説明

突然変異RXXDモチーフを含むジグアニル酸シクラーゼを用いる環状ジグアノシン一リン酸の酵素的生産方法

保護基を使用しない酵素的合成による環状ジグアノシン一リン酸(c−di−GMP)を生産する方法を開示する。この方法は、2つのグアノシン三リン酸(GTP)分子をカップリングさせて、c−di−GMP分子を形成することを含む。これは、アミノ酸配列V153M154G155G156を含む突然変異体ジグアニル酸シクラーゼ(DGC)の影響下で行われる。DGCを封入体から得ることができること、およびこれを用いてc−di−GMP合成を改善するために十分な量のDGCを入手可能にすることができることが判明した。詳細には、後述のc−di−GMP合成を、市販のバルク化学薬品から出発してワンポット法で行うことができ、および商業生産規模への規模拡大が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジグアニル酸シクラーゼ(DGC)の影響下で2個のグアノシン三リン酸(GTP)分子をカップリングさせることによる、環状ジグアノシン一リン酸(c−di−GMP)の酵素的合成の分野に存する。詳細には、本発明は、DGCの大規模資源の提供に関する。また、本発明は、工業規模でのc−di−GMPの生産に関する。
【背景技術】
【0002】
環状ジグアノシン一リン酸(c−di−GMP)は、バイオフィルム形成、抗生物質耐性、および病原菌のこれらの動物宿主における存続に関係づけられている、細菌のセカンドメッセンジャーである。
【0003】
例えば、WO2005/030186は、細菌病原体のビルレンスを減弱するまたは細菌病原体によるコロニー形成を阻害するもしくは減少させる方法におけるc−di−GMPの使用に関する。US2005/0203051は、癌細胞増殖を阻害するためのまたは癌細胞アポトーシスを増加させるためのc−di−GMPの使用に関する。US2006/0040887は、患者における免疫もしくは炎症反応を刺激もしくは増進するための、またはワクチンに対する免疫反応を強化するためのアジュバントとしての、c−di−GMPの使用に関する。また、EP1 782 826は、治療的または予防的ワクチン接種のためのアジュバントとしてのc−di−GMPのような化合物の使用、およびワクチンなどの医薬組成物におけるこれらの使用に関する。広範な感染症、炎症性疾患、自己免疫疾患、腫瘍、アレルギー、および受精調節の処置における活性成分としてのこれらの化合物の使用がさらに考えられる。
【0004】
これらの使用のためのc−di−GMPは、化学合成によって生産される。このような合成に関する参考文献は、Hayakawa et al.,Tetrahedron 59(2003),6465−6471である。この文献は、著者もさらなる参考文献、即ちHyodo and Hayakawa,Bull.Chem.Soc.Jpn.,77,2089−2093(2004)において認めているように、様々な合成段階で低い収率を示す。しかし、以前の方法の非常に低い総合収率に対して相当な改善を主張しているが、これらの段階の幾つかが生成物の大きな損失を依然として示すことは明白であり、総合収率は、感心させられるほどのものでは全くない、即ち25%未満である。後述の内容は、c−di−GMPの合成が、この分子全体にわたって比較的多数の保護基の使用を必要とすることに鑑みて、特に障害となる。合成およびこの完全除去は、困難を呈する。
【0005】
保護基を使用せずに、例えば酵素的合成により、c−di−GMPを生産できることが望ましい。このような生産ができれば、化学合成が必然的に被りやすい欠点、例えば多段階合成の結果として生ずる最適以下の総合収率が解決される。M.Christen Mechanisms of c−di−GMP signaling(PhD Thesis 2007)の場合、135頁がこれを説明している:c−di−GMPの化学合成は、2つの構成要素の複雑な合成のため、有意な商業的価値がない。
【0006】
しかし、今日までのところc−di−GMPの酵素的合成も、まだ実際の商業規模での生産に適さない。これを実験室規模で合成して、この存在をHPLCによって証明することができる分析量を生じさせることはできるが、例えばNMRによる構造同定および収率は発表されていない。分取HPLCによる技術などの、HPLCから化合物を得る技術これ自体は、実際の工業規模での生産除外するものではないが、c−di−GMPの現行の酵素的合成をすぐに規模拡大することはできない。
【0007】
c−di−GMPの天然合成と類似して、現行の酵素的合成は、ジグアニル酸シクラーゼ(DGC)の影響下での2つのグアノシン三リン酸(GTP)分子のカップリングを含む。この方法は、生成物フィードバック阻害によって妨げられる。c−di−GMPのためのアロステリック結合部位が、DGCの非競合的生成物阻害の原因であると考えられている。このことを考慮して、M.Christen(2007)は、c−di−GMPシグナリングメカニズムを解明するための補助として、様々なDGC突然変異体を調査した。
【0008】
コアc−di−GMP結合部位であることが判明したRXXDモチーフが、例えばカウロバクター・クレセンタス(Caulobacter crescentus)DgcA(CC3285)タンパク質においてR153E154S155D156からV153M154G155G156に変更された、DGC突然変異体が同定された。この場合、アミノ酸の国際1文字命名法に従って、Rはアルギニンを、Eはグルタミン酸を、Sはセリンを、Dはアスパラギン酸を、Vはバリンを、Mはメチオニンを、およびGはグリシンを表す。これらを用いて、フィードバック阻害を防止することにより、多少の収率向上を達成できたが、開示されている合成は、概して、ミリグラムの実験室規模生産をもたらし、およびc−di−GMPの実際の工業規模での生産を可能にしない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2005/030186号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0203051号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0040887号明細書
【特許文献4】欧州特許第1782826号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Hayakawa et al.,Tetrahedron 59(2003),6465−6471
【非特許文献2】Hyodo and Hayakawa,Bull.Chem.Soc.Jpn.,77,2089−2093(2004)
【非特許文献3】M.Christen Mechanisms of c−di−GMP signaling(PhD Thesis 2007)
【非特許文献4】M.Christen(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、c−di−GMPの改善された酵素的合成、ならびに詳細には商業生産に適する実際の工業規模で行うことができる合成、ならびにさらに詳細には高収率および高純度での合成を提供することが、望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の要求の1つ以上により良く対処するために、本発明は、1つの実施形態において、修飾RXXDモチーフ、例えば、C.クレセンタスDgcA(CC3285)アミノ酸配列V153M154G155G156を含む突然変異体ジグアニル酸シクラーゼ(DGC)を提示し、このDGCを封入体の形態で提供する。
【0013】
本発明は、もう1つの実施形態において、GTPをグアノシン一リン酸(GMP)の転化によって形成するワンポット合成を提示し、この合成は、適する反応媒体に、(a)GMP、(b)無水リン酸ドナー、(c)グアニル酸キナーゼ(GMPK)、(d)ヌクレオシド二リン酸キナーゼ(NdK)、および(e)修飾RXXDモチーフ、例えばC.クレセンタスDgcA(CC3285)アミノ酸配列V153M154G155G156を含む突然変異体ジグアニル酸シクラーゼ(DGC)を添加すること、混合すること、およびこの反応混合物をインキュベートしてc−di−GMPを形成することを含む。
【0014】
さらのもう1つの実施形態において、本発明は、環状ジグアノシン一リン酸(c−di−GMP)を、酵素的合成によって、生産する方法に関し、この方法は、修飾RXXDモチーフ、例えばC.クレセンタスDgcA(CC3285)アミノ酸配列V153M154G155G156を含む突然変異体ジグアニル酸シクラーゼ(DGC)の影響下で、2つのグアノシン三リン酸(GTP)分子をカップリングさせてC−di−GMP分子を形成することを含み、このDGCは、封入体から得ることができるリフォールディングされたDGCである。
【0015】
さらなる実施形態において、本発明は、商業規模で上述の反応を行うために十分に多い量のDGCを得る方法を提供し、この方法は、適する宿主細胞において適するDGC遺伝子を過発現させること、およびそれによって得られた封入体からDGCを採取することを含む。
【0016】
尚、さらなる実施形態において、本発明は、イオン交換材料を用いる溶出によって酵素反応混合物から純粋なc−di−GMPを単離する方法を提供し、この場合の溶離剤は、c−di−GMPを最終溶出画分として得られるように選択される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明において、用語「DGC」は、修飾RXXDモチーフを含む突然変異体ジグアニル酸シクラーゼ(DGC)を指す。ジグアニル酸シクラーゼにおけるc−di−GMPのためのアロステリック結合部位のこのRXXDモチーフについては、Chrisnten et al.,J.Biol.Chem.,Vol.281,Issue 42,32015−32024,October 20,2006を参照する。DGCは、好ましくは、GMGG、VMGG、GGVA、GRDC、GVGD、MEGD、GGNH、RESE、RNRD、RVDS、RAGG、およびRGQD(すべての文字は、上述の1文字命名法に従う)から成る群より選択される修飾RXXDモチーフをアミノ酸153−156に含む。好ましくは、DGCは、アミノ酸配列V153M154G155G156を含むC.クレセンタス突然変異体ジグアニル酸シクラーゼDgcA(CC3285)である。
【0018】
広義で、本発明は、比較的大規模にDGCを得ることが判明した方法を、GTPのc−di−GMPに対する酵素的カップリングの際にDGCの量を実質的に増加させることにより用いる。
【0019】
本発明によると、DGCは、例えばエシェリキア・コリ(Escherichia coli)における過発現に基づき封入体としてこれを採取することによって得られる。封入体は、細胞内凝集体内に蓄積する不活性、変性タンパク質を主として含む。これらは、E.コリ(E.coli)における高レベルの組換えタンパク質の発現の結果として生ずることが多い。Protein Folding,L.M.Gierasch and P.King(Eds),Am.Ass.Adv.Sci.,136−142(1990)におけるKrueger et al.,「Inclusion bodies from proteins produced at high levels in Escherichia coli,」;Marston,Biochem.J.,240:1−12(1986);Mitraki,et al.,Bio/Technol.7:800−807(1989);Schein,Bio/Technol.7:1141−1147(1989);Taylor et al.,Bio/Technol.4:553−557(1986)を参照することができる。封入体は、直径が2から3μmである、および細胞溶解後に低速遠心分離により可溶性細菌タンパク質から分離することができる組換えタンパク質から主として成る、稠密凝集体である(Schoner,et al.Biotechnology 3:151−154(1985))。
【0020】
当業者は理解していることであるが、封入体として発現されるDGCは、変性されており、酵素的合成での使用前にこの天然配座にリフォールディングさせなければならない。タンパク質封入体のリフォールディングのための技術は、当業者に公知である。リフォールディングされたタンパク質の単離および精製は、当分野において公知の方法で行うことができる。リフォールディングされたタンパク質を精製せずに使用することもある。
【0021】
一般的な意味で、生化学者は、特に、タンパク質をリフォールディングするおよび活性を回復させる必要に鑑みて、酵素的に活性なタンパク質を封入体として生産することに通常は駆り立てられない。しかし、本発明の場合、封入体でのDGCの発現が、c−di−GMPの生産にとって少なからぬ利点をもたらす。
【0022】
これは、第一に、DGCの利用可能性−上述のChristen(2007)参考文献では非常に低い−が、c−di−GMPの生産の規模拡大にとっての制限要因であることの、本発明による容認に基づく。言い換えると、本発明に従って得ることができるDGCの純然たる量は、工業規模で行うことができる生産方法を可能にする。
【0023】
さらに、本発明の方法では、どちらかといえば従来欠点であった封入体としてのDGCのまさにこの存在が、大規模生産についての適性の一因となる改善をもたらす。酵素的に活性なDGCタンパク質の大規模発現は、タンパク質生産細胞にとって毒性である。従って、大規模c−di−GMP生産に必要とされるDGC量を天然タンパク質発現の手順によって適度に産生することはできない。本発明は、dgcA発現構築物の同定および酵素的に不活性な封入体の高い発現レベルを可能にする発現条件の結果として大規模DgcA生産の可能性に備えるものである。DgcAタンパク質の不活性は、E.コリ細胞に対するこの毒性のため、この酵素の大規模生産には不可欠の利点である。さらに、c−di−GMP生産の方法は、DGC供給に依存するので、DGCを大量に生産することばかりでなく、これを貯蔵できること、および必要なときに必要な量でこれを使用できることも重要である。封入体としてのDGCの採取により、本質的に安定した、従って良好に貯蔵可能な、形態のタンパク質が得られる。この形態、即ち変性DGCから、タンパク質をリフォールディングすることができ、所望されるときに所望どおりの量で使用することができる。DGCは、概して、少なくとも0.1μMから10μM、および好ましくは1から2μMの量で使用される。
【0024】
封入体を生産するためのDGCの過発現は、当分野において一般に公知の方法で行うことができる。
【0025】
一般に、例えばエレクトロポレーションおよび形質転換などの周知の技術を用いて、ターゲットタンパク質の発現のための組換え構築物を宿主細胞に導入することができる。ベクターは、例えば、プラスミドであり得る。
【0026】
ターゲットタンパク質をコードするポリヌクレオチドを、宿主における繁殖のために、選択マーカーを含有するベクターに連結させることができる。対象のポリヌクレオチドに対するシス作用性制御領域を含むベクターが好ましい。適切なトランス作用性因子は、宿主によって供給されることがあり、相補性ベクターによって供給されることがあり、または宿主への導入に基づきこのベクターこれ自体によって供給されることがある。
【0027】
特異的発現に備えるベクターとしては、誘導可能であり得るものが挙げられる。このようなベクターの中で、温度および栄養添加物などの操作が容易である環境因子によって誘導可能なものが、特に好ましい。
【0028】
ターゲットタンパク質の発現に有用な発現ベクターとしては、例えば、細菌プラスミドに由来するベクターが挙げられる。
【0029】
ターゲットタンパク質についての遺伝子を含有するDNAインサートを、ファージT7などの適切なプロモーターに作動可能に連結させなければならない。他の適するプロモーターは、当業者に公知である。前記発現構築物は、さらに、転写開始、終結のための部位、および転写領域内に翻訳のためのリボソーム結合部位を含有する。構築物によって発現されるターゲット転写産物のコーディング部分は、翻訳すべきポリペプチドの最初に翻訳開始および末端に適切に位置する終結コドン(UAA、UGAまたはUAG)を好ましくは含む。
【0030】
示したように、発現ベクターは、少なくとも1つの選択マーカーを好ましくは含む。E.コリおよび他の細菌において培養するための、このようなマーカーとしては、テトラサイクリン、カナマイシン、クロラムフェニコールまたはアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。適切な宿主の代表的な例としては、E.コリなどの細菌細胞が挙げられるが、これらに限定されない。上記宿主細胞のための適切な培養基および条件は、当分野において公知である。
【0031】
ターゲットタンパク質の細菌発現での使用に好ましいベクターには、Novagenから入手できるpETベクターが挙げられる。他の適するベクターは、当業者には容易にわかる。
【0032】
本発明の特に好ましい実施形態において、c−di−GMPは、ワンポット反応で生産される。この場合、GTPは、適する反応媒体に(a)GMP、(b)無水リン酸ドナー、(c)グアニル酸キナーゼ(GMPK)、(d)ヌクレオシド二リン酸キナーゼ(NdK)、および(e)DGCを添加すること、混合すること、およびインキュベートしてc−di−GMPを形成することを含む、グアノシン一リン酸(GMP)の転化によって形成される。
【0033】
ワンポット合成が一般に好ましいことは、当業者には明らかである。一般に、ワンポット合成により、反応中間体を単離および精製するときに通常被る収量の損失が避けられる。さらに、この場合、GTPは、希少であり、高価であり、その上、工業規模への拡大に対する別の制限要因になるので、GTPではなくGMPから出発できることが、商業生産のためのさらなる恩恵をもたらす
ワンポット合成を、次のスキームに示す。
【0034】
【化1】

【0035】
【化2】

【0036】
この場合、ATPは、アデノシン三リン酸であり、ADPは、アデノシン二リン酸であり、および他の略語は上に与えた。
【0037】
GTPの形成までの工程順序は可逆的であるので、DGCの利用可能性は、ワンポット方法にとって重要である。従って、単一反応媒体中に存在するすべての反応物を用いて、反応をc−di−GMPの形成に向かわせるようにGTPを除去することが絶対必要である。本発明は、GTPの除去を、c−di−GMPへのこの転化(即ち、カップリング)により、可能にする。上述の大量のDGCの利用可能性は、このための重要なツールである。この利用可能性が、合成中のDGCの補足、即ちDGCの恒常的供給の提供を可能にして、GTPをカップリングさせてc−di−GMPを形成してGTPを除去する反応を駆動することができる。
【0038】
ワンポット合成についての条件を当業者は十分に決定することができる。適する反応媒体は、例えば、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)を緩衝剤として含む弱アルカリ性pHの水性緩衝液である。他の緩衝剤は、公知である。反応物および酵素の典型的な量は、NdKおよびGMPKについては0.01から1U/mL、ならびにDgcAについては0.1から10μMの範囲であり;反応体としては、0.1から20mM GMPおよび0.2から50mM ATPである。適する無水リン酸ドナーは公知であり、最もよく知られており、好ましい例は、ATP(アデノシン三リン酸)である。異なる種からの任意のNdKおよびGMPK酵素を使用できるが、E.コリ酵素が最も特性づけされている。
【0039】
本発明に従って得ることができるDGCに加えて、酵素的合成において使用される出発原料は、市販されており、または当分野においてこれ自体公知である様式で調製および単離することができる。
【0040】
本発明に従って得たc−di−GMPの単離および精製を、当分野において一般に公知の方法で行うことができる。これらの方法としては、一般に、イオン交換材料、典型的にはイオン交換カラムを用いる溶出が挙げられる。これに関して、本発明は、さらに有利な実施形態を提供する。驚くべきことに、上で説明した酵素的ワンポット方法の結果として得られる混合物は、c−di−GMPの溶出の前にすべての他の成分の溶出を(溶離剤の賢明な選択により)可能にする。典型的な溶離剤は、低濃度HClと塩化リチウムである。水、酢酸アンモニウム、20mM HClおよび40mM LiClを含有する水溶液で洗浄することにより、c−di−GMPからすべての試薬および副生成物を分離することができる。生成物は、20mM HCl/500mM LiClによって高濃度画分でこのカラムから最後に溶出される。最終精製は、アセトン:EtOH中でのまたは他の有機/水不混和性溶媒系中でのc−di−GMPの水溶液の沈殿によって行う。アンモニアの添加により、c−di−GMPのジアンモニウム塩が得られる。
【0041】
封入体として大量のDGCを利用できることの単なる結果としてワンポット酵素的合成を可能にしたが、別の供給源からの十分なDGCを利用できる場合には、ワンポット合成これ自体に付随する利点も利用できることは理解される。
【0042】
好ましくは、ワンポット合成において使用するDGCは、実際には、上で説明した封入体から得ることができるリフォールディングされたDGCである。
【0043】
本発明のc−di−GMPの酵素的合成は、商業、工業規模での生産を本質的に可能にする。用語「商業規模」および「工業規模」は、(前に言及した出版物に記載されている)実験室において概して見出されるものと生産規模を区別するために用いている。後述の実験室のものは、一般に、最高でも10mgを大きく超えることがない生産規模を伴う。商業規模は、キログラム規模までの、何十から何百ものグラム数を含む。本発明における生産は、少なくとも1グラムの規模、詳細には数十グラム、好ましくは少なくとも100グラム、およびさらに好ましくは少なくとも1kgの規模である。
【0044】
DGCの利用可能性の制限が本発明に従って解決された今、規模拡大これ自体を、当分野において標準的な方法で行うことができる。
【0045】
このことにより、本発明は、上で説明した方法による酵素的合成によって得ることができる、(HPLC分析に従って)95%を超える純度のおよび特に(HPLC分析に従って)純度100%のc−di−GMP少なくとも10g、好ましくは少なくとも100gおよびさらに好ましくは少なくとも1kgのバッチの形態での製品にも関する。NMR分析による(上で説明した方法によって合成した)c−di−GMPの定量分析は、80から90%(w/w)の範囲の純度を示す。アンモニア(概して5%(w/w)の範囲内)、水(概して5から15%(w/w)の範囲内)ならびに残りの量のアニオン性およびカチオン性の塩(例えば、Li、Na、PO2+、Cl)の添加により、質量バランスを満たすことができる。
【0046】
本発明のc−di−GMPは、この通常の方法で使用することができるにもかかわらず、酵素的合成に付随する高純度と併せて商業規模生産の利点を有する。本発明により利用できる大量のc−di−GMPは、ヒトおよび動物健康に関わる感染性および他の疾患の処置の際のc−di−GMPの使用を可能にする。大規模合成は、c−di−GMP誘導体の半合成生産も可能にする。例えば、チオホスファート、リン酸エステル、アセチル化およびアルキル化c−di−GMP誘導体が、c−ci−GMPの化学的変換によって入手できるようになる。
【0047】
後続の非限定的実施例および添付の図面を参照して、本発明を下でさらに説明する。
【実施例1】
【0048】
この実施例は、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)からのグアニル酸キナーゼおよびヌクレオシド二リン酸キナーゼの遺伝子クローニング、過発現、精製および特性づけを説明するものである。
【0049】
a)E.コリgmpkおよびE.コリndkの遺伝子クローニング
E.コリGmpK(M84400)およびE.コリNdK(X57555)のGenbankデータベースDNA配列に基づき、それぞれの遺伝子のPCR増幅のためのプライマーを設計した:
【0050】
【化3】

導入されたクローニング部位にアンダーラインを引く。遺伝子の開始および終結コドンは太字である。
【0051】
標準的な方法(Joseph Sambrook and David W.Russell.Molecular Cloning:A Laboratory Manual.Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York.)により、ゲノムDNAをE.コリJM109から単離した。4ng/mLのゲノムDNAテンプレートおよび0.5Mのそれぞれのプライマーを使用して、標準PCR(30サイクル、30秒の伸長時間、それぞれ57℃および62℃のアニーリング温度)でPCRを行った。1%TAEアガロースゲル電気泳動後、gmpKおよびndK遺伝子を表す予想DNAバンドが観察された。
【0052】
それぞれのPCRバンドを切り出し、これらのDNAフラグメントをGeneClean(登録商標)によって精製し、pCR2.1−Topoにライゲートした。GmpKおよびNdKについての2つの独立したプラスミドクローンをそれぞれ単離し、DNAインサートをシークエンシングした。すべてのプラスミド・クローン・インサートの導出タンパク質配列は、それぞれのデータベースタンパク質配列と同一であった。
【0053】
b)E.コリにおけるGmpKおよびNdK過発現実験
過発現実験のために、E.コリgmpkおよびE.コリndkのオープン・リーディング・フレームを、導入した隣接するBamHIおよびHindIII部位により、BamHI/HindIII−cut pQE30にサブクローニングした。
【0054】
その後、これらの得られたプラスミドをE.コリM15に導入した。標準的なプロトコル(簡単にいうと:新しいLB−Amp−Kan中でのオーバーナイトLB−Amp−Kan培養物1+9の希釈、2時間、37℃での成長、1mM IPTGの添加、さらに4.5時間、37℃での成長、採取)により、発現実験を行った。
【0055】
GmpKとNdKの両方の精製についての手順:
1リットルのIPTG誘導培養物の採取した細胞ペレットを、さらなるプロセッシングまで、−20℃で凍結させておいた。さらなるプロセッシング:0.5% Triton X100と、1mg/mLリゾチームと、25U/mLベンゾヌクレアーゼとを補足した40mLの溶解緩衝液(50mM NaHPO、300mM NaCl、10mMイミダゾール、pH8.0/NaOH)にこれらの凍結ペレットを入念に再懸濁させた。これらの懸濁液を氷上で1時間インキュベートし(→溶解産物:Lys)、その後、2500gで1時間、遠心分離した。補足物を伴う10mLの溶解緩衝液でこれらのペレットを1回洗浄し、遠心分離した。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析のために50mLの2%SDSにこれらの洗浄したペレットを再懸濁させた(→ペレット;Pe)。その後、これらの併せた遠心分離上清(Sn)を、補足物を伴わない溶解緩衝液と予め平衡させておいた4mL Ni2+−NTAアガロース(Qiagen)カラムに適用した。フロースルーを回収し(Ft)、このカラムを5カラム量の洗浄緩衝液(50mM NaHPO、300mM NaCl、20mM イミダゾール、pH8.0/NaOH)で洗浄した。溶出緩衝液(50mM NaHPO、300mM NaCl、250mM イミダゾール、pH8.0/NaOH)で溶出を行い、5mLの画分を回収した(Elu 1−5)。溶解産物プロセッシングおよびNi2+−NTAアガロースカラム溶出物のすべての画分を、12%SDS−PAGEおよびクマシンブルー染色によって分析した。
【実施例2】
【0056】
a)C.クレセンタスdgcAの遺伝子クローニング
C.クレセンタスdgcAのGenbankデータベースDNA配列(cc_3285;ACCESSION AE005673)に基づき、それぞれの遺伝子のPCR増幅のためのプライマーを設計した:
【0057】
【化4】

導入されたクローニング部位にアンダーラインを引く。dgcAの開始コドンは太字である。
【0058】
C.クレセンタスCB15テンプレートの4ng/mLのゲノムDNAと1.0μMのプライマーCacr−002/Cacr−004を用いて、標準PCR(35サイクル、30秒の伸長時間、55℃のアニーリング温度)で、PCRを行った。R153V−E154M−S155G−D155G突然変異を含むdgcA遺伝子の3’末端を表す予想DNAバンドが、1%TBEアガロースゲル電気泳動後に観察された。それぞれのPCRバンドを切り出し、QIAquick PCR Purification Kit(Qiagen)によってDNAフラグメントを精製し、メガプライマーとして、次のPCR反応において、プライマー1.0μM Cacr−010プライマー、およびC.クレセンタスCB15テンプレートの4ng/mLのゲノムDNAと併用した。R153V−E154M−S155G−D155G突然変異を含む完全dgcA遺伝子を表す予想DNAバンドが、1%TBEアガロースゲル電気泳動後に観察された。それぞれのPCRバンドを切り出し、QIAquick PCR Purification Kit(Qiagen)によってDNAフラグメントを精製し、pCR−II TOPOにライゲートしてpCacr−003bを形成した。DgcAVMGGについての2つの独立したプラスミドクローンを単離し、これらのDNAインサートをシークエンシングした。すべてのプラスミド・クローン・インサートの導出タンパク質配列は、R153V−E154M−S155G−D155G突然変異を有さずに、それぞれのデータベースタンパク質配列と同一であった。
【0059】
1ng/mLのpCacr−003bテンプレートおよび1.0μMのプライマーCacr−011/Cacr−014を使用して、標準PCR(35サイクル、30秒の伸長時間、55℃のアニーリング温度)で、別のPCRを行った。R153V−E154M−S155G−D155G突然変異を含むdgcAVMGG遺伝子を表す予想DNAバンドが、1%TBEアガロースゲル電気泳動後に観察された。それぞれのPCRバンドを切り出し、QIAquick PCR Purification Kit(Qiagen)によってDNAフラグメントを精製し、pCR−II TOPOにライゲートしてpCacr−018aを形成した。DgcAVMGGについての2つの独立したプラスミドクローンを単離し、これらのDNAインサートをシークエンシングした。すべてのプラスミド・クローン・インサートの導出タンパク質配列は、R153V−E154M−S155G−D155G突然変異を有さずに、それぞれのデータベースタンパク質配列と同一であった。
【0060】
b)この実施例は、C.クレセンタスからのDgcAの獲得を例証するものである
過発現実験のために、プラスミドpCacr−18aからC.クレセンタスdgcAVMGGのオープン・リーディング・フレームを、隣接するBamHIおよびNdeI部位により、BamHI/NedI−cut pET−15bにサブクローニングした。その後、これらの得られたプラスミドpCacr−20をE.コリBL21(DE3)に導入した。
【0061】
発現プラスミドpCacr−20を有するE.コリBL21(DE3)細胞を、アンピシリン(100μg/mL)を伴うLB培地において37℃で成長させ、A600 0.4のイソプロピル1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを1mMの最終濃度まで添加することにより発現を誘導した。誘導後、細胞をさらに4時間、37℃で成長させた。遠心分離によって採取した後、50mM Tris−HCl、pH8.0、50mM NaCl、0.5mM EDTA、5%グリセロール、20μL/g 細胞ペレットLysonase(Novagen)を含有する緩衝液に細胞を再懸濁させ、室温で15分間インキュベートし、フレンチ・プレス・セル(French pressure cell)に通すことによって溶解した。3−(1−ピリジノ)−1−プロパンスルホナート(NDSB−201)を125mMの最終濃度まで添加し、この混合物をさらに15分間、室温でインキュベートした。15分間、8,000×gでの遠心分離により、可溶性タンパク質画分と不溶性タンパク質画分を分離した。封入体を含有するペレットを、50mM Tris−HCl、pH8.0、50mM NaCl、0.5mM EDTA、5%グリセロール、1mM トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、および125mM NDSB−201を含有する洗浄緩衝液(10mL/(細胞ペレット1g))で1回洗浄し、15分間、8,000×gで遠心分離した。封入体を、50mM Tris−HCl、pH8.0、50mM NaCl、0.5mM EDTA、5%グリセロール、および1mM TCEPを含有する再懸濁緩衝液(10mL/(細胞ペレット1g))で2回洗浄し、15分間、8,000×gで遠心分離した。精製された封入体を−80℃で保管するか、攪拌しながら60分間、室温で、50mM Tris−HCl、pH8.0、200mM NaCl、2mM EDTA、7M塩酸グアニジンおよび10mM TCEPを含有する緩衝液に再懸濁させた。15分間、25,000×gおよび4℃での遠心分離により、可溶性タンパク質画分と不溶性タンパク質画分を分離した。変性DgcAを含有する上清を、0.45μmフィルターに通して濾過することによって滅菌し、使用するまで−80℃で保管した。リフォールディングのために、500mM L−アルギニン、50mM HEPES、pH7.5を含有する25容量の緩衝液に、変性DgcA(5mg/mL)を添加し、攪拌しながら4℃で18時間インキュベートした。
【実施例3】
【0062】
この実施例は、GMPからのc−di−GMPの生産を例証するものである
1250mL 新たにリフォールディングしたDgcA、5000U NdK(50%グリセロール中、2.8U/μL)、5000U GmpK(50%グリセロール中、3.6U/μL)、グアノシン5’一リン酸(GMP、4g、11mmol)、13.75g アデノシン5’三リン酸・二ナトリウム塩(ATP)、および3750mL 反応緩衝液(50mM Tris−HCl、pH7.5、10mM MgCl、0.5mM EDTAおよび50mM NaClを含有)を混合し、30℃で16時間、80rpmで弱く振盪しながらインキュベートした。
【0063】
精製
粗反応混合物(4800mL)をセルロースに通して濾過し、アニオン交換カラム(Dowex 1×2、400mL Pharmacia XK26、内径2.5cm、長さ約70cm;Cl型、0.5%酢酸で大規模に洗浄し、水(2000mL)で平衡させたもの;流量10mL/分)に添加した。
【0064】
このカラムを水(2000mL、10mL/分)、2M NHOAc(2000mL、10mL/分)、水(1500mL、10mL/分)、10mM HCl/50mM LiCl(1000mL、10mL/分)で洗浄した。
【0065】
10mM HCl/500mM LiCl(2000mL、10mL/分)により、このイオン交換カラムから生成物を溶出させた。
【0066】
生成物(約800mL)を含有するイオン交換クロマトグラフィーの水性溶出物を、アンモニア(1.5mL、32% w/w)の添加により、塩基性pHに調整した。減圧下で溶媒を蒸発させて、高粘度の懸濁液を得た。EtOH:アセトン(1:1(v:v);300mL)の添加により生成物を沈殿させ、15分間、室温で攪拌した。固体を濾過(細孔3)によって分離し、5%NH(25mL)に溶解し、EtOH:アセトン(1:1(v:v);300mL)の添加により再び沈殿させた。この溶解/沈殿手順をもう一度繰り返した。得られた固体を1%NH(20mL)に溶解し、濾過し(0.45μm 細孔径;PETフィルター)、一晩、凍結乾燥させた。
【0067】
収量c−di−GMP×2NH(1.79g、2.5mmol)を、オフホワイトの固体として、45%の総収率(出発原料GMPに基づいて算出)で得た。
【0068】
生成物特性づけ
酵素的に生産されたc−di−GMPの素性を、NMRおよびLCMSにより、化学合成されたc−di−GMPとデータを比較することによって確証した。LCMSおよびNMRにより不純物は検出されなかった。
【0069】
H NMR:s(8.0,2H)、s(6.0,2H)、m(5.0,2H)、m(4.8,2H+HOシグナル)、m(4.4,4H)、m(4.1,2H);HPLC−MS:3.36分(210および254nmで純度100%);[M+1]=691(th.691)。HPLC:Atlantis−HPLC−カラム、4.6*50mm、dC18、3μm;溶媒系:水(+0.1%ギ酸)=溶媒A;アセトニトリル(+0.1%ギ酸)=溶媒B;方法:5分間、0から10% B(=100から90% A);10% Bで1分;全実行時間:8分。定量NMR分析により、高いc−di−GMP純度(w/w%=82.1%)が確認された。イオンクロマトグラフィーにより、最終生成物中のナトリウム(w/w%=0.4%)、アンモニウム(w/w%=5.3%)およびリチウム(w/w%=0.04%)カチオンならびに少量のリン酸アニオン(w/w%=0.15%)および塩化物アニオン(w/w%=0.7%)の存在が確認された。カール・フィッシャー滴定を用いて、水の量を決定した。(非水性溶媒系へのc−di−GMPの不溶性のため)MeOH懸濁液中で測定を行った。決定された水の量(w/w%=約10%)を概算推定値として使用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封入体の形態で提供される、修飾RXXDモチーフを含む突然変異体ジグアニル酸シクラーゼ(DGC)。
【請求項2】
GMGG、VMGG、GGVA、GRDC、GVGD、MEGD、GGNH、RESE、RNRD、RVDS、RAGG、およびRGQDから成る群より選択される、修飾RXXDモチーフをアミノ酸153−156に含む、請求項1に記載の突然変異体DGC。
【請求項3】
C.クレセンタス(C.crescentus)DgcA(CC3285)アミノ酸配列V153M154G155G156を有する、請求項2に記載の突然変異体DGC。
【請求項4】
適する宿主における適するDGC遺伝子の過発現、およびそれによって得られた封入体からのDGCの採取を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組換えDGCを製造する方法。
【請求項5】
環状ジグアノシン一リン酸(c−di−GMP)を、酵素的合成によって、生産する方法であって、修飾RXXDモチーフを含む突然変異体ジグアニル酸シクラーゼ(DGC)の影響下で、2つのグアノシン三リン酸(GTP)分子をカップリングさせてc−di−GMP分子を形成することを含むものであり、GTPがグアノシン一リン酸(GMP)の転化によって形成されるワンポット反応によって行われるものであり、適する反応媒体への(a)GMP、(b)無水リン酸ドナー、(c)グアニル酸キナーゼ(GmpK)、(d)ヌクレオシド二リン酸キナーゼ(NdK)、および(e)DGCの添加、混合、およびこの反応混合物をインキュベートしてc−di−GMPを形成することを含む方法。
【請求項6】
DGCが、請求項1から3のいずれか一項に記載の封入体から得ることができる、または請求項4に記載の方法によって作られた、リフォールディングされたDGCである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
DGCが、0.1μMから10μMの量で使用される、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
DGCが、1から2μMの量で使用される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一項に記載の、または請求項4に記載の方法によって作られた、突然変異体ジグアニル酸シクラーゼ(DGC)の影響下で、2つのグアノシン三リン酸(GTP)分子をカップリングさせてc−di−GMP分子を形成することを含む、環状ジグアノシン一リン酸(c−di−GMP)を、酵素的合成によって、生産する方法。
【請求項10】
DGCが合成中に補足される、請求項5から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項5から10のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる、99%を超える純度のc−di−GMP少なくとも10gのバッチ。
【請求項12】
少なくとも100gのサイズを有する、請求項11に記載のバッチ。

【公表番号】特表2012−511313(P2012−511313A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540039(P2011−540039)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066492
【国際公開番号】WO2010/066666
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(506196247)インターベツト・インターナシヨナル・ベー・ベー (85)
【Fターム(参考)】