説明

第一級アミノ官能基を有する新規の有機変性シロキサン、第四級アンモニウム官能基を有する新規の有機変性シロキサン、およびその製造方法

本発明は、シロキサンをアンモニアと反応させることによって、第一級アミノ基を選択的に有するシロキサンを製造するための方法、およびこのようにして製造される化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一級アミノ官能基を有する新規の有機変性(organomodified)シロキサンおよび第四級アンモニウム官能基を有する新規の有機変性シロキサン、ならびにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第一級アミノ官能基を有するシランおよび有機変性シロキサンの両方の生成について、様々な合成経路を参照することにより従来技術に記載されている。
【0003】
アミノアルキル官能性アルコキシシランは、コーティングにおける接着促進剤または接着剤および封止剤として使用される。それらは、たとえば、ドイツ特許出願公開10104966号に記載されているように、塩化アリルの白金(0)触媒ヒドロシリル化によって生成される。二次反応により、プロペン、クロロプロパンおよびプロピルクロロシランが形成されるが、これは生成物の蒸留精製が必要とされることを意味する。このようにして得られる3−クロロプロピルクロロシランのハロアルキル官能基は、欧州特許出願公開1273612号によれば、たとえば、アンモニア、硫化水素、アルカリ金属または硫化アンモニウム、ロダン化物、またメタクリル酸塩との反応によって、様々なやり方でさらに官能化することができる。アルコール分解によって、官能性クロロシランを対応するアルコキシシランに変換することができる。
【0004】
アミノアルキル官能性アルコキシシランのより効率的な生成のために、従来技術では、3段階のクロロシラン経路の代わりに、エトキシ水素シランによるアリルアミンの直接ヒドロシリル化が記載されている。しかしながら、この反応経路は、錯化アリルアミンによって遷移金属触媒が強く阻害されるため、困難であることがわかった。一連の特許出願では、特定のルテニウムまたはロジウム触媒、また共触媒としての窒素およびリン化合物の助けを借りて、経済的なヒドロシリル化方法見出す試みが示されているが、したがって、たとえば、米国特許第4481364号、米国特許第4867501号、米国特許第4921988号、米国特許第4927953号または米国特許第5001246号である。これらの方法では多くの場合、大量の触媒が必要となり、二重結合の再配列および限られた付加反応選択性のために、アミノプロピルシランの分枝状アルファおよびベータ異性体、および直鎖ガンマ異性体からなる生成物混合が生じてしまう。このシラン混合物を、さらなる使用の前に蒸留によって精製しなければならない。比較的大量の触媒および二次反応によって生じる収率損失、また所要の蒸留精製のために、アリルアミンのヒドロシリル化はコスト高を伴う。
【0005】
加水分解および縮合反応によって、アミノプロピルアルコキシシランをポリシロキサンに変換することができる。塩基性アミノ官能基により、たとえば、KOH、水酸化アンモニウム、カルボン酸塩などのアルカリ触媒の使用が好ましい。欧州特許出願公開1580215号およびここに引用されている明細書は、参照として本明細書中に援用することができる。この合成経路には限界がある。官能基密度が高いアミノ官能性ポリシロキサンの合成の場合、高価な特別なシランの価格によりますます材料費が上昇していると同時に、加水分解中に遊離するアルコールの量によって収率が低下する。ポリシロキサンとアミノ基との塩基触媒平衡反応の場合、シラザンも副生成物として生じ得る。
【0006】
不飽和アミンと水素シロキサンとのヒドロシリル化の際に位置選択性を増加させ、かつシラザンの形成を回避するために、ドイツ特許出願公開第4436077号によれば、2つの追加の合成工程を必要とする保護基技術を活用する。アリルアミンとテトラメチルジシロキサンとのヒドロシリル化の際の優れた選択性が、米国特許第5026890号に記載され、カールシュテット(Karstedt)触媒が用いられる。にもかかわらず、この白金(0)−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体によって、比較的大量の少なくとも40ppmの白金が必要とされる。
【0007】
メタクリルアミド官能性アルキルシランを生成するために、米国特許出願公開第20050176911号では、0℃〜25℃で1〜3日間のエポキシ官能性アルキルシランとアンモニアメタノール溶液との反応が記載されている。その後の塩化メタクリロイルによる誘導体化により目標化合物が生じる。欧州特許出願公開第1956038号には、末端がメタクリルアミド官能性の直鎖ポリジメチルシロキサンを生成するための同様の方法が開示されている。追加の官能基を有する混合置換ポリシロキサンについては言及していない。
【0008】
欧州特許出願公開第1008614号では、直鎖ポリジメチルシロキサンが請求項に記載されて、その鎖末端が、各々の場合、アリルポリエーテル1つおよびアルカノールアミンまたはアルカノールアルキルアミン1つとSiC結合している。たとえば80℃でジエタノールアミンを用いたチタンによって触媒されるエポキシド開環によって、直鎖、エポキシおよびポリエーテル官能性ポリジメチルシロキサンから生成が起こる。第一級アミノ官能基を有するポリシロキサンは記載されている方法によって生成することができず、特定されても請求項に記載されてもいない。
【0009】
米国特許出願公開第2008/0314518号には、水性二成分接着促進剤を生成するための、アミノ官能性シランまたはエチレンジアミンと、グリシドキシプロピルトリエトキシシランとのその場反応が記載されている。アミノ官能基が過剰に添加されたエポキシド環の2つ以上と反応するため、優れた接着に必要とされる架橋は確保される。
【0010】
従来技術には、2つ以下のアミノ官能基を有するが、多くの場合さらなる官能基がないシロキサンが記載されている。アミノ官能基の様々な酸との反応によって、または四級窒素化合物を生じるそのアルキル化によっても入手可能なアミノ官能性シロキサン、特にそれらの荷電誘導体が表面に向かって際立った静電的親和力を有し、したがって化合物の優れた保持性(substantivity)を提供する。基質にアミノシロキサン自体を静電気的に固定するアミノシロキサンの能力であるアミノシロキサンの保持性は、その官能基密度、すなわち、分子量に基づく非荷電または電荷保有窒素官能基の数に関連している。アミノシロキサンに自由に選択可能な保持性を提供する目的に傾倒して、これまでの従来技術は、シロキサン鎖当たり2つ以上または3つ以上の第一級アミノ官能基を含有するシロキサンへの選択的かつ費用効果の高い合成手法を欠いていることに留意すべきである。
【0011】
アルカノールアミンの生成から知られている通り、アンモニアによるエポキシド開環は第一級アミンの段階では停止しない。形成される第一級および第二級アミンは、比較的強い求核試薬であり、アンモニアと競合してエポキシド環と反応する(文献:Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、2006年出版、第7版、Wiley VCH)。欧州特許出願公開第1008614号に記載されているアミノ官能性ポリシロキサンは低分子量で、鎖1つ当たり末端アミノ官能基を1つしか有していない。欧州特許出願公開第1956038号でも同様に、直鎖末端アミノ官能性中間体しか記載されていない。形成される第一級アミンの逐次反応により、第1の例では、鎖延長が生じ、架橋の結果としてのゲル化は生じない。シロキサンが側鎖置換基(lateral substituent)を有するとすぐに、かつ、特に3つ以上のアミノ官能基をシロキサンに結合される場合、第一級および第二級アミンのさらなる反応により、比較的大きな粘度の増大を招く。生成物のモル質量の増加に伴って、またそれに付随して生成物粘度の増大に伴ってゲル化の危険性が増大する。さらに、第二級アミンは、亜硝酸塩または空気からの亜酸化窒素ガスで発癌性のあるニトロソアミンを形成するため、毒性学的に許容し得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の一目的は、第一級アミノ官能基およびさらに有機変性を有するシロキサンを選択的かつ費用効果の高いやり方で生成することにある。その目的は、第二級アミンの形成を回避すると同時に、高い収率の第一級アミノ官能基を確保することである。
【0013】
欧州特許出願公開第1956038号および米国特許出願公開20050176911号に記載されているエポキシ官能性化合物をアンモニアと反応させるための方法の1つの利点は、少なくとも12時間から3日までの範囲の長い反応時間である。反応が長く続くほど、アンモニアの局所濃度がより低下し、形成される第一級アミンがその後の反応においてより優先的に残存するエポキシ官能基と反応し、ゲル化する。長い反応時間は、不可避的に、選択した圧力および温度の工程パラメータに起因する。
【0014】
本発明のさらなる目的はさらに、第一級アミノ基の形成に対する化学選択性が高いシロキサンを製造するための費用効果の高い方法を開発することにある。
【0015】
驚くべきことに、側鎖エポキシ変性(laterally epoxy-modified)シロキサンとアンモニアとの反応により、第二級または第三級アミノ形成が起こることにより、架橋なしで選択的に第一級アミノ基を有するシロキサンが生成されることを見出した。
【0016】
したがって、本発明は、側鎖エポキシ変性シロキサンを気体状の、溶存の、またはその場(in situ)で生成したアンモニアと反応させることによって、選択的に第一級アミノ基を有するシロキサンを製造するための方法を提供する。
【0017】
このことは、当業者にとって驚くべきことであり、また予測不可能であるが、それは、アルキル置換アミンが比較的強い求核試薬であり、したがって所望の生成物と他エポキシド環とのさらなる反応に有利に働き、一次反応を通じて第二級アミンを形成するからである。これは、官能基密度が高い場合、したがって系におけるエポキシド基の濃度が高い場合に特に当てはまる。
【0018】
本発明のさらなる目的は、より高い官能基密度を達成するために、第一級アミノ官能基を用いて鎖末端だけでなく側鎖にシロキサンを修飾することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は下記一般式1のシロキサンを提供する。
M’a1M’’a2M’’’a3D’b1D’’b2D’’’b3
(式1)
式中、
M =(RSiO1/2
M’ =(RSiO1/2
M’’ =(RSiO1/2
M’’’=(RSiO1/2
D =(RSiO2/2
D’ =(RSiO2/2
D’’ =(RSiO2/2
D’’’=(RSiO2/2
T =(RSiO3/2
Q =(SiO4/2
a =0〜32、好ましくは1〜22、特に2、
a1 =0〜10、好ましくは1〜5、特に2、
a2 =0〜32、好ましくは1〜22、特に2、
a3 =0〜10、好ましくは1〜5、特に2、
b =0〜600、好ましくは10〜500、特に20〜400、
b1 =0〜50、好ましくは0.1〜20、特に2〜10、
b2 =0〜50、好ましくは0.1〜20、特に1〜10、
b3 =0〜50、好ましくは1〜20、特に2〜10、
c =0〜20、好ましくは0〜10、特に0、
d =0〜20、好ましくは0〜10、特に0、
であり
ただし、
a1=2の場合、b1≠0および/またはb2≠0および/またはb3≠0および/またはa2≠0および/またはa3≠0であり、好ましくは因子a2、a3、b1、b2およびb3のうち少なくとも2つ≠0である。
は、他と独立して、炭素数1〜30の同一もしくは異なる直鎖もしくは分枝状炭化水素基、または炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、好ましくはメチルもしくはフェニル、特にメチルであり、
は、他と独立して、第一級アミノ官能基を有する同一または異なる有機基であり、好ましくはアミノ官能基に加えてヒドロキシル基を有する基であり、特に下記群から選択され、
【化1】


式中、
は、水素または炭素数1〜6のアルキルの群からの同一または異なる基、好ましくはメチル基であり、
は、エーテル官能基を任意選択により含有し、かつ任意選択によりポリオキシアルキレン基、好ましくはメチレン基である、同一または異なる二価の炭化水素基であり、
mは、2〜18の整数であり、
は、
−CH−CH−CH−O−(CH−CHO−)−(CH−CH(R’)O−)−R’’
−CH−CH−O−(CH−CHO−)−(CH−CH(R’)O−)−R’’
−CH−CH−(O)x’−RIV
−CH−CH−CH−O−CH−CH(OH)−CHOH
または
−CH−CH−CH−O−CH−C(CHOH)−CH−CH
の群からの同一または異なる基であり、式中、
xは、0〜100、好ましくは>0、特に1〜50であり、
x’は、0または1であり、
yは、0〜100、好ましくは>0、特に1〜50であり、
R’は、他と独立して、任意選択により置換されている、たとえば、アルキル基、アリール基またはハロアルキルもしくはハロアリール基で置換されている、炭素数1〜12のアルキルまたはアリール基であり、R基および/または式1の分子内には、互いに異なる置換基R’が存在してもよく、
R’’は、他と独立して、水素基または炭素数1〜4のアルキル基、R’’’=アルキル基である−C(O)−R’’’基、−CH−O−R’基であり、たとえばベンジル基などのアルキルアリール基、−C(O)NH−R’基であり、
IVは、任意選択により置換された、たとえば、ハロゲン置換された、炭素数1〜50、好ましくは3〜30の飽和または不飽和炭化水素基であり、特にデシル、ドデシル、テトラデシルまたはヘキサデシル基であり、
は、他と独立して、同一または異なる直鎖、環状または分枝状の、炭素数1〜30の任意選択によりオレフィン系不飽和または芳香族炭化水素基であり、ヘテロ原子O、N、S、Pまたはハロゲン原子を含有する基で置換されていてもよく、好ましくは第一級および第二級アミン官能基を含有せず、好ましくはアルカノール基、カルボン酸基またはカルボン酸エステル基、特に、たとえばドデセニル、テトラデシル、ヘキサデシル、またはオクタデシル基など、炭素数5〜30の炭化水素基であり、
=他と独立して、同一または異なるR、R、RまたはR基であり、好ましくはR、特にメチル、フェニル、ドデシル、またはヘキサデシルである。
【0020】
上記式(シロキサン鎖またはポリオキシアルキレン鎖)中に挙げられているビルディングブロック(building block)の様々なモノマー単位は、任意の所望の数のブロックを用いて互いにブロック形式で構成することができ、任意の順序または統計的分布に基づくことができる。式中で使用されている添字は、統計的平均値と見なされる。
【0021】
本発明は、プロトン性反応物Hを用いて本発明によるアミノ官能性シロキサンのイオン付加物をさらに提供する。この付加物は、−NH3の形で存在する。アニオンAは、酸Hの無機または有機アニオン、またその誘導体から選択される、プロトン化第一級アミノ基上の正電荷に対する同一または異なる対イオンである。好ましいアニオンは、たとえば、塩化物、硫酸塩および硫酸水素塩、炭酸塩および炭酸水素塩、リン酸塩およびリン酸水素塩、直鎖または分枝状の飽和またはオレフィン系不飽和アルキル鎖を有する酢酸塩および同種カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、アミノ酸から形成されるカルボン酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、飽和および不飽和コハク酸塩、ならびにたとえば乳酸塩など、L−ヒドロキシカルボン酸から形成されるカルボン酸塩である。本発明によるアミノシロキサンおよびそれらのイオン付加物は、形成される付加物の安定性に応じて解離平衡状態で存在する。
【0022】
さらに、本発明は、下記式2の第一級アミン官能基のアルキル化から得られる第四級アンモニウム化合物を提供する。
M’’’’a1M’’a2M’’’a3D’’’’b1D’’b2D’’’b3
(式2)
式中、
M =(RSiO1/2
M’’’’=(RSiO1/2
M’’ =(RSiO1/2
M’’’ =(RSiO1/2
D =(RSiO2/2
D’’’’=(RSiO2/2
D’’ =(RSiO2/2
D’’’ =(RSiO2/2
T =(RSiO3/2
Q =(SiO4/2
であり、
a、a1、a2、a3、b、b1、b2、b3、cおよびdは上述の意味を有し、R、R、RおよびR基は同様に上述の定義を満たし、
は、他と独立して、アンモニウム官能基を有する同一または異なる有機基であり、好適な基Rは、たとえば、好ましくは下記群から選択される同一または異なる基であり、
【化2】


は、他と独立して、同一または異なる炭素数1〜30の直鎖もしくは分枝状の炭化水素基、または炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、好ましくはメチルまたはエチルである。
【0023】
第四級アンモニウム官能基を有する本発明による化合物を生成するために、本発明による式1の化合物をアルキル化試薬と反応させる。このため、特に、たとえばハロゲン化アルキルや硫酸ジアルキルなど、当業者に公知のアルキル化試薬を使用することができる。
【0024】
本発明はさらに、式1または2の本発明による化合物を含む溶液、エマルジョン、分散液および/または混合物の形の調製物を提供する。これらの調製物は、添加剤および副材料をさらに含むことができ、たとえば、充填剤、乳化剤、染料、顔料の群から選択することができるが、これらに限定されない。
【0025】
本発明はさらに、化粧料用乳化剤、プラスチックブレンド用相溶化剤、離型剤、疎水化剤、着色顔料および充填剤用分散剤、織物加工仕上げ用添加剤(柔軟剤)、髪用コンディショナ、表面コーティング/接着促進剤用プライマ、腐食防止製剤用添加剤、PU泡安定剤、消泡剤および/または湿潤剤としての、本発明による式1または2のアミノ官能性シロキサンの使用を提供する。
【0026】
本発明はさらに、本発明による式1のアミノシロキサンを製造する方法を提供する。
【0027】
本発明によるシロキサンの製造方法:
本発明による式1の化合物は、式3のエポキシ官能性化合物から生成される。
M’’’’’a1M’’a2M’’’a3D’’’’’b1D’’b2D’’’b3
(式3)
式中、
M =(RSiO1/2
M’’’’’=(R10SiO1/2
M’’ =(RSiO1/2
M’’’ =(RSiO1/2
D =(RSiO2/2
D’’’’’=(R10SiO2/2
D’’ =(RSiO2/2
D’’’ =(RSiO2/2
T =(RSiO3/2
Q =(SiO4/2
であり、
a、a1、a2、a3、b、b1、b2、b3、cおよびdは上述の意味を有し、R、R、RおよびR基は同様に上述の定義を満たし、
10は、他と独立して、同一または異なる有機エポキシ基である。
【0028】
好適なエポキシ基R10は、たとえば、好ましくは下記群から選択される同一または異なる基である。
【化3】

【0029】
さらなる置換基を有することもできるエポキシ官能性シロキサンは、従来技術で、たとえば、欧州特許出願公開第0415208号に記載されているように、遷移金属触媒によるヒドロシリル化によって生成する。その後、溶媒の使用の有無にかかわらず、大気圧で、または大気圧超の圧力のオートクレーブ内で、アンモニアの導入により開環反応を行う。たとえば温度を上昇させたときに開裂されてアンモニアを放つ化合物から、その場でアンモニアを発生させることもできる。
【0030】
多くの慣用の溶媒が、アミノ官能性シロキサンの本発明による生成に好適である。エポキシ官能性プレ生成物(preproduct)の極性に応じて、溶媒を出発材料および生成物に対する溶解能力に従って選択する。この溶媒は、選択した反応条件下でアンモニアに対しても、またエポキシ官能性プレ生成物に対しても概して不活性な挙動を示す必要がある。したがって、たとえば、芳香族炭化水素、またエーテルまたはアルコールも好適である。トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロパノールおよびその異性体、特に2−プロパノールの使用が好ましい。
【0031】
オートクレーブを使用する場合、反応ガスが閉鎖系内にとどまることにより、最大150℃、好ましくは60℃〜130℃のより高い反応温度を確立することができる。オートクレーブを開放し、圧力をかけずに、たとえば、飽和アンモニア性溶液を充填した場合、加熱中の閉じたオートクレーブ内の圧力上昇は、1〜50bar、好ましくは5〜20barの範囲でよい。ガス発生装置により閉じた加圧反応器にアンモニアガスを充填する場合、1〜50bar、好ましくは5〜20barの所与の圧力を充填中に確立することができる。この場合、反応時間は1〜10時間、好ましくは1〜5時間でよい。
【0032】
1barを超える圧力で、また50℃を上回る温度でのこの方法の特別な利点は、従来技術に比べ、12時間未満のより短い反応時間を達成することが可能であることである。さらに、形成される第一級アミンに対するアンモニアの比率、すなわち、開環に関して競合する試薬の比率は、アンモニアに有利に増大することから、溶解相中のアンモニアのより高い局所濃度は、選択性にポシティブに影響を及ぼす。好ましい処理圧力が2〜50bar、特に5〜20barの範囲内である。
【0033】
より高い反応温度のさらなる利点は、比較的高分子量のエポキシシロキサンの反応の場合に明らかでなる。出発化合物の粘度はより高温では低下し、それにより混合および物質移動が容易となり、したがって同様に反応が早くなる。無加圧の方法では、より高い反応温度により、同様により早くアンモニア脱気が生じるため、ガスフリット(gas frit)を用いて小規模で、及び気泡塔反応器を用いて生産規模で稼働することが有利となり得る。
【0034】
圧力をかけずに反応を行う場合、許容可能な選択性を伴う早い反応には50℃の、好ましくは60℃の最低温度が必要となる。無加圧の反応制御では、好適な触媒を用いることによってエポキシ開環の速度を増大させることが有利となり得る。酸、ルイス酸もしくは塩基、また金属塩もしくは錯体、または遷移金属塩もしくは錯体の領域からの不均一系または均一系触媒を使用することができる。
【0035】
反応は、ワンポット法で、または連続的に行うことができる。反応が完了したら、残留アンモニアおよび任意選択により使用した溶媒を除去するために生成物を蒸留する。固体または溶解緩衝系を用いることによって、pHを調整することができる。固体塩を用いてpH調整を行う場合、ろ過工程が後に続く。生成物混濁が生じた場合には、必ずしもろ過を行う必要はない。
【0036】
分子状ガスの形態または飽和溶液形態の試薬としてアンモニアを使用することができるだけでなく、化学的に結合した形態でアンモニアを使用することもできる。したがって、たとえば、気体アンモニアまたはアンモニア水溶液またはアンモニアアルコール溶液と同様に、溶液中の加水分解時に分解等を伴って高温でアンモニアを放出するアミンおよび/またはアンモニウム化合物、たとえば、ハロゲン化アンモニウム、炭酸アンモニウムおよび/または炭酸水素塩、硫酸アンモニウムおよび/または硫酸水素塩、スルファミン酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素塩および/またはリン酸二水素塩、シアン酸アンモニウム、たとえば、酢酸アンモニウム、シュウ酸水素アンモニウムおよび/またはシュウ酸アンモニウム、クエン酸水素アンモニウム、安息香酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、コハク酸アンモニウムなどのカルボン酸アンモニウムなどを使用することも可能である。さらに、選択した反応条件下の分解によって、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸もしくはアミド硫酸、またはウロトロピン(ヘキサメチレンテトラアミン)からその場でアンモニアを生成することができる。使用するアミンまたはアンモニウム化合物に応じて、形成するアミン官能基に関する二次反応の結果、カルボキサミドまたはカルバミン酸塩を形成することができ、および/または形成するヒドロキシル官能基に関する二次反応の結果、カルボン酸エステルまたは対応する硫酸エステルもしくはリン酸エステルを形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0037】
(実施例1)
以下に記載する実施例においては、本願発明の範囲が記載全体および特許請求の範囲に起因する本発明を実施例において特定される実施形態に限定する意図なく、本発明を例示する目的で本発明を説明する。範囲、一般式または化合物群を以下に示す場合、これらは、明確に言及されている対応する範囲または化合物群だけでなく、個々の値(範囲)または化合物を除外することによって得ることができる部分的な範囲および部分的な化合物群もすべて包含することが意図される。本説明の文脈の中で、文献が引用されている場合、その内容全体が、本発明の開示内容に属すると見なすべきである。本発明の文脈内で、異なるモノマー単位を数回有し得る有機変性ポリシロキサンなどの化合物が記載されている場合、これらモノマー単位はランダム分布で(ランダムオリゴマー)、または規則正しく(ブロックオリゴマー)これら化合物中に現れる。このような化合物における単位の数に関するデータは、対応する化合物すべてにわたって平均した統計的平均値を意味すると理解されたい。
【0038】
(実施例1)(本発明による)
精密研磨ガラススターラー、還流冷却器および内部温度計付きの500ml四つ口フラスコ内で、アリルグリシジルエーテル(純度>99%、シグマアルドリッチ)7.21gおよび水素分率1.27val/kgのポリ(メチルハイドロジェン)ジメチルシロキサンコポリマー159.1gと共に、平均分子量409g/molのアリルポリエチレングリコール83.7gを、撹拌しながら50℃まで加熱する。欧州特許第1520870号のように修飾した白金(0)触媒の形態の白金5ppmを、注射器を用いて添加し、反応温度を70℃まで上昇させる。変換率は、ガス容量分析で決定され、2時間後には定量的である。10〜20mbarおよび140℃でロータリーエバポレーターにより蒸留すると、エポキシド含有量がエポキシド酸素0.32重量%である透明な液体生成物が生じる。
【0039】
精密研磨ガラススターラー、バブルカウンタを有する還流冷却器および内部温度計付きの500ml四つ口フラスコ内で、エタノール100gおよび1−メチルイミダゾール(99%、シグマアルドリッチ)1.0gの溶液にアンモニアを導入し、50℃で撹拌しながら、エポキシ官能性ポリエーテルシロキサン100gを滴下漏斗により1.5時間かけて滴加する。この計量添加が完了したら、50℃でさらに4時間アンモニアを導入する。70℃および10〜20mbarでロータリーエバポレーターにより蒸留すると、アミン含有量が第一級アミン窒素0.2重量%(理論上0.27%、収率74%)、第二級アミン窒素<0.01重量%、第三級アミン窒素0.14重量%(メチルイミダゾールから理論上0.16重量%)である、黄色い液体生成物生じる。
【0040】
(実施例2)(本発明による)
精密研磨ガラススターラー、還流冷却器および内部温度計付きの500ml四つ口フラスコ内で、アリルグリシジルエーテル(純度>99%、シグマアルドリッチ)25.5gおよび水素分率3.51val/kgのポリ(メチルハイドロジェン)ジメチルシロキサンコポリマー150.0gと共に、1−ヘキサデセン(純度93%、Chevron Philipps Chemical Company)97.5gを、撹拌しながら70℃まで加熱する。欧州特許第1520870号のように修飾した白金(0)触媒の形態の白金5ppmを、注射器を用いて添加し、70℃で撹拌する。変換率は、ガス容量分析で決定され、4.5時間後に80%である。10.5時間後変換率99.5%を達成するまで白金触媒をさらに5ppm添加する。10〜20mbarおよび140℃でロータリーエバポレーターにより蒸留すると、エポキシド含有量がエポキシド酸素1.12重量%である透明な液体生成物が生じる。
【0041】
磁気スターラーフィッシュおよびマノメータ付きの330mlの鋼製オートクレーブ内で、2−プロパノール200gにエポキシシロキサン100gを溶解させる。ドライアイス/エタノール冷却槽を用いて、オートクレーブをその内容物と一緒に−70℃まで冷却し、30分間アンモニアを通過させることによって、アンモニアで溶液を飽和させる。オートクレーブを閉め、撹拌しながら120℃(外部油浴温度)まで加熱し、その間に圧力が10barまで上昇する。4時間の反応時間の後、オートクレーブを空気にさらし、80〜90℃および10〜20mbarでロータリーエバポレーターにより溶媒を蒸留する。これにより、アミン含有量が第一級アミン窒素0.79重量%(理論上0.97%、収率81%)、第二級アミン窒素<0.01重量%、第三級アミン窒素≦0.01重量%である、黄色がかった生成物が生じる。
【0042】
(実施例3)(本発明による)
精密研磨ガラススターラー、還流冷却器および内部温度計付きの2l四つ口フラスコ内で、アセチル化によって末端ヒドロキシ基が末端キャップされ、平均分子量が874g/molであり、組成がプロピレンオキシド80重量%およびエチレンオキシド20重量%であるアリルポリオキシアルキレングリコール243.2g、アセチル化によって末端ヒドロキシ基が末端キャップされ、平均分子量が4094g/molで、組成がプロピレンオキシド58%およびエチレンオキシド42%であるアリルポリオキシアルキレングリコール759.4g、アリルグリシジルエーテル(純度>99%、シグマアルドリッチ)49.0gおよび水素分率2.29val/kgのポリ(メチルハイドロジェン)ジメチルシロキサンコポリマー300.0gを、撹拌しながら50℃まで加熱する。欧州特許第1520870号のように修飾した白金(0)触媒の形態の白金5ppmを、注射器を用いて添加し、70℃で撹拌する。変換率は、ガス容量分析で決定され、2.5時間後に100%である。10〜20mbarおよび140℃でロータリーエバポレーターにより蒸留すると、粘度が25℃で2555mPasであり、エポキシド含有量がエポキシド酸素0.44重量%である、透明な液体生成物が生じる。
【0043】
ガス処理スターラーおよびマノメータ付きの330mlの鋼製オートクレーブ内で、2−プロパノール200gにポリエーテル−およびエポキシ−官能性シロキサン100gを溶解させる。ドライアイス/エタノール冷却槽を用いて、オートクレーブをその内容物と一緒に−70℃まで冷却し、30分間アンモニアを通過させることによって、アンモニアで溶液を飽和させる。オートクレーブを閉め、撹拌しながら80℃(外部油浴温度)まで加熱し、その間に圧力が16barまで上昇する。80℃で4時間の反応時間の後、オートクレーブを空気にさらし、70℃および10〜20mbarでロータリーエバポレーターにより溶媒を蒸留する。これにより、粘度が25℃で3309mPasであり、アミン含有量が第一級アミン窒素0.34重量%(理論上0.38%、収率90%)、第二級アミン窒素<0.01重量%、第三級アミン窒素≦0.01重量%である、わずかに混濁した黄色がかった生成物が生じる。
【0044】
(実施例4)(本発明による)
精密研磨ガラススターラー、還流冷却器および内部温度計付きの2l四つ口フラスコ内で、平均分子量が818g/molで、組成がプロピレンオキシド80重量%およびエチレンオキシド20重量%であるアリルポリオキシアルキレングリコールメチルエーテル227.6g、平均分子量が3846g/molで、組成がプロピレンオキシド58重量%およびエチレンオキシド42重量%であるアリルポリオキシアルキレングリコールメチルエーテル713.4g、アリルグリシジルエーテル(純度>99%、シグマアルドリッチ)49.0gおよび水素分率2.29val/kgのポリ(メチルハイドロジェン)ジメチルシロキサンコポリマー300.0gを、撹拌しながら50℃まで加熱する。欧州特許第1520870号のように修飾した白金(0)触媒の形態の白金5ppmを、注射器を用いて添加し、70℃で撹拌する。変換率は、ガス容量分析で決定され、2.5時間後に100%である。10〜20mbarおよび140℃でロータリーエバポレーターにより蒸留すると、粘度が25℃で2954mPasであり、エポキシド含有量がエポキシド酸素0.42重量%である、透明な液体生成物が生じる。
【0045】
ガス処理スターラーおよびマノメータ付きの330mlの鋼製オートクレーブ内で、2−プロパノール200gにポリエーテル−およびエポキシ−官能性シロキサン100gを溶解させる。ドライアイス/エタノール冷却槽を用いて、オートクレーブをその内容物と一緒に−70℃まで冷却し、30分間アンモニアを通過させることによって、アンモニアで溶液を飽和させる。オートクレーブを閉め、撹拌しながら80℃(外部油浴温度)まで加熱し、その間に圧力が10barまで上昇する。80℃で6時間の反応時間の後、オートクレーブを空気にさらし、70℃および10〜20mbarでロータリーエバポレーターにより溶媒を蒸留する。これにより、粘度が25℃で3209mPasであり、アミン含有量が第一級アミン窒素0.35重量%(理論上0.36%、収率97%)、第二級アミン窒素<0.01重量%、第三級アミン窒素≦0.01重量%である、わずかに混濁した黄色がかった生成物が生じる。
【0046】
(実施例5)(本発明による)
ガス処理スターラーおよびマノメータ付きの330mlの鋼製オートクレーブ内で、粘度が25℃で160mPasであり、エポキシド含有量がエポキシド酸素1.9重量%である2−プロパノール200gに、ポリ(メチル(2−シクロヘキセニルオキシド)エチル)ジメチルシロキサンコポリマー100gを溶解させる。ドライアイス/エタノール冷却槽を用いて、オートクレーブをその内容物と一緒に−70℃まで冷却し、30分間アンモニアを通過させることによって、アンモニアで溶液を飽和させる。オートクレーブを閉め、撹拌しながら80℃(外部油浴温度)まで加熱し、その間に圧力が10barまで上昇する。80℃で6時間の反応時間の後、オートクレーブを空気にさらし、70℃および10〜20mbarでロータリーエバポレーターにより溶媒を蒸留する。これにより、粘度が25℃で182mPasであり、アミン含有量が第一級アミン窒素1.30重量%(理論上1.63%、収率80%)、第二級アミン窒素<0.01重量%、第三級アミン窒素0.03重量%である、わずかに混濁した黄色がかった生成物が生じる。
【0047】
(実施例6)(本発明による)
精密研磨ガラススターラー、還流冷却器および内部温度計付きの2l四つ口フラスコ内で、10−ウンデセン酸メチル(純度96%、シグマアルドリッチ)17.4g、アリルグリシジルエーテル(純度>99%、シグマアルドリッチ)10.0g、および水素分率0.7val/kgのポリ(メチルハイドロジェン)ジメチルシロキサンコポリマー200.0gを、撹拌しながら70℃まで加熱する。欧州特許第1520870号のように修飾した白金(0)触媒の形態の白金5ppmを、注射器を用いて添加し、70℃で撹拌する。変換率は、ガス容量分析で決定され、2.5時間後に24.7%である。Ptをさらに5ppm添加し、混合物をさらに2時間撹拌し、それにより変換率が45.6%まで上昇する。Ptをさらに10ppm添加し、混合物を100℃の高い反応温度でさらに撹拌する。さらに2時間後には、変換率が80.0%、合計10.5時間後には97.1%である。10〜20mbarおよび140℃でロータリーエバポレーターにより蒸留すると、粘度が25℃で189.6mPas、エポキシド含有量がエポキシド酸素0.49重量%である、透明でわずかに茶色がかった液体生成物が生じる。
【0048】
ガス処理スターラーおよびマノメータ付きの330mlの鋼製オートクレーブ内で、2−プロパノール200gにカルボン酸エステル−およびエポキシ−官能性シロキサン100gを溶解させる。ドライアイス/エタノール冷却槽を用いて、オートクレーブをその内容物と一緒に−70℃まで冷却し、30分間アンモニアを通過させることによって、アンモニアで溶液を飽和させる。オートクレーブを閉め、撹拌しながら80℃(外部油浴温度)まで加熱し、その間に圧力が8barまで上昇する。80℃で6時間の反応時間の後、オートクレーブを空気にさらし、70℃および10〜20mbarでロータリーエバポレーターにより溶媒を蒸留する。これにより、粘度が25℃で227.1mPasであり、アミン含有量が第一級アミン窒素0.48重量%(理論上0.43%)、第二級アミン窒素<0.01重量%、第三級アミン窒素0.04重量%である、わずかに混濁した茶色がかった生成物が生じる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式1のアミノ官能性シロキサンまたはその第四級アンモニウム誘導体
M’a1M’’a2M’’’a3D’b1D’’b2D’’’b3
(式1)
(式中、
M =(RSiO1/2
M’ =(RSiO1/2
M’’ =(RSiO1/2
M’’’=(RSiO1/2
D =(RSiO2/2
D’ =(RSiO2/2
D’’ =(RSiO2/2
D’’’=(RSiO2/2
T =(RSiO3/2
Q =(SiO4/2
a =0〜32
a1 =0〜10
a2 =0〜32
a3 =0〜10
b =0〜600
b1 =0〜50
b2 =0〜50
b3 =0〜50
c =0〜20
d =0〜20
であり、ただし、
a1=2の場合、b1≠0および/またはb2≠0および/またはb3≠0および/またはa2≠0および/またはa3≠0であり、
は、他と独立して、炭素数1〜30の同一もしくは異なる直鎖もしくは分枝状炭化水素基、または炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、
は、他と独立して、第一級アミノ官能基を有する同一または異なる有機基であり、
は、
−CH−CH−CH−O−(CH−CHO−)−(CH−CH(R’)O−)−R’’
−CH−CH−O−(CH−CHO−)−(CH−CH(R’)O−)−R’’
−CH−CH−(O)x’−RIV
−CH−CH−CH−O−CH−CH(OH)−CHOH
または
−CH−CH−CH−O−CH−C(CHOH)−CH−CH
の群からの同一または異なる基であり、式中、
xは0〜100であり、
x’は0〜1であり、
yは0〜100であり、
R’は、他と独立して、炭素数1〜12の直鎖または置換アルキル基またはアリール基であり、R基および/または式1の分子内には、互いに異なる置換基R’が存在してもよく、
R’’は、他と独立して、水素基または炭素数1〜4のアルキル基、R’’’=アルキル基である−C(O)−R’’’基、−CH−O−R’基、アルキルアリール基、−C(O)NH−R’基であり、
IVは、炭素数1〜50の任意選択により置換された炭化水素基であり、
は、他と独立して、ヘテロ原子O、N、S、Pまたはハロゲン原子を含有する基で置換されていてもよく、好ましくは第一級および第二級アミン官能基を含有しない、同一または異なる直鎖、環状、または分枝状の、炭素数1〜30の飽和もしくは不飽和または芳香族炭化水素基であり、
は、他と独立して、同一または異なるR、R、RまたはR基である)。
【請求項2】
は、アミノ官能基に加えて、下記の群から選択されるヒドロキシル基を有する基であり、
【化1】


式中、
は、水素または炭素数1〜6のアルキルの群からの同一または異なる基であり、
は、エーテル官能基を任意選択により含有し、かつ任意選択によりポリオキシアルキレン基である、同一または異なる二価の炭化水素基であり、
mは、2〜18の整数である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式1のアミノ官能性シロキサンをプロトン性反応物Hと反応させて、−NHの形態のイオン付加物を生じさせ、式中、Aが無機または有機アニオンに対応することを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
式1のアミノ官能性シロキサンは、アルキル化によって、式2の第四級アンモニウム化合
M’’’’a1M’’a2M’’’a3D’’’’b1D’’b2D’’’b3
(式2)
(式中、
M =(RSiO1/2
M’’’’=(RSiO1/2
M’’ =(RSiO1/2
M’’’ =(RSiO1/2
D =(RSiO2/2
D’’’’=(RSiO2/2
D’’ =(RSiO2/2
D’’’ =(RSiO2/2
T =(RSiO3/2
Q =(SiO4/2
であり、
a、a1、a2、a3、b、b1、b2、b3、cおよびd、およびR、R、R、RおよびR基は、請求項1に記載の意味を有し、
は、他と独立して、アンモニウム官能基を有する同一または異なる有機基である)
に変換されることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
は、下記の群から選択される同一または異なる基であり、
【化2】


は、他と独立して、同一または異なる炭素数1〜30の直鎖もしくは分枝状の炭化水素基、または炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることを特徴とする、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
側鎖エポキシ変性シロキサンを、気体状の、溶存の、またはその場で生成したアンモニアと反応させることを特徴とする、第一級アミノ基を有するシロキサンを選択的に製造するための方法。
【請求項7】
(a)式3のエポキシ官能性化合物
M’’’’’a1M’’a2M’’’a3D’’’’’b1D’’b2D’’’b3
(式3)
(式中、
M =(RSiO1/2
M’’’’’=(R10SiO1/2
M’’ =(RSiO1/2
M’’’ =(RSiO1/2
D =(RSiO2/2
D’’’’’=(R10SiO2/2
D’’ =(RSiO2/2
D’’’ =(RSiO2/2
T =(RSiO3/2
Q =(SiO4/2
であり、
式中、a、a1、a2、a3、b、b1、b2、b3、cおよびd、ならびにR、R、RおよびR基は、請求項2および5に記載の意味を有し、
10は、他と独立して、同一または異なる有機エポキシ基である)を、
(b)任意選択により溶媒に溶解させたアンモニアと、または任意選択によりアンモニアの代わりに、アンモニアを遊離することができるアンモニア化合物と、
(c)任意選択により開環触媒の存在下で、
(d)任意選択により50℃〜150℃の最低温度での加圧下で
反応させることを特徴とする、式1および/または2のアミノ官能性シロキサンを製造するための請求項6に記載の方法。
【請求項8】
使用する式3の化合物は、R10が、互いに独立して、下記の群から選択される同一または異なる有機エポキシ基である化合物であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【化3】

【請求項9】
使用するアンモニア生成化合物が、気体アンモニアまたはアンモニア水溶液またはアンモニアアルコール溶液、ハロゲン化アンモニウム、炭酸アンモニウムおよび/または炭酸水素塩、硫酸アンモニウムおよび/または硫酸水素塩、スルファミン酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素塩および/またはリン酸二水素塩、シアン酸アンモニウム、カルボン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、シュウ酸水素アンモニウムおよび/またはシュウ酸アンモニウム、クエン酸水素アンモニウム、安息香酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、乳酸アンモニウム、酒石酸アンモニウムまたはコハク酸アンモニウム、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸もしくはアミド硫酸、またはウロトロピン、またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項7または8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
反応混合物中に、無加圧で気体アンモニアを通過させることを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
1barを超える、好ましくは2〜50bar、特に好ましくは5〜20barの圧力で反応が行われることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
【請求項12】
化粧料用乳化剤、プラスチックブレンド用相溶化剤、離型剤、疎水化剤、着色顔料および充填剤用分散剤、織物加工仕上げ用添加剤(柔軟剤)、髪用コンディショナ、表面コーティング/接着促進剤用プライマー、腐食防止製剤用添加剤、PU泡安定剤、消泡剤および/または湿潤剤としての、式1または2のアミノ官能性シロキサンの使用。
【請求項13】
式1または2の本発明による化合物を含む溶液、エマルジョン、分散液および/または混合物の形態の調製物であって、充填剤、乳化剤、染料、顔料の群から選択される添加剤および副材料をさらに含むことができる、調製物。

【公表番号】特表2013−518945(P2013−518945A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551525(P2012−551525)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/070855
【国際公開番号】WO2011/095261
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(507375465)エヴォニク ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (100)
【Fターム(参考)】