竹繊維製造方法及び竹繊維製造装置
【課題】竹を乾燥させる必要がなく生竹を使用でき、簡単な構造で繊維長の長い竹繊維を容易且つ能率的に製造できるようにする。
【解決手段】長尺の割竹片7をその長手方向に送りながら、この割竹片7の送り方向に回転する解砕ドラム34の外周の解砕爪52により、割竹片7を解砕して竹繊維2を取り出す。その場合、回転ローラにより丸竹1を加圧して複数個の割竹片4に割る竹割工程5と、割竹片4を回転ローラにより加圧して偏平な板状にする偏平化工程8と、偏平な割竹片7を解砕ドラム34の解砕爪52により解砕して竹繊維2を取り出す解砕工程10とを経て行う。
【解決手段】長尺の割竹片7をその長手方向に送りながら、この割竹片7の送り方向に回転する解砕ドラム34の外周の解砕爪52により、割竹片7を解砕して竹繊維2を取り出す。その場合、回転ローラにより丸竹1を加圧して複数個の割竹片4に割る竹割工程5と、割竹片4を回転ローラにより加圧して偏平な板状にする偏平化工程8と、偏平な割竹片7を解砕ドラム34の解砕爪52により解砕して竹繊維2を取り出す解砕工程10とを経て行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竹から竹繊維を製造する際に使用する竹繊維製造方法及び竹繊維製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
竹繊維はセメント補強材、自動車内装材その他の用途に注目されている。竹から竹繊維を製造する竹繊維製造方法には、従来、蒸煮爆砕法、アルカリ処理法の他に、解繊機を使用して機械的に解繊する方法がある(特許文献1)。
【0003】
この竹繊維製造方法は、解繊細溝及び選別用スクリーンを有する固定外筒と、インペラを有する内筒とを備えた解繊機を使用し、竹を押し潰した状態の短冊状竹片を解繊機内に送り込み、解繊機の外筒の内周面に形成された軸方向の解繊細溝と、内筒の外周に設けられた軸方向のインペラとの間で短冊状竹片を圧壊して解繊し、所定の径まで解繊された竹繊維を選別用スクリーンで選別して取り出す方法を採っている。
【特許文献1】特開2000−71209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の解繊機を使用する竹繊維製造方法では、外筒内で内筒を回転させながら、外筒の解繊細溝と内筒のインペラとの間で竹片を圧壊して解繊するため、青竹では解繊ができないか、又は可能であっても能率が悪くなる欠点がある。そのため使用材料が青竹の場合には、蒸煮爆砕法、アルカリ処理法を使用する必要がある。
【0005】
また従来の解繊機では、外筒の解繊細溝と内筒のインペラとの間で竹片を圧壊して解繊すること、所定長さに切断して短冊状とした状態の竹片を解繊機に投入する必要があること、解繊細溝及び選別用スクリーンで目詰まりが発生し易いこと等から、乾燥竹を使用するにも拘わらず、解繊能率が悪く生産性に欠ける欠点がある。
【0006】
しかも竹繊維の長さが短冊状の竹片の長さによって決まるため、繊維長10mm程度が限度であり、それ以上の長い竹繊維を製造し難いという欠点もある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、竹を乾燥させる必要がなく生竹を使用できると共に、簡単な構造で繊維長の長い竹繊維を容易且つ能率的に製造できる竹繊維製造方法及び竹繊維製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る竹繊維製造方法は、長尺の割竹片をその長手方向に送りながら、該割竹片の送り方向に回転する解砕ドラムの外周の解砕爪により、前記割竹片を解砕して竹繊維を取り出すものである。その場合、回転ローラにより丸竹を加圧して複数個の割竹片に割る竹割工程と、前記割竹片を回転ローラにより加圧して偏平な板状にする偏平化工程と、偏平な割竹片を解砕ドラムの解砕爪により解砕して竹繊維を取り出す解砕工程とを含む方法でもよい。
【0009】
また本発明に係る竹繊維製造装置は、長尺の割竹片を挟持してその長手方向に送る送り手段と、該送り手段により送られる前記割竹片の送り方向に回転する解砕ドラムとを含む解砕装置を備え、前記解砕ドラムの外周に、前記割竹片を解砕する多数の解砕爪を備えたものである。
【0010】
前記解砕ドラムは、外周に前記解砕爪が一体に形成された解砕円板をその軸方向に多数備えたものでもよい。また前記解砕ドラムは、隣り合う前記解砕円板間に間隔保持円板を備えたものでもよい。更に前記解砕装置の前段に、回転ローラにより青竹を加圧して複数個の前記割竹片に割る第1プレス装置と、その前記割竹片を回転ローラにより加圧して偏平な板状にする第2プレス装置とを備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、竹を乾燥させる必要がなく生竹の使用が可能であり、しかも竹を蒸煮爆砕、アルカリ処理、煮沸処理する等の必要もなく簡単な構造で繊維長の長い竹繊維を容易且つ能率的に製造できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図13は本発明の第1の実施例を例示する。図1は竹繊維製造方法を示す。生の丸竹1から竹繊維2を製造する際には、図1に示すように、第1プレス装置3により丸竹1を径方向に加圧して複数個の割竹片4に割る竹割工程5と、その割竹片4を第2プレス装置6により加圧して偏平な板状の偏平割竹片7にする偏平化工程8と、偏平割竹片7を解砕装置9により解砕して竹繊維2を取り出す解砕工程10とを経て行う。
【0013】
第1プレス装置3は上下の回転ローラを構成する受けローラ14と加圧ローラ15とにより、生の長尺の丸竹1を長手方向に送りながら径方向に加圧して長尺の複数個の割竹片4に割るためのものである。
【0014】
受けローラ14と加圧ローラ15は、図2〜図4に示すように、左右の支持枠11に回転軸12,13を介して支持され、支持枠11に装着されたモータ等の駆動手段(図示省略)により伝動手段(図示省略)を介して丸竹1の送り方向(2図の矢印方向)に駆動されるようになっている。
【0015】
なお、受けローラ14、加圧ローラ15を支持する回転軸12,13は略水平方向の横軸であり、以下の説明においても略水平方向の軸心廻りに回転するものとする。
【0016】
下側の受けローラ14は丸竹1を送り方向に引き込んで割り易くなるように、その外周面に周方向及び軸方向に所定の間隔をおいて多数の突起16が設けられている。突起16の外周面側には、受けローラ14の軸方向と平行な突条17が周方向に多数形成されている。
【0017】
突起16は径方向の外側から見た場合、略同幅で周方向に長い矩形帯状(図5(A)参照)、又は周方向の両端側が徐々に狭くなる菱形状(図5(B)参照)等が適当であるが、その側面形状は受けローラ14と略同心状の円弧状になっている。矩形帯状の突起16の周方向の両端側には、傾斜面18が形成されている。
【0018】
上側の加圧ローラ15は可動軸受19を介して支持枠11に上下動自在に支持され、左右一対の付勢手段20により下側の受けローラ14側へと付勢されている。付勢手段20は例えばバネ21と、そのバネ圧を調整する調整ネジ22等から成り、加圧ローラ15の加圧力を任意に調整可能に構成されている。
【0019】
なお、突起16の外周面は粗面状でもよいし、平滑状でもよい。加圧ローラ15はその外周面が平滑状又は粗面状の円筒面状である。また突起16は受けローラ14側にのみ設けているが、加圧ローラ15側にのみ設けてもよいし、受けローラ14及び加圧ローラ15の両方に設けてもよい。
【0020】
第2プレス装置6は上下の回転ローラを構成する受けローラ23と加圧ローラ24とにより、割竹片4を長手方向に送りながら厚さ方向に加圧し圧壊して、その割竹片4を偏平な板状の偏平割竹片7にするためのものである。
【0021】
受けローラ23は図6〜図8に示すように前後方向に接近して一対配置されており、この一対の受けローラ23間の上側に加圧ローラ24が配置されている。そして、受けローラ23、加圧ローラ24は回転軸25、26を介して支持枠27に支持され、支持枠27に装着されたモータ等の駆動手段(図示省略)により伝動手段を介して割竹片4の送り方向(図6の矢印方向)に駆動されるようになっている。
【0022】
上側の加圧ローラ24は可動軸受28を介して支持枠27に上下動自在に支持されると共に、受けローラ23との隙間を適宜調整できるように、左右一対の調整手段29により支持枠27に対して上下調整可能になっている。調整手段29は支持枠27に上下方向に進退自在に螺合し且つ下端部が可動軸受28に回胴自在に係合する調整ネジ30を有し、この調整ネジ30を操作することにより可動軸受28が上下動するようになっている。
【0023】
解砕装置9は偏平割竹片7を所定速度で長手方向に送りながら、その先端側から順次偏平割竹片7を解砕して竹繊維2を取り出すためのものである。そして、この解砕装置9は、図9及び図10に示すように、ケーシング32内に送り手段33、解砕ドラム34、排出ローラ35及び案内台36を備え、その送り手段33、解砕ドラム34、排出ローラ35をケーシング32の外部に装着されたモータ等の駆動手段37〜39により図9の矢印方向に駆動するように構成されている。
【0024】
ケーシング32は左右一対の支持板40と、この支持板40間の上側に装着されたカバー41等を備え、割竹片4が入る入口42と、竹繊維2を排出する第1排出口43及び第2排出口44とを有する。送り手段33は偏平割竹片7をその長手方向に送るようにケーシング32の入口42側に設けられており、入口42の下側に配置された送りローラ45と、この送りローラ45の上側に配置された押えローラ46とを有し、送りローラ45と押えローラ46とにより、偏平割竹片7を上下両側から挟持して所定の送り速度で解砕ドラム34側へと長手方向に送るようになっている。
【0025】
送りローラ45は支持板40に回転軸47を介して支持され、その端部側で支持板40に装着された駆動手段37により図9の矢印方向に駆動される。押えローラ46は支持軸48廻りに遊転自在であり、また支持軸48は各支持板40の案内部49に上下動自在に挿通され、左右一対の付勢手段50により送りローラ45側に付勢されている。
【0026】
付勢手段50はバネ式、流体圧式等であって、支持板40と支持軸48との間に設けられ、所定の力で偏平割竹片7を挟持するように押えローラ46を送りローラ45側へと加圧する。
【0027】
解砕ドラム34は送り手段33の下手側に近接して配置され、回転軸51を介して支持板40に回転自在に支持されている。そして、この解砕ドラム34は、駆動手段38の駆動により偏平割竹片7の送り速度よりも早い周速でその送り方向に高速回転して、周方向及び軸方向に所定の間隔をおいて配置された外周側の多数の解砕爪52により、送りローラ45から案内台36の下手側に至るまでの区間でその下側を通過する偏平割竹片7を順次解砕して竹繊維2を取り出すようになっている。
【0028】
なお、解砕ドラム34は送りローラ45よりも大径であって、入口42から供給される偏平割竹片7の供給方向が解砕ドラム34の中心よりも下側となり、しかも解砕ドラム34の回転により偏平割竹片7を送りローラ45から下側へと屈曲させるように、偏平割竹片7の供給方向の線分よりも上側で回転軸51により支持されている。
【0029】
第1排出口43は解砕ドラム34の後ろ下方側に後方向きに開口して設けられ、解砕ドラム34の回転により送られる竹繊維2を後方へと排出するようになっている。第2排出口44は送りローラ45とその下側の排出ローラ35との間に前向きに設けられ、竹繊維2を前方へと排出するようになっている。排出ローラ35は支持板40に回転軸51を介して支持され、支持板40に装着された駆動手段39の駆動により送りローラ45と逆方向(図9の矢印方向)に回転して、送りローラ45に連れ廻される繊維粉、短繊維等の竹繊維2を送りローラ45から分離するようになっている。
【0030】
案内台36はケーシング32内で解砕ドラム34と送りローラ45と排出ローラ35との間に配置されると共に、解砕ドラム34、送りローラ45、排出ローラ35に所定の間隙をおいて近接する円弧状の案内部54〜56を有し、その案内部54〜56で偏平割竹片7、竹繊維2等を夫々案内する。
【0031】
カバー41は解砕ドラム34の外周に沿って円弧状に設けられている。ケーシング32内には、カバー41の第1排出口43側の端部にスクレーパ部58が設けられ、このスクレーパ部58により、解砕ドラム34に連れ廻される竹繊維2を第1排出口43側へと掻き落とすようになっている。
【0032】
解砕ドラム34は図11及び図12に示すように、軸方向の両端に設けられた支持円板59,60と、支持円板59,60間に軸方向に交互に配置された薄板製の多数枚(複数枚)の解砕円板62及び間隔保持円板63とを備え、これらの各円板59,60,62,63が周方向に複数個(例えば4個)のボルト等の締結手段74により軸方向に着脱自在に締結されている。なお、解砕円板62、間隔保持円板63及び支持円板59,60は外周が略同径の円形状である。
【0033】
各解砕円板62には、径方向の外方に突出する複数個(例えば12個)の解砕爪52が周方向に略等間隔をおいて一体に設けられている。2個の支持円板59,60の内、その一方の支持円板59は回転軸51に固定されると共に、その回転軸51と略同心状に支持筒体57を有し、この支持筒体57に解砕円板62及び間隔保持円板63が着脱自在に軸方向に交互に套嵌されている。他方の支持円板60は回転軸51、支持筒体57に着脱自在に嵌合している。
【0034】
解砕円板62には、締結手段74の2倍の取り付け孔64が周方向に等間隔をおいて形成されている。また支持円板59,60、間隔保持円板63には締結手段74と同数の取り付け孔65が周方向に等間隔をおいて形成されている。そして、各解砕円板62は、軸方向に隣り合う解砕円板62相互で締結手段74が挿通される取り付け孔64の位置を変えながら、隣り合う解砕円板62相互の解砕爪52の周方向のピッチが単体の解砕円板62の解砕爪52のピッチの1/2となるように組み立てられている。なお、各解砕爪52は、解砕ドラム34の全体で見た場合、複数の螺旋上に所定の間隔で位置するように配列されている。
【0035】
各解砕爪52は、図13に示すように略径方向の外方へと起立する起立部66を回転方向の前側に、この起立部66の先端から解砕円板62の外周側へと傾斜する傾斜部67を回転方向の後側に備えた側面視略三角形状であり、しかもその起立部66と傾斜部67との間に、幅方向の中央が径方向の外方に突出する周方向の正面視略三角形状の先端部68を有する。
【0036】
即ち、図13(A−1)(A−2)の解砕爪52は、起立部66が解砕円板62の軸方向に略並行な起立面66aであり、傾斜部67が傾斜面67aになっている。そして、先端部68は幅方向の略中央に形成された周方向の稜線部68aと、その両側の傾斜面68bとにより略三角形状に構成されている。
【0037】
図13(B−1)(B−2)の解砕爪52は、起立部66が幅方向の略中央に形成された突出方向の稜線部66bと、この稜線部66bの両側に形成された傾斜面66cとにより、回転方向の前側に突出する略三角形状であり、この起立部66と先端部68との間に、その稜線部68a,66bを結ぶ稜線部69aと、この稜線部69aの両側に形成された傾斜面69bとからなる略三角形状の先端前部69が設けられている。
【0038】
図13(C−1)(C−2)の解砕爪52は、幅方向の中央側が回転方向の前側へと略円弧面状に突出する起立部66を備え、この起立部66と先端部68との間に半円錐面状の先端前部69が設けられている。
【0039】
生の丸竹1から竹繊維2を製造する場合には、先ず竹割工程5で図2〜図4に示すように第1プレス装置3の受けローラ14と加圧ローラ15との間に丸竹1を長手方向の一端側から挿入する。そして、第1プレス装置3により長手方向に送りながら加圧して、丸竹1を2〜4個程度の断面円弧状等の割竹片4となるように割る。
【0040】
このとき受けローラ14の外周に複数個の突起16があるため、丸竹1の外周が滑り易いにも拘わらず、突起16により丸竹1を捉えて長手方向へと確実に送ることができ、しかも突起16の食い込みによって丸竹1を容易に割ることができる。
【0041】
次の偏平化工程8では、図6〜図8に示すように各割竹片4を幅方向に並べた状態で第2プレス装置6に通す。そして、受けローラ23と加圧ローラ24とにより挟んで長手方向に送りながら、割竹片4を厚さ方向の両側から加圧し圧壊して偏平な板状の偏平割竹片7とする。これによって割竹片4の節の部分の突出部4aを圧壊できると共に、断面形状が円弧状から偏平な平板状となり、厚さを略一定に揃えることができる。
【0042】
即ち、第1プレス装置3を通過した割竹片4は断面形状が円弧状である上に、丸竹1の周方向の割数によってその幅が大きく異なり、各割竹片4毎に全体としての厚さに大きなバラツキがある。しかも、節に対応する部分には、厚さ方向の両側に突出部4aが残っている。
【0043】
しかし、割竹片4を偏平化工程8で加圧し圧壊して偏平化することによって、割竹片4の突出部4aを除去できると同時にその組織の一部を破壊でき、各割竹片4相互の厚さのバラツキが少なくなり、略一定厚さに揃えることができる。このため次の解砕工程10で解砕装置9により解砕する際の解砕効率が向上し、能率的に偏平割竹片7を解砕して竹繊維2を取り出すことができる。
【0044】
解砕工程10では、図9〜図11に示すように偏平割竹片7を幅方向に並べ、しかも固い表皮が解砕ドラム34に対応すべく表皮側を上に向けた状態で解砕装置9の入口42へと長手方向に挿入する。そして、送り手段33の送りローラ45と押えローラ46とにより、その偏平割竹片7を上下両側から厚さ方向に挟んで保持し、その状態で長手方向へと所定の送り速度で送る。
【0045】
次に偏平割竹片7を送りながら、その下手側で高速回転する解砕ドラム34の解砕爪52により、偏平割竹片7を先端側から順次解砕して竹繊維2を取り出す。この場合、入口42から供給された偏平割竹片7の先端が解砕ドラム34に接触すると、送りローラ45から解砕ドラム34側の偏平割竹片7は、解砕ドラム34の回転により下側へと屈曲して案内台36の案内部54と解砕ドラム34との間を移動する。
【0046】
そして、送りローラ45から下手側に進入した偏平割竹片7は、送りローラ45側から案内部54を経てその後端側に到達するまでの間に、高速回転する解砕ドラム34の多数の解砕爪52により順次細かく解砕されて、竹繊維2として後方の第1排出口43から排出されて行く。
【0047】
偏平割竹片7の解砕時には、高速回転する解砕ドラム34の解砕爪52により、その解砕爪52と偏平割竹片7の送り速度との相対速度差によって解砕ドラム34に近い表面側から順次細かく解砕する。このとき偏平割竹片7の高密度の固い部分は長尺の竹繊維2となり、固い部分の周辺の比較的柔らかい部分は短い竹繊維2、細い糸状の竹繊維2等となる。そして、長尺の竹繊維2と、多くの短い竹繊維2及び細い糸状の竹繊維2は、解砕ドラム34の回転に伴って案内部54に沿って第1排出口43側へと案内され、第1排出口43から後方に排出される。
【0048】
また送り手段33の送りローラ45の近傍できた一部の短い糸状の竹繊維2等は、送りローラ45の回転により案内部55に沿って第2排出口44へと案内され、送りローラ45と排出ローラ35との間の第2排出口44から前側の容器53へと排出されて行く。このとき第2排出口44には、送りローラ45に近接した状態で送りローラ45と略同程度又はそれよりも早い周速で逆方向に回転する排出ローラ35があるため、この排出ローラ35の回転によって送りローラ45から竹繊維2を容易に分離でき、その竹繊維2を第2排出口44から確実に排出することができる。
【0049】
このように解砕装置9において、送り手段33により長尺の偏平割竹片7を把持して長手方向に所定の速度で送りながら、その送り速度よりも速い周速で偏平割竹片7の長手方向に高速回転する解砕ドラム34の解砕爪52によって偏平割竹片7を細かく解砕して竹繊維2を取り出す。従って、従来のように解砕前に竹を乾燥させる必要がなくなり、生竹を使用しながら竹繊維2を容易に製造できると共に、最大長さが偏平割竹片7の長さに近い竹繊維2を製造できる可能性がある等、繊維長の長い竹繊維2を容易且つ能率的に製造できる。
【0050】
また解砕時に解砕ドラム34を偏平割竹片7の送り速度よりも速い周速で高速回転させればよく、解砕装置9自体の構造も簡単にできる。しかもスクリーン等を使用する場合のように解砕装置9内での目詰まり等の惧れもなく、容易に解砕できる生竹の使用が可能であることと相俟って、竹繊維2の製造能率を容易にアップさせることができる。
【0051】
更に第1プレス装置3による竹割工程5で丸竹1を複数個の割竹片4に割った後、第2プレス装置6による偏平化工程8でその割竹片4を偏平化して偏平割竹片7とするため、その加圧時に割竹片4の一部の組織が崩れると共に、割竹片4の厚さが略一定することになり、解砕装置9において解砕爪52により偏平割竹片4を容易に解砕でき、解砕時の負荷も極力軽減できる。
【0052】
解砕ドラム34は、間隔保持円板63を介して多数の解砕円板62を軸方向に配置し、その解砕円板62の外周に解砕爪52を一体に形成しているため、解砕爪52の形状を比較的自在に決定できるだけでなく、解砕ドラム34の外周に針状等の解砕爪52を別途固定する場合に比較して、解砕爪52の損傷を容易に防止できる。また仮に解砕爪52が損傷した場合には、その損傷した解砕爪52を有する解砕円板62を交換すればよく、修理も容易に行うことができる。
【0053】
図14及び図15は本発明の第2の実施例を示す。解砕円板62は図14に示すように2個の解砕爪52と4個の取り付け孔64とを周方向に略等配に備えている。この場合には、図15に示すように軸方向に隣り合う各解砕円板62相互の解砕爪52が周方向に90度ピッチで配列するように、解砕ドラム34を組み立てることができる。
【0054】
図16及び図17は本発明の第3の実施例を示す。解砕円板62は図16に示すように4個の解砕爪52と8個の取り付け孔64とを周方向に略等配に備えている。この場合には、図17に示すように軸方向に隣り合う各解砕円板62相互の解砕爪52が周方向に45度ピッチで配列するように、解砕ドラム34を組み立てることができる。
【0055】
図18(A)(B)は本発明の第4の実施例を示す。この実施例では、回転軸51に対して解砕円板62を若干斜めに装着して、解砕爪52による解砕時に、竹繊維2をさばくさばき作用を持たせるようにしている。解砕ドラム34の両端の支持円板59,60の内面側は、偏平割竹片7の送り方向に対して角度α1で若干傾斜し且つ互いに並行な傾斜面59a,60aとなっており、この傾斜面59a,60a間に多数枚の解砕円板62及び間隔保持円板63が介在され、回転軸51と略並行な締結手段74により、各円板59,60,62,63が締結されている。解砕円板62は、各実施例に例示のものと同じである。
【0056】
このようにすれば、解砕円板62の解砕爪52が偏平割竹片7の送り方向に対して角度α1で傾斜した状態で回転軸51廻りに回転するため、この解砕爪52の傾斜によって、偏平割竹片7の解砕時に竹繊維2をさばくことができる。従って、多量に水分を含む竹、粘りのある竹等であっても、竹繊維2の千切れを極力少なくしながら容易に解砕することができる。
【0057】
図19(A)(B)は本発明の第5の実施例を示す。この実施例では、解砕円板62の外周の解砕爪52は、その少なくとも起立部66の起立面66aが解砕円板62の軸心(回転軸51の軸心)に対して角度α2だけ傾斜している。そして、各解砕爪52でその起立部66の傾斜方向が交互に逆向きになるようにしている。この場合にも、図18の場合と同様に竹繊維2のさばき効果を得ることができる。
【0058】
図20(A)(B)は本発明の第6の実施例を示す。この実施例では、解砕円板62の外周の各解砕爪52は、その少なくとも起立部66側が解砕円板62の軸心(回転軸51の軸心)に対して角度α2だけ同一方向に傾斜している。そして、図20(A)の場合には、その解砕円板62を回転軸51に軸心方向に多数枚配置している。また図20(B)の場合には、起立部66の傾斜方向が逆向きの解砕円板62を2種類準備し、その2種類の解砕円板62を回転軸51の軸心方向に交互に配置している。このようにしても、同様に竹繊維2のさばき効果を得ることができる。
【0059】
図21は本発明の第7の実施例を示す。この実施例では、共通の機枠73に第1プレス装置3、第2プレス装置6、解砕装置9、及びこれらを直列状に接続する搬送手段70〜72が設けられている。そして、第1プレス装置3の上手側の搬送手段70から丸竹1を供給すれば、第1プレス装置3、第2プレス装置6及び解砕装置9が前述と同様の処理を順次行い、最後の第1排出口43、第2排出口44から夫々竹繊維2を取り出せるようになっている。
【0060】
なお、第1プレス装置3での竹割工程5で丸竹1を複数個の割竹片4に割った場合、その一部が上下に重なる等、各割竹片4が横方向の一部分に集中することになるため、第1プレス装置3と第2プレス装置6との間の搬送手段71の途中等の適当箇所に、その集中する割竹片4を横方向に分散させる分散装置(図示省略)が設けられている。この分散装置は、横方向の逆向きに回動するチェーンその他の回動体で構成するか、又は各割竹片4を横方向に分散させる機能を有するガイド部材で構成すればよい。
【0061】
このようにして構成すれば、丸竹1から竹繊維2を取り出すまでの一連の作業を自動的に行うことができ、作業能率が更に向上する。
【0062】
以上、本発明の各実施例について詳述したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施例では、解砕円板62の外周の解砕爪52が周方向に12個、2個、4個の場合を例示しているが、1個又は2個以上の偶数又は奇数でもよい。また軸方向に隣り合う各解砕円板62相互の解砕爪52は、千鳥状に配置してもよい。
【0063】
解砕爪52は解砕円板62に一体に形成するのが望ましいが、円筒状、又は多角筒状の解砕ドラム34の外周に針状その他の突起16を設けて構成してもよい。解砕円板62に解砕爪52を一体に形成する場合にも、その解砕爪52は実施例に例示する以外の形状、構造を採用してもよい。
【0064】
送り手段33と解砕ドラム34は、偏平割竹片7の終端部分を解砕ドラム34で解砕するときにも、その偏平割竹片7の終端を保持できるように、両者を極力近接して配置することが望ましい。送り手段33は回転ローラで構成する以外に、ベルト等で構成してもよい。
【0065】
また実施例では、生の丸竹1を使用する場合について説明したが、乾燥した丸竹1を使用してもよい。また丸竹1を複数個に割った長尺の割竹片4を使用する場合には、当然第1プレス装置3、竹割工程5を省略可能である。更に竹割工程5での割数が多くて各割竹片4の幅が狭い場合には、第2プレス装置6、偏平化工程8を省略することも可能である。竹割工程5では丸竹1を複数個の割竹片4に割ることができれば十分であり、第1プレス装置3以外の装置を使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施例に係る竹繊維製造工程の工程図である。
【図2】同第1プレス装置の断面図である。
【図3】同第1プレス装置の一部破断平面図である。
【図4】同第1プレス装置の斜視図である。
【図5】(A)(B)は同受けローラの要部の拡大斜視図である。
【図6】同第2プレス装置の断面図である。
【図7】同第2プレス装置の受けローラ側の平面図である。
【図8】同第2プレス装置の斜視図である。
【図9】同解砕装置の断面図である。
【図10】同解砕装置の斜視図である。
【図11】同解砕ドラムの一部切欠き平面図である。
【図12】同解砕円板の斜視図である。
【図13】(A−1)〜(C−1)は同解砕爪の斜視図、(A−2)〜(C−2)は同解砕爪の平面図である。
【図14】本発明の第2の実施例を示す解砕円板の斜視図である。
【図15】同解砕ドラムの一部切欠き平面図である。
【図16】本発明の第3の実施例を示す解砕円板の斜視図である。
【図17】同解砕ドラムの一部切欠き平面図である。
【図18】(A)は本発明の第4の実施例を示す解砕ドラムの一部切欠き平面図、(B)はその説明図である。
【図19】(A)は本発明の第5の実施例を示す解砕円板の平面図、(B)はその正面図である。
【図20】(A)(B)は本発明の第6の実施例を示す解砕円板の平面図である。
【図21】本発明の第7の実施例を示す竹繊維製造装置の正面図である。
【符号の説明】
【0067】
2 竹繊維
3 第1プレス装置
4 割竹片
5 竹割工程
6 第2プレス装置
7 偏平割竹片
8 偏平化工程
9 解砕装置
10 解砕工程
33 送り手段
34 解砕ドラム
52 解砕爪
62 解砕円板
63 間隔保持円板
【技術分野】
【0001】
本発明は、竹から竹繊維を製造する際に使用する竹繊維製造方法及び竹繊維製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
竹繊維はセメント補強材、自動車内装材その他の用途に注目されている。竹から竹繊維を製造する竹繊維製造方法には、従来、蒸煮爆砕法、アルカリ処理法の他に、解繊機を使用して機械的に解繊する方法がある(特許文献1)。
【0003】
この竹繊維製造方法は、解繊細溝及び選別用スクリーンを有する固定外筒と、インペラを有する内筒とを備えた解繊機を使用し、竹を押し潰した状態の短冊状竹片を解繊機内に送り込み、解繊機の外筒の内周面に形成された軸方向の解繊細溝と、内筒の外周に設けられた軸方向のインペラとの間で短冊状竹片を圧壊して解繊し、所定の径まで解繊された竹繊維を選別用スクリーンで選別して取り出す方法を採っている。
【特許文献1】特開2000−71209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の解繊機を使用する竹繊維製造方法では、外筒内で内筒を回転させながら、外筒の解繊細溝と内筒のインペラとの間で竹片を圧壊して解繊するため、青竹では解繊ができないか、又は可能であっても能率が悪くなる欠点がある。そのため使用材料が青竹の場合には、蒸煮爆砕法、アルカリ処理法を使用する必要がある。
【0005】
また従来の解繊機では、外筒の解繊細溝と内筒のインペラとの間で竹片を圧壊して解繊すること、所定長さに切断して短冊状とした状態の竹片を解繊機に投入する必要があること、解繊細溝及び選別用スクリーンで目詰まりが発生し易いこと等から、乾燥竹を使用するにも拘わらず、解繊能率が悪く生産性に欠ける欠点がある。
【0006】
しかも竹繊維の長さが短冊状の竹片の長さによって決まるため、繊維長10mm程度が限度であり、それ以上の長い竹繊維を製造し難いという欠点もある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、竹を乾燥させる必要がなく生竹を使用できると共に、簡単な構造で繊維長の長い竹繊維を容易且つ能率的に製造できる竹繊維製造方法及び竹繊維製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る竹繊維製造方法は、長尺の割竹片をその長手方向に送りながら、該割竹片の送り方向に回転する解砕ドラムの外周の解砕爪により、前記割竹片を解砕して竹繊維を取り出すものである。その場合、回転ローラにより丸竹を加圧して複数個の割竹片に割る竹割工程と、前記割竹片を回転ローラにより加圧して偏平な板状にする偏平化工程と、偏平な割竹片を解砕ドラムの解砕爪により解砕して竹繊維を取り出す解砕工程とを含む方法でもよい。
【0009】
また本発明に係る竹繊維製造装置は、長尺の割竹片を挟持してその長手方向に送る送り手段と、該送り手段により送られる前記割竹片の送り方向に回転する解砕ドラムとを含む解砕装置を備え、前記解砕ドラムの外周に、前記割竹片を解砕する多数の解砕爪を備えたものである。
【0010】
前記解砕ドラムは、外周に前記解砕爪が一体に形成された解砕円板をその軸方向に多数備えたものでもよい。また前記解砕ドラムは、隣り合う前記解砕円板間に間隔保持円板を備えたものでもよい。更に前記解砕装置の前段に、回転ローラにより青竹を加圧して複数個の前記割竹片に割る第1プレス装置と、その前記割竹片を回転ローラにより加圧して偏平な板状にする第2プレス装置とを備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、竹を乾燥させる必要がなく生竹の使用が可能であり、しかも竹を蒸煮爆砕、アルカリ処理、煮沸処理する等の必要もなく簡単な構造で繊維長の長い竹繊維を容易且つ能率的に製造できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図13は本発明の第1の実施例を例示する。図1は竹繊維製造方法を示す。生の丸竹1から竹繊維2を製造する際には、図1に示すように、第1プレス装置3により丸竹1を径方向に加圧して複数個の割竹片4に割る竹割工程5と、その割竹片4を第2プレス装置6により加圧して偏平な板状の偏平割竹片7にする偏平化工程8と、偏平割竹片7を解砕装置9により解砕して竹繊維2を取り出す解砕工程10とを経て行う。
【0013】
第1プレス装置3は上下の回転ローラを構成する受けローラ14と加圧ローラ15とにより、生の長尺の丸竹1を長手方向に送りながら径方向に加圧して長尺の複数個の割竹片4に割るためのものである。
【0014】
受けローラ14と加圧ローラ15は、図2〜図4に示すように、左右の支持枠11に回転軸12,13を介して支持され、支持枠11に装着されたモータ等の駆動手段(図示省略)により伝動手段(図示省略)を介して丸竹1の送り方向(2図の矢印方向)に駆動されるようになっている。
【0015】
なお、受けローラ14、加圧ローラ15を支持する回転軸12,13は略水平方向の横軸であり、以下の説明においても略水平方向の軸心廻りに回転するものとする。
【0016】
下側の受けローラ14は丸竹1を送り方向に引き込んで割り易くなるように、その外周面に周方向及び軸方向に所定の間隔をおいて多数の突起16が設けられている。突起16の外周面側には、受けローラ14の軸方向と平行な突条17が周方向に多数形成されている。
【0017】
突起16は径方向の外側から見た場合、略同幅で周方向に長い矩形帯状(図5(A)参照)、又は周方向の両端側が徐々に狭くなる菱形状(図5(B)参照)等が適当であるが、その側面形状は受けローラ14と略同心状の円弧状になっている。矩形帯状の突起16の周方向の両端側には、傾斜面18が形成されている。
【0018】
上側の加圧ローラ15は可動軸受19を介して支持枠11に上下動自在に支持され、左右一対の付勢手段20により下側の受けローラ14側へと付勢されている。付勢手段20は例えばバネ21と、そのバネ圧を調整する調整ネジ22等から成り、加圧ローラ15の加圧力を任意に調整可能に構成されている。
【0019】
なお、突起16の外周面は粗面状でもよいし、平滑状でもよい。加圧ローラ15はその外周面が平滑状又は粗面状の円筒面状である。また突起16は受けローラ14側にのみ設けているが、加圧ローラ15側にのみ設けてもよいし、受けローラ14及び加圧ローラ15の両方に設けてもよい。
【0020】
第2プレス装置6は上下の回転ローラを構成する受けローラ23と加圧ローラ24とにより、割竹片4を長手方向に送りながら厚さ方向に加圧し圧壊して、その割竹片4を偏平な板状の偏平割竹片7にするためのものである。
【0021】
受けローラ23は図6〜図8に示すように前後方向に接近して一対配置されており、この一対の受けローラ23間の上側に加圧ローラ24が配置されている。そして、受けローラ23、加圧ローラ24は回転軸25、26を介して支持枠27に支持され、支持枠27に装着されたモータ等の駆動手段(図示省略)により伝動手段を介して割竹片4の送り方向(図6の矢印方向)に駆動されるようになっている。
【0022】
上側の加圧ローラ24は可動軸受28を介して支持枠27に上下動自在に支持されると共に、受けローラ23との隙間を適宜調整できるように、左右一対の調整手段29により支持枠27に対して上下調整可能になっている。調整手段29は支持枠27に上下方向に進退自在に螺合し且つ下端部が可動軸受28に回胴自在に係合する調整ネジ30を有し、この調整ネジ30を操作することにより可動軸受28が上下動するようになっている。
【0023】
解砕装置9は偏平割竹片7を所定速度で長手方向に送りながら、その先端側から順次偏平割竹片7を解砕して竹繊維2を取り出すためのものである。そして、この解砕装置9は、図9及び図10に示すように、ケーシング32内に送り手段33、解砕ドラム34、排出ローラ35及び案内台36を備え、その送り手段33、解砕ドラム34、排出ローラ35をケーシング32の外部に装着されたモータ等の駆動手段37〜39により図9の矢印方向に駆動するように構成されている。
【0024】
ケーシング32は左右一対の支持板40と、この支持板40間の上側に装着されたカバー41等を備え、割竹片4が入る入口42と、竹繊維2を排出する第1排出口43及び第2排出口44とを有する。送り手段33は偏平割竹片7をその長手方向に送るようにケーシング32の入口42側に設けられており、入口42の下側に配置された送りローラ45と、この送りローラ45の上側に配置された押えローラ46とを有し、送りローラ45と押えローラ46とにより、偏平割竹片7を上下両側から挟持して所定の送り速度で解砕ドラム34側へと長手方向に送るようになっている。
【0025】
送りローラ45は支持板40に回転軸47を介して支持され、その端部側で支持板40に装着された駆動手段37により図9の矢印方向に駆動される。押えローラ46は支持軸48廻りに遊転自在であり、また支持軸48は各支持板40の案内部49に上下動自在に挿通され、左右一対の付勢手段50により送りローラ45側に付勢されている。
【0026】
付勢手段50はバネ式、流体圧式等であって、支持板40と支持軸48との間に設けられ、所定の力で偏平割竹片7を挟持するように押えローラ46を送りローラ45側へと加圧する。
【0027】
解砕ドラム34は送り手段33の下手側に近接して配置され、回転軸51を介して支持板40に回転自在に支持されている。そして、この解砕ドラム34は、駆動手段38の駆動により偏平割竹片7の送り速度よりも早い周速でその送り方向に高速回転して、周方向及び軸方向に所定の間隔をおいて配置された外周側の多数の解砕爪52により、送りローラ45から案内台36の下手側に至るまでの区間でその下側を通過する偏平割竹片7を順次解砕して竹繊維2を取り出すようになっている。
【0028】
なお、解砕ドラム34は送りローラ45よりも大径であって、入口42から供給される偏平割竹片7の供給方向が解砕ドラム34の中心よりも下側となり、しかも解砕ドラム34の回転により偏平割竹片7を送りローラ45から下側へと屈曲させるように、偏平割竹片7の供給方向の線分よりも上側で回転軸51により支持されている。
【0029】
第1排出口43は解砕ドラム34の後ろ下方側に後方向きに開口して設けられ、解砕ドラム34の回転により送られる竹繊維2を後方へと排出するようになっている。第2排出口44は送りローラ45とその下側の排出ローラ35との間に前向きに設けられ、竹繊維2を前方へと排出するようになっている。排出ローラ35は支持板40に回転軸51を介して支持され、支持板40に装着された駆動手段39の駆動により送りローラ45と逆方向(図9の矢印方向)に回転して、送りローラ45に連れ廻される繊維粉、短繊維等の竹繊維2を送りローラ45から分離するようになっている。
【0030】
案内台36はケーシング32内で解砕ドラム34と送りローラ45と排出ローラ35との間に配置されると共に、解砕ドラム34、送りローラ45、排出ローラ35に所定の間隙をおいて近接する円弧状の案内部54〜56を有し、その案内部54〜56で偏平割竹片7、竹繊維2等を夫々案内する。
【0031】
カバー41は解砕ドラム34の外周に沿って円弧状に設けられている。ケーシング32内には、カバー41の第1排出口43側の端部にスクレーパ部58が設けられ、このスクレーパ部58により、解砕ドラム34に連れ廻される竹繊維2を第1排出口43側へと掻き落とすようになっている。
【0032】
解砕ドラム34は図11及び図12に示すように、軸方向の両端に設けられた支持円板59,60と、支持円板59,60間に軸方向に交互に配置された薄板製の多数枚(複数枚)の解砕円板62及び間隔保持円板63とを備え、これらの各円板59,60,62,63が周方向に複数個(例えば4個)のボルト等の締結手段74により軸方向に着脱自在に締結されている。なお、解砕円板62、間隔保持円板63及び支持円板59,60は外周が略同径の円形状である。
【0033】
各解砕円板62には、径方向の外方に突出する複数個(例えば12個)の解砕爪52が周方向に略等間隔をおいて一体に設けられている。2個の支持円板59,60の内、その一方の支持円板59は回転軸51に固定されると共に、その回転軸51と略同心状に支持筒体57を有し、この支持筒体57に解砕円板62及び間隔保持円板63が着脱自在に軸方向に交互に套嵌されている。他方の支持円板60は回転軸51、支持筒体57に着脱自在に嵌合している。
【0034】
解砕円板62には、締結手段74の2倍の取り付け孔64が周方向に等間隔をおいて形成されている。また支持円板59,60、間隔保持円板63には締結手段74と同数の取り付け孔65が周方向に等間隔をおいて形成されている。そして、各解砕円板62は、軸方向に隣り合う解砕円板62相互で締結手段74が挿通される取り付け孔64の位置を変えながら、隣り合う解砕円板62相互の解砕爪52の周方向のピッチが単体の解砕円板62の解砕爪52のピッチの1/2となるように組み立てられている。なお、各解砕爪52は、解砕ドラム34の全体で見た場合、複数の螺旋上に所定の間隔で位置するように配列されている。
【0035】
各解砕爪52は、図13に示すように略径方向の外方へと起立する起立部66を回転方向の前側に、この起立部66の先端から解砕円板62の外周側へと傾斜する傾斜部67を回転方向の後側に備えた側面視略三角形状であり、しかもその起立部66と傾斜部67との間に、幅方向の中央が径方向の外方に突出する周方向の正面視略三角形状の先端部68を有する。
【0036】
即ち、図13(A−1)(A−2)の解砕爪52は、起立部66が解砕円板62の軸方向に略並行な起立面66aであり、傾斜部67が傾斜面67aになっている。そして、先端部68は幅方向の略中央に形成された周方向の稜線部68aと、その両側の傾斜面68bとにより略三角形状に構成されている。
【0037】
図13(B−1)(B−2)の解砕爪52は、起立部66が幅方向の略中央に形成された突出方向の稜線部66bと、この稜線部66bの両側に形成された傾斜面66cとにより、回転方向の前側に突出する略三角形状であり、この起立部66と先端部68との間に、その稜線部68a,66bを結ぶ稜線部69aと、この稜線部69aの両側に形成された傾斜面69bとからなる略三角形状の先端前部69が設けられている。
【0038】
図13(C−1)(C−2)の解砕爪52は、幅方向の中央側が回転方向の前側へと略円弧面状に突出する起立部66を備え、この起立部66と先端部68との間に半円錐面状の先端前部69が設けられている。
【0039】
生の丸竹1から竹繊維2を製造する場合には、先ず竹割工程5で図2〜図4に示すように第1プレス装置3の受けローラ14と加圧ローラ15との間に丸竹1を長手方向の一端側から挿入する。そして、第1プレス装置3により長手方向に送りながら加圧して、丸竹1を2〜4個程度の断面円弧状等の割竹片4となるように割る。
【0040】
このとき受けローラ14の外周に複数個の突起16があるため、丸竹1の外周が滑り易いにも拘わらず、突起16により丸竹1を捉えて長手方向へと確実に送ることができ、しかも突起16の食い込みによって丸竹1を容易に割ることができる。
【0041】
次の偏平化工程8では、図6〜図8に示すように各割竹片4を幅方向に並べた状態で第2プレス装置6に通す。そして、受けローラ23と加圧ローラ24とにより挟んで長手方向に送りながら、割竹片4を厚さ方向の両側から加圧し圧壊して偏平な板状の偏平割竹片7とする。これによって割竹片4の節の部分の突出部4aを圧壊できると共に、断面形状が円弧状から偏平な平板状となり、厚さを略一定に揃えることができる。
【0042】
即ち、第1プレス装置3を通過した割竹片4は断面形状が円弧状である上に、丸竹1の周方向の割数によってその幅が大きく異なり、各割竹片4毎に全体としての厚さに大きなバラツキがある。しかも、節に対応する部分には、厚さ方向の両側に突出部4aが残っている。
【0043】
しかし、割竹片4を偏平化工程8で加圧し圧壊して偏平化することによって、割竹片4の突出部4aを除去できると同時にその組織の一部を破壊でき、各割竹片4相互の厚さのバラツキが少なくなり、略一定厚さに揃えることができる。このため次の解砕工程10で解砕装置9により解砕する際の解砕効率が向上し、能率的に偏平割竹片7を解砕して竹繊維2を取り出すことができる。
【0044】
解砕工程10では、図9〜図11に示すように偏平割竹片7を幅方向に並べ、しかも固い表皮が解砕ドラム34に対応すべく表皮側を上に向けた状態で解砕装置9の入口42へと長手方向に挿入する。そして、送り手段33の送りローラ45と押えローラ46とにより、その偏平割竹片7を上下両側から厚さ方向に挟んで保持し、その状態で長手方向へと所定の送り速度で送る。
【0045】
次に偏平割竹片7を送りながら、その下手側で高速回転する解砕ドラム34の解砕爪52により、偏平割竹片7を先端側から順次解砕して竹繊維2を取り出す。この場合、入口42から供給された偏平割竹片7の先端が解砕ドラム34に接触すると、送りローラ45から解砕ドラム34側の偏平割竹片7は、解砕ドラム34の回転により下側へと屈曲して案内台36の案内部54と解砕ドラム34との間を移動する。
【0046】
そして、送りローラ45から下手側に進入した偏平割竹片7は、送りローラ45側から案内部54を経てその後端側に到達するまでの間に、高速回転する解砕ドラム34の多数の解砕爪52により順次細かく解砕されて、竹繊維2として後方の第1排出口43から排出されて行く。
【0047】
偏平割竹片7の解砕時には、高速回転する解砕ドラム34の解砕爪52により、その解砕爪52と偏平割竹片7の送り速度との相対速度差によって解砕ドラム34に近い表面側から順次細かく解砕する。このとき偏平割竹片7の高密度の固い部分は長尺の竹繊維2となり、固い部分の周辺の比較的柔らかい部分は短い竹繊維2、細い糸状の竹繊維2等となる。そして、長尺の竹繊維2と、多くの短い竹繊維2及び細い糸状の竹繊維2は、解砕ドラム34の回転に伴って案内部54に沿って第1排出口43側へと案内され、第1排出口43から後方に排出される。
【0048】
また送り手段33の送りローラ45の近傍できた一部の短い糸状の竹繊維2等は、送りローラ45の回転により案内部55に沿って第2排出口44へと案内され、送りローラ45と排出ローラ35との間の第2排出口44から前側の容器53へと排出されて行く。このとき第2排出口44には、送りローラ45に近接した状態で送りローラ45と略同程度又はそれよりも早い周速で逆方向に回転する排出ローラ35があるため、この排出ローラ35の回転によって送りローラ45から竹繊維2を容易に分離でき、その竹繊維2を第2排出口44から確実に排出することができる。
【0049】
このように解砕装置9において、送り手段33により長尺の偏平割竹片7を把持して長手方向に所定の速度で送りながら、その送り速度よりも速い周速で偏平割竹片7の長手方向に高速回転する解砕ドラム34の解砕爪52によって偏平割竹片7を細かく解砕して竹繊維2を取り出す。従って、従来のように解砕前に竹を乾燥させる必要がなくなり、生竹を使用しながら竹繊維2を容易に製造できると共に、最大長さが偏平割竹片7の長さに近い竹繊維2を製造できる可能性がある等、繊維長の長い竹繊維2を容易且つ能率的に製造できる。
【0050】
また解砕時に解砕ドラム34を偏平割竹片7の送り速度よりも速い周速で高速回転させればよく、解砕装置9自体の構造も簡単にできる。しかもスクリーン等を使用する場合のように解砕装置9内での目詰まり等の惧れもなく、容易に解砕できる生竹の使用が可能であることと相俟って、竹繊維2の製造能率を容易にアップさせることができる。
【0051】
更に第1プレス装置3による竹割工程5で丸竹1を複数個の割竹片4に割った後、第2プレス装置6による偏平化工程8でその割竹片4を偏平化して偏平割竹片7とするため、その加圧時に割竹片4の一部の組織が崩れると共に、割竹片4の厚さが略一定することになり、解砕装置9において解砕爪52により偏平割竹片4を容易に解砕でき、解砕時の負荷も極力軽減できる。
【0052】
解砕ドラム34は、間隔保持円板63を介して多数の解砕円板62を軸方向に配置し、その解砕円板62の外周に解砕爪52を一体に形成しているため、解砕爪52の形状を比較的自在に決定できるだけでなく、解砕ドラム34の外周に針状等の解砕爪52を別途固定する場合に比較して、解砕爪52の損傷を容易に防止できる。また仮に解砕爪52が損傷した場合には、その損傷した解砕爪52を有する解砕円板62を交換すればよく、修理も容易に行うことができる。
【0053】
図14及び図15は本発明の第2の実施例を示す。解砕円板62は図14に示すように2個の解砕爪52と4個の取り付け孔64とを周方向に略等配に備えている。この場合には、図15に示すように軸方向に隣り合う各解砕円板62相互の解砕爪52が周方向に90度ピッチで配列するように、解砕ドラム34を組み立てることができる。
【0054】
図16及び図17は本発明の第3の実施例を示す。解砕円板62は図16に示すように4個の解砕爪52と8個の取り付け孔64とを周方向に略等配に備えている。この場合には、図17に示すように軸方向に隣り合う各解砕円板62相互の解砕爪52が周方向に45度ピッチで配列するように、解砕ドラム34を組み立てることができる。
【0055】
図18(A)(B)は本発明の第4の実施例を示す。この実施例では、回転軸51に対して解砕円板62を若干斜めに装着して、解砕爪52による解砕時に、竹繊維2をさばくさばき作用を持たせるようにしている。解砕ドラム34の両端の支持円板59,60の内面側は、偏平割竹片7の送り方向に対して角度α1で若干傾斜し且つ互いに並行な傾斜面59a,60aとなっており、この傾斜面59a,60a間に多数枚の解砕円板62及び間隔保持円板63が介在され、回転軸51と略並行な締結手段74により、各円板59,60,62,63が締結されている。解砕円板62は、各実施例に例示のものと同じである。
【0056】
このようにすれば、解砕円板62の解砕爪52が偏平割竹片7の送り方向に対して角度α1で傾斜した状態で回転軸51廻りに回転するため、この解砕爪52の傾斜によって、偏平割竹片7の解砕時に竹繊維2をさばくことができる。従って、多量に水分を含む竹、粘りのある竹等であっても、竹繊維2の千切れを極力少なくしながら容易に解砕することができる。
【0057】
図19(A)(B)は本発明の第5の実施例を示す。この実施例では、解砕円板62の外周の解砕爪52は、その少なくとも起立部66の起立面66aが解砕円板62の軸心(回転軸51の軸心)に対して角度α2だけ傾斜している。そして、各解砕爪52でその起立部66の傾斜方向が交互に逆向きになるようにしている。この場合にも、図18の場合と同様に竹繊維2のさばき効果を得ることができる。
【0058】
図20(A)(B)は本発明の第6の実施例を示す。この実施例では、解砕円板62の外周の各解砕爪52は、その少なくとも起立部66側が解砕円板62の軸心(回転軸51の軸心)に対して角度α2だけ同一方向に傾斜している。そして、図20(A)の場合には、その解砕円板62を回転軸51に軸心方向に多数枚配置している。また図20(B)の場合には、起立部66の傾斜方向が逆向きの解砕円板62を2種類準備し、その2種類の解砕円板62を回転軸51の軸心方向に交互に配置している。このようにしても、同様に竹繊維2のさばき効果を得ることができる。
【0059】
図21は本発明の第7の実施例を示す。この実施例では、共通の機枠73に第1プレス装置3、第2プレス装置6、解砕装置9、及びこれらを直列状に接続する搬送手段70〜72が設けられている。そして、第1プレス装置3の上手側の搬送手段70から丸竹1を供給すれば、第1プレス装置3、第2プレス装置6及び解砕装置9が前述と同様の処理を順次行い、最後の第1排出口43、第2排出口44から夫々竹繊維2を取り出せるようになっている。
【0060】
なお、第1プレス装置3での竹割工程5で丸竹1を複数個の割竹片4に割った場合、その一部が上下に重なる等、各割竹片4が横方向の一部分に集中することになるため、第1プレス装置3と第2プレス装置6との間の搬送手段71の途中等の適当箇所に、その集中する割竹片4を横方向に分散させる分散装置(図示省略)が設けられている。この分散装置は、横方向の逆向きに回動するチェーンその他の回動体で構成するか、又は各割竹片4を横方向に分散させる機能を有するガイド部材で構成すればよい。
【0061】
このようにして構成すれば、丸竹1から竹繊維2を取り出すまでの一連の作業を自動的に行うことができ、作業能率が更に向上する。
【0062】
以上、本発明の各実施例について詳述したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施例では、解砕円板62の外周の解砕爪52が周方向に12個、2個、4個の場合を例示しているが、1個又は2個以上の偶数又は奇数でもよい。また軸方向に隣り合う各解砕円板62相互の解砕爪52は、千鳥状に配置してもよい。
【0063】
解砕爪52は解砕円板62に一体に形成するのが望ましいが、円筒状、又は多角筒状の解砕ドラム34の外周に針状その他の突起16を設けて構成してもよい。解砕円板62に解砕爪52を一体に形成する場合にも、その解砕爪52は実施例に例示する以外の形状、構造を採用してもよい。
【0064】
送り手段33と解砕ドラム34は、偏平割竹片7の終端部分を解砕ドラム34で解砕するときにも、その偏平割竹片7の終端を保持できるように、両者を極力近接して配置することが望ましい。送り手段33は回転ローラで構成する以外に、ベルト等で構成してもよい。
【0065】
また実施例では、生の丸竹1を使用する場合について説明したが、乾燥した丸竹1を使用してもよい。また丸竹1を複数個に割った長尺の割竹片4を使用する場合には、当然第1プレス装置3、竹割工程5を省略可能である。更に竹割工程5での割数が多くて各割竹片4の幅が狭い場合には、第2プレス装置6、偏平化工程8を省略することも可能である。竹割工程5では丸竹1を複数個の割竹片4に割ることができれば十分であり、第1プレス装置3以外の装置を使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施例に係る竹繊維製造工程の工程図である。
【図2】同第1プレス装置の断面図である。
【図3】同第1プレス装置の一部破断平面図である。
【図4】同第1プレス装置の斜視図である。
【図5】(A)(B)は同受けローラの要部の拡大斜視図である。
【図6】同第2プレス装置の断面図である。
【図7】同第2プレス装置の受けローラ側の平面図である。
【図8】同第2プレス装置の斜視図である。
【図9】同解砕装置の断面図である。
【図10】同解砕装置の斜視図である。
【図11】同解砕ドラムの一部切欠き平面図である。
【図12】同解砕円板の斜視図である。
【図13】(A−1)〜(C−1)は同解砕爪の斜視図、(A−2)〜(C−2)は同解砕爪の平面図である。
【図14】本発明の第2の実施例を示す解砕円板の斜視図である。
【図15】同解砕ドラムの一部切欠き平面図である。
【図16】本発明の第3の実施例を示す解砕円板の斜視図である。
【図17】同解砕ドラムの一部切欠き平面図である。
【図18】(A)は本発明の第4の実施例を示す解砕ドラムの一部切欠き平面図、(B)はその説明図である。
【図19】(A)は本発明の第5の実施例を示す解砕円板の平面図、(B)はその正面図である。
【図20】(A)(B)は本発明の第6の実施例を示す解砕円板の平面図である。
【図21】本発明の第7の実施例を示す竹繊維製造装置の正面図である。
【符号の説明】
【0067】
2 竹繊維
3 第1プレス装置
4 割竹片
5 竹割工程
6 第2プレス装置
7 偏平割竹片
8 偏平化工程
9 解砕装置
10 解砕工程
33 送り手段
34 解砕ドラム
52 解砕爪
62 解砕円板
63 間隔保持円板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の割竹片をその長手方向に送りながら、該割竹片の送り方向に回転する解砕ドラムの外周の解砕爪により、前記割竹片を解砕して竹繊維を取り出すことを特徴とする竹繊維製造方法。
【請求項2】
回転ローラにより丸竹を加圧して複数個の割竹片に割る竹割工程と、前記割竹片を回転ローラにより加圧して偏平な板状にする偏平化工程と、偏平な割竹片を解砕ドラムの解砕爪により解砕して竹繊維を取り出す解砕工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の竹繊維製造方法。
【請求項3】
長尺の割竹片を挟持してその長手方向に送る送り手段と、該送り手段により送られる前記割竹片の送り方向に回転する解砕ドラムとを含む解砕装置を備え、前記解砕ドラムの外周に、前記割竹片を解砕する多数の解砕爪を備えたことを特徴とする竹繊維製造装置。
【請求項4】
前記解砕ドラムは、外周に前記解砕爪が一体に形成された解砕円板をその軸方向に多数備えたことを特徴とする請求項3に記載の竹繊維製造装置。
【請求項5】
前記解砕ドラムは、隣り合う前記解砕円板間に間隔保持円板を備えたことを特徴とする請求項4に記載の竹繊維製造装置。
【請求項6】
前記解砕装置の前段に、回転ローラにより青竹を加圧して複数個の前記割竹片に割る第1プレス装置と、その前記割竹片を回転ローラにより加圧して偏平な板状にする第2プレス装置とを備えたことを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の竹繊維製造方法。
【請求項1】
長尺の割竹片をその長手方向に送りながら、該割竹片の送り方向に回転する解砕ドラムの外周の解砕爪により、前記割竹片を解砕して竹繊維を取り出すことを特徴とする竹繊維製造方法。
【請求項2】
回転ローラにより丸竹を加圧して複数個の割竹片に割る竹割工程と、前記割竹片を回転ローラにより加圧して偏平な板状にする偏平化工程と、偏平な割竹片を解砕ドラムの解砕爪により解砕して竹繊維を取り出す解砕工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の竹繊維製造方法。
【請求項3】
長尺の割竹片を挟持してその長手方向に送る送り手段と、該送り手段により送られる前記割竹片の送り方向に回転する解砕ドラムとを含む解砕装置を備え、前記解砕ドラムの外周に、前記割竹片を解砕する多数の解砕爪を備えたことを特徴とする竹繊維製造装置。
【請求項4】
前記解砕ドラムは、外周に前記解砕爪が一体に形成された解砕円板をその軸方向に多数備えたことを特徴とする請求項3に記載の竹繊維製造装置。
【請求項5】
前記解砕ドラムは、隣り合う前記解砕円板間に間隔保持円板を備えたことを特徴とする請求項4に記載の竹繊維製造装置。
【請求項6】
前記解砕装置の前段に、回転ローラにより青竹を加圧して複数個の前記割竹片に割る第1プレス装置と、その前記割竹片を回転ローラにより加圧して偏平な板状にする第2プレス装置とを備えたことを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の竹繊維製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−114484(P2008−114484A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300173(P2006−300173)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(390018832)東亜機工株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(390018832)東亜機工株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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