説明

端末装置及びプログラム

【課題】表示情報を表示部に表示させる際に、表示情報の3D深度に応じて適切な表示制御を実現できるようにする。
【解決手段】、“3D用表示モードA”で3Dの表示情報(3D画像)が表示されている状態において、“2D用表示モード”のメニューを表示するためにその表示情報の表示を指示するユーザ操作が行われると、この3Dの表示情報(3D画像)に代わって所定の代替表示情報(黒塗り画像+ガイド情報)が、表示指示された表示情報(メニュー)と共に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示情報を表示部に3D表示させる端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、平面状の表示部に画像(静止画、動画)、テキスト、メニューなどの表示情報を3D(三次元)表示する技術としては、各種の技術があり、例えば、2D(二次元)表示情報の中のオブジェクトに立体に見えるような視覚効果を施して、オブジェクトを立体に見せる技術がある。なお、ポリゴンを利用した技術はこの技術の一例である。また、ユーザの右目と左目の視差を利用した技術もある。すなわち、互いに少しずらした右目用の表示情報と左目用の表示情報を用意し、それら2つの表示情報を同時に表示させるが、その際、右目用の表示情報は右目で見えて左目では見えないように、左目用の表示情報は左目で見えて右目では見えないようにするために光の経路を遮断する視差バリアを適切な位置に配置することによって表示情報を立体に見せるようにした技術である。
【0003】
上述したいずれの3D表示技術においても、3Dの奥行きや飛び出しの程度を示す3D深度というパラメータがあり、この3D深度が大きいほど、ユーザには表示情報がより深く、あるいはより飛び出して見えることになる。反対に3D深度が小さいほど、表示情報が浅く見える、あるいはあまり飛び出して見えないことになり、3D深度がセロでは、2Dに見える(すなわち2D表示する)ということになる。
従来、ユーザ操作で3Dの深度を切り替えることが可能な技術としては、例えば、ユーザ操作によって、立体視の奥行きを変化させたり、立体視と平面視を切り換えたりする技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−037619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、3D表示技術においては、異なる3D深度の表示情報を同時に表示した場合に、ユーザにとって表示情報が見難いという状況が起こり得る。例えば、3D深度が大きい表示情報と小さい表示情報が同時に表示されると、ユーザの3D認識に混乱を来たし、見難いと感じることがある。また、異なる3D深度の表示情報を同時に表示した場合に、ある3D深度の表示情報はユーザに正しく認識される(正常に3Dに見える)が、それ以外の3D深度の表示情報はユーザに正しく認識されないという状況も起こり得る。例えば、視差を利用した技術の場合、3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報がユーザに正しく認識されるためには、視差バリアを無くす必要があるが、視差バリアを無くすと、3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報は、右目用の表示情報と左目用の表示情報が両方の目に完全に(隠されることなく)同時に見えてしまう。
【0006】
この発明の課題は、表示情報を表示部に表示させる際に、表示情報の3D深度に応じて適切な表示制御を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、表示情報を表示部に3D表示させる端末装置であって、3D深度が異なる複数の表示情報の中からいずれかの表示情報を前記表示部に表示するように指示する指示手段と、この指示手段によっていずれかの表示情報が指示された場合に、この指示された表示情報の3D深度とは異なる3D深度の表示情報が前記表示部に表示されているか否かを判別する判別手段と、この判別手段によって表示されていると判別された場合に、当該表示されている表示情報に代わって所定の代替表示情報を、前記指示手段によって指示された表示情報と共に前記表示部に表示させる表示制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記表示部に表示されている表示情報の表示領域のうち、前記指示手段によって指示された表示情報の表示領域と重ならない表示領域を検出する検出手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記検出手段によって検出された重ならない表示領域の表示情報に代わって所定の代替表示情報を、前記指示手段によって指示された表示情報と共に表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項2に従属する発明として、前記表示制御手段は、前記検出手段によって重ならない表示領域が無いことが検出された場合に、前記指示手段によって指示された表示情報を表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、前記表示制御手段は、前記指示手段によって指示された表示情報の表示を消去する場合に、所定の代替表示情報に代わって前記表示部に表示されていた元の表示情報を表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項1に従属する発明として、前記判別手段は、前記指示手段によって3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報を表示するように指示された場合に、3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報が表示されているか否かを判別し、前記表示制御手段は、前記判別手段によって表示されていると判別された場合に、前記3Dの表示情報に代わって所定の代替表示情報を、前記指示手段によって指示された2Dの表示情報と共に表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1に従属する発明として、前記判別手段は、前記指示手段によって3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報を表示するように指示された場合に、3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報が表示されているか否かを判別し、前記表示制御手段は、前記判別手段によって表示されていると判別された場合に、2Dの表示情報に代わって所定の代替表示情報を、前記指示手段によって指示された3Dの表示情報と共に表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項1に従属する発明として、前記表示制御手段は、所定の代替表示情報として、1色で塗りつぶされた表示情報、あるいは、2色以上の色で所定の模様が描かれた表示情報を表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項1に従属する発明として、前記表示制御手段は、所定の代替表示情報として、前記指示手段によって指示された表示情報とは異なる3D深度の表示情報であることを示すガイド表示を含む表示情報を表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0015】
また、上述した課題を解決するために請求項9記載の発明は、表示情報を表示部に3D表示させる端末装置であって、前記表示部に表示されている表示情報の3D深度に応じて、その表示情報をユーザに正しく認識させるための複数の表示モードの中からいずれかの表示モードを指示する指示手段と、この指示手段によって指示された表示モードに設定する設定手段と、前記指示手段によっていずれかの表示モードが指示された場合に、指示された表示モードとは異なる表示モードでユーザに正しく認識される3D深度の表示情報が前記表示部に表示されているか否かを判別する判別手段と、この判別手段によって表示されていると判別された場合に、当該表示されている表示情報に代わって所定の代替表示情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項9に従属する発明として、前記判別手段は、前記指示手段によって3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報をユーザに正しく認識させるための表示モードである2D用表示モードが指示された場合に、3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報が表示されているか否かを判別し、前記表示制御手段は、前記判別手段によって表示されていると判別された場合に、3Dの表示情報に代わって所定の代替表示情報を表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0017】
請求項9に従属する発明として、前記判別手段は、前記指示手段によって3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報をユーザに正しく認識させるための表示モードである3D用表示モードが指示された場合に、3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報が表示されているか否かを判別し、前記表示制御手段は、前記判別手段によって表示されていると判別された場合に、2Dの表示情報に代わって所定の代替表示情報を表示させる、ようにしたことを特徴とする請求項11記載の発明であってもよい。
【0018】
また、上述した課題を解決するために請求項12記載の発明は、コンピュータに対して、3D深度が異なる複数の表示情報の中からいずれかの表示情報を表示部に表示するように指示する機能と、前記いずれかの表示情報が指示された場合に、この指示された表示情報の3D深度とは異なる3D深度の表示情報が前記表示部に表示されているか否かを判別する機能と、前記表示されていると判別された場合に、当該表示されている表示情報に代わって所定の代替表示情報を、前記指示された表示情報と共に前記表示部に表示する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【0019】
また、上述した課題を解決するために請求項13記載の発明は、コンピュータに対して、表示部に表示されている表示情報の3D深度に応じて、その表示情報をユーザに正しく認識させるための複数の表示モードの中からいずれかの表示モードを指示する機能と、前記指示された表示モードに設定する機能と、前記いずれかの表示モードが指示された場合に、指示された表示モードとは異なる表示モードでユーザに正しく認識される3D深度の表示情報が前記表示部に表示されているか否かを判別する機能と、前記表示されていると判別された場合に、当該表示されている表示情報に代わって所定の代替表示情報を前記表示部に表示する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、表示情報を表示部に表示させる際に、表示情報の3D深度に応じて適切な表示制御を実現することができ、実用効果の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】端末装置として適用した携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
【図2】携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】携帯電話機1の外観図で、(1)は、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの折り畳みを開いた状態のオープンスタイルを示し、(2)は、オープンスタイルにおいて表示部筐体1Bを180度反転させてから折り畳んだ状態のビュースタイルを示した図。
【図4】表示モード記憶部M3を説明するための図。
【図5】3D深度情報記憶部M4を説明するための図。
【図6】表示情報記憶部M5を説明するための図。
【図7】各種情報一時記憶部M2に一時記憶される表示情報を説明するための図。
【図8】電源投入に伴って実行開始される携帯電話機1側の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図9】表示モード決定処理(図8のステップA6)を詳述するためのフローチャート。
【図10】表示情報処理A(図8のステップA7)を詳述するためのフローチャート。
【図11】表示情報処理B−1(図8のステップA8)を詳述するためのフローチャート。
【図12】表示制御処理(図8のステップA9)を詳述するためのフローチャート。
【図13】表示情報処理B−2(図8のステップA12)を詳述するためのフローチャート。
【図14】“3D用表示モードA”で画像を3D表示中に、“2D用表示モード”のメニューを表示するためにその表示情報の表示を指示するユーザ操作が行われた場合の表示例を示した図。
【図15】画像及びテキストが並列して2D表示されている状態において、“2D用表示モード”から“3D用表示モードB”に切り替えられた場合の表示例を示した図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図1〜図15を参照して本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、端末装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
携帯電話機1には、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)のほか、デジタルテレビ放送(例えば、ワンセグ地上デジタルテレビ放送)を受信可能なテレビ放送受信機能、3D表示機能などが備えられている。この3D表示機能は、左右の目の視差を利用した視差バリア方式によって、動画、静止画、テキスト、メニューなどの表示情報を3Dの奥行きあるいは飛び出しの程度を示す3D深度で表示させる機能で、3D深度が異なる複数の表示情報の中からいずれかの表示情報を表示部に3D表示させるようにしている。
【0023】
携帯電話機1は、最寄りの基地局2A、交換機2Bから無線通信網(移動体通信網)2に接続されると、この無線通信網2を介して他の携帯電話機1との間で通話可能な状態となる。また、携帯電話機1は、無線通信網2を介してインターネット3に接続されると、Webサイトをアクセスして閲覧可能となり、また、情報配信装置4から動画、静止画、音楽、ニュースなどの情報をインターネット3、無線通信網2を介してダウンロード可能となる。また、携帯電話機1は、テレビ局5から送信アンテナ6を介して発信された地上波デジタル放送を受信するようにしているが、インターネットラジオのように無線通信網2、インターネット3を介して情報配信装置4からデジタル放送をダウンロード受信することもできる。
【0024】
図2は、携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
中央制御部11は、二次電池を備えた電池部12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリなどを有している。この記憶部13には、プログラム記憶部M1、各種情報一時記憶部M2、表示モード記憶部M3、3D深度情報記憶部M4、表示情報記憶部M5などが設けられている。プログラム記憶部M1は、図8〜図13に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それに必要とする情報などが記憶されている。各種情報一時記憶部M2は、フラグ情報、タイマ情報、画面情報など、携帯電話機1が動作するために必要な各種の情報を一時的に記憶するワーク領域である。なお、表示モード記憶部M3、3D深度情報記憶部M4、表示情報記憶部M5については後で詳述するものとする。
【0025】
無線通信部14は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能などの動作時に、最寄りの基地局2Aとの間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部15を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部15から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。
【0026】
テレビ放送受信部16は、通信端末装置向けのワンセグ地上波デジタルテレビ放送のほか、電子番組表(EPG)などの番組情報も含めて受信可能となっている。このテレビ放送受信部16は、放送信号を抽出する受信部(アナログ回路部)と、受信した放送信号をOFDM(直交周波数分割多重)復調したり、多重化されている放送信号から映像、音声、データ(文字データ)に分離して復号化したり、圧縮データの解凍などを行うデジタル回路部を有している。表示部17は、高精細液晶を使用し、例えば、文字情報、待受画像、テレビ映像などの表示情報を表示させるもので、この表示部17の表面には、視差バリアを生成するための液晶の層が設けられている。
【0027】
3D変換処理部18は、3D表示時に3D深度に応じた右目用の表示情報と左目用の表示情報を生成するもので、視差バリア制御部19は、3D表示時に3D変換処理部18によって生成された右目用の表示情報と左目用の表示情報が表示部17に同時に表示されている状態において、正しく3D表示が見えるように視差バリアを表示部17の表層に生成する。操作部20は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、中央制御部11は、この操作部20からの入力操作信号に応じた処理を実行する。RTC(リアルタイムクロックモジュール)21は、時計部を構成するもので、中央制御部11は、RTC21から現在日時を取得する。報知部22は、サウンドスピーカ23、LED(発光ダイオード)24、振動モータ25を備え、着信時に駆動されて着信報知を行うほか、アラーム報知時などでも駆動される。
【0028】
図3は、携帯電話機1の外観図である。
携帯電話機1は、その機器本体(装置本体)を構成する複数の筐体の連結状態に応じて複数のスタイルに変更可能な2軸ヒンジタイプで、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとは、折り畳み開閉自在及び回動自在にヒンジ部1Cを介して連結されている。ヒンジ部1Cには操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとを折り畳み開閉するための開閉用ヒンジ軸が設けられているほか、この開閉用ヒンジ軸と略直交して、一方の筐体を他方の筐体に対して回動するための回動用ヒンジ軸とが設けられている。
【0029】
このような2軸ヒンジタイプの携帯電話機1は、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとが、どのように連結されているかに応じて携帯電話機1の形態を複数のスタイル(クローズスタイル、オープンスタイル、ビュースタイルなど)に変更可能なもので、図3(1)は、操作部筐体1Aと表示部筐体1Bとの折り畳みを開いた状態のオープンスタイルを示している。なお、操作部筐体1Aの内面には、操作部20が配置され、また、表示部筐体1Bの内面には、表示部17が配置されている。なお、操作部筐体1Aの内面側には、通話用マイクMCが配置され、表示部筐体1Bの内面には、通話用スピーカSPが配置されている。図3(2)は、オープンスタイルにおいて表示部筐体1Bを180度反転させてから折り畳んだ状態のビュースタイルを示し、オープンスタイルで内側となっていた表示部17は、ビュースタイルでは外側に向くようになる。
【0030】
図4は、表示モード記憶部M3を説明するための図である。
表示モード記憶部M3は、表示部17に表示される表示情報の3D深度に応じてその表示情報をユーザに正しく認識させるための複数の表示モード毎に、表示モードに関する情報を記憶するもので、「項目」、「3D深度」、「設定フラグ」の各項目を有している。「項目」は、複数の表示モードとして、“2D用表示モード”、“3D用表示モードA”、“3D用表示モードB”を示し、“2D用表示モード”は、3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報を表示するのに適した表示モード、また、“3D用表示モードA”、“3D用表示モードB”は、3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報を表示するのに適した表示モードである。
【0031】
「3D深度」は、表示情報の3Dの奥行きあるいは飛び出しの程度を示すもので、“2D用表示モード”は、その「3D深度」が“レベル0(ゼロ)”となっており、2D(平面)の表示情報の表示に適していることを示している。また、“3D用表示モードA”は、その「3D深度」が“レベル1”で、奥行きあるいは飛び出しの程度が小さい表示情報の表示に適し、また、“3D用表示モードB”は、その「3D深度」が“レベル2”となっており、奥行きあるいは飛び出しの程度が大きい表示情報の表示に適していることを示している。
【0032】
「設定フラグ」は、複数の表示モードのうち、現在有効な表示モードを示すフラグで、その値が“1”に対応付けられた表示モードが現在有効な表示モードであることを示している。中央制御部11は、3D深度が異なる複数の表示情報の中からいずれかの3D深度の表示情報を表示部17に表示するように指示された際に、この指示された表示情報の種別(動画、静止画、テキストなど)に応じて最適な表示モードを決定してその「設定フラグ」を“1”とするようにしている。
【0033】
図5は、3D深度情報記憶部M4を説明するための図である。
3D深度情報記憶部M4は、表示情報の種別毎に、どの程度の3D深度であればそれを表示可能であるかを示す情報を記憶するもので、「種別ID」、「種別」、「表示可能3D深度」、…の各項目を有している。「種別ID」は、表示情報の種別(動画、静止画、テキスト、メニューなど)を識別するための情報である。「表示可能3D深度」は、その種別に応じてどの程度の3D深度で表示可能であるかを示す情報で、例えば、「種別」が“画像(静止画)”あるいは“画像(動画)”の場合には、“レベル0”、“レベル1”、“レベル2”が記憶され、また、「種別」が“画像(サムネイル)”の場合には、“レベル0”、“レベル1”が記憶され、また、「種別」が“テキスト”の場合には、“レベル0”が記憶されている。また、「種別」が“メインメニュー”の場合には、“レベル0”、“レベル2”
が記憶され、また、「種別」が“動画用メニュー” あるいは“静止画用メニュー”の場合には、“レベル0”が記憶されている。
【0034】
図6は、表示情報記憶部M5を説明するための図である。
表示情報記憶部M5は、表示部17に表示するための表示情報を記憶するもので、例えば、情報配信装置4から動画、静止画、音楽、ニュースなどの情報をインターネット3、無線通信網2を介してダウンロードしたり、テレビ放送受信部16によって受信した放送番組を録画記録したりした情報を表示情報として記憶する。この表示情報記憶部M5は、表示情報を識別する「情報ID」に対応して「タイトル」、「種別ID」、「実データ」などを記憶する構成で、「実データ」は、3D深度の“レベル0(ゼロ)”の実データのみを記憶するようにしている。なお、「実データ」には、上述した「表示可能3D深度」毎に実データを記憶するようにしてもよく、また、画像、テキスト、メニューを別々に記憶するようにしてもよい。
【0035】
図7は、各種情報一時記憶部M2に一時記憶される表示情報を説明するための図である。
各種情報一時記憶部M2に一時記憶される表示情報は、表示部17に表示している(表示する)表示情報であり、この表示情報一時記憶の内容は、「情報ID」、「種別ID」、「3D深度」、「表示領域」、「実データ」、「黒塗りフラグ」、「ガイドフラグ」などの項目を有している。「情報ID」、「種別ID」は、上述した表示情報記憶部M5の「情報ID」、「種別ID」と同様である。「表示領域」は、表示部17のどの領域に「実データ」が表示されているかを示す情報で、例えば、矩形領域の左隅位置と右隅位置との2点座標(対角座標)によって当該表示領域を特定するようにしている。「実データ」は、3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報や3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報又は後述する所定の代替表示情報である。なお、「実データ」には、「表示領域」分のデータ(実データを構成する一部分のデータ)を一時記憶してもよく、実データを構成する全てのデータを一時記憶するようにしてもよい。
【0036】
「黒塗りフラグ」は、表示部17に表示する表示情報が指示された際に、この表示指示された表示情報の3D深度が表示部17に表示されている表示情報の3D深度と異なる場合に、表示部17に表示されている表示情報に代わって生成された所定の代替表示情報(黒塗り画像)を表示部17に表示させる状態であることを示している。すなわち、3D深度が異なる複数の表示情報が表示部17に同時に表示されないように、表示指示された表示情報を黒塗り画像と共に表示させる状態であることを示している。「ガイドフラグ」は、上述の黒塗り画像内に収まるように、表示指示された表示情報とは異なる3D深度の表示情報であることを示すガイド情報を表示させる状態であることを示している。このように黒塗り画像内にガイド情報を含めて表示される場合に、所定の代替表示情報は、黒塗り画像+ガイド情報となる。
【0037】
図示の例は、「情報ID」=“B05”、「種別ID」=“A02”で示される画像(動画)と、「情報ID」=“B04”、「種別ID」=“A06”で示される動画用メニューとが表示部17に同時に表示されていることを示している。この場合、「情報ID」=“B05”に対応する「黒塗りフラグ」及び「ガイドフラグ」が“1”、また、「種別ID」=“A06”
に対応する「黒塗りフラグ」及び「ガイドフラグ」が“0”となっているので、「3D深度」が“レベル1”の画像(動画)に代わって、黒塗り画像が表示されると共に、この黒塗り画像内に収まるようにガイド情報され、また、「3D深度」が“レベル0”で動画用メニューが表示されていることを示している。
【0038】
次に、この実施形態における携帯電話機1の動作概念を図8〜図13に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0039】
図8は、電源投入に伴って実行開始される携帯電話機1側の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、携帯電話機1においてその中央制御部11は、電源を投入する電源オン操作が行われると(ステップA1でYES)、電源供給を開始させて所定のメモリなどを初期化する電源オン処理を実行したのち、所定の待受画像を読み出して表示させたり、基地局2Aとの間で通信を行って位置登録をしたりする待受処理を行う(ステップA2)。ここで、任意の情報を設定する設定操作が行われた場合には(ステップA3でYES)、その操作に対応する設定処理として、例えば、情報配信装置4から動画、静止画、音楽、ニュースなどの情報をダウンロードしたり、テレビ放送受信部16によって受信した放送番組を録画記録したりして、表示情報記憶部M5に記憶する処理などを行う(ステップA4)。
【0040】
また、3D深度が異なる複数の表示情報の中からいずれかの表示情報を表示部17に表示するように指示する表示指示の発生を検出した場合には(ステップA5)、この表示指示された表示情報に応じて表示モードを決定する表示モード決定処理に移る(ステップA6)。ここで、表示情報の表示指示が発生するのは、ユーザ操作による画像、テキスト、メニューなどの表示情報の表示指示を検出した場合に限らず、自動的に表示部17の表示が変わるとき、例えば、画像などの再生が終了して別の画像の再生が自動的に始まるとき、画像などの再生が終了して自動的に待受画面などに戻るときなどのように、自動的な表示指示を検出した場合である。
【0041】
図9は、表示モード決定処理(図8のステップA6)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、表示情報記憶部M5に記憶されている表示情報のうち、表示指示された表示情報の「種別ID」を参照してその種別を検出したのち(ステップB1)、その種別に基づいて3D深度情報記憶部M4を参照し、該当する「表示可能3D深度」を読み出すと共に(ステップB2)、表示モード記憶部M3から「設定フラグ」が“1”の表示モードを読み出す(ステップB3)。
【0042】
そして、表示指示された表示情報の「表示可能3D深度」と「設定フラグ」が“1”の表示モードの「3D深度」とを比較して、表示指示された表示情報を現在の表示モードの「3D深度」で表示可能であるかを調べる(ステップB4)。ここで、表示指示された表示情報の「表示可能3D深度」のうち、そのいずれかに表示モードの「3D深度」が該当していれば、表示指示された表示情報を現在の表示モードの「3D深度」で表示可能であると判断する。例えば、現在の表示モードが“3D用表示モードA”で、表示指示された表示情報が画像(サムネイル)である場合には、“3D用表示モードA”の「3D深度」は“レベル1”であり、画像(サムネイル)の「表示可能3D深度」は、“レベル0、レベル1”であるから、この画像(サムネイル)を“3D用表示モードA”で表示可能であると判断する(ステップB4でNO)。このように現在の表示モードで表示可能であれば、表示モードを変更することなく、図9のフローから抜ける。
【0043】
また、例えば、現在の表示モードが“3D用表示モードB”で、表示指示された表示情報がテキストであれば、“3D用表示モードB”の「3D深度」は“レベル2”であり、テキストの「表示可能3D深度」は、“レベル0”であるから、このテキストを“3D用表示モードB”では表示することが不可能であると判断して(ステップB4でNO)、表示モードの切り替えを行う(ステップB5)。すなわち、上述のように、表示情報がテキストで現在の表示モードが“3D用表示モードB”の場合には、テキストを表示可能な“2D用表示モード”の「設定フラグ」を“1”として、それ以外を“0”とすることによって“3D用表示モードB”から“2D用表示モード”への切り替えを行う。なお、表示可能な表示モードが複数ある場合には、ユーザ操作によっていずれかの表示モードを選択させるようにしてもよいし、予め指定された優先順位に従っていずれかの表示モードを選択するようにしてもよい。
【0044】
このように表示指示された表示情報が現在の表示モードの「3D深度」で表示可能でなければ、それを表示可能な表示モードに切り替える表示モード決定処理(図8のステップA6)を実行したのち、この表示指示された表示情報に対する表示情報処理Aを行うと共に(ステップA7)、表示部17に表示されている表示情報に対する表示情報処理B−1を行う(ステップA8)。そして、表示指示された表示情報を表示されている表示情報と共に表示させる表示制御処理の実行に移る(ステップA9)。
【0045】
図10は、表示情報処理A(図8のステップA7)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、表示モード記憶部M3から「設定フラグ」が“1”の表示モードを読み出し(ステップC1)、現在の表示モードは“2D用表示モード”であるかを調べ(ステップC2)、“2D用表示モード”であれば(ステップC2でYES)、表示指示された表示情報を各種情報一時記憶部M2に一時記憶させたのち(ステップC3)、図10のフローから抜ける。また、“2D用表示モード”以外であれば(ステップC2でNO)、表示指示された表示情報の種別に応じた「3D深度」で右目用の表示情報と左目用の表示情報とを生成することによって、表示指示された表示情報を3D深度の表示情報に変換する(ステップC4)。そして、この3D深度の表示情報を各種情報一時記憶部M2に一時記憶させたのち(ステップC3)、図10のフローから抜ける。
【0046】
図11は、表示情報処理B−1(図8のステップA8)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、表示モード記憶部M3から「設定フラグ」が“1”の表示モード(表示指示された表示情報に応じて決定された表示モード)を読み出したのち(ステップD1)、各種情報一時記憶部M2をアクセスし、表示部17に表示されている表示情報の「3D深度」を読み出して検出する(ステップD2)。なお、表示部17に表示されている表示情報の「黒塗りフラグ」が“1”、つまり、この表示情報に代わって黒塗り画像が表示されている場合でも黒塗り前における元の表示情報の「3D深度」を検出し、また、複数の表示情報が表示されている場合には、それぞれの表示情報毎に「3D深度」を検出して、それぞれの表示情報毎に以下の処理を実行する。
【0047】
そして、表示部17に表示されている表示情報の「3D深度」と表示モードの「3D深度」とを比較して、それらは同一であるかを調べる(ステップD3)。いま、それらが同一で、表示指示された表示情報の3D深度と同じ3D深度の表示情報が表示されている場合には(ステップD3でYES)、その表示されている表示情報を各種情報一時記憶部M2に再度一時記憶させる(ステップD4)。なお、ここで、一時記憶させる(表示されている)表示情報の表示領域が、図10のステップC3で一時記憶された(表示指示された)表示情報の表示領域と重なる場合には、前者の表示領域を変更(縮小)する。なお、このように前者の表示領域を変更すると、前者の上に重なって後者が表示されるようになる。次に、この表示情報の「黒塗りフラグ」及び「ガイドフラグ」を“0”とすることによって、黒塗り画像及びガイド情報の表示を解除したのち(ステップD5)、図11のフローから抜ける。なお、既に「黒塗りフラグ」、「ガイドフラグ」が“0”であれば、このステップD5はスキップ(省略)される。
【0048】
また、表示部17に表示されている表示情報の「3D深度」と表示モードの「3D深度」とを比較した結果、それらが同一でなければ(ステップD3でNO)、言い換えれば、表示指示された表示情報の3D深度とは異なる3D深度の表示情報が表示されている場合には、表示指示された表示情報と表示されている表示情報とが重ならない表示領域を検出する(ステップD6)。より具体的には、各種情報一時記憶部M2を参照し、図10のステップC3で一時記憶された(表示指示された)表示情報の表示領域とそれ以前に一時記憶された(表示されている)表示情報の表示領域とを比較し、重ならない表示領域を検出する。この結果、重ならない表示領域が無いことを検出した場合には(ステップD7でNO)、表示指示された表示情報のみを表示部17に表示させるために上述のステップD4に移るが、重ならない表示領域が有ることを検出した場合には(ステップD7でYES)、所定の代替表示情報として、重ならない表示領域分の黒塗り画像を生成すると共に、その表示領域(黒塗り画像)内で収まるようにガイド情報を生成する(ステップD8)。そして、この所定の代替表示情報(黒塗り画像+ガイド情報)を各種情報一時記憶部M2に一時記憶すると共に、表示されている表示情報を再度一時記憶させる(ステップD9)。なお、ここでもステップD4と同様に表示領域の変更(縮小)を行う。次に、当該表示情報に対応する「黒塗りフラグ」、「ガイドフラグ」を”1”としたのち(ステップD10)、図11のフローから抜ける。
【0049】
図12は、表示制御処理(図8のステップA9)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、各種情報一時記憶部M2に一時記憶されている表示情報を読み出すと共に(ステップE1)、表示モード記憶部M3から「設定フラグ」が“1”の表示モード(表示指示された表示情報に応じて決定された表示モード)を読み出して(ステップE2)、“2D用表示モード”であるかを調べる(ステップE3)。いま、現在の表示モードが“2D用表示モード”であれば(ステップE3でYES)、視差バリアを消去させたのち(ステップE4)、表示情報を表示部17に2D表示させる(ステップE5)。
【0050】
また、現在の表示モードが“2D用表示モード”でなければ(ステップE3でNO)、視差バリアを生成させたのち(ステップE6)、各種情報一時記憶部M2に一時記憶されている表示情報を表示部17に3D表示させる(ステップE7)。なお、上述のステップE5、E7において、各種情報一時記憶部M2に所定の代替表示情報(黒塗り画像+ガイド情報)が記憶されている場合には、本来の表示情報に代わって当該代替表示情報を表示させる。
【0051】
図14は、“3D用表示モードA”で画像を3D表示中に、“2D用表示モード”のメニューを表示するためにその表示情報の表示を指示するユーザ操作が行われた場合の表示例を示した図である。表示部17には、今回表示指示された表示情報(メニュー)の3D深度とは異なる3D深度の表示情報(3D画像)が表示されているので、この表示されている表示情報(3D画像)に代わって所定の代替表示情報(黒塗り画像+ガイド情報)が、表示指示された表示情報(メニュー)と共に表示部17に表示される。この場合、ガイド情報として、例えば、“3D画像のため表示できません”が案内される。
【0052】
一方、表示モード切替指示の発生を検出すると(図8のステップA10でYES)、切替指示された表示モードの「設定フラグ」を“1”とし、それ以外を“0”とすることによって新たな表示モードに変更する表示モード切替変更処理を行う(ステップA11)。なお、表示モードの切替指示が発生するのは、ユーザ操作による切替指示を検出した場合に限らず、自動的に表示モードが変わるとき、例えば、スタイルによって表示モードが予め決められている場合にスタイルが変更されたときなど、自動的な表示モードの切替指示を検出した場合である。このように表示モードを切り替えたのちは、表示情報処理B−2を実行すると共に(ステップA12)、上述の表示制御処理を実行する(ステップA9)。
【0053】
ここで、図15は、“2D用表示モード”で画像及びテキストが並列して2D表示されている状態において、“3D用表示モードB”に切り替えるためのユーザ操作が行われた場合の表示例を示している。以下、図15に示す表示例を参照して、上述の表示情報処理B−2(ステップA12)及び表示制御処理(ステップA9)を具体的に説明するものとする。
【0054】
図13は、表示情報処理B−2(図8のステップA12)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、中央制御部11は、表示モード記憶部M3から「設定フラグ」が“1”の表示モード(新たに変更された“3D用表示モードB”)を読み出したのち(ステップF1)、各種情報一時記憶部M2をアクセスし、表示部17に表示されている表示情報の「種別ID」を読み出して検出する(ステップF2)。なお、表示部17に表示されている表示情報の「黒塗りフラグ」が“1”、つまり、黒塗り画像が表示されている場合でも黒塗り前における元の表示情報の「種別ID」を検出し、また、複数の表示情報が表示されている場合には、それぞれの表示情報毎に「種別ID」を検出して、それぞれの表示情報毎に以下の処理を実行する。
【0055】
そして、表示されている表示情報の「種別ID」に基づいて3D深度情報記憶部M4を検索し、「表示可能3D深度」を読み出し検出したのち(ステップF3)、「設定フラグ」が“1”の表示モード(新たに変更された“3D用表示モードB”)の「3D深度」と、表示されている表示情報の「表示可能3D深度」とを比較して、表示されている表示情報を現在の表示モードの「3D深度」で表示することが可能であるかを調べる(ステップF4)。ここで、表示されている表示情報の「表示可能3D深度」のうち、そのいずれかに表示モードの「3D深度」が該当していれば、表示されている表示情報を現在の表示モードの「3D深度」で表示可能であると判断する。
【0056】
いま、図15の例では、表示部17には画像及びテキストが2D表示されているので、先ず、その一つ目の表示情報として画像に着目し、この表示情報(画像)は、“3D用表示モードB”の「3D深度」で表示可能であるかを調べるが、この場合、画像を「3D深度」の“レベル2”で表示可能であるため(ステップF4でYES)、各種情報一時記憶部M2をアクセスし、表示されている表示情報の「3D深度」を読み出して検出すると共に(ステップF5)、表示されている表示情報の「3D深度」と表示モードの「3D深度」とを比較して、それらは同一であるかを調べる(ステップF6)。
【0057】
ここで、表示されている表示情報の「3D深度」と表示モードの「3D深度」とが同一であれば(ステップF6でYES)、その表示情報を各種情報一時記憶部M2に一時記憶させると共に(ステップF7)、この表示情報の「黒塗りフラグ」及び「ガイドフラグ」を“0”としたのち(ステップF8)、図13のフローから抜ける。図15の例では、表示されている表示情報の「3D深度」は“レベル0”、つまり、画像が2D表示されている場合であるから(ステップF6でNO)、ステップF9に移り、「設定フラグ」が“1”の表示モードは、“2D用表示モード”であるかを調べる。
【0058】
いま、“2D用表示モード”から“3D用表示モードB”に切り替えられた場合であるから(ステップF9でNO)、この画像を3D変換処理部18によってその「3D深度」に応じた3D深度の画像に変換させたのち(ステップF11)、この表示情報を各種情報一時記憶部M2に一時記憶させる(ステップF7)。なお、上述の場合とは逆に、“3D用表示モードA”あるいは“3D用表示モードB”から“2D用表示モード”に切り替えられた場合には(ステップF9でYES)、表示情報記憶部M5から「3D深度」が“レベル0”の「実データ」を読み出したのち(ステップF10)、この表示情報を各種情報一時記憶部M2に一時記憶させる(ステップF7)。
【0059】
このようにして表示部17には画像、テキストのうち、最初の画像に対する処理が終わると、次の表示情報としてテキストに着目し、この表示情報(テキスト)の「種別ID」を検出したのち(ステップF2)、「表示可能3D深度」を読み出すが(ステップF3)、この「表示可能3D深度」は“レベル0”で、“3D用表示モードB”の「3D深度」は“レベル2”であるから、現在の表示モードの「3D深度」では表示情報(テキスト)を表示不可能と判断し(ステップF4でNO)、この表示情報(テキスト)に代わって所定の代替表示情報として、その表示領域分の黒塗り画像を生成すると共に、その表示領域(黒塗り画像)内で収まるようにガイド情報を生成する(ステップF12)。そして、この所定の代替表示情報(黒塗り画像+ガイド情報)を各種情報一時記憶部M2に一時記憶させたのち(ステップF13)、当該表示情報に対応する「黒塗りフラグ」、「ガイドフラグ」を”1”として(ステップF14)、図13のフローから抜ける。
【0060】
このような表示情報処理B−2(図8のステップA12)が終わると、上述した表示制御処理の実行に移る(ステップA9)。いま、“2D用表示モード”から“3D用表示モードB”に切り替えられた場合であるから、視覚バリアを生成して表示情報を3D表示させる。すなわち、図15に示すように、表示部17に画像及びテキストが並列して2D表示されている状態において、“2D用表示モード”から“3D用表示モードB”に切り替えられると、2D表示の画像は3D表示の画像に変更されるが、2D表示のテキストに代わって所定の代替表示情報(黒塗り画像+ガイド情報)が表示される。この場合、ガイド情報として、例えば、“3D用表示モードのため表示できません”が案内される。
【0061】
他方、電話着信を検出すると(図8のステップA13でYES)、通話可能状態とすると共に、通話履歴を記憶したり、通話に関する情報を表示したりする通話処理を実行したのち(ステップA14)、上述のステップA3に戻る。また、電源オフ操作が行われたときには(ステップA15でYES)、電源オフ処理を実行して(ステップA16)、この図8のフローの終了となるが、その他の操作が行われたときには(ステップA17でYES)、その操作に応じた処理として、例えば、表示消去処理、通話発信処理、メール発信処理などを実行したのち(ステップA18)、上述のステップA3に戻る。
【0062】
ここで、表示消去処理は、ユーザ操作によって表示情報の消去が指示された際に、所定の代替表示情報(黒塗り画像+ガイド情報)に代わって表示部17に表示されていた元の表示情報(例えば、画像、テキスト、メニューなど)を表示させる処理である。より具体的には、各種情報一時記憶部M2に一時記憶されている「黒塗りフラグ」、「ガイドフラグ」を”0”としたのち、所定の代替表示情報に代わって元の表示情報を表示させる。なお、この表示消去処理は、ユーザ操作によって表示情報の消去が指示された場合に限らず、例えば、表示時間が経過したとき、画面を切り替えるときなど、自動的に表示情報を消去する指示を検出したときにも実行される。
【0063】
以上のように、この実施形態においては、中央制御部11は、表示指示された表示情報の3D深度とは異なる3D深度の表示情報が表示部17に表示されている場合に、この表示情報に代わって所定の代替表示情報を表示指示された表示情報と共に表示部17に表示させるようにしたので、異なる3D深度の表示情報が同時に表示されることを防止して、ユーザの3D認識に混乱を生じさせたり、ユーザに正しく認識されない表示情報が表示されたりすることを防止することが可能となる。
【0064】
表示されている表示情報の表示領域のうち、表示指示された表示情報の表示領域と重ならない表示領域の表示情報に代わって所定の代替表示情報を表示指示された表示情報と共に表示させるようにしたので、異なる3D深度の表示情報が同時に表示されることを防止できると共に、表示指示された表示情報をユーザに良好に確認させることができる。
【0065】
また、表示指示された表示情報の表示領域と重ならない表示領域が無ければ、表示指示された表示情報のみを表示させるようにしたので、上述と同様に、異なる3D深度の表示情報が同時に表示されることを防止できると共に、表示指示された表示情報をユーザに良好に確認させることができる。
【0066】
表示指示された表示情報の表示を消去する場合に、所定の代替表示情報に代わって元の表示情報を表示させるようにしたので、ユーザの3D認識に混乱を生じさせたり、ユーザに正しく認識されない表示情報が表示されたりする状況が解消された場合に、元の表示情報をユーザに確認させることができる。
【0067】
3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報が表示されている状態において、3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報の表示が指示された際に、3Dの表示情報に代わって所定の代替表示情報を2Dの表示情報と共に表示させるようにしたので、表示されている3Dの表示情報と、表示指示された2Dの表示情報が同時に表示されることを防止すると共に、表示指示された2Dの表示情報をユーザに良好に確認させることができる。
【0068】
2Dの表示情報が表示されている状態において、3Dの表示情報の表示が指示された際に、2Dの表示情報に代わって所定の代替表示情報を3Dの表示情報と共に表示させるようにしたので、表示されている2Dの表示情報と、表示指示された3Dの表示情報が同時に表示されることを防止すると共に、表示指示された3Dの表示情報をユーザに良好に確認させることができる。
【0069】
所定の代替表示情報として、1色で塗りつぶされた表示情報(黒塗り画像)を表示させるようにしたので、識別性と共に表示処理を軽減することができる。
【0070】
所定の代替表示情報として、表示指示された表示情報とは異なる3D深度の表示情報であることを示すガイド表示を含む情報を表示させるようにしたので、表示されている表示情報に代わって所定の画像が表示された理由をユーザに確認させることができる。
【0071】
表示モードが指示された場合に、指示された表示モードとは異なる表示モードでユーザに正しく認識される3D深度の表示情報が表示されている場合に、この表示されている表示情報に代わって所定の代替表示情報を表示させるようにしたので、ある3D深度の表示情報をユーザに正しく認識させるための表示モードに設定された際に、その表示モードでは正しく認識されない表示情報が表示されることを防止することできる。
【0072】
2D用表示モードが指示された場合に、3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報が表示されていれば、3Dの表示情報に代わって所定の代替表示情報を表示させるようにしたので、2D用表示モードで3Dの表示情報が表示されることを防止して、ユーザに正しく認識されない表示情報が表示されたりすることを防止できる。
【0073】
3D用表示モードが指示された場合に、3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報が表示されていれば、2Dの表示情報に代わって所定の代替表示情報を表示させるようにしたので、3D用表示モードで2Dの表示情報が表示されることを防止して、ユーザに正しく認識されない表示情報が表示されたりすることを防止できる。
【0074】
なお、上述した実施形態においては、表示部17に表示させる表示情報の種別として、情報配信装置4から配信される表示情報、テレビ局5から送信される表示情報(テレビ番組)、テキスト、メニューなどとしたが、これに限らず、例えば、撮影手段を備えた携帯電話機1にあっては、その撮影手段で撮影された表示情報(画像)、又は各種設定用画面、動画再生時の音量設定用画面など、表示部17に表示させる任意の種別の表示情報であってもよい。
【0075】
また、上述した実施形態においては、表示部17に表示させる表示情報として記憶部13に記憶されている表示情報としたが、これに限らず、情報配信装置4から配信される表示情報を受信しながら逐次表示したり(ストリーミング再生)、テレビ局5から送信される表示情報(テレビ番組)を受信しながら逐次表示したりするなど、表示部17に表示させる任意の表示情報であってもよい。
【0076】
また、上述した実施形態においては、3Dの表示情報は、その3D深度に応じた右目用の表示情報と左目用の表示情報を同時に表示して、それらが正しく3Dに見えるように3D深度に応じた視差バリアを表示部17の表層に生成して3D表示を行う方法を例示したが、例えば、表示情報の中のオブジェクトが3Dに見えるような視覚効果を施して3D表示を行う方法など、任意の3D表示方法であってもよい。
【0077】
また、上述した実施形態においては、表示情報に代わる所定の代替表示情報として、黒塗り画像とガイド情報を表示するようにしたが、黒塗り画像のみを表示してもよく、黒塗り画像に限らず、任意の1色で塗りつぶした画像、任意の2色以上の色で模様を描いた画像などでもよく、更に、固定の画像に限らず、映像であってもよく、表示すべき表示情報に代わって表示される所定の代替表示情報は任意である。また、また、動画を黒塗り表示させた場合に、動画を一時停止、音声出力停止などの処理を行い、黒塗り表示から元の表示情報に戻す場合に、動画の再生再開、音声出力再開の処理を行うなど、表示情報の種別に応じた適切な処理を追加するようにしてもよい。
【0078】
また、上述した実施形態においては、表示指示された表示情報が現在の表示モードの「3D深度」で表示可能でなければ、それを表示可能な表示モードに切り替えるようにしたが、表示情報の種別に応じて表示モードが予め決められているようにしてもよい。例えば、表示情報の種別が画像であれば、3D用表示モード、メニューであれば、2D用表示モードとしてもよい。ここで、画像を表示する場合には3D用表示モードに切り替わり、また、画像の一部に重ねてメニューを表示する場合には2D用表示モードに切り替わって画像を黒塗り画像に代えるようにしてもよい。
【0079】
その他、記憶部13はメモリカードや外付けハードディスクなど、任意の外部記憶装置であってもよい。また、端末装置は携帯電話機に限らず、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤーなど、任意の端末装置であってもよい。更に、折り畳みタイプの端末装置に限らず、ストレートタイプ、スライドタイプ、スピントップタイプなど任意の筐体構造であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 携帯電話機
2 無線通信網
3 インターネット
4 情報配信装置
5 テレビ局
11 中央制御部
13 記憶部
14 無線通信部
16 テレビ放送受信部
17 表示部
18 3D変換処理部
19 視差バリア制御部
20 操作部
M1 プログラム記憶部
M2 各種情報一時記憶部
M3 表示モード記憶部
M4 3D深度情報記憶部
M5 表示情報記憶部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示情報を表示部に3D表示させる端末装置であって、
3D深度が異なる複数の表示情報の中からいずれかの表示情報を前記表示部に表示するように指示する指示手段と、
この指示手段によっていずれかの表示情報が指示された場合に、この指示された表示情報の3D深度とは異なる3D深度の表示情報が前記表示部に表示されているか否かを判別する判別手段と、
この判別手段によって表示されていると判別された場合に、当該表示されている表示情報に代わって所定の代替表示情報を、前記指示手段によって指示された表示情報と共に前記表示部に表示させる表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記表示部に表示されている表示情報の表示領域のうち、前記指示手段によって指示された表示情報の表示領域と重ならない表示領域を検出する検出手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記検出手段によって検出された重ならない表示領域の表示情報に代わって所定の代替表示情報を、前記指示手段によって指示された表示情報と共に表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記検出手段によって重ならない表示領域が無いことが検出された場合に、前記指示手段によって指示された表示情報を表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の端末装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記指示手段によって指示された表示情報の表示を消去する場合に、所定の代替表示情報に代わって前記表示部に表示されていた元の表示情報を表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項5】
前記判別手段は、前記指示手段によって3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報を表示するように指示された場合に、3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報が表示されているか否かを判別し、
前記表示制御手段は、前記判別手段によって表示されていると判別された場合に、前記3Dの表示情報に代わって所定の代替表示情報を、前記指示手段によって指示された2Dの表示情報と共に表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項6】
前記判別手段は、前記指示手段によって3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報を表示するように指示された場合に、3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報が表示されているか否かを判別し、
前記表示制御手段は、前記判別手段によって表示されていると判別された場合に、2Dの表示情報に代わって所定の代替表示情報を、前記指示手段によって指示された3Dの表示情報と共に表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、所定の代替表示情報として、1色で塗りつぶされた表示情報、あるいは、2色以上の色で所定の模様が描かれた表示情報を表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、所定の代替表示情報として、前記指示手段によって指示された表示情報とは異なる3D深度の表示情報であることを示すガイド表示を含む表示情報を表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項9】
表示情報を表示部に3D表示させる端末装置であって、
前記表示部に表示されている表示情報の3D深度に応じて、その表示情報をユーザに正しく認識させるための複数の表示モードの中からいずれかの表示モードを指示する指示手段と、
この指示手段によって指示された表示モードに設定する設定手段と、
前記指示手段によっていずれかの表示モードが指示された場合に、指示された表示モードとは異なる表示モードでユーザに正しく認識される3D深度の表示情報が前記表示部に表示されているか否かを判別する判別手段と、
この判別手段によって表示されていると判別された場合に、当該表示されている表示情報に代わって所定の代替表示情報を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする端末装置。
【請求項10】
前記判別手段は、前記指示手段によって3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報をユーザに正しく認識させるための表示モードである2D用表示モードが指示された場合に、3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報が表示されているか否かを判別し、
前記表示制御手段は、前記判別手段によって表示されていると判別された場合に、3Dの表示情報に代わって所定の代替表示情報を表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項9記載の端末装置。
【請求項11】
前記判別手段は、前記指示手段によって3D深度がゼロ以外の表示情報である3Dの表示情報をユーザに正しく認識させるための表示モードである3D用表示モードが指示された場合に、3D深度がゼロの表示情報である2Dの表示情報が表示されているか否かを判別し、
前記表示制御手段は、前記判別手段によって表示されていると判別された場合に、2Dの表示情報に代わって所定の代替表示情報を表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項9記載の端末装置。
【請求項12】
コンピュータに対して、
3D深度が異なる複数の表示情報の中からいずれかの表示情報を表示部に表示するように指示する機能と、
前記いずれかの表示情報が指示された場合に、この指示された表示情報の3D深度とは異なる3D深度の表示情報が前記表示部に表示されているか否かを判別する機能と、
前記表示されていると判別された場合に、当該表示されている表示情報に代わって所定の代替表示情報を、前記指示された表示情報と共に前記表示部に表示する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータに対して、
表示部に表示されている表示情報の3D深度に応じて、その表示情報をユーザに正しく認識させるための複数の表示モードの中からいずれかの表示モードを指示する機能と、
前記指示された表示モードに設定する機能と、
前記いずれかの表示モードが指示された場合に、指示された表示モードとは異なる表示モードでユーザに正しく認識される3D深度の表示情報が前記表示部に表示されているか否かを判別する機能と、
前記表示されていると判別された場合に、当該表示されている表示情報に代わって所定の代替表示情報を前記表示部に表示する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−164608(P2010−164608A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4356(P2009−4356)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【特許番号】特許第4399677号(P4399677)
【特許公報発行日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】