説明

立体画像データ送信装置、立体画像データ送信方法、立体画像データ受信装置および立体画像データ受信方法

【課題】コンテンツ供給事業者における視差情報の伝送の自由度を高める。
【解決手段】トランスポートストリームTSに、視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報を挿入する。例えば、ステレオ映像記述子を新たに定義して、EITの配下に挿入する。ステレオ映像記述子には、番組単位の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が含まれる。また、例えば、視差情報リンク記述子を新たに定義して、EITの配下に挿入する。視差情報リンク記述子には、汎用目的の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が含まれる。また、この視差情報リンク記述子には、特定用途向けの視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が含まれる。この識別情報の存在により、視差情報として、番組単位の視差情報、汎用目的の視差情報、特定の重畳情報用の視差情報等を選択的に伝送することが可能となる。また、視差情報を送らない選択も可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、立体画像データ送信装置、立体画像データ送信方法、立体画像データ受信装置および立体画像データ受信方法に関し、特に、3D映像コンテンツ供給事業者における視差情報の伝送の自由度を高める立体画像データ送信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、立体画像データのテレビ放送電波を用いた伝送方式について提案されている。この場合、左眼用画像データおよび右眼用画像データを含む立体画像データが送信され、テレビ受信機において、両眼視差を利用した立体画像表示が行われる。
【0003】
図30は、両眼視差を利用した立体画像表示において、スクリーン上におけるオブジェクト(物体)の左右像の表示位置と、その立体画像(3D画像)の再生位置との関係を示している。例えば、スクリーン上に図示のように左像Laが右側に右像Raが左側にずれて表示されているオブジェクトAに関しては、左右の視線がスクリーン面より手前で交差するため、その立体画像の再生位置はスクリーン面より手前となる。DPaは、オブジェクトAに関する水平方向の視差ベクトルを表している。
【0004】
また、例えば、スクリーン上に図示のように左像Lbおよび右像Rbが同一位置に表示されているオブジェクトBに関しては、左右の視線がスクリーン面で交差するため、その立体画像の再生位置はスクリーン面上となる。さらに、例えば、スクリーン上に図示のように左像Lcが左側に右像Rcが右側にずれて表示されているオブジェクトCに関しては、左右の視線がスクリーン面より奥で交差するため、その立体画像の再生位置はスクリーン面より奥となる。DPcは、オブジェクトCに関する水平方向の視差ベクトルを表している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−6114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したようにテレビ受信機で表示される立体画像(3D画像)に、字幕やデータ放送表示、端末アプリケーション独自の表示などの重畳情報を重ねる場合、立体画像に対して、視聴者にとって見やすい適切な深さ(奥行き)を設定することが望ましい。通常、適切な深さとは、立体画像の深さに対して、それより手前の深さと考えられている。図31は、画像とサブタイトル(字幕)の位置関係の一例を示している。この例において、サブタイトルは、画像の最も近い位置よりさらに手前に認識される。
【0007】
現状の3Dテレビ方式においては、左右の眼の視点による2つの画像を用いるので、深さとは、左右の画像の表示対象における左右のずれの画素数で表現される。よって、字幕、その他の画像に重ねる重畳情報においても、重畳情報毎に左右のずれの画素数で適切な深さを規定することが想定されている。このずれの画素数の情報を視差情報(Disparity Data)と呼ぶ。
【0008】
3D映画における字幕では、時間経過に伴う画像(映像)の変化を反映して、時間と共に画像に重ねる字幕も深さを変化させることがよく行われている。3Dテレビ方式おいても同様の表示を行うためには、字幕毎に時々刻々深さを変化させる運用が望ましいあり方として想定されている。一方で、字幕毎に、時々刻々変化する視差情報を作成するのは、労力がかかり、制作コストを引き上げることになる。また、望ましい視差情報を作成して配信する設備にも新たな投資が必要となる。
【0009】
今後、放送やIPTV(Internet Protocol TeleVision)などで配信する目的で、様々な3D映像コンテンツを制作することが想定される。しかし、画像に比較して重要性が低いと考えられる字幕の見易さに対して、コンテンツ供給事業者は、必ずしも上述のような望ましい視差情報の供給を行うべきとは考えないかもしれない。
【0010】
その場合、コンテンツ供給事業者はある3D映像コンテンツを配信するにあたって、字幕その他の特定の重畳情報の表示期間は、この重畳情報を固定の深さに表示することが考えられる。また、別の3D映像コンテンツでは、番組(コンテンツ)全体で固定の深さに表示することでよしとするかもしれない。
【0011】
さらに、別の3D映像コンテンツに関しては、字幕その他の重畳情報のデータは2D映像コンテンツと同様に伝送するにしても、重畳情報の表示に関しては、3D映像としての考慮は一切したくないかもしれない。この場合には、視差情報の供給を行わない。当然、ある3D映像コンテンツについては、望ましい視差情報を必ず付与したいと考えることも想定される。
【0012】
従来、3D映像コンテンツを考慮した放送、IPTVなどにおいて、字幕その他の重畳情報に関する、上述のようなコンテンツ供給事業者の想定される様々な要望の範囲に応えられる解決策が考えられていない。
【0013】
この発明の目的は、3D映像コンテンツ供給事業者における視差情報の伝送の自由度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明の概念は、
左眼画像データおよび右眼画像データを有する所定番組の立体画像データを出力する画像データ出力部と、
上記画像データ出力部から出力される所定番組の立体画像データを含むトランスポートストリームを送信する画像データ送信部とを備え、
上記画像データ送信部は、上記トランスポートストリームに、上記左眼画像データおよび上記右眼画像データによる画像に重畳する重畳情報に視差を付与するための視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報を挿入する
立体画像データ送信装置にある。
【0015】
この発明において、画像データ出力部により、左眼画像データおよび右眼画像データを含む所定番組の立体画像データが出力される。また、画像データ送信部により、画像データ出力部から出力される所定番組の立体画像データを含むトランスポートストリームが送信される。ここで、画像データ出力部により、トランスポートストリームに、左眼画像データおよび右眼画像データによる画像に重畳する重畳情報に視差を付与するための視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が挿入される。
【0016】
ここで、重畳情報は、字幕を表示するサブタイトル情報、クローズド・キャプション情報、ロゴ等のグラフィクスを表示するグラフィクス情報、電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)、文字放送内容等を表示するテキスト情報、テレビ受信機固有のOSD表示など、画像に重畳表示される情報を意味している。
【0017】
この発明において、例えば、識別情報は、番組単位の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報とされてもよい。識別情報が番組単位の視差情報の伝送があることを示す場合、画像データ送信部により、さらに、トランスポートストリームに、番組単位の視差情報が挿入される。
【0018】
この場合、画像データ送信部により、識別情報および視差情報は、例えば、トランスポートストリームに、番組単位のメタデータとして挿入される。例えば、トランスポートストリームには、番組単位の管理を行うサービス・インフォメーションとしてのイベント・インフォメーション・テーブルが含まれており、識別情報および視差情報は、このイベント・インフォメーション・テーブルの配下に挿入される。
【0019】
また、この発明において、例えば、識別情報は、汎用目的の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報とされてもよい。識別情報が汎用目的の視差情報の伝送があることを示す場合、画像データ送信部により、さらに、トラスポートストリームに、汎用目的の視差情報を含む視差情報エレメンタリストリームが挿入されると共に、このトランスポートストリームに、識別情報と関連付けて視差情報エレメンタリストリームを識別するための識別情報が挿入される。
【0020】
また、この発明において、例えば、識別情報は、特定の重畳情報用の視差情報の伝送であるか否かを識別する識別情報とされてもよい。識別情報が特定の重畳情報用の視差情報の伝送であることを示す場合、画像データ送信部により、さらに、トランスポートストリームに、特定の重畳情報が表示される所定数のフレーム期間で共通に使用される視差情報の伝送および所定数のフレーム期間で順次更新される視差情報の伝送のいずれであるか、または双方であるかを示す固定/変動情報が挿入される。ここで、例えば、画像データ送信部により、トランスポートストリームに、特定の重畳情報のデータを含む重畳情報エレメンタリストリームが挿入される。そして、固定/変動情報は、この重畳情報エレメンタリストリームに、重畳情報毎に、挿入される。
【0021】
例えば、固定/変動情報が、所定数のフレーム期間で共通に使用される視差情報の伝送であることを示す場合、画像データ送信部により、重畳情報エレメンタリストリームに、重畳情報毎に、固定/変動情報に関連付けて所定数のフレーム期間で共通に使用される視差情報が挿入される。また、例えば、固定/変動情報が、特定の重畳情報が表示される所定数のフレーム期間で順次更新される視差情報の伝送であることを示す場合、トランスポートストリームに、重畳情報毎の視差情報列を識別情報により識別可能に含む重畳情報エレメンタリストリームが挿入されると共に、この重畳情報エレメンタリストリームに、重畳情報毎に、固定/変動情報に関連付けて、視差情報エレメンタリストリーム内の対応する視差情報列を指定する識別情報が挿入される。
【0022】
このように、この発明においては、所定番組の立体画像データを含むトランスポートストリームに、視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が挿入される。これにより、3D映像コンテンツ供給事業者における視差情報の伝送の自由度を高めることが可能となる。すなわち、視差情報として、番組単位の視差情報、汎用目的の視差情報、特定の重畳情報用の視差情報等を選択的に伝送することが可能となる。また、視差情報を送らない選択も可能となる。
【0023】
また、この発明の他の概念は、
左眼画像データおよび右眼画像データを有する所定番組の立体画像データが含まれると共に、上記左眼画像データおよび上記右眼画像データによる画像に重畳する重畳情報に視差を付与するための視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が挿入されているトランスポートストリームを受信する画像データ受信部と、
上記画像データ受信部で受信されたトランスポートストリームから上記立体画像データを取得する画像データ取得部と、
上記画像データ受信部で受信されたトランスポートストリームから上記識別情報を取得する識別情報取得部と、
上記画像データ取得部で取得された上記立体画像データと、上記識別情報取得部で取得された上記識別情報に基づいて、左眼画像および右眼画像に重畳する同一の重畳情報に所定の視差情報による視差を付与し、上記重畳情報が重畳された左眼画像のデータおよび上記重畳情報が重畳された右眼画像のデータを得る画像データ処理部と
を備える立体画像データ受信装置にある。
【0024】
この発明において、画像データ受信部により、トランスポートストリームが受信される。このトランスポートストリームには、左眼画像データおよび右眼画像データを含む所定番組の立体画像データが含まれる。また、このトランスポートストリームには、左眼画像データおよび右眼画像データによる画像に重畳する重畳情報に視差を付与するための視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が挿入されている。ここで、識別情報は、例えば、番組単位の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報、汎用目的の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報、特定の重畳情報用の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報などである。
【0025】
画像データ取得部により、画像データ受信部で受信されたトランスポートストリームから立体画像データが取得される。また、識別情報取得部により、画像データ受信部で受信されたトランスポートストリームから識別情報が取得される。そして、画像データ処理部により、立体画像データと識別情報に基づいて、重畳情報が重畳された左眼画像のデータおよび重畳情報が重畳された右眼画像のデータが得られる。この場合、左眼画像および右眼画像に重畳される同一の重畳情報には、所定の視差情報による視差が付与される。
【0026】
ここで、例えば、識別情報が視差情報の伝送があることを示す場合、所定の視差情報として、トランスポートストリームから取得された視差情報が用いられる。また、例えば、識別情報が視差情報の伝送がないことを示す場合、所定の視差情報として、予め用意されている視差情報が用いられる。
【0027】
このように、この発明においては、トランスポートストリームに挿入されている識別情報が取得される。そして、左眼画像および右眼画像に重畳される同一の重畳情報には、この識別情報に基づいて、所定の視差情報による視差が付与される。これにより、字幕、その他の重畳情報を、3D映像コンテンツ供給事業者の意図した深さで立体画像に重ねて表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、所定番組の立体画像データを含むトランスポートストリームに、視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が挿入されるものである。そのため、3D映像コンテンツ供給事業者における視差情報の伝送の自由度を高めることが可能となる。また、字幕、その他の重畳情報を、3D映像コンテンツ供給事業者の意図した深さで立体画像に重ねて表示することが可能となる
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の実施の形態としての立体画像送受信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】放送局における送信データ生成部の構成例を示すブロック図である。
【図3】ビデオ、オーディオ、サブタイトル、視差情報のPESパケットおよびEIT,PMTなどのテーブルを含むトランスポートストリームの構成例を示す図である。
【図4】ビデオエレメンタリストリーム、サブタイトルエレメンタリストリーム、オーディオエレメンタリストリーム、視差情報エレメンタリストリームを含む一般的なトランスポートストリームTSの構成例を示す図である。
【図5】ステレオ映像記述子(Stereoscopic_descriptor)の構造(syntax)の一例を示す図である。
【図6】ステレオ映像記述子(Stereoscopic_descriptor)のデータ規定内容(semantics)を示す図である。
【図7】視差情報リンク記述子(Disparity_Link_descriptor)の構造(syntax)の一例を示す図である。
【図8】視差情報リンク記述子(Disparity_Link_descriptor)のデータ規定内容(semantics)を示す図である。
【図9】サブタイトルの2D表示と、3D表示の一例を示す図である。
【図10】視差情報が表示期間(display set)を構成する所定数のフレーム期間で共通に使用される1個である場合における、表示期間内の各フレームにおけるサブタイトル「subtitle」の深さの一例を示す図である。
【図11】視差情報が表示期間(display set)を構成する所定数のフレーム期間で順次更新される複数個である場合における、表示期間内の各フレームにおけるサブタイトル「subtitle」の深さの一例を示す図である。
【図12】サブタイトルデータの構造を示す図である。
【図13】サブタイトルストリーム(PES)、つまりDVB_Subtitlingの構造(Syntax)を示す図である。
【図14】セグメント「segment_type」の各値とセグメントタイプとの対応関係を示す図である。
【図15】3D・セグメント(3D segment)の構造例(syntax)を示す図である。
【図16】3D・セグメント(3D segment)のデータ規定内容(semantics)を示す図である。
【図17】視差情報ストリームの構造(Syntax)、すなわち視差情報(disparity_data)を含むPES_data_fieldの構造の一例を示す図である。
【図18】「disparity_data_set」の構造(Syntax)を示す図である。
【図19】「disparity_data_set」の主要なデータ規定内容(semantics)を示す図である。
【図20】立体画像送受信システムを受信機の構成例を示すブロック図である。
【図21】重畳情報がOSD表示である場合における、視差情報出力部の処理手順の一例を示フローチャートである。
【図22】重畳情報がサブタイトルである場合における、視差情報出力部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】受信機の画像・表示データ重畳部の構成例を示す図である。
【図24】リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の視差情報シーケンスに基づいて左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルに視差が付与される場合における、サブタイトルの3D表示の一例を示す図である。
【図25】リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の固定視差情報に基づいて左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルに視差が付与される場合における、サブタイトルの3D表示の一例を示す図である。
【図26】リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の視差情報シーケンスに基づいて左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルに視差が付与される場合における、サブタイトルの3D表示の一例を示す図である。
【図27】リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の固定視差情報に基づいて左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルに視差が付与される場合における、サブタイトルの3D表示の一例を示す図である。
【図28】番組単位の視差情報に基づいて左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルに視差が付与される場合における、サブタイトルの3D表示の一例を示す図である。
【図29】受信機に予め用意されている視差情報に基づいて左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルに視差が付与される場合における、サブタイトルの3D表示の一例を示す図である。
【図30】両眼視差を利用した立体画像表示において、スクリーン上におけるオブジェクト(物体)の左右像の表示位置と、その立体画像(3D画像)の再生位置との関係を示す図である。
【図31】字幕が画像の最も近い位置よりさらに手前に認識される場合における、画像と字幕の位置関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明を以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0031】
<1.実施の形態>
[画像送受信システムの構成例]
図1は、実施の形態としての画像送受信システム10の構成例を示している。この立体画像送受信システム10は、放送局100と受信機200により構成されている。放送局100は、トランスポートストリームを、放送波にのせて送信する。このトランスポートストリームには、左眼画像データおよび右眼画像データを有する所定番組の立体画像データが含まれている。
【0032】
また、このトランスポートストリームには、視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が挿入されている。ここで、視差情報は、左眼画像データおよび右眼画像データによる画像に重畳する字幕その他の重畳情報をシフトさせて視差を付与するための情報であり、視差ベクトル、あるいは奥行きデータ等である。奥行きデータは、所定の変換により視差ベクトルとして扱うことが可能となる。
【0033】
受信機200は、放送局100から放送波に載せて送られてくる、上述のトランスポートストリームを受信する。受信機200は、このトランスポートストリームから、立体画像データを取得すると共に、上述の識別情報を取得する。そして、受信機200は、立体画像データと識別情報に基づいて、字幕その他の重畳情報が重畳された左眼画像のデータおよび重畳情報が重畳された右眼画像のデータを得る。
【0034】
[放送局の説明]
放送局100について説明する。この放送局100は、上述したように、立体画像データが含まれると共に、視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が挿入されたトランスポートストリームを、放送波に載せて送信する。このトランスポートストリームには、この実施の形態において、立体画像データの他に、音声データ、サブタイトルデータ、視差情報などが含まれる。なお、視差情報は、上述の識別情報が、視差情報の伝送があることを示す場合のみ含まれる。
【0035】
「送信データ生成部の構成例」
図2は、放送局100において、上述したトランスポートストリームを生成する送信データ生成部110の構成例を示している。この送信データ生成部110は、データ取り出し部(アーカイブ部)111と、ビデオエンコーダ112と、視差情報エンコーダ113と、オーディオエンコーダ114を有している。また、この送信データ生成部110は、サブタイトル発生部115と、サブタイトルエンコーダ116と、マルチプレクサ117を有している。
【0036】
データ取り出し部111には、データ記録媒体111aが、例えば、着脱自在に装着される。このデータ記録媒体111aには、トランスポートストリームで送信する所定番組の立体画像データと共に、この立体画像データに対応した音声データが記録されている。この立体画像データには、左眼画像データおよび右眼画像データが含まれている。
【0037】
また、データ記録媒体111aには、所定番組の立体画像データに関連付けて、視差情報(Disparity Data)が記録されていることがある。このように視差情報が記録されている場合には、この視差情報を、トランスポートストリームに挿入して、所定番組の立体画像データに関連付けて送信することが可能となる。
【0038】
ここで、データ記録媒体111aに記録されている視差情報は、例えば、番組単位の視差情報、汎用目的の視差情報、特定用途向け(特定の重畳情報用)の視差情報等である。特定用途向けの視差情報は、例えば、サブタイトル用、クローズド・キャプション用などが考えられるが、この実施の形態においては、サブタイトル用の視差情報である。番組単位の視差情報の場合、データ記録媒体111aには、所定番組の立体画像データに対応付けて、1個の視差情報が記録される。
【0039】
また、汎用目的の視差情報の場合、データ記録媒体111aには、所定番組の立体画像データに対応付けて、例えば、画面を所定数に分割して得られる各分割領域に属する視差情報が記録される。この場合、各分割領域に属する視差情報は、例えば、所定番組内で1個である場合、あるいは所定フレーム数毎の複数個である場合などがある。
【0040】
また、特定用途向けの視差情報の場合、データ記録媒体111aには、所定番組の立体画像データに対応付けて、表示期間(Display set)単位で、各ページ(page)の各リージョン(region)の視差情報が記録される。この場合、各リージョンの視差情報は、表示期間を構成する所定数のフレーム期間で共通に使用される1個である場合、あるいは、所定数のフレーム期間で順次更新される複数個である場合などがある。
【0041】
データ取り出し部111のデータ記録媒体111aは、例えば、ディスク状記録媒体、半導体メモリなどである。データ取り出し部111は、データ記録媒体111aから、所定番組の立体画像データを取り出すと共に、この立体画像データに関連付けて記録されている音声データ、さらには視差情報を取り出して出力する。
【0042】
ビデオエンコーダ112は、データ取り出し部111から出力される画像データに対して、MPEG4−AVC、MPEG2等の符号化を施して符号化ビデオデータを得る。また、このビデオエンコーダ112は、後段に備えるストリームフォーマッタ(図示せず)により、立体画像データを含むビデオエレメンタリストリームを生成する。
【0043】
視差情報エンコーダ113は、データ取り出し部111から出力される視差情報を含む視差情報エレメンタリストリームを生成する。ここで、視差情報エンコーダ113は、視差情報が汎用目的の視差情報である場合に、視差情報エレメンタリストリームを生成する。また、視差情報エンコーダ113は、視差情報が特定用途向けの視差情報であって各リージョンの視差情報が所定数のフレーム期間で順次更新される複数個である場合に、視差情報エレメンタリストリームを生成する。
【0044】
つまり、視差情報エンコーダ113は、視差情報が番組単位の視差情報である場合には、視差情報エレメンタリストリームを生成しない。この番組単位の視差情報は、詳細は後述するが、マルチプレクサ117において、EIT(Event Information Table)の配下に挿入されるステレオ映像記述子(Stereoscopic_descriptor)に記述される。
【0045】
また、視差情報エンコーダ113は、視差情報が特定用途向けの視差情報であって各リージョンの視差情報が所定数のフレーム期間で共通に使用される1個の場合には、視差情報エレメンタリストリームを生成しない。この各リージョンの視差情報は、詳細は後述するが、サブタイトルエンコーダ116で生成されるサブタイトルエレメンタリストリームに、各リージョンのサブタイトルデータに対応付けて挿入される。
【0046】
オーディオエンコーダ114は、データ取り出し部111から出力される音声データに対して、MPEG−2Audio AAC等の符号化を施し、オーディオのエレメンタリストリームを生成する。サブタイトル発生部115は、画像に重畳するサブタイトルのデータ(サブタイトルデータ)を発生する。サブタイトルは、例えば、字幕である。サブタイトルエンコーダ116は、サブタイトル発生部115で発生されたサブタイトルデータを含むサブタイトルエレメンタリストリームを生成する。
【0047】
マルチプレクサ117は、ビデオエンコーダ112、視差情報エンコーダ113、オーディオエンコーダ114およびサブタイトルエンコーダ116で生成された各エレメンタリストリームをパケット化して多重し、トランスポートストリームTSを生成する。図3は、トランスポートストリームTSの構成例を示している。トランスポートストリームTSには、各エレメンタリストリームをパケット化して得られたパケット(PESパケット)が時分割的に含まれている。
【0048】
また、このトランスポートストリームTSには、間欠的に、イベント単位の管理を行うSI(Serviced Information)としてのEIT(EventInformation Table)が含まれている。また、このトランスポートストリームTSには、間欠的に、PSI(Program Specific Information)として、PMT(ProgramMap Table)が含まれている。このPSIは、トランスポートストリームに含まれる各エレメンタリストリームがどのプログラムに属しているかを記した情報である。
【0049】
[識別情報の挿入]
マルチプレクサ117は、トランスポートストリームTSに、視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報を挿入する。この実施の形態においては、識別情報を挿入するため、ステレオ映像記述子(Stereoscopic_descriptor)および視差情報リンク記述子(Disparity_Link_descriptor)を、新たに定義する。ステレオ映像記述子には、番組単位の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が含まれる。マルチプレクサ117は、このステレオ映像記述子を、トランスポートストリームTSに、番組単位のメタデータとして挿入する。この実施の形態において、マルチプレクサ117は、このステレオ映像記述子を、上述のEITの配下に挿入する。
【0050】
また、視差情報リンク記述子には、汎用目的の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が含まれる。また、この視差情報リンク記述子には、特定用途向けの視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が含まれる。マルチプレクサ117は、この視差情報リンク記述子を、必要に応じて、トランスポートストリームTSに、挿入する。この実施の形態において、マルチプレクサ117は、この視差情報リンク記述子を、上述のEITの配下に挿入する。
【0051】
図4は、ビデオエレメンタリストリーム、サブタイトルエレメンタリストリーム、オーディオエレメンタリストリーム、視差情報エレメンタリストリームを含む一般的なトランスポートストリームTSの構成例を示している。このトランスポートストリームTSには、上述したように、各エレメンタリストリームをパケット化して得られたPESパケットが含まれている。この構成例では、ビデオエレメンタリストリームのPESパケット「Video PES」が含まれている。
【0052】
また、この構成例では、サブタイトルエレメンタリストリームのPESパケット「Subtitle PES」およびオーディオエレメンタリストリームのPESパケット「AudioPES」が含まれている。また、この構成例では、さらに、視差情報(Disparity Data)エレメンタリストリームのPESパケット「Disparity Data PES」が含まれている。
【0053】
また、トランスポートストリームTSには、PSI(Program Specific Information)として、PMT(ProgramMap Table)が含まれている。このPSIは、トランスポートストリームTSに含まれる各エレメンタリストリームがどのプログラムに属しているかを記した情報である。また、トランスポートストリームTSには、イベント単位の管理を行うSI(Serviced Information)としてのEIT(EventInformation Table)が含まれている。このEITには、番組単位のメタデータが記載される。
【0054】
PMTには、プログラム全体に関連する情報を記述するプログラム・デスクリプタ(Program Descriptor)が存在する。また、このPMTには、各エレメンタリストリームに関連した情報を持つエレメンタリ・ループが存在する。この構成例では、ビデオエレメンタリ・ループ、サブタイトルエレメンタリ・ループ、オーディオエレメンタリ・ループ、プライベートエレメンタリ・ループが存在する。各エレメンタリ・ループには、ストリーム毎に、パケット識別子(PID)等の情報が配置されると共に、図示していないが、そのエレメンタリストリームに関連する情報を記述する記述子(デスクリプタ)も配置される。
【0055】
例えば、このエレメンタリストリームに関連する情報を記述する記述子として、ストリーム識別記述子(Stream_Identifier_Descriptor)がある。図4のトランスポートストリームTSの構成例では、サブタイトルエレメンタリ・ループにのみ図示しているが、他のエレメンタリ・ループに同様に配置されている。このストリーム識別記述子は、エリメンタリストリームの種類・位置付けを示すID(component_tag)である。各エレメンタリ・ループに、このストリーム識別記述子が配置されていることで、ID(component_tag)が与えられた場合に、それに対応するパケット識別子(PID)を取得することが可能となる。
【0056】
この実施の形態においては、図4に示すように、EITの配下に、ステレオ映像記述子(Stereoscopic_descriptor)が挿入される。また、このEITの配下に、必要に応じて、視差情報リンク記述子(Disparity_Link_descriptor)が配置される。
【0057】
[ステレオ映像記述子の説明]
図5は、ステレオ映像記述子(Stereoscopic_descriptor)の構造(syntax)の一例を示している。図6は、ステレオ映像記述子のデータ規定内容(semantics)を示している。「descriptor_tag」は、デスクリプタタイプを示す8ビットのデータであり、ここでは、ステレオ映像記述子であることを示す。「descriptor_length」は、デスクリプタの長さ(サイズ)を示す8ビットのデータである。このデータは、デスクリプタの長さとして、「descriptor _length」以降のバイト数を示す。
【0058】
「3D_format_type」は、3Dフォーマットのタイプを示す4ビットのデータである。例えば、“3”は、3Dフォーマットがサイド・バイ・サイド(Side By Side)方式であることを示す。また、例えば、“4”は、3Dフォーマットがトップ・アンド・ボトム(Top & Bottom)方式であることを示す。また、例えば、“7”は、フル・リゾルーション・ステレオ(Full resolution stereo)方式であることを示す。フル・リゾルーション・ステレオ方式は、左眼画像データおよび右眼画像データのうち、一方をベースビュー(base view)の画像データとして伝送し、他方をノンベースビュー(non-base view)の画像データとして伝送する方式である。
【0059】
「2D_display_view」は、2Dディスプレイ・モードにおいて、表示すべきビュー(画像)を示す1ビットのデータである。例えば、“0”は、表示すべきビューが、左眼画像であることを示し、“1”は、表示すべきビューが、右眼画像であることを示す。なお、3Dフォーマットが上述のフル・リゾルーション・ステレオ方式である場合には、2Dディスプレイ・モードにおいて表示すべきビュー(画像)は、例えば、ベースビューとされる。
【0060】
「Simulcast_condition」は、2ビットのデータである。このデータは、3Dフォーマットがサイド・バイ・サイド方式、トップ・アンド・ボトム方式などの場合に、これらの方式の立体(3D)画像データと共に、2D画像データを同時に伝送する状態にあるか否かを示す。また、このデータは、2D画像データを基本とし、3D画像データの送信形態を示す。3D画像表示に対応していない従来の2Dの受信機では、サイド・バイ・サイド方式、トップ・アンド・ボトム方式などで立体画像データが伝送されてくる場合、画面の左右、あるいは上下に、左眼画像および右眼画像が並んだ画像が表示されることを考慮したものである。
【0061】
例えば、“0”は、2D画像データを同時に伝送する状態にないことを示す。また、例えば、“1”〜“3”は、2D画像データを同時に伝送する状態にあることを示す。そして、例えば、“1”は、2D画像データを基本とし、同じチャネルの中に、別のストリームとして、2D画像データに対する3D画像データを送ることを示す。この場合、詳細は図示しないが、例えば、コンポーネント・デスクリプタ(component descriptor)によりパケット識別子(PID)等の詳細情報の参照が可能とされる。
【0062】
また、例えば、“2”は、2D画像データを基本とし、他のチャネルに、別番組(service)として、2D画像データに対する3D画像データを送ることを示す。この場合、詳細は図示しないが、例えば、リンケージ・デスクリプタ(linkage descriptor)により、他チャネル等の詳細情報の参照が可能とされる。また、例えば、“3”は、2D画像データを基本とし、放送ではなく、ネットワーク通信などの他の方式で、2D画像データに対する3D画像データを送ることを示す。この場合、詳細は図示しないが、例えば、他の新たなデスクリプタ(the another descriptor)により、URL等の詳細情報の参照が可能とされる。
【0063】
「detailed_disparity_supply」は、視差情報リンク記述子(Disparity_Link_descriptor)に記述される詳細な視差情報(DisparityData)が供給されるか否を示す1ビットのデータである。例えば、“1”は、供給されることを示し、このとき、EITの配下に、ステレオ映像記述子(Stereoscopic_descriptor)と共に視差情報リンク記述子が挿入される。また、例えば、“0”は、供給されないことを示す。このデータは、汎用目的の視差情報あるいは特定用途向けの視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報を構成する。
【0064】
「event_disparity_supply」は、この番組(event)のための1個の固定の視差情報(Disparity Data)が供給されるか否かを示す1ビットのデータである。例えば、“1”は、供給されることを示す。また、例えば、“0”は、供給されないことを示す。このデータは、番組単位の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報を構成する。
【0065】
「Select_view_shift」は、「event_disparity_supply=1」の場合にのみ有効となり、シフト対象指定情報を構成する2ビットのデータである。このデータは、左眼画像に重畳する重畳情報(サブタイトル、OSD表示など)および右眼画像に重畳する重畳情報のうち、視差情報(Disparity Data)に基づいてシフトさせる重畳情報を指定する。このデータの詳細については、後述する視差情報ストリーム(Disparity Stream)の部分で、さらに説明する。
【0066】
「Disparity_value」は、「event_disparity_supply=1」の場合にのみ有効となり、視差情報の値を示す8ビットのデータであり、−128〜+127の範囲の値をとる。このデータの詳細については、後述する視差情報ストリーム(Disparity Stream)の部分で、さらに説明する。
【0067】
[視差情報リンク記述子の説明]
図7は、視差情報リンク記述子(Disparity_Link_descriptor)の構造(syntax)の一例を示している。図8は、視差情報リンク記述子のデータ規定内容(semantics)を示している。なお、「descriptor_tag」、「descriptor_length」に関しては、図6に示すデータ規定例(semantics)で示すものと同様であり、図8においては、省略している。「descriptor_tag」は、デスクリプタタイプを示す8ビットのデータであり、ここでは、視差情報リンク記述子であることを示す。「descriptor_length」は、デスクリプタの長さ(サイズ)を示す8ビットのデータである。このデータは、デスクリプタの長さとして、「descriptor _length」以降のバイト数を示す。
【0068】
「disparity_component」は、視差情報が含まれる視差情報ストリームを示すコンポーネント・タグ(component_tag)の値を示す。上述したように、このコンポーネント・タグの値に基づいて、視差情報ストリームのパケット識別子(PID)を取得することが可能となる。
【0069】
「Subtitle_disparity_flg」は、サブタイトル向けの視差情報が設定されているか否かを示す1ビットのフラグデータである。このフラグデータは、上述のステレオ映像記述子の「Detaild_disparity_supply」のデータと共に、特定用途向けの視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報を構成する。例えば、“1”は、サブタイトル向けの視差情報が設定されていることを示し、“0”は、サブタイトル向けの視差情報の設定がないことを示す。
【0070】
「general_use_disparity_flg」は、汎用目的の視差情報が存在するか否かを示す1ビットのフラグデータである。このフラグデータは、上述のステレオ映像記述子の「Detaild_disparity_supply」のデータと共に、汎用目的の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報を構成する。例えば、“1”は、汎用目的の視差情報が存在することを示し、“0”は、汎用目的の視差情報が存在しないことを示す。
【0071】
「reserved_for_future_use」は、予約領域を示す。今後、視差情報の使用対象となる放送データ(例えば、データ放送など)が出現した場合に、その用途向けの視差情報が設定されているか否かを示すフラグデータの領域として利用することを想定している。
【0072】
[サブタイトルストリームの説明]
図9は、サブタイトルの2D表示と、3D表示の一例を示している。図9(a)は、サブタイトルの2D重畳例を示している。この表示例において、「Region 1」のリージョンには、丸数字の「7」を示すサブタイトルが重畳され、「Region2」のリージョンには、「Shall we ?」の文字を示すサブタイトルが重畳されている。この場合、各サブタイトルは、画面(スクリーン)上に認識される。
【0073】
図9(b)は、サブタイトルの3D重畳例を示している。この表示例においても、「Region 1」のリージョンには、丸数字の「7」を示すサブタイトルが重畳され、「Region2」のリージョンには、「Shall we ?」の文字を示すサブタイトルが重畳されている。この場合、各サブタイトルは、視差情報を用いて、画像の最も近い位置よりさらに手前に認識可能にされる。
【0074】
上述の視差情報リンク記述子における「Subtitle_disparity_flg」の1ビットのフラグデータが例えば“1”で、サブタイトル向けの視差情報が設定される場合を説明する。この場合、視差情報としては、上述したように、表示期間(Display set)単位で、各ページ(page)の各リージョン(region)の視差情報が設定される。この場合、各リージョンの視差情報は、表示期間を構成する所定数のフレーム期間で共通に使用される1個である場合、あるいは、所定数のフレーム期間で順次更新される複数個である場合などがある。
【0075】
上述したように、視差情報が表示期間(display set)を構成する所定数のフレーム期間で共通に使用される1個である場合、サブタイトルの深さ(奥行き)は、その表示期間の間は一定となる。図10は、その場合における、表示期間内の各フレームにおけるサブタイトル「subtitle」の深さの一例を示している。
【0076】
また、上述したように、視差情報が表示期間を構成する所定数のフレーム期間で順次更新される複数個である場合、サブタイトルの深さ(奥行き)は、その表示期間の間、立体画像内のオブジェクトの位置変動に応じて変化させることができる。図11は、その場合における、表示期間内の各フレームにおけるサブタイトル「subtitle」の深さの一例を示している。
【0077】
図12は、サブタイトルデータの構造を示している。サブタイトルデータは、PESヘッダ(PES header)と、このPESヘッダに続く各表示期間(display set)のデータとから構成されている。そして、各表示期間(display set)のデータは、「DDS」、「PCS」、「CDS」、「RCS」、「ODS」、「EDS」のセグメントの他に、新たに定義する「3DS」により構成されている。
【0078】
「DDS」は、ディスプレイ・デフィニション・セグメント(Display Definition Segment)であり、サブタイトル(字幕)の表示領域を規定する。「PCS」ページ・コンポジション・セグメント(Page Composition Segment)であり、ページ(Page)全体の状態と、ページ(Page)を構成する各リージョン(region)と、その位置情報を示す。「RCS」は、リージョン・コンポジション・セグメント(Region Composition Segment)であり、リージョン(Region)に配置される各オブジェクト(object)と、その位置情報を示す。
【0079】
「CDS」は、CLUT・デフィニション・セグメント(CLUT Definition Segment)であり、「RCS」で指定される各CLUT(ColorLook-up Table)のデータである。「ODS」は、オブジェクト・データ・セグメント(ObjectData Segment)であり、各オブジェクト(Object)のデータである。この「ODS」には、オブジェクト(Object)のタイプによりビットマップデータかテキストデータが記述される。「EDS」は、エンド・オブ・ディスプレイ・セグメント(End or Display set Segment)であり、表示期間(Displayset)の伝送の終わりを示す。
【0080】
「3DS」は、3D・セグメント(3D Segment)であり、サブタイトル向けの視差情報に関する種々の情報を持つ。視差情報として、表示期間(display set)を構成する所定数のフレーム期間で共通に使用される1個の視差情報が存在する場合、「3DS」には、その視差情報(Disparity Data)が含まれる。また、視差情報として、表示期間(displayset)を構成する所定数のフレーム期間で順次更新される複数個の視差情報(視差情報列)が設定されている場合、「3DS」には、視差情報ストリーム内のその視差情報列を識別する識別情報が含まれる。この「3DS」の詳細な構造例については、後述する。
【0081】
図13は、サブタイトルストリーム(PES)、つまりDVB_Subtitlingの構造(Syntax)を示している。この構造は、ETSI(European Telecommunications Standards Institute)で規格化されている(ETSI EN 300 743)。この図13の構造は、PESレイヤから見たものである。「PES_data_field」には、「data_identifier」で示される、サブタイトルデータであることを示す8ビット情報が含まれている。また、この「PES_data_field」には、「Subtitle_stream_id」で示される、サブタイトルストリームを識別するための8ビット情報が含まれている。
【0082】
また、この「PES_data_field」には、「Subtitling_segment」が含まれている。そして、この「Subtitling_segment」は、「Sync_byte」、「segment_type」、「page_id」、「segment_length」、「segment_data_field」の各情報を含んでいる。「page_id」は、各ページを識別するための識別情報である。
【0083】
「segment_type」は8ビットの情報であり、セグメントのタイプ(種類)を示す。図14は、「segment_type」の各値とセグメントタイプとの対応関係を示している。例えば、「0x10」は、PCS(page composition segment)を示す。また、[0x11]は、RCS(Region Composition Segment)を示す。
【0084】
また、例えば、「0x40」は、従来リザーブとされているが、ここでは、3DS(3D segment)を示すものとして、新たに定義される。従来の3D対応でないサブタイトルデコーダは、「0x40」はリザーブなので、このセグメントは読み飛ばすことになる。これに対して、3D対応のデコーダは、「0x40」は「3DS」と認識するので、このセグメントからサブタイトル向けの視差情報に関する種々の情報を読み取ることが可能となる。
【0085】
[3Dセグメントの説明]
図15は、3DS(3D segment)の構造例(syntax)を示している。図16は、3DSのデータ規定内容(semantics)を示している。「3D_segment」は、「Sync_byte」、「segment_type」、「page_id」、「segment_length」の各情報を含んでいる。「page_id」は、各ページを識別するための識別情報である。「segment_type」は、セグメントタイプを示す8ビットのデータであり、ここでは、「3DS」を示す「0x40」とされている。「segment_length」は、セグメントの長さ(サイズ)を示す8ビットのデータである。このデータは、セグメントの長さとして、「segment _length」以降のバイト数を示す。
【0086】
また、「3D_segment」は、「disparity_static_supply」、「disparity_sequence_supply」の各情報を含んでいる。「disparity_static_supply」は、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位に、固定の視差情報(Disparity Data)の値を供給するか否かを示す1ビットのデータである。例えば、“1”は、供給することを示し、“0”は、供給しないことを示す。すなわち、「disparity_static_supply=1」は、リージョン毎に、表示期間(displayset)を構成する所定数のフレーム期間で共通に使用される1個の視差情報が存在することを示す。
【0087】
また、「disparity_sequence_supply」は、1ビットのデータである。このデータは、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位に、視差情報(Disparity Data)の値の時間変動を示す視差情報シーケンス(Disparitysequence)を供給するか否かを示す。例えば、“1”は、供給することを示し、“0”は、供給しないことを示す。すなわち、「disparity_sequence_supply =1」は、リージョン毎に、表示期間(displayset)を構成する所定数のフレーム期間で順次更新される複数個の視差情報シーケンス(視差情報列)が設定されていることを示す。
【0088】
また、「3D_segment」は、「select_view_shift」、「number_of_regions」の各情報を含んでいる。「select_view_shift」は、シフト対象指定情報を構成する2ビットのデータである。このデータは、左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルのうち、視差情報(Disparity Data)に基づいてシフトさせるサブタイトルを指定する。このデータの詳細については、後述する視差情報ストリーム(Disparity Stream)の部分で、さらに説明する。「number_of_regions」は、リージョン(Region)の数を示す。
【0089】
また、「3D_segment」は、リージョン数だけ、「disparity_value」、「disparity_sequence_id」のいずれか、あるいは双方のデータを含んでいる。「disparity_value」は、「disparity_static_supply」が例えば“1”で、固定の視差情報(Disparity Data)の値を供給する場合に含まれる。この「disparity_value」は、上述したリージョン(Region)/表示期間(Display set)単位のそれぞれの視差情報の値を示す8ビットのデータである。このデータの詳細については、後述する視差情報ストリーム(Disparity Stream)の部分で、さらに説明する。
【0090】
また、「disparity_sequence_id」は、「disparity_sequence_supply」が例えば“1”で、視差情報シーケンス(Disparity sequence)を供給する場合に含まれる。この「disparity_sequence_id」は、上述したリージョン(Region)/表示期間(Display set)単位のそれぞれの視差情報の値の時間変動を示す、視差情報ストリーム上の特定の視差情報シーケンスを指定する識別子である。
【0091】
[視差情報ストリームの説明]
次に、視差情報(Disparity data)を視差情報ストリームに埋め込む場合について説明する。図17は、視差情報ストリームの構造(Syntax)、すなわち視差情報(disparity_data)を含むPES_data_fieldの構造の一例を示している。この構造には、「data_identifier」、「disparity_stream_id」、「disparity_data_set」、「end_of_PES_data_field_marker」などの情報が含まれている。
【0092】
図18は、「disparity_data_set」の構造(Syntax)を示している。図19は、「disparity_data_set」の主要なデータ規定内容(semantics)を示している。この構造には、「sync_byte」、「disparity_sequence_id」、「select_view_shift」、「fram_count」、「disparity_value」などの情報が含まれている。「disparity_sequence_id」は、視差情報シーケンス(Disparity sequence)の識別子を示す。
【0093】
「select_view_shift」は、シフト対象指定情報を構成する2ビットの情報である。この「select_view_shift」は、左眼画像に重畳するサービス・コンポーネントおよび右眼画像に重畳するサービス・コンポーネントのうち、視差情報に基づいてシフトさせるサービス・コンポーネントを指定する。例えば、「select_view_shift=00」はリザーブとされる。サービス・コンポーネントは、サブタイトル情報、クローズド・キャプション情報などである。
【0094】
また、例えば、「select_view_shift=‘01’」であるとき、左眼画像に重畳するサービス・コンポーネント(サブタイトルなど)のみを、視差情報(disparity)分だけ、水平方向にシフトさせることを示す。ここで、視差情報(disparity)が正の値であるときは、左眼画像に重畳するサービス・コンポーネントは、右方向にシフトされる。一方、視差情報(disparity)が負の値であるときは、左眼画像に重畳するサービス・コンポーネントは、左方向にシフトされる。
【0095】
また、例えば、「select_view_shift=‘10’」であるとき、右眼画像に重畳するサービス・コンポーネントのみを、視差情報(disparity)分だけ、水平方向にシフトさせることを示す。ここで、視差情報(disparity)が正の値であるときは、右眼画像に重畳するサービス・コンポーネントは、右方向にシフトされる。一方、視差情報(disparity)が負の値であるときは、右眼画像に重畳するサービス・コンポーネントは、左方向にシフトされる。
【0096】
また、例えば、「select_view_shift=11」であるとき、左眼画像に重畳するサービス・コンポーネントおよび右眼画像に重畳するサービス・コンポーネントの双方を、水平方向の互いに逆の方向にシフトさせることを示す。ここで、左眼画像に重畳するサービス・コンポーネントは、視差情報の値(disparity )が偶数値である場合、正のときは「disparity/2」分だけ右方向にシフトされ、負のときは「disparity/2」分だけ左方向にシフトされる。また、右眼画像に重畳するサービス・コンポーネントは、視差情報の値(disparity)が偶数値である場合、正のときは「disparity/2」分だけ左方向にシフトされ、負のときは「disparity/2」分だけ右方向にシフトされる。
【0097】
また、左眼画像に重畳するサービス・コンポーネントは、視差情報の値(disparity)が奇数値である場合、正のときは「(disparity+1)/2」分だけ右方向にシフトされ、負のときは「(disparity+1)/2」分だけ左方向にシフトされる。また、右眼画像に重畳するサービス・コンポーネントは、視差情報の値(disparity)が奇数値である場合、正のときは「(disparity−1)/2」分だけ左方向にシフトされ、負のときは「(disparity−1)/2」分だけ右方向にシフトされる。
【0098】
「frame_count」は、表示期間(Display set)に含まれるフレームの数を示す。「disparity_value」は、視差情報の値を示す8ビットのデータであり、−128〜+127の範囲の値をとる。このデータの値が正の値であるとき、3Dの深さ(奥行き)は、スクリーンより遠くになる。一方、このデータの値が負の値であるとき、3Dの深さ(奥行き)は、スクリーンより近くになる。
【0099】
「disparity_sequence_id」で特定される「disparity_data_set」には、「frame_count」で示されるフレームの数だけ、「disparity_value」が含まれる。つまり、「disparity_sequence_id」で示される視差情報シーケンス(Disparity sequence)は、「fram_count」で示されるフレームの数の「disparity_value」からなる視差情報列となる。
【0100】
[送信データ生成部の動作]
図2に示す送信データ生成部110の動作を簡単に説明する。データ取り出し部111から出力される所定番組の立体(3D)画像データは、ビデオエンコーダ112に供給される。このビデオエンコーダ112では、その画像データに対して、MPEG4−AVC、MPEG2等の符号化が施され、符号化ビデオデータを含むビデオのエレメンタリストリームが生成される。このビデオのエレメンタリストリームは、マルチプレクサ117に供給される。
【0101】
また、データ取り出し部111から上述したように所定番組の立体画像データが出力される場合、データ記録媒体にその立体画像データに対応した視差情報が記録されているとき、データ取り出し部111からはその視差情報も出力される。この視差情報は、上述したように、番組単位の視差情報、汎用目的の視差情報、特定用途向け(この実施の形態においてはサブタイトル向け)等の視差情報である。
【0102】
また、特定用途向けの視差情報には、所定番組の立体画像データに対応付けて、表示期間(Display set)単位で、各ページ(page)の各リージョン(region)の視差情報が存在する。そして、各リージョンの視差情報は、表示期間を構成する所定数のフレーム期間で共通に使用される1個である場合、あるいは、所定数のフレーム期間で順次更新される複数個である場合がある。これらの各視差情報は、単独で存在する場合の他、重複して存在することもある。
【0103】
データ取り出し部111から出力される視差情報が番組単位の視差情報である場合、この視差情報は、マルチプレクサ117に供給される。また、データ取り出し部111から出力される視差情報が汎用目的の視差情報である場合、その視差情報は視差情報エンコーダ113に供給される。
【0104】
また、データ取り出し部111から出力される視差情報が特定用途向けの視差情報であって、各リージョンの視差情報が所定数のフレーム期間で共通に使用される1個の場合、この視差情報は、サブタイトルエンコーダ116に供給される。さらに、データ取り出し部111から出力される視差情報が特定用途向けの視差情報であって、所定数のフレーム期間で順次更新される複数個である場合、その視差情報は視差情報エンコーダ113に供給される。
【0105】
視差情報エンコーダ113では、視差情報に対して所定の符号化が施され、符号化データを含む視差情報エレメンタリストリーム(図17〜図19参照)が生成される。この視差情報エレメンタリストリームはマルチプレクサ117に供給される。なお、汎用目的の視差情報と、特定用途向けの視差情報(所定数のフレーム期間で順次更新される複数個)とが併存する場合、これらの視差情報は、例えば「disparity_sequence_id」で区別可能に含まれる。
【0106】
また、データ取り出し部111から上述したように所定番組の立体画像データが出力される場合、このデータ取り出し部111からその画像データに対応した音声データも出力される。この音声データは、オーディオエンコーダ114に供給される。このオーディオエンコーダ114では、音声データに対して、MPEG−2Audio AAC等の符号化が施され、符号化オーディオデータを含むオーディオエレメンタリストリームが生成される。このオーディオエレメンタリストリームはマルチプレクサ117に供給される。
【0107】
また、データ取り出し部111から出力される画像データに対応してサブタイトル発生部115では、画像(ビュー)に重畳するサブタイトルのデータ(サブタイトルデータ)が発生される。このサブタイトルデータは、サブタイトルエンコーダ116に供給される。サブタイトルエンコーダ116では、このサブタイトルデータに対して所定の符号化が施され、符号化データを含むサブタイトルエレメンタリストリームが生成される。このサブタイトルエレメンタリストリームはマルチプレクサ117に供給される。
【0108】
ここで、サブタイトルデータには、各表示期間(Display set)のデータとして、サブタイトル向けの視差情報に関する種々の情報を持つ3D・セグメント(3DS)(図15、図16参照)が含まれている。サブタイトルエンコーダ116では、データ取り出し部111からサブタイトル向けの視差情報(所定数のフレーム期間で共通に使用される各リージョンの1個の視差情報)が、3D・セグメントに「disparity_value」の情報として挿入される。その場合、「disparity_static_supply」のデータは、例えば“1”とされ、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の固定の視差情報の供給が示される。
【0109】
また、上述したように、データ取り出し部111から特定用途向けの視差情報(所定数のフレーム期間で順次更新される複数個である場合)が出力される場合、「disparity_sequence_supply」のデータは、例えば“1”とされる。これにより、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位に、視差情報(Disparity Data)の値の時間変動を示す視差情報シーケンス(Disparitysequence)の供給が示される。そして、「disparity_sequence_id」は、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位のそれぞれの視差情報の値の時間変動を示す、視差情報ストリーム上の特定の視差情報シーケンスを指定する識別子とされる。
【0110】
マルチプレクサ117では、各エンコーダから供給されるエレメンタリストリームがパケット化されて多重され、トランスポートストリームTSが生成される。この場合、トランスポートストリームTSには、ステレオ映像記述子(Stereoscopic_descriptor)(図5、図6参照)が挿入される。また、この場合、トランスポートストリームTSには、さらに必要に応じて、視差情報リンク記述子(Disparity_Link_descriptor)(図7、図8参照)が挿入される。これらの記述子は、EITの配下に挿入される(図4参照)。
【0111】
データ取り出し部111から番組単位の視差情報が出力される場合、ステレオ映像記述子の「event_disparity_supply」の情報は、例えば“1”とされる。これにより、番組単位の視差情報の供給が示される。そして、その場合、この番組単位の視差情報が、ステレオ映像記述子に、「disparity_value」の情報として挿入される。また、データ取り出し部111から汎用目的の視差情報およびサブタイトル向けの視差情報の少なくともいずれかが出力される場合、ステレオ映像記述子の「detailed_disparity_supply」の情報は、例えば“1”とされる。この場合、トランスポートストリームTSには、視差情報リンク記述子(Disparity_Link_descriptor)が挿入される。
【0112】
また、データ取り出し部111から汎用目的の視差情報が出力される場合、視差情報リンク記述子の「general_use_disparity_flg」のフラグデータは、例えば“1”とされる。これにより、汎用目的の視差情報の供給が示される。また、データ取り出し部111からサブタイトル向けの視差情報が出力される場合、視差情報リンク記述子の「subtitle_disparity_flg」のフラグデータは、例えば“1”とされる。これにより、サブタイトル向けの視差情報の供給が示される。
【0113】
「受信機の構成例」
図20は、受信機200の構成例を示している。この受信機200は、アンテナ端子201と、デジタルチューナ202と、デマルチプレクサ203と、ビデオデコーダ204と、3D信号処理部205を有している。また、受信機200は、サブタイトルデコーダ206と、サブタイトル発生部207と、視差情報デコーダ208と、メタデータ処理部209と、視差情報出力部210と、OSD表示データ生成部211を有している。また、受信機200は、画像・表示データ重畳部212と、ディスプレイ213と、オーディオデコーダ214と、音声処理回路215と、音声増幅回路216と、スピーカ217を有している。
【0114】
アンテナ端子201は、受信アンテナ(図示せず)で受信されたテレビ放送信号を入力する端子である。デジタルチューナ202は、アンテナ端子201に入力されたテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応した所定のトランスポートストリーム(ビットストリームデータ)TS(図3参照)を出力する。デマルチプレクサ203は、デジタルチューナ202から出力されるトランスポートストリームTSから、ビデオ、オーディオ、サブタイトル、視差情報の各エレメンタリストリームを抽出する。また、デマルチプレクサ203は、このトランスポートストリームTSから、EIT、PMTなどのテーブルも抽出する。
【0115】
ビデオデコーダ204は、上述の送信データ生成部110のビデオエンコーダ112とは逆の処理を行う。すなわち、このビデオデコーダ204は、デマルチプレクサ203で抽出されたビデオエレメンタリストリームに含まれる符号化画像データに対して復号化処理を行って、復号化された立体画像データを得る。3D信号処理部205は、ビデオデコーダ204で得られた立体画像データに対して、3Dフォーマットに対応した処理を行って左眼画像データSLおよび右眼画像データSRを生成する。
【0116】
サブタイトルデコーダ206は、上述の送信データ生成部110のサブタイトルエンコーダ116とは逆の処理を行う。すなわち、サブタイトルデコーダ206は、デマルチプレクサ203で抽出されたサブタイトルエレメンタリストリームに含まれる符号化サブタイトルデータに対して復号化処理を行って、復号化されたサブタイトルデータを得る。
【0117】
サブタイトルデコーダ206は、3D・セグメント(3DS)に含まれるサブタイトル向けの視差情報に関する種々の情報を取得する。例えば、サブタイトルデコーダ206は、3D・セグメントから、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の固定の視差情報の供給があるか否かを示す「disparity_static_supply」の情報を取得する。また、例えば、サブタイトルデコーダ206は、3D・セグメントから、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の視差情報シーケンスの供給があるか否かを示す「disparity_sequence_supply」の情報を取得する。
【0118】
また、サブタイトルデコーダ206は、特定用途向けの視差情報(所定数のフレーム期間で共通に使用される各リージョンの1個の視差情報)の伝送がある場合、その視差情報が3D・セグメントに含まれていることから、その視差情報も取得する。サブタイトル発生部207は、サブタイトルデコーダ206で得られたサブタイトルデータに基づいて、画像に重畳するサブタイトルの表示データを発生する。
【0119】
視差情報デコーダ208は、上述の送信データ生成部110の視差情報エンコーダ113とは逆の処理を行う。すなわち、この視差情報デコーダ208は、デマルチプレクサ203で抽出された視差情報エレメンタリストリームに含まれる符号化された視差情報に対して復号化処理を行って、復号化された視差情報を得る。ここで、視差情報デコーダ208は、汎用目的の視差情報および特定用途向けの視差情報(所定数のフレーム期間で順次更新される複数個の視差情報)のいずれか、あるいは双方の伝送がある場合のみ、それらの視差情報を得る。
【0120】
メタデータ処理部209は、デマルチプレクサ203から出力されるEITの配下に挿入されているステレオ映像記述子(図5、図6参照)、視差情報リンク記述子(図7、図8参照)を処理して、視差情報に関する種々の情報を得る。例えば、メタデータ処理部209は、ステレオ映像記述子から、番組単位の視差情報の伝送があるか否かを識別するための「event_disparity_supply」の情報を取得する。また、例えば、メタデータ処理部209は、ステレオ映像記述子から、詳細な視差情報の伝送があるか否かを識別するための「detailed_disparity_supply」の情報を取得する。ここで、メタデータ処理部209は、番組単位の識別情報の伝送がある場合、その視差情報がステレオ映像記述子に含まれていることから、その視差情報も取得する。
【0121】
また、例えば、メタデータ処理部209は、視差情報リンク記述子から、汎用目的の視差情報の伝送があるか否かを識別する「general_use_disparity_flg」の情報を取得する。また、例えば、メタデータ処理部209は、視差情報リンク記述子から、サブタイトル向けの視差情報の伝送があるか否かを識別する「subtitle_disparity_flg」の情報を取得する。また、例えば、メタデータ処理部209は、視差情報リンク記述子から、「disparity_component」の情報を取得する。この情報は、視差情報が含まれる視差情報ストリームを示すコンポーネント・タグ(component_tag)の値を示し、このコンポーネント・タグの値に基づいて視差情報ストリームのパケット識別子(PID)を取得できる。
【0122】
視差情報出力部210は、視差情報デコーダ208からの視差情報、サブタイトルデコーダ206からの視差情報に関する種々の情報、およびメタデータ処理部209からの視差情報に関する種々の情報に基づいて、使用すべき視差情報を決定して出力する。
【0123】
図21のフローチャートは、重畳情報がOSD表示である場合における、視差情報出力部210の処理手順の一例を示している。視差情報出力部210は、ステップST1において、処理を開始し、その後に、ステップST2の処理に移る。このステップST2において、視差情報出力部210は、ステレオ映像記述子の「detailed_disparity_supply」の情報を参照し、詳細な視差情報の伝送があるか否かを判断する。
【0124】
「detailed_disparity_supply=1」であって、詳細な視差情報の伝送があると判断するとき、視差情報出力部210は、ステップST3の処理に移る。このステップST3において、視差情報出力部210は、視差情報リンク記述子の「general_use_disparity_flg」の情報を参照して、汎用目的の視差情報の伝送があるか否かを判断する。「general_use_disparity_flg=1」であって、汎用目的の視差情報の伝送があると判断するとき、視差情報出力部210は、ステップST4の処理に移る。このステップST4において、視差情報出力部210は、視差情報デコーダ208で視差情報ストリームから取得される汎用目的の視差情報を、使用すべき視差情報に決定して出力する。
【0125】
ステップST2で「detailed_disparity_supply=0」であって、詳細な視差情報の伝送がないと識別されるとき、視差情報出力部210は、ステップST5の処理に移る。また、同様に、ステップST3で「general_use_disparity_flg=0」であって、汎用目的の視差情報の伝送がないと判断するとき、視差情報出力部210は、ステップST5の処理に移る。このステップST5において、視差情報出力部210は、ステレオ映像記述子の「event_disparity_supply」の情報を参照して、番組単位の視差情報の伝送があるか否かを判断する。
【0126】
「event_disparity_supply=1」であって、番組単位の視差情報の伝送があると判断するとき、視差情報出力部210は、ステップST6の処理に移る。このステップST6において、視差情報出力部210は、メタデータ処理部209でステレオ映像記述子から取得される番組単位の視差情報(Disparity_value)を、使用すべき視差情報に決定して出力する。また、「event_disparity_supply=0」であって、番組単位の視差情報の伝送がないと判断するとき、視差情報出力部210は、ステップST7の処理に移る。このステップST7において、視差情報出力部210は、受信機200に予め用意されている視差情報を、使用すべき視差情報に決定して出力する。
【0127】
図22のフローチャートは、重畳情報がサブタイトルである場合における、視差情報出力部210の処理手順の一例を示している。視差情報出力部210は、ステップST11において、処理を開始し、その後に、ステップST12の処理に移る。次に、視差情報出力部210は、ステップST12において、ステレオ映像記述子の「detailed_disparity_supply」の情報を参照し、詳細な視差情報の伝送があるか否かを判断する。
【0128】
「detailed_disparity_supply=1」であって、詳細な視差情報の伝送があると判断するとき、視差情報出力部210は、ステップST13の処理に移る。このステップST13において、視差情報出力部210は、視差情報リンク記述子の「subtitle_disparity_flg」の情報を参照して、サブタイトル向けの視差情報の伝送があるか否かを判断する。「subtitle_disparity_flg=1」であって、サブタイトル向けの視差情報の伝送があると判断するとき、視差情報出力部210は、ステップST14の判断処理に移る。
【0129】
このステップST14において、視差情報出力部210は、3D・セグメント(3DS)から取得された「disparity_static_supply」、「disparity_sequence_supply」の情報を参照して判断処理を行う。視差情報出力部210は、「disparity_sequence_supply=1」であって、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の視差情報シーケンスの供給があると判断するとき、ステップST15の処理に移る。このステップST15において、視差情報出力部210は、視差情報デコーダ208で視差情報ストリームから取得されるリージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の視差情報シーケンスを、使用すべき視差情報に決定して出力する。
【0130】
また、視差情報出力部210は、「disparity_static_supply=1」、「disparity_sequence_supply=0」であるとき、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の固定視差情報の供給のみがあると判断する。そして、視差情報出力部210は、このとき、ステップST16の処理に移る。このステップST16において、視差情報出力部210は、サブタイトルデコーダ206で取得されるリージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の固定視差情報を、使用すべき視差情報に決定して出力する。
【0131】
ステップST12で「detailed_disparity_supply=0」であって、詳細な視差情報の伝送がないと判断するとき、視差情報出力部210は、ステップST17の処理に移る。また、同様に、ステップST13で「subtitle_disparity_flg=0」であって、サブタイトル向けの視差情報の伝送がないと判断するとき、視差情報出力部210は、ステップST17の処理に移る。さらに、視差情報出力部210は、ステップST14で「disparity_static_supply=0」、「disparity_sequence_supply=0」であるとき、ステップST17の処理に移る。この場合、視差情報出力部210は、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の、固定視差情報および視差情報シーケンスのいずれの伝送もないと判断する。
【0132】
このステップST17において、視差情報出力部210は、ステレオ映像記述子の「event_disparity_supply」の情報を参照して、番組単位の視差情報の伝送があるか否かを判断する。「event_disparity_supply=1」であって、番組単位の視差情報の伝送があると判断するとき、視差情報出力部210は、ステップST18の処理に移る。このステップST18において、視差情報出力部210は、メタデータ処理部209でステレオ映像記述子から取得される番組単位の視差情報(Disparity_value)を、使用すべき視差情報に決定して出力する。また、「event_disparity_supply=0」であって、番組単位の視差情報の伝送がないと判断するとき、視差情報出力部210は、ステップST19の処理に移る。このステップST19において、視差情報出力部210は、受信機200に予め用意されている視差情報を、使用すべき視差情報に決定して出力する。
【0133】
図20に戻って、画像・表示データ重畳部212は、3D信号処理部205で得られた左眼画像データおよび右眼画像データに対して、サブタイトル表示データおよびOSD表示データを重畳する。この場合、画像・表示データ重畳部212は、左眼画像および右眼画像に重ねて表示される重畳情報(サブタイトル、OSD表示)に対して、視差情報出力部210から出力される視差情報に基づいてシフト処理を行って、視差を付与する。
【0134】
図23は、画像・表示データ重畳部212の構成例を示している。この画像・表示データ重畳部212は、Lビデオプレーン301と、Rビデオプレーン302と、スイッチ部303と、サブタイトルプレーン304と、OSD表示プレーン305と、シフト部306,307と、重畳部308を有している。
【0135】
Lビデオプレーン301は、3D信号処理部205から出力される左眼画像データを一時的に蓄積する。Rビデオプレーン302は、3D信号処理部205から出力される右眼画像データを一時的に蓄積する。スイッチ部303は、Lビデオプレーン301およびRビデオプレーン302から交互に画像データを取り出して出力する。つまり、スイッチ部303は、左眼画像データおよび右眼画像データを交互に出力する。
【0136】
サブタイトルプレーン304は、サブタイトル発生部207で発生されるサブタイトル表示データを一時的に蓄積する。シフト部306は、サブタイトルプレーン304から、サブタイトル表示データを取り出し、視差情報出力部210から出力される視差情報に基づいて、シフト処理を施す。この処理により、左眼画像および右眼画像に重畳されるサブタイトルに左右方向のずれが与えられて、視差が付与される。シフト部306は、スイッチ部303からの左眼画像データおよび右眼画像データの出力に同期して、左眼画像データおよび右眼画像データに重畳するサブタイトル表示データを出力する。
【0137】
この場合、視差情報出力部210から出力される視差情報が表示期間(Display set)単位の視差情報シーケンスであるときは、表示期間(Displayset)単位で、さらにフレーム毎に順次変化する視差が、リージョン毎に付与される。また、この場合、視差情報出力部210から出力される視差情報が表示期間(Display set)単位の固定視差情報であるときは、表示期間(Display set)単位で固定の視差が、リージョン毎に付与される。
【0138】
また、この場合、視差情報出力部210から出力される視差情報が番組単位の視差情報であるときは、番組単位で固定の視差が各リージョンに付与される。さらに、この場合、視差情報出力部210から出力される視差情報が受信機200に予め用意された視差情報であるときは、その視差情報による視差が付与される。
【0139】
OSD表示プレーン305は、OSD表示データ生成部211で生成されるOSD表示データを一時的に蓄積する。シフト部307は、OSD表示プレーン305から、OSD表示データを取り出し、視差情報出力部210から出力される視差情報に基づいて、シフト処理を施す。この処理により、左眼画像および右眼画像に重畳されるOSD表示に左右方向のずれが与えられて、視差が付与される。シフト部307は、スイッチ部303からの左眼画像データおよび右眼画像データの出力に同期して、左眼画像データおよび右眼画像データに重畳するOSD表示データを出力する。
【0140】
この場合、視差情報出力部210から出力される視差情報が汎用目的の視差情報であるときは、この視差情報に基づいて、例えば、各OSD表示位置に対応した視差が付与される。また、この場合、視差情報出力部210から出力される視差情報が番組単位の視差情報であるときは、番組単位で固定の視差が各OSD表示に付与される。さらに、この場合、視差情報出力部210から出力される視差情報が受信機200に予め用意された視差情報であるときは、その視差情報による視差が各OSD表示に付与される。
【0141】
重畳部308は、スイッチ部303から出力される左眼画像データおよび右眼画像データに対して、シフト部306から出力されるサブタイトル表示データおよびシフト部307から出力されるOSD表示データを重畳する。そして、重畳部308は、サブタイトルやOSD表示が重畳された左眼画像のデータSL′と、サブタイトルやOSD表示が重畳された右眼画像のデータSR′を交互に出力する。
【0142】
図20に戻って、ディスプレイ213は、例えば、液晶表示パネル、プラズマディスプレイなどにより構成される。このディスプレイ213は、画像・表示データ重畳部212から出力される左眼画像データSL′および右眼画像データSR′による画像を交互に表示する。このようにディスプレイ213に表示される左眼画像および右眼画像は、例えば、図示しないシャッタメガネを装着した視聴者の左眼および右眼で知覚され、立体画像が呈示可能とされる。
【0143】
オーディオデコーダ214は、上述の送信データ生成部110のオーディオエンコーダ114とは逆の処理を行う。すなわち、オーディオデコーダ214は、デマルチプレクサ203で抽出されたオーディオエレメンタリストリームに含まれる符号化音声データに対して復号化処理を行って、復号化された音声データを得る。音声信号処理回路215は、オーディオデコーダ214で得られた音声データに対してD/A変換等の必要な処理を行う。音声増幅回路216は、音声信号処理回路215から出力される音声信号を増幅してスピーカ217に供給する。
【0144】
[受信機の動作]
図20に示す受信機200の動作を簡単に説明する。アンテナ端子201に入力されたテレビ放送信号はデジタルチューナ202に供給される。このデジタルチューナ202では、テレビ放送信号が処理されて、ユーザの選択チャネルに対応した所定のトランスポートストリームTSが出力される。このトランスポートストリームTSは、デマルチプレクサ203に供給される。デマルチプレクサ203では、トランスポートストリームTSから、ビデオ、サブタイトル、視差情報およびオーディオの各エレメンタリストリームが抽出される。また、デマルチプレクサ203では、トランスポートストリームTSから、EIT、PMTなどのテーブルも抽出される。
【0145】
デマルチプレクサ203で抽出されるビデオエレメンタリストリームは、ビデオデコーダ204に供給される。ビデオデコーダ204では、ビデオエレメンタリストリームに含まれる符号化画像データに対して復号化処理が行われて、復号化された立体画像データが得られる。この立体画像データは、3D信号処理部205に供給される。3D信号処理部205では、立体画像データに対して、3Dフォーマットに対応した処理が行われて、左眼画像データSLおよび右眼画像データSRが生成される。この左眼画像データSLおよび右眼画像データSRは、画像・表示データ重畳部212に供給される。
【0146】
また、デマルチプレクサ203で抽出されるサブタイトルエレメンタリストリームは、サブタイトルデコーダ206に供給される。サブタイトルデコーダ206では、サブタイトルエレメンタリストリームに含まれる符号化サブタイトルデータに対して復号化処理が行われて、復号化されたサブタイトルデータが得られる。このサブタイトルデータは、サブタイトル発生部207に供給される。サブタイトル発生部207では、サブタイトルデータに基づいて、画像に重畳するサブタイトルの表示データが発生される。このサブタイトル表示データは、画像・表示データ重畳部212に供給される。
【0147】
また、サブタイトルデコーダ206では、3D・セグメント(3DS)に含まれるサブタイトル向けの視差情報に関する種々の情報が取得される。この情報は、視差情報出力部210に供給される。例えば、サブタイトルデコーダ206では、3D・セグメントから、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の固定の視差情報の供給があるか否かを示す「disparity_static_supply」の情報が取得される。また、例えば、サブタイトルデコーダ206では、3D・セグメントから、「disparity_sequence_supply」の情報が取得される。この情報は、上述したように、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の視差情報シーケンスの供給があるか否かを示す。
【0148】
また、デマルチプレクサ203で抽出される視差情報エレメンタリストリームは、視差情報デコーダ204に供給される。視差情報デコーダ208では、視差情報エレメンタリストリームに含まれる符号化された視差情報に対して復号化処理が行われて、復号化された視差情報が得られる。なお、視差情報デコーダ208では、汎用目的の視差情報および特定用途向けの視差情報(所定数のフレーム期間で順次更新される複数個の視差情報)のいずれか、あるいは双方の伝送がある場合のみ、それらの視差情報が得られる。この視差情報は、視差情報出力部210に供給される。
【0149】
また、メタデータ処理部209では、デマルチプレクサ203から出力されるEITの配下に挿入されているステレオ映像記述子(図5、図6参照)、視差情報リンク記述子(図7、図8参照)が処理されて、視差情報に関する種々の情報が得られる。例えば、メタデータ処理部209では、ステレオ映像記述子から、番組単位の視差情報の伝送があるか否かを識別するための「event_disparity_supply」の情報が取得される。また、例えば、メタデータ処理部209では、ステレオ映像記述子から、詳細な視差情報の伝送があるか否かを識別するための「detailed_disparity_supply」の情報が取得される。ここで、メタデータ処理部209では、番組単位の識別情報の伝送がある場合、その視差情報がステレオ映像記述子に含まれていることから、その視差情報も取得される。
【0150】
また、例えば、メタデータ処理部209では、視差情報リンク記述子から、汎用目的の視差情報の伝送があるか否かを識別する「general_use_disparity_flg」の情報が取得される。また、例えば、メタデータ処理部209では、視差情報リンク記述子から、サブタイトル向けの視差情報の伝送があるか否かを識別する「subtitle_disparity_flg」の情報が取得される。また、例えば、メタデータ処理部209では、視差情報リンク記述子から、「disparity_component」の情報が取得される。この情報は、視差情報が含まれる視差情報ストリームを示すコンポーネント・タグ(component_tag)の値を示し、このコンポーネント・タグの値に基づいて視差情報ストリームのパケット識別子(PID)を取得できる。メタデータ処理部209で取得される種々の情報は、視差情報出力部210に供給さされる。
【0151】
視差情報出力部210では、視差情報デコーダ208からの視差情報、サブタイトルデコーダ206からの視差情報に関する種々の情報、およびメタデータ処理部209からの視差情報に関する種々の情報に基づいて、使用すべき視差情報が決定されて出力される。
【0152】
例えば、重畳情報がOSD表示である場合、以下の視差情報が出力される。すなわち、汎用目的の視差情報の伝送があるとき、汎用目的の視差情報が、使用すべき視差情報に決定されて出力される。また、汎用目的の視差情報の伝送はないが、番組単位の視差情報の伝送があるとき、番組単位の視差情報が、使用すべき視差情報に決定されて出力される。さらに、汎用目的の視差情報の伝送がなく、番組単位の視差情報の伝送もないとき、受信機200に予め用意されている視差情報が、使用すべき視差情報に決定されて出力される。
【0153】
また、例えば、重畳情報がサブタイトルの場合、以下の視差情報が出力される。すなわち、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の視差情報シーケンス(視差情報列)の伝送があるとき、この視差情報シーケンスが、使用すべき視差情報に決定されて出力される。また、上述の視差情報シーケンスの伝送はないが、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の固定の視差情報の伝送があるとき、この固定視差情報が、使用すべき視差情報に決定されて出力される。
【0154】
また、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の視差情報の伝送
はないが、番組単位の視差情報の伝送があるとき、番組単位の視差情報が、使用すべき視差情報に決定されて出力される。さらに、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の視差情報の伝送がなく、番組単位の視差情報の伝送もないとき、受信機200に予め用意されている視差情報が、使用すべき視差情報に決定されて出力される。
【0155】
このように視差情報出力部210で決定されて出力される視差情報は、画像・表示データ重畳部212に供給される。画像・表示データ重畳部212では、3D信号処理部205で得られた左眼画像データおよび右眼画像データに対して、サブタイトル発生部207で発生されたサブタイトル表示データおよびOSD表示データ生成部211で生成されたOSD表示データが重畳される。この場合、画像・表示データ重畳部212では、左眼画像および右眼画像に重ねて表示される重畳情報(サブタイトル、OSD表示)に対して、視差情報出力部210から出力される視差情報に基づいてシフト処理が行われて、視差が付与される。
【0156】
画像・表示データ重畳部212からは、サブタイトルやOSD表示が重畳された左眼画像のデータSL′と、サブタイトルやOSD表示が重畳された右眼画像のデータSR′が交互に出力される。これらの画像データSL′,SR′は、ディスプレイ213に供給される。ディスプレイ213では、左眼画像データSL′および右眼画像データSR′による画像が交互に表示される。このようにディスプレイ213に表示される左眼画像および右眼画像は、例えば、図示しないシャッタメガネを装着した視聴者の左眼および右眼で知覚され、視聴者に立体画像が認識される。
【0157】
この場合、上述したように、視差情報に基づいて、左眼画像および右眼画像に重畳される重畳情報(サブタイトル、OSD表示)に視差が付与されている。そのため、これらの重畳情報は、視聴者に、画像の最も近い位置よりさらに手前に認識される。なお、この場合、使用する視差情報により、重畳情報の深さ(奥行き)が決定される。
【0158】
図24は、サブタイトルの3D表示の一例を示している。この例は、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の視差情報シーケンス(視差情報列)が伝送されており、この視差情報シーケンスに基づいて、左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルに視差が付与される場合の例である。
【0159】
この例では、所定のページ(Page ID=P1)において、リージョン(Region ID=R1)にサブタイトル「Subtitle1」が表示され、リージョン(Region ID=R2)にサブタイトル「Subtitle2」が表示される。リージョン(Region ID=R1)の表示位置は(X1,Y1,X2,Y2)であり、その表示期間はT1〜T2であり、その表示テキストは“Subtitle1”である。また、リージョン(Region ID=R2)の表示位置は(X3,Y3,X4,Y4)であり、その表示期間はT1〜T2であり、その表示テキストは“Subtitle2”である。
【0160】
そして、この例では、サブタイトル「Subtitle1」に視差を付与するために、視差情報ストリームに含まれる「disparity_sequence_id=DS1」の視差情報シーケンス(視差情報列)が参照される。この視差情報シーケンスには、表示期間内の各時刻T10,T11,T12,・・・,T1nにそれぞれ対応した視差情報(Disparity Data)D10,D11,D12,・・・,D1nが含まれている。
【0161】
また、この例では、サブタイトル「Subtitle2」に視差を付与するために、視差情報ストリームに含まれる「disparity_sequence_id=DS2」の視差情報シーケンス(視差情報列)が参照される。この視差情報シーケンスには、表示期間内の各時刻T10,T11,T12,・・・,T1nにそれぞれ対応した視差情報(Disparity Data)D20,D21,D22,・・・,D2nが含まれている。
【0162】
この例では、左眼画像および右眼画像に重畳されるサブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」には、「disparity_sequence_id=DS1」、「disparity_sequence_id=DS2」の視差情報シーケンスにより、視差が付与される。この場合、サブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」には、表示期間(Display set)内で、画像内容の変化に応じて、時々刻々と変化した視差が付与される。したがって、視聴者に認識されるサブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」の深さ(奥行き)は、表示期間(Display set)内で、画像内容の変化に応じて、時々刻々と変化したものとなる。
【0163】
図25は、サブタイトルの3D表示の他の一例を示している。この例は、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の固定視差情報が伝送されており、この固定視差情報に基づいて、左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルに視差が付与される場合の例である。
【0164】
この例では、所定のページ(Page ID=P1)において、リージョン(Region ID=R1)にサブタイトル「Subtitle1」が表示され、リージョン(Region ID=R2)にサブタイトル「Subtitle2」が表示される。リージョン(Region ID=R1)の表示位置は(X1,Y1,X2,Y2)であり、その表示期間はT1〜T2であり、その表示テキストは“Subtitle1”である。また、リージョン(Region ID=R2)の表示位置は(X3,Y3,X4,Y4)であり、その表示期間はT1〜T2であり、その表示テキストは“Subtitle2”である。
【0165】
そして、この例では、サブタイトル「Subtitle1」に視差を付与するために、サブタイトルストリームに含まれる固定視差情報(Fixed Disparity=D1)が使用される。また、この例では、サブタイトル「Subtitle2」に視差を付与するために、サブタイトルストリームに含まれる固定視差情報(Fixed Disparity=D2)が使用される。
【0166】
この例では、左眼画像および右眼画像に重畳されるサブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」には、固定視差情報(Fixed Disparity=D1,D2)により、表示期間(Display set)内で、固定視差が付与される。したがって、視聴者に認識されるサブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」の深さ(奥行き)は、表示期間(Display set)内で、一定となる。
【0167】
図26は、サブタイトルの3D表示の他の一例を示している。この例は、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の視差情報シーケンス(視差情報列)が伝送されており、この視差情報シーケンスに基づいて、左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルに視差が付与される場合の例である。
【0168】
この例では、ある表示期間(Display set)において、あるリージョンにサブタイトル「Subtitle1」が表示され、他の表示期間(Display set)において、他のリージョンにサブタイトル「Subtitle2」が表示される。そして、サブタイトル「Subtitle1」に視差を付与するために、視差情報ストリームに含まれる、このサブタイトル「Subtitle1」に視差を付与するための視差情報シーケンス(視差情報列)が参照される。また、サブタイトル「Subtitle2」に視差を付与するために、視差情報ストリームに含まれる、このサブタイトル「Subtitle2」に視差を付与するための視差情報シーケンス(視差情報列)が参照される。
【0169】
この例では、ある表示期間および他の表示期間に左眼画像および右眼画像に重畳されるサブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」には、視差情報シーケンスにより、表示期間内で、画像内容の変化に応じて、時々刻々と変化した視差が付与される。したがって、視聴者に認識されるサブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」の深さ(奥行き)は、表示期間(Display set)内で、画像内容の変化に応じて、時々刻々と変化したものとなる。
【0170】
図27は、サブタイトルの3D表示の他の一例を示している。この例は、リージョン(Region)/表示期間(Display set)単位の固定視差情報が伝送されており、この固定視差情報に基づいて、左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルに視差が付与される場合の例である。
【0171】
この例では、ある表示期間(Display set)において、あるリージョンにサブタイトル「Subtitle1」が表示され、他の表示期間(Display set)において、他のリージョンにサブタイトル「Subtitle2」が表示される。そして、サブタイトル「Subtitle1」に視差を付与するために、サブタイトルストリームに含まれる、このサブタイトル「Subtitle1」に視差を付与するための固定視差情報が使用される。また、サブタイトル「Subtitle2」に視差を付与するために、サブタイトルストリームに含まれる、このサブタイトル「Subtitle2」に視差を付与するための固定視差情報が使用される。
【0172】
この例では、ある表示期間および他の表示期間に左眼画像および右眼画像に重畳されるサブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」には、固定視差情報により、表示期間内で、固定の視差が付与される。したがって、視聴者に認識されるサブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」の深さ(奥行き)は、表示期間(Display set)内で、一定となる。
【0173】
図28は、サブタイトルの3D表示の他の一例を示している。この例は、番組単位の視差情報が伝送されており、この視差情報に基づいて、左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルに視差が付与される場合の例である。
【0174】
この例では、番組内のある表示期間(Display set)において、あるリージョンにサブタイトル「Subtitle1」が表示され、他の表示期間(Display set)において、他のリージョンにサブタイトル「Subtitle2」が表示される。そして、サブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」に視差を付与するために、EITのステレオ映像記述子(Stereoscopic_descriptor)に含まれる、番組単位の視差情報(D1)が使用される。
【0175】
この例では、左眼画像および右眼画像に重畳されるサブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」には、番組単位の視差情報(D1)により、番組内で、固定の視差が付与される。したがって、視聴者に認識されるサブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」の深さ(奥行き)は、番組内で、一定となる。
【0176】
図29は、サブタイトルの3D表示の他の一例を示している。この例は、視差情報の伝送がなく、受信機200に予め用意されている視差情報に基づいて、左眼画像および右眼画像に重畳するサブタイトルに視差が付与される場合の例である。
【0177】
この例では、番組内のある表示期間(Display set)において、あるリージョンにサブタイトル「Subtitle1」が表示され、他の表示期間(Display set)において、他のリージョンにサブタイトル「Subtitle2」が表示される。そして、サブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」に視差を付与するために、受信機200に予め用意されている視差情報が使用される。
【0178】
この例では、左眼画像および右眼画像に重畳されるサブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」には、受信機200に予め用意されている視差情報により、例えば、番組内で、固定の視差が付与される。したがって、視聴者に認識されるサブタイトル「Subtitle1」、「Subtitle2」の深さ(奥行き)は、番組内で、一定となる。
【0179】
また、図20に戻って、デマルチプレクサ203で抽出されるオーディオエレメンタリストリームは、オーディオデコーダ214に供給される。オーディオデコーダ214では、オーディオエレメンタリストリームに含まれる符号化音声データに対して復号化処理が行われて、復号化された音声データが得られる。この音声データは、音声処理回路215に供給される。音声処理回路215では、音声データに対してD/A変換等の必要な処理が施される。この音声データは、音声増幅回路216で増幅された後に、スピーカ217に供給される。そのため、スピーカ217からディスプレイ213の表示画像に対応した音声が出力される。
【0180】
上述したように、図1に示す立体画像送受信システム10において、放送局100の送信データ生成部110(図2参照)では、所定番組の立体画像データを含むトランスポートストリームTSに、視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が挿入される。そのため、3D映像コンテンツ供給事業者における視差情報の伝送の自由度を高めることが可能となる。すなわち、視差情報として、番組単位の視差情報、汎用目的の視差情報、サブタイトル向けの視差情報等を選択的に伝送することが可能となる。また、視差情報を送らない選択も可能となる。
【0181】
また、図1に示す立体画像送受信システム10において、受信機200(図20参照)では、トランスポートストリームTSに挿入されている、視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が取得される。そして、左眼画像および右眼画像に重畳される同一の重畳情報(サブタイトル、OSD表示など)には、この識別情報に基づいて、番組単位の視差情報、汎用目的の視差情報、サブタイトル向けの視差情報等の所定の視差情報による視差が付与される。これにより、サブタイトル、OSD表示などの重畳情報を、3D映像コンテンツ供給事業者の意図した深さで立体画像に重ねて表示することが可能となる。
【0182】
<2.変形例>
なお、上述実施の形態においては、ステレオ映像記述子(Stereoscopic_descriptor)および視差情報リンク記述子(Disparity_Link_descriptor)を、EITの配下に挿入している。しかし、これらの記述子の挿入位置は、EITの配下に限定されない。例えば、ステレオ映像記述子はEITの配下に挿入するが、視差情報リンク記述子はPMTの配下に挿入することが考えられる。また、例えば、双方とも、PMTの配下に挿入することが考えられる。あるいは、これらの記述子をさらに他の位置に挿入することも考えられる。
【0183】
また、上述実施の形態において、受信機200では、例えば、図21、図22のフローチャートに示すように、伝送されてくる視差情報の種類に基づいて、使用すべき視差情報が自動的に決定される。しかし、ユーザの操作によって、使用すべき視差情報を任意に決定する構成とすることも可能である。
【0184】
また、上述実施の形態において、特定の重畳情報がサブタイトルである例を示したが、クローズド・キャプションなどのその他の重畳情報の場合も同様に考えることができる。また、上述実施例においては、立体画像データを含むトランスポートストリームTSが放送局100から放送される例を示した。しかし、この発明は、このトランスポートストリームTSがインターネット等のネットワークを利用して受信端末に配信される構成のシステムにも同様に適用できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0185】
この発明は、立体画像データを放送波に載せて送信する、あるいは立体画像データをインターネット等のネットワークを介して配信する立体画像データ送受信システムに適用できる。
【符号の説明】
【0186】
10・・・立体画像送受信システム
110・・・送信データ生成部
111・・・データ取り出し部
111a・・・データ記録媒体
112・・・ビデオエンコーダ
113・・・視差情報エンコーダ
114・・・オーディオエンコーダ
115・・・サブタイトル発生部
116・・・サブタイトルエンコーダ
117・・・マルチプレクサ
200・・・受信機
201・・・アンテナ端子
202・・・デジタルチューナ
203・・・デマルチプレクサ
204・・・ビデオデコーダ
205・・・3D信号処理部
206・・・サブタイトルデコーダ
207・・・サブタイトル発生部
208・・・視差情報デコーダ
209・・・メタデータ処理部
210・・・視差情報出力部
211・・・OSD表示データ生成部
212・・・画像・表示データ重畳部
213・・・ディスプレイ
214・・・オーディオデコーダ
215・・・音声処理回路
216・・・音声増幅回路
217・・・スピーカ
301・・・Lビデオプレーン
302・・・Rビデオプレーン
303・・・スイッチ部
304・・・サブタイトルプレーン
305・・・OSD表示プレーン
306,307・・・シフト部
308・・・重畳部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左眼画像データおよび右眼画像データを有する所定番組の立体画像データを出力する画像データ出力部と、
上記画像データ出力部から出力される所定番組の立体画像データを含むトランスポートストリームを送信する画像データ送信部とを備え、
上記画像データ送信部は、上記トランスポートストリームに、上記左眼画像データおよび上記右眼画像データによる画像に重畳する重畳情報に視差を付与するための視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報を挿入する
立体画像データ送信装置。
【請求項2】
上記識別情報は、番組単位の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報である
請求項1に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項3】
上記識別情報が上記番組単位の視差情報の伝送があることを示す場合、上記画像データ送信部は、さらに、上記トランスポートストリームに、上記番組単位の視差情報を挿入する
請求項2に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項4】
上記画像データ送信部は、上記識別情報および上記視差情報を、上記トランスポートストリームに、番組単位のメタデータとして挿入する
請求項3に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項5】
上記トランスポートストリームには、番組単位の管理を行うサービス・インフォメーションとしてのイベント・インフォメーション・テーブルが含まれており、
上記画像データ送信部は、上記識別情報および上記視差情報を上記イベント・インフォメーション・テーブルの配下に挿入する
請求項4に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項6】
上記識別情報は、汎用目的の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報である
請求項1に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項7】
上記識別情報が上記汎用目的の視差情報の伝送があることを示す場合、上記画像データ送信部は、さらに、上記トラスポートストリームに、上記汎用目的の視差情報を含む視差情報エレメンタリストリームを挿入すると共に、上記トランスポートストリームに、上記識別情報と関連付けて上記視差情報エレメンタリストリームを識別するための識別情報を挿入する
請求項6に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項8】
上記識別情報は、特定の重畳情報用の視差情報の伝送であるか否かを識別する識別情報である
請求項1に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項9】
上記識別情報が上記特定の重畳情報用の視差情報の伝送であることを示す場合、上記画像データ送信部は、さらに、上記トランスポートストリームに、上記特定の重畳情報が表示される所定数のフレーム期間で共通に使用される視差情報の伝送および上記所定数のフレーム期間で順次更新される視差情報の伝送のいずれであるか、または双方であるかを示す固定/変動情報を挿入する
請求項8に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項10】
上記画像データ送信部は、
上記トランスポートストリームに、上記特定の重畳情報のデータを含む重畳情報エレメンタリストリームを挿入し、
上記固定/変動情報を、上記重畳情報エレメンタリストリームに、重畳情報毎に、挿入する
請求項9に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項11】
上記固定/変動情報が、上記所定数のフレーム期間で共通に使用される視差情報の伝送であることを示す場合、上記画像データ送信部は、上記重畳情報エレメンタリストリームに、重畳情報毎に、上記固定/変動情報に関連付けて上記所定数のフレーム期間で共通に使用される視差情報を挿入する
請求項10に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項12】
上記画像データ送信部は、
上記固定/変動情報が、上記特定の重畳情報が表示される所定数のフレーム期間で順次更新される視差情報の伝送であることを示す場合、
上記トランスポートストリームに、重畳情報毎の視差情報列を識別情報により識別可能に含む重畳情報エレメンタリストリームを挿入すると共に、
上記重畳情報エレメンタリストリームに、重畳情報毎に、上記固定/変動情報に関連付けて、上記視差情報エレメンタリストリーム内の対応する上記視差情報列を指定する識別情報を挿入する
請求項10に記載の立体画像データ送信装置。
【請求項13】
左眼画像データおよび右眼画像データを有する各番組の立体画像データを順次出力する画像データ出力ステップと、
上記画像データ出力ステップで順次出力される各番組の立体画像データを有するトランスポートストリームを送信する画像データ送信ステップとを備え、
上記画像データ送信ステップでは、上記トランスポートストリームに、上記左眼画像データおよび上記右眼画像データによる画像に重畳する重畳情報に視差を付与するための視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報を挿入する
立体画像データ送信方法。
【請求項14】
左眼画像データおよび右眼画像データを有する所定番組の立体画像データが含まれると共に、上記左眼画像データおよび上記右眼画像データによる画像に重畳する重畳情報に視差を付与するための視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が挿入されているトランスポートストリームを受信する画像データ受信部と、
上記画像データ受信部で受信されたトランスポートストリームから上記立体画像データを取得する画像データ取得部と、
上記画像データ受信部で受信されたトランスポートストリームから上記識別情報を取得する識別情報取得部と、
上記画像データ取得部で取得された上記立体画像データと、上記識別情報取得部で取得された上記識別情報に基づいて、左眼画像および右眼画像に重畳する同一の重畳情報に所定の視差情報による視差を付与し、上記重畳情報が重畳された左眼画像のデータおよび上記重畳情報が重畳された右眼画像のデータを得る画像データ処理部と
を備える立体画像データ受信装置。
【請求項15】
上記識別情報は、番組単位の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報である
請求項14に記載の立体画像データ受信装置。
【請求項16】
上記識別情報は、汎用目的の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報である
請求項14に記載の立体画像データ受信装置。
【請求項17】
上記識別情報は、特定の重畳情報用の視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報である
請求項14に記載の立体画像データ受信装置。
【請求項18】
上記画像データ処理部は、上記識別情報が上記視差情報の伝送があることを示す場合、上記トランスポートストリームから取得された視差情報を上記所定の視差情報として用いる
請求項14に記載の立体画像データ受信装置。
【請求項19】
上記画像データ処理部は、上記識別情報が上記視差情報の伝送がないことを示す場合、予め用意されている視差情報を上記所定の視差情報として用いる
請求項14に記載の立体画像データ受信装置。
【請求項20】
左眼画像データおよび右眼画像データを有する所定番組の立体画像データが含まれると共に、上記左眼画像データおよび上記右眼画像データによる画像に重畳する重畳情報に視差を付与するための視差情報の伝送があるか否かを識別する識別情報が挿入されているトランスポートストリームを受信する画像データ受信ステップと、
上記画像データ受信ステップで受信されたトランスポートストリームから上記立体画像データを取得する画像データ取得ステップと、
上記画像データ受信ステップで受信されたトランスポートストリームから上記識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
上記画像データ取得ステップで取得された上記立体画像データと、上記識別情報取得ステップで取得された上記識別情報に基づいて、左眼画像および右眼画像に重畳する同一の重畳情報に所定の視差情報による視差を付与し、上記重畳情報が重畳された左眼画像のデータおよび上記重畳情報が重畳された右眼画像のデータを得る画像データ処理ステップと
を備える立体画像データ受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図30】
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【図31】
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【図10】
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【図11】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−239169(P2011−239169A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108817(P2010−108817)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】