説明

空気調和機

【課題】静電霧化装置を搭載して、室内環境を快適にしつつ、省資源,軽量,省エネに適する空気調和機を提供する。
【解決手段】熱交換器33に室内空気を送風する送風ファンと311、静電霧化装置と、該静電霧化装置の霧化部へ供給する霧化用水を生成する水生成部440と、該水生成部440を構成し空気中の水分を結露させる冷却板425を冷却するペルチェ素子441と、前記水生成部440で得られる結露水を前記霧化部に導く導水経路と、前記送風ファン311の運転により空気の吸込み口から吹出し口に流れる主気流を形成する流路と、この主気流を形成する流路の外部に形成された空気流入用の開口から前記主気流の風路壁に形成された開口27cまでの副気流を形成する流路とを備え、前記ペルチェ素子441の放熱面に設けられた放熱板338と冷却面に設けられた冷却板と425が、前記副気流を形成する流路の中に順に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は静電霧化装置を搭載した空気調和機にかかり、特に、霧化用水の供給機構の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機は室内空気を熱交換器に循環させて、加熱,冷却,除湿機能などにより調整し、これを室内に吹出すことにより室内を空気調和する。このとき、温度,湿度の調節以外にも様々な機能を付加し、室内を清浄で、快適な空間にすることが行われている。
【0003】
室内には、生活に付随して種々の臭いの発生源が生じ、そのあるものは鼻の臭気細胞を刺激し、臭いとして感知される。これらの臭い発生源は、気体,小液滴,微細な塵埃などであり、いずれも、放置しておくと宇宙線などにより電離した空気中のイオンなどと衝突して帯電したり、重力のため沈降したり、気流により壁に衝突したりして、室内の壁,家具,床,天井などの固定物に吸着され室内の空気中から取除かれ、または、活性物質と遭遇し分解,変成されて、臭いは消えてしまう。しかし、分解されないで、部屋の壁や床などに吸着,沈降した臭いの発生源は、温度が上がったり、風が当ったり、掃除で舞い上がったりすると、また、室内空気に浮遊することになり、臭いとして感じられるようになる。
【0004】
このように、吸着などにより室内の壁などに付着している臭いの発生源を分解,変成するため、OHラジカルなどの活性物質を微細な水滴に付与して、長寿命化し、臭いの発生源に遭遇させ、脱臭する試みが行われている。
【0005】
そのひとつとして、室内に吹出す空気に静電霧化方式により帯電した微細粒の水を放出し、室内を脱臭する方法が考えられ、これを具現化するために種々の工夫が凝らされている。
【0006】
この種の従来技術として、特開2005−254208号公報,特開2007−137282号公報,特開2005−131549号公報,特開2003−17297号公報,実公平07−028496号公報,実公平07−040902号公報が知られている。
【0007】
特許文献1は、空調機器に備えた熱交換器で生じた結露水を給水する給水手段を設けた貯水部と、貯水部の水を搬送する搬送部と、搬送部の先端側に配置した対向電極と、搬送部の水に電圧を印加する印加電極と、対向電極と印加電極との間に高電圧を発生させる電圧印加部とを有し、多孔質のセラミック材料で構成した搬送部の先端で水を霧化させるようにした静電霧化装置が開示されている。空調機器の熱交換器で生じた結露水を給水することにより、搬送部先端での不純物の析出付着を抑制してセラミック材料の微少空隙の目詰まりを回避し、搬送部の長寿命化を図って使い勝手を向上させるものである。
【0008】
特許文献2は、空調ユニットに設けたダクト内のベント吹出口近傍に静電霧化装置を配設し、この静電霧化装置にペルチェ素子を設け、このペルチェ素子の低温部で空調風に含まれる水分を結露させて結露水を得る。この結露水に高電圧を印加してナノメーターサイズの微細な水の粒子を得るとともに、この粒子に帯電させる。この帯電した水の粒子を空調風に乗せて車室内に行き渡らせて、水の補給作業を不要にして快適な空調空間を手軽に実現できる空調装置について述べている。
【0009】
特許文献3は、静電霧化装置を、毛細管現象によって水を搬送する電極(水搬送部)と、この電極(水搬送部)への水の供給手段としてペルチェ素子等の吸熱面を冷却して空気中の水分を結露させる手段と、電極(水搬送部)に電圧を印加して水分を霧化する構成が開示されている。これにより、使用者に水補給の手間を強いることなく且つ、水中の不純物が電極(水搬送部)に析出して付着しないようにしてメンテナンスフリーとしている。
【0010】
特許文献4は、空気清浄器などに利用される放電装置において、電極が点状の放電部を有し、この放電部がその表面に水などの導電性液体を毛細管現象を利用して供給すること、及びペルチェ素子などの冷却手段により放電部を冷却して表面に空気中の水分を凝縮してメンテナンスフリーとする構成が開示されている。
【0011】
特許文献5は、二組のペルチェ素子を用いて、一方の熱交換面を冷却して空気中の水分を凝縮させ、この凝縮水を吸湿性部材を用いてもう一方の熱交換面に送って加熱されて加湿をするようにして、水の補給の必要のないメンテナンスフリーとした調湿器が開示されている。
【0012】
特許文献6は、ペルチェ素子の冷却面で冷却する吸熱面と、この吸熱面に空気中の水分を結露させる空気の流路と、ペルチェ素子の放熱面の熱を奪う空気の流路とを備え、この二つの空気の流路を別流路としている。これによって、前記放熱面で暖められた空気が吸熱面を暖めることがなく、吸熱面に空気中の水分を結露し易くして静電霧化装置を継続的に使用することができるようにしている。
【0013】
【特許文献1】特開2005−254208号公報
【特許文献2】特開2007−137282号公報
【特許文献3】特開2005−131549号公報
【特許文献4】特開2003−17297号公報
【特許文献5】実公平07−028496号公報
【特許文献6】特許第3980051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
現在、家庭用の空気調和機は、環境への配慮が求められ、省資源,省エネを強く要求されるようになった。加えて、使用時にも室内の環境を悪化させずに、快適にする製品が求められている。
【0015】
特許文献1では図8のように放熱部,水生成部を吹出し風路に置くので、吹出し気流が乱れ、風量の減少を招いたり、騒音の原因になったりする。また、冷房運転時には、気流の乱れで局部的な露付が発生し空気調和機の周囲を汚す恐れがある。更に、暖房時には水生成部が暖房の温風に曝されるため、水生成部の冷却が不充分となり結露し難くなり、結露水が確保できなくなる。
【0016】
特許文献2では図9のようにペルチェ素子の放熱部に放熱用のファンを備えているので、部品が余分に必要になり、装置の質量が増し、空気調和機の据付けや取扱いの時の負担が増すと共に省資源にも反する。また、これを駆動する電力も必要となり省エネにも反し、質量も増加するので燃費も悪化する。
【0017】
また、図8のように放熱部,水生成部を吹出し風路に置くので、特許文献1と同様に、種々の不都合な点がある。
【0018】
特許文献3〜6では同様に、ペルチェ素子の放熱部,吸熱部に専用のファンを備えているので、電動機などの部品が必要で、装置の質量が増し、装置の据付けや取扱いの時の負担が増す。また、これを駆動する電力も必要となる。
【0019】
本発明が解決しようとする課題は、静電霧化装置を搭載して、室内環境を快適にしつつ、省資源,軽量,省エネに適する空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明が解決しようとする課題は、熱交換器に室内空気を送風する送風ファンと、静電霧化装置と、該静電霧化装置の霧化部へ供給する霧化用水を生成する水生成部と、該水生成部を構成し空気中の水分を結露させる冷却板を冷却するペルチェ素子と、前記水生成部で得られる結露水を前記霧化部に導く導水経路と、前記送風ファンの運転により空気の吸込み口から吹出し口に流れる主気流を形成する流路と、この主気流を形成する流路の外部に形成された空気流入用の開口から前記主気流の風路壁に形成された開口までの副気流を形成する流路とを備え、前記ペルチェ素子の放熱面に設けられた放熱板と冷却面に設けられた冷却板とが、前記副気流を形成する流路の中に順に配置されてなることにより達成される。
【0021】
請求項2に記載の空気調和機は、前記放熱板と熱交換した気流が前記冷却板を配置された冷却空間と、この冷却空間に気流が流入するための冷却空間開口とを備えて成るものである。
【0022】
請求項3に記載の空気調和機は、冷却空間を形成し、該冷却空間に面して前記冷却板の面を鉛直方向に平行に設け、この冷却板の下方に間隔を空けて上記導水経路の一部を構成する吸水性水搬送部材を配置し、前記冷却板に結露した結露水を前記吸水性水搬送部材に滴下又は流下させる構成としたものである。
【0023】
請求項4に記載の空気調和機は、熱交換器に室内空気を送風する送風ファンと、静電霧化装置と、該静電霧化装置へ供給する霧化用水を生成する水生成部と、該水生成部に内蔵され、空気中の水分を結露させる冷却板を冷却するペルチェ素子と、該水生成部で得られる結露水を前記霧化部に導く導水経路と、前記送風ファンの運転により吸込み口から吹出し口に流れる主気流を形成する流路と、該吹出し口の前記ペルチェ素子側の端部から空気調和機筐体の該ペルチェ素子側の端部までの間の筐体の上下にそれぞれ設けた開口とを備え、前記送風ファン若しくはペルチェ素子の吸放熱用の送風機に通電せず、前記ペルチェ素子に通電することにより、主気流とは別の、前記複数の開口を流入口,流出口とする流路を形成する副気流を生ぜしめ、該副気流の流路中に前記ペルチェ素子の高温部に取付けられた放熱板を位置させると共に、該副気流に臨んで上下に長い冷却空間開口を有する冷却空間を形成し、該冷却空間に面して前記冷却板の面を鉛直方向に平行に設けるものである。
【0024】
請求項5に記載の空気調和機は請求項1又は請求項4の空気調和機において、前記筐体に設けた開口の一つが背面下部に開口しているものである。
【0025】
請求項6に記載の空気調和機は請求項1の空気調和機において、前記風路壁に形成された開口がフィルターと熱交換器の間の風路に開口しているものである。
【0026】
請求項7に記載の空気調和機は請求項4の空気調和機において、前記筐体に設けた開口の一つが筐体上面に開口しているものである。
【0027】
請求項8に記載の空気調和機は請求項1又は請求項4の空気調和機において、前記放熱板に放熱フィンを備え、放熱フィンの方向を鉛直方向に平行にするものである。
【0028】
請求項9に記載の空気調和機は請求項1又は請求項4の空気調和機において、前記水生成部の上方に、庇状の開口制限部材を設けるものである。
【0029】
請求項10に記載の空気調和機は請求項1又は請求項4の空気調和機において、前記冷却板が配置された冷却空間と霧化部の配置された空気吹出し口とを連通する通路を形成し、冷却空間内の空気が空気吹出し口から室内に送風される構成としたものである。
【0030】
霧化ハウジング431に、冷却板425が配置された冷却空間425cと主気流の空気吹出し口29とを連通する通路を形成している。これにより、実線矢印のとおり空気吹出し口29から送風される気流に誘引されて、冷却空間425c内の空気が霧化ハウジング431内に流出し、空気吹出し口29から室内に送風される。この冷却空間425c内の空気が霧化ハウジング431内に流出することにより、冷却空間開口425dから水生成部440が収納された筐体内部空間の空気が、冷却空間425c内に効率的に流入する。前記筐体内部空間の空気の気流は、放熱板338,放熱フィン338aにより短時間であるが加熱される。この加熱された空気が冷却空間425c内に流入するので、冬季などに空気調和機で暖房運転を開始直後のように、室内の壁面温度及び空気温度が低い場合でも、ペルチェ素子441の吸熱面側の冷却板425表面に結露した水分が凍結するを抑制できる。
【発明の効果】
【0031】
請求項1から請求項4によれば、静電霧化装置を搭載して、低騒音で室内環境を快適にしつつ、省資源,軽量,省エネに適する。
【0032】
また、請求項1,請求項2によれば、放熱フィンで暖められた空気が冷却板に流入するので、温度差が大きく、空気流が少なくても結露する量が多くなり、室内空気の温度及び湿度が低いときでも充分な結露量を確保できる。
【0033】
また、請求項3によれば、冷却板の結露に寄与しない部分を小さくし、冷却板の全面を結露に有効に使用できると共に、結露に寄与しない放熱を抑制できる。
【0034】
また、請求項4記載の空気調和機によれば、水生成部のための専用のファンが不要となり、資源を節約し、軽量化が図れる。また、水生成部ファンを運転するためのエネルギーも不要となる。
【0035】
請求項5〜請求項7によれば、外観を損なうことなく、霧化用水の供給が確実に行われる。
【0036】
請求項8によれば、放熱が効率良く行われ、水生成部が十分冷却されて、結露が順調に進み、霧化用水の供給が確実に行われる。
【0037】
請求項9によれば、水生成部で霧化用水を確実に生成できる。
【0038】
請求項10によれば、放熱板,放熱フィンにより加熱された筐体内部空間の空気が冷却空間内に効率的に流入するので、室内の壁面温度及び空気温度が低い場合でも冷却板表面に結露した水分が凍結するを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。図における同一符号は同一物または相当物を示す。
【実施例1】
【0040】
空気調和機の全体構成を、図1,図2を用いて説明する。図1は空気調和機の一例を示す構成図である。図2は同空気調和機の室内機の側断面図である。
【0041】
空気調和機1は、室内機2と室外機6とを接続配管8で接続している。室内機2は、筐体ベース21の中央部に室内熱交換器33を置き、熱交換器33の下に熱交換器33の幅と略等しい長さの横流ファン方式の送風ファン311を配置し、露受皿35等を取付けている。これらを化粧枠23で覆い、化粧枠23の前面に前面パネル25を取付けている。この化粧枠23には、室内空気を吸込む空気吸込み口27と、温湿度の調整された空気を吹出す空気吹出し口29とが上下に設けられている。吹出し風路290途中に、気流を左右方向に偏向する左右風向板295を備え、吹出し口29には、気流を上下方向に偏向する上下風向板291を備えている。
【0042】
上記送風ファン311がファンモータ313により回転すると、室内空気が室内機2に設けられた空気吸込み口27から室内熱交換器33,送風ファン311を通って空気吹出し口29から吹出される。
【0043】
筐体ベース21には、送風ファン311,フィルター231,231′,室内熱交換器33,露受皿35,上下風向板291,左右風向板295等の基本的な内部構造体が取付けられる。そして、これらの基本的な内部構造体は、筐体ベース21,化粧枠23,前面パネル25からなる筐体20に内包され室内機2を構成する。
【0044】
また、前面パネル25の下部には、運転状況を表示する表示部397と、リモコン5からの操作信号の受光部396とが配置されている。
【0045】
化粧枠23の下面に形成される空気吹出し口29は、吹出し風路290に連通しており、2枚の上下風向板291と、左右風向板295を備える。
【0046】
可動パネル251は、下部に設けた回動軸を支点として駆動モータにより回動され、空気調和機1の運転時に前面空気吸込み部230′を開くように構成されている。
【0047】
上記構成によって、空調される室内空気が流れる主風路を形成している。即ち、送風ファン311を運転することで、室内空気は空気吸込み口27から吸込まれ、フィルター231,231′を介し、室内熱交換器33にて熱交換された後、空気吹出し口29から室内に吹出される。
【0048】
次に、実施例の静電霧化装置について図3〜図9を用いて説明する。図3は実施例を示す室内機の静電霧化装置の構成の模式図、図4は同室内機の霧化装置の水生成部の左側断面図、図5は同室内機の前面パネルと化粧枠を取外した斜視図、図6は同水生成部を正面から見た断面図、図7は同水生成部の背面図、図8は図7のA−A断面図、図9は図7の部分B視図である。
【0049】
静電霧化装置42は高電圧発生装置450と、高電圧発生装置450の高電圧端子451から伸びる導電体429と、導電体429に霧化接続部424で吸水時に電気的に接触する霧化電極422及びイオン電極428と、霧化電極422に供給する水の水生成部440などで構成される。
【0050】
この高電圧発生装置450で発生させた−3kV〜−6kVの高電圧を霧化電極422及びイオン電極428に印加し、水生成部440から供給した水分を霧化電極422先端から微細粒にして且つ帯電させ放出する。また、イオン電極428からイオンを放出させる。
【0051】
実施例は、室内機2の吹出し風路側壁290cから吹出し風路290に突出させて、上記霧化電極422及びイオン電極428を収納した放出部430を設けている。
【0052】
上記水生成部440は、ペルチェ効果を利用して空気から水分を凝縮させる方式である。ペルチェ素子441の低温部442に冷却板425を、高温部444に放熱板338を取付けている。冷却板425は、図3及び図6に図示のとおり、ペルチェ素子441の低温部442に電気絶縁シート443を挟んで密着させ、周囲の空気中の水分を冷却して凝縮させる。水生成部440は、上記構成部材で構成されている。
【0053】
冷却板425の下方には、図6に図示のとおり空間を介して吸水性水搬送部材423が設けられ、冷却板425の表面に結露した結露水が滴下したのを受けて保持する。吸水性水搬送部材423は、結露した水が毛細管現象で移動するように多孔質や繊維質の素材で構成されている。吸水性水搬送部材423には、適所に穴を設けており、この穴に前記の霧化電極422の導水部422b端部を挿入する。これにより、吸水性水搬送部材423に保持された水分が、毛細管現象で導水部422bを通して霧化部422aに供給される。冷却板425の表面に結露した水を受けて保持する。上記吸水性水搬送部材423と霧化電極422の導水部422bが、結露水を前記霧化部422aに導く導水経路を構成する。
【0054】
冷却板425の面は、冷却空間425cに面すると共に鉛直方向に平行に設けられている。冷却空間425cは、背部を開口した冷却空間開口425dを形成するように、下方を結露水受け部材447、上部および冷却板425の対面を露受皿35の底部の凹所、前部を集塵ボックス収納部281eなどで覆っている。但し、冷却空間開口425dだけでは空気の流れが殆どなくなってしまい、結露水が不足するため、下方に気流を確保できる隙間を設けている。下方以外にも、組立てを容易にするための隙間が形成されているが、背面及び下方に較べれば隙間寸法は小さい。特に、冷却板425の上方の隙間は小さくしている。
【0055】
送風ファン311を駆動すると共に、静電霧化装置42を運転する場合は、高電圧発生装置450により負の高電圧を霧化電極422及びイオン電極428に印加する。
【0056】
このとき、イオン電極428から周辺の空気にむけてコロナ放電が起こり、電子が放出され、イオンが発生する。また、霧化電極422からは帯電した微細粒の水が放出され、このイオンおよび帯電した微細粒の水が吹出し風路290に放出され、吹出し気流に乗って室内に吹出され、室内空気の質を向上させるなどの効果を発揮する。
【0057】
このとき、図2,図3に図示のように送風ファン311の運転により吸込み口27から吹出し口29に流れる主気流に誘引されて、ペルチェ素子441周辺の空気に連通する筐体20の背面下部に設けた背面開口27aから、主気流のファン上流の風路壁に形成された風路壁開口27cへの副気流が生じる。この副気流とペルチェ素子441の放熱板338の放熱によって生じた上昇気流との合成気流によって、ペルチェ素子441の周りに副気流の一部を構成する気流が形成される。この副気流によって、ペルチェ素子441の高温部444から放熱が行われる。放熱により温度の上昇した副気流は主気流の風路壁に形成された風路壁開口27cを通って主気流に合流し、吹出し口29から室内に吹出される。この時、ペルチェ素子441からの放熱を良くするため、高温部444に取付けた放熱板338に放熱フィン338aを設けている。この放熱フィン338aの長寸方向を鉛直方向に略平行に設けて、ペルチェ素子441からの放熱を受けて上昇する副気流の流れをより加速している。このようにすると少ないスペースであっても、効果的な放熱が行われるようになる。
【0058】
図3から図9において白抜き矢印は、吸込み口27若しくは筐体背面開口27aから流入した空気の流れを示し、破線矢印及び実践矢印は、静電霧化装置42の水生成部440によって形成される気流の流れを示す。
【0059】
また、ペルチェ素子441への通電により、ペルチェ素子441の低温部442が低温になり、冷却板425が冷却される。この温度が冷却空間425cの露点温度より下がると、冷却空間425cの空気中の水分が冷却板425の表面に結露してくる。この冷却板425により冷却された冷却空間425c内の空気は重くなり、図3,図4,図7,図9の矢印で図示のように冷却板425に沿って下降流が生ずる。この下降流により、上記放熱フィン338aの下部背面側で暖められた空気の一部が冷却空間開口425dから冷却空間425c内に流入する。
【0060】
前記放熱フィン338aの下部背面側で暖められた空気がそのまま上昇しないように、筐体20の背面下部に設けた背面開口27aの上部部分を、図4,図7に図示のように放熱フィン338aの下部背面の空気に露出する面の直ぐ上で暖気の上昇を妨げる構造にして冷却空間425cに流入するようにしている。
【0061】
また、下降流により、冷却板425の下部に流下した冷えた空気は、図3,図4,図7,図9の矢印で図示のように、結露水受け部材447と他の部品との隙間を通って冷却空間425cの下方外部に流出し、上記放熱フィン338a内を上昇する副気流に誘引されて合流し、風路壁開口27cへ流れていく。
【0062】
また、上記冷却板425により冷却された冷却空間425c内の空気が下降流を生ずると、上記放熱フィン338aの下部背面側で暖められた空気の一部が冷却空間開口425dから冷却空間425c内に流入するので、温度差が大きく、空気流が少なくても結露する量が多くなり、室内空気の温度及び湿度が低いときでも充分な結露量を確保することができる。冷却空間425c内に流入する空気の流量が多すぎると、冷却板425の温度が露点温度以下に冷却できなくなるので、空気流量は少なく、上記のように放熱フィン338aの下部背面側で暖められた空気のように適度に高い温度の空気が流入するのが好ましい。
【0063】
このような構造にしたことによって、空気中の水分が冷却板425に移動して、結露が連続的に起こって、水の供給が充分確保できる。上記結露した水は次第に大きくなり、鉛直方向に平行に設けた冷却板425の表面を流下し、下端の冷却板屈曲部425aから下方に設けた吸水性水搬送部材423に滴下する。滴下した水滴は吸水性水搬送部材423に吸収され、毛細管現象で霧化電極422の導水部422bに達し、霧化部422aに送られる。霧化電極422に高電圧発生装置450から高電圧が印加されると、霧化部422aから帯電した微細粒の水が霧化して気流により室内空間に吹出される。霧化した帯電微細粒の水は、気流に乗って室内に充満して、前述のように室内の空気や壁,カーテン,家具等の臭気成分に脱臭効果を発揮する。
【0064】
このように、送風ファン311の運転によって筐体20背面下部の背面開口27aを通り、主気流の風路壁に形成された風路壁開口27cに流れる副気流が生じる。このため、放熱板338が副気流で冷却され、冷却板425を確実に周辺の空気の露点温度以下に制御することができる。
【0065】
また、上記冷却板425により冷却された冷却空間425c内の空気が下降流を生ずると、図4,図7,図8,図9に矢印で図示のように上記放熱フィン338aの下部背面側で暖められた空気の一部が冷却空間開口425dから冷却空間425c内に流入するので、温度差が大きく、空気流が少なくても結露する量が多くなり、室内空気の温度及び湿度が低いときでも充分な結露量を確保できる。
【0066】
但し、冷却空間開口425d寸法が大きすぎると、冷却空間425c外の空気が冷却空間425c内への流入が過剰になって、冷却板425の温度が上昇して、露点温度以下に冷却できなくなり、結露が進まなくなる。更には、冷却板425の上方に流れる気流を形成してしまう構成であると、例えば冷却空間425cの上部に大きな開口があると、風路壁開口27cに向かって直接上昇する流量の大きな気流が生じてしまうため、冷却板425の上方に流れる流路が形成されないようにしなければならない。
【0067】
しかし、最近は多機能でありながら小型化のニーズが、より一層求められている。このため、多くの部品を小さなスペースに組込まなければならず、複雑な部品形状になっており、組立てる為の部品間の隙間寸法を従来より大きくすることが必要になってきている。このため、風路壁開口27cに近く、最も影響の大きい冷却板425の上方の隙間寸法を小さくする為、庇状の開口制限部材425bを設け、結露の量に大きな影響の生じないように、その大きさを実験で確かめながら極力大きくするように決定する。これによって、結露の量に大きな影響を生じることなく且つ、組立性を犠牲にすることを抑制できる。
【0068】
次に、実施例の自動清掃装置について図4,図5,図10を用いて説明する。図10は同室内機の清掃装置の斜視図である。
【0069】
室内熱交換器33の上流側に上面空気吸込み部230及び前面空気吸込み口230′が形成されている。上面空気吸込み部230は略水平に配置され、前面空気吸込み口230′は鉛直方向に略平行に配置され、これらは室内機2の直交する二面を構成している。上面空気吸込み部230及び前面空気吸込み口230′に平面状のフィルター231,231′を設けている。フィルター231,231′は案内枠234に係着されている。案内枠234は、上面後部と前面下部にレール235,235′を備え、フィルター231,231′の交叉部に推進軸243を備えている。
【0070】
なお、同一の機能を有する部分が上面フィルター231用と、前面フィルター231′用にある場合は、前面フィルター231′用の部分に上面フィルター231用の部分の符号に「′」をつけて区別する。
【0071】
以下、フィルター231,231′の清掃装置240の動作を前面のフィルター231′を例にとって説明する。
【0072】
フィルター231′を清掃するときは推進軸243を回転させ、キャリッジ261を推進軸243の軸方向に移動させ、キャリッジ261に固定した刷毛支持枠262′を介して、刷毛支持枠262′に取付けられた軟毛の掃除用刷毛267′でフィルター231′の全面を掃く。フィルター231′上の塵埃を掃きとった掃除用刷毛267′は更に左方向に移動し、塵埃を除塵ブラシ270′に擦り付ける。
【0073】
このように、フィルター231′上の塵埃は掃除用刷毛267′で掃き寄せられ、左端の除塵ブラシ270′に達し、除塵ブラシ270′で掻き取られ、除去塵埃ホッパー281から集塵ボックス284に滴下して集塵される。こうして、塵埃は、集塵ボックス284に集塵され外部に戻ることはない。
【0074】
このとき、清掃動作の開始を、予め定めたフィルター清掃動作の条件、例えば、送風ファン311の累計運転時間が前回の清掃実行時から30時間を超え、且つ、直前の運転で送風ファン311の運転が10分以上である等の条件を満たしていれば、清掃動作を開始する。
【0075】
このように制御することにより、フィルター231′が常に塵埃の少ない状態に保たれるので、フィルター231′の汚れに起因する熱交換器33の性能低下を防ぎ、かつ、吹出し空気を清潔に保つことができる。また、静電霧化装置42で発生させた帯電した微細粒の水を横流ファンの整流された気流に乗せて室内の遠方まで運搬し、帯電した微細粒の水の脱臭作用を室内の広範囲で発現させることができる。
【0076】
集塵ボックス284内の塵埃を捨てる場合は、集塵ボックス284を外し、内部の塵埃を掻き出す。
【0077】
このような、フィルターの自動清掃装置240を備えることにより、静電霧化装置42による空気質の改善と相俟って、室内を快適に、清潔に保つことができる。
【0078】
このように、実施例の空気調和機1は、熱交換器に室内空気を送風する送風ファン311と、静電霧化装置と、該静電霧化装置へ供給する霧化用水を生成する水生成部440と、該水生成部440に内蔵され、空気中の水分を結露させる冷却板425を冷却するペルチェ素子と、該水生成部440で得られる結露水を前記霧化電極422aに導く導水経路とを備え、前記送風ファン311の運転により吸込み口から吹出し口に流れる主気流と、該吹出し口の前記ペルチェ素子441側の端部(前記主気流の風路壁)から空気調和機1の筐体20端部までの間の筐体20背面下部に設けた開口27aを入口とし、前記主気流の風路壁の上部に形成された開口27cを出口とする流路を形成する副気流を生ぜしめ、該副気流の流路中に前記ペルチェ素子441の高温部444に取付けられた放熱板338を位置させると共に、該副気流に臨んで上下に長い冷却空間開口425dを有する冷却空間425cを形成し、該冷却空間425cに面して前記冷却板425を鉛直方向に平行に設ける。
【0079】
一般に、静電霧化で微細粒の水を帯電させて室内に浮遊させると、その電荷によりラジカルが生じるなどして脱臭作用を示すことが知られている。このとき、静電霧化させる水の量が極めて僅かでも、ナノレベルの微細粒の水のため、その個数は膨大になり、脱臭効果が現れる。
【0080】
このため、静電霧化装置に供給する霧化用水の量も少なく済み、ペルチェ素子441の冷却板425に結露させるための気流の量も多くなくても良い。
【0081】
実施例の空気調和機1によれば、熱交換器に室内空気を送風する送風ファン311と、静電霧化装置と、該静電霧化装置へ供給する霧化用水を生成する水生成部440と、該水生成部440に内蔵され、空気中の水分を結露させる冷却板425を冷却するペルチェ素子441と、該水生成部440で得られる結露水を前記霧化電極422aに導く導水経路とを備え、前記送風ファン311の運転により吸込み口から吹出し口に流れる主気流と、該吹出し口の前記ペルチェ素子441側の端部(前記主気流の風路壁)から前記空気調和機1の筐体20の該ペルチェ素子441側の端部までの間の背面下方位置に設けた開口27aを入口とし、前記主気流の風路壁の上方位置に形成された開口27cを出口とする流路を形成する副気流を生ぜしめ、該副気流の流路中に前記ペルチェ素子441の高温部444に取付けられた放熱板338を位置させると共に、該副気流に臨んで上下に長い冷却空間開口425dを有する冷却空間425cを形成し、該冷却空間425cに面して前記冷却板425の面を鉛直方向に平行に設ける。
【0082】
これにより、ペルチェ素子441によって、冷却板425が冷やされ、冷却板425付近の空気中の水分が冷却板425に凝縮し、結露が生ずる。この冷却板425付近の空気は冷やされて重くなり、冷却板425に沿って下降流が生ずる。下降流により、空気が薄くなった冷却板425の上部には、それを埋めるように、冷却空間425cの空気が流入する。また、下降気流により、冷却板425の下部に溜った冷えた空気は、結露水受け部材447に遮られて、冷却空間の壁に沿って上昇し、冷却空間425cに自然対流が起きる。冷却空間開口425d付近では冷却空間425cの自然対流と冷却空間425c外の副気流が混じりあい、内外の気流の間で温度,湿度の交換が行われる。
【0083】
このようにして、副気流の水分が冷却板425に移動し、結露が連続的に起こって、霧化用水の供給が可能になる。上記冷却空間内の自然対流する冷えた空気の一部は、冷却空間425cの空気の流入量に相当する量が結露水受け部材と隣接する部材との隙間から下降して室内機の筐体下部空間に流れ出る。この筐体下部空間に流出した冷えた空気は、空気調和機1の筐体20の背面下方位置に設けた開口27aから流入した空気の一部と混ざって、放熱板338で加熱されて上昇気流となり、副気流の一部となる。
【0084】
副気流は熱交換器に室内空気を送風する送風ファン311の運転に伴って生ずる送風ファン311より上流の負圧に誘引されて引き起こされる。該吹出し口の前記ペルチェ素子441側の端部(前記主気流の風路壁)から空気調和機1の筐体20の該ペルチェ素子441側の端部までの間の背面下方位置に設けた開口27aから流入した副気流は、ペルチェ素子441の放熱板338からの熱を受け、上昇気流となって上昇し、空気調和機1上部の吸込み口から送風ファン311までの間の開口から流出し、主気流に合流し、送風ファン311に吸込まれ、空気調和機1から吹出される。このとき、上記の冷却空間開口425d付近を通る副気流は、冷却空間の自然対流と混合し、その一部が内部の自然対流と入替わる。
【0085】
この副気流の量は多くなく、冷却空間の自然対流の量も同様に少ない。しかし、前述のように、結露させるための気流の量も多くなくて良いので、静電霧化により脱臭の効果を得ることができる。なお、静電霧化により、微細粒の水が発生し、含まれるラジカルなどにより、臭いの原因物質を分解するなどするが、最終的には、水蒸気となって室内空気に戻るので、一見加湿の効果も有るように見えるが、もともと、霧化用水を室内空気から得ているので加湿の効果は生じない。
【0086】
このように、空気調和用の送風ファン311を運転し、ペルチェ素子441に通電することにより、冷却空間と冷却空間外の空気を流動させるので、水生成部440のための専用のファンが不要となり、資源の節約および軽量化が図れる。また、水生成部440専用のファンを運転するためのエネルギーも不要となる。
【0087】
このため、静電霧化装置を搭載して、室内環境を快適にしつつ、省資源,軽量,省エネに適する空気調和機1を提供することができる。
【0088】
また、実施例の空気調和機1は、前記筐体に設けた開口の一つが背面下部に開口している。
【0089】
これにより、使用者の目に付かない背面に開口することで、外観を損なうこと無く、副気流の入口を設けることができ、ペルチェ素子441の放熱による上昇気流が円滑に形成される。これにより水生成部440が充分冷却されて、結露が順調に進む。
【0090】
このため、外観を損なうこと無く、霧化用水の供給が確実に行われる空気調和機1を提供することができる。
【0091】
また、実施例の空気調和機1は、前記風路壁に形成された開口27cがフィルターと熱交換器の間の風路に開口している。
【0092】
これにより、使用者の目に付かない内部に開口することで、外観を損なうこと無く、副気流の出口を設けることができ、上述と同様に、霧化用水の供給が確実に行われる空気調和機1を提供することができる。
【0093】
また、実施例の空気調和機1は、前記放熱板338に放熱フィンを備え、放熱フィンの長寸方向を鉛直方向に略平行にする。
【0094】
これにより、副気流の生成が、送風ファン311の運転に伴う誘引力およびペルチェ素子441の放熱板338からの放熱に伴う気流の熱膨張による上昇力によって生ずる。この副気流が放熱フィン338aに沿ってスムーズに上方に流れ、放熱が円滑に行われる。
【0095】
このため、放熱板338の冷却が効率良く行われ、水生成部440が十分冷却されて、結露が順調に進み、霧化用水の供給が確実に行われる空気調和機1を提供することができる。
【0096】
また、実施例の空気調和機1は、前記水生成部440の上方に、庇状の開口制限部材425bを設けた。
【0097】
一般に、ペルチェ素子441の冷却板425の温度は放熱板338での放熱の良否と冷却板425が受ける熱負荷の大小によって定まる。放熱の良否と熱負荷の大小は熱交換部を流れる気流の単時間あたりの量と、気流と熱交換部との温湿度の差によって定まる。
【0098】
冷却板425周囲の空気中の水分を結露させる場合、冷却板425の温度を露点温度以下にする必要がある。実施例の場合、熱交換部に入る気流の温度は室内空気の温度とほぼ等しく、調整することはできない。また、放熱板338を流れる気流は多いほうが放熱が良好になって、冷却板425の温度を下げるのに効果があるが、冷却板425を流れる気流は多すぎると、冷却板425の熱負荷が大きくなり過ぎて冷却板425の温度が上がり、露点温度を超えて結露が生じなくなる。逆に、冷却板425を流れる気流が少なすぎると、結露は生じるものの結露の絶対量が少なくなり、十分な量の霧化用水を供給できなくなる。
【0099】
また、実施例の場合、冷却板425を流れる気流の温度,湿度は冷却板425での吸熱量,結露量と、冷却空間開口425dでの副気流との混合によって交換される熱量,水分量とのバランスによって決まり、交換される熱量,水分量は冷却空間開口425dの形状、開口面積によって増減する。送風ファン311の運転や、放熱板338による自然対流によって生ずる副気流が変化すると冷却板425での結露の量が変化することが実験により確認されている。このため、放熱板338に流れる気流は十分な量を確保して、冷却板425に流れる気流と副気流との混合量を適正にする工夫が必要になる。
【0100】
実施例の空気調和機1によれば、前記水生成部440の上方に、庇状の開口制限部材425bを設ける。
【0101】
これにより、冷却板425を流れる気流と副気流との混合による温湿度の交換が適正な範囲になるように、開口制限部材425bの大きさを変えて実験し、効果を確かめながら、開口制限部材425bの大きさを決定することができる。この開口制限部材425bの大きさは、水生成部440の上方隙間を小さくなるように極力大きくしている。但し、この開口制限部材425bの大きさは、隣接する部材との隙間寸法を組立て性も考慮して決める必要がある。
【0102】
このように開口制限部材425bを設けることにより、冷却板425の温度を露点温度以下になるようにすることができる。このため、水生成部440で霧化用水を確実に生成できる空気調和機1を提供することができる。
【実施例2】
【0103】
実施例2は副気流の出口の位置を実施例1の主気流の送風ファン311上流の風路壁に形成された開口27cから、筐体20の上面に変えたものである。具体的な位置の図示を省略するが、図10の筐体20の上面に設けられた除塵ブラシ270の左側の上面若しくは除塵ブラシ270と空気吸込み部230との間の上面に開口させるのが望ましい。
【0104】
実施例2における副気流は、ペルチェ素子441の駆動に伴なう高温部444の放熱板338からの放熱による上昇気流で生ずる。このため、空気調和機の熱交換器に室内空気を送風する送風ファン311を運転していない状態でも、静電霧化装置42を運転し、ペルチェ素子441を駆動することで、帯電した微細粒の水を室内に放出し、室内の空気の質を高めることができる。
【0105】
このように、実施例の空気調和機は、熱交換器に室内空気を送風する送風ファン311と、静電霧化装置と、該静電霧化装置へ供給する霧化用水を生成する水生成部440と、該水生成部440に内蔵され、空気中の水分を結露させる冷却板425を冷却するペルチェ素子441と、該水生成部440で得られる結露水を前記霧化電極422aに導く導水経路と、前記送風ファン311の運転により吸込み口から吹出し口に流れる主気流と、前記吹出し口の前記ペルチェ素子441側の端部から前記空気調和機の該ペルチェ素子441側の端部までの間の筐体の上下にそれぞれ設けた開口とを備え、前記ペルチェ素子441の吸放熱用の送風機無し若しくは送風機に通電せず、前記ペルチェ素子441に通電することにより、主気流とは別の、前記複数の開口を流入口,流出口とする流路に副気流を生ぜしめ、該副気流の流路中に前記ペルチェ素子441の高温部444に取付けられた放熱板338を位置させると共に、該副気流に臨んで上下に長い冷却空間開口425dを有する冷却空間を形成し、該冷却空間に面して前記冷却板425の面を鉛直方向に平行に設ける。
【0106】
これにより、副気流はペルチェ素子441の駆動による放熱板338に生ずる上昇気流によって引き起こされる。前記吹出し口の前記ペルチェ素子441側の端部から空気調和機筐体の該ペルチェ素子441側の端部までの間の筐体下方の開口27aから流入した副気流の大部分は、ペルチェ素子441の放熱板338からの熱を受け、上昇気流となって上昇し、該吹出し口の端部から空気調和機筐体の端部までの間の上方に設けられた開口27cから流出する。
【0107】
このとき、冷却空間開口425d付近を通る副気流は、上記の冷却空間の自然対流と混合し、その一部が内部の自然対流と入替わる。
【0108】
このように、ペルチェ素子441に通電することにより、冷却空間と冷却空間外の空気を流動させる副気流が生じるので、水生成部440のための専用のファンが不要となり、資源を節約し、軽量化が図れる。また、水生成部440用のファンを運転するためのエネルギーも不要となる。
【0109】
また、水生成部440のためのファンが無いので、空気調和機が冷房,暖房,除湿,送風等の運転をしていないときでも静電霧化装置だけの運転ができ、低騒音で室内を脱臭して質の高い環境に維持することができる。
【0110】
このため、静電霧化装置を搭載して、低騒音で室内環境を快適にしつつ、省資源,軽量,省エネに適する空気調和機を提供することができる。
【0111】
また、実施例の空気調和機は、前記筐体に設けた開口の一つが筐体上面に開口している。
【0112】
これにより、使用者の目に付かない上面に開口することで、外観を損なうこと無く、副気流の出口を設けることでき、ペルチェ素子441の放熱による上昇気流が円滑に形成され、水生成部440が十分冷却されて、結露が順調に進む。
【0113】
このため、外観を損なうこと無く、霧化用水の供給が確実に行われる空気調和機を提供することができる。
【実施例3】
【0114】
図3,図6,図9に図示の冷却板425の形状および大きさを変えた実施例を、図11,図12,図13により説明する。
【0115】
図11,図12は水生成部を室内機の正面から見た部分断面図で、ペルチェ素子441の大きさと略同じ大きさの平板形状の冷却板425を用いたものである。図13も水生成部を室内機の正面から見た部分断面図で、図3,図6,図9に図示の冷却板425を屈曲部425aのない平板形状を用いたものである。
【0116】
冷却板425に凝縮した空気中の水分は、吸水性水搬送部材423,吸水性水搬送部材423aなどの導水経路を経て、霧化電極422に供給される。霧化電極422の霧化部422aで霧化した水分は、吹出し風路290の気流と共に室内に吹出される。上記吸水性水搬送部材423aは、吸水性水搬送部材423と冷却板425との隙間を補って、上記冷却板425に凝縮した水を導水する。
【0117】
冷却板425の大きさは、ペルチェ素子441の大きさに対応した略同じ位の大きさが望ましい。ペルチェ素子441の大きさに較べて、小さ過ぎると結露する面積が減少してしまう。大き過ぎるとペルチェ素子441から離れた部分で温度が露点温度まで下がらない場合が想定される。このように、冷却板425の大きさが大き過ぎると、必要以上にスペースを大きくとる若しくは必要以上に冷却しなければならず、消費電力を多く要することになる場合がある。これは結露条件の悪い地域或いは季節によって結露する環境が大きく変化する地域で、問題になる虞がある。ペルチェ素子441の大きさに較べて大きい部分が冷却板425の下部に位置する場合は、冷却板425の温度が露点温度以下の部分で結露して流下する水滴が、この下部の露点温度より高い部分に至るとスムースに流下し難くなる。
【0118】
したがって、冷却板425の大きさがペルチェ素子441の大きさ(或いは冷却能力)に対応しない程に大き過ぎる場合は、結露した水滴が吸水性水搬送部材423aまで流下若しくは落下するのを妨げることになる。これは、露点温度以下の部分では、結露が進行して水滴が大きくなるため、重力によりスムースに流下するが、露点温度より高い部分では結露しないため、水滴が表面張力により流下し難くなるからである。特に、図6の冷却板425のように、冷却板425の下端に屈曲部425aを有するものは、結露条件の悪い地域若しくは環境下で使用する際に屈曲部425aで結露せず、且つ屈曲部425aの傾斜面を流下しなければならず、鉛直な面に較べて流下し難くなり、吸水性水搬送部材423への水の供給が不充分になる虞がある。
【0119】
これを解消する為には、ペルチェ素子441の冷却熱量を多くするように印加電力を制御すればよいが、その分だけ消費電力を多く要することになる。
【0120】
図11,図12に示す実施例は、図6に図示の冷却板425下端の屈曲部425aの無いものとした。これによって、ペルチェ素子441で直接冷却されない屈曲部425aでの放熱がなくなり、実施例1に較べて結露する部分の温度が低くなり、結露量が多くなる。更には、屈曲部425a、即ち傾斜面を流下しないことから、結露した水滴がスムースに流下若しくは落下し、導水経路の一部を構成する吸水性水搬送部材423aへの水の供給を容易に出来る。
【0121】
また、図12,図13に示す実施例は、霧化ハウジング431に、冷却板425が配置された冷却空間425cと霧化部422aの配置された主気流の空気吹出し口29とを連通する通路を形成している。これにより、実線矢印のとおり空気吹出し口29から送風される気流に誘引されて、冷却空間425c内の空気が霧化ハウジング431内に流出し、空気吹出し口29から室内に送風される。この冷却空間425c内の空気が霧化ハウジング431内に流出することにより、冷却空間開口425dから水生成部440が収納された筐体内部空間の空気が、冷却空間425c内に効率的に流入する。前記筐体内部空間の空気の気流は、放熱板338,放熱フィン338aにより短時間であるが加熱される。この加熱された空気が冷却空間425c内に流入するので、冬季などに空気調和機で暖房運転を開始直後のように、室内の壁面温度及び空気温度が低い場合でも、ペルチェ素子441の吸熱面側の冷却板425表面に結露した水分が凍結するを抑制できる。
【0122】
図13実施例は、ペルチェ素子441の大きさを越えた冷却板425の下部の部分に、吸水性水搬送部材423aを接触させ、冷却板425から吸水性水搬送部材423aに結露水がスムーズに流れるようにした。しかし、図13のような構成は、結露条件の良い地域或いは環境で使用するには適しているが、冷却板425の結露面の一部が吸水性水搬送部材423aで覆われるため、冷却板425の一部が有効に使われない、或いは、第一の実施例程ではないがペルチェ素子の大きさを越えた冷却板425の下部で結露に寄与しない放熱があるので、消費電力の抑制の点では図11,図12に示す実施例と較べると不充分である。
【0123】
以上のことから、結露条件の悪い地域で使用する構成は、図11,図12に示す実施例のように、冷却板425の結露に寄与しない部分を小さくし、また、図13で検討した吸水性水搬送部材423aが接触する部分を冷却板425から除去して、吸水性水搬送部材423aを冷却板425の下部と離して配置する構成が適している。図11,図12の構成は、冷却板425の全面を結露に有効に使用できると共に、結露に寄与しない放熱を抑制できる。
【0124】
図11,図12のように、上記冷却板425の下方に間隔を空けて設けられた吸水性水搬送部材423aは、冷却板425の表面に結露して、滴下又は流下してくる水を受ける。この吸水性水搬送部材423a,423は、導水経路の一部を構成するものであり、結露した水が毛細管現象で移動するように多孔質や繊維質の素材で構成されている。吸水性水搬送部材423には、適所に穴を設け、この穴に前記の霧化電極422の一端の導水部422bを挿入する。これにより、吸水性水搬送部材423の毛細管現象により導びかれた水が、導水部422bを通して霧化部422aに供給される。
【0125】
以上説明したように、請求項1−3記載の空気調和機によれば、空気調和用の送風ファンを運転し、ペルチェ素子に通電することにより、冷却空間と冷却空間外の空気を流動させるので、水生成部のための専用のファンが不要となり、資源の節約および軽量化が図れる。また、水生成部専用のファンを運転するためのエネルギーも不要となる。
【0126】
このため、静電霧化装置を搭載して、室内環境を快適にしつつ、省資源,軽量,省エネに適する空気調和機を提供することができる。
【0127】
また、請求項3によれば、冷却空間を形成し、該冷却空間に面して前記冷却板の面を鉛直方向に平行に設け、この冷却板の下方に間隔を空けて上記導水経路の一部を構成する吸水性水搬送部材を配置し、前記冷却板に結露した結露水を前記吸水性水搬送部材に滴下又は流下させる構成としている。これにより、冷却板の結露に寄与しない部分を小さくし、冷却板の全面を結露に有効に使用できると共に、結露に寄与しない放熱を抑制できる。
【0128】
また、請求項4記載の空気調和機によれば、送風ファン若しくはペルチェ素子の吸放熱用の送風機に通電せず、前記ペルチェ素子に通電することにより、主気流とは別の、前記複数の開口を流入口,流出口とする流路に副気流を生ぜしめ、該副気流の流路中に前記ペルチェ素子の高温部に取付けられた放熱板を位置させると共に、該副気流に臨んで上下に長い冷却空間開口を有する冷却空間を形成し、該冷却空間に面して前記冷却板の面を鉛直方向に平行に設けている。
【0129】
これにより、冷却空間と冷却空間外の空気を流動させるので、水生成部のための専用のファンが不要となり、資源を節約し、軽量化が図れる。また、水生成部ファンを運転するためのエネルギーも不要となる。
【0130】
また、水生成部のためのファンが無いので、空気調和機が冷房,暖房,除湿,送風等の運転をしていないときでも静電霧化装置だけの運転ができ、低騒音で室内を脱臭して質の高い環境に維持することができる。
【0131】
このため、静電霧化装置を搭載して、低騒音で室内環境を快適にしつつ、省資源,軽量,省エネに適する空気調和機を得ることができる。
【0132】
また、請求項5記載の空気調和機によれば、請求項1又は請求項4の空気調和機において、前記筐体に設けた開口の一つが背面下部に開口している。
【0133】
これにより、使用者の目に付かない背面に開口することで、外観を損なうこと無く、副気流の入口を設けることでき、ペルチェ素子の放熱による上昇気流が円滑に形成され、水生成部が十分冷却されて、結露が順調に進む。
【0134】
このため、外観を損なうこと無く、霧化用水の供給が確実に行われる空気調和機を得ることができる。
【0135】
また、請求項6記載の空気調和機によれば、請求項1の空気調和機において、前記風路壁に形成された開口がフィルターと熱交換器の間の風路に開口している。
【0136】
これにより、使用者の目に付かない内部に開口することで、外観を損なうこと無く、副気流の出口を設けることでき、上述と同様に、外観を損なうこと無く、霧化用水の供給が確実に行われる空気調和機を得ることができる。
【0137】
また、請求項7記載の空気調和機によれば、請求項4の空気調和機において、前記開口の一つが筐体上面に開口している。
【0138】
これにより、使用者の目に付かない上面に開口することで、上述と同様の空気調和機を得ることができる。
【0139】
また、請求項8記載の空気調和機によれば、請求項1又は請求項4の空気調和機において、前記放熱板に放熱フィンを備え、放熱フィンの長寸方向を鉛直方向に略平行(鉛直)にする。
【0140】
これにより、副気流の生成が熱交換器に室内空気を送風する送風ファンの運転に伴う誘引力や、前記放熱板からの放熱に伴う気流の熱膨張による上昇力によって生ずる副気流が放熱フィンに沿ってスムーズに上方に流れ、放熱が円滑に行われる。
【0141】
このため、放熱板の冷却が効率良く行われ、水生成部が十分冷却されて、結露が順調に進み、霧化用水の供給が確実に行われる空気調和機を得ることができる。
【0142】
また、請求項9記載の空気調和機によれば、請求項1又は請求項4の空気調和機において、前記水生成部の上方に、庇状の開口制限部材を設ける。
【0143】
これにより、冷却板を流れる気流と副気流との混合による温湿度の交換が適正な範囲になるように、開口制限部材の大きさを変えて実験し、効果を確かめながら、開口制限部材の大きさを決定することができる。
【0144】
このため、水生成部で霧化用水を確実に生成できる空気調和機を得ることができる。
【0145】
請求項10によれば、請求項1又は請求項4の空気調和機において、冷却板が配置された冷却空間と霧化部の配置された空気吹出し口とを連通する通路を形成し、冷却空間内の空気が空気吹出し口から室内に送風される構成とした。これにより、放熱板,放熱フィンにより加熱された筐体内部空間の空気が冷却空間内に効率的に流入するので、室内の壁面温度及び空気温度が低い場合でも冷却板表面に結露した水分が凍結するのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】空気調和機の一例を示す構成図。
【図2】同空気調和機の室内機の側断面図。
【図3】実施例を示す室内機の静電霧化装置の構成模式図。
【図4】同霧化装置の水生成部を示す左側断面図。
【図5】同室内機の水生成部を示す斜視図。
【図6】同水生成部を室内機の正面から見た部分断面図。
【図7】同水生成部の背面図。
【図8】図7のA−A断面図。
【図9】図7の部分B視図。
【図10】同室内機の清掃装置の斜視図。
【図11】図6と別な例の水生成部を室内機の正面から見た部分断面図。
【図12】図6,図11と別な例の水生成部を室内機の正面から見た部分断面図。
【図13】図6,図11,図12と別な例の水生成部を室内機の正面から見た部分断面図。
【符号の説明】
【0147】
1 空気調和機
2 室内機
5 リモコン
6 室外機
8 接続配管
20 筐体
21 筐体ベース
23 化粧枠
25 前面パネル
27 空気吸込み口
27a 筐体背面開口
27b 筐体背面補助開口
27c 風路壁開口
29 空気吹出し口
33 室内熱交換器
35 露受皿
37 ドレン配管
42 静電霧化装置
230,230′ 空気吸込み部
231,231′ フィルター
251 可動パネル
262,262′ 刷毛支持枠
267,267′ 掃除用刷毛
270,270′ 除塵ブラシ
281 除去塵埃ホッパー
281e 集塵ボックス収納部
284 集塵ボックス
284c ツマミ部
290 吹出し風路
290c 吹出し風路側壁
291 上下風向板
295 左右風向板
311 送風ファン
313 送風モータ
338 放熱板
338a 放熱フィン
340 内部流動空間
341 水源内気風路
343 水源内気風路壁
396 受光部
397 表示部
422 霧化電極
422a 霧化部
422b 導水部
423 吸水性水搬送部材
423a 吸水性水搬送部材
424 霧化接続部
425 冷却板
425a 冷却板屈曲部
425b 開口制限部材
425c 冷却空間
425d 冷却空間開口
428 イオン電極
429 導電体
430 放出部
431 霧化ハウジング
439 導電部
440 水生成部
441 ペルチェ素子
442 低温部
443 絶縁シート
444 高温部
447 結露水受け部材
450 高電圧発生装置
451 高電圧端子
452 接地端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器に室内空気を送風する送風ファンと、静電霧化装置と、該静電霧化装置の霧化部へ供給する霧化用水を生成する水生成部と、該水生成部を構成し空気中の水分を結露させる冷却板を冷却するペルチェ素子と、前記水生成部で得られる結露水を前記霧化部に導く導水経路と、前記送風ファンの運転により空気の吸込み口から吹出し口に流れる主気流を形成する流路と、この主気流を形成する流路の外部に形成された空気流入用の開口から前記主気流の風路壁に形成された開口までの副気流を形成する流路とを備え、前記ペルチェ素子の放熱面に設けられた放熱板と冷却面に設けられた冷却板とが、前記副気流を形成する流路の中に順に配置されてなることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
請求項1において、前記放熱板と熱交換した気流が前記冷却板を配置された冷却空間と、この冷却空間に気流が流入するための冷却空間開口とを備えて成ることを特徴とする空気調和機。
【請求項3】
請求項1において、冷却空間を形成し、該冷却空間に面して前記冷却板の面を鉛直方向に平行に設け、この冷却板の下方に間隔を空けて上記導水経路の一部を構成する吸水性水搬送部材を配置し、前記冷却板に結露した結露水を前記吸水性水搬送部材に滴下又は流下させる構成を特徴とする空気調和機。
【請求項4】
熱交換器に室内空気を送風する送風ファンと、静電霧化装置と、該静電霧化装置の霧化部へ供給する霧化用水を生成する水生成部と、該水生成部に内蔵され、空気中の水分を結露させる冷却板を冷却するペルチェ素子と、該水生成部で得られる結露水を前記霧化部に導く導水経路と、前記送風ファンの運転により吸込み口から吹出し口に流れる主気流を形成する流路と、該吹出し口の前記ペルチェ素子側の端部から空気調和機筐体の該ペルチェ素子側の端部までの間の筐体の上下にそれぞれ設けた開口とを備え、前記送風ファン若しくはペルチェ素子の吸放熱用の送風機に通電せず、前記ペルチェ素子に通電することにより、主気流とは別の、前記複数の開口を流入口,流出口とする流路を形成する副気流を生ぜしめ、該副気流の流路中に前記ペルチェ素子の高温部に取付けられた放熱板を位置させると共に、該副気流に臨んで上下に長い冷却空間開口を有する冷却空間を形成し、該冷却空間に面して前記冷却板の面を鉛直方向に平行に設けることを特徴とする空気調和機。
【請求項5】
請求項1又は請求項4において、前記筐体に設けた開口の一つが背面下部に開口していることを特徴とする空気調和機。
【請求項6】
請求項1の空気調和機において、前記風路壁に形成された開口がフィルターと熱交換器の間の風路に開口していることを特徴とする空気調和機。
【請求項7】
請求項4の空気調和機において、前記筐体に設けた開口の一つが筐体上面に開口していることを特徴とする空気調和機。
【請求項8】
請求項1又は請求項4の空気調和機において、前記放熱板に放熱フィンを備え、放熱フィンの方向を鉛直方向に平行にすることを特徴とする空気調和機。
【請求項9】
請求項1又は請求項4の空気調和機において、前記水生成部の上方に、庇状の開口制限部材を設けることを特徴とする空気調和機。
【請求項10】
請求項1又は請求項4の空気調和機において、冷却板が配置された冷却空間と霧化部の配置された空気吹出し口とを連通する通路を形成し、冷却空間内の空気が空気吹出し口から室内に送風される構成としたことを特徴とする空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−133603(P2009−133603A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94460(P2008−94460)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】