説明

立体パズルにおける図の貼り方および立体パズル構造

【課題】立体パズルを操作する面白さを高め、興味を引き立てて、一般のキュービックよりチャレンジ性の高い遊び方ができる立体パズルにおける図の貼り方および立体パズル構造を提供する。
【解決手段】立体パズルのキューブにはトリックが設けられていて、数個の共用する図案キューブ、多種類の解答方法を持ち、その提供する数種の解答方法によって三種のそれぞれ異なる図案が得られ、いずれの解答も六面の図案になっていて、このため、三種類の解答は全部で十八種類の図案が現れることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は立体パズルにおける図の貼り方および立体パズル構造に関する。本発明の立体パズルにおける図の貼り方は、立体パズルの各面に特定の方法で図を貼り付けることによって、多様なパズルの遊び方及び解答可能となる上、一部のパズルに何らかのトリックをしかけることで、ゲームの困難度を高めて、チャレンジ性を持たせることができるという特長を持つ。
【背景技術】
【0002】
従来の六面体パズル(ルービックキューブ)は、最も初期の3×3×3の構造(つまり立方体のどの面も3×3のブロックがあり、6面で合計26のブロックがあって、中心のベース部分を回転するようになっている。この回転により位置を変えるという仕組みになっている)から、後に4×4×4及び5×5×5の形態まで発展している。
しかしながら、これらの六面体パズルの遊び方は元の色あるいは図案を回転させて乱した後、再び元の色あるいは図案に戻すというものでしかない。多くの場合、何度か試みた後、うまく完成できず、自信をなくすか、飽きるかで遊ぶことをやめてしまう。このため、これらのタイプの六面体パズルはすぐに新鮮さがなくなり、興味を引かなくなると考えられる。
従来の欠点を鑑み、本発明者は日本に実用新案登録第3082351号の「立体パズル」を提出した。この実用新案は、従来のパズル構造を改良し、新しい立体パズルを提供した。
すでに登録済みの「立体パズル」に創意と高難度の遊び方をもたせるために、本発明では図の貼り方を提供して、そのおもしろみを増した。
【特許文献1】実用新案登録第3082351号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の「立体パズル」に創意と高難度の遊び方をもたせ、そのおもしろみを増すことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の立体パズルにおける図の貼り方は、中間キューブ及び複数のパズル用図案のある取り出し用立体キューブを含む27個の立体キューブからなる。これらの27個のキューブはA、B、Cの三段に配列され、合計9列ある。その貼り合わせは、ステップa、全部で27個の立体キューブを展開して並べる:第一面の図を張り、完成後、横に並べるのを基本とし、どの段も前に90度回転させる。
ステップb、第二面の図を貼り、完成後、横に並べるのを基本とし、どの段も前に90度回転させる。
ステップc、第三面の図を貼り、完成後、横に並べるのを基本とし、どの段も前に90度回転させる。
ステップd、第四面の図を貼り、完成後、縦に並べるのを基本とし、どの段も左に90度回転させる。
ステップe、第五面の図を貼り、完成後、縦に並べるのを基本とし、どの段も左に180度回転させる。
ステップf、第六面の図を貼って完成させる。貼り方にしたがって既定の位置に図を貼りつけると、三種類の解答貼り絵の図案が得られる。数個のキューブの貼り合わせ面にはトリックの図が貼ってある。どの図も、空白図案やその他の図案にすることが可能であるため、これらのトリック用の図案を設けることにより、操作時の困難度やチャレンジ性が増すという特長を持つ。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、立体パズルを操作する面白さを高め、興味を引き立てて、一般のキュービックよりチャレンジ性の高い遊び方ができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1及び図2を参照いただきたい。本発明は3×3×3の構造をしていて、その立方体はいずれも3×3のキューブである。六面で合計26個の立体キューブ10がある。26個の立体キューブには取り出し用のキューブ60も含まれる。そして、26個の立体キューブ10は中心構造に設けられた中間キューブ50を周囲を回転して位置を変えられるようになっている。その中間キューブ50の体積はその他の26個の立体キューブよりやや大きい。故に、その中間キューブ50は中間の位置に留まり、むやみに位置を変えることがない。
【0007】
本発明を実施する方法は、図2から図9を参照いただきたい。25個の立体キューブに、体積のやや大きい中間キューブ50及び取り出し用のキューブ60を加え、合計27個のキューブがある。27個のキューブはA、B、Cの三段に配列され、合計9列ある。取り出し用のキューブ60は、B段の第2列の位置に配置する。中間キューブ50は、B段の第5列の位置に配置する。その他は立体キューブ10である。図案を貼る過程において、中間キューブ50の設置位置は固定されているため図は貼らない。そして、取り出し用キューブ60は、まず図案にしたがい、その表面にあらかじめ図案を貼っておく。その貼り方の順序は以下のとおりである。
【0008】
ステップa、全部で27個の立体キューブに図案を貼る。B段の4列、B段の9列、C段の2列、C段の8列にはトリック用の図案30を貼る。図案を貼ったり、他の図案と交代してはならない。完成後、各段を横に並べるのを基本とする。各段は全て前に90度回転させる。
ステップb、第二面の図を貼る。A段1列、A段3列、B段3列、C段1列、C段3列にトリック用の図案30を貼る。図案を貼ったり、他の図案と交代してはならない。完成後、各段を横に並べるのを基本とする。各段は全て前に90度回転させる。
ステップc、第三面の図を貼る。A段2列、A段6列、A段7列、B段4列、B段9列にトリック用の図案30を貼る。図案を貼ったり、他の図案と交代してはならない。完成後、各段を横に並べるのを基本とする。各段は全て前に90度回転させる。
ステップd、第四面の図を貼る。A段1列、A段2列、b段1列、c段1列、c段2列にトリック用の図案30を貼る。図案を貼ったり、他の図案と交代してはならない。完成後、各段を縦に並べるのを基本とする。各段は全て左に90度回転させる。
ステップe、第五面の図を貼る。A段8列、b段1列、B段3列、B段8列、B段9列、c段8列にトリック用の図案30を貼る。図案を貼ったり、他の図案と交代してはならない。完成後、各段を縦に並べるのを基本とする。各段は全て左に180度回転させる。
ステップf、A段5列、a段6列、B段1列、B段3列、c段5列にトリック用の図案30を貼る。図案を貼ったり、他の図案と交代してはならない。第六面の図が完成する。
【0009】
上述のどの図案も図式に全て記号をつけてある。さらに、本発明の規則にしたがい、一定の位置に設置する。このため、どの図案20も立体キューブ10の貼り合わせ面101に貼る際の方向が、上か下か、左か右かは、全て正確な解答を得るために必要な要素となるため、正確でなければならない。
【0010】
図2、図11から図13を参照いただきたい。上述の方法で図案20を立体キューブ10の貼り合わせ面101に貼ると、三種類の解答が得られる。どの解答も六面あり、パズルとして完全な図案になる。そのうち、図11は、第一種の解答が構成する六面の展開図の図案である。これは共用のキューブ40があり、その位置はF1である。このF1は第二種の解答におけるL2と共用である。図12は、第二種解答が構成する図案である。それは六面の展開図案を構成し、さらに、第二種の貼る図には共用の図案はない。
【0011】
図13は、第三種の解答の展開した状態の六面の貼る図の図案である。共用の図案は使用する量が多い。共用の図案について言えば、Mゾーンの図案において、第一種の解答と共用する図案はM1とA9、M2とA8、M3とA7、M7とA3、M9とA2である。そして、第二種の図案と共用するのはM8とG2である。Nゾーンの図案において、第一種の解答と共用する図案は、N1とB7、N3とB1、N4とB8、N6とB3、N7とB9、N9とB2である。Oゾーンの図案において、第一種の解答と共用する図案は、O1とC9、O2とC4、O3とC7、O4とC8、O6とC2、O7とC3、O9とC1である。Pゾーンの図案において、第一種の解答と共用する図案は、P1とD9、P3とD7、P4とD6、P6とD1、P7とD3、P9とD4である。Rゾーンの図案において、第一種の解答と共用する図案は、R1とF6、R2とF3、R3とF9、R7とF1、R8とL2、R9とF7である。以上、これらの標示は全て共用性の貼る図案である。
【0012】
上記の方法によって、図案を既定の位置に貼り付ると、三種類の解答図案が得られる。数個のキューブ貼り合わせ面にはトリック用の図案30が設置されていて、どの図案も空白、あるいは、その他の無関係の図案が設置されている。このため、これらのトリック用の図案30の設置は、操作時の困難度や挑戦性を増すことができる。そして、これらの共用図案の設置は図案の解答を得るために必要な貼り方である。そして、いずれの解答においても、共用の図案40は立体キューブ10の張り合わせ面101を占領することはない。このため、空いた貼り合せ面101はトリック用の図案30を設置することができる。
【0013】
この数個の立体キューブ10は、一定の方法で図案の貼り終えた後、これらの立体キューブ10を順序良くフレーム1の中に固定する。その構造は図14から図17を参照いただきたい。上述の、数個の立体キューブ10を収納するフレーム1は、その周辺が網目11になっていて、27個の立体キューブ10を包んで固定する。このフレーム1は、数個の立体キューブ10を組み立てて設置するのに便利なようになっている。フレーム1は側面が開放式の構造になっていて、これらの立体キューブ10は順序に従ってフレーム1に収納した時、ふた12によってフレーム1を固定して、立体キューブ10を固定させる。
【0014】
本発明には三種類の解答図案があり、このため、パズルゲームをする時、その取り出し用のキューブ60を取り出してはじめてゲームを始めることができる。しかしながら、完成した図案の中の一面は、取り出し用のキューブ60を取り出したことで、図案が一つ欠けている。この時、その取り出し用のキューブ60によってパズルを完成しなければならない。
【0015】
取り出し用のパズル60の構造は、本体601の四つの側面に、二つ以上の弾力性のある固定金具602がある。本体601の対応する両側には、上方にくぼみ603がある。いずれのくぼみ603も、上方に一対の突起点604がある。本体601の底部中央には中間柱605があって、この中間柱605は、数個の交換用図案606を、穴607を貫通して固定する。どの交換用図案606も表面に図案シールが貼ってある。いずれの交換用図案606も、両側に対称に二つの水平なはめ込み槽607があって、交換用図案606をどの一面でも、取り出し用立体キューブ60をくぼみ603内にはめ込む時に、常に突起点604がはめ込み槽608の中にはまり込むことにより、交換用図案606を固定するようになっている。
【0016】
本発明の実施例は、立体パズルを操作する面白さを高め、興味を引き立てて、一般のキュービックよりチャレンジ性の高い遊び方ができるという特長がある。このため、本発明の実施例における立体パズルのキューブにはトリックが設けられていて、数個の共用する図案キューブ、多種類の解答方法を持ち、その提供する数種の解答方法によって三種のそれぞれ異なる図案が得られ、いずれの解答も六面の図案になっていて、このため、三種類の解答は全部で十八種類の図案が現れることになる。
【0017】
本発明には以下のような特長がある。
1、
本発明の図の貼り方は既定の規則にしたがって実施しなければならない。そして、一部の立体キューブの表面にはトリックがあり、ゲームの困難度及びチャレンジ性を高めている。
2、
共用のシールを必要とし、完成した部分の図案に共同の使用特性を持つ。したがって、面白さが増す外、これらの共用シールは必要な貼り方である。このようにしてこそ、図案の解答が得られるようになっている。
3、
本発明の解答方法は、全部で三種類十八面の解答図案がある。また、三種類の表面の図案が異なるキューブにすることも可能である。
正確な各種の図案解答を得るために、本発明の図案の貼り方には以下のようなステップがある。
ステップa、全部で27個の立体キューブを展開して並べる:第一面の図を張り、完成後、横に並べるのを基本とし、どの列も前に90度回転させる。
ステップb、第二面の図を貼り、完成後、横に並べるのを基本とし、どの段も前に90度回転させる。
ステップc、第三面の図を貼り、完成後、横に並べるのを基本とし、どの段も前に90度回転させる。
ステップd、第四面の図を貼り、完成後、縦に並べるのを基本とし、どの段も左に90度回転させる。
ステップe、第五面の図を貼り、完成後、縦に並べるのを基本とし、どの段も左に180度回転させる。
ステップf、第六面の図を貼って完成させる。
上述の順序で図を貼って完成させた立体キューブを順序にしたがってフレームの中に入れて固定する。そして、取り出し用の立体キューブを取り出して、フレームの網目の中を移動する立体キューブがパズルとして入れ替えられるようにする。また、並べ終えたその面は必ず図案が一つ欠け、この面のパズルの図案は取り出した立体キューブの中に隠されていて、その取り出した立体キューブによって最後にパズルが完成するようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のパズルを組み合わせた状態の立体図である。
【図2】本発明のパズルを各層に分解した状態を示した立体分解図である。
【図3】本発明のパズルにおける全ての立体キューブを配列した実施例の第一面の図を貼った状態を示した図である。
【図4】本発明のパズルにおける立体キューブの実施例の第二面の図を貼った状態を示した図である。
【図5】本発明のパズルにおける立体キューブの実施例の第三面の図を貼った状態を示した図である。
【図6】本発明のパズルにおける立体キューブの実施例の第四面の図を貼った状態を示した図である。
【図7】本発明のパズルにおける立体キューブの実施例の第五面の図を貼った状態を示した図である。
【図8】本発明のパズルにおける立体キューブの実施例の第六面の図を貼った状態を示した図である。
【図9】本発明のパズルに図を貼る順序を示したフローチャートである。
【図10】本発明の立体キューブの図を貼る面を展開した状態を示した図である。
【図11】本発明の立体キューブに第一図面を貼って展開した状態を示した図である。
【図12】本発明の立体キューブに第二図面を貼って展開した状態を示した図である。
【図13】本発明の立体キューブに第三図面を貼って展開した状態を示した図である。
【図14】本発明のパズルキューブの構造を示した図である。
【図15】本発明のパズルキューブの構造の立体分解図である。
【図16】本発明の取り出し用の立体キューブの構造の立体分解図である。
【図17】本発明の取り出し用の立体キューブの構造を側面から見た平面図である。
【符号の説明】
【0019】
10 立体キューブ
101 貼りあわせ面
20 貼った図案
30 トリック用の図案
40 共用の図案
50 中間キューブ
60 取り出し用立体キューブ
601 本体
602 弾力性のある固定金具
603 くぼみ
604 固定突起点
605 中間柱
606 交換用の図案
607 穴
608 はめ込み槽
1 フレームユニット
11 網目
12 ふた

【特許請求の範囲】
【請求項1】
27個のキューブがA、B、Cの三段に配列され、合計9列あり、
ステップa、全部で27個の立体キューブに図案を貼り、B段の4列、B段の9列、C段の2列、C段の8列にはトリック用の図案を貼って、完成後、各段を横に並べるのを基本とし、各段は全て前に90度回転させ、
ステップb、第二面の図を貼り、A段1列、A段3列、B段3列、C段1列、C段3列にトリック用の図案30を貼って、完成後、各段を横に並べるのを基本とし、各段は全て前に90度回転させ、
ステップc、第三面の図を貼り、A段2列、A段6列、A段7列、B段4列、B段9列にトリック用の図案30を貼って、完成後、各段を横に並べるのを基本とし、各段は全て前に90度回転させ、
ステップd、第四面の図を貼り、A段1列、A段2列、b段1列、c段1列、c段2列にトリック用の図案30を貼って、完成後、各段を縦に並べるのを基本とし、各段は全て左に90度回転させ、
ステップe、第五面の図を貼り、A段8列、b段1列、B段3列、B段8列、B段9列、c段8列にトリック用の図案30を貼って、完成後、各段を縦に並べるのを基本とし、各段は全て左に180度回転させ、
ステップf、A段5列、a段6列、B段1列、B段3列、c段5列にトリック用の図案30を貼って、第六面の図が完成させるというステップで完成させるという特長を持つ、立体パズルにおける図の貼り方。
【請求項2】
取り出し用の立体キューブがB段2列に設置されている、請求項1に記載の立体パズルにおける図の貼り方。
【請求項3】
中間キューブがB段5列に設置されている、請求項1に記載の立体パズルにおける図の貼り方。
【請求項4】
トリック用の図案に図を貼らない、請求項1に記載の立体パズルにおける図の貼り方。
【請求項5】
トリック用の図案が設定した解答図案と異なる他の図案に取って代わる、請求項1に記載の立体パズルにおける図の貼り方。
【請求項6】
いずれの貼る図案もその貼る位置と方向に規則がある、請求項1に記載の立体パズルにおける図の貼り方。
【請求項7】
数個の立体キューブを設置するフレームユニットからなり、その数個の立体キューブは、他の立体キューブより体積のやや大きい中間キューブ及び取り出し用のキューブを含み、
取り出し用のキューブは中が空洞状の本体で、その四つの側面には少なくとも二個以上の弾力性のある固定金具があって、本体にはさらに対応する両側にくぼみがあり、どのくぼみも上方に突起点があって、本体底部の中央に上向きに中間柱があって数個の交換用図案を収納し、どの交換用図案も両側に対称に二つの水平なはめ込み槽があって交換用図案のどの一面でも、取り出し用立体キューブをくぼみ内にはめ込む時に、常に突起点がはめ込み槽の中にはまり込むことにより、交換用図案を固定するという特長を持つ、立体パズル構造。
【請求項8】
いずれの交換用図案の表面にもパズルとしてのシールが貼ってある、請求項7に記載の立体パズル構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−143707(P2007−143707A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340077(P2005−340077)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(501088785)
【Fターム(参考)】