粉粒体散布機
【課題】粉粒体散布機に搭載されるホッパーにおいて、該ホッパー内の吐出口付近での粉粒体の空洞化を防ぎ、散布効率を向上させる。
【解決手段】機体2を人力により押すことによって回転する車輪11を設け、前記機体2に、粉粒体を収納するホッパー3を備え、該ホッパー3の下部にホッパー3内の粉粒体を排出する吐出口3dを設け、該吐出口3dの上部におけるホッパー3内に回転体25を設け、更に、前記回転体25の上部におけるホッパー3内に攪拌部材27を設け、前記回転体25と攪拌部材27を、前記車輪11の回転を駆動源として駆動させるようにする。
【解決手段】機体2を人力により押すことによって回転する車輪11を設け、前記機体2に、粉粒体を収納するホッパー3を備え、該ホッパー3の下部にホッパー3内の粉粒体を排出する吐出口3dを設け、該吐出口3dの上部におけるホッパー3内に回転体25を設け、更に、前記回転体25の上部におけるホッパー3内に攪拌部材27を設け、前記回転体25と攪拌部材27を、前記車輪11の回転を駆動源として駆動させるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粉粒体散布機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、畜産場では、鳥インフルエンザ等の感染防止策として、鶏舎内の通路や、鶏舎周辺、及び周辺の道路、敷地などにおいて消石灰(生石灰)の散布による消毒が行われている。
【0003】
前記散布作業を効率良く行うためには、農場等の肥料散布にも使用できる粉粒体散布機が用いられ、このような粉粒体散布機として、従来、消石灰(生石灰)や肥料等の粉粒体を、下方が縮小するホッパー内に投入し、ホッパーの底部に設けられた吐出口から粉粒体を、吐出口付近に設けられたアジテーターやブラシ等の回転体によって、外部へかき出すようにして地面に散布させる方法が開示されている。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2007−215523
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、鶏舎内通路などの幅の狭い通路内での散布消毒においては、小型で安価な散布機が要望されるが、散布機を小型にするとホッパーの下部横断面が縮小することから、ホッパー内の底部に回転体のみを設けるものにおいては、その回転体の上部の粉粒体がブリッジ状となって空洞部が生じ、粉粒体が吐出口より落下しない場合がある。そのため、使用者はその都度粉粒体を攪拌する必要があった。
【0005】
そこで本発明は、小型で粉粒体の散布が良好で、かつ安価な粉粒体散布機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、機体を人力により押すことによって回転する車輪を設け、前記機体に、粉粒体を収納するホッパーを備え、該ホッパーの下部にホッパー内の粉粒体を排出する吐出口を設け、該吐出口の上部におけるホッパー内に回転体を設け、更に、前記回転体の上部におけるホッパー内に攪拌部材を設け、前記回転体と攪拌部材を、前記車輪の回転を駆動源として駆動させるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記車輪と攪拌部材との間の回転伝達部にクラッチ機構を設け、該クラッチ機構の操作により前記の車輪と攪拌部材との連動状態と非連動状態とに切替えるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記車輪の回転により回転する回転軸に第1歯車を設け、前記攪拌部材の回転軸に第3歯車を設け、これら第1歯車と第3歯車間に第2歯車を設け、前記第2歯車を、前記第1歯車と第3歯車に噛合する連動状態と、第1歯車と第3歯車から離間する非連動状態に切替えるようにして前記クラッチ機構を構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、ホッパー内における吐出口の回転体の上部において攪拌部材を設けたことにより、回転体の上部の粉粒体が攪拌され、該粉粒体によるブリッジ状態の発生を防止し、ホッパー内の全ての粉粒体を吐出口から良好に排出することができる。
【0010】
また、人力による車輪の回動を駆動源として前記回転体と前記攪拌部材を回転するようにしたので、内燃機関やモーターなどの駆動手段も必要なく、安価な構成で効率的な攪拌、吐出効果を発揮することができる。
【0011】
請求項2及び3記載の発明によれば、攪拌部材の回転の伝達を解除するクラッチ機構を設けたので、散布作業時以外の散布機の移動時にクラッチ機構により前記の伝達を解除することにより、攪拌部材の回転による負荷をなくし、散布機の人力による移動を楽にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1の散布機を示す側面図。
【図2】図1の上面図。
【図3】図1の後方から見た図。
【図4】図1におけるE−E線断面図。
【図5】図4におけるF−F線から見た図。
【図6】図4におけるG−G線から見た図。
【図7】本発明の実施例2を示すもので、図4と同一部での断面図。
【図8】図7におけるH−H線から見た図。
【図9】(a)は本発明の実施例2におけるクラッチ部の連結状態を示す側面図。(b)は(a)のJ−J側面図。
【図10】(a)は本発明の実施例2におけるクラッチ部の切離状態を示す側面図。(b)は(a)のK−K線断面図。
【図11】図9,10のクラッチ部の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
図1〜図6は本発明の実施例1を示す。
【0014】
図1に示すように、本発明の粉粒体散布機1は、概ね、機体2と、粉粒体を収納するホッパー3と、水を蓄える水タンク4とからなる。
【0015】
機体2は、両側部と前部を構成するフレーム6と、該フレーム6の両側部の後部を連結する後フレーム6aと、水タンク4を搭載する受台6bと、フレーム6に備えた前車輪7とで構成されている。なお、図において、Aを前側、Bを後側、Cを左側、Dを右側とする。
【0016】
機体2における、後フレーム6aには挿通管6cが固設され、該挿通管6cにハンドル8が上下方向に摺動可能で、かつ、ナット6dにより固定されて保持されている。
【0017】
受台6bには、水タンク4が載置されており、図2,3に示すように、該水タンク4から、途中に散水コック10を介して機体2の後部に備えた散水ノズル9まで配管されている。これにより水タンク4内の水は、散水コック10の開操作により散水ノズル9の散水口から地面に散水される。
【0018】
機体2の中央部には、後車輪11を備えたホッパー3が配置され、該ホッパー3の左右側面に固設された逆L型の支承板12,12の鍔部12a,12aを、前記機体2のフレーム6,6に連結することによって、前車輪7を備えた機体2と、後車輪11を備えたホッパー3が、一体となり散布機1を構成している。
【0019】
ホッパー3は上部が開口し、該開口部は蓋体3aにより開閉可能に閉塞されている。更に、ホッパー3の下部は図5,6に示すように、前後側板3b,3cが内側に向って傾斜して形成され、ホッパー3内が下方に至るほど狭くなるように構成されている。
【0020】
ホッパー3の最下面には、その左右方向の全長に亘って吐出口3dが開口形成され、該吐出口3dの下側外部には、その左右方向全長に亘ってシャッター3eが設けられており、該シャッター3eは散布機1の前後方向A−Bにおいて摺動可能に設けられている。該シャッター3eには、前側にスリット部3fが開口形成され、後側に閉塞部3gが設けられている。
【0021】
機体2の後端には図1に示すように操作部3hが設けられ、該操作部3hと前記シャッター3e間が連動部材3iで連結され、操作部3hの前後操作によって、シャッター3eを前後方向に変位させることで吐出口3dを開閉させることができるようになっている。
【0022】
また、図4に示すように、ホッパー3の下部左右両側面には、前記のように支承板12,12がボルト,ナット12dによって固設され、該支承板12,12の上端には、フレーム6,6を支承する鍔部12a,12aが、ホッパー3の左右壁面より外側へ向かうように突出している。そして、前記鍔部12a,12aにフレーム6,6を載置し、クランプ12eにより鍔部12aとフレーム6とを固定している。
【0023】
支承板12,12の取付部12b,12bには、後述する回転軸24及び第1〜第3歯車21,22,23を回転可能に取り付ける軸孔15,16,17が形成されている。
【0024】
前記支承板12の取付部12b,12bの軸孔15,16,17のうち、最下部の軸孔15には、回転軸24が、ホッパー3の下部において、ホッパー3の左右壁面を貫通して回転可能に配置され、その回転軸24は車軸20とし、これに後車輪11が設けられている。これにより、後車輪11と車軸20と回転軸24が一体に回転する。
【0025】
ホッパー3内の回転軸24には、回転体であるロールブラシ25が巻設され、後車輪11の回転と連動して該ロールブラシ25も回転し、ホッパー3内の粉粒体を吐出口3dからかき出すように排出することができる。
【0026】
また、回転軸24の一方側には、後車輪11とホッパー3との間に位置して、前記第1歯車21が回転軸24と同軸に固設され、後車輪11の回転により第1歯車21が同芯上で連動して回転する。
【0027】
該第1歯車21の上方には、第2歯車22が前記中央の軸孔16に設けた固定の支軸29により回転可能に備えられ、更に、第2歯車22の上部には第3歯車23が、前記上部の軸孔17に回転可能に設けられた回転軸26に固着して設けられている。なお、これら歯車21,22,23は、第1歯車21と第3歯車23との間に第2歯車22が介在して噛み合い連動するように配置されている。
【0028】
前記回転軸26は、前記ホッパー3内における回転体であるロールブラシ25の上部において左右方向に架設されている。
【0029】
該回転軸26の一方の端部である右端部は、ホッパー3の右壁と、前記右側の支持板12における上部の軸孔17を通じて回転可能に支持されてその右端部に第3歯車23が固設され、他方の端部である左端部は、ホッパー3の左壁と、左側の支持板12における上部の軸孔17を貫通して回転可能に設置されている。
【0030】
また、ホッパー3内の回転軸26には、攪拌部材27を構成する3本の攪拌棒27a,27a,27aが回転軸26の軸方向と交差する方向に固設され、これらはホッパー3内における両端付近と中央に位置してそれぞれ固設されている。
【0031】
該攪拌棒27aは、棒状でも、先端が屈曲したL字状でもよく、攪拌に適した形状のものを用いる。
【0032】
これらの構成から、作業者がハンドル8により人力で散布機1を押して駆動させると、後車輪11が回転して第1歯車21が連動回転し、更に、その回動が第2歯車22を通じて第3歯車23に伝達され、回転軸26が回転することにより、攪拌部材27を構成する攪拌棒27a,27a,27aが回転軸26を軸としてホッパー3内で回転するようになっている。
【0033】
次に使用状態について説明する。
本実施例1の散布機1の使用時には、まず、水タンク4内に水を貯留し、ホッパー3内に消石灰等の粉粒体を収納し、散布場所まで散布機1を移動させたのち、散布開始位置において、散水コック10とシャッター3eを開状態にする。
【0034】
そして、人力により散布機1の機体2を前方へ押出すと、後車輪11が回転し、その回転に追従して回転軸24が回転し、回転体25が回転することにより、ホッパー3内の粉粒体が、吐出口3dからかき出されて排出され地面に落下する。その後、散布機1において吐出口3dよりも後方に配置された散水ノズル9から水が散水され、前記の地表に散布された粉粒体上に水が散水され、粉粒体を地面に定着させる。
【0035】
ところで、前記攪拌部材27を有しない構造において前記の散布を続けると、ホッパー3内では回転体であるロールブラシ25の上部周辺の粉粒体がブリッジ状態となって、ロールブラシ25を中心に空洞化が起こり、粉粒体が排出できなくなる。
【0036】
これに対し、本発明によれば、回転体であるロールブラシ25の上部において攪拌部材27を設けて、これを散布機1の移動とともに回転し、粉粒体を攪拌するようにしたことにより、ロールブラシ25の上部で、前記のような粉粒体がブリッジ状態となることを防止し、ホッパー3内の全ての粉粒体を吐出口3dから排出することができる。
【0037】
また、後車輪11の回動を前記回転体25と攪拌部材27に伝達して、人力による車輪11の回転を駆動源として回転体25と攪拌部材27を回転するようにしたことで、内燃機関やモーターなどの駆動手段を用いることなく粉粒体を攪拌、吐出でき、モーター等の駆動手段を用いるものに対し、安価な構成で確実な攪拌、吐出効果を発揮することができる。
【0038】
また、前記粉粒体空洞化は、ホッパー形状が下方に行くほど狭い形状において、ホッパーの小型化によりホッパーの横断面積が小さいほど生じ易くなる。
【0039】
本発明は、前記のように、攪拌部材27を設けて前記回転体25の上部の粉粒体を攪拌し粉粒体の空洞化を防止できるため、ホッパーの横断面積が小さい小型の散布機においても、良好な散布ができる。例えば、小規模な鶏舎の通路など、従来の大型散布機の使用が不向きな狭い場所で使用する小型散布機において、特に有効となる。
[実施例2]
図7〜図11は本発明の実施例2を示す。
【0040】
本実施例2は、前記実施例1の散布機1にクラッチ機構30を設けて、前記攪拌機能の使用と不使用の切替を可能としたものである。このクラッチ機構30以外の構成は、実施例1との同様であるため、前記と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0041】
本実施例2の散布機1は、図7,8に示すように、前記実施例1における第2歯車22にクラッチ機構30を付加している。
【0042】
図7は前記図4と同一部分、図8は、前記図6と同一部分での図であり、図9〜図11は、クラッチ機構を備えた歯車部の詳細を示す側面図と断面図と斜視図である。
【0043】
該クラッチ機構30は、図9に示すように、固定の支軸29とスプリング32と第2歯車22と操作レバー33とからなる。
【0044】
前記支軸29は、その一方がホッパー3の右側の壁面と支承板12の前記中央の軸孔16に挿通して回転不能に固設されており、他方がホッパー3の外側に所定長突出され、その突出した先端部には、棒状のシャフトピン31が支軸29の中央を貫通するように支軸29と直交して固設されている。
【0045】
前記支軸29には、第2歯車22が、支軸29を軸芯として回転可能に、かつ、支軸29の軸方向へ摺動可能に嵌合して備えられ、該第2歯車22と支承板12との間には、第2歯車22をホッパー3の外側方向へ付勢する付勢手段であるスプリング32が支軸29の外周において巻装されている。
【0046】
また、前記支軸29における第2歯車22の外側、すなわち、スプリング32と反対の側の部分には、操作レバー33が嵌着されている。
【0047】
該操作レバー33における外側面には、前記支軸29が貫通する円筒状の嵌合部34が、ホッパー3の外側に向かって一体に突設されており、操作レバー33と嵌合部34が支軸29に回転可能に、かつ、軸方向に摺動可能に嵌合されている。前記嵌合部34の先端面35には前記支軸29のシャフトピン31が当接するようになっている。
【0048】
また、図11に示すように、円筒状の嵌合部34には、その壁部を内外方向に貫通するレバーピン溝36が、嵌合部34の先端面35からレバー33の表側面まで形成されている。
【0049】
該レバーピン溝36は、嵌合部34の周方向に180度離れて2個形成されている。更に、嵌合部36の先端面35には、前記レバーピン溝36に対して周方向に位相して、シャフトピン31が嵌合する凹部37が形成されている。
【0050】
該凹部37は周方向に180度離れて2個形成されている。更に、前記レバーピン溝36の溝幅は前記シャフトピン31が遊嵌する幅に設定され、更に、該レバーピン溝36の軸方向長L1(厳密には前記凹部37の深さを減じた長さ)は、第2歯車22の図9(b)の噛合状態から図10(b)の非噛合状態への移動長と同等に設定されている。
【0051】
前記の構成により、第2歯車22と操作レバー33は、スプリング32によって同時にホッパー3の外側へ向かって付勢されており、図9の状態では、シャフトピン31が凹部37に係止し、前記第2歯車22が第1,第3歯車21,23の円周部に位置して噛合し、図10の状態では、シャフトピン31がシャフトピン溝36に嵌入し、スプリング32の付勢力により第2歯車22と操作レバー23が、他の歯車21,23の外周部からホッパー3の外側方向に押出されて、第2歯車22が他の歯車21,23と非噛合状態となる。
【0052】
次に使用状態について説明する。
本実施例2の散布機1は、まず、実施例1と同様にホッパー3内に粉粒体を収納し、水タンク4内に水を貯留する。また、散水コック10を閉め、シャッター3eを閉じる。
【0053】
その後、散布場所へ散布機1を移動させるに際し、図10のように、操作レバー33を下方へ回動し、凹部37に係止していたシャフトピン31をレバーピン溝36に位置させる。
【0054】
これにより、スプリング32の付勢力により、シャフトピン31がレバーピン溝30内に入り、第2歯車22と操作レバー33がホッパー3の外側方向にレバーピン溝36の長さ分移動して第2歯車22が、第1,第3歯車21,23と離間し、第1歯車21の回転が第3歯車23に伝達されなくなる。そのため、散布機1を移動させるに際しては、攪拌棒27aは回転せず、散布機1の移動の人力が少なくてよく、移動が楽に行える。すなわち、散布機1の移動時にも、攪拌棒が回転すると、粉粒体によって攪拌棒の回転抵抗が大きくなり、散布機1の移動が重くなるが、本実施例では、前記のように楽に行える。
【0055】
次に、散布場所に到着した際には、図9のように、操作レバー33を、第2歯車22とともにスプリング32の付勢力に抗してホッパー3側へ押圧移動してシャフトピン31をレバーピン溝36から外し、その後、操作レバー33を上方へ回動し、凹部37にシャフトピン31を嵌合係止させる。
【0056】
これにより、スプリング32が収縮して、第2歯車22が他の歯車21,23の外周部に位置して相互に噛み合い、後車輪11の回動を各歯車21〜23を介して攪拌部材27に伝達できるようになる。
【0057】
そして、散水コック10、シャッター3eを開き、前記実施例1と同様に、人力で機体2を押して散布機1を移動し、粉粒体の散布と水の散水を行う。
【0058】
なお、上方に回動したレバー33の凹部37は、スプリング32の付勢力によってシャフトピン31に圧着されるため、操作レバー33の回動位置が保持され、重力や機体の振動等によって操作レバー33が不用意に下方へ落下回動することがない。
【0059】
以上のことから、本実施例2では、人力を駆動源とする攪拌機能を備えた散布機において、前記実施例と同様の効果を発揮するとともに、攪拌部材の回転による負荷を解除するクラッチ機構を備えたことで、散布作業時以外の散布機の人力による移動を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0060】
1 散布機
2 機体
3 ホッパー
3d 吐出口
11 車輪
30(22,32,33) クラッチ機構
21,22,23 歯車
25 回転体
27 攪拌部材
【技術分野】
【0001】
本発明は粉粒体散布機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、畜産場では、鳥インフルエンザ等の感染防止策として、鶏舎内の通路や、鶏舎周辺、及び周辺の道路、敷地などにおいて消石灰(生石灰)の散布による消毒が行われている。
【0003】
前記散布作業を効率良く行うためには、農場等の肥料散布にも使用できる粉粒体散布機が用いられ、このような粉粒体散布機として、従来、消石灰(生石灰)や肥料等の粉粒体を、下方が縮小するホッパー内に投入し、ホッパーの底部に設けられた吐出口から粉粒体を、吐出口付近に設けられたアジテーターやブラシ等の回転体によって、外部へかき出すようにして地面に散布させる方法が開示されている。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2007−215523
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、鶏舎内通路などの幅の狭い通路内での散布消毒においては、小型で安価な散布機が要望されるが、散布機を小型にするとホッパーの下部横断面が縮小することから、ホッパー内の底部に回転体のみを設けるものにおいては、その回転体の上部の粉粒体がブリッジ状となって空洞部が生じ、粉粒体が吐出口より落下しない場合がある。そのため、使用者はその都度粉粒体を攪拌する必要があった。
【0005】
そこで本発明は、小型で粉粒体の散布が良好で、かつ安価な粉粒体散布機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、機体を人力により押すことによって回転する車輪を設け、前記機体に、粉粒体を収納するホッパーを備え、該ホッパーの下部にホッパー内の粉粒体を排出する吐出口を設け、該吐出口の上部におけるホッパー内に回転体を設け、更に、前記回転体の上部におけるホッパー内に攪拌部材を設け、前記回転体と攪拌部材を、前記車輪の回転を駆動源として駆動させるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記車輪と攪拌部材との間の回転伝達部にクラッチ機構を設け、該クラッチ機構の操作により前記の車輪と攪拌部材との連動状態と非連動状態とに切替えるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記車輪の回転により回転する回転軸に第1歯車を設け、前記攪拌部材の回転軸に第3歯車を設け、これら第1歯車と第3歯車間に第2歯車を設け、前記第2歯車を、前記第1歯車と第3歯車に噛合する連動状態と、第1歯車と第3歯車から離間する非連動状態に切替えるようにして前記クラッチ機構を構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、ホッパー内における吐出口の回転体の上部において攪拌部材を設けたことにより、回転体の上部の粉粒体が攪拌され、該粉粒体によるブリッジ状態の発生を防止し、ホッパー内の全ての粉粒体を吐出口から良好に排出することができる。
【0010】
また、人力による車輪の回動を駆動源として前記回転体と前記攪拌部材を回転するようにしたので、内燃機関やモーターなどの駆動手段も必要なく、安価な構成で効率的な攪拌、吐出効果を発揮することができる。
【0011】
請求項2及び3記載の発明によれば、攪拌部材の回転の伝達を解除するクラッチ機構を設けたので、散布作業時以外の散布機の移動時にクラッチ機構により前記の伝達を解除することにより、攪拌部材の回転による負荷をなくし、散布機の人力による移動を楽にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1の散布機を示す側面図。
【図2】図1の上面図。
【図3】図1の後方から見た図。
【図4】図1におけるE−E線断面図。
【図5】図4におけるF−F線から見た図。
【図6】図4におけるG−G線から見た図。
【図7】本発明の実施例2を示すもので、図4と同一部での断面図。
【図8】図7におけるH−H線から見た図。
【図9】(a)は本発明の実施例2におけるクラッチ部の連結状態を示す側面図。(b)は(a)のJ−J側面図。
【図10】(a)は本発明の実施例2におけるクラッチ部の切離状態を示す側面図。(b)は(a)のK−K線断面図。
【図11】図9,10のクラッチ部の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
図1〜図6は本発明の実施例1を示す。
【0014】
図1に示すように、本発明の粉粒体散布機1は、概ね、機体2と、粉粒体を収納するホッパー3と、水を蓄える水タンク4とからなる。
【0015】
機体2は、両側部と前部を構成するフレーム6と、該フレーム6の両側部の後部を連結する後フレーム6aと、水タンク4を搭載する受台6bと、フレーム6に備えた前車輪7とで構成されている。なお、図において、Aを前側、Bを後側、Cを左側、Dを右側とする。
【0016】
機体2における、後フレーム6aには挿通管6cが固設され、該挿通管6cにハンドル8が上下方向に摺動可能で、かつ、ナット6dにより固定されて保持されている。
【0017】
受台6bには、水タンク4が載置されており、図2,3に示すように、該水タンク4から、途中に散水コック10を介して機体2の後部に備えた散水ノズル9まで配管されている。これにより水タンク4内の水は、散水コック10の開操作により散水ノズル9の散水口から地面に散水される。
【0018】
機体2の中央部には、後車輪11を備えたホッパー3が配置され、該ホッパー3の左右側面に固設された逆L型の支承板12,12の鍔部12a,12aを、前記機体2のフレーム6,6に連結することによって、前車輪7を備えた機体2と、後車輪11を備えたホッパー3が、一体となり散布機1を構成している。
【0019】
ホッパー3は上部が開口し、該開口部は蓋体3aにより開閉可能に閉塞されている。更に、ホッパー3の下部は図5,6に示すように、前後側板3b,3cが内側に向って傾斜して形成され、ホッパー3内が下方に至るほど狭くなるように構成されている。
【0020】
ホッパー3の最下面には、その左右方向の全長に亘って吐出口3dが開口形成され、該吐出口3dの下側外部には、その左右方向全長に亘ってシャッター3eが設けられており、該シャッター3eは散布機1の前後方向A−Bにおいて摺動可能に設けられている。該シャッター3eには、前側にスリット部3fが開口形成され、後側に閉塞部3gが設けられている。
【0021】
機体2の後端には図1に示すように操作部3hが設けられ、該操作部3hと前記シャッター3e間が連動部材3iで連結され、操作部3hの前後操作によって、シャッター3eを前後方向に変位させることで吐出口3dを開閉させることができるようになっている。
【0022】
また、図4に示すように、ホッパー3の下部左右両側面には、前記のように支承板12,12がボルト,ナット12dによって固設され、該支承板12,12の上端には、フレーム6,6を支承する鍔部12a,12aが、ホッパー3の左右壁面より外側へ向かうように突出している。そして、前記鍔部12a,12aにフレーム6,6を載置し、クランプ12eにより鍔部12aとフレーム6とを固定している。
【0023】
支承板12,12の取付部12b,12bには、後述する回転軸24及び第1〜第3歯車21,22,23を回転可能に取り付ける軸孔15,16,17が形成されている。
【0024】
前記支承板12の取付部12b,12bの軸孔15,16,17のうち、最下部の軸孔15には、回転軸24が、ホッパー3の下部において、ホッパー3の左右壁面を貫通して回転可能に配置され、その回転軸24は車軸20とし、これに後車輪11が設けられている。これにより、後車輪11と車軸20と回転軸24が一体に回転する。
【0025】
ホッパー3内の回転軸24には、回転体であるロールブラシ25が巻設され、後車輪11の回転と連動して該ロールブラシ25も回転し、ホッパー3内の粉粒体を吐出口3dからかき出すように排出することができる。
【0026】
また、回転軸24の一方側には、後車輪11とホッパー3との間に位置して、前記第1歯車21が回転軸24と同軸に固設され、後車輪11の回転により第1歯車21が同芯上で連動して回転する。
【0027】
該第1歯車21の上方には、第2歯車22が前記中央の軸孔16に設けた固定の支軸29により回転可能に備えられ、更に、第2歯車22の上部には第3歯車23が、前記上部の軸孔17に回転可能に設けられた回転軸26に固着して設けられている。なお、これら歯車21,22,23は、第1歯車21と第3歯車23との間に第2歯車22が介在して噛み合い連動するように配置されている。
【0028】
前記回転軸26は、前記ホッパー3内における回転体であるロールブラシ25の上部において左右方向に架設されている。
【0029】
該回転軸26の一方の端部である右端部は、ホッパー3の右壁と、前記右側の支持板12における上部の軸孔17を通じて回転可能に支持されてその右端部に第3歯車23が固設され、他方の端部である左端部は、ホッパー3の左壁と、左側の支持板12における上部の軸孔17を貫通して回転可能に設置されている。
【0030】
また、ホッパー3内の回転軸26には、攪拌部材27を構成する3本の攪拌棒27a,27a,27aが回転軸26の軸方向と交差する方向に固設され、これらはホッパー3内における両端付近と中央に位置してそれぞれ固設されている。
【0031】
該攪拌棒27aは、棒状でも、先端が屈曲したL字状でもよく、攪拌に適した形状のものを用いる。
【0032】
これらの構成から、作業者がハンドル8により人力で散布機1を押して駆動させると、後車輪11が回転して第1歯車21が連動回転し、更に、その回動が第2歯車22を通じて第3歯車23に伝達され、回転軸26が回転することにより、攪拌部材27を構成する攪拌棒27a,27a,27aが回転軸26を軸としてホッパー3内で回転するようになっている。
【0033】
次に使用状態について説明する。
本実施例1の散布機1の使用時には、まず、水タンク4内に水を貯留し、ホッパー3内に消石灰等の粉粒体を収納し、散布場所まで散布機1を移動させたのち、散布開始位置において、散水コック10とシャッター3eを開状態にする。
【0034】
そして、人力により散布機1の機体2を前方へ押出すと、後車輪11が回転し、その回転に追従して回転軸24が回転し、回転体25が回転することにより、ホッパー3内の粉粒体が、吐出口3dからかき出されて排出され地面に落下する。その後、散布機1において吐出口3dよりも後方に配置された散水ノズル9から水が散水され、前記の地表に散布された粉粒体上に水が散水され、粉粒体を地面に定着させる。
【0035】
ところで、前記攪拌部材27を有しない構造において前記の散布を続けると、ホッパー3内では回転体であるロールブラシ25の上部周辺の粉粒体がブリッジ状態となって、ロールブラシ25を中心に空洞化が起こり、粉粒体が排出できなくなる。
【0036】
これに対し、本発明によれば、回転体であるロールブラシ25の上部において攪拌部材27を設けて、これを散布機1の移動とともに回転し、粉粒体を攪拌するようにしたことにより、ロールブラシ25の上部で、前記のような粉粒体がブリッジ状態となることを防止し、ホッパー3内の全ての粉粒体を吐出口3dから排出することができる。
【0037】
また、後車輪11の回動を前記回転体25と攪拌部材27に伝達して、人力による車輪11の回転を駆動源として回転体25と攪拌部材27を回転するようにしたことで、内燃機関やモーターなどの駆動手段を用いることなく粉粒体を攪拌、吐出でき、モーター等の駆動手段を用いるものに対し、安価な構成で確実な攪拌、吐出効果を発揮することができる。
【0038】
また、前記粉粒体空洞化は、ホッパー形状が下方に行くほど狭い形状において、ホッパーの小型化によりホッパーの横断面積が小さいほど生じ易くなる。
【0039】
本発明は、前記のように、攪拌部材27を設けて前記回転体25の上部の粉粒体を攪拌し粉粒体の空洞化を防止できるため、ホッパーの横断面積が小さい小型の散布機においても、良好な散布ができる。例えば、小規模な鶏舎の通路など、従来の大型散布機の使用が不向きな狭い場所で使用する小型散布機において、特に有効となる。
[実施例2]
図7〜図11は本発明の実施例2を示す。
【0040】
本実施例2は、前記実施例1の散布機1にクラッチ機構30を設けて、前記攪拌機能の使用と不使用の切替を可能としたものである。このクラッチ機構30以外の構成は、実施例1との同様であるため、前記と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0041】
本実施例2の散布機1は、図7,8に示すように、前記実施例1における第2歯車22にクラッチ機構30を付加している。
【0042】
図7は前記図4と同一部分、図8は、前記図6と同一部分での図であり、図9〜図11は、クラッチ機構を備えた歯車部の詳細を示す側面図と断面図と斜視図である。
【0043】
該クラッチ機構30は、図9に示すように、固定の支軸29とスプリング32と第2歯車22と操作レバー33とからなる。
【0044】
前記支軸29は、その一方がホッパー3の右側の壁面と支承板12の前記中央の軸孔16に挿通して回転不能に固設されており、他方がホッパー3の外側に所定長突出され、その突出した先端部には、棒状のシャフトピン31が支軸29の中央を貫通するように支軸29と直交して固設されている。
【0045】
前記支軸29には、第2歯車22が、支軸29を軸芯として回転可能に、かつ、支軸29の軸方向へ摺動可能に嵌合して備えられ、該第2歯車22と支承板12との間には、第2歯車22をホッパー3の外側方向へ付勢する付勢手段であるスプリング32が支軸29の外周において巻装されている。
【0046】
また、前記支軸29における第2歯車22の外側、すなわち、スプリング32と反対の側の部分には、操作レバー33が嵌着されている。
【0047】
該操作レバー33における外側面には、前記支軸29が貫通する円筒状の嵌合部34が、ホッパー3の外側に向かって一体に突設されており、操作レバー33と嵌合部34が支軸29に回転可能に、かつ、軸方向に摺動可能に嵌合されている。前記嵌合部34の先端面35には前記支軸29のシャフトピン31が当接するようになっている。
【0048】
また、図11に示すように、円筒状の嵌合部34には、その壁部を内外方向に貫通するレバーピン溝36が、嵌合部34の先端面35からレバー33の表側面まで形成されている。
【0049】
該レバーピン溝36は、嵌合部34の周方向に180度離れて2個形成されている。更に、嵌合部36の先端面35には、前記レバーピン溝36に対して周方向に位相して、シャフトピン31が嵌合する凹部37が形成されている。
【0050】
該凹部37は周方向に180度離れて2個形成されている。更に、前記レバーピン溝36の溝幅は前記シャフトピン31が遊嵌する幅に設定され、更に、該レバーピン溝36の軸方向長L1(厳密には前記凹部37の深さを減じた長さ)は、第2歯車22の図9(b)の噛合状態から図10(b)の非噛合状態への移動長と同等に設定されている。
【0051】
前記の構成により、第2歯車22と操作レバー33は、スプリング32によって同時にホッパー3の外側へ向かって付勢されており、図9の状態では、シャフトピン31が凹部37に係止し、前記第2歯車22が第1,第3歯車21,23の円周部に位置して噛合し、図10の状態では、シャフトピン31がシャフトピン溝36に嵌入し、スプリング32の付勢力により第2歯車22と操作レバー23が、他の歯車21,23の外周部からホッパー3の外側方向に押出されて、第2歯車22が他の歯車21,23と非噛合状態となる。
【0052】
次に使用状態について説明する。
本実施例2の散布機1は、まず、実施例1と同様にホッパー3内に粉粒体を収納し、水タンク4内に水を貯留する。また、散水コック10を閉め、シャッター3eを閉じる。
【0053】
その後、散布場所へ散布機1を移動させるに際し、図10のように、操作レバー33を下方へ回動し、凹部37に係止していたシャフトピン31をレバーピン溝36に位置させる。
【0054】
これにより、スプリング32の付勢力により、シャフトピン31がレバーピン溝30内に入り、第2歯車22と操作レバー33がホッパー3の外側方向にレバーピン溝36の長さ分移動して第2歯車22が、第1,第3歯車21,23と離間し、第1歯車21の回転が第3歯車23に伝達されなくなる。そのため、散布機1を移動させるに際しては、攪拌棒27aは回転せず、散布機1の移動の人力が少なくてよく、移動が楽に行える。すなわち、散布機1の移動時にも、攪拌棒が回転すると、粉粒体によって攪拌棒の回転抵抗が大きくなり、散布機1の移動が重くなるが、本実施例では、前記のように楽に行える。
【0055】
次に、散布場所に到着した際には、図9のように、操作レバー33を、第2歯車22とともにスプリング32の付勢力に抗してホッパー3側へ押圧移動してシャフトピン31をレバーピン溝36から外し、その後、操作レバー33を上方へ回動し、凹部37にシャフトピン31を嵌合係止させる。
【0056】
これにより、スプリング32が収縮して、第2歯車22が他の歯車21,23の外周部に位置して相互に噛み合い、後車輪11の回動を各歯車21〜23を介して攪拌部材27に伝達できるようになる。
【0057】
そして、散水コック10、シャッター3eを開き、前記実施例1と同様に、人力で機体2を押して散布機1を移動し、粉粒体の散布と水の散水を行う。
【0058】
なお、上方に回動したレバー33の凹部37は、スプリング32の付勢力によってシャフトピン31に圧着されるため、操作レバー33の回動位置が保持され、重力や機体の振動等によって操作レバー33が不用意に下方へ落下回動することがない。
【0059】
以上のことから、本実施例2では、人力を駆動源とする攪拌機能を備えた散布機において、前記実施例と同様の効果を発揮するとともに、攪拌部材の回転による負荷を解除するクラッチ機構を備えたことで、散布作業時以外の散布機の人力による移動を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0060】
1 散布機
2 機体
3 ホッパー
3d 吐出口
11 車輪
30(22,32,33) クラッチ機構
21,22,23 歯車
25 回転体
27 攪拌部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体を人力により押すことによって回転する車輪を設け、前記機体に、粉粒体を収納するホッパーを備え、該ホッパーの下部にホッパー内の粉粒体を排出する吐出口を設け、該吐出口の上部におけるホッパー内に回転体を設け、更に、前記回転体の上部におけるホッパー内に攪拌部材を設け、前記回転体と攪拌部材を、前記車輪の回転を駆動源として駆動させるようにしたことを特徴とする粉粒体散布機。
【請求項2】
前記車輪と攪拌部材との間の回転伝達部にクラッチ機構を設け、該クラッチ機構の操作により前記の車輪と攪拌部材との連動状態と非連動状態とに切替えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の粉粒体散布機。
【請求項3】
前記車輪の回転により回転する回転軸に第1歯車を設け、前記攪拌部材の回転軸に第3歯車を設け、これら第1歯車と第3歯車間に第2歯車を設け、前記第2歯車を、前記第1歯車と第3歯車に噛合する連動状態と、第1歯車と第3歯車から離間する非連動状態に切替えるようにして前記クラッチ機構を構成したことを特徴とする請求項2記載の粉粒体散布機。
【請求項1】
機体を人力により押すことによって回転する車輪を設け、前記機体に、粉粒体を収納するホッパーを備え、該ホッパーの下部にホッパー内の粉粒体を排出する吐出口を設け、該吐出口の上部におけるホッパー内に回転体を設け、更に、前記回転体の上部におけるホッパー内に攪拌部材を設け、前記回転体と攪拌部材を、前記車輪の回転を駆動源として駆動させるようにしたことを特徴とする粉粒体散布機。
【請求項2】
前記車輪と攪拌部材との間の回転伝達部にクラッチ機構を設け、該クラッチ機構の操作により前記の車輪と攪拌部材との連動状態と非連動状態とに切替えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の粉粒体散布機。
【請求項3】
前記車輪の回転により回転する回転軸に第1歯車を設け、前記攪拌部材の回転軸に第3歯車を設け、これら第1歯車と第3歯車間に第2歯車を設け、前記第2歯車を、前記第1歯車と第3歯車に噛合する連動状態と、第1歯車と第3歯車から離間する非連動状態に切替えるようにして前記クラッチ機構を構成したことを特徴とする請求項2記載の粉粒体散布機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−165671(P2012−165671A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27877(P2011−27877)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(391006452)株式会社瑞穂機械製作所 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(391006452)株式会社瑞穂機械製作所 (2)
【Fターム(参考)】
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