説明

空気入りタイヤ

【課題】硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンやヘキサメトキシメチルメラミンを用いることなく、高弾性で破断伸びが大きい特性を有するゴム組成物からなるタイヤであって、ゴム成分として天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムと熱可塑性樹脂を用い、該樹脂が高度に分散してなる樹脂伸展イソプレンゴムを含む高弾性で破壊特性の優れるゴム組成物を用いてなる耐摩耗性に優れたタイヤを提供することを目的とするものである。
【解決手段】ゴム成分と、ノボラック型レゾルシン樹脂及びレゾール型フェノール系樹脂を含む樹脂組成物を含有してなるゴム組成物からなるタイヤであって、前記ゴム組成物構成するゴム成分が、(A)天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムを含むゴム成分と、(B)熱可塑性樹脂を含有する樹脂伸展イソプレンゴムからなり、該樹脂伸展イソプレンゴムの製造方法が、前記(B)成分を水に分散させてなる樹脂スラリー液と、前記(A)ゴム成分ラテックスとを混合したのち、凝固、乾燥処理することを特徴とするゴム組成物を用いたタイヤである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム成分として高度に分散された樹脂を含む樹脂伸展イソプレンゴム及び特定の樹脂組成物を含む高弾性で破断伸び及び破断強度が大きく、かつタイヤの耐摩耗性、低発熱性などの向上を図ることが出来るゴム組成物を用いたタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤのゴム部材等には高弾性なゴムが用いられている。ゴムを高弾性化する手段としては、カーボンブラック等の充填剤を増量したり(例えば、特許文献1参照)、加硫剤の硫黄を増量して架橋点を増やす等の手法が知られているが、カーボンブラック等の充填剤を増量した場合、ゴム組成物の工場作業性や破断時伸び等の耐破壊性が悪化したり、ゴム組成物の発熱特性が悪化したりするという課題がある。
【0003】
これに対して、ゴム組成物の破断時伸びの低下を抑えながら高弾性化する手段として、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合反応させて得られる未変性のノボラック型フェノール系樹脂や、トール油あるいはカシュー油等の不飽和油、またはキシレンあるいはメシチレン等の芳香族炭化水素で変性した変性ノボラック型フェノール系樹脂と、これらの樹脂を硬化させるヘキサメチレンテトラミンを硬化剤として添加する方法が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
【0004】
しかしながら、これらの方法において、硬化剤として一般的に用いられるヘキサメチレンテトラミンやヘキサメトキシメチルメラミンは、混練り時や加硫工程において分解温度以上に加熱されるとアンモニウムガスやホルムアルデヒド等の揮発性のガスを発生する。アンモニウムガスはタイヤのようなスチールコードや有機繊維コードを含むゴム部材の場合には、ゴムとコードとの接着性低下を引き起こす原因となる。また、ヘキサメチレンテトラミンではゴムの加硫促進剤でもあるため添加量が多いとゴムがスコーチしやすくなる欠点がある。
【0005】
また、ホルムアルデヒドについては、環境安全性の点から職域における屋内空気中の濃度について指定値が定められており、その数値以下になるように努めなければならない。
これらの理由により、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンやヘキサメトキシメチルメラミンを用いる場合は、その配合量や適用する部材に制約がある。
【0006】
従来、天然ゴムや合成イソプレンゴムに、熱可塑性樹脂を配合してなるゴム組成物は、タックの付与、タイヤトレッドの摩擦力の向上等の目的で使用されているが、該ゴム組成物は、これまで、一般に天然ゴムや合成イソプレンゴムと熱可塑性樹脂とのミキサーによる混練(乾式法)により製造されているため、該樹脂の分散が不充分であって、破壊特性などを充分に確保できないという問題があった。
一方、ゴム組成物の破壊特性を向上させることの可能な天然ゴムマスターバッチが知られている。例えば変性天然ゴムラテックスと、補強用充填材を水中に分散させてなるスラリー液とを混合する工程を含む、湿式法による変性天然ゴムマスターバッチの製造方法(特許文献4参照)、あるいはアミド結合を分解した天然ゴムラテックスと、補強用充填材を水中に分散させたスラリー液とを混合する工程を含む、湿式法による天然ゴムマスターバッチの製造方法が開示されている(特許文献5参照)。
このような天然ゴムマスターバッチの製造方法によれば、得られる天然ゴムマスターバッチにおける補強用充填材の分散性が極めてよく、該補強用充填材による補強効果が充分に発揮される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−272307号公報
【特許文献2】特開平5−98081号公報
【特許文献3】特開2001−226528号公報
【特許文献4】WO2006/054713号パンフレット
【特許文献5】特開2004−99625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明のタイヤは、このような状況下になされたもので、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンやヘキサメトキシメチルメラミンを用いることなく、高弾性で破断伸びが大きい特性を有するゴム組成物からなるタイヤであって、ゴム成分として天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムと熱可塑性樹脂を用い、該樹脂が高度に分散してなる樹脂伸展イソプレンゴムを含む破壊特性の優れるゴム組成物を用いてなる耐摩耗性に優れた空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンやヘキサメトキシメチルメラミンを用いることのない特定の樹脂組成物と、ゴム成分として、熱可塑性樹脂を水に分散させてなるスラリー液と、天然ゴムや合成イソプレンゴムラテックスとを混合したのち、凝固、乾燥処理することにより、前記熱可塑性樹脂が高度に分散してなる樹脂伸展イソプレンゴムが容易に得られ、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1] ゴム成分と、ノボラック型レゾルシン樹脂及びレゾール型フェノール系樹脂を含む樹脂組成物を含有してなるゴム組成物からなるタイヤであって、前記ゴム組成物を構成するゴム成分が、(A)天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムを含むゴム成分と、(B)熱可塑性樹脂を含有する樹脂伸展イソプレンゴムからなり、該樹脂伸展イソプレンゴムの製造方法が、前記(B)成分を水に分散させてなる樹脂スラリー液と、前記(A)ゴム成分ラテックスとを混合したのち、凝固、乾燥処理することを特徴とするゴム組成物を用いたタイヤ、
[2] 樹脂伸展イソプレンゴムが、(A)ゴム成分100質量部に対して、(B)成分を8〜100質量部の割合で含む、上記[1]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[3] (A)ゴム成分が、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム50〜100質量%を含む、上記[1]又は[2]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[4] (B)成分の熱可塑性樹脂が、下記の方法で測定した前記(A)ゴム成分との相溶性度を示すヘイズ値が34%以下である、上記[1]〜[3]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
<ヘイズ値測定方法>
テトラヒドロフラン50mL中に、合成イソプレンゴム3gとサンプルの熱可塑性樹脂1.125gを温度25℃で溶解してなる溶液をキャスト成形して得られた厚さ600μmのフィルムのヘイズ値を、JIS K 6714に基づいて測定する。
[5] (B)成分の熱可塑性樹脂が、(A)ゴム成分との相溶性度を示すヘイズ値が30%以下である、上記[4]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[6] (A)ゴム成分が、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム70〜100質量%を含む、上記[1]〜[5]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
[7] 樹脂伸展イソプレンゴムが、(A)ゴム成分100質量部に対して、(B)成分を10〜50質量部の割合で含む、上記[1]〜[6]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
[8] さらに、(C)補強用充填材を含む、上記[1]〜[7]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
[9] (C)補強用充填材がカーボンブラック及び/又はシリカであり、かつその含有量が、(A)成分100質量部に対して、20〜120質量部である、上記[8]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[10] 前記ノボラック型レゾルシン樹脂が、レゾルシンとアルデヒド類とをモル比(アルデヒド類/レゾルシン)0.4以上0.8以下で反応させて得られるものである上記[1]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[11] 前記レゾール型フェノール系樹脂におけるジメチレンエーテル基量が、フェノール類に由来する芳香環同士を結合しているアルデヒド類に由来する全結合基量に対して、20モル%以上80モル%以下である上記[1]又は[10]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[12] 前記樹脂組成物におけるノボラック型レゾルシン樹脂の含有量が、18質量%以上50質量%以下である請求項1または10〜11のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ、
[13] 前記樹脂組成物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して1質量部以上30質量部以下である上記[1]又は[10]〜[12]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
[14] 前記樹脂組成物が、予め充填剤を含む上記[1]または[10]〜[13]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
[15] 前記充填剤が、乾式シリカである上記[14]のゴム組成物を用いたタイヤ、及び
[16] 上記[1]〜[15]いずれかのゴム組成物をトレッド用部材に用いることを特徴とするタイヤ、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
<樹脂伸展イソプレンゴムの効果>
(1)高度に分散された熱可塑性樹脂を含む該樹脂伸展イソプレンゴムの製造方法を提供することができる。
(2)タイヤに十分な耐摩耗性及び耐破壊特性を付与することができる。
(3)本発明においては、樹脂スラリー液と、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムのラテックスを液−液混合することで、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム中に、前記樹脂が高度に分散した樹脂伸展イソプレンゴムが得られる。したがって、この樹脂伸展イソプレンゴムを含むゴム組成物においては、破壊核となり得る樹脂の凝集塊が少なくなることにより、当該ゴム組成物の破壊特性や耐摩耗性が向上する。
【0011】
<樹脂組成物の効果>
(1)本発明のタイヤに用いられる樹脂組成物は、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンやヘキサメトキシメチルメラミンを用いることなく、高弾性でかつ破断伸びが大きい特性が得られる。
(2)樹脂組成物の硬化時の反応制御が容易であり、取り扱いや力学特性に優れる。
(3)硬化性が良好で、かつ熱安定性に優れ品質ばらつきのない樹脂組成物が得られ、特性が安定している。
(4)樹脂組成物の硬化性を向上させることができ、高弾性で破断伸びの大きい発熱性の低いゴム組成物が得られる。
(5)放置によるブロッキング製が改善されるなどの効果を有する。
上記樹脂伸展イソプレンゴムと樹脂組成物を組み合わせたゴム組成物は、タイヤの低燃費性、耐摩耗性、及び耐久性能を向上し、高弾性で破断伸びの大きい破壊特性の優れたゴム組成物が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明に用いられる樹脂伸展イソプレンゴムの製造方法について説明する。
[樹脂伸展イソプレンゴムの製造方法]
前記樹脂伸展イソプレンゴムの製造方法は、(A)天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムを含むゴム成分と、(B)熱可塑性樹脂を含有する樹脂伸展イソプレンゴムの製造方法であって、前記(B)成分を水に分散させてなる樹脂スラリー液と、前記(A)ゴム成分ラテックスとを混合したのち、凝固、乾燥処理することを特徴とする。
【0013】
((A)ゴム成分)
前記樹脂伸展イソプレンゴムは、(A)ゴム成分として、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムが用いられる。
この天然ゴムや合成イソプレンゴムに特に制限はなく、従来公知のものの中から適宜選択することができる。合成イソプレンゴムとしては、重量平均分子量4×105以上でシス結合含有量が95%以上であるものが好ましい。この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定されるポリスチレン換算の値である。
【0014】
本発明は前記タイヤ用ゴム組成物が、前記樹脂伸展イソプレンゴムを含み、該ゴム組成物が、優れた破壊特性や耐摩耗性を確保することにあるが、他の性能、例えば良好な低温特性、ウェットグリップ性能及び低発熱性を発揮し得るゴム組成物を得る観点から、当該(A)ゴム成分中の上記天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムの含有量は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%、特に好ましくは実質上100%である。
(その他のゴム成分)
また、当該(A)ゴム成分において、上記天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムと、好ましくは50〜0質量%、より好ましくは30〜0質量%、さらに好ましくは10〜0質量%の割合で併用できるゴム成分としては、例えばブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0015】
((B)熱可塑性樹脂)
本発明に用いられる樹脂伸展イソプレンゴムは、(B)成分として熱可塑性樹脂が用いられる。この熱可塑性樹脂としては特に制限はなく、各種の樹脂、例えばC5系樹脂、C6〜C9系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、C9系樹脂、ロジン系樹脂及びアルキルフェノール系樹脂などを用いることができる。
ここで、C5系樹脂とは、C5系合成石油樹脂を指し、C5留分を、AlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる固体重合体であり、例えばイソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン及び1−ペンテンなどを主成分とする共重合体、2−ペンテンとジシクロペンタジエンとの共重合体、1,3−ペンタジエンを主体とする重合体などが挙げられる。
また、C5〜C9系樹脂とは、C5〜C9系合成石油樹脂を指し、C5〜C11留分を、AlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ触媒を用いて重合して得られる固体重合体であり、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデンなどを主成分とする共重合体などが挙げられる。
【0016】
前記テルペン系樹脂は、松属の木からロジンを得る際に同時に得られるテレビン油、あるいはこれから分離した重合成分を配合し、フリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる固体状の樹脂であり、β−ピネン樹脂、α−ピネン樹脂などがある。
また、テルペン−芳香族化合物系樹脂としては、代表例としてテルペン−フェノール樹脂を挙げることができる。このテルペン−フェノール樹脂は、テルペン類と種々のフェノール類とを、フリーデルクラフツ型触媒を用いて反応させたり、あるいはさらにホルマリンで縮合する方法で得ることができる。原料のテルペン類としては特に制限はなく、α−ピネンやリモネンなどのモノテルペン炭化水素が好ましく、α−ピネンを含むものがより好ましく、特にα−ピネンであることが好ましい。
【0017】
さらに、C9系樹脂とは、C9系合成石油樹脂を指し、C9留分をAlCl3やBF3などのフリーデルクラフツ型触媒を用い、重合して得られた固体重合体であり、インデン、メチルインデン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどを主成分とする共重合体等が挙げられる。
一方、ロジン系樹脂としては、天然樹脂ロジンとして、生松ヤニやトール油に含まれるガムロジン、トール油レジン、ウッドロジンなどがあり、変性ロジン、ロジン誘導体、変性ロジン誘導体として、例えば重合ロジン、その部分水添ロジン;グリセリンエステルロジン、その部分水添ロジンや完全水添ロジン;ペンタエリスリトールエステルロジン、その部分水添ロジンや重合ロジン;などがある。
また、アルキルフェノール系樹脂としては、例えばp−tert−ブチルフェノール−アセチレン樹脂などのアルキルフェノール−アセチレン樹脂、低重合度のアルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
その他、クマロン−インデン樹脂、キシレン系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体なども用いることができる。
【0018】
これらの熱可塑性樹脂は、本発明に用いられる樹脂伸展イソプレンゴムを含む本発明のタイヤの所望性能に応じて適宜選択される。例えば破壊特性や耐摩耗性を確保すると共に、良好な低温特性、ウェットグリップ性能及び低発熱性を発揮し得るゴム組成物が要求される場合には、当該熱可塑性樹脂として、下記の方法で測定した前記(A)成分との相溶性度を示すヘイズ値が34%以下であるものが好ましく、30%以下であるものがより好ましく、20%以下であるものがさらに好ましい。なお、該ヘイズ値は低いほど透明性がよく、相溶性に優れている。
<ヘイズ値測定方法>
テトラヒドロフラン50mL中に、合成イソプレンゴム3gとサンプルの熱可塑性樹脂1.125gを温度25℃で溶解してなる溶液をキャスト成形して得られた厚さ600μmのフィルムのヘイズ値を、JIS K 6714に基づいて測定する。
なお、ヘイズ値の測定方法の詳細については、後で説明する。
【0019】
上記方法で測定されるヘイズ値が34%以下の熱可塑性樹脂としては、例えばC5系樹脂、C9以上の成分の少ないC5〜C9系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール成分の比率の少ないテルペン−フェノール樹脂などを挙げることができる。
本発明においては、当該(B)成分の熱可塑性樹脂として、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、得られる樹脂伸展イソプレンゴムにおける当該熱可塑性樹脂の含有量は、得られた樹脂伸展イソプレンゴムを含む本発明のゴム組成物を用いたタイヤが、所望の破壊特性や耐摩耗性を確保し得るためには、(A)ゴム成分100質量部に対して、好ましくは8〜100質量部、より好ましくは10〜50質量部、さらに好ましくは15〜50質量部、特に好ましくは20〜50質量部である。
【0020】
(樹脂伸展イソプレンゴムの調製)
本発明においては、前述した(B)成分の熱可塑性樹脂を水に分散させてなる樹脂スラリー液と、前述した(A)ゴム成分のラテックスとを混合したのち、凝固、乾燥処理することにより、樹脂伸展イソプレンゴムを調製することができる。
【0021】
<樹脂スラリー液>
本発明において、(B)成分の熱可塑性樹脂を水に分散させてなる樹脂スラリー液の調製は、従来公知の方法で行うことができ、例えば、ローター・ステータータイプのハイシアーミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル等の混合機を用いることができる。具体的には、コロイドミルに水を入れ、攪拌しながら当該樹脂をゆっくり滴下し、その後、ホモジナイザーにて、所望により用いられる界面活性剤と共に、一定圧力、一定温度で循環させることで、樹脂スラリー液を調製することができる。この場合の圧力は、通常10〜1000kPaの範囲であり、好ましくは200〜800kPaの範囲である。また、当該樹脂の粒子と水を一定の割合で混合し、細長い導管の一端からこれらの混合液を導入し、激しい水力攪拌の条件下で、均質な組成を有するスラリーの連続した流れを生成させることもできる。なお、上記スラリー液中の当該樹脂の濃度は、0.5〜60質量%の範囲が好ましく、1〜30質量%の範囲が更に好ましい。
スラリー液中の樹脂粒子の体積平均粒子径は、得られる樹脂伸展イソプレンゴム中の分散性の観点から、25μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。なお、上記体積平均粒子径は、レーザ回折型粒度分布計を用いて測定した値である。
また、所望により用いられる界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性界面活性剤が挙げられ、これらの中でも、アニオン系及びノニオン系界面活性剤が好ましい。
【0022】
<(A)ゴム成分のラテックス>
本発明において用いられる(A)ゴム成分のラテックスは、天然ゴムラテックス及び/又は合成イソプレンゴムラテックスと、所望により用いられるブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム及びクロロプレンゴムなどの中から選ばれる少なくとも1種の合成ゴムのラテックスとの混合物である。
天然ゴムラテックスとしては、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、酵素で処理した脱蛋白ラテックス、前記のものを組み合わせたものなど、いずれも使用することができる。
当該(A)ゴム成分のラテックスは、所望により界面活性剤を含むことができる。この界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性界面活性剤が挙げられ、これらの中でも、アニオン系及びノニオン系界面活性剤が好ましい。
【0023】
前記の樹脂スラリー液と(A)ゴム成分のラテックスとの混合は、例えば、ホモミキサー中に該樹脂スラリー液を入れ、攪拌しながら、ラテックスを滴下する方法や、逆にラテックスを攪拌しながら、これに該樹脂スラリー液を滴下する方法がある。また、一定の流量割合をもった樹脂スラリー流とラテックス流とを、激しい水力攪拌の条件下で混合する方法などを用いることもできる。
次いで、このようにして得られた、樹脂スラリー液を含む(A)ゴム成分ラテックスを凝固処理して、凝固物を形成させる。この凝固方法としては、従来公知の方法、例えば蟻酸、硫酸などの酸や、塩化ナトリウムなどの塩の凝固剤を用いて行われる。
この凝固処理により形成された凝固物は、従来公知の固液分離手段を用いて、取り出され、充分に洗浄される。洗浄は、通常水洗法が採用される。
【0024】
次に、洗浄処理された凝固物を乾燥処理する。この乾燥処理方法に特に制限はなく、様々な機器を用いて該凝固物を乾燥処理することができる。
例えば、熱風乾燥機、減圧乾燥機、凍結乾燥機などの乾燥機を用いて乾燥処理する方法を好ましく採用することができる。
また、機械的なせん断力をかけながら、乾燥処理する方法も好ましい方法である。この場合、工業的生産性の観点から、連続混練機又は連続多軸混練機を用いることが好ましい。さらには、同方向回転、あるいは異方向回転の連続多軸混練押出機を用いることが好ましく、特に連続二軸混練押出機を用いることが好ましい。
【0025】
このようにして、(B)成分の熱可塑性樹脂が高度に分散してなる樹脂伸展イソプレンゴムが得られる。なお、樹脂伸展イソプレンゴムにおける樹脂の分散性は、以下に示す方法により、Disp−Xを求めることにより、評価することができる。このDisp−Xの値が大きいほど分散性に優れていることを示す。該Disp−Xは、通常4〜10程度、好ましくは6〜10である。
<Disp−Xの測定>
加硫ゴムを、専用の試験片作成用カッターでカットし、それぞれ4個の検体面について、分散状態を、TECH PRO社製「DISPERGRADER MODEL1000」を用いて測定する。リファレンス画像との対比により、1〜10にランク付けして評価する。
【0026】
次に、本発明のタイヤの必須成分である樹脂組成物について説明する。
(樹脂組成物)
本発明のタイヤに用いられる樹脂組成物には、ノボラック型レゾルシン樹脂及びレゾール型フェノール系樹脂を必須成分とする樹脂組成物が含有される。ゴム組成物の弾性率を増大させるため熱硬化性樹脂であるフェノール系樹脂組成物を配合することは有効であるが、前記ノボラック型レゾルシン樹脂単独では、末端にメチロール基がないので硬化剤なしで硬化することができない。一方、レゾール型フェノール系樹脂は末端等にメチロール基を有するので、硬化剤がなくても硬化することができる。ただし、レゾール型フェノール系樹脂単独では樹脂の硬化性が遅く、ゴムの加硫時に樹脂の硬化が十分に進行しない。
【0027】
そこで本発明においては、ノボラック型レゾルシン樹脂及びレゾール型フェノール系樹脂を樹脂組成物に含有させることにより、硬化剤を用いることなくゴム組成物における弾性率を増大させ、しかも大きな破断時伸びをも得られることを見出した。すなわち、前記ノボラック型レゾルシン樹脂及びレゾール型フェノール系樹脂を併用することで、レゾール型フェノール系樹脂とノボラック型レゾルシン樹脂との反応により嵩高い硬化物となり、これがゴム成分中での擬似架橋構造として高弾性化と高破断伸び化に有効に作用していると考えられる。
なお、本発明において前記「フェノール系樹脂」とは、フェノールのみを原料とする重縮合物のみでなく、クレゾール及びキシレノールなどのフェノール類を原料とする重縮合物を含めた広範なフェノール樹脂を意味するものである。
【0028】
<レゾール型フェノール系樹脂>
本発明のタイヤに用いるレゾール型フェノール系樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを反応させて合成される。実際には前記レゾール型フェノール系樹脂は、硬化前の前駆体として得られるが、前記反応においてアルカリ触媒を用いると主に付加反応が進行して低重合度のレゾール型フェノール系樹脂となる。
【0029】
本発明におけるレゾール型フェノール系樹脂に用いるフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾ−ル類;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類;イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール類;p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール類;フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール類;p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体、及び、1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類;レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、プロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール類;などが挙げられる。これらを単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
これらのフェノール類の中でも、経済的に有利なフェノール、クレゾール類、及びビスフェノールAから選ばれるものが好ましい。
【0030】
本発明におけるレゾール型フェノール系樹脂及びノボラック型レゾルシン樹脂に用いるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらを単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
これらのアルデヒド類の中でも、反応性が優れ、安価であるホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドから選ばれるものが好ましい。
【0031】
前記レゾール型フェノール系樹脂は、上述したフェノール類及びアルデヒド類を、アルカリ金属やアミン類、二価金属塩などの触媒の存在下で反応させることによって合成することができる。
前記合成する際に用いる触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カルシウム、マグネシウム、バリウムなどアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物;炭酸ナトリウム、アンモニア水、トリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミンなどのアミン類;酢酸マグネシウムや酢酸亜鉛などの二価金属塩;などの物質を単独または2種以上併用することができる。
【0032】
前記レゾール型フェノール系樹脂の合成において、フェノール類とアルデヒド類との反応モル比としては、フェノール類1モルに対して、アルデヒド類を0.80モル以上2.50モル以下とすることが好ましく、より好ましくは、1.00モル以上2.30モル以下とする。モル比が前記範囲であると、反応制御が容易でありレゾール型フェノール系樹脂を確実に得ることができる。
【0033】
また、本発明において、樹脂組成物に用いるレゾール型フェノール系樹脂のジメチレンエーテル基量は、フェノール類に由来する芳香環同士を結合しているアルデヒド類に由来する全結合基量に対して、20モル%以上80モル%以下であることが好ましく、25モル%以上75モル%以下であることがより好ましい。ジメチレンエーテル基量が上記範囲にあると、硬化性が良好で、かつ熱安定性に優れ品質ばらつきのないフェノール系樹脂組成物を得ることができる。
【0034】
前記レゾール型フェノール系樹脂における結合基の比率は、1H−NMR法に準拠して測定したものである。具体的には、レゾール型フェノール樹脂をピリジン触媒中、無水酢酸で処理して、メチロール基をアセチル化し、このアセチル化物の1H−NMRを測定した。
各結合基量は、測定されたスペクトルからアセトンのピーク(2.04ppm)を基準に、各々メチレン基(約3.8ppm)、ジメチレンエーテル基(約4.5ppm)、メチロール基(約5.0ppm)とし、これらピークの積分強度比を、メチレン基、メチロール基については1/2倍、ジメチレンエーテル基については1/4倍とした値の比率より、アルデヒド類に由来する全結合基量(メチレン基量、ジメチレンエーテル基量及びメチロール基量の和)に対するジメチレンエーテル基量の比率(モル%)を算出した。
【0035】
装置は、日本電子社製NMR測定装置「JNM−AL300」(周波数:300MHz)を使用した。なお、上記測定方法は、レゾール型フェノール系樹脂の原料としてフェノールとホルムアルデヒドとを用いた場合であるが、これ以外のフェノール類及びアルデヒド類を用いた場合でも、基本的に同じ原理で測定することができる。
【0036】
<ノボラック型レゾルシン樹脂>
一方、前記ノボラック型レゾルシン樹脂に用いるレゾルシン類としては、例えば、レゾルシン、2−メチルレゾルシン、5−メチルレゾルシン及び2,5−ジメチルレゾルシン等のメチルレゾルシン類、4−エチルレゾルシン、4−クロロレゾルシン、2−ニトロレゾルシン、4−ブロモレゾルシン、4−n−へキシルレゾルシンなどが挙げられる。これらを単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
これらのレゾルシン類の中でも、経済的に有利なレゾルシン及びメチルレゾルシン類から選ばれるものが好ましい。
【0037】
上記ノボラック型レゾルシン樹脂は、レゾルシン及び上述したアルデヒド類を、酸性触媒の存在下で反応させた後、脱水工程により水を除去して合成することができる。また、ノボラック型レゾルシン樹脂の合成に用いる触媒としては、シュウ酸、塩酸、硫酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸類を、単独または2種類以上併用して使用できる。また、レゾルシンそのものが酸性を示すため、無触媒でも合成することができる。
【0038】
前記ノボラック型レゾルシン樹脂の合成において、レゾルシンとアルデヒド類との反応モル比としては、レゾルシン1モルに対して、アルデヒド類を0.40モル以上0.80モル以下とすることが好ましく、より好ましくは、アルデヒド類を0.45モル以上0.75モル以下とする。モル比が前記範囲あると、反応の制御や樹脂の取り扱いが容易となる。
【0039】
前記樹脂組成物におけるノボラック型レゾルシン樹脂の含有量としては、樹脂組成物全体に対して、18質量%以上50質量%以下とすることが好ましく、20質量%以上45質量%以上とすることがより好ましい。
ノボラック型レゾルシン樹脂の含有量を上記範囲とすることにより、本発明における樹脂成分の硬化性を向上させることができ、高弾性で発熱性の低いゴム組成物を得ることができる。
【0040】
更に、本発明における樹脂組成物には、それ自身の放置によるブロッキング性を改良するために、予め充填剤を添加することも可能である。前記充填剤としては、種々のものが使用できるが、例えば、炭酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、タルク、クレー、黒鉛等が挙げられ、これらを単独または2種以上を併用して用いることができる。これらの中でもシリカを用いることが好ましく、特に乾式シリカであることが、ゴム組成物としたときの物性に対するデメリットが少ない点で好ましい。
前記充填剤の添加量としては、樹脂組成物100質量部に対して、充填剤を1質量部以上40質量部以下で使用するのが好ましい。これにより、ゴム組成物の弾性率や破断時伸びを阻害することなく、樹脂組成物の放置によるブロッキング性を改善することができる。
【0041】
(樹脂組成物の混合方法)
本発明における樹脂組成物を得るため、前記レゾール型フェノール系樹脂とノボラック型レゾルシン樹脂とを混合する方法は、両成分が均一に混合分散し得る方法であればよく、特に限定されない。例えば、反応途中のレゾール型フェノール系樹脂中にノボラック型フェノール系樹脂を添加し混合する方法、反応途中のノボラック型フェノール系樹脂中にレゾール型フェノール系樹脂を添加し混合する方法、あるいは、レゾール型フェノール系樹脂とノボラック型フェノール系樹脂とを単に粉砕混合する方法、さらには、二軸押出機やオープンロール、加圧式混練機で混練する方法等がある。
【0042】
本発明におけるフェノール系樹脂組成物は、その形状は粉末または固形であることが好ましい。形状が粉末または固形でなく、半固形または液状であると、成形品への配合時に作業性が劣るという問題を生じ好ましくない。
【0043】
本発明のタイヤに用いられる前記フェノール系樹脂組成物の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して1質量部以上30質量部以下とすることが好ましく、5質量部以上20質量部以下とすることがより好ましい。含有量が上記範囲にあると、高弾性で破断時伸びの高いゴム組成物を得ることができる。
【0044】
次に、本発明のタイヤに用いるゴム組成物について説明する。
[ゴム組成物]
本発明のタイヤに用いるゴム組成物は、前述した本発明の方法で製造された樹脂伸展イソプレンゴムと樹脂組成物を含むことを特徴とする。
前記組成物においては、さらに、(C)成分として補強用充填材を含むことができる。
((C)補強用充填材)
補強用充填材としては、カーボンブラック及び/又はシリカが好ましく用いられる。
前記カーボンブラックとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として使用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えば、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが用いられ、特に耐摩耗性に優れるHAF、ISAF、SAFが好ましい。
このカーボンブラックは、1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、シリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムなどが挙げられるが、中でも湿式シリカが好ましい。
この湿式シリカのBET比表面積は40〜350m2/gであるのが好ましい。BET比表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET比表面積が80〜300m2/gの範囲にある
シリカが更に好ましい。このようなシリカとしては東ソー・シリカ(株)社製「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」、デグッサ社製「ウルトラジルVN3」等の市販品を用いることができる。
このシリカは1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0045】
本発明のゴム組成物においては、補強用充填材、好ましくは前記カーボンブラック及び/又はシリカの含有量は、前記(A)ゴム成分100質量部に対して、20〜120質量部であることが好ましく、35〜100質量部であることがより好ましい。この含有量が20質量部以上であれば、補強効果が発揮され、一方120質量部以下であれば、転がり抵抗が大きくなりすぎることはない。
【0046】
(シランカップリング剤)
本発明のタイヤに用いられるゴム組成物においては、補強性充填材としてシリカを用いる場合、その補強性及び低発熱性をさらに向上させる目的で、シランカップリッグ剤を配合することができる。
このシランカップリング剤としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−卜リエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が挙げられるが、これらの中で補強性改善効果等の点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド及び3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好適である。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上組み合わせて用いても良い。
【0047】
本発明のタイヤに用いられるゴム組成物においては、シランカップリング剤の配合量は、シランカップリング剤の種類等により異なるが、シリカに対して、好ましくは1〜20質量%の範囲で選定される。この量が1質量%未満ではカップリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、また、20質量%を超えるとゴム成分のゲル化を引き起こすおそれがある。カップリング剤としての効果及びゲル化防止等の点から、このシランカップリング剤のより好ましい配合量は、5〜15質量%の範囲である。
【0048】
(ゴム組成物の調製、用途)
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させることができる。
上記加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部が好ましく、さらに好ましくは1.0〜5.0質量部である。0.1質量部未満では加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性、低発熱性が低下するおそれがあり、10.0質量部を超えるとゴム弾性が失われる原因となる。
【0049】
本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、あるいはDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜3.0質量部である。
【0050】
更に、本発明のゴム組成物で使用できる老化防止剤としては、例えば3C(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6C[N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン]、AW(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、ジフェニルアミンとアセトンの高温縮合物等を挙げることができる。その使用量は、ゴムマトリックス100質量部に対して、0.1〜6.0質量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5.0質量部である。
【0051】
本発明のタイヤに用いられるゴム組成物は、前述製法で得られた樹脂伸展イソプレンゴム、樹脂組成物、及び所望により用いられる他のゴム成分や各種配合成分を、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサーなどの混練り機を用いて混練りすることにより調製することができる。
このようにして調製された本発明のゴム組成物は、高弾性で良好な破壊特性及び耐摩耗性を有しており、タイヤ用ゴム組成物として好適に使用され、例えばトレッドゴム、サイドゴム、プライコーティングゴム、ビードフィラーゴム、ベルトコーテイングゴムなどあらゆるタイヤ部材に適用することができる。中でも高弾性を必要とする、プライコーティングゴム、ベルトコーテイングゴム、ビードフィラーゴム、トレッドゴム等に最適である。
【0052】
[タイヤ]
本発明のタイヤは、通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階で、トレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素などの不活性ガスを用いることができる。
このようにして得られた本発明のタイヤは、補強性優れた高弾性で破断伸びの大きい発熱性の低いゴム組成物が得られ、それを用いたタイヤは耐摩耗性や低発熱性や耐久性などに優れている。
【実施例】
【0053】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
各実施例、比較例における各種測定は下記の方法により行なった。
【0054】
(1)(B)成分の(A)成分に対する相溶性度を示すヘイズ値の測定
テトラヒドロフラン50mL中に、合成イソプレンゴム(JSR社製、商品名「JSRIR2209」)3gとサンプルの熱可塑性樹脂1.125gを温度25℃で溶解してなる溶液をキャスト成形し、次いで、100℃、20MPaの条件で熱プレスして得られた厚さ600μmのフィルムのヘイズ値を、日本電色工業社製「TRIBIDIMETER NDH5000W」を用い、JIS K 6714に基づいて測定した。
(2)樹脂伸展イソプレンゴムにおける樹脂の分散性
明細書本文に記載の方法に従ってDisp−Xを求め、樹脂の分散性を評価した。
【0055】
<ゴム組成物の加硫物性>
(1)破断時伸び、破断強度及び100%モジュラス
得られた加硫ゴムを、JISダンベル状3号形に打ち抜いたサンプルについて、JISK6251に準拠して25℃で引っ張り試験を行い、破断時伸びと破断強度とを測定した。
【0056】
(2)動的弾性率E’、損失正接tanδ
得られた加硫ゴムについて、東洋精機社製スぺクトロメータを用い、初期荷重100g、歪み2%、測定周波数50Hz、測定温度25℃及び60℃にて動的弾性率E’及び損失正接tanδを測定した。
【0057】
<加硫ゴムの耐摩耗性>
各ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得た加硫ゴムに対し、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%での摩耗量を測定し、比較例1の摩耗量の逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
【0058】
<本発明の製造法による樹脂伸展天然ゴムの製造:製造例1〜4>
第1表に示す性状を有する熱可塑性樹脂(A〜D)微粉砕物(乳鉢で粉砕)を、第1表に示す量で用い、水中に投入し、これをシルバーソン社製のハイシェアミキサーにより、4800回転/分の速度で30分間スラリー化処理を行い、濃度5質量%の樹脂スラリー液を調製した。レーザ回折型粒度分布計を用いて測定した樹脂粒子の平均粒子径を第1表に示す。
次いで、この樹脂スラリー液全量と、20質量%に希釈したアンモニアを含む天然ゴムフィールドラテックス3636gを攪拌しながら混合したのち、これにギ酸を添加してpH4.7に調整して凝固させた。この固形物をクレーパー5回、シュレッダーを通してクラム化したのち、熱風式乾燥機にて、110℃、210分間乾燥することで、天然ゴム100質量部当たり、約37.5質量部の樹脂を含む各樹脂伸展天然ゴムを得た。これらの分析結果を第1表に示す。なお、樹脂含有量は、アセトン抽出により分析した、天然ゴム100質量部に対する値である。また、第3表に記載の各樹脂伸展天然ゴム(製造例1〜4)について第2表に記載の配合処方に従って4種のゴム組成物を調製した。調製した各ゴム組成物を160℃で15分間加硫処理して加硫ゴムを得、該加硫ゴムのDisp−Xを測定し、樹脂分散性を評価すると共に、引っ張り強さ[Tb](MPa)を測定し耐摩耗性(指数)を評価した。結果を第3表に示す。
【0059】
【表1】

[注]
C5系:エクソンモービルケミカル社製「ECR1102」
C5〜C9系:エクソンモービルケミカル社製「ECR213」
テルペン−フェノール樹脂:ヤスハラケミカル社製「YSポリスターT100」
C9系:新日本石油化学社製「ネオプリマー140」
【0060】
<従来の製造法による樹脂伸展天然ゴムの製造:製造例5〜8>
樹脂伸展天然ゴムを用いる代わりに、天然ゴムと熱可塑性樹脂とを第4表に示す配合割合で用い、バンバリーミキサーにてプリブレンドしたものを用いた以外は、製造例1〜4と同様にして第4表に記載の各プリブレンドしたもの(製造例5〜8)について第2表に記載の配合処方に従って4種のゴム組成物を調製した。調製した各ゴム組成物を160℃で15分間加硫処理して加硫ゴムを得、該加硫ゴムのDisp−Xを測定し、樹脂分散性を評価すると共に、引っ張り強さ[Tb](MPa)を測定し、耐摩耗性(指数)を評価した。結果を第4表に示す。
【0061】
【表2】

【0062】
[注]
1)樹脂伸展天然ゴム:製造例1〜4(本発明の製造法)、製造例5〜8(従来法)で作製したもの
2)天然ゴム:インドネシア製「SIR20」
3)樹脂:第1表に記載の樹脂(A〜D)
4)カーボンブラックN339:東海カーボン社製「シーストKH」
5)老化防止剤6C:大内新興工業社製「ノクラック6C」、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
6)加硫促進剤CZ:大内新興工業社製「ノクセラーCZ」、N−シクロヘキシル2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
【0063】
【表3】

【0064】
【表4】

【0065】
<フェノール系樹脂の製造>
製造例9 レゾール型フェノール樹脂の製造
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置に、フェノール1000部及び37%ホルムアルデヒド水溶液1294部を加え(モル比(ホルムアルデヒド/フェノール)=1.50)、さらに酢酸亜鉛5部を加えた。1時間還流させ、反応によって生じる水の真空除去を行い、90℃になった時点でさらに1時間反応させ、常温(25℃)で固形のレゾール型フェノール樹脂1145部を得た。
このレゾール型フェノール樹脂について、前述の条件で1H−NMRにて解析した結果、アルデヒドに由来する全結合基量に対するジメチレンエーテル基量は、45モル%であった。
【0066】
製造例10 ノボラック型レゾルシン樹脂の製造
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置に、レゾルシン1000部及びシュウ酸3部を加えた。内温が100℃になるまで加熱して、温度到達後、37%ホルムアルデヒド水溶液369部を30分間かけて逐添した(モル比(ホルムアルデヒド/フェノール)=0.50)。その後1時間還流させ、反応によって生じる水の常圧除去、真空除去を170℃になるまで行い、常温で固形のノボラック型レゾルシン樹脂1040部を得た。
【0067】
製造例11 樹脂組成物の製造
上記で得られた各ノボラック型レゾルシン樹脂及びレゾール型フェノール系樹脂を、表5に示す組み合わせ及び組成にて混合し、衝撃式粉砕機により粉砕して、粉末状の樹脂組成物1〜3を得た。詳細を第5表に示す。
【0068】
【表5】

【0069】
実施例1〜20、比較例1〜5
第6表に記載の配合処方に従って各ゴム組成物を調整した。樹脂伸展天然ゴムとして、第1表に示す製造例1〜4の本発明における製造法で得られた4種類樹脂成分を伸展した天然ゴムを用いた。
【0070】
【表6】

【0071】
調製した各ゴム組成物を160℃で15分間加硫処理して加硫ゴムを得、該加硫ゴムの損失正接(tanδ)、動的弾性率(E’)、破断時伸び(EB)、破断強度(TB)及び100%モジュラスを求めると共に耐摩耗性の評価をおこなった。tanδは指数値が低いほど低発熱性であり、E’は指数値が高いほど高弾性である。測定結果を第6表に示す。
【0072】
比較例6〜9
上記比較例6〜9は製造例1〜4で得られた本発明に用いられる樹脂伸展天然ゴムの代わりに、天然ゴムと熱可塑性樹脂とを第4表の製造例5〜8に示す配合割合で、バンバリーミキサーにてプリブレンドしたものを用いた。
上記、樹脂伸展天然ゴムを用いたときと同様に、第7表に記載の配合処方に従って各ゴム組成物を調整した。調製した各ゴム組成物を160℃で15分間加硫処理して加硫ゴムを得、該加硫ゴムの損失正接(tanδ)、動的弾性率(E’)、破断時伸び(EB)、破断強度(TB)及び100%モジュラスを求めると共に耐摩耗性の評価をおこなった。測定結果を第7表に示す。
尚、第7表の比較例1及び実施例1は、第6表の比較例1及び実施例1と同じである。
【0073】
【表7】

【0074】
本発明のタイヤに用いられるゴム組成物は上述のように動的弾性率E’が向上すると共にtanδが小さくなり、高弾性でありながら破断時の強力、破断時伸びなどの耐破壊特性及び耐摩耗性が好適に改良された。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明のゴム組成物を用いたタイヤは、タイヤの低燃費性を向上させ、かつ高弾性で破断時の強力、破断時伸びなどの優れた破壊特性を付与することが可能であり、タイヤの耐摩耗性、低発熱性及び耐久性が改善される。
本発明のゴム組成物は、タイヤ用ゴムとして好適に使用され、例えばトレッドゴム、サイドゴム、プライコーティングゴム、ビードフイラーゴム、ベルトコーティングゴムなどあらゆるタイヤ部材に適用することができる。
中でもこの高弾性で耐摩耗性、破壊特性の優れた低発熱性のゴム組成物はプライコーティングゴム、ビードフイラーゴム、ベルトコーティングゴム、トレッドゴム等に好ましく用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム成分と、ノボラック型レゾルシン樹脂及びレゾール型フェノール系樹脂を含む樹脂組成物を含有してなるゴム組成物からなるタイヤであって、前記ゴム組成物を構成するゴム成分が、(A)天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴムを含むゴム成分と、(B)熱可塑性樹脂を含有する樹脂伸展イソプレンゴムからなり、該樹脂伸展イソプレンゴムの製造方法が、前記(B)成分を水に分散させてなる樹脂スラリー液と、前記(A)ゴム成分ラテックスとを混合したのち、凝固、乾燥処理することを特徴とするゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項2】
樹脂伸展イソプレンゴムが、(A)ゴム成分100質量部に対して、(B)成分を8〜100質量部の割合で含む、請求項1に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項3】
(A)ゴム成分が、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム50〜100質量%を含む、請求項1又は2に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項4】
(B)成分の熱可塑性樹脂が、下記の方法で測定した前記(A)ゴム成分との相溶性度を示すヘイズ値が34%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
<ヘイズ値測定方法>
テトラヒドロフラン50mL中に、合成イソプレンゴム3gとサンプルの熱可塑性樹脂1.125gを温度25℃で溶解してなる溶液をキャスト成形して得られた厚さ600μmのフィルムのヘイズ値を、JIS K 6714に基づいて測定する。
【請求項5】
(B)成分の熱可塑性樹脂が、(A)ゴム成分との相溶性度を示すヘイズ値が30%以下である、請求項4に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項6】
(A)ゴム成分が、天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム70〜100質量%を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項7】
樹脂伸展イソプレンゴムが、(A)ゴム成分100質量部に対して、(B)成分を10〜50質量部の割合で含む、請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項8】
さらに、(C)補強用充填材を含む、請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項9】
(C)補強用充填材がカーボンブラック及び/又はシリカであり、かつその含有量が、(A)成分100質量部に対して、20〜120質量部である、請求項8に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項10】
前記ノボラック型レゾルシン樹脂が、レゾルシンとアルデヒド類とをモル比(アルデヒド類/レゾルシン)0.4以上0.8以下で反応させて得られるものである請求項1に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項11】
前記レゾール型フェノール系樹脂におけるジメチレンエーテル基量が、フェノール類に由来する芳香環同士を結合しているアルデヒド類に由来する全結合基量に対して、20モル%以上80モル%以下である請求項1または10に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項12】
前記樹脂組成物におけるノボラック型レゾルシン樹脂の含有量が、18質量%以上50質量%以下である請求項1または10〜11のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項13】
前記樹脂組成物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して1質量部以上30質量部以下である請求項1または10〜12のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項14】
前記樹脂組成物が、予め充填剤を含む請求項1または10〜13のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項15】
前記充填剤が、乾式シリカである請求項14に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載のタイヤに用いたゴム組成物をトレッド用部材に用いることを特徴とするタイヤ。

【公開番号】特開2012−162603(P2012−162603A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22195(P2011−22195)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】