説明

稼動監視装置、稼動監視方法および稼動監視プログラム

【課題】監視対象装置のセキュリティを確保しつつ、稼動状況の誤判定を防止させる。
【解決手段】稼動監視装置10の稼働状況判定部113は、稼働状況処理コマンドが発行された場合に、メール送信部111によって送信された最新の接続確認メールがメール受信部112によって受信されたか否かを判定する。最新の接続確認メールが受信されたと判定された場合に、稼働状況判定部113は、送信予定時刻に送信される予定の稼動確認メールを受信したか否かを判定する。稼動確認メールが受信されていないと判定された場合に、稼働状況判定部113は、送信予定時刻からの猶予時間を経過したか否かを判定する。送信予定時刻からの猶予時間を経過したと判定された場合に、稼働状況変更部114は、稼動確認メールに対応する監視対象装置50の稼働状況情報を、非稼動であることを示す情報に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ネットワークを介して接続される複数の監視対象装置の稼動状況を監視するのに有用な稼動監視装置、稼動監視方法および稼動監視プログラムに関し、特に、監視対象装置のセキュリティを確保しつつ、稼動状況の誤判定を防止させることができる稼動監視装置、稼動監視方法および稼動監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1および特許文献2には、監視装置が、ネットワークを介して接続される複数の監視対象装置の稼動状況を監視する技術が開示されている。特許文献1には、監視装置が各監視対象装置にチェック信号を送信し、このチェック信号に対する応答がない場合に、監視対象装置が正常に稼動していないと判定する監視システムが開示されている。特許文献2には、各監視対象装置が監視装置に定期的に稼動確認メールを送信し、監視装置がこの稼動確認メールを予定時刻までに受信できなかった場合に、監視対象装置が正常に稼動していないと判定する監視システムが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−229870号公報
【特許文献2】特開2001−325123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の監視システムでは、監視対象装置側のシステムが、このシステムの外部にある監視装置から送信されるチェック信号を受信することになるため、システムのセキュリティを確保するうえでは好ましくない。これに対して、特許文献2に記載の監視システムでは、監視対象装置側から監視装置に対して稼動確認メールを送信するため、特許文献1に記載の監視システムが抱えるセキュリティ上の問題については解消されている。しかしながら、特許文献2に記載の監視システムでは、例えば、監視装置側のシステム内にあるメールサーバや通信インフラが修理や故障等によって停止しまうと、稼動確認メールを受信することができなくなるため、監視対象装置が正常に稼動しているにもかかわらず正常に稼動していないと誤判定されることも考えられる。
【0005】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、監視対象装置のセキュリティを確保しつつ、稼動状況の誤判定を防止させることができる稼動監視装置、稼動監視方法および稼動監視プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、ネットワークを介して接続される複数の監視対象装置の稼動状況を監視する稼動監視装置であって、自稼動監視装置宛の接続確認通知を前記ネットワーク上にある通知サーバを介して送信する送信手段と、前記監視対象装置から送信される稼動確認通知、および前記接続確認通知を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記稼動確認通知に含まれる前記稼動確認通知の次回の送信予定時刻を、前記監視対象装置に関する装置情報に対応付けて記憶させる記憶手段と、前記送信予定時刻を用いて、当該送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信したか否かを判定する判定手段と、を備え、前記判定手段は、前記稼動監視装置が送信した最新の前記接続確認通知が前記受信手段によって受信されていない場合には、前記判定を実行しないことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、ネットワークを介して接続される複数の監視対象装置の稼動状況を監視する稼動監視方法であって、自稼動監視装置宛の接続確認通知を前記ネットワーク上にある通知サーバを介して送信する送信ステップと、前記監視対象装置から送信される稼動確認通知、および前記接続確認通知を受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信された前記稼動確認通知に含まれる前記稼動確認通知の次回の送信予定時刻を、前記監視対象装置に関する装置情報に対応付けて記憶させる記憶ステップと、前記送信予定時刻を用いて、当該送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信したか否かを判定する判定ステップと、を含み、前記判定ステップは、前記稼動監視装置が送信した最新の前記接続確認通知が前記受信ステップにおいて受信されていない場合には、前記判定を実行しないことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、ネットワークを介して接続される複数の監視対象装置の稼動状況を監視する稼動監視プログラムであって、自稼動監視装置宛の接続確認通知を前記ネットワーク上にある通知サーバを介して送信する送信手順と、前記監視対象装置から送信される稼動確認通知、および前記接続確認通知を受信する受信手順と、前記受信手順によって受信された前記稼動確認通知に含まれる前記稼動確認通知の次回の送信予定時刻を、前記監視対象装置に関する装置情報に対応付けて記憶させる記憶手順と、前記送信予定時刻を用いて、当該送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信したか否かを判定する判定手順と、をコンピュータに実行させ、前記判定手順は、前記稼動監視装置が送信した最新の前記接続確認通知が前記受信手順によって受信されていない場合には、前記判定を実行しないことを特徴とする。
【0009】
これらの発明によれば、自稼動監視装置宛の接続確認通知をネットワーク上にある通知サーバを介して送信し、この接続確認通知を受信した場合にのみ、監視対象装置から送信される稼動確認通知の受信状況を判定させることができるため、稼動監視装置側の通信状況が正常である場合にのみ監視対象装置の稼働状況を判定させることができる。また、監視対象装置は、稼動確認通知を送信するだけで監視対象装置の稼働状況を判定させることができるため、監視対象装置が外部の稼動監視装置からアクセスされることなく、監視対象装置の稼働状況を判定させることができる。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、前記受信手段によって最新の前記接続確認通知が受信されていない場合には、所定時間待機してから、前記判定を実行することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、前記送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信していないときに、当該送信予定時刻から所定の猶予時間が経過している場合に、前記稼動確認通知を受信していないと判定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、前記送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信していないときに、当該送信予定時刻から所定の猶予時間が経過している場合に、前記稼動確認通知を受信していないと判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自稼動監視装置宛の接続確認通知をネットワーク上にある通知サーバを介して送信し、この接続確認通知を受信した場合にのみ、監視対象装置から送信される稼動確認通知の受信状況を判定させることができるため、監視対象装置が外部の稼動監視装置からアクセスされることなく、稼動監視装置側の通信状況が正常である場合にのみ監視対象装置の稼働状況を判定させることができる。
【0014】
また、本発明によれば、監視対象装置は、稼動確認通知を送信するだけで監視対象装置の稼働状況を判定させることができるため、監視対象装置が外部の稼動監視装置からアクセスされることなく、監視対象装置の稼働状況を判定させることができる。
【0015】
すなわち、本発明によれば、監視対象装置のセキュリティを確保しつつ、稼動状況の誤判定を防止させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る稼動監視装置、稼動監視方法および稼動監視プログラムの好適な実施形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0017】
まず、本実施例における稼動監視システムの構成について説明する。図1は、稼動監視システムの構成図である。同図に示すように、稼動監視システム1は、稼動監視装置10と、センタ内メールサーバ20と、ゲートウェイ40と、監視対象装置50と、メールサーバ60とを有する。稼動監視装置10およびセンタ内メールサーバ20は、監視センタネットワーク30に属しており、ゲートウェイ40を介してインターネット70に接続する。
【0018】
監視対象装置50は、稼動確認メールを定期的に稼動監視装置10に送信する。この稼動確認メールは、監視対象装置50が正常に稼動していることを稼動監視装置10に通知するためのメールであり、この稼動確認メールには、次回に送信される稼動確認メールの送信予定時刻に関する情報が含まれる。
【0019】
稼動監視装置10は、稼動確認メールが送信予定時刻に受信できたか否かを判定することで、監視対象装置50の稼働状況を判定する。この稼動監視装置10は、自装置である稼動監視装置10宛ての接続確認メールを定期的に送信し、最新の接続確認メールが受信されているときにのみ、稼動確認メールを用いて監視対象装置50の稼働状況を判定する。この接続確認メールは、監視センタネットワーク30内の通信状況を確認するためにメールサーバ60を介して送信されるメールである。メールサーバ60は、送信用メールサーバ(例えば、SMTPサーバ)と受信用メールサーバ(例えば、POP3サーバ)とを兼ね備えている。
【0020】
図2を参照して稼動監視装置10の機能構成について説明する。図2は、稼動監視装置の機能構成図である。同図に示すように、稼動監視装置10は、稼動監視装置10を全体制御する制御部11と、制御部11での処理に用いられる情報を格納する接続確認メール情報ファイル121や監視対象装置情報ファイル122を記憶する記憶部12とを有する。
【0021】
ここで、監視対象装置情報ファイル122および接続確認メール情報ファイル121のデータ構成について説明する。図3は、接続確認メール情報ファイル121のデータ構成図である。接続確認メール情報ファイル121は、データ項目として、例えば、送信時刻、受信状況を有する。送信時刻には、自装置である稼動監視装置10宛ての接続確認メールを送信した時刻が格納される。受信状況には、稼動監視装置10宛ての接続確認メールを受信したか否かを示す情報が格納される。
【0022】
図4は、監視対象装置情報ファイル122のデータ構成図である。監視対象装置情報ファイル122は、データ項目として、例えば、装置ID、送信予定時刻、受信時刻、稼働状況を有する。装置IDには、監視対象装置50を一意に特定するための識別コードが格納される。送信予定時刻には、監視対象装置50から次回に送信される稼動確認メールの送信予定時刻が格納される。受信時刻には、監視対象装置50から送信予定時刻に送信される予定の稼動確認メールを実際に受信した時刻が格納される。稼働状況には、監視対象装置50が稼働しているか否かを示す情報が格納される。なお、送信予定時刻には、稼動確認メールを受信し、かつ、後述する稼働状況が判定された後に、当該受信された稼動確認メールに含まれる次回の送信予定時刻が格納されることになる。
【0023】
図4に示す装置IDが“0001”であるレコードは、送信予定時刻が“2007/5/1 7:00”である稼動確認メールが、“2007/5/1 7:30”に受信されたため、稼働状況が“稼動”に設定されている状態を示すものである。なお、実際には、装置IDが“0001”である監視対象装置50の稼働状況が判定されると、このレコードの送信予定時刻には“2007/5/1 7:30”に受信された稼動確認メールに含まれる次回の送信予定時刻が格納され、このレコードの受信時刻はクリアされることになる。
【0024】
図4に示す装置IDが“0002”であるレコードは、送信予定時刻が“2007/5/1 9:00”である稼動確認メールが、猶予時間(例えば、3時間)を経過しても受信されていないため、稼働状況が“非稼動”に設定されている状態を示すものである。
【0025】
なお、装置IDは、この装置IDに対応する監視対象装置50のメールアドレスに対応付けられて記憶部12内に記憶されている。
【0026】
図2に示す制御部11は、メール送信部111と、メール受信部112と、稼働状況判定部113と、稼働状況変更部114とを有する。
【0027】
メール送信部111は、稼動監視装置10宛の接続確認メールを定期的(例えば、10分ごと)に送信する。この接続確認メールは、監視センタネットワーク30内の通信状況を確認するために送信されるメールであるため、監視センタネットワーク30外にあるメールサーバ60から監視センタネットワーク30内にあるセンタ内メールサーバ20に送信させる必要がある。したがって、メール送信部111は、監視センタネットワーク30外にある送信用メールサーバとしてのメールサーバ60を経由させて接続確認メールを送信する。これにより、接続確認メールは、インターネット70上のメールサーバ60を介して送信されることになる。なお、メール送信部111は、接続確認メールを送信すると、接続確認メール情報ファイル121にレコードを追加し、この追加したレコードの送信時刻に接続確認メールの送信時刻を記憶させ、受信状況に未受信であることを示す情報を記憶させる。
【0028】
メール受信部112は、監視対象装置50から送信される稼動確認メールや、メール送信部111によって送信された接続確認メールを受信する。メール受信部112は、稼動確認メールに含まれる稼動確認メールの次回の送信予定時刻を、監視対象装置情報ファイル122の送信予定時刻に格納する。具体的には、稼動確認メールの送信元である監視対象装置50の装置IDを用いて監視対象装置情報ファイル122を検索し、検出された監視対象装置情報レコードの送信予定時刻に、稼動確認メールに含まれる送信予定時刻を格納する。なお、メール受信部112は、接続確認メールを受信すると、接続確認メール情報ファイル121の受信状況に受信済であることを示す情報を記憶させる。
【0029】
稼働状況判定部113は、送信予定時刻を用いて、この送信予定時刻に送信される予定の稼動確認メールを受信したか否かを判定する。具体的には、稼働状況判定部113は、送信予定時刻に送信される予定の稼動確認メールを受信したか否かを判定する。稼動確認メールが受信されている場合には、稼動確認メールを送信した監視対象装置50が正常に稼動していると判定する。一方、稼動確認メールが受信されていない場合に、稼働状況判定部113は、送信予定時刻からの猶予時間(例えば、3時間)を経過したか否かを判定する。そして、送信予定時刻からの猶予時間を経過している場合には、監視対象装置50が正常に稼動していないと判定し、送信予定時刻からの猶予時間を経過していない場合には、監視対象装置50が正常に稼動していると見做して次回の稼動監視処理まで最終判定を持ち越す。
【0030】
ここで、稼動監視処理は、上述した稼働状況判定部113による一連の判定処理を含み、稼動監視処理コマンドの発行により開始される。この稼動監視処理コマンドは、定期的(例えば、1時間ごと)に発行させることとしてもよいし、オペレータによって任意に発行させられることとしてもよい。この稼動監視処理コマンドには、監視対象装置50の装置IDと、送信予定時刻からの猶予時間とが含まれている。
【0031】
稼働状況判定部113は、稼働状況処理コマンドが発行された場合に、接続確認メール情報ファイル121を参照して、メール送信部111によって送信された最新の接続確認メールがメール受信部112によって受信されたか否かを判定し、最新の接続確認メールが受信されている場合には、上述した稼動確認メールを受信したか否かを判定する。一方、最新の接続確認メールが受信されていない場合には、所定時間待機してから、再度、最新の接続確認メールを受信したか否かを判定する。
【0032】
ここで、監視センタネットワーク30内にあるセンタ内メールサーバ20や通信インフラが修理や故障等によって停止した場合には、停止している間、稼動監視装置10は稼動確認メールや接続確認メールを受信することができない。そして、その後センタ内メールサーバ20や通信インフラが回復した場合に、稼動監視装置10は、停止している間に滞留した稼動確認メールや接続確認メールを順次受信して処理することになる。つまり、本実施例における稼動監視装置10では、最新の接続確認メールが受信されるまでは、稼動監視処理を待機状態とすることができるため、停止している間に滞留した稼動確認メールの受信処理を済ませてから、適切なタイミングで稼動監視処理を再開させることができる。
【0033】
稼働状況変更部114は、稼働状況判定部113によって稼動確認メールが、送信予定時刻からの猶予時間内に受信されていないと判定された場合に、この稼動確認メールに対応する監視対象装置50の稼働状況情報を、非稼動であることを示す情報に変更する。具体的には、稼動確認メールに対応する監視対象装置50の装置IDを用いて接続確認メール情報ファイル121を検索し、検出された接続確認メール情報レコードの受信状況に、非稼動であることを示す情報を格納する。これにより、各監視対象装置50の管理者に対して、異常が検出された旨を通知することが可能となる。
【0034】
次に、図5を参照して、稼動監視装置10における稼動監視処理の処理手順について説明する。図5は、稼動監視処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順では、監視対象装置50ごとに定期的に発行される稼動監視処理コマンドが発行されたときに、当該コマンドに対応する監視対象装置50の稼働状況を判定する際の手順について説明する。
【0035】
最初に、稼動監視装置10の稼働状況判定部113は、稼働状況処理コマンドが発行されたか否かを判定する(ステップS101)。この判定がNOである場合(ステップS101;NO)には、処理を上記ステップS101に移行する。
【0036】
一方、上記ステップS101で稼働状況処理コマンドが発行されたと判定された場合(ステップS101;YES)に、稼働状況判定部113は、接続確認メール情報ファイル121を参照して、メール送信部111によって送信された最新の接続確認メールがメール受信部112によって受信されたか否かを判定する(ステップS102)。この判定がNOである場合(ステップS102;NO)には、所定時間待機してから(ステップS103)、処理を上記ステップS102に移行する。
【0037】
一方、上記ステップS102で最新の接続確認メールが受信されたと判定された場合(ステップS102;YES)に、稼働状況判定部113は、監視対象装置情報ファイル122を参照して、送信予定時刻に送信される予定の稼動確認メールを受信したか否かを判定する(ステップS104)。この判定がYESである場合(ステップS104;YES)には、稼動監視処理を終了する。
【0038】
一方、上記ステップS104で稼動確認メールが受信されていないと判定された場合(ステップS104;NO)に、稼働状況判定部113は、送信予定時刻からの猶予時間を経過したか否かを判定する(ステップS105)。この判定がNOである場合(ステップS105;NO)には、稼動監視処理を終了する。
【0039】
一方、上記ステップS105で送信予定時刻からの猶予時間を経過したと判定された場合(ステップS105;YES)に、稼働状況変更部114は、稼動確認メールに対応する監視対象装置50の稼働状況情報を、非稼動であることを示す情報に変更して(ステップS106)、稼動監視処理を終了する。
【0040】
上述してきたように、本実施例の稼動監視装置10では、自稼動監視装置宛の接続確認メールをインターネット70上にあるメールサーバ60を介して送信し、この接続確認メールを受信した場合にのみ、監視対象装置50から送信される稼動確認メールの受信状況を判定させることができるため、稼動監視装置10側の通信状況が正常である場合にのみ監視対象装置50の稼働状況を判定させることができる。
【0041】
また、本実施例において、監視対象装置50は、稼動確認通知を送信するだけで監視対象装置50の稼働状況を判定させることができるため、監視対象装置50が外部の稼動監視装置10からアクセスされることなく、監視対象装置50の稼働状況を判定させることができる。
【0042】
したがって、本実施例の稼動監視装置10では、監視対象装置50のセキュリティを確保しつつ、稼動状況の誤判定を防止させることができる。
【0043】
なお、上述した実施例では、確認メールや稼動確認メールを用いてやりとりしているが、やりとりする手法はメールに限定されず、例えば、メッセージであってもよい。すなわち、お互いにやりとりを通知することができる手法であればよい。
【0044】
また、上述した実施例では、稼働状況判定部113が、最新の接続確認メールがまだ受信されていない場合に、所定時間待機してから、再度、最新の接続確認メールが受信されたか否かを判定しているが、再判定のタイミングは、これに限定されない。例えば、最新の接続確認メールが受信されていない場合には、今回の稼動監視処理を中止させて、次回の稼動監視処理コマンドによって開始される稼動監視処理で最新の接続確認メールが受信されたか否かを判定させることとしてもよい。
【0045】
最後に、図2に示した本実施例における稼動監視装置10の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができる。例えば、稼動監視装置10の制御部11の機能をソフトウェアとして実装し、これをコンピュータで実行することにより、稼動監視装置10と同等の機能を実現することもできる。以下に、制御部11の機能をソフトウェアとして実装した稼動監視プログラム1071を実行するコンピュータの一例を示す。
【0046】
図6は、稼動監視プログラムを実行するコンピュータの機能構成図である。このコンピュータ1000は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)1010と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置1020と、各種情報を表示するモニタ1030と、記録媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置1040と、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受をおこなう通信装置1050と、各種情報を一時記憶するRAM(Random Access Memory)1060と、ハードディスク装置1070とをバス1080で接続して構成される。
【0047】
そして、ハードディスク装置1070には、図2に示した制御部11と同様の機能を有する稼動監視プログラム1071と、図2に示した記憶部12に記憶される各種データに対応する稼動監視用データ1072とが記憶される。なお、稼動監視用データ1072を、適宜分散させ、ネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶させておくこともできる。
【0048】
そして、CPU1010が稼動監視プログラム1071をハードディスク装置1070から読み出してRAM1060に展開することにより、稼動監視プログラム1071は、稼動監視プロセス1061として機能するようになる。そして、稼動監視プロセス1061は、稼動監視用データ1072から読み出した情報等を適宜RAM1060上の自身に割り当てられた領域に展開し、この展開したデータ等に基づいて各種データ処理を実行する。
【0049】
なお、稼動監視プログラム1071は、必ずしもハードディスク装置1070に格納されている必要はなく、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されたこのプログラムを、コンピュータ1000が読み出して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を介してコンピュータ1000に接続される他のコンピュータ(またはサーバ)等にこのプログラムを記憶させておき、コンピュータ1000がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0050】
(付記1)ネットワークを介して接続される複数の監視対象装置の稼動状況を監視する稼動監視装置であって、
自稼動監視装置宛の接続確認通知を前記ネットワーク上にある通知サーバを介して送信する送信手段と、
前記監視対象装置から送信される稼動確認通知、および前記接続確認通知を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記稼動確認通知に含まれる前記稼動確認通知の次回の送信予定時刻を、前記監視対象装置に関する装置情報に対応付けて記憶させる記憶手段と、
前記送信予定時刻を用いて、当該送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信したか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、前記稼動監視装置が送信した最新の前記接続確認通知が前記受信手段によって受信されていない場合には、前記判定を実行しないことを特徴とする稼動監視装置。
【0051】
(付記2)前記判定手段は、前記受信手段によって最新の前記接続確認通知が受信されていない場合には、所定時間待機してから、前記判定を実行することを特徴とする付記1に記載の稼動監視装置。
【0052】
(付記3)前記判定手段は、前記送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信していないときに、当該送信予定時刻から所定の猶予時間が経過している場合に、前記稼動確認通知を受信していないと判定することを特徴とする付記1または2に記載の稼動監視装置。
【0053】
(付記4)前記判定手段によって前記稼動確認通知が受信されていないと判定された場合に、当該稼動確認通知に対応する前記監視対象装置の前記装置情報に含まれる稼働状況情報を、非稼動であることを示す情報に変更する稼働状況変更手段をさらに備えることを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の稼動監視装置。
【0054】
(付記5)ネットワークを介して接続される複数の監視対象装置の稼動状況を監視する稼動監視方法であって、
自稼動監視装置宛の接続確認通知を前記ネットワーク上にある通知サーバを介して送信する送信ステップと、
前記監視対象装置から送信される稼動確認通知、および前記接続確認通知を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された前記稼動確認通知に含まれる前記稼動確認通知の次回の送信予定時刻を、前記監視対象装置に関する装置情報に対応付けて記憶させる記憶ステップと、
前記送信予定時刻を用いて、当該送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信したか否かを判定する判定ステップと、を含み、
前記判定ステップは、前記稼動監視装置が送信した最新の前記接続確認通知が前記受信ステップにおいて受信されていない場合には、前記判定を実行しないことを特徴とする稼動監視方法。
【0055】
(付記6)前記判定ステップは、前記受信ステップにおいて最新の前記接続確認通知が受信されていない場合には、所定時間待機してから、前記判定を実行することを特徴とする付記5に記載の稼動監視方法。
【0056】
(付記7)前記判定ステップは、前記送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信していないときに、当該送信予定時刻から所定の猶予時間が経過している場合に、前記稼動確認通知を受信していないと判定することを特徴とする付記5または6に記載の稼動監視方法。
【0057】
(付記8)前記判定ステップにおいて前記稼動確認通知が受信されていないと判定された場合に、当該稼動確認通知に対応する前記監視対象装置の前記装置情報に含まれる稼働状況情報を、非稼動であることを示す情報に変更する稼働状況変更手段をさらに含むことを特徴とする付記5〜7のいずれか1つに記載の稼動監視方法。
【0058】
(付記9)ネットワークを介して接続される複数の監視対象装置の稼動状況を監視する稼動監視プログラムであって、
自稼動監視装置宛の接続確認通知を前記ネットワーク上にある通知サーバを介して送信する送信手順と、
前記監視対象装置から送信される稼動確認通知、および前記接続確認通知を受信する受信手順と、
前記受信手順によって受信された前記稼動確認通知に含まれる前記稼動確認通知の次回の送信予定時刻を、前記監視対象装置に関する装置情報に対応付けて記憶させる記憶手順と、
前記送信予定時刻を用いて、当該送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信したか否かを判定する判定手順と、をコンピュータに実行させ、
前記判定手順は、前記稼動監視装置が送信した最新の前記接続確認通知が前記受信手順によって受信されていない場合には、前記判定を実行しないことを特徴とする稼動監視プログラム。
【0059】
(付記10)前記判定手順は、前記受信手順によって最新の前記接続確認通知が受信されていない場合には、所定時間待機してから、前記判定を実行することを特徴とする付記9に記載の稼動監視プログラム。
【0060】
(付記11)前記判定手順は、前記送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信していないときに、当該送信予定時刻から所定の猶予時間が経過している場合に、前記稼動確認通知を受信していないと判定することを特徴とする付記9または10に記載の稼動監視プログラム。
【0061】
(付記12)前記判定手順によって前記稼動確認通知が受信されていないと判定された場合に、当該稼動確認通知に対応する前記監視対象装置の前記装置情報に含まれる稼働状況情報を、非稼動であることを示す情報に変更する稼働状況変更手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記9〜11のいずれか1つに記載の稼動監視プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明にかかる稼動監視装置、稼動監視方法および稼動監視プログラムは、ネットワークを介して接続される複数の監視対象装置の稼動状況を監視するのに有用であり、特に、監視対象装置のセキュリティを確保しつつ、稼動状況の誤判定を防止させることに適している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】稼動監視システムの構成図である。
【図2】稼動監視装置の機能構成図である。
【図3】接続確認メール情報ファイルのデータ構成図である。
【図4】監視対象装置情報ファイルのデータ構成図である。
【図5】稼動監視処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】稼動監視プログラムを実行するコンピュータの機能構成図である。
【符号の説明】
【0064】
1 稼動監視システム
10 稼動監視装置
11 制御部
12 記憶部
20 センタ内メールサーバ
30 監視センタネットワーク
40 ゲートウェイ
50 監視対象装置
60 メールサーバ
70 インターネット
111 メール送信部
112 メール受信部
113 稼働状況判定部
114 稼働状況変更部
121 接続確認メール情報ファイル
122 監視対象装置情報ファイル
1000 コンピュータ
1010 CPU
1020 入力装置
1030 モニタ
1040 媒体読取装置
1050 通信装置
1060 RAM
1061 R稼動監視プロセス
1070 ハードディスク装置
1071 稼動監視プログラム
1072 稼動監視用データ
1080 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続される複数の監視対象装置の稼動状況を監視する稼動監視装置であって、
自稼動監視装置宛の接続確認通知を前記ネットワーク上にある通知サーバを介して送信する送信手段と、
前記監視対象装置から送信される稼動確認通知、および前記接続確認通知を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記稼動確認通知に含まれる前記稼動確認通知の次回の送信予定時刻を、前記監視対象装置に関する装置情報に対応付けて記憶させる記憶手段と、
前記送信予定時刻を用いて、当該送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信したか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、前記稼動監視装置が送信した最新の前記接続確認通知が前記受信手段によって受信されていない場合には、前記判定を実行しないことを特徴とする稼動監視装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記受信手段によって最新の前記接続確認通知が受信されていない場合には、所定時間待機してから、前記判定を実行することを特徴とする請求項1に記載の稼動監視装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信していないときに、当該送信予定時刻から所定の猶予時間が経過している場合に、前記稼動確認通知を受信していないと判定することを特徴とする請求項1または2に記載の稼動監視装置。
【請求項4】
前記判定手段によって前記稼動確認通知が受信されていないと判定された場合に、当該稼動確認通知に対応する前記監視対象装置の前記装置情報に含まれる稼働状況情報を、非稼動であることを示す情報に変更する稼働状況変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の稼動監視装置。
【請求項5】
ネットワークを介して接続される複数の監視対象装置の稼動状況を監視する稼動監視方法であって、
自稼動監視装置宛の接続確認通知を前記ネットワーク上にある通知サーバを介して送信する送信ステップと、
前記監視対象装置から送信される稼動確認通知、および前記接続確認通知を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された前記稼動確認通知に含まれる前記稼動確認通知の次回の送信予定時刻を、前記監視対象装置に関する装置情報に対応付けて記憶させる記憶ステップと、
前記送信予定時刻を用いて、当該送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信したか否かを判定する判定ステップと、を含み、
前記判定ステップは、前記稼動監視装置が送信した最新の前記接続確認通知が前記受信ステップにおいて受信されていない場合には、前記判定を実行しないことを特徴とする稼動監視方法。
【請求項6】
ネットワークを介して接続される複数の監視対象装置の稼動状況を監視する稼動監視プログラムであって、
自稼動監視装置宛の接続確認通知を前記ネットワーク上にある通知サーバを介して送信する送信手順と、
前記監視対象装置から送信される稼動確認通知、および前記接続確認通知を受信する受信手順と、
前記受信手順によって受信された前記稼動確認通知に含まれる前記稼動確認通知の次回の送信予定時刻を、前記監視対象装置に関する装置情報に対応付けて記憶させる記憶手順と、
前記送信予定時刻を用いて、当該送信予定時刻に送信される予定の前記稼動確認通知を受信したか否かを判定する判定手順と、をコンピュータに実行させ、
前記判定手順は、前記稼動監視装置が送信した最新の前記接続確認通知が前記受信手順によって受信されていない場合には、前記判定を実行しないことを特徴とする稼動監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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