説明

管理システムおよび管理方法

【課題】 マーカの設置後の状況に合わせてマーカ内のデータを変更することができ、ユーザが実情に即したデータを取得することができるようにすること。
【解決手段】 付設マーカ2は、表面に光学的に読取可能なQRコード(登録商標)を記載されたコード付きタイル31および無線通信で通信可能なICタグ32を有する。そして、携帯端末装置1は、付設マーカ2のコードを読み取るカメラ12、および付設マーカ2のICタグ32と通信しICタグ32内のデータを読み取るとともにICタグ32にデータを書き込む無線通信部13を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土地、施設などに付随するデータを管理する管理システムおよび管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、土地の境界に境界杭が設置されることが多い。この境界杭の表面には、必要に応じて、管理番号や設置主などの管理情報が記載される。さらに、表面に二次元デジタルデータコードを記載した境界杭も提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、境界杭の巡回管理において、境界杭の二次元デジタルデータコードから、会社名、管理番号、位置座標、隣接する境界杭の方向と距離、地番、埋設年月日などのデータが読み取られる。
【0003】
【特許文献1】特開平9−179499号公報(要約、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の管理方法では、二次元デジタルデータコードからデータを読み取り簡便に管理を行うことができるものの、境界杭からデータを読み取ることしかできないため、境界杭などのマーカの設置後の状況に合わせてデータを変更することが困難である。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、マーカの設置後の状況に合わせてマーカ内のデータを変更することができ、ユーザが実情に即したデータを取得することができる管理システムおよび管理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明では、以下のようにした。
【0007】
本発明による管理システムの1つは、表面に記載され光学的に読取可能なコードおよび無線通信で通信可能なICタグを有し土地または施設に付設される付設マーカと、付設マーカのコードを読み取る撮像手段、および付設マーカのICタグと通信しICタグ内のデータを読み取るとともにICタグにデータを書き込む通信手段を有する携帯端末装置とを備える。
【0008】
これにより、書換の困難なデータを有するコードと書換可能なデータを有するICタグとが同一箇所に設置されるため、マーカ設置時の初期データをコードとして改ざん困難な状態で保持しつづけるとともに、マーカの設置後の状況に合わせてマーカ内のデータを変更することができ、ユーザが実情に即したデータを取得することができる。
【0009】
また、本発明による管理システムの1つは、上記管理システムに加え、携帯端末装置を次のようにしたものである。携帯端末装置は、携帯電話機であって、撮像手段は、携帯電話機の筐体に設置されたカメラであり、通信手段は、赤外線または電波により直接付設マーカと通信可能な近距離無線通信回路である。
【0010】
これにより、携帯端末装置として携帯電話機を利用することができ、本システム専用の携帯端末装置を別途用意する必要がない。
【0011】
本発明による管理システムの1つは、表面に記載され光学的に読取可能なコードおよび無線通信で通信可能なICタグを有し土地または施設に付設される付設マーカと、付設マーカのコードを読み取る撮像手段、付設マーカのICタグと通信しICタグ内のデータを読み取るとともにICタグにデータを書き込む第1の通信手段、および付設マーカに対して読み書きしたデータをサーバ装置へ送信する第2の通信手段を有する携帯端末装置と、携帯端末装置から、付設マーカに対して読み書きしたデータを受信する第3の通信手段、および第3の通信手段により受信された、付設マーカに対して読み書きしたデータを蓄積するデータ蓄積手段を有するサーバ装置とを備える。
【0012】
これにより、書換の困難なデータを有するコードと書換可能なデータを有するICタグとが同一箇所に設置されるため、マーカ設置時の初期データをコードとして改ざん困難な状態で保持しつづけるとともに、マーカの設置後の状況に合わせてマーカ内のデータを変更することができ、ユーザが実情に即したデータを取得することができる。さらに、付設マーカのICタグ内のデータと、サーバ装置内のデータとの同期がとれるため、サーバ装置での付設マーカの管理を正確に行うことができる。
【0013】
また、本発明による管理システムの1つは、上記管理システムに加え、携帯端末装置を次のようにしたものである。携帯端末装置は、携帯電話機であって、撮像手段は、携帯電話機の筐体に設置されたカメラであり、第1の通信手段は、赤外線または電波により直接付設マーカと通信可能な近距離無線通信回路であり、第2の通信手段は、加入者回線用の無線通信回路、または無線LAN用の無線通信回路である。
【0014】
これにより、携帯端末装置として携帯電話機を利用することができ、本システム専用の携帯端末装置を別途用意する必要がない。
【0015】
また、本発明による管理システムの1つは、上記管理システムのいずれかに加え、サーバ装置を次のようにしたものである。サーバ装置のデータ蓄積手段は、付設マーカに関連付けて、付設マーカが付設された土地の画地画像または現地写真のデータを格納し、サーバ装置の第3の通信手段は、携帯端末装置からデータが受信された付設マーカに関連する画地画像または現地写真のデータを携帯端末装置へ送信する。
【0016】
これにより、携帯端末装置のユーザは、付設マーカが設置された現地にて、画地画像や現地写真を確認することができる。
【0017】
また、本発明による管理システムの1つは、上記管理システムのいずれかに加え、付設マーカおよび携帯端末装置を次のようにしたものである。付設マーカの表面に記載されたコードは、付設マーカが最初に設置された位置の情報を有し、付設マーカのICタグは、付設マーカの位置情報を記憶する書換可能な記憶手段を有する。また、携帯端末装置は、コードの有する位置情報による位置と付設マーカの現在位置とが異なる場合、現在位置の位置情報を付設マーカのICタグの記憶手段に書き込む。
【0018】
これにより、付設マーカ自体、土地、施設などの管理対象の位置が経時的に変化した場合でも、その位置の変化履歴を示すデータがICタグに蓄積されるため、位置の初期値をコードから、変化履歴をICタグから知ることができ、付設マーカ自体、土地、施設などの管理を正確かつ簡単に行うことができる。つまり、付設マーカから管理状況が一括して得られるため、現地にて、付設マーカ自体、土地、施設などの位置情報の履歴を正確かつ簡単に知ることができる。
【0019】
また、本発明による管理システムの1つは、上記管理システムのいずれかに加え、付設マーカを次のようにしたものである。付設マーカのICタグは、付設マーカが付設された土地または施設の情報を記憶する。
【0020】
これにより、付設マーカ自体、土地、施設などの管理対象の状態が経時的に変化した場合でも、その状態の変化履歴を示すデータがICタグに蓄積されるため、その状態の初期値をコードから、変化履歴をICタグから知ることができ、付設マーカ自体、土地、施設などの状態の管理を正確かつ簡単に行うことができる。
【0021】
また、本発明による管理システムの1つは、上記管理システムのいずれかに加え、携帯端末装置を次のようにしたものである。携帯端末装置は、付設マーカのICタグに、付設マーカ内のデータを読み取ったときの年、月および日の少なくとも1つの情報を書き込む。
【0022】
これにより、巡回などで付設マーカのデータを読み取ると、その時の日時に関する情報が自動的に付設マーカに記憶されるため、管理に伴う巡回作業を簡単に行うことができる。
【0023】
本発明による管理方法は、表面に記載されたコードおよび無線通信で通信可能なICタグを有する付設マーカからコードを光学的に読み取るステップと、付設マーカのICタグと通信しICタグ内のデータを読み取るとともにICタグにデータを書き込むステップとを備える。
【0024】
これにより、光学的なコードとICタグを併用して、マーカ設置時の初期データをコードとして改ざん困難な状態で保持しつづけるとともに、マーカの設置後の状況に合わせてマーカ内のデータを変更することができ、ユーザが実情に即したデータを取得することができる。
【0025】
本発明による管理システムの1つは、表面に記載され光学的に読取可能なコード、および無線通信で通信可能なICタグを有し屋外または屋内に敷設されたタイルと、タイルのコードを読み取る撮像手段、およびタイルのICタグと通信しICタグ内のデータを読み取るとともにICタグにデータを書き込む通信手段を有する携帯端末装置とを備える。
【0026】
これにより書換の困難なデータを有するコードと書換可能なデータを有するICタグとが同一箇所に設置されるため、マーカ設置時の初期データをコードとして改ざん困難な状態で保持しつづけるとともに、マーカの設置後の状況に合わせてマーカ内のデータを変更することができ、ユーザが実情に即したデータを取得することができる。
【0027】
本発明による管理システムの1つは、検索用のキー情報と対象の位置情報とを含む対象情報を対象ごとに格納する第1のデータベースと、対象情報を検索し、ヒットした対象情報の位置情報により対象の位置を特定する第1の検索手段と、位置情報とその位置情報の示す位置を案内する案内情報とを含む説明用情報を格納する第2のデータベースと、第1の検索手段による検索でヒットした対象情報の位置情報をキーとして、説明用情報を検索し、ヒットした説明用情報の案内情報を、対象に対する案内情報とする第2の検索手段とを備える。
【0028】
これにより、ユーザは、検索によって、対象の所在する位置についての案内情報を取得することができる。さらに、位置情報を媒介として、対象の情報と、その対象についての案内情報とが切り離されてデータベースで管理されるため、対象や案内情報の追加や変更を簡単に行うことができ、対象の管理を簡単に行うことができる。例えば、同一地点の対象を変更する場合には、対象情報のみを変更すればよく、データベースの更新作業が簡単になる。
【0029】
本発明による管理システムの1つは、上記管理システムに加え、店舗内の各棚に設置されその設置位置の3次元座標値を位置情報として記憶する第1のICタグと、店舗内の各棚に配置された対象の識別情報を記憶する第2のICタグと、ある棚について、第1のICタグから棚の位置情報を読み取るとともに、第2のICタグから対象の識別情報を読み取る読取手段と、読取手段により読み取られた棚の位置情報を対象の位置情報とし、読取手段により読み取られた対象の識別情報に関連付けられたその対象の属性情報を対象のキー情報として第1のデータベースに、その対象の対象情報を登録する登録手段とを備える。
【0030】
これにより、所望の対象の所在位置について、店舗内の棚の位置までユーザに呈示することができる。
【0031】
本発明による管理システムの1つは、上記管理システムのいずれかに加え、第2のデータベースおよび第2の検索手段を次のようにしたものである。このシステムでは、第2のデータベースは、位置情報として、複数の地点の位置に加え、少なくとも2地点を結ぶ線分の線分データを格納する。第2の検索手段は、第1の検索手段による検索でヒットした対象情報の位置情報をキーとして、第2のデータベースに格納された線分データを検索し、対象情報の位置情報の示す位置から所定の範囲内に存在する線分の線分データを検出し、検出した線分データを有する説明用情報の案内情報を、対象に対する案内情報とする。
【0032】
これにより、線分データを使用して、より詳細かつ正確に位置を特定でき、的確な案内情報を提供することができる。
【0033】
本発明による管理システムの1つは、上記管理システムのいずれかに加え、第2のデータベースおよび第2の検索手段を次のようにしたものである。第2のデータベースは、位置情報として、複数の地点の位置に加え、複数の地点を結んで得られる面の面データを格納する。第2の検索手段は、第1の検索手段による検索でヒットした対象情報の位置情報をキーとして、第2のデータベースに格納された面データを検索し、対象情報の位置情報の示す位置から所定の範囲内に存在する面の面データを検出し、検出した面データを有する説明用情報の案内情報を、対象に対する案内情報とする。
【0034】
これにより、面データを使用して、より詳細かつ正確に位置を特定でき、的確な案内情報を提供することができる。
【0035】
本発明による管理システムの1つは、上記管理システムのいずれかに加え、第2のデータベースおよび第2の検索手段を次のようにしたものである。第2のデータベースは、位置情報として、複数の地点の位置に加え、複数の地点を結んで得られる閉空間の閉空間データを格納する。第2の検索手段は、第1の検索手段による検索でヒットした対象情報の位置情報をキーとして、第2のデータベースに格納された閉空間データを検索し、対象情報の位置情報の示す位置が存在する閉空間の閉空間データを検出し、検出した閉空間データを有する説明用情報の案内情報を、対象に対する案内情報とする。
【0036】
これにより、閉空間データを使用して、より詳細かつ正確に位置を特定でき、的確な案内情報を提供することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、マーカの設置後の状況に合わせてマーカ内のデータを変更することができ、ユーザが実情に即したデータを取得することができる管理システムおよび管理方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0039】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る管理システムの構成を示す斜視図である。図1において、携帯端末装置1は、付設マーカ2のQRコード(登録商標)を読み取り、さらに、付設マーカ2のICタグと通信しICタグ内のデータを読み書きする装置である。この実施の形態1では、携帯端末装置1は、QRコード(登録商標)のデコーダを搭載したカメラ付き携帯電話機とされる。
【0040】
また、付設マーカ2は、表面に記載され光学的に読取可能なQRコード(登録商標)、および無線通信で通信可能なICタグを有する物体である。付設マーカ2は、目的となる土地にその表面が露出するように埋設されたり、目的となる施設の周辺の地面や壁に埋設されたりする。埋設時には、付設マーカ2を杭に固定しその杭を埋設するようにしてもよい。
【0041】
図2は、実施の形態1における付設マーカ2の構成を示す斜視図である。付設マーカ2において、コード付きタイル31は、例えば陶器製のタイルであって、その表面にQRコード(登録商標)が記載されたものである。コード付きタイル31は、開口部2aを通じてQRコード(登録商標)が光学的に読取可能なように付設マーカ2の内部に配置される。また、ICタグ32は、非接触で外部からデータを読み書き可能なICタグである。この実施の形態1では、ICタグ32は、コード付きタイル31のQRコード(登録商標)の面と反対側の面に近接して配置される。
【0042】
この実施の形態1では、コード付きタイル31のQRコード(登録商標)は、この付設マーカ2の設置位置や設置日の情報をエンコードしたものである。また、ICタグ32には、同様に位置情報および設置日の情報がデータとして記憶される。ただし、ICタグ32における位置情報および設置日の情報は、付設マーカ2の設置後に書換可能である。位置情報が書き換えられた場合には、書換をした日がICタグ32に記憶される。ICタグ32内の位置情報の初期値は、QRコード(登録商標)の位置情報と同じ値とされる。
【0043】
図3は、本発明の実施の形態1に係る管理システムの電気的および光学的な構成を示すブロック図である。図3において、携帯端末装置1は、ベースバンド部11、カメラ12、無線通信部13、表示部14、操作部15、メモリ16および制御部17を有する。
【0044】
携帯端末装置1において、ベースバンド部11は、アンテナを介して基地局との間で無線通信を行い、電話音声信号および/またはデータの送受を行う通信手段(第2の通信手段)としての回路群である。カメラ12は、例えばCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子およびその駆動回路で構成された撮像手段である。
【0045】
また、無線通信部13は、例えばブルーツース(商標)などの近距離型の無線通信方式で、近隣の外部機器との間で非接触での通信が可能な通信手段(第1の通信手段)としての装置である。
【0046】
また、表示部14は、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置およびその駆動回路である。操作部15は、ユーザ操作を受け付けるとそれに応じた電気信号を生成するキースイッチなどである。
【0047】
制御部16は、マイクロプロセッサおよびそれにより実行されるプログラムを記憶するROMを有し、携帯端末装置1における各部を制御する。また、制御部16は、無線通信部13を制御して、付設マーカ2の現在の位置の情報を、そのときの日時の情報とともに、ICタグ32のメモリ44へ書き込む機能を有する。なお、付設マーカ2の現在の位置の情報は、携帯端末装置1にGPS(Global Positioning System)受信機を内蔵して取得するようにしてもよいし、ユーザが入力するようにしてもよい。
【0048】
メモリ17は、制御部16のマイクロプロセッサにより実行されるアプリケーションプログラム21やデータ22を記憶するメモリである。メモリ17には、不揮発性のメモリが使用される。アプリケーションプログラム21は、QRコード(登録商標)を読み取りデコードするためのプログラムや、ICタグ32に対するデータの読み書きを行うためのプログラムを含む。
【0049】
また、図3において、付設マーカ2は、コード付きタイル31とICタグ32を有する。ICタグ32は、アンテナ41、制御回路42、ROM43、および書換可能な不揮発性の記憶手段としてのメモリ44を有する。
【0050】
付設マーカ2のICタグ32において、アンテナ41は、リーダライタ(実施の形態1では携帯端末装置1)からの電波を感受するとともにリーダライタへ電波を放射するアンテナである。この実施の形態1では、アンテナ41はICタグ32に内蔵されているが、ICタグ32の外部にアンテナ41を設けるようにしてもよい。例えば、付設マーカ2の外縁に沿って周回するように外部アンテナを設けるようにしてもよい。
【0051】
また、制御回路42は、リーダライタからの指令に応じて、ROM43やメモリ44からデータを読み出したり、メモリ44にデータを書き込んだりする回路である。
【0052】
ROM43は、このICタグの識別情報などを記憶した書換できないメモリである。メモリ44は、書換可能な不揮発性のメモリであって、付設マーカ2の現在位置、設置日時、ICタグ32へのアクセスのあった日時などのデータを記憶する。なお、位置情報の初期値は、QRコード(登録商標)の位置情報と同じ値とされる。
【0053】
次に、上記システムにおける各装置の動作について説明する。
【0054】
まず、付設マーカ2の設置について説明する。
【0055】
付設マーカ2のコード付きタイル31に記載されるQRコード(登録商標)がまず生成される。このQRコード(登録商標)には、付設マーカ2が付設される土地、施設などの位置情報(緯度・経度、標高、座標系の種類と座標)、マーカ情報(マーカID、マーカや杭の種別)などがエンコードされる。そして、そのQRコード(登録商標)がタイル表面に記載されてコード付きタイル31が生成される。このようなコード付きタイル31とICタグ32を内蔵させて付設マーカ2が組み立てられる。
【0056】
そして、付設マーカ2が、QRコード(登録商標)の有する位置情報の示す位置に設置される。設置後、携帯端末装置1などのリーダライタにより付設マーカ2のコード付きタイル31のQRコード(登録商標)が読み取られ、そのコードに含まれる位置情報がデコードされ、ICタグ32に記憶される位置情報の初期値として、ICタグ32のメモリ44に書き込まれる。なお、この初期値の設定は、付設マーカ2の組立前あるいは設置前に行うようにしてもよい。
【0057】
次に、付設マーカ2の設置後について説明する。
【0058】
付設マーカ2が付設される土地や施設には、定期的な巡回が必要となることが多い。巡回時には、ユーザは、携帯端末装置1を操作して、付設マーカ2のQRコード(登録商標)およびICタグ32に記憶されたデータを参照することができるとともに、その巡回の履歴を巡回日時のデータとして記憶させたり、付設マーカ2の最新の位置情報を記憶させたりすることができる。
【0059】
携帯端末装置1では、ユーザの操作に応じて、アプリケーションプログラム21が実行され、以下の動作が実行される。
【0060】
QRコード(登録商標)を読み取る際、付設マーカ2のQRコード(登録商標)がカメラ12の視野に入るように例えば図1に示すようにユーザにより携帯端末装置1の位置が調整される。そして、携帯端末装置1では、カメラ12がQRコード(登録商標)を撮像し、制御部16がその画像データからQRコードを特定し、位置情報をデコードし、メモリ17にデータ22として格納する。そして、制御部16は、表示部14を制御して、その位置情報を表示させる。
【0061】
また、ICタグ32からデータを読み取る際、携帯端末装置1では、制御部16が無線通信部13へデータ読取の指令を供給し、無線通信部13がデータ送信の指令をICタグ32へ送信する。ICタグ32の制御回路42は、その指令を受信すると指定されたデータを読み出し、無線通信部13へ送信する。制御部16は、そのデータをメモリ17に格納する。そして、制御部16は、表示部14を制御して、そのデータを表示させる。
【0062】
そして、付設マーカ2のQRコード(登録商標)やICタグ32からデータを読み取った場合、携帯端末装置1の制御部16は、無線通信部13へデータ書込の指令を供給し、無線通信部13がデータ書込の指令およびそのときの日付または日時のデータをICタグ32へ送信する。ICタグ32の制御回路42は、その指令およびデータを受信すると、そのデータをメモリ44に書き込む。これにより、巡回した日時などがICタグ32に記憶される。なお、この日付または日時のデータは、上書きせずに累積して記憶されるようにしてもよい。
【0063】
また、付設マーカ2の位置情報を更新する場合には、携帯端末装置1の制御部16は、無線通信部13へデータ書込の指令を供給し、無線通信部13がデータ書込の指令および現時点での付設マーカ2の位置情報をICタグ32へ送信する。ICタグ32の制御回路42は、その指令および位置情報を受信すると、受信した位置情報で、メモリ44内の位置情報を更新する。
【0064】
付設マーカ2は地面や壁に設置されるため、比較的長期にわたって設置されたままになる。地面や壁は、周囲の環境によって経時的に移動する可能性がある。そのため、付設マーカ2を設置した時点の設置位置(緯度、経度)とその後の巡回時の時点の設置位置は、必ず一致するとは限らない。このため、巡回時にICタグ32に、設置後の位置情報を記憶し、それを随時読み出すことで、付設マーカ2ひいては土地や施設の正確な位置(緯度、経度)が特定される。また、コード付きタイル31に記載されたQRコード(登録商標)は改ざんできないため、付設マーカ2を設置した際の位置情報をこのQRコード(登録商標)から特定することができる。
【0065】
つまり、携帯端末装置1は、付設マーカ2のQRコード(登録商標)の有する位置情報による位置と付設マーカ2の現在位置とが異なる場合、現在位置の位置情報を付設マーカ2のICタグ32のメモリ44に書き込む。
【0066】
なお、付設マーカ2のQRコード(登録商標)の読み取りは光学的に行われるため、携帯端末装置1を付設マーカ2に比較的接近させる必要があるが、ICタグ32のデータの読み取りは無線通信で行われるため、ICタグ32の性能によっては、比較的30センチメートルから1メートル程度の距離があっても読み取りが可能となる。したがって、付設マーカ2の埋設後に、土の堆積などに起因して付設マーカ2が視認できない場合でも容易に発見することが可能である。
【0067】
以上のように、上記実施の形態1によれば、付設マーカ2は、表面に光学的に読取可能なQRコード(登録商標)を記載されたコード付きタイル31および無線通信で通信可能なICタグ32を有する。そして、携帯端末装置1は、付設マーカ2のコードを読み取るカメラ12、および付設マーカ2のICタグ32と通信しICタグ32内のデータを読み取るとともにICタグ32にデータを書き込む無線通信部を有する。
【0068】
これにより、書換の困難なデータを有するQRコード(登録商標)と書換可能なデータを有するICタグ32とが同一箇所に設置されるため、マーカ設置時の初期データをコードとして改ざん困難な状態で保持しつづけるとともに、マーカの設置後の状況に合わせてマーカ内のデータを変更することができ、ユーザが実情に即したデータを取得することができる。
【0069】
また、上記実施の形態1において、携帯端末装置1を携帯電話機とした場合には、本システム専用の携帯端末装置を別途用意する必要がない。
【0070】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る管理システムは、実施の形態1のシステムに、サーバ装置を加えたものである。
【0071】
図4は、本発明の実施の形態2による管理システムの構成を示すブロック図である。図4において、サーバ装置51は、付設マーカ2およびそれに付随するデータを管理するとともに、本システムのユーザの管理をするサーバ装置である。
【0072】
サーバ装置51において、CPU61は、プログラムを実行し、プログラムに記述された処理を実行する演算処理装置である。また、ROM62は、プログラムおよびデータを予め記憶した不揮発性のメモリである。また、RAM63は、プログラムを実行する際にそのプログラムおよびデータを一時的に記憶するメモリである。通信装置64は、ネットワークインタフェース、モデムなどといった通信手段(第3の通信手段)としての装置であって、通信網81に直接的にまたは間接的に接続可能なものである。格納装置65は、データなどの格納するデータ蓄積手段としての装置であって、携帯端末装置1用のアプリケーションプログラム71(図3のアプリケーションプログラム21)、各付設マーカ2の情報を含むマーカテーブル72、本システムを利用可能な各ユーザのID、パスワード、名称などを含むユーザテーブル73を格納する。
【0073】
マーカテーブル72は、各付設マーカ2についてのマーカ情報を有する。図5は、実施の形態2におけるサーバ装置2に格納されるマーカ情報の一例を示す図である。図5に示すマーカ情報101は、概略情報101aと詳細情報101bとを含む。概略情報101aは、付設マーカ2を特定するための情報であって、詳細情報101bは、管理上有益なその他の情報である。
【0074】
概略情報101aは、付設マーカ2の識別子であるマーカID111、管理者の氏名または名称112、付設マーカ2あるいはその付設マーカ2を有する杭の種別113、座標114、標高115、座標系の種類116、緯度・経度117、座標系番号118、位置情報の計測日119などを有する。
【0075】
詳細情報101bは、位置情報の計測者121、当該付設マーカ2に隣接する付設マーカ2を示す隣接マーカ情報122、画地画像データ123、土地・施設属性情報124、付設マーカ2のICタグ32に記憶されたデータと同様のデータを有する履歴データ125、付設マーカ2の設置場所の現地写真データ126、動画データ127、土地・施設に関連したウェブページのURL(Uniform Resource Locator)を有する関連ページ情報128などを有する。
【0076】
図4に戻り、通信網81は、電話網や、インターネット、LANなどのコンピュータネットワークといったデータ通信可能な通信網である。無線基地局81aは、通信網81に接続され、携帯端末装置1と無線通信可能な通信設備である。
【0077】
なお、図4における携帯端末装置1および付設マーカ2は、実施の形態1のものと同様であるので、その説明を省略する。
【0078】
次に、上記システムにおける各装置の動作について説明する。図6は、実施の形態2における各装置の動作を説明するシーケンス図である。図7は、実施の形態2における携帯端末装置1の表示例を示す図である。
【0079】
携帯端末装置1において、アプリケーションプログラム21を実行すると、携帯端末装置1の制御部16は、ベースバンド部11を制御して、無線基地局81aおよび通信網81を介してサーバ装置51へアクセスする。なお、アプリケーションプログラム21が携帯端末装置1にインストールされていない場合には、携帯端末装置1は、サーバ装置51からアプリケーションプログラム71をダウンロードし、インストールすればよい。
【0080】
サーバ装置51では、CPU61がサーバプログラムを実行しており、アクセスがあるまで待機している。そして、サーバ装置51は、携帯端末装置1のアクセスを受けると、ログオン画面のデータをその携帯端末装置1へ送信する。携帯端末装置1は、そのデータを受信すると、そのデータに基づいて、表示部14にログオン画面を表示する。図7(A)は、ログオン画面の一例を示す図である。ログオン画面には、ユーザIDの入力欄、パスワードの入力欄および送信ボタンが設けられている。ユーザの操作により、ユーザIDとパスワードが各入力欄に入力され送信ボタンが押されると、制御部16は、入力されたユーザIDとパスワードをサーバ装置51へ送信する。
【0081】
サーバ装置51は、そのユーザIDとパスワードを受信すると、ユーザテーブル73を参照し、ユーザIDとパスワードがそれぞれ一致するユーザが登録されているか否かを判定する。ユーザIDとパスワードがそれぞれ一致するユーザが登録されている場合には、サーバ装置51は、本システムの利用を許可する旨の通知を携帯端末装置1へ送信する。一方、ユーザIDとパスワードがそれぞれ一致するユーザが登録されていない場合には、サーバ装置51は、本システムの利用を禁止する旨の通知を携帯端末装置1へ送信しそのアクセスに対する処理を終了する。
【0082】
このようにして、まずログオン処理が実行される(ステップS1)。
【0083】
次に、携帯端末装置1の制御部16は、ログオンに成功すると、カメラ12を制御して付設マーカ2のQRコード(登録商標)の読取を開始し、QRコード(登録商標)を読み取ると、デコードして位置情報を抽出する(ステップS2)。さらに、制御部16は、無線通信部13を制御してICタグ32のROM43およびメモリ44からデータを読み取る(ステップS3)。
【0084】
そして、携帯端末装置1の制御部16は、付設マーカ2から取得したデータを表示部14に表示させる(ステップS4)。図7(B)は、付設マーカ2から取得したデータの表示例を示す図である。その際、図7(B)に示すように、付設マーカ2から取得したデータ151とともに、詳細情報を取得するためのリンク152も表示される。
【0085】
詳細情報を取得するためのリンク152に対して選択操作が行われると、携帯端末装置1の制御部16は、ベースバンド部11により、詳細情報を要求する指令を、付設マーカ2のマーカIDとともにサーバ装置51へ送信する(ステップS5)。なお、制御部16は、マーカIDの代わりに、付設マーカ2のQRコード(登録商標)から取得した位置情報を送信するようにしてもよい。
【0086】
サーバ装置51は、その詳細情報の要求とマーカID(あるいは位置情報)を受信すると、そのマーカID(あるいは位置情報)をキーとして、マーカテーブル72内のマーカ情報101を検索する(ステップS6)。そして、サーバ装置51は、そのマーカID(あるいは位置情報)を有するマーカ情報101を発見すると、そのマーカ情報101のうちの詳細情報101bを格納装置65から読み出し、適宜編集した後に、携帯端末装置1に送信する(ステップS7)。
【0087】
携帯端末装置1の制御部16は、その詳細情報101bを受信すると、表示部14に表示させる(ステップS8)。図7(C)は、付設マーカ2の詳細情報101bの表示例を示す図である。図7(C)では、付設マーカ2から得られた位置情報などと、詳細情報101bが混在して表示されている。図7(C)では、詳細情報101bのうち、画地画像、現地写真および関連ページについては、リンク161,162,163として表示され、これらのリンクが選択操作されると、それぞれのデータがサーバ装置51やその他のサーバからダウンロードされて表示される。
【0088】
このようにして、付設マーカ2およびサーバ装置51内のデータが、携帯端末装置1により閲覧される。
【0089】
次に、携帯端末装置1の操作部15に対して所定の操作を行うと、制御部16は、そのときの日付または日時の情報とともに、付設マーカ2のその時点での位置情報をGPSあるいはユーザの入力から取得し、付設マーカ2のICタグ32にそれらに情報を送信する(ステップS10)。ICタグ32では、制御回路42が、それらの情報を受信すると、メモリ44に書き込む。これにより、ICタグ32のメモリ44には、付設マーカ2にアクセスしたときの日付または日時が履歴として記録され、また、そのときの付設マーカ2の位置情報も記録される。
【0090】
このようにしてICタグ32に情報を書き込んだ後、携帯端末装置1の制御部16は、その日付または日時の情報や位置情報をサーバ装置51に送信する(ステップS11)。サーバ装置51は、その情報を受信すると、その付設マーカ2のマーカ情報101における履歴データ125として格納する(ステップS12)。
【0091】
以上のように、上記実施の形態2によれば、サーバ装置51は、携帯端末装置1から、付設マーカ2に対して読み書きしたデータを受信する通信装置64、および通信装置64により受信された、付設マーカ2に対して読み書きしたデータを蓄積する格納装置65を有する。
【0092】
これにより、付設マーカ2のICタグ32内のデータと、サーバ装置51内のデータとの同期がとれるため、サーバ装置51での付設マーカ2の管理を正確に行うことができる。
【0093】
また、上記実施の形態2によれば、サーバ装置51の格納装置65は、付設マーカ2に関連付けて、付設マーカが付設された土地の画地画像または現地写真のデータを格納し、サーバ装置51の通信装置64は、携帯端末装置1から付設マーカ2のデータを受信すると、その付設マーカ2に関連する画地画像または現地写真のデータを携帯端末装置1へ送信する。
【0094】
これにより、携帯端末装置1のユーザは、付設マーカ2が設置された現地にて、画地画像や現地写真を確認することができる。
【0095】
また、上記実施の形態2によれば、付設マーカ2の表面に記載されたコードは、付設マーカ2が最初に設置された位置の情報を有し、付設マーカ2のICタグ32は、付設マーカ2の位置情報を記憶する書換可能なメモリ44を有する。また、携帯端末装置1は、コードの有する位置情報による位置と付設マーカ2の現在位置とが異なる場合、現在位置の位置情報を付設マーカ2のICタグ32のメモリ44に書き込む。
【0096】
これにより、付設マーカ2自体、土地、施設などの管理対象の位置が経時的に変化した場合でも、その位置の変化履歴を示すデータがICタグ32に蓄積されるため、位置の初期値をコードから、変化履歴をICタグ32から知ることができ、付設マーカ2自体、土地、施設などの管理を正確かつ簡単に行うことができる。つまり、付設マーカ2から管理状況が一括して得られるため、現地にて、付設マーカ2自体、土地、施設などの位置情報の履歴を正確かつ簡単に知ることができる。
【0097】
また、上記実施の形態2によれば、付設マーカ2のICタグ32は、付設マーカ2が付設された土地または施設の情報を記憶する。
【0098】
これにより、付設マーカ2自体、土地、施設などの管理対象の状態が経時的に変化した場合でも、その状態の変化履歴を示すデータがICタグ32に蓄積されるため、その状態の初期値をコードから、変化履歴をICタグ32から知ることができ、付設マーカ2自体、土地、施設などの状態の管理を正確かつ簡単に行うことができる。
【0099】
また、上記実施の形態2によれば、携帯端末装置1は、付設マーカ2のICタグ32に、付設マーカ2内のデータを読み取ったときの年、月および日の少なくとも1つの情報を書き込む。
【0100】
これにより、巡回などで付設マーカ2のデータを読み取ると、その時の日時に関する情報が自動的に付設マーカ2に記憶されるため、管理に伴う巡回作業を簡単に行うことができる。
【0101】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る管理システムは、付設マーカ2の代わりに、QRコード(登録商標)およびICタグを付したタイルを使用するようにしたものである。
【0102】
図8は、本発明の実施の形態3に係る管理システムにおけるタイルの敷設例を示す斜視図である。図8において、タイル201は、屋内外において行列状に敷設されるタイルである。タイル201の表面には、その一角にQRコード(登録商標)などのコード201aが記載されるとともに、タイル201の裏面(つまり接地面)側にICタグ202が配置される。ICタグ201aは、コード201aの裏側に配置される。
【0103】
図9は、実施の形態3におけるタイル201へのICタグの装着例を示す図である。図9(A)の場合、タイル201と部材203とに挟まれてICタグ202がタイル201へ装着される。装着部材203は、底面部203aと、タイル201の目地においてタイル201の外縁に沿って延伸した羽根板部203bと、底面部203aと羽根板部203bとを接続する支柱部203cからなる。なお、図9(A)では、羽根板部203bは2枚であるが、4つの隣接するタイル201の間の目地に沿って4枚の羽根板部203bを設けてもよい。そして、この羽根板部203bを、支柱部203cおよび底面部203aを介してICタグ202に電気的に接続して外部アンテナとして使用するようにしてもよい。なお、タイル201の敷設時にはICタグ202は水分に接触する可能性があるため、ICタグ202に耐水加工を施すようにしてもよい(以下同様)。
【0104】
図9(B)の場合、タイル201のコード201aの裏面の箇所に切り欠き部201bが形成される。この切り欠き部201bにICタグ202が配置される。なお、図9(A)の装着部材203を、図9(B)の場合のタイル201に適用してもよい。
【0105】
図9(C)の場合、タイル201の外縁を囲う金属製の枠204が設けられる。この枠204は、タイル201間の目地に配置される。この枠204は、ICタグ202に電気的に接続されて外部アンテナとして使用される。
【0106】
このようにして、タイル201が敷設される。なお、実施の形態3では、コード201aおよびICタグ202を付された同様のタイル201が配列されているが、所定の範囲における1つのタイルだけを、コード201aおよびICタグ202を付されたタイル201とし、その他のタイルを同形状の通常のタイル(コード201aおよびICタグ202を有さないタイル)としてもよい。
【0107】
そして、このようにして敷設されたタイル201は、上述の実施の形態1または2の付設マーカ2と同様に使用される。
【0108】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る管理システムは、位置情報を利用して、商品、物、動物、人物などの対象を管理するシステムである。
【0109】
図10は、本発明の実施の形態4に係る管理システムの構成を示すブロック図である。図10において、サーバ装置401は、キーワードを受け取り、そのキーワードを検索キーとして対象情報421を検索しヒットした1または複数の対象情報421の位置情報(座標値)を出力するサーバ装置である。また、サーバ装置402は、位置情報(座標値)を受け取り、その位置情報を検索キーとして説明用情報441を検索しヒットした1または複数の説明用情報441の案内情報を出力するサーバ装置である。
【0110】
サーバ装置401において、データベース411は、第1のデータベースとして、対象451の属性情報を含むキー情報とキー情報に関連付けられた位置情報とを有する対象情報421を格納するデータ格納装置である。属性情報は、商品の場合には、名称、商品種類、色、メーカーなどとされ、人物の場合には、名前、性別、年齢などとされる。位置情報は、緯度、経度、標高を含む3次元座標値とされる。また、コンピュータ412は、図4のサーバ装置51と同様に、CPU、ROM、RAMなどを有し、サーバプログラムを実行する装置であって、さらに、検索要求に応じて、データベース411を検索する検索手段(第1の検索手段)として機能する。通信装置413は、モデム、ネットワークインタフェースカードなどといったデータ通信を行う装置である。
【0111】
サーバ装置402において、データベース431は、第2のデータベースとして、3次元座標値である位置情報とその位置情報の示す位置についての案内情報とを有する説明用情報441を格納するデータ格納装置である。案内情報としては、建物名、住所、階、その階の見取図などが考えられる。また、コンピュータ432は、図4のサーバ装置51と同様に、CPU、ROM、RAMなどを有し、サーバプログラムを実行する装置であって、さらに、検索要求に応じて、データベース431を検索する検索手段(第2の検索手段)として機能する。通信装置433は、モデム、ネットワークインタフェースカードなどといったデータ通信を行う装置である。
【0112】
なお、サーバ装置401,402は、一台のサーバ装置としてもよい。また、サーバ装置401,402とをLANにて接続し、携帯端末装置404などの外部の装置とは、サーバ装置401のみが、指令や応答の送受を行うようにしてもよい。
【0113】
携帯端末装置404は、対象情報421の検索要求をサーバ装置401へ送信するとともに、サーバ装置402から案内情報を受信し表示する装置である。
【0114】
通信網405は、公衆電話回線、コンピュータネットワークなどといった通信網である。通信網405は、携帯端末装置404と無線通信の可能な無線基地局405aを有する。また、通信網405には、サーバ装置401,402および管理端末装置455が接続され、相互に通信可能とされる。
【0115】
また、店舗設備403は、本システムに含まれる店舗内の設備である。ICタグ452は、商品などの対象451に付され識別子を記憶した第2のICタグとしてのRFIDタグである。ICタグ453は、その対象451が配置(ディスプレイ)される棚、ワゴンなどに設置され設置位置の位置情報を記憶したデータ書換可能な第1のICタグとしてのRFIDタグである。リーダ454は、ICタグ452から識別子を読み取るとともに、そのICタグ452の付された対象451が配置された棚などに設置されたICタグ453から位置情報を読み取る読取手段としての無線読取装置である。管理端末装置455は、リーダ454に接続され、ICタグ452の識別子に関連付けられた対象451の属性情報とICタグ453の位置情報に基づいて、対象情報421を遠隔からサーバ装置401のデータベース411へ登録する登録手段としての端末装置である。
【0116】
図11は、実施の形態5におけるICタグ452,453の配置例を示す図である。図11に示すように、店舗内の各棚461には、棚461の位置情報453aを記憶したICタグ453が固定され、その棚461には、ICタグ452を付された商品である対象451が展示のために置かれる。リーダ454は、各棚461について、ICタグ452およびタグIC453から識別子452aおよび位置情報453aを読取可能な位置に設置される。この際、リーダ454は、他の棚461のICタグ452,453からデータを読み取らない位置(例えば棚461の奥の壁面など)に配置される。
【0117】
さらに、店舗の床471には、ICタグ481が、例えば図8や図9に示すように埋設されており、ICタグ481の設置位置の位置情報(3次元座標値)が記憶される。このICタグ481の位置情報は、ICタグ481の敷設時に、この建物の敷地に設けられている基準点からの相対位置で算出される。さらに、このICタグ481の位置情報は、棚461の設置時や変更時に、ICタグ453の位置情報を算出するために使用される。つまり、ICタグ453の位置情報は、ICタグ481の位置情報と、ICタグ481からICタグ453までの3次元上の相対位置とから計算される。ICタグ481,453には、位置情報として、高さ方向の情報も含まれるため、高層ビル内の各フロアも確実に分別可能とする。
【0118】
なお、図11では1つのフロアについてのみ描画しているが、実際には、複数階の各フロアについて、図11に示すように、ICタグ452,453,481およびリーダ454が配置される。
【0119】
次に、上記システムの各装置の動作について説明する。
【0120】
まず、対象451の対象情報421のデータベース411への登録時の動作について説明する。
【0121】
リーダ4512は、店舗内の棚461に、ICタグ452付きの対象451が置かれたたかどうかを監視する。そして、棚461に商品などの対象451が配置されると、リーダ454は、その対象451のICタグ452から識別子を読み取るとともに、棚461のICタグ453から位置情報を読み取る。
【0122】
管理端末装置455は、リーダ454から、新たに検出された対象451の識別子と、その対象451の置かれた棚461の位置情報とを取得する。
【0123】
管理端末装置455は、対象451の識別子に基づいて、その対象451の属性情報を、図示せぬデータベースから取得する。なお、このデータベースは、POS(Point Of Sales)システムのデータベースとしてもよい。
【0124】
管理端末装置455は、その対象451の属性情報と、その対象451の置かれた棚461の位置情報とを、データベース411への登録要求とともに、サーバ装置401へ送信する。
【0125】
サーバ装置401は、データベース411への登録要求を受信すると、その要求とともに受信した属性情報と位置情報を使用して対象情報421をデータベース411へ登録する。その際、サーバ装置401においては、通信装置413が、登録要求、属性情報および位置情報を受信し、コンピュータ412に転送する。コンピュータ412は、サーバプログラムに従って動作しており、登録要求、属性情報および位置情報を受信すると、データベース411への登録処理を実行する。
【0126】
このようにして、店舗に置かれた対象451の対象情報421が、データベース411に登録される。なお、棚461から対象451が外された場合には、リーダ454がそれを検知し、管理端末装置455が、その対象451についての対象情報421の抹消要求をサーバ装置401へ送信する。サーバ装置401は、その抹消要求を受信すると、その対象情報421をデータベース411から抹消する。
【0127】
次に、携帯端末装置404からの検索要求に応じた対象451の検索時の動作について説明する。
【0128】
ユーザは、携帯端末装置404を操作して、所望の対象451のキーワードなどを入力する。携帯端末装置404は、その操作に応じて、検索対象のキーワードを特定する。
【0129】
携帯端末装置404は、検索対象のキーワードを、検索要求とともに、サーバ装置401に送信する。
【0130】
サーバ装置401は、検索要求を受信すると、その要求とともに受信したキーワードを検索キーとしてデータベース411の対象情報421を検索する。その際、サーバ装置401においては、通信装置413が、検索要求およびキーワードを受信し、コンピュータ412に転送する。コンピュータ412は、サーバプログラムに従って動作しており、検索要求およびキーワードを受信すると、データベース411から対象情報421を順次読み込み、検索処理を実行する。
【0131】
そして、サーバ装置401は、キー情報にキーワードを含む対象情報421を抽出し、その抽出した各対象情報421の位置情報をサーバ装置402に送信する。その際、サーバ装置401においては、コンピュータ412は、サーバプログラムに従って動作しており、検索用の位置情報を通信装置413に送信し、通信装置413は、その検索用の位置情報をサーバ装置402へ送信する。
【0132】
サーバ装置402は、その位置情報を受信すると、その位置情報に基づいて、データベース431の説明用情報441を検索する。その際、サーバ装置402においては、通信装置433が、検索用の位置情報を受信し、コンピュータ432に転送する。コンピュータ432は、サーバプログラムに従って動作しており、検索用の位置情報を受信すると、データベース431から説明用情報441を順次読み込み、検索処理を実行する。
【0133】
そして、サーバ装置402は、受信した位置情報と同一の位置情報を有する説明用情報441、もしくは、受信した位置情報の示す位置から所定の距離(3次元距離、2次元(X,Y)平面内の距離など)内の位置を示す位置情報を有する説明用情報441を抽出し、その抽出した説明用情報441の案内情報をサーバ装置401に返信する。その際、サーバ装置402においては、コンピュータ432は、サーバプログラムに従って動作しており、検索結果の案内情報を通信装置433に送信し、通信装置433は、その検索結果の案内情報をサーバ装置401へ送信する。
【0134】
サーバ装置401は、その案内情報を受信すると、検索要求に対する応答として、その案内情報を携帯端末装置404へ返信する。その際、サーバ装置401においては、通信装置413が、案内情報を受信し、コンピュータ412に転送する。コンピュータ412は、サーバプログラムに従って動作しており、案内情報を受信すると、その案内情報を含む応答を生成し通信装置413に送信する。通信装置413は、その応答を携帯端末装置404へ送信する。
【0135】
携帯端末装置404は、その応答を受信すると、ディスプレイに表示する。
【0136】
このようにして、携帯端末装置404からの検索要求に応じて対象451が検索され、ヒットした対象451の案内情報が携帯端末装置404で表示される。これにより、携帯端末装置404のユーザは、所望の対象451の案内情報を取得することができる。
【0137】
以上のように、上記実施の形態4によれば、データベース411は、検索用のキー情報と対象の位置情報とを含む対象情報421を対象ごとに格納する。コンピュータ412は、対象情報421を検索し、ヒットした対象情報421の位置情報により対象451の位置を特定する。データベース431は、位置情報とその位置情報の示す位置を案内する案内情報とを含む説明用情報441を格納する。コンピュータ432は、コンピュータ412による検索でヒットした対象情報421の位置情報をキーとして、説明用情報441を検索し、ヒットした説明用情報441の案内情報を、対象451に対する案内情報とする。
【0138】
これにより、ユーザは、検索によって、対象451の所在する位置についての案内情報を取得することができる。さらに、位置情報を媒介として、対象451の情報と、その対象451についての案内情報とが切り離されてデータベース411,431で管理されるため、対象451や案内情報の追加や変更を簡単に行うことができ、対象451の管理を簡単に行うことができる。例えば、同一地点の対象を変更する場合には、対象情報421のみを変更すればよく、データベースの更新作業が簡単になる。
【0139】
また、上記実施の形態4によれば、ICタグ453は、店舗内の各棚461に設置されその設置位置の3次元座標値を位置情報として記憶する。ICタグ452は、店舗内の各棚461に配置された対象の識別情報を記憶する。リーダ454は、ある棚461について、ICタグ453から棚の位置情報を読み取るとともに、ICタグ452から対象451の識別情報を読み取る。管理端末装置455は、リーダ454により読み取られた棚461の位置情報を対象451の位置情報とし、リーダ454により読み取られた対象451の識別情報に関連付けられたその対象451の属性情報を対象のキー情報としてデータベース411に、その対象451の対象情報421を登録する。
【0140】
これにより、所望の対象451の所在位置について、店舗内の棚461の位置まで明確にユーザに呈示することができる。
【0141】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る管理システムは、実施の形態4に係る管理システムを変更したものであって、複数の地点(例えばICタグ452,453の設置場所、2次元コードの設置場所)に対して、2地点間の線分データ、複数地点を結んで得られる面データ、複数地点を結んで得られる閉空間データなどを、データベース431内の説明用情報441の位置情報として有し、それらのデータに基づいてコンピュータ432が対象451の位置を検出するものである。
【0142】
実施の形態5に係る管理システムでは、データベース431は、説明用情報441の位置情報として、2地点間の線分データ、複数地点を結んで得られる面データ、または複数地点を結んで得られる閉空間データを有する。
【0143】
線分データ、面データおよび閉空間データの基礎となる地点(つまり、線分の端点および節、面や閉空間の頂点)は、ICタグ452,453などのICタグやQRコード(登録商標)の設置場所となり、その座標の情報が、ICタグに記憶されたり、QRコードへコーディングされたりする。
【0144】
図12は、本発明の実施の形態5において使用される位置情報の関連付けの例を説明する図である。図12(A)は、線分データにより表される線分の一例を示す図である。図12(A)では、3つの地点501〜503で構成される2つの連続する線分511,512が表されている。
【0145】
例えば、建物内の通路上に上記地点501〜503が設定された場合には、線分データが位置情報として使用される。線分データは、その線分511,512を構成する地点501〜503の位置およびその線分の属性を有する。線分データは、連続する複数の線分511,512を表現することもでき、その場合には、3以上の地点501〜503の位置および各線分511,512の属性を有する。属性としては、各線分511,512の長さ、方角の他、その線分511,512が経路となる場合にはその経路の属性(歩道、階段、エスカレータ、各線分の位置から見える風景の画像など)が含まれる。
【0146】
また、図12(B)は、面データにより表される面の一例を示す図である。図12(B)では、4つの地点521〜524で構成される面531が表されている。
【0147】
例えば、建物内のあるフロアまたはフロア内のある区画の境界の頂点に上記地点521〜524が設定された場合には、面データが位置情報として使用される。面データは、その面531を構成する地点521〜524の位置およびその面531の属性を有する。属性としては、面積の他、その面531の属性(階数、区画の占有者の名称など)が含まれる。
【0148】
また、図12(C)は、閉空間データにより表される閉空間の一例を示す図である。図12(C)では、4つの地点541〜544で構成される底面を有し高さhを有する閉空間551が表されている。
【0149】
例えば、複数階の建物内の各フロアの境界の頂点に上記地点が設定された場合には、閉空間データが位置情報として使用される。閉空間データは、上述の面データに加え、その閉空間の高さhのデータを有する。つまり、閉空間データにより、多角形柱の閉空間が表現される。このように、面のデータと高さhのデータのみとすることで、閉空間データのデータ量が少なくて済む。閉空間データは、さらに、その閉空間551の属性を有する。属性としては、容積の他、その閉空間551の属性(階数、占有者の名称など)が含まれる。
【0150】
なお、線分データ、面データおよび閉空間データの2つ以上を関連づけて位置情報に使用してもよい。また、線分データおよび面データのデータフォーマットとしては、例えば、日本測量機器工業会による測量データ共通フォーマットを使用できる。
【0151】
次に、上記線分データ、面データまたは閉空間データが位置情報として使用されている場合の案内情報の検索について説明する。
【0152】
線分データが使用されている場合、コンピュータ432は、コンピュータ412による検索でヒットした対象451の位置情報をキーとして、データベース431に格納された線分データを検索し、対象451の位置情報の示す位置から所定の範囲内に存在する線分(つまり所定の距離内を通過する線分)の線分データを検出し、検出した線分データを有する説明用情報441の案内情報を、対象451に対する案内情報とする。
【0153】
これにより、線分データを使用して、より詳細かつ正確に位置を特定でき、的確な案内情報を提供することができる。また、属性として、電車、エスカレータ、エレベータ、階段、スロープなどの属性を線分データに付加し、その属性に基づいて案内情報を選択するようにしてもよい。また、線分の最後の地点を対象451の存在地点とし、他の地点はその経由点とし、経由する線分の属性に基づいて、所定の条件(例えば、車椅子などのハンディキャップのある人でも対象451の位置まで到達可能かどうかなど)を満たす場合にのみ、その位置情報に対応する案内情報を選択するようにしてもよい。
【0154】
面データが使用されている場合、コンピュータ432は、コンピュータ412による検索でヒットした対象451の位置情報をキーとして、データベース431に格納された面データを検索し、対象451の位置情報の示す位置から所定の範囲内に存在する面の面データを検出し、検出した面データを有する説明用情報441の案内情報を、対象451に対する案内情報とする。
【0155】
これにより、面データを使用して、より詳細かつ正確に位置を特定でき、的確な案内情報を提供することができる。例えば、住所やフロア単位で、その住所やフロアへの案内を示す案内情報を設定することができ、案内情報を集約しそのデータ量を少なくすることができる。
【0156】
閉空間データが使用されている場合、コンピュータ432は、コンピュータ412による検索でヒットした対象451の位置情報をキーとして、データベース431に格納された閉空間データを検索し、対象451の位置情報の示す位置が存在する閉空間の閉空間データを検出し、検出した閉空間データを有する説明用情報441の案内情報を、対象451に対する案内情報とする。
【0157】
これにより、閉空間データを使用して、より詳細かつ正確に位置を特定でき、的確な案内情報を提供することができる。例えば、フロア単位や店舗内の棚単位で案内情報を設定することができ、立体的な構造を有する場所に対象451が存在する場合に好適である。
【0158】
なお、実施の形態5に係る管理システムのその他の構成および各構成要素の動作については、実施の形態4の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0159】
以上のように、上記実施の形態5によれば、より詳細かつ正確に対象451の位置を特定し、的確な案内情報を提供することができる。
【0160】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0161】
例えば、上記各実施の形態では、QRコード(登録商標)やICタグには位置情報が記録されているが、QRコード(登録商標)やICタグに記録される情報としては、位置情報ではなく、施設の情報が記録されるようにしてもよい。
【0162】
また、上記各実施の形態では、コードとしてQRコード(登録商標)を使用しているが、他の光学的な2次元コード(例えば、PDF417、DataMatrix、MaxiCodeなど)を使用するようにしてもよい。
【0163】
また、上記各実施の形態において、ICタグ32のメモリ44にデータを記憶する場合に、携帯端末装置1によりそのデータを暗号化し、暗号化後のデータがICタグ32のメモリ44に記憶されるようにしてもよい。その場合、携帯端末装置1は、ICタグ32のメモリ44から読み出したデータを復号化して使用する。
【0164】
また、上記各実施の形態において、ICタグ32のメモリ44にデータを記憶する場合に、携帯端末装置1とICタグ32との間で認証処理を行い、携帯端末装置1またはユーザが認証されたときのみ、ICタグ32のメモリ44にデータが記憶されるようにしてもよい。
【0165】
また、上記実施の形態5では、サーバ装置401は、サーバ装置402により得られる案内情報を携帯端末装置404へ送信しているが、ヒットした対象情報421の位置情報を返信として携帯端末装置404へ送信するようにしてもよい。携帯端末装置404がナビゲーション機能を有する場合には、携帯端末装置404は、サーバ装置401から得られた位置情報(3次元座標値)の示す位置を目的地として現在地から目的地までのナビゲーション処理を実行するようにしてもよい。また、目的地に到着後、所望の対象451を購入するための操作が行われた場合には、携帯端末装置404は、図示せぬ決済サーバに接続し、その対象451の購入についての決済処理を行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明は、例えば、土地や施設およびそれらのデータの管理に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係る管理システムの構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、実施の形態1における付設マーカの構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1に係る管理システムの電気的および光学的な構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態2による管理システムの構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、実施の形態2におけるサーバ装置に格納されるマーカ情報の一例を示す図である。
【図6】図6は、実施の形態2における各装置の動作を説明するシーケンス図である。
【図7】図7は、実施の形態2における携帯端末装置の表示例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態3に係る管理システムにおけるタイルの敷設例を示す斜視図である。
【図9】図9は、実施の形態3におけるタイルへのICタグの装着例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態4に係る管理システムの構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、実施の形態4におけるICタグの配置例を示す図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態5において使用される位置情報の関連付けの例を説明する図である。
【符号の説明】
【0168】
1 携帯端末装置
2,301 付設マーカ
11 ベースバンド部(第2の通信手段)
12 カメラ(撮像手段)
13 無線通信部(第1の通信手段,通信手段)
32,202,312 ICタグ
44 メモリ(記憶手段)
51 サーバ装置
64 通信装置(第3の通信手段)
65 格納装置(データ蓄積手段)
201 タイル
201a,311 コード
421 対象情報
411 データベース(第1のデータベース)
412 コンピュータ(第1の検索手段)
431 データベース(第2のデータベース)
432 コンピュータ(第2の検索手段)
441 説明用情報
452 ICタグ(第2のICタグ)
453 ICタグ(第1のICタグ)
454 リーダ(読取手段)
455 管理端末装置(登録手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に記載され光学的に読取可能なコード、および無線通信で通信可能なICタグを有し、土地または施設に付設される付設マーカと、
上記付設マーカのコードを読み取る撮像手段、および上記付設マーカのICタグと通信しICタグ内のデータを読み取るとともに上記ICタグにデータを書き込む通信手段を有する携帯端末装置と、
を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記携帯端末装置は、携帯電話機であって、
前記撮像手段は、上記携帯電話機の筐体に設置されたカメラであり、
前記通信手段は、赤外線または電波により直接前記付設マーカと通信可能な近距離無線通信回路であること、
を特徴とする請求項1記載の管理システム。
【請求項3】
表面に記載され光学的に読取可能なコード、および無線通信で通信可能なICタグを有し、土地または施設に付設される付設マーカと、
上記付設マーカのコードを読み取る撮像手段、上記付設マーカのICタグと通信しICタグ内のデータを読み取るとともに上記ICタグにデータを書き込む第1の通信手段、および上記付設マーカに対して読み書きしたデータをサーバ装置へ送信する第2の通信手段を有する携帯端末装置と、
上記携帯端末装置から、上記付設マーカに対して読み書きしたデータを受信する第3の通信手段、および上記第3の通信手段により受信された、上記付設マーカに対して読み書きしたデータを蓄積するデータ蓄積手段を有するサーバ装置と、
を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項4】
前記携帯端末装置は、携帯電話機であって、前記撮像手段は、上記携帯電話機の筐体に設置されたカメラであり、
前記第1の通信手段は、赤外線または電波により直接前記付設マーカと通信可能な近距離無線通信回路であり、
前記第2の通信手段は、加入者回線用の無線通信回路、または無線LAN用の無線通信回路であること、
を特徴とする請求項3記載の管理システム。
【請求項5】
前記サーバ装置のデータ蓄積手段は、前記付設マーカに関連付けて、前記付設マーカが付設された土地の画地画像または現地写真のデータを格納し、
前記サーバ装置の第3の通信手段は、前記携帯端末装置からデータが受信された前記付設マーカに関連する画地画像または現地写真のデータを前記携帯端末装置へ送信すること、
を特徴とする請求項3記載の管理システム。
【請求項6】
前記付設マーカの表面に記載されたコードは、前記付設マーカが最初に設置された位置の情報を有し、
前記付設マーカのICタグは、前記付設マーカの位置情報を記憶する書換可能な記憶手段を有し、
前記携帯端末装置は、前記コードの有する位置情報による位置と前記付設マーカの現在位置とが異なる場合、現在位置の位置情報を前記付設マーカの前記ICタグの記憶手段に書き込むこと、
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項記載の管理システム。
【請求項7】
前記付設マーカのICタグは、前記付設マーカが付設された土地または施設の情報を記憶することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項記載の管理システム。
【請求項8】
前記携帯端末装置は、前記付設マーカのICタグに、前記付設マーカ内のデータを読み取ったときの年、月および日の少なくとも1つの情報を書き込むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項記載の管理システム。
【請求項9】
表面に記載されたコードおよび無線通信で通信可能なICタグを有する付設マーカから上記コードを光学的に読み取るステップと、
上記付設マーカのICタグと通信しICタグ内のデータを読み取るとともに上記ICタグにデータを書き込むステップと、
を備えることを特徴とする管理方法。
【請求項10】
表面に記載され光学的に読取可能なコード、および無線通信で通信可能なICタグを有し屋外または屋内に敷設されたタイルと、
上記タイルのコードを読み取る撮像手段、および上記タイルのICタグと通信しICタグ内のデータを読み取るとともに上記ICタグにデータを書き込む通信手段を有する携帯端末装置と、
を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項11】
検索用のキー情報と対象の位置情報とを含む対象情報を対象ごとに格納する第1のデータベースと、
上記対象情報を検索し、ヒットした上記対象情報の位置情報により上記対象の位置を特定する第1の検索手段と、
位置情報とその位置情報の示す位置を案内する案内情報とを含む説明用情報を格納する第2のデータベースと、
上記第1の検索手段による検索でヒットした上記対象情報の位置情報をキーとして、上記説明用情報を検索し、ヒットした上記説明用情報の案内情報を、上記対象に対する案内情報とする第2の検索手段と、
を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項12】
店舗内の各棚に設置されその設置位置の3次元座標値を位置情報として記憶する第1のICタグと、
店舗内の各棚に配置された前記対象の識別情報を記憶する第2のICタグと、
ある棚について、上記第1のICタグから棚の位置情報を読み取るとともに、上記第2のICタグから前記対象の識別情報を読み取る読取手段と、
上記読取手段により読み取られた棚の位置情報を前記対象の位置情報とし、上記読取手段により読み取られた前記対象の識別情報に関連付けられたその対象の属性情報を前記対象のキー情報として前記第1のデータベースに、その対象の対象情報を登録する登録手段と、
を備えることを特徴とする請求項11記載の管理システム。
【請求項13】
前記第2のデータベースは、位置情報として、複数の地点の位置に加え、少なくとも2地点を結ぶ線分の線分データを格納し、
前記第2の検索手段は、前記第1の検索手段による検索でヒットした前記対象情報の位置情報をキーとして、前記第2のデータベースに格納された線分データを検索し、前記対象情報の位置情報の示す位置から所定の範囲内に存在する線分の上記線分データを検出し、検出した上記線分データを有する前記説明用情報の案内情報を、前記対象に対する案内情報とすること、
を特徴とする請求項11記載の管理システム。
【請求項14】
前記第2のデータベースは、位置情報として、複数の地点の位置に加え、複数の地点を結んで得られる面の面データを格納し、
前記第2の検索手段は、前記第1の検索手段による検索でヒットした前記対象情報の位置情報をキーとして、前記第2のデータベースに格納された面データを検索し、前記対象情報の位置情報の示す位置から所定の範囲内に存在する面の上記面データを検出し、検出した上記面データを有する前記説明用情報の案内情報を、前記対象に対する案内情報とすること、
を特徴とする請求項11記載の管理システム。
【請求項15】
前記第2のデータベースは、位置情報として、複数の地点の位置に加え、複数の地点を結んで得られる閉空間の閉空間データを格納し、
前記第2の検索手段は、前記第1の検索手段による検索でヒットした前記対象情報の位置情報をキーとして、前記第2のデータベースに格納された閉空間データを検索し、前記対象情報の位置情報の示す位置が存在する閉空間の上記閉空間データを検出し、検出した上記閉空間データを有する前記説明用情報の案内情報を、前記対象に対する案内情報とすること、
を特徴とする請求項11記載の管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−4006(P2006−4006A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177454(P2004−177454)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(500375822)
【Fターム(参考)】