説明

立体液晶表示装置

【課題】パターン位相差フィルムに遮光部を設けなくともクロストークを抑制することができ、バックライトからの光を有効に利用することができ、生産コストが低い立体液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】バックライト、第一の偏光板、左目用画像光と右目用画像光を水平ライン毎に規則的に発することが可能な液晶パネル、第二の偏光板及び当該液晶パネルの左目用画像の光と右目用画像の光を発する水平ラインに対応した二種類の位相差層のパターンを有するパターン位相差フィルム、をこの順に備える立体液晶表示装置であって、前記バックライト及び前記第一の偏光板からなる積層体の表面において、JIS C6101−1(1998)に準拠して測定した垂直方向における輝度が正面方向の中心位置での輝度の1/2以上となる角度が、−25°〜25°であることを特徴とする、立体液晶表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
立体映像表示方式の一つとして、例えば、水平ラインの奇数ラインからは左目用画像の光を発し、水平ラインの偶数ラインからは右目用画像の光を発するというように、水平ライン毎に左目用画像の光と右目用画像の光を発し、これを偏光によって分離する方式(以下、「ライン・バイ・ライン方式」という。)がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
図11は、従来のライン・バイ・ライン方式の立体液晶表示装置の構成の一例を分解して示した模式図である。
図11の立体液晶表示装置300は、バックライト310、液晶パネルの表示面とは反対側(裏側)の第一の偏光板320、液晶パネル330、液晶パネルの表示面側の第二の偏光板340及びパターン位相差フィルム350からなる。ここで、液晶パネル330は、各ライン毎に左目用画像の光と右目用画像の光を交互に発するように設定されている。そして、パターン位相差フィルム350は、正面方向(液晶パネル330やパターン位相差フィルム350の法線方向)から見た際に、液晶パネル330の左目用画像を発するライン(L)に対応して左目用の位相差層(L)が配置され、かつ、液晶パネルの右目用画像を発するライン(R)に対応して右目用の位相差層(R)が配置されており、この左目用の位相差層(L)の遅相軸(光軸)と右目用の位相差層(R)の遅相軸(光軸)は、通常、直交するように配置されている。
【0004】
そして、図11のようなライン・バイ・ライン方式の立体液晶表示装置における立体視の原理は以下の通りである。
まず、バックライト310から非偏光(偏光のない光)の画像光であって左目用と右目用の区別のない光360が発せられる。次いで、バックライト310から発せられた光360は、第一の偏光板320によって直線偏光であって左目用と右目用の区別のない光370に変換される。その光370は、液晶パネル330の左目用画像のライン(L)を通過すると、直線偏光であって左目用画像の光380となる。次いで、その光380は、第二の偏光板340を通過して直線偏光であって左目用画像の光390となる。そして、その光390はパターン位相差フィルム350の左目用の位相差層(L)によって、円偏光(又は楕円偏光)であって左目用画像の光400に変換される。右目用画像の光も、図示しないが、左目用画像の光と同様に、液晶パネル330の右目用画像のライン(R)を通過し、第二の偏光板340を通過し、さらにパターン位相差フィルム350の右目用の位相差層(R)を通過して、左目用画像の光と対照的な円偏光(又は楕円偏光)であって右目用画像の光に変換される。このとき、パターン位相差フィルム350の左目用の位相差層(L)の遅相軸と右目用の位相差層(R)の遅相軸とが、直交していることにより、パターン位相差フィルム350を通過した左目用画像の円偏光(楕円偏光)と右目用画像の円偏光(楕円偏光)の回転方向が異なる。
このように、立体液晶表示装置300から発せられた画像の光は、左目用画像の光と右目用画像の光に分離される。そして、観察者410の装着した偏光メガネによって、分離された左目用画像の光のみを左目に届け、一方、分離された右目用画像の光のみを右目に届け、立体視を行っている。なお、図11及び12においては、観察者の装着している偏光メガネは省略している。また、本発明の模式図においては、説明の便宜上、縦横の寸法比、各層及び各部材の寸法、各部材間の距離は実寸から変えて誇張して示している。
【0005】
立体液晶表示装置の正面方向から画像を観察した場合は、上述したように十分な立体視が可能となるが、当該立体液晶表示装置の上下斜め方向から画像を観察した場合、立体視が弱まるという問題があった。
【0006】
この立体視が弱まる原因は以下のとおりである。
図12に示される立体液晶表示装置300は図11と同じものであるが、立体液晶表示装置300の上下斜め方向から画像を観察した場合、バックライト310から上下方向に角度をもって発せられた光420が観察される。すなわち、バックライト310から発せられ、液晶パネル330の左目用画像のライン(L)を通過し、本来、パターン位相差フィルム350の左目用の位相差層(L)によって変換されるべき光が、バックライト310から角度をもって発せられているため、位相差フィルム350の右目用の位相差層(R)を通過してしまい、本来見えるべきでない画像の光が左目に届いてしまい、立体視が弱まる。
立体液晶表示装置300の上下斜め方向から画像を観察した場合、液晶パネル330の右目用画像のライン(R)を通過した光も同様であり、本来、パターン位相差フィルム350の右目用の位相差層(R)によって変換されるべき光が、パターン位相差フィルム350の左目用の位相差層(L)を通過してしまい、立体視が弱まる。
この他、図示しないが、液晶パネル330の左目用画像のライン(L)を通過した光が、パターン位相差フィルム350の左目用の位相差層(L)のみを通過せずに、パターン位相差フィルム350の左目用の位相差層(L)と右目用の位相差層(R)の両方を通過してしまうため、立体視が弱まる。さらに、これと対称的に、液晶パネル330の右目用画像のライン(R)を通過した光が、パターン位相差フィルム350の右目用の位相差層(R)のみを通過せずに、パターン位相差フィルム350の左目用の位相差層(L)と右目用の位相差層(R)の両方を通過してしまうため、立体視が弱まる。
【0007】
このように、液晶パネル330から発せられた左目用又は右目用の画像の光が、本来意図しているパターン位相差フィルム350の左目用の位相差層(L)又は右目用の位相差層(R)のみを通過せず、パターン位相差フィルム350の他の位相差層も通過してしまう、いわゆる「クロストーク」と呼ばれる現象によって立体視が弱まるという問題があった。
【0008】
このクロストークにより立体視が弱まるという問題に対して、例えば、特許文献1では、上記パターン位相差フィルムに相当する偏光軸制御板において、右目偏光領域と左目偏光領域との境界に遮光部を設け、上記液晶パネルに相当する画像生成部の右目画像生成領域から発せられた画像光が左目偏光領域を通過しないようにすることで、クロストークを低減することができる立体表示装置を提案している。
【0009】
しかし、このようにパターン位相差フィルムの左目用の位相差層(L)と右目用の位相差層(R)との境界に遮光部を設ける方法では、本来観察者に届く光が遮光部によって遮られ、バックライトから発せられた光を有効に利用できないという問題があった。さらに、上記遮光部を設ける方法では、遮光部を設けるための材料や工程が必要となり、表示装置の生産コストが増大してしまっていた。
【0010】
これらのことから、パターン位相差フィルムに遮光部を設けなくともクロストークを抑制することができ、バックライトから発せられた光を有効に利用することができ、かつ、生産コストが低い立体表示装置が要求されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−230084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、パターン位相差フィルムに遮光部を設けなくともクロストークを抑制することができ、バックライトから発せられた光を有効に利用することができ、かつ、生産コストが低い立体液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らが鋭意検討した結果、バックライトから発せられる光の角度を特定の範囲とすることで、パターン位相差フィルムに遮光部を設けなくともクロストークが抑制でき、遮光部がないためバックライトから発せられた光を有効に利用することができ、かつ、生産コストが低い立体液晶表示装置が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
すなわち、本発明に係る立体液晶表示装置は、バックライト、第一の偏光板、左目用画像の光と右目用画像の光を水平ライン毎に規則的に発することが可能な液晶パネル、第二の偏光板及び当該液晶パネルの左目用画像の光と右目用画像の光を発する水平ラインに対応して当該左目用画像の光に対応する位相差層(L)と当該右目用画像の光に対応する位相差層(R)とがパターン状に形成されており、当該位相差層(L)の遅相軸(L)の方向と、当該位相差層(R)の遅相軸(R)の方向が異なっているパターン位相差フィルム、をこの順に備える立体液晶表示装置であって、前記バックライト及び前記第一の偏光板からなる積層体の当該第一の偏光板側の表面において、JIS C6101−1(1998)に準拠して測定した垂直方向における輝度が正面方向の中心位置での輝度の1/2以上となる角度が、−25°〜25°であることを特徴とする。
【0015】
このようにバックライトから発せられる光の角度を特定の範囲とすることで、バックライトから発せられる光が正面方向に集中し、上下斜め方向に進みにくくなる。そのため、液晶パネルから発せられた左目用又は右目用の画像の光は、本来意図している位相差フィルムの左目用の位相差層(L)又は右目用の位相差層(R)のみを通過しやすくなり、クロストークが抑制される。
【0016】
本発明に係る立体液晶表示装置においては、前記バックライトが、散乱導光板及びプリズムシートを備え、前記プリズムシートは、そのプリズム形状を有する面を前記散乱導光板側に向けて、当該散乱導光板よりも前記第一の偏光板側に配置されていることが、クロストークを抑制し、かつ、正面方向の輝度を高められるため好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る立体液晶表示装置は、パターン位相差フィルムに遮光部を設けなくともクロストークが抑制でき、遮光部がないためバックライトから発せられた光を有効に利用することができ、かつ、生産コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明に係る立体液晶表示装置の構成の一例を模式的に示した断面図である。
【図2】図2は、バックライト及び第一の偏光板からなる積層体の一例を示した模式図である。
【図3】図3は、本発明において好適に用いることができるバックライトの一例を模式的に示した断面図である。
【図4】図4は、本発明において好適に用いることができるバックライトの他の一例を模式的に示した断面図である。
【図5】図5は、散乱導光板と光源からなるバックライトの一例を模式的に示した斜視図である。
【図6】図6は、散乱導光板と光源からなるバックライトの他の一例を模式的に示した斜視図である。
【図7】図7は、散乱導光板の一部の一例を模式的に示した断面図である。
【図8】図8は、本発明において好適に用いることができるバックライトの他の一例を模式的に示した断面図である。
【図9】図9は、パターン位相差フィルムの層構成を模式的に示した断面図である。
【図10】図10は、光配向膜を形成する工程の一例を示した模式図である。
【図11】図11は、従来のライン・バイ・ライン方式の立体液晶表示装置の構成の一例を示した模式図である。
【図12】図12は、従来のライン・バイ・ライン方式の立体液晶表示装置におけるクロストークの一例を示した模式図である。
【図13】図13は、実施例で作製し、用いたバックライト装置の正面方向での中心位置での輝度の1/2以上となる角度範囲を示すグラフである。
【図14】図14は、比較例で作製し、用いたバックライト装置の正面方向での中心位置での輝度の1/2以上となる角度範囲を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0020】
本発明において、(メタ)アクリル樹脂は、アクリル樹脂及び/又はメタクリル樹脂を表し、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートを表す。
本発明において樹脂とは、モノマーやオリゴマーの他、ポリマーを含む概念である。
【0021】
(立体液晶表示装置)
本発明に係る立体液晶表示装置は、バックライト、第一の偏光板、左目用画像の光と右目用画像の光を水平ライン毎に規則的に発することが可能な液晶パネル、第二の偏光板及び当該液晶パネルの左目用画像の光と右目用画像の光を発する水平ラインに対応して当該左目用画像の光に対応する位相差層(L)と当該右目用画像の光に対応する位相差層(R)とがパターン状に形成されており、当該位相差層(L)の遅相軸(L)の方向と、当該位相差層(R)の遅相軸(R)の方向が異なっているパターン位相差フィルム、をこの順に備える立体液晶表示装置であって、前記バックライト及び前記第一の偏光板からなる積層体の当該第一の偏光板側の表面において、JIS C6101−1(1998)に準拠して測定した垂直方向における輝度が正面方向の中心位置での輝度の2分の1以上となる角度が、−25°〜25°であることを特徴とし、さらに−20°〜20°であることが好ましい。
【0022】
このようにバックライトから発せられる光の角度を特定の範囲とすることで、バックライトから発せられる光が正面方向に集中し、上下斜め方向に進みにくくなる。そのため、液晶パネルから発せられた左目用又は右目用の画像の光は、本来意図しているパターン位相差フィルムの左目用の位相差層(L)又は右目用の位相差層(R)のみを通過しやすくなり、クロストークが抑制される。
【0023】
図1は、本発明に係る立体液晶表示装置の構成の一例を分解して模式的に示した断面図である。
本発明に係る立体液晶表示装置1は、バックライト10、第一の偏光板20、液晶パネル30、第二の偏光板40及びパターン位相差フィルム50をこの順序で備える。製品として使用する際には、バックライト10側が液晶表示装置1の観察者から見て奥側(以下、「裏側」ということがある。)となり、パターン位相差フィルム50が液晶表示装置1の観察者から見て手前側(以下、「表側」ということがある。)となる。また本発明においては、後述するように、バックライト10と第一の偏光板20からなる積層体60の表側において、バックライト10から発せられる光の角度(視野角)を評価する。
図1と後述する図との位置関係を把握しやすくするため、図1に示すように便宜的にパターン位相差フィルム50の平面をXY平面とし、パターン位相差フィルム50の法線方向と平行な方向をZ方向としている。さらに、画像表示面が垂直となるように液晶パネルを立てたときに、下から上へ向かう方向をX方向(上向きがプラス、下向きがマイナス)とし、左から右へ向かう方向をY方向(左から右への向きがプラス、右から左への向きがマイナス)としている。
なお、図1においては、本発明に深く関連する部材のみを示しており、立体液晶表示装置を駆動するための駆動回路や信号処理回路等は省略している。
【0024】
図2は、バックライト及び第一の偏光板からなる積層体の一例を示した模式図である。
図2の(a)は、バックライト10と第一の偏光板20からなる積層体60の一例を示した斜視図である。
図2の(b)は、積層体60を第一の偏光板20側(表側)から見た平面図であり、図2の(c)は、積層体60をY方向から見た断面図である。本発明において、バックライトから発せられる光の角度を測定する場合、JIS C6101−1(1998)に準拠して測定する垂直方向における角度を測定する。ここで、垂直方法とは、図2の(b)の図中の両矢印で示すように、積層体60を正面方向から見た場合に上下方向となる方向、すなわちX方向を意味する。そして、当該垂直方向における輝度が正面方向の中心位置での輝度の1/2以上となる角度とは、図2の(c)に示すように、積層体60の第一の偏光板20側の正面方向の中心位置Cの輝度(Lc)と、中心位置Cから垂直方向、かつ、同心円上のある位置Pにおける輝度(Lp)が、Lc/2≦Lpの関係を満たす角度(以下、「αV」という。)をいう。なお、角度が正の値の場合は、正面方向の中心位置Cよりも垂直方向の上側における角度を意味し、角度が負の値の場合は、正面方向の中心位置Cよりも垂直方向の下側における角度を意味する。
本発明に係る立体液晶表示装置では、上記αVが−20°〜20°であることにより、クロストークが抑制される。
【0025】
以下、本発明に係る立体液晶表示装置を構成するバックライト、第一の偏光板、液晶パネル、第二の偏光板及びパターン位相差フィルム並びに必要に応じて適宜設けることができるその他の部材について説明する。
【0026】
(バックライト)
バックライト10は、本発明に係る立体液晶表示装置の光源となる部材である。
本発明で用いるバックライト10は、上述したように、αVを−25°〜25°とすることができるバックライト(面光源又は面光源装置を含む)であれば良い。例えば、特開2010−152276号公報に記載の面光源装置や特開平8−43634号公報に記載の面光源等を用いることができる。
【0027】
本発明に係る立体液晶表示装置では、前記バックライトが、散乱導光板及びプリズムシートを備え、前記プリズムシートは、そのプリズム形状を有する面を前記散乱導光板側に向けて、当該散乱導光板よりも前記第一の偏光板側に配置されていることが好ましい。このような態様のバックライトを用いることにより、光源から放出される光の利用効率が高まり、かつ、正面方向において高い輝度が得られるという利点がある。
【0028】
図3は、本発明において好適に用いることができるバックライトの一例を模式的に示した断面図である。この好適なバックライト11は、光源70、散乱微粒子80を含有する散乱導光板90及びプリズム形状を有する面を散乱導光板90側に向けて配置されるプリズムシート(以下、「逆プリズムシート」ということがある。)100を備える。
散乱導光板90では、光源70から散乱導光板90内に入射した光が、散乱微粒子80によって散乱され、徐々に散乱導光板90の表側の面(以下、「光放出面」という。)110から放出される。このとき、散乱導光板90から放出される光120と、散乱導光板90の光放出面110とのなす角θは浅く(小さく)なる。この光120に対して、逆プリズムシート100は、浅い角度で入射してきた光120を正面方向に向ける機能を有するため、散乱導光板90以外の導光板を用いた場合よりも光の利用効率が高まり、正面方向の輝度を高めることができるという利点がある。
【0029】
図4は、本発明において好適に用いることができるバックライトの他の一例を模式的に示した断面図である。図4に示すバックライト11は、図3のバックライトにおいて、さらに光源70の散乱導光板90側以外の面と、散乱導光板90の光放出面110以外の面を反射シート130で覆ったものである。この態様の場合、光源70から放出される光が反射シート130によって反射されて散乱導光板90に入射しやすくなる。また、散乱導光板90に入射した光も光放出面110以外から放出された光は反射シート130によって反射されて再度散乱導光板90に入射し、光放出面110から放出されやすくなるため、光の利用効率が高まる。
【0030】
以下、本発明において好適に用いることができるバックライトを構成する光源、散乱導光板、プリズムシート(逆プリズムシート)及び必要に応じて設けることができる反射シートを順に説明する。
【0031】
(光源)
バックライト(10、11)の光源70は、特に限定されず、従来公知のバックライトに用いられている光源を用いることができる。例えば、特開2010−152276号公報に記載の線状の冷陰極管等の蛍光灯、点状の発光ダイオード(LED)等を用いることができる。低消費電力、かつ、小型化が可能な観点からLEDが好ましい。
光源70は、図4に示したように、散乱導光板90の側面(側縁)に配置される。光源70は、線状や面状の光源であれば1個単体で用いても良いし、LEDのような点状の光源の場合は、複数個用いても良い。
上記光源70は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0032】
(散乱導光板)
散乱導光板90は、樹脂に分散した散乱微粒子80を有し、光源70から散乱導光板90内に入射した光を光放出面110から均一に放出する働きを有する。
散乱導光板90としては、散乱微粒子80を含有する従来公知の散乱導光板を用いることができる。例えば、特開2010−123413号公報に記載の光散乱微粒子を含有する導光板を用いることができる。
【0033】
図5は、散乱導光板90と光源70からなるバックライト11の一例を模式的に示した斜視図である。
散乱導光板90は、図5に示すように直方体又は立方体状の形状(板状形状)を有するものであっても良い。この場合、散乱導光板90の表側の面が光放出面110となり、4つの側面のいずれか一面以上に光源70を設ける。
なお、図5及び後述する図6では、説明の便宜上、散乱導光板90内の散乱微粒子80と反射シート130を省略している。
【0034】
図6は、散乱導光板90と光源70からなるバックライトの他の一例を模式的に示した斜視図である。
散乱導光板90は、図6に示すように、直方体又は立方体状の本体部140と、本体部の表面側に設けられ、X方向に延在している複数の単位プリズム150が平行に配列されたプリズム形状を有するプリズム部160とからなるものであっても良い。
このように光放出面110がプリズム部160となっている態様の場合、単位プリズム150の延在方向の端面(側面)に光源70を配置する。このように光放出面110にプリズム部160が設けられている散乱導光板90は、単位プリズム150の延在方向において、光源70からの光をより均一に光放出面110から放出することができるという利点がある。
【0035】
本発明で用いる導光板は、図6に示すように、本体部140とプリズム形状を有するプリズム部160を別個に形成し、貼り合わせ等したものでも良く、図示しないが、一体で形成されたものであっても良い。
以下、本体部140とプリズム部160からなる散乱導光板90を説明する。
【0036】
(本体部)
本体部140は、図6に示すように、プリズム部160の支持体となる部材である。
本体部140の形状は、例えば、立方体や直方体等の他に、角が欠けている形状や角が丸みを帯びた略直方体の形状であっても良い。この他、本体部140の形状は、本体部140の厚さが単位プリズム150の延在方向に沿って一定であっても良いし、連続的又は不連続的に変化するものであっても良い。本体部140の厚さが単位プリズム150の延在方向に沿って変化する場合の本体部140の形状としては、例えば、特開2006−47829号公報の図6(a)記載の本体部の光入射面側に近いほど厚く、光入射面から遠くなるほど薄い形状や同公報の図6(b)に示す一定間隔での段差状の形状であっても良い。
【0037】
本体部140の表面のうち、光源70が設けられ、光が本体部140に入射する面が光入射面となる。光入射面は本体部140の光放出面110以外の側面のいずれか一面以上であれば良く、対向する2つの側面をそれぞれ光入射面としても良い。
【0038】
本体部140を形成する材料(以下、プリズム部160を形成する材料を含めて単に「ベース樹脂」ということがある。)は、従来公知の導光板に用いられる熱可塑性樹脂等を使用することができる。熱可塑性樹脂としては例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0039】
本体部140は、可視光領域380〜780nmにおける平均透過率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上、特に好ましくは85%以上である。
なお、上記透過率は、紫外可視分光光度計((株)島津製作所製の商品名UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定することができる。
【0040】
(散乱微粒子)
本体部140には、本体部140内を進む光に対して屈折又は反射によって光の進路方向を変化させる作用を及ぼし得る散乱微粒子80が含まれる。
散乱微粒子80としては、無機系微粒子、有機系微粒子のいずれも用いることができる。具体的には、無機系微粒子としては、例えば、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)及びジルコニア(二酸化ジルコニウム)等の粒子が挙げられる。
有機系微粒子としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びシリコーン樹脂等の粒子が挙げられる。
散乱微粒子80の粒径は所望の性能に応じて適宜調節すれば良い。散乱微粒子80の平均1次粒径は、例えば、0.7〜5μmであることが、光放出面110からの光の放出量を単位プリズム150の延在方向に沿って均一にすることができる観点から好ましい。
なお、上記平均1次粒径は、日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計を用いて測定することができる。
散乱微粒子80の形状としては、例えば、真球、略球形、楕円球形及び不定形等が挙げられる。中でも、分散安定性に優れることから、略球形が好ましい。
散乱微粒子80は、材質、平均1次粒径、形状等について、1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
散乱微粒子80の含有割合は、本体部140の寸法、散乱性及び分散性等に応じて適宜調整されるものであり、例えば、本体部140の全質量に対して0.005〜1質量%の範囲内とすれば良い。
【0041】
(プリズム部)
プリズム部160は、図6に示すように、散乱導光板90の光放出面110を構成し、一面側に複数の単位プリズム150を平行に配列したプリズム形状を有する。当該プリズム形状により、単位プリズム150の延在方向に対して交差する方向に沿った光の成分を集光することができる。
【0042】
プリズム部160は、単位プリズム150のみからなるものでも良いし、図7に示すように単位プリズム150と単位プリズム150を支持するランド部170からなるものでも良い。プリズム部160が単位プリズム150とランド部170からなる場合、プリズム部160が単位プリズム150のみからなる場合に比べて、立体液晶表示装置に組み込んだ際に単位プリズム150の形状に対応する筋が視認され難く、製造時にも導光板の加工及び取扱い時に単位プリズム150が本体部140から剥離し難くなる等の利点があり、好ましい。
【0043】
光放出面110に設けられる単位プリズム150の延在方向は、光入射面からの光を光放出面110から均一に放出できる方向であれば良く、光入射面と非平行であれば良い。
また、単位プリズム150は図7に示すように、隙間なく平行に配列していても良いし、図示しないが隙間をあけて平行に配列していても良い。通常は、単位プリズム150は隙間なく平行に配列して用いる。
【0044】
単位プリズム150の延在方向に直交する断面(図7では、XZ平面)における断面形状(以下、単に「断面形状」という。)は、従来公知のプリズムシートで用いられているプリズム形状として良い。
単位プリズム150の断面形状としては、例えば、三角形、台形等の四角、五角形又は六角形等の多角形形状とすることができる。単位プリズム150の断面形状は、三角形が好ましく、稜線に相当する部分(頂角)が60°〜120°の二等辺三角形がより好ましく、図7に示すように頂角が直角の直角二等辺三角形であることがさらに好ましい。
本発明における三角形や五角形等の多角形は、厳密な意味での多角形のみでなく、製造技術における限界や成型時の誤差等を含む略多角形形状を含む。この他、三角形や五角形等の多角形には、図示しないが断面形状の頂部が曲率半径1〜20μmの円弧状である略多角形形状も含む。
【0045】
散乱導光板90の各構成の寸法は、適宜調節すれば良く、従来公知の導光板の寸法としても良い。
図7に示すように、単位プリズム150の基部180から頂部(稜線)190までの高さH1は、通常、10〜100μmである。
単位プリズム150のランド部170又は本体部140と接している底面の幅は、通常、20〜200μmである。
ランド部170の高さH2は、通常、2〜20μmであり、5〜10μmであることがより好ましい。
そして、本体部140の裏面200からプリズム部のプリズム頂部(稜線)190までの高さ、すなわち散乱導光板90の厚さH3は、光源70から入射する光の量や散乱導光板90の剛性等を考慮して適宜調節すれば良く、通常、30〜5000μmである。
なお、本発明において高さは、裏面200が平面と仮定した場合の当該平面の法線方向(Z方向)に平行な方向の寸法とする。
【0046】
プリズム部160の材料は、従来公知のプリズムシートの材料を用いて良く、上記本体部140のベース樹脂を用いても良い。プリズム部160のベース樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂が好ましく、(メタ)アクリレート系若しくはエポキシ系のモノマー、オリゴマー又はポリマーがより好ましい。
プリズム部160と本体部140は、同じベース樹脂で形成されていても良いし、異なるベース樹脂で形成されていても良い。
本発明の好適な実施形態においては、本体部140が熱可塑性樹脂で形成され、プリズム部160が(メタ)アクリレート系等の電離放射線硬化性樹脂で形成されていることが好ましい。これにより、プリズム部160に微細なプリズム形状を賦形しながら本体部140との貼り合わせも行うことができ、生産性に優れる。
【0047】
(プリズムシート)
プリズムシートは、少なくとも一面側に複数の単位プリズムを平行に配列したプリズム形状を有する光学部材である。本発明においては、上述したようにプリズムシートのプリズム形状を有する面を散乱導光板90側に向けて配置されるプリズムシートを特に「逆プリズムシート」という(図8の逆プリズムシート100を参照)。プリズムシートは、散乱導光板90側から入射した光の進行方向を変化させて表側から出射させ、正面方向の輝度を集中的に向上させる働きを有する。
特に、逆プリズムシート100は、上述したように散乱導光板90から浅い角度で放出された光120を正面方向(Z方向)に向けるのに適した角度を有する構造であるため、上記散乱導光板90と組み合わせることで正面方向の輝度を相乗的に高めることができる。これにより、上記αVを−25°〜25°としやすくなる。そのため、本発明に係る立体液晶表示装置はクロストークの発生が抑制される。
【0048】
逆プリズムシート100としては、液晶表示装置に用いられる一般的なものを用いることができる。例えば、特開2009−053686号公報及び特開2007−249220号公報に記載のプリズムシートを用いることができる。
逆プリズムシート100は、散乱微粒子80を含まないこと以外は上記散乱導光板90で説明したのと同様に、立方体又は直方体状の本体部と、プリズム形状を有するプリズム部とを別個に形成し、貼り合わせ等したものでも良く、一体で形成されたものであっても良い。
逆プリズムシート100の単位プリズムの高さH1、底面の幅及び配列等については、上記散乱導光板90のプリズム部160の単位プリズム150と同様とすることができる。頂角の角度は、導光板からの光をもっとも正面に向けるのに適した角度、具体的には60°から90°であることが好ましい。断面形状に関しては特に二等辺三角形である必要はない
【0049】
エッジライト型のバックライト10の場合、逆プリズムシート100における単位プリズムの延在方向は、散乱導光板90の光入射面(図8において光源70が配置されている端面)と平行な方向であれば良く、散乱導光板90が図6に示すようにプリズム形状を有する場合は、逆プリズムシート100の単位プリズムの延在方向と散乱導光板90の単位プリズム150の延在方向とが交差する方向であることが好ましく、直交することがより好ましい。
【0050】
逆プリズムシート100の材料としては、複数の単位プリズムを有するプリズムシートを作製できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリカーボネート樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。また、上記散乱導光板90のベース樹脂を用いても良い。
【0051】
逆プリズムシート100の厚さは、適宜調節すればよく、例えば、5〜300μmの範囲内で設定すれば良い。
【0052】
逆プリズムシート100の作製方法としては、一般的なプリズムシートの作製方法を用いることができ、例えば、紫外線硬化性樹脂を、単位プリズムに対応する形状が表面に設けられた型を用いてエンボス処理した後に紫外線により硬化させる方法が挙げられる。
【0053】
(反射シート)
反射シート130は、光源70から発せられた光を効率的に散乱導光板90の光放出面110から放出するために必要に応じて設ける部材である。反射シート130は、散乱導光板90の光放出面110以外から放出される光や、光源70から発せられ、散乱導光板90に入射しなかった光を反射して散乱導光板90内に戻し、光放出面110から放出する働きを有する。エッジライト型のバックライトにおいて、反射シート130を設ける場合、反射シート130は散乱導光板90の少なくとも裏面側に設けられることが好ましく、散乱導光板90の光放出面110を除く周囲を取り囲むように設けられていることがより好ましい。
反射シート130は、従来公知の反射板、反射シート及び反射フィルム等を用いることができる。
このような反射シート130の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(白PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン及びポリオレフィン等の樹脂材料並びにアルミニウム及び銀等の金属材料を用いることができる。
反射シート130に樹脂材料を用いる場合、反射性を高めるために、顔料を含む白色のシートであることが好ましい。このような顔料としては、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム等が挙げられる。
また、反射シート130として、散乱導光板90の光放出面110以外の面を取り囲むように銀、アルミニウム及びクロム等の高い反射率を有する金属膜を蒸着法、スパッタリング法又はCVD法等により形成しても良い。
反射シート130は市販品を用いても良い。市販品としては、例えば、住友スリーエム(株)製の(ビキュイティ)ESR反射フィルム及び東レ(株)製のE60V等が挙げられる。このような市販品を用いる場合、散乱導光板90と反射シート130の間に屈折率整合させた樹脂等を介在させて張り合わせても良い。
反射シート130の厚さは、特に限定されず、適宜調節すれば良い。反射シート130の厚さは、通常、30〜300μmである。
【0054】
(その他の部材)
本発明において、バックライトは本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した光学部材の他、液晶表示装置に用いられている光学部材を適宜用いても良い。
【0055】
(偏光反射シート)
図8は、本発明において好適に用いることができるバックライトの他の一例を模式的に示した断面図である。図8に示すバックライト11は、図4に示したバックライト11に加えて、さらに逆プリズムシート100の表側(液晶パネル30側)に偏光反射シート210を設けたものである。
偏光反射シート210は、散乱導光板90から放出される光のうち、特定の偏光成分のみを透過し、それ以外の偏光成分を反射する偏光分離機能を有する部材である。後述する第一の偏光板20は、特定の偏光成分のみを選択的に通過させ、それ以外の偏光成分を吸収するため、第一の偏光板20の裏側に偏光反射シート210を設けることで第一の偏光板20を通過する直線偏光以外の偏光成分を反射させて再利用することができる。これによって、第一の偏光板20を通過する光の量を多くすることができ、立体液晶表示装置1の輝度を向上させることができる。
偏光反射シート210としては、液晶表示装置に用いられている一般的なものを用いることができる。偏光反射シート210として市販品を用いてもよく、例えば、住友スリーエム(株)製のDBEFシリーズを用いることができる。
【0056】
バックライト10には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した光学部材以外の光学部材を適宜用いても良い。
【0057】
(第一の偏光板)
第一の偏光板20は、バックライト10側から入射した非偏光のうち、特定の振動方向(偏光軸)の直線偏光のみを通過させる機能を有する部材である。通常、第一の偏光板10と後述する第二の偏光板40は、その偏光軸が互いに直交するように配置される。
第一の偏光板20は、従来公知の液晶表示装置に用いられている偏光板を用いることができる。
第一の偏光板20は、上述したような偏光特性を有する偏光子のみから構成されている態様や当該偏光子の一面側にのみ保護フィルムが設けられている態様でも良いが、通常、保護フィルム/偏光子/保護フィルムのように偏光子を保護フィルムで挟んだ構成を有する。
以下、第一の偏光板20を構成する偏光子及び保護フィルムについて説明する。
【0058】
偏光子としては、所定の偏光特性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置に用いられる偏光子を用いることができる。
偏光子としては、通常、ポリビニルアルコール(PVA)からなるフィルムにヨウ素を含浸させ、これを一軸延伸することによってPVAとヨウ素との錯体を形成させたものが用いられる。
【0059】
また、保護フィルムとしては、上記偏光子を保護することができ、かつ、所望の透明性を有するものであれば特に限定されるものではない。
保護フィルムの透明性としては、可視光領域380〜780nmにおける平均透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
保護フィルムを構成する材料としては、例えば、特開2010−44311号公報に記載のセルロース誘導体、シクロオレフィン系樹脂等を挙げることができる。なかでも、セルロース誘導体又はシクロオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
保護フィルムは、単一の層からなるものであっても良く、複数の層が積層されたものであっても良い。また、保護フィルムが複数の層が積層されたものである場合は、各層の組成は同じでも良いし、異なっていても良い。
また、保護フィルムの厚さは、第一の偏光板20の可撓性を所望の範囲内にすることができ、かつ、偏光子と貼り合わせることにより、偏光子の寸法変化を所定の範囲内にできる範囲であれば特に限定されない。保護フィルムの厚さは、通常、5〜200μmであるが、第一の偏光板20の寸法変化を小さくする観点及び第一の偏光板20を裁断加工する際に加工くずを減らし、裁断刃の摩耗を抑える観点から、15〜150μmであることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましい。
【0060】
(液晶パネル)
本発明において、液晶パネル30は、第一の偏光板20側から入射した直線偏光を、液晶パネル30の水平ライン(走査線)毎に規則的に左目用画像の光と右目用画像の光に変換して発する機能を有する。
ライン・バイ・ライン方式の立体液晶表示装置の液晶パネル30は、一般的な立体表示に対応していない(非立体)液晶表示装置の液晶パネルと同一の構成を有する。
非立体液晶表示装置及びライン・バイ・ライン方式の立体液晶表示装置の液晶パネルでは、通常、全ての水平ライン(画素)が外部の駆動システムからの信号により同様に駆動し、全ての水平ラインがバックライト側から入射した直線偏光の光軸の方向(振動方向)を90°変える又は変えないという作用を及ぼす。ライン・バイ・ライン方式の立体液晶表示装置の液晶パネル30において立体表示させる場合には、外部の駆動システムからの信号により水平ライン毎に左目用画像と右目用画像を表示させる。これによって、水平ライン毎に左目用画像の光又は右目用画像の光が生ずる。
【0061】
液晶パネル30の構成は、上述したように従来の非立体液晶表示装置の液晶パネルと同様の構成であり、各水平ライン毎に駆動を制御する駆動システムも従来公知の立体液晶表示装置のものを用いれば良い。
【0062】
(第二の偏光板)
第二の偏光板40は、液晶パネル30側から入射した直線偏光のうち、特定の振動方向の直線偏光のみを通過させる機能を有する部材である。上述したように、通常、第一の偏光板20と第二の偏光板40は、その偏光軸が互いに直交するように配置され、液晶パネル30において光軸(振動方向)が変わらなかった直線偏光は第二の偏光板40によって遮断され、液晶パネル30において光軸(振動方向)が90°又は−90°変えられた直線偏光が第二の偏光板40を通過する。
第二の偏光板40は、その光軸の配置を第一の偏光板と異なるように配置すれば良いため、従来公知の液晶表示装置に用いられている偏光板を用いることができ、上記第一の偏光板20を用いても良い。
第一の偏光板20と第二の偏光板40は、所望の偏光特性が得られれば、その構成、材料、厚さ等が異なっていても良いし、同じであっても良い。
【0063】
(パターン位相差フィルム)
パターン位相差フィルム50は、上記液晶パネル30の左目用画像の光と右目用画像の光を発する水平ラインに対応して当該左目用画像の光に対応する位相差層(L)と当該右目用画像の光に対応する位相差層(R)とがパターン状に形成されており、当該位相差層(L)の遅相軸(L)の方向と、当該位相差層(R)の遅相軸(R)の方向が異なっている。
【0064】
パターン位相差フィルム50は、通常の基材フィルム、光配向膜及び位相差層からなる位相差フィルムの位相差層を、上述したように液晶パネル30の左目用画像の光を発する水平ラインと右目用画像の光を発する水平ラインに対応してパターン状に形成したものであれば良い。パターン位相差フィルム50は、従来公知のライン・バイ・ライン方式の立体液晶表示装置等に用いられているパターン位相差フィルムを用いることができる。
【0065】
図9は、パターン位相差フィルムの層構成を模式的に示した断面図である。
基材フィルム220の一面側に、基材フィルム220側から光配向膜230及び位相差層240がこの順に設けられている。
位相差層240では、液晶パネル30の左目用画像の光と右目用画像の光を発する水平ラインに対応して当該左目用画像の光に対応する位相差層(L)と当該右目用画像の光に対応する位相差層(R)とがパターン状に形成されている。
以下、パターン位相差フィルム50を構成する基材フィルム、光配向膜及び位相差層を説明する。
【0066】
(基材フィルム)
基材フィルム220は、従来公知の位相差フィルムの基材を用いることができる。例えば、特開2007−86680号公報に記載のトリアセチルセルロース(TAC)、JSR(株)製の商品名アートン、日本ゼオン(株)製の商品名ゼオネックス等のノルボルネン系ポリマー、日本ゼオン(株)製の商品名ゼオノア等のシクロオレフィン系ポリマー及びポリメチルメタクリレートを用いることができる。
【0067】
基材フィルム220の厚さは、通常、20〜500μmであり、50〜200μmであることが好ましい。基材フィルム220とその上に設けられる光配向膜230との密着性を高めるため、基材フィルム220に、例えば、ケン化処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火災処理等の表面処理を施しても良く、プライマー層(接着剤層)を形成しても良い。
【0068】
基材フィルム220は、可視光領域380〜780nmにおける平均透過率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上、特に好ましくは85%以上である。
【0069】
(光配向膜)
光配向膜230は、光により配向することができる光配向性材料を用いて、所望の位相差層240のパターンを形成するために設けられる膜(層)である。光配向膜230は、形成しようとする位相差層240の位相差層(L)と位相差層(R)に対応したパターンを有し、当該パターン状に形成された光配向膜230上に位相差層240を形成することにより、位相差層240を形成する液晶材料の配向を制御することができる。
光配向膜230の光配向性材料は、例えば、特開2009−230069号公報に記載の分子内にアゾベンゼン骨格を有する化合物及びアゾベンゼン骨格を側鎖として有する重合性モノマー等の光異性化型材料並びに特開2009−230069号公報に記載の側鎖にケイ皮酸エステル、クマリン又はキノリンを含む反応性ポリマー及び特開2006−350322号公報に記載の光反応型材料等を挙げることができる。
この他、特開2009−193014号公報に記載の光配向層の材料を用いても良い。
【0070】
光配向膜230の厚さは、通常、1〜1000nmであるが、コストを抑え、かつ、十分な配向能を得る観点から、3〜100nmであることが好ましい。
【0071】
図10は、光配向膜230を形成する工程の一例を示した模式図である。
まず、(i)工程として、基材フィルム220上に光配向性材料を塗布し、塗膜231を形成する。
次いで、(ii)工程として、所望の光配向膜230のパターンを形成することができる遮光部251と非遮光部252を有するフォトマスク250を介して、直線偏光260により塗膜231をパターン露光(偏光露光)する。
(iii)工程では、パターン露光した後にフォトマスク250を除去することで、パターン露光された部分の光配向性材料が特定方向に配向した塗膜231が得られる。
次いで、(iv)工程で、その塗膜231を、(ii)工程の直線偏光とは異なる偏光軸を有する直線偏光261により全面露光する。
それによって、(v)工程では(ii)工程で露光されなかった部分(未露光部分)が露光され、光配向性材料が異なる方向に配向した2つの領域232、233が形成され、光配向膜230が得られる。この領域232は、位相差層(L)が形成される領域となり、一方、領域233は、位相差層(R)が形成される領域となる。
【0072】
(i)工程で、基材フィルム220上に、光配向性材料を塗布する方法は特に限定されず、ロールコート又はスロットダイコート等の従来公知の方法を用いることができる。
(ii)工程で用いるフォトマスクは、例えば、特開2005−191180号公報記載のフォトマスク等の従来公知のフォトリソグラフィー等で用いられているフォトマスクを用いることができる。フォトマスクの非遮光部の波長300〜400nmにおける紫外線透過率は、光配向膜の露光部を十分に配向させる観点から50%以上であることが好ましい。
また、(ii)工程のパターン露光(偏光露光)と(iv)工程の全面露光を行う際の直線偏光261と262の偏光軸の設定は、光配向膜230上に形成される位相差層240の遅相軸(光軸)が左目用位相差層(L)と右目用位相差層(R)で異なるように行えば良く、当該設定は直交するように行うことが好ましい。
(ii)工程のパターン露光(偏光露光)と(iv)工程の全面露光の光源の照射波長としては300〜400nmにピークを有することが好ましい。パターン露光の光源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、青色レーザー等を用いることができる。露光量は、通常、5〜1000mJ/cmであり、10〜500mJ/cmが好ましい。
【0073】
(位相差層)
位相差層240は、第二の偏光板40側から入射した左目用画像の直線偏光を左目用画像の円偏光又は楕円偏光に変換し、第二の偏光板40側から入射した右目用画像の直線偏光を右目用画像の円偏光又は楕円偏光に変換する働きを有する層である。
位相差層240では、図1に示すように、第二の偏光板40側から入射した左目用画像の光を円偏光又は楕円偏光に変換可能な位相差層(L)と、第二の偏光板40側から入射した右目用画像の光を円偏光又は楕円偏光に変換可能な位相差層(R)がパターン状に形成されており、当該位相差層(L)の遅相軸の方向と当該位相差層(R)の遅相軸の方向が異なる。そして、当該位相差層(L)は、液晶パネル30の左目用画像の光を発することが可能な水平ラインに対応して配置されている。位相差層(R)も、位相差層(L)と対称的に、液晶パネル30の右目用画像の光を発することが可能な水平ラインに対応して配置されている。
【0074】
位相差層240の材料は、従来公知の位相差層の材料を用いて良い。例えば、特開2007−86680号公報に記載のネマチック液晶材料を用いることができる。また、特開2009−193014号公報に記載の位相差層の材料を用いても良い。
位相差層240の遅相軸を固定するために、上記液晶材料等の位相差層の材料の分子に光硬化性を有する(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合を導入することが好ましい。
位相差層240を形成する材料(組成物)には、上記液晶性材料の他、位相差層表面の液晶性材料の配向を調整するために、従来公知の界面活性剤等が含まれていても良く、光重合反応を促進するために光重合開始剤が含まれていても良い。
位相差層240の厚さは、第二の偏光板40側から入射した直線偏光を円偏光又は楕円偏光に変換できる厚さであれば良く、位相差層の液晶材料、第二の偏光板40の偏光軸等を考慮して適宜設定すれば良い。
【0075】
位相差層240は、上記図10の(v)工程で得られた光配向膜230上に上記液晶材料等の位相差層の材料を塗布し、乾燥や光照射により配向処理と遅相軸の固定化を行うことにより形成することができる。位相差層240の液晶材料の配向方向は光配向膜230の配向によって制御されるため、光配向性材料の配向方向が異なる領域232、233を有する光配向膜230上に形成した位相差層240は領域232と233のパターン状に液晶材料の配向方向が異なる。したがって、位相差層240はパターン状に遅相軸が異なる。
乾燥温度は、用いる液晶材料等に応じて適宜調節すれば良い。光照射により液晶モノマーの光重合を行う際の光源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、青色レーザー等を用いることができる。露光量は、通常、5〜1000mJ/cmであり、10〜500mJ/cmで窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
【0076】
本発明に係る立体液晶表示装置には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した光学部材以外の立体液晶表示装置に用いられているその他の光学部材を適宜用いても良い。
【実施例】
【0077】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
【0078】
<実施例>
本実施例では、走査線のピッチが291μmのVAモードの液晶パネルの裏面側に、エッジライト型のバックライト装置を設けた立体液晶表示装置を組み立てた。バックライト装置は、ステンレス製シャシーの底面に白色の反射シートが配置し、当該シャシーの上端および下端にピッチ8mmで白色LEDが配置されている。液晶パネルを立てて見た場合に下から上へ向かう方向をX方向、左から右へ向かう方向をY方向、パネルから観察者側に向かう方向をZ方向としたときに、液晶パネルのバックライト側には透過軸がY方向となる偏光板が、観察者側には透過軸がX方向となる偏光板が貼合されている。
【0079】
[パターン位相差層の作製]
以下のパターン位相差の作製は、長尺状の基材をロールから巻出して、ウェブコーターに搬送し、再びロールに巻取るまでの一連の動作の中で連続して行う。
(基材準備)
透明樹脂基材として幅1500mmの長尺状のトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム(株)製の商品名フジタック)を用いた。配向膜用組成物を特開2009−230069号公報記載の方法で調製し、前記透明樹脂基材上に塗布して幅1450mm、厚さ0.05μmの配向膜を形成し、被照射基材を得た。
(偏光紫外線露光)
ライン291μm、スペース291μmのストライプ状のフォトマスクを介し、上記の方法で得られた被照射基材に偏光紫外線を照射した。偏光紫外線の偏光軸は長尺状の被照射基材の流れ方向に対して45°である。その後、再度フォトマスクがない状態で偏光紫外線を照射した。このときの偏光紫外線の偏光軸は被照射基材の流れ方向に対して−45°である。
(位相差層形成)
上記の偏光紫外線を照射した基材にネマティック液晶を約1μm塗布、乾燥後、紫外線硬化を行うことにより、幅291μmの−45°の遅相軸のストライプパターンおよび幅291μmの45°の遅相軸のストライプパターンを交互に有する長尺状の基材を得た。位相差値はいずれも125nmであった。
【0080】
[液晶パネルの作製]
得られたストライプパターンの位相差フィルムを、粘着剤を介して上記VAモードの液晶パネルの観察者側の偏光板上に、ストライプパターンの境界が液晶パネルのブラックマトリクスパターンと重なるよう貼合し、液晶パネルを作製した。
【0081】
[バックライトの作製]
(導光板の作製)
住友化学製アクリル樹脂スミペックスに平均粒径2μmのシリコーンビーズを0.01%分散し、押出し法により厚さ3mmの板材を作製した。
PETフィルム上にUV賦形法を用いてピッチ100μm、高さ50μm、断面形状が直角二等辺三角形のプリズムシートを作製した。この紫外線硬化型樹脂としてJSR製のデゾライトを用いた。
上記シリコーンビーズが分散された板材に上記プリズムシートの片方の面に粘着材を用いて貼り合わせ、導光板を作製した。
(逆プリズムシートの作製)
PETフィルム上にUV賦型法を用いてピッチ50μm、高さ50μm、断面形状が正三角形であるプリズムシートを作製した。
(バックライトの組立て)
ステンレス製シャシーの底面に白色反射シートを配置し、上端および下端にピッチ8mmで白色LEDを配置した。導光板を上記白色反射シートの上に、当該導光板のプリズムが貼合されてない面を下にし、プリズムの延在方向がX方向となるようにして配置した。さらに逆プリズムシートを、そのプリズム面を下にして、プリズムの延在方向がY方向となるよう積層した。
さらに偏光反射シート(住友スリーエム(株)製DBEF)を、透過軸がX方向となるよう積層した。
【0082】
[バックライト装置の視野角特性]
上記作製したバックライト装置のX方向における視野角をEZ−Contrast(ELDIM社製)を用いて測定した。測定結果を図13に示す。この測定結果より本実施例で作製したバックライト装置の正面方向の中心位置での輝度の1/2以上となる角度範囲が、おおよそ−25°〜おおよそ20°であり、−25°〜25°の範囲内に入っていた。
[立体液晶表示装置の作製]
上記パターン位相差層を貼合された液晶パネルを上記バックライト装置の上に積層し、立体液晶表示装置(3次元表示液晶ディスプレイ)を作製した。作製された立体液晶表示装置に3次元画像を表示し、X方向に観察方向を変えクロストークの発生する角度を目視により調査したところ、クロストークは確認されなかった。
【0083】
<比較例>
上記実施例のバックライト装置において観察者側のプリズム面を有する導光板、逆プリズムシートからなる部分を、従来用いられている構成、すなわち、白色ドット印刷を施された導光板の観察者側の面にプリズムシートをそのプリズム形成面を観察者側に向けて配置し、さらにプリズムシートの観察者側の面にマイクロレンズをそのレンズ形成面を観察者側に向けて配置した構成に入れ替えて、比較例のバックライト装置を作製した。
[バックライト装置の視野角特性]
このバックライト装置のX方向における視野角を、実施例と同様にEZ−Contrast(ELDIM社製)を用いて測定した。測定結果を図14に示す。この測定結果より従来の液晶ディスプレイのバックライト装置の正面方向の中心位置での輝度の1/2以上となる角度範囲が、−32°〜32°であった。
[立体液晶表示装置の作製]
上記パターン位相差層を貼合された液晶パネルを上記バックライト装置の上に積層し、比較例の立体液晶表示装置を作製した。
この立体液晶表示装置を用いて比較例と同様に3次元画像を表示し、X方向に観察方向を変えクロストークの発生する角度を目視により調査したところ、約±20°以上において像がクロストークにより二重に観察され3次元表示ができなかった。
【0084】
<まとめ>
実施例および比較例の結果を表1にまとめた。
【0085】
【表1】

【符号の説明】
【0086】
1 立体液晶表示装置
10、11 バックライト
20 第一の偏光板
30 液晶パネル
40 第二の偏光板
50 パターン位相差フィルム
60 積層体
70 光源
80 散乱微粒子
90 散乱導光板
100 逆プリズムシート
110 光放出面
120 光
130 反射シート
140 本体部
150 単位プリズム
160 プリズム部
170 ランド部
180 基部
190 頂部
200 裏面
210 偏光反射シート
220 基材
230 光配向膜
231 光配向性材料の塗膜
231、232 特定の配向方向の領域
240 位相差層
250 フォトマスク
251 遮光部
252 非遮光部
260、261 直線偏光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライト、第一の偏光板、左目用画像の光と右目用画像の光を水平ライン毎に規則的に発することが可能な液晶パネル、第二の偏光板及び当該液晶パネルの左目用画像の光と右目用画像の光を発する水平ラインに対応して当該左目用画像の光に対応する位相差層(L)と当該右目用画像の光に対応する位相差層(R)とがパターン状に形成されており、当該位相差層(L)の遅相軸(L)の方向と、当該位相差層(R)の遅相軸(R)の方向が異なっているパターン位相差フィルム、をこの順に備える立体液晶表示装置であって、
前記バックライト及び前記第一の偏光板からなる積層体の当該第一の偏光板側の表面において、JIS C6101−1(1998)に準拠して測定した垂直方向における輝度が正面方向の中心位置での輝度の1/2以上となる角度が、−25°〜25°であることを特徴とする、立体液晶表示装置。
【請求項2】
前記バックライトが、散乱導光板及びプリズムシートを備え、
前記プリズムシートは、そのプリズム形状を有する面を前記散乱導光板側に向けて、当該散乱導光板よりも前記第一の偏光板側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の立体液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−215674(P2012−215674A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80051(P2011−80051)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】