説明

簡易型オムツ交換ベッド

【課題】 オムツ交換と便器が同時使用できないものの、トイレブース内の面積を広くすることなく設置可能で、かつ、オムツ交換と便器が使用可能なこと。
【解決手段】 便器2の上に載置される便座3を有する便器構成体10と、便器構成体10の上面に載置可能であり、便器構成体10に軸支した支軸11を中心に回動すると共に、便器構成体10の上面に載置した状態でその上面に幼児が乗れるだけの機械的強度及び面積を持ち、便蓋としても機能する幼児乗せ板4を具備する。幼児乗せ板4は、所定の便鉢1のサイズからなる便器2や、便器2の上に載置される便座を有する便器構成体10よりも若干大きなサイズになるが、既存のトイレブース内の面積を広くすることなく設置可能であり、また、オムツ交換と便器2が使用可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳幼児のオムツ交換に使用するオムツ交換ベッドに関するもので、トイレに設置された便座装置と一体となったベッドからなる簡易型オムツ交換用ベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の簡易型のオムツ交換ベッドとしては、特許文献1に掲載の技術が公知である。即ち、台座と前記台座の上部に載置固定するクッションマットと拘束用ベルトより成るオムツ交換用ベッドにおいて、前記クッションマットの略中央部に、滑り止めを設けたことを特徴とするものである。
この従来のオムツ交換ベッドは、オムツ交換のために幼児を寝かせた際に、幼児が足による蹴り上げ、ずり上がり、寝返り等を行おうとしても、クッションマットの足が掛かる位置は適度に滑りやすい素材で構成されているために力がかかりにくく、幼児の腰及び背中は滑り止め部に載っているため、幼児を安全確実に拘束することができる。また、前記クッションマットの略中央部に、滑り止めを設けたため、幼児の寝かせ方に左右方向性の指定がなく、幼児を寝かせる向きを間違えるおそれがない。更に、ベッドを薄型、簡易に構成できるという特徴を有する。
【0003】
また、台座と前記台座の上部に載置固定するクッションマットと拘束用ベルトより成るオムツ交換用ベッドは、前記拘束用ベルトの近傍のクッションマット表面に滑り止めを設けたものであるから、オムツ交換のために幼児を寝かせた際に、幼児が足による蹴り上げ、ずり上がり、寝返り等を行おうとしても、ベルトの近傍のクッションマット表面に滑り止めが設けられているために、拘束用ベルトのみで拘束する場合と比較して拘束用ベルトによる拘束がより確実になり、幼児を安全確実に拘束することができる。さらに、ベッドを薄型、簡易に構成できる。そして、台座と前記台座の上部に載置固定するクッションマットと拘束用ベルトより成るオムツ交換用ベッドにおいて、前記拘束用ベルトの裏面側に滑り止めを設けたものでは、オムツ交換のために幼児を寝かせた際に、幼児が足による蹴り上げ、ずり上がり、寝返り等を行おうとしても、拘束用ベルトの裏側面に滑り止めが設けられているため、滑り止めの設けられていない場合と比較して拘束用ベルトによる拘束がより確実になり、幼児を安全確実に拘束できる等の特徴を有する。
【特許文献1】特開2002−34734
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に掲載の簡易型のオムツ交換ベッドは、トイレブース内に設置した場合、便器以外の器具を設置するスペースはきわめて狭いから、オムツ交換ベッドを薄型とし、かつ、オムツ交換ベッドは使用時にのみベッドを開き、使用しないときには閉じて壁面に密着する構造としている。
それでも、通常は、特許文献1に掲載の簡易型のオムツ交換ベッドを設置するスペースを考慮して、トイレブースの内面積を広くしている。ところが、既設のトイレブースには、特許文献1に掲載の簡易型のオムツ交換ベッドを設置するスペースが確保できないために、オムツ交換ベッドと便器とを同時使用することができない。また、既設のトイレブースに取付けを行うには、建築工事が必要となり、設置コストが高くなる。
【0005】
そこで、本発明は、オムツ交換と便器が同時使用できないものの、トイレブース内の面積を広くすることなく設置可能で、かつ、オムツ交換と便器が使用可能な簡易型オムツ交換ベッドの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の簡易型オムツ交換ベッドは、所定の便鉢のサイズからなる便器及び前記便器の上に載置される便座を有する便器構成体と、前記便器構成体の上面に載置可能であり、前記便器構成体に軸支した支軸を中心に回動すると共に、前記便器構成体の上面に載置した状態でその上面に幼児が乗れるだけの機械的強度及び面積を持ち、便蓋としても機能する幼児乗せ板とを具備するものである。
ここで、上記便器構成体は、少なくとも、所定の便鉢のサイズからなる便器及び前記便器の上に載置される便座からなるものであるが、便鉢の形状及びサイズに拘束されるものではなく、また、便座の形状及びサイズに拘束されるものでもない。特に、上記便器構成体は、便器及び便座の他に人体局部の洗浄に使用する人体局部洗浄機構及び/またはタンク等が配設されるものである。
また、上記幼児乗せ板は、前記便器構成体の支軸を中心に回動し、便蓋のように便座または便器の上面を開閉自在として便蓋としての機能を有するものである。また、前記便器構成体の上面に載置した状態で、その上面に幼児が乗れるだけの機械的強度及び面積を有するものである。
【0007】
請求項2の簡易型オムツ交換ベッドの前記幼児乗せ板は、中央が低く、両側が高く形成されているものである。この中央が低く、両側が高くとは、連続的に形成されていてもよいし、不連続で急激的に変化する構造であってもよい。この高さの違いは、幼児の安全を問うもののみではなく、オムツ交換時に幼児の持ち物、親の持ち物が落下しないようにするものである。したがって、必ずしも、幼児の安全性のために障害となる高さまで両側の高さを形成する必要がない。また、中央を低くすることにより、安定感が高くなるが、更に、より安定性をよくするために滑り止めを設けることもできる。
【0008】
請求項3の簡易型オムツ交換ベッドの前記幼児乗せ板には、ヒータが埋設され、少なくとも中央が暖房されているものである。このヒータの埋設は、前記幼児乗せ板の全面に限られるものではなく、中央部分の面のみとすることもできる。しかし、前記幼児乗せ板の全面または中央部の面の比較的広い面積にヒータを埋設すると、幼児に冷たい思いをさせなくなるのみではなく、第三者の手洗い水等が前記幼児乗せ板の上に落ちても、それを気化してくれる機能を持つことができる。
【0009】
請求項4の簡易型オムツ交換ベッドの前記便器構成体は、前記便器及び便座に加えて前記便器に取り付けられて人体局部の洗浄に使用する人体局部洗浄機構を具備するものである。この人体局部洗浄機構は、温水または冷水を問うものではなく、また、シャワーノズル及び/またはビデノズルの機能の有無も問うものではない。
【発明の効果】
【0010】
請求項1にかかる簡易型オムツ交換ベッドは、所定の便鉢のサイズからなる便器及び前記便器の上に載置される便座を有する便器構成体と、前記便器構成体の上面に載置可能であり、前記便器構成体に軸支した支軸を中心に回動すると共に、前記便器構成体の上面に載置した状態でその上面に幼児が乗れるだけの機械的強度及び面積を持ち、便蓋としても機能する幼児乗せ板とを具備するものである。
したがって、幼児乗せ板は、所定の便鉢のサイズからなる便器や、前記便器の上に載置される便座を有する便器構成体よりも若干大きなサイズになるが、既存のトイレブース内の面積を広くすることなく設置可能であり、また、オムツ交換と便器が使用可能となる。また、便座の温度制御においては、幼児乗せ板が熱負荷として機能し、熱エネルギーを無駄にすることなく、有効的な利用が可能となる。そのため、幼児乗せ板にヒータを埋設しても、しなくても、適当な温度を維持することができる。
【0011】
請求項2の簡易型オムツ交換ベッドの前記幼児乗せ板は、中央が低く、両側が高く形成されているものであるから、請求項1の効果に加えて、オムツ交換時に幼児の持ち物、親の持ち物が落下しないようにすることができ、かつ、幼児の安全性を高めることができる。また、幼児乗せ板までの高さを低くできるから、幼児の安全性を高めることができる。
【0012】
請求項3の簡易型オムツ交換ベッドの前記幼児乗せ板には、ヒータが埋設され、少なくとも中央が暖房されているものであるから、請求項1または請求項2の効果に加えて、幼児に冷たい思いをさせなくて済むばかりでなく、第三者による手洗い水等が前記幼児乗せ板の上に落ちても、それを気化してくれる。
【0013】
請求項4の簡易型オムツ交換ベッドの前記便器構成体は、前記便器及び便座に加えて前記便器に取り付けられて人体局部の洗浄に使用する人体局部洗浄機構を具備するものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、便器及び便蓋以外の構成によって左右されることなく使用でき、既存のトイレの機能を損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態の簡易型オムツ交換ベッドについて、図を用いて説明する。なお、本実施の形態2以降において、実施の形態1と同一記号または同一符号は、上記実施の形態1と同一または相当する構成部分を示すものであるから、その詳細な説明を省略し、主に相違点のみ説明する。
[実施の形態1]
【0015】
図1は本発明の実施の形態1の簡易型オムツ交換ベッドを示す側面図、図2は本発明の実施の形態1の簡易型オムツ交換ベッドを示す平面図である。図3は本発明の実施の形態1の簡易型オムツ交換ベッドの切断線A−Aによる断面図である。
図1乃至図3において、便器2は公知または専用のもので、所定の便鉢1のサイズからなる。便器2の上には便座3が便器2直接的または間接的に取り付けられ、便器2に対して回動自在に配設されている。これら、少なくとも、便器2及び便座3は便器構成体10を構成している。この便器構成体10としては、便座3の形状及びサイズに拘束されるものでもなく、かつ、便器2及び便座3の他に人体局部の洗浄に使用する収納ボックス5に格納された図示しない人体局部洗浄機構8及びそのコントローラ6、水洗用タンク7等が配設され、温水洗浄便座装置との構成を有するか否かに左右されるものでもない。コントローラ6は、シャワーノズル及びビデノズルによる洗浄制御のほか、温風ファンによる洗浄後の乾燥、便座ヒータ3aによる便座3の暖房、後述する脱臭装置によるトイレ室内の消臭等の洗浄に関連しない非洗浄関連機能を備えている。これら各機能は、主としてコントローラ6に設けられたスイッチ類が操作されることにより、或いは、トイレ室の壁面に着脱自在に装着されたリモコン装置を操作することにより行われる。コントローラ6に設けられたスイッチ類は、温水スイッチ、便座スイッチ、乾燥スイッチ、ビデ洗浄スイッチ、おしり洗浄スイッチ、脱臭スイッチ等を含むものである。
【0016】
便器構成体10の便座3の上面には、便器構成体10に軸支した支軸11を中心に回動すると共に、便器構成体10の上面に載置した状態でその上面に幼児が乗れるだけの機械的強度及び面積を持ち、便蓋としても機能する幼児乗せ板4を有している。
この幼児乗せ板4は、便器構成体10の支軸11を中心に回動し、便蓋のように便座3または便器2の上面を開閉自在である。また、便器構成体10の上面に載置した状態で、その上面に幼児が乗れるだけの機械的強度及び面積を有するものである。
幼児乗せ板4は、具体的には、図3に示すように、中央部分の底部4bが低く、両側のエッジ4aが高く形成されている。この中央の底部4bが低く、両側のエッジ4aが高くとは、連続的に形成されていてもよいし、不連続で急激的に変化する構造でもよい。しかし、幼児の足による蹴り上げ、ずり上がり等を行おうとしても、エッジ4aの足が掛かる位置は適度に滑りやすい構造であることが望ましい。なお、
エッジ4aの内部には発泡材料4dが充填されている。
【0017】
底部4bと両側のエッジ4aとの高さの違いは、幼児の安全を問うばかりでなく、オムツ交換時に幼児の持ち物、親の持ち物が転がって落下しないようにするものである。また、幼児の安全性のために障害となる高さまで両側の高さを形成するものでないから、中央を低くすることにより、安定感を高くし、かつ、簡単に幼児が外力によって滑ることのないように、その底部4bの上面には滑り止め4cを設けている。勿論、底部4bと両側のエッジ4aとの高さの違い、表面処理によっては、滑り止め4cを廃止することができる。
【0018】
また、本実施の形態では、底部4bを取り囲む周囲の4辺に所定の高さのエッジ4aを形成している。この所定の高さのエッジ4aは、後述する図6乃至図8の実施の形態に示すように、トイレの前側(トイレの扉側)、或いはトイレの前後方向側(トイレの扉と反扉側)を省略することもできる。しかし、底部4bを取り囲む周囲の4辺に所定の高さのエッジ4aを形成することにより、幼児乗せ板4の上に幼児を座らせたり、立たせたりすることがし難くなるから、親が予測できない使用を行う可能性が少なくなる。特に、水洗用タンク7側のエッジ4a側は、便器構成体10の支軸11を中心に底部4bが回動するから、幼児の髪、衣類の紐類が入り難いように設けることが好ましい。
【0019】
そして、中央を低く底部4bのみに滑り止め4cを設けることにより、簡単に幼児が外力によって滑ることのないようにし、幼児が足による蹴り上げ、ずり上がり、寝返り等を行おうとしても、エッジ4aの足が掛かる位置は適度に滑りやすい素材で構成されているから外力がかかり難く、幼児の腰及び背中は滑り止め4cに載っているため、幼児を安全確実に留めることができる。
しかし、前方のエッジ4aの一部には、底部4bの上面まで窪ませた凹部溝4eを形成するのが望ましい。凹部溝4eは、幼児乗せ板4の底部4bを汚した場合の水洗い、濡れ雑巾による清掃等が容易になる。
【0020】
更に、本実施の形態の幼児乗せ板4には、ヒータ9が埋設され、少なくとも中央が暖房されるようにしているが、特に、便座3には便座ヒータ3aが埋設されている実施品が増加しているから、図3のように、便座3に埋設された便座ヒータ3aの温度は、便座3を介してから幼児乗せ板4の底部4bに伝達される。したがって、幼児乗せ板4に対してヒータ9の埋設を省略することができるが、埋設する場合でもその中央部付近のみとすることができる。勿論、このヒータ9の埋設は、幼児乗せ板4の全面に埋設することもできる。特に、幼児乗せ板4の全面または中央部の比較的面積が広い範囲にヒータ9を埋設すると、幼児に冷たい思いをさせなくなるのみではなく、手洗い水等が幼児乗せ板4の上に落ちても、それを気化してくれる機能を持つことができる。
【0021】
なお、本実施の形態の簡易型オムツ交換ベッドの便器構成体10は、少なくとも便器2及び便座3を具備し、更に、便器2及び便座3に加えて便器2に取り付けられて人体局部の洗浄に使用する人体局部洗浄機構8及びそのコントローラ6を具備することもできるが、本発明を実施する場合には、人体局部洗浄機構8については、温水または冷水を問うものではなく、かつ、シャワーノズル、ビデノズルの有無も問うものではない。
【0022】
[実施の形態2]
図4は本発明の実施の形態2の簡易型オムツ交換ベッドを示す平面図、図5は本発明の実施の形態2の簡易型オムツ交換ベッドの切断線B−Bによる断面図である。
幼児乗せ板40は、具体的には、図4及び図5に示すように、中央の底部40bが低く、両側のエッジ40aが若干高く形成されている。この中央の底部40bが低く、両側のエッジ40aが高くとは、連続的に形成されていてもよいし、不連続で急激的に変化する構造でもよい。底部40bと両側のエッジ40aとの高さの違いは、オムツ交換時に幼児の持ち物、親の持ち物が転がって落下しないようにするものである。特に、幼児の安全性のために障害となる高さまで両側の高さを形成するものでないから、中央を低くすることにより、安定感が増し、かつ、簡単に幼児が外力によって滑ることのないように、表面に滑り止め40cを設けている。勿論、底部40bと両側のエッジ40aとの高さの違いによっては、滑り止め40cを廃止することもできる。
【0023】
この幼児乗せ板40は、平板状に近いから家庭でのオムツ交換と違和感のない使用となる。また、幼児乗せ板40の中には発泡体が収容されていて、幼児乗せ板40の開閉時の衝撃音をなくし、また、その断熱効果によって、幼児乗せ板40の上面に寝させた幼児に冷たさを与えないようにするものである。勿論、幼児乗せ板40には、ヒータ9が埋設され、少なくとも中央が暖房されるようにするのが望ましいが、それを省略することもできる。
【0024】
[実施の形態3]
図6は本発明の実施の形態3の簡易型オムツ交換ベッドを示す平面図、図7は本発明の実施の形態3の簡易型オムツ交換ベッドを示す側面図、図8は本発明の実施の形態3の簡易型オムツ交換ベッドの切断線C−Cによる断面図である。
幼児乗せ板50は、具体的には、図6乃至図8に示すように、中央の底部50bが低く、両側のエッジ50aが高く形成されている。この中央の底部50bが低く、両側のエッジ50aが高くとは、連続的に形成されていてもよいし、不連続で急激的に変化する構造でもよい。底部50bと両側のエッジ50aとの高さの違いは、幼児がオムツ交換の最中に落下することがないように構成している。それ以外にも、オムツ交換時に幼児の持ち物、親の持ち物が転がって落下しないようにするものである。特に、幼児の安全性のために障害となる高さまで両側の高さを形成するものであるから、中央を低くすることにより、安定感を増し、かつ、簡単に幼児が外力によって滑ることのないようにしている。
【0025】
この幼児乗せ板50は、平板を両側で折り曲げた形状となっているから、便座3側の開放時には、水洗用タンク7の両側が両側のエッジ50a内に位置するように構成している。また、幼児乗せ板50の中には発泡体が収容されていて、幼児乗せ板50の開閉時の衝撃音をなくし、また、幼児乗せ板50の上面に寝させた幼児に冷たさを与えないようにしている。勿論、幼児乗せ板50には、図示しないヒータが埋設され、少なくとも中央が暖房されるようにするのが望ましい。
【0026】
図6乃至図8に示す実施の形態3の幼児乗せ板50は、平板を両側で折り曲げた形状となっているが、本発明を実施する場合には、中央の底部50bが低く、両側のエッジ50aが高く2部材で形成することもできる。また、必要に応じて、中央の底部50bには金属からなるインサートを埋設し、図示しない便座ヒータ3aからの熱を効率よく分散させるように構成するのが好適である。
【0027】
上記実施の形態の簡易型オムツ交換ベッドは、所定の便鉢1のサイズからなる便器2及び便器2の上に載置される便座3を有する便器構成体10と、便器構成体10の上面に載置可能であり、便器構成体10に軸支した支軸11を中心に回動すると共に、便器構成体10の上面に載置した状態でその上面に幼児が乗れるだけの機械的強度及び面積を持ち、便蓋としても機能する幼児乗せ板4,40,50を具備するものである。
【0028】
したがって、幼児乗せ板4,40,50は、所定の便鉢1のサイズからなる便器2や、便器2の上に載置される便座を有する便器構成体10よりも若干大きなサイズになるが、既存のトイレブース内の面積を広くすることなく設置可能であり、また、オムツ交換と便器2の両者の機能が使用可能となる。また、便座3の温度制御が幼児乗せ板4,40,50を熱負荷として機能し、熱エネルギーを無駄にすることなく、有効的な利用が可能となる。そのため、幼児乗せ板4,40,50にヒータを埋設しても、しなくても、適当な温度を維持することができる。
【0029】
幼児乗せ板4,40,50は、便器構成体10の支軸11を中心に回動し、便蓋のように便座3または便器2の上面を開閉自在として便蓋としての機能を有するものである。また、便器構成体10の上面に載置した状態で、その上面に幼児が乗れるだけの機械的強度及び面積を有するものである。
【0030】
上記実施の形態の簡易型オムツ交換ベッドの幼児乗せ板4,40,50は、中央が低く、両側が高く形成されているものである。この中央が低く、両側が高くとは、連続的に形成されていてもよいし、不連続で急激的に変化する構造でもよい。この高さの違いは幼児の安全を問うもののみではなく、オムツ交換時に幼児の持ち物、親の持ち物が落下しないようにするものである。したがって、必ずしも、幼児の安全性のために障害となる高さまで両側の高さを形成する必要がない。また、中央を低くすることにより、安定感が増すが、更に、より安定性をよくするために幼児に対する滑り止めを設けることもできる。
【0031】
上記実施の形態の簡易型オムツ交換ベッドの幼児乗せ板4,40,50には、ヒータ9が埋設され、少なくとも中央が暖房されているものである。このヒータ9の埋設は、幼児乗せ板4,40,50の底部4b,40b,50bの全面に限られるものではなく、中央部分のみとすることもできる。しかし、幼児乗せ板4,40,50の全面または中央部の比較的広い面積にヒータ9を埋設すると、幼児に冷たい思いをさせなくなるのみではなく、手洗い水等が幼児乗せ板4,40,50の上に落ちても、それを気化してくれる機能を持つことができる。
【0032】
上記実施の形態の簡易型オムツ交換ベッドの便器構成体10は、便器2及び便座3に加えて便器2に取り付けられて人体局部の洗浄に使用する人体局部洗浄機構を具備するものである。この人体局部洗浄機構は、温水または冷水を問うものではなく、ビデ機能の有無も問うものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は本発明の実施の形態1の簡易型オムツ交換ベッドを示す側面図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1の簡易型オムツ交換ベッドを示す平面図である。
【図3】図3は図2の切断線A−Aによる本発明の実施の形態1の簡易型オムツ交換ベッドの断面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態2の簡易型オムツ交換ベッドを示す平面図である。
【図5】図5は図4の切断線B−Bによる本発明の実施の形態2の簡易型オムツ交換ベッドの断面図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態3の簡易型オムツ交換ベッドを示す平面図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態3の簡易型オムツ交換ベッドを示す側面図である。
【図8】図8は図6の切断線C−Cによる本発明の実施の形態3の簡易型オムツ交換ベッドの断面図である。
【符号の説明】
【0034】
2 便器
3 便座
4,40,50 幼児乗せ板
4a,40a,50a エッジ
4b,40b,50b 底部
10 便器構成体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の便鉢のサイズからなる便器及び前記便器の上に載置される便座を有する便器構成体と、
前記便器構成体の上面に載置可能であり、前記便器構成体に軸支した支軸を中心に回動自在とすると共に、前記便器構成体の上面に載置した状態でその上面に幼児が乗れるだけの機械的強度及び面積を持ち、便蓋としても機能する幼児乗せ板と
を具備することを特徴とする簡易型オムツ交換ベッド。
【請求項2】
前記幼児乗せ板は、中央が低く、両側が高く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の簡易型オムツ交換ベッド。
【請求項3】
前記幼児乗せ板には、ヒータが埋設され、少なくとも中央が暖房されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の簡易型オムツ交換ベッド。
【請求項4】
前記便器構成体は、前記便器及び便座に加えて前記便器に取り付けられて人体局部の洗浄に使用する人体局部洗浄機構を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の簡易型オムツ交換ベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−54289(P2007−54289A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243011(P2005−243011)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】