説明

符号分割多元接続セルラー通信システム

基地局(101)は、第1のセルにおいてアップリンクスクランブル符号を用いてアップリンク伝送を行うリモート局(117)をサポートする。コントローラ(119)は、リモート局(117)のアイデンティティからの1組のアップリンクスクランブル符号を決定し、使用された符号をそこから選択する。アクセスポイント(111)は、アクセスポイントに登録されているリモート局のグループを決定する。測定符号プロセッサ(205)は、リモート局によって潜在的に用いられるアップリンクスクランブル符号を決定する。次いで、測定ユニット(207,209)は、それらの符号を用いて、受信される信号を監視し、ハンドオーバ検出プロセッサ(211)は、リモート局(117)に対するアップリンクスクランブル符号を用いて、受信される信号の検出に応答して、リモート局(117)の潜在的なハンドオーバ検出を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、符号分割多元接続(CDMA)セルラー通信システムに関し、詳細には、他を除く訳ではないが、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー通信システムの容量を増大させるために用いられてきた1つの方法は、階層セルの概念である。階層セルでは、マクロセル層の下に、より小さな(通常では)セルの層が存在し、このセルはマクロセルのカバレッジエリア内にカバレッジエリアを有する。このように、より大きなマクロセル内に、マイクロセルまたはピコセルとして(またはフェムトセルとも)知られている、より小さなセルが配置される。マイクロセルおよびピコセルは充分に小さなカバレッジを有するので、リソースの充分に密な再利用が可能となる。多くの場合、マクロセルは大きなエリアを通じたカバレッジを提供するために用いられ、マイクロセルおよびピコセルは、例えば人口密集地域やホットスポットにおいて、追加の容量を提供するために用いられる。さらに、住居または事務所内など特定の場所においてカバレッジを提供するためにピコセルが用いられることもある。
【0003】
追加のリソースを効率的に活用するには、マクロセル層とその下にある下位層との間のハンドオーバ性能を最適化することが重要である。ハンドオーバの処理は3つのフェーズへ分離することができる。第1に、ハンドオーバが必要な可能性があると識別すること、第2に、適切なハンドオーバ候補を識別すること、そして最後に、移動体ユーザを1つの基地局から別の基地局へ切り替えることである。
【0004】
3Gシステムに多数のピコセルを導入するというのが現在の傾向である。例えば、住居用アクセスポイントは、1つの住居すなわち1軒の家のみを対象(ターゲット)カバレッジエリアとして配備され得ることが想定される。そのようなシステムが広い範囲で導入されると、1つのマクロセル内に極めて多数の下位セルが生じる。
【0005】
しかしながら、3Gネットワークのマクロ層の下にピコセル(またはマイクロセル)層を置くことによって、幾つかの問題が生じる。例えば、多数の下位セルの導入によって、例えば下位セルへのハンドオーバを行うときに、個々の下位セルのアイデンティフィケーションに関連した数々の問題が生じる。詳細には、3G通信システムは、各セルが比較的少数の隣接セルを有するという前提で開発されており、移動局が多数の潜在的な隣接セルを考慮することが必要な場合がある状況にまで現在の手法を拡張することは、現実的でない。
【0006】
多くの下位ピコセルが存在する状況にまで現在の手法を拡張することの1つの問題は、如何にしてハンドオーバの必要を検出し、ターゲットのピコセル(またはマイクロセル)を効率的に識別するかである。詳細には、各下位セルに個別のパイロット信号スクランブル符号を割り当てて、ハンドオーバの可能性のある下位セルのすべてをマクロセルの隣接セルとして識別することは、非常に大きな隣接リストが必要となるので、実際には実現不可能である。それらの大きな隣接リストによって、例えば、隣接リストはリストにおいて可能な最大の隣接セル数を超え、移動局測定性能は(多数の測定が行われる必要があるので)遅くなり、リソース使用は増大する。さらに、各マクロセルを多数の隣接セルにより設定するために、有意な動作および管理リソースが必要となり、ネットワークの管理、計画および最適化が複雑になる。
【0007】
しかしながら、複数のピコセルでパイロット信号用のスクランブル符号を共有すると、ターゲットが不明瞭となり、移動局が潜在的なハンドオーバターゲットを一意に識別することが妨げられる。例えば、所与のマクロセルの下にある異なる下位セルをサポートする基地局のグループが、同一のパイロット信号スクランブル符号を共有して用いる場合、この共有されるスクランブル符号の存在を検出する移動局は、潜在的なハンドオーバターゲットが検出されたことを認識するが、下位セルのグループのうちのいずれが検出されたのかを一意に識別することはできない。
【0008】
さらに、各下位セルがパイロット信号を送信してハンドオーバをサポートするシステムでは、システムの性能を著しく低下させ得る大きな量の干渉が生じる。詳細には、共有スクランブル符号は、互いに干渉する異なる下位セルからのパイロット信号を生じる傾向がある。さらに、リモート局に幾つかの下位セルを用いることのみが許可されている状況では、リモート局の使用が許可されていない下位セルに対し多数のハンドオーバ試行が行われる場合がある。これらのハンドオーバ試行は拒絶されるが、有意なリソースを使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、改良されたセルラー通信システム、特に、柔軟性の増大した、多数の潜在的なハンドオーバターゲット/隣接セルに対する適切性の改良された、上位/下位ハンドオーバに対する適切性の改良された、隣接リストの減少した、ハンドオーバ試行の減少した、干渉の減少した、シグナリングの減少した、リソースオーバヘッドの減少した、実用性の増大した、測定要件の減少した、ハンドオーバターゲットの検出/アイデンティフィケーションの容易化された、改良された、もしくはその両方である、または、性能の改良された、システムは有利である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、単独で、もしくは任意の組み合わせによって、上述の不利のうちの1つ以上を、好適には軽減、緩和、または除去するものである。本発明の第1の態様では、符号分割多元接続(CDMA)セルラー通信システムが提供される。このシステムは、第1のセルにおいてアップリンクスクランブル符号を用いてアップリンク伝送を行うリモート局をサポートする第1の基地局と、第1のリモート局のアイデンティティからアップリンクスクランブル符号の第1の組を決定し、第1の組からアップリンクスクランブル符号を選択する構成ためのスクランブル符号手段と、第1の組は同アイデンティティに対する一意な依存性を有することと、第2のセルをサポートする第1のアクセスポイントと、を含み、第1のアクセスポイントは、同アクセスポイントに登録されている、第1のリモート局を含むリモート局のグループを決定するための手段と、リモート局のグループの関連するアップリンクスクランブル符号を決定するための手段と、第1のリモート局の第1の関連するアップリンクスクランブル符号はアップリンクスクランブル符号の第1の組のスクランブル符号であることと、関連するアップリンクスクランブル符号を用いる受信される信号を監視するための手段と、第1の関連するアップリンクスクランブル符号を用いる受信される信号の検出に応答して、第1のセルから第2のセルへの第1のリモート局のハンドオーバに関する潜在的なハンドオーバ検出を生成するように構成されたハンドオーバ検出手段と、を含む。
【0011】
本発明では、セルラー通信システムにおける動作の改良、容易化またはその両方が可能となる。詳細には、本発明では、改良されたハンドオーバ検出が提供され、パイロット信号スクランブル符号の共有が可能となるかまたは容易化され、あるいは干渉が減少される。
【0012】
詳細には、本発明では、少数のリモート局が個々のアクセスポイントに登録されており、それらのリモート局のみがアクセスポイントにサービス提供されることが可能であるという状況において、改良されたハンドオーバ性能を提供することができる。詳細には、本発明では、一部のそのような状況において、アクセスポイントに対するハンドオーバ試行の数を、ほぼアクセスポイントに登録されているリモート局からのもののみに減少させることができる。このリモート局のグループは、詳細には、アクセスポイントに(予め)登録されているリモート局のグループであってよい。登録されているリモート局のグループは、アクセスポイントによってサポートされることが許可されているすべてのリモート局からなってよい。
【0013】
本発明では、詳細には、同じ共有されるパイロット信号スクランブル符号を用いて、複数の潜在的なハンドオーバターゲットからの効率的なハンドオーバターゲットの解決が可能となる。
【0014】
リモート局のグループは、1つ以上のリモート局を含んでよい。アップリンクスクランブル符号の第1の組は、1つ以上のアップリンクスクランブル符号を含んでよい。一部の実施例では、アップリンクスクランブル符号の第1の組は、第1のリモート局のアイデンティティに一意にリンクされる唯一のアップリンクスクランブル符号を含む。
【0015】
第1のリモート局のアイデンティティは、永続的なアイデンティティであっても一時的なアイデンティティであってもよく、国際移動体加入者アイデンティティ(IMSI;International Mobile Subscriber Identity)など、加入者または端末のアイデンティティであってもよい。
【0016】
本発明の随意の特徴では、アクセスポイントは、潜在的なハンドオーバ検出に応答して、リモート局の隣接リストに含まれているハンドオーバパイロット信号スクランブル符号を用いてハンドオーバパイロット信号を一時的に送信するためのハンドオーバ手段をさらに備える。
【0017】
これによって、改良されたハンドオーバ動作が可能となる。詳細には、干渉を減少すること、ハンドオーバターゲットの解決を容易化すること、またはその両方が可能となる。ハンドオーバ手段は、潜在的なハンドオーバ検出が識別されるとき、ハンドオーバパイロット信号の伝送を開始してよく、所定期間の後、または特定の状態/基準は満たされたときに、伝送を終了してよい。この特徴によって、リモート局、多くの既存のネットワーク要素またはその両方を変更する必要なしに高度な後方互換性を提供しつつ、改良されたハンドオーバ動作が可能となる。
【0018】
本発明の随意の特徴では、CDMAセルラー通信システムは、潜在的なハンドオーバ検出に応答してハンドオーバ開始メッセージを生成するためのハンドオーバ開始手段と、固定ネットワークを介して第1の基地局をサポートする無線ネットワークコントローラに対するハンドオーバ開始メッセージの通信を行うための手段とをさらに備える。
【0019】
これによって、改良されたハンドオーバ動作が可能となる。詳細には、干渉を減少すること、ハンドオーバターゲットの解決を容易化すること、またはその両方が可能となる。固定ネットワークは、詳細には、コアネットワークおよび無線接続ネットワーク(例えば、第3世代セルラー通信システム用の)からなってよい。固定ネットワークは、コアネットワーク(CN)および1つ以上の無線接続ネットワーク(RAN)からなってよい。
【0020】
本発明の別の特徴では、第1のセルにおいてアップリンクスクランブル符号を用いてアップリンク伝送を行うリモート局をサポートする第1の基地局を含む符号分割多元接続(CDMA)セルラー通信システムの動作方法が提供される。この方法は、第1のリモート局のアイデンティティからアップリンクスクランブル符号の第1の組を決定することと、第1の組からアップリンクスクランブル符号を選択することと、第1の組は同アイデンティティに対する一意な依存性を有することと、を含み、第2のセルをサポートする第1のアクセスポイントは、同アクセスポイントに登録されている、第1のリモート局を含むリモート局のグループを決定することと、リモート局のグループの関連するアップリンクスクランブル符号を決定することと、第1のリモート局の第1の関連するアップリンクスクランブル符号はアップリンクスクランブル符号の第1の組のスクランブル符号であることと、関連するアップリンクスクランブル符号を用いる受信される信号を監視することと、第1の関連するアップリンクスクランブル符号を用いる受信される信号の検出に応答して、第1のセルから第2のセルへの第1のリモート局のハンドオーバに関する潜在的なハンドオーバ検出を生成することと、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一部の実施形態によるセルラー通信システムの一例を示す図。
【図2】本発明の一部の実施形態によるアクセスポイントの一例を示す図。
【図3】本発明の一部の実施形態によるセルラー通信システムの動作の一方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のこれらのおよび他の態様、特徴、および利点は、以下に記載の実施形態を参照することによって明らかとなる。
以下の記載では、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)など、第3世代のCDMA(符号分割多元接続)セルラー通信システムに適用可能な本発明の実施形態に焦点を定める。しかしながら、本発明がこの用途に限定されず、他の多くのセルラー通信システムに適用されてよいことが認識される。また、以下の記載では、リモート局がマクロセルからマイクロセルまたはピコセルなどの下位セルへハンドオーバを行う状況に焦点を定める。しかしながら、記載した原理が、例えば、共有されるパイロット信号スクランブル符号を用いてマクロセルのグループのうちの1つのマクロセルへのハンドオーバが行われる幾つかの状況を含む、他の状況に同等に適用されることが認識される。
【0023】
図1には、セルラー通信システム(この特定の例ではUMTSセルラー通信システムである)の一例を示す。このシステムでは、マクロ層は、基地局によってサポートされるマクロセルによって形成される。さらに、ピコセルの下位層は、多数の小基地局(以下、アクセスポイントと呼ぶ)によってサポートされる。詳細には、各アクセスポイントは、1つの家または住居に関する意図されたカバレッジを有することができ、10〜30kmの典型的なマクロセルカバレッジエリアでは、個々のアクセスポイントによって各々サポートされる数百または数千ものピコセルが存在し得る。
【0024】
このシステムでは、マクロの基地局は各々、所与の領域(例えば、セルスクランブル符号の再利用エリア)内において一意であるスクランブル符号の形態で、セル分離符号を有する。詳細には、マクロ基地局は、各セルに関する規定された隣節セルの組が一意なセルスクランブル符号を常に有するように、再利用エリア内で一意に割り当てられたスクランブル符号を有する。さらに、各マクロセル基地局は、所与のサービングRNCの一意な基地局IDによって与えられる一意な階層ネットワークアドレスを有する。サービングRNC自身も所与のMSCに対する一意なRNC IDを有する。さらに、各MSCはネットワークにおいて一意なアイデンティティを有する。
【0025】
したがって、基地局によって送信される隣接リストは、めいめい異なるセルスクランブル符号を有する複数のマクロセルの指示(indication)を含む。さらに、各マクロ隣接セルについて、特定の隣接セルパイロット信号を検出することによって、マクロセルをサポートする基地局の一意なネットワークアドレスを決定可能である。したがって、ハンドオーバターゲットの基地局の明示的かつ一意なアイデンティフィケーションによって、ターゲットのマクロセルに対するハンドオーバを開始することができる。
【0026】
対照的に、アクセスポイント(この特定の実施例ではピコセルをサポートする基地局)は、再利用エリア内の複数のアクセスポイント間で共有されるパイロット信号スクランブル符号を用いる。詳細には、所与の隣接リストは、複数の下位セル(いずれも現在のセルの隣接セル/潜在的なハンドオーバターゲットであると考えられる)に対する共有されるパイロット信号スクランブル符号の指示を含むことができる。複数のアクセスポイントの間でパイロット信号スクランブル符号を共有することによって、システムに必要とされるスクランブル符号の数は著しく減少する。さらに、スクランブル符号の数を少なく保持することによって、ハンドオーバ決定のためにリモート局が評価する必要のあるスクランブル符号の数を相当減少させて、リモート局の測定時間、電力消費、および複雑性のうちの1つ以上を減少させることが可能である。
【0027】
しかしながら、共有されるパイロット信号スクランブル符号を使用することは、リモート局(または、サポートネットワークノード)が、検出されたスクランブル符号からリモート局が単純に検出するアクセスポイントを一意に識別できないことを意味する。むしろ、スクランブル符号を検出するリモート局は、所与のハンドオーバのターゲットアクセスポイントを一意に識別するのではなく、最良でも、同じ共有されるパイロット信号スクランブル符号を用いるアクセスポイントのグループしか識別できない。
【0028】
一部の実施形態では、1つのマクロRNCにサポートされるカバレッジエリア内の全てのアクセスポイントが同じスクランブル符号を用いる。しかしながら、他の実施形態では、アクセスポイントには複数の共有されるスクランブル符号が利用可能であることが認識される。したがって、アクセスポイントは、各グループのアクセスポイントが1つのスクランブル符号を共有し、異なるグループでは異なるスクランブル符号が用いられる複数のグループに分割されてよい。そうした実施形態では、同じ共有されるスクランブル符号を有するピコセル間の干渉を低減または最小化する再利用パターンが確立されるように、アクセスポイントにスクランブル符号が割り当てられる。
【0029】
図1の特定の実施例では、1〜10キロメートルの典型的なカバレッジエリアを有するマクロセルをサポートする、1つのマクロ基地局101を示す。マクロ基地局101はマクロRNC103に結合されており、マクロRNC103は他のマクロ基地局(図示せず)にさらに結合されている。マクロRNC103はコアネットワーク105にさらに結合されており、コアネットワーク105は他の無線接続ネットワークおよびRNCに接続している。この実施例では、マクロRNC103は第1のMSC107に結合されており、第1のMSC107は、第1のMSC107とは異なるRNCの組にサービス提供する、第2のMSC109にさらに結合されている。
【0030】
このシステムは、さらに多数のピコセル基地局/アクセスポイント111,113を含む(明瞭さのため、図1には3つのアクセスポイントのみを示す)。アクセスポイント111,113の各々は、通常、10〜50メートルのカバレッジエリアを有するピコセルをサポートする。アクセスポイント111,113は、ピコセル内のUMTS通信をサポートするために、UMTS基地局の必要な機能を実装する。しかしながら、従来のUMTS基地局とは対照的に、アクセスポイント109は共通の共有されるパイロット信号スクランブル符号を用いる。このシステムでは、アクセスポイントは、加入者を在宅時にサポートするために個々の加入者の家に配置するための住居用アクセスポイントである。したがって、アクセスポイントは1つ以上(通常は少数)の特定の登録済みのリモート局/加入者をサポートし、そのアクセスポイントに登録されたリモート局のみにサービス提供するように意図される。
【0031】
図1のシステムは、アクセスポイント111,113をサポートするアクセスポイントコントローラ115をさらに含む。この特定の実施例では、アクセスポイントコントローラ115は、詳細には、アクセスポイント111,113の間でのデータのルーティングを補助するとともに、ハンドオーバターゲットの不明瞭性の解決を補助する。加えて、アクセスポイントコントローラ115は、アクセスポイント113用の登録サーバを含むこともできる。この登録サーバは、アクセスポイント111,113の各々に登録されるリモート局のアイデンティティに関する情報を記憶する。この実施例では、アクセスポイント111,113は加入者をその在宅環境においてサポートし、リモート局には、アクセスポイント111,113(登録されている場合)へのハンドオーバのみが許可される。
【0032】
図1のシステムは、マクロ基地局101によって初期にサービス提供されるリモート局117をさらに含む。リモート局117はアクティブな通信をサポートしており、詳細には、第1の基地局101に対するアップリンク伝送を行う。リモート局117によって用いられるアップリンクスクランブル符号は、マクロRNC103に結合されたスクランブル符号コントローラ119によって選択される(スクランブル符号コントローラ119が多くの実施形態ではRNCの一部として実装されることが認識される)。
【0033】
スクランブル符号コントローラ119は、リモート局117によって用いられるアップリンクスクランブル符号を選択するように構成される。詳細には、スクランブル符号コントローラ119は、第1のリモート局117のアイデンティティから1組の許可されるアップリンクスクランブル符号を決定する。この1組のアップリンクスクランブル符号はアイデンティティから一意に決定されるので、リモート局117のアイデンティティが既知である場合、リモート局117によって使用可能な潜在的なアップリンクスクランブル符号の組も既知である。したがって、このアップリンクスクランブル符号の組は、アイデンティティに対する一意な依存性を有する。スクランブル符号コントローラ119は、次いで、潜在的なアップリンク符号の組からの1つのアップリンクスクランブル符号の選択へ進行する。スクランブル符号コントローラ119は、次いで、リモート局117にアップリンク伝送用に、このアップリンクスクランブル符号を通信する。通常、アップリンクスクランブル符号の選択、通信および設定は、呼設定またはデータセッション設定の一部として実行される。
【0034】
したがって、スクランブル符号コントローラ119は、既知の手法により、潜在的なパイロット信号スクランブル符号の組のうち特定の符号が用いられることに限定されるいずれかの不確かさで、リモート局117によって用いられるアップリンクスクランブル符号がリモート局117のアイデンティティに依存することを保証する。したがって、任意の所与の時において任意のリモート局117によって用いられる潜在的なアップリンクスクランブル符号の組は、このシステムでは既知であり、リモート局117にサービス提供する要素のうちのいずれかとの動的な情報交換を必要とすることなく、他のネットワーク要素によって用いられることが可能である。例えば、リモート局117に対するスクランブル符号の組が2つのスクランブル符号を含む場合、アクセスポイント111,113は、これらの2つのスクランブル符号のうちの1つがリモート局によって用いられることを独立して決定することが可能である。
【0035】
この手法では、任意の1つのリモート局によって利用されるアップリンクスクランブル符号は、常に可能なアップリンク符号(少数)の限定されたグループから選択されるスクランブル符号である。詳細には、リモート局117によって用いられるアップリンクスクランブル符号が常に同じであるように、アップリンクスクランブル符号の組は1つのアップリンクスクランブル符号しか含まなくてもよい。
【0036】
図1のシステムでは、アクセスポイント111,113は、アップリンクスクランブル符号の情報を用いてリモート局117の接近検出を実行し、以下に記載するように、それをリモート局117のハンドオーバに用いる。
【0037】
この特定の実施例では、アップリンクスクランブル符号を決定するために用いられるリモート局117のアイデンティティは、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)である。しかしながら、一時的なアイデンティティ(P−IMSI、T−IMSOなど)を含む他の実施形態では、他のアイデンティティが用いられてもよいことが認識される。
【0038】
一例として、所与のリモート局について選択されたアップリンクスクランブル符号番号は、MSINを224で除した剰余として決定される。ここで、MSINは、このリモート局についての移動局識別番号(Mobile Station Identification Number)である。UMTSおよびGSMなどのシステムでは、IMSIは、通常、15桁のデジットであり、最初の6つのデジットは、通常、移動体国符号(MCC;Mobile Country Code)および移動体ネットワーク符号(MNC;Mobile Network Code)が占める。この場合、MSIN用に9つのデジットが残される。
【0039】
UMTSでは、長さ224(=1677万7216)のアップリンクスクランブル符号と、同じ数の短いアップリンクスクランブル符号が存在する(接続毎に、長符号の使用と短符号の使用との間で選択が行われる)。
【0040】
IMSIは、通常、UMTSの情報要素(IE)「永続NAS(Permanent NAS)リモート局アイデンティティ」に含まれると、マクロRNC103に(したがって、スクランブル符号コントローラ119に)利用可能となる。このIEは、Iuシグナリング接続の確立に続くCOMMON IDシグナリングメッセージにより、コアネットワークによってマクロRNC103へ送信される。IMSI情報は、コアネットワークに利用可能である場合、単に送信される。この情報は、多くの場合、ページング手続の一部としてRNCによって用いられる。
【0041】
IMSIがマクロRNC103/スクランブル符号コントローラ119に利用可能でない場合、システムはP−TMSIまたはTMSIなどの暫定的なアイデンティティを用いてもよい。
【0042】
図2には、第1のアクセスポイント111をより詳細に示す。他のアクセスポイント113は、この実施例では第1のアクセスポイント111と同一である。
アクセスポイント111は、アクセスポイント111をアクセスポイントコントローラ115に接続する、アクセスポイントコントローラインタフェース201を備える。アクセスポイントコントローラインタフェース201はグループプロセッサ203に結合されている。グループプロセッサ203は、アクセスポイント111にて登録されるリモート局のグループを決定するように構成されている。この特定の実施例では、グループプロセッサ203は、アクセスポイント111に登録されているリモート局のリストを、アクセスポイントコントローラ115から受信する。したがって、アクセスポイントコントローラ115の登録サーバは、個々のアクセスポイントに登録されているリモート局の情報を記憶する。そのような情報は、例えば、各リモート局の加入情報に応答して、ネットワークオペレータによって手動で入力されてもよい。登録サーバは、各アクセスポイント111,113に、そのアクセスポイント111,113に対し登録されているリモート局の指示を含むメッセージを送信することができる。この実施例では、アイデンティフィケーションはIMSIなどの加入者アイデンティティであってもよく、登録されている各リモート局のIMSIにリンクされたスクランブル符号の実際の関連した組であってもよく、その両方であってもよい。この実施例では、(住居)アクセスポイントに登録されているリモート局のみがアクセスポイントを用いてもよい。さらに、この実施例では、第1のリモート局117は単に第1のアクセスポイント111にのみ登録される。
【0043】
グループプロセッサ203は測定符号プロセッサ205に結合されており、測定符号プロセッサ205は、グループプロセッサによって識別されるリモート局のグループの関連するアップリンクスクランブル符号を決定するように構成されている。詳細には、測定符号プロセッサ205は、アクセスポイントに対し登録されたリモート局のアイデンティティに関連付けられる/リンクされるアップリンクスクランブル符号の組を決定する。したがって、測定符号プロセッサ205は、第1のリモート局117によって用いられるアップリンクスクランブル符号を少なくとも決定する。
【0044】
一部の実施形態では、グループプロセッサ203は、アクセスポイントに登録されている1つ以上のリモート局のアイデンティティ(例えば、IMSI)を受信し、測定符号プロセッサ205は、この情報を用いて、潜在的なアップリンクスクランブル符号の組を決定する。したがって、アップリンクスクランブル符号の組を決定するためにスクランブル符号コントローラ115によって用いられるアルゴリズムは、潜在的なアップリンクスクランブル符号を独立に決定するために、測定符号プロセッサ205によって複製されてもよい。他の実施形態では、この機能はアクセスポイントコントローラ115に実行されてもよく、グループプロセッサ203はスクランブル符号(リモート局を間接的に識別できる)を直接受信してもよい。そのような場合、測定符号プロセッサ205は、グループプロセッサ203から受信した情報を直接転送する場合がある。
【0045】
測定符号プロセッサ205は測定プロセッサ207に結合されており、測定プロセッサ207はさらに測定受信器209に結合されている。測定受信器209は、当技術分野において知られているように、受信した信号とスクランブル符号との相関を解除することによって、所与のスクランブル符号について受信される信号レベルを決定するように構成されている。測定プロセッサ207は、決定したアップリンクスクランブル符号を用いる受信信号を監視するように、測定受信器209を制御する。
【0046】
詳細には、測定プロセッサ207は、アクセスポイント111に登録されたリモート局によって用いられ得るすべての可能なアップリンクスクランブル符号についての受信信号レベルを連続的かつ並列的に決定するように、測定受信器209を制御することができる。しかしながら、この数は通常、非常に小さく、各リモート局に関連したアップリンクスクランブル符号の数も非常に少なくなることがあるので、これらの測定に必要なリソースは通常、少ない。詳細には、多くの実施形態では、監視されるアップリンクスクランブル符号の数は、1つの符号であってもよい。一部の実施形態では、複数のスクランブル符号が連続的に(例えば、周期的に反復する時間間隔で)監視される。
【0047】
測定受信器209は、同期を達成するために、例えば、様々な周波数、異なる時間オフセット、またはその両方で、アップリンク信号を走査するように構成されてよいことが認識される。
【0048】
測定受信器209および測定プロセッサ207はハンドオーバ検出プロセッサ211に結合されている。ハンドオーバ検出プロセッサ211は、関連するアップリンクスクランブル符号を用いる受信される信号の検出に応答して、第1のセルから第2のセルへの第1のリモート局のハンドオーバに関する潜在的なハンドオーバ検出を生成するように構成されている。詳細には、監視されたアップリンクスクランブル符号のうちの1つについて測定された信号レベルが所定の閾値を超えて増大する場合、ハンドオーバ検出プロセッサ211は潜在的なハンドオーバ検出を生成する。
【0049】
したがって、潜在的なハンドオーバ検出の生成は、アクセスポイントに登録されたリモート局のうちの1つが現在、別の基地局(通常、マクロ基地局)によってサポートされているが、おそらくはそのアクセスポイントへハンドオーバを行うという指示である。これにしたがって、アクセスポイントはハンドオーバの開始に進行することができる。
【0050】
したがって、記載のシステムでは、リモート局がそのリモート局に関連するアクセスポイントへハンドオーバを行う可能性を、そのアクセスポイントから連続的に個別のパイロット信号を送信する必要なく、決定することが可能である。さらに、アップリンクスクランブル符号をリモート局のアイデンティティにリンクすることによって、アクセスポイントを、現在リモート局をサポートしている基地局、RNCまたはコアネットワーク要素からの明示的な情報を必要とせずに、登録されているリモート局からのアップリンク伝送を検出するように、自動的に設定することが可能である。むしろ、独立のかつ自律的な設定を行うことによって、シグナリングオーバヘッドを減少することが可能である。従来のシステムでは、他のネットワーク要素にサポートされているリモート局からのアップリンク伝送を監視するために必要なアップリンクパラメータは、そのシステムにおける他の場所で一般に利用可能でなく、そのような手法は実現不可能である。
【0051】
記載のシステムの具体的な一利点は、潜在的なハンドオーバ検出が、アクセスポイントに登録されているリモート局に限定されるため、開始されるハンドオーバの試行の数が、関連するハンドオーバに限定されることである。例えば、典型的なシステムには200万〜500万のアクセスポイントユーザ(したがって、IMSI)が含まれ得るので、別のユーザのアクセスポイントに近いユーザに対し同じアップリンクスクランブル符号が割り当てられることは起こりそうにない。
【0052】
一部の実施形態では、アクセスポイント111は、特定のハンドオーバパイロット信号スクランブル符号によりハンドオーバパイロット信号を一時的に送信することによりハンドオーバの試行を開始するように構成される。図2の実施例では、アクセスポイント111はパイロット信号プロセッサ213を備える。パイロット信号プロセッサ213は、パイロット信号送信器215に結合されている。パイロット信号プロセッサ213は、ハンドオーバ検出プロセッサ211によって潜在的なハンドオーバ検出が生成されるときにハンドオーバパイロット信号を送信するよう、パイロット信号送信器215を制御する。ハンドオーバパイロット信号は、リモート局117の隣接リストに含まれているパイロット信号スクランブル符号を用いる。
【0053】
さらに、パイロット信号スクランブル符号は、この実施例では、マクロセルの下にある多数のアクセスポイント111,113によって用いられる、共有されるスクランブル符号である。したがって、多数のアクセスポイントによって同じスクランブル符号が用いられることによって、それらのアクセスポイント全てに対する1つのエントリを含み、リモート局のみへ送信される、隣接リストが生じる(一部の実施形態では、1つのセルの全てのアクセスポイントに対し、単一のパイロット信号スクランブル符号のみが用いられる)。
【0054】
パイロット信号スクランブル符号が隣接リストに含まれているので、ハンドオーバパイロット信号は、他のパイロット信号と同じようにリモート局117によって検出される(リモート局117はアクセスポイント111に充分に近いと仮定する。これは、アップリンク信号がアクセスポイント111によって検出されるときには通常適切であり、有効な接近検出である)。したがって、リモート局117は測定報告の生成を開始する。測定報告は、マクロRNC103へ送信され、ハンドオーバパイロット信号を送信する基地局へのハンドオーバが有利であることを示す。
【0055】
この測定報告の受信に応答して、マクロRNC103はハンドオーバ手続を開始し、詳細には、マクロRNC103から第1のMSC107へ送信される「再割当必要」(RELOCATION REQUIRED)メッセージを生成する。
【0056】
しかしながら、パイロット信号スクランブル符号が多数のアクセスポイント111,113の間で共有されているので、マクロRNC103は、どのアクセスポイント111,113がリモート局117によって検出されたかを正確には知らない。この特定の実施例では、このターゲットの不明瞭性はアクセスポイントコントローラ115により解決される。詳細には、パイロット信号スクランブル符号は、特定のパイロット信号スクランブル符号の検出に応答したハンドオーバ開始によって、RELOCATION REQUIREDメッセージがアクセスポイントコントローラ115に宛てて送信されるように、アクセスポイントコントローラ115のアドレスにリンクされたマクロRNC103に存在する。この実施例では、パイロット信号スクランブル符号はアクセスポイントコントローラ115のアドレスに一意にリンクされているが、他の実施形態では、適切なアクセスポイントコントローラのアドレスを決定するためのより複雑な手段が用いられてよいことが認識される。
【0057】
この実施例では、アクセスポイント111は、ハンドオーバ検出プロセッサ211とアクセスポイントコントローラインタフェース201とに結合された、メッセージ生成器217を備える。潜在的なハンドオーバ検出がハンドオーバ検出プロセッサ211によって生成されると、これは、メッセージ生成器217に、アクセスポイントコントローラ215へ送信されるハンドオーバ指示メッセージを生成させる。
【0058】
ハンドオーバ指示メッセージは、ハンドオーバパイロット信号を送信したアクセスポイント(すなわち、第1のアクセスポイント117)のアクセスポイントアイデンティティ指示を提供する。一部の実施形態では、アクセスポイントアイデンティティ指示は非明示的(implicit)であってもよい。すなわち、アクセスポイントアイデンティティ指示は単純にメッセージの発信元アドレスによって提供されてもよい。したがって、アイデンティティ指示は、第1のアクセスポイント117にサービス提供するネットワーク要素(第1のアクセスポイントを自身を含む)のネットワークアドレスの指示であってよい。
【0059】
加えて、ハンドオーバ指示メッセージは、検出され、送信されているパイロット信号を生じたリモート局117の指示を含む。この指示は、例えば、IMSIの指示またはリモート局117によって用いられるアップリンクスクランブル符号によって提供されてもよく、アクセスポイント111によって監視されているアップリンクスクランブル符号が1つしかない場合には、例えば、そのメッセージの発信元アドレスによって非明示的に示されてもよい。
【0060】
ハンドオーバ要求メッセージがアクセスポイントコントローラ115によって受信されるとき、リモート局117のアイデンティティ指示を、アクセスポイントコントローラ115によってサービス提供される任意のアクセスポイント111,113によって最近検出されたリモート局のアイデンティティ指示と比較することによって、そのメッセージのターゲットアクセスポイントのアドレスが決定される。一致が見出される場合、ハンドオーバ要求メッセージは、そのアクセスポイント111または識別されたターゲットアクセスポイント111をサポートするRNCへ転送される。この実施例では、各アクセスポイントは、アクセスポイントのサポートに必要なRNC機能を備え、また詳細には、アクセスポイントのRNCハンドオーバ機能を備える。したがって、ハンドオーバ要求メッセージ(例えば、RELOCATION REQUIREDメッセージ)は、識別されたターゲットアクセスポイント111へ直接転送される。次いで、マクロRNC103およびアクセスポイント111のRNC機能は、アクセスポイント111へのリモート局117のハンドオーバを行うために、従来のハンドオーバ処理の実行を開始してよい。
【0061】
一部の実施形態では、検出指示を送信するアクセスポイントなしで、アクセスポイントコントローラ115によってターゲットの不明瞭性の解決が実行されてよいことが認識される。例えば、リモート局が1つのアクセスポイントにしかリンクされていない場合がある。したがって、ハンドオーバ要求を受信して特定のリモート局を識別する場合、アクセスポイントコントローラ115は、登録サーバにアクセスを行って関連するアクセスポイントを識別し、ハンドオーバ要求メッセージはそのアクセスポイントへ送信されてよい。
【0062】
しかしながら、そのような手法では、現在パイロット信号を送信している関連しないアクセスポイントに近いリモート局(例えば、そのアクセスポイントがそのアクセスポイントに登録された別のリモート局を検出したため)が、このパイロット信号を報告することになり、それによって、ハンドオーバ手続のより後の段階にて拒絶されるハンドオーバ手続が開始される。そのようなハンドオーバメッセージは、第1の手法が用いられる場合、アクセスポイントコントローラ115によって即座に拒絶され得る。
【0063】
一部の実施形態では、リモート局は、アクセスポイントによって送信された一意なセルアイデンティティ(UMTSでは、この情報はパイロット信号上のデータとして送信される)を復号してもよい。その場合、この情報はマクロRNCへ報告され、ハンドオーバ要求メッセージを適切なアクセスポイントへ直接宛てるために用いられてよい。
【0064】
一部の実施形態では、パイロット信号送信器は、ハンドオーバパイロット信号の一時的な伝送に加えて、少なくともハンドオーバパイロット信号が送信されない期間に、セル選択パイロット信号を送信してもよい。セル選択パイロット信号には、リモート局117の隣接リストに含まれているセル選択パイロット信号スクランブル符号が用いられる。
【0065】
ハンドオーバパイロット信号はアクティブな通信におけるリモート局のハンドオーバをサポートするために送信されるが、セル選択パイロット信号は、いかなるアクティブなユーザデータ通信も関与しないリモート局によるセル選択(すなわち、アイドル状態にあるか、専用接続モードにないか、またはその両方であるリモート局)に用いられる。
【0066】
したがって、このシステムでは、アクティブでないリモート局のセル選択/再選択に用いられるスクランブル符号は、ハンドオーバの目的でリモート局の捕捉を行うために用いられるものと異なる。
【0067】
例えば、スクランブル符号a,b,c,d,e,fが、ハンドオーバ用に予め定義されてよい(以下、ハンドオーバスクランブル符号と呼ぶ)。別個のスクランブル符号の組、例えば、g,h,i,j,k,lが、アクティブでないリモート局のセル選択/再選択用に用いられる(以下、セル選択スクランブル符号と呼ぶ)。
【0068】
多くの実施形態では、1つのハンドオーバスクランブル符号だけが用いられる。詳細には、ハンドオーバスクランブル符号は、リモート局がその関連するアクセスポイントセルに入るときに一時的に有効とされる(light up)だけなので、生じる干渉はわずかであり、複数のスクランブル符号の周波数計画または再利用はおそらく不要である。
【0069】
同時に2つのスクランブル符号で送信することによって同一チャネル干渉が生じるが、特に、ハンドオーバスクランブル符号は、リモート局がアクセスポイントによって捕捉されている一時的な期間にしか用いられないので、これは多くの実施形態では許容可能である。しかしながら、一部の実施形態では、干渉は、ハンドオーバパイロット信号が送信されないときにセル選択パイロット信号を送信するアクセスポイントにしか減少されない場合がある。
【0070】
したがって、リモート局がアイドルモードのときにアクセスポイントセルを選択することが可能であるように、アクセスポイントは、隣接リストに含まれた、先験的に規定されたセル選択スクランブル符号において、セル選択パイロット信号をブロードキャストする。しかしながら、潜在的なハンドオーバの数をアクセスポイントに登録されたリモート局のみにまで減少させるように、リモート局がアクティブな通信(例えば、DCH接続モードのハンドオーバを行うとき)にあるとき、これらのスクランブル符号は好適には測定されず、報告されない。
【0071】
したがって、リモート局は、好適には、アクティブな通信のハンドオーバに関するものと、通信がアクティブでないときのセル選択に関するものとの、異なる隣接リスト(または同様に、同じリストの異なる部分)を含むハンドオーバ隣接リストを有する。この場合、ハンドオーバパイロット信号スクランブル符号は、ハンドオーバ隣接リストにのみ含まれており、セル選択スクランブル符号は、セル選択ハンドオーバリストにのみ含まれている。
【0072】
UMTSでは、完全に別個な隣接リストの明示的な伝送は行われないが、異なる測定をどのように実行するかを示す情報の伝送によって、これが達成される。詳細には、UMTSでは、接続モード(SIB12)およびアイドルモード(SIB11)における使用のために送信される、異なる測定制御システム情報(MCSI;Measurement Control System Information)が可能となる。
【0073】
したがって、このシステムではスクランブル符号の2つ以上の組が用いられる。一方の組はセル(再)選択に用いられ(これらのスクランブル符号における伝送は好適には頻繁に/常に行われる)、他方の組はハンドオーバに用いられ、登録されているリモート局が近いことを検出するときにのみ送信される。スクランブル符号の2つの組のサポートは、接続モードおよびアイドルモードに別個の組を用いることによって達成される(この場合、アイドルモードのユーザは、再選択することの不可能なハンドオーバスクランブル符号のサーチに時間を費やすことはない)。接続モードのユーザへ提供される隣接セルのリストには、一時的に送信されるハンドオーバスクランブル符号が含まれ、アイドルモードのユーザへ提供される隣接セルのリストには、セル選択スクランブル符号が含まれる。
【0074】
一部の実施形態では、システムは、セル選択パイロット信号用の受信レベルオフセットパラメータをリモート局へ送信することによって、アクティブな通信中にリモート局にセル選択パイロット信号の検出を報告させないようにバイアスを与えるよう構成されてよい。このオフセットパラメータは、リモート局がアクティブな通信にあるとき(例えば、接続モード)にのみ、適用されてよい。
【0075】
詳細には、UMTSでは、アクティブなリモート局は、接続モードの共通チャネル状態(例えば、Cell_FACH、Cell_PCH、URA_PCH)で動作する場合がある。これらの状態のリモート局は、セル再選択によってモビリティを達成する。しかしながら、伝送には異なるアップリンクスクランブル符号(共有されているため、個々のリモート局アイデンティティに基づく割当は不可能である)が用いられるので、接近検出手法を用いることは不可能であり、したがって、一時的なハンドオーバパイロット信号の存在を用いることは不可能である。したがって、この場合、セル選択スクランブル符号とハンドオーバスクランブル符号との両方が、接続モードの隣接リストに含まれる必要がある。そのような実施形態では、受信レベルオフセットを用いて、リモート局が共通(専用でない/共有されるリソース)チャネルのアクティブな呼について報告されることを可能としつつ、リモート局が専用チャンネルのアクティブな呼についてのセル選択スクランブル符号を報告するのを妨げてもよい。
【0076】
詳細には、セル個別オフセット(Cell Individual Offset)パラメータは、測定報告が生成されるときを決定する際に適用される(UMTS技術仕様(Technical Specificaiton)25.331の第14章を参照)が、セル選択/再選択手続には用いられない。したがって、このパラメータがリモート局へ通信され、セル選択の目的では除外されるスクランブル符号に対する測定報告の生成を停止することが可能である。
【0077】
一部の実施形態では、ハンドオーバパイロット信号は、ハンドオーバの初期段階においてのみ用いられてよく、詳細には、リモート局117が検出するパイロット信号を提供するためにのみ用いられてよい。一方、異なるパイロット信号が、実際のハンドオーバに対し、アクセスポイント111にサポートされるときにリモート局をサポートするために用いられてもよい。
【0078】
詳細には、マクロRNC103によって生成されたRELOCATION REQUIREDメッセージに応答して、異なるパイロット信号の様々なパラメータおよび特性の指示を含むハンドオーバ無線設定メッセージが生成され、リモート局117へ送信されてよい。ハンドオーバ無線設定メッセージは、アクセスポイント111によって送信されるセル選択パイロット信号についての特性およびパラメータを指定することができる。リモート局117は、次いで、ハンドオーバパイロット信号でなくセル選択パイロット信号を用いて、ハンドオーバの実行を開始する。結果として、ハンドオーバパイロット信号を送信する必要のある時は減少し、さらにそれによって、他のアクセスポイントへの干渉も減少し、他のリモート局が共有ハンドオーバパイロット信号スクランブル符号を検出し、拒絶されることになるハンドオーバを生成する可能性を減少させることが可能である。
【0079】
詳細には、SRNS(Serving Radio Network Subsystem)再割当(Iurなし)手続がUMTSシステムにおいて実行されるとき、ターゲットRNCは、発信元RNCへ送信される発信元RNCからターゲットRNCへの透明コンテナに、RRC(Radio Resource Control)メッセージ(PHYSICAL CHANNEL CONFIGURATION、RADIO BEARER RECONFIGURATIONなど)を含む。ターゲットRNCは、このメッセージを用いて、ターゲットRNCの下のリモート局によって用いられるべき無線プロトコル層(すなわち、PHY、MAC、RLC層など)の設定をリモート局に通知することが可能である。詳細には、ターゲットRNCは、ターゲットRNCの下のリモート局によって用いられるべきスクランブル符号を示すことが可能である。このようにして、ターゲットシステムの選択によるスクランブル符号により、呼を設定することが可能である。この特定の実施例では、アクセスポイントコントローラ115、アクセスポイント111またはその両方は、セル選択パイロット信号によって用いられるパイロット信号スクランブル符号の指示を含む透明なコンテナを生成し、そのコンテナをマクロRNC103に送信することが可能である。マクロRNC103は、このコンテナを、それらのパラメータを次いで用いるリモート局へ転送する。
【0080】
上述の例では、アクセスポイントコントローラ115は登録サーバを備える。登録サーバは、いずれのリモート局がアクセスポイント111に登録されているかに関する情報を、例えば、登録されている各リモート局に対するIMSIまたはアップリンクスクランブル符号の形態で、アクセスポイント111へ送信する。しかしながら、他の実施形態では、アクセスポイント111は、登録されているリモート局のアイデンティティをユーザ入力によって直接提供されることが可能である。例えば、アクセスポイント111は、ユーザ(例えば、加入者またはネットワークオペレータ)が、例えば、アクセスポイントに登録されているリモート局のIMSIを、直接打ち込むことを可能とするキーボード入力部を備えてよい。アクセスポイント111は、次いで、スクランブル符号コントローラ119によって用いられるのと同じアルゴリズムを適用することによって、アイデンティティに応答して、関連するアップリンクスクランブル符号を決定することが可能である。
【0081】
上述の実施例では、潜在的なハンドオーバ検出を用いて、ハンドオーバパイロット信号のスイッチをオンに切り替えることによってハンドオーバを開始し、リモート局117が信号を検出し、マクロRNC103がハンドオーバを開始することを可能とする測定報告を生成した。
【0082】
他の実施形態では、潜在的なハンドオーバ検出によって、アクセスポイント111またはアクセスポイントコントローラ115により、より直接的にハンドオーバが開始される。
【0083】
詳細には、アクセスポイント111またはアクセスポイント111にサービス提供する要素(アクセスポイント111にサービス提供するアクセスポイントコントローラ115またはRNCなど)は、潜在的なハンドオーバ検出に応答してハンドオーバ開始メッセージを生成することが可能である。ハンドオーバ開始メッセージは、次いで、固定ネットワークを介して、リモート局117を現在サポートしているマクロRNC103へ送信される。固定ネットワークは、セルラー通信システムのインフラストラクチャ部分であり、一般にコアネットワーク(Core Network)および任意の無線接続ネットワーク(Radio Access Network)を含む。この特定の実施例では、潜在的なハンドオーバ検出を示すメッセージがアクセスポイント111から受信されるとき、アクセスポイントコントローラ115はハンドオーバ開始メッセージを生成することができる。このメッセージは、次いで、第1、第2のMSC107,109を介し、マクロRNC103へ送信される。
【0084】
マクロRNC103は、ハンドオーバ開始メッセージを受信すると、第1のリモート局がアクセスポイント111のセルへのハンドオーバを行うとのハンドオーバ要求メッセージの生成を開始する。詳細には、RELOCATION REQUESTメッセージが生成され、第1のアクセスポイント111にサービス提供するRNCへ送信されることが可能である。この特定の実施例では、アクセスポイント111自身がRNC機能を備えており、第1のアクセスポイント111へRELOCATION REQUESTメッセージを直接送信することが可能である。
【0085】
さらに、リモート局117からのアップリンク伝送を検出するとき、第1のアクセスポイント111によってハンドオーバが開始されるので、正確なターゲットアクセスポイントのアイデンティティは既知であり、ハンドオーバ開始メッセージへ含められることが可能である。したがって、この実施例では、ハンドオーバ開始メッセージは第1のアクセスポイント111のアドレスを含み、これにしたがって、マクロRNC103はRELOCATION REQUESTメッセージを直接第1のアクセスポイント111に宛てることが可能である。
【0086】
詳細には、UMTSシステムでは、この手法により、RANAP再割当必要(Relocation Required)コマンドを第1のMSC107へ送ることによって、ターゲット側からのSRNS再配置手続のトリガが可能となる。RANAP再割当必要コマンドは、追加情報要素(例えば、IMSI、アップリンクスクランブル符号、ターゲットセルのアイデンティティ)を含む、RRC透明コンテナを含むことが可能である。これによって、次いで、マクロRNC103に標準的なSRNS再割当を開始させる。
【0087】
この実施例では、ハンドオーバ開始は、ダウンリンクパイロット信号の検出ではなく、リモート局からのアップリンク伝送の検出に基づく。したがって、そのような実施例では、アクセスポイントはハンドオーバパイロット信号を送信しないでよく、これによって、干渉を減少させるとともに、追加のパイロット信号スクランブル符号の必要を減少させる。
【0088】
ハンドオーバを開始するには、ハンドオーバ開始メッセージが正しいマクロRNC103へ宛てられる必要がある。一部の実施形態では、アクセスポイントコントローラ115は、第1のリモート局の現在の位置の指示を受信し、この指示を用いて、アクセスポイントにサービス提供するマクロRNC103のアドレスを決定してよい。現在位置は、第1のMSCまたはHLR/VLR(Home Location Register/Visitor Location Register)など、第1のセルにおいて第1のリモート局をサポートするネットワーク要素から受信される。詳細には、アクセスポイントコントローラ115は、HLR/VLRからリモート局117の現在のエリア位置符号(LAC;Location Area Code)を読み出すことが可能である。
【0089】
別の一例として、アクセスポイントが、通常、上位のマクロセルからのみアクセス可能であるように、静的に設定されてもよい。別の一例として、再割当シーケンスにおいて、マクロRNC103がマクロセルにおけるユーザの存在についてサブ層へ信号で送ることを可能とする新たなメッセージが追加されてもよい(例えば、再割当情報(Relocation Information))。
【0090】
図3には、本発明の一部の実施形態によるCDMAセルラー通信システムの動作の方法を示す。このCDMAセルラー通信システムは、第1のセルにおいてアップリンクスクランブル符号を用いてアップリンク伝送を行うリモート局をサポートする、第1の基地局を含む。
【0091】
この方法は工程301で開始する。工程301では、第1のリモート局のアイデンティティからアップリンクスクランブル符号の第1の組が決定される。
工程301には工程303が続く。工程303では、第1の組からアップリンクスクランブル符号が選択される。第1の組は、アイデンティティに対する一意な依存性を有する。
【0092】
工程303には工程305が続く。工程305では、第2のセルをサポートする第1のアクセスポイントが、アクセスポイントに登録されているリモート局のグループを決定する。リモート局のグループには、第1のリモート局が含まれる。
【0093】
工程305には工程307が続く。工程307では、第1のアクセスポイントが、リモート局のグループの関連するアップリンクスクランブル符号を決定する。第1のリモート局の第1の関連するアップリンクスクランブル符号は、アップリンクスクランブル符号の第1の組のスクランブル符号である。
【0094】
工程307には工程309が続く。工程309では、第1のアクセスポイントが、関連するアップリンクスクランブル符号を用いる受信信号を監視する。
工程309には工程311が続く。工程311では、第1のアクセスポイントが、第1の関連するアップリンクスクランブル符号を用いる受信される信号の検出に応答して、第1のセルから第2のセルへの第1のリモート局のハンドオーバに関する潜在的なハンドオーバ検出を生成する。
【0095】
リモート局のハンドオーバまたは再割当は、リモート局が1つのセルにサポートされている状態から別のセルにサポートされている状態へ移る任意の処理または動作であってよいことが認識される。
【0096】
明瞭さのため、上述の記載は、異なる機能ユニットおよびプロセッサに関して本発明の実施形態を説明したものであることが認識される。しかしながら、本発明から逸脱することなく、異なる機能ユニットまたはプロセッサ間に機能を分散させて用いられてよいことは明らかである。例えば、個別のプロセッサまたはコントローラによって実行されるように示した機能が、同じプロセッサまたはコントローラによって実行されてもよい。したがって、特定の機能ユニットへの参照は、厳密な論理的もしくは物理的な構造または組織を表すのではなく、記載の機能を提供する適切な手段に対する参照であるに過ぎないと理解される。
【0097】
本発明はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切な形態により実装することが可能である。本発明は、随意では、少なくとも部分的には、1つ以上のデータプロセッサ、デジタル信号プロセッサまたはその両方において動作するコンピュータソフトウェアとして実装することができる。本発明の一実施形態の要素および部品は、任意の適切な手法により物理的、機能的、および論理的に実装することができる。実際、機能は、単一のユニットにより、複数のユニットにより、または他の機能ユニットの一部として実装することができる。そのため、本発明は、単一のユニットにより実装されてもよく、異なるユニットおよびプロセッサ間に物理的および機能的に分散されてもよい。
【0098】
本発明を一部の実施形態に関連して記載したが、本明細書に述べた特定の形態に限定する意図ではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。これに加えて、それぞれの特徴が特定の実施形態に関連して記載されているように見える場合があるかもしれないが、当業者には、記載の実施形態の様々な機能が本発明において組み合わせられてよいことが認識される。特許請求の範囲において、含む、の用語は、他の要素または工程の存在を除外するものではない。
【0099】
さらに、個別に挙げている複数の手段、要素または工程が、例えば、単一のユニットまたはプロセッサによって実装されてもよい。これに加えて、個々の特徴が別個の請求項に含まれている場合があるかもしれないが、それらの特徴が有利に組み合わせられてもよく、別個のクレームに包含されていることは、機能の組み合わせが実現可能でないことや、有利でないことを示唆するものでない。また、ある特徴が1つのカテゴリの発明に係る請求項に包含されていることは、そのカテゴリへの限定を示唆するものではなく、その特徴が他のカテゴリの発明に係る請求項に適切であるように同等に適用可能であることを示すものである。さらに、請求項における特徴の順序は、特徴を機能させる必要のある特定の順序を示唆するものではなく、詳細には、方法の発明に係る請求項の個々の工程の順序は、工程がその順序に実行される必要があることを示唆するものではない。むしろ、工程は任意の適切な順序で実行されてよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号分割多元接続(CDMA)セルラー通信システムであって、
第1のセルにおいてアップリンクスクランブル符号を用いてアップリンク伝送を行うリモート局をサポートする第1の基地局と、
第1のリモート局のアイデンティティからアップリンクスクランブル符号の第1の組を決定し、該第1の組からアップリンクスクランブル符号を選択する構成ためのスクランブル符号手段と、前記第1の組は同アイデンティティに対する一意な依存性を有することと、
第2のセルをサポートする第1のアクセスポイントと、を含み、
第1のアクセスポイントは、
同アクセスポイントに登録されている、第1のリモート局を含むリモート局のグループを決定するための手段と、
前記リモート局のグループの関連するアップリンクスクランブル符号を決定するための手段と、第1のリモート局の第1の関連するアップリンクスクランブル符号はアップリンクスクランブル符号の第1の組のスクランブル符号であることと、
関連するアップリンクスクランブル符号を用いる受信信号を監視するための手段と、
第1の関連するアップリンクスクランブル符号を用いる受信信号の検出に応答して、第1のセルから第2のセルへの第1のリモート局のハンドオーバに関する潜在的なハンドオーバ検出を生成するように構成されたハンドオーバ検出手段と、を含む、
CDMAセルラー通信システム。
【請求項2】
前記アクセスポイントは、潜在的なハンドオーバ検出に応答して、リモート局の隣接リストに含まれているハンドオーバパイロット信号スクランブル符号を用いてハンドオーバパイロット信号を一時的に送信するためのハンドオーバ手段をさらに備える、請求項1に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項3】
第1のアクセスポイントを含む複数のアクセスポイントをサポートするように構成されたアクセスポイントコントローラを含み、ハンドオーバ手段は、潜在的なハンドオーバ検出に応答して、第1のアクセスポイントのアクセスポイントアイデンティティ指示を含むハンドオーバ指示メッセージをアクセスポイントコントローラに送信するように構成されている、請求項2に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項4】
ハンドオーバ開始手段を含み、ハンドオーバ開始手段は、
リモート局からハンドオーバパイロット信号に関するパイロット検出メッセージを受信するための手段と、
パイロット信号スクランブル符号に応答してアクセスポイントコントローラのアドレスを決定するための手段と、
ハンドオーバ要求メッセージを生成するための手段と、
ハンドオーバ要求メッセージをアクセスポイントコントローラに送信するための手段と、を備える、請求項3に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項5】
アクセスポイントコントローラは、ハンドオーバ要求メッセージとアクセスポイントアイデンティティ指示とに含まれる第1のリモート局に関するリモート局アイデンティティ指示に応答して、第1のアクセスポイントをハンドオーバ要求メッセージにおけるターゲットハンドオーバアクセスポイントとして識別するように構成されている請求項4に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項6】
第1のアクセスポイントは、少なくともハンドオーバパイロット信号の送信されない期間にセル選択パイロット信号を送信するための手段をさらに備え、セル選択パイロット信号は、リモート局の隣接リストに含まれているセル選択パイロット信号スクランブル符号を有する請求項2に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項7】
第1のアクセスポイントは、ハンドオーバパイロット信号が送信されるとき、セル選択パイロット信号を送信しないように構成されている請求項6に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項8】
リモート局は、アクティブな通信のハンドオーバに関するハンドオーバ隣接リストと、通信がアクティブでないときのセル選択に関するセル選択隣接リストとを含み、ハンドオーバパイロット信号スクランブル符号はハンドオーバ隣接リストにのみ含まれ、セル選択パイロット信号スクランブル符号はセル選択ハンドオーバリストにのみ含まれる請求項6に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項9】
セル選択パイロット信号用の受信レベルオフセットパラメータをリモート局へ送信することによって、アクティブな通信中に第1のリモート局にセル選択パイロット信号の検出を報告させないようにバイアスを与えるための手段を含み、リモート局は、リモート局がアクティブな通信に関与するときにのみ、受信レベルオフセットパラメータをセル選択パイロット信号に適用するように構成されている請求項6に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項10】
第2のパイロット信号に関するパラメータを含むハンドオーバ無線設定メッセージをリモート局に送信するための手段を含み、第1のアクセスポイントは第2のパイロット信号を送信するための手段を含み、リモート局は第2のパイロット信号を用いて第1のセルへのハンドオーバを行うように構成されている請求項2に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項11】
第2のパイロット信号は非アクティブなリモート局のセル選択をサポートするセル選択パイロット信号である請求項10に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項12】
前記アクセスポイントは、第1のリモート局のアイデンティティの指示を受信するための入力手段と、第1のリモート局のアイデンティティに応答して第1の関連するアップリンクスクランブル符号を決定するための手段とを備える請求項1に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項13】
潜在的なハンドオーバ検出に応答してハンドオーバ開始メッセージを生成するためのハンドオーバ開始手段と、固定ネットワークを介して第1の基地局をサポートする無線ネットワークコントローラへのハンドオーバ開始メッセージの通信を行うための手段とを含む、請求項1に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項14】
無線ネットワークコントローラは、ハンドオーバ開始メッセージの受信に応答して第1のリモート局の第2のセルへのハンドオーバに関するハンドオーバ要求メッセージを生成するための手段と、第1のアクセスポイントをサポートする無線ネットワークコントローラにハンドオーバ要求メッセージを送信するための手段とを備える、請求項13に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項15】
ハンドオーバ開始メッセージは、第1のアクセスポイントと、第1のアクセスポイントをサポートする無線ネットワークコントローラとのうちの1つ以上のアイデンティフィケーションを含む請求項14に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項16】
ハンドオーバ開始手段は、第1のセルにおいて第1のリモート局をサポートするネットワーク要素から第1のリモート局の現在位置の指示を受信することに応答して、無線ネットワークコントローラのアドレスを決定するように構成されている、請求項13に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項17】
前記アクセスポイントはハンドオーバパイロット信号を送信しないように構成されている請求項13に記載のCDMAセルラー通信システム。
【請求項18】
第1のセルにおいてアップリンクスクランブル符号を用いてアップリンク伝送を行うリモート局をサポートする第1の基地局を含む符号分割多元接続(CDMA)セルラー通信システムの動作方法であって、
第1のリモート局のアイデンティティからアップリンクスクランブル符号の第1の組を決定することと、
前記第1の組からアップリンクスクランブル符号を選択すること、前記第1の組は前記アイデンティティに対する一意な依存性を有することと、からなり、
第2のセルをサポートする第1のアクセスポイントは、
アクセスポイントに登録されている、第1のリモート局を含むリモート局のグループを決定することと、
前記リモート局のグループの関連するアップリンクスクランブル符号を決定することと、第1のリモート局の第1の関連するアップリンクスクランブル符号はアップリンクスクランブル符号の第1の組のスクランブル符号であることと、
関連するアップリンクスクランブル符号を用いる受信信号を監視することと、
第1の関連するアップリンクスクランブル符号を用いる受信信号の検出に応答して、第1のセルから第2のセルへの第1のリモート局のハンドオーバに関する潜在的なハンドオーバ検出を生成することと、を実行する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−517366(P2010−517366A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546375(P2009−546375)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/083609
【国際公開番号】WO2008/094333
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】