説明

粉体の移送分級方法及び移送分級装置

【課題】粉砕装置の負荷を軽減でき、かつ生産能力(粉砕処理能力)が増加し、さらに微粉もカットして、目標粒径に対して、シャープな粒度分布を有するトナーを、より収率良く、安定的に得ることができるトナーの製造方法及び製造装置。
【解決手段】粉体を流動化させるための空気放出機構を底部に有する粉体流動化槽10と、粉体を粗粒子と微粒子に分離させる気流式分級装置40と、前記粉体流動化槽から前記気流式分級装置へ該粉体を供給するための移送装置20と、を備え、前記粉体流動化槽10は、流動化した粉体粉体の嵩密度が一定となるように制御する嵩密度制御手段を有し、かつ前記移送装置20は、それぞれ位相をずらした複数台のポンプにより、粉体移送時の移送量の脈動を平準化したものであること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気流分級機へ原料粉体を流動供給する方法及びその装置に関するものである。
特に、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、またはトナージェット方式記録法の如き画像形成方法に用いられる粉体材料を気流により分級する気流分級するトナーの分級方法及び分級装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真用トナーの分級においては、粉体を一次保管するための容器やホッパー、または粉体移送や粉砕・分級時にトナーを固気分離するためのフィルタ式ろ過装置や捕集装置、粉体を定量供給するためのフィーダー等が使用されているが、粉体の微粒化に伴い比表面積の増加や、粉体トナーの低温高速定着等の諸品質要求に対応する各種易凝集性乃至粘着性材料使用のために、流動性が低下して、フィーダーの内壁面に凝集付着し、堆積崩落を繰り返すため、フィーダーからの定量排出が困難である。
【0003】
一方、電子写真用トナーなどの微粒子粉体を分級するためには、一般的に旋回気流を利用する分級装置が用いられ、例えば、ディスパージョンセパレーター(DS型:日本ニューマチック社製)が使用されている(特許文献1〜6)。
【0004】
図1は、従来の分級システム構成例を示し、図1(A)は、微粒子粉体を分級するのに用いられる典型的な気流式分級装置(DS型:日本ニューマチック社製)を用いた従来の分級システム構成例を示す。このシステム構成例における気流式DS分級装置(1)は、概略的には、上から下に向けて、分散室(2)、本体ケーシング(4)、分級室(6)、下部ケーシング(8)、ホッパー(10)から構成されている。分散室(2)には、その上部に流入口(12)が接続され、また、上端壁の中央部分に排気口(14)が接続されている。流入口(12)は、分散室(2)の外周面のほぼ接線方向に配置され、この流入口(12)を通じて一次空気流及び粉体材料が分散室(2)の中に供給される。分散室(2)の下には、中央部分が山高の円錐状のセンターコア(16)が配設されており、このセンターコア(16)の下方外周縁の近傍には環状の粗粉排出口(18)が形成されている。一方、分級室(6)の下部周壁の外周部分には、二次空気流入口すなわちルーバー(20)が設けられている。
【0005】
フィーダ(22)から供給された粉体材料は、一次空気流と共に流入口(12)を通じて分散室(2)の中に供給され、分散室(2)の中で旋回渦流を形成しながら下降しつつ分散室(2)の外周部分に集まって分級室(6)に入る。他方、一次空気流は排気口(14)を通じて外部に排出される。分級室(6)にはルーバー(20)を通じて二次空気流が供給され、この二次空気流によって分散室に入った粉体材料を分散させると共にその旋回速度が加速されて粗粒子と微粒子とに分けられ、粗粒子は粗粉排出口(18)を通じて排出され、微粒子は微粉排出口(24)を通じて排出される。
【0006】
この気流式DS分級装置(1)での分級原理は、分級室(6)に流入する二次空気流が粉体材料を旋回状に半自由流動させる際に、この粉体材料中の粗粒子と微粒子に対して働く遠心力及び向心力が異なることを利用して分級するものである。したがって、分級室(6)では、できるだけ分散した状態で粗粒子と微粒子とに分級処理することが分級精度を向上する上で望ましく、このことから分散室(2)において確実なる分散を実現するためにも、分級装置(1)に供給される粉体材料の粒子状態が重要になる。
そこで、図1(B)に示されるように、流動タンクを経由させて流動化された粉体流を気流式分級装置に供給することが提案されている。
【0007】
しかしながら、気流式DS分級装置に供給する粉体材料は、従来のように、これを一次空気と混合しただけでは、実際上、一次粒子に近い状態で分散室に導入するのに限度がある。また、一次粒子化を得るために一次空気量の増加あるいは一次空気として大量の高圧エアーなどによる加速式等の分散器を用いると、分散室内の気流の乱れ又は分散室内部への過剰空気の流入のために粗粒子と微粒子に対して働く遠心力及び向心力のバランスに乱れが発生してしまう。このことから、分散室に導入される粉体材料がたとえ一次粒子に近い状態になったとしても、分級装置本来の特性を維持することが難しく、これに伴い分級精度が低下してしまう。すなわち、分級装置から出る粉体粒子の中に超微粒子までもが粗粒子側に混入してしまい、この結果、製品は高精度な粒径分布を得ることができない。
近年の粉砕を行なわずに、化学反応により製造される重合トナーも、分級段階において同様の問題を有する。
【0008】
上記問題を解決した気流式分級システムが特許文献7に提案されている。
この気流式分級システムは、図3に示されるような、分散室に供給する粉体材料に振動を加えつつ気流によって粉体材料を流動化させ予め十分に流動化させるための流動化装置を具備し、粉体材料を一次粒子に近い状態で分散室に供給することを可能にしている。
【0009】
しかし、近年では前記気流式分級装置を直列二段以上組み合わせ、その間を搬送路で連結した閉回路分級が主流になるほど、より精密な分級を要求されるようになり、一次粒子の状態で分級室に供給することのみでは前記要求に応えられなくなってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記特許文献7(特開平11−197606号公報)記載の技術をさらに改良・発展するものである。
本発明者は、より精密な分級を可能にするため鋭意検討したところ、流動化装置へ粉体を供給するフィーダーから粉体の供給量は、長い時間では一定に見えても、短い時間で見ると粉体供給量が変化する脈動があり、流動化装置内の流動化された粉体量が変化し、分級装置へ供給される粉体量が変わって、粗粒子と微粒子に対して働く遠心力及び向心力が変化し、精密な分級を阻害していることを見出した。
【0011】
したがって、本発明は、上記流動供給式粉体分級機への固−気混相流を制御することで、分級室内への粉体供給量変化を防止し、粗粒子と微粒子に対して働く遠心力及び向心力のバランスをコントロールすることで、微粒子の凝集をなくし、付着性の強い原料でも、分散室における原料の分散効果を高めて、分散効率及び分級精度を向上させ、目標粒径と粗粉をシャープに分けることを可能にするものであり、粉砕工程への戻る粉体には、製品粒径を含まない粗粉のみになり、製品粒径の粉体を再度分級することを防止して、粉砕装置の負荷を軽減でき、かつ生産能力(粉砕処理能力)が増加し、さらに微粉もカットして、目標粒径に対して、シャープな粒度分布を有するトナーを、より収率良く、安定的に得ることができるトナーの製造方法及び製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記本発明の課題は、気体導入により流動化され分級室内へ供給される一次粒子化された流動化粉体の嵩密度変化を防止し、かつ、該粉体の供給量変化を防止することにより解決される。
すなわち、上記課題は、本発明の下記(1)〜(9)によって解決される。
(1)「粉体を流動化させるための空気放出機構を底部に有する粉体流動化槽と、粉体を粗粒子と微粒子に分離させる気流式分級装置と、前記粉体流動化槽から前記気流式分級装置へ該粉体を供給するための移送装置と、を備え、前記粉体流動化槽は、流動化した粉体粉体の嵩密度が一定となるように制御する手段を有し、かつ前記移送装置は、それぞれ位相をずらした複数台のポンプにより、粉体移送時の移送量の脈動を平準化したものであることを特徴とする粉体移送・分級装置。」
(2)「前記嵩密度制御手段は、前記粉体流動化槽内の粉体重量計測装置及び粉面レベル計測装置を有することを特徴とする前記(1)項に記載の粉体移送・分級装置。」
(3)「前記粉体がトナーである、前記(1)項又は(2)項に記載の粉体移送・分級装置。」
(4)「前記粉体流動化槽に粉体を排出する粉体貯蔵部をさらに有することを特徴とする前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の粉体移送・分級装置。」
(5)「前記粉体流動化槽から前記気流式分級装置へ供給される粉体流に圧縮気体流を噴出して合流させ、粉体の分散を促進する圧縮気体噴射手段をさらに有することを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載の粉体移送・分級装置。」
(6)「前記圧縮気体流の気体はヘリウム叉はヘリウムと空気の混合気体であることを特徴とする前記(5)項に記載の粉体移送・分級装置。」
(7)「前記気流式分級装置は、分散室と分級室を備え、前記分散室に、一次気流と共に供給された前記粉体を、該分級室の周囲から流入した二次空気流によって粗粒子と微粒子とに分離させるものであることを特徴とする前記(1)項乃至(6)項のいずれかに記載の粉体移送・分級装置。」
(8)「底部の気体放出機構から気体を放出して粉体流動化槽内の粉体を流動化させる粉体流動化工程と、流動化された該粉体を前記流動化槽から気流式分級装置へ供給する流動化された粉体の移送工程と、前記気流式分級装置で粉体を粗粒子と微粒子に分離させる粉体分級工程とを有する粉体移送・分級方法であって、前記粉体流動化槽内での粉体流動化工程は、流動化した粉体の嵩密度が一定となるように制御する嵩密度制御操作を含むものであり、かつ、前記粉体の移送工程は、それぞれ位相をずらした複数台のポンプにより、粉体移送量の脈動を平準化するものであることを特徴とする粉体移送・分級方法。」
(9)「前記粉体流動化槽から前記気流式分級装置へ供給される粉体流に、圧縮気体噴射手段から圧縮気体流を噴出して合流させ、粉体の分散を促進する工程をさらに有することを特徴とする前記(8)項に記載の粉体移送・分級方法。」
【発明の効果】
【0013】
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明による流動供給式粉体分級方法及び装置を用いて、粗粒子と微粒子に対して働く遠心力及び向心力のバランスをコントロールすることで、微粒子の凝集をなくし、付着性の強い原料でも、分散室における原料の分散効果を高めて、分散効率及び分級精度を向上させられることがわかった。
本発明は、長期に渡って、目標粒径と粗粉をシャープに分けることが、可能になることにより、粉砕工程への戻りは、製品粒径を含まない粗粉のみになり、粉砕装置の負荷が軽減し、生産能力(粉砕処理能力)が増加し、さらに微粉もカットできることにより、目標粒径に対して、シャープな粒度分布を有するトナーを、より収率良く、安定的に得られるトナーの製造装置を提供できることになった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来の気流式分級装置・分級方法の例を示す全体フロー図である。
【図2】本発明の気流式分級装置・分級方法の1例を示す全体フローの図である。
【図3】従来の気流式分級装置・分級方法で用いられた粉体流動槽の1例を示す概略図である。
【図4】本発明における粉体流動化槽の1例を示す組立図である。
【図5】本発明で用いるポンプ構成例を示す概略図である。
【図6】本発明における気流式分級装置例の概略構成図である。
【図7】実施例及び比較例で得たトナーの粒度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[気流式粉体移送分級システム(装置・方法)]
以下、本発明の気流式移送分級装置、及び、移送分級方法について詳細かつ具体的に説明する。
図2に示される粉体移送分級装置の1例から理解されるように、本発明の気流式粉体(例えば典型的にはトナー)移送分級装置(1)は、粉体を流動化させるための空気放出機構を底部に有する粉体流動化槽(10)と、粉体を粗粒子と微粒子に分離させる気流式分級装置(40)と、前記粉体流動化槽(10)から前記気流式分級装置(40)へ該粉体を供給するための移送装置(20)(図中で複数のポンプ移送装置(21)を有する部分)と、を備える。前記粉体流動化槽(10)は、流動化した粉体粉体の嵩密度が一定となるように制御する嵩密度制御手段を有し、かつ前記移送装置(20)は、それぞれ位相をずらした複数台のポンプ(21)により、粉体移送時の移送量の脈動を平準化したものであることを特徴とする。
該気流式分級装置(40)は、典型的には、分散室と分級室を備え、前記分散室に、一次空気と共に供給された粉体材料を、前記分級室の周囲から流入した二次空気流によって粗粒子と微粒子とに分離させる。そして、この粉体移送分級装置は、前記分級装置の分散室に供給する粉体材料を貯蔵する粉体流動化槽(上流にさらに粉体貯蔵部が存るときは中間貯蔵部)、該粉体流動化槽から前記分散室へ粉体を供給する移送装置とを有するものであり、かつこの場合、該粉体流動化槽は、底部から粉体を流動化させるための空気放出機構(流動床等)を有し、粉体に連続的に空気を注入してその嵩密度を一定かつ移送できるレベルまで流動化させものであって、前記移送装置は、該制御された嵩密度の粉体流をブレなく一定量供給するための複数のポンプ手段を含むものであり、この構成によって、気体導入により流動化され分級装置に供給される粉体流の「質」と「量」の双方が同時に満たされる。
前記移送装置からの吐出量を、流量計で計測し、ポンプによる粉体移送速度を制御することが、粉体供給量を一定にする上で好ましい。
【0016】
また、本発明の気流式粉体(例えば典型的にはトナー)移送分級方法は、中間貯蔵部としての粉体流動化槽内で気体を用いて粉体を流動化させる粉体流動化工程と、流動化された該粉体を気流式分級装置へ供給する粉体移送工程と、該気流式分級装置で粉体を粗粒子と微粒子に分離させる粉体分級工程とを有する。
【0017】
例えば、粉砕式トナーの場合、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含むトナー用組成物粉体を、微粉砕する粉砕プレートを用いた気流ジェット式粉砕機もしくは、機械式粉砕機で、重量平均粒子径7〜30μmになるように一次微粉砕し、前記一次微粉砕をした後、得られた一次微粉砕粒子を粉体貯蔵部に貯蔵しフィーダーにより粉体を供給するか、または直接粉体流動槽に供給する。
この具体例の装置による電子写真用トナー分級方法では、吐出された粉体を移送の途中で、圧縮気体流に載せ一次気流として分級装置に供給する。該圧縮気体を噴出するノズル先端部に粉体を合流させることにより、再凝集した緩凝集体を更に充分に一次粒子化でき、かつ粉体供給量が安定する。
すなわち、この例の装置によれば、粉体流動槽(10)で気流移送に適した嵩密度にされ、粉体流動槽(21)から出て、複数台のポンプ(22)を経て粉体移送時の移送量の脈動が平準化されつつ移送された粉体流に、必要に応じ、圧縮空気噴出ノズル(22)から圧縮空気を噴出させて合体させ、さらに分散させ、分級機(40)へ移送する構成になっている。
この例のシステムにおいては、粉体流動槽(10)において一次粒子化されたものが、更に分散されているので、粒子間に気体が入りこみ、過剰の気体流を用いなくても、搬送中に生じた緩凝集体を解砕し、より充分な一次粒子化が可能であり、かつ分散室内の気流に乱れを生じさせることがない。
以下、このような装置を構成する各ユニット装置およびこれらの組合せを用いた移送分級方法の具体例につき、さらに詳細に説明する。
【0018】
[粉体流動化槽]
図4に示される本発明における前記粉体流動槽(10)(上流にさらに粉体貯蔵部が存るときは中間貯蔵部ということもある)の1具体例は、流動ドラム(51)が、粉体重量計測のための台秤(50)上に配置され、流動ドラム(51)の上面蓋部材(51a)には、トナー投入口(52)、流動ドラム吸上げ管(53)、エアー抜き管(54)、及びレベル計(55)が設けられたものである。
流動ドラム吸上げ管(53)とレベル計(55)は、先端が流動ドラム(51)の内部空間まで挿入されており、また、エアー抜き管(54)にはバルブ(56)と濾布フィルター(57)が設けられている。また、流動ドラム(51)の底部材(51b)は、ドラムの筒状壁部材最下部より、パイプスペース用の若干の間隔をおいた上部に流動ドラム(51)の底部材(51b)が設けられ、この底部材(51b)の下側から、複数の気流導入管(58)先端が、底部材(51b)の各領域に均一に噴気できるようにバランスを取って設けられた噴気孔に挿入・封止されている。なお、図のこの例では、底部材(51b)は平底になっているが、本発明において底部材(51b)は、必ずしも平底でなくてよく、例えば図2に示される粉体流動槽のように、排出残粉体の取出容易性を考慮して、残存粉体取出孔に向って傾斜させたものであってもよい。
【0019】
計装部(59)は、粉体流の嵩密度を一定に制御するための流量計(59a)及び精密レギュレータ(59b)を有する。流量計(59a)は、複数の気流導入管(58)の管路に介在し、各管(58)の気流状態をモニタし、その結果に基いて、精密レギュレータ(59b)により、各管(59a)への気流導入状態を制御することができる。
トナー微粉砕及び分級前の材料は、先ず、トナー投入口(52)を通じて流動ドラム(51)の中に投入され、この粉体材料は、ドラム(51)の中で、気流導入管(58)を通じて導入される圧縮エアーによって浮遊懸濁して流動化され、粒子同士の付着や二次凝集の発生が抑えられながら吸上げ管(53)を通じて移送装置に吸引される。
【0020】
粉体重量を測定する方法としては、例えば、中間貯蔵部である粉体流動ドラム(槽)を台秤(50)で粉体重量を計測し、流動ドラムに装着させたレベル計(55)から容積を算出することができる。嵩密度の単位は、無論、g/ccである。
本発明における嵩密度は、粉体種・移送条件等によっても好ましい範囲は異なるので一概に云えないが、移送・分級時の嵩密の振れ幅が0.2g/cc未満の範囲に収まることが好ましく、0.1g/cc未満がより好ましく、0.05g/cc未満が特に好ましい。また粉面レベルは、光センサ等により検知することができる。
【0021】
[移送装置(複数のポンプ)]
本発明における移送装置(20)は、一次粒子化された中間貯蔵部としての粉体流動槽からの粉体を分級装置に移送するものであり、主要部は、図5に1例が示されるように、粉体を吸引移送する複数のポンプ(図5a参照)である。複数のポンプ手段は、それぞれ位相をずらした複数台のポンプ(21)により、粉体移送時の移送量の脈動を平準化したものである。このポンプ(吸引ポンプ)を中間貯蔵部と分散室の間に設けることにより、中間貯蔵部の粉体量変化に影響を受けることなく、分散室への粉体供給量を調節することができる。
【0022】
前記ポンプは、往復ポンプを改良して帯電性及び易溶融性確保のための各種工夫を施したトナーのような繊細な粉体に機械的ストレスを与え難いモバイル型ポンプであることがより好ましい。このようなモバイル型往復ポンプについては、特開2007−114745号公報、特開2007−25625号公報、特許第3549053号公報等によく説明されているが、粉体入口と出口が共にベローフラムより下に位置する。往復ポンプは、ピストンまたはプランジャの往復運動により、粉体を含む空気の吸引、吐出しを行なうものであり、脈流を生じる。いずれにしても移送量の脈流の平滑化のため、複数台の粉体ポンプを並列につなぎ、それぞれのポンプの位相をずらして脈動を平準化することが好ましく、ポンプの位相は等間隔(図5b参照)であることが好ましい。
【0023】
[圧縮空気噴出ノズル]
前記移送装置(20)は、上記のように、例えばスプレーガンのように、圧縮空気噴出ノズルから移送される粉体流に圧縮空気を噴出させて合体させ、さらに分散を促進させ、分級機へ移送するための圧縮空気噴出ノズル(22)を有していることが好ましい。
【0024】
この際、前記複数台のポンプの吐出側で分級機への材料供給管内へ材料を吐出する先端部分を、スプレーガンのように、圧縮空気と合流させて、更に分散を促進することができる。また、前記複数台のポンプの吐出側で分級機への材料供給管内へ材料を吐出する先端部分を、圧縮ヘリウムと合流させて、更に分散を促進することができる。
さらに、限りある資源活用と生産効率の向上(純正ヘリウムの使用量削減)のため、圧縮ヘリウム及び圧縮空気の混合気体と合流させると、良い結果が得られる。
【0025】
[気流式分級装置]
図6に1例が示されるように、本発明における気流式分級装置(40)は、この例においては、概略的には、上から下に向けて、分散室(2)、本体ケーシング(4)、分級室(6)、下部ケーシング(8)、ホッパー(10)から構成されている。分散室(2)には、その上部に流入口(12)が接続され、また、上端壁の中央部分に排気口(14)が接続されている。流入口(12)は、分散室(2)の外周面のほぼ接線方向に配置され、この流入口(12)を通じて一次空気流及び粉体材料が分散室(2)の中に供給される。分散室(2)の下には、中央部分が山高の円錐状のセンターコア(16)が配設されており、このセンターコア(16)の下方外周縁の近傍には環状の粗粉排出口(18)が形成されている。一方、分級室(6)の下部周壁の外周部分には、二次空気流入口すなわちルーバー(20)が設けられている。
【0026】
矢印の方向から供給された粉体材料は、一次空気流と共に流入口(12)を通じて分散室(2)の中に供給され、分散室(2)の中で旋回渦流を形成しながら下降しつつ分散室(2)の外周部分に集まって分級室(6)に入る。他方、一次空気流は排気口(14)を通じて外部に排出される。分級室(6)にはルーバー(20)を通じて二次空気流が供給され、この二次空気流によって分散室に入った粉体材料を分散させると共にその旋回速度が加速されて粗粒子と微粒子とに分けられ、粗粒子は粗粉排出口(18)を通じて排出され、微粒子は微粉排出口(24)を通じて排出される。
この例の気流式分級装置(1)での分級原理は、分級室(6)に流入する二次空気流が粉体材料を旋回状に半自由流動させる際に、この粉体材料中の粗粒子と微粒子に対して働く遠心力及び向心力が異なることを利用して分級するものである。したがって、分級室(6)では、できるだけ分散した状態で粗粒子と微粒子とに分級処理することが分級精度を向上する上で望ましく、このことから分散室(2)において確実なる分散を実現するためにも、分級装置(1)に供給される粉体材料の粒子状態が重要になる。
【0027】
本明細書では、遠心力効果を用いた気流式粉体分級装置にて、課題を解決するための手段で効果を得たことを具体例として説明しているが、圧縮空気を用いコアンダ効果を利用して、粉体を複数種の大きさに分級するエルボージェット、さらに、羽根車型の機械的遠心力分級機である、TSP;トナーセパレータや、TTSP;タンデムトナーセパレーターの風力分級装置においても適用可能である。
【0028】
[粉体貯蔵部]
再び図2の装置構成図に戻って、本発明の移送分級システム(方法及び装置)においては、粉体流動槽(10)の上流に粉体貯蔵部(9)を(不可欠ではないが)配置し、ここから例えば該貯蔵部(9)に付設するフィーダーにより、粉体流動槽(10)に被流動化粉体を排出することができ、さらにその際、排出路に気流噴射用のノズルを臨ませて、該被流動化粉体に空気を合流させることができる。そして、この粉体貯蔵部(9)は、粉体流動槽(10)の粉体重量叉は粉面が一定になるよう、該粉体貯蔵部(9)からの排出量を制御する手段を有している。
【実施例】
【0029】
以下、図面及び表に基づき、比較例及び実施例をあげて、本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
本発明を実施するのに適した電子写真トナーの製造装置構成例及び方法例(システム)を示す図3の装置を用いた一例を説明する。
この装置は、粉体流動槽(中間貯蔵部)、複数のポンプ、及び気流式分級機に供給するための圧縮空気噴出ノズルを有し、粉体流動槽により嵩密度を調節し流動化したトナーを、複数のポンプにより移送量の脈動を平準化し、圧縮空気噴出ノズルにより更に分散して、気流式分級機の先端部にノズルから注入する。被分級物は、高分散された状態で、製品粒径、粗粉、微粉の3種類に分級される。
【0030】
下記組成の混合物を溶融混練して冷却した後、粗粉砕して、平均粒径400μm前後の粗粉砕物を得た。この粗粉砕物を、粉砕機により2〜6μmに粉砕処理したものを、下記の分級システムにより、同条件で分級した。粉体流動槽から吸引され一定嵩密度状態の粉体を、特許第4335216号記載の往復運動ポンプにて移送量の脈動を平準化させ、定量を分級装置にて分級した。
[被粉砕混合物組成]
スチレンーアクリル共重合体 100重量部
カーボンブラック 10重量部
ポリプロピレン 5重量部
サリチル酸亜鉛 2重量部
【0031】
分級後のトナーを以下の方法により評価した。
[粒度分布の測定]
トナー粒子の粒度分布は、コールターカウンター法により測定することができ、測定装置としては、例えばコールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、各粒径のチャンネルの個数分布を測定し、得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
【0032】
[粉体流動化槽の粉体嵩密度の測定]
前記のように、粉体流動化槽の粉体嵩密度を算出する際、粉体重量を測定する手段としては、例えば、粉体流動化槽を台秤で粉体重量を計測し、粉体流動化槽に装着させたレベル計から容積を算出することができる。嵩密度の単位は、g/ccである。従来のスクリューフィーダーから切り出す場合に発生する、排出口にスクリューピッチ間にある時には、粉体が多量に供給され、その逆に排出口にスクリューピッチフレームが重なった場合には、粉体が少量で分級機へ投入した時には、空気割合が多くなり、供給バラツキが大きくなり分級が不安定になる。
【0033】
先に説明したように、本発明における流動化粉体の本発明における嵩密度は、粉体種・移送条件等によっても好ましい範囲は異なるので一概に云えないが、移送・分級時の嵩密の振れ幅が0.2g/cc未満の範囲に収まることが好ましく、0.1g/cc未満がより好ましく、0.05g/cc未満が特に好ましい。而して、表1中の嵩密度0.20〜0.25g/ccは一定範囲内であることを示し、0.15〜0.35g/ccは一定範囲外であることを示す。
【0034】
[粉体高さ、均一性の測定]
粉体高さは、光センサにより容易に測定される。嵩密度調整は、供給される粉体重量及び容積に基づき流動タンク底面から流動空気により、一定値をコントロールしている。
表1記載の均一性(中間層貯蔵部の粉体高さ均一性)測定方法も、前記内容と同様であり、評価基準は、嵩密度を、一定量の粉体を、分級機へ供給できるかの判断基準である。
均一性調整は、例えば、既に開発されているモバイルポンプにて粉体を移送させる。
また、圧縮空気及びヘリウムを上記説明した圧縮気体噴出ノズルより噴出させる際、一定量を分級機へ供給するために、吐出量を制御している。
【0035】
[トナーの水分含有量の測定]
トナーの水分含有量は、公知測定法により容易に測定できる。最も良い水分量は、相対湿度が、10%未満で、良い水分量の範囲は、10〜30%である。30%を超えると、好ましくない範囲となる。
【0036】
[分級後のトナーの脆性化の測定]
ここでは、ヘリウム含有率が、99%以上が最も好ましく、70〜99%で良好な範囲である。70%未満になると、好ましくなく、含有率が減少に比例して、効果が乏しくなっていく。
【0037】
[比較例1]
図2に示す、従来の気流式分級システムを用い、フィーダーから供給量20kg/hrで粉砕したトナーを流動化装置に供給し分級した。
なお、流動化装置内の嵩密度及び粉体面の高さ調整は行なわなかった。
粉体嵩密度は、0.15〜0.35g/ccであり、投入粉体に均一性がなくスクリューの回転により多量に投入されたり、少量に投入されたりの状態で、外気の水分を受けやすい雰囲気であり、相対湿度で、30%以上となっている。
得られたトナーの粒度分布を図7に示す。
この分級システムでは、ブロードな分布となってしまい、総合評価では悪かった。
【0038】
[比較例2]
図2に示す、従来の気流式分級システムを用い、フィーダーのピッチを狭めて比較例1よりも粉砕したトナーの供給量を安定化させ、供給量20kg/hrで粉砕したトナーを流動化装置に供給し分級した。
なお、流動化装置内の嵩密度及び粉体面の高さ調整は行なわなかった。
粉体嵩密度は、0.15〜0.35g/ccであり、投入粉体に均一性がなくスクリューの回転により多量に投入されたり、少量に投入されたりの状態で、外気の水分を受けやすい雰囲気であり、トナーの水分含有量は、相対湿度で、30%以上となっている。
得られたトナーの粒度分布を図7に示す。
この分級システムでは、ブロードな分布となってしまい、総合評価では悪かった。
フィーダーのピッチ調節では、トナーの供給量変動を防止できないことが分かる。
【実施例1】
【0039】
図3に示す、従来の気流式分級システムの流動装置と分級機の間に、粉体を一定して供給する移送装置及び圧縮気流噴出ノズルを設けた本発明の気流式分級システムを用い、供給量20kg/hrで粉砕したトナーを流動化装置に供給し分級した。
移送装置はポンプ台数を2台にし、材料供給管内に圧縮空気流して粉砕したトナーの供給量を安定化させた。
粉体嵩密度は、0.20〜0.25g/ccであり、投入粉体に均一性があり、流動ポンプにより、安定した投入状態になっており、圧縮空気は乾燥された空気であるため、トナーの水分含有量は、相対湿度で、10%未満となっている。
得られたトナーの粒度分布を図7に示す。
比較例1,2よりはシャープな分布ではあるが、トナーの供給量の安定化がまだ十分でなく、微粉(3μm以下)のカットは、比較例と比べ、やや良かった。
【実施例2】
【0040】
実施例1のポンプ台数を4台にするする他は、実施例1と同様にして分級を行った。
得られたトナーの粒度分布を図7に示す。
実施例1よりはシャープな分布であり、トナーの供給量の安定化が十分であることが分かる。微粉(3μm以下)のカットが、まだ不十分となる結果であり気流式分級装置に投入されるトナーの分散は、比較例と比べ、やや良かった。
【実施例3】
【0041】
流動化装置内の嵩密度及び粉体面の高さが一定になるよう調整し、材料供給管内に圧縮空気とヘリウム(70%)の混合気体を流す他は実施例2と同様にして分級を行った。
粉体嵩密度は、0.20〜0.25g/ccであり、投入粉体に均一性があり、流動ポンプにより、安定した投入状態になっており、ヘリウムは湿度が少ないため、トナーの水分含有量は、相対湿度で、10%未満となっている。
得られたトナーの粒度分布を図7に示す。
実施例2より、かなりシャープな分布であり、総合評価では良好であった。
これは、トナーの供給量の安定化は十分で、微粉(3μm以下)のカットも十分となる結果より、気流式分級装置に投入されるトナーの分散状態が、とても十分な状態であった。
【実施例4】
【0042】
材料供給管内に純度の高いヘリウムガス(99%)を流す他は実施例3と同様にして分級を行った。
粉体嵩密度は、0.20〜0.25g/ccであり、投入粉体に均一性があり、流動ポンプにより、安定した投入状態になっており、ヘリウムは湿度が少ないため、トナーの水分含有量は、相対湿度で、10%未満となっている。
得られたトナーの粒度分布を図7に示す。
実施例3より、とてもシャープな分布であり、総合評価では、最良であった。
これは、トナーの供給量の安定化は十分で、微粉(3μm以下)のカットも十分であり、気流式分級装置に投入されるトナーの分散状態がとても良好であることが分かる。
このような結果は、ヘリウムの純度が高いことによると考えられ、ヘリウムは空気(1.0)と比較して分子が小さく、密度は0.1785と空気の1/5.6、比重は0.138で空気の1/7.2である。
よって、ヘリウムガスは、きわめて微小な孔にも侵入可能であるため、トナーが凝集している部分に入り込み、分散性を向上させている。
一般的に、水素の脆性化は、知られているが、ヘリウムにも、脆性化することができ、トナー同士の付着や凝集を分解させることができ、分散性が良くなる。
さらに、ヘリウムには、除湿効果があり、水分の影響で、トナー同士の付着や凝集を分解させることができ、分散性が良くなる。
また、化学的に安定しており、人畜に無害であることも、扱いやすい気体といえる。
【0043】
【表1】

【符号の説明】
【0044】
図1について
1.気流式DS分級装置
2.分散室
4.本体ケーシング
6.分級室
8.下部ケーシング
10.ホッパー
12.流入口
14.排気口
16.センターコア
18粗粉排出口
20.ルーバー
22.フィーダ
24.微粉排出口

図2,図5について
1 気流式粉体移送分級装置
9 粉体貯蔵部
10 粉体流動化槽
20 移送装置
21 ポンプ
22 圧縮空気噴出ノズル
40 気流式分級装置

図3について
100.中間貯蔵部
102.スプリング
104.架台
106.振動モータ
108.容器
110.エアー導入管
112.メッシュ
114.フィルタ
116.排気管
118.粉体材料投入管
120.粉体材料の取出管

図4について
10 粉体流動槽
50 台秤
51 流動ドラム
52 トナー投入口
53 流動ドラム吸上げ管
54 エアー抜き管
55 レベル計
56 バルブ
57 濾布フィルター
51a 蓋部材
51b 底部材
58 気流導入管
59 計装部
59a 流量計
59b 精密レギュレータ

図6について
40 気流式分級装置
2 分散室
4 本体ケーシング
6 分級室
8 下部ケーシング
10 ホッパー
12 流入口
14 排気口
16 センターコア
18 粗粉排出口
20 二次空気流入口(ルーバー)
24 微粉排出口
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開平 8−57424号公報
【特許文献2】特開平 5−303230号公報
【特許文献3】特開平 6−296935号公報
【特許文献4】実開平 3−102282号公報
【特許文献5】実開昭62−79582号公報
【特許文献6】実開平 6−52970号公報
【特許文献7】特開平11−197606号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を流動化させるための空気放出機構を底部に有する粉体流動化槽と、粉体を粗粒子と微粒子に分離させる気流式分級装置と、前記粉体流動化槽から前記気流式分級装置へ該粉体を供給するための移送装置と、を備え、前記粉体流動化槽は、流動化した粉体粉体の嵩密度が一定となるように制御する嵩密度制御手段を有し、かつ前記移送装置は、それぞれ位相をずらした複数台のポンプにより、粉体移送時の移送量の脈動を平準化したものであることを特徴とする粉体移送・分級装置。
【請求項2】
前記嵩密度制御手段は、前記粉体流動化槽内の粉体重量計測装置及び粉面レベル計測装置を有することを特徴とする請求項1に記載の粉体移送・分級装置。
【請求項3】
前記粉体がトナーである、請求項1又は2に記載の粉体移送・分級装置。
【請求項4】
前記粉体流動化槽に粉体を排出する粉体貯蔵部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粉体移送・分級装置。
【請求項5】
前記粉体流動化槽から前記気流式分級装置へ供給される粉体流に圧縮気体流を噴出して合流させ、粉体の分散を促進する圧縮気体噴射手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の粉体移送・分級装置。
【請求項6】
前記圧縮気体流の気体はヘリウム叉はヘリウムと空気の混合気体であることを特徴とする請求項5に記載の粉体移送・分級装置。
【請求項7】
前記気流式分級装置は、分散室と分級室を備え、前記分散室に、一次気流と共に供給された前記粉体を、該分級室の周囲から流入した二次空気流によって粗粒子と微粒子とに分離させるものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の粉体移送・分級装置。
【請求項8】
底部の気体放出機構から気体を放出して粉体流動化槽内の粉体を流動化させる粉体流動化工程と、流動化された該粉体を前記流動化槽から気流式分級装置へ供給する流動化された粉体の移送工程と、前記気流式分級装置で粉体を粗粒子と微粒子に分離させる粉体分級工程とを有する粉体移送・分級方法であって、前記粉体流動化槽内での粉体流動化工程は、流動化した粉体の嵩密度が一定となるように制御する嵩密度制御操作を含むものであり、かつ、前記粉体の移送工程は、それぞれ位相をずらした複数台のポンプにより、粉体移送量の脈動を平準化するものであることを特徴とする粉体移送・分級方法。
【請求項9】
前記粉体流動化槽から前記気流式分級装置へ供給される粉体流に、圧縮気体噴射手段から圧縮気体流を噴出して合流させ、粉体の分散を促進する工程をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の粉体移送・分級方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−136781(P2011−136781A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296897(P2009−296897)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】