説明

立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法

【課題】立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法を提供する。
【解決手段】立体型の飾り物と文様とを含んだデザインをベース基材に形成するデザイン段階S10と、爪の形状が複数個形成された真空成形モールドに供給されたベース基材を吸着させる本体成形段階S20と、吸着されたベース基材をそれぞれの人工ネイルの形状に切断して人工ネイル本体を形成する切断段階S40と、を含み、デザイン段階S10は、ベース基材に文様を印刷する平板印刷段階と、文様の形成位置に文様の形状に光が透過されるように透明の立体型の飾り物を設ける立体型飾り物形成段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法に関し、より詳細には、湾曲状に形成された本体を形状変形させることなく立体型の飾り物を形成しうる立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、人工ネイルは、射出成形によって製造される。図1に示されるように、人工ネイルが射出成形によって製造される場合、射出成形後、射出幹から成形体を分離して使う。すなわち、陰刻と陽刻との一対の射出モールドを有した射出機に投入して爪状に成形され、射出機によって成形された人工ネイル2は、射出幹1にそれぞれ付いた状態になる。射出幹1に付いた状態で成形された人工ネイル2は、曲面印刷やスプレー印刷の方法によって所定の色彩または形状に飾られ、立体型の飾り物を付着させようとする場合、図1(b)に示されるように、ピンセットPなどで立体型の飾り物3を把持した後、人工ネイル2に直接付着させるために、熟練度によって立体型の飾り物3を所望の位置に付着させることができる正確度が毎度変わり、機械などを用いて人工ネイル2に立体型の飾り物3を付着しても、人工ネイル2が湾曲状に形成されているために、垂直方向の力を加えて立体型の飾り物3を人工ネイル2に付着させる場合、人工ネイル2の形状が変形されるという問題点が発生することがある。
【0003】
また、従来の人工ネイルの製造方法は、射出成形によって人工ネイルを製造するために、射出モールドのキャビティ数の制限によって、1回に生産することができる人工ネイルの生産量が少ない。そして、射出幹1から人工ネイル2を脱着する過程で人工ネイルに射出幹1の一部が残留すれば、指爪に人工ネイル2を適用する前に、人工ネイル2の表面をユーザが個人的に整えなければならず、この過程で同様に人工ネイル2に変形が発生することがある。これと同様に、射出成形で人工ネイルを製造しようとすれば、ABS樹脂を使わなければならず、それ以外の材質では、人工ネイルを製造しにくいという問題点がある。
【0004】
したがって、最近、一般的な立体型の飾り物だけではなく、光輝性の立体型の飾り物を含むデザインを均一な形状にして容易に適用すると同時に、湾曲状に形成された人工ネイルの本体の形状における変形の発生を防止しながら、人工ネイルの生産量を向上させうる立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法の必要性が台頭しつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、一般的な立体型の飾り物だけではなく、光輝性の立体型の飾り物を含むデザインを均一な形状にして容易に適用すると同時に、湾曲状に形成された人工ネイルの本体の形状における変形の発生を防止しながら、人工ネイルの生産量を向上させうる立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、立体型の飾り物と文様とを含んだデザインをベース基材に形成するデザイン段階と、爪の形状が複数個形成された真空成形モールドに供給された前記ベース基材を吸着させる本体成形段階と、前記吸着されたベース基材をそれぞれの人工ネイルの形状に切断して人工ネイル本体を形成する切断段階と、を含み、前記デザイン段階は、前記ベース基材に文様を印刷する平板印刷段階と、前記文様の形成位置に前記文様の形状に光が透過されるように透明な立体型の飾り物を設ける立体型飾り物形成段階と、を含む立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法を提供する。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、前記立体型飾り物形成段階では、前記文様に立体感を与える凸状に形成される立体層と、前記立体層が前記文様に付着形成されるように、前記立体層と前記文様との間に形成されるコーティング塗料層とが形成されることが望ましい。
【0008】
また、前記文様は、光輝性反射層を含むことが望ましい。
【0009】
また、前記反射層は、メタリックインクで形成されることが望ましい。
【0010】
また、前記反射層は、金属薄膜及び金属粉末のうち何れか一つ以上であることが望ましい。
【0011】
また、前記反射層と前記ベース基材との間には、反射物固着層がさらに形成されることが望ましい。
【0012】
また、前記立体層は、シルクスクリーン技法によって形成されることが望ましい。
【0013】
また、前記コーティング塗料層は、UVレジン、ウレタンレジン、アクリルレジン、セルロースレジン、ポリエステルレジン、ビニルレジン、ポリアミドレジン、エポキシレジン、アルキドレジン、及びラテックスカゼインのうち何れか一つ以上を選択することが望ましい。
【0014】
また、前記立体層は、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、エポキシ−シリコン混合樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、及びアクリル−ウレタン混合樹脂のうち何れか一つで形成されることが望ましい。
【0015】
また、前記立体層には、前記文様に光を透過させる染料及び光輝性グリッターのうち何れか一つ以上がさらに備えられることが望ましい。
【0016】
また、前記立体層は、前記文様に光が集光されるように凸状の湾曲状に形成されることが望ましい。
【0017】
また、前記立体層の接触角は、20゜ないし70゜であることが望ましい。
【0018】
また、前記人工ネイル本体の下面に粘着層及び前記粘着層を保護する離型紙がさらに形成されることが望ましい。
【0019】
また、前記ベース基材は、PVC、ポリウレタン、PVDC、EVA、PP、及びPETGのうち最小1種以上のブレンドまたは共重合体で形成されることが望ましい。
【0020】
また、前記本体成形段階には、前記ベース基材が加熱された後、前記真空成形モールドに挿入されることが望ましい。
【0021】
また、前記本体成形段階及び前記切断段階の間に吸着された前記ベース基材を冷却させる冷却段階をさらに含むことが望ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、反射層の上部に凸状に立体層を塗布することによって、宝石を付着させたのと同じような立体型の飾り物を一定の位置に備え、印刷技法を使って立体型の飾り物を備えるために、立体型の飾り物の大きさ及び位置を容易に調節することができ、製造工程時間が短縮されて製造にかかる諸般のコストが減少する。したがって、安価のコストで立体型の飾り物が形成された人工ネイルを提供できるだけではなく、非熟練者が指爪の美観を向上させようとするときにも、容易にそのデザインを取捨選択して自身の指爪に適用することができ、便宜性が向上する。そして、真空成形方法によって所望の特性によって多種で人工ネイルの本体の材質を取捨選択できるだけではなく、射出成形方法で人工ネイルを形成する場合と比べて、同じ製造コストで生産することができる人工ネイルの生産量が向上し、本体成形段階以前に、ベース基材に立体型の飾り物を形成するために、人工ネイルの表面により精巧なデザインを形成しうる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】一般的な人工ネイルの平面図及び正面図である。
【図2】本発明の一実施形態の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法のフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法の概略図である。
【図4】本発明のさまざまな実施形態の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法で製造された人工ネイルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、望ましい実施形態を挙げて本発明をより詳細に説明する。しかし、これら実施形態は、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲が、これによって制限されないということは当業者に自明である。
【0025】
指爪の一部にきらめく効果を与えるためには、一般的に宝石のような立体型の飾り物を手作業で指爪に直接付着させる。本発明の立体型の飾り物120が形成された人工ネイル100は、従来の方法とは異なって、文様112を形成する過程できらめく材質で反射層112’を文様112に含んで形成した後、反射層112’の上面を透明な材質で凸状に覆う。このような方法で形成された立体型の飾り物120は、体積感と光輝性とを有するために、立体型の飾り物120が反射層112’によってきらめく性質を有した宝石の形状を具現させうる。すなわち、本発明は、人工ネイル100に形成された立体型の飾り物120を印刷技法を通じて成形することによって、立体型の飾り物120の形状、大きさ及び形成位置を調節することができる。したがって、手作業によって付着された立体型の飾り物120とは異なって、均一なデザインの立体型の飾り物120を人工ネイル100に備え、かつ、従来のように立体型の飾り物120を付着する過程で立体型の飾り物120の粘着剤に熱を加える過程を省略できるために、ベース基材10の局所部位における熱変形の発生を防止することができる。また、立体型の飾り物120が形成された人工ネイル100の製造工程時間を短縮し、ベース基材10自体が平板状であるために、デザインを形成する過程で従来とは異なって、2次元のプログラミングでデザインを図式化することができて、デザイン段階(ステップS10)で実行される処理の正確度が向上する。
【0026】
図2には、本発明の一実施形態の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法のフローチャートが示されており、図3には、本発明の一実施形態の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法の概略図が示されている。
【0027】
本発明による立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法は、図2及び図3に示されたように、立体型の飾り物120と、文様112と、文様112に含まれる反射層112’とを含んだデザインをベース基材10に形成するデザイン段階(ステップS10)と、爪の形状が複数個形成された真空成形モールド210に供給された前記ベース基材10を吸着させる本体成形段階(ステップS20)と、前記吸着されたベース基材10をそれぞれの人工ネイル100状に切断して人工ネイル100の本体110を形成する切断段階(ステップS40)と、を含み、前記デザイン段階(ステップS10)は、前記ベース基材10に文様112を印刷する平板印刷段階と、前記文様112の形成位置に前記文様112の形状に光が透過されるように透明の立体型の飾り物120を設ける立体型の飾り物120形成段階と、を含む。
【0028】
デザイン段階(ステップS10)は、図3(a)に示されるように、真空成形モールド210に供給されるベース基材10にデザインを形成する段階である。この際、ベース基材10に形成されるデザインは、平板型の文様112を形成することもできるが、平板型の文様112と同時に、立体型の飾り物120を形成することもできる。この際、文様112は、立体型の飾り物120の形成位置にのみ備えられ、それ以外の領域にも備えられうる。
【0029】
このように、デザイン段階(ステップS10)を経たベース基材10を真空成形モールド210に供給すれば、平板型のベース基材10と真空成形モールド210との間に空間211が形成される。前記空間211内の空気を真空ポンプ212で吸入すれば、図3(b)に示されるように、ベース基材10が真空成形モールド210の形状によって成形される。この際、ベース基材10が真空成形モールド210の形状に合わせてさらに円滑に形状変形を可能にするために、加熱されたベース基材10を真空成形モールド210に供給することができる。ここで、ベース基材10が加熱される温度は、ベース基材10として使われる材質が如何なるものかによって変更可能である。本発明の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法は、射出成形方法によって人工ネイル100を製造する方法とは異なって、ベース基材10を平板型に形成することができれば、真空方式によってベース基材10の形状を自在に成形することができるために、人工ネイル100の製造に多様な材料を使うことができる。ここで、ベース基材10として使える材質としては、PVC、ポリウレタン、PVDC、EVA、PP、及びPETGがあり、これら材質が単一材質として使われることもあるが、1種以上がブレンドまたは共重合体で形成されたものをベース基材10の材質として使うこともできる。
【0030】
このように、本体成形段階(ステップS20)で加熱されたベース基材10を供給する場合、成形されたベース基材10を冷却させる冷却段階(ステップS30)をさらに含むこともできる。このような冷却段階(ステップS30)は、ベース基材10が真空成形モールド210に定置されているとき、または図3(c)に示されるように、真空成形モールド210から脱着された後に実行されうる。このように成形されたベース基材10は、図3(d)に示されるように、切断装置220によってそれぞれの人工ネイル100の形状に裁断される。ここで、切断装置220は、ベース基材10が定置される下部切断装置220aと、刃が形成された上部切断装置220bとに分割され、上部切断装置220bによって立体型の飾り物120が過度に加圧されないようにする。そのために、上部切断装置220bと下部切断装置220aとが組み合わされたとき、一つの人工ネイル100を裁断する刃の内側に位置した上部切断装置220bと下部切断装置220aとの間の間隔が人工ネイル100の厚さより大きいように調節することが望ましい。
【0031】
図4には、本発明のさまざまな実施形態の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法で製造された人工ネイルの断面図が示されている。
【0032】
本発明の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法は、立体型の飾り物120のうち、特に、光によって反射される光輝性を有した立体型の飾り物120を形成することによって、人工ネイル100に宝石類を付着させたのと同じような効果を得ると同時に、このような立体型の飾り物120を人工ネイル100に形成するのに必要な時間を短縮させることができる。
【0033】
このような立体型の飾り物120を形成する段階では、前記反射層112’に立体感を与える凸状の立体層120bを形成し、前記立体層120bが前記反射層112’に付着形成されるように、前記立体層120bと前記反射層112’との間に形成されたコーティング塗料層120aが形成される。コーティング塗料層120aは、反射層112’と立体層120bとの間に備えられるものであって、立体層120bを反射層112’の上面に安定して定着させうる。立体層120bを形成するのには、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ−シリコン混合樹脂、アクリル−ウレタン混合樹脂が使われる。このように、立体層120bの形成に使われる材質は、反射層112’との付着力が弱いために、弱いスクラッチ(scratch)にも反射層112’と立体層120bとが容易に分離される。したがって、反射層112’と立体層120bとの間にコーティング塗料層120aを備えることによって、立体層120bを反射層112’の上面に安定して定着させうる。ここで、コーティング塗料層120aは、UVレジン、ウレタンレジン、アクリルレジン、セルロースレジン、ポリエステルレジン、ビニルレジン、ポリアミドレジン、エポキシレジン、アルキドレジン、及びラテックスカゼインのうち何れか一つ以上を選択することが望ましい。
【0034】
コーティング塗料層120aと立体層120bは、いずれも光透過可能な透明物質で形成されているために、反射層112’に光を透過させて反射層112’で光輝性能を発揮させうる。この際、立体層120bは、前記反射層112’に光を到逹させるが、立体層120bに染料やグリッターなどを含むことによって、反射層112’から反射される光の色相及び光が反射される程度を調節することができる。ここで、反射層112’とは、文様112に含まれるもので光輝性物質でデザインされたものを、特に、反射層112’と言う。すなわち、立体層120bによってボリューム感が形成されながら、立体層120bを透過した光によって光輝性能を発揮する文様112を反射層112’と言う。本発明は、反射層112’以外に他のデザインも文様112に含まれうるが、立体型の飾り物120が、反射層112’の上部に形成された場合に限定して説明する。
【0035】
前記反射層112’は、光輝性能を発揮することができる材質のうち、メタリックインクをベース基材10に塗布することによって、本体110に反射層112’を形成させ、金属薄膜や金属粉末などをベース基材10に形成することによって、本体110に反射層112’を形成させることもできる。この際、金属薄膜や金属粉末がベース基材10に形成されるように、反射層112’と前記ベース基材10との間に反射物固着層114をさらに形成しうる。
【0036】
立体層120bを凸状に形成させることができるものであれば、如何なる成形方法でも使うことができるが、立体層120bの形状を、特に、水泡の形状のように凸状に形成できるようにシルクスクリーン技法によって立体層120bを形成することが望ましい。このように、シルクスクリーン技法は、宝石のように光輝性立体型の飾り物120を形成しようとする位置に、立体層120bを形成するときに使われる。
【0037】
すなわち、コーティング塗料層120aが備えられた位置にのみ塗布が可能な立体層120bの特性によって、コーティング塗料層120aの形成位置がどこかによって、立体層120bの形成位置を変更することができる。例えば、反射層112’の形成位置にのみコーティング塗料層120aを備える場合、コーティング塗料層120aの上部にのみ塗布される立体層120bが形成される。また、コーティング塗料層120aは、基材層の全般に亘って形成されるが、立体型の飾り物120で表現される位置が基材層の一部の位置に限定される場合には、前記立体層120bは、シルクスクリーン技法によって形成され、反射層112’の文様112によって立体層120bの厚さ及び文様112を形成する。すなわち、立体型の飾り物120の効果を発揮させるために、特定位置でシルクスクリーン印刷方式により数回反復してエポキシ樹脂を塗布して立体層120bを形成する。このように、立体層120bを水泡の形状のように凸状に形成すれば、光が透過する立体層120bが凸レンズのように集光性を発揮するために、反射層112’に備えられた光輝物質にさらに多い量の光を集めることにより、反射層112’の光輝性が向上する。それだけではなく、反射層112’のデザインが拡大されて立体型の飾り部の美観が向上する。
【0038】
本発明において、立体層120bの接触角θは、立体層120bとコーティング塗料層120aとが接する立体層120bの下端部地点での接線と、前記立体層120b底面とが成す角を言うものであって、この角度を立体層120bの内側で測定したことを指称する。そして、立体層120bの接触角θが20゜ないし70゜である状態で形成されることが望ましい。ここで、立体層120bの接触角θが70゜を超過する場合、立体層120bの上面が過度に凸状になり、集光範囲が局所部位に限定される。また、立体層120bの接触角θが20゜未満に形成されれば、立体層120bの上面が偏平であるために、集光性が顕著に低下して反射層112’の光輝性を向上させることができない。したがって、立体層120bの接触角θは、20゜ないし70゜であることが望ましい。
【0039】
このような形状的特性で人工ネイル100を製造するとき、本発明による立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法は、図4に示されるように、さまざまな実施形態で人工ネイル100を製造することができる。すなわち、図4(a)に示されるように、人工ネイル100の本体110の上部に文様112を形成し、反射層112’を含んで文様112を形成することで、反射層112’の上部にコーティング塗料層120a及び立体層120bを含む立体型の飾り物120を備える。また、反射物固着層114を形成して反射層112’を本体110に形成する場合には、まず、図4(b)に示されるように、反射物固着層114によって本体110に形成された反射層112’を含む文様112が本体110に形成される。この際、立体型の飾り物120は、文様112のうち、反射層112’の上部に位置する。また、文様112として反射層112’のみを本体110に形成する場合、図4(c)に示されるように、反射層112’の形成位置にのみ立体型の飾り物120が備えられうる。ここで、反射層112’は、反射物固着層114によって本体110と結合されたものと示されているが、メタリックインクを使う場合のように反射物固着層114なしに本体110の上部に直接反射層112’を塗布し、その上部に立体型の飾り物120を形成しうる。ここで、本体110の下部に別途の粘着剤が備えられていない状態で供給されることもあり、図4に共通的に示されたように、本体110の下部に別途の粘着剤を塗布して粘着層105を形成すると同時に、粘着層105を保護する離型紙102をさらに備えることができる。
【0040】
本発明の単純な変形または変更は、いずれも当業者によって容易に実施され、このような変形や変更は、いずれも本発明の領域に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法に関連する分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
10:ベース基材
100:人工ネイル
102:離型紙
105:粘着層
110:本体
112:文様
112’:反射層
114:反射物固着層
120:立体型の飾り物
120a:コーティング塗料層
120b:立体層
210:真空成形モールド
211:空間
212:真空ポンプ
220:切断装置
220a:下部切断装置
220b:上部切断装置
S10:デザイン段階
S20:本体成形段階
S30:冷却段階
S40:切断段階

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体型の飾り物と文様とを含んだデザインをベース基材に形成するデザイン段階と、
爪の形状が複数個形成された真空成形モールドに供給された前記ベース基材を吸着させる本体成形段階と、
前記吸着されたベース基材をそれぞれの人工ネイルの形状に切断して人工ネイル本体を形成する切断段階と、を含み、
前記デザイン段階は、
前記ベース基材に文様を印刷する平板印刷段階と、
前記文様の形成位置に前記文様の形状に光が透過されるように透明な立体型の飾り物を設ける立体型飾り物形成段階と、
を含むことを特徴とする立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項2】
前記立体型飾り物形成段階では、
前記文様に立体感を与える凸状に形成される立体層と、前記立体層が前記文様に付着形成されるように、前記立体層と前記文様との間に形成されるコーティング塗料層とが形成されることを特徴とする請求項1に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項3】
前記文様は、光輝性反射層を含むことを特徴とする請求項1に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項4】
前記反射層は、メタリックインクで形成されることを特徴とする請求項3に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項5】
前記反射層は、金属薄膜及び金属粉末のうち何れか一つ以上であることを特徴とする請求項3に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項6】
前記反射層と前記ベース基材との間には、反射物固着層がさらに形成されることを特徴とする請求項5に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項7】
前記立体層は、シルクスクリーン技法によって形成されることを特徴とする請求項2に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項8】
前記コーティング塗料層は、UVレジン、ウレタンレジン、アクリルレジン、セルロースレジン、ポリエステルレジン、ビニルレジン、ポリアミドレジン、エポキシレジン、アルキドレジン、及びラテックスカゼインのうち何れか一つ以上を選択することを特徴とする請求項2に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項9】
前記立体層は、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、エポキシ−シリコン混合樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、及びアクリル−ウレタン混合樹脂のうち何れか一つで形成されたことを特徴とする請求項2に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項10】
前記立体層には、前記文様に光を透過させる染料及び光輝性グリッターのうち何れか一つ以上がさらに備えられることを特徴とする請求項2に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項11】
前記立体層は、前記文様に光が集光されるように凸状の湾曲状に形成されることを特徴とする請求項2に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項12】
前記湾曲状に形成された立体層の接触角は、20゜ないし70゜であることを特徴とする請求項11に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項13】
前記人工ネイル本体の下面に粘着層及び前記粘着層を保護する離型紙がさらに形成されることを特徴とする請求項1に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項14】
前記ベース基材は、PVC、ポリウレタン、PVDC、EVA、PP、及びPETGのうち最小1種以上のブレンドまたは共重合体で形成されることを特徴とする請求項1に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項15】
前記本体成形段階には、前記ベース基材が加熱された後、前記真空成形モールドに挿入されることを特徴とする請求項1に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。
【請求項16】
前記本体成形段階及び前記切断段階の間に吸着された前記ベース基材を冷却させる冷却段階をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の立体型の飾り物が形成された人工ネイルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−17805(P2013−17805A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−266599(P2011−266599)
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【出願人】(510020088)
【氏名又は名称原語表記】CHANG, Sung Yong
【Fターム(参考)】