空気吹出ノズル
本発明は、車両の乗員室への空気導入用として用いられる空気吹出ノズルに関する。この空気吹出ノズルは、空気吹出面(30)に至る空気ダクト(20)と、噴流を膨張させるために空気吹出面に配置されるバッフルプレート(31)とを含む。可能な限り良好な噴流の膨張を提供する経済的な空気吹出ノズルを創出するために、拡散位置調節用として用いられるバッフルプレート(31)を少なくとも2つの可動に装着されるスラット(29、41〜50)から構成し、このスラット(29、41〜50)を空気吹出面(30)と同面に並んで延びるように配置する、ことが提案される。
(図1c)
(図1c)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段の特徴に基づく空気吹出ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
特に車両用の空気吹出ノズルの場合には、第1に指向性の噴流を生成することができ、第2に拡散噴流を生成し得ることが望ましいであろう。このため、拡幅し得る翼板(スラット)によって噴流を広げることが知られているが、この方式は高い圧力損失を伴う。さらに、空気噴流中に流れ調整体を配置することが知られる。この流れ調整体は、その圧力分布に基づいて空気噴流の拡散度合いを変化させる。
【0003】
このため、特許文献1は、スピンドル駆動によって、空気ノズルの空気吹出開口に対して調節可能な硬いバッフルプレートを有する空気吹出ノズルを開示している。前記バッフルプレートを調節することによって空気吹出ノズルの出口側における圧力状態を調節し、空気吹出ノズルから吹出す空気噴流を大きく又は小さくすることができる。
【0004】
特許文献2は、空気流れの中に配置される可動体を有する空気吹出ノズルを開示している。この可動体は、調節可能な流れ障害器を有しており、流れの障害に従って空気噴流の異なる広がりを作り出す。
【0005】
【特許文献1】英国特許第624,932号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102 19 696 A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、空気噴流の拡散度合いを調節し得る空気吹出ノズルであって、構造的に簡素にかつ極力コスト効率的に製造可能であり、流れの損失を低く抑えたまま可能な限り大きく広がることができる空気噴流を有する空気吹出ノズルを提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明によれば請求項1の特徴による空気吹出ノズルによって実現される。
【0008】
この空気吹出ノズルは、空気吹出面に至る空気ダクトを有する。空気は、この空気吹出面から、例えば車両の室内に吹出す。空気吹出面は空気ダクトの断面よりも大きな断面を有する。少なくとも2つの可動に装着されるスラットが空気吹出面の領域内に配置される。この2つのスラットは、拡散位置を設定するために、好ましくは空気吹出面の中央領域に、噴流を広げるための可動体、好ましくはバッフルプレートを形成する。中立位置又は集中噴流位置においては、前記スラットは空気吹出ノズルの上端又は下端に置かれる。この可動に装着されるスラットは、空気吹出面と同面に並ぶように配置されるので、空気吹出面を超えて突き出ることがなく、あるいはごく僅かに飛び出るだけである。従って、車両の室内に延び出て厄介な障害物になることはない。空気吹出面に配置された調節可能なバッフルプレートによって、この空気吹出ノズルの吹出部分における圧力状態を適切に制御し得るので、空気吹出ノズルから吹出す空気流れを、その噴流の膨張又は拡散度合いに関して適切に制御することができる。さらに、空気吹出面の断面が相対的に大きいために、可動体、好ましくはバッフルプレートによる流れの障害が相対的に小さく、従って発生する流れ損失が可能な限り小さく保たれる。拡散位置においては、噴流の所要の膨張を妨害しないようにするため、可動体を形成するスラットと、自由噴流の方向設定用の調節要素、好ましくはHスラット又はVスラットとの間に、縦軸方向のある特定のオフセットを設けることが必要である。
【0009】
バッフルプレート又は可動に装着されるスラットを空気吹出面と同面に配置することによって、これらを構造的に簡素に取り付けかつ操作できるようになるので、空気吹出ノズルの製造を、構造的にも従ってコスト的にも妥当な制限範囲内に抑えることができる。
【0010】
1つの実施態様においては、スラットを拡散位置及び集中噴流位置の間に可動にする方式を提供することができる。拡散位置においては、大きく広がった空気噴流が得られ、集中噴流位置においては、集中された、すなわち指向性の空気噴流が生成される。拡散位置においては、スラットは、互いに対して直接当接して閉止バッフルプレートを形成し、このバッフルプレートが、空気ノズルの出口側における圧力状態を後流効果に従って変化させ、空気噴流が広げられる。バッフルプレートの下流側の空気流れのために、後流効果によって、バッフルプレートにより分割された空気流れを再び吸い込む負圧領域が生じる。その結果、バッフルプレートによって分割された空気流れがバッフルプレートの下流側で再度合流し、幅広い、従って拡散された空気噴流が形成される。集中噴流位置においては、スラットは、空気吹出面の端部領域においてその壁面に当接するように配置させられ、従って、空気吹出面の吹出断面を縮小する。このため、空気噴流の流速が増大し、集中した空気噴流が実現される。視覚的な理由から、スラットを、空気吹出面を囲繞するパネルの背後に退没させることもできる。
【0011】
この実施態様においては、スラットを、頂部及び底部から、あるいは、右側及び左側から、空気吹出ノズルの中心に動かすことができ、そこで、スラットが可動体を形成する。
【0012】
1つの実施態様においては、スラットを空気吹出面内で変位させ得る方式を提供することができる。すなわち、スラットを、空気吹出面の中心からその側部に向かって直線的に変位させ得るように取り付ける。これは公知のリンク制御によって簡単に実現できる。
【0013】
又、スラットを、空気吹出面内に延びる1つ以上の旋回軸の回りに回動させ得る方式を提供することもできる。このスラットに対しても同様に簡単な作動機構を用いることが可能であり、構造的に簡素な空気吹出ノズルが実現される。
【0014】
さらに別の実施態様においては、スラットを、空気ダクト内すなわち空気流れの上流側に延びる1つ以上の旋回軸の回りに回動させ得る方式を提供することができる。この実施態様の場合も、簡単な作動機構によって所要の効果を得ることができ、又、スラットが車両の室内に延び出ることなく空気吹出面の領域内で動くことも確保される。
【0015】
1つの有利な改良態様においては、スラットに付随する渦及び流れのノイズを避けるために、有利な形状を有するスラットを提供することができる。
【0016】
1つの実施態様においては、スラットを互いに平行に並ぶように配置して、それらの中心軸の回りにそれぞれ枢支する方式を提供することができる。この場合、スラットは、特に互いに平行に一緒に回動し得るように、共通の連結部材によって作動させることができる。この方式によって、空気流れの吹出方向を、前記スラットの平行回動によって変化させることが可能になり、その結果、空気流れを側方に方向転換することができる。
【0017】
さらに、拡散位置を形成するために、このスラットが空気吹出面の中心領域内で互いに直接当接する形になるように、従って閉止バッフルプレートを形成するように、スラットを回動させ得る方式を提供することができる。この場合、流れの状態は、このバッフルプレートによって、空気噴流が後流効果の原理に従って膨張するように変化する。
【0018】
流れのノイズを低減するために、空気ダクトから断面が大きい空気吹出面への移行部が、閉鎖されて丸められた形状又は傾斜形状を有する方式を提供することができる。この形状は、設計、組み込み空間又は圧力分布に基づく対応境界条件を考慮し得るようにするために、角形の形状にすることも可能である。
【0019】
本発明による空気吹出ノズルの1つの用途は、特に空気搬送システム、好ましくは、例えば乗用車、あるいは軽又は重商用車のような車両における暖房システム及び/又は空調システムの場合に想定される。しかし、本発明による空気吹出ノズルは、例えば鉄道車両又は航空機のような相対的に大型の乗用空間の換気にも使用することができる。
【0020】
本発明のさらなる特徴及び実施態様は、特許請求の範囲、図面及び図面に関する説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1A、1B及び1Cは、自動車の計器パネル11内に設けられる空気吹出ノズル1の概略断面図を示す。空気吹出ノズル1は、車両の中央部に配置される空気搬送装置から、計器パネル11上の空気吹出面30まで延びる空気ダクト20を有する。空気ダクト20は、中央部の空気搬送装置、好ましくは暖房システム及び/又は空調システムのファンから、空気を、車両室内に通じる1つ以上の空気吹出ノズル1まで送風する。
【0022】
空気ダクト20内には、空気吹出面30に隣接する上流側の領域に、複数の平行なHスラット27が配置される。これらのHスラットは、空気ダクト20に対するそれらの傾斜が、調節要素24によって一緒に合わせて調節可能であり、それによって、空気吹出ノズル1から吹出す空気噴流の方向を水平面において制御することができる。当然のことながら、垂直面において吹出方向を制御するためのVスラットを、同時に、あるいは変形実施態様として用いることも可能である。Hスラット27は、空気吹出面30に対して、空気吹出ノズル1の内部に距離26だけ引っ込めて設けられる。その縦軸方向のオフセット量は、空気ダクト20に平行に向けられたHスラットの端部と空気吹出面30との間を測定して、約10mm〜20mmの距離である。吹出空気噴流の方向の設定はこのHスラット27によって行うことができる。空気吹出面30は、計器パネル11の表面領域、すなわち計器パネル表面の仮想的又は視覚上の延長面にほとんど合致している。
【0023】
空気吹出面30における空気吹出ノズル1の断面は空気ダクト20の断面よりも大きい。空気ダクト20と空気吹出面30との間の移行部領域には、丸められた移行部25が設けられ、空気流れの誘導状態が改善される。別の実施態様においては、移行部を、斜めに延びる斜面として、又は断面が段階的に増大する形態として設計することも可能である。空気吹出ノズル1から吹出す空気噴流の拡散度合いを制御する可動スラット41及び42が、空気吹出面30に配置される。このスラットは、空気吹出面に平行に動くように配置され、空気吹出面に沿って変位させることができる。
【0024】
図1Aは、空気吹出面30の端部に接したスラット41及び42の位置を示す。この位置においては、スラット41及び42は空気吹出面30の壁面に当接しており、これは空気噴流の集中噴流設定に相当する。図1Aの位置においては、スラット41、42が空気吹出面30の吹出断面を制限して、より高速の空気吹出速度、従って集中した空気噴流を生じさせる。スラット41及び42の中間位置を図1Bに示す。前記中間位置においては、スラット41及び42は、空気吹出面30の外側から中心の方にかなり変位している。スラット41及び42は、この位置において、空気噴流を分割することによって空気噴流1をある程度広げ、空気のある程度の変化をもたらす。
【0025】
図1Cは、空気吹出面30の中心にあるスラット41及び42の位置を示す。この位置の前記スラットは互いに対して当接しており、従って一緒に合体して閉止バッフルプレート31を形成する。バッフルプレート31は空気流れの中心に位置しており、空気吹出面30と同面に並ぶ。バッフルプレート31の下流側では、空気流れによって負圧領域が形成され、この負圧領域は、バッフルプレート31の側方を通過して流れる部分空気流れを下流側で再度吸込みかつ結合する。このため、空気吹出ノズル1から吹出す空気流れは、幅広く展開され、単一の拡散した広範な空気流れになる。従って、この配置によって、空気ノズル1の空気吹出表面が実質的に拡大される。
【0026】
水平及び垂直面内において、集中噴流位置又は中立位置における空気噴流の十分な曲がり角を実現するために、この位置のスラットを、図11に示すように、計器パネル表面に同一面になるように隣接させることも可能であり、あるいは、視覚的な理由から、図12に示すように、それぞれパネル(61、62)の背後に収納することもできる。
【0027】
図2A〜2Cは、それぞれ、車両の室内からダッシュボードを見た場合の、図1A〜1Cに対応する空気吹出ノズル1の概略正面図を表す。正面図においては、ローレットが刻まれた回転体23が、空気吹出ノズル1のそれぞれ左側に配置されている。この回転体23は、可動スラット41及び42に連結され、そのスラットを空気吹出面30に沿って変位させる。設定の補助手段に対応する標識及び記号28が、ローレット付き回転体23の上及び/又はその横方向の隣側に配置される。このため、使用者は、空気流れの吹出特性を例えば集中噴流から拡散噴流へ調節するために、ローレット付き回転体を記号に従って設定して、スラット41又は42を空気吹出ノズル1の端部に変位させるか、あるいは空気吹出ノズルの中心に向かって変位させることができる。同じローレット付き回転体を、別のリンクガイド機構を介して、空気の吹出を止める閉止フラップを操作するために用いることもできる。スラット41、42は、運動力学的要素又はリンクガイド機構によって調節可能である。この場合には、操作は、横方向の変位又は大きな半径を有する回転の動きによって行うことができる。
【0028】
図1A〜2Cは、長方形断面を有する空気吹出ノズル1の形状を示す。同様に、スラット41及び42は、長方形の断面を有し、比較的平坦なスラットとして設計される。各スラットは、狭い側の側面にジャーナル33及び34を有し、このジャーナルは、空気ノズル1のハウジングに設けられるガイド溝に係合し、従って、スラット41及び42が空気吹出面30の方向で縦方向に変位し得るように、スラット41及び42を固定する。
【0029】
図3A及び3Bは、さらに変更された空気吹出ノズル1の形状を表す。この場合、空気ノズル1の断面とスラット41及び42の形状とが共に円形になっている。これは、本発明による空気吹出ノズル1は種々の断面によって実現し得るという事実を明らかにするためである。すなわち、局所的に規定される組み込み空間要件又は設計要件が個々のケースにおいて必要とするところに応じて、角形断面又は丸形断面を使用することが可能である。この場合、可動スラット41及び42の形状が、それぞれ、空気流れの通風を極力乱さないように、空気吹出ノズル1の断面に適合することだけは確保しなければならない。
【0030】
図4A及び4Bは空気吹出ノズル1のさらに別の形態を示す。この空気吹出ノズル1は、主として既出の図において記載したものと同じ構造である。従って、繰り返しを避けるために、同じ参照符号については既出の説明が参照される。前述した空気吹出ノズルと対照的に、図4A及び4Bにおいては、用いられるスラット43及び44の形状が流れの点で有利な3次元構造に設計されている。前記スラットは、外側に向かっては、すなわち下流側に向かっては同じように平坦な表面を有するが、空気ダクト20の方向の上流側に向かっては、収束する形状になっていてかつ丸められており、従って、流れの点で有利な噴流分布が得られる。さらに、スラット43及び44は、空気吹出ノズル1のそれぞれの丸められた部分25に対して完全に密着当接する。流れの点で有利なこのスラット43及び44の設計によって、集中噴流位置及び拡散位置の双方において、空気流れがより良く誘導されることになり、空気吹出ノズルの流れのノイズがさらに低下する。
【0031】
図4Aは空気吹出ノズル1の集中噴流位置を示し、図4Bは拡散位置を示す。図4Aにおいて、使用者は、Hスラット27調節用の調節要素24を外から自由に操作でき、Hスラット27を回転することによって空気吹出噴流の吹出方向を上側又は下側に曲げるように調節することができる。スラットを集中噴流位置から図4Bに示す拡散位置に変位させる間、スラット43及び44の上流側を向いた、丸められた形状によって、調節要素24が強制的に動かされる結果になる。これは、拡散位置においては、Hスラット27が自動的にその中立位置に動かされることを意味している。これによって、噴流の吹出方向が常に空気ノズル1の軸方向に向くことが保証され、従って、この方式以外の場合には、Hスラットが傾いたままであることによって生起し得る噴流の不均一分布が確実に避けられる。
【0032】
調節要素24の強制的な操作を、スラット43、44によって直接実行する代わりに、ノズル壁に配置される調節装置を用いて、Hスラットの横方向のジャーナルを介して間接的に行うことも可能である。
【0033】
図5A〜5C及び図6は、空気吹出ノズル1のさらに又別の実施態様を示す。前述した実施態様と対照的に、この場合のスラット45及び46は、空気ダクト内部に配置される1つの共通の旋回軸51、あるいは、その位置に直接隣接して並べられる2つの旋回軸51の回りに回動し得るスラットとして構成される。スラット45及び46は同様に長方形断面を有し、その形状は僅かに円錐状に丸められている。前述したスラットと対照的に、このスラット45及び46は、空気ノズル1内部の上流側にHスラット27の位置に配置される旋回軸51の回りに回動させることができる。
【0034】
スラット45及び46は、2本のレバー52及び53を介して旋回軸51にそれぞれ連結される。この2本のレバーは、スラット45及び46の短い方の端部側の外側にそれぞれ配置され、そのスラットを旋回軸51の回りに回転可能な形で固定する。この構造によって、横に延びる軸を有するような回転軸51を設ける必要がなくなる。横に延びる軸は流れの付加的な障害になるだけでなく、視覚的にも不利である。図6は、この支持方式の原理を概略的な正面図で改めて示す。回転軸51とレバー52及び53とが正面図及び断面図で再度示されている。
【0035】
図5Aは、空気ノズル1の集中噴流設定を示す。この場合、2つのスラット45及び46は、それぞれ、空気吹出面30の端部の頂部及び底部の即ち、空気吹出ノズル1の丸められた部分25に当接している。従って、空気噴流は、図5Aに示すように、集中噴流として空気吹出ノズル1から吹出す。空気噴流の吹出方向は、調節要素24と、平行に回動し得るHスラット27とによって変えることができる。図5Bは中間位置を再度示す。この場合、スラット45及び46は空気吹出面30の中心に向かって変位している。図5Cはスラットの拡散位置を示す。この場合、スラット45及び46は、共に空気吹出面30の中心に向かって回動され、互いに直接隣接してバッフルプレート31を形成する。前記バッフルプレートも、同様に後流効果によって、噴流の大きな膨張すなわち吹出空気噴流の拡散特性を生成する。
【0036】
図7A及び7Bは、回動可能なスラット47及び48を有する空気吹出ノズル1のさらに別の実施態様を示す。この場合、スラットは、それぞれ、空気吹出面30内に延びるスラット自身が持つ旋回軸54の回りに回動し得る。旋回軸54は、それぞれ、空気吹出面30に平行にかつ互いに距離を置いて延びている。この距離は、旋回軸54の相互間の距離がスラット47及び48の幅の2倍に等しくなるように決められる。スラット47及び48は、旋回軸54から、空気吹出ノズル1の内部の方に向けられ、従って、空気吹出面30の上流側に回動する。このため、空気ノズル1のどの部分も、空気吹出面30を超えて車両室内に延び出ることはない。
【0037】
図8A及び8Bは空気吹出ノズル1のさらに別の形態を示す。この場合、回動可能なスラット47及び48は、空気吹出面30の位置の中心に延びる旋回軸54の回りに回動できる。この形態においては、図8Aが集中噴流位置を示し、この位置においては、スラット47及び48は、互いにほぼ平行な方位に向けられ、そのため吹出空気噴流にほとんど影響を及ぼさない。図8Bに示す拡散位置の場合には、スラット47及び48は、互いに対して180°の角度の方位に向けられ、このため、同様に後流効果によって吹出空気噴流を広げるバッフルプレート31を形成する。
【0038】
図9A及び9Bは枢支型スラットを有する空気吹出ノズル1のさらに別の変形態様を示す。この場合、スラット49及び50は、それぞれ、流れの点で有利な断面を有し、空気吹出ノズル1の内部に空気吹出面30から距離を置いて配置されるそれら自身の旋回軸54の回りに回動することができる。各個別スラットの旋回軸54も相互に離して配置されるが、この相互に離す距離は、図9Aに示す集中噴流位置において、スラット49及び50が空気吹出面30の端部領域において空気吹出ノズルのそれぞれの丸められた部分25に直接当接し、これによって吹出空気流れの集中噴流設定がなされるように定められる。図9Bにおいては、スラット49及び50は空気吹出面30の中心に向かって回動され、互いに直接隣接する。従って、スラット49及び50は、同様に後流効果によって噴流を広げる閉止バッフルプレート31を形成する。
【0039】
図10A及び10Bは、本発明による空気吹出ノズル1のさらに別の変形態様を示す。この場合は、バッフルプレート形成用の追加的なスラットは省略され、互いに平行なHスラット29が、前方、すなわち空気吹出面30の位置に対して下流側に動かされている。スラットは、それらが一緒にかつ互いに平行に回動可能となるように、さらに拡散位置においては互いに対して直接当接してバッフルプレートを形成するように取り付けられる。バッフルプレート31は図10Bに示される。従って、この場合も同様に、この構成によって噴流の広がりが実現され、相応の拡散空気噴流が後流効果によって得られる。又、図10に示すように、調節要素24によってHスラット29の向きを変えることにより、空気噴流を上側又は下側に曲げることができる。この場合は、総括的に、Hスラットが二つの機能を有する。すなわち、Hスラットのこの配置においては、Hスラットが方向設定用並びに拡散位置設定用として用いられる。
【0040】
図10a及び10bの実施態様は、組み立てが比較的容易な構造的に簡素な空気ノズルであり、特にコスト的に効率的に製造できる。
【0041】
以上説明した空気吹出ノズル1の実施態様のすべてに、空気吹出面30の部分に延びる、見える様に露出した支柱を設けることもできる。この支柱は、空気吹出ノズルの視覚的に魅力ある外観を保証し、空気吹出ノズル1に対する機械的な防護をも形成する。例示された種々の変形態様は、H及びVスラットを有する従来型の空気ノズルだけでなく、ローラ型のノズルにも、又、吹出空気噴流の方向を変える他の要素をも具備するノズルにも用いることができる。例えば、横方向又は垂直方向に回動可能でこれによって空気吹出方向を変えるように設計される内側の管を、空気ダクト20に装備してもよい。
【0042】
当業者は、空気吹出面30の表面及び各スラット41〜50の断面積の適切な寸法を、空気の流れ状態及び特定の設計に関するそれぞれの要求を試験及び/又は相応にシミュレーションすることによって、容易に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1A】自動車のダッシュボードにおける空気吹出ノズルの概略断面図を示す。
【図1B】自動車のダッシュボードにおける空気吹出ノズルの概略断面図を示す。
【図1C】自動車のダッシュボードにおける空気吹出ノズルの概略断面図を示す。
【図2A】空気吹出ノズルの正面図を示す。
【図2B】空気吹出ノズルの正面図を示す。
【図2C】空気吹出ノズルの正面図を示す。
【図3A】空気吹出ノズルの円形の実施態様を示す図である。
【図3B】空気吹出ノズルの円形の実施態様を示す図である。
【図4A】流れの点で有利なスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図4B】流れの点で有利なスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図5A】枢支型のスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図5B】枢支型のスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図5C】枢支型のスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図6】空気吹出ノズルの正面図を示す。
【図7A】枢支型のスラットを備えた実施態様を示す図である。
【図7B】枢支型のスラットを備えた実施態様を示す図である。
【図8A】枢支型のスラットを備えた空気吹出ノズルの別の形態を示す図である。
【図8B】枢支型のスラットを備えた空気吹出ノズルの別の形態を示す図である。
【図9A】流れの点で有利な形状を有する枢支型スラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図9B】流れの点で有利な形状を有する枢支型スラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図10A】互いに平行に配置された複数のスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図10B】互いに平行に配置された複数のスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図11】スラットが空気吹出断面の側方に置かれる空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図12】スラットがパネルの背後に退没する空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段の特徴に基づく空気吹出ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
特に車両用の空気吹出ノズルの場合には、第1に指向性の噴流を生成することができ、第2に拡散噴流を生成し得ることが望ましいであろう。このため、拡幅し得る翼板(スラット)によって噴流を広げることが知られているが、この方式は高い圧力損失を伴う。さらに、空気噴流中に流れ調整体を配置することが知られる。この流れ調整体は、その圧力分布に基づいて空気噴流の拡散度合いを変化させる。
【0003】
このため、特許文献1は、スピンドル駆動によって、空気ノズルの空気吹出開口に対して調節可能な硬いバッフルプレートを有する空気吹出ノズルを開示している。前記バッフルプレートを調節することによって空気吹出ノズルの出口側における圧力状態を調節し、空気吹出ノズルから吹出す空気噴流を大きく又は小さくすることができる。
【0004】
特許文献2は、空気流れの中に配置される可動体を有する空気吹出ノズルを開示している。この可動体は、調節可能な流れ障害器を有しており、流れの障害に従って空気噴流の異なる広がりを作り出す。
【0005】
【特許文献1】英国特許第624,932号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102 19 696 A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、空気噴流の拡散度合いを調節し得る空気吹出ノズルであって、構造的に簡素にかつ極力コスト効率的に製造可能であり、流れの損失を低く抑えたまま可能な限り大きく広がることができる空気噴流を有する空気吹出ノズルを提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明によれば請求項1の特徴による空気吹出ノズルによって実現される。
【0008】
この空気吹出ノズルは、空気吹出面に至る空気ダクトを有する。空気は、この空気吹出面から、例えば車両の室内に吹出す。空気吹出面は空気ダクトの断面よりも大きな断面を有する。少なくとも2つの可動に装着されるスラットが空気吹出面の領域内に配置される。この2つのスラットは、拡散位置を設定するために、好ましくは空気吹出面の中央領域に、噴流を広げるための可動体、好ましくはバッフルプレートを形成する。中立位置又は集中噴流位置においては、前記スラットは空気吹出ノズルの上端又は下端に置かれる。この可動に装着されるスラットは、空気吹出面と同面に並ぶように配置されるので、空気吹出面を超えて突き出ることがなく、あるいはごく僅かに飛び出るだけである。従って、車両の室内に延び出て厄介な障害物になることはない。空気吹出面に配置された調節可能なバッフルプレートによって、この空気吹出ノズルの吹出部分における圧力状態を適切に制御し得るので、空気吹出ノズルから吹出す空気流れを、その噴流の膨張又は拡散度合いに関して適切に制御することができる。さらに、空気吹出面の断面が相対的に大きいために、可動体、好ましくはバッフルプレートによる流れの障害が相対的に小さく、従って発生する流れ損失が可能な限り小さく保たれる。拡散位置においては、噴流の所要の膨張を妨害しないようにするため、可動体を形成するスラットと、自由噴流の方向設定用の調節要素、好ましくはHスラット又はVスラットとの間に、縦軸方向のある特定のオフセットを設けることが必要である。
【0009】
バッフルプレート又は可動に装着されるスラットを空気吹出面と同面に配置することによって、これらを構造的に簡素に取り付けかつ操作できるようになるので、空気吹出ノズルの製造を、構造的にも従ってコスト的にも妥当な制限範囲内に抑えることができる。
【0010】
1つの実施態様においては、スラットを拡散位置及び集中噴流位置の間に可動にする方式を提供することができる。拡散位置においては、大きく広がった空気噴流が得られ、集中噴流位置においては、集中された、すなわち指向性の空気噴流が生成される。拡散位置においては、スラットは、互いに対して直接当接して閉止バッフルプレートを形成し、このバッフルプレートが、空気ノズルの出口側における圧力状態を後流効果に従って変化させ、空気噴流が広げられる。バッフルプレートの下流側の空気流れのために、後流効果によって、バッフルプレートにより分割された空気流れを再び吸い込む負圧領域が生じる。その結果、バッフルプレートによって分割された空気流れがバッフルプレートの下流側で再度合流し、幅広い、従って拡散された空気噴流が形成される。集中噴流位置においては、スラットは、空気吹出面の端部領域においてその壁面に当接するように配置させられ、従って、空気吹出面の吹出断面を縮小する。このため、空気噴流の流速が増大し、集中した空気噴流が実現される。視覚的な理由から、スラットを、空気吹出面を囲繞するパネルの背後に退没させることもできる。
【0011】
この実施態様においては、スラットを、頂部及び底部から、あるいは、右側及び左側から、空気吹出ノズルの中心に動かすことができ、そこで、スラットが可動体を形成する。
【0012】
1つの実施態様においては、スラットを空気吹出面内で変位させ得る方式を提供することができる。すなわち、スラットを、空気吹出面の中心からその側部に向かって直線的に変位させ得るように取り付ける。これは公知のリンク制御によって簡単に実現できる。
【0013】
又、スラットを、空気吹出面内に延びる1つ以上の旋回軸の回りに回動させ得る方式を提供することもできる。このスラットに対しても同様に簡単な作動機構を用いることが可能であり、構造的に簡素な空気吹出ノズルが実現される。
【0014】
さらに別の実施態様においては、スラットを、空気ダクト内すなわち空気流れの上流側に延びる1つ以上の旋回軸の回りに回動させ得る方式を提供することができる。この実施態様の場合も、簡単な作動機構によって所要の効果を得ることができ、又、スラットが車両の室内に延び出ることなく空気吹出面の領域内で動くことも確保される。
【0015】
1つの有利な改良態様においては、スラットに付随する渦及び流れのノイズを避けるために、有利な形状を有するスラットを提供することができる。
【0016】
1つの実施態様においては、スラットを互いに平行に並ぶように配置して、それらの中心軸の回りにそれぞれ枢支する方式を提供することができる。この場合、スラットは、特に互いに平行に一緒に回動し得るように、共通の連結部材によって作動させることができる。この方式によって、空気流れの吹出方向を、前記スラットの平行回動によって変化させることが可能になり、その結果、空気流れを側方に方向転換することができる。
【0017】
さらに、拡散位置を形成するために、このスラットが空気吹出面の中心領域内で互いに直接当接する形になるように、従って閉止バッフルプレートを形成するように、スラットを回動させ得る方式を提供することができる。この場合、流れの状態は、このバッフルプレートによって、空気噴流が後流効果の原理に従って膨張するように変化する。
【0018】
流れのノイズを低減するために、空気ダクトから断面が大きい空気吹出面への移行部が、閉鎖されて丸められた形状又は傾斜形状を有する方式を提供することができる。この形状は、設計、組み込み空間又は圧力分布に基づく対応境界条件を考慮し得るようにするために、角形の形状にすることも可能である。
【0019】
本発明による空気吹出ノズルの1つの用途は、特に空気搬送システム、好ましくは、例えば乗用車、あるいは軽又は重商用車のような車両における暖房システム及び/又は空調システムの場合に想定される。しかし、本発明による空気吹出ノズルは、例えば鉄道車両又は航空機のような相対的に大型の乗用空間の換気にも使用することができる。
【0020】
本発明のさらなる特徴及び実施態様は、特許請求の範囲、図面及び図面に関する説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1A、1B及び1Cは、自動車の計器パネル11内に設けられる空気吹出ノズル1の概略断面図を示す。空気吹出ノズル1は、車両の中央部に配置される空気搬送装置から、計器パネル11上の空気吹出面30まで延びる空気ダクト20を有する。空気ダクト20は、中央部の空気搬送装置、好ましくは暖房システム及び/又は空調システムのファンから、空気を、車両室内に通じる1つ以上の空気吹出ノズル1まで送風する。
【0022】
空気ダクト20内には、空気吹出面30に隣接する上流側の領域に、複数の平行なHスラット27が配置される。これらのHスラットは、空気ダクト20に対するそれらの傾斜が、調節要素24によって一緒に合わせて調節可能であり、それによって、空気吹出ノズル1から吹出す空気噴流の方向を水平面において制御することができる。当然のことながら、垂直面において吹出方向を制御するためのVスラットを、同時に、あるいは変形実施態様として用いることも可能である。Hスラット27は、空気吹出面30に対して、空気吹出ノズル1の内部に距離26だけ引っ込めて設けられる。その縦軸方向のオフセット量は、空気ダクト20に平行に向けられたHスラットの端部と空気吹出面30との間を測定して、約10mm〜20mmの距離である。吹出空気噴流の方向の設定はこのHスラット27によって行うことができる。空気吹出面30は、計器パネル11の表面領域、すなわち計器パネル表面の仮想的又は視覚上の延長面にほとんど合致している。
【0023】
空気吹出面30における空気吹出ノズル1の断面は空気ダクト20の断面よりも大きい。空気ダクト20と空気吹出面30との間の移行部領域には、丸められた移行部25が設けられ、空気流れの誘導状態が改善される。別の実施態様においては、移行部を、斜めに延びる斜面として、又は断面が段階的に増大する形態として設計することも可能である。空気吹出ノズル1から吹出す空気噴流の拡散度合いを制御する可動スラット41及び42が、空気吹出面30に配置される。このスラットは、空気吹出面に平行に動くように配置され、空気吹出面に沿って変位させることができる。
【0024】
図1Aは、空気吹出面30の端部に接したスラット41及び42の位置を示す。この位置においては、スラット41及び42は空気吹出面30の壁面に当接しており、これは空気噴流の集中噴流設定に相当する。図1Aの位置においては、スラット41、42が空気吹出面30の吹出断面を制限して、より高速の空気吹出速度、従って集中した空気噴流を生じさせる。スラット41及び42の中間位置を図1Bに示す。前記中間位置においては、スラット41及び42は、空気吹出面30の外側から中心の方にかなり変位している。スラット41及び42は、この位置において、空気噴流を分割することによって空気噴流1をある程度広げ、空気のある程度の変化をもたらす。
【0025】
図1Cは、空気吹出面30の中心にあるスラット41及び42の位置を示す。この位置の前記スラットは互いに対して当接しており、従って一緒に合体して閉止バッフルプレート31を形成する。バッフルプレート31は空気流れの中心に位置しており、空気吹出面30と同面に並ぶ。バッフルプレート31の下流側では、空気流れによって負圧領域が形成され、この負圧領域は、バッフルプレート31の側方を通過して流れる部分空気流れを下流側で再度吸込みかつ結合する。このため、空気吹出ノズル1から吹出す空気流れは、幅広く展開され、単一の拡散した広範な空気流れになる。従って、この配置によって、空気ノズル1の空気吹出表面が実質的に拡大される。
【0026】
水平及び垂直面内において、集中噴流位置又は中立位置における空気噴流の十分な曲がり角を実現するために、この位置のスラットを、図11に示すように、計器パネル表面に同一面になるように隣接させることも可能であり、あるいは、視覚的な理由から、図12に示すように、それぞれパネル(61、62)の背後に収納することもできる。
【0027】
図2A〜2Cは、それぞれ、車両の室内からダッシュボードを見た場合の、図1A〜1Cに対応する空気吹出ノズル1の概略正面図を表す。正面図においては、ローレットが刻まれた回転体23が、空気吹出ノズル1のそれぞれ左側に配置されている。この回転体23は、可動スラット41及び42に連結され、そのスラットを空気吹出面30に沿って変位させる。設定の補助手段に対応する標識及び記号28が、ローレット付き回転体23の上及び/又はその横方向の隣側に配置される。このため、使用者は、空気流れの吹出特性を例えば集中噴流から拡散噴流へ調節するために、ローレット付き回転体を記号に従って設定して、スラット41又は42を空気吹出ノズル1の端部に変位させるか、あるいは空気吹出ノズルの中心に向かって変位させることができる。同じローレット付き回転体を、別のリンクガイド機構を介して、空気の吹出を止める閉止フラップを操作するために用いることもできる。スラット41、42は、運動力学的要素又はリンクガイド機構によって調節可能である。この場合には、操作は、横方向の変位又は大きな半径を有する回転の動きによって行うことができる。
【0028】
図1A〜2Cは、長方形断面を有する空気吹出ノズル1の形状を示す。同様に、スラット41及び42は、長方形の断面を有し、比較的平坦なスラットとして設計される。各スラットは、狭い側の側面にジャーナル33及び34を有し、このジャーナルは、空気ノズル1のハウジングに設けられるガイド溝に係合し、従って、スラット41及び42が空気吹出面30の方向で縦方向に変位し得るように、スラット41及び42を固定する。
【0029】
図3A及び3Bは、さらに変更された空気吹出ノズル1の形状を表す。この場合、空気ノズル1の断面とスラット41及び42の形状とが共に円形になっている。これは、本発明による空気吹出ノズル1は種々の断面によって実現し得るという事実を明らかにするためである。すなわち、局所的に規定される組み込み空間要件又は設計要件が個々のケースにおいて必要とするところに応じて、角形断面又は丸形断面を使用することが可能である。この場合、可動スラット41及び42の形状が、それぞれ、空気流れの通風を極力乱さないように、空気吹出ノズル1の断面に適合することだけは確保しなければならない。
【0030】
図4A及び4Bは空気吹出ノズル1のさらに別の形態を示す。この空気吹出ノズル1は、主として既出の図において記載したものと同じ構造である。従って、繰り返しを避けるために、同じ参照符号については既出の説明が参照される。前述した空気吹出ノズルと対照的に、図4A及び4Bにおいては、用いられるスラット43及び44の形状が流れの点で有利な3次元構造に設計されている。前記スラットは、外側に向かっては、すなわち下流側に向かっては同じように平坦な表面を有するが、空気ダクト20の方向の上流側に向かっては、収束する形状になっていてかつ丸められており、従って、流れの点で有利な噴流分布が得られる。さらに、スラット43及び44は、空気吹出ノズル1のそれぞれの丸められた部分25に対して完全に密着当接する。流れの点で有利なこのスラット43及び44の設計によって、集中噴流位置及び拡散位置の双方において、空気流れがより良く誘導されることになり、空気吹出ノズルの流れのノイズがさらに低下する。
【0031】
図4Aは空気吹出ノズル1の集中噴流位置を示し、図4Bは拡散位置を示す。図4Aにおいて、使用者は、Hスラット27調節用の調節要素24を外から自由に操作でき、Hスラット27を回転することによって空気吹出噴流の吹出方向を上側又は下側に曲げるように調節することができる。スラットを集中噴流位置から図4Bに示す拡散位置に変位させる間、スラット43及び44の上流側を向いた、丸められた形状によって、調節要素24が強制的に動かされる結果になる。これは、拡散位置においては、Hスラット27が自動的にその中立位置に動かされることを意味している。これによって、噴流の吹出方向が常に空気ノズル1の軸方向に向くことが保証され、従って、この方式以外の場合には、Hスラットが傾いたままであることによって生起し得る噴流の不均一分布が確実に避けられる。
【0032】
調節要素24の強制的な操作を、スラット43、44によって直接実行する代わりに、ノズル壁に配置される調節装置を用いて、Hスラットの横方向のジャーナルを介して間接的に行うことも可能である。
【0033】
図5A〜5C及び図6は、空気吹出ノズル1のさらに又別の実施態様を示す。前述した実施態様と対照的に、この場合のスラット45及び46は、空気ダクト内部に配置される1つの共通の旋回軸51、あるいは、その位置に直接隣接して並べられる2つの旋回軸51の回りに回動し得るスラットとして構成される。スラット45及び46は同様に長方形断面を有し、その形状は僅かに円錐状に丸められている。前述したスラットと対照的に、このスラット45及び46は、空気ノズル1内部の上流側にHスラット27の位置に配置される旋回軸51の回りに回動させることができる。
【0034】
スラット45及び46は、2本のレバー52及び53を介して旋回軸51にそれぞれ連結される。この2本のレバーは、スラット45及び46の短い方の端部側の外側にそれぞれ配置され、そのスラットを旋回軸51の回りに回転可能な形で固定する。この構造によって、横に延びる軸を有するような回転軸51を設ける必要がなくなる。横に延びる軸は流れの付加的な障害になるだけでなく、視覚的にも不利である。図6は、この支持方式の原理を概略的な正面図で改めて示す。回転軸51とレバー52及び53とが正面図及び断面図で再度示されている。
【0035】
図5Aは、空気ノズル1の集中噴流設定を示す。この場合、2つのスラット45及び46は、それぞれ、空気吹出面30の端部の頂部及び底部の即ち、空気吹出ノズル1の丸められた部分25に当接している。従って、空気噴流は、図5Aに示すように、集中噴流として空気吹出ノズル1から吹出す。空気噴流の吹出方向は、調節要素24と、平行に回動し得るHスラット27とによって変えることができる。図5Bは中間位置を再度示す。この場合、スラット45及び46は空気吹出面30の中心に向かって変位している。図5Cはスラットの拡散位置を示す。この場合、スラット45及び46は、共に空気吹出面30の中心に向かって回動され、互いに直接隣接してバッフルプレート31を形成する。前記バッフルプレートも、同様に後流効果によって、噴流の大きな膨張すなわち吹出空気噴流の拡散特性を生成する。
【0036】
図7A及び7Bは、回動可能なスラット47及び48を有する空気吹出ノズル1のさらに別の実施態様を示す。この場合、スラットは、それぞれ、空気吹出面30内に延びるスラット自身が持つ旋回軸54の回りに回動し得る。旋回軸54は、それぞれ、空気吹出面30に平行にかつ互いに距離を置いて延びている。この距離は、旋回軸54の相互間の距離がスラット47及び48の幅の2倍に等しくなるように決められる。スラット47及び48は、旋回軸54から、空気吹出ノズル1の内部の方に向けられ、従って、空気吹出面30の上流側に回動する。このため、空気ノズル1のどの部分も、空気吹出面30を超えて車両室内に延び出ることはない。
【0037】
図8A及び8Bは空気吹出ノズル1のさらに別の形態を示す。この場合、回動可能なスラット47及び48は、空気吹出面30の位置の中心に延びる旋回軸54の回りに回動できる。この形態においては、図8Aが集中噴流位置を示し、この位置においては、スラット47及び48は、互いにほぼ平行な方位に向けられ、そのため吹出空気噴流にほとんど影響を及ぼさない。図8Bに示す拡散位置の場合には、スラット47及び48は、互いに対して180°の角度の方位に向けられ、このため、同様に後流効果によって吹出空気噴流を広げるバッフルプレート31を形成する。
【0038】
図9A及び9Bは枢支型スラットを有する空気吹出ノズル1のさらに別の変形態様を示す。この場合、スラット49及び50は、それぞれ、流れの点で有利な断面を有し、空気吹出ノズル1の内部に空気吹出面30から距離を置いて配置されるそれら自身の旋回軸54の回りに回動することができる。各個別スラットの旋回軸54も相互に離して配置されるが、この相互に離す距離は、図9Aに示す集中噴流位置において、スラット49及び50が空気吹出面30の端部領域において空気吹出ノズルのそれぞれの丸められた部分25に直接当接し、これによって吹出空気流れの集中噴流設定がなされるように定められる。図9Bにおいては、スラット49及び50は空気吹出面30の中心に向かって回動され、互いに直接隣接する。従って、スラット49及び50は、同様に後流効果によって噴流を広げる閉止バッフルプレート31を形成する。
【0039】
図10A及び10Bは、本発明による空気吹出ノズル1のさらに別の変形態様を示す。この場合は、バッフルプレート形成用の追加的なスラットは省略され、互いに平行なHスラット29が、前方、すなわち空気吹出面30の位置に対して下流側に動かされている。スラットは、それらが一緒にかつ互いに平行に回動可能となるように、さらに拡散位置においては互いに対して直接当接してバッフルプレートを形成するように取り付けられる。バッフルプレート31は図10Bに示される。従って、この場合も同様に、この構成によって噴流の広がりが実現され、相応の拡散空気噴流が後流効果によって得られる。又、図10に示すように、調節要素24によってHスラット29の向きを変えることにより、空気噴流を上側又は下側に曲げることができる。この場合は、総括的に、Hスラットが二つの機能を有する。すなわち、Hスラットのこの配置においては、Hスラットが方向設定用並びに拡散位置設定用として用いられる。
【0040】
図10a及び10bの実施態様は、組み立てが比較的容易な構造的に簡素な空気ノズルであり、特にコスト的に効率的に製造できる。
【0041】
以上説明した空気吹出ノズル1の実施態様のすべてに、空気吹出面30の部分に延びる、見える様に露出した支柱を設けることもできる。この支柱は、空気吹出ノズルの視覚的に魅力ある外観を保証し、空気吹出ノズル1に対する機械的な防護をも形成する。例示された種々の変形態様は、H及びVスラットを有する従来型の空気ノズルだけでなく、ローラ型のノズルにも、又、吹出空気噴流の方向を変える他の要素をも具備するノズルにも用いることができる。例えば、横方向又は垂直方向に回動可能でこれによって空気吹出方向を変えるように設計される内側の管を、空気ダクト20に装備してもよい。
【0042】
当業者は、空気吹出面30の表面及び各スラット41〜50の断面積の適切な寸法を、空気の流れ状態及び特定の設計に関するそれぞれの要求を試験及び/又は相応にシミュレーションすることによって、容易に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1A】自動車のダッシュボードにおける空気吹出ノズルの概略断面図を示す。
【図1B】自動車のダッシュボードにおける空気吹出ノズルの概略断面図を示す。
【図1C】自動車のダッシュボードにおける空気吹出ノズルの概略断面図を示す。
【図2A】空気吹出ノズルの正面図を示す。
【図2B】空気吹出ノズルの正面図を示す。
【図2C】空気吹出ノズルの正面図を示す。
【図3A】空気吹出ノズルの円形の実施態様を示す図である。
【図3B】空気吹出ノズルの円形の実施態様を示す図である。
【図4A】流れの点で有利なスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図4B】流れの点で有利なスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図5A】枢支型のスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図5B】枢支型のスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図5C】枢支型のスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図6】空気吹出ノズルの正面図を示す。
【図7A】枢支型のスラットを備えた実施態様を示す図である。
【図7B】枢支型のスラットを備えた実施態様を示す図である。
【図8A】枢支型のスラットを備えた空気吹出ノズルの別の形態を示す図である。
【図8B】枢支型のスラットを備えた空気吹出ノズルの別の形態を示す図である。
【図9A】流れの点で有利な形状を有する枢支型スラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図9B】流れの点で有利な形状を有する枢支型スラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図10A】互いに平行に配置された複数のスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図10B】互いに平行に配置された複数のスラットを備えた空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図11】スラットが空気吹出断面の側方に置かれる空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図12】スラットがパネルの背後に退没する空気吹出ノズルの形態を示す図である。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を車両の室内に導く空気吹出ノズルであって、空気吹出面(30)に至る空気ダクト(20)と、前記空気吹出面に配置され、空気噴流を広げる目的を有するバッフルプレート(31)とを含む空気吹出ノズルにおいて、
前記空気吹出面(30)の断面が前記空気ダクト(20)の断面よりも大きく、かつ、前記バッフルプレート(31)が、拡散位置を設定するために、前記空気吹出面(30)と同面に並ぶように配置される少なくとも2つの可動に装着されるスラット(29、41〜50)を有することを特徴とする空気吹出ノズル。
【請求項2】
Hスラット(27)又はVスラット等の前記空気噴流の方向設定手段が、前記空気ダクト(20)の内側に、前記可動に装着されるスラット(29、41〜50)までの距離が少なくとも10mmとなるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の空気吹出ノズル。
【請求項3】
Hスラット(27)又はVスラット等の前記空気噴流の方向設定手段が、調節要素(24)によって調節され、前記調節要素(24)は、前記拡散位置において前記空気噴流の方向設定手段が強制的に動かされて中立位置になるように、前記可動に装着されるスラット(29、41〜50)に連結され、この中立位置においては、前記吹出空気の方向が曲げられることはないことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の空気吹出ノズル。
【請求項4】
前記拡散位置においては、前記調節要素(24)を操作又は調節することができないことを特徴とする請求項3に記載の空気吹出ノズル。
【請求項5】
前記スラット(41〜50)が拡散位置と集中噴流位置又は中立位置との間に動くことができ、前記スラットは、前記拡散位置においては、前記空気吹出面(30)の中心で互いに対して直接当接して、前記空気噴流を広げるための閉止バッフルプレート(31)を形成し、かつ、前記スラットは、前記集中噴流位置においては、前記空気噴流を集中させるために、前記空気吹出面の壁面に当接するように前記空気吹出面の端部領域に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル。
【請求項6】
前記スラット(41、42、43、44)が、前記空気吹出面(30)内において横方向に変位し得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル。
【請求項7】
前記スラット(47、48)が、前記空気吹出面(30)内に延びる1つ以上の旋回軸(54)の回りを回動し得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル。
【請求項8】
前記スラット(45、46、49、50)が、前記空気吹出面(30)の上流側の空気ダクト(20)内部に延びる1つ以上の旋回軸(51、54)の回りを回動し得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル。
【請求項9】
前記スラット(41〜50)が、流れの状態を改善しかつ流れのノイズを低減するために、流れの点で有利な形状、特に流れ調整体を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル。
【請求項10】
前記空気ダクト(20)から前記空気吹出面(30)への移行部が、閉鎖され、かつ、丸められた形状又は角形形状又は傾斜形状(25)を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル。
【請求項11】
前記スラット(29)が、互いに平行に並ぶように配置されて、それらの中心軸(55)の回りにそれぞれ枢支され、かつ、好ましくは一緒に回動し得ることを特徴とする請求項1に記載の空気吹出ノズル。
【請求項12】
前記スラット(29)が、拡散位置を形成するために、前記空気吹出面(30)の中心において互いに直接当接して閉止バッフルプレート(31)を形成するように回動し得ることを特徴とする請求項1あるいは11に記載の空気吹出ノズル。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル(1)を備えた車両用の暖房システム及び/又は空調システム。
【請求項1】
空気を車両の室内に導く空気吹出ノズルであって、空気吹出面(30)に至る空気ダクト(20)と、前記空気吹出面に配置され、空気噴流を広げる目的を有するバッフルプレート(31)とを含む空気吹出ノズルにおいて、
前記空気吹出面(30)の断面が前記空気ダクト(20)の断面よりも大きく、かつ、前記バッフルプレート(31)が、拡散位置を設定するために、前記空気吹出面(30)と同面に並ぶように配置される少なくとも2つの可動に装着されるスラット(29、41〜50)を有することを特徴とする空気吹出ノズル。
【請求項2】
Hスラット(27)又はVスラット等の前記空気噴流の方向設定手段が、前記空気ダクト(20)の内側に、前記可動に装着されるスラット(29、41〜50)までの距離が少なくとも10mmとなるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の空気吹出ノズル。
【請求項3】
Hスラット(27)又はVスラット等の前記空気噴流の方向設定手段が、調節要素(24)によって調節され、前記調節要素(24)は、前記拡散位置において前記空気噴流の方向設定手段が強制的に動かされて中立位置になるように、前記可動に装着されるスラット(29、41〜50)に連結され、この中立位置においては、前記吹出空気の方向が曲げられることはないことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の空気吹出ノズル。
【請求項4】
前記拡散位置においては、前記調節要素(24)を操作又は調節することができないことを特徴とする請求項3に記載の空気吹出ノズル。
【請求項5】
前記スラット(41〜50)が拡散位置と集中噴流位置又は中立位置との間に動くことができ、前記スラットは、前記拡散位置においては、前記空気吹出面(30)の中心で互いに対して直接当接して、前記空気噴流を広げるための閉止バッフルプレート(31)を形成し、かつ、前記スラットは、前記集中噴流位置においては、前記空気噴流を集中させるために、前記空気吹出面の壁面に当接するように前記空気吹出面の端部領域に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル。
【請求項6】
前記スラット(41、42、43、44)が、前記空気吹出面(30)内において横方向に変位し得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル。
【請求項7】
前記スラット(47、48)が、前記空気吹出面(30)内に延びる1つ以上の旋回軸(54)の回りを回動し得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル。
【請求項8】
前記スラット(45、46、49、50)が、前記空気吹出面(30)の上流側の空気ダクト(20)内部に延びる1つ以上の旋回軸(51、54)の回りを回動し得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル。
【請求項9】
前記スラット(41〜50)が、流れの状態を改善しかつ流れのノイズを低減するために、流れの点で有利な形状、特に流れ調整体を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル。
【請求項10】
前記空気ダクト(20)から前記空気吹出面(30)への移行部が、閉鎖され、かつ、丸められた形状又は角形形状又は傾斜形状(25)を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル。
【請求項11】
前記スラット(29)が、互いに平行に並ぶように配置されて、それらの中心軸(55)の回りにそれぞれ枢支され、かつ、好ましくは一緒に回動し得ることを特徴とする請求項1に記載の空気吹出ノズル。
【請求項12】
前記スラット(29)が、拡散位置を形成するために、前記空気吹出面(30)の中心において互いに直接当接して閉止バッフルプレート(31)を形成するように回動し得ることを特徴とする請求項1あるいは11に記載の空気吹出ノズル。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の空気吹出ノズル(1)を備えた車両用の暖房システム及び/又は空調システム。
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2008−543664(P2008−543664A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517392(P2008−517392)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005882
【国際公開番号】WO2007/000263
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005882
【国際公開番号】WO2007/000263
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】
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