説明

空調機及び純水製造システム

【課題】滴下水や結露水に溶け込んだTOC濃度を低減させる空調機及び純水製造システムを提供する。
【解決手段】空調機を循環させる水を貯留する貯水槽34内には、水溶液中の有機炭素、すなわちTOCを分解するためにUV光を照射するUVランプ34aを配設している。さらに、貯水槽34内の水分中にマイクロバブル又はマイクロナノバブルを発生させるために、UVランプ34aに近接する位置に微細気泡発生器34bを配設する。これにより、微細気泡発生器34bが貯水槽34内の水分中にマイクロバブル又はマイクロナオバブルを発生させるので、UVランプ34aによるTOCの酸化分解を促進させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機から排出されるドレン水を再利用するシステムに係り、滴下水や結露水に溶け込んだ水溶性有機物質起因のTOC濃度を低減させる空調機及び純水製造システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、超微細化が進む半導体デバイス等の製造工程においては、空気中に含まれる分子状汚染物質(AMC:Airborne Molecular Contaminants)に対する制御が必要とされており、ケミカルフィルタを設置するなど、種々の対策が実施されている。
【0003】
また、AMC対策の一つとして、温湿度調整及び処理空気中に含まれる不純物の除去を同時に行うことができる水膜を備えた空調機が用いられている。このような水膜を備えた空調機としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られており、ガス不純物の除去システムとして図10に示すように構成されている。なお、図10は、特許文献1の発明をより簡略化して表したものである。
【0004】
すなわち、処理空気の取入口及び供給口を有するチャンバ(図示せず)の内部に、プレフィルタ1、中性能フィルタ2、加熱コイル3、冷却コイル4、ガス不純物の除去装置10、送風機5が順次設けられている。
【0005】
また、前記ガス不純物の除去装置10は、送風方向に沿って複数段(ここでは、4段)に設けられた第1の水膜11〜第4の水膜14を備えており、各段の水膜には上方から液体(純水)が滴下される。すなわち、最下流に配設された第4の水膜14に、流量調整バルブ19を備えた純水供給ライン20を介して液体を滴下し、その滴下水を第1〜第4の水膜11〜14の下部に配設された水膜水槽21に貯留し、ポンプ15〜17によって、前記水膜水槽21から順次上流側の水膜13、12、11の上部に循環供給する。そして、第1の水膜11まで液体を供給した後、その排水が排水管18を介してオーバーフロー方式により排出されるように構成されている。
【0006】
一方、取入口からチャンバの内部に導入された処理対象となる空気は、プレフィルタ1、中性能フィルタ2、加熱コイル3及び冷却コイル4を介して、上記ガス不純物の除去装置10に供給される。そして、処理対象となる空気は、このガス不純物の除去装置10において、第1〜第4の水膜11〜14と接触し、ガスの拡散運動によりその空気中に含まれるガス不純物が除去される。
【0007】
この場合、処理対象となる空気は、まず、第1の水膜11と接触し、ここである程度ガス不純物が除去される。そして、最後に、清浄な純水が供給される第4の水膜14と接触するため、水溶性のガス不純物が非常に効率良く除去されるというものである。
【特許文献1】特開2004−216296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記のようなAMC湿式除去システムやその他の省エネ外調機では、排出されるドレン水を純粋製造用原水の一部として再利用する循環系を備えていることが多い。ここで、排出されたドレン水を再利用する際に、ドレン水中の全有機炭素量(TOC:Total Organic Carbon)濃度が高いことにより、ガス不純物の除去装置中の水膜にダメージを与えてしまうことが問題となっている。すなわち、複数段の水膜に滴下する水中のTOC濃度が高いことで、水膜の吸着能力が低下し、AMCの除去効率が著しく低下していた。また、この水膜が気化式加湿用の材料としても機能するため、TOCが当該材料に影響を及ぼす可能性も否めなく、所定の加湿能力を発揮することできないケースも見受けられた。
【0009】
本発明は、上記の問題を解消するために提案されたものであり、その目的は、滴下水や結露水に溶け込んだ水溶性有機物質起因のTOC濃度を低減させた空調機及び純水製造システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、温湿度調整又は浄化に用いる水の循環系を有する空調機であって、前記循環系は、循環させる水を貯留する貯水槽を備え、前記貯水槽には、貯留した水分中にマイクロバブル又はマイクロナノバブルを発生させる微細気泡発生器と、貯留された水に紫外線を照射するUVランプと、が配設されたことを特徴とする。
【0011】
以上のような態様では、UVランプにより、マイクロバブル又はマイクロナノバブルを含有する水中にUV光を照射するため、TOCの酸化分解が促進され、貯水槽内のTOC濃度が低下する。そのため、空調機内の温湿度調整や浄化作用に利用する水膜や気化式加湿用の材料に与えるTOCによるダメージを低減させることが可能となる。
【0012】
請求項2に係る発明では、請求項1に記載の空調機において、前記UVランプは、前記貯水槽内の前記微細気泡発生器近傍に設置されたことを特徴とする。
【0013】
以上のような態様では、UVランプが貯水内に設置された微細気泡発生器に近接しているため、マイクロバブル又はマイクロナノバブルを含む水分に対して直接UV光を照射することが可能となる。そのため、TOCの酸化分解が促進し、TOC濃度を効率よく低減させることができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の空調機において、前記微細気泡発生器にマイクロバブル又はマイクロナノバブルの発生源となる空気を供給するための空気供給ラインが接続され、前記空気供給ラインは、粒子除去フィルタ、カチオン除去フィルタ、アニオン除去フィルタ、有機物質除去フィルタのうち少なくとも一つを備えることを特徴とする。
【0015】
以上のような態様では、微細気泡発生器へ供給する空気の浄化を図ることができるので、外気を当該バブル発生器への供給源とすることで空気中に含まれる粒子や分子状の汚染物質が貯水槽に供給されるといった問題を解消することができる。すなわち、汚染物質を含有するバブルが貯水槽内に供給されると、当該バブルが循環系を流れてしまうので、需要者に対して汚染物質が放出される危険性が高まる他、気中と液中間での濃度勾配が小さくなり、水膜などによる分子状汚染物質の除去率の低下を招く恐れがある。そのため、上記の態様により、微細気泡発生器へ供給する空気を粒子除去フィルタなどを用いて除去し、当該空気を浄化することで上記問題を解決を図っている。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の空調機において、温湿度調整と空気浄化の少なくとも一方に利用する水膜を備え、前記空気供給ラインに供給する空気が、前記水膜を通過した空気であることを特徴とする。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項3に記載の空調機において、前記水膜の下流に汚染物質除去用のケミカルフィルタを備え、前記空気供給ラインに供給する空気は、前記ケミカルフィルタを通過した空気であることを特徴とする。
【0018】
以上のような態様では、空気供給ラインを流れ、微細気泡発生器へ供給する空気中の汚染物質が除去されているので、空気供給ラインに設置したカチオン除去フィルタ及びアニオン除去フィルタの寿命を延ばすことが可能となる。また空気供給ラインに供給される空気の純度が高い場合には、カチオン除去フィルタ及びアニオン除去フィルタの設置が不要となるため、イニシャルコストの低減を図ることができる。
【0019】
請求項6に係る発明は、請求項1又は2に記載の空調機において、前記UVランプは、前記貯水槽内に貯留された水に対し、常時、紫外線を照射することを特徴とする。
【0020】
以上のような態様では、マイクロバブル又はマイクロナノバブルを含有した水に常時UV光を照射することができるので、UV光による酸化分解が促進し、TOCの濃度の低減を図ることができる。
【0021】
請求項7に係る発明は、請求項1又は2に記載の空調機において、前記UVランプは、前記貯水槽内に貯留された水に対し、紫外線を間欠照射することを特徴とする。
【0022】
以上のような態様では、UVランプが貯水槽内の水にUV光を照射することにより得られるTOC濃度の低減という効果は、通常、UV光を常時照射することにより発揮されるものであるが、UV光を間欠照射することで動力を削減し、省エネ化を可能とする空調機を提供することができる。
【0023】
請求項8に係る発明は、請求項1又は2に記載の空調機において、前記循環系は、水を循環させるためのポンプを備え、前記UVランプは、前記貯水槽内に貯留された水に対し、前記ポンプの動作に連動して紫外線を照射することを特徴とする。
【0024】
以上のような態様では、空調機内の水を循環させるために使用するポンプの動作に連動させてUV光を照射することにより、空調機を使用していない状態での無駄な動力を削減し、省エネルギー化を図ることができる。具体的には、貯水槽から排出され、空調機内を循環させる水の動力源となるポンプの駆動時に、UV光を照射させ、当該ポンプの停止に合わせてUV光の照射も停止するものとする。
【0025】
請求項9に係る発明は、請求項1又は2に記載の空調機において、前記循環系は、流れる水のTOC濃度を計測するTOC計を備え、前記UVランプは、前記貯水槽内に貯留された水に対し、前記TOC計により計測されたTOC濃度に基づいて紫外線を照射することを特徴とする。
【0026】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の空調機において、前記TOC計は、前記循環系内の前記貯水槽に設置されていることを特徴とする。
【0027】
以上のような態様では、TOC計により計測したTOC濃度をもとにUVランプの発停を調整することができるので、UVランプの寿命を延ばすことができ、また省エネルギー化を図ることが可能となる。具体的には、貯水槽内の計測したTOC濃度が高い場合にUVランプを通じて貯留された水に対しUV光を照射し、計測されたTOC濃度が低い場合にUVランプの照射を停止する。
【0028】
請求項11に係る発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の空調機において、前記循環系の前記貯水槽には、オゾンを発生させるオゾン発生器が設けられたことを特徴とする。
【0029】
以上のような態様では、微細気泡発生器により発生したマイクロバブル又はマイクロナノバブルを含有する水中にオゾンを発生させることができるので、当該バブルがオゾンの殺菌効果を飛躍的に向上させる。また、マイクロバブルとマイクロナノバブルは、自己加圧効果を有するので、濃度の低いオゾンを供給するとしても作用時には高圧化された条件でオゾンが作用する。そのため、高圧化したオゾンと吸着する物質が作用するので、低いオゾン濃度でも汚染物質を分解することが可能となる。さらには、オゾン発生器によりオゾン濃度を高めることができるので、UV光によるオゾン生成処理の負荷が軽減し、TOC分解作用の効率の向上が期待できる。
【0030】
請求項12に係る発明は、温湿度調整又は浄化に用いる水の循環系を有する空調機であって、前記循環系は、循環させる水を貯留する貯水槽を備え、前記貯水槽には、貯留した水分中にマイクロバブル又はマイクロナノバブルを発生させる微細気泡発生器と、オゾンを発生させるオゾン発生器と、が配設されたことを特徴とする。
【0031】
以上のような態様では、請求項11に係る発明と同様に、微細気泡発生器により発生したマイクロバブル又はマイクロナノバブルを含有する水中にオゾンを発生させることができるので、当該バブルがオゾンの殺菌効果を飛躍的に向上させる。また、当該バブルは、自己加圧効果を有するので、濃度の低いオゾンを供給するとしても作用時には高圧化された条件でオゾンと吸着する物質が作し、低いオゾン濃度でも汚染物質を分解することが可能となる。
【0032】
請求項12に係る発明は、水を貯留する貯水槽と、前記貯水槽内に貯留された水から純水を生成する純水製造装置を備えた純水製造システムにおいて、前記貯水槽には、貯留した水分中にマイクロバブル又はマイクロナノバブルを発生させる微細気泡発生器と、貯留された水に紫外線を照射するUVランプと、が配設されたことを特徴とする。
【0033】
以上のような態様では、空調機だけでなく、単に純水を製造するシステムにおいても、貯水槽内のマイクロバブル又はマイクロナノバブルを含有する水に対し、UVランプによりUV光を照射することができるので、貯留水中のTOCの酸化分解が促進され、貯水槽内のTOC濃度が低下する。これにより、純水製造装置内の水膜などに与えるダメージを軽減することが可能となる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、マイクロバブル又はマイクロナノバブルにより、UVランプを用いたTOCの酸化分解が促進され、貯水槽内のTOC濃度を低下させることが可能となる。これにより、空調機内の温湿度調整や浄化作用に利用する水膜や気化式加湿用の材料に与えるダメージを低減することができ、かつAMCの除去性能及び加湿性能等の低下を防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
[1.本発明の実施形態]
以下、本発明の実施の形態の一例として、従来技術で示した温湿度調整及び不純物の除去可能な水膜を備えた空調機について、図面を参照して具体的に説明する。また、図10に示した従来技術と同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0036】
なお、本実施形態では、汚染物質であるAMCが除去可能で尚且つ加湿も行う水膜を有する空調機を提供しているが、本発明はこれに限定するものでなく、AMCの除去作用を有しない気化式加湿又は除湿用の材料を使用してもよく、また水膜と気化式加湿用又は除湿用の材料を併用する実施形態も包含するものとする。
【0037】
すなわち、本発明の特徴は、空調機の熱交換コイルや水膜などの気化式加湿用の材料である温湿度調整や浄化に用いる構成にあるのではなく、熱交換コイルや水膜のなどの気化式加湿用の材料の上方から滴下する滴下水や結露水の水分中に含まれるTOC濃度を低減させることにある。従って、以下で説明する空調機の構成に関して、温湿度調整や浄化に用いる手段は従来型とほぼ同様であり、空調機内に水を循環させる循環系の一部として設置する貯水槽の内部及び周辺の構成に技術的特徴を有するものである。
【0038】
[1.1.構成]
(1)全体構成例
図1は、従来技術として述べた水膜を有する空調機を例に取り、本発明に係るドレン水の循環系を有する空調機の全体構成を示す模式図である。
なお、本実施形態の空調機は、図10の従来技術と同様に、第1の水膜11〜第4の水膜14の下部に、水膜水槽21が配設されており、この水膜水槽21には、滴下水を循環供給するためのポンプ15〜17も設置されている。なお、冷却コイル4の下部にドレインパンを設け、水膜水槽21からの滴下水を当該コイルに循環供給するようにした構成や、純水供給ライン20から冷却コイル4に直接滴下水を供給するよう構成したものであってもよい。
【0039】
また、この水膜水槽21には、水槽内の水位を検出する水位センサ31が設置されると共に、排水管18には排水ポンプ32が取り付けられ、水位センサ31により所定量のドレン水を貯水槽34に排出するよう制御されている。なお、この貯水槽34には、貯水槽34内の水位を検出する水位センサ33が設置され、この水位センサ33により水道水が供給されるよう設置された供給調整弁35が制御される。
【0040】
このドレン水を貯留する貯水槽34は、純水製造装置37に接続されており、貯水槽34内のドレン水の排水管に設置された定圧ポンプ36を介して当該純水製造装置37に供給される。すなわち、水膜水槽21から排出されたドレン水は、貯水槽34に貯留され、この貯留されたドレン水を定圧ポンプ36を介して吸引し、純水製造装置37に供給されることで純水が生成され、純粋供給ライン20から第4の水膜14に滴下するよう循環系が構成されている。
【0041】
なお、処理空気の取入口及び供給口を有するチャンバ(図示せず)の内部に、プレフィルタ1、中性能フィルタ2、加熱コイル3、冷却コイル4、ガス不純物の除去装置10、送風機5が順次設けられている点は、図10に示す従来技術と同様の構成をしている。
【0042】
さらに、ガス不純物の除去装置10も、従来技術と同様であり、送風方向に沿って複数段(ここでは、4段)に設けられた第1の水膜11〜第4の水膜14を備え、各段の水膜には上方から水が滴下されるように構成されている。ここで、各段の水膜に液体を滴下する手段としては、第1〜第4の水膜11〜14の内、最下流に配設された第4の水膜14に、純粋供給調整弁19を備えた純水供給ライン20を介して純水を滴下し、その滴下水を第1〜第4の水膜11〜14の下部に配設された水膜水槽21に貯留し、ポンプ15〜17によって、水膜水槽21から順次上流側の水膜13、12、11の上部に供給する。
【0043】
(2)貯水槽の構成例
次に、本発明の技術的特徴点である貯水槽34及び貯水槽34周辺の構成について図2に基づき説明する。まず、この貯水槽34内には、水溶液中の有機炭素、すなわちTOCを分解するためにUV光を照射するUVランプ34aを配設している。また、このUVランプ34aは、例えば、高い照射エネルギーを有する185nmと254nmの波長を発光する低圧水銀ランプが使用される。なお、このUVランプ34aの設置場所は貯水槽34内に限定せず、図3、4のような設置位置でも可能である。
【0044】
例えば、一般的なハンディ型のUVランプ34aを貯水槽34内に設置する他、図3のように、ライン型UVランプ34aを貯水槽34から純水製造装置37へ水を供給する排水管途中に設置する態様でも可能である。また、図4のように、後述するマイクロバブル又はマイクロナノバブルを発生させるために、別途貯水槽34の水を循環させる循環ラインと定圧ポンプを設置し、その循環ライン上にライン型のUVランプ34aを配設した構成としてもよい。すなわち、貯水槽34周辺の水の循環系内にUVランプ34aを配設することにより、水分中のTOCが分解されるため、水膜に与えるダメージが抑制されることとなる。
【0045】
さらに、図2のように、貯水槽34内には、UVランプ34aの他に、微細気泡発生器34bが設置されている。微細気泡発生器34bは、貯水槽34内の水を用いてマイクロバブル又はマイクロナノバブルを発生させるものであり、これによりUVランプ34aによるTOCの酸化分解を促進させることが可能となる。ここで、マイクロバブルとは、発生時に気泡の直径が主に10Mm〜数十Mmの微細な気泡のことをいい、マイクロナノバブルとは、さらに気泡径がナノサイズ(nm)の気泡のことをいう。
【0046】
なお、マイクロバブル又はマイクロナノバブルを発生させる手段として本実施形態では、水と空気を超高速で旋回させることで当該バブルを発生させる超高速旋回方式を用いているが、超音波方式や加圧溶解法等を採用することも可能であり、これに限定するものではない。
【0047】
ここで、本発明が利用している超高速旋回方式とは、微細気泡発生器34b内を超高速で旋回させることにより、旋回気体空洞部を形成させ、その旋回気体空洞部を発生器内部と出口付近に生じた旋回速度差により切断することでマイクロバブル又はマイクロナノバブルを発生させるものである。また、このバブルを発生させるために、バブル発生器34bに接続された空気供給ライン22を通じて空気を自吸させ、動力として用いたポンプにより水を循環させている(図2〜図4)。
【0048】
なお、この微細気泡発生器34bは、発生したマイクロバブル又はマイクロナノバブルが直接UVランプ34aから照射されたUV光と接触するようにUVランプ34aの近接に配置される。もちろん、貯水槽34内の微細気泡発生器34b近傍にUVランプ34aを設置した構成も包含する。
【0049】
(3)TOC分解原理
次にUVランプ34aによるTOCの分解原理について説明する。TOCの酸化分解には、通常の単結合であれば解離エネルギーは271kJ/mol(CO−O)〜532kJ/molのエネルギーを有する。ここで、照射するUV光のエネルギーが有機化合物の結合エネルギーよりも高いとき、すなわち解離エネルギーよりも高いときに分子結合が切断される可能性が高くなる。
【0050】
そのため、波長が短くなると照射エネルギーは増加するので、185nmで647kJ/mol、254nmで471kJ/molのエネルギーを有する185nmと254nmの波長のUV光がTOCの酸化分解には有効である。すなわち、185nmの波長のUV光を水分中に照射することにより、酸素を分解し、オゾンを発生させる。そして、254nmの波長のUV光を利用することによりオゾンを分解して、高エネルギーの活性酸素であるヒドロキシラジカルを生成する。これにより、生成されたヒドロキシラジカルが有機化合物と反応して、TOC分解を引き起こし、水分中のTOC濃度を低減させる。具体的な化学反応式は、以下のようである。
【0051】
[数1]

【0052】
[1.2.作用]
以上のような構成を有する本実施形態の外調機は、以下のように作用する。
まず、第4の水膜14に純水供給ライン20を介して常時、純水が供給され、その滴下水を第1〜第4の水膜11〜14の下部に設置された水膜水槽21に貯留し、ポンプ15〜17によって、前記水膜水槽21から順次上流側の水膜13、12、11の上部に供給する。なお、構成によっては、冷却コイル4に滴下水を供給することも可能である。そして、第1の水膜11まで供給し、水膜水槽21に貯留されたドレン水は、排水管18を介して貯水槽34に排出され、純水製造装置37に供給される。そのため、この純水製造装置37により純水が生成されるので、当該純水が純水供給ライン20を介し、水膜に供給されることで空調機内を循環する。
【0053】
一方、取入口からチャンバの内部に導入された処理対象となる空気は、プレフィルタ1、中性能フィルタ2、加熱コイル3及び冷却コイル4を介して、上記ガス不純物の除去装置10に供給される。そして、処理対象となる空気は、このガス不純物の除去装置10において、第1〜第4の水膜11〜14と接触し、ガスの拡散運動によりその空気中に含まれるガス不純物が除去される。
【0054】
ここで、純水供給ライン20を介して第4の水膜14に滴下する純水の供給源であり、かつドレン水を貯留する貯水槽34における、UVランプ34a及びマイクロナノバブル34bを用いたTOCの分解作用について図2に基づき説明する。
【0055】
まず、微細気泡発生器34bが空気供給ライン22を通じて空気を自吸し、ポンプで水を循環してマイクロバブル又はマイクロナノバブルを貯水槽34内に発生させる。そして、微細気泡発生器34bに近接されたUVランプ34aが、マイクロバブル又はマイクロナノバブルを含む貯水槽34内の水にUV光を照射し、水分中に含まれるTOCを酸化分解することにより、水分中のTOC濃度を低減させる。
【0056】
具体的には、185nmの波長のUV光により酸素を分解することでオゾンを発生させ、254nmの波長のUV光を照射することにより発生させたオゾンを分解する。これにより、高エネルギーの活性酸素であるヒドロキシラジカルを生成することができる。そのため、このヒドロキシラジカルが有機化合物と反応して、TOC分解を引き起こし、水分中のTOC濃度を低減させる。
【0057】
図3のように、ライン型のUVランプ34aを、貯水槽34から純水製造装置37に接続された排水管途中に設置した場合には、微細気泡発生器34bにより発生したマイクロバブル又はマイクロナノバブルを含有するドレン水を定圧ポンプ36により吸引し、純水製造装置37へ供給する途中の排水管内でUVランプ34aからUV光を照射する。そのため、当該バブルを含有するドレン水中のTOCの酸化分解が促進し、水分中のTOC濃度を低減させることができる。
【0058】
また、図4のように、ライン型のUVランプ34aを、微細気泡発生器34bに貯水槽34内の水を循環させる排水管途中に設置する場合には、以下のように作用する。すなわち、バブル発生用のポンプにより貯水槽34から循環するドレン水に対し、ライン型UVランプ34aがUV光を照射し、これにより水分中のTOCを酸化分解する。その後に、微細気泡発生器34bから当該TOC濃度が低減した水分中にマイクロバブル又はマイクロナノバブルを発生させて貯水槽34内に送出する。
【0059】
以上のような図2〜4に基づく本実施形態によれば、マイクロバブル又はマイクロナノバブルにより、UVランプ34aを用いたTOCの酸化分解が促進され、貯水槽34内のTOC濃度を低下させることが可能となる。これにより、空調機内の温湿度調整や浄化作用に利用する水膜や気化式加湿用の材料に与えるダメージを低減することができ、かつAMCの除去性能及び加湿性能等の低下を防ぐことができる。
【0060】
[2.他の実施形態]
(a)本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、貯水槽34内のオゾン濃度を高め、UV光によるTOCの酸化分解を効率よく行うために、以下のようなオゾン発生器34cを貯水槽34内に設置した実施形態も包含する(図5)。
【0061】
オゾン発生器34cは、二つの電極間に交流の高電圧を流し、その電極間に空気を通過させることで放電プラズマ中のイオンの持つエネルギーによって酸素をオゾン化する無声放電法が主流であり、本件もこの方式を用いているが、特に限定するものではなく、化学生成法や電解法等を用いることも可能である。
【0062】
このオゾン発生器34cは、図5の通り、微細気泡発生器34bに接続された空気供給ライン22に設置されており、マイクロバブル又はマイクロナノバブルにオゾン発生器34cで発生させたオゾンを含有させている。そのため、当該バブルがオゾンの殺菌効果を飛躍的に高めさせ、水中の菌を不活性化させることが可能となる。
【0063】
また、マイクロバブルとマイクロナノバブルは、自己加圧効果を有するので、濃度の低いオゾンを供給するとしても作用時には高圧化された条件でオゾンが作用する。つまり、高圧化したオゾンと吸着する物質が作用するので、低いオゾン濃度でも汚染物質を分解することができる。また、オゾン発生器34cにより貯水槽34内のオゾン濃度を高めることができるのでUV光によるオゾン生成処理の付加を減らすことができ、効率よくヒドロキシラジカルを発生させることが可能となる。なお、オゾン発生器34cの設置位置は、貯水槽34内にオゾンを発生させることができれば、図5のような微細気泡発生器34bに接続された空気供給ライン22に設置する態様に限定しない。
【0064】
なお、本実施形態では、UVランプ34aを貯水槽34内に設けているが、これに限定するものでなく、UVランプ34aを設けずに、貯水槽34内において微細気泡発生器34bと当該発生器34bに接続された空気供給ライン22にオゾン発生器34cとを設置する実施形態も本発明は包含する。つまり、UVランプから照射されるUV光によりTOCを分解する作用を有さず、UV光によるオゾン生成処理の付加を減らすことはできないが、図6の通り、オゾン発生器34cにおいて発生したオゾンを含有させたマイクロバブル又はマイクロナノバブルにより、オゾンの殺菌効果を飛躍的に向上させ、水中の菌を不活性化させる。
【0065】
(b)また、本発明は、上記実施形態に限定するものでなく、図7の通り、微細気泡発生器34bに接続された空気供給ライン22に粒子除去フィルタ、カチオン除去フィルタ、アニオン除去フィルタ、有機物質除去フィルタのうち少なくとも一つを備える実施形態も包含する。
【0066】
すなわち、微細気泡発生器34bへ供給する空気の浄化を図るために、空気供給ライン22途中に粒子除去フィルタ23、カチオン除去フィルタ24、アニオン除去フィルタ25、有機物質除去フィルタ26を設置している。具体的には、粒子除去フィルタ23や有機物質除去フィルタ26を設けることにより、微細気泡発生器34bへの供給源となる外気中の粒子及び分子状の汚染物質を除去することが可能となり、当該汚染物質が貯水槽34内に供給されるいった問題を解決することができる。
【0067】
また、粒子及び分子状汚染物質を除去するだけでなく、カチオン除去フィルタ24及びアニオン除去フィルタ25を空気供給ライン22中に備えることにより、外気中に存在するカチオン(陽イオン)及びアニオン(陰イオン)を吸着除去することができる。つまり、空気を汚染する原因となるイオンを除去することにより、汚染物質を含有するバブルが貯水槽34内に供給される問題を解消する。
【0068】
なお、本実施形態は、図2〜図6の実施形態で設置される微細気泡発生器34bにおいても、当該発生器34bに接続される空気供給ライン22に、粒子除去フィルタ、カチオン除去フィルタ、アニオン除去フィルタ、有機物質除去フィルタのうち少なくとも一つを備える構成を包含する。
【0069】
また、図8では、水膜14の下流に汚染物質除去用のケミカルフィルタ27を設け、水膜14を通過した処理対象の空気がケミカルフィルタ27を通り、当該フィルタ27を通過した空気の一部がポンプなど(図示しない)を動力源として微細気泡発生器34bに供給されるよう構成されている。すなわち、ケミカルフィルタ27を通過した空気が空気供給ライン22に供給されることで、微細気泡発生器34bは当該空気を自吸し、マイクロバブル又はマイクロナノバブルを貯水槽34内に生成する。なお、本発明は、ケミカルフィルタ27を設けなくても、水膜11〜14を通過した空気の一部を空気供給ライン22へ供給する実施形態も包含している。
【0070】
この構成により、空気供給ライン22を流れ、微細気泡発生器34bへ供給される空気中の汚染物質が除去されるので、空気供給ライン22に設置したカチオン除去フィルタ24及びアニオン除去フィルタ25の寿命を延ばすことが可能となる。また、空気供給ライン22に供給される当該ケミカルフィルタ27を通過した空気の純度が高い場合には、カチオン除去フィルタ24及びアニオン除去フィルタ25の設置が不要となるため、イニシャルコストの低減も図ることができる。
【0071】
(c)また、本発明は、UVランプ34aによるUV光の照射方法は、マイクロナノバブルを包含する水分に対しUV光を常時照射するのが通常であるが、タイマーによる間欠照射や貯水槽34から純水製造装置37にドレン水を供給するために使用する定圧ポンプ36と連動させて照射するといった省エネを目的とする態様も包含する。
【0072】
すなわち、UVランプ34aが貯水槽34内の水にUV光を照射することにより得られるTOC濃度の低減という効果は、通常、UV光を常時照射することにより発揮されるものであるが、UV光を間欠照射することで動力を削減し、省エネ化を可能とする。また、空調機内の水を循環させるために使用する定圧ポンプ36の動作に連動させてUV光を照射することにより、空調機を使用していない状態での無駄な動力を削減し、省エネルギー化を実現できる。
【0073】
つまり、定圧ポンプ36の動作に連動させてUVランプ34aからのUV光の照射を調整する方法では、具体的に貯水槽34から排出され、空調機内を循環させる水の動力源となる定圧ポンプ36の駆動時に、UV光を照射させ、当該ポンプ36の停止に合わせてUV光の照射も停止する。そのため、駆動時外のUVランプ34aの浪費を削減できる。
【0074】
また、本発明は、図9の通り、貯水槽34内にTOC計28を設置し、前記TOC計28により計測された貯水槽34内の水のTOC濃度に基づいて、UVランプ34aによりUV光を照射する実施形態も包含する。具体的には、TOC計28により計測された貯水槽34内のTOC濃度が高い場合にはTOC分解作用を促進させるためにUVランプ34aを通じてUV光を照射し、計測されたTOC濃度が低い場合にはUVランプ34aの照射を停止する。
【0075】
そのため、TOC計28により計測したTOC濃度をもとにUVランプ34aの発停を行うことができるので、UVランプ34aの寿命を延ばすことができ、また省エネルギー化を図ることが可能となる。なお、TOC計28の設置位置に関して、本実施形態では図9のように貯水槽34内だが、空調機を流れる水の循環系内であれば特に限定するものではない。しかしながら、TOC濃度が最も高いと予想される貯水槽34内やその周辺、すなわち貯水槽34から純粋水製造装置37までの配管途中にTOC計28を設置する構成態様が好ましい。
【0076】
(d)なお、上記の実施形態では、水の循環系を有する空調機におけるドレン水を貯留する貯水槽34の構成を説明しているが、本発明は、単に水を貯水槽で貯留し、その貯留している水から純水製造装置が純水を生成するという純水製造システムとした実施形態も包含する。すなわち、上述したUVランプと微細気泡発生器が配設された貯水槽の構成及び作用例は、空調機でなく純水製造システムとした場合にも共通するものである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る空調機の全体構成を示す模式図
【図2】本発明に係る貯水槽周辺の詳細な構成を示す模式図(1)
【図3】本発明に係る貯水槽周辺の詳細な構成を示す模式図(2)
【図4】本発明に係る貯水槽周辺の詳細な構成を示す模式図(3)
【図5】本発明の他の実施形態(a)に係るオゾン発生器を備えた貯水槽周辺の構成を示す模式図
【図6】本発明の他の実施形態(a)に係るオゾン発生器を備えた貯水槽周辺の構成を示す模式図(UVランプなし)
【図7】本発明の他の実施形態(b)において微細気泡発生器への空気供給ラインに各種フィルタを備えた構成を示す模式図
【図8】本発明の他の実施形態(b)においてケミカルフィルタを備えた構成を示す模式図
【図9】本発明の他の実施形態(c)に係るTOC計を備えた貯水槽周辺の詳細な構成を示す模式図
【図10】従来技術を示す空調機の構成を示す模式図
【符号の説明】
【0078】
1…プレフィルタ
2…中性能フィルタ
3…加熱コイル
4…冷却コイル
10…除去装置
11〜14…水膜
15〜17…ポンプ
18…排水管
19…流量調整バルブ
20…純水供給ライン
21…水膜水槽
22…空気供給ライン
23…粒子除去フィルタ
24…カチオン除去フィルタ
25…アニオン除去フィルタ
26…有機物質除去フィルタ
27…ケミカルフィルタ
28…TOC計
31…水位センサ
32…排水ポンプ
33…水位センサ
34…貯水槽
34a…UVランプ
34b…微細気泡発生器
34c…オゾン発生器
35…供給調整弁
36…定圧ポンプ
37…純水製造装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温湿度調整又は浄化に用いる水の循環系を有する空調機であって、
前記循環系は、循環させる水を貯留する貯水槽を備え、
前記貯水槽には、貯留した水分中にマイクロバブル又はマイクロナノバブルを発生させる微細気泡発生器と、
貯留された水に紫外線を照射するUVランプと、
が配設されたことを特徴とする空調機。
【請求項2】
前記UVランプは、前記貯水槽内の前記微細気泡発生器近傍に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の空調機。
【請求項3】
前記微細気泡発生器にマイクロバブル又はマイクロナノバブルの発生源となる空気を供給するための空気供給ラインが接続され、
前記空気供給ラインは、粒子除去フィルタ、カチオン除去フィルタ、アニオン除去フィルタ、有機物質除去フィルタのうち少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調機。
【請求項4】
温湿度調整と空気浄化の少なくとも一方に利用する水膜を備え、
前記空気供給ラインに供給する空気が、前記水膜を通過した空気であることを特徴とする請求項3に記載の空調機。
【請求項5】
前記水膜の下流に汚染物質除去用のケミカルフィルタを備え、
前記空気供給ラインに供給する空気は、前記ケミカルフィルタを通過した空気であることを特徴とする請求項3に記載の空調機。
【請求項6】
前記UVランプは、前記貯水槽内に貯留された水に対し、常時、紫外線を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の空調機。
【請求項7】
前記UVランプは、前記貯水槽内に貯留された水に対し、紫外線を間欠照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の空調機。
【請求項8】
前記循環系は、水を循環させるためのポンプを備え、
前記UVランプは、前記貯水槽内に貯留された水に対し、前記ポンプの動作に連動して紫外線を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の空調機。
【請求項9】
前記循環系は、流れる水のTOC濃度を計測するTOC計を備え、
前記UVランプは、前記貯水槽内に貯留された水に対し、前記TOC計により計測されたTOC濃度に基づいて紫外線を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の空調機。
【請求項10】
前記TOC計は、前記循環系内の前記貯水槽に設置されていることを特徴とする請求項9に記載の空調機。
【請求項11】
前記循環系の前記貯水槽には、オゾンを発生させるオゾン発生器が設けられたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の空調機。
【請求項12】
温湿度調整又は浄化に用いる水の循環系を有する空調機であって、
前記循環系は、循環させる水を貯留する貯水槽を備え、
前記貯水槽には、貯留した水分中にマイクロバブル又はマイクロナノバブルを発生させる微細気泡発生器と、
オゾンを発生させるオゾン発生器と、
が配設されたことを特徴とする空調機。
【請求項13】
水を貯留する貯水槽と、前記貯水槽内に貯留された水から純水を生成する純水製造装置を備えた純水製造システムにおいて、
前記貯水槽には、貯留した水分中にマイクロバブル又はマイクロナノバブルを発生させる微細気泡発生器と、
貯留された水に紫外線を照射するUVランプと、
が配設されたことを特徴とする純水製造システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−190753(P2008−190753A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−24102(P2007−24102)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(000236160)株式会社テクノ菱和 (50)
【Fターム(参考)】