説明

空調管理システム

【課題】複数の空気調和機が併用される部屋全体の空調管理を適正に行う。
【解決手段】温度センサ45を空気清浄器30に配置する。そして、エアコン10の運転状態を温度センサ45で検出された温度に基づいて制御する。また、汚れセンサ25をエアコン10に配置する。そして、空気清浄器30の運転状態を汚れセンサ25で検出された空気の汚れ度に基づいて制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の空気調和機が配置された部屋全体の空調管理を行う空調管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアコン等の空気調和機が配置された部屋においては、空気調和機の運転状態が部屋内の温度や湿度に基づいて適宜変更されるのが好ましい。そこで、特許文献1には、室内ユニットで入手した室内の温度や湿度等の情報をリモコンに送信し、それらをリモコンの表示部に表示することで、使用者が身近にあるリモコン側で室内の温度や湿度を認識して各種の操作を行うことができる空気調和システムが記載されている。
【特許文献1】特開2001−21200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年では、1つの部屋の空気調和機として、エアコンだけが設けられるのではなく、例えばエアコンや空気清浄器などの複数の空気調和機が併用されることが多くなっている。そして、エアコンと空気清浄器とが併用される場合には、エアコンは主に室内温度を調整するための専用機として用いられ、空気清浄器は主に室内の空気の汚れ度を低減させるための専用機として用いられる。そのため、エアコンの室内機には温度センサが配置されており、エアコンの運転状態はその温度センサで検出された温度に基づいて制御されると共に、一方、空気清浄器には汚れセンサが配置され、空気清浄器の運転状態はその汚れセンサで検出された空気の汚れ度に基づいて制御される。ここで、エアコンと空気清浄器とが併用される部屋全体の空調管理を行うことを考えると、エアコンの運転状態が室内機周辺の温度に基づいて制御されると共に、空気清浄器の運転状態がその周辺の空気の汚れ度に基づいて制御されるだけでは十分とはいえない。また、空気清浄器が主に室内において空気の流れを発生させる送風装置として用いられる場合もあるが、この場合も、エアコンと空気清浄器とが連動して制御されることが好ましい。
【0004】
そこで、本発明の主な目的は、複数の空気調和機が併用される部屋全体の空調管理を適正に行うことができる空調管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係る空調管理システムは、同一の部屋内に配置された複数の空気調和機を備え、前記複数の空気調和機の少なくとも1つは、他の空気調和機から送信された信号を受信可能であって、その空気調和機の運転状態は前記他の空気調和機から送信された信号に基づいて制御されることを特徴とする。
【0006】
この空気調和機では、複数の空気調和機の運転を連動させることができる。つまり、ある空気調和機の運転状態が同一の部屋内に配置された他の空気調和機から送信された信号に基づいて制御される。従って、空気調和機の運転状態は、その周辺の空気の状況だけに基づいて制御するだけでなく、他の空気調和機の周辺の空気の状況に基づいて制御することが可能になる。従って、複数の空気調和機が併用される部屋全体の空調管理を適正に行うことができる。
【0007】
第2の発明に係る空調管理システムは、第1の発明に係る空調管理システムであって、 前記複数の空気調和機として、前記部屋内の空気の温度を調節する機能を有する温度調節装置と、前記部屋内の空気の汚れ度を低減させる機能を有する空気清浄装置とを含んでいることを特徴とする。
【0008】
この空調管理システムでは、温度調節装置と空気清浄器とが併用される部屋全体の温度調節及び空気の汚れ度の低減を適正に行うことができる。
【0009】
第3の発明に係る空調管理システムは、第2の発明に係る空調管理システムであって、 前記空気清浄装置は前記部屋内の温度を検出する第1の温度センサを有しており、前記温度調節装置の運転状態は前記第1の温度センサで検出された温度に基づいて制御されることを特徴とする。
【0010】
この空調管理システムでは、温度調節装置の運転状態が空気清浄器に配置された第1の温度センサで検出された温度に基づいて制御される。従って、温度調節装置の運転状態を空気清浄器の周辺の空気の状況に基づいて制御できるので、部屋全体の温度調節を適正に行うことができる。
【0011】
第4の発明に係る空調管理システムは、第3の発明に係る空調管理システムであって、 前記温度調節装置は、前記部屋内の温度を検出する第2の温度センサと、前記第1の温度センサ及び前記第2の温度センサのいずれで検出された温度に基づいて運転状態を制御するかを設定する設定手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
この空調管理システムでは、温度調節装置の運転状態を、空気清浄器に配置された第1の温度センサで検出された温度に基づいて制御するか、または、温度調節装置に配置された第2の温度センサで検出された温度に基づいて制御するかをユーザが適宜設定することができる。
【0013】
第5の発明に係る空調管理システムは、第2〜4の発明のいずれかに係る空調管理システムであって、前記温度調節装置は前記部屋内の空気の汚れ度を検出する第1の汚れセンサを有しており、前記空気清浄装置の運転状態は前記第1の汚れセンサで検出された汚れ度に基づいて制御されることを特徴とする。
【0014】
この空調管理システムでは、空気清浄器の運転状態が温度調節装置に配置された第1の汚れセンサで検出された空気の汚れ度に基づいて制御される。従って、空気清浄器の運転状態を温度調節装置の周辺の空気の状況に基づいて制御できるので、部屋全体の空気の汚れ度を適正に行うことができる。
【0015】
第6の発明に係る空調管理システムは、第5の発明に係る空調管理システムであって、 前記空気清浄装置は、前記部屋内の空気の汚れ度を検出する第2の汚れセンサと、前記第1の汚れセンサ及び前記第2の汚れセンサのいずれで検出された汚れ度に基づいて運転状態を制御するかを設定する設定手段とを備えていることを特徴とする。
【0016】
この空調管理システムでは、空気清浄器の運転状態を、温度調節装置に配置された第1の汚れセンサで検出された空気の汚れ度に基づいて制御するか、または、空気清浄器に配置された第2の汚れセンサで検出された空気の汚れ度に基づいて制御するかをユーザが適宜設定することができる。
【0017】
第7の発明に係る空調管理システムは、第2〜6の発明のいずれかに係る空調管理システムであって、前記部屋内において前記空気清浄装置は前記温度調節装置よりも下方に配置されていることを特徴とする。
【0018】
この空調管理システムでは、部屋の上方に配置された温度調節装置の運転状態を、部屋の下方に配置された空気清浄器に配置された第1の温度センサで検出された温度に基づいて制御することで、ユーザの周辺の空気の状況に基づいた温度調節が可能になる。また、部屋の下方に配置された空気清浄器の運転状態を、部屋の上方に配置された温度調節装置に配置された第1の汚れセンサで検出された空気の汚れ度に基づいて制御することで、部屋の上方の空気の状況に基づいた汚れ度の低減が可能になる。
【0019】
第8の発明に係る空調管理システムは、第1の発明に係る空調管理システムであって、 前記複数の空気調和機として、前記部屋内の空気の温度を調整する機能を有する温度調節装置と、前記部屋内において空気の流れを発生させる送風装置とを含んでいることを特徴とする。
【0020】
この空調管理システムでは、温度調節装置と送風装置とが併用される部屋全体の温度調節を適正に行うことができる。
【0021】
第9の発明に係る空調管理システムは、第8の発明に係る空調管理システムであって、前記部屋内において前記送風装置は前記温度調節装置よりも下方に配置されていることを特徴とする。
【0022】
この空調管理システムでは、部屋の上方に配置された温度調節装置の運転と、部屋の下方に配置された送風装置の運転とを連動させることで、部屋全体の温度調節を効率よく行うことができる。
【0023】
第10の発明に係る空調管理システムは、第8または第9の発明に係る空調管理システムであって、前記送風装置は、上方に向かって空気を吹き出す吹出口を有していることを特徴とする。
【0024】
この空調管理システムでは、送風装置によって、部屋内の空気を容易に循環させることができる。また、送風装置から吹き出された空気が使用者にあたらないので、使用者の快適性が向上する。
【0025】
第11の発明に係る空調管理システムは、第1の発明に係る空調管理システムであって、前記複数の空気調和機として、前記部屋内の空気の温度、湿度、空気清浄、脱臭、換気、輻射熱をそれぞれ調節する機能を有する複数の調節装置を含んでおり、前記複数の調節装置は、設定された情報に基づいて互いに連動して運転されることを特徴とする。
【0026】
この空調管理システムでは、部屋内の空気の温度、湿度、空気清浄、脱臭、換気、輻射熱などの室内空気環境のそれぞれの特性を調節する機能を有する複数の調節装置の運転を互いに連動させることで、複数の空気調和機が併用される部屋全体の空調管理を使用者が設定した室内空気環境になるように適正に行うことができる。従って、複数の空気調和機はそれぞれ最適なタイミングで連動して運転されるので、複数の空気調和機をユーザが別々に運転しなくても、それらは自動的に制御されるので煩わしさがない。なお、複数の空気調和機が互いに連動して運転される場合には、複数の空気調和機の全てが同時に運転される場合だけでなく、複数の空気調和機の一部だけが室内空気環境に基づいて個別に運転される場合も含まれる。また、使用者は、例えばリモコンによって室内空気環境を設定することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0028】
第1〜11の発明では、複数の空気調和機の運転を連動させることができる。つまり、ある空気調和機の運転状態が同一の部屋内に配置された他の空気調和機から送信された信号に基づいて制御される。従って、空気調和機の運転状態は、その周辺の空気の状況だけに基づいて制御するだけでなく、他の空気調和機の周辺の空気の状況に基づいて制御することが可能になる。従って、複数の空気調和機が併用される部屋全体の空調管理を適正に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る空調管理システムの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る空調管理システムの全体図である。図2は、図1の空調管理システムに含まれるエアコンの冷媒回路図である。図3は、図1の空調管理システムに含まれる空気清浄器の概略構成図である。
【0030】
図1に示す空調管理システム1は、部屋2の内部の温度を調節する機能を有するエアコン10と、部屋2の内部の空気の汚れ度を低減させる機能及び部屋2の内部において空気の流れを発生させる機能(送風装置の機能)を有する空気清浄装置30とを備えている。エアコン10は、部屋2の内部空間の上方に配置された室内機10aと、部屋の外部に配置された室外機10bと、室内機10aと室外機10bとを接続する配管10cとを有している。
【0031】
より詳細には、エアコン10は、図2に示すように、室内熱交換器11を有する室内機10aと、室外熱交換器12、圧縮機13及び電動膨張弁14を有する室外機10bとを備えている。図2の冷媒回路図では、インバータによって圧縮能力可変に制御される圧縮機13の吐出側と吸入側との間に、四路切換弁15の1次ポートが接続されている。そして、四路切換弁15の2次ポートの間に、第1ガス管16、室外熱交換器12、第1液管17、電動膨張弁14、第2液管18、室内熱交換器11、第2ガス管19が順に接続されている。
【0032】
ここで、四路切換弁15を実線方向に切り換えることにより、室外熱交換器12を凝縮器として機能させるとともに室内熱交換器11を蒸発器として機能させることで冷房運転を行うことができる。一方、四路切換弁15を破線方向に切り換えることにより、室外熱交換器12を蒸発器として機能させるとともに室内熱交換器11を凝縮器として機能させることで暖房運転を行うことができる。
【0033】
空気清浄器30は、図3に示すように、ケース31の内部に配置された送風ファン32と、送風ファン32の前側に配置されたフィルタ部33とを有している。また、ケース31の前面にはフロントカバー34が取り付けられている。そして、フロントカバー34には開口やスリット(図示しない)が形成されていると共に、フロントカバー34の周囲には吸気口35が設けられている。また、ケース31の上方には、上方に向かって空気を吹き出す吹出口36が設けられている。従って、送風ファン32が回転すると、それによって発生した負圧により、部屋2の空気が開口やスリット及び吸気口35からケース31の内部に導入され、フィルタ部33を通過することによって清浄化される。その後、清浄化された空気が吹出口36からケース31の外部に排出される。
【0034】
次に、空調管理システムにおける制御ブロック図について、図4を参照して説明する。図4は、図1の空気管理システムの制御ブロック図である。
【0035】
エアコン10の制御ユニット20には、制御部21と、設定温度記憶部22と、センサ設定記憶部23とが含まれる。また、制御ユニット20には、圧縮機13と、四路切換弁15と、室内機10aに配置された温度センサ24と、室内機10aに配置された汚れセンサ25と、送受信部27とが接続されている。
【0036】
制御部21は、エアコン10の運転状態を制御するものである。具体的には、制御部21は、圧縮機13の運転周波数を制御すると共に、四路切換弁15の冷媒経路を切り換えることでエアコン10の運転状態を制御する。設定温度記憶部22は、ユーザにより設定された設定温度を記憶する。また、センサ設定記憶部23は、温度センサに関する設定を記憶する。具体的には、センサ設定記憶部23は、エアコン10の運転状態を、エアコン10の室内機10aに配置された温度センサ24で検出された温度に基づいて制御するか、または、空気清浄器30に配置された温度センサ45で検出された温度に基づいて制御するかの設定を記憶する。センサ設定記憶部23における設定はユーザにより適宜変更される。
【0037】
一方、空気清浄器30の制御ユニット40には、制御部41と、風量設定記憶部42と、センサ設定記憶部43とが含まれる。また、制御ユニット40には、送風ファン32と、ケース31内に配置された汚れセンサ44と、ケース31内に配置された温度センサ45と、送受信部47とが接続されている。
【0038】
制御部41は、空気清浄器30の運転状態を制御するものである。具体的には、制御部41は、送風ファン32の回転数を切り換えることで、送風ファン32における風量を変更し、空気清浄器30の運転状態を制御する。風量設定記憶部42は、汚れセンサで検出された空気の汚れ度に応じた送風ファン32の風量を記憶する。また、センサ設定記憶部43は、汚れセンサに関する設定を記憶する。具体的には、センサ設定記憶部43は、空気清浄器30の運転状態を、空気清浄器30のケース31内に配置された汚れセンサ44で検出された空気の汚れ度に基づいて制御するか、または、エアコン10の室内機10aに配置された汚れセンサ25で検出された空気の汚れ度に基づいて制御するかの設定を記憶する。センサ設定記憶部43における設定はユーザにより適宜変更される。
【0039】
エアコン10の送受信部27は、汚れセンサ25で検出された空気の汚れ度に対応した汚れ信号を空気清浄器30へ送信する。すると、その汚れ信号は空気清浄器30の送受信部47で受信される。また、空気清浄器30の送受信部47は、温度センサ45で検出された室内温度に対応した温度信号をエアコン10へ送信する。すると、その温度信号はエアコン10の送受信部27で受信される。ここで、エアコン10の送受信部27と空気清浄器30の送受信部47との間では信号が無線通信により送受信される。
【0040】
本実施の形態の温度センサは、部屋2の空気の温度を検出可能なものであれば、どのようなものでもよい。従って、温度センサは、接触式のセンサであってもよいし、非接触式のセンサでもよい。接触式のセンサには、測温抵抗体センサ(金属の抵抗を測定し温度を求めるセンサ)、サーミスタ(温度変化に対して電気抵抗の変化の大きい抵抗体を利用し温度を測定するセンサ)、熱電対(異なる二種類の金属で回路をつくり、その二つの接合点を異なる温度にすると熱起電力が生じ電流が流れるという現象を利用し温度を測定するセンサ)、IC化温度センサ(トランジスタの温度特性を利用したセンサ)、バイメタル(熱膨張率が異なる2枚の金属板を貼り合わせたもので温度の変化によって曲がり方が変化する性質を利用し温度を測定するセンサ)などがある。また、非接触式のセンサには、熱型放射温度計(赤外線を受けたセンサ素子の温度変化を利用したセンサ)、量子型放射温度計(赤外線の光量子を受けたセンサ素子の変化を利用したセンサ)などがある。
【0041】
本実施の形態の汚れセンサは、部屋2の空気の汚れ度を検出可能なものであれば、どのようなものでもよい。従って、汚れセンサは、ほこりセンサであってもよいし、においセンサであってもよい。ほこりセンサには、光学式ほこりセンサ(空気中に光を照射し、空気中に含まれる煙、ほこり、花粉、その他粒子によって乱射されて受光素子に田尾歌津下光量を検出し粉塵などの量を促成するセンサ)などがある。においセンサには、半導体式ほこりセンサ(還元ガスの有無を電気抵抗により検知しにおいの強さを測定するセンサ)などがある。
【0042】
次に、本実施の形態の空調管理システム1における動作手順について、図5及び図6を参照して説明する。
【0043】
まず、空調管理システム1のエアコン10における動作手順について、図5を参照して説明する。図5は、本実施の形態の空調管理システムのエアコンにおける動作手順を示すフローチャートである。
【0044】
まず、エアコン10の電源がオフ状態からオン状態に変更される(ステップS1)。このとき、空気清浄器30の電源もオフ状態からオン状態に変更される。そして、ユーザによって室内温度に関する設定温度の設定が行われる(ステップS2)。引き続き、エアコン10の運転状態を制御するために用いられる温度センサとして、室内機10aに配置された温度センサ24及び空気清浄器30に配置された温度センサ45のいずれかの温度センサが設定される(ステップS3)。
【0045】
そして、室内機10aに配置された温度センサ24が設定された場合(S4:YES)には、温度センサ24で室内機10aの周辺の温度が検出され(ステップS5)、その検出温度が設定温度より低いか否かが判断される(ステップS6)。ここで、温度センサ24で検出された検出温度が設定温度より低い場合(S6:YES)には、エアコン10の運転状態は暖房運転に切り換えられる(ステップS7)。一方、温度センサ24で検出された検出温度が設定温度以上である場合(S6:NO)には、その検出温度が設定温度より高いか否かが判断される(ステップS8)。ここで、温度センサ24で検出された検出温度が設定温度より高い場合(S8:YES)には、エアコン10の運転状態は冷房運転に切り換えられる(ステップS9)。一方、温度センサ24で検出された検出温度が設定温度と同じである場合(S8:NO)には、ステップS5に戻って同様の処理が繰り返される。
【0046】
また、ステップS7及びステップS9において、エアコン10の運転状態が暖房運転または冷房運転に切り換えられた後は、ステップS5に戻って同様の処理が繰り返される。
【0047】
一方、空気清浄器30に配置された温度センサ45が設定された場合(S4:NO)には、温度センサ45で空気清浄器30の周辺の温度が検出されると(ステップS10)、その温度に対応した温度信号が空気清浄器30からエアコン10に送信されるので、エアコン10では温度信号を受信する(ステップS11)。すると、その温度センサ45で検出された温度が設定温度より低いか否かが判断される(ステップS12)。ここで、温度センサ45で検出された検出温度が設定温度より低い場合(S12:YES)には、エアコン10の運転状態は暖房運転に切り換えられる(ステップS13)。一方、温度センサ45で検出された検出温度が設定温度以上である場合(S12:NO)には、その検出温度が設定温度より高いか否かが判断される(ステップS14)。ここで、温度センサ45で検出された検出温度が設定温度より高い場合(S14:YES)には、エアコン10の運転状態は冷房運転に切り換えられる(ステップS15)。一方、温度センサ45で検出された検出温度が設定温度と同じである場合(S14:NO)には、ステップS10に戻って同様の処理が繰り返される。
【0048】
また、ステップS13及びステップS15において、エアコン10の運転状態が暖房運転または冷房運転に切り換えられた後は、ステップS10に戻って同様の処理が繰り返される。
【0049】
次に、空調管理システム1の空気清浄器30における動作手順について、図6を参照して説明する。図6は、本実施の形態の空調管理システムの空気清浄器における動作手順を示すフローチャートである。
【0050】
まず、空気清浄器30の電源がオフ状態からオン状態に変更される(ステップS101)。このとき、エアコン10の電源もオフ状態からオン状態に変更される。そして、空気清浄器30の運転状態を制御するために用いられる汚れセンサとして、空気清浄器30に配置された汚れセンサ44及び室内機10aに配置された汚れセンサ25のいずれかの汚れセンサが設定される(ステップS102)。
【0051】
ここで、空気清浄器30に配置された汚れセンサ44が設定された場合(S103:YES)には、汚れセンサ44で空気清浄器30の周辺の空気の汚れ度が検出され(ステップS104)、その検出された汚れ度に応じた送風ファン32の風量が決定される(ステップS105)。そして、上記で決定された風量に基づいて送風ファン32が制御される(ステップS106)。その後、ステップS104に戻って同様の処理が繰り返される。
【0052】
一方、エアコン10の室内機10aに配置された汚れセンサ25が設定された場合(S103:NO)には、汚れセンサ25で室内機10aの周辺の空気の汚れ度が検出されると(ステップS107)、その汚れ度に対応した汚れ信号がエアコン10から空気清浄器30に送信されるので、空気清浄器30では汚れ信号を受信する(ステップS108)。すると、汚れセンサ25で検出された汚れ度に応じた送風ファン32の風量が決定される(ステップS109)。そして、上記で決定された風量に基づいて送風ファン32が制御される(ステップS110)。その後、ステップS107戻って同様の処理が繰り返される。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態の空調管理システム1では、エアコン10の運転状態を、空気清浄器30に配置された温度センサ45で検出された温度に基づいて制御するか、または、エアコン10の室内機10aに配置された温度センサ24で検出された温度に基づいて制御するかをユーザが適宜設定することができる。また、空気清浄器30の運転状態を、エアコン10に配置された汚れセンサ25で検出された空気の汚れ度に基づいて制御するか、または、空気清浄器30に配置された汚れセンサ44で検出された空気の汚れ度に基づいて制御するかをユーザが適宜設定することができる。
【0054】
そして、エアコン10の運転状態を制御するために用いられる温度センサとして、空気清浄器30に配置された温度センサ45を設定することで、エアコン10の運転状態を空気清浄器30の周辺の空気の状況に基づいて制御できるので、部屋全体の温度調節を適正に行うことができる。また、空気清浄器30の運転状態を制御するために用いられる汚れセンサとして、エアコン10に配置された汚れセンサ25を設定することで、空気清浄器30の運転状態をエアコン10の周辺の空気の状況に基づいて制御できるので、部屋全体の空気の汚れ度を適正に行うことができる。従って、エアコン10と空気清浄器30とが併用される部屋2の全体の空調管理を適正に行うことができる。つまり、エアコン10と空気清浄器30とが連動することで各専用機の機能を有効活用し、総合的な空調管理が可能になる。また、エアコン10と空気清浄器30とをユーザが別々に運転しなくても、それらは自動的に制御されるので煩わしさがない。
【0055】
なお、エアコン10が、部屋2の内部の温度を調節する機能を有すると共に、部屋2の内部の空気の汚れ度を低減させる機能を有する場合において、使用者がリモコンによってエアコン10の空気清浄運転を開始したときに、空気清浄器30の空気清浄運転を開始することもできる。つまり、使用者によって図7のリモコン50の空清ボタン51が押された場合に、リモコン50からエアコン10に対して空気清浄運転の開始信号が送信されると共に、その信号がエアコン10を介して空気清浄器30に送信することで、空気清浄器30の空気清浄運転を開始することができる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0057】
上述の実施の形態では、同一の部屋に配置される複数の空気調和機として、エアコン10及び空気清浄器30が含まれ、エアコン10の運転状態が空気清浄器30に配置された温度センサ45で検出された温度に基づいて制御されると共に、空気清浄器30の運転状態がエアコン10に配置された汚れセンサ25で検出された空気の汚れ度に基づいて制御される場合を説明しているが、同一の部屋に配置される複数の空気調和機はエアコン及び空気清浄器以外の空気調和機であってもよいし、空気調和機の運転状態が温度に対応した温度信号及び空気の汚れ度に対応した汚れ信号以外の信号に基づいて制御されてもよい。従って、同一の部屋に配置される複数の空気調和機として、加湿器、除湿器、換気扇、暖房機、脱臭器、電気カーペットなどが含まれてもよい。また、例えば、1つの部屋の下方に配置された加湿器または除湿器に湿度センサが配置されており、その湿度センサで検出された湿度に対応した湿度信号がエアコンに送信され、エアコンの運転状態が、その湿度信号に対応した湿度に基づいて制御されてもよい。また、空調管理システム101は、図8に示すように、複数の空気調和機として、例えば、部屋内の空気の温度を調節する機能を有するエアコン10と、部屋内の空気の汚れ度を低減させる機能及び脱臭の機能を有する空気清浄装置30と、部屋内の空気の湿度を調節する機能を有する除湿加湿器61と、部屋内の空気の換気を行う換気扇62と、輻射熱を調節する機能を有する輻射冷暖房機63とを含んでおり、これらがリモコン50からエアコン10に設定送信された情報に基づいて互いに連動して運転されてもよい。従って、この場合には、リモコン50及び他の複数の空気調和機との間で送受信できるエアコン10を中継器として、部屋内に配置された複数の空気調和機を1つのリモコン50だけで操作可能になる。
【0058】
上述の実施形態では、空気清浄装置30の部屋2の内部の空気の汚れ度を低減させる機能を主に考慮し、空気清浄器30の送風ファン32の回転数が、汚れセンサで検出された空気の汚れ度に応じた風量に切り換えられるが、空気清浄装置30の部屋2の内部において空気の流れを発生させる機能(送風装置の機能)を主に考慮し、送風ファン32の制御は変更してもよい。従って、例えば、エアコン10の暖房起動時には、冷風感を防止するために、通常運転よりも風量が弱い状態で送風ファン32を起動または送風ファン32を遅延させて起動し、室内の上層下層で温度勾配がつく前に、送風ファン32の風量を通常運転にし、温度分布を均一化し、温度が安定すると、送風ファン32の風量を通常運転よりも弱い状態に戻し、天井付近の淀んだ暖気を攪拌するように、送風ファン32を制御してもよい。また、エアコン10の冷房起動時には、エアコン10の起動と同時に送風ファン32を通常運転の風量で起動し、冷風感を発生させ、温度が安定すると、床面付近に滞留した冷気を上方に吹き上げ、温度分布を均一化する。そして、温度が安定すると、ドラフト防止で通常運転よりも風量が弱い状態になるように、送風ファン32を制御してもよい。この場合も、エアコン10の暖房運転の起動信号や、冷房運転の起動信号や、起動時からの時間を示す信号などがエアコン10から空気清浄装置30に送信されることによって、空気清浄装置30の送風ファン32の風量が変更されるので、エアコン10と空気清浄装置30とが連動して運転されることになる。
【0059】
上述の実施の形態では、エアコン10の送受信部27と空気清浄器30の送受信部47との間では信号が無線通信により送受信されているが、信号が有線通信により送受信されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明を利用すれば、複数の空気調和機が併用される部屋全体の空調管理を適正に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態に係る空調管理システムの全体図である。
【図2】図1の空調管理システムに含まれるエアコンの冷媒回路図である。
【図3】図1の空調管理システムに含まれる空気清浄器の概略構成図である。
【図4】図1の空気管理システムの制御ブロック図である。
【図5】本実施の形態の空調管理システムのエアコンにおける動作手順を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態の空調管理システムの空気清浄器における動作手順を示すフローチャートである。
【図7】エアコンのリモコンを示す図面である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る空調管理システムの全体図である。
【符号の説明】
【0062】
1、101 空調管理システム
10 エアコン
21 制御部
22 設定温度記憶部
23 センサ設定記憶部
24 温度センサ
25 汚れセンサ
30 空気清浄器
41 制御部
42 風量設定記憶部
43 センサ設定記憶部
44 汚れセンサ
45 温度センサ
50 リモコン
51 空清ボタン51
61 除湿加湿器
62 換気扇
63 輻射冷暖房機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の部屋内に配置された複数の空気調和機を備え、
前記複数の空気調和機の少なくとも1つは、他の空気調和機から送信された信号を受信可能であって、その空気調和機の運転状態は前記他の空気調和機から送信された信号に基づいて制御されることを特徴とする空調管理システム。
【請求項2】
前記複数の空気調和機として、
前記部屋内の空気の温度を調節する機能を有する温度調節装置(10)と、
前記部屋内の空気の汚れ度を低減させる機能を有する空気清浄装置(30)とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の空調管理システム(1)。
【請求項3】
前記空気清浄装置(30)は前記部屋内の温度を検出する第1の温度センサ(45)を有しており、
前記温度調節装置(10)の運転状態は前記第1の温度センサ(45)で検出された温度に基づいて制御されることを特徴とする請求項2に記載の空調管理システム(1)。
【請求項4】
前記温度調節装置(10)は、
前記部屋内の温度を検出する第2の温度センサ(24)と、
前記第1の温度センサ(45)及び前記第2の温度センサ(24)のいずれで検出された温度に基づいて運転状態を制御するかを設定する設定手段(23)とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の空調管理システム(1)。
【請求項5】
前記温度調節装置(10)は前記部屋内の空気の汚れ度を検出する第1の汚れセンサ(25)を有しており、
前記空気清浄装置(30)の運転状態は前記第1の汚れセンサ(25)で検出された汚れ度に基づいて制御されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の空調管理システム(1)。
【請求項6】
前記空気清浄装置(30)は、
前記部屋内の空気の汚れ度を検出する第2の汚れセンサ(44)と、
前記第1の汚れセンサ(25)及び前記第2の汚れセンサ(44)のいずれで検出された汚れ度に基づいて運転状態を制御するかを設定する設定手段(43)とを備えていることを特徴とする請求項5に記載の空調管理システム(1)。
【請求項7】
前記部屋内において前記空気清浄装置(30)は前記温度調節装置(10)よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の空調管理システム(1)。
【請求項8】
前記複数の空気調和機として、
前記部屋内の空気の温度を調整する機能を有する温度調節装置(10)と、
前記部屋内において空気の流れを発生させる送風装置(30)とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の空調管理システム。
【請求項9】
前記部屋内において前記送風装置(30)は前記温度調節装置(10)よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の空調管理システム。
【請求項10】
前記送風装置(30)は、上方に向かって空気を吹き出す吹出口(36)を有していることを特徴とする請求項8または9に記載の空調管理システム。
【請求項11】
前記複数の空気調和機として、
前記部屋内の空気の温度、湿度、空気清浄、脱臭、換気、輻射熱をそれぞれ調節する機能を有する複数の調節装置(10、30、61、62、63)を含んでおり、
前記複数の調節装置(10、30、61、62、63)は、設定された情報に基づいて互いに連動して運転されることを特徴とする請求項1に記載の空調管理システム。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−267795(P2008−267795A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80551(P2008−80551)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】