説明

簡易接点スイッチ

【課題】 本発明は、デジタル機器の入力用スイッチ、ピッキング入力スイッチ、玩具等の接点入力スイッチにおいて、構造を簡素化することにより、構成部品数を低減し、組立製作を容易にすると同時に製造コストを低減することを目的とする簡易接点スイッチ係わる。
【解決手段】 スイッチレバーの支点部分にコイルスプリングを用いて支点動作させる構造によって、レバースイッチの構造を簡素化し、部品点数を減ずることにより、低コストレバースイッチを実現するもので、スイッチレバーを円周方向及び引張り方向に対するスイッチ動作を可能とする。同様の構造を用いて、通常開型のレバースイッチと通常閉型のスイッチを構成することができることを特徴とするレバースイッチ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル機器の入力用スイッチ、ピッキング入力スイッチ、玩具等の接点入力スイッチにおいて、構造を簡素化することにより、構成部品数を低減し、組立製作を容易にすると同時に製造コストを低減することを目的とする簡易接点スイッチ係わる。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル機器の入力用スイッチ、ピッキング入力スイッチ、玩具等の接点入力スイッチにおいて、操作レバーを有するスイッチでは、操作レバーを操作することによって、二次的にマイクロスイッチを作動させることによって、スイッチ機能を構成する方法が一般的であった。
【特許文献1】特開2004−303570
【特許文献2】特開平10−241507
【特許文献3】特開平09−274831
【特許文献4】特開平10−223092
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
デジタル機器の入力用スイッチ、ピッキング入力スイッチ、玩具等の接点入力スイッチにおいて、操作レバーを有するスイッチでは、操作レバーを操作することによって、二次的にマイクロスイッチを作動させることによって、スイッチ機能を構成する方法が使用されてきたが、近年、当該入力スイッチの使用において、機器のインターフェイス回路がインテリジェント化され、半導体回路が使用されてきた結果、動作電流が極めて微小であり、従来の接点構造のように一定以上の電流量下で使用する必要が無くなった用途が増加してきた。係る状況の中で、従来のスイッチは構造上、製造上において原価高となっており、安価なスイッチの利用に向かない欠点が生じ、問題であった。
【0004】
また、従来の入力スイッチは高価であったため、入力スイッチを数多く使用する設備では入力スイッチの数に比例し、全体システムが高額なものとなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術における操作レバーを有するスイッチの構成によれば、例えば完成したスイッチを部品として使用し操作レバーが機械的に当該スイッチを作動させる構造を持つ方法が使用されていた。
【0006】
従って、スイッチと操作レバー機構がそれぞれ必要であった。これらの従来型スイッチにおいては、低価格で、且つ円周方向にレバー操作をし、又、引っ張り方向動作を行う機能を合わせ持つようなスイッチを安価に製造することは難しかった。
【0007】
図5に従来のレバースイッチの例を示す。スイッチレバー13は、ボールジョイント14などの動作機構を介してマイクロスイッチ15のスイッチボタン部分を押し、スイッチ動作するような機構とスイッチを有する。スイッチレバーに係る過剰な力がボールジョイントなどの軸受け機構で緩衝され、定まった距離範囲でマイクロスイッチのボタンを押す機構となっている。従来技術においては、当該機構とスイッチ機能をそれぞれ有するあるいは同様の機構が使用されてきた。
【0008】
このように、構成部品数が増加する分、それらを製造する型も増加し、低コスト化が難しかった。
【0009】
そこで、スイッチレバーの操作支点をバネによって支え、同時にそのバネがスイッチ本体の円筒部への固定する役割を果たす構造とすることで、スイッチレバーの延長上の接点部分と当該円筒部の内側電極が操作レバーを当該円筒部の円周方向及び引っ張り動作により、接触する構造をとることで、部品点数を減ずることが出来、また構造を簡素化することによるスイッチのコスト低減を可能とすることができる。
この構造によれば、通常開、レバー操作時閉状態を得ることができる。一般的に半導体回路を用いた入力回路においては、閉状態を保つ必要はなく、接点の瞬時接触で足りるため、この構造で十分使用可能である。
【0010】
又、上記と同様の構造を構成し、通常閉、レバー操作時に開となる構造とすることも可能であり、当該スイッチを使用して信号入力システムを構成すれば、通常閉状態で、スイッチを含む回路全体の断線及びスイッチの故障による開状態などの検知を行うことができ、これによって信号入力システムの診断を行った後、通常動作に移ることができる回路を実現できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、レバースイッッチの構造を簡単化し、部品点数を減ずることが可能となり、これによって、当該レバースイッチの製造工程を短縮することが出来、生産性を向上させることができると共に、レバースイッッチの低コスト化を実現できる効果がある。特に多数のスイッチによって構成されるピッキングシステムの低コスト化やゲーム設備、玩具などの低コスト化利用に効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明による通常開型レバースイッチの断面図を示し、図2に当該通常開型レバースイッチの外観を示す。図3は本発明による通常閉型レバースイッチの断面図を示し、図4に当該通常閉型レバースイッチの外観を示す。
【実施例】
【0013】
図1において、操作レバー11の端部は操作を紐によって行うときの紐の取り付け穴を有し、操作レバー接続部10にスプリング8と共に固定されており、操作レバー接続部10には、先端部を電極とし、且つ根元部分に鍔状の電極を持つ電極9を構成している。当該操作レバー接続部10はスプリング5によって円筒状接点電極7に固定されており、スプリング5が操作レバー接続部10に固定されている部分のコイルスプリング径が最も小さくコイルスプリング素材の弾力性を均一なものを使用しても、バネの硬さを有するため、操作レバーを傾けた時の傾きの支点となり、スイッチレバーの動作支点構造や、支点の支え構造を必要とせず、これらの構造物及びこれらの構造物の成形に用いる型や組立の手間を省くことができる。円筒状接点電極7の内側には同じく円筒状絶縁体6が内接されており、その内側に円筒内面電極3を有し、この円筒内面電極3に操作レバーを傾けた際に電極9の先端が接触することによって、電極9と円筒内面電極3の間が導通し、レバースイッチが閉状態となる。これによって、図1は、通常開状態のレバースイッチを製作することができる。
【0014】
図1において、操作レバー11を傾けた時に加わる過度な力は、コイルスプリング5が変形することにより吸収され、且つ支点がずれることにより、スイッチ動作の作用点も動き、より安定な接触を保つことができる。
スイッチ内部に支障となるごみの混入を防止するためのゴムキャップ1が設けられており、スイッチの内部に大きなごみの混入を防止している。
【0015】
又、電極9の鍔状部分は、操作レバーを引いた時における円筒底部電極4と接触することにより導通し、スイッチ閉を構成する。これによって、操作レバー11の円周方向動作及び引っ張り動作のいずれにも作動するレバースイッチが得られる。
前記電極9と円筒内面電極3が通常操作レバー11を操作されない時、円筒状絶縁体6によって絶縁されているが、操作レバー11を円周方向に倒すあるいは、操作レバー11の引張り動作により、電気的に導通し、接点信号が得られる。
【0016】
前記の接点信号は、接点電極7がコイルスプリング5を介して操作レバー11を介して電極9と繋がっており、電極引き出し部2を経由して外部回路に配線される。
一方、円筒内面電極3も電極接続部2を介して、外部回路に配線され接点信号を取り出す構造となっている。
【0017】
操作レバー11は、操作時の過剰な力を逃がしながら、電極9の傾斜動作を伝えるコイル状スプリング8によって繋げられており、操作レバー接続部10介して電極9に繋がっている。
図2は、前述のレバースイッチの外観を示す。各々のスイッチ電極引き出し部2は、例えば半田付け端子として、信号配線ケーブル12の接続部となる。又、外周の金属部を熱収縮性プラスチックにより覆い、スイッチ外部を絶縁構造とすることができる。前記熱収縮性プラスチックは、嵌め合い構造による当該スイッチの固定時の緩衝材機能も併せ持つ。
【0018】
図3は、前記レバースイッチと基本的に同一原理により、操作レバー11をスプリング8で固定し、操作レバー11の延長上の接点電極7が操作レバー11を傾斜あるいは引張り動作が加わった時、固定側の接点電極7との導通が断となり、スイッチ動作が開状態となり、通常閉の状態から開へと状態の変化及び信号が得られる。
【0019】
通常ガイドスプリング13により、接点電極7に固定された絶縁体であるスライドガイド14を円筒状絶縁体6の内周面に沿って、対向する電極7に接触させており、操作レバーが動かされることにより、電極7先端がスライドガイド14に乗り上げることにより、通常閉動作している当該スイッチが開状態となる。
裏面蓋15は、レバースイッチ内部にごみが入り、スイッチ動作の支障を起こさないための蓋である。スライドガイド14が円筒状絶縁体6の内周面に沿って摺動する場合に、摺動の終端となるストッパリング16が設けられている。
【0020】
図4は前記図3の外形図である。当該スイッチを使用する場合の取り付け方法については、当該スイッチの円筒部を嵌め込み凹型部に嵌め込む方法又は、Uボルトで固定するなどの方法で取り付ける。又、前記通常開の場合のレバースイッチと同じく外側を熱収縮性プラスチックにより覆い、スイッチ外部を絶縁構造とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
組立生産工場等の部品棚に組立前の部品を配置し、必要な部品を棚から取り出し組立を行う所謂ピッキングシステムの場合、部品棚に部品種類相当数のピッキングスイッチを配置し、組立作業を行うものが、部品を取り出し、その取り出し作業を完了したことをホストコンピュータに知らせるべく、ピッキングスイッチを操作するが、多数のピッキングスイッチを使用するため、スイッチの価格がシステムの費用を高額にしていた。本発明の利用によれば、低コストのピッキングシステムが実現するほか、おもちゃや、ゲーム機の低コスト化に利用できる。
【0022】
図5に従来のレバースイッチの例を示す。スイッチレバー17は、ボールジョイント18により、マイクロスイッチ19の接点を押す仕組みになっている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の通常開である簡易接点スイッチに関する基本構成の断面図である。
【図2】本発明の通常開である簡易接点スイッチに関する外観図である。
【図3】本発明の通常閉である簡易接点スイッチに関する基本構成の断面図である。
【図4】本発明の通常閉である簡易接点スイッチに関する外観図である。
【図5】従来型のスイッチ例
【符号の説明】
【0024】
1:ゴムキャップ
2:電極引き出し部
3:円筒内面電極
4:円筒底部電極
5:スプリング
6:円筒状絶縁体
7:接点電極
8:スプリング
9:電極
10:操作レバー接続部
11:操作レバー
12:配線ケーブル
13:ガイドスプリング
14:スライドガイド
15:裏面蓋
16:ストッパリング
17:スイッチレバー
18:ボールジョイント
19:マイクロスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル機器の入力用スイッチ、ピッキング入力スイッチ、玩具等の接点入力スイッチにおいて、バネ材により中立に固定された棒状の電極が、これを取り囲む当該棒状の電極と絶縁された円筒内面に持つ電極部との間において、当該棒状の電極がバネ材を貫通し、操作レバーを構成し、当該バネ材が操作レバーの支点を構成し、且つスイッチ中立を保つ構造を有し、操作レバーを前記バネ材の弾力性に逆らって円周方向に傾斜させ動かすことによって、前記円筒内面に持つ電極部と接触すること、また、操作レバーを操作レバーの中心線方向に引いた場合に、操作レバー電極と本体円筒底部電極とが接触する円周方向操作及び引っ張り動作による電気的接点スイッチを構成し、スイッチレバーの支点をバネ材で代用することを特徴としたスイッチレバーの円周方向動作及び引張り方向で動作する簡易接点スイッチ。
【請求項2】
請求項1において、棒状の電極の頭部に当該棒状の電極が中立状態にあり、当該棒状の電極の頭部が別途当該棒状の電極を取り囲む円筒状の絶縁された筒の中心部に固定された電極に接触しており、当該棒状の電極がバネ材を貫通し操作レバーを構成し、この操作レバーを前記バネ材の弾力性に逆らって動かすことによって前記円筒状の中心部に固定された電極から離脱する構造を有することを特徴とする円周方向動作及び引張り方向で動作する簡易接点スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−294574(P2006−294574A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−136578(P2005−136578)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(501194514)株式会社 エニイワイヤ (37)
【Fターム(参考)】