説明

筋力補助装置

【課題】人体を圧迫することを防ぐとともに、人工筋の駆動力を伸展のトルクに効率的に変換することができる筋力補助装置を提供すること。
【解決手段】本発明の筋力補助装置は、人工筋80として、第1の装着具10の反関節側に一端81Aを設けた第1の人工筋80Aと、第2の装着具20の反関節側に一端81Bを設けた第2の人工筋80Bとを用い、第1の人工筋80Aの他端82Aと第2の人工筋80Bの他端82Bとをリンク部材90を介して連結し、第1の人工筋80Aの他端82Aをリンク部材90に回動及び摺動可能に設け、第2の人工筋80Bの他端82Bをリンク部材90に回動可能に設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって伸縮するアクチュエータを用い、使用者の肘、膝、又は手首の動作を支援する筋力補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
気体・液体・固体の物質またはそれらの混合体を注入すると、長手方向は拘束され径方向に膨らむことを特徴とするチューブを持ち、そのチューブの外部に長手方向および径方向に伸縮する円筒型スリーブを配置し、両端を拘束し、片端に注入口を設け、チューブにポリエステル系・ポリアミド系・ポリエチレン系・ポリイミド系・ポリスチレン系・ポリカーボネート系のいずれか/もしくは混合されたフィルムまたは繊維を用いた動力装置が既に提案されている(特許文献1)。
また、この種の動力装置を利用した筋力補助装置を本出願人が既に提案している(特許文献2)。
特許文献2で提案した筋力補助装置を図5から図7に示す。
図5は筋力補助装置の伸展状態を示す要部斜視図、図6は同筋力補助装置の屈曲途中の状態を示す要部斜視図、図7は、同筋力補助装置において人工筋の無負荷状態で伸展動作を行った状態を示す要部斜視図である。
同筋力補助装置は、関節の一方の骨に沿って配置される第1の装着具10と、関節の他方の骨に沿って配置される第2の装着具20と、第1の装着具10に一端31を第2の装着具20に他端32を設ける人工筋30とを備えている。第1の装着具10は上腕に配置され、第2の装着具20は前腕に配置される。
人工筋30は、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって、少なくとも長手方向に伸縮するアクチュエータである。
第1の装着具10には、スイングアーム40を設けている。このスイングアーム40の反関節側端部が回動支点41となり、スイングアーム40の関節側端部が変位端となる。そして、人工筋30の一端31は、スイングアーム40の変位端に設けている。
第1の装着具10には、補助人工筋50を設けている。この補助人工筋50は、その一端51を第1の装着具10の反関節側端部に設け、他端52をスイングアーム40の変位端に設けている。
第1の装着具10には、ガイドプレート60を設けている。このガイドプレート60にはガイド穴61を備え、スイングアーム40の変位端をガイド穴61に沿って変位させている。
第1の装着具10と第2の装着具20とはバネ関節70で連結している。
肘側には、伸展用人工筋80を備えている。伸展用人工筋80は、図6に示す状態で最も伸展した状態を示しており、図5に示す状態で最も収縮した状態を示している。
以上のように同筋力補助装置は、第1の装着具10と第2の装着具20とをバネ関節70で連結し、バネ関節70としてコイルバネを用いることで、筋力補助装置と関節とのずれがある場合でも、スムーズな動作を確保することができる。
【特許文献1】特開2004−105263号公報
【特許文献2】特願2007−340673号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
伸展用人工筋80は、図6に示す屈曲時において、肘側に近接して使用者を圧迫する場合がある。
また、図6に示すような屈曲時に、伸展用人工筋80の曲がり方によっては、伸展動作時に駆動力が効率的にトルクを発生させない場合が生じてしまう。
更に、図6に示す屈曲時には、伸展用人工筋80は無負荷の状態にあるが、伸展用人工筋80の不自然な曲げ動作や他の部材との機構的な摩擦の発生によって不要な規制力が発生する場合がある。
一方、図7に示すように、伸展用人工筋80を駆動させることなく、無負荷状態で伸展動作を行うと、自然長さのままであるためにたるみを生じてしまう。このようなたるみは、他の部材への干渉や、折れ曲がりによる応力集中が生じて損傷を与える原因となる。
【0004】
そこで本発明は、人体を圧迫することを防ぐとともに、人工筋の駆動力を伸展のトルクに効率的に変換することができる筋力補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明の筋力補助装置は、関節の一方の骨に沿って配置される第1の装着具と、前記関節の他方の骨に沿って配置される第2の装着具と、前記第1の装着具と前記第2の装着具とを伸展動作させる人工筋とを備え、前記人工筋として、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって伸縮するアクチュエータを用い、使用者の肘、膝、又は手首の動作を支援する筋力補助装置であって、前記人工筋として、前記第1の装着具の反関節側に一端を設けた第1の人工筋と、前記第2の装着具の反関節側に一端を設けた第2の人工筋とを用い、前記第1の人工筋の他端と前記第2の人工筋の他端とをリンク部材を介して連結し、前記第1の人工筋の前記他端を前記リンク部材に回動及び摺動可能に設け、前記第2の人工筋の前記他端を前記リンク部材に回動可能に設けたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の筋力補助装置において、前記リンク部材が、スライダー部と固定部とを有し、前記第1の人工筋の前記他端を前記スライダー部に設け、前記第2の人工筋の前記他端を前記固定部に設けたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の筋力補助装置において、前記スライダー部を長孔で構成し、前記固定部を前記長孔の一端側に設けたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の筋力補助装置において、前記リンク部材を前記関節の外側の所定位置に支持する支持アームを設けたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の筋力補助装置において、前記支持アームを前記第2の装着具の関節側に固定し、前記支持アームと前記リンク部材とをリンクピンで連結したことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の筋力補助装置において、前記支持アームにガイド溝を設け、前記リンクピンが前記ガイド溝を摺動可能としたことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項3に記載の筋力補助装置において、前記リンク部材を前記関節の外側の所定位置に支持する支持アームを設け、前記支持アームと前記リンク部材とをリンクピンで連結し、前記支持アームにガイド溝を設け、前記リンクピンが前記ガイド溝及び前記長孔を摺動可能としたことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項5から請求項7のいずれかに記載の筋力補助装置において、前記リンクピン、前記第1の人工筋、及び前記第2の人工筋が、前記関節の外方に常に配置されることを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項1に記載の筋力補助装置において、前記第1の装着具が上腕に、前記第2の装着具が前腕に配置され、前記人工筋が肘の外側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、人工筋が曲げ動作を伴わず、直動動作となるために、人体を圧迫することを防ぐとともに、人工筋の駆動力を伸展のトルクに効率的に変換することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の実施の形態による筋力補助装置は、人工筋として、第1の装着具の反関節側に一端を設けた第1の人工筋と、第2の装着具の反関節側に一端を設けた第2の人工筋とを用い、第1の人工筋の他端と第2の人工筋の他端とをリンク部材を介して連結し、第1の人工筋の他端をリンク部材に回動及び摺動可能に設け、第2の人工筋の他端をリンク部材に回動可能に設けたものである。本実施の形態によれば、2つの人工筋を、リンク部材を介して連結することで、人工筋が曲げ動作を伴わず、直動動作となるために、人体を圧迫することを防ぐとともに、人工筋の駆動力を伸展のトルクに効率的に変換することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による筋力補助装置において、リンク部材が、スライダー部と固定部とを有し、第1の人工筋の他端をスライダー部に設け、第2の人工筋の他端を固定部に設けたものである。本実施の形態によれば、第1の人工筋が可動することで、人工筋を駆動させることなく人工筋が自然長のままで伸展動作を行った場合にも、人工筋を屈曲させることなく伸展動作を行うことができる。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による筋力補助装置において、スライダー部を長孔で構成し、固定部を長孔の一端側に設けたものである。本実施の形態によれば、人工筋を自然長のままで伸展動作を行った場合に、第1の人工筋の他端は第2の人工筋の他端に近接するため、人工筋を屈曲させることなく伸展動作を行うことができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1の実施の形態による筋力補助装置において、リンク部材を関節の外側の所定位置に支持する支持アームを設けたものである。本実施の形態によれば、不足の動作や外部からの力によってリンク部材が機能しなくなることを防止することができる。
本発明の第5の実施の形態は、第4の実施の形態による筋力補助装置において、支持アームを第2の装着具の関節側に固定し、支持アームとリンク部材とをリンクピンで連結したものである。本実施の形態によれば、支持アームの固定を第2の人工筋と同じ装着具とすることで、第2の人工筋の他端側は摺動しないために、支持アームの関節からの突出を最小限に抑えることができる。
本発明の第6の実施の形態は、第5の実施の形態による筋力補助装置において、支持アームにガイド溝を設け、リンクピンがガイド溝を摺動可能としたものである。本実施の形態によれば、人工筋を自然長のままで伸展動作を行った場合に、人工筋に負荷を与えることがない。
本発明の第7の実施の形態は、第3の実施の形態による筋力補助装置において、リンク部材を関節の外側の所定位置に支持する支持アームを設け、支持アームとリンク部材とをリンクピンで連結し、支持アームにガイド溝を設け、リンクピンがガイド溝及び長孔を摺動可能としたものである。本実施の形態によれば、人工筋を自然長のままで伸展動作を行った場合に、人工筋に負荷を与えることがない。
本発明の第8の実施の形態は、第5から第7の実施の形態による筋力補助装置において、前記リンクピン、前記第1の人工筋、及び前記第2の人工筋が、前記関節の外方に常に配置されるものである。本実施の形態によれば、屈曲/伸展のあらゆる姿勢から伸展が可能で、かつ 人工筋の駆動力を伸展の有効なトルクに変換することができる。
本発明の第9の実施の形態は、第1の実施の形態による筋力補助装置において、第1の装着具が上腕に、第2の装着具が前腕に配置され、人工筋が肘の外側に配置されるものである。本実施の形態によれば、肘の屈曲動作による人工筋の肘への圧迫を防止することができる。
【実施例】
【0008】
以下に、本発明の筋力補助装置の一実施例について説明する。
図1は本発明の一実施例における筋力補助装置の人工筋を駆動させずに伸展させた状態を示す側面図、図2は同筋力補助装置の屈曲状態を示す側面図、図3は同筋力補助装置の人工筋を駆動させずに伸展させた状態を示すリンク部材の動作説明図、図4は同筋力補助装置の人工筋を駆動させて伸展させた状態を示すリンク部材の動作説明図である。
なお、屈曲動作及び伸展動作を補助するためには、図5及び図6に示す構成を前提とするが、本実施例では屈曲動作に必要な部材については省略して説明する。
【0009】
本実施例による筋力補助装置は、図1及び図2に示すように、関節の一方の骨に沿って配置される第1の装着具10と、関節の他方の骨に沿って配置される第2の装着具20と、第1の装着具10と第2の装着具20とを伸展動作させる伸展用人工筋80とを備えている。
伸展用人工筋80として、第1の装着具10の反関節側に一端81Aを設けた第1の伸展用人工筋80Aと、第2の装着具20の反関節側に一端81Bを設けた第2の伸展用人工筋80Bとを用いている。
第1の伸展用人工筋80Aの他端82Aと第2の伸展用人工筋80Bの他端82Bとをリンク部材90を介して連結している。このとき、第1の伸展用人工筋80Aの他端82Aをリンク部材90に回動及び摺動可能に設け、第2の伸展用人工筋80Bの他端82Bをリンク部材90に回動可能に固定している。リンク部材90は、スライダー部91と固定部92とを有している。本実施例においては、スライダー部91を長孔で構成し、固定部92を長孔の一端側に設けている。
第1の伸展用人工筋80Aの他端82Aをスライダー部91に設け、第2の伸展用人工筋80Bの他端82Bを固定部92に設けている。
リンク部材90は、関節の外側の所定位置に支持アーム95によって支持される。
支持アーム95は、第2の装着具20の関節側の端部に固定具96によって固定され、支持アーム95とリンク部材90とはリンクピン97で連結される。支持アーム95には円弧状のガイド溝98を備え、リンクピン97はガイド溝98を摺動可能に移動できる。なお、リンクピン97はガイド溝98とともにスライダー部91を摺動可能に移動できる。
また、リンクピン97、第1、第2の人工筋80は、屈曲/伸展時、動作/非動作時いずれの場合でも、関節の外方の位置に配置されている。このため、屈曲/伸展のあらゆる姿勢から伸展が可能で、かつ 人工筋の駆動力を伸展の有効なトルクに変換することができる。なお、関節よりも外方とは関節と干渉しない位置であり、本実施例では関節の外側に配置された場合を示しているが、関節の両側部に配置してもよい。
【0010】
本実施例のように、肘に設ける場合には、第1の装着具10は上腕に配置され、第2の装着具20は前腕に配置される。伸展用人工筋80は、肘の外側に配置される。図示はしないが、肘の内側と外側にそれぞれ平行に2つの伸展用人工筋80を配置することが好ましい。
伸展用人工筋80は、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって、少なくとも長手方向に伸縮するアクチュエータである。図示はしないが、伸展用人工筋80を収縮させる動力源を備えている。
第1の装着具10と第2の装着具20とはバネ関節70で連結している。このバネ関節70には、コイルバネを用いる。コイルバネによるバネ関節70の回転軸のずれが、関節の回動軸のずれと等しくなるようにコイルバネの長さを調節している。
【0011】
次に、図3及び図4を用いて伸展動作時のリンク部材の動きについて説明する。
まず、伸展用人工筋80を駆動させずに伸展動作させた場合について図3を用いて説明する。
屈曲状態では、リンクピン97は、スライダー部91の端部に位置し、ガイド溝98の一端側に位置している。
伸展動作が始まると、伸展用人工筋80を駆動させないために、バネ関節70の復元力、装着具20の自重、装着者の動作による力、装着者前腕の重さ等が加わることで、リンクピン97には第1の伸展用人工筋80Aの他端82Aの方向に力が加わる。
従って、リンクピン97は、X1の位置から、X2、X3の位置に変位する。このとき、リンクピン97は、X1、X2、X3の位置におけるリンクピン97とガイド溝98の位置関係が示すように、ガイド溝98を一端側から他端側に移動する。なお、リンクピン97は、スライダー部91の一端側に位置している。一方、第1の伸展用人工筋80Aの他端82Aは、屈曲状態ではスライダー部91の他端側に位置しているが、伸展動作に伴って、Y1から、Y2、Y3の位置、すなわちスライダー部91の他端側から一端側に移動する。
このように伸展用人工筋80を駆動させずに伸展動作させた場合には、リンクピン97はガイド溝98内を移動することで、第2の伸展用人工筋80Bに負荷をかけることなく動作を行わせることができる。また、リンクピン97を、ガイド溝98内を移動させることで、リンクピン97を、スライダー部91の一端側に位置させるので、リンク部材90を第1の伸展用人工筋80Aの方向に移動させることができる。リンク部材90が第1の伸展用人工筋80Aの方向に移動するために、第1の伸展用人工筋80Aの端部82Aは、スライダー部91内をスムーズに移動することができ、第1の伸展用人工筋80Aに負荷をかけることなく動作を行わせることができる。
【0012】
次に、伸展用人工筋80を駆動させて伸展動作させた場合を、図4を用いて説明する。
屈曲状態では、リンクピン97は、スライダー部91の端部に位置し、ガイド溝98の一端側に位置している。
伸展動作が始まると、伸展用人工筋80を駆動することで、リンクピン97には関節側の方向に力が加わる。
従って、リンクピン97は、X1から、X2、X3の位置に変位するが、リンクピン97は、X1、X2、X3の位置におけるリンクピン97とガイド溝98の位置関係が示すように、ガイド溝98の一端側から移動しない。
なお、リンクピン97は、伸展動作に伴って スライダー部91の一端側から他端の方に移動する。また、第1の伸展用人工筋80Aの他端82Aについても、スライダー部91の一端側に位置している。
このように伸展用人工筋80を駆動させて伸展動作させた場合には、第1の伸展用人工筋80A及び第2の伸展用人工筋80Bは曲げ動作を伴わず、直動動作となるために、
伸展用人工筋80に予期せぬ過大な負荷がかかることがなく、人工筋の破損といった問題に対して、信頼性の高い装置になっている。
また、 伸展用人工筋80の位置は、屈曲/伸展時、駆動/非駆動時のいずれの場合でも、関節の外方の位置に配置されている。 このため、人体を圧迫することなく、駆動力を伸展のトルクに効率的に変換することができる。
なお、伸展動作だけを補助する場合には、図5及び図6に示す屈曲動作のための部材を備えなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明は、肘、膝、又は手首などの関節での動作を支援する筋力補助装置として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例における筋力補助装置の人工筋を駆動させずに伸展させた状態を示す側面図
【図2】同筋力補助装置の屈曲状態を示す側面図
【図3】同筋力補助装置の人工筋を駆動させずに伸展させた状態を示すリンク部材の動作説明図
【図4】同筋力補助装置の人工筋を駆動させて伸展させた状態を示すリンク部材の動作説明図
【図5】従来の筋力補助装置の伸展状態を示す要部斜視図
【図6】同筋力補助装置の屈曲途中の状態を示す要部斜視図
【図7】同筋力補助装置において人工筋の無負荷状態で伸展動作を行った状態を示す要部斜視図
【符号の説明】
【0015】
10 第1の装着具
20 第2の装着具
70 バネ関節
80 伸展用人工筋
80A 第1の伸展用人工筋
80B 第2の伸展用人工筋
81A、81B 一端
82A、82B 他端
90 リンク部材
91 スライダー部
92 固定部
95 支持アーム
96 固定具
97 リンクピン
98 ガイド溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節の一方の骨に沿って配置される第1の装着具と、
前記関節の他方の骨に沿って配置される第2の装着具と、
前記第1の装着具と前記第2の装着具とを伸展動作させる人工筋とを備え、
前記人工筋として、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって伸縮するアクチュエータを用い、
使用者の肘、膝、又は手首の動作を支援する筋力補助装置であって、
前記人工筋として、前記第1の装着具の反関節側に一端を設けた第1の人工筋と、前記第2の装着具の反関節側に一端を設けた第2の人工筋とを用い、
前記第1の人工筋の他端と前記第2の人工筋の他端とをリンク部材を介して連結し、
前記第1の人工筋の前記他端を前記リンク部材に回動及び摺動可能に設け、前記第2の人工筋の前記他端を前記リンク部材に回動可能に設けたことを特徴とする筋力補助装置。
【請求項2】
前記リンク部材が、スライダー部と固定部とを有し、前記第1の人工筋の前記他端を前記スライダー部に設け、前記第2の人工筋の前記他端を前記固定部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の筋力補助装置。
【請求項3】
前記スライダー部を長孔で構成し、前記固定部を前記長孔の一端側に設けたことを特徴とする請求項2に記載の筋力補助装置。
【請求項4】
前記リンク部材を前記関節の外側の所定位置に支持する支持アームを設けたことを特徴とする請求項1に記載の筋力補助装置。
【請求項5】
前記支持アームを前記第2の装着具の関節側に固定し、前記支持アームと前記リンク部材とをリンクピンで連結したことを特徴とする請求項4に記載の筋力補助装置。
【請求項6】
前記支持アームにガイド溝を設け、前記リンクピンが前記ガイド溝を摺動可能としたことを特徴とする請求項5に記載の筋力補助装置。
【請求項7】
前記リンク部材を前記関節の外側の所定位置に支持する支持アームを設け、前記支持アームと前記リンク部材とをリンクピンで連結し、前記支持アームにガイド溝を設け、前記リンクピンが前記ガイド溝及び前記長孔を摺動可能としたことを特徴とする請求項3に記載の筋力補助装置。
【請求項8】
前記リンクピン、前記第1の人工筋、及び前記第2の人工筋が、前記関節の外方に常に配置されることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項9】
前記第1の装着具が上腕に、前記第2の装着具が前腕に配置され、前記人工筋が肘の外側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の筋力補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−75527(P2010−75527A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248403(P2008−248403)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】