説明

立体画像貼り付けシステムならびにその動作制御方法およびその制御プログラム

【目的】立体画像同士が重ならないようにする。
【構成】フリー・レイアウトの電子アルバムに貼り付ける立体画像が選択される(ステップ51)。その電子アルバムに貼り付ける立体画像の視差量が設定される(ステップ52)。すると,設定された視差量となるように,選択された立体画像が拡大または縮小される。拡大または縮小された立体画像同士が重ならないように,電子アルバムの各ページに貼り付けられる自動レイアウトが行われる(ステップ53)。レイアウト結果が表示される(ステップ54)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,立体画像貼り付けシステムならびにその動作制御方法およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを利用して電子アルバムを作成する場合,自動的にレイアウトが決定されるものがある(特許文献1)。立体画像を表示する場合に,立体画像の飛び出し量が一意に決まらないので取り出し量を調整するもの(特許文献2),画像の拡大,縮小により飛び出し量が変化するので,変化した飛び出し量が視差範囲内かどうか判別するもの(特許文献3)などがある。
【0003】
電子アルバムに貼り付ける画像は二次元画像が前提であり,立体画像を貼り付けることは考えられていない。電子アルバムに立体画像を貼り付けた場合,立体画像の視差量が変わると,貼り付けられた立体画像同士が重なってしまうことがある。電子アルバムに限らず,ポスト・カードのような台紙画像に複数の立体画像を貼り付ける場合にも,このような問題が起きることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-223764号公報
【特許文献2】特開2010-45584号公報
【特許文献3】特許第4259913号
【発明の概要】
【0005】
この発明は,台紙画像に立体画像を貼り付けた場合に立体画像同士が重ならないようにすることを目的とする。
【0006】
この発明による立体画像貼り付けシステムは,複数の立体画像を選択する第1の選択手段,共通の視差量(飛び出し量)となるように,上記第1の選択手段によって選択された複数の立体画像を拡大または縮小する調整手段,および上記調整手段によって拡大または縮小された複数の立体画像を,重ならないように台紙画像に貼り付ける立体画像貼り付け手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
この発明は,上記立体画像貼り付けシステムに適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,選択手段が,複数の立体画像を選択し,調整手段が,共通の視差量となるように,上記第1の選択手段によって選択された複数の立体画像を拡大または縮小し,立体画像貼り付け手段が,上記調整手段によって拡大または縮小された複数の立体画像を,重ならないように台紙画像に貼り付けるものである。
【0008】
この発明は,上記立体画像貼り付けシステムの動作制御方法を実現するためのコンピュータが読み取り可能なプログラムも提供している。そのようなプログラムを格納した記録媒体を提供するようにしてもよい。
【0009】
この発明によると,台紙画像(1フレームの無地または飾りが含まれている画像,テンプレートと呼ばれるものなどでもよいし,後述のように電子アルバムを構成する1ページまたは複数ページが台紙画像でもよい)に貼り付ける複数の立体画像が選択される。共通の視差量(たとえば,台紙画像に規定されている立体画像の視差量)となるように,選択された複数の立体画像が拡大または縮小される。拡大または縮小された複数の立体画像が,重ならないように,台紙画像に貼り付けられる。立体画像が台紙画像に規定されている視差量となるように拡大または縮小されても,その拡大または縮小後の立体画像が重ならないので,見やすくなる。
【0010】
上記第1の選択手段は,複数のページから構成される電子アルバムに貼り付ける複数の立体画像を選択するものでもよい。その場合,上記立体画像貼り付け手段によって複数の立体画像が貼り付けられる上記台紙画像は,上記電子アルバムを構成する1または複数のページとなろう。
【0011】
上記立体画像貼り付け手段は,たとえば,上記調整手段によって拡大または縮小された複数の立体画像のうちいずれか一つの立体画像を選択する第2の選択手段,および上記第2の選択手段によって選択された一つの立体画像を,他の立体画像と重ならないように貼り付ける余白領域が上記ページに存在するかどうかを判定する判定手段を備える。また,上記判定手段によって上記余白領域が存在すると判定されたことに応じて,上記第2の選択手段によって選択された立体画像を上記余白領域に貼り付けるものであり,上記第2の選択手段による選択および上記判定手段による判定処理を繰り返す制御手段をさらに備えることが好ましい。
【0012】
上記立体画像貼り付け手段は,たとえば,上記判定手段によって上記余白領域が存在しないと判定されたことに応じて,上記第2の選択手段によって選択された立体画像を次のページに貼り付けるものである。
【0013】
上記立体画像貼り付け手段は,上記判定手段によって上記余白領域が存在しないと判定されたことに応じて,上記余白領域が存在しないと判定された上記ページに貼り付けられている立体画像を縮小する縮小手段を備えてもよい。
【0014】
上記立体画像貼り付け手段は,たとえば,上記縮小手段により縮小された立体画像の視差量が所定のしきい値以上であり,かつ上記縮小手段により上記ページに上記余白領域が生成されたことに応じて,生成された余白領域に上記第2の選択手段によって選択された立体画像を貼り付けるものである。
【0015】
また,上記立体画像貼り付け手段は,立体画像の視差量が大きい部分同士が近接するように台紙画像に貼り付けるものでもよい。
【0016】
さらに,上記ページが見開きの1ページの場合には,上記立体画像貼り付け手段は,たとえば,視差量の大きい部分が内側となるように上記ページに貼り付けるものである。
【0017】
上記調整手段は,たとえば,上記第1の選択手段によって選択された複数の立体画像に含まれる所定の対象物の視差量が共通となるように,複数の立体画像を拡大または縮小するものである。
【0018】
複数の立体画像のうち上記所定の対象物が含まれていない立体画像の視差量を0とする制御手段をさらに備えてもよい。
【0019】
ページごとに上記所定の対象物を決定してもよい。
【0020】
上記共通の視差量を設定する視差量設定手段をさらに備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(A)は左目用画像を,(B)は右目用画像を示している。
【図2】立体画像の一例である。
【図3】拡大された立体画像の一例である。
【図4】パーソナル・コンピュータの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】編集用ウインドウの一例である。
【図6】電子アルバム生成処理手順を示すフローチャートである。
【図7】選択された立体画像の一例である。
【図8】自動レイアウト処理手順を示すフローチャートである。
【図9】拡大または縮小された立体画像の一例である。
【図10】ページへの立体画像の配置順序を示している。
【図11】(A)および(B)はページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図12】ページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図13】ページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図14】ページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図15】ページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図16】ページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図17】ページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図18】ページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図19】ページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図20】自動レイアウト処理手順の一部を示すフローチャートである。
【図21】ページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図22】ページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図23】ページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図24】ページに立体画像を貼り付けた様子を示している。
【図25】視差量調整処理手順を示すフローチャートである。
【実施例】
【0022】
まず,立体画像が拡大(縮小)することにより,視差量が大きく(小さく)なることを説明する。
【0023】
図1(A)は矩形の左目用画像1Lを示し,図1(B)は矩形の右目用画像1Rを示している。
【0024】
立体画像を表示する場合には,観賞者の左目で見る左目用画像1Lと観賞者の右目で見る右目用画像1Rとが必要である。これらの左目用画像1Lと右目用画像1Rとが水平方向にずらされて重ね合わせられると,立体画像となる。水平方向のずれ量が視差量となる。
【0025】
図2は,立体画像を示している。
【0026】
上述のように,左目用画像1Lと右目用画像1Rとが水平方向にずらされて重ね合わせられると,観賞者は重複画像部分2を立体画像として見ることができる。
【0027】
視差量L1は,たとえば,左目用画像1Lと右目用画像1Rとから構成される立体画像にあらかじめ付与されているものである。
【0028】
図3は,拡大された立体画像を示している。
【0029】
立体画像(左目用画像1L,右目用画像1R)が拡大されると,視差量が増える(視差量L2>L1)。このために,左目用画像1Lと右目用画像1Rとを水平方向に離すことにより視差量を増やすだけでなく,左目用画像1Lと右目用画像1Rとを拡大することにより視差量を大きくすることができる。また,同様に左目用画像1Lと右目用画像1Rとを縮小することにより視差量を小さくすることができる。
【0030】
しかしながら,電子アルバムに立体画像を貼り付けたあとに立体画像を拡大または縮小することにより視差量を変えると,立体画像同士が重なってしまうことがある。この実施例は,立体画像同士が重ならないようにするものである。
【0031】
図4は,この発明の実施例を示すもので,電子アルバムを生成するパーソナル・コンピュータ10の電気的構成を示すブロック図である。この実施例では,パーソナル・コンピュータ10は,インターネットを介してサーバ・コンピュータ(図示略)と通信する。サーバ・コンピュータと通信しながら,ユーザはパーソナル・コンピュータ10を用いて電子アルバムを作成する。もちろん,サーバ・コンピュータと通信せずに電子アルバムを生成してもよいし,パーソナル・コンピュータ10を用いずに,スーパー,デパート,コンビニエンス・ストアなどに置かれている店頭端末装置を利用して電子アルバムを生成することもできる。その場合には,店頭端末装置が図4に示す電気的構成をもつものとなる。
【0032】
パーソナル・コンピュータ10の全体の動作は,CPU12によって統括される。
【0033】
パーソナル・コンピュータ10には,表示装置13,メモリ14,サーバ・コンピュータと通信するための通信装置15,およびキーボード,マウスなどの入力装置16が含まれている。また,パーソナル・コンピュータ10には,多数の画像を表わす画像データなどが記録されているハード・ディスク20およびハード・ディスク20にアクセスするためのハードディスク・ドライブ19が含まれている。さらに,パーソナル・コンピュータ10には,後述する動作を制御するプログラムが格納されているCD-ROM18にアクセスするCD-ROMドライブ17も含まれている。CD-ROM18に格納されているプログラムがCD-ROMドライブ17によって読み取られ,読み取られたプログラムがパーソナル・コンピュータ10にインストールされることにより,パーソナル・コンピュータ10が後述するように動作する。もっとも動作プログラムは,CD-ROM18のようなパーソナル・コンピュータ10に着脱自在な記録媒体に格納されていなくとも,ネットワークを介してパーソナル・コンピュータ10にダウンロードされて,パーソナル・コンピュータ10にインストールされるようにしてもよい。
【0034】
図5は電子アルバム編集用ウインドウ30の一例である。
【0035】
以下,電子アルバムの生成処理について説明するが,パーソナル・コンピュータ10は,サーバ・コンピュータとすでに接続しており,パーソナル・コンピュータ10の表示装置13の表示画面には図5に示す電子アルバム編集用ウインドウ30が表示されているものとする。
【0036】
編集用ウインドウ30の左下部には,画像表示領域31が形成されている。この画像表示領域31に,ハード・ディスク20に格納されている画像データによって表わされる画像(ユーザの画像)32が表示されている。店頭端末装置を用いて電子アルバムを作成する場合には,ユーザは画像データが記録されているメモリ・カードなどの記録媒体を持参し,その記録媒体から画像データが読み取られ,読み取られた画像データによって表される画像が画像表示領域31に表示されるのはいうまでもない。そのような場合には,店頭端末装置にはメモリ・カード・リーダが設けられる。画像表示領域31の右側にはスクロール・ボタン33が形成されている。スクロール・ボタン33はカーソル(図示略)によって上下に移動自在である。スクロール・ボタン33がカーソルによって上下に移動させられることにより,画像表示領域31に現れていない画像が画像表示領域31に現れる。
【0037】
上述したように,この実施例では電子アルバムに立体画像を表示させることができる。画像表示領域31に表示されている画像32も立体画像である。
【0038】
編集用ウインドウ30の上部には,電子アルバムを構成するページの画像35が表示されるページ表示領域34が形成されている。ページ表示領域34の下にはスクロール・ボタン36が形成されている。スクロール・ボタン36もカーソル(図示略)によって左右に移動自在である。スクロール・ボタン36がカーソルによって左右に移動させられることにより,ページ表示領域34に現れていないページの画像がページ表示領域36に現れる。
【0039】
編集用ウインドウ30のほぼ全体にわたって電子アルバムを構成するページを編集する編集領域38が形成されている。ページ表示領域34に表示されているページの画像の中から所望のページの画像が選択されると(たとえば,ドラッグ・アンド・ドロップにより選択されると),その選択されたページの画像が編集領域38に表示されるが,この実施例では,フリー・レイアウトの電子アルバムが選択されるものとする。フリー・レイアウトの電子アルバムは,後述するように,各ページに画像貼り付け領域があらかじめ定められているものではなく,立体画像が自動的にレイアウトされるものである。
【0040】
編集領域38には,フリー・レイアウトの電子アルバムを構成する左側のページ40Lおよび右側のページ40Rが表示されている。
【0041】
編集用ウインドウ30の右側には,視差量調整,文字合成,画像削除,画像の色変換など行うための編集用ボタン37が形成されている。
【0042】
図6は,電子アルバム生成処理手順を示すフローチャートである。すでにフリー・レイアウトの電子アルバムが選択されているものとする。
【0043】
画像表示領域31に表示されている立体画像の中から電子アルバムに貼り付ける多数の立体画像がユーザによって選択される(ステップ51)。
【0044】
図7は,選択された立体画像の一例を示している。
【0045】
ユーザによって立体画像71〜7nが選択されたものとする。
【0046】
図6に戻って,選択された立体画像は,たとえば,周りに枠が表示される。つづいて,電子アルバムに貼り付けられる立体画像の視差量がユーザによって設定される(ステップ52)。電子アルバムに貼り付けられる立体画像の視差量は共通である。編集用ボタン37を用いて,立体画像の横幅の割合を指定して視差量を設定してもよいし,編集用ボタン37を用いて具体的な数値を指定してもよい。
【0047】
すると自動レイアウトが行われる(ステップ53)。この自動レイアウトについては後述する。
【0048】
自動レイアウトが行われると,そのレイアウトの結果が編集用ウインドウ30に表示される(ステップ54)。
【0049】
図8は,自動レイアウトの処理手順(図6ステップ53の処理手順)を示すフローチャートである。
【0050】
上述のように電子アルバムに貼り付ける画像71〜7nが選択され(図7参照),かつ視差量が設定されると,設定された視差量となるように,選択された立体画像が拡大または縮小される(ステップ61)。拡大または縮小により設定された視差量とならない場合には,立体画像を構成する左目用画像と右目用画像との間を離したり,縮めたりして設定された視差量となるように立体画像が調整されてもよい。
【0051】
図9は,選択された立体画像71〜7nが拡大または縮小されることにより,設定された視差量に調整された立体画像81〜8nを示している。
【0052】
図8に戻って,ユーザによって選択された立体画像の数Nが読み取られる(ステップ62)。立体画像の数Nが0よりも大きければ(ステップ63でYES),ページに配置する立体画像がユーザによって選択される(ステップ64)。拡大または縮小された立体画像81〜8nが画像表示領域31に表示され,画像表示領域31に表示されている立体画像81〜8n中からページに配置する立体画像が選択されるのはいうまでもない。
【0053】
ページに配置する画像が選択されると,現在のページに選択された立体画像を配置する余白領域があるかどうかが判定される(ステップ65)。
【0054】
余白領域があれば(ステップ65でYES),その現在のページに,選択された立体画像が配置される(ステップ66)。余白領域が無ければ(ステップ65でNO),次のページに,選択された立体画像が配置される(ステップ67)。
【0055】
選択された画像数Nがデクレメントされ(ステップ68),再びステップ63から68の処理が繰り返される。
【0056】
選択された画像数Nが0となると(ステップ63でNO),ユーザによって選択されたすべての立体画像が電子アルバムに貼り付けられたこととなるので,自動レイアウト処理は終了する。
【0057】
図10は,電子アルバムを構成するページの一例である。
【0058】
ページ90に複数の立体画像を貼り付ける場合,矢印で示されているように,左上,右上,左下および右下の順に立体画像が貼り付けられる。
【0059】
図11(A)および(B)は,立体画像の貼り付け位置の一例を示している。
【0060】
図11(A)に示すように,ページ91に一つの立体画像101だけを貼り付ける場合には,この立体画像101がページ91の中心とされる。
【0061】
図11(B)に示すように,ページ92に複数の立体画像102および103を貼り付ける場合には,複数の立体画像102および103が重ならずに,それらの立体画像102および103の重心がページ92の中心に近づくようにされる。
【0062】
図12から図19は,選択された立体画像が自動レイアウトされる様子を示している。立体画像はページの昇順に貼り付けられる。
【0063】
図12を参照して,現在のページがページ111であった場合において,立体画像81が選択されると,立体画像81を貼り付ける余白領域がページ111に存在することとなるので,そのページ111に立体画像81が貼り付けられる。
【0064】
図13を参照して,ページ111に立体画像81が貼り付けられている場合において,次の立体画像として立体画像82が選択されたものとする。すると,ページ111には立体画像82を貼り付ける余白領域が存在しない。
【0065】
図14を参照して,ページ111の次のページ112に立体画像82が貼り付けられることとなる。
【0066】
図15を参照して,ページ112に立体画像82が貼り付けられている場合に立体画像83が選択されたものとする。
【0067】
図16を参照して,ページ112には立体画像83を貼り付ける余白領域があるので,そのページ112に立体画像83が貼り付けられる。
【0068】
図17を参照して,ページ112に立体画像82および83が貼り付けられている場合に立体画像84が選択されたものとする。
【0069】
図18を参照して,ページ112には立体画像84を貼り付ける余白領域があるので,そのページ112に立体画像84が貼り付けられる。
【0070】
このようにして,選択された立体画像とページの余白領域とが比較されて,余白領域に立体画像が貼り付けられる。図19に示すように,ページ111〜114などに立体画像81〜89などが貼り付けられるようになる(自動レイアウト)。
【0071】
上述した実施例においては,複数ページから構成される電子アルバムに複数の立体画像が貼り付けられているが,ポスト・カードのような台紙画像に複数の立体画像を貼り付けるようにしてもよい。そのような場合であっても,台紙画像に貼り付けられた複数の立体画像の視差量を共通にできる。
【0072】
また,電子アルバムではなく,複数フレームから構成されるスライドショーにも適用できる。スライドショーを構成する複数のフレームに複数の立体画像を貼り付けて,複数の立体画像の視差量を共通にできる。
【0073】
図20は,変形例を示すもので,図8に示す自動レイアウト処理手順の一部を示すフローチャートである。図20において図8に示す処理と同一の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0074】
図8に示す実施例では,現在のページに余白領域が無い場合には(ステップ65でNO),次のページに画像を配置しているが(ステップ67),この変形例では現在のページに余白領域が無い場合には(ステップ65でNO),現在のページに配置されている画像が縮小される(ステップ121)。
【0075】
縮小された画像の視差量が所定のしきい値以上であれば(ステップ122でYES),縮小により余白領域ができると(ステップ65でYES),その余白領域に画像が貼り付けられる(ステップ66)。しきい値以上でなければ(ステップ122でNO),次のページに画像が貼り付けられる(ステップ67)。次のページに画像が貼り付けられる場合,縮小された画像は元の大きさに戻してもよい。
【0076】
図21および図22は,ページ111,112に画像81などが貼り付けられている様子を示している。
【0077】
図21を参照して,ページ112には画像82から84が貼り付けられており,画像85を貼り付ける余白領域が無い。すると,上述したように,ページ112に貼り付けられている画像82から84が縮小される。画像82から84を含む領域を一つの画像と見なして縮小してもよい。図22に示すように,ページ112に,画像82から84が縮小された画像82Aから84Bが配置される。すると,ページ112に余白領域ができる。画像85も縮小され(必ずしも縮小されなくともよい),縮小画像85Aがページ112に貼り付けられる。
【0078】
図23および図24は,画像配置の一例を示している。画像の視差量が考慮されて,画像が配置される。
【0079】
一駒の画像の中では視差量は同じではなく,視差量の大きい部分が含まれている。図23に示す例では,視差量の大きい部分が各ページの中央となるように画像が配置されるものである。
【0080】
図23を参照して,ページ112に画像131および132が配置されている。画像131のうち破線で示す部分131Aは,その他の部分よりも視差量が大きい。同様に,画像132のうち破線で示す部分132も視差量が大きい。視差量の大きい部分131Aおよび132Aが近づくように画像131および132が配置される。
【0081】
図24においては,視差量の大きい部分が見開きのページの内側となるように画像が配置される。
【0082】
図24を参照して,左側のページ111には画像141および画像142が配置されている。破線で示す画像141の一部分141Aおよび画像142の一部分142Aは,その他の部分よりも視差量が大きい。このために,見開きの内側となるように(一部分141Aおよび142Aが右側となるように),画像141および142がページ111に配置される。
【0083】
右側のページ112には画像143および画像144が配置されている。破線で示す画像143の一部分143Aおよび画像144の一部分144Aは,その他の部分よりも視差量が大きい。このために,見開きの内側となるように(一部分143Aおよび144Aが左側となるように),画像143および144がページ112に配置される。
【0084】
図25は,変形例を示すもので,視差量調整処理手順(図8ステップ61の処理手順)を示すフローチャートである。
【0085】
まず,選択された立体画像の中から所定の対象物が検出される(ステップ151)。たとえば,人物または自動車が検出される。検出された対象物の視差量が共通となるように立体画像が拡大または縮小される(ステップ152)。
【0086】
この変形例では,所定の対象物の視差量が共通とされるので,違和感が無くなる。
【0087】
所定の対象物は,ユーザがマニアルで指定してもよいし,ページごとに自動的に決定してもよい。たとえば,第1ページの対象物は人物,第2ページの対象物は自動車,第3ページの対象物は視差量のもっとも大きい対象物と決定できる。また,所定の対象物が含まれていない立体画像については視差量を0としてもよい。
【符号の説明】
【0088】
10 パーソナル・コンピュータ(立体画像電子アルバム生成装置)
12 CPU(調整手段,立体画像貼り付け手段,判定手段,制御手段)
16 入力装置(第1の選択手段,第2の選択手段)
37 編集ボタン(視差量設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の立体画像を選択する第1の選択手段,
共通の視差量となるように,上記第1の選択手段によって選択された複数の立体画像を拡大または縮小する調整手段,および
上記調整手段によって拡大または縮小された複数の立体画像を,重ならないように台紙画像に貼り付ける立体画像貼り付け手段,
を備えた立体画像貼り付けシステム。
【請求項2】
上記第1の選択手段は,複数のページから構成される電子アルバムに貼り付ける複数の立体画像を選択するものであり,
上記立体画像貼り付け手段によって複数の立体画像が貼り付けられる上記台紙画像が,上記電子アルバムを構成する1または複数のページである,
請求項1に記載の立体画像貼り付けシステム。
【請求項3】
上記立体画像貼り付け手段は,
上記調整手段によって拡大または縮小された複数の立体画像のうちいずれか一つの立体画像を選択する第2の選択手段,および
上記第2の選択手段によって選択された一つの立体画像を,他の立体画像と重ならないように貼り付ける余白領域が上記ページに存在するかどうかを判定する判定手段を備え,
上記判定手段によって上記余白領域が存在すると判定されたことに応じて,上記第2の選択手段によって選択された立体画像を上記余白領域に貼り付けるものであり,
上記第2の選択手段による選択および上記判定手段による判定処理を繰り返す制御手段をさらに備えた,
請求項2に記載の立体画像貼り付けシステム。
【請求項4】
上記立体画像貼り付け手段は,
上記判定手段によって上記余白領域が存在しないと判定されたことに応じて,上記第2の選択手段によって選択された立体画像を次のページに貼り付けるものである,
請求項3に記載の立体画像貼り付けシステム。
【請求項5】
上記立体画像貼り付け手段は,
上記判定手段によって上記余白領域が存在しないと判定されたことに応じて,上記余白領域が存在しないと判定された上記ページに貼り付けられている立体画像を縮小する縮小手段を備えている,
請求項4に記載の立体画像貼り付けシステム。
【請求項6】
上記立体画像貼り付け手段は,
上記縮小手段により縮小された立体画像の視差量が所定のしきい値以上であり,かつ上記縮小手段により上記ページに上記余白領域が生成されたことに応じて,生成された余白領域に上記第2の選択手段によって選択された立体画像を貼り付けるものである,
請求項5に記載の立体画像貼り付けシステム。
【請求項7】
上記立体画像貼り付け手段は,
立体画像の視差量が大きい部分同士が近接するように台紙画像に貼り付けるものである,
請求項1から6のうち,いずれか一項に記載の立体画像貼り付けシステム。
【請求項8】
上記ページが見開きの1ページであり,
上記立体画像貼り付け手段は,
視差量の大きい部分が内側となるように上記ページに貼り付けるものである,
請求項2から6のうち,いずれか一項に記載の立体画像貼り付けシステム。
【請求項9】
上記調整手段は,
上記第1の選択手段によって選択された複数の立体画像に含まれる所定の対象物の視差量が共通となるように,複数の立体画像を拡大または縮小するものである,
請求項1から8のうち,いずれか一項に記載の立体画像貼り付けシステム。
【請求項10】
複数の立体画像のうち上記所定の対象物が含まれていない立体画像の視差量を0とする制御手段,
をさらに備えた請求項9に記載の立体画像貼り付けシステム。
【請求項11】
ページごとに上記所定の対象物を決定する請求項9または10に記載の立体画像貼り付けシステム。
【請求項12】
上記共通の視差量を設定する視差量設定手段をさらに備えた請求項1から11のうち,いずれか一項に記載の立体画像貼り付けシステム。
【請求項13】
選択手段が,複数の立体画像を選択し,
調整手段が,共通の視差量となるように,上記第1の選択手段によって選択された複数の立体画像を拡大または縮小し,
立体画像貼り付け手段が,上記調整手段によって拡大または縮小された複数の立体画像を,重ならないように台紙画像に貼り付ける,
立体画像貼り付けシステムの動作制御方法。
【請求項14】
立体画像貼り付けシステムのコンピュータを制御するコンピュータが読み取り可能なプログラムであって,
複数の立体画像を選択させ,
共通の視差量となるように,選択された複数の立体画像を拡大または縮小させ,
拡大または縮小された複数の立体画像を,重ならないように台紙画像に貼り付けるように立体画像貼り付けシステムのコンピュータを制御するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−94116(P2012−94116A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168381(P2011−168381)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】