説明

空港内で航空機の地上移動を補助するためのシステム

本発明は、操縦室表示ユニット(7)上で、航空機の位置を示す航空機シンボル(8)と地図部分(9)とを含む一組の表示(10)を表示する表示装置を備えるシステムに関するもので、その地図部分(9)は、空港を示し、空港内での航空機の現在の位置にしたがって航空機シンボル(8)に関連して移動する。航空機シンボル(8)は、標準ディスプレイの中央位置(12)で操縦室表示ユニット(7)上に固定されている。本発明のシステムはまた、航空機シンボル(8)を操縦室表示ユニット(7)上を移動させるように、標準ディスプレイを非作動にする作動手段と、表示された航空機シンボル(8)が中央位置(12)から離れるように、操縦室表示ユニット(7)上の一組の表示(10)を一時的に移動させるようにコントロールするための作動手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空港内で航空機の地上移動を補助するためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
これに限ったものではないが、本発明は、操縦室の監視スクリーン、例えば、
‐ ND(ナビゲーション・ディスプレイ)型、これは、飛行中に、その航空機に望ましいルート図を提供するために、航空機の飛行計画およびその飛行計画における航空機の位置をグラフィックで示すために通常の方法で使用される操縦スクリーン、または、
‐ OIT(搭載情報ターミナル)型、すなわち、多機能で、特に航空機の電子文書を表示するために用いられる搭載情報スクリーンを備えるシステムに適用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の枠内では、空港内での移動を補助するためのシステムは、
航空機の現在位置を決定する少なくとも1つの手段と、
‐ 前記航空機が位置している空港の少なくとも1つの地図製作用データベースと、
‐ 少なくとも第1のタイプの、表示モードを表示することのできる、少なくとも1つの操縦室監視スクリーン(cockpit viewing screen)からなるディスプレイ装置であって、前記操縦室監視スクリーンが少なくとも、
・ 航空機の現在位置を示し、所定の中心位置に固定されている航空機のシンボルと、
・ 前記航空機の位置する空港を少なくとも部分的に表す地図の一部であって、それは移動可能で、航空機の動きに連動して、標準ディスプレイにより、前記空港内での航空機の現在位置に一致するよう、固定された航空機シンボルに対して移動するものを提示する。
【0004】
通常の方法では、第1のタイプの表示モードは、アーク(arc)と呼ばれる通常モードまたはローズ(rose)と呼ばれる通常モードでもよい。
【0005】
一般に、操縦室監視スクリーンは、またプランモードと呼ばれる第2のタイプの表示モードを表示することもできる。プランモードでは、操縦室監視スクリーンが、固定されている少なくとも1つの補助地図部分と移動可能な(航空機の現在位置を表す)補助シンボルを提示する。そのようなプランモードによって、更に操縦者、特に航空機のパイロットが、表示された地図部分を自分の望む方向や幅で移動できる。アークモードやローズモードでは、その表示が、固定された航空機シンボルを中心に保持したままになっているので、その2つのモードではこのような自由な動きは不可能である。
【0006】
さて、空港内での移動中にパイロットは、航空機の現在位置から遠くに移動する為の情報を判断することがよく要求される。例えば、地上滑走に備えたり、操縦を予測したりすることなどである。プランモードであれば、このような場合、パイロットは、空港内の必要な部分を表示するために地図を移動させれば十分であるので、そのような情報判断は容易に達成することができる。
【0007】
その一方でアークモードやローズモードでは、パイロットが、飛行機からの距離が、その表示モードの選択されたスケール通りに表示されている距離よりも遠い位置にある情報を考慮しなければならない場合、次のどちらかを行わなくてはならない。
‐ 空港のより重要な区域を表示するためにスケールを修正する。しかし、詳細な表示レベルは選択したスケールに左右されるので、そうすることによってパイロットは相当量の情報を失うことになる。
‐ 情報を考慮するためにプランモードに切り替える。しかし、その場合表示はもはや航空機中心にはなっておらず、その結果もはやシステムは移動補助というその主要な機能を適切には果たさないため、空港内を移動中は、この方法は推奨されずまた好ましくもない。
【0008】
本発明は、空港内で航空機の地上移動を補助するためのシステムに関するものであり、これによって上記欠点の解消が可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明によると、このタイプの前記システムは、
‐ 航空機の現在位置を決定する少なくとも1つの手段と、
‐ 少なくとも、前記航空機の位置している空港の、少なくとも1つの地図製作用データベースと、
‐ 少なくとも1つの操縦室監視スクリーンからなるディスプレイ装置であって、その監視スクリーンは少なくとも第1のタイプの表示モードを表示することができ、そのタイプでは前記操縦室監視スクリーンが一組の航行表示を提供し、その航行表示は少なくとも、
・ 航空機の前記現在位置を示す航空機シンボル(しるし)と、
・ 空港を少なくとも部分的に示す地図の一部であり、空港内の航空機の現在位置に一致して前記航空機シンボルに対して移動するように移動可能であって、常に航空機の動きに連動しているものと、
その航空機シンボルが、標準ディスプレイ内で、所定の中央位置で前記操縦室監視スクリーンに固定されているものにおいて、更に、
‐ 前記操縦室監視スクリーン上の前記航空機シンボルが移動できるように、前記標準ディスプレイを非作動にするように、オペレータが作動できる第1の作動手段と、
‐ 第1の作動手段が作動しているとき、表示された航空機シンボルがその後前記中央位置にないように、前記操縦室監視スクリーン上の前記一組の航行表示の一時的な動きをコントロールするためにオペレータが作動できる第2の作動手段とを備え、
前記第1の作動手段の休止により自動的に前記標準ディスプレイへと戻ることを特徴とする。
【0010】
このように、本発明によって、オペレータ、特に航空機の操縦士は、表示(標準ディスプレイ)が原則的に固定された航空機シンボルを原則的には中心としている、上記の第1のタイプの表示モードで(特に表示地図部分と航空機シンボルとからなる)表示された前記一組の航行表示を動かして、特に、もともと表示領域の外側にあった情報を求めることができる。そのような第1のタイプの表示モードは、航空機の全周囲(ローズモード)または、最小では航空機の前方部分(アークモード)にある要素に関する情報を提供するので、空港内を移動中、操縦士を補助するのに大変効果的である。
【0011】
さらに、オペレータによってコントロールされる移動は、完全に一時的な移動である。特に、最初の作動手段の作動後すぐに、表示装置は自動的に標準ディスプレイに戻り、一組の航行表示(つまり情報判断)を動かすための作動後すぐに、操縦士は、以下の航空機シンボルを中心とし、したがって空港内滑走に適した(標準)ディスプレイを利用できる。
【0012】
その結果、本発明によるシステムによって、操縦士に、空港内での移動に必要な通常の情報を一回で同時に提供することと、空港内の非表示部分についての情報を(一時的に)調査することができ、それによって、前記欠点を解消することを可能にする。
【0013】
特定の実施例では、前記表示装置は、複数の異なる表示モードを別々に連続して表示できるように形成されており、前記システムはさらに、表示モードを変更するためにオペレータが作動できる第3の作動手段を備える。
【0014】
本発明によると、前記表示装置は、第1のタイプの表示モードとして、
‐ (前記中央位置に)固定された航空機シンボルが操縦室監視スクリーンの下部に位置するアークと称されるモードであって、前記航空機シンボルを中心に、いくつかの円弧があるものと、
‐ (前記中央位置に)固定された航空機シンボルが操縦室監視スクリーンの中央に位置するローズと称されるモードであって、いくつかの円が航空機シンボルを中心としているものとを表示できるように形成されている。
【0015】
さらに、特定の実施例では、前記表示装置は、さらに、第2のタイプの表示モード、特にプランモードと呼ばれるモードを表示できるように形成されており、このモードでは、操縦室監視スクリーンは、固定されている少なくとも1つの補助地図の一部と、移動可能な、航空機の現在位置を示す航空機補助シンボルとを提供する。
【0016】
さらに、好ましい実施例では、第1および第2の作動手段は作動ユニットの一部を形成する。
【0017】
この場合、前記作動ユニットは、
‐ 操縦室監視スクリーンのカーソルをコントロールするマウス、および/または、
‐ 前記第2の作動手段に対応する移動矢印を備えたキーを有するキーボード、および/または、
‐ 英数キーからなるキーボード、および/または、
‐ 前記操縦室監視スクリーンのタッチ感知領域からなるのが好ましい。
【0018】
さらに、特定の実施例では、表示装置が、操縦室監視スクリーンが一組の航行表示として、固定されている少なくとも1つの補助地図の一部と、航空機の現在位置を示す移動可能な航空機の補助シンボルとを提供する第2のタイプの表示モードを表示するとき、前期作動ユニットは、上記一組の航行表示を移動できるようにするように形成されている。
【0019】
さらに、本発明によるシステムが制御手段を備え、前記第1の作動手段が作動すると自動的に起動し、もし前記第2の作動手段が制御手段の起動後に、所定の持続時間の間作動しなかった場合は自動的に標準ディスプレイに戻ることが望ましい。この所定の持続時間は、例えば5秒の持続時間T1であり、KCCU型(または「トラックボール」)の第1の作動手段が、トグリング(toggling)の前に、0から1である通常のブーリアン“CCD KEYLCK”の値を利用する。このことは、オペレータが、持続時間T1が終わる前に、第2の作動手段(ボールの移動)を作動することなく、第1の作動手段(KCCUクリック)を作動させた場合、標準ディスプレイが元に戻ることを意味する。また、第1の作動手段が所定の持続時間T2、例えば30秒間で、それに対する秒読みが第2の作動手段の作動とともに始まり、その後もなお休止しない場合、標準ディスプレイへ戻ることを予想することも考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
添付の図は、本発明が実施する方法を明瞭に説明する。これらの図では、同一符号は同一要素を示す。
本発明による、図1で略示されたシステム1は、航空機、特に輸送航空機のパイロツトを、空港での前記航空機の地上移動(滑走)中、補助することを意図している。
【0021】
したがって、前記システム1は、
‐ 通常の方法で、空港内での航空機の少なくとも現在位置を決定するための手段2と、
‐ 少なくとも前記航空機のある空港内のデジタル型の地図製作用データからなるデータベース3と、
‐ 連結器5および6によって、各々前記手段2およびデータベース3とに連結されていて、少なくとも1つの操縦室監視スクリーン7からなる表示装置4を備えるものからなる。
【0022】
この操縦室監視スクリーン7は、少なくとも第1のタイプの表示モードを表示することができ、そのモードでは、前記操縦室監視スクリーン7は、図2から図4で示されるように、少なくとも、
‐ 前記手段2から受信した航空機の現在位置を示す、航空機シンボル8と、
‐ 少なくとも部分的に空港を表す地図部分9とからなる、一組の移動表示10を提示し、この地図部分9は、空港の要素、特に、例えば滑走路、誘導路、またはアクセスリンクウェイのような滑走通路11A、11B、11C、11D、11Eを示し、操縦室監視スクリーン7上で移動可能で、前記航空機シンボル8を空港内の航空機の実際の現在位置に一致して動かせるように、常に航空機の動きに連動している。
【0023】
さらに、標準ディスプレイによると、前記航空機シンボル8は下記の所定の中央位置12、13に固定されている。移動可能な地図部分9はしたがって、前記固定された航空機シンボル8に対して動く。
【0024】
本発明によると、前記システムはさらに、
‐ 連結手段15によって前記表示装置4に連結されていて、前記操縦室監視スクリーン7上で航空機シンボル8が動けるように前記標準ディスプレイを非作動にするために、オペレータ、特に航空機の操縦士によって作動できる上記の作動手段14と、
‐ 同じく下記に述べられている作動手段16で、連結手段17によって前記表示装置4に連結されていて、前記作動手段14が前もって作動されていると、航空機シンボル8が前記中央位置12、13に位置しないように、操縦室監視スクリーン7上の一組の航行表示10の一時的な動きをコントロールするために、オペレータによって作動できるものを備える。そのように移動している間、航空機シンボル8は、空港内の航空機の実際の現在位置に一致するよう前記地図部分9に連携されているように動く。
【0025】
この動きは一時的のみである。特に、前記作動手段14のいかなる休止、すなわちその作動手段14のいかなる停止も、自動的に、航空機シンボル8が前記中央位置12,13に固定されている前記標準ディスプレイへ戻ることになる。
【0026】
よって、この本発明によるシステム1によって、オペレータ、特に航空機の操縦士は、表示された一組の(特に前記地図部分9と前記航空機シンボル8とからなる)航行表示10を動かして、特に、最初は操縦室監視スクリーン7の表示領域の外側にあった情報を、ディスプレイ(前記標準ディスプレイ)が、原則として固定されている航空機シンボル8を原則的に中心として位置する第1のタイプの表示モードで求めることができる。そのような第1のタイプの表示モードは、下記のように、航空機の現在位置に近接している情報を提供するので、空港航行中操縦士を補助するのに大変有効である。
【0027】
さらに、作動手段14の休止後すぐに、表示装置4は自動的に標準ディスプレイ4に戻り、一組10(つまり情報判断)を動かすための作動後すぐに、操縦士が(対応する中央位置12、13に)固定された航空機シンボル8を中心とする(標準)ディスプレイを利用できるので、オペレータによってコントロールされる動きは一時的な動きである。
【0028】
その結果、本発明のシステム1によって、一度かつ同時に、
‐ 空港内移動に必要な通常の情報を操縦士に提供すること(標準ディスプレイ)と、
‐ 空港内の非表示の部分での(一時的な)情報(一組10の移動)検索ができることが可能となる。
【0029】
さらに、オペレータによってコントロールされる移動は、特にオペレータによる操縦室監視スクリーン7の監視的モニタリングが快適になされるように、連続的な動きであることが望ましい。
【0030】
特定の実施例では、前記表示装置4は、複数の異なる表示モードを別々に、かつ連続して表示することができるように形成されており、前記システム1は、さらに、連結手段19によって表示装置4に連結され、表示モードを変更するためにオペレータによって作動されることのできる通常の作動手段18を備える。
【0031】
本発明によると、前記表示装置4は、第1のタイプの表示モードとして、特に、アークと呼ばれる通常モードを表示できるように形成されており、そのモードでは、前記航空機シンボル8は、図2で示される通り、操縦室監視スクリーン7の垂直方向で下部に、水平方向で中央部に位置する、固定された中央位置12を示す。この航空機シンボル8の方向は上向きである。さらに、この航空機シンボル8はいくつかの円弧21の中心に位置し、それによって通常の方法で、方向のスケールと距離のスケールが決定される。したがって図2は、アークモードに関する通常の標準ディスプレイに対応する。
【0032】
図3は、図2の標準ディスプレイに基づいて、本発明に従ってコントロールされた、一組の移動表示10の動きを説明する。この場合、航空機シンボル8は、当初中央位置12に固定されてもいないし位置してもおらず、移動して中央部をはずれた位置22にある。一組の移動表示10の動きによって、前記標準ディスプレイでは表示されなかった空港内の少なくとも1つの領域23を表示し、よって、例えば建物や滑走路などの、空港の他の要素24を明示することができる。したがって、このコントロールされた動きによって、操縦士が、最初は表示されなかった空港の部分(領域23)についての情報を考慮することができる。
【0033】
さらに、表示装置4は、第1のタイプの表示モードとして、図4に示されたローズと呼ばれるモードを表示することができるようにも形成されており、そのモードでは航空機シンボル8は、操縦室監視スクリーン7の中心(位置13)に固定されて位置する。この航空機シンボル8の方向は上向きである。前記航空機シンボル8と同心のいくつかの円25は、迅速かつ目に見えるように距離と方向を測定する基準スケールを提供する。標準ディスプレイによると、地図部分9は移動可能で、航空機の動きに連動して空港内の航空機の現在位置に一致して、前記固定された航空機シンボル8を移動させる。
【0034】
前記のように、本発明のシステム1によって、図5に示される通り、表示された航空機シンボル8が前記中央位置(中央位置13)に位置しないで、中央をはずれて移動した位置26に来るように、前記操縦室監視スクリーン7上で一組の移動表示10を一時的に動かすために、操縦士は前記標準ディスプレイを非作動にすることができる。
【0035】
したがって、そのような動きによって、空港の、新しい要素24からなる、少なくとも1つの当初非表示であった領域23を表示することが可能となる。
【0036】
さらに、望ましい実施例では、前記作動手段14および16は、作動ユニット27の一部を形成する。
【0037】
本発明の構成内において、前記作動ユニット27は、特に、
‐ 操縦室監視スクリーン7のカーソルをコントロールする通常のマウス、および/または、
‐ 英数キーからなる通常のキーボード、および/または、
‐ 特に移動矢印のついたキーを備える通常のキーボードであり、これらの移動矢印が、前記作動手段16に対応する。この場合、例えば、
・ 上向きの矢印の作動は、一組の移動表示10の下方への動きを生じさせ、
・ 下向きの矢印の作動は、一組の移動表示10の上方への動きを生じさせ、
・ 右向きの矢印の作動は、一組の移動表示10の左方向への動きを生じさせ、
・ 左向きの矢印の作動は、一組の移動表示10の右方向への動きを生じさせる
ことを把握することができる。
【0038】
さらに、矢印の各作動によって(垂直または平行の)作動した矢印を開放としての、例えば操縦室監視スクリーン7の半分の長さまたは半分の幅という所定の距離に沿う、(その対応する方向への)移動を起こさせることを把握できる。上記作動ユニット27は更に、操縦室監視スクリーンのタッチ感知領域を含み、この場合、標準ディスプレイを非作動にするためには、(前記作動手段14を表す)感知性操縦室監視スクリーン7に、例えば指または適切な通常の手段で触れれば十分であり、一組10を動かすためには、前記操縦室監視スクリーン7に接触している前記要素(指や適切な手段)を動かすだけで十分である。
【0039】
さらに、前記表示装置4は、プランモード(図示略)と呼ばれる第2のタイプの表示モードを表示できるように形成されており、プランモードでは、操縦室監視スクリーン7は、少なくとも
‐ 固定された補助地図部分と、
‐ 航空機の現在位置を示し、前記固定された補助地図部分上を移動可能である航空機補助シンボルとを提示する。
【0040】
この場合、望ましい実施例では、前記作動ユニット27はまた、表示装置4がそのようなプランモードを表示するとき、一組の移動表示10をオペレータが動かせるようにも形成されている。
【0041】
加えて、本発明によるシステム1は、さらに、前記作動手段14が作動したときに自動的に起動する制御手段(図示略)を備え、その制御手段の起動後、前記作動手段16が所定の持続時間の間作動しなかった場合、自動的に標準ディスプレイに戻ることをコントロールする。この所定の持続時間は、例えば5秒の持続時間T1であり、例えばKCCU型(または「トラックボール」)の作動手段14は、トグリング(toggling)の前に、通常のブーリアン“CCD KEYLCK”の0から1の値を使用する。このことは、オペレータが、持続時間T1が終わる前に、作動装置16(ボールの移動)を作動せずに、作動手段14(KCCUクリック)を作動させた場合、標準ディスプレイが元に戻ることを意味する。また、作動手段14が所定の持続時間T2、例えば30秒間、それに対する秒読みは作動手段16の作動後に始まり、その後もなお止まっていなかった場合、標準ディスプレイへ戻ることも把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明によるシステムの概略図である。
【図2】アーク型の表示モードを表示する操縦室監視スクリーンを、標準ディスプレイと組み合わせて図式的に示す。
【図3】本発明方式により、表示された地図の一部の一時的な動きに従う図2と同様の操縦室監視スクリーンを示す。
【図4】ローズ型の表示モードを表示する操縦室監視スクリーンを、標準ディスプレイと組み合わせて図式的に示す。
【図5】本発明方式による、表示された地図の一部の一時的な動きに従う、図4と同様の操縦室監視スクリーンを示す。
【符号の説明】
【0043】
1…航空機の地上移動を補助システム、2…現在位置の決定手段、3…地図製作用データベース、4…表示装置、7…操縦室監視スクリーン、8…航空機シンボル、9…地図部分、10…移動表示、12・13…中央位置、14…第1の作動手段、16…第2の作動手段、18…第3の作動手段、21…円弧、25…円、27…作動ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港内の航空機の地上移動を補助するためのシステムであって、前記システム(1)が、
‐ 航空機の現在位置を決定する少なくとも1つの手段(2)と、
‐ 少なくとも前記航空機が位置している空港の、少なくとも1つの地図製作用データベース(3)と、
‐ 少なくとも第1のタイプの表示モードを表示することができる、少なくとも1つの操縦室監視スクリーン(7)を備える表示装置(4)からなり、その第1のタイプの表示モードでは、前記操縦室監視スクリーン(7)が、少なくとも、
・ 航空機の現在位置を示す航空機シンボル(8)と、
・ 少なくとも空港を部分的に表す地図部分(9)であって、その地図部分は、移動可能で、前記空港内での航空機の現在位置に一致して前記航空機シンボル(8)に対して動くことがでるように、常に航空機の動きに連携しているもので、その前記航空機シンボル(8)は、標準ディスプレイ内の所定の中央位置(12、13)で操縦室監視スクリーン(7)に固定されているものにおいて、
前記システム(1)は、さらに、
‐ 操縦室監視スクリーン(7)上で前記航空機シンボル(8)を動かせるように、前記標準ディスプレイを非作動にするために、オペレータが作動できる、第1の作動手段(14)と、
‐ 前記第1の作動手段(14)が作動しているとき、表示された航空機シンボル(8)が前記中央位置(12、13)に位置しないように、前記操縦室監視スクリーン(7)上で上記一組の移動表示(10)の一時的な動きをコントロールするためにオペレータが作動できる、第2の作動手段(16)とを備え、前記第1の作動手段(14)の休止で自動的に前記標準ディスプレイへ戻ることを特徴とするもの。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記表示装置(4)が、複数の異なる表示モードを別々かつ連続的に表示できるように形成されており、前記システム(1)がさらに、表示モードを変えられるようにオペレータが作動できる第3の作動手段(18)を備えることを特徴とするもの。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシステムであって、前記表示装置(4)が、第1のタイプの表示モードとして、前記固定された航空機シンボル(8)が操縦室監視スクリーン(7)の下部に位置し、いくつかの円弧(21)が前記航空機シンボル(8)を中心に形成されるアークと呼ばれるモードを表示できるように形成されていることを特徴とするもの。
【請求項4】
請求項1または2に記載のシステムであって、前記表示装置(4)が、第1のタイプの表示モードとして、前記固定された航空機シンボル(8)が操縦室監視スクリーン(7)の中央に位置し、いくつかの円(25)が前記航空機シンボル(8)を中心として形成されるローズと呼ばれるモードを表示できるように形成されていることを特徴とするもの。
【請求項5】
請求項1または2に記載のシステムであって、前記表示装置(4)が、プランモードと呼ばれる、操縦室監視スクリーン(7)が、固定されている少なくとも1つの補助地図部分と、航空機の現在位置を示す移動可能な航空機の補助シンボルとを提示する、第2のタイプの表示モードを表示できるように形成されていることを特徴とするもの。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載のシステムであって、前記第1および第2の作動手段(14、16)が作動ユニット(27)の一部を形成することを特徴とするもの。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、前記作動ユニット(27)が、操縦室監視スクリーン(7)のカーソルをコントロールするマウスを備えることを特徴とするもの。
【請求項8】
請求項6または7に記載のシステムであって、前記作動ユニット(27)が、前記第2の作動手段(16)に対応する移動矢印のついたキーを備えたキーボードからなることを特徴とするもの。
【請求項9】
請求項6から8までのいずれか1項に記載のシステムであって、前記作動ユニット(27)が、英数キーを備えたキーボードからなることを特徴とするもの。
【請求項10】
請求項6から9までのいずれか1項に記載のシステムであって、前記作動ユニット(27)が、前記操縦室監視スクリーン(7)のタッチ感知領域を備えることを特徴とするもの。
【請求項11】
請求項6から10までのいずれか1項に記載のシステムであって、前記作動ユニット(27)は、表示装置(4)が、第2のタイプの表示モードを表示するとき、一組の移動表示を動かせるように形成され、その第2のタイプの表示モードでは、操縦室監視スクリーン(7)が、一組の移動表示として、固定されている少なくとも1つの補助地図部分と、航空機の現在位置を示す移動可能である航空機補助シンボルとを提示することを特徴とするもの。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項に記載のシステムであって、さらに、前記第1の作動手段(14)が作動したとき、自動的に起動するコントロール手段を備え、前記コントロール手段の起動後、第1の所定の持続時間の間、前記第2の作動手段(16)が作動しなかった場合、自動的に標準ディスプレイに戻るようコントロールすることを特徴とするもの。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項に記載のシステムであって、前記第2の作動手段(16)の作動後、前記第1の作動手段(14)が、第2の所定の持続時間後、休止しない場合、自動的に標準ディスプレイに戻るコントロールをするよう形成されていることを特徴とするもの。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれ1項に記載されたシステム(1)を備えることを特徴とする航空機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−537220(P2008−537220A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504795(P2008−504795)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000690
【国際公開番号】WO2006/106211
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(506355257)エアバス フランス (117)
【Fターム(参考)】