説明

米洗い器

【課題】 水の中に手をつける必要がなく、また一回一回水を捨てる必要もなく、さらには簡単な作業で効率良く米を研ぐことができる米洗い器を提供することを目的とする。
【解決手段】 上端に備えた開口部11から内部に米を出し入れする容器1と、該容器1の内部に着脱可能に装着する横方向の回転軸2と、該回転軸2に一定間隔を保って装着する回転羽3と、前記回転軸2に回転を与える回転手段4と、前記容器1内の水を排水する排水手段12と、を備え、前記回転羽3の先端位置は回転軸2と直交する方向に対して左右方向にずれており、そのずれる方向が相対向する位置の回転羽3同士では逆方向になることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭などにおいて米を研ぐ際に使用する米洗い器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、米研ぎは、例えば炊飯器の内釜やボウルなどの容器にて、手で直接米を掻き回しながら水を取り替える作業を何度も繰り返して行うものであり、水を捨てる際に米を流さないように注意もしなければならず、その一つ一つの作業が非常に煩雑であった。また、水の中に手をつけなければならず、手荒れの原因になったり、水が特に冷たくなる冬場においては作業が非常に負担となっていた。さらには、研ぐ量が多いと時間が掛かる上、掻き回す際に力が必要となり腕に相当な負担がかかるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水の中に手をつける必要がなく、また一回一回水を捨てる必要もなく、さらには簡単な作業で効率良く米を研ぐことができる米洗い器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、上端に備えた開口部から内部に米を出し入れする容器と、該容器の内部に着脱可能に装着する横方向の回転軸と、該回転軸に間隔を保って装着する回転羽と、前記回転軸に回転を与える回転手段と、前記容器内の水を排水する排水手段と、を備え、前記回転羽の先端位置は回転軸と直交する方向に対して左右方向にずれており、そのずれる方向が相対向する位置の回転羽同士では逆方向になることを特徴とする。
【0005】
このように構成すれば、回転手段によって回転軸を回転させるだけで容易に米を掻き回すことができると共に、排水手段を備えているので、容器の開口部から水を入れながら米を洗うことができるため、水の中に手を入れたり、一回一回水を捨てる必要がない。また、先端位置のずれる方向が反対方向となる相対向する回転羽により、回転軸を一方方向に回転させて米を交互に掻き回すことで、米が左右方向に移動するため、容器内の隅の部分、例えば角部などに米が溜まるのを防いでまんべんなく掻き混ぜることができる。また、回転軸が着脱可能に構成されているので、各部を分解した状態で個別に洗うことができるので洗浄作業が容易になると共に、米洗い器を清潔に保つことができる。
【0006】
ここで容器の形状については、家庭用の流し台の内部に収容可能な大きさ及び形状であれば、特に限定されるものではなく、例えば円筒状や方形状の筒体などを挙げることができるが、回転羽で容器内の米を隅々まで掻き回すことが可能なように、容器の底部は回転羽が回転する方向に湾曲する形状、即ち曲面にすることが望ましい。また材質についても特に限定はしないが、耐水性に優れ、軽量且つ強度の大きい材質にすることが望ましい。容器の開口部はそのまま開口させておいてもよいが、米を掻き回した際に米が外部に飛び出すことを防ぐためにも蓋体を備えることが望ましい。蓋体には、容器内に水を注入できるように窓穴などの給水部を設けることが望ましく、さらに給水部には米飛び防止用の網目状部材を備えることが望ましい。回転手段とは、手動で回転軸に回転を与える手段を全て含める概念であり、例えばハンドルに取っ手を備えたものなど、小さな力で誰もが容易に回転させることが可能な方法にすることが望ましい。排水手段とは、容器内の水を完全に排水することができる手段を全て含める概念であり、例えば容器の下端部に排水用の穴を形成したり、容器の底部を網目状部材から構成したりする方法を挙げることができる。穴を形成する場合には、米が流れ出ないように網目状部材によって穴を覆うことが望ましい。
【0007】
回転羽については、相対向する位置の回転羽が交互に回転して容器内の米を左右に移動させることができる形態であれば、特に限定はしないが、請求項3記載の発明のように、相対向する位置の回転羽の先端のずれた方向側の一端同士を、回転軸と直交する方向に一直線上に配置させることが望ましい。このように構成することにより、相対向する位置の回転羽の回転軌道の相互間に隙間が形成されないため、混ぜ残しがなくなり容器内の米を細かくそして均一に掻き混ぜることができる。
【0008】
また、回転羽の形状については平板状であってもよいが、請求項4記載の発明のように、先端に向かって丸みを持たせた形状にすることが望ましい。このように構成すれば、回転羽の先端が米の中にスムーズに入り込み、米を下から上にすくい上げるように掻き回すことができると共に、回転羽にかかる米の抵抗を小さくすることができる。
【0009】
本発明のうち請求項2記載の発明は、上端に備えた開口部から内部に米を出し入れする容器と、該容器内の中心に着脱可能に装着する縦方向の回転軸と、該回転軸に対して横方向に装着する複数の回転羽と、前記回転軸に回転を与える回転手段と、前記容器内の水を排水する排水手段と、を備え、前記回転羽は回転軸の回転方向に対して米を上方に持ち上げるように作用する第1回転羽と、回転方向に対して米を下方に押し下げるように作用する第2回転羽と、を有していることを特徴とする。
【0010】
ここで第1及び第2回転羽については、回転軸を同じ方向に回転させることで米を上下方向に移動させる作用を有するものであればどのような形態であってもよいが、回転させる際に米の抵抗がかからないように回転羽全体を傾斜させることが望ましい。また各回転羽の配置方法については、下位位置に米を上方に持ち上げるように作用する第1回転羽を配置さえすれば、あとはどのような配置であってもよく、例えば対向する位置及び上下する位置に作用の異なる回転羽を配置してもよいし、対向する位置には作用の同じ回転羽を、上下する位置には作用の異なる回転羽を配置する方法などが挙げられる。
【0011】
このように構成すれば、回転手段によって回転軸を回転させるだけで容易に米を掻き回すことができると共に、排水手段を備えているので、容器の開口部から水を入れながら米を洗うことができるため、水の中に手を入れたり、一回一回水を捨てる必要がない。また回転軸を同じ方向に回転させることで、第1回転羽と第2回転羽によって米を上下方向に移動させながら均一且つ細かく掻き混ぜることができると共に、掻き混ぜる際に各回転羽に米の抵抗がかからないためスムーズに回転させることができ、操作性が良好となる。さらには、回転軸が着脱可能に構成されているので、各部を分解した状態で個別に洗うことができるので洗浄作業が容易になると共に、米洗い器を清潔に保つことができる。
【0012】
容器の形状については、家庭用の流し台の内部に収容可能な大きさ及び形状であれば、特に限定されるものではないが、回転軸に対して横方向に装着した回転羽で隅々まで掻き回すことができるように円筒形状にすることが望ましい。また材質についても特に限定はしないが、耐水性に優れ、軽量且つ強度の大きい材質にすることが望ましい。回転手段とは、手動で回転軸に回転を与える手段を全て含める概念であり、例えばハンドルに取っ手を備えたものなど、小さな力で誰もが容易に回転させることが可能な方法にすることが望ましい。排水手段とは、容器内の水を完全に排水することができる手段を全て含める概念であり、例えば容器の下端部に排水用の穴を形成したり、容器の底部を網目状部材から構成したりする方法を挙げることができる。穴を形成する場合には、米が流れ出ないように網目状部材によって穴を覆うことが望ましい。
【0013】
回転羽の装着方法については、回転軸に固定させる方法でもよいが、請求項5記載の発明のように、回転羽を回転軸に着脱可能に装着してもよい。このように構成すれば、容器の大きさや米の量に応じて回転羽の個数や上下する回転羽の間隔を適宜に変更することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のうち請求項1記載の発明によれば、開口部から容器内に水を入れながら回転手段によって回転羽を回転させるだけで、米が掻き回されると共に排水手段によって水が排水されるので、水の中に手をつけたり、一回一回水を捨てる必要がなく、非常に簡便な操作で容易に米を研ぐことができる。また相対向する位置の回転羽によって交互に米を掻き回すことで、容器内において米が左右に移動しながらがまんべんなく掻き混ぜられるため、米を効率良く研ぐことができる。さらに操作は手動で行うので、構成の簡略化が図られコスト面においても非常に優れたものとなる。この結果、毎日行う米研ぎ作業の負担が軽減されて、子供から年配者まで誰もが容易に米を研ぐことができる操作性に優れた米洗い器を提供することができる。
【0015】
本発明のうち請求項2記載の発明によれば、回転軸を容器内に縦方向に装着しても、上記効果と同様に、開口部から容器内に水を入れながら回転手段によって回転羽を回転させるだけで、米が掻き回されると共に排水手段によって水が排水されるので、水の中に手をつけたり、一回一回水を捨てる必要がなく、非常に簡便な操作で容易に米を研ぐことができる。また回転軸を同じ方向に回転させるだけで、米を上下方向に移動させながらまんべんなく均一に掻き混ぜることができるので、操作性も良くなって米を効率良く研ぐことができる。さらに操作は手動で行うので、構成の簡略化が図られコスト面においても非常に優れたものとなる。この結果、毎日行う米研ぎ作業の負担が軽減されて、子供から年配者まで誰もが容易に米を研ぐことができる非常に優れた米洗い器を提供することができる。
【0016】
本発明のうち請求項3記載の発明によれば、容器内での米の混ぜ残しを防いで、細かく且つ均一に掻き混ぜることができる。
【0017】
本発明のうち請求項4記載の発明によれば、回転羽の丸くなった先端が米の中にスムーズに入り込んで米を下から上にすくい上げると共に、回転羽にかかる米の抵抗が小さくなってスムーズに回転させられるので、操作性がより一層良くなる。
【0018】
本発明のうち請求項5記載の発明によれば、容器の大きさや米の量に応じて回転羽の個数や回転羽同士の間隔を適宜に変更することができるので、より一層効率良く米を研ぐことができる。また回転羽の一枚一枚が分離できるので洗う際に都合が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は本発明の第1実施形態を示す正面から見た断面図である。第1実施形態の米洗い器は、米を内部に収納する容器1と、容器1の内部に回動自在に装着する横方向の回転軸2と、回転軸2に固定される回転羽3と、回転軸2に回転を与えるハンドル4と、容器1の口部を塞ぐ蓋部5とから構成さている。容器1は方形状の筒体であり、上端には開口部11を設け、下端部の内面には回転軸2の回転方向に湾曲する米粒を通さない程度の粗さの網状体6が固着してあり、この網状体6が容器1の底部分となっている。また容器1の下端には下向き凹状の水抜き部12が形成してあり、網状体6から下方に向かって流れ出る水を排水可能にしてある。開口部11には、米を研いでいる最中に米粒が容器1外に飛び出ることを防ぐために蓋部5を被せているが、蓋部5を被せた状態のままでも容器1内に水が注入できるように、蓋部5には容器1内に連通する給水窓51が形成してあり、その給水窓51を覆う状態で米粒を通さない程度の粗さの網板54が固着されている。
【0021】
回転軸2は、図2(a)(b)に示すように、両端部には雌ネジ部21が形成してあり、周囲には回転羽3が相対向する位置に複数枚溶接によって固着されている。回転羽3は水平板からなり、図2(a)に示すように先端位置は回転軸2と直交する方向に対して左右方向のどちらか一方側にずれており、そのずれる方向が相対向する位置の回転羽3同士では逆方向になっている。また、相対向する位置の回転羽3の先端のずれた方向側の一端は、図2(a)のA−A直線のように回転軸2と直交する方向に一直線上になるように一定間隔を保って配置されている。また、図2(b)に示すように、相対向する位置の回転羽3の形状は先端に向かって丸みを持たせており、相対向する位置の回転羽3同士が回転軸2を中心とした略S字状になるように配置されている。これにより、回転軸2を一方方向に回転させて相対向する位置の回転羽3によって米を交互に掻き回すことで、容器1内の米を左右交互に移動させながら隙間無く均一に且つ細かく掻き回すことができるので、容器1内の角部に米が溜まることを防いで、容器1内の米全体をまんべんなく掻き混ぜることができる。また、回転羽3の先端が米の中にスムーズに入り込むと共に、回転羽3にかかる抵抗が小さくなるので操作性が良く、誰もが負担無く容易に回転羽3を回すことができる。
【0022】
上記のように構成された回転軸2を容器1内に回動自在に装着する場合は、容器1の左右側面に設けた貫通穴13に回転軸2の両端の雌ネジ部21を重なり合うように配置させ、貫通穴13の外側から内側に向かって挿通した軸固定部材7に形成された雄ネジ部71を、回転軸2の雌ネジ部21にそれぞれ螺合させることで、回転軸2が軸固定部材7と一体的に回動自在となって容器1内に装着されるものである。
【0023】
回転軸2の端部のどちらか一方側の軸固定部材7の先端部には、回転軸2を回転させるためのハンドル4が取り付けてあり、ハンドル4の先端部には取っ手41が取り付けてあり、ハンドル4を回し易くしてある。ハンドル4は回転軸2を回転させるために使用する以外に、回転軸2の雌ネジ部21に軸固定部材7の雄ネジ部71を螺合させる際に使用でき、これにより回転軸2の取り付け取り外し作業が容易に行える。
【0024】
次に、第1実施形態の米洗い器の米研ぎ操作について説明する。
【0025】
容器1から蓋部5を外して容器1内に適量の米を入れ、再び容器1に蓋部5を被せる。そして容器1内に水を入れながらハンドル4を一方方向に回して相対向する位置の回転羽3を交互に回転させて米を研ぐ。このとき、相対向する位置の回転羽3によって米が網状体6に擦られながら上から下に掻き回されると共に、容器1内を米が左右方向に交互に移動してまんべんなく掻き混ぜられることで研がれていくものである。容器1内に注がれる水は米粒の隙間を通り抜け、さらに網状体6を通り抜けて水抜き部12から常に排水されるため容器1内に溜まることはなく、水を捨てる作業が省かれた簡便な作業で、しかも常に綺麗な水で米を洗うことができる。また、回転羽3の構造上、抵抗無く米を掻き回すことができるので、ハンドル4を回す腕に負担が掛からず、子供から年配者まで誰もが容易に米を洗うことができる。上記の様に、容器1内へ水を入れながらハンドル4を一方方向に約3分程度回すことで米研ぎが完了する。
【0026】
図3及び図4は本発明の第2実施形態を示すものであり、図3は全体を分解して示す斜視図であり、図4は組み立てた状態を示す断面図である。第2実施形態の米洗い器は、内部に米を収納する円筒形状の容器1と、容器1の中心に回動自在に装着する縦方向の回転軸2と、回転軸2に着脱自在に装着する回転羽3と、回転軸2に回転を与えるハンドル4と、容器1の口部を塞ぐ蓋部5とから構成されている。容器1の上端には開口部11を設け、開口部11を塞ぐ蓋部5が嵌挿されており、容器1の下端には底部8が固着されている。蓋部5は断面凹状をなしており、中心部には回転軸2を保持するための保持穴52が形成されており、上端には外方に向かって突出する係止部53が形成されており、係止部53を容器1の開口部11上端に係止させることによって安定に固定されるものである。また、開口部11に蓋部5を嵌挿した状態のままでも容器1内に水を注入できるように、容器1内に連通する給水窓51が形成してある。底部8は断面下向き凹状の上げ底状になっており、中心部には回転軸2を保持するための保持穴81が形成してある。容器1の側周壁の下端部には容器1内の水を排水するための排水穴14が複数形成してあり、その排水穴14から容器1外に米粒が流れ出ない様に、米粒を通さない程度の粗さの網板15で容器1の内側から排水穴14を覆ってある。排水穴14の下端位置は、容器1内の水を完全に排水可能なように底部8の上端面と面一にしてある。
【0027】
回転軸2は断面六角形をなした細長い棒であり、回転軸2の下端部は段差状に径が小さくなるように丸棒状に形成されており、回転軸2の上下端部には容器1内に回動自在に装着するためのネジ部22が形成されている。また図5及び図6(a)(b)に示すように、回転軸2の周囲には複数枚の回転羽31,32が回転軸2に対して横方向に着脱可能に装着されている。回転羽31,32は短冊状をなした回転方向側が下方に傾斜する第1傾斜板31と、短冊形状をなした回転方向側が上方に傾斜する第2傾斜板32とからなる。各傾斜板31,32の傾斜角度については、角度が大きすぎると各傾斜板31,32に米の抵抗がかかってしまい、反対に角度が小さすぎると米の抵抗はかからなくなるが、米を上下方向に移動させる作用が小さくなってしまうことから、45°前後にすることが望ましい。このような形態にすれば、回転軸2を同じ方向に回転させることで、第1傾斜板31の回転方向側が米の中にもぐり込み、斜面によって米を上方へと持ち上げると共に、第2傾斜板32の斜面によって米が下方に押し下げられることとなり、米を上下方向に確実に移動させることができる。また同じ方向に回転させるだけで米が上下方向に移動すると共に、各傾斜板31,32に傾きを設けることで、各傾斜板31,32が米の抵抗を受けずにスムーズに回転するため、操作性が非常に良好となる。さらには回転軸2の回転方向を反対にした場合でも、各傾斜板31,32がそれぞれ逆の作用となるため、米の抵抗を受けずにスムーズに回転しながら、米を上下方向に移動させることができる。各傾斜板31,32は取付部33を介して回転軸2に着脱可能に装着されるもので、取付部33は六角形のナット状をなしており、一側面に各傾斜板31,32を溶接によって固着し、その一側面と相対向する位置の側面には、取付部33を回転軸2に強固に固定させるためのチヨネジ34が横方向に備えてある。
【0028】
回転軸2に各傾斜板31,32を装着するには、取付部33に回転軸2を挿通し、各傾斜板31,32を固定させたい位置まで移動させた後、チヨネジ34の端部が回転軸2の側面に当接するまで締め付けることで固定される。回転軸2は六角形状であるため、チヨネジ34の端部を面の部分に当接させることができ、チヨネジ34が締め付け易くなると共に、各傾斜板31,32を回転軸2に強固に固定させることができる。各傾斜板31,32の配置方法としては、段差をおいて相対向する位置に同じ方向に傾斜する第1傾斜板31同士又は第2傾斜板32同士を配置し、下位位置には一対の第1傾斜板31,31を配置し、それを基準に第1傾斜板31と第2傾斜板32とを上下方向で交互になるように一列に配置してある。このように配置すれば、回転軸2を同じ方向に回すだけで、上下方向に位置する傾斜方向の異なる第1傾斜板31と第2傾斜板32の相互間において米を上下に細かく移動させることができるので、米を均一に効率良く掻き混ぜることができる。また下位位置に一対の第1傾斜板31,31を配置することで、容器1内底部の米を常に上方に持ち上ることができ、混ぜ残しを防いで容器1内の米全体をまんべんなく掻き混ぜることができる。各傾斜板31,32はチヨネジ34を緩めることで容易に取り外すことができるので、着脱作業が容易に行えると共に、研ぐ米の量に応じて上下に配置される各傾斜板31,32同士の間隔を調整したり、更には各傾斜板31,32の装着する個数を調整することもできる。
尚、各傾斜板31,32の配置方法は、上記の方法に限定されるものではなく、例えば相対向する第1傾斜板31,31又は第2傾斜板32,32は、それぞれ段差をおかずに一直線上に配置してもよいし、また相対向する位置に作用の異なる第1傾斜板31と第2傾斜板32を配置し、上下位置にも作用の異なる第1傾斜板31と第2傾斜板32を配置するようにしてもよい。また各傾斜板31,32は60°間隔や90°間隔に配置させてもよいし、必ずしも相対向する位置に配置させなくてもよい。
【0029】
上記の様に構成された回転軸2を容器1内に回動自在に装着するには、容器1の底部8に設けた保持穴81に回転軸2の下端部の丸棒状の部分を嵌挿し、回転軸2の六角形状の部分の下端を底部8の上端面に係止させることで、容器1内の中心に回転軸2を回動自在に装着するものである。底部8の保持穴81を貫通して下方に飛び出した回転軸2の下端部のネジ部22には軸固定部材7を螺合し、回転軸2が容器1内から外れないようにしてある。また回転軸2の上端を蓋部5の保持穴52に挿通して容器1の開口部11に蓋部5を嵌挿させることで、回転軸2の上下端部が各保持穴52,81によって安定に保持される。軸固定部材7には、回転軸2に螺合させる際にその作業が容易となるように回転補助棒72が設けてある。
【0030】
回転軸2の上端部分には回転軸2を回すためのハンドル4を着脱可能に装着してあり、ハンドル4の先端にはハンドル4を回し易くするための取っ手41が取り付けてある。ハンドル4は回転羽3と同様に、回転軸2に固定する固定部42に備えたチヨネジ43を締め付けることにより回転軸2に強固に固定させるものである。回転軸2の上端のネジ部22にはハンドル固定部材9が螺合してあり、ハンドル4が回転軸2の上端から外れないようにしてある。
【0031】
次に、第2実施形態の米洗い器の米研ぎ操作について説明する。
【0032】
蓋部5の給水窓51から容器1内に適量の米を入れ、さらに給水窓51から容器1内に水を入れながらハンドル4を一方方向に回して第1傾斜板31と第2傾斜板32を回転させて米を研ぐ。このとき、第1傾斜板31と第2傾斜板32によって米が各傾斜板31,32の相互間を細かく上下交互に移動しながらまんべんなく掻き混ぜられることで研がれていくものである。容器1内に注がれる水は、米粒の隙間を通り抜けて排水穴14から少しずつ排水されるものであり、回転軸2の回転を遅くすると水が排水穴14から排水されていき、反対に回転軸2の回転を速くすると容器1内に水が溜まっていくものであり、注ぐ水の量を少なくするためにも、容器1内には常に容器1内の半分の高さ位置まで水が溜まった状態で米を研ぐことが望ましい。また、水は必ずしも給水窓51の上方から入れなくてもよく、蓋部5の形状上、凹状になった部分の上方であればどこから注いでも容器1内に水が導かれる形態になっている。このように米を研ぐ際には、水を一回一回捨てる作業が省かれるので簡便な作業となり、またハンドル4によって回転軸2を回転させる腕に負担が掛かからず、子供から年配者まで誰もが容易に米を洗うことができる。上記の様に、容器1内へ水を少しずつ入れながらハンドル4を同じ方向に約3分程度回すことで米研ぎが容易に完了する。
【0033】
尚、上述した第1及び第2実施形態の米洗い器は、各部分が容易に分解可能となっているので、米洗い器自体を洗う作業が容易であると共に、各部分を容易に隅々まで洗浄することができるので、米洗い器を常に清潔に保つことができる。
【0034】
ここで本発明の米洗い器は、第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、第1実施形態の回転羽を第2実施形態のように回転軸に着脱自在に固定してもよいし、その反対に第2実施形態の回転羽を第1実施形態の回転羽のように回転軸に固定する形態にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2(a)(b)】第1実施形態の回転羽を示す正面図及び側面図である。
【図3】本発明の第2実施形態の分解した状態を示す斜視図である。
【図4】第2実施形態の全体を示す断面図である。
【図5】第2実施形態の回転軸及び回転羽を示す拡大斜視図である。
【図6(a)(b)】第2実施形態の回転軸及び回転羽を示す正面図及び側面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 容器
2 回転軸
3 回転羽
4 ハンドル(回転手段)
11 開口部
12 水抜き部(排水手段)
14 排水穴(排水手段)
31 第1傾斜板(第1回転羽)
32 第2傾斜板(第2回転羽)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に備えた開口部(11)から内部に米を出し入れする容器(1)と、該容器(1)の内部に着脱可能に装着する横方向の回転軸(2)と、該回転軸(2)に間隔を保って装着する回転羽(3)と、前記回転軸(2)に回転を与える回転手段(4)と、前記容器(1)内の水を排水する排水手段(12)と、を備え、前記回転羽(3)の先端位置は回転軸(2)と直交する方向に対して左右方向にずれており、そのずれる方向が相対向する位置の回転羽(3)同士では逆方向になることを特徴とする米洗い器。
【請求項2】
上端に備えた開口部(11)から内部に米を出し入れする容器(1)と、該容器(1)内の中心に着脱可能に装着する縦方向の回転軸(2)と、該回転軸(2)に対して横方向に装着する複数の回転羽(31,32)と、前記回転軸(2)に回転を与える回転手段(4)と、前記容器(1)内の水を排水する排水手段(14)と、を備え、前記回転羽(31,32)は回転軸(2)の回転方向に対して米を上方に持ち上げるように作用する第1回転羽(31)と、回転方向に対して米を下方に押し下げるように作用する第2回転羽(32)と、を有していることを特徴とする米洗い器。
【請求項3】
前記相対向する位置の回転羽(3)の先端のずれた方向側の一端は、回転軸(2)と直交する方向に一直線上に配置されることを特徴とする請求項1記載の米洗い器。
【請求項4】
前記回転羽(3)は、先端に向かって丸みを持たせた形状をなしていることを特徴とする請求項1又は3記載の米洗い器。
【請求項5】
前記回転羽(3,31,32)は、回転軸(2)に着脱可能に装着されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の米洗い器。

【図1】
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【図2(a)(b)】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(a)(b)】
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