説明

端子接続方法及び端子接続構造

【課題】ターミナル材料の歩留まりをさらに良くし得ると共に、ターミナルの接合部分の幅寸法を小さくできるようにする。
【解決手段】端子13をターミナル11に接続するについて、ターミナル11の長手方向の先端部11aの一方側に片寄った部位11bから先方へ延びて該ターミナル11よりも幅小な繋ぎ部14を形成するとともに、この繋ぎ部14の先端部にターミナル11とほぼ同じ幅の接合片部15を形成し、前記繋ぎ部14を前記ターミナル11の基端部側へ折り返して前記接合片部15を前記ターミナル11と面対向させ、面対向するターミナル11と繋ぎ部14とで前記端子13を挟む形態でこれらターミナル11及び端子13並びに接合片部15を熱かしめにより接合した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品などから導出された端子をターミナルに接続するについての端子接続方法及び端子接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品などから導出された端子をターミナルに接続するについての端子接続方法又は端子接続装置としては、特許文献1に示されるものがある。このものの構成を図19に示す。この図19において、ターミナル1の側縁部から、該ターミナル1の長手方向と直交する方向に首部2を介して折返し片3を形成し、該ターミナル1と折返し片3との間にリード線4を挟持した状態で3者をスポット溶接する構成としている。
【0003】
しかし、この図19に示す構成では、前記首部2及び折返し片3とターミナル1とは同じ板材から構成されるものであるが、前記首部2及び折返し片3は成形状態では二点鎖線で示すようにターミナル1の長手方向と直交する方向へ展開された形態となっており、歩留まりが悪い問題があった。
【0004】
これを改善するものとして、特許文献2に示されるものがある。これを図20及び図21に示す。ターミナル5の先端部に孔部5aを形成し、この孔部5aの両側の繋ぎ部5b、5bを介して接合片部6を形成し、この両繋ぎ部5b、5bをターミナル5の基端部側へ折り返すことにより、接合片部6をターミナル5とほぼ面対向状態とする。そして、前記孔部5aに端子7を通した状態で、該接合片部6と端子7とターミナル5とを熱かしめにより接合するようにしている。前記端子7は電子部品8から複数並んだ状態で導出されており、各端子7に各ターミナル5が接合されるものである。上記電子部品8は例えばセンサなどがある。この電子部品8と前記ターミナル5とは例えば一体モールドされてコネクタ付電子部品9として製品化され、ターミナル5の基端部5cはコネクタ部9a内に露出する。
この構成においては、ターミナル5の幅寸法Hの範囲内で接合片部6を形成できるから歩留まりが良い。
【特許文献1】特開平9−50830号公報
【特許文献2】特開2001−257014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献2の構成では、両側に繋ぎ部5b、5bが存在するため、該接合片部6と端子7とターミナル5とを熱かしめにより接合する場合、繋ぎ部5b、5bの屈曲部も圧接作用及び熱影響を受けてしまい、横方向へ膨出する問題があった。このため、この張出しを考慮して、ターミナル5相互離間寸法h(図20参照)を予め余裕をもって設定する必要があり、そして、ターミナル5自体の幅寸法Hもあるため、端子7間隔Tを大きくせざるを得ず、製品寸法Pが大きくなってしまう問題があった。上記電子部品8が小さいものである場合には、ターミナル5の幅寸法Hも0.5〜2.0mmといったオーダーであり、ターミナル5が相互にかなり近接した事情にあり、前記熱かしめによる前記膨出の問題は無視できない問題であった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ターミナル材料の歩留まりをさらに良くし得ると共に、ターミナルの接合部分の幅寸法を小さくできる端子接続方法及び端子接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の端子接続方法によれば、ターミナルの長手方向の先端部に、当該先端部の一方側に片寄った部位から先方へ延びて該ターミナルよりも幅小な繋ぎ部を形成し、この繋ぎ部の先端部に前記ターミナルとほぼ同じ幅の接合片部を形成し、前記繋ぎ部を前記ターミナルの基端部側へ折り返して前記接合片部を前記ターミナルと面対向させ、前記面対向するターミナルと繋ぎ部とで前記端子を挟む形態でこれらターミナル及び端子並びに接合片部を熱かしめにより接合したから、ターミナルの幅寸法以内に1つの繋ぎ部を介して接合片部を形成できて、ターミナル材料の歩留まりをさらに良くし得、しかも繋ぎ部が1つであるから、熱かしめによる繋ぎ部の屈曲部の横方向への膨出も1箇所に抑えることができて、ターミナルの接合部分の幅寸法を小さくできる。
【0008】
請求項2の端子接続方法によれば、電子部品から複数並んだ状態で導出された端子と、同じく複数のターミナルとを接続するについて、前記各ターミナルの長手方向の先端部に当該先端部の一方側に片寄った部位から先方へ延びて該ターミナルよりも幅小な繋ぎ部を形成し、前記各繋ぎ部の先端部に前記各ターミナルとほぼ同じ幅の接合片部を形成し、前記各ターミナルの繋ぎ部を当該ターミナルの基端部側へ折り返して前記各接合片部を当該ターミナルと面対向させ、それぞれ面対向するターミナルと繋ぎ部とで対応する端子を挟む形態でこれらターミナル及び端子並びに接合片部を熱かしめにより接合したから、ターミナルの幅寸法以内に1つの繋ぎ部を介して接合片部を形成できて、ターミナル材料の歩留まりをさらに良くし得、しかも繋ぎ部が1つであるから、熱かしめによる繋ぎ部の屈曲部の横方向への膨出も1箇所に抑えることができて、ターミナルの接合部分の幅寸法を小さくでき、また、複数のターミナルにおいて繋ぎ部がいずれも一方側に片寄っているから、隣り合うターミナル間で繋ぎ部同士が隣り合うことがなく、熱かしめに伴って発生する繋ぎ部の膨出部が隣り合うターミナルに干渉することがほとんどなくて、ターミナル配列間隔を短くでき、電子部品製品の幅寸法減縮に寄与でき、また従来構成と同じ製品幅寸法とする場合には端子数の増加に寄与できる。
【0009】
また、請求項3の端子接続方法によれば、電子部品から複数並んだ状態で導出された端子と、同じく複数のターミナルとを接続するについて、前記請求項2同様に、ターミナルの幅寸法以内に1つの繋ぎ部を介して接合片部を形成できて、ターミナル材料の歩留まりをさらに良くし得、しかも繋ぎ部が1つであるから、熱かしめによる繋ぎ部の屈曲部の横方向への膨出も1箇所に抑えることができて、ターミナルの接合部分の幅寸法を小さくでき、従って、ターミナル配列間隔を短くでき、電子部品製品の幅減縮に寄与でき、また従来構成と同じ幅寸法とする場合には端子数の増加に寄与できる。さらに、前記複数のターミナルのうち任意のターミナルの繋ぎ部は一方側に片寄った部位から先方へ延び、当該任意のターミナルとは別のターミナルの繋ぎ部は、他方側に片寄った部位から先方へ延びる形態であるから、熱かしめ時における電子部品の端子の一方への位置ずれを前記一方側の繋ぎ部により阻止でき、また、当該電子部品の端子の他方への位置ずれを前記他方側の繋ぎ部により阻止でき、総じて熱かしめ時における当該電子部品の端子のずれを防止できる。
【0010】
請求項4の端子接続方法によれば、隣り合う端子が上下にずれることにより、隣り合うターミナルひいては繋ぎ部が上下にずれ、当該繋ぎ部における膨出部が干渉することがなく、ターミナル配列間隔をさらに短くできる。
【0011】
請求項5の端子接続方法によれば、隣り合うターミナルのうちの一方のターミナルの前記繋ぎ部は当該ターミナルの上面側へ折り返され且つ接合片部は当該ターミナルの上面と面対向し、前記隣り合うターミナルのうちの他方のターミナルの前記繋ぎ部は当該ターミナルの下面側へ折り返され且つ接合片部は当該ターミナルの下面と面対向し、前記一方のターミナルと対応する端子は、前記他方のターミナルと対応する端子より上方にずれて位置するから、各ターミナルは上下にずれることなく、隣り合う繋ぎ部を上下にずらすことができて当該繋ぎ部における膨出部が干渉することがなく、ターミナルを上下ずれのない整列状態としながら当該ターミナル配列間隔をさらに短くできる。
【0012】
請求項6の端子接続方法によれば、繋ぎ部はターミナルの側縁部に対して凹む方向に段差があるから、当該繋ぎ部における膨出部が凹状の段差内に位置することとなり、ターミナルから膨出部が突出することがなく、当該ターミナル配列間隔をさらに短くできる。
請求項7の端子接続方法によれば、繋ぎ部がターミナルよりも薄肉であるから、前記熱かしめによる前記繋ぎ部の折り返し部分の潰れ(膨出)を抑えることができ、当該ターミナル配列間隔をさらに短くできる。
【0013】
請求項8の端子接続方法によれば、ターミナルと接合片部との対向面部における熱かしめ相当部位の少なくとも一方に、対向方向へ突出する凸部が形成されているから、ターミナルと接合片部との対向距離が凸部の分大きくなり、この結果、前記繋ぎ部の折り返し部分の曲率が大きくなって熱かしめによる潰れを小さくでき、当該ターミナル配列間隔をさらに短くできる。
また、請求項9ないし16の端子接続構造によれば、それぞれ前述の請求項1ないし8の端子接続構造と同様の作用効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施例について図1ないし図8を参照して説明する。図2には、外部接続用のターミナル11と電子部品12の端子13との接続完了状態を示している。この接続完了状態では、全体を樹脂21aでモールドしてコネクタ付電子部品21として製品化されている。図1には前記ターミナル11と端子13との接続前の状態を示し、図3には電子部品12単体を示している。
前記電子部品12には例えば3つの前記端子13が平行状態に並んだ状態に突出している。前記ターミナル11には、繋ぎ部14、接合片部15が形成されている。このターミナル11の製作手順について述べる。
【0015】
ターミナル11は、図4(a)に示すように、幅寸法Hの板材(ターミナル材料)Qから部分Qa(ハッチングで示す)を例えばプレスにより打ち抜くことにより、図4(b)に示すように、ターミナル11の長手方向の先端部11aに、当該先端部11aの一方側(一方の側縁部11f側)に片寄った部位11bから先方へ延びて該ターミナル11よりも幅小な繋ぎ部14を形成するとともに、この繋ぎ部14の先端部に前記ターミナル11とほぼ同じ幅の接合片部15を形成している。前記部分Qaの切除により凹部14aが形成されている。
【0016】
この状態で、図4(c)及び(d)に示すように、前記繋ぎ部14を前記ターミナル11の基端部11c(図2参照)側へ折り返して前記接合片部15を前記ターミナル11と面対向させ、図1、図5及び図6に示すように、この面対向するターミナル11と接合片部15との間に前記端子13を挿通して、図7に示すように、ターミナル11と接合片部15とで前記端子を挟む形態でこれらターミナル11及び端子13並びに接合片部15を熱かしめにより接合する。これにより3者が機械的及び電気的に接続される。
【0017】
この熱かしめは、図7(a)に示すように、かしめ治具Kにより、ターミナル11及び端子13並びに接合片部15を仮かしめし、そして、図7(b)に示すように電極Dにより、加圧しながらターミナル11及び端子13並びに接合片部15を通電し熱かしめ(抵抗溶接)するものである。このようにして、外部接続用のターミナル11と電子部品12の端子13との接続が完了する(図8参照)。この後、既述したように、その全体を樹脂21aによりモールドする。このモールドにより、コネクタ21b付の電子部品製品21が完成する。
【0018】
ここで、前記熱かしめ時において、繋ぎ部14の折り返し部(屈曲部)14bが偏平に潰されることから、横方向(端子13の並び方向)へ若干膨出するが、繋ぎ部14は各ターミナル11の先端部の一方側に片寄った部位11bから延出されているから、隣り合うターミナル11間で繋ぎ部14同士が隣り合うことがなく、任意のターミナル11の膨出部が隣り合うターミナル11に干渉することがほとんどない。従って、隣り合うターミナル11間距離を短く設定することができる。
【0019】
このような本実施例によれば、ターミナル11の長手方向の先端部11aの一方側に片寄った部位11bから先方へ延びて該ターミナル11よりも幅小な繋ぎ部14を形成するとともに、この繋ぎ部14の先端部に前記ターミナル11とほぼ同じ幅の接合片部15を形成し、前記繋ぎ部14を前記ターミナル11の基端部11c側へ折り返して前記接合片部15を前記ターミナル11と面対向させ、前記面対向するターミナル11と繋ぎ部14とで前記端子13を挟む形態でこれらターミナル11及び端子13並びに接合片部15を熱かしめにより接合したから、ターミナル11の幅寸法H以内に1つの繋ぎ部14を介して接合片部15を形成できて、ターミナル材料の歩留まりをさらに良くし得、しかも繋ぎ部14が1つであるから、熱かしめによる繋ぎ部14の屈曲部の横方向への膨出も1箇所に抑えることができて、ターミナル11の接合部分の幅寸法を小さくできる。
【0020】
また、本実施例によれば、電子部品12から複数並んだ状態で導出された端子13と、同じく複数のターミナル11とを接続するについて、複数のターミナル11において繋ぎ部14がいずれも一方側に片寄っているから、隣り合うターミナル11間で繋ぎ部14同士が隣り合うことがなく、熱かしめに伴って発生する繋ぎ部14の膨出部が隣り合うターミナル11に干渉することがほとんどなくて、ターミナル11配列間隔を短くでき、電子部品製品21の幅寸法P21(図2参照)減縮に寄与でき、また従来構成と同じ製品幅寸法とする場合には端子13の数を増加させることができる。
【0021】
図9及び図10は本発明の第2の実施例を示している。この図9においては、次の点が前記第1の実施例と異なる。すなわち、電子部品12から複数並んだ状態で導出された端子13と、同じく複数のターミナル11A、11B、11Cとを接続するについて、前記複数のターミナルのうち任意のターミナル11A、11Bは、前記第1の実施例におけるターミナル11と同一構成であり、同一部分に同一符号を付している。
【0022】
前記任意のターミナル11A、11Bとは別のターミナル11Cは、図10に示すように、その長手方向の先端部11Caの他方側(他方の側縁部11g側)に片寄った部位11Cbから先方へ延びて該ターミナル11Cよりも幅小な繋ぎ部14Cを形成し、且つこの繋ぎ部14Cの先端部に前記ターミナル11Cとほぼ同じ幅の接合片部15Cを形成している。
【0023】
そして、前記各ターミナル11A、11B、11Cの繋ぎ部14、14、14Cを当該ターミナル11A、11B、11Cの各基端部側へ折り返して前記接合片部15、15、15Cを当該ターミナル11A、11B、11Cと面対向させ、それぞれ面対向するターミナル11A、11B、11Cと接合部15、15、15Cとで、対応する端子13を挟む形態でこれらターミナル11A、11B、11C及び端子13並びに接合片部15、15、15Cを熱かしめにより接合している。
【0024】
この第2の実施例によれば、前記複数のターミナルのうち任意のターミナル11Aの繋ぎ部14は一方側(一方の側縁部11f側)に片寄った部位11bから先方へ延び、当該任意のターミナル11とは別のターミナル11Cの繋ぎ部14Cは、他方側(他方の側縁部11g側)に片寄った部位11Cbから先方へ延びる形態であるから、熱かしめ時における電子部品12の端子13の一方(矢印G1方向)への位置ずれを前記一方側の繋ぎ部14の部分R1(図9参照)により阻止でき、また、当該電子部品12の端子13の他方(矢印G2方向)への位置ずれを前記他方側の繋ぎ部14Cの部分R2(図9参照)により阻止でき、総じて熱かしめ時における当該電子部品12の端子13のずれを防止できる。
【0025】
図11は本発明の第3の実施例を示している。この第3の実施例では次の点が第1の実施例と異なる。すなわち、複数の端子13A、13B、13Cのうち隣り合う端子を上下にずれた形態となすことにより隣り合うターミナル11を上下にずらしている。すなわち、両側の端子13A、13Cを中央の端子13Bより上方にずらしている。この実施例によれば、隣り合うターミナル11が上下にずれることにより繋ぎ部14の膨出部も上下にずれて干渉することがなく、ターミナル11配列間隔をさらに短くできる。
【0026】
図12は本発明の第4の実施例を示しており、この実施例においては、次の点が第1の実施例と異なる。すなわち、隣り合うターミナル11A、11B、11Cのうちの一方のターミナル11A、11Cは第1の実施例のターミナル11と同じ構成であり、同一部分に同一符号を付している。このターミナル11A、11Cおいて、繋ぎ部14は当該ターミナル11A、11Cの上面側へ折り返されている。これに対して、他方のターミナルであるターミナル11Bは、繋ぎ部14Bが当該ターミナル11Bの下面側へ折り返され且つ接合片部15Bは当該ターミナル11Bの下面と面対向している。
【0027】
また、前記一方のターミナル11A、11Cと対応する端子13A、13Cは、前記他方のターミナル11Bと対応する端子13Bより上方にずれて位置する。
この第4の実施例によれば、各ターミナル11A、11B、11Cは上下にずれることなく、隣り合う繋ぎ部14、14B、14を上下にずらすことができて当該繋ぎ部14、14B、14における膨出部が干渉することがなく、ターミナル11A、11B、11Cを上下ずれのない整列状態としながら当該ターミナルターミナル11A、11B、11Cの配列間隔をさらに短くできる。
【0028】
図13は本発明の第5の実施例を示しており、次の点が第1の実施例と異なる。この第5の実施例においては、繋ぎ部14はターミナル11の側縁部に対して凹む方向に段差14cを形成している。この第5の実施例によれば、当該繋ぎ部14における膨出部が凹状の段差14c内に位置することとなり、ターミナル11から膨出部が突出することがなく、当該ターミナル11の配列間隔をさらに短くできる。
【0029】
図14は本発明の第6の実施例を示しており、この実施例においては次の点が第1の実施例と異なる。すなわち、繋ぎ部14をターミナル11よりも薄肉に形成しており、これによれば、前記熱かしめによる前記繋ぎ部14の折り返し部分の潰れ(膨出)を抑えることができ、当該ターミナル11の配列間隔をさらに短くできる。
【0030】
図15は本発明の第7の実施例を示しており、この実施例においては次の点が第1の実施例と異なる。すなわち、ターミナル11と接合片部15との対向面部における熱かしめ相当部位に、対向方向へ突出する凸部16、17を形成している。この第7の実施例によれば、ターミナル11と接合片部15との対向距離が凸部16、17の分大きくなり、この結果、前記繋ぎ部14の折り返し部分の曲率が大きくなって熱かしめによる潰れを小さくでき、当該ターミナル11の配列間隔をさらに短くできる。
【0031】
なお、上記凸部は、ターミナル11と接合片部15との対向面部における熱かしめ相当部位の少なくとも一方に形成すれば良く、つまり、ターミナル11側のみ、あるいは接合片部15側のみに形成しても良い。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されず、例えば、本発明の第8の実施例として示す図16のようにしても良い。この第8の実施例では、図9のターミナル11A、11Cの間に、別構成(例えば従来構成)のターミナル11Jを設ける構成としている。この場合も、全体的には、ターミナル配列間隔を短くでき、電子部品製品の幅寸法減縮に寄与できるものである。
【0032】
また、第1の実施例の図4において、切除した部分Qaを切除せずに残すようにしても良い。この場合の実施例を第9の実施例として図17及び図18に示す。すなわち、図17(a)に示すように、板材Qに切り込みC1、C2を入れ、部分Qaを曲げないようにして、繋ぎ部14を折り返す。すると、図17(b)、(c)及び図18に示すように、前記部分Qaによりターミナル11先端方向へ突出する板部11qが形成される。この板部11qは端子13をターミナル11及び接合片部15間に挿入するときのガイドとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施例を示す一つのターミナル及び端子の接続前の状態の斜視図
【図2】接続完了状態の横断平面図
【図3】電子部品の平面図
【図4】(a)は板材の平面図、(b)はターミナル及び繋ぎ部並びに接合片部の展開図、(c)は繋ぎ部を折り返した状態の側面図、(d)は同平面図
【図5】ターミナル及び繋ぎ部間に端子を挿入配置した状態の側面図
【図6】同状態の平面図
【図7】(a)仮かしめを説明するための側面図、(b)は熱かしめを説明するための側面図
【図8】熱かしめ完了状態の側面図
【図9】本発明の第2の実施例を示す図6相当図
【図10】図1相当図
【図11】本発明の第3の実施例を示し、(a)は図6相当図、(b)は図5相当図、(c)は接続完了状態の側面図
【図12】本発明の第4の実施例を示し、(a)は図6相当図、(b)は図5相当図、(c)は接続完了状態の側面図
【図13】本発明の第5の実施例を示す図4(d)相当図
【図14】本発明の第6の実施例を示す図4(c)相当図
【図15】本発明の第7の実施例を示す接合部分の側面図
【図16】本発明の第8の実施例を示す図6相当図
【図17】本発明の第9の実施例を示し、(a)は図4(a)相当図、(b)は図4(c)相当図、(c)は図4(d)相当図
【図18】ターミナル先端部分の斜視図
【図19】従来例を示す接合部分の斜視図
【図20】異なる従来例を示す図2相当図
【図21】図1相当図
【符号の説明】
【0034】
図面中、11、11A〜11Dはターミナル、12は電子部品、13、13A〜13Cは端子、14、14A〜14Dは繋ぎ部、15は接合片部、16、17は凸部を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子をターミナルに接続するについて、
前記ターミナルの長手方向の先端部に、当該先端部の一方側に片寄った部位から先方へ延びて該ターミナルよりも幅小な繋ぎ部を形成し、
この繋ぎ部の先端部に前記ターミナルとほぼ同じ幅の接合片部を形成し、
前記繋ぎ部を前記ターミナルの基端部側へ折り返して前記接合片部を前記ターミナルと面対向させ、
前記面対向するターミナルと繋ぎ部とで前記端子を挟む形態でこれらターミナル及び端子並びに接合片部を熱かしめにより接合したことを特徴とする端子接続方法。
【請求項2】
電子部品から複数並んだ状態で導出された端子と、同じく複数のターミナルとを接続するについて、
前記各ターミナルの長手方向の先端部に、当該先端部の一方側に片寄った部位から先方へ延びて該ターミナルよりも幅小な繋ぎ部を形成し、
前記各繋ぎ部の先端部に前記各ターミナルとほぼ同じ幅の接合片部を形成し、
前記各ターミナルの繋ぎ部を当該ターミナルの基端部側へ折り返して前記各接合片部を当該ターミナルと面対向させ、
それぞれ面対向するターミナルと繋ぎ部とで対応する端子を挟む形態でこれらターミナル及び端子並びに接合片部を熱かしめにより接合したことを特徴とする端子接続方法。
【請求項3】
電子部品から複数並んだ状態で導出された端子と、同じく複数のターミナルとを接続するについて、
前記複数のターミナルのうち任意のターミナルの長手方向の先端部に、当該先端部の一方側に片寄った部位から先方へ延びて該ターミナルよりも幅小な繋ぎ部を形成し、
この繋ぎ部の先端部に前記ターミナルとほぼ同じ幅の接合片部を形成し、
前記任意のターミナルとは別のターミナルの長手方向の先端部に、当該先端部の他方側に片寄った部位から先方へ延びて該ターミナルよりも幅小な繋ぎ部を形成し、
この繋ぎ部の先端部に前記ターミナルとほぼ同じ幅の接合片部を形成し、
前記各ターミナルの繋ぎ部を当該ターミナルの基端部側へ折り返して前記接合片部を当該ターミナルと面対向させ、
それぞれ面対向するターミナルと繋ぎ部とで対応する端子を挟む形態でこれらターミナル及び端子並びに接合片部を熱かしめにより接合したことを特徴とする端子接続方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の端子接続方法において、
前記複数の端子のうち隣り合う端子を上下にずれた形態となすことにより隣り合うターミナルを上下にずらしたことを特徴とする端子接続方法。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の端子接続方法において、
隣り合うターミナルのうちの一方のターミナルの前記繋ぎ部は当該ターミナルの上面側へ折り返され且つ接合片部は当該ターミナルの上面と面対向し、
前記隣り合うターミナルのうちの他方のターミナルの前記繋ぎ部は当該ターミナルの下面側へ折り返され且つ接合片部は当該ターミナルの下面と面対向し、
前記一方のターミナルと対応する端子は、前記他方のターミナルと対応する端子より上方にずれて位置することを特徴とする端子接続方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の端子接続方法において、
繋ぎ部はターミナルの側縁部に対して凹む方向に段差があることを特徴とする端子接続方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の端子接続方法において、
繋ぎ部はターミナルよりも薄肉であることを特徴とする端子接続方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の端子接続方法において、
ターミナルと接合片部との対向面部における熱かしめ相当部位には、対向方向へ突出する凸部が形成されていることを特徴とする端子接続方法。
【請求項9】
端子をターミナルに接続する端子接続構造であって、
前記ターミナルには、当該ターミナルの長手方向の先端部の一方側に片寄った部位から当該ターミナル基端部側へ折り返され当該ターミナルよりも幅小な繋ぎ部と、この繋ぎ部の先端部に前記ターミナルとほぼ同じ幅で形成されて該ターミナルとほぼ面対向する接合片部とを備え、
前記面対向するターミナルと繋ぎ部とで前記端子を挟む形態でこれらターミナル及び端子並びに接合片部を熱かしめにより接合したことを特徴とする端子接続構造。
【請求項10】
電子部品から複数並んだ状態で導出された端子と、同じく複数のターミナルとを接続する端子接続構造であって、
前記各ターミナルには、当該ターミナルの長手方向の先端部の一方側に片寄った部位から当該ターミナル基端部側へ折り返され当該ターミナルよりも幅小な繋ぎ部と、この繋ぎ部の先端部に前記ターミナルとほぼ同じ幅で形成されて該ターミナルとほぼ面対向する接合片部とを備え、
前記各面対向するターミナルと繋ぎ部とで対応する端子を挟む形態でこれらターミナル及び端子並びに接合片部を熱かしめにより接合したことを特徴とする端子接続構造。
【請求項11】
電子部品から複数並んだ状態で導出された端子と、同じく複数のターミナルとを接続する端子接続構造であって、
前記複数のターミナルのうち任意のターミナルには、当該ターミナルの長手方向の先端部の一方側に片寄った部位から当該ターミナル基端部側へ折り返され当該ターミナルよりも幅小な繋ぎ部と、この繋ぎ部の先端部に前記ターミナルとほぼ同じ幅で形成されて該ターミナルとほぼ面対向する接合片部とを備え、
前記任意のターミナルと別のターミナルには、当該ターミナルの長手方向の先端部の他方側に片寄った部位から当該ターミナル基端部側へ折り返され当該ターミナルよりも幅小な繋ぎ部と、この繋ぎ部の先端部に前記ターミナルとほぼ同じ幅で形成されて該ターミナルとほぼ面対向する接合片部とを備え、
前記各面対向するターミナルと繋ぎ部とで対応する端子を挟む形態でこれらターミナル及び端子並びに接合片部を熱かしめにより接合したことを特徴とする端子接続構造。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の端子接続構造において、
前記複数の端子のうち隣り合う端子を上下にずれた形態となすことにより隣り合うターミナルを上下にずらしたことを特徴とする端子接続構造。
【請求項13】
請求項10又は11に記載の端子接続構造において、
隣りあうターミナルのうちの一方のターミナルの前記繋ぎ部は当該ターミナルの上面側へ折り返され且つ接合片部は当該ターミナルの上面と面対向し、
前記隣り合うターミナルの他方のターミナルの前記繋ぎ部は当該ターミナルの下面側へ折り返され且つ接合片部は当該ターミナルの下面と面対向し、
前記一方のターミナルと対応する端子は、前記隣り合うターミナルと対応する端子より上方にずれて位置することを特徴とする端子接続構造。
【請求項14】
請求項9ないし13のいずれかに記載の端子接続構造において、
繋ぎ部はターミナルの側縁部に対して凹む方向に段差があることを特徴とする端子接続構造。
【請求項15】
請求項9ないし14のいずれかに記載の端子接続構造において、
繋ぎ部はターミナルよりも薄肉であることを特徴とする端子接続構造。
【請求項16】
請求項9ないし15のいずれかに記載の端子接続構造において、
ターミナルと接合片部との対向面部における熱かしめ相当部位の少なくとも一方は、対向方向へ突出する凸部が形成されていることを特徴とする端子接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−48930(P2009−48930A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215978(P2007−215978)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】