説明

積重ね突出部及び同積重ね突出部を有する容器の製造装置

先細状マンドレルと上部が開口した支持リングから構成される、容器壁内面上へ積重ね突出部を作製する製造装置を提供する。これらマンドレル及び支持リングは、待機位置と変形位置の間を互いに対して移動可能である。先細状マンドレルにはその少なくともいくつかの箇所に外周に沿って延びる保持窪みが設けられ、また支持リングにはその少なくともいくつかの箇所に内周に沿って延びる切欠き突出部が設けられる。変形位置におけるこれら窪みと突出部の相互作用を介して積重ね突出部の作製が可能とされ、変形中における特に周囲境界部分における保持窪みと切欠き突出部の間の隙間幅が他の周囲部分間の隙間幅よりも大きく形成される。本容器は、共に下方へ向かって円錐状に狭くなっている内側壁部と外側壁部から構成される。壁部は少なくとも容器の上端部において接合され、内側壁部の内面上には内側へ突き出す嵌め外し手段が積重ね突出部として形成される。容器中へ別の容器が挿入されると、この嵌め外し手段上へ支持される。積重ね突出部と突出部底部の間の間隔は、前記底部と、内側容器中へ挿入された時に外側容器が内側容器の内側壁部内面と接し始める潜在接触開始点との間の間隔よりも少なくとも僅かに大きくなるように構成される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内面上への積重ね突出部及び同積重ね突出部を有する容器の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
積重ね突出部の製造装置は、例えばEP1227042B1より公知である。この先行技術装置では、容器方向に狭くなっている円錐形支持部材上へ容器が置かれるようになっている。この支持部材は円周方向の溝形状を呈している。この周囲溝の高さに、回転のための節付き回転体が配置され、この節付き回転体に対して支持部材が相対回転することにより節付き回転体が対応する溝とかみ合い、このかみ合いによって容器の対応する内側壁部が内側へ突き出す積重ね突出部となるように変形される。次いで支持部材及び支持部材の内側へ固定された外壁から容器が取り外される。このように構成された内側壁部内面上に積重ね突出部をもつ二重壁容器が得られるため、容器を積み重ねた後に、これら容器を相互に取り外すことが容易化されている。
【0003】
前記溝及び節付き回転体の外周形状により、この場合では積重ね突出部の形状は非円形とされている。
【0004】
EP1227042B1に従った装置は、迅速・確実に作動し、上述した積重ね突出部が製造される。この装置では、容器の積重ねから適当な容器を支障なく取り出すことが容易化されている。
【0005】
前記適当な容器に関し、このような容器の内側壁部は通常2次元形状の形板から成形されることに注意すべきである。この形板を適当な円錐形状に曲げることにより容器の内側壁部が得られ、互いに向かい合う形板の両端が重なり境界部分において接合される。この方法では、この接合部分の内側壁部の厚さは容器壁の他の部分の厚さよりも厚くされる。前記重なり境界部分の接合部は、例えば接着剤の使用、あるいは液体密封性であるプラスチックフィルムを内側壁部へ処理して加熱するによって作製される。この重なり境界部分における壁厚の相違を、積重ね突出部の製造に際して前記装置において考慮することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、積重ね突出部の確実かつ迅速な製造を確保した状態で、容器の内側壁部の厚さの変化を考慮しつつ積重ね突出部を製造する積重ね突出部製造装置の改良方法を提供することを目的とする。本発明装置は、同時に簡単に作製でき、また多数の容器を素早く加工して積重ね突出部を製造できる装置でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記本発明の目的は、請求項1項に記載した特徴的構成要素を備えることによって達成される。
【0008】
本発明によれば、本発明装置では、先細状マンドレル及び頂部が開口した支持リングが用いられる。これらのマンドレル及びリングは待機位置と変形位置との間を相互に対して移動可能である。前記待機位置において、容器壁、すなわち特に容器内側壁部が、先細状マンドレルあるいは支持リングのいずれか上へ置かれる。次いでそれら装置が前記変形位置に達するまで共に相対移動される。積重ね突出部の形成は、少なくとも先細状マンドレルの外周部分に延びる保持窪みと少なくとも支持リングの内側部分に延びる切欠き突出部との相互作用によって行われる。前記変形位置においては、前記切欠き突出部によって対応容器壁が保持窪み中へ押し付けられ、それによって適正な積重ね突出部が形成される。
【0009】
ここで壁厚の変化を考慮できるようにするため、変形位置における保持窪みと切欠き突出部との間の隙間幅は、少なくとも境界部分において、先細状マンドレルの他の周囲部分と支持リングとの間の隙間幅よりも大きくされる。ここで前記境界部分として適当な部分は上述した容器壁の重なり境界部分であり、そこでは壁厚が厚くなっている。隙間幅を大きくすることにより、前記容器壁の重なり境界部分と境界部分が正確に割り当てられる。この境界部分の外側において、先細状マンドレル及び支持リングの他の周囲部分における特に切欠き突出部と保持窪みとの間の隙間幅は小さく、この部分における容器壁の厚さに適合している。
【0010】
積重ね突出部が成形される部分の外側の壁厚が対応的に変化することを考慮して、保持窪み及び切欠き突出部、すなわち境界部分上方の周囲部分における隙間幅を他の周囲部分よりも広くすることが可能である。すなわち、毎回変形位置において作用し合う保持窪みと切欠き突出部の上方、及び任意であるが下方にもそれぞれ大きな隙間幅が設けられる。しかしながら、広げられた隙間幅を、適切な境界部分に対応する周囲方向の部分、すなわち容器の内側壁部が対応する重なり境界部分となる部分だけに限定することも可能である。
【0011】
前記保持窪みは容易に作製可能であり、この保持窪みは先細状マンドレルの上側壁部分と下側壁部分の間に段状に作製される。通常、この段状の保持窪みを先細状マンドレルの周囲全体に亘って延ばすことが可能である。特に変形位置における先細状マンドレルと支持リングの割当ては、上側壁部分と下側壁部分が垂直方向に対して異なる角度で外側へ放射状に傾斜しているならば、より単純化することが可能である。
【0012】
上記に関し、下側壁部分の傾斜が上側壁部分の傾斜よりも大きければ特に有利である。
【0013】
先細状マンドレルの形状を出来るだけ単純化するため、下側壁部分を先細状マンドレルの下面側まで延ばすことも可能である。しかしながら、さらに別の壁部分を、新たな工程を用いて、先細状マンドレルの下側壁部分と下面側との間に設けることも可能である。
【0014】
容器の積み重ねからの取出し性を改善するため、先細状マンドレルの下側壁部分を、特に上側壁部分の円錐形状よりも狭められた円錐形状を呈するほぼ垂直に延びる接合部分として、保持窪みに隣接させ、かつその下方に構成することも可能である。これにより、積重ね突出部の段成形が改善される。
【0015】
前記段の成形をさらに改善するため、切欠き突出部を特に周囲方向へ完全に一周する切欠き段として形成することも可能である。対応する段の相互作用によって、ほぼ水平な段及び垂直な段を備える段状の積重ね突出部も形成可能である。このような積重ね突出部は、積重ねからの取出し性及び積重ねの確実性の両面から有利である。
【0016】
積重ね突出部作製後の容器壁の離型を容易化するため、切欠き突出部あるいは切欠き段をほぼ垂直な壁部分と外側へ円錐状に斜角形成された支持リングの壁部分の間に形成することも可能である。この垂直な壁部分は切欠き突出部から下方へ延び、他方外側へ円錐状に斜角形成された壁部分は切欠き突出部から上方へ延びている。
【0017】
一層の容器内側壁部から成る容器の支持リング中への挿入を、支持リングの対応円錐状壁部分をその上部自由端が曲線状にされた外側へ延ばすことによってさらに容易化することも可能である。
【0018】
境界部分において突き出している積重ね突出部を要求に従って任意に変えるため、特に境界部分において、先細状マンドレルに少なくとも保持窪み部分において縦方向に延びる第一隙間拡張窪みを設け、及び/または少なくとも切欠き突出部の部分において支持リングに縦方向に延びる第二隙間拡張窪みを形成することも可能である。これら隙間拡張窪みはそれぞれ内側あるいは外側へ放射状に延び、また積重ね突出部の境界部分において、例えば境界部分の外側よりもむしろ容器壁の内側へ突き出すかどうかはこれら窪みの大きさによって限定される。このような限定化は、例えば第一隙間拡張窪みだけが先細状マンドレルに設けられる場合に達成されると考えられる。
【0019】
支持リング中へ第二隙間拡張窪みだけを設けることにより、この部分における隙間幅が前述したように大きくされていることに関連してこの部分において容器壁の厚さを増しても第二隙間拡張窪みによって受け入れられるため、境界部分中の積重ね突出部が他の部分におけるよりもさらに内側へ突き出さないようにすることも可能である。この内側容器壁とは別の対応容器にも、内側容器壁上の2つの容器壁の間に隙間を形成することによって挿入される外側容器壁があるため、第二隙間拡張窪みの領域中の内側容器壁から外側に突き出す部材は外側容器壁によって覆われて見えなくなる。
【0020】
また、前記第一隙間拡張窪みと第二隙間拡張窪みを適切に組み合わせることも可能である。
【0021】
少なくとも内側容器壁から成る容器を支持リング中に確実かつ再現可能に配置できるようにするため、支持リングに各容器を下へ置くための輪状の底部を設けることが可能である。また、容器を輪状底部上に直接立てず、容器を内側容器壁外面と切欠き突出部との接触によって適切な位置に保持し、あるいは輪状底部に容器の底部壁部の下面を支える突き出し面をある程度設けることも可能である。
【0022】
本発明に従った装置は、断面形状が矩形、卵型、あるいはその他異なる形状をもつ容器にも使用可能である。同様に、断面が円形である、特に飲料容器として好ましい容器にも使用可能である。
【0023】
容器の内側容器壁を支持リング内に保持するため、及び/または積重ね突出部の作製後に支持リングから容器を取り出すため、支持リングの管状底部に向かって開口する圧力管を設けることも可能である。この圧力管を介して、例えば負圧を加えてこの負圧によって内側容器壁を支持リング中に固定することが可能である。通常、内側容器壁には底部が備えられているので、その底部と底部上方へ突き出す内側容器壁の縁フランジとの間に閉じた空間を形成させて、その中に適度の負圧を生成させることが可能である。
【0024】
同様に、積重ね突出部の作製後に適量の正圧を加えて容器の取り外しを補助することも可能である。
【0025】
冒頭において述べた異なる隙間幅のそれぞれに異なる関連性を持たせることも可能である。単純な実施態様において、境界部分中の隙間幅を、例えば該境界部分外側の他の周囲部分の隙間幅とほぼ同じ大きさにすることが可能である。この場合、容器壁の形板端部が互いに接し重なり合って接合するため、容器壁の重なり境界部分がこの部分の外側に比べてほぼ二倍の厚さとされることに考慮すべきである。その結果、この部分の厚さは重なり境界部分の外側に比べて二倍となる。しかしながら、境界部分中の隙間幅が例えばこの部分外側の隙間幅より大きくなるが、その倍までには至らない可能性もある。
【0026】
大量の圧力を加えず、容器の内側容器壁の対応する重なり境界部分を先細状マンドレルと支持リングの間の変形位置中へ配置できるようにするため、第一/または第二隙間拡張窪みを先細状マンドレル及び支持リングそれぞれの全高及び全深度以上にまで延ばすことが可能である。
【0027】
周囲方向に向いている隙間拡張窪みの幅が容器壁の適切な重なり境界部分の幅にほぼ一致していれば十分であると考えることができる。
【0028】
積重ね突出部の変形中に容器壁を十分に収容及び支持し、さらに容器を適正な高さとすることができるように、積重ね突出部を形成する切欠き突出部の高さが前記底部と別の容器内に挿入された時に容器が外側容器の壁の内面に接し始める潜在接触開始点との間の間隔よりも少なくとも僅かに高くされる。
【0029】
本発明はさらに、容器の内壁あるいは容器壁が適正な積重ね突出部を作製するための前記装置を用いて加工されている容器に関する。このような容器は底部が狭くなっており、容器の少なくとも上端で接合する円錐形の内側壁部と外側壁部から成っている。この外側壁部の下端部には内側壁部に向かって突き出す支持縁部が設けられる。この支持縁部は外側から内側容器壁に接し、両壁部間に隙間を形成する。これに対応する積重ね突出部が内側容器壁の内面上に内側に向いた肩部等として形成される。この肩部は冒頭において述べた装置によって作製される。各外側容器の支持端部は容器が互いに挿入される際にこの積重ね突出部上へ支持される。
【0030】
外側に放射状に配列され、かつその上端において接合されるほぼ垂直な第一壁部及び第二壁部によって肩部あるいは積重ね突出部が形成される場合、明確に画定された積重ね取り外し深さにおいて容易に積み重ね及び取り外しが為される。積重ね突出部の上方及び下方に延びる容器の内側容器壁の各壁部分は特に同一線上に延び、即ちそれら壁部分は単に平行に延びるだけでなく、直線に沿って延びていて積重ね突出部によって離されているに過ぎない。
【0031】
また、積重ね突出部は、本発明装置によれば、装置の適する境界部分においても作製されるため、積重ね突出部は特に対応する重なり境界部分中にも延びている。さらに、それに対応する肩部あるいは積重ね突出部を周囲方向へ単に部分ごとに延ばすだけでなく、周囲方向全体に延ばすことも可能である。
【0032】
基本的な事として、肩部が一定の高さに延びておらず、例えば容器の縦方向に対して傾斜した一定の高さに延びている可能性もある。この場合、積み重ねられた容器は収容容器の内部の最も高い位置に配置された肩部上にしか置けないであろう。同様に、肩部が容器の垂直あるいは縦方向に直交する一定の高さに特にその周囲全体に亘って延び、この高さが容器底部から間隔を空けて配置される可能性もある。
【0033】
前記適当な装置に関し、その構成によっては、積重ね突出部が特に他の部分以上に境界部分内部へ大きく突き出す可能性もある。このような構成では、例えば対応する重なり境界部分の外側にある第二壁部分よりもさらに内側に放射状に突き出す重なり境界部分中にある第二壁部分からなる内側容器壁上に肩部が生ずる。しかしながら、第二壁部分が肩部を完全に超えて均等に突き出し、あるいは重なり境界部分中の第二壁部分の突き出しが重なり境界部分外側の第二壁部分よりも小さくなる可能性もある。
【0034】
同様に、重なり境界部分の内側と外側の内側壁部の外径が同じになる可能性もある。仕上がり容器中の外側壁部によって内側壁部が覆われるため、重なり境界部分内の前記外径がこの部分外側の外形よりも大きくなる可能性もある。
【0035】
積み重ねに際して一つの容器を他の容器中へ十分挿入できるようにするため、また同時に積み重ねからの取り出しを容易にするため、第一壁部分の下端と容器底部の間の外側壁部の支持縁部を内側壁部と接するようにすることが可能である。
【0036】
これに関して、ほぼ水平な第二壁部分と容器底部の間の間隔を支持縁部の下端と容器の自由下端との間の間隔より大きくするか、あいは等しくし、最終的にこの間隔をゼロに出来れば有利である。
【0037】
充填レベル表示装置を与えるため、及び/または同時に外側壁部を内側壁部へ締め付けるため、内側壁部を、容器の上縁部に隣接する外側壁部の方向に外側へ突き出し、かつ外側壁部と内側壁部の接合点が形成されていると共に、その上へ外側壁部が外側から配置されている肩部から構成することが可能である。
【0038】
原則として、内側壁部と外側壁部の長さが同じであり、またそれらの下端部の同じ位置に少なくとも端部をもつように、容器の下側自由端まで外側壁部を延ばすことも可能である。このような場合、内側壁部と外側壁部の下側自由端は、容器が互いに挿入されている場合、対応する積重ね突出部に接する支持縁部となる。
【0039】
双方の場合において、すなわち内側壁部と外側壁部の容器縦方向の長さが同じ場合と異なる場合において、外側壁部へ波状の突出部をもつボール紙から成る面を設けることも可能である。これら波状突出部はほぼ外側壁部の上端部からその下端部まで延び、直線状であっても、あるいは容器縦方向に対して斜めであってもよい。また、同じ素材から成る波状突出部がその上部から対応する壁の底部まで延び、かつこの方向において曲がっていてもよい。
【0040】
対応する肩部あるいは積重ね突出部の形状は異なっていてもよく、また肩部の縁部は丸められ、あるいはリブ状でもよく、あるいは容器内部へ延びる窪みあるいは他の形状の突出部によって形成されていてもよい。前記対応する積重ね突出部を、内側壁部の内周に沿って配置される多数のサブユニットで形成することも可能である。これらのサブユニットを互いに均等に分離させ、あるいはいくつかのグループに配置させることも可能であり、また積重ね突出部の一つのサブユニットから他のサブユニットに至る間隔を均等でなく配置することも可能である。
【0041】
特に外側壁部用のボール紙の場合、間に空隙を設けずに、内側壁部と外側壁部を直接互いに固定することが可能である。次いでボール紙を波状構造とすることにより断熱効果を得ることが可能である。
【0042】
本発明によれば、容器を外側壁部より一般的な積み重ね外し手段を用いて成形することも可能である。
【0043】
この一般的な積み重ね外し手段に関して、対応容器底部までの間隔といわゆる潜在接触開始点との間には特別な関係がある。本発明においては、そのような積み重ね外し手段としての積重ね突出部と容器底部の間隔は、該底部と容器中へ挿入される時に外側容器が該外側容器の内側壁部の内面と接触し始める潜在接触開始点との間隔よりも少なくとも僅かに大きく構成される。
【0044】
前記潜在接触開始点及び容器底部に対するその高さは、種々パラメータ、例えば内側壁部、外側壁部あるいはスリーブの円錐度、外側壁部の厚さあるいは下端部が容器の内側壁部あるいは自由端に対して配置されているスリーブの厚さなどによって異なる。
【0045】
外側容器内部へ容器が挿入される時、この潜在接触開始点は、例えば内側容器の円錐度が内側壁部よりも小さい場合、外側容器の底部よりも高く位置する。このことは、特に容器の内側壁部と外側壁部の間隔が容器底部の方向へ向かって大きくなることを意味している。さもなければ、双方の壁部が互いに平行である場合、潜在接触開始点が底部により接近して位置することになる。また、潜在接触開始点は外側壁部の厚さによっても影響されるため、潜在接触開始点は、外側スリーブの壁厚が厚い場合には、対応する外側容器の底部に対してより高い位置に位置する。
【0046】
さらに、例えば容器の下側自由端が双方の壁部の両下端部によって形成されるように外側スリーブあるいは外側壁部が内側壁部の下端部に直近して配置される場合には、外側壁部の下端部が容器の内側壁部の下端部より上方へ配置されると、通常潜在接触開始点は外側容器の底部により接近して位置するようになる。
【発明を実施するための手段】
【0047】
以下において、本発明の有利な実施態様を用いて添付図面を参照しながら本発明についてさらに詳細に説明する。
【0048】
図1は、容器壁4の内面3上へ例えば図4に示す積重ね突出部2を作製する本発明に従った装置1の側方断面図である。容器壁4は図5及び6にも示した容器33の内側壁部34である。
【0049】
装置1は先細状マンドレル5と上部が開口した支持リング6から構成される。図1では、これら構成要素は待機位置7に互いに間隔をあけて配置される。先細状マンドレル5と支持リング6は相互に対して移動し、例えば図2に示す変形位置8を取ることができる。
【0050】
先細状マンドレル5は、支持リング6の方向に円錐形状に狭くなるように形成され、上側円錐形壁部分15及び下側円錐形壁部分16から構成される。これら壁部分の間には保持窪み9が設けられる。
【0051】
先細状マンドレル5と支持リング6との間には、製造後に容器壁4となる内側壁部34とさらに別の外側壁部35から形成された容器33が配置される(図5及び6参照)。容器壁4の内面上、あるいは容器53内部、例えば図4に示すような積重ね突出部2が形成される。
【0052】
支持リング6には環状底部26が備えられ、その上へ容器33を配置することが可能である。支持リング6はほぼポット形状に作製され、負または正の圧力を加えるための圧力管27が対応する環状底部26中へ開口している。支持リング6の壁は下側垂直壁部分21とその上部へ繋がっている円錐形壁部分22から構成される。これら壁部分の間には切欠き突出部10が形成される。
【0053】
図2では、先細状マンドレル5及び支持リング6は変形位置8に配置されており、通常先細状マンドレル5は支持リング6に対して垂直方向17に移動される。上部が開口した支持リング6中へ容器33が挿入され、図4にも示すように、容器下端縁部57によって環状底部26上へ立っている。
【0054】
先細状マンドレル5の挿入前に容器33を保持する為、容器底部と下端縁部の間の自由空間へ圧力管57を介して負圧を加えることが可能である。
【0055】
図3及び4は図2に示したX部分およびY部分の細部を拡大示した図である。図3の下図には図4の破線IV−IVに沿った断面図も模式的に示している。この図は境界部分12及び重なり境界部分31の説明の為に用いられる。境界部分12は図4に縦断面図として示されている先細状マンドレル5の周辺部分である。境界部分12には第一隙間拡張窪み24が形成される。この窪みは容器壁4の一部である重なり境界部分31を収容する為に用いられる。この境界部分31中には、対応する容器壁4が自由端が重なりあった状態で配置されるため、重なり部分31中の容器壁4の対応する壁厚59は、容器33の容器壁4あるいは内側壁部34の他の部分の厚さのほぼ2倍となる。
【0056】
対応境界部分12を同様に第二隙間拡張窪み25を用いて支持リング6中に形成することにより、前記二つの隙間拡張窪み24、25を交互に、あるいは組み合わせて用いられることが指摘されなければならない。
【0057】
図3の上の図には、先細状マンドレル5と支持リング6の境界部分12に対する相互作用が示されている。図2に示した変形位置8において、保持窪み9および切欠き突出部10は、適正な積重ね突出部2がそれらの間の容器壁4中に形成されるように配置される。隙間幅、即ち保持窪み9および切欠き突出部10の部分中における先細状マンドレル5と支持リング6の間隔は符合11で示され、この隙間幅は容器壁4の厚さにほぼ一致している。
【0058】
前記一致している隙間幅11は、保持窪み9と切欠き突出部10の間の部分だけでなく支持リング6の円錐形壁部分22と先細状マンドレル5の上側円錐形壁部分15の間の部分にも存在する。図3において、特に円錐形壁部分22がその上端23で外側へ曲線上に延びていることが分かる。
【0059】
先細状マンドレル5の下側壁部分16には保持窪み9の下方近接部分にほぼ垂直な段状繋ぎ部分19が設けられる。
【0060】
図示された実施態様において、先細状マンドレル5の上側壁部分15および下側壁部分16は、図1および2と同様に、垂直方向17に対して斜め外側へ放射状へ延びている。ここで、下側壁部分16の傾斜は上側壁部分15の対応する傾斜よりも大きく作製されている。
【0061】
同様に、図4には境界部分12における保持窪み9と切欠き突出部10との相互作用が示されている。この境界部分12において隙間幅13は図3の対応隙間幅11よりも大きく作製されている。隙間幅13は特に隙間幅11よりもほぼ2倍大きくなっている。
【0062】
容器壁4あるいは内側壁部34の対応重なり境界部分31は、図3の下部分に示した境界部分12中に配置される。本発明の対応実施態様では隙間幅が拡張されており、この態様では特に第一または第二隙間拡張窪み24または25が先細状マンドレル5の外面上及び/または支持リング6の内面上に形成される。第二隙間拡張窪み25は図4においては破線で示されており、この図示された実施態様では第一隙間拡張窪み24が形成されている。
【0063】
先細状マンドレル5の他の周辺部分に比べて、この窪みは一定の深さ58まで内側へ半径方向に引っ込められている。対応境界部分12は、対応変形位置8にある状態で、特に保持窪み9及び切欠き突出部10の部分中へ延びている。しかしながら、境界部分12はさらに先細状マンドレル5の上側壁部分15または下側壁部分16において上方及び下方に、及び/または支持リング6の垂直壁部分21あるいは円錐形壁部分22において、前記壁部分15、16中における境界部分12の延びに対応して延びていてもよい。
【0064】
図3及び4から、保持窪み9及び切欠き突出部10はいずれも実質的に段状に形成されることが理解される。このように切欠き突出部10は上側壁部分15から内側へ放射状に延び、かつ下側壁部分16中のほぼ垂直な段隣接部分19の上方を通過する切欠き段20として形成される。同様に、保持窪み9は支持リング6の下側垂直壁部分21と円錐形壁部分22との間に段状に形成される。
【0065】
本発明に従った装置1の図示された実施態様においては、先細状マンドレル5および支持リング6の断面は円形とされている。しかしながら、これら断面を卵形あるいは矩形とすることも可能である。飲料容器として用いる容器の場合、通常好まれる断面形状は円形である。
【0066】
前記対応する隙間拡張窪みは、図1に示した先細状マンドレル5の全高28以上まで、あるいは支持リング6の深さ29以上まで拡げられてもよいことが指摘されるべきである。
【0067】
境界部分12の図3の下部分に示した適切な幅30あるいはそれに伴う隙間拡張窪み24または25の適切な幅30は、容器壁の重なり境界部分31の幅と境界方向においてほぼ一致するため、重なり境界部分31を境界部分12中あるいは対応する隙間拡張窪み中に完全に配置することが可能である。
【0068】
本発明に従った装置1では、支持リング6の深さ21は容器33の高さ32の20〜40%、好ましくは25〜35%であれば十分なことが見出された。先細状マンドレル5の対応高さ28は通常容器の高さ32より低いので、図2に示した先細状マンドレル5は変形位置8において容器内部へ完全に配置される。
【0069】
図5または6には、積み重ねられた容器33の縦断面図及び図5のZ部分の細部を示す拡大図が示されている。これらの図においては、他のすべての図と同様に、同一符号はそれぞれ同一部分を示し、図に関連する符号についてのみ説明される。
【0070】
図5及び6に示した容器33から、図1〜4に示した本発明に従った装置を用いて、内側壁部34が容器33の内面3、53上に積重ね突出部2をもつ適正な容器壁4あるいは適正な肩部40としてそれぞれ作製される。この内側壁部34の下端部分は床部分49をもつ容器底部46として形成されている。この容器底部は、その下端部を公知の方法で折り重ねることによって内側壁部34へ固定される。内側壁部34は、上部容器縁部36を形成するため、その上端部において外側へ縁曲げされる。この上部容器縁部36の下方に肩部55が配置される。この肩部は内側壁部34を外側へ変形させることによって形成され、これによって外側壁部35が肩部55の部分において内側壁部の外側面と接触してそこへ取り付けられる。また、外側壁部35をその上部自由端において上部容器縁部36へ固定することも可能である。外側壁部35は、その下端部37において、内側壁部34の方へ向く支持縁部38となっている。この支持縁部は、外側壁部35の適切な縁部分を縁曲げすることによっても形成可能である。支持縁部38は内側壁部34へ外側から接するため、支持縁部と実質的に肩部55までの間に空隙39が形成される。これによって容器33へ断熱性が付与される。
【0071】
床部分49から一定間隔48離れた位置で、特に図6に示されているほぼ垂直に延びる第一壁部分41が終わっている。この第一壁部分は積重ね突出部2あるいは肩部40の一部であり、さらにほぼ水平な第二壁部分43が設けられている。積重ね突出部2あるいは肩部40上において、上側壁部分44が上部容器縁部36の方向に繋げられ、また容器底部46の方向には下側壁部分45が繋げられている。これら壁部分43、44は通常互いに平行に、特に同一線上に延びている。すなわち、これら壁部分は一本の直線に沿って延びている。
【0072】
図示された実施態様において、積重ね突出部2は、内側壁部34の周囲全体に沿って、かつ図5に間隔48で示した容器底部から一定間隔を空けた水平レベルに延びている。本発明に従った容器33の実施態様に依存するが、肩部40あるいは積重ね突出部2の対応する第二水平壁部分43は、重なり境界部分以外の他の外周部分中の対応第二壁部分よりもさらに半径方向内側の重なり境界部分31中に延びている。
【0073】
別の実施態様において、第二壁部分43は、同様に重なり境界部分31中を、外周全体に沿ってさらに内側に延びている。
【0074】
対応壁部分43の大きさに依存して、内側壁部34の外径47はこの部分、すなわち重なり境界部分31の部分において変化する。一実施態様においては、重なり境界部分31の内側と外側にある内側壁部の外径は同一である。重なり境界部分内側の前記外径を外側における外径よりも大きくすることが可能である。前記対応する外径が大きければ内側壁部34は重なり境界部分31において外側に突き出す突起状となり、その突起は少なくても積重ね突出部2の部分中に形成され、かつ外側壁部35によって被覆される。外側壁部35の支持縁部38は内側壁部34に対して配置されるため、前記縁部は第一壁部分41の下端54と容器底46の床部分49との間に配置され、そこで内側壁部34と外側から接する。
【0075】
積重ね突出部2の第二水平壁部部分43と容器底46の床部分49との間の間隔は支持縁部38の下端50と図6に示した容器33の下方自由端52との間の間隔56より大きいか、あるいは同等である。
【0076】
本発明に従った装置を用いることにより、図4に関して言及した容器33の内側壁部34の適正な重なり境界部分31における困難を生ずることなく有利な方法で積重ね突出部を作製することが可能である。このような方法により、特に容器周囲全体に亘って積重ね突出部2を作製することが可能となる。この場合積重ね突出部2は、第一垂直壁部分41及び第二水平壁部分43から、図5及び6に図示した実施態様に従った特殊な形状を呈して作製される。かかる方法により、容器の積み重ねが容易となり、積み重ねの深さが相違することなく再現可能となり、同時に積重ねられた容器を困難なく取り出すことが可能となる。
【0077】
図7は本発明のさらに別の実施態様における図6に類似するカップを示した図である。このカップは、外側壁部35の長さが増加されて、特に図7に破線で示すように容器33の自由端51まで延びている点において図6の実施態様と異なっている。この場合、下端50を有する支持縁部38は、容器が積み重ねられている場合において、積重ね突出部2上へ対応する下端50が置かれることによって積重ねの高さが僅かに高くなるように容器あるいは容器底の自由端51に隣接して配置される。しかしながら、このような積重ねの高さの増加は容器底49の近くあるいは直近に対応する積重ね突出部2を配置することによって少なくとも部分的に補われる。
【0078】
本発明のさらに別の実施態様では、滑らかでない内面及び/または外面をもつ外側壁部35を備えることによって、対応する支持縁部38を用いないことも可能である。そのような外側壁部35の例として、内面及び/または外面を波状構造とする構成があり、上部から底部へ壁の縦方向に延びる波状構造59を備えた外側壁部35を図7の下図に例として示す。このような波状体は、上部から底部まで直線上に延びていてもよい。また符号60で示すように縦方向に湾曲されていてもよい。さらに別の実施態様においては、対応波状体59、60は例えば容器の縦方向には延びず、縦方向に対して斜めに延びている。
【0079】
このような波状突起を備える外側壁部35は、例えば図5または6に示した対応支持縁部38を備える外側壁部に対応して終わってもよいが、図7に示した容器33の自由端51まで延びていてもよい。
【0080】
特にボール紙(ガードボード)から成る外側壁部を用いて前記波状突起が設けられ、またこれらの突起が外側壁部の外部まで延びているならば、内側壁部と外側壁部との間に空隙は形成されず、それに代って、それら壁部の間に空隙がない状態で、外側壁部の滑らかな内面が内側壁部の外面に対して接する。しかしながら、内部が通常中空である対応波状突起によって多数の空気穴が形成される。
【0081】
従って、波状突起を備える外側壁部を用いることにより、容器使用者が容器中に充填された高温の中身に直接触れることを防止することが可能である。
【0082】
積重ね突出部2に関して、それら突出部を前記突起の断片、あるいは内側壁部の対応する内周の全長に亘って延びていなくともよい複数の突起から作製可能なことも考慮されなければならない。あるいは、対応積重ね突出部を、等しい間隔で分離可能な前記内周の特定部分にのみ沿って延びるサブユニットによって作製することも可能である。また、前記部分に代えて、複数の窪み等を等間隔あるいは異なる間隔で配置することも可能である。
【0083】
前記積重ね突出部2をリブ状の突起、上述したような肩部、あるいは容器内部へ延びる他の突起で形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明に従った積重ね突出部作製装置の一実施態様であって、待機位置にある状態を示した図である。
【図2】図1に示した装置が変形位置にある状態を示した図である。
【図3】図2のX部分の細部を示すための拡大図である。
【図4】図2のY部分の細部を示すための拡大図である。
【図5】本発明に従って積重ねられた容器の縦断面図である。
【図6】図5に示したZ部分の細部を示すための拡大図である。
【図7】さらに別の実施態様における図5に示したZ部分の細部を示すための拡大図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
待機位置(7)と変形位置(8)間において互いに対して移動可能な先細状マンドレル(5)及び上部の開口した支持リング(6)を用いて、容器壁(4)の内面(3)上へ積重ね突出部(2)を作製する装置であって、
前記先細状マンドレル(5)の少なくともいくつかの箇所には外周に沿って延びる保持窪み(9)が設けられ、また前記支持リング(6)の少なくともいくつかの箇所には内周に沿って延びる切欠き突出部(10)が設けられ、変形位置(8)においてこれらの相互作用を介して積重ね突出部(2)が作製可能であり、さらにこの変形位置(8)において、周囲境界部分(12)における特に保持窪み(9)と切欠き突出部(10)の間の隙間幅(11)が他の周囲部分(14)間の隙間幅よりも大きく形成されていることを特徴とする前記装置。
【請求項2】
前記保持窪み(9)と切欠き突出部(10)の上方及び/または下方の境界部分(12)中の隙間幅(11)が他の周囲部分(14)間の隙間幅よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1項記載の装置。
【請求項3】
保持窪み(9)が先細状マンドレル(5)の上側壁部分(15)と下側壁部分(16)の間に段状に形成されることを特徴とする請求項1項または2項記載の装置。
【請求項4】
前記上側壁部分(15)及び下側壁部分(16)が縦方向(17)に対して外側へ異なる角度で傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記下側壁部分(16)の傾斜が前記上側壁部分(15)の傾斜よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記下側壁部分(16)が先細状マンドレル(5)の下面側(18)へ延びていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記下側壁部分(16)が、保持窪み(9)に隣接する上側壁部分の円錐度に比べて小さな円錐度を成す段状繋ぎ部分(19)を呈していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記切欠き突出部(10)が周囲方向へ延びる切欠き段状体(20)として形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記切欠き突出部(10)がほぼ垂直な壁部分(21)と外側に向けて斜角形成された支持リング(6)の円錐状壁部分(22)の間に形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
支持リング(6)の上部自由端(52)にある円錐状壁部分(22)が外側へ延び、かつ丸められていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
特に境界部分において、先細状マンドレル(5)に少なくとも保持窪み(9)の部分において縦方向(17)に延びる第一隙間拡張窪み(24)が形成され、及び/または支持リング(6)に少なくとも切欠き突出部(10)の部分において縦方向(17)に延びる第二隙間拡張窪み(25)が形成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
支持リング(6)上に、容器(33)、特に容器底部(46)を置くことができる底部(26)が設けられることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
支持リング(6)及び先細状マンドレル(5)の断面形状が円形であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
支持リング(6)に円形底部(26)へ開口している圧力管(27)が備えられることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
境界部分(12)中の隙間幅(11)が先細状マンドレル(5)と支持リング(6)の間の残りの周囲部分(14)中の隙間幅よりもほぼ2倍大きくされていることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
第一及び/または第二隙間拡張窪み(24,25)が、先細状マンドレル(5)及び支持リング(6)それぞれの全高(28)及び全深度(29)で延びていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
周囲方向における隙間拡張窪み(24、25)の幅(30)が容器壁の重なり境界部分(31)の幅にほぼ一致することを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
積重ね突出部(2)の成形に用いる切欠き突出部(10)の高さが、底部(26)と、別の容器中へ容器を挿入したときに前記別の容器の壁部(4)の内面(3)に接し始める潜在接触開始点との間の間隔よりも少なくとも僅かに大きく作製されていることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
それぞれが下方へ向かって円錐状に狭くなっており、かつ少なくとも容器(33)の上端部(36)において接合している内側壁部(34)及び外側壁部(35)を有する容器(33)であって、
前記外側壁部(35)にはその下端部(37)に特に内側壁部(34)に向かって突き出す支持縁部(38)が備えられ、この支持縁部は壁部(34、35)間に空隙(39)を形成することによって内側壁部(34)に接し、及び内側壁部(34)の内面(53)上には内側へ突き出す肩部(40)が積重ね突出部(2)として形成され、容器(33)が他の容器中へ挿入されたときに外側容器の支持縁部(38)が肩部上に支持され、肩部(40)は内側壁部(35)の残りの部分に比べて円錐度の小さい第一壁部分(41)と、その上端部(42)において接合し、かつほぼ放射状に内側へ配列される壁部分(43)によって形成され、内側壁部(34)の壁部分(44、45)がそれぞれ肩部(40)の上方と下方へほぼ同一直線上を延びていることを特徴とする前記容器。
【請求項20】
肩部(40)が周囲方向へ延びるように形成されることを特徴とする請求項19項記載の容器。
【請求項21】
肩部(40)が容器底部(46)から一定間隔をあけた高さに延びていることを特徴とする請求項19項または20項記載の容器。
【請求項22】
肩部(40)に、重なり境界部分(31)の領域において、この領域の外側に配置された第二壁部分よりもさらに内側へ放射状に突き出す壁部分が設けられることを特徴とする請求項19〜21のいずれかに記載の容器。
【請求項23】
重なり境界部分(31)の領域中及びこの領域の外側における肩部(40)に、さらに内側へ等しく突き出す第二壁部分(43)が形成されることを特徴とする請求項19〜22のいずれかに記載の容器。
【請求項24】
内側壁部(34)の外径(47)が重なり境界部分(31)の内部と外部で同一であることを特徴とする請求項19〜23のいずれかに記載の容器。
【請求項25】
重なり境界部分(31)内の内側壁部(34)の外径が同部分外側よりも大きいことを特徴とする請求項19〜24のいずれかに記載の容器。
【請求項26】
支持縁部(38)が第一縦方向壁部分(41)の下端部と容器底部(46)の間にある内側壁部(34)に接することを特徴とする請求項19〜25のいずれかに記載の容器。
【請求項27】
ほぼ水平な第二壁部分(43)と容器底部(46)の床部分(49)の間の間隔が支持縁部(38)の下端(50)と容器(33)の自由下端(51)の間の間隔(56)よりも大きいかまたは等しいことを特徴とする請求項19〜26のいずれかに記載の容器。
【請求項28】
容器(33)の上側縁部(36)に接する内側壁部(34)に外側壁部(35)の方向へ外側に突き出す肩部(55)が設けられ、該肩部上において外側壁部が外側から接し、特に外側壁部と内側壁部の間に接合部が形成されることを特徴とする請求項19〜27のいずれかに記載の容器。
【請求項29】
外側壁部(35)が容器(33)の自由下端(51)へ向かって下方へ延びていることを特徴とする請求項19または20〜25のいずれかに記載の容器。
【請求項30】
外側壁部(35)が、特に頂部から底部まで壁部(35)に沿って延びる複数の波状体(59、60)から成る波状面をもつボール紙(ガードボード)から作製されることを特徴とする請求項29項記載の容器。
【請求項31】
肩部(40)がリブ形状であり、かつ容器内部の方へ延びていることを特徴とする請求項19〜30のいずれかに記載の容器。
【請求項32】
積重ね突出部(2)は、内周に沿って延び、特に互いに均等に分離された多数の突出部からなることを特徴とする請求項19〜31のいずれかに記載の容器。
【請求項33】
それぞれが下方へ向かって円錐状に狭くなっており、かつ少なくとも容器(33)の上端部(36)において接合している内側壁部(34)及び外側壁部(35)を有する容器(33)であって、
内側壁部(34)の内面(53)上には内側へ突き出す積み重ね外し手段(40)が積重ね突出部(2)として形成され、容器中(33)へ別の容器の挿入したときにこの容器が嵌め外し手段上に支持され、前記積重ね突出部(2)と容器(33)の底部(46)の間隔が前記底部と他の容器が容器中へ挿入されるときに内側壁部(34)の内面(53)に接し始める潜在接触開始点との間の距離よりも少なくとも僅かに大きく作製されることを特徴とする前記容器。
【請求項34】
請求項19〜32のいずれかに記載された積重ね突出部(2)が含まれることを特徴とする請求項33項記載の容器。
【請求項35】
前記嵌め外し手段(40)が内側へ突き出す突出部、リブ、肩部、あるいは窪み等として形成され、特に多数の積み重ね外し手段(40)が内側壁部の内周に沿って設けられることを特徴とする請求項33項記載の容器。
【請求項36】
外側壁部が内側壁部(34)の方へ突き出す支持縁部(38)が含まれる下端部(37)をもつ外側壁部(34)、あるいは波状の内面及び/または外面をもつボール紙から成る外側壁部(35)のいずれか一方によって形成され、この外側壁部が内側壁部と接しているか、あるいはこれら壁部(34、35)の間に空隙(39)が形成されることを特徴とする請求項33〜35のいずれかに記載の容器。
【請求項37】
内側壁部(34)及び外側壁部(35)が容器の縦方向にほぼ同じ長さに亘って延びていることを特徴とする請求項33〜36のいずれかに記載の容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2009−515726(P2009−515726A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539278(P2008−539278)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009933
【国際公開番号】WO2007/054179
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(503168533)
【氏名又は名称原語表記】SEDA S.P.A.
【Fターム(参考)】