積層セラミックキャパシタ及びその製造方法
【課題】機械的強度及び信頼性に優れた積層セラミックキャパシタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】積層セラミックキャパシタは、対向する第1の側面及び第2の側面と当該第1の側面及び第2の側面を連結する第3の側面3及び第4の側面4とを有する積層本体と、当該積層本体の内部に形成され上記第3の側面又は第4の側面から所定の間隔をおいて形成される内部電極121,122と、上記積層本体の上面及び下面の少なくとも一面に形成され上記第3の側面又は第4の側面と所定の間隔をおいて当該第3の側面又は第4の側面に沿って形成される溝部Vと、上記第3の側面及び第4の側面から上記積層本体の上面又は下面まで伸びて上記溝部を覆うように形成される外部電極131,132とを含むことができる。
【解決手段】積層セラミックキャパシタは、対向する第1の側面及び第2の側面と当該第1の側面及び第2の側面を連結する第3の側面3及び第4の側面4とを有する積層本体と、当該積層本体の内部に形成され上記第3の側面又は第4の側面から所定の間隔をおいて形成される内部電極121,122と、上記積層本体の上面及び下面の少なくとも一面に形成され上記第3の側面又は第4の側面と所定の間隔をおいて当該第3の側面又は第4の側面に沿って形成される溝部Vと、上記第3の側面及び第4の側面から上記積層本体の上面又は下面まで伸びて上記溝部を覆うように形成される外部電極131,132とを含むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックキャパシタ及びその製造方法に関し、より詳細には、機械的強度及び信頼性に優れた積層セラミックキャパシタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、キャパシタ、インダクタ、圧電体素子、バリスタ又はサーミスター等のセラミック材料を用いる電子部品は、セラミック材料からなるセラミック本体と、当該本体の内部に形成された内部電極と、当該内部電極と接続されるようにセラミック本体の表面に設けられた外部電極とを備える。
【0003】
セラミック電子部品のうち積層セラミックキャパシタは、積層された複数の誘電体層と、複数の誘電体層のうち一つの誘電体層を介して対向配置される内部電極と、当該内部電極に電気的に接続された外部電極とを含む。
【0004】
積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという長所から、コンピュータ、PDA、携帯電話等の移動通信装置の部品として広く用いられている。
【0005】
近年、電子製品が小型化及び多機能化されるに伴い、チップ部品もまた小型化及び高機能化される傾向にあるため、積層セラミックキャパシタにおいてもサイズが小さく容量が大きい高容量製品が求められている。
【0006】
一般に、積層セラミックキャパシタは、次の通り製造されることができる。まず、セラミックグリーンシートを製造し、当該セラミックグリーンシート上に導電性ペーストを印刷して内部電極を形成する。その後、当該内部電極が形成されたセラミックグリーンシートを数十〜数百層まで積層してグリーンセラミック積層体を製造する。次に、当該グリーンセラミック積層体を高温及び高圧で圧着して硬いグリーンセラミック積層体を製造し、切断工程を経てグリーンチップを製造する。次に、当該グリーンチップをか焼及び焼成した後、外部電極を形成して積層セラミックキャパシタを完成する。
【0007】
近年、積層セラミックキャパシタの小型化及び大容量化に伴い、セラミック積層体の薄膜化及び多層化が試みられている。しかしながら、これにより、内部電極が形成されたセラミックグリーンシート層と内部電極が形成されていないセラミックグリーンシート層との間に厚さの差が発生し、圧着後には密度の差が発生する。
【0008】
このような厚さ及び密度の差によって、セラミック本体には、クラック、ポア(pore)等の内部的な構造欠陥が発生するようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、機械的強度及び信頼性に優れた積層セラミックキャパシタ及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、対向する第1の側面及び第2の側面と当該第1の側面及び第2の側面を連結する第3の側面及び第4の側面とを有する積層本体と、当該積層本体の内部に形成され上記第3の側面又は第4の側面から所定の間隔をおいて形成される内部電極と、上記積層本体の上面及び下面の少なくとも一面に形成され上記第3の側面又は第4の側面と所定の間隔をおいて当該第3の側面又は第4の側面に沿って形成される溝部と、上記第3の側面及び第4の側面から上記積層本体の上面又は下面まで伸びて上記溝部を覆うように形成される外部電極とを含む積層セラミックキャパシタを提供する。
【0011】
上記積層セラミックキャパシタは、上記積層本体の第1の側面及び第2の側面に形成される第1のサイド部及び第2のサイド部をさらに含むことができる。
【0012】
上記第1のサイド部及び第2のサイド部は、上面及び下面の少なくとも一面に形成され、上記積層本体の第3の側面又は第4の側面と平行に形成される溝部を含むことができる。
【0013】
上記溝部は、V状であることができる。
【0014】
上記第1のサイド部及び第2のサイド部は、セラミックスラリーで形成されることができる。
【0015】
上記積層セラミックキャパシタは、上記内部電極と所定の間隔をおいて当該内部電極と上記第3の側面又は第4の側面との間に所定の間隔で形成されるダミー電極をさらに含むことができる。
【0016】
上記ダミー電極は、上記第3の側面又は第4の側面に一端が露出されることができる。
【0017】
上記積層本体は、上記第1の側面及び第2の側面間の距離に該当する幅を有する複数の誘電体層が積層されて形成され、上記内部電極は、上記誘電体層の幅と同一の幅を有することができる。
【0018】
上記積層セラミックキャパシタは、上記内部電極と所定の間隔をおいて上記誘電体層に形成され、当該誘電体層と同一の幅を有するダミー電極をさらに含むことができる。
【0019】
上記内部電極は、一端が上記第3の側面に露出されて他端が上記第4の側面から所定の間隔をおいて形成される第1の内部電極と、一端が第4の側面に露出されて他端が上記第3の側面から所定の間隔をおいて形成される第2の内部電極とで構成されることができる。
【0020】
本発明の他の実施形態は、複数のストライプ状の第1の内部電極パターンが所定の間隔をおいて形成された第1のセラミックグリーンシート及び複数のストライプ状の第2の内部電極パターンが所定の間隔をおいて形成された第2のセラミックグリーンシートを製造する段階と、上記ストライプ状の第1の内部電極パターンの中心部と上記ストライプ状の第2の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位とが重なるように上記第1のセラミックグリーンシートと上記第2のセラミックグリーンシートとを交互に積層してセラミックグリーンシート積層体を形成する段階と、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位及び上記ストライプ状の第2の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位に対応する上記セラミックグリーンシート積層体の上面及び下面の少なくとも一面に溝部を形成する段階と、上記セラミックグリーンシート積層体を切断する段階とを含む積層セラミックキャパシタの製造方法を提供する。
【0021】
上記溝部を形成する段階は、上記セラミックグリーンシート積層体を加圧して行われることができる。
【0022】
上記積層セラミックキャパシタの製造方法は、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位又は上記ストライプ状の第2の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位に第1のダミー電極パターン又は第2のダミー電極パターンを形成する段階をさらに含むことができる。
【0023】
上記セラミックグリーンシート積層体を切断する段階は、上記セラミックグリーンシート積層体を一定の幅に切断して上記第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面を有し幅方向に形成される上記溝部を有する棒状の積層体に切断されるように行われ、当該棒状の積層体の第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面にセラミックスラリーで第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する段階をさらに含むことができる。
【0024】
上記積層セラミックキャパシタの製造方法は、上記第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する段階の後に、上記第1の内部電極の中心部と第2の内部電極間の所定の間隔を有する部位とを同一の切断線に沿って切断して第1の内部電極又は第2の内部電極の一端がそれぞれ露出された第3の側面又は第4の側面を有する積層本体に切断する段階をさらに含むことができる。
【0025】
上記積層セラミックキャパシタの製造方法は、上記積層本体の第3の側面又は第4の側面から当該積層本体の上面又は下面に伸びて上記溝部を覆う外部電極を形成する段階をさらに含むことができる。
【0026】
又は、上記セラミックグリーンシート積層体を切断する段階は、上記セラミックグリーンシートを一定の幅に切断して上記第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面を有し上記幅方向に形成される溝部を有する棒状の積層体に切断する段階と、当該棒状の積層体を上記第1の内部電極の中心部と上記第2の内部電極間の所定の間隔を有する部位とを同一の切断線に沿って切断して第1の内部電極又は第2の内部電極の一端がそれぞれ露出された第3の側面又は第4の側面を有する積層本体に切断する段階で行われ、当該積層本体の第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面にセラミックスラリーで第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する段階をさらに含むことができる。
【0027】
上記積層セラミックキャパシタの製造方法は、上記積層本体の第3の側面又は第4の側面から当該積層本体の上面又は下面に伸びて上記溝部を覆う外部電極を形成する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施形態によると、積層本体の上面及び下面のうち一面に溝部が形成され、当該溝部を覆うように外部電極が形成されることができる。
【0029】
これにより、外部電極と積層本体との接触面積が広くなって当該外部電極の固着強度が向上し、外部衝撃に対する機械的強度が向上することができる。
【0030】
また、本発明の一実施形態によると、薄膜に内部電極及び誘電体層を形成しても、当該内部電極が当該誘電体層の幅方向に全体的に形成されるため、当該内部電極の重なり面積が大きくなり、積層セラミックキャパシタの容量を大きくすることができる。
【0031】
また、積層セラミックキャパシタ内で内部電極による段差を減少させて絶縁抵抗の加速寿命が向上するため、容量特性及び信頼性に優れた積層セラミックキャパシタを提供することができる。
【0032】
また、本発明の実施形態によると、第1のサイド部及び第2のサイド部の厚さを小さく形成することができるため、相対的に積層本体内に形成される内部電極の重なり面積を広く形成することができる。また、第1のサイド部及び第2のサイド部の厚さが小さいことから、残留炭素の除去が容易に行われることができる。これにより、残留炭素の濃度のばらつきが少なくなって同一の微細構造を維持し、内部電極の連結性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1a】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図である。
【図1b】図1aのA−A’線に沿う断面図である。
【図2a】本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す断面図である。
【図2b】積層本体とサイド部を概略的に示す分解斜視図である。
【図2c】積層本体を概略的に示す分解斜視図である。
【図2d】積層セラミックキャパシタの一部を示す上部平面図である。
【図3a】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【図3b】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【図3c】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【図3d】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【図3e】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【図3f】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。しかしながら、本発明の実施形態は、多様な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が後述する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張されることがある。なお、図上において同一の構成と機能を有する構成要素は、同一の参照符号を付して示す。
【0035】
図1aは、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図であり、図1bは、図1aのA−A’線に沿う断面図である。
【0036】
図1aから図1bを参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタは、積層本体111と、当該積層本体111の内部に形成される複数の内部電極121、122と、当該積層本体の上面及び下面に形成される溝部Vと、当該積層本体の外表面に形成される外部電極131、132とを含むことができる。
【0037】
上記積層本体111は、対向する第1の側面1及び第2の側面2と、当該第1の側面及び第2の側面を連結する第3の側面3及び第4の側面4とを有することができる。
【0038】
上記積層本体111の形状は、特に制限されず、図示のように、第1から第4の側面を有する直方体状であることができる。
【0039】
上記積層本体111の内部に形成される複数の内部電極121、122は、一端が交互に第3の側面又は第4の側面に露出され、他端が第3の側面又は第4の側面から所定の間隔をおいて形成されることができる。
【0040】
より具体的には、上記内部電極121、122は、互いに異なる極性を有する第1の内部電極121及び第2の内部電極122を一対にすることができる。上記第1の内部電極121の一端は、第3の側面3に露出され、他端は、第4の側面4から所定の間隔をおいて形成されることができる。上記第2の内部電極122の一端は、第4の側面4に露出され、他端は、第3の側面3から所定の間隔をおいて形成されることができる。
【0041】
上記積層本体の上面及び下面には、溝部Vが形成され、当該溝部Vは、当該積層本体の第3の側面又は第4の側面に沿って形成されることができる。
【0042】
上記溝部Vは、上記積層本体の第4の側面と所定の間隔をおいて形成される第1の溝部と、上記積層本体の第3の側面と所定の間隔をおいて形成される第2の溝部とで構成されることができる。
【0043】
本実施形態では、上記積層本体の上面及び下面全てに溝部Vが形成されているが、上面及び下面のうち一面のみに形成されることができる。
【0044】
上記積層本体の第3の側面3及び第4の側面4には、当該第3の側面又は第4の側面に一端が露出される内部電極と電気的に連結されるように、第1の外部電極及び第2の外部電極131、132が形成されることができる。上記外部電極131、132は、上記積層本体の第3の側面及び第4の側面から当該積層本体の上面又は下面まで伸びて上記溝部Vを覆うように形成されることができる。上記溝部Vによって外部電極と積層本体との接触面積が広くなって当該外部電極の固着強度が向上することができる。
【0045】
図2aから図2dは、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す図である。以下では、上述した実施形態と異なる構成要素を中心に説明し、同一の構成要素に関する詳細な説明は省略する。
【0046】
図2aは、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す断面図であり、図2bは、積層本体とサイド部を概略的に示す分解斜視図であり、図2cは、積層本体を概略的に示す分解斜視図であり、図2dは、積層セラミックキャパシタの一部を示す上部平面図である。
【0047】
図2aから図2dを参照すると、上記積層本体111は、対向する第1の側面1及び第2の側面2と、当該第1の側面及び第2の側面を連結する第3の側面3及び第4の側面4とを有することができる。
【0048】
特に、図2c及び図2dを参照すると、上記積層本体111は、複数の誘電体層112が積層されて形成されることができる。上記複数の誘電体層112は、焼結された状態で隣接する当該誘電体層間の境界を確認することができない程度に一体化されていることができる。
【0049】
上記複数の誘電体層112上には、内部電極121、122が形成され、当該内部電極121、122は、焼結によって一つの誘電体層112を介して上記積層本体111の内部に形成されることができる。
【0050】
より具体的には、一つの誘電体層112に第1の内部電極121が形成され、他の誘電体層112に第2の内部電極122が形成されることができる。上記第1の内部電極121及び第2の内部電極122は、上記誘電体層の長さ方向には全体的に形成されない。本実施形態において、上記誘電体層の長さは、上記積層本体111の第3の側面と第4の側面間の距離を形成し、上記誘電体層の幅は、上記積層本体111の第1の側面と第2の側面間の距離を形成することができる。
【0051】
上記第1の内部電極121の一端は、上記積層本体111の第4の側面4から所定の間隔d1をおいて形成され、他端は、上記積層本体111の第3の側面3まで形成されて当該第3の側面3に露出されることができる。上記積層本体111の第3の側面3に露出された第1の内部電極の他端は、第1の外部電極131と連結されることができる。
【0052】
上記第2の内部電極122の一端は、上記積層本体111の第3の側面3から所定の間隔をおいて形成され、他端は、上記積層本体111の第4の側面4に露出されて第2の外部電極132と連結されることができる。
【0053】
また、上記積層本体111の内部には、上記内部電極121、122と所定の間隔をおいてダミー電極123、124が形成されることができる。ダミー電極とは、外部電極と連結されてもキャパシタの容量形成に寄与しない電極を意味する。
【0054】
上記一つの誘電体層112には、上記第1の内部電極121と電気的に連結されないように所定の間隔をおいて第1のダミー電極123が形成されることができる。上記第1のダミー電極123は、上記第1の内部電極121と上記第4の側面との間に所定の間隔で形成され、当該第1のダミー電極123の一端は、上記第4の側面に露出されることができる。
【0055】
また、上記一つの誘電体層112には、上記第2の内部電極122と電気的に連結されないように所定の間隔をおいて第2のダミー電極124が形成されることができる。上記第2のダミー電極124は、上記第2の内部電極122と上記第3の側面との間に所定の間隔で形成され、当該第2のダミー電極124の一端は、上記第3の側面に露出されることができる。
【0056】
上記内部電極121、122又は上記ダミー電極123、124は、上記誘電体層112の幅と同一の幅を有することができる。即ち、上記内部電極121、122又は上記ダミー電極123、124は、上記誘電体層112の幅方向に全体的に形成されることができる。これにより、上記内部電極121、122の末端及びダミー電極123、124の末端は、全て上記積層本体111の第1の側面及び第2の側面に露出されることができる。
【0057】
本実施形態によると、薄膜に内部電極及び誘電体層を形成しても、当該内部電極が当該誘電体層の幅方向に全体的に形成されるため、当該内部電極の重なり面積が大きくなり、積層セラミックキャパシタの容量を大きくすることができる。
【0058】
また、積層セラミックキャパシタ内で内部電極による段差を減少させて絶縁抵抗の加速寿命が向上するため、容量特性及び信頼性に優れた積層セラミックキャパシタを提供することができる。上述したように、誘電体層にダミー電極がさらに形成される場合は、内部電極による段差をより効果的に減少させることができる。
【0059】
図2bを参照すると、上記内部電極121、122の末端が露出された上記積層本体111の両側面には、第1のサイド部113及び第2のサイド部114が形成されることができる。これにより、上記第1の側面及び第2の側面に末端が露出された内部電極の短絡を防止することができる。
【0060】
上記積層本体111の上面及び下面には、当該積層本体の第3の側面又は第4の側面に沿って溝部Vが形成されることができる。上記溝部Vは、上記積層本体の第4の側面と所定の間隔をおいて形成される第1の溝部と、上記積層本体の第3の側面と所定の間隔をおいて形成される第2の溝部とで構成されることができる。
【0061】
上記第1の内部電極121の一端は、上記第4の側面と所定の間隔をおいて形成されるため、当該第1の内部電極121と当該第4の側面との間には内部電極が形成されない領域が存在することができる。上記第1の内部電極121が存在しない領域に対応して上記積層本体111の上面に上記第1の溝部が形成されることができる。
【0062】
上記第1の溝部は、V状を有し、そのV状の中心部は、上記第1の内部電極121と上記第1のダミー電極123間の所定の間隔を有する部位に対応する位置に形成されることができる。
【0063】
また、上記第2の溝部の中心部は、上記第2の内部電極122と上記第2のダミー電極124間の所定の間隔を有する部位に対応する位置に形成されることができる。
【0064】
また、上記第1のサイド部及び第2のサイド部113、114は、その上面及び下面に溝部Vが形成されることができる。上記溝部Vは、上記積層本体111の第3の側面又は第4の側面と平行に形成されることができる。上記溝部Vは、上記積層本体111の上面及び下面に形成された溝部Vのように、上記積層本体111の第3の側面又は第4の側面に沿って形成されることができる。
【0065】
本発明の他の実施形態によると、上記第1のサイド部113及び第2のサイド部114は、セラミックスラリーで形成されることができる。当該セラミックスラリーの量及び形状を調節することで、上記第1のサイド部113及び第2のサイド部114が所望の形状及び厚さ(又は幅)を有するように形成することができる。
【0066】
上記第1のサイド部及び第2のサイド部113、114の厚さは、特に制限されず、例えば、2〜30μmに形成されることができる。
【0067】
上記第1のサイド部及び第2のサイド部113、114の厚さが2μm未満であると、積層セラミックキャパシタの耐湿性が低下し、外部電極の形成時に放射状のクラックが発生する恐れがある。
【0068】
また、上記第1のサイド部及び第2のサイド部113、114の厚さが30μmを超えると、積層本体のか焼又は焼成過程で残留炭素の除去が困難となることがあり、これにより、内部電極の連結性が低下する恐れがある。また、相対的に内部電極の重なり面積が減少するため、積層セラミックキャパシタの高容量を確保するのが困難となることがある。
【0069】
上記積層本体111の第3の側面3及び第4の側面4には、露出された内部電極121、122の一端と電気的に連結されるように、第1の外部電極及び第2の外部電極131、132が形成されることができる。上記第1の外部電極及び第2の外部電極131、132は、上記積層本体111の第3の側面及び第4の側面から上面又は下面まで伸びて当該積層本体111に形成された溝部Vを覆うように形成されることができる。また、本実施形態において、上記第1の外部電極及び第2の外部電極131、132は、上記第1のサイド部及び第2のサイド部113、114に形成された溝部Vまで伸びて形成されることができる。
【0070】
上記溝部Vによって外部電極と積層本体との接触面積が広くなって当該外部電極の固着強度が向上することができる。
【0071】
本実施形態によると、上記第1のサイド部及び第2のサイド部の厚さを小さく形成することができるため、相対的に積層本体内に形成される内部電極の重なり面積を広く形成することができる。また、上記第1のサイド部及び第2のサイド部の厚さが小さいことから、残留炭素の除去が容易に行われることができる。これにより、残留炭素の濃度のばらつきが少なくなって同一の微細構造を維持し、内部電極の連結性を向上させることができる。
【0072】
本実施形態によると、積層本体と外部電極との固着強度が向上し、外部衝撃に対する機械的強度が向上することができる。また、積層セラミックキャパシタの容量を最大化すると共に耐湿性及び絶縁抵抗性が向上し、優れた信頼性を示すことができる。
【0073】
以下、本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を説明する。
【0074】
図3aから図3fは、本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【0075】
まず、図3aに示されるように、セラミックグリーンシート212a上に所定の間隔d2をおいて複数のストライプ状の第1の内部電極パターン221aを形成することができる。上記複数のストライプ状の第1の内部電極パターン221aは、平行に形成されることができる。
【0076】
上記所定の間隔d2は、内部電極が互いに異なる極性を有する外部電極と絶縁されるための距離であり、図2dに示されるd1×2の距離として理解されることができる。
【0077】
上記セラミックグリーンシート212aは、セラミックパウダー、有機溶剤及び有機バインダーを含むセラミックペーストで形成されることができる。
【0078】
上記セラミックパウダーは、高い誘電率を有する物質であり、当該セラミックパウダーとしては、これに制限されず、チタン酸バリウム(BaTiO3)系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)系材料等を用い、好ましくは、チタン酸バリウム(BaTiO3)パウダーを用いることができる。上記セラミックグリーンシート212aが焼成されると、上記積層本体111を構成する誘電体層112になることができる。
【0079】
上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221aは、導電性金属を含む内部電極ペーストで形成されることができる。上記導電性金属は、これに制限されず、Ni、Cu、Pd又はこれらの合金であることができる。
【0080】
上記セラミックグリーンシート212a上に上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221aを形成する方法としては、特に制限されず、例えば、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法等を用いることができる。
【0081】
なお、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221a間の所定の間隔d2を有する部位に第1のダミー電極パターン223aを形成することができる。上記第1のダミー電極パターン223aは、電気的絶縁のために、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221aと所定の間隔をおいて形成されることができる。これにより、以後、図2aから図2dに示されるような積層セラミックキャパシタを製造することができる。
【0082】
また、他のセラミックグリーンシート212a上に所定の間隔をおいて複数のストライプ状の第2の内部電極パターン222aを形成することができる。また、上記ストライプ状の第2の内部電極パターン222a間の所定の間隔に第2のダミー電極パターン224aを形成することができる。
【0083】
以下、上記第1の内部電極パターン221aが形成されたセラミックグリーンシートは、第1のセラミックグリーンシートと称し、上記第2の内部電極パターン222aが形成されたセラミックグリーンシートは、第2のセラミックグリーンシートと称する。
【0084】
次に、図3bに示されるように、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221aと上記ストライプ状の第2の内部電極パターン222aとが交互に積層されるように、第1のセラミックグリーンシートと第2のセラミックグリーンシートとを交互に積層することができる。
【0085】
以後、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221aは、第1の内部電極221を形成し、上記ストライプ状の第2の内部電極パターン222aは、第2の内部電極222を形成することができる。また、上記第1のダミー電極パターン223aは、第1のダミー電極223を形成し、上記第2のダミー電極パターン224aは、第2のダミー電極224を形成することができる。
【0086】
図3cは、本発明のさらに他の実施形態による第1及び第2のセラミックグリーンシートが積層されたセラミックグリーンシート積層体210を示す断面図であり、図3dは、第1及び第2のセラミックグリーンシートが積層されたセラミックグリーンシート積層体210を示す斜視図である。
【0087】
図3c及び図3dを参照すると、複数の平行なストライプ状の第1の内部電極パターン221aが印刷された第1のセラミックグリーンシートと複数の平行なストライプ状の第2の内部電極パターン222aが印刷された第2のセラミックグリーンシートは、交互に積層されている。
【0088】
より具体的には、上記第1のセラミックグリーンシートに印刷された上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221aの中心部と、上記第2のセラミックグリーンシートに印刷された上記ストライプ状の第2の内部電極パターン222a間の所定の間隔d2を有する部位とが重なるように積層されることができる。上記ストライプ状の第2の内部電極パターン222a間の所定の間隔d2を有する部位には、第2のダミー電極パターンが形成されることができる。
【0089】
上記セラミックグリーンシート積層体210の上面及び下面の少なくとも一面には、溝部が形成されることができる。上記溝部を形成する方法は、特に制限されず、例えば、上記セラミックグリーンシート積層体210を加圧することで行われることができる。上記セラミックグリーンシート積層体に加えられる圧力の大きさは、当該セラミックグリーンシート積層体の強度及び所望の溝部の形状に応じて適宜選択されることができる。
【0090】
上記溝部は、内部電極とダミー電極によって段差が生じる領域に形成されることができる。また、上記溝部は、内部電極又はダミー電極が存在しない領域に対応してセラミックグリーンシートの上面又は下面に形成されることができる。より具体的には、ストライプ状の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位と、ストライプ状の内部電極パターンとダミー電極パターン間の所定の間隔を有する部位に対応する位置に溝部が形成されることができる。本実施形態によると、上記ストライプ状の内部電極パターンの長さ方向に沿って溝部が容易に形成されることができる。
【0091】
本発明のさらに他の実施形態では、ストライプ状の内部電極パターン間に二つの溝部が形成されることができる。これにより、切断精度が向上し、チップサイズのばらつきを減らすことができる。これに関するより詳細な説明は、後述する。
【0092】
次に、図3dに示されるように、上記セラミックグリーンシート積層体210は、複数のストライプ状の第1の内部電極パターン221a及びストライプ状の第2の内部電極パターン222aを横切るように切断されることができる。即ち、上記セラミックグリーンシート積層体210は、C1−C1切断線に沿って棒状の積層体220に切断されることができる。
【0093】
より具体的には、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221a及びストライプ状の第2の内部電極パターン122aは、長さ方向に切断されて一定の幅を有する複数の内部電極に分割されることができる。この際、積層されたセラミックグリーンシートとダミー電極パターンも、ストライプ状の内部電極パターンと共に切断される。これにより、内部電極及びダミー電極は、誘電体層と同一の幅を有することができる。
【0094】
また、上記セラミックグリーンシート積層体210の上面及び下面に形成された溝部は、上記棒状の積層体220の幅方向に沿って切断されることができる。
【0095】
上記棒状の積層体220の切断面には、内部電極の幅方向の末端とダミー電極の幅方向の末端とが露出されることができる。以下、上記棒状の積層体の切断面は、それぞれ上記棒状の積層体220の第1の側面及び第2の側面と称する。
【0096】
次に、図3eに示されるように、上記棒状の積層体220の第1の側面及び第2の側面のそれぞれに、第1のサイド部213a及び第2のサイド部214aを形成することができる。上記棒状の積層体220の第1の側面及び第2の側面は、図2bに示される積層本体111の第1の側面及び第2の側面に対応するものと理解されることができる。
【0097】
上記第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aは、上記棒状の積層体220に、セラミック粉末を含むセラミックスラリーにより形成されることができる。上記セラミックスラリーは、セラミックパウダー、有機バインダー及び有機溶剤を含むことができる。
【0098】
上記第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aが所望の厚さ又は幅に形成されるように、セラミックスラリーの量を調節することができる。
【0099】
上記棒状の積層体220の第1の側面及び第2の側面にセラミックスラリーを塗布して上記第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aを形成することができる。上記セラミックスラリーの塗布方法としては、特に制限されず、例えば、スプレー方式で噴射するか又はローラーを利用して塗布するものがある。
【0100】
また、上記棒状の積層体220をセラミックスラリーにディッピング(dipping)することで、当該棒状の積層体220の第1の側面及び第2の側面に上記第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aを形成することができる。
【0101】
上記第1の側面及び第2の側面に上記第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aを形成した後、上面及び下面の少なくとも一面に溝部を形成することができる。上記溝部は、棒状の積層体220に形成された溝部と同一のパターンを有するように形成されることができる。
【0102】
次に、図3e及び図3fに示されるように、上記第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aが形成された上記棒状の積層体220をC2−C2切断線に沿って個別のチップサイズに合わせて切断することができる。図3cを参照して上記C2−C2切断線の位置を把握することができる。
【0103】
本発明のさらに他の実施形態において棒状の積層体をC2−C2切断線に沿ってチップサイズに切断する場合、溝部は、インデックスとして作用することができる。
【0104】
上述したように、本発明のさらに他の実施形態では、ストライプ状の内部電極パターン間に二つの溝部が形成され、これにより、切断精度が向上することができる。また、一つの溝部が形成される場合と比較して、インデックスの位置精度が向上してチップサイズのばらつきを減らすことができる。即ち、ストライプ状の内部電極パターン間に一つの溝部を形成する場合と比較して、溝部位置のばらつきを減らすことができる。
【0105】
上記棒状の積層体220をチップサイズに切断することで、上記積層本体211と、当該積層本体211の両側面に形成された第1のサイド部及び第2のサイド部213、214が形成されることができる。図3fには、上記第2のサイド部214の輪郭が点線で表示されている。
【0106】
上記棒状の積層体220をC2−C2切断線に沿って切断することで、重なる第1の内部電極の中心部と第2の内部電極間の所定の間隔d2を有する部位とが同一の切断線に沿って切断されることができる。他の観点では、第2の内部電極の中心部と第1の内部電極間の所定の間隔を有する部位とが同一の切断線に沿って切断されることができる。
【0107】
ダミー電極が形成された場合には、重なる第1の内部電極の中心部と第2の内部電極間に形成された第2のダミー電極の中心部とが同一の切断線に沿って切断されることができる。他の観点では、第2の内部電極の中心部と第1の内部電極間に形成された第1のダミー電極の中心部とが同一の切断線に沿って切断されることができる。
【0108】
これにより、上記第1の内部電極221及び第2の内部電極222の一端は、C2−C2切断線に沿う切断面に交互に露出されることができる。また、上記第1のダミー電極及び第2のダミー電極の一端がC2−C2切断線に沿う切断面に交互に露出されることができる。
【0109】
上記第1の内部電極221又は第2のダミー電極224が露出された面は、図2bに示される積層本体の第3の側面3と理解され、上記第2の内部電極222又は第1のダミー電極223が露出された面は、図2bに示される積層本体の第4の側面4と理解されることができる。
【0110】
上記棒状の積層体220をC2−C2切断線に沿って切断することで、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221a間の所定の間隔d2は半分に切断されるため、上記第1の内部電極221の一端が上記第4の側面から所定の間隔を形成し、上記第2の内部電極222が第3の側面から所定の間隔を形成するようにする。
【0111】
本発明のさらに他の実施形態によると、上記所定の間隔には、上記第1のダミー電極223及び上記第2のダミー電極224が形成されることができる。上記第1のダミー電極223の一端は、上記第4の側面に露出され、上記第2のダミー電極224の一端は、上記第3の側面に露出されることができる。
【0112】
上記積層本体211の上面及び下面の少なくとも一面には、溝部Vが形成されることができる。より具体的には、上記第1の内部電極221と上記第1のダミー電極223間の所定の間隔を有する部位とに対応する領域に第1の溝部が形成され、上記第2の内部電極222と上記第2のダミー電極224間の所定の間隔を有する部位とに対応する領域に第2の溝部が形成されることができる。
【0113】
その後、上記棒状の積層体の両側面に第1のサイド部及び第2のサイド部213、214が形成された積層本体211をか焼及び焼成することができる。
【0114】
次に、上記第1の内部電極221及び第2の内部電極222の一端と連結されるように、上記第3の側面及び第4の側面のそれぞれに外部電極を形成することができる。上記外部電極は、上記第3の側面及び第4の側面から積層本体211の上面又は下面まで伸びて溝部を覆うように形成されることができる。
【0115】
また、上記棒状の積層体の両側面に第1のサイド部及び第2のサイド部を形成した後、か焼及び焼成し、その後、当該棒状の積層体を積層本体の形態に切断することができる。その後、上記積層本体に外部電極を形成する工程を行うことができる。
【0116】
本実施形態のように、上記棒状の積層体220に第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aを形成し、チップサイズに切断する場合、一回の工程で複数の積層本体にサイド部を形成することができる。
【0117】
また、図示されてはいないが、上記第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する前に上記棒状の積層体をチップサイズに切断して複数の積層本体を形成することができる。
【0118】
即ち、上記棒状の積層体を、重なる第1の内部電極の中心部と第2の内部電極間の所定の間隔を有する部位とが同一の切断線に沿って切断されるように切断することができる。これにより、上記第1の内部電極及び第2の内部電極の一端は、切断面に交互に露出されることができる。
【0119】
以後、上記積層本体の第1の側面及び第2の側面に第1のサイド部及び第2のサイド部を形成することができる。上記第1のサイド部及び第2のサイド部の形成方法は、上述した通りである。上記棒状の積層体の両側面に第1のサイド部及び第2のサイド部が形成された積層本体をか焼及び焼成することができる。
【0120】
以後、上記第1の内部電極が露出された積層本体の第3の側面及び上記第2の内部電極が露出された積層本体の第4の側面にそれぞれ外部電極を形成することができる。上記外部電極は、上記第3の側面及び第4の側面から積層本体の上面又は下面まで伸びて溝部を覆うように形成されることができる。
【0121】
本発明は、上述した実施形態及び添付図面によって限定されることなく添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載の本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な形態の置換、変形及び変更が可能であることは、当技術分野における通常の知識を有する者に自明のことであり、これもまた添付の特許請求の範囲に記載の技術的思想に属する。
【符号の説明】
【0122】
111 積層本体
112 誘電体層
113、114 第1のサイド部及び第2のサイド部
121、122 第1の内部電極及び第2の内部電極
123、124 第1のダミー電極及び第2のダミー電極
131、132 第1の外部電極及び第2の外部電極
212a セラミックグリーンシート
221、222 第1の内部電極及び第2の内部電極
223、224 第1のダミー電極及び第2のダミー電極
213a、214a 第1のサイド部及び第2のサイド部
221a、222a ストライプ状の第1の内部電極パターン及び第2の内部電極パターン
223a、224a 第1のダミー電極パターン及び第2のダミー電極パターン
V 溝部
210 セラミックグリーンシート積層体
220 棒状の積層体
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックキャパシタ及びその製造方法に関し、より詳細には、機械的強度及び信頼性に優れた積層セラミックキャパシタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、キャパシタ、インダクタ、圧電体素子、バリスタ又はサーミスター等のセラミック材料を用いる電子部品は、セラミック材料からなるセラミック本体と、当該本体の内部に形成された内部電極と、当該内部電極と接続されるようにセラミック本体の表面に設けられた外部電極とを備える。
【0003】
セラミック電子部品のうち積層セラミックキャパシタは、積層された複数の誘電体層と、複数の誘電体層のうち一つの誘電体層を介して対向配置される内部電極と、当該内部電極に電気的に接続された外部電極とを含む。
【0004】
積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという長所から、コンピュータ、PDA、携帯電話等の移動通信装置の部品として広く用いられている。
【0005】
近年、電子製品が小型化及び多機能化されるに伴い、チップ部品もまた小型化及び高機能化される傾向にあるため、積層セラミックキャパシタにおいてもサイズが小さく容量が大きい高容量製品が求められている。
【0006】
一般に、積層セラミックキャパシタは、次の通り製造されることができる。まず、セラミックグリーンシートを製造し、当該セラミックグリーンシート上に導電性ペーストを印刷して内部電極を形成する。その後、当該内部電極が形成されたセラミックグリーンシートを数十〜数百層まで積層してグリーンセラミック積層体を製造する。次に、当該グリーンセラミック積層体を高温及び高圧で圧着して硬いグリーンセラミック積層体を製造し、切断工程を経てグリーンチップを製造する。次に、当該グリーンチップをか焼及び焼成した後、外部電極を形成して積層セラミックキャパシタを完成する。
【0007】
近年、積層セラミックキャパシタの小型化及び大容量化に伴い、セラミック積層体の薄膜化及び多層化が試みられている。しかしながら、これにより、内部電極が形成されたセラミックグリーンシート層と内部電極が形成されていないセラミックグリーンシート層との間に厚さの差が発生し、圧着後には密度の差が発生する。
【0008】
このような厚さ及び密度の差によって、セラミック本体には、クラック、ポア(pore)等の内部的な構造欠陥が発生するようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、機械的強度及び信頼性に優れた積層セラミックキャパシタ及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、対向する第1の側面及び第2の側面と当該第1の側面及び第2の側面を連結する第3の側面及び第4の側面とを有する積層本体と、当該積層本体の内部に形成され上記第3の側面又は第4の側面から所定の間隔をおいて形成される内部電極と、上記積層本体の上面及び下面の少なくとも一面に形成され上記第3の側面又は第4の側面と所定の間隔をおいて当該第3の側面又は第4の側面に沿って形成される溝部と、上記第3の側面及び第4の側面から上記積層本体の上面又は下面まで伸びて上記溝部を覆うように形成される外部電極とを含む積層セラミックキャパシタを提供する。
【0011】
上記積層セラミックキャパシタは、上記積層本体の第1の側面及び第2の側面に形成される第1のサイド部及び第2のサイド部をさらに含むことができる。
【0012】
上記第1のサイド部及び第2のサイド部は、上面及び下面の少なくとも一面に形成され、上記積層本体の第3の側面又は第4の側面と平行に形成される溝部を含むことができる。
【0013】
上記溝部は、V状であることができる。
【0014】
上記第1のサイド部及び第2のサイド部は、セラミックスラリーで形成されることができる。
【0015】
上記積層セラミックキャパシタは、上記内部電極と所定の間隔をおいて当該内部電極と上記第3の側面又は第4の側面との間に所定の間隔で形成されるダミー電極をさらに含むことができる。
【0016】
上記ダミー電極は、上記第3の側面又は第4の側面に一端が露出されることができる。
【0017】
上記積層本体は、上記第1の側面及び第2の側面間の距離に該当する幅を有する複数の誘電体層が積層されて形成され、上記内部電極は、上記誘電体層の幅と同一の幅を有することができる。
【0018】
上記積層セラミックキャパシタは、上記内部電極と所定の間隔をおいて上記誘電体層に形成され、当該誘電体層と同一の幅を有するダミー電極をさらに含むことができる。
【0019】
上記内部電極は、一端が上記第3の側面に露出されて他端が上記第4の側面から所定の間隔をおいて形成される第1の内部電極と、一端が第4の側面に露出されて他端が上記第3の側面から所定の間隔をおいて形成される第2の内部電極とで構成されることができる。
【0020】
本発明の他の実施形態は、複数のストライプ状の第1の内部電極パターンが所定の間隔をおいて形成された第1のセラミックグリーンシート及び複数のストライプ状の第2の内部電極パターンが所定の間隔をおいて形成された第2のセラミックグリーンシートを製造する段階と、上記ストライプ状の第1の内部電極パターンの中心部と上記ストライプ状の第2の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位とが重なるように上記第1のセラミックグリーンシートと上記第2のセラミックグリーンシートとを交互に積層してセラミックグリーンシート積層体を形成する段階と、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位及び上記ストライプ状の第2の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位に対応する上記セラミックグリーンシート積層体の上面及び下面の少なくとも一面に溝部を形成する段階と、上記セラミックグリーンシート積層体を切断する段階とを含む積層セラミックキャパシタの製造方法を提供する。
【0021】
上記溝部を形成する段階は、上記セラミックグリーンシート積層体を加圧して行われることができる。
【0022】
上記積層セラミックキャパシタの製造方法は、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位又は上記ストライプ状の第2の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位に第1のダミー電極パターン又は第2のダミー電極パターンを形成する段階をさらに含むことができる。
【0023】
上記セラミックグリーンシート積層体を切断する段階は、上記セラミックグリーンシート積層体を一定の幅に切断して上記第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面を有し幅方向に形成される上記溝部を有する棒状の積層体に切断されるように行われ、当該棒状の積層体の第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面にセラミックスラリーで第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する段階をさらに含むことができる。
【0024】
上記積層セラミックキャパシタの製造方法は、上記第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する段階の後に、上記第1の内部電極の中心部と第2の内部電極間の所定の間隔を有する部位とを同一の切断線に沿って切断して第1の内部電極又は第2の内部電極の一端がそれぞれ露出された第3の側面又は第4の側面を有する積層本体に切断する段階をさらに含むことができる。
【0025】
上記積層セラミックキャパシタの製造方法は、上記積層本体の第3の側面又は第4の側面から当該積層本体の上面又は下面に伸びて上記溝部を覆う外部電極を形成する段階をさらに含むことができる。
【0026】
又は、上記セラミックグリーンシート積層体を切断する段階は、上記セラミックグリーンシートを一定の幅に切断して上記第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面を有し上記幅方向に形成される溝部を有する棒状の積層体に切断する段階と、当該棒状の積層体を上記第1の内部電極の中心部と上記第2の内部電極間の所定の間隔を有する部位とを同一の切断線に沿って切断して第1の内部電極又は第2の内部電極の一端がそれぞれ露出された第3の側面又は第4の側面を有する積層本体に切断する段階で行われ、当該積層本体の第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面にセラミックスラリーで第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する段階をさらに含むことができる。
【0027】
上記積層セラミックキャパシタの製造方法は、上記積層本体の第3の側面又は第4の側面から当該積層本体の上面又は下面に伸びて上記溝部を覆う外部電極を形成する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施形態によると、積層本体の上面及び下面のうち一面に溝部が形成され、当該溝部を覆うように外部電極が形成されることができる。
【0029】
これにより、外部電極と積層本体との接触面積が広くなって当該外部電極の固着強度が向上し、外部衝撃に対する機械的強度が向上することができる。
【0030】
また、本発明の一実施形態によると、薄膜に内部電極及び誘電体層を形成しても、当該内部電極が当該誘電体層の幅方向に全体的に形成されるため、当該内部電極の重なり面積が大きくなり、積層セラミックキャパシタの容量を大きくすることができる。
【0031】
また、積層セラミックキャパシタ内で内部電極による段差を減少させて絶縁抵抗の加速寿命が向上するため、容量特性及び信頼性に優れた積層セラミックキャパシタを提供することができる。
【0032】
また、本発明の実施形態によると、第1のサイド部及び第2のサイド部の厚さを小さく形成することができるため、相対的に積層本体内に形成される内部電極の重なり面積を広く形成することができる。また、第1のサイド部及び第2のサイド部の厚さが小さいことから、残留炭素の除去が容易に行われることができる。これにより、残留炭素の濃度のばらつきが少なくなって同一の微細構造を維持し、内部電極の連結性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1a】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図である。
【図1b】図1aのA−A’線に沿う断面図である。
【図2a】本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す断面図である。
【図2b】積層本体とサイド部を概略的に示す分解斜視図である。
【図2c】積層本体を概略的に示す分解斜視図である。
【図2d】積層セラミックキャパシタの一部を示す上部平面図である。
【図3a】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【図3b】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【図3c】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【図3d】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【図3e】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【図3f】本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。しかしながら、本発明の実施形態は、多様な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が後述する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張されることがある。なお、図上において同一の構成と機能を有する構成要素は、同一の参照符号を付して示す。
【0035】
図1aは、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図であり、図1bは、図1aのA−A’線に沿う断面図である。
【0036】
図1aから図1bを参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタは、積層本体111と、当該積層本体111の内部に形成される複数の内部電極121、122と、当該積層本体の上面及び下面に形成される溝部Vと、当該積層本体の外表面に形成される外部電極131、132とを含むことができる。
【0037】
上記積層本体111は、対向する第1の側面1及び第2の側面2と、当該第1の側面及び第2の側面を連結する第3の側面3及び第4の側面4とを有することができる。
【0038】
上記積層本体111の形状は、特に制限されず、図示のように、第1から第4の側面を有する直方体状であることができる。
【0039】
上記積層本体111の内部に形成される複数の内部電極121、122は、一端が交互に第3の側面又は第4の側面に露出され、他端が第3の側面又は第4の側面から所定の間隔をおいて形成されることができる。
【0040】
より具体的には、上記内部電極121、122は、互いに異なる極性を有する第1の内部電極121及び第2の内部電極122を一対にすることができる。上記第1の内部電極121の一端は、第3の側面3に露出され、他端は、第4の側面4から所定の間隔をおいて形成されることができる。上記第2の内部電極122の一端は、第4の側面4に露出され、他端は、第3の側面3から所定の間隔をおいて形成されることができる。
【0041】
上記積層本体の上面及び下面には、溝部Vが形成され、当該溝部Vは、当該積層本体の第3の側面又は第4の側面に沿って形成されることができる。
【0042】
上記溝部Vは、上記積層本体の第4の側面と所定の間隔をおいて形成される第1の溝部と、上記積層本体の第3の側面と所定の間隔をおいて形成される第2の溝部とで構成されることができる。
【0043】
本実施形態では、上記積層本体の上面及び下面全てに溝部Vが形成されているが、上面及び下面のうち一面のみに形成されることができる。
【0044】
上記積層本体の第3の側面3及び第4の側面4には、当該第3の側面又は第4の側面に一端が露出される内部電極と電気的に連結されるように、第1の外部電極及び第2の外部電極131、132が形成されることができる。上記外部電極131、132は、上記積層本体の第3の側面及び第4の側面から当該積層本体の上面又は下面まで伸びて上記溝部Vを覆うように形成されることができる。上記溝部Vによって外部電極と積層本体との接触面積が広くなって当該外部電極の固着強度が向上することができる。
【0045】
図2aから図2dは、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す図である。以下では、上述した実施形態と異なる構成要素を中心に説明し、同一の構成要素に関する詳細な説明は省略する。
【0046】
図2aは、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す断面図であり、図2bは、積層本体とサイド部を概略的に示す分解斜視図であり、図2cは、積層本体を概略的に示す分解斜視図であり、図2dは、積層セラミックキャパシタの一部を示す上部平面図である。
【0047】
図2aから図2dを参照すると、上記積層本体111は、対向する第1の側面1及び第2の側面2と、当該第1の側面及び第2の側面を連結する第3の側面3及び第4の側面4とを有することができる。
【0048】
特に、図2c及び図2dを参照すると、上記積層本体111は、複数の誘電体層112が積層されて形成されることができる。上記複数の誘電体層112は、焼結された状態で隣接する当該誘電体層間の境界を確認することができない程度に一体化されていることができる。
【0049】
上記複数の誘電体層112上には、内部電極121、122が形成され、当該内部電極121、122は、焼結によって一つの誘電体層112を介して上記積層本体111の内部に形成されることができる。
【0050】
より具体的には、一つの誘電体層112に第1の内部電極121が形成され、他の誘電体層112に第2の内部電極122が形成されることができる。上記第1の内部電極121及び第2の内部電極122は、上記誘電体層の長さ方向には全体的に形成されない。本実施形態において、上記誘電体層の長さは、上記積層本体111の第3の側面と第4の側面間の距離を形成し、上記誘電体層の幅は、上記積層本体111の第1の側面と第2の側面間の距離を形成することができる。
【0051】
上記第1の内部電極121の一端は、上記積層本体111の第4の側面4から所定の間隔d1をおいて形成され、他端は、上記積層本体111の第3の側面3まで形成されて当該第3の側面3に露出されることができる。上記積層本体111の第3の側面3に露出された第1の内部電極の他端は、第1の外部電極131と連結されることができる。
【0052】
上記第2の内部電極122の一端は、上記積層本体111の第3の側面3から所定の間隔をおいて形成され、他端は、上記積層本体111の第4の側面4に露出されて第2の外部電極132と連結されることができる。
【0053】
また、上記積層本体111の内部には、上記内部電極121、122と所定の間隔をおいてダミー電極123、124が形成されることができる。ダミー電極とは、外部電極と連結されてもキャパシタの容量形成に寄与しない電極を意味する。
【0054】
上記一つの誘電体層112には、上記第1の内部電極121と電気的に連結されないように所定の間隔をおいて第1のダミー電極123が形成されることができる。上記第1のダミー電極123は、上記第1の内部電極121と上記第4の側面との間に所定の間隔で形成され、当該第1のダミー電極123の一端は、上記第4の側面に露出されることができる。
【0055】
また、上記一つの誘電体層112には、上記第2の内部電極122と電気的に連結されないように所定の間隔をおいて第2のダミー電極124が形成されることができる。上記第2のダミー電極124は、上記第2の内部電極122と上記第3の側面との間に所定の間隔で形成され、当該第2のダミー電極124の一端は、上記第3の側面に露出されることができる。
【0056】
上記内部電極121、122又は上記ダミー電極123、124は、上記誘電体層112の幅と同一の幅を有することができる。即ち、上記内部電極121、122又は上記ダミー電極123、124は、上記誘電体層112の幅方向に全体的に形成されることができる。これにより、上記内部電極121、122の末端及びダミー電極123、124の末端は、全て上記積層本体111の第1の側面及び第2の側面に露出されることができる。
【0057】
本実施形態によると、薄膜に内部電極及び誘電体層を形成しても、当該内部電極が当該誘電体層の幅方向に全体的に形成されるため、当該内部電極の重なり面積が大きくなり、積層セラミックキャパシタの容量を大きくすることができる。
【0058】
また、積層セラミックキャパシタ内で内部電極による段差を減少させて絶縁抵抗の加速寿命が向上するため、容量特性及び信頼性に優れた積層セラミックキャパシタを提供することができる。上述したように、誘電体層にダミー電極がさらに形成される場合は、内部電極による段差をより効果的に減少させることができる。
【0059】
図2bを参照すると、上記内部電極121、122の末端が露出された上記積層本体111の両側面には、第1のサイド部113及び第2のサイド部114が形成されることができる。これにより、上記第1の側面及び第2の側面に末端が露出された内部電極の短絡を防止することができる。
【0060】
上記積層本体111の上面及び下面には、当該積層本体の第3の側面又は第4の側面に沿って溝部Vが形成されることができる。上記溝部Vは、上記積層本体の第4の側面と所定の間隔をおいて形成される第1の溝部と、上記積層本体の第3の側面と所定の間隔をおいて形成される第2の溝部とで構成されることができる。
【0061】
上記第1の内部電極121の一端は、上記第4の側面と所定の間隔をおいて形成されるため、当該第1の内部電極121と当該第4の側面との間には内部電極が形成されない領域が存在することができる。上記第1の内部電極121が存在しない領域に対応して上記積層本体111の上面に上記第1の溝部が形成されることができる。
【0062】
上記第1の溝部は、V状を有し、そのV状の中心部は、上記第1の内部電極121と上記第1のダミー電極123間の所定の間隔を有する部位に対応する位置に形成されることができる。
【0063】
また、上記第2の溝部の中心部は、上記第2の内部電極122と上記第2のダミー電極124間の所定の間隔を有する部位に対応する位置に形成されることができる。
【0064】
また、上記第1のサイド部及び第2のサイド部113、114は、その上面及び下面に溝部Vが形成されることができる。上記溝部Vは、上記積層本体111の第3の側面又は第4の側面と平行に形成されることができる。上記溝部Vは、上記積層本体111の上面及び下面に形成された溝部Vのように、上記積層本体111の第3の側面又は第4の側面に沿って形成されることができる。
【0065】
本発明の他の実施形態によると、上記第1のサイド部113及び第2のサイド部114は、セラミックスラリーで形成されることができる。当該セラミックスラリーの量及び形状を調節することで、上記第1のサイド部113及び第2のサイド部114が所望の形状及び厚さ(又は幅)を有するように形成することができる。
【0066】
上記第1のサイド部及び第2のサイド部113、114の厚さは、特に制限されず、例えば、2〜30μmに形成されることができる。
【0067】
上記第1のサイド部及び第2のサイド部113、114の厚さが2μm未満であると、積層セラミックキャパシタの耐湿性が低下し、外部電極の形成時に放射状のクラックが発生する恐れがある。
【0068】
また、上記第1のサイド部及び第2のサイド部113、114の厚さが30μmを超えると、積層本体のか焼又は焼成過程で残留炭素の除去が困難となることがあり、これにより、内部電極の連結性が低下する恐れがある。また、相対的に内部電極の重なり面積が減少するため、積層セラミックキャパシタの高容量を確保するのが困難となることがある。
【0069】
上記積層本体111の第3の側面3及び第4の側面4には、露出された内部電極121、122の一端と電気的に連結されるように、第1の外部電極及び第2の外部電極131、132が形成されることができる。上記第1の外部電極及び第2の外部電極131、132は、上記積層本体111の第3の側面及び第4の側面から上面又は下面まで伸びて当該積層本体111に形成された溝部Vを覆うように形成されることができる。また、本実施形態において、上記第1の外部電極及び第2の外部電極131、132は、上記第1のサイド部及び第2のサイド部113、114に形成された溝部Vまで伸びて形成されることができる。
【0070】
上記溝部Vによって外部電極と積層本体との接触面積が広くなって当該外部電極の固着強度が向上することができる。
【0071】
本実施形態によると、上記第1のサイド部及び第2のサイド部の厚さを小さく形成することができるため、相対的に積層本体内に形成される内部電極の重なり面積を広く形成することができる。また、上記第1のサイド部及び第2のサイド部の厚さが小さいことから、残留炭素の除去が容易に行われることができる。これにより、残留炭素の濃度のばらつきが少なくなって同一の微細構造を維持し、内部電極の連結性を向上させることができる。
【0072】
本実施形態によると、積層本体と外部電極との固着強度が向上し、外部衝撃に対する機械的強度が向上することができる。また、積層セラミックキャパシタの容量を最大化すると共に耐湿性及び絶縁抵抗性が向上し、優れた信頼性を示すことができる。
【0073】
以下、本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を説明する。
【0074】
図3aから図3fは、本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法を概略的に示す工程説明図である。
【0075】
まず、図3aに示されるように、セラミックグリーンシート212a上に所定の間隔d2をおいて複数のストライプ状の第1の内部電極パターン221aを形成することができる。上記複数のストライプ状の第1の内部電極パターン221aは、平行に形成されることができる。
【0076】
上記所定の間隔d2は、内部電極が互いに異なる極性を有する外部電極と絶縁されるための距離であり、図2dに示されるd1×2の距離として理解されることができる。
【0077】
上記セラミックグリーンシート212aは、セラミックパウダー、有機溶剤及び有機バインダーを含むセラミックペーストで形成されることができる。
【0078】
上記セラミックパウダーは、高い誘電率を有する物質であり、当該セラミックパウダーとしては、これに制限されず、チタン酸バリウム(BaTiO3)系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)系材料等を用い、好ましくは、チタン酸バリウム(BaTiO3)パウダーを用いることができる。上記セラミックグリーンシート212aが焼成されると、上記積層本体111を構成する誘電体層112になることができる。
【0079】
上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221aは、導電性金属を含む内部電極ペーストで形成されることができる。上記導電性金属は、これに制限されず、Ni、Cu、Pd又はこれらの合金であることができる。
【0080】
上記セラミックグリーンシート212a上に上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221aを形成する方法としては、特に制限されず、例えば、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法等を用いることができる。
【0081】
なお、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221a間の所定の間隔d2を有する部位に第1のダミー電極パターン223aを形成することができる。上記第1のダミー電極パターン223aは、電気的絶縁のために、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221aと所定の間隔をおいて形成されることができる。これにより、以後、図2aから図2dに示されるような積層セラミックキャパシタを製造することができる。
【0082】
また、他のセラミックグリーンシート212a上に所定の間隔をおいて複数のストライプ状の第2の内部電極パターン222aを形成することができる。また、上記ストライプ状の第2の内部電極パターン222a間の所定の間隔に第2のダミー電極パターン224aを形成することができる。
【0083】
以下、上記第1の内部電極パターン221aが形成されたセラミックグリーンシートは、第1のセラミックグリーンシートと称し、上記第2の内部電極パターン222aが形成されたセラミックグリーンシートは、第2のセラミックグリーンシートと称する。
【0084】
次に、図3bに示されるように、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221aと上記ストライプ状の第2の内部電極パターン222aとが交互に積層されるように、第1のセラミックグリーンシートと第2のセラミックグリーンシートとを交互に積層することができる。
【0085】
以後、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221aは、第1の内部電極221を形成し、上記ストライプ状の第2の内部電極パターン222aは、第2の内部電極222を形成することができる。また、上記第1のダミー電極パターン223aは、第1のダミー電極223を形成し、上記第2のダミー電極パターン224aは、第2のダミー電極224を形成することができる。
【0086】
図3cは、本発明のさらに他の実施形態による第1及び第2のセラミックグリーンシートが積層されたセラミックグリーンシート積層体210を示す断面図であり、図3dは、第1及び第2のセラミックグリーンシートが積層されたセラミックグリーンシート積層体210を示す斜視図である。
【0087】
図3c及び図3dを参照すると、複数の平行なストライプ状の第1の内部電極パターン221aが印刷された第1のセラミックグリーンシートと複数の平行なストライプ状の第2の内部電極パターン222aが印刷された第2のセラミックグリーンシートは、交互に積層されている。
【0088】
より具体的には、上記第1のセラミックグリーンシートに印刷された上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221aの中心部と、上記第2のセラミックグリーンシートに印刷された上記ストライプ状の第2の内部電極パターン222a間の所定の間隔d2を有する部位とが重なるように積層されることができる。上記ストライプ状の第2の内部電極パターン222a間の所定の間隔d2を有する部位には、第2のダミー電極パターンが形成されることができる。
【0089】
上記セラミックグリーンシート積層体210の上面及び下面の少なくとも一面には、溝部が形成されることができる。上記溝部を形成する方法は、特に制限されず、例えば、上記セラミックグリーンシート積層体210を加圧することで行われることができる。上記セラミックグリーンシート積層体に加えられる圧力の大きさは、当該セラミックグリーンシート積層体の強度及び所望の溝部の形状に応じて適宜選択されることができる。
【0090】
上記溝部は、内部電極とダミー電極によって段差が生じる領域に形成されることができる。また、上記溝部は、内部電極又はダミー電極が存在しない領域に対応してセラミックグリーンシートの上面又は下面に形成されることができる。より具体的には、ストライプ状の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位と、ストライプ状の内部電極パターンとダミー電極パターン間の所定の間隔を有する部位に対応する位置に溝部が形成されることができる。本実施形態によると、上記ストライプ状の内部電極パターンの長さ方向に沿って溝部が容易に形成されることができる。
【0091】
本発明のさらに他の実施形態では、ストライプ状の内部電極パターン間に二つの溝部が形成されることができる。これにより、切断精度が向上し、チップサイズのばらつきを減らすことができる。これに関するより詳細な説明は、後述する。
【0092】
次に、図3dに示されるように、上記セラミックグリーンシート積層体210は、複数のストライプ状の第1の内部電極パターン221a及びストライプ状の第2の内部電極パターン222aを横切るように切断されることができる。即ち、上記セラミックグリーンシート積層体210は、C1−C1切断線に沿って棒状の積層体220に切断されることができる。
【0093】
より具体的には、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221a及びストライプ状の第2の内部電極パターン122aは、長さ方向に切断されて一定の幅を有する複数の内部電極に分割されることができる。この際、積層されたセラミックグリーンシートとダミー電極パターンも、ストライプ状の内部電極パターンと共に切断される。これにより、内部電極及びダミー電極は、誘電体層と同一の幅を有することができる。
【0094】
また、上記セラミックグリーンシート積層体210の上面及び下面に形成された溝部は、上記棒状の積層体220の幅方向に沿って切断されることができる。
【0095】
上記棒状の積層体220の切断面には、内部電極の幅方向の末端とダミー電極の幅方向の末端とが露出されることができる。以下、上記棒状の積層体の切断面は、それぞれ上記棒状の積層体220の第1の側面及び第2の側面と称する。
【0096】
次に、図3eに示されるように、上記棒状の積層体220の第1の側面及び第2の側面のそれぞれに、第1のサイド部213a及び第2のサイド部214aを形成することができる。上記棒状の積層体220の第1の側面及び第2の側面は、図2bに示される積層本体111の第1の側面及び第2の側面に対応するものと理解されることができる。
【0097】
上記第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aは、上記棒状の積層体220に、セラミック粉末を含むセラミックスラリーにより形成されることができる。上記セラミックスラリーは、セラミックパウダー、有機バインダー及び有機溶剤を含むことができる。
【0098】
上記第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aが所望の厚さ又は幅に形成されるように、セラミックスラリーの量を調節することができる。
【0099】
上記棒状の積層体220の第1の側面及び第2の側面にセラミックスラリーを塗布して上記第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aを形成することができる。上記セラミックスラリーの塗布方法としては、特に制限されず、例えば、スプレー方式で噴射するか又はローラーを利用して塗布するものがある。
【0100】
また、上記棒状の積層体220をセラミックスラリーにディッピング(dipping)することで、当該棒状の積層体220の第1の側面及び第2の側面に上記第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aを形成することができる。
【0101】
上記第1の側面及び第2の側面に上記第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aを形成した後、上面及び下面の少なくとも一面に溝部を形成することができる。上記溝部は、棒状の積層体220に形成された溝部と同一のパターンを有するように形成されることができる。
【0102】
次に、図3e及び図3fに示されるように、上記第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aが形成された上記棒状の積層体220をC2−C2切断線に沿って個別のチップサイズに合わせて切断することができる。図3cを参照して上記C2−C2切断線の位置を把握することができる。
【0103】
本発明のさらに他の実施形態において棒状の積層体をC2−C2切断線に沿ってチップサイズに切断する場合、溝部は、インデックスとして作用することができる。
【0104】
上述したように、本発明のさらに他の実施形態では、ストライプ状の内部電極パターン間に二つの溝部が形成され、これにより、切断精度が向上することができる。また、一つの溝部が形成される場合と比較して、インデックスの位置精度が向上してチップサイズのばらつきを減らすことができる。即ち、ストライプ状の内部電極パターン間に一つの溝部を形成する場合と比較して、溝部位置のばらつきを減らすことができる。
【0105】
上記棒状の積層体220をチップサイズに切断することで、上記積層本体211と、当該積層本体211の両側面に形成された第1のサイド部及び第2のサイド部213、214が形成されることができる。図3fには、上記第2のサイド部214の輪郭が点線で表示されている。
【0106】
上記棒状の積層体220をC2−C2切断線に沿って切断することで、重なる第1の内部電極の中心部と第2の内部電極間の所定の間隔d2を有する部位とが同一の切断線に沿って切断されることができる。他の観点では、第2の内部電極の中心部と第1の内部電極間の所定の間隔を有する部位とが同一の切断線に沿って切断されることができる。
【0107】
ダミー電極が形成された場合には、重なる第1の内部電極の中心部と第2の内部電極間に形成された第2のダミー電極の中心部とが同一の切断線に沿って切断されることができる。他の観点では、第2の内部電極の中心部と第1の内部電極間に形成された第1のダミー電極の中心部とが同一の切断線に沿って切断されることができる。
【0108】
これにより、上記第1の内部電極221及び第2の内部電極222の一端は、C2−C2切断線に沿う切断面に交互に露出されることができる。また、上記第1のダミー電極及び第2のダミー電極の一端がC2−C2切断線に沿う切断面に交互に露出されることができる。
【0109】
上記第1の内部電極221又は第2のダミー電極224が露出された面は、図2bに示される積層本体の第3の側面3と理解され、上記第2の内部電極222又は第1のダミー電極223が露出された面は、図2bに示される積層本体の第4の側面4と理解されることができる。
【0110】
上記棒状の積層体220をC2−C2切断線に沿って切断することで、上記ストライプ状の第1の内部電極パターン221a間の所定の間隔d2は半分に切断されるため、上記第1の内部電極221の一端が上記第4の側面から所定の間隔を形成し、上記第2の内部電極222が第3の側面から所定の間隔を形成するようにする。
【0111】
本発明のさらに他の実施形態によると、上記所定の間隔には、上記第1のダミー電極223及び上記第2のダミー電極224が形成されることができる。上記第1のダミー電極223の一端は、上記第4の側面に露出され、上記第2のダミー電極224の一端は、上記第3の側面に露出されることができる。
【0112】
上記積層本体211の上面及び下面の少なくとも一面には、溝部Vが形成されることができる。より具体的には、上記第1の内部電極221と上記第1のダミー電極223間の所定の間隔を有する部位とに対応する領域に第1の溝部が形成され、上記第2の内部電極222と上記第2のダミー電極224間の所定の間隔を有する部位とに対応する領域に第2の溝部が形成されることができる。
【0113】
その後、上記棒状の積層体の両側面に第1のサイド部及び第2のサイド部213、214が形成された積層本体211をか焼及び焼成することができる。
【0114】
次に、上記第1の内部電極221及び第2の内部電極222の一端と連結されるように、上記第3の側面及び第4の側面のそれぞれに外部電極を形成することができる。上記外部電極は、上記第3の側面及び第4の側面から積層本体211の上面又は下面まで伸びて溝部を覆うように形成されることができる。
【0115】
また、上記棒状の積層体の両側面に第1のサイド部及び第2のサイド部を形成した後、か焼及び焼成し、その後、当該棒状の積層体を積層本体の形態に切断することができる。その後、上記積層本体に外部電極を形成する工程を行うことができる。
【0116】
本実施形態のように、上記棒状の積層体220に第1のサイド部及び第2のサイド部213a、214aを形成し、チップサイズに切断する場合、一回の工程で複数の積層本体にサイド部を形成することができる。
【0117】
また、図示されてはいないが、上記第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する前に上記棒状の積層体をチップサイズに切断して複数の積層本体を形成することができる。
【0118】
即ち、上記棒状の積層体を、重なる第1の内部電極の中心部と第2の内部電極間の所定の間隔を有する部位とが同一の切断線に沿って切断されるように切断することができる。これにより、上記第1の内部電極及び第2の内部電極の一端は、切断面に交互に露出されることができる。
【0119】
以後、上記積層本体の第1の側面及び第2の側面に第1のサイド部及び第2のサイド部を形成することができる。上記第1のサイド部及び第2のサイド部の形成方法は、上述した通りである。上記棒状の積層体の両側面に第1のサイド部及び第2のサイド部が形成された積層本体をか焼及び焼成することができる。
【0120】
以後、上記第1の内部電極が露出された積層本体の第3の側面及び上記第2の内部電極が露出された積層本体の第4の側面にそれぞれ外部電極を形成することができる。上記外部電極は、上記第3の側面及び第4の側面から積層本体の上面又は下面まで伸びて溝部を覆うように形成されることができる。
【0121】
本発明は、上述した実施形態及び添付図面によって限定されることなく添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載の本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な形態の置換、変形及び変更が可能であることは、当技術分野における通常の知識を有する者に自明のことであり、これもまた添付の特許請求の範囲に記載の技術的思想に属する。
【符号の説明】
【0122】
111 積層本体
112 誘電体層
113、114 第1のサイド部及び第2のサイド部
121、122 第1の内部電極及び第2の内部電極
123、124 第1のダミー電極及び第2のダミー電極
131、132 第1の外部電極及び第2の外部電極
212a セラミックグリーンシート
221、222 第1の内部電極及び第2の内部電極
223、224 第1のダミー電極及び第2のダミー電極
213a、214a 第1のサイド部及び第2のサイド部
221a、222a ストライプ状の第1の内部電極パターン及び第2の内部電極パターン
223a、224a 第1のダミー電極パターン及び第2のダミー電極パターン
V 溝部
210 セラミックグリーンシート積層体
220 棒状の積層体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1の側面及び第2の側面と当該第1の側面及び第2の側面を連結する第3の側面及び第4の側面とを有する積層本体と、
前記積層本体の内部に形成され、前記第3の側面又は第4の側面から所定の間隔をおいて形成される内部電極と、
前記積層本体の上面及び下面の少なくとも一面に形成され、前記第3の側面又は第4の側面と所定の間隔をおいて当該第3の側面又は第4の側面に沿って形成される溝部と、
前記第3の側面及び第4の側面から前記積層本体の上面又は下面まで伸びて前記溝部を覆うように形成される外部電極と、
を含む、積層セラミックキャパシタ。
【請求項2】
前記積層本体の第1の側面及び第2の側面に形成される第1のサイド部及び第2のサイド部をさらに含む、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項3】
前記第1のサイド部及び第2のサイド部は、上面及び下面の少なくとも一面に形成され、前記積層本体の第3の側面又は第4の側面と平行に形成される溝部を含む、請求項2に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項4】
前記溝部は、V状である、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項5】
前記第1のサイド部及び第2のサイド部は、セラミックスラリーで形成される、請求項2に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項6】
前記内部電極と所定の間隔をおいて当該内部電極と前記第3の側面又は第4の側面との間に所定の間隔で形成されるダミー電極をさらに含む、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項7】
前記ダミー電極は、前記第3の側面又は第4の側面に一端が露出される、請求項6に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項8】
前記積層本体は、前記第1の側面及び第2の側面間の距離に該当する幅を有する複数の誘電体層が積層されて形成され、前記内部電極は、前記誘電体層の幅と同一の幅を有する、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項9】
前記内部電極と所定の間隔をおいて前記誘電体層に形成され、当該誘電体層と同一の幅を有するダミー電極をさらに含む、請求項8に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項10】
前記内部電極は、一端が前記第3の側面に露出され他端が前記第4の側面から所定の間隔をおいて形成される第1の内部電極と、一端が第4の側面に露出され他端が前記第3の側面から所定の間隔をおいて形成される第2の内部電極とで構成される、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項11】
複数のストライプ状の第1の内部電極パターンが所定の間隔をおいて形成された第1のセラミックグリーンシート及び複数のストライプ状の第2の内部電極パターンが所定の間隔をおいて形成された第2のセラミックグリーンシートを製造する段階と、
前記ストライプ状の第1の内部電極パターンの中心部と前記ストライプ状の第2の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位とが重なるように前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のセラミックグリーンシートとを交互に積層してセラミックグリーンシート積層体を形成する段階と、
前記ストライプ状の第1の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位及び前記ストライプ状の第2の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位に対応する前記セラミックグリーンシート積層体の上面及び下面の少なくとも一面に溝部を形成する段階と、
前記セラミックグリーンシート積層体を切断する段階と、
を含む、積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項12】
前記溝部を形成する段階は、前記セラミックグリーンシート積層体を加圧して行われる、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項13】
前記ストライプ状の第1の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位又は前記ストライプ状の第2の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位に第1のダミー電極パターン又は第2のダミー電極パターンを形成する段階をさらに含む、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項14】
前記セラミックグリーンシート積層体を切断する段階は、
前記セラミックグリーンシート積層体を一定の幅に切断して前記第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面を有し幅方向に形成される前記溝部を有する棒状の積層体に切断されるように行われ、
前記棒状の積層体の第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面にセラミックスラリーで第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する段階をさらに含む、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項15】
前記第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する段階の後に、前記第1の内部電極の中心部と第2の内部電極間の所定の間隔を有する部位とを同一の切断線に沿って切断して第1の内部電極又は第2の内部電極の一端がそれぞれ露出された第3の側面又は第4の側面を有する積層本体に切断する段階をさらに含む、請求項14に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項16】
前記積層本体の第3の側面又は第4の側面から当該積層本体の上面又は下面に伸びて前記溝部を覆う外部電極を形成する段階をさらに含む、請求項15に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項17】
前記セラミックグリーンシート積層体を切断する段階は、
前記セラミックグリーンシートを一定の幅に切断して前記第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面を有し前記幅方向に形成される溝部を有する棒状の積層体に切断する段階と、前記棒状の積層体を前記第1の内部電極の中心部と前記第2の内部電極間の所定の間隔を有する部位とを同一の切断線に沿って切断して第1の内部電極又は第2の内部電極の一端がそれぞれ露出された第3の側面又は第4の側面を有する積層本体に切断する段階で行われ、
前記積層本体の第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面にセラミックスラリーで第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する段階をさらに含む、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項18】
前記積層本体の第3の側面又は第4の側面から当該積層本体の上面又は下面に伸びて前記溝部を覆う外部電極を形成する段階をさらに含む、請求項17に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項1】
対向する第1の側面及び第2の側面と当該第1の側面及び第2の側面を連結する第3の側面及び第4の側面とを有する積層本体と、
前記積層本体の内部に形成され、前記第3の側面又は第4の側面から所定の間隔をおいて形成される内部電極と、
前記積層本体の上面及び下面の少なくとも一面に形成され、前記第3の側面又は第4の側面と所定の間隔をおいて当該第3の側面又は第4の側面に沿って形成される溝部と、
前記第3の側面及び第4の側面から前記積層本体の上面又は下面まで伸びて前記溝部を覆うように形成される外部電極と、
を含む、積層セラミックキャパシタ。
【請求項2】
前記積層本体の第1の側面及び第2の側面に形成される第1のサイド部及び第2のサイド部をさらに含む、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項3】
前記第1のサイド部及び第2のサイド部は、上面及び下面の少なくとも一面に形成され、前記積層本体の第3の側面又は第4の側面と平行に形成される溝部を含む、請求項2に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項4】
前記溝部は、V状である、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項5】
前記第1のサイド部及び第2のサイド部は、セラミックスラリーで形成される、請求項2に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項6】
前記内部電極と所定の間隔をおいて当該内部電極と前記第3の側面又は第4の側面との間に所定の間隔で形成されるダミー電極をさらに含む、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項7】
前記ダミー電極は、前記第3の側面又は第4の側面に一端が露出される、請求項6に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項8】
前記積層本体は、前記第1の側面及び第2の側面間の距離に該当する幅を有する複数の誘電体層が積層されて形成され、前記内部電極は、前記誘電体層の幅と同一の幅を有する、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項9】
前記内部電極と所定の間隔をおいて前記誘電体層に形成され、当該誘電体層と同一の幅を有するダミー電極をさらに含む、請求項8に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項10】
前記内部電極は、一端が前記第3の側面に露出され他端が前記第4の側面から所定の間隔をおいて形成される第1の内部電極と、一端が第4の側面に露出され他端が前記第3の側面から所定の間隔をおいて形成される第2の内部電極とで構成される、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項11】
複数のストライプ状の第1の内部電極パターンが所定の間隔をおいて形成された第1のセラミックグリーンシート及び複数のストライプ状の第2の内部電極パターンが所定の間隔をおいて形成された第2のセラミックグリーンシートを製造する段階と、
前記ストライプ状の第1の内部電極パターンの中心部と前記ストライプ状の第2の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位とが重なるように前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のセラミックグリーンシートとを交互に積層してセラミックグリーンシート積層体を形成する段階と、
前記ストライプ状の第1の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位及び前記ストライプ状の第2の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位に対応する前記セラミックグリーンシート積層体の上面及び下面の少なくとも一面に溝部を形成する段階と、
前記セラミックグリーンシート積層体を切断する段階と、
を含む、積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項12】
前記溝部を形成する段階は、前記セラミックグリーンシート積層体を加圧して行われる、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項13】
前記ストライプ状の第1の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位又は前記ストライプ状の第2の内部電極パターン間の所定の間隔を有する部位に第1のダミー電極パターン又は第2のダミー電極パターンを形成する段階をさらに含む、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項14】
前記セラミックグリーンシート積層体を切断する段階は、
前記セラミックグリーンシート積層体を一定の幅に切断して前記第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面を有し幅方向に形成される前記溝部を有する棒状の積層体に切断されるように行われ、
前記棒状の積層体の第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面にセラミックスラリーで第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する段階をさらに含む、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項15】
前記第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する段階の後に、前記第1の内部電極の中心部と第2の内部電極間の所定の間隔を有する部位とを同一の切断線に沿って切断して第1の内部電極又は第2の内部電極の一端がそれぞれ露出された第3の側面又は第4の側面を有する積層本体に切断する段階をさらに含む、請求項14に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項16】
前記積層本体の第3の側面又は第4の側面から当該積層本体の上面又は下面に伸びて前記溝部を覆う外部電極を形成する段階をさらに含む、請求項15に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項17】
前記セラミックグリーンシート積層体を切断する段階は、
前記セラミックグリーンシートを一定の幅に切断して前記第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面を有し前記幅方向に形成される溝部を有する棒状の積層体に切断する段階と、前記棒状の積層体を前記第1の内部電極の中心部と前記第2の内部電極間の所定の間隔を有する部位とを同一の切断線に沿って切断して第1の内部電極又は第2の内部電極の一端がそれぞれ露出された第3の側面又は第4の側面を有する積層本体に切断する段階で行われ、
前記積層本体の第1の内部電極及び第2の内部電極の末端が露出された側面にセラミックスラリーで第1のサイド部及び第2のサイド部を形成する段階をさらに含む、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項18】
前記積層本体の第3の側面又は第4の側面から当該積層本体の上面又は下面に伸びて前記溝部を覆う外部電極を形成する段階をさらに含む、請求項17に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【公開番号】特開2012−191165(P2012−191165A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243181(P2011−243181)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
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