説明

積層型超音波トランスデューサ及びその製造方法

積層型超音波トランスデューサは、それぞれの上部に第1及び第2圧電基板が互いに積層されている圧電基板積層体100を含み、圧電基板積層体はそれぞれ第1電極と第2電極とに分極されている第1及び第2電極ノード42、44と、前記第1電極ノードに結合されている柔軟性印刷回路基板と、前記柔軟性印刷回路基板により取り囲まれている所定の厚さを有する後面層と、第2電極に接合されている接地用印刷回路基板と、積層型圧電基板上に接合されている音響整合層とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型超音波トランスデューサ及びその製造方法に関し、特に、振動特性を改善させた積層型超音波トランスデューサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用超音波トランスデューサは多数の構成要素を有し、それらの間のピッチも小さくなっている。このように構成要素のサイズが小さくなるにつれて、超音波映像診断システムとそのトランスデューサとの間の電気インピーダンスのミスマッチが深刻な問題として浮上している。
【0003】
一般的に、超音波映像診断システムとトランスデューサとの間の通信のために用いられる電線の電気インピーダンスは50〜85Ωであるが、トランスデューサの構成要素は約100〜500Ωであり、大きな差がある。このようなミスマッチは結局、エネルギー変換効率を低下させて、トランスデューサの感度を低下させ、信号対ノイズ比を増加させて超音波映像の実現のための信号処理を妨げる。超音波映像診断において、最も重要なのは映像の明るさと解像度である。しかしながら、トランスデューサとシステムとのミスマッチは明るい映像の実現にも障害となっている。
【0004】
同じ厚さの圧電基板が音響的には直列に、電気的には並列に接続されている場合、電圧及びインピーダンスと基板の数との関係は、下記の式で表すことができる(参考資料:[Michael Greenstein and Umesh Kumar, “Multilayer piezoelectrical resonators for medical ultrasound transducer,“ IEEE Transactions Ultrasonics, Ferroelectrics and Frequency Control, vol. 43, pp. 622−624(1996)]):
V(N)=V(1)/N
Z(N)=Z(1)/N
前記式において、Nは基板の数であり、Vは電圧であり、Zはインピーダンスである。
【0005】
すなわち、基板の数(N)が増加するほど、インピーダンスはNの自乗に比例して減少する。従って、このような原理に基づいて構成要素の高いインピーダンスを減少させることで、前述したミスマッチの問題を低減できることが分かる。
【0006】
このような積層型圧電トランスデューサを医療用超音波トランスデューサに適用する試みは既に多く行われてきた(文献[David M. Mill et al., “Multi−layered PZT‐Polymer Composites to increase signal to noise ratio and resolution for medical ultrasound transducer”, IEEE transactions on ultrasonics, ferroelectrics, and frequency control, Vol. 46, No. 4, July 1999]参照)。
【0007】
しかしながら、このような前述した積層型圧電超音波トランスデューサは前面に整合層以外の更なる層が結合されているため、振動特性がよくないという短所がある。例えば、米国特許第6、121、718号及び第6、437、487号には圧電材料を用いた積層型超音波トランスデューサを開示しているが、積層体の前面と後面の両方にFPCBを接着して電気的に接続している。従って、積層型トランスデューサの前面に整合層以外に数十ミクロンのポリイミド/Cu層またはCu層からなるFPCBが形成される構造を有する。その結果、積層体の振動特性が低いという短所がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、超音波トランスデューサに用いられる圧電基板積層体及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、圧電基板積層体とその製造方法を適用して振動特性に優れた積層型超音波トランスデューサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面によって、圧電基板積層体において、第1圧電基板であって、前記第1圧電基板の第1及び第2主面、第1及び第2側面上に形成されている第1電極層を備え、前記第1電極層を第1電極と第2電極とにそれぞれ分離する第1及び第2主面上に第1及び第2溝が形成されている第1圧電基板と、第2圧電基板であって、前記第2圧電基板の第1及び第2主面、第1及び第2側面上に形成されている第2電極層を備え、第2電極層を第3電極と第4電極にそれぞれ分離する第3及び第4溝が形成され、前記第1溝は前記第2圧電基板の前記第1主面に形成されている第2圧電基板を含み、ここで、前記第1圧電基板と前記第2圧電基板は、前記第2溝と前記第3溝とが互いに向かい合って第1電極ノードと第2電極ノードを形成し、前記第1電極ノードは前記第1及び前記第3電極を有し、前記第2電極ノードは前記第2及び第4電極を有することを特徴とする圧電基板積層体が提供される。
【0011】
本発明の第2の側面によって、前述したような前記圧電基板積層体を含む積層型超音波トランスデューサが提供される。
【0012】
本発明の第3の側面によって、圧電基板積層体の製造方法において、伝導性物質の電極層が塗布されている第1及び第2圧電基板をそれぞれ用意し、前記第1及び第2圧電基板の上面及び下面に第1、2、3、4溝を設け、前記電極層を第1、2、3、4電極に分離して形成し、前記第1圧電基板の前記第2溝と前記第2圧電基板の前記第3溝とを互いに向かい合うようにそれぞれの上部に前記第1及び第2圧電基板を積層し、前記第1電極と第3電極を第1電極ノードに、前記第2電極と第4電極を第2電極ノードに形成することを含む圧電基板積層体の製造方法が提供される。
【0013】
本発明の第4の側面によって、前述したように、製造方法により製造した前記圧電基板積層体を含む積層型超音波トランスデューサの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
前述した本発明によれば、超音波トランスデューサの製造に用いられる圧電基板積層体の形成時に電極層の単離を溝の形成及びエッジの研磨により行い電極ノードを形成するのにその特徴がある。このような構造の圧電基板積層体を用いることで、接地用柔軟性印刷回路基板を電極のエッジと電極の側面のみ用いて結合させて、圧電基板積層体の前面と整合層との間に不要な層が挿入されないようにする。その結果、振動特性に優れ、広い帯域幅と高い感度を有する積層型超音波トランスデューサを提供できるという効果を奏する。
【0015】
本発明による圧電基板の積層方法は、通常、超音波トランスデューサに用いられる圧電セラミックだけでなく、圧電単結晶も用いることができる。通常、圧電単結晶を用いた超音波トランスデューサは従来のPZTのような圧電セラミックを用いるよりも40〜50%以上の高い帯域幅を有しており、超音波映像診断において高解像度を実現できる。しかしながら、これも一般の圧電セラミックを用いる場合と同様に、トランスデューサの構成要素とシステムとのミスマッチが大きいため、感度やS/N比を改善するのには限界があった。また、圧電単結晶は機械的に弱く、熱的にも非常に弱いため、グラインディング、ラッピング、ダイシングなどのような加工工程、ボンディングのようなトランスデューサの製造工程中に破損し易いという不具合があった。しかしながら、本発明によれば、トランスデューサの前面に層がないので、従来のような感度の低下という問題を解決でき、電極の単離をエッジの研磨のような簡単な操作で行うので、製造工程中に破損する問題も解決できる。
【0016】
本発明によれば、特に圧電単結晶で構成された圧電素子は商用化されているPZT系セラミックからなる圧電要素に比べてより大きい誘電率を提供する。従って、本発明による圧電単結晶で構成された圧電素子を用いることで、ケーブルや機器の浮遊容量に起因する損失が減少し、それにより高感度の信号を得ることができる。
【0017】
この発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴については、本発明の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施例を説明する。
【0019】
本発明による積層型超音波トランスデューサは、図1〜10に示すような工程によって製造できる。
【0020】
まず、図1に示すように、2枚の圧電基板を用意し、図面には簡単に1枚の圧電基板のみを示している。本実施例において、2枚の圧電基板を用いるが、必要に応じて3枚以上を用いて積層型トランスデューサを製造することもできる。交流電流が超音波トランスデューサの圧電基板に流れると、圧電基板が振動し、超音波信号が発生する。第1圧電基板10は、第1主面12(上面)、第2主面14(下面)、第1側面16(左側面)、第2側面18(右側面)からなっている。
【0021】
次に、図2に示すように、第1圧電基板10の前記4面12、14、16、18にスパッタリング、電子−ビーム、熱蒸発または電解メッキなどの方法を通じて電極層21を蒸着させる。その後、第1及び第2溝32、34が前記第1圧電基板10の第1主面12及び第2主面14上に形成されて、第1及び第2側面16、18の長さ方向に沿って延びる。前記第1及び第2溝32、34を形成することで、前記電極層21が第1電極22と第2電極24とにそれぞれ分離させて、2つの分離された電極22、24を有する第1圧電基板10を得る。後で第1電極22は1次電極(マイナス極)となり、第2電極24は2次電極(プラス極)となる。
【0022】
本発明に用いられる圧電基板10は、22〜500μmの範囲、好ましくは、50〜220μmの厚さ範囲を有する圧電セラミックまたは圧電単結晶基板であってもよい。
【0023】
電極22、24は、それぞれクロム、銅、ニッケル、金などの伝導性膜から構成されてもよく、電極22、24の厚さは100〜1、000Åの範囲であってもよい。
【0024】
このような電極層21の分離は、例えば、ダイシングソーにより一定深さの溝を形成することで行える。具体的に、前記第1及び第2溝32、34はそれぞれ、前記第1圧電基板10の第1主面12及び第2主面14の対向するエッジから所定距離だけ離れて形成され、電極層12を、(a)第1側面16と第2主面14の一部及び第1主面12の大部分を覆っている第1電極層22と、(b)第2側面18と第1主面12の一部及び第2主面14の大部分を覆っている第2電極層24とに分離する。
【0025】
第1溝32は、第1圧電基板10の第1主面12の右側エッジから所定距離だけ離れた位置に形成され、この空間は電極層21と接地用電極板(図示せず)とを結合するための接着剤のために用いられる。例えば、第1溝32は、約0.03〜0.1mmの幅を有し、第1主面12の右側エッジから約1〜1.5mmだけ離れて内側へ形成されることが好ましい。また、前記第2溝34は、第2主面14の左側エッジから約1〜1.5mmだけ離れて内側へ約0.2〜0.5mmの幅で形成されることが好ましい。
【0026】
本発明によれば、第2溝34は第1溝32よりも広く形成されることが好ましい。また、前記溝32、34は、第1圧電基板10の厚さの70〜80%範囲の深さまで形成されることが振動の発生を抑制する側面で好ましい。前記電極層21と接地用電極板との結合に用いられる接着剤として、エポキシペースト、好ましくは、銀エポキシペーストが用いられる。
【0027】
次に、もう1枚の圧電基板が以下のように用意されて製造される。図4に示すように、図2と同様の方法により、2枚の基板のうち、もう1枚の圧電基板、すなわち第2圧電基板20の4面に伝導性物質の電極層を蒸着させた後、第1主面12上の電極層21には第3溝36を形成する。また、第2主面14と第2側面18との間のエッジ部分の電極層21は第2側面の長さ方向に沿って研磨してエッジ研磨部38を形成する。従って、前述したのと同様に、電極層は第3及び第4電極26、28に分離されて、電極分離された第2圧電基板20を得る。後で前記第3電極26は2次電極(プラス極)となり、第4電極28は1次電極(マイナス極)となる。
【0028】
より詳細には、前記第3溝36は、第2圧電基板20の第1主面12の左側エッジから離れて第2圧電基板20の第1主面に形成され、左側エッジからの距離は、図2と同様に、第2溝34と第1圧電基板10の第1側面との間の距離と同間隔だけ離れる。さらに、前記第3溝36は前記第2溝34と同じ形状を有し、研磨によりエッジ研磨部38が形成される。
【0029】
次に、前記電極形成された圧電基板10、20をそれぞれ図3及び図5に示すように、分極処理して第1電極22及び第4電極28を1次電極(マイナス極)とし、第2電極24及び第3電極26を2次電極(プラス極)とする。その後、これらの2枚の圧電基板10、20を図6及び図7に示すように、1次電極は1次電極同士、2次電極は2次電極同士で接続されるように(すなわち、前記第2溝34と第3溝36とが互いに結合されるように)、それぞれ接合する。従って、第1電極ノード42及び第2電極ノード44が形成されて、本発明による圧電基板積層体100が得られる。
【0030】
前記2枚の圧電基板の接合は、この分野において公示となっている銀エポキシ接着剤を用いて行える。前記第2溝34と第3溝36は、前述したように比較的に広いギャップにより電極を分離しているので、接合時に2枚の基板がずれる場合にも1次電極と2次電極との間で電気的ショットが発生するのを防止できる。
【0031】
圧電基板積層体100を形成した後、前記第2圧電基板20の第2主面上に位置する第1電極ノード42に、ステープラー状の薄い信号用柔軟性印刷回路基板(FPCB)400が接合され、後面層300は上部面及び両側面が前記信号用FPCB400に取り囲まれて印刷回路基板400の下に位置する。信号用FPCB400は、圧電基板積層体100に電気的信号を伝達し、それから超音波を受ける。そして、前記後面層300は超音波信号を吸収する機能をして、圧電基板積層体100の超音波に起因する振動により発生する不要な信号を防止する。前記信号用FPCB400は、まず後面層300の3面を取り囲むように後面層300と接合された後、前記第1電極ノード42に接合される。
【0032】
その後、図9に示すように、接地用柔軟性電極板500は、第1溝32付近の近い側に位置し、銀エポキシペースト600を用いて第2電極ノード44に接合される。
【0033】
次に、図10に示すように、音響整合層700は前記圧電基板積層体100の第1電極ノード42に接合する。音響整合層700の広さは圧電基板積層体100よりも小さく、圧電基板積層体100と並んで位置し、第2溝32を覆っている。音響整合層700は、圧電基板積層体100と媒体、例えば人体とマッチさせて、圧電基板積層体100の超音波が所望の方向に被検査体にスムーズに伝達できるようにする。その次に、音響整合層700に音響レンズ(図示せず)を覆い、積層型超音波トランスデューサを得る。ここで、前記音響整合層は圧電基板積層体100上に2層以上積層することもできる。
【0034】
図8は、図10に示す多層超音波トランスデューサを示す簡略断面図である。従って、本発明による積層型超音波トランスデューサは優れた振動特性を有するので、医療用超音波診断システムまたは軍事用/産業用超音波トランスデューサのような多様な装置に適用され得る。
【0035】
以下、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。ここで、以下の実施例は本発明に限定されるのではない。
【0036】
実施例
本発明による積層型超音波トランスデューサは、以下のような方法により製造される。
【0037】
厚さ0.4〜0.5mm、大きさ約25〜20mm×15〜20mmの<001>圧電単結晶基板(PMN-(0.3〜0.35)PTが用意される(図1参照)。その後、第1圧電基板10の第1主面12、第2主面14、第1側面16及び第2側面18に電子−ビーム蒸着法により伝導性物質を1、000〜2、200Åの厚さに蒸着した。
【0038】
その後、電極をその上面に備えたもう1枚の単結晶圧電基板は、前述したのと同様の方法で製造され、それにより第2圧電基板20が得られる。
【0039】
次に、前記第1圧電基板10の第1主面12及び第2主面14上の電極層にダイシングソーによりそれぞれ溝32、34を形成して前記電極層を2つの電極22、24に分離した(図2参照)。このとき、溝32、34はそれぞれ第1圧電基板10の第2側面18及び第1側面16から1〜1.5mmだけ離れて内側へ形成し、各溝の深さは0.25〜0.35mmである。
【0040】
第2圧電基板20において、第2圧電基板20の第1主面上の電極層にはダイシングソーにより溝36が形成され、第2圧電基板20の第2主面と第2側面との間のエッジ上の電極層を除去してエッジ研磨部38を形成することで、前記電極層を2つの電極26、28に分離した(図4参照)。このとき、溝36は前記第1圧電基板10の前記溝34と同一の形状に形成しており、前記エッジ研磨部38は第2圧電基板20の第2主面と第2側面との間のエッジ上の電極層を研磨して形成する。
【0041】
次に、前記第1及び第2圧電基板10、20をそれぞれ図3及び図5に示すように、分極処理して電極22、26を1次電極(マイナス極)とし、電極24、28を2次電極(プラス極)とする。その後、それらの2枚の圧電基板10、20を図6及び図7に示すように、溝34と溝36とを銀エポキシを用いて互いに結合し、1次電極は1次電極同士で、2次電極は2次電極同士で結合されて第1及び第2電極ノード42、44を形成した。その結果、本発明による多層構造の圧電単結晶積層体100が得られた。
【0042】
次に、図8に示すように、後面層300の第1主面及び両側面上に予め接合された信号用柔軟性印刷回路基板400の上部面が圧電単結晶積層体100の第2圧電基板20の第2主面上に位置する第1電極ノード42に接合される。
【0043】
その後、図9に示すように、接地用柔軟性印刷回路基板500を銀エポキシペースト600を用いて第1溝32の前方にある圧電多層基板組立体100の 第2電極ノード44と接合する。次に、図10に示すように、前記第1圧電基板10の第1主面上の第1電極層上に音響整合層700を形成し、その上に音響レンズで音響整合層700を覆って、本発明による積層型超音波トランスデューサを完成した。
【0044】
実験例
積層型超音波トランスデューサのそれぞれのパルスエコー特性について、米国特許第6、437、487号のPZT(Acuson P2−3AC、韓国メディソン社製)単層トランスデューサ(比較例1)と、PMN-(0.3〜0.35)PT系単層トランスデューサ(比較例2)とを比較して、その結果を下記の表1及び図9〜図11に示す。
【表1】

【0045】
前記表から本発明による積層型トランスデューサは、一般のPZTタイプや圧電単結晶断層トランスデューサに比べて感度に極めて優れており、帯域幅もより大きいことが分かる。
【0046】
さらに、図9〜図11を比較することで、本発明による積層型トランスデューサの感度が単層型に比べて約4dB以上高いことが分かる。
【0047】
前述したように、本発明による積層型超音波トランスデューサは、複数の圧電材料を新たな構造で積層及び電極形成することで製造される。それにより、積層型超音波トランスデューサは振動特性が改善され、広い帯域幅と高感度を有する。
【0048】
以上、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の実施形態に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明による圧電基板積層体の製造過程を順に示す図である。
【図2】本発明による圧電基板積層体の製造過程を順に示す図である。
【図3】本発明による圧電基板積層体の製造過程を順に示す図である。
【図4】本発明による圧電基板積層体の製造過程を順に示す図である。
【図5】本発明による圧電基板積層体の製造過程を順に示す図である。
【図6】本発明による圧電基板積層体の製造過程を順に示す図である。
【図7】本発明による圧電基板積層体の製造過程を順に示す図である。
【図8】図1〜図7の圧電基板積層体を用いた積層型超音波トランスデューサの製造過程を順に示す図である。
【図9】図1〜図7の圧電基板積層体を用いた積層型超音波トランスデューサの製造過程を順に示す図である。
【図10】図1〜図7の圧電基板積層体を用いた積層型超音波トランスデューサの製造過程を順に示す図である。
【図11】図10の積層型トランスデューサを示す概略図である。
【図12】PZT単層型トランスデューサの振動特性を示す波形及び周波数スペクトラムである。
【図13】PZT単層型トランスデューサの振動特性を示す波形及び周波数スペクトラムである。
【図14】PMN−PTを用いた単層型トランスデューサの振動特性を示す波形及び周波数スペクトラムである。
【図15】PMN−PTを用いた単層型トランスデューサの振動特性を示す波形及び周波数スペクトラムである。
【図16】本発明による積層型超音波トランスデューサの振動特性を示す波形及び周波数スペクトラムである。
【図17】本発明による積層型超音波トランスデューサの振動特性を示す波形及び周波数スペクトラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板積層体において、
第1圧電基板であって、前記第1圧電基板の第1及び第2主面、第1及び第2側面上に形成されている第1電極層を備え、前記第1電極層を第1電極と第2電極とにそれぞれ分離する第1及び第2主面上に第1及び第2溝が形成されている第1圧電基板と、
第2圧電基板であって、前記第2圧電基板の第1及び第2主面、第1及び第2側面上に形成されている第2電極層を備え、第2電極層を第3電極と第4電極にそれぞれ分離する第3及び第4溝が形成され、前記第1溝は前記第2圧電基板の前記第1主面に形成されている第2圧電基板を含み、
ここで、前記第1圧電基板と前記第2圧電基板は、前記第2溝と前記第3溝とが互いに向かい合って第1電極ノードと第2電極ノードを形成し、前記第1電極ノードは前記第1及び前記第3電極を有し、前記第2電極ノードは前記第2及び第4電極を有することを特徴とする圧電基板積層体。
【請求項2】
前記第1及び第2圧電基板は、圧電単結晶基板であることを特徴とする請求項1に記載の圧電基板積層体。
【請求項3】
前記第1及び第2圧電基板は、圧電セラミック基板であることを特徴とする請求項1に記載の圧電基板積層体。
【請求項4】
前記第1、第2及び第3溝がそれぞれ前記圧電基板の厚さの70〜80%の深さで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電基板積層体。
【請求項5】
前記第4溝は、前記第2圧電基板の前記第2主面と前記第2側面との間に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電基板積層体。
【請求項6】
前記第2溝は、前記第1溝よりも広く、前記第3溝の広さと大体同じであることを特徴とする請求項1に記載の圧電基板積層体。
【請求項7】
前記第2溝及び第3溝の幅が0.2〜0.5mmの範囲であり、前記第1溝の幅が0.03〜0.1mmの範囲であることを特徴とする請求項6に記載の圧電基板積層体。
【請求項8】
前記第1及び第2溝が前記第1圧電基板の前記第1及び第2側面のそれぞれに1〜1.5mmだけ離れて内側へ形成されており、前記第3溝が前記第2圧電基板の前記第1側面に1〜1.5mmだけ離れて内側へ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電基板積層体。
【請求項9】
請求項1に記載の前記圧電基板積層体を含む積層型超音波トランスデューサ。
【請求項10】
前記第1電極ノードに接合されている信号用柔軟性印刷回路基板と、
前記信号用柔軟性印刷回路基板により取り囲まれている後面層と、
前記第2電極ノードに接合されている接地用柔軟性印刷回路基板と、
前記圧電基板積層体の上部に積層されている音響整合層とを更に含むことを特徴とする、請求項9に記載の積層型超音波トランスデューサ。
【請求項11】
圧電基板積層体の製造方法において、
伝導性物質の電極層が塗布されている第1及び第2圧電基板をそれぞれ用意し、
前記第1及び第2圧電基板の上面及び下面に第1、2、3、4溝を設け、前記電極層を第1、2、3、4電極に分離して形成し、
前記第1圧電基板の前記第2溝と前記第2圧電基板の前記第3溝とを互いに向かい合うようにそれぞれの上部に前記第1及び第2圧電基板を積層し、前記第1電極と第3電極を第1電極ノードに、前記第2電極と第4電極を第2電極ノードに形成することを含む圧電基板積層体の製造方法。
【請求項12】
前記第1及び第2圧電基板の前記第1及び第2電極ノードが互いに異なる極性を有するようにする方法を更に含むことを特徴とする、請求項11に記載の圧電基板積層体の製造方法。
【請求項13】
前記第1、2、3溝のそれぞれは、ダイシングソーにより形成されることを特徴とする請求項11に記載の圧電基板積層体の製造方法。
【請求項14】
前記第4溝は、研磨により前記第2圧電基板の前記第2主面と前記第2側面との間に形成されることを特徴とする請求項11に記載の圧電基板積層体の製造方法。
【請求項15】
請求項11に記載の製造方法により製造した前記圧電基板積層体を含む積層型超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項16】
前記第1電極ノードに信号用柔軟性印刷回路基板を接合し、
前記第2電極に接地用柔軟性印刷回路基板を接合し、
前記積層型圧電基板に音響整合層を形成することを更に含む請求項15に記載の積層型超音波トランスデューサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2008−531110(P2008−531110A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556961(P2007−556961)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【国際出願番号】PCT/KR2005/004190
【国際公開番号】WO2006/090969
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(507282819)ヒューマンスキャン・カンパニー・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】