説明

端子圧着装置

【課題】同軸電線の外部導体・外被と外導体端子の圧着部との圧着と、同軸電線の内部導体と外導体端子のコンデンサリードとの圧着とを一度に行える端子圧着装置を提供する。
【解決手段】この端子圧着装置1は、同軸電線3の外部導体3a・外被3bにコンデンサ内蔵型の外導体端子5aの圧着部5b,5cを圧着すると共に、同軸電線3の内部導体3cに外導体端子5aのコンデンサリード5dを共圧着端子7aを介して圧着するものであって、土台11および該土台11に対し上下動可能なラム15と、土台11に配設された外導体端子圧着用アンビル17および共圧着端子圧着用アンビル19と、それぞれ外導体端子圧着用アンビル17および共圧着端子圧着用アンビル19に対向する様にラム15に配設された外導体端子圧着用クリンパ21および共圧着端子圧着用クリンパ23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸電線の外部導体・外被にコンデンサ内蔵型の外導体端子の圧着部を圧着すると共に、前記同軸電線の内部導体に前記外導体端子のコンデンサリードを共圧着端子を介して圧着する端子圧着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
同軸電線にコンデンサ内蔵型の外導体端子を接続するには、同軸電線の外部導体・外被に前記外導体端子の圧着部を圧着すると共に、同軸電線の内部導体に前記外導体端子のコンデンサリードを共圧着端子によって圧着する必要がある。そのため、従来では、同軸電線にコンデンサ内蔵型の外導体端子を接続するのに、外導体端子用と共圧着端子用の2種類の端子圧着装置を用いていた。そして通常、先に外導体端子用の端子圧着装置を用いて同軸電線の外部導体・外被に前記外導体端子の圧着部を圧着し、そして共圧着端子用の端子圧着装置を用いて同軸電線の内部導体に外導体端子のコンデンサリードを共圧着端子を介して圧着していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来では、外導体端子用と共圧着端子用の2種類の端子圧着装置を用いていたので、同軸電線の外部導体・外被と外導体端子の圧着部との圧着と、同軸電線の内部導体と外導体端子のコンデンサリードとの圧着とを一度に行えず、加工工数が多くなるという欠点があった。
【0004】
また、同軸電線の内部導体に外導体端子のコンデンサリードを共圧着端子を介して圧着する際に、同軸電線の内部導体と外導体端子のコンデンサリードとが共圧着端子内にうまく配置できない場合があるという欠点があった。
【0005】
そこで、この発明の課題は、第1に、同軸電線の外部導体・外被と外導体端子の圧着部との圧着と、同軸電線の内部導体と外導体端子のコンデンサリードとの圧着とを一度に行える端子圧着装置を提供すること、第2に、圧着の際に確実に同軸電線の内部導体を共圧着端子内に配置できる端子圧着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1に記載の発明は、同軸電線の外部導体・外被にコンデンサ内蔵型の外導体端子の圧着部を圧着すると共に、前記同軸電線の内部導体に前記外導体端子のコンデンサリードを共圧着端子を介して圧着する端子圧着装置であって、土台および該土台に対し上下動可能なラムと、前記土台に配設された外導体端子圧着用アンビルおよび共圧着端子圧着用アンビルと、それぞれ前記外導体端子圧着用アンビルおよび前記共圧着端子圧着用アンビルに対向する様に前記ラムに配設された外導体端子圧着用クリンパおよび共圧着端子圧着用クリンパとを備え、前記ラムが上げられた状態で、前記外導体端子圧着用アンビル上および前記共圧着端子圧着用アンビル上にそれぞれ前記外導体端子の圧着部および共圧着端子が載置されると共に、前記各アンビルと前記各クリンパとの間に同軸電線のストリップ部が配置され、その状態で前記ラムが押下されることにより、前記外導体端子圧着用アンビルおよび前記外導体端子圧着用クリンパにより前記同軸電線の外部導体・外被に前記外導体端子の圧着部が圧着されると共に、前記共圧着端子圧着用アンビルおよび前記共圧着端子圧着用クリンパにより前記同軸電線の内部導体に前記外導体端子のコンデンサリードが前記共圧着端子を介して圧着されるものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記共圧着端子が、連鎖帯の片側に複数の共圧着端子が並列状に連成されてなる連鎖状共圧着端子として供給される場合において、前記土台に配設され、その側面にスリットが切り込まれてなる端子カッタを更に備え、前記共圧着端子圧着用アンビルは、前記端子カッタの前記側面に沿って上下に摺動可能に前記土台に配設されており、前記共圧着端子圧着用アンビルが前記端子カッタの前記スリットの位置まで下げられた状態で、前記連鎖状共圧着端子の連鎖帯が前記端子カッタの前記スリット内に挿入される様にして、前記連鎖状共圧着端子の前記共圧着端子が1つ分前記共圧着端子圧着用アンビル上に配置され、その状態で前記共圧着端子圧着用アンビルが上げられることにより、前記共圧着端子圧着用アンビル上に配置する前記共圧着端子が、前記共圧着端子圧着用アンビルのエッジと前記スリットのエッジとにより前記連鎖帯から切り離されて前記共圧着端子圧着用アンビル上に載置されるものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記共圧着端子圧着用アンビルは、前記共圧着端子が載置されるアンビル本体と、前記アンビル本体の両側において前記アンビル本体の端子載置面に対し浮上沈下可能に配設され、その浮上状態で前記アンビル本体の端子載置面上に載置された前記共圧着端子を狭持する一対の狭持部とを備えるものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記共圧着端子圧着用アンビルは、その上に載置された前記共圧着端子内に前記同軸電線の内部導体を案内するための電線案内部を備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、土台に外導体端子圧着用アンビルおよび共圧着端子圧着用アンビルが配設され、前記土台に対し上下動可能なラムに外導体端子圧着用クリンパおよび共圧着端子圧着用クリンパがそれぞれ前記外導体端子圧着用アンビルおよび前記共圧着端子圧着用アンビルに対向する様に配設され、前記ラムが上げられた状態で、前記外導体端子圧着用アンビル上および前記共圧着端子圧着用アンビル上にそれぞれ外導体端子の圧着部および共圧着端子が載置されると共に、前記各アンビルと前記各クリンパとの間に同軸電線のストリップ部が配置され、その状態で前記ラムが押下されることにより、前記外導体端子圧着用アンビルおよび前記外導体端子圧着用クリンパにより前記同軸電線の外部導体・外被に前記外導体端子の圧着部が圧着されると共に、前記共圧着端子圧着用アンビルおよび前記共圧着端子圧着用クリンパにより前記同軸電線の内部導体に前記外導体端子のコンデンサリードが前記共圧着端子を介して圧着されるので、1つの端子圧着装置を用いて、同軸電線の外部導体・外被と外導体端子の圧着部との圧着と、同軸電線の内部導体と外導体端子のコンデンサリードとの圧着とを一度に行える。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、土台にその側面にスリットが切り込まれてなる端子カッタが配設されると共に共圧着端子圧着用アンビルが前記端子カッタの前記側面に沿って上下に摺動可能に配設され、前記共圧着端子圧着用アンビルが前記端子カッタの前記スリットの位置まで下げられた状態で、連鎖状共圧着端子の連鎖帯が前記端子カッタの前記スリット内に挿入される様にして、前記連鎖状共圧着端子の共圧着端子が1つ分前記共圧着端子圧着用アンビル上に配置され、その状態で前記共圧着端子圧着用アンビルが上げられることにより、前記共圧着端子圧着用アンビル上に配置された前記共圧着端子が、前記共圧着端子圧着用アンビルのエッジと前記スリットのエッジとにより前記連鎖帯から切り離されて前記共圧着端子圧着用アンビル上に載置(供給)されるので、即ち、下側から連鎖状共圧着端子を供給し、共圧着端子用アンビルにより共圧着端子を下側からすくい上げつつ連鎖帯から切り離して共圧着端子用アンビル上に載置(供給)させるので、外導体端子と干渉させることなく共圧着端子を供給できる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、狭持部により端子載置面上に載置された共圧着端子を狭持するので、端子載置面からの共圧着端子の落下を防止できる。また、狭持部は端子載置面に対し浮上沈下可能に配設されるので、共圧着端子を端子載置面上に載置する際にその狭持部が邪魔になることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この実施の形態に係る端子圧着装置は、図4の様に、同軸電線3の外部導体3a・外被3bにコンデンサ内蔵型の外導体端子5aの圧着部5b,5cを圧着すると共に、同軸電線3の内部導体3cに外導体端子5aのコンデンサリード5dを共圧着端子7aを介して圧着するものである。
【0014】
尚、外導体端子5aは、図4の様に、その内部にコンデンサ5eを内蔵して構成され相手端子と接続される筒状の接続部5fと、接続部5fの後部に連成されコンデンサ5eのコンデンサリード5dを上下方向に露出配置するリード配置部5gと、リード配置部5gの後部に連成され同軸電線3の外部導体3a・外被3bに圧着される圧着部(外部導体用圧着部5b,外被用圧着部5c)とを備えて構成される。
【0015】
この端子圧着装置1は、図1〜図3,図7の様に、土台11と、土台11に固設されたフレーム13と、フレーム13に上下動可能に配設されたラム15と、土台11に固設された外導体端子圧着用アンビル17と、土台11に上下動可能に配設された共圧着端子圧着用アンビル19と、それぞれ外導体端子圧着用アンビル17および共圧着端子圧着用アンビル19に対向する様にラム15に固設された外導体端子圧着用クリンパ21および共圧着端子圧着用クリンパ23と、連鎖状外導体端子5および連鎖状共圧着端子7をそれぞれ各アンビル17,19側に案内するガイド部材25と、ラム15の上下動に応じて連鎖状外導体端子5をガイド部材25に沿って外導体端子圧着用アンビル17側に送り込む外導体端子用送り機構27と、ラム15の上下動に応じて連鎖状共圧着端子7をガイド部材25に沿って共圧着端子圧着用アンビル19側に送り込む共圧着端子用送り機構29と、ラム15の上下動に応じて、外導体端子用送り機構27により送り込まれる連鎖状外導体端子5から外導体端子5aを1つ切り離して外導体端子圧着用アンビル17上に載置する外導体端子用端子カッタ31と、ラム15の上下動に応じて、共圧着端子用送り機構29により送り込まれる連鎖状共圧着端子7から共圧着端子7aを1つ切り離して共圧着端子圧着用アンビル19上に載置する共圧着端子用端子カッタ33と、ラム15の下/上動に応じて共圧着端子圧着用アンビル19を上/下動させるアンビル上下動機構35とを備える。
【0016】
ここでは、連鎖状外導体端子5は、図5の様に、帯状の連鎖帯5hの片側に複数の外導体端子5aが等間隔で並列状に連成されて形成される。連鎖帯5hには、各外導体端子5aに対応して等間隔に係止孔5iが形成される。各外導体端子5aは、その圧着部5b,5cである圧着片が略U字状に拡げられた状態で、その圧着部5cの後端において連鎖帯5hに連成される。
【0017】
また、連鎖状共圧着端子7は、図6の様に、帯状の連鎖帯7bの片側に複数の共圧着端子7aが等間隔で並列状に連成されて形成される。連鎖帯7bには、各共圧着端子7aに対応して等間隔に係止孔7cが形成される。各共圧着端子7aは、断面略U字状に形成され、その後部において連鎖帯7cに連成される。
【0018】
ラム15は、図1〜図3の様に、その上面に、動力源からの押下力をラム15に伝達するためのプレスラム(図示省略)が装着される装着溝15aが形成され、その両側に腕部15b,15cが側方に突出形成され、その下面に各クリンパ21,23が配設される。右腕部15cの前面にはカム突起15dが突設され、左腕部15bの前面にはカム突起15e(図2)が突設され、左腕部15bの後面にはカム突起15f(図3)が突設される。
【0019】
外導体端子圧着用アンビル17は、図2および図7の様に、外導体端子用端子カッタ31の後側に配置された外被用アンビル17aと、外被用アンビル17aの後側に配置された外部導体用アンビル17bとから構成される。
【0020】
外導体端子圧着用クリンパ21は、図2および図7の様に、外被用アンビル17aに対向配置する外被用クリンパ21aと、外部導体用アンビル17bに対向配置する外部導体用クリンパ21bとから構成される。
【0021】
共圧着端子圧着用アンビル19は、図3,図7および図8の様に、共圧着端子7aが載置されるアンビル本体19aと、アンビル本体19aに対し相対的に上下動可能に配設され、アンビル本体19a上に載置された共圧着端子7aを両側から狭持すると共にその共圧着端子7a内に同軸電線3の内部導体3cを案内する狭持案内部19bと、狭持案内部19bをアンビル本体19aに対して上方に付勢するバネ19c(図8)と、アンビル本体19aを下方に付勢するバネ19s(図7)と、連鎖状共圧着端子7の連鎖帯5hを切断するための刃部材19dとを備える。
【0022】
アンビル本体19aは、共圧着端子7aを載置する棒状の端子載置部19e(その上端面が端子載置面19f)を有するブロック部19gと、ブロック部19gの後面に配設されたガイドローラ19hとを備える。
【0023】
ブロック部19gは、略立方体状に形成されており、その前面にその上面で開放する様に逆T字溝19iが形成され、その逆T字溝19iの縦溝部分の底面に、その中央に長手方向に沿って突条形成されると共にブロック部19gの上面における溝19iの開放部から上方に突出する様に、上記の端子載置部19eが形成される。
【0024】
また、ブロック部19gの逆T字溝19iの横溝部分の底面の左端部分には、ブロック部19gの後面側に貫通する様に、狭持案内部19bの後述の浮沈レバー19qを上下動可能に挿通させるための挿通孔19jが形成される。また、ブロック部19gの上面には、上記の刃部材19dが上方に突出する様に形成される。
【0025】
狭持案内部19bは、端子載置部19eの両側において端子載置面19fに対し浮上沈下可能に配設された共圧着端子狭持用の一対の棒状の狭持部19kと、一対の狭持部19kの前面に一体的に跨設され、その先端に電線案内用の略V字状の切り込み19mが形成された板状の電線案内部19nと、当該狭持案内部19bの下部の両側から側方に突出形成されたフランジ部19pと、左側のフランジ部19pから後方に突出する様に設けられた浮沈レバー19q(図7)とを備える。
【0026】
この狭持案内部19bは、その狭持部19kおよび電線案内部19nがアンビル本体19aのブロック部19gの逆T字溝19iの縦溝部分内に摺動可能に嵌合配置され、そのフランジ部19pが逆T字溝19iの横溝部分内に上下動可能に配置され、その浮沈レバー19qがブロック部19gの逆T字溝19iの底面に形成された挿通孔19jを上下動可能に通してブロック部19gの後面から突出配置される様にして配設される。
【0027】
バネ19cは、その下端が逆T字溝19iの下側側面に設けられた孔19t内に収容保持され、その上端が狭持案内部19bのフランジ部19pの下面に設けられた孔19u内に収容保持される様にして配設される。
【0028】
バネ19sは、その下端部がブロック部19gの上面に形成された穴19r内に収容保持され、その上端部が後述の共圧着端子用端子カッタ33の下面に形成された穴33a内に収容保持される様にして配設される。
【0029】
この共圧着端子圧着用アンビル19では、アンビル本体19aの浮沈レバー19qが押下されると、狭持案内部19bのフランジ部19pが逆T字溝19iの下側側面まで降下し、これに伴って、狭持案内部19bの狭持部19kがアンビル本体19aの端子載置面19fまで沈下されると共に、狭持案内部19bの電線案内部19nが狭持部19kと共に降下される。他方、浮沈レバー19qの押下が解除されると、バネ19cにより浮沈レバー19qが上方に復帰されて、狭持案内部19bのフランジ部19pが逆T字溝19iの横溝部分の上側側面まで上げられ、これに伴って、狭持案内部19bの狭持部19kがアンビル本体19aの端子載置面19fから浮上して端子載置面19f上に載置された共圧着端子7aを両側から狭持すると共に、狭持案内部19bの電線案内部19nが狭持部19kと共に上昇される。この様に、浮沈レバー19qの押下/その解除に伴って、狭持部19kが端子載置部19eの端子載置面19fに対して沈下/浮上する。
【0030】
共圧着端子圧着用クリンパ23は、図3,図7および図9の様に、その下端に共圧着端子7aを圧着するための切り込み23aが形成されると共に、共圧着端子圧着用アンビル19の狭持部19kが嵌合する嵌合溝23b(図7)が切り込まれて形成される。
【0031】
尚、共圧着端子圧着用クリンパ23の後側には、図7および図9の様に、外導体端子5aのリード配置部5gおよびコンデンサリード5dを位置決めするためのリード位置決め用クリンパ37が配設され、その後側には、外導体端子5aの接続部5fを位置決めするための接続部位置決め用クリンパ39が配設される。リード位置決め用クリンパ37は、その下端に外導体端子5aのリード配置部5gの側壁を位置決めするための切り込み37aおよび外導体端子5aのコンデンサリード5dを位置決めする切り込み37bが切り込まれて形成される。また、接続部位置決め用クリンパ39は、その下端に外導体端子5aの接続部5fを位置決めするための凹状ガイド溝39aおよび凹状溝39aの底部に突設され外導体端子5aの接続部5fの孔5jに嵌合する突起部39bが形成される。
【0032】
外導体端子用端子カッタ31は、図2および図7の様に、土台11に固設された台部31aと、外被用アンビル17aの前面(側面)に沿って上下に摺動可能に台部31aに配設されたカッタ部31bと、カッタ部31bを上方に付勢するバネ31cとを備える。
【0033】
カッタ部31bは、略直方体状に形成され、その後面には連鎖状外導体端子5の連鎖帯5hを挿通させるスリット31dが水平に切り込まれ、その上面には同軸電線3が載置される窪み部31eが形成されると共にラム15側の押圧部15f(図2)により押圧される被押圧部31gが形成され、その下面には、バネ31cの上半部を収容保持する筒部31fが形成される。尚、スリット31dの挿入側の上下幅は、連鎖帯5hの挿入を容易にすべく挿入端側に行くほど漸次拡げられている。
【0034】
この外導体端子用端子カッタ31では、カッタ部31bの被押圧部31gが押圧されない状態では、カッタ部31bがバネ31cにより上方に付勢されてカッタ部31bのスリット31dが外被用アンビル17aより上に配置される。そしてこの状態で、スリット31d内に連鎖帯5hが挿通される様にして連鎖状外導体端子5が送り込まれる。そしてこの状態で、カッタ部31bの被押圧部31gが押圧されてカッタ部31bが押下されると、カッタ部31bのスリット31dが外被用アンビル17aの上面より下に下げられ、これによりスリット31dのエッジと外被用アンビル17aとのエッジとによりスリット31d内の連鎖帯5hから外導体端子5aが切り離される。この様にして連鎖状外導体端子5の連鎖帯5hから外導体端子5aが切り離される。
【0035】
共圧着端子用端子カッタ33は、図3,図7および図8の様に、例えば略立方体状のブロック体状に形成され、その前面には、連鎖状共圧着端子7の連鎖帯7bが挿入されるスリット33bが水平に切り込まれている。尚、スリット33bの挿入側の上下幅は、連鎖帯7bの挿入を容易にすべく挿入端側に行くほど漸次拡げられている。
【0036】
そして、この共圧着端子用端子カッタ33は、その前面に沿って共圧着端子圧着用アンビル19の端子載置部19eが上下に摺動可能となると共に、その一方の側面(スリット33bの送出側開放口側の側面)に沿って刃部材19dが上下に摺動可能となる様に、土台11に固設される。
【0037】
この共圧着端子用端子カッタ33では、共圧着端子圧着用アンビル19が最下端まで下げられると、共圧着端子圧着用アンビル19の端子載置部19eおよび刃部材19dが共圧着端子用端子カッタ33のスリット33bより下に配置される。そしてこの状態で、スリット33b内に連鎖帯7bが挿通される様にして連鎖状の共圧着端子7aが端子載置部19e上に配置される。そしてこの状態で、共圧着端子圧着用アンビル19が最上端まで上げられると、(1)共圧着端子圧着用アンビル19の端子載置面19fが共圧着端子用端子カッタ33のスリット33bより上に上がり、これによりスリット33bのエッジと端子載置部19eのエッジとにより端子載置部19e上の共圧着端子7aがスリット33b内の連鎖帯7bから切り離されると共に、(2)刃部材19dの先端がスリット33bより上に上がり、これによりスリット33bの送出側開放口のエッジと刃部材19dのエッジとによりスリット33bの送出側開放口から送出された不要な連鎖帯7bが切断される。
【0038】
ガイド部材25は、図1〜図3の様に、底板部25aを有し、その上面の両側に連鎖状外導体端子5をガイドするためのガイド部25bが突設されると共に、その上面の略中央に長手方向に沿って連鎖状共圧着端子7をガイドするためのガイド溝25cが凹設され、また、その下面には、連鎖状共圧着端子7の連鎖帯7bの係止孔7cを露出させるための開口窓25dが形成される。
【0039】
このガイド部材25は、その一端側が外側に突出され、その他端側がアンビル17,19側に向けられて土台11に固設される。
【0040】
このガイド部材25では、底板部25a上に連鎖状外導体端子5が載せられ、その連鎖状外導体端子5をガイド部25bに沿ってアンビル17,19側に案内する(即ち、その連鎖状外導体端子5を、その連鎖帯5hが外導体端子用端子カッタ31のスリット33b内に挿通され、その各外導体端子5aの各圧着部5b,5cが外導体端子圧着用アンビル17(17b,17a)上に配置され、その各外導体端子5aのリード配置部5gが共圧着端子圧着用アンビル19上に配置される様にしてアンビル17,19側に案内する)。
【0041】
また、このガイド部材25では、底板部25aのガイド溝25c内に連鎖状共圧着端子7が載せられ、その連鎖状共圧着端子7をガイド溝25cに沿って共圧着端子圧着用アンビル19側に案内する(即ち、その連鎖状共圧着端子7を、その連鎖帯7bが共圧着端子用端子カッタ33のスリット33b内に挿通され、その各共圧着端子7aがアンビル19の端子載置部19e上に配置される様にしてアンビル19側に案内する)。
【0042】
外導体端子用送り機構27は、図1および図2の様に、その上端部がフレーム13の一方の肩部の軸部13aに左右に揺動可能に配設されたアーム(以後、左前アーム)27aと、左前アーム27aの下端の軸部27bに上下に揺動可能に配設された送り爪部材27cと、左前アーム27aと送り爪部材27cの基端部とに跨設されて送り爪部材27cの先端を下方に付勢させるバネ27dとを備える。左前アーム27aの後面にはカム溝27eが凹設され、そのカム溝27e内には、ラム15の腕部15bの前面に突設されたカム突起15eが配置される。
【0043】
この外導体端子用送り機構27では、例えば、ラム15の上/下動に伴ってラム15のラム突起15eが左前アーム27aのラム溝27e内を上/下動し、それに伴って左前アーム27aが右/左に揺動される。そして、左前アーム27aが右に振れる毎に、送り爪部材27cの先端がガイド部材25上に載せられた連鎖状外導体端子5の連鎖帯5hの係止孔5iに上側から引っ掛かって、連鎖状外導体端子5が外導体端子5a1つ分アンビル17,19側に送り込まれる。
【0044】
共圧着端子用送り機構29は、図1および図3の様に、その上端部がフレーム13の一方の肩部の軸部13aに左右に揺動可能に配設されたアーム(以後、左後アーム)29aと、左後アーム29aの下端の軸部29b回りに上下に揺動可能に配設された送り爪部材29cと、送り爪部材29cの先端を上方に付勢させるバネ29dとを備える。左後アーム29aの前面にはカム溝29eが凹設され、そのカム溝29e内には、ラム15の腕部15bの後面に突設されたカム突起15fが配置される。
【0045】
この共圧着端子用送り機構29では、例えば、ラム15の上/下動に伴ってラム15のラム突起15fが左後アーム29aのラム溝29e内を上/下動し、それに伴って左後アーム29aが左/右に揺動される。そして、左後アーム29aが右に振れる毎に、送り爪部材29cの先端が、ガイド部材25のガイド溝25c内に載せられた連鎖状共圧着端子7の連鎖帯7bの係止孔7cに、下側からガイド部材25の下面の開口窓25dを介して引っ掛かって、連鎖状共圧着端子7が共圧着端子7a1つ分共圧着端子圧着用アンビル19側に送り込まれる。
【0046】
アンビル上下動機構35は、図3および図8の様に、その上端部がフレーム13の他方の肩部の軸部13bに左右に揺動可能に配設されたアーム(以後、右アーム)35aと、土台11上に左右に摺動可能に配置され、その一端部がアーム35aの下端の軸部35iに回動可能に配設され、他方、その他端部に共圧着端子圧着用アンビル19のガイドローラ19hをガイドする斜面(ガイド斜面)35bが形成されたくさび状部材35cと、くさび状部材35cの後面からガイド斜面35b側(左側)に突出状に連結され、その先端部が例えば上方に屈曲された水平アーム35dと、略逆L字状に形成され、その基端部が土台11に固設された所定の部材の軸部35eに左右に揺動可能に配設され、その先端が共圧着端子圧着用アンビル19の浮沈レバー19q上に押下可能に配置され、その屈曲部の例えば後面に水平アーム35dの先端に係合する係止突起35fが突設された略逆L字アーム35gとを備える。右アーム35aの前面にはカム溝35hが凹設され、そのカム溝35h内には、ラム15の腕部15cの後面に突設されたカム突起15dが配置される。
【0047】
このアンビル上下動機構35では、例えば、ラム15の上/下動に伴ってラム15のラム突起15dがアーム35aのラム溝35h内を上/下動し、それに伴って右アーム35aが右/左に揺動される。
【0048】
そして、右アーム35aが右に振れると、くさび状部材35cおよび水平レバー35dが共に右に移動される。そしてその際のくさび状部材35cの右への移動により共圧着端子圧着用アンビル19のガイドローラ19hがくさび状部材35cのガイド斜面35bに沿って降下して共圧着端子圧着用アンビル19が降下される。また、その際の水平アーム35dの右への移動により水平アーム35dの先端部によって略逆L字アーム35gの係止突起35fが右に押されて略逆L字アーム35gが右側に押回され、これにより略逆L字アーム35gの先端によって共圧着端子圧着用アンビル19の後面から突出する浮沈レバー19qが押下される(この押下により共圧着端子圧着用アンビル19の狭持部19kが共圧着端子圧着用アンビル19の端子載置面19fまで沈下される)。
【0049】
他方、右アーム35aが左に振れると、くさび状部材35cおよび水平レバー35dが共に左に移動される。そして先ず、その際の水平レバー35dの左への移動により水平レバー35dによる略逆L字アーム35gの右側への押回が解除され、この解除により逆L字アーム35aによる共圧着端子圧着用アンビル19の浮沈レバー19qの押下が解除される(この解除により共圧着端子圧着用アンビル19の狭持部19kが共圧着端子圧着用アンビル19の端子載置面19fより浮上される)。そして次に、その際のくさび状部材35cの左への移動により共圧着端子圧着用アンビル19のガイドローラ19hがくさび状部材35cのガイド斜面35bに沿って上昇されて共圧着端子圧着用アンビル19が上昇される。この様にアーム35aが左に振れると、先ず共圧着端子圧着用アンビル19の狭持部19kが共圧着端子圧着用アンビル19の端子載置面19fより浮上され、次いで共圧着端子圧着用アンビル19全体が上昇される。
【0050】
次にこの端子圧着装置1の動作を説明する。
【0051】
ガイド部材25には、図1および図2の様に、その底板部25a上に連鎖状外導体端子5が載せられ、そのガイド溝25c内に連鎖状共圧着端子7が載せられる。
【0052】
図2および図3を参照して、ラム15が最下端まで下げられた状態から始めると、この状態では左前アーム27aおよび左後アーム29aは共に左に振れ、右アーム35aは右に振れる。
【0053】
そして、この状態からラム15が最上端まで上がげられると、左前アーム27aおよび左後アーム29aは共に右に振れ、右アーム35aは左に振れる。
【0054】
そして、図7を参照して、その際の左前アーム27aの右への振れにより、左前アーム27aに配設された送り爪部材27cによりガイド部材25上の連鎖状外導体端子5が外導体端子5a1つ分送り出されて、その各圧着部5b,5cが各アンビル17b,17a上に配置され、そのリード配置部5gがアンビル19上に配置され、連鎖状外導体端子5の連鎖帯5hが外導体端子用端子カッタ31のスリット31d内に挿通される様にして外導体端子圧着用アンビル17上に供給される。
【0055】
そしてこれに併行して、図3および図8を参照して、その際の右アーム35aの右への振れによりくさび状部材35cおよび水平レバー35dが共に右に移動され、これにより共圧着端子圧着用アンビル19がくさび状部材35cのガイド斜面35bに沿って最下端まで(即ち共圧着端子圧着用アンビル19の端子載置面19fが共圧着端子用端子カッタ33のスリット33bより下に来るまで(図7参照))降下されると共に、共圧着端子圧着用アンビル19の浮沈レバー19qが略逆L字アーム35gを介して水平レバー35dにより押下されて共圧着端子圧着用アンビル19の狭持部19kが共圧着端子圧着用アンビル19の端子載置面19fまで沈下される。尚、共圧着端子圧着用アンビル19が最下端まで降下された状態では、共圧着端子圧着用アンビル19に配設された刃部材19dも共圧着端子用端子カッタ33のスリット33bより下に降下される。
【0056】
そしてこの状態で、図2および図7を参照して、同軸電線3の内部導体3c,外部導体3aおよび外被3bがそれぞれ外導体端子圧着用アンビル17上の連鎖状の外導体端子5aのリード配置部5g,外部導体用圧着部5bおよび外被用圧着部5c上に配置されると共に、同軸電線3が外導体端子用端子カッタ31の窪み部31e上に配置される様にして、同軸電線3のストリップ部が各アンビル17,19および各クリンパ21,23間に配置される。
【0057】
そして、この状態でラム15を最下端まで下げられると、左前アーム27aおよび右アーム35aが共に左に振れ、左後アーム29aが右に振れる。
【0058】
すると先ず、その際の左後アーム29aの右への振れにより、図3および図7を参照して、左後アーム29aに配設された送り爪部材29cによりガイド部材25上の連鎖状共圧着端子7が共圧着端子7a1つ分送り出されて、連鎖状共圧着端子7の連鎖帯7bが共圧着端子用端子カッタ33のスリット33b内に挿通される様にして共圧着端子圧着用アンビル19上に供給される。
【0059】
そして次に、図3,図7および図8を参照して、その際の右アーム35aの左への振れによりくさび状部材35cおよび水平レバー35dが共に左に移動され、これにより先ず略逆L字アーム35gを介しての水平レバー35dによる共圧着端子圧着用アンビル19の浮沈レバー19qの押下が解除され、この解除により共圧着端子圧着用アンビル19の狭持部19kが共圧着端子圧着用アンビル19の端子載置面19fから浮上し、その浮上した狭持部19kにより端子載置部19e上の連鎖状の共圧着端子7aが狭持される。そして、その狭持状態で共圧着端子圧着用アンビル19全体がくさび状部材35cの斜面に沿って最上端まで上昇されると共に、共圧着端子圧着用アンビル19に連結された刃部材19dも上昇される。そしてその上昇の際に、共圧着端子用端子カッタ33のスリット33bのエッジと共圧着端子圧着用アンビル19の端子載置部19eのエッジとにより端子載置部19e上の連鎖状の共圧着端子7aがスリット33b内の連鎖帯7bから切り離されて端子載置部19e上に単体で狭持部19kにより保持された状態で載置されると共に、共圧着端子用端子カッタ33のスリット33bを通過した不要な連鎖帯7bがスリット33bのエッジと刃部材19dのエッジとにより切断される。そして、共圧着端子圧着用アンビル19が最上端まで上昇されると、共圧着端子圧着用アンビル19の端子載置部19e上に載置された共圧着端子7aが、その内側に外導体端子5a側のコンデンサリード5dを収容する様にして外導体端子圧着用アンビル17上の連鎖状の外導体端子5aのリード配置部5g内に配置されると共に、同軸電線3の内部導体3cを共圧着端子7a内に案内するべく共圧着端子圧着用アンビル19の電線案内部19nの先端部が外導体端子5aのリード配置部5g内に配置される。
【0060】
そしてこれらの動作に併行してラム15の降下により、図2および図7を参照して、ラム15側の押圧部15fにより外導体端子用端子カッタ31のカッタ部31bの被押圧部31gが押下されてカッタ部31bが降下され、この降下によりカッタ部31bのスリット33bのエッジと外被用アンビル17aのエッジとにより外導体端子圧着用アンビル17上の連鎖状の外導体端子5aがスリット33b内の連鎖帯5hから切り離されて外導体端子圧着用アンビル17上に単体で載置される。また、ラム15側の各位置決め用クリンパ37および39により外導体端子圧着用アンビル17上の外導体端子5aのリード配置部5g・コンデンサリード5dおよび接続部5fが位置決めされる。
【0061】
そして、ラム15が最下端まで下がると、(1)外導体端子圧着用クリンパ21と外導体端子圧着用アンビル17により同軸電線3の外部導体3a・外被3bに外導体端子5aの圧着部5b,5cが圧着されると共に、(2)共圧着端子圧着用クリンパ23と共圧着端子圧着用アンビル19とにより同軸電線3の内部導体3cに外導体端子5aのコンデンサリード5dが共圧着端子7aを介して圧着される。この様にして同軸電線3に外導体端子5aが接続される。
【0062】
尚、上記(2)の圧着では、共圧着端子圧着用アンビル19の狭持部19kが共圧着端子圧着用クリンパ23の嵌合溝23b内に嵌合する様にして、共圧着端子圧着用クリンパ23の切り込み23aの底部分と共圧着端子圧着用アンビル19の端子載置部19eとにより同軸電線3の内部導体3cに外導体端子5aのコンデンサリード5dが共圧着端子7aを介して圧着される。
【0063】
以上の様に構成された端子圧着装置1によれば、土台11に外導体端子圧着用アンビル17および共圧着端子圧着用アンビル19が配設され、土台11に対し上下動可能なラム15に外導体端子圧着用クリンパ21および共圧着端子圧着用クリンパ23がそれぞれ外導体端子圧着用アンビル17および共圧着端子圧着用アンビル19に対向する様に配設され、ラム15が上げられた状態で、外導体端子圧着用アンビル17上および共圧着端子圧着用アンビル19上にそれぞれ外導体端子5aの圧着部5b,5cおよび共圧着端子7aが載置されると共に、各アンビル17,19と各クリンパ21,23との間に同軸電線3のストリップ部が配置され、その状態でラム15が押下されることにより、外導体端子圧着用アンビル17および外導体端子圧着用クリンパ21により同軸電線3の外部導体3a・外被3bに外導体端子5aの圧着部5b,5cが圧着されると共に、共圧着端子圧着用アンビル19および共圧着端子圧着用クリンパ23により同軸電線3の内部導体3cに外導体端子5aのコンデンサリード5dが共圧着端子7aを介して圧着されるので、1つの端子圧着装置1を用いて、同軸電線3の外部導体3a・外被3bと外導体端子5aの圧着部5b,5cとの圧着と、同軸電線3の内部導体3cと外導体端子5aのコンデンサリード5dとの圧着とを一度に行える。
【0064】
また、土台11にその側面(前面)にスリット33bが切り込まれてなる端子カッタ(共圧着端子用端子カッタ)33が配設されると共に共圧着端子圧着用アンビル19が端子カッタ33の前記側面に沿って上下に摺動可能に配設され、共圧着端子圧着用アンビル19が端子カッタ33のスリット33bの位置まで下がった状態で、連鎖状共圧着端子7の連鎖帯7bが端子カッタ33のスリット33b内に挿入される様にして、連鎖状共圧着端子7の共圧着端子7aが1つ分共圧着端子圧着用アンビル19上に配置され、その状態で共圧着端子圧着用アンビル19が上げられることにより、共圧着端子圧着用アンビル19上に配置する共圧着端子7aが、共圧着端子圧着用アンビル19のエッジとスリット33bのエッジとにより連鎖帯7bから切り離されて共圧着端子圧着用アンビル19上に載置されるので、即ち、下側から連鎖状共圧着端子7を供給し、共圧着端子圧着用アンビル19により連鎖状の共圧着端子7aを下側からすくい上げつつ連鎖帯7bから切り離して共圧着端子圧着用アンビル19上に載置(供給)させるので、外導体端子5aと干渉させることなく共圧着端子7aを供給できる。
【0065】
また、狭持部19kにより端子載置面19f上に載置された共圧着端子7aを狭持するので、端子載置面19fからの共圧着端子7aの落下を防止できる。また、狭持部19kは端子載置面19fに対し浮上沈下可能に配設されるので、共圧着端子7aを端子載置面19f上に載置する際にその狭持部19kが邪魔になることを防止できる。
【0066】
また、共圧着端子圧着用アンビル19は、その上に載置された共圧着端子7a内に同軸電線3の内部導体3cを案内するための電線案内部19nを備えるので、その電線案内部19nにより、圧着の際に同軸電線3の内部導体3cを共圧着端子7a内に確実に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態に係る端子圧着装置の構成図の平面図である。
【図2】図1のII方向矢示図(正面図)である。
【図3】図1のIII-III断面図である。
【図4】コンデンサ内蔵型の外導体端子の平面図である。
【図5】連鎖状外導体端子の平面図である。
【図6】連鎖状共圧着端子の平面図である。
【図7】図2のIIV-IIV断面図である。
【図8】図3の部分拡大図である。
【図9】図3の他の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0068】
1 端子圧着装置
3 同軸電線
3a 外部導体
3b 外被
3c 内部導体
5 連鎖状外導体端子
5a 外導体端子
5b 外部導体用圧着部
5c 外被用圧着部
5d コンデンサリード
5h 連鎖帯
7 連鎖状共圧着端子
7a 共圧着端子
7b 連鎖帯
11 土台
13 フレーム
15 ラム
17 外導体端子圧着用アンビル
17a 外被用アンビル
17b 外部導体用アンビル
19 共圧着端子圧着用アンビル
19a アンビル本体
19b 狭持案内部
19e 端子載置部
19f 端子載置面
19k 狭持部
19n 電線案内部
21 外導体端子圧着用クリンパ
21a 外被用クリンパ
21b 外部導体用クリンパ
23 共圧着端子圧着用クリンパ
27 外導体端子用送り機構
27a 左前アーム
27c 送り爪部材
29 共圧着端子用送り機構
29a 左後アーム
29c 送り爪部材
31 外導体端子用端子カッタ
31a 台部
31b カッタ部
31d スリット
33 共圧着端子用端子カッタ
35 アンビル上下動機構
35a 右アーム
35b ガイド斜面
35c くさび状部材
35d 水平アーム
35f 係止突起
35g 略逆L字アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸電線の外部導体・外被にコンデンサ内蔵型の外導体端子の圧着部を圧着すると共に、前記同軸電線の内部導体に前記外導体端子のコンデンサリードを共圧着端子を介して圧着する端子圧着装置であって、
土台および該土台に対し上下動可能なラムと、
前記土台に配設された外導体端子圧着用アンビルおよび共圧着端子圧着用アンビルと、
それぞれ前記外導体端子圧着用アンビルおよび前記共圧着端子圧着用アンビルに対向する様に前記ラムに配設された外導体端子圧着用クリンパおよび共圧着端子圧着用クリンパとを備え、
前記ラムが上げられた状態で、前記外導体端子圧着用アンビル上および前記共圧着端子圧着用アンビル上にそれぞれ前記外導体端子の圧着部および共圧着端子が載置されると共に、前記各アンビルと前記各クリンパとの間に同軸電線のストリップ部が配置され、その状態で前記ラムが押下されることにより、前記外導体端子圧着用アンビルおよび前記外導体端子圧着用クリンパにより前記同軸電線の外部導体・外被に前記外導体端子の圧着部が圧着されると共に、前記共圧着端子圧着用アンビルおよび前記共圧着端子圧着用クリンパにより前記同軸電線の内部導体に前記外導体端子のコンデンサリードが前記共圧着端子を介して圧着されることを特徴とする端子圧着装置。
【請求項2】
前記共圧着端子が、連鎖帯の片側に複数の共圧着端子が並列状に連成されてなる連鎖状共圧着端子として供給される場合において、
前記土台に配設され、その側面にスリットが切り込まれてなる端子カッタを更に備え、
前記共圧着端子圧着用アンビルは、前記端子カッタの前記側面に沿って上下に摺動可能に前記土台に配設されており、
前記共圧着端子圧着用アンビルが前記端子カッタの前記スリットの位置まで下げられた状態で、前記連鎖状共圧着端子の連鎖帯が前記端子カッタの前記スリット内に挿入される様にして、前記連鎖状共圧着端子の前記共圧着端子が1つ分前記共圧着端子圧着用アンビル上に配置され、その状態で前記共圧着端子圧着用アンビルが上げられることにより、前記共圧着端子圧着用アンビル上に配置する前記共圧着端子が、前記共圧着端子圧着用アンビルのエッジと前記スリットのエッジとにより前記連鎖帯から切り離されて前記共圧着端子圧着用アンビル上に載置されることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の端子圧着装置。
【請求項3】
前記共圧着端子圧着用アンビルは、
前記共圧着端子が載置されるアンビル本体と、
前記アンビル本体の両側において前記アンビル本体の端子載置面に対し浮上沈下可能に配設され、その浮上状態で前記アンビル本体の端子載置面上に載置された前記共圧着端子を狭持する一対の狭持部とを備えることを特徴とする請求項2に記載の端子圧着装置。
【請求項4】
前記共圧着端子圧着用アンビルは、その上に載置された前記共圧着端子内に前記同軸電線の内部導体を案内するための電線案内部を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかの端子圧着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−26968(P2007−26968A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209445(P2005−209445)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】