説明

空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ及びその製作方法

【課題】超音波アクチュエータ部分と超音波センサ部分とがMEMSにより同時に一体化するように製造できるpMUT型超音波トランスデューサを提供する。
【解決手段】空気中で超音波を用いて目標物までの距離を測定するのに利用され得る超音波トランスデューサであって、2つの超音波を空気中に高圧で発生させ、空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを形成して高指向性の差音(f=f−f)波が生成されるようにするために2つの超音波周波数f、fでそれぞれ共振周波数を有する2種類のf共振型単位アクチュエータとf共振型単位アクチュエータとが規則的に交互配列されて形成される超音波アクチュエータ部と、前記目標物に反射して戻ってくる超音波信号を感知するために差音の周波数(f=f−f)で共振周波数を有する少なくとも1つ以上の単位センサからなる超音波センサ部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイ(parametric transmitting array)を用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)に基づく多共振超音波トランスデューサに関し、更には、空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超音波距離測定方式に好適に利用され得る超音波トランスデューサに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、本出願人が既に出願した大韓民国特許出願番号10−2004−0042299号(特許文献1)の「空気中のパラメトリックアレイを用いた超音波距離測定装置及び方法」とそれに基づく米国特許出願番号10/960、083号(特許文献2)及び日本国特許出願番号2005−169938号(特許文献3)の「Ultrasonic ranging system and method thereof in air by using parametric array」に適用されることができる超音波トランスデューサに関するものである。
【0003】
ここで、「超音波トランスデューサ」とは、超音波を用いたパルス−エコー距離測定方式において送信機である超音波アクチュエータと受信機である超音波センサとを組み合わせて表現した用語である。
【0004】
まず、パラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超音波距離測定方式について、図1を参照して説明する。
【0005】
高周波発生器である超音波アクチュエータで周波数成分が2つ(f、f)の高圧の超音波(1次発生波)を同じ方向に発生させると、発生した超音波が進行しながら非線形現象により距離測定のための2次発生波である高指向性の差音(f=f−f)波を形成させ、この差音パルスが進行しながら目標物に反射して戻ってくると、この反射波を超音波センサで受信する。
【0006】
このとき、距離測定において要求されるパルス信号を発生させ、また感知するために超音波アクチュエータと超音波センサとが組み合わせられたものが超音波トランスデューサである。
【0007】
従来の超音波トランスデューサとしては、駆動方式に応じて、ボイスコイル型や、静電容量型、圧電型、電磁気力型、超小型加工技術により製造されるMUT(Micro−machined Ultrasonic Transducer)型などがある。
【0008】
そのうち、現在距離測定において最も一般に使われるのが、圧電型と静電容量型トランスデューサであり、圧電型の場合は主に送信用アクチュエータと受信用センサとが分離されるのに対し、静電容量型の場合には送受信を兼ねる形態が多く用いられる。
【0009】
一方、MUT型において駆動物質として圧電体を用いるトランスデューサをpMUT(piezo−electric Micromachined Ultrasonic Transducer)というが、超小型加工技術の特性上、高周波数を有する超音波トランスデューサに適しており、単位超音波発生器の大きさが小さいので、出力向上のために一般的に小さな単位超音波発生器を複数配列する。
【特許文献1】韓国特許出願公開第2005−0117103号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0276163号明細書
【特許文献3】特開2005−351897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、以上のような従来の超音波トランスデューサは、前述したパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いる距離測定方式に対してはその適用が好適ではないが、その理由と解決策などについて、以下では超音波アクチュエータ部分と超音波センサ部分とに分けて説明する。
【0011】
超音波アクチュエータ
パラメトリック・トランスミッティング・アレイを形成して差音を発生させるために、超音波アクチュエータは、2つの周波数を有する超音波を同じ方向に発生させることができなければならず(条件I)、また空気の微弱な非線形特性により効率よく差音を発生させることができなければならないが、すなわち差音を効率よく発生させるためには、まず発生波(p0=p1=p2)が大きな音圧に発生されなければならず(条件II)、トランスデューサの大きさが大きくなければならない上(条件III)、2つの高周波の周波数差(f=f−f)が大きくなければならない(条件IV)。
【0012】
しかしながら、空気中での距離測定への実際的な活用を可能にするためには、幾つかの制約が伴うが、すなわちロボットのような小型システムへの適用のためにトランスデューサの大きさが非常に小さくならなければならないので、前述した条件IIIに反する。更に、空気中で超音波の減殺効果は周波数の自乗に比例するので、2つの周波数の差を大きくするのも限界があり、前述した条件IVにも反する。
【0013】
したがって、条件Iを満たしながら、条件IIを極大化できる方式に超音波アクチュエータを設計しなければならず、すなわち小型で、且つ、2つの周波数で高出力が可能な超音波アクチュエータを提供しなければならない。
【0014】
しかしながら、従来の超音波アクチュエータは、何れも単一共振型であることから、2つの周波数帯域で充分な出力を提供できないほか、サイズを小さく設計すれば放射面積が小さくなり、出力が非常に小さくなるため、パラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いる距離測定方式に対しては、事実上、その適用が不可能であった。
【0015】
超音波センサ
従来の超音波距離測定方式では、アクチュエータで発生する発生波とセンサで測定される測定波との周波数が同一であるため、超音波センサの場合はアクチュエータと同じ周波数で共振が発生するようになっている。
【0016】
従来の内視鏡挿入部の製造方法は、複数の節輪を軸方向にピン連結した状態で、チューブ、ケーブル等の内装物やワイヤを挿入して組み立てを行っている。このため節輪同士が揺動自在で回転するため、内装物を挿入しにくい。中でもワイヤ受けが離れているのでワイヤ挿入は困難であり熟練を伴う微細作業が要求される。
【0017】
しかしながら、パラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いる距離測定方式では、アクチュエータで1次的に発生した超音波と、超音波センサで測定される超音波との周波数帯域が互いに大きく異なることから、従来のセンサを適用するのは非常に困難であるという問題点がある。
【0018】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定に好適に利用できる上、その超音波アクチュエータ部分と超音波センサ部分とが超小型加工技術により同時に一体化するように製造できるpMUT型超音波トランスデューサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一観点による空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサは、空気中で超音波を用いて目標物までの距離を測定するのに利用され得る超音波トランスデューサであって、2つの超音波を空気中に高圧で発生させ、空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを形成して高指向性の差音(f=f−f)波が生成されるようにするために2つの超音波周波数f、fでそれぞれ共振周波数を有する2種類のf共振型単位アクチュエータとf共振型単位アクチュエータとが規則的に交互配列して形成される超音波アクチュエータ部と、前記目標物に反射して戻ってくる超音波信号を感知するために差音の周波数(f=f−f)で共振周波数を有する少なくとも1つ以上の単位センサからなる超音波センサ部とを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の他の観点による空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサの製造方法は、中間酸化層が中間に介在されたSOI(Silicon on Insulator)ウェハを用意する段階と、前記ウェハの上面と下面に対して酸化層を薄く形成して絶縁されるようにする段階と、前記ウェハの上面上に順次下部電極、圧電体、上部電極が積層されるように形成する段階と、前記上部電極、前記圧電体、前記下部電極をパターニングする段階と、前記上部電極と前記下部電極を絶縁させるための絶縁層を形成する段階と、前記絶縁層をパターニングして前記ライニングパターンを形成する段階と、前記ウェハの下面上の前記酸化層を除去した後、前記ウェハの下部側の中心部と前記中間酸化層とを除去して前記メンブレイン部が形成されるようにする段階とを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の前記目的と様々な長所については、本発明の実施例及び添付図面から明らかになるだろう。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、提供される超音波トランスデューサにより実質的に高指向性を有する距離測定が可能になるので、目標物の空間的位置を明確に区分できる超音波距離測定や高解像度の空間マッピングを可能にできることに加え、各種の産業用及び家庭用ロボットに適用する場合に空間分解能を向上させることができることから該当ロボットの性能向上に大きく貢献できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図2は、本発明に係る空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサを概略的に示す平面図である。
【0025】
本発明によれば、空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いる距離測定のために2つの周波数f、f成分を1次的に空気中にパルス状に強力に発生できるように、f、fの2つの共振周波数をそれぞれ有する2種類の小さな単位アクチュエータ112a、112bを交互配列して超音波アクチュエータ110を形成する。また、差音周波数、f=f−fで共振を有して目標物に反射して戻ってくる超音波に対する測定感度が高く、1次的に発生したf、f成分の流入は低減できる超音波センサ120を備える超音波トランスデューサ100が提供される。
【0026】
すなわち、本発明に係る超音波トランスデューサ100は、2つの超音波を空気中に高圧で発生させて空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを形成して高指向性の差音(f=f−f)波が生成されるようにするために、2つの超音波周波数f、fでそれぞれ共振周波数を有する2種類の単位アクチュエータ112a、112bが互いに規則的に交互配列して形成される超音波アクチュエータ部110と、目標物に反射して戻ってくる超音波信号を感知するための少なくとも1つ以上の単位センサ122からなる超音波センサ部120とを備える。
【0027】
そして、超音波アクチュエータ部110の単位アクチュエータ112a、112b間を電気的に連結するためのライニングパターン114aと、該当ライニングパターン114aの端部に対し外部と電気的に接続され得る接続端子114bとが備えられ、また超音波センサ部120の各単位センサ122に対してもそれぞれライニングパターン124aとそれに対する接続端子124bが備えられる。
【0028】
ここで、基本的に超音波アクチュエータ部110と超音波センサ部120は、完全に独立して駆動され、超音波アクチュエータ部110を駆動するために印加される電気的信号が超音波センサ部120に直接流入しないように互いに電気的に完全に分離され、また超音波センサ部120の各単位センサ122も電気的にそれぞれ完全に分離される。
【0029】
一方、本発明に係る超音波トランスデューサ100は、基本的に超小型加工技術(MEMS)により非常に薄い薄板状に製造されることができるMUT型であるが、共振を利用して所望の超音波帯域で高い出力を確保できるように駆動物質として圧電体を用いるので、pMUT型となる。
【0030】
そして、その製造において、超音波アクチュエータ部110と超音波センサ部120は同じ基板(例えば、ウェハ)上に一体に製造することができ、超音波アクチュエータ部110と超音波センサ部120は同じ積層構造を有するように形成することができる。
【0031】
すなわち、f共振型単位アクチュエータ112aとf共振型単位アクチュエータ112b及び単位センサ122は、何れも同じ積層構造を有し、それにより1つの基板を用いて1回のMEMS工程を通じて製造できる。
【0032】
図3は、単位アクチュエータ及び単位センサの同じ積層構造を概略的に示す断面図である。
【0033】
図を参照すれば、積層構造は、外郭部はより厚く形成されて固定支持部200a−1として形成され、中心部は非常に薄いメンブレイン部200a−2として形成されて該当メンブレイン部200a−2が上下に振動されるようにする基板部200aと、基板部200aの上面上に必要に応じて形成されて絶縁させる絶縁層200bと、絶縁層200b上に形成される下部電極200cと、この下部電極200c上に形成されて印加される電圧に応じて上下に振動して基板部200aのメンブレイン部200a−2が振動されるようにする圧電体200dと、この圧電体200d上に形成されて前述した下部電極200cと共にそれらの間の圧電体200dに対して所定の電圧を印加する上部電極200eとからなる。
【0034】
ここで、上部電極200e及び下部電極200cは、電気的な連結のために前述したライニングパターン114a、124aと接続される。
【0035】
基板部200aは、主にシリコンウェハを用いて製造することができ、受動的に駆動されるため、能動的な駆動体である圧電体200dを用いて基板部200aのメンブレイン部200a−2を上下に振動させて超音波が発生するようにしたり、戻ってくる超音波を検出したりする。
【0036】
このとき、圧電体200dの機械的な上下振動のために電圧を加えなければならないが、その上下部側の電極200c、200eを介して電圧信号を印加する。ここで、上部電極200e側が+であり、下部電極200c側がグラウンド(接地)になる場合は上方へ動き、上部電極200e側が−であり、下部電極200c側のグラウンドになる場合には下方へ動くようになる。すなわち、0ボルトを中心にサイン(sine)波電圧が印加されると、メンブレイン部200a−2は該当サイン波電圧の量と極に応じて上下に動く。
【0037】
したがって、前述した圧電体200dと上/下部電極200c、200eを合せて圧電駆動部といい、メンブレイン部200a−2と圧電体200dは空気中の音響インピーダンスマッチング、すなわち音響発生効率のよい超小型放射板を形成する。
【0038】
一方、前述した超音波アクチュエータ部110を構成する2種類の単位アクチュエータであるf共振型単位アクチュエータ112aと、f2共振型単位アクチュエータ112bの代表的な配列方法について、図4A、4B及び4Cを参照して説明する。
【0039】
便宜上、図においては、f共振型単位アクチュエータ112aを小さな円形で示され、f共振型単位アクチュエータ112bは大きな円形で示されている。
【0040】
2種類の単位アクチュエータ112a、112bは、基本的に何れか1種類の単位アクチュエータ(112aまたは112b)を配列した後、その間に他の種類の単位アクチュエータ(112bまたは112a)を配列し、図4A、4B及び4Cに示すように、様々な交互配列方法があり得る。
【0041】
すなわち、(a)四角形構造の交互配列方法、(b)正六角形構造の交互配列方法、(c)環状構造の交互配列方法などがあり得る。
【0042】
そのうち、特に、(b)正六角形構造の交互配列方法が、音響発生効率及び発生超音波の同位相(もし、同位相でない場合、互いに干渉相殺される)を形成するのに最も良い方法といえる。
【0043】
このような(b)正六角形構造の交互配列方法において、単位アクチュエータ112a、112b間の音響発生効率を極大化し、発生した超音波の位相を一致させるために、その配列は詳細に以下のように実施されることができる。
【0044】
すなわち、何れか一種類の共振型単位アクチュエータ(112aまたは112b)のメンブレイン部200a−2の半径をa、正六角形の一辺をd、そして駆動周波数に該当して発生する超音波の空気中の波長の長さをλとすると、これらの関係は、以下の数式1のようになる。
【数1】

【0045】
したがって、前記数式1を用いて、何れか1種類の共振型単位アクチュエータ(112aまたは112b)を正六角形に配列した後、その間に他の種類の共振型単位アクチュエータ(112bまたは112a)をまた正六角形に配列する。
【0046】
一方、前述したメンブレイン部200a−2の構造は、図5A乃至図7Bに示すように、多様な形態になり得る。
【0047】
すなわち、(a)一般のメンブレイン型構造、(b)カンチレバー(cantilever)型構造、(c)ピストン型構造などがあり得る。
【0048】
そのうち、(a)一般のメンブレイン型構造は、メンブレイン部200a−2のすべての外郭部分が固定支持部200a−1と連結され、(b)カンチレバー型構造と(c)ピストン型構造は、その一部の外郭部分が切断されて自由端に形成される。特に、(b)カンチレバー型構造は、多数方向に分かれる時に一側のみ連結される構造であり、(c)ピストン型構造は、多数方向に分かれる時に角頂(vertex)部分のみ連結される構造である。
【0049】
したがって、メンブレイン部200a−2の連結程度が、(a)一般のメンブレイン型構造、(b)カンチレバー型構造、(c)ピストン型構造の順に小さくなり、バネ定数が減少し、図8A、8B及び8Cに示すように、それぞれ異なる振幅分布を有する振動を形成させることができる。
【0050】
このように、メンブレイン部200a−2のバネ定数を変化させることにより、すなわち、そのメンブレイン部200a−2の大きさが単位アクチュエータ112a、112bの大きさと同一ないし類似した状態で、(a)一般のメンブレイン型構造を適用せず、バネ定数の低い(b)カンチレバー型構造や(c)ピストン型構造を適用することで、単位アクチュエータ112a、112bに比べて、遥かに低い共振周波数を有する単位センサ122の場合にはその共振周波数を下げることができる。
【0051】
すなわち、同じMEMS工程を用いて超音波トランスデューサ100を全体的に製造するので、超音波アクチュエータ部110の単位アクチュエータ112a、112bと、超音波センサ部120の単位センサ122のメンブレイン部200a−2との厚さは同一になる。したがって、同じ厚さのメンブレイン部200a−2で単位センサ122の共振周波数を低減する方法としては、大きく2通りが考えられるが、1つは単位センサ122のメンブレイン部200a−2の大きさを単位アクチュエータ112a、112bのメンブレイン部200a−2よりも大きくすることであり、もう1つは前述したように、バネ定数の低いメンブレイン構造を採用することである。
【0052】
一方、本発明においては、超音波センサ部120が差音の周波数(f=f−f)で共振周波数を有して差音周波数でその検出感度(すなわち、受信感度)が大きく向上するようにし、後述する機械的ノッチフィルタとしての機能も可能にする。
【0053】
すなわち、パラメトリック・トランスミッティング・アレイにより発生する差音成分は、非線形現象により間接的に発生した成分であるため、目標物が近距離にある場合は音圧が1次発生波であるf、f成分に比べて非常に小さくなる。したがって、超音波センサ部120で検出する電気的信号は信号処理処置側に送られる前に適切なレベルに増幅されるプリアンプ(pre−amplifying)過程を経るが、それにより増幅後の差音周波数の成分と共にf、f成分の大きさも増幅し、信号処理処置側の入力端子側に過負荷を与える恐れがある。このとき、本発明でのように、差音周波数で共振されると、差音成分のみ敏感に感応でき、f、f成分の感応程度は大幅に低減できるようになるが、このような機能を機械的ノッチフィルタという。
【0054】
一方、全体的な超音波トランスデューサ100の構成において、超音波センサ部120の単位センサ122は中央部に1つ設置されるか、または外郭部の適切な位置に2つ以上設置されることができる。
【0055】
このとき、単位センサ122が中央部に1つのみ設置される場合は、超音波センサ部120が反射された超音波パルスを単に検出する役割を果たすことができ、2つ以上設置される場合には、基本的な検出はもちろん、以降の信号処理処置において演算によるサイドローブ(side lobe)や外部ノイズによる干渉効果を低減できる。すなわち、超音波アクチュエータの特性上、中心方向以外にサイドローブも発生するが、2つ以上の超音波センサを適用する場合には測定された信号を分析し、2つ以上の超音波センサに同時に反射波の信号が入力されなければ、その信号はノイズである確率が非常に高いため、信号処理の正確性を高められる。
【0056】
一方、本発明によれば、超音波距離測定用として円滑に利用され得るように、超音波トランスデューサ100の全体の大きさを四角形状に仮定した場合、一辺の大きさを約30〜50mm程度に実現することができ、円形状に仮定した場合には直径を約30〜60mm程度に実現することができる。更に、差音周波数fdは、20〜60kHzの範囲で選択することができるが、もし、差音周波数領域が20kHz未満になれば一般的な可聴音との混線が生じる恐れがあり、60kHzを超えると減殺効果が過度に大きくなり、距離測定に用られなくなる。
【0057】
一方、図9を参照すれば、単位アクチュエータ112a、112b間を電気的に連結するライニングパターン114aの端部に外部との電気的接続のために設けられる2つの接続端子114bのうち、1つは入力信号が印加されるものであり、もう1つは接地用である。単位センサ122にも2つの接続端子124bが提供されるが、1つは信号出力用であり、もう1つは接地用である。
【0058】
一方、図10、図11A及び11Bを参照して、超音波アクチュエータ部110で前述したライニングパターン114aによる電極連結方法について説明する。
【0059】
図10の場合は、直列型電極連結方法に関し、1つの単位アクチュエータ112a、112bの上部電極200eを次の単位アクチュエータ112a、112bの下部電極200cに連結する方法を示す。この方法を用いれば、それぞれの単位アクチュエータ112a、112bを通過する度に電気的信号の間で位相差が生じるが、その理由は、圧電体は電気的に見れば、一種のキャパシタと同じ特性を示すからである。したがって、このような電気的位相差は、それぞれの単位アクチュエータ112a、112bの振動の動きにおいて位相差(すなわち、ディレイ)を生成し、結果として、配列された単位アクチュエータ112a、112bの放射面で発生する音波発生に悪影響を及ぼしてしまうことから、事実上、この直列型電極連結方法はあまり好ましくない。
【0060】
一方、図11A及び図11Bは、並列型電極連結方法を示す。並列型電極連結方法とは、上部電極200eは上部電極200e同士、下部電極200cは下部電極200c同士連結する方法であって、上部電極200eに信号を印加すると、すべての単位アクチュエータ112a、112bは理想的に同じ位相で動くようになり、すなわち配列されたすべてのアクチュエータ112a、112bの放射面で同位相を有する超音波が発生するので、非常に好ましくなる。
【0061】
このような並列型電極連結方法としては、また2通りの場合を考えられるが、まず、f共振型単位アクチュエータ112aとf共振型単位アクチュエータ112bとを区分せず、全て並列型に連結する方法(図11Aの場合)であり、この場合は接続端子114bの1つの入力端に対して2つの周波数を有する電気的信号を、変調された形態で印加する。
【0062】
もう1つの並列型電極連結方法は、f共振型単位アクチュエータ112a同士を並列に連結し、またf共振型単位アクチュエータ112b同士を並列に連結する方法(図11(B)の場合)であって、この場合は接続端子114bの2つの入力端に対してそれぞれ異なる信号を印加し、この場合、ライニングパターン114aが複雑になるほか、放射出力が小さくなるという短所から、あまり好ましくない。
【0063】
一方、超音波トランスデューサ100は、その実質的な装着使用のために、図12に示すように、その上下部側に保護のための別途のハウジング130、140が結合される。
【0064】
好ましくは、超音波トランスデューサ100の上面である放射面上に結合される上部側ハウジング130はグリル状に備えられ、超音波は通過できるようにするものの、一定の大きさ以上のホコリのような異物は侵入できないようになっており、超音波トランスデューサ100の後面上に結合される下部側ハウジング140は発生する超音波を吸収できるように吸音可能な材質からなる。
【0065】
一方、以下では、図13A乃至図13Hを参照して、本発明に係る超音波トランスデューサ100の好適な一実施形態による製造方法について順次説明する。
【0066】
まず、図13Aのように、中間酸化層300aが中間に介在されて3階の積層構造からなるSOI(Silicon on Insulator)ウェハ300を用意し、このウェハ300は基板部200aになるが、その上部層は後でメンブレイン部200a−2として形成される部分である。また、中間酸化層300aはディップエッチングなどにより下部層を深く除去して上部層に薄いメンブレイン部200a−2を製造するとき、エッチングがそれ以上進まないように遮断する部分であり、下部層は基板部200aの外郭固定支持部200a−1として形成される部分である。
【0067】
次に、図13Bのように、SOIウェハ300の上面と下面に対して、酸化層300bを薄く形成し、半導体であるウェハ300が完全に絶縁されるようにする。
【0068】
続いて、図13Cのように、ウェハ300の上面上に順次下部電極302、圧電体304、上部電極306を蒸着などの方法により形成する。
【0069】
そして、図13Dのように、形成された上部電極306、圧電体304、下部電極302の不要な部分をエッチングなどにより順次除去してパターニングする。
【0070】
続いて、形成された圧電体304の性能を向上させるためにアニール熱処理を施した後、図13Eのように、上部電極306と下部電極302を絶縁させるための絶縁層308を形成してから、ライニングパターン310が形成される部分の該当絶縁層308を除去してパターニングする。
【0071】
その後、図13Fのように、ライニングパターン310を金属コーティングやエッチングなどの方法により形成する。
【0072】
続いて、図13Gのように、ウェハ300下面上の酸化層をエッチングなどにより除去した後、ディップエッチングなどを通じてウェハ300の下部側中心部を深く除去することで、その中心部の上面側に薄いメンブレイン部200a−2が形成されるようにし、このとき、ディップエッチング時に中間に介在された中間酸化層300aの存在により該当中間酸化層300a部分以上はエッチングされない。
【0073】
続いて、図13Hのように、中間に介在された中間酸化層300aをエッチングなどにより最終的に除去することで、中心部のメンブレイン部200a−2が完全に形成される。
【0074】
これにより、本発明に係る超音波トランスデューサ100が製造される。
【0075】
以上で説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】パラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた距離測定方式について説明する図である。
【図2】本発明に係るパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた距離測定用pMUT型超音波トランスデューサを概略的に示す平面図である。
【図3】本発明に係るパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた距離測定用pMUT型超音波トランスデューサの単位アクチュエータ及び単位センサの同一な積層構造を示す断面図である。
【図4A】本発明に係る超音波トランスデューサにおいて互いに異なる共振周波数を有する2種類の単位アクチュエータを配列する方法を説明する図である。
【図4B】本発明に係る超音波トランスデューサにおいて互いに異なる共振周波数を有する2種類の単位アクチュエータを配列する方法を説明する図である。
【図4C】本発明に係る超音波トランスデューサにおいて互いに異なる共振周波数を有する2種類の単位アクチュエータを配列する方法を説明する図である。
【図5A】本発明に係る超音波トランスデューサにおいて単位アクチュエータ及び単位センサのメンブレイン部の構造を説明する図であり、一般のメンブレイン型構造の平面図である。
【図5B】本発明に係る超音波トランスデューサにおいて単位アクチュエータ及び単位センサのメンブレイン部の構造を説明する図であり、一般のメンブレイン型構造の断面図である。
【図6A】本発明に係る超音波トランスデューサにおいて単位アクチュエータ及び単位センサのメンブレイン部の構造を説明する図であり、カンチレバー型構造の平面図である。
【図6B】本発明に係る超音波トランスデューサにおいて単位アクチュエータ及び単位センサのメンブレイン部の構造を説明する図であり、カンチレバー型構造の断面図である。
【図7A】本発明に係る超音波トランスデューサにおいて単位アクチュエータ及び単位センサのメンブレイン部の構造を説明する図であり、ピストン型構造の平面図である。
【図7B】本発明に係る超音波トランスデューサにおいて単位アクチュエータ及び単位センサのメンブレイン部の構造を説明する図であり、 ピストン型構造の断面図である。
【図8A】図5A乃至図7Bの複数の構造におけるメンブレイン部の動きを説明する図である。
【図8B】図5A乃至図7Bの複数の構造におけるメンブレイン部の動きを説明する図である。
【図8C】図5A乃至図7Bの複数の構造におけるメンブレイン部の動きを説明する図である。
【図9】本発明に係る超音波トランスデューサにおいて接続端子を説明するための図である。
【図10】本発明に係る超音波トランスデューサの超音波アクチュエータ部における直列型電極連結方法を説明する概略図である。
【図11A】本発明に係る超音波トランスデューサの超音波アクチュエータ部における2通りの並列型電極連結方法の一方を説明する概略図である。
【図11B】本発明に係る超音波トランスデューサの超音波アクチュエータ部における2通りの並列型電極連結方法の他方を説明する概略図である。
【図12】本発明に係る超音波トランスデューサの実際の装着のために結合されるハウジングを説明するための図である。
【図13A】本発明に係る超音波トランスデューサの製造方法を順次示す図である。
【図13B】本発明に係る超音波トランスデューサの製造方法を順次示す図である。
【図13C】本発明に係る超音波トランスデューサの製造方法を順次示す図である。
【図13D】本発明に係る超音波トランスデューサの製造方法を順次示す図である。
【図13E】本発明に係る超音波トランスデューサの製造方法を順次示す図である。
【図13F】本発明に係る超音波トランスデューサの製造方法を順次示す図である。
【図13G】本発明に係る超音波トランスデューサの製造方法を順次示す図である。
【図13H】本発明に係る超音波トランスデューサの製造方法を順次示す図である。
【符号の説明】
【0077】
100…超音波トランスデューサ、110…超音波アクチュエータ部、112a…f1共振型単位アクチュエータ、112b…f2共振型単位アクチュエータ、114a…ライニングパターン、114b…接続端子、120…超音波センサ部、122…単位センサ、124a…ライニングパターン、124b…接続端子、130…上部側ハウジング、140…下部側ハウジング、200a…基板部、200a−1…固定支持部、200a−2…メンブレイン部、200b…絶縁層、200c…下部電極、200d…圧電体、200e…上部電極、300…SOIウェハ、300a…中間酸化層、300b…酸化層、302…下部電極、304…圧電体、306…上部電極、308…絶縁層、310…ライニングパターン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中で超音波を用いて目標物までの距離を測定するのに利用され得る超音波トランスデューサであって、
2つの超音波を空気中に高圧で発生させ、空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを形成して高指向性の差音(f=f−f)波が生成されるようにするために2つの超音波周波数f、fでそれぞれ共振周波数を有する2種類のf共振型単位アクチュエータとf共振型単位アクチュエータとが規則的に交互配列されて形成される超音波アクチュエータ部と、
前記目標物に反射して戻ってくる超音波信号を感知するために差音の周波数(f=f−f)で共振周波数を有する少なくとも1つ以上の単位センサからなる超音波センサ部と
を含むことを特徴とする空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項2】
前記超音波アクチュエータ部と前記超音波センサ部は、同じ基板部で薄板状に一体化するように超小型加工技術(MEMS)により製造されることを特徴とする請求項1に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項3】
前記単位アクチュエータ部と前記単位センサは、同じ積層構造で形成され、
その積層構造は、
外郭部は厚く固定支持部として形成され、中心部は薄いメンブレイン部として形成されて前記メンブレイン部が上下振動されるようにする基板部と、
前記基板部の上面上に形成される下部電極と、
前記下部電極上に形成されて印加される電圧に応じて上下振動を発生させ、前記メンブレイン部が振動されるようにする圧電体と、
前記圧電体上に形成されて前記下部電極と共に前記圧電体に対して電圧を印加する上部電極と
からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項4】
前記基板部と前記下部電極との間に形成され、前記基板部を絶縁させる絶縁層を更に含んでなることを特徴とする請求項3に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項5】
前記超音波アクチュエータ部の前記単位アクチュエータの間を電気的に連結するライニングパターン及び前記ライニングパターンに対して外部と電気的に接続され得る接続端子と、
前記超音波センサ部の前記各単位センサに対して独立して設けられるライニングパターン及び前記ライニングパターンに対して外部と電気的に接続され得る接続端子と
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項6】
前記f共振型単位アクチュエータと前記f共振型単位アクチュエータとを規則的に交互配列する方法は、
(a)四角形構造の交互配列方法、(b)正六角形構造の交互配列方法、(c)環状構造の交互配列方法の何れか1つであることを特徴とする請求項1に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項7】
前記メンブレイン部の構造は、
(a)一般のメンブレイン型構造、(b)カチンレバー(cantilever)型構造、(c)ピストン型構造の中から選択されることを特徴とする請求項3に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項8】
前記超音波アクチュエータ部の前記メンブレイン部と前記超音波センサ部の前記メンブレイン部との厚さが同一である場合は、
前記超音波センサ部の共振周波数を相対的に下げるために、
前記単位センサの前記メンブレイン部が前記単位アクチュエータの前記メンブレイン部よりも大きなサイズを有するか、
前記単位センサの前記メンブレイン部の構造が前記単位アクチュエータの前記メンブレイン部よりも低いバネ定数を有することを特徴とする請求項3に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項9】
前記超音波トランスデューサは、
四角状である場合は一辺の長さが30〜50mmの範囲であり、
円形状である場合は直径が30〜60mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項10】
前記差音周波数fdは、
20〜60kHzの範囲で選択されることを特徴とする請求項1に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項11】
前記単位センサは、
中央部に1つ設けられるか、
外郭部に2つ以上設けられることを特徴とする請求項1に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項12】
前記単位アクチュエータ間の電極の連結は、
前記1つの単位アクチュエータの上部電極を次の前記単位アクチュエータの下部電極に連結する直列型であることを特徴とする請求項3に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項13】
前記単位アクチュエータ間の電極の連結は、
前記単位アクチュエータの前記上部電極は上部電極同士を、前記下部電極は下部電極同士を連結する並列型であることを特徴とする請求項3に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項14】
前記並列型電極の連結は、
前記f共振型単位アクチュエータと前記f共振型単位アクチュエータとを区分することなく、全て並列に連結することを特徴とする請求項13に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項15】
前記並列型電極の連結は、
前記f共振型単位アクチュエータ同士のみを並列に連結し、前記f共振型単位アクチュエータ同士のみを並列に連結することを特徴とする請求項13に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項16】
前記超音波トランスデューサの保護のために、その上下部側に結合されるハウジングを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項17】
前記上部側のハウジングはグリル状に備えられ、
前記下部側のハウジングは吸音可能な材質からなることを特徴とする請求項16に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサ。
【請求項18】
中間酸化層が中間に介在されたSOI(Silicon on Insulator)ウェハを用意する段階と、
前記ウェハの上面と下面に対して酸化層を薄く形成して絶縁されるようにする段階と、
前記ウェハの上面上に順次下部電極、圧電体、上部電極が積層されるように形成する段階と、
前記上部電極、前記圧電体、前記下部電極をパターニングする段階と、
前記上部電極と前記下部電極を絶縁させるための絶縁層を形成する段階と、
前記絶縁層をパターニングして前記ライニングパターンを形成する段階と、
前記ウェハの下面上の前記酸化層を除去した後、前記ウェハの下部側の中心部と前記中間酸化層とを除去して前記メンブレイン部が形成されるようにする段階と
を含むことを特徴とする空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサの製造方法。
【請求項19】
前記圧電体を形成した後、前記圧電体の性能向上のためにアニール熱処理を行う段階を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の空気中のパラメトリック・トランスミッティング・アレイを用いた超指向性超音波距離測定のためのMEMSに基づく多共振超音波トランスデューサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図13G】
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【図13H】
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【公開番号】特開2008−20429(P2008−20429A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−287603(P2006−287603)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(598057475)學校法人浦項工科大學校 (5)
【出願人】(505282042)ポステック・アカデミー‐インダストリー・ファウンデーション (34)
【Fターム(参考)】