説明

端子金具

【課題】端子本体にシェルが強固に保持される端子金具を提供する。
【解決手段】端子金具10は、電線接続部21及び弾性接触部22を有する端子本体20と、弾性接触部22の周囲を覆うように端子本体20に組み付けられるシェル60とを備える。シェル60には一対の係合片71が形成されている。両係合片71には、シェル60に端子本体20が内嵌された状態でこの両係合片71同士が互いに連結されることにより、端子本体20に対するシェル60の組み付け状態を保持する連結手段としての溶接部72が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子金具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の端子金具が開示されている。この端子金具は、端子本体とシェルとで構成されている。端子本体は、電線が接続される電線接続部と、相手側の雄タブに接触する弾性接触部と、弾性接触部と電線接続部間との間に位置して両者を連結する連結部とからなる。連結部には一対の側壁が立ち上げ形成されている。シェルは、弾性接触部の周りを覆うように端子本体に取り付けられ、全体として箱形をなしている。この場合、端子本体として、例えば、金メッキを施したものと錫メッキを施したものの2種類が用意され、使用状況に応じて両者を使い分けることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3719107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような端子金具の場合、通常、連結部の両側壁の立ち上がり端等に外側からシェルの一部がかしめられ、これによってシェルが端子本体に固定されるようになっている。しかし、こうしたシェルの固着力によるものではシェルが端子本体にしっかり保持されない心配がある。例えば、シェルがコネクタハウジングのキャビティの内壁に係止されるランスを有するものであるとすると、端子金具に引き抜き方向の力が作用したときに、ランスの係止状態が保持されることにより、シェルと端子本体との間に大きなせん断応力が発生し、最悪の場合、シェルと端子本体とが分離されるおそれもあった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子本体にシェルが強固に保持される端子金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、電線が接続される電線接続部を有するとともに、相手端子金具に接触する弾性接触部を有する端子本体と、前記弾性接触部の周囲を覆うように前記端子本体に組み付けられるシェルとを備えた端子金具であって、前記シェルには一対の係合片が形成され、前記両係合片には、前記シェルに前記端子本体が内嵌された状態でこの両係合片同士が互いに連結されることにより、前記端子本体に対する前記シェルの組み付け状態を保持する連結手段が設けられているところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記端子本体における前記弾性接触部と前記電線接続部との間には連結部が形成され、前記連結部には前記弾性接触部との間に凹部を区画してなる止め部が形成され、前記凹部内に前記係合片が位置決め状態で収容されるところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記連結手段が、前記両係合片同士を互いに溶接してなる溶接部で構成されているところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のものにおいて、前記両係合片は、互いに略平行に延びる形態とされ、かつ係止用のリテーナがフラットに当接可能な当接面を有しているところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のものにおいて、前記両係合片は、係止用リテーナが進入可能な空間から離れる方向に傾斜する形態とされているところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記両係合片のうち、一方の係合片の先端部には係合孔が形成され、他方の係合片の先端部には突出片が形成され、前記両係合片の先端部同士が互いに重ね合わされ、前記突出片が前記係合孔に挿入されることにより、前記両係合片の先端部同士が互いに連結されるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0012】
<請求項1の発明>
シェルには一対の係合片が形成され、両係合片にはシェルに端子本体が内嵌された状態でこの両係合片同士が互いに連結されることにより、シェルの組み付け状態を保持する連結手段が設けられているため、シェルが端子本体にかしめられるよりも、端子本体に対するシェルの保持力を高めることができる。その結果、端子本体にシェルが強固に保持される。
【0013】
<請求項2の発明>
弾性接触部と止め部との間に区画された凹所内に係合片が位置決め状態で収容されるため、シェルと端子本体との間にせん断応力が加わったときにも、係合片の位置ずれが規制され、シェルと端子本体との組み付け状態が確実に保持される。
【0014】
<請求項3の発明>
連結手段が両係合片同士を互いに溶接してなる溶接部で構成されているため、両係合片同士の連結状態が確実に保持される。
【0015】
<請求項4の発明>
両係合片が互いに略平行に延びる形態とされるため、係止用のリテーナが両係合片の当接面に当接することにより、端子金具がリテーナに係止された状態で軸回りに回転するのが防止される。
【0016】
<請求項5の発明>
両係合片が係止用リテーナが進入可能な空間から離れる方向に傾斜する形態とされるため、リテーナが両係合片と干渉してその進入動作が規制される事態が回避される。
【0017】
<請求項6の発明>
両係合片の先端部同士が互いに重ね合わされ、突出片が係合孔に挿入されることにより、両係合片の先端部同士が互いに連結されるため、溶接工程を要することなく、両係合片同士の連結状態が確実に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態1に係る端子金具の平面図である。
【図2】端子金具の側面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】シェルの側面図である。
【図5】シェルの背面図である。
【図6】端子本体の側面図である。
【図7】本発明の実施形態2に係る端子金具の図2相当図である。
【図8】本発明の実施形態3に係る端子金具のシェルの背面図である。
【図9】シェルの正面図である。
【図10】シェルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図6によって説明する。本実施形態に係る端子金具10は金属板を曲げ加工して一体に成形され、端子本体20とシェル60の2部材で構成されている。端子本体20とシェル60とには互いに同種又は異種のメッキが施されている。そして、端子金具10は、コネクタハウジング(図示せず)のキャビティ内に挿入され、コネクタハウジングが相手コネクタハウジング(図示せず)に嵌合されることにより、相手コネクタハウジングに収容された相手端子金具(図示せず)に電気的に接続される。
【0020】
端子本体20は、図6に示すように、全体として前後方向に細長い形状をなし、後方に位置して電線(図示せず)が接続される電線接続部21と、前方に位置して相手端子金具の雄タブと弾性的に接触する弾性接触部22と、前後方向に関して弾性接触部22と電線接続部21との間に位置して両者に連結される連結部23とからなる。また、端子本体20は、前後方向に延びて底部を構成する基壁24と、基壁24の左右両側縁から立ち上がる一対の側壁25とを有している。
【0021】
弾性接触部22は、図3に示すように、両側壁25の上端(立ち上がり端)間にさらに天井壁26が架橋されることで全体として角筒状をなしている。また、図6に示すように、基壁24及び天井壁26には、その一部を切り起こすことによって上下一対の弾性接触片27が形成されている。両弾性接触片27は、前後方向に延びて弾性接触部22の内側へ山型に屈曲する形態とされ、その前端寄りの位置に、頂点部28が形成されている。両弾性接触片27は頂点部28において最も接近しており、両頂点部28間に雄タブが挟み込まれると、弾性接触片27が外側に弾性変位し、その弾性復元力によって雄タブと所定の接触圧で接続されるようになっている。
【0022】
両側壁25には、前後方向に延びて前端に開口する左右一対のスリット29が形成されている。両スリット29の後端は、両弾性接触片27の撓み支点となる後端より後方に位置している。また、電線接続部21は、両側壁25の上端から連続して立ち上がる前後一対ずつの圧着片31を有している。各圧着片31が電線の端末部に巻き付けられることにより、電線接続部21が電線に圧着される。
【0023】
連結部23の両側壁25の上端には、図1に示すように、左右一対の止め部32が形成されている。両止め部32は、図6に示すように、両側壁25の上端から連続して立ち上がる側面視ほぼ台形の板状をなしている。連結部23の両側壁25の上端のうち両止め部32と弾性接触部22の両側壁25との間に位置する部分には、シェル60の両係合片71(後述する)と当接可能な左右一対の受け縁33が形成されている。また、両止め部32の前端、両受け縁33、及び弾性接触部22の両側壁25の後端との間には、両係合片71を収容可能な凹所34が区画して形成されている。凹所34は上方に開口されている。
【0024】
続いてシェル60について説明すると、図3に示すように、シェル60は全体として角筒状をなし、端子本体20の弾性接触部22を外側から覆うことが可能なように端子本体20より一回り大きなサイズで構成されている。そして、シェル60は、図4及び図5に示すように、底板61と、底板61の左右両側縁から立ち上がる一対の両側板62と、両側板62の上端間に架橋される天井板63とを有している。
【0025】
シェル60の前端縁には、底板61、両側板62、及び天井板63の前端部を内側に屈曲させることで上下左右一対ずつの張出片64が形成されている。シェル60の前端開口は、各張出片64によってその開口径が窄められている。相手端子金具の雄タブは各張出片64を摺動することにより、端子金具10の軸中心側に誘導可能とされる。天井板63には、図1に示すように、撓み可能なランス65が切り起こして形成されている。ランス65は、図4に示すように、天井板63に連なる前端から斜め上後方へ延びる形態とされ、その前端を支点として内側に弾性撓みすることが可能となっている。また、シェル60には、図5に示すように、一側板62から連続して立ち上がることによって天井板63より上方に突出するスタビライザ66が形成されている。端子金具10がコネクタハウジングのキャビティ内に挿入されると、スタビライザ66がキャビティの内壁に形成された案内溝に嵌合し、これによって端子金具10の挿入姿勢の安定性が確保されるようになっている。
【0026】
また、シェル60は、図4及び図5に示すように、底板61の後端から後方に連続して延びる付属底板67と、両側板62の略下半部から後方に連続して延びる左右一対の付属側板68とを有している。付属底板67と両付属側板68との間には端子本体20の連結部23の保持空間69が区画して形成されている。図3に示すように、シェル60内に端子本体20が挿入されると、保持空間69内に連結部23が嵌合され、付属底板67が連結部23の基壁24と対向して配置され、両付属側板68が連結部23の両側壁25と対向して配置される。
【0027】
さらに、シェル60は、図3に示すように、両付属側板68の上端から連続して突出する左右一対の係合片71を有している。両係合片71は、図4に示すように、両付属側板68のほぼ全長に亘る前後幅を有するが、両側板62から切り離されることによって内側に屈曲変形可能とされている。シェル60内に端子本体20が挿入されると、両係合片71が凹所34と対応する位置に配置される。この状態で、両係合片71が両付属側板68の上端を支点として内側に屈曲変形させられと、両係合片71の根元部分が凹所34に挿入されて両受け縁33に当接して支持される。このとき、両係合片71は、図3に示すように、両付属側板68の上端からほぼ直角に屈曲させられてほぼ水平つまり互いにほぼ平行に配置される。そして、両係合片71の先端同士は、ほぼ隙間なく向き合って配置される。この状態で、両係合片71の先端部にレーザ溶接が施されると、両係合片71の先端同士が溶融固着されて溶接部72が形成される。溶接部72は、両係合片71の幅方向ほぼ中央部に配置される。
【0028】
また、両係合片71は溶接部72を介して一体に連結された状態になる。この場合、溶接部72の上面は、ほぼ水平に配置され、係止用のリテーナ(図示せず)と当接可能な当接面73として構成される。両係合片71の当接面73は、弾性接触部22の後面とはほぼ直交する位置関係にあり、図2に示すように、弾性接触部22の後面との間にリテーナの挿入空間75が区画して形成される。挿入空間75は上方に開口されている。
【0029】
次に、本実施形態に係る端子金具10の作用を説明する。
端子金具10の組み立てに際し、シェル60に後方から端子本体20を挿入する。端子本体20がシェル60内に正規嵌合されると、弾性接触部22のほぼ全体がシェル60内に収容される。この状態で、両係合片71を屈曲させ、平行状態にある両係合片71の先端部にレーザ溶接を施して溶接部72を形成する。このとき、図3に示すように、両係合片71と連結部23の基壁24とは所定間隔をあけて配置される。また、連結部23の周りが、付属底板67、両付属側板68、及び両係合片71によって全周に亘って取り囲まれ、保持空間69内における連結部23の遊動が規制されるとともに、両係合片71によって連結部23が保持空間69から上方に抜け出るのが規制される。
【0030】
さらに、両係合片71は受け縁33に当接しつつ凹所34内に位置決め状態で収容される。この場合、両係合片71の前端が弾性接触部22の後端と当接することにより、端子本体20に対するシェル60の前方への位置ずれが規制され、両係合片71の後端が止め部32の前端と当接することにより、端子本体20に対するシェル60の後方への位置ずれが規制される。したがって、シェル60と端子本体20とが両係合片71を介して緊密に保持されることになる。また、電線の端末部に電線接続部21を接続させる。
【0031】
続いて、コネクタハウジングのキャビティ内に後方から端子金具10を挿入する。端子金具10がキャビティ内に正規挿入されると、ランス65がキャビティの内壁を弾性的に係止し、キャビティ内に端子金具10が一次係止される。この場合において、仮に、コネクタハウジングの後面から引き出された電線が後方へ引っ張られると、ランス65がその係止状態を保持しようとして、シェル60と端子本体20との間に大きなせん断応力が発生し、端子本体20がシェル60から抜け出るおそれがある。しかるに本実施形態によれば、端子金具10に引き抜き方向の力が作用したときに、両係合片71の前端が弾性接触部22の後面に当接するため、端子本体20がシェル60から抜け出るのが防止される。
【0032】
続いて、コネクタハウジングに対してリテーナを係止位置に至らしめ、挿入空間75内にリテーナを挿入する。すると、リテーナが弾性接触部22の後面に対向して配置され、キャビティ内に端子金具10が二次係止される。これにより、端子金具10がコネクタハウジングのキャビティから抜け出るのが確実に防止される。また、リテーナが係止状態にあるときに、リテーナの下端が両係合片71の当接面73にフラットに当接可能とされ、これによって両係合片71の両側部が上下方向に傾くのが防止され、ひいては端子金具10がキャビティ内で軸回りに回転するのが防止される。
【0033】
以上説明したように本実施形態によれば、シェル60に一対の係合片71が形成され、シェル60に端子本体20が内嵌された状態で両係合片71同士が互いに連結されることにより、シェル60の組み付け状態が保持されるため、シェル60が端子本体20にかしめられるよりも、端子本体20に対するシェル60の保持力が高められる。その結果、端子本体20にシェル60が強固に保持される。
【0034】
また、弾性接触部22と止め部32との間に区画された凹所34内に係合片71が位置決め状態で収容されるため、シェル60と端子本体20との間にせん断応力が加わったときにも、係合片71の位置ずれが規制され、シェル60と端子本体20との組み付け状態が確実に保持される。
【0035】
さらに、両係合片71同士が溶接部72によって互いに溶接されるため、両係合片71同士の連結状態が確実に保持される。さらにまた、両係合片71が互いに略平行に延びる形態とされているため、リテーナが両係合片71の当接面73に当接することにより、リテーナの係止時に、端子金具10がコネクタハウジングのキャビティ内で軸回りに回転するのが防止される。
【0036】
<実施形態2>
図7は、本発明の実施形態2を示す。実施形態2では、両係合片71Aの形状が実施形態1とは異なる。その他は、実施形態1と同様であるため、実施形態1と同様の構成には同一符号を付し、実施形態1と重複する説明は省略する。
両係合片71Aは、両付属側板68の上端から鈍角に屈曲させられ、付属底板67側となる斜め下向きに延びる形態とされている。言い換えれば、両係合片71Aは、リテーナの挿入空間75から離れる方向に斜めに延びる形態とされている。シェル60内に端子本体20が挿入され、両係合片71Aが屈曲させられると、両係合片71Aの先端は基壁24の幅方向中央部の少し上方において互いに向き合って配置される。その状態で、両係合片71Aの先端部にレーザ溶接が施され、溶接部72が形成される。これにより、両係合片71Aは、溶接部72から両付属側板68の上端に向けて拡開するV字状に形成される。
【0037】
実施形態2によれば、両係合片71Aがリテーナの挿入空間75から離れる方向に傾斜する形態とされているため、挿入空間75が広く確保され、リテーナが両係合片71Aと干渉してその進入動作が規制される事態が回避される。
【0038】
<実施形態3>
図8ないし図10は、本発明の実施形態3を示す。実施形態3では、両係合片71E、71Fの形状が実施形態1とは異なることに加え、両係合片71E、71F同士を連結させる連結手段が実施形態1とは異なる。その他は、実施形態1と同様であるため、実施形態1と同様の構成には同一符号を付し、実施形態1と重複する部分の説明は省略する。
【0039】
両係合片71E、71Fは、両付属側板68の上端からほぼ直角に屈曲させられ、互いにほぼ平行に配置されるとともに、その先端部が上下方向に重なり合う重合部77とされている。そして、両係合片71E、71Fのうちの一方の係合片(以下、第1係合片71E)は、重合部77では下側に配置され、この重合部77に、係合孔78が開口して形成されている。係合孔78は、第1係合片71Eの前端に開口する矩形の切り欠きとされている。また、両係合片71E、71Fのうちの他方の係合片(以下、第2係合片71F)は、重合部77では上側に配置され、この重合部77に、突出片79が下向きに屈曲して形成されている。突出片79は係合孔78に嵌合可能な略角柱状の形態とされている。
【0040】
ここで、シェル60内に端子本体20が挿入され(図中端子本体20は省略)、両係合片71E、71Fが屈曲させられると、重合部77が形成され、かつ係合孔78に上方から突出片79が挿入されて掛け止めされる。これにより、両係合片71E、71Fが互いに連結され、かつシェル60が端子本体20に強固に保持される。実施形態3によれば、溶接工程を要することなく、両係合片71E、71F同士の連結状態を保持することが可能となる。
【0041】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)両係合部が弾性接触部に当接することにより、シェルに対して端子本体が後方へ抜け出るのが防止されるため、場合によっては、止め部を省略することも可能である。
(2)実施形態1、2では、レーザ溶接以外に半田溶接等の周知の溶接手段によって溶接部が形成されるものであってもよい。
(3)実施形態1、2では、両係合片の先端部が上下方向に重なり合う部分を有し、その部分に溶接が施されるものであってもよい。
(4)実施形態2では、溶接部が連結部の基壁に当接して形成されるものであってもよい。
(5)実施形態3では係合孔が第1係合片の前端に開口しない形態であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
10…端子金具
20…端子本体
21…電線接続部
22…弾性接触部
27…弾性接触片
23…連結部
32…止め部
34…凹所
60…シェル
71、71A、71E、71F…係合片
72…溶接部
73…当接面
75…挿入空間
78…係合孔
79…突出片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線が接続される電線接続部を有するとともに、相手端子金具に接触する弾性接触部を有する端子本体と、
前記弾性接触部の周囲を覆うように前記端子本体に組み付けられるシェルとを備えた端子金具であって、
前記シェルには一対の係合片が形成され、前記両係合片には、前記シェルに前記端子本体が内嵌された状態でこの両係合片同士が互いに連結されることにより、前記端子本体に対する前記シェルの組み付け状態を保持する連結手段が設けられていることを特徴とする端子金具。
【請求項2】
前記端子本体における前記弾性接触部と前記電線接続部との間には連結部が形成され、前記連結部には前記弾性接触部との間に凹所を区画してなる止め部が形成され、前記係合片が前記凹所内に位置決め状態で収容されることを特徴とする請求項1記載の端子金具。
【請求項3】
前記連結手段が、前記両係合片同士を互いに溶接してなる溶接部で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の端子金具。
【請求項4】
前記両係合片は、互いに略平行に延びる形態とされ、かつ係止用のリテーナがフラットに当接可能な当接面を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の端子金具。
【請求項5】
前記両係合片は、係止用リテーナが進入可能な空間から離れる方向に傾斜する形態とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の端子金具。
【請求項6】
前記両係合片のうち、一方の係合片の先端部には係合孔が形成され、他方の係合片の先端部には突出片が形成され、前記両係合片の先端部同士が互いに重ね合わされ、前記突出片が前記係合孔に挿入されることにより、前記両係合片の先端部同士が互いに連結されることを特徴とする請求項1又は2記載の端子金具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−16359(P2013−16359A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148617(P2011−148617)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】