説明

管内洗浄装置

【課題】洗浄ホースの繰り出し繰り戻しを良好にし、かつ一のモータで洗浄ホースの回転駆動、繰り出し繰り戻しを可能にすることにある。
【解決手段】外周面3aで洗浄ホース1を巻回するリール3と、このリール3を回転自在に支持する枠体4と、この枠体4を回転自在に支持するフレーム5と、このフレーム5に設けられ、当該フレーム5に対して枠体4を回転駆動するモータ6と、フレーム5に対する枠体4の回転をリール3の回転中心部に設けられたリール回転軸31に伝達するクラッチ手段7とを備えた構成になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水管等の種々の管路内を洗浄ホースを挿入して清掃するための管内洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の管内洗浄装置としては、例えば図8及び図9に示すものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この管内洗浄装置は、洗浄ホース1と、この洗浄ホース1を突出口部21aから出し入れすると共に、当該洗浄ホース1を内周面に沿って収容する回転ハウジング21と、この回転ハウジング21を回転自在に保持するフレーム22と、このフレーム22に設けられ、回転ハウジング21を回転駆動するモータ23とを備えた構成になっている。
【0004】
洗浄ホース1の先端部には、先端側から基端側に向け、かつ斜め外方に(洗浄する管の内面側に)向けて水を噴出する複数の噴射孔11aを有するノズル11が一体的に設けられている。
【0005】
上記管内洗浄装置においては、洗浄ホース1に例えば高圧の水を供給することによって、ノズル11から高速の水が噴出することになるので、当該水によって管(図示せず)内を洗浄することができると共に、洗浄ホース1を回転ハウジング21から繰り出すための推力を得ることができる。
【0006】
また、回転ハウジング21をモータ23で回転駆動することにより、洗浄ホース1がその軸回りに回転することになるので、当該洗浄ホース1と一体的に回転するノズル11によって管内を綺麗に清掃することができる。
【0007】
また、洗浄ホース1を回転ハウジング21内に収納するには、洗浄ホース1への高圧水の供給を停止し、かつ回転ハウジング21の回転を停止した状態で、当該洗浄ホース1を回転ハウジング21内に手動で押し入れることになる。これにより、洗浄ホース1を、回転ハウジング21の内面に沿うように収納することができる。
【0008】
ところが、上記従来の管内洗浄装置においては、洗浄ホース1が単に回転ハウジング21の内面に沿って収容されているだけであるので、洗浄ホース1の繰り出し中に回転ハウジング21を回転駆動すると、当該洗浄ホース1が回転ハウジング21内でよじれて絡まった状態になりやすく、最悪の場合、洗浄ホース1を回転ハウジング21から引き出すことも、当該回転ハウジング21内に押し入れることも不可能になって、洗浄作業を停止しなければならないことがある。この傾向は、管内における洗浄ホース1やノズル11の回転抵抗が大きい場合に、特に顕著に生じる。
【特許文献1】特開2001−180873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、洗浄ホースの繰り出し繰り戻しが不能になるのを防止することができ、かつ一つのモータで洗浄ホースの軸回りの回転駆動と、当該洗浄ホースの繰り出し繰り戻しとを行うことのできる管内洗浄装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、外周面で洗浄ホースを巻回するリールと、このリールを回転自在に支持する枠体と、この枠体を回転自在に支持するフレームと、このフレームに設けられ、当該フレームに対して上記枠体を回転駆動するモータと、上記フレームに対する上記枠体の回転を上記リールの回転中心部に設けられたリール回転軸に伝達するクラッチ手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記クラッチ手段は、上記枠体の回転中心部に設けられた枠体回転軸に回転自在に嵌合する空転部材と、上記枠体に設けられ、上記空転部材の上記枠体回転軸に対する回転を上記リール回転軸に伝達する回転伝達手段と、上記フレームに設けられ、上記空転部材を上記フレームに対して停止させた状態に保持することが可能に構成された断続手段とを備えていることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、上記空転部材は、上記枠体回転軸に回転自在に嵌合する空転プーリによって構成され、上記回転伝達手段は、上記枠体に回転自在に設けられたシャフトと、このシャフトの一端部における上記空転プーリに対応する位置に設けられたプーリと、上記シャフトの他端部に設けられた第1歯車と、上記リール回転軸に設けられ、上記第1歯車と噛み合う第2歯車と、上記空転プーリと上記プーリの回転力の伝達を行うベルトとを備えており、上記断続手段は、上記フレームに揺動自在に設けられたレバーと、このレバーの揺動に応じて、先端部が上記空転プーリに対して離接する方向に揺動し、上記空転プーリに接する方向に揺動した際に当該空転プーリに設けられた被係止部に係止して、当該空転プーリの上記フレームに対する回転を停止させる係止部材とを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
上記のように構成された請求項1〜3に記載の発明によれば、外周面で洗浄ホースを巻回するリールと、このリールを回転自在に支持する枠体と、この枠体を回転自在に支持するフレームと、このフレームに設けられ、当該フレームに対して上記枠体を回転駆動するモータとを備えているので、洗浄ホースをリールから繰り出している際に、モータによって枠体を回転駆動することにより、洗浄ホースをその軸回りに回転させることができる。
【0014】
この場合、リールの回転軸の方向と枠体の回転軸の方向とを直交させておくことにより、洗浄ホースを軸回りに効率よく回転させることができる。
【0015】
また、洗浄ホースがリールの外周面に巻回されるようになっているので、洗浄ホースに回転駆動を加えた場合でも、リールにおける洗浄ホースの巻回状態が崩れるのを極力防止することができる。即ち、洗浄ホースがよじれてリールに絡まった状態になったり、これによって洗浄ホースがリールから繰り出すことも、当該リールに繰り戻すことも不可能になったりするのを防止することができる。
【0016】
また、仮に、洗浄ホースがリールに絡まった状態になったとしても、この絡まりをリールの外側から容易に修正することができる。従って、洗浄ホースがリールに絡まることにより、洗浄作業が停止するのを確実に防止することができる。
【0017】
更に、フレームに対する枠体の回転を、リールの回転中心部に設けられたリール回転軸に伝達するクラッチ手段が設けられているので、枠体を回転駆動するモータを用いてリールを回転駆動することができる。この場合、モータによって枠体を回転駆動する方向を切り換えることにより、リールの回転方向も切り換えることができる。即ち、洗浄ホースを繰り出す正方向にリールを回転駆動したり、洗浄ホースを巻き取る(繰り戻す)逆方向にリールを回転駆動したりすることができる。そして、逆方向に回転駆動した場合には、洗浄ホースを隣接した状態に綺麗に巻き取ることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、空転部材が枠体回転軸に回転自在に設けられているので、例えば洗浄ホースに力が作用した場合には、その力がリールから回転伝達手段を介して空転部材に伝達され、当該空転部材が枠体回転軸に対して空転することになる。このため、例えば洗浄ホースをリールから繰り出す方向の外力が生じた場合には、当該リールが自由に回転することになるので、この洗浄ホースの繰り出しに全く支障を生じることがない。洗浄ホースをリールに繰り戻す方向の外力が生じた場合も、この洗浄ホースの繰り戻しに全く支障を生じることがない。
【0019】
また、洗浄ホースやリール等に外力が作用しなければ、モータで枠体を回転駆動している場合でも、空転部材が枠体回転軸との摩擦力等により当該枠体回転軸と一体的に回転することになるので、リールが回転駆動されることがない。
【0020】
一方、断続手段によって空転部材をフレームに対して停止した状態に保持すると、枠体を回転駆動することによって、枠体回転軸が空転部材に対して回転した状態になる。この状態は空転部材が枠体回転軸に対して回転しているのと等価であるので、この空転部材の回転が回転伝達手段を介してリール回転軸に伝達され、リールが回転駆動されることになる。
【0021】
従って、断続手段で空転部材をフレーム側に固定し、モータによって枠体を回転することによりリールを回転駆動することができる。この場合、枠体の回転方向を切り換えることにより、リールを正方向に回転駆動したり、逆方向に回転駆動したりすることができる。即ち、一つのモータで洗浄ホースをその軸回りに回転駆動することができると共に、当該洗浄ホースの繰り出し繰り戻しを行うことができる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、レバーを揺動操作するだけで、係止部材を被係止部に係止させて、空転プーリをフレームに対して停止した状態に保持したり、係止部材の被係止部に対する係止状態を解除して、空転プーリをフレームに対して回転自由な状態にすることができる。
【0023】
そして、空転プーリをフレームに対して回転自由な状態にした場合には、枠体をモータによって回転駆動した場合でも、リールが回転駆動されることがない。
【0024】
一方、空転プーリをフレーム側に固定した場合には、枠体回転軸に対して空転プーリが回転し、この空転プーリの回転がベルト、プーリ、シャフト、第1歯車及び第2歯車を介してリール回転軸に伝達され、リールが回転駆動されることになる。
【0025】
従って、レバーを揺動操作するだけで、リールの回転駆動及びこの回転駆動の解除を行うことができる。また、リールの回転方向は、モータによる枠体を回転する方向によって変更することができる。なお、リールの回転駆動が解除された状態では、リールは上述のように自由に回転すること可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明を実施するための最良の形態としての一実施の形態について図1〜図7を参照しながら説明する。ただし、従来例で示した構成要素と共通する要素には同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
【0027】
この実施の形態で示す管内洗浄装置は、図1〜図7に示すように、洗浄ホース1を巻回して保持するリール3と、このリール3を回転自在に支持する枠体4と、この枠体4を回転自在に支持するフレーム5と、このフレーム5に設けられ、当該フレーム5に対して枠体4を回転駆動するモータ6と、フレーム5に対する枠体4の回転をリール3の回転中心部に一体的に設けられたリール回転軸31に伝達するクラッチ手段7を備えている。
【0028】
洗浄ホース1の先端部には、ノズル11が一体的に設けられている。
リール3は、図1、図3及び図5に示すように、円筒状の外周面3aと、この外周面3aの軸方向の両端部に設けられたフランジ部3b、3bとを備えており、外周面3a上に巻回した洗浄ホース1を左右のフランジ部3b、3bで保持するようになっている。また、リール回転軸31は、円筒状に形成されている。
【0029】
枠体4は、図1、図2及び図5に示すように、リール3における軸方向の各端面の直径部分及び当該リール3の外周部分を所定の間隔をおいて囲むように、鋼板等の金属製の帯状板によって四角形の枠状に形成されている。この枠体4におけるリール3の各端面に対応する長板部41、42には、リール回転軸31の各端部を回転自在に支持するベアリング41a、42aが設けられている。
【0030】
なお、一方のベアリング41aから突出するリール回転軸31の一端部には、リール回転軸31内に連通するように回転自在継手32が同軸状に接続されており、他方のベアリング42aから突出するリール回転軸31の他端部には、後述する第2歯車72dが同軸状に固定されている。この場合、リール回転軸31の他端部は閉塞された状態になっている。また、リール回転軸31には、一方の長板部41とリール3との間に、リール回転軸31内に連通するように継手33が接続されている。
【0031】
回転自在継手32は、図2に示すように、一端部と他端部とが相対回転自在に構成されており、一端部がリール回転軸31に連結され、他端部がホース34に連結されている。また、継手33には、洗浄ホース1の基端部が連結されている。
【0032】
また、枠体4における互いに対向する短板部43、44には、図2及び図5に示すように、円筒状に形成された枠体回転軸45、46が設けられている。この枠体回転軸45、46は、同軸状に設置されていると共に、その軸線の方向がリール回転軸31の軸線の方向に対して直交した状態になっている。
【0033】
フレーム5は、鋼管等によって形成されたパイプ51及び鋼板等によって形成された2枚の支持板52、53を備えた構成になっている。各支持板52、53は、互いに平行に対置すべくパイプ51に固定されている。一方の支持板52には、一方の枠体回転軸45を回転自在に支持するベアリング52aが設けられており、他方の支持板53には、他方の枠体回転軸46を回転自在に支持するベアリング53aが設けられている。
【0034】
一方の枠体回転軸45は、図5に示すように、その内部を通って、洗浄ホース1が枠体4及びフレーム5内から外方へ繰り出すことが可能なように、一方の短板部43に固定されている。
他方の枠体回転軸46には、図2に示すように、他方の短板部44の内側に突出する一方の端部に、当該枠体回転軸46内に連通するように継手47が接続されている。また、他方の枠体回転軸46における他方のベアリング53aから突出する他方の端部には、当該枠体回転軸46内に連通するように回転自在継手54が接続されている。回転自在継手54は、互いに相対回転する一端部が枠体回転軸46に連結され、他端がストップバブル55に連結されている。ストップバブル55は、図示しない高圧ホースを介して高圧の水を供給可能な水圧源に接続されるようになっている。
【0035】
また、他方の枠体回転軸46には、図1及び図2に示すように、他方の短板部44と他方の支持板53との間に、プーリ61が設けられている。そして、モータ6は、図1に示すように、その出力軸に設けたプーリ62がプーリ61に対応した位置となるように、取付板56を介してフレーム5に設けられている。プーリ61、62にはベルト63が巻回されている。
【0036】
クラッチ手段7は、図4及び図5に示すように、一方の枠体回転軸45に回転自在に嵌合する空転プーリ(空転部材)71と、枠体4に設けられ、空転プーリ71の枠体回転軸45に対する回転をリール回転軸31に伝達する回転伝達手段72と、フレーム5の一方の支持板52に設けられ、空転プーリ71をフレーム5に対して停止させた状態に保持することが可能な断続手段73とを備えている。
【0037】
回転伝達手段72は、枠体4の他方の長板部42に回転自在に設けられたシャフト72aと、このシャフト72aの一端部における空転プーリ71に対応する位置に設けられたプーリ72bと、シャフト72aの他端部に設けられた第1歯車72cと、リール回転軸31の他端部の第1歯車72cと噛み合う位置に設けられた第2歯車72dと、空転プーリ71とプーリ72bとの間の回転力の伝達を行うベルト72eとを備えている。第1歯車72c及び第2歯車72dは、回転方向を直角に変更することが可能であると共に、両方向への回転力の伝達が可能なように、ねじ歯車や傘歯車が使用されている。
【0038】
断続手段73は、図3、図4及び図6に示すように、フレーム5の一方の支持板52に揺動自在に設けられたレバー73aと、このレバー73aの揺動に応じて、先端部が空転プーリ71に対して離接する方向に揺動し、当該空転プーリ71に接する方向に揺動した際に当該空転プーリ71の外周面に形成された凸部(被係止部)71aに係止して、当該空転プーリ71のフレーム5に対する回転を停止させる係止部材73bとを備えている。凸部71aは、空転プーリ71の外周面における周方向に180度の間隔をおいた各位置に2つ設けられている。
【0039】
また、図1及び図7において64は、モータ6の電源コードである。
【0040】
上記のように構成された管内洗浄装置においては、高圧水をストップバルブ55に供給すると、当該ストップバブル55が開いている場合には、当該水が回転自在継手54、他方の枠体回転軸46、継手47、ホース34、回転自在継手32、リール回転軸31、継手33及び洗浄ホース1を通って、ノズル11から斜め後方に噴出することになる。
【0041】
そして、洗浄ホース1を巻回するリール3と、このリール3を回転自在に支持する枠体4と、この枠体4を回転自在に支持するフレーム5と、このフレーム5に設けられ、当該フレーム5に対して枠体4を回転駆動するモータ6とを備えているので、洗浄ホース1をリール3から繰り出している際に、モータ6によって枠体4を回転駆動することにより、洗浄ホース1をその軸回りに回転させることができる。
【0042】
この場合、リール3のリール回転軸31の軸線方向と枠体4の枠体回転軸45、46の軸線方向とが直交しているので、枠体4の回転を効率よく洗浄ホース1に伝達させることができる。
【0043】
しかも、洗浄ホース1がリール3に巻回された状態になっているので、洗浄ホース1に回転駆動を加えた場合でも、当該洗浄ホース1のリール3に対する巻回状態が崩れることがない。即ち、洗浄ホース1がよじれてリール3上に絡まった状態になり、当該洗浄ホース1がリール3からから繰り出すことも、当該リール3に繰り戻すことも不可能になるのを確実に防止することができる。
【0044】
また、仮に、洗浄ホース1がリール3上に絡まった状態になったとしても、この絡まりを外部から容易に修正することができる。従って、洗浄ホース1がリール3に絡まることにより、洗浄作業が停止するような不具合を確実に防止することができる。
【0045】
更に、フレーム5に対する枠体4の回転をリール3の回転中心部に設けられたリール回転軸31に伝達するクラッチ手段7を備えているので、枠体4を回転駆動するモータ6を用いてリール3を回転駆動することができる。この場合、モータ6による枠体4を回転駆動する方向を切り換えることにより、洗浄ホース1を繰り出す方向にリール3を回転させたり、洗浄ホース1を巻き取る方向にリール3を回転させたりすることができる。しかも、洗浄ホース1を隣接した状態に綺麗に巻き取ることができる。
【0046】
また、空転プーリ71が枠体回転軸45に回転自在に設けられているので、洗浄ホース1にリール3から繰り出す力や繰り戻す力が作用した場合には、その力がリール3から回転伝達手段72を介して空転プーリ71に伝達され、当該空転プーリ71が一方の枠体回転軸45に対して空転することになる。このため、ノズル11から推力が作用した際には、リール3が自由に回転することになるので、当該推力による洗浄ホース1の移動に支障を来すことがない。
【0047】
また、洗浄ホース1やリール3等に外力が作用しなければ、モータ6で枠体4を回転駆動した場合でも、空転プーリ71が枠体回転軸45との摩擦力等により当該枠体回転軸45と共に回転することになるので、リール3が回転駆動されることがない。
【0048】
一方、断続手段73によって空転プーリ71をフレーム5に対して停止した状態に保持した場合には、枠体4を回転駆動することによって、当該枠体4に設けられた一方の枠体回転軸45が空転プーリ71に対して回転した状態になる。この場合、枠体回転軸45に対して空転プーリ71が回転しているのと等価であるので、この空転プーリ71の回転が回転伝達手段72を介してリール回転軸31に伝達され、リール3が回転駆動されることになる。
【0049】
従って、断続手段73で空転プーリ71をフレーム5側に固定し、モータ6によって枠体4の回転方向を切り換えることにより、リール3を繰り出し方向に回転駆動したり、繰り戻し方向(巻き戻し方向)に駆動したりすることができる。即ち、一つのモータ6で洗浄ホース1をその軸回りに回転駆動することができると共に、当該洗浄ホース1の繰り出し繰り戻しを行うことができる。
【0050】
また、断続手段73においては、レバー73aを揺動操作するだけで、係止部材73bを凸部71aに係止させて、空転プーリ71をフレーム5に対して停止した状態に固定したり、係止部材73bの凸部71aに対する係止状態を解除して、空転プーリ71をフレーム5に対して回転自由な状態にすることができる。
【0051】
そして、空転プーリ71をフレーム5側に固定した場合には、枠体回転軸45に対して空転プーリ71が回転し、この空転プーリ71の回転がベルト72e、プーリ72b、シャフト72a、第1歯車72c及び第2歯車72dを介してリール回転軸31に伝達されることになるので、リール3を確実に回転駆動することができる。
【0052】
なお、上記実施の形態においては、空転プーリ71、ベルト72e及びプーリ72bを介して回転力の伝達を行うように構成したが、空転プーリ71に代えて空転歯車を一方の枠体回転軸45に回転自在に設け、プーリ72bに代えて空転歯車に噛み合う歯車をシャフト72aの一端部に設けるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の一実施の形態として示した管内洗浄装置の正面図である。
【図2】同管内洗浄装置を示す図であって、図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】同管内洗浄装置の左側面図である。
【図4】同管内洗浄装置の要部断面図である。
【図5】同管内洗浄装置を示す図であって、図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】同管内洗浄装置を示す図であって、図4のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】同管内洗浄装置の右側面図である。
【図8】従来例として示した管内洗浄装置の要部破断斜視図である。
【図9】同管内洗浄装置における洗浄ホースのノズルを示す正面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 洗浄ホース
3 リール
3a 外周面
4 枠体
5 フレーム
6 モータ
7 クラッチ手段
31 リール回転軸
45 枠体回転軸
71 空転プーリ(空転部材)
71a 凸部(被係止部)
72 回転伝達手段
72a シャフト
72b プーリ
72c 第1歯車
72d 第2歯車
72e ベルト
73 断続手段
73a レバー
73b 係止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面で洗浄ホースを巻回するリールと、
このリールを回転自在に支持する枠体と、
この枠体を回転自在に支持するフレームと、
このフレームに設けられ、当該フレームに対して上記枠体を回転駆動するモータと、
上記フレームに対する上記枠体の回転を上記リールの回転中心部に設けられたリール回転軸に伝達するクラッチ手段とを備えたことを特徴とする管内洗浄装置。
【請求項2】
上記クラッチ手段は、上記枠体の回転中心部に設けられた枠体回転軸に回転自在に嵌合する空転部材と、上記枠体に設けられ、上記空転部材の上記枠体回転軸に対する回転を上記リール回転軸に伝達する回転伝達手段と、上記フレームに設けられ、上記空転部材を上記フレームに対して停止させた状態に保持することが可能に構成された断続手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の管内洗浄装置。
【請求項3】
上記空転部材は、上記枠体回転軸に回転自在に嵌合する空転プーリによって構成され、
上記回転伝達手段は、上記枠体に回転自在に設けられたシャフトと、このシャフトの一端部における上記空転プーリに対応する位置に設けられたプーリと、上記シャフトの他端部に設けられた第1歯車と、上記リール回転軸に設けられ、上記第1歯車と噛み合う第2歯車と、上記空転プーリと上記プーリの回転力の伝達を行うベルトとを備えており、
上記断続手段は、上記フレームに揺動自在に設けられたレバーと、このレバーの揺動に応じて、先端部が上記空転プーリに対して離接する方向に揺動し、上記空転プーリに接する方向に揺動した際に当該空転プーリに設けられた被係止部に係止して、当該空転プーリの上記フレームに対する回転を停止させる係止部材とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の管内洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−35006(P2006−35006A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−213981(P2004−213981)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(591047866)株式会社カンツール (4)
【Fターム(参考)】