号m、右:8077S、中:農林8号mと8077SとのF1ハイブリッド。b: ベンタゾンで処理後一週間の植株。処理用のベンタゾンの濃度が1250mg/lである。
【図3】8077Sにあるcyp81A6−1一塩基の欠失変異部位を検証するPCR−RFLP分析のフローチャート。変異部位、PCRプライマーの配列、プライマー設計を利用して人工で導入する、変異部位の含むBglIの酵素切断部位(Restriction Enzyme cutting site)、及びBglIでPCR産物に対する切断の断片の長さの差異の詳細は図の中の注の通りである。
【図4】マッピング集団のPCR−RFLPマーカーの分析結果。 M:100bp DNA Ladder(Takara)、 1−5: F2マッピング集団(劣性感応性致死ホモ接合体)の5つのDNA混合サンプル(46株/サンプル)、 6: 93−11、 7: 低育成64m。
【図5】農林8号mにあるcyp81A6−2一塩基の欠失変異部位を検証するPCR−RFLP分析のフローチャート。変異部位、PCRプライマーの配列、cyp81A6−2一塩基欠失変異部位に対応する野生型のCYP81A6コード配列にもとに存在していたNaeI酵素切断部位及びNaeIでPCR産物に対する酵素切断の断片の長さの差異の詳細は図の中の注を参照すること。
【図6】8077Sを受体とするCYP81A6の形質転換して傷がふさがるベンスルフロンメチルの選別結果。 左:遺伝子組み換えの傷がふさがる、右: 8077S対照の傷がふさがる。
【図7】8077S受体とするCYP81A6遺伝子組み換えの苗のベンタゾン耐性の鑑定結果。左:8077S対照、中:遺伝子組み換えの苗、右: W6154S対照。
【図8】遺伝子CYP81A6の構造。 黒色の長方形:遺伝子の発現区域(expressed region)を表す、灰色の長方形:遺伝子の5’端及び3’端の非コード領域を表す、真中の実線:遺伝子の内部区域(Intervening region)を表す。それらの長さはそれぞれ図の上部に表示されている。図の下部に表示されているのは開始コドンのATG、終止コドンのTGA及び編集点配列GT及びAGである。
【図9】遺伝子Waxa のターゲット配列及び該配列により設計されたRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチドRCO1。
【図10】遺伝子cyp81A6−1のターゲット配列及び該配列により設計されたRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチドRCO2。
【図11】遺伝子CYP81A5、CYP81A6、CYP81A7、CYP81A8のターゲット配列及び該配列により設計されたRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチドRCO3.
【図12】遺伝子CYP81A8のターゲット配列及び該配列により設計されたRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチドRCO4。
【図13】遺伝子cyp81A6−2のターゲット配列及び該配列により設計されたRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチドRCO5。
【図14】機能未知の稲P450(GenBank番号:B1147A04)遺伝子のターゲット配列及び該配列により設計されたRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチドRCO6。
【図15】ヒグロマイシン ホスホトランスフェラーゼ遺伝子を運ぶpHPHプラスミド地図。
【図16】プロモーター・アクチンIに駆動されるCYP81A6アンチセンスRNA遺伝子pAANTI1プラスミド地図。
【図17】Minghui63回復系統を起源とするCYP81A6アンチセンスRNA遺伝子形質転換植株のPCR鑑定結果。 M: DL2000(Takara)分子量マーカー。 1−2:遺伝子組み替え植株。 3:野生型の対照植株; 4:プラスミド対照。
【図18】Minghui63回復系統を起源とするCYP81A6アンチセンスRNA遺伝子形質転換植株のベンタゾン耐性の試験結果。 左:ベンタゾン感応性変異体のマイナス対照。中:アンチセンスRNA形質転換植株。右:Minghui63野生型のプラス対照。ベンタゾン処理濃度:1250mg/L。
【図19】組織特異型のプロモーターOsg6Bに駆動されるCYP81A6アンチセンスRNA遺伝子pOANTI1プラスミド地図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の(1)〜(5)からなる群より選択される何れかのヌクレオチド配列を含んでなる、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の耐性遺伝子:
(1) 配列番号1に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(2) 配列番号1の配列の第1949位から第4216位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(3) 配列番号2に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(4) 配列番号2の塩基の第54位から第1595位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(5) 配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうる、ヌクレオチド配列。
【請求項2】
配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチド配列を有する、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の耐性遺伝子。
【請求項3】
下記の(1)〜(5)からなる群より選択される何れかのヌクレオチド配列を含んでなる、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性遺伝子によりコードされてなる、ポリペプチド:
(1) 配列番号1に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(2) 配列番号1の配列の第1949位から第4216位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(3) 配列番号2に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(4) 配列番号2の塩基の第54位から第1595位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(5) 配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうる、ヌクレオチド配列。
【請求項4】
配列番号3に示すアミノ酸配列を有する、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性遺伝子によりによりコードされてなる、ポリペプチド。
【請求項5】
請求項1または2に記載のヌクレオチド配列と、前記ヌクレオチド分子を転写または発現させるために必要な調節エレメントとを含んでなる、組換えベクター。
【請求項6】
転写調節エレメントと作動的に連結している請求項1に記載のヌクレオチド配列を含んでなる、請求項5に記載の組換えベクター。
【請求項7】
転写もしくは発現に必要な調節エレメントが、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、MAR配列及び5’側の上流の調節配列を含む、請求項5に記載の組換えベクター。
【請求項8】
ベクターが発現ベクターである、請求項5に記載の組換えベクター。
【請求項9】
請求項1または3に記載のポリペプチドを含んでなる、植物細胞。
【請求項10】
前記細胞がカヤツリグサ科荒地植物の細胞または豆科植物以外のほぼ全ての広葉植物を含む、請求項9に記載の植物細胞。
【請求項11】
除草剤耐性の選別マーカーとしての、請求項1に記載のヌクレオチド配列または請求項5〜8のいずれか一項に記載の組換えベクターの使用。
【請求項12】
下記からなる群より選択されるいずれかのヌクレオチド配列を含んでなる、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤感応性遺伝子,
(1) 配列番号1に示すヌクレオチド配列から第2455位塩基Cまたは第4006位塩基Gを欠失することによって得られる、ヌクレオチド配列;
(2) 配列番号2に示すヌクレオチド配列から第560位塩基Cまたは第1385位塩基Gを欠失することによって得られる、ヌクレオチド配列;
(3) 前記(1)または(2)に記載のヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件でハイブリダイズしうる、ヌクレオチド配列。
【請求項13】
人工のアンチセンスRNAまたはRNAi断片を含んでなる組換え核酸分子であって、
前記アンチセンスRNAまたはRNAi断片が請求項1、2または12のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列を含む、組換え核酸分子。
【請求項14】
化学的に補充された除雄で温度感応性雄性不稔系統の育成における、請求項13に記載の組換え核酸分子の使用。
【請求項15】
請求項12に記載のヌクレオチド配列と、前記ヌクレオチド配列の転写もしくは発現に必要な調節エレメントとを含んでなる、組換えベクター。
【請求項16】
転写または発現のために必要な調節エレメントが、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、MAR配列または5’側の上流の調節配列を含む、請求項15に記載の組換えベクター。
【請求項17】
請求項12に記載のヌクレオチド配列または請求項15もしくは16に記載の組換えベクターを含んでなる、植物細胞。
【請求項18】
ネガティブ選別マーカーとしての、請求項12に記載のヌクレオチド配列または請求項15もしくは16に記載の組換えベクターの使用。
【請求項19】
生細胞内において遺伝子グループの二つまたは複数の部位におけるターゲット配列に対して、同時に部位特異的な共修飾を行う遺伝操作方法であって、
第一の修飾ターゲットとして、修飾後の選別マーカーとして機能し得るヌクレオチド配列を使用し、付加修飾ターゲットとして、生細胞のターゲット内在性遺伝子のキー塩基対を使用し、
異なる修飾ターゲット配列に向けて設計された二または複数のRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチド分子(RCOs)を、パーティクルガン介在共導入技術によって、ターゲット受容細胞に共導入して、前記二または複数のターゲット部位に対して同時に部位特異的な修飾または変異を行い、
更に選別マーカーとするヌクレオチド配列の修飾表型(選別可能の表型)を利用してターゲット内在性遺伝子の修復または変異の後の遺伝子の型に対して関係の選択を行うことを特徴とする、方法。
【請求項20】
選別マーカーとして使用されるヌクレオチド配列が、変異したまたは変異していない耐除草剤遺伝子、耐抗生物質マーカー遺伝子、生物発光もしくは化学発光遺伝子、炭素源代謝キー酵素遺伝子、細菌もしくはGUS遺伝子など由来のコード配列または調節配列を含む、請求項19に記載の遺伝操作方法。
【請求項21】
選別マーカーとして使用されるヌクレオチド配列が、請求項1、2または12のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列である、請求項19に記載の遺伝操作方法。
【請求項22】
スクリーニング可能な表型が、RCOs分子と共導入する外来遺伝子の発現によっても提供され得る、請求項19に記載の遺伝操作方法。
【請求項23】
付加修飾ターゲットが、機能未知の遺伝子である、請求項19に記載の遺伝操作方法。
【請求項24】
付加修飾ターゲットが、機能既知の遺伝子である請求項19に記載の遺伝操作方法。
【請求項25】
請求項1〜8、12、15〜16及び21〜24のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、ポリペプチド、組換えベクター、細胞、及び方法を利用する工程を含んでなる、遺伝子の生物学機能の調査方法。
【請求項26】
請求項1〜8、12、15〜16及び21〜24のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、ポリペプチド、組換えベクター、細胞及び方法を利用するの工程を含んでなる、生物の形質を改良する方法。
【請求項1】
下記の(1)〜(5)からなる群より選択される何れかのヌクレオチド配列を含んでなる、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の耐性遺伝子:
(1) 配列番号1に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(2) 配列番号1の配列の第1949位から第4216位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(3) 配列番号2に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(4) 配列番号2の塩基の第54位から第1595位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(5) 配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうる、ヌクレオチド配列。
【請求項2】
配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチド配列を有する、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤の耐性遺伝子。
【請求項3】
下記の(1)〜(5)からなる群より選択される何れかのヌクレオチド配列を含んでなる、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性遺伝子によりコードされてなる、ポリペプチド:
(1) 配列番号1に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(2) 配列番号1の配列の第1949位から第4216位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(3) 配列番号2に示す配列を有する、ヌクレオチド配列;
(4) 配列番号2の塩基の第54位から第1595位までのヌクレオチド配列と同等の機能を有する、断片または誘導体;
(5) 配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうる、ヌクレオチド配列。
【請求項4】
配列番号3に示すアミノ酸配列を有する、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性遺伝子によりによりコードされてなる、ポリペプチド。
【請求項5】
請求項1または2に記載のヌクレオチド配列と、前記ヌクレオチド分子を転写または発現させるために必要な調節エレメントとを含んでなる、組換えベクター。
【請求項6】
転写調節エレメントと作動的に連結している請求項1に記載のヌクレオチド配列を含んでなる、請求項5に記載の組換えベクター。
【請求項7】
転写もしくは発現に必要な調節エレメントが、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、MAR配列及び5’側の上流の調節配列を含む、請求項5に記載の組換えベクター。
【請求項8】
ベクターが発現ベクターである、請求項5に記載の組換えベクター。
【請求項9】
請求項1または3に記載のポリペプチドを含んでなる、植物細胞。
【請求項10】
前記細胞がカヤツリグサ科荒地植物の細胞または豆科植物以外のほぼ全ての広葉植物を含む、請求項9に記載の植物細胞。
【請求項11】
除草剤耐性の選別マーカーとしての、請求項1に記載のヌクレオチド配列または請求項5〜8のいずれか一項に記載の組換えベクターの使用。
【請求項12】
下記からなる群より選択されるいずれかのヌクレオチド配列を含んでなる、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤感応性遺伝子,
(1) 配列番号1に示すヌクレオチド配列から第2455位塩基Cまたは第4006位塩基Gを欠失することによって得られる、ヌクレオチド配列;
(2) 配列番号2に示すヌクレオチド配列から第560位塩基Cまたは第1385位塩基Gを欠失することによって得られる、ヌクレオチド配列;
(3) 前記(1)または(2)に記載のヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件でハイブリダイズしうる、ヌクレオチド配列。
【請求項13】
人工のアンチセンスRNAまたはRNAi断片を含んでなる組換え核酸分子であって、
前記アンチセンスRNAまたはRNAi断片が請求項1、2または12のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列を含む、組換え核酸分子。
【請求項14】
化学的に補充された除雄で温度感応性雄性不稔系統の育成における、請求項13に記載の組換え核酸分子の使用。
【請求項15】
請求項12に記載のヌクレオチド配列と、前記ヌクレオチド配列の転写もしくは発現に必要な調節エレメントとを含んでなる、組換えベクター。
【請求項16】
転写または発現のために必要な調節エレメントが、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、MAR配列または5’側の上流の調節配列を含む、請求項15に記載の組換えベクター。
【請求項17】
請求項12に記載のヌクレオチド配列または請求項15もしくは16に記載の組換えベクターを含んでなる、植物細胞。
【請求項18】
ネガティブ選別マーカーとしての、請求項12に記載のヌクレオチド配列または請求項15もしくは16に記載の組換えベクターの使用。
【請求項19】
生細胞内において遺伝子グループの二つまたは複数の部位におけるターゲット配列に対して、同時に部位特異的な共修飾を行う遺伝操作方法であって、
第一の修飾ターゲットとして、修飾後の選別マーカーとして機能し得るヌクレオチド配列を使用し、付加修飾ターゲットとして、生細胞のターゲット内在性遺伝子のキー塩基対を使用し、
異なる修飾ターゲット配列に向けて設計された二または複数のRNA・DNAキメラオリゴヌクレオチド分子(RCOs)を、パーティクルガン介在共導入技術によって、ターゲット受容細胞に共導入して、前記二または複数のターゲット部位に対して同時に部位特異的な修飾または変異を行い、
更に選別マーカーとするヌクレオチド配列の修飾表型(選別可能の表型)を利用してターゲット内在性遺伝子の修復または変異の後の遺伝子の型に対して関係の選択を行うことを特徴とする、方法。
【請求項20】
選別マーカーとして使用されるヌクレオチド配列が、変異したまたは変異していない耐除草剤遺伝子、耐抗生物質マーカー遺伝子、生物発光もしくは化学発光遺伝子、炭素源代謝キー酵素遺伝子、細菌もしくはGUS遺伝子など由来のコード配列または調節配列を含む、請求項19に記載の遺伝操作方法。
【請求項21】
選別マーカーとして使用されるヌクレオチド配列が、請求項1、2または12のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列である、請求項19に記載の遺伝操作方法。
【請求項22】
スクリーニング可能な表型が、RCOs分子と共導入する外来遺伝子の発現によっても提供され得る、請求項19に記載の遺伝操作方法。
【請求項23】
付加修飾ターゲットが、機能未知の遺伝子である、請求項19に記載の遺伝操作方法。
【請求項24】
付加修飾ターゲットが、機能既知の遺伝子である請求項19に記載の遺伝操作方法。
【請求項25】
請求項1〜8、12、15〜16及び21〜24のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、ポリペプチド、組換えベクター、細胞、及び方法を利用する工程を含んでなる、遺伝子の生物学機能の調査方法。
【請求項26】
請求項1〜8、12、15〜16及び21〜24のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、ポリペプチド、組換えベクター、細胞及び方法を利用するの工程を含んでなる、生物の形質を改良する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2008−546419(P2008−546419A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518589(P2008−518589)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【国際出願番号】PCT/CN2005/000936
【国際公開番号】WO2007/000077
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(505072650)浙江大学 (10)
【出願人】(508003996)武漢財富科技有限公司 (1)
【氏名又は名称原語表記】WUHAN FORTUNE SCIENCE AND TECHNOLOGY CO., LTD.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【国際出願番号】PCT/CN2005/000936
【国際公開番号】WO2007/000077
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(505072650)浙江大学 (10)
【出願人】(508003996)武漢財富科技有限公司 (1)
【氏名又は名称原語表記】WUHAN FORTUNE SCIENCE AND TECHNOLOGY CO., LTD.
【Fターム(参考)】
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