説明

粉粒体材料の供給装置、これを備えた粉粒体材料の配合供給装置、及び粉粒体材料の供給方法

【課題】検量データの更新を簡易に行い得る粉粒体材料の供給装置、これを備えた粉粒体材料の配合供給装置、及び粉粒体材料の供給方法を提供する。
【解決手段】供給装置10は、切出部11の切出可能能力の範囲内で予め設定される単一の必要供給能力に応じた単一の検量回転数で回転駆動部14を所定の検量時間が経過するまで作動させて、貯留部15に貯留された粉粒体材料を排出させるための入力を受け付けるとともに、この排出された粉粒体材料の質量の入力を受け付ける操作部53と、前記操作部53からの前記排出入力に基づいて前記回転駆動部14を作動させるとともに、前記入力された質量及び前記検量時間と前記検量回転数とに基づいて、前記回転駆動部14の回転数と単位時間当たりの供給量との対応関係を示す予め設定された検量データを更新する検量モードを実行させる制御部と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体材料を貯留する貯留部の下部に切出部を設け、この切出部を制御することで、供給先に向けて粉粒体材料を供給する粉粒体材料の供給装置、これを備えた粉粒体材料の配合供給装置、及び粉粒体材料の供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、粉粒体材料を貯留する貯留部の下部に切出部を設け、この切出部を制御することで、供給先に向けて粉粒体材料を供給する供給装置が知られている。
このような供給装置の切出部としては、スクリューフィーダやロータリーフィーダなどの回転駆動部を備えたものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
このような供給装置としては、貯留部に貯留された粉粒体材料を定量供給乃至は計量供給するために、切出部の下方に流量計やロードセル等の計量器を設けた計量容器等を設置して該計量器の検出値に基づいて切出部の駆動部をフィードバック制御し、定量供給乃至は計量供給するものがあった。
このようなものでは、計量器を設ける必要があり、装置構成が複雑化するという問題があった。そのため、切出部の回転駆動部の単位時間当たりにおける回転数(回転速度)と粉粒体材料の単位時間当たりの供給量(供給能力)との対応関係を示す検量データ(検量線、校正曲線)を予め格納させておき、この検量データに基づいて所望の供給量の粉粒体材料を定量供給乃至は計量供給する構成とされた供給装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−112791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記検量データは、粉粒体材料の種類(材種や嵩密度、形状、粒度分布(粒径のばらつき度合い)、さらには粉砕条件に起因する粉粒形状差など)によって異なる値となるため、当該装置の定常運転前の初期準備運転段階等において、供給する粉粒体材料を試料として排出させ、その排出された質量を測定、入力させ、事前に更新する必要があった。
従来の供給装置では、上記検量データを更新する際に、種々の使用態様に対応可能なように、切出部の回転駆動部の回転数を、例えば、小、中、大と変え、それぞれの回転数において所定時間の排出を複数回、実行させ、その排出毎の排出量を入力させ、これらに基づいて検量データを更新する必要があった。すなわち、少量供給から大量供給までの種々の使用態様に対応できるようにするためには、上記供給能力と上記回転数との対応関係が曲線(最小二乗法等によって算出される近似曲線など)で表される値となるため、ある程度の幅を持たせて、複数の異なる回転数でそれぞれ複数回の検量を実行させ、これらに基づいて検量データを更新する必要があった。このようなものでは、面倒な作業となり、また、検量に使用される粉粒体材料が多くなるという問題があった。この検量に使用された粉粒体材料は、コンタミネーション等を防止する観点等から廃棄することが好ましく、この場合には、廃棄量が増えるという問題もあった。また、このような検量データの更新設定は、検量データが粉粒体材料の種類によって異なる値となることから、材料替えの度に行うことが望ましく、この場合には、極めて煩雑な作業となり、改善が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、検量データの更新を簡易に行い得る粉粒体材料の供給装置、これを備えた粉粒体材料の配合供給装置、及び粉粒体材料の供給方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の供給装置は、粉粒体材料を貯留する貯留部の下部に設けた切出部の回転駆動部の単位時間当たりの回転数を変更することで、単位時間当たりに供給する粉粒体材料の供給量の変更が可能とされた粉粒体材料の供給装置であって、前記切出部の切出可能能力の範囲内で予め設定される単一の必要供給能力に応じた単一の検量回転数で前記回転駆動部を所定の検量時間が経過するまで作動させて、前記貯留部に貯留された粉粒体材料を排出させるための入力を受け付けるとともに、この排出された粉粒体材料の質量の入力を受け付ける操作部と、前記操作部からの前記排出入力に基づいて前記回転駆動部を作動させるとともに、前記入力された質量及び前記検量時間と前記検量回転数とに基づいて、前記回転駆動部の回転数と単位時間当たりの供給量との対応関係を示す予め設定された検量データを更新する検量モードを実行させる制御部と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
上記構成とされた本発明に係る粉粒体材料の供給装置では、検量モードにおいては、切出部の切出可能能力の範囲内で予め設定される単一の必要供給能力に応じた単一の検量回転数で切出部の回転駆動部を所定の検量時間が経過するまで作動させ、貯留部に貯留された粉粒体材料を排出させる制御が実行される。そして、この排出された粉粒体材料の質量の入力を受け付け、この質量及び上記検量時間と上記検量回転数とに基づいて、回転駆動部の単位時間当たりの回転数(回転速度)と単位時間当たりの供給量(供給能力)との対応関係を示す予め設定された検量データを更新するようにしている。
従って、従来のように複数の異なる回転数で検量を行うものと比べて、検量データの更新を簡易に行うことができる。つまり、材料替えの度等、比較的頻繁に行う必要がある検量データ更新の際の作業性を向上させることができる。また、この結果、検量に使用される粉粒体材料を少なくすることができ、これを廃棄する必要がある場合には、廃棄量を少なくすることができる。
供給装置の切出部の種類、型式(スクリューフィーダであれば、スクリューの径やピッチ、羽根形状、条数、トラフの径など)等によって、予め切出可能能力(単位時間当たりに切り出し可能な切出量)が設定されており、本発明では、この切出可能能力の範囲内で単一の必要供給能力(単位時間当たりに必要とされる供給量)を設定するようにしている。この単一の必要供給能力は、上記切出可能能力の範囲内で適宜、設定可能であるが、当該供給装置の仕様上、例えば、取り扱う粉粒体材料の種類等に応じて設定するようにしてもよい。また、この単一の必要供給能力は、切出部の切出可能能力の下限値や上限値付近の値とすれば、供給量のばらつきや誤差等が生じ易くなるため、切出可能能力の中間能力近傍の所定範囲内の値とすることが好ましい。または、事前設定項目等として操作部から入力される所定のデータに基づいて単一の必要供給能力を算出乃至は設定するようにしてもよい。
そして、本発明では、このように設定された単一の必要供給能力に応じた単一の検量回転数を決定し、その単一の検量回転数で回転駆動部を作動させ、検量を実行するようにしている。
つまり、本発明では、切出部の能力の範囲内、つまりは使用可能な範囲内で、単一の必要供給能力を設定し、これに応じた単一の検量回転数で検量を行う検量モードを実行するようにしているので、検量データの更新を簡易に行うことが可能でありながらも、実使用に応じた比較的に誤差の少ない供給を行うことができる。
【0008】
本発明においては、上記切出可能能力に基づいて当該装置の推奨供給能力を定めておき、この推奨供給能力の範囲内で上記単一の必要供給能力を設定するようにしてもよい。上記推奨供給能力は、上記切出可能能力の範囲内で適宜、設定可能であるが、上記同様、当該供給装置の仕様上、例えば、取り扱う粉粒体材料の種類等に応じて定めておくようにしてもよい。また、推奨供給能力は、切出部の切出可能能力の下限値や上限値付近までの範囲とすれば、上記同様、供給量のばらつきや誤差等が生じ易くなるため、切出可能能力の中間能力近傍の所定範囲とすることが好ましい。また、上記単一の必要供給能力は、当該装置の仕様上、予め設定しておくようにしてもよく、例えば、上記推奨供給能力の略中間の値を必要供給能力と推定して事前に設定しておいてもよい。つまり、上記構成とされた本発明では、種々の使用態様に対応可能なように幅広い範囲に亘って正確な検量データとなるように、複数の異なる検量回転数で検量を実行し、これらに基づいて検量データを更新するのではなく、想定される使用範囲内(単一の必要供給能力の近傍範囲)では概ね正確な検量データとなるように、上記単一の必要供給能力に応じた単一の検量回転数で検量を実行し、検量データを更新するようにしている。
このような構成とすれば、簡易な操作で検量モードの実行が可能でありながらも、より実使用に応じた誤差の少ない供給を行うことができ、想定される使用範囲内では、概ね正確な供給を行うことができる。
【0009】
本発明においては、前記必要供給能力を、前記操作部から入力される所定の必要供給データに基づいて前記制御部によって設定するようにしてもよい。
このような構成とすれば、より実使用の範囲に近い必要供給能力に応じた単一の検量回転数で検量モードを実行させることができるので、その範囲近傍では更新された検量データの正確性が向上され、より正確な供給を行うことができる。
つまり、上記構成とされた本発明では、種々の使用態様に対応可能なように幅広い範囲に亘って正確な検量データとなるように、複数の異なる検量回転数で検量を実行し、これらに基づいて検量データを更新するのではなく、操作部から入力された必要供給データに基づいて単一の必要供給能力が設定され、これに応じた単一の検量回転数で検量を実行し、検量データを更新するようにしているので、この必要供給能力の範囲近傍では更新された検量データの正確性が向上され、より正確な供給を行うことができる。
所定の必要供給データとしては、当該供給装置が供給先から出力された材料要求信号等に基づいて供給を開始し、所定時間経過後に供給を停止するような供給態様(バッチ供給)を実行する場合には、例えば、操作部から事前設定項目等として入力される1バッチ当たりの必要供給量(1バッチ供給量)と上記所定時間(1バッチ供給時間)とを必要供給データとし、これらに基づいて上記必要供給能力を算出し、設定するようにしてもよい。
また、当該供給装置によってなされる供給態様が連続供給等である場合には、供給先において単位時間当たりに処理される処理量(処理能力)等を必要供給データとして入力させ、この処理能力に見合った値となるように必要供給能力を設定するようにしてもよい。
または、粉粒体材料の種類や大まかな供給量(例えば、大量供給、中量供給、少量供給など)等を操作部から必要供給データとして選択乃至は入力させるようにしてもよい。例えば、合成樹脂成形品を成形する場合等では、ナチュラル材、粉砕材、マスターバッチ材等を入力させて、これに基づいて必要供給能力を設定するようにしてもよい。つまり、粉粒体材料の種類によってある程度、使用範囲の幅を事前に定めておくことができ、そのそれぞれの使用範囲を上記推奨供給能力のように定めておき、その範囲内の例えば、略中間の値をそれぞれの単一の必要供給能力として予め格納させておいて、操作部から入力された種類等の選択操作に基づいて、単一の必要供給能力を設定するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明においては、前記操作部に、前記切出部に粉粒体材料を事前充填させるための入力を受け付ける充填操作部を設け、前記制御部によって、前記充填操作部からの入力に基づいて前記回転駆動部を作動させ、前記切出部に粉粒体材料が充填された後に、前記排出入力に基づいて前記回転駆動部を作動させるようにしてもよい。
当該供給装置の貯留部に投入されて貯留された粉粒体材料は、当該装置の起動前は、切出部のスクリューのトラフ(供給筒)やロータリーのマス等に略充填されておらず、この状態で前記排出入力に基づいて回転駆動部を作動させれば、初回排出時の排出量が少なくなる傾向がある。この排出量に基づいて検量データを更新すれば、誤差が生じる恐れがある。このため、検量モードを複数回実行させ、それぞれの排出量の平均値を求めて上記入力する質量とすることも考えられるが、この場合、従来のものと比べると単一の検量回転数のみで実行するため簡易ではあるが、面倒な作業となる。
一方、上記構成では、切出部から安定して粉粒体材料が排出される状態とした後に、前記排出入力に基づいて回転駆動部を作動させるようにしているので、比較的に少ない検量回数で比較的に正確な検量値(排出量)を取得でき、これに基づいて検量データを更新でき、一度の検量の実行によっても誤差の少ない検量データの更新設定が可能となる。従って、材料替えの度等、比較的頻繁に行う必要がある検量データ更新の際の作業性を飛躍的に向上させることができる。
【0011】
また、本発明においては、前記操作部に、更新された検量データに基づいて決定された前記必要供給能力に応じた回転数で前記回転駆動部を所定の確認時間が経過するまで作動させて前記貯留部に貯留された粉粒体材料を排出させるための入力を受け付ける検量データ確認操作部を設け、前記制御部によって、前記検量データ確認操作部からの前記排出入力に基づいて前記回転駆動部を作動させ、この排出された粉粒体材料の質量の入力を、前記操作部を介して受け付け、この入力された質量に基づいて前記必要供給能力に応じた回転数を更新する検量データ確認モードを更に実行可能としてもよい。
このような構成とすれば、検量モードの実行により更新された検量データから決定される必要供給能力に応じた回転駆動部の回転数を、再度、検量データ確認モードの実行により更新できるので、より誤差の少ない供給が可能となる。つまり、検量モードの実行により更新された検量データに基づいて決定された必要供給能力に応じた回転数では、更新前の検量データとの乖離度合い等にもよるが、僅かな誤差が生じることが考えられる。上記構成では、上記決定後の回転数で排出を行わせ、この排出された粉粒体材料の質量に基づいて必要供給能力に応じた回転数を更新するようにしているので、より正確な供給を行うことができる。
【0012】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の配合供給装置は、本発明に係る複数の粉粒体材料の供給装置と、これら供給装置の各切出部から排出された粉粒体材料を受け入れる投入貯留部とを備え、各供給装置の切出部から排出させるときには、前記必要供給能力に応じたそれぞれの回転数で各切出部の回転駆動部を同期的に作動させて排出させる構成とされていることを特徴とする。
【0013】
上記構成とされた本発明に係る粉粒体材料の配合供給装置によれば、各供給装置において誤差の少ない供給が可能となるため、誤差の少ない配合比率で粉粒体材料を配合することができる。
また、各供給装置の切出部の回転駆動部を同期的に作動させて排出させるようにしているので、投入貯留部に投入された際には複数種の粉粒体材料が投入貯留部内において適度に混在した状態となり、下流側に混合手段等を設けないようにすることもできる。
【0014】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の供給方法は、粉粒体材料を貯留する貯留部の下部に設けた切出部の回転駆動部の単位時間当たりの回転数を変更することで、単位時間当たりに供給する粉粒体材料の供給量の変更を可能とした粉粒体材料の供給方法であって、前記切出部の切出可能能力の範囲内で予め設定される単一の必要供給能力に応じた単一の検量回転数で前記回転駆動部を所定の検量時間が経過するまで作動させ、前記貯留部に貯留された粉粒体材料を排出させる排出工程と、この排出された粉粒体材料の質量の入力を受け付ける質量入力工程と、前記入力された質量及び前記検量時間と前記検量回転数とに基づいて、前記回転駆動部の回転数と単位時間当たりの供給量との対応関係を示す予め設定された検量データを更新する検量データ更新工程と、を備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、上記同様、検量データを簡易に更新することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る粉粒体材料の供給装置、これを備えた粉粒体材料の配合供給装置、及び粉粒体材料の供給方法は、上述のような構成としたことで、検量データの更新を簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る粉粒体材料の供給装置を備えた粉粒体材料の配合供給装置のシステム構成の一例を模式的に示す概略構成図である。
【図2】(a)は、同配合供給装置の概略側面図、(b)は、(a)におけるX−X線矢視に対応させた概略横断面図である。
【図3】(a)は、同配合供給装置の一部省略概略斜視図、(b)は、同配合供給装置の制御ブロック図である。
【図4】(a)〜(d)は、各供給装置における予め設定された検量データの一例を説明するための説明図である。
【図5】同配合供給装置の各種事前設定項目の一例を説明するための概略フローチャートである。
【図6】同配合供給装置において実行される検量モードの基本動作の一例を示す概略フローチャートである。
【図7】同配合供給装置において実行される検量データ確認モードの基本動作の一例を示す概略フローチャートである。
【図8】(a)〜(c)は、各供給装置における更新された検量データの一例を説明するための説明図である。
【図9】(a)は、同配合供給装置の各供給装置における切出部の切出可能能力の一例を示す表、(b)は、同配合供給装置において実行される検量モードの基本動作の他例を説明するための貯留対象と推奨供給能力とを対応させた表、(c)は、同基本動作例において用いられる各供給装置における予め設定された必要供給能力の一例及び検量回転数の一例を対応させて示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図9は、本実施形態に係る粉粒体材料の供給装置(供給部)を備えた粉粒体材料の配合供給装置の一例、及びその動作例を説明するための説明図である。
【0018】
本実施形態に係る粉粒体材料の配合供給装置1は、図1〜図3に示すように、複数種の粉粒体材料をそれぞれに貯留し、排出する(切り出す)複数の供給部(図例では、第1供給部10、第2供給部20、第3供給部30及び第4供給部40の4つの供給部)と、これら各供給部10,20,30,40から排出された粉粒体材料を受け入れる単一の投入貯留部60と、制御盤50とを備えている。
ここに、上記粉粒体材料は、粉体・粒体状の材料を指すが、微小薄片状や短繊維片状、スライバー状の材料等を含む。
また、上記材料としては、樹脂ペレットや樹脂繊維片等の合成樹脂材料、金属材料、半導体材料、木質材料、薬品材料、食品材料等どのようなものでもよい。
また、この粉粒体材料としては、例えば、合成樹脂成形品を成形する場合には、ナチュラル材(バージン材)や粉砕材、マスターバッチ材、各種添加剤等が挙げられる。
【0019】
この配合供給装置1は、図1に示すように、各供給部10,20,30,40から排出された粉粒体材料を、投入貯留部60を介して射出成形機6等の供給先に供給する構成とされている。また、本実施形態では、当該配合供給装置1は、射出成形機6上に直接的に設置された例を示しており、材料タンク等の材料元から各供給部10,20,30,40に輸送された複数種の粉粒体材料を配合して供給先としての射出成形機6に供給する粉粒体材料の配合供給システムに組み込まれた例を示している。
射出成形機6は、詳細な説明は省略するが、配合供給装置1の投入貯留部60を介して材料投入口から投入された粉粒体材料をシリンダ内で溶融させて、溶融させた1ショット分の樹脂をシリンダ先端のノズルから金型(不図示)内に射出させて、樹脂成形品を成形する構成とされている。
【0020】
なお、供給先としては、合成樹脂成形品を成形する射出成形機に限られず、他の材料用の射出成形機としてもよく、または種々の材料用の押出成形機や圧縮成形機等の他の成形機を供給先とする態様としてもよい。
また、このような成形機等の前段等に設置される一時貯留部としてのチャージホッパーなどを供給先としてもよく、さらには、粉粒体材料を空気輸送するための材料輸送管路の一端を投入貯留部に接続し、この材料輸送管路の他端に接続される捕集器等を供給先としてもよい。また、このように空気輸送する態様では、供給先を単一とする態様に限られない。例えば、材料輸送管路を分岐させ、それぞれの材料輸送管路の他端に捕集器を接続した構成とすることで、これら複数の捕集器を供給先とするようにしてもよい。
【0021】
各供給部10,20,30,40は、本実施形態では、概ね同様の構成とされている。
これら供給部10,20,30,40は、粉粒体材料をそれぞれに貯留する貯留部(第1貯留部15、第2貯留部25、第3貯留部35及び第4貯留部45)と、各貯留部15,25,35,45の下部のそれぞれに設けられた切出部(第1切出部11、第2切出部21、第3切出部31及び第4切出部41)とを備えている。
各貯留部15,25,35,45は、ホッパー状に形成された貯留タンク16,26,36,46を備え、これら各貯留タンク16,26,36,46の上方には、捕集器17,27,37,47が設置されている。
各貯留タンク16,26,36,46と各捕集器17,27,37,47とは、各捕集器17,27,37,47の投入口を開閉するダンパー18,28,38,48を設けた投入管を介して連通接続されている。このダンパーとしてはどのようなものでもよいが、図例では、軸部材で揺動自在に投入管に支持されたフラップ状のダンパー(フラップダンパー)18,28,38,48とした例を示している。
【0022】
また、各貯留部15,25,35,45には、材料有無を検出する材料センサー19,29,39,49(図3(b)参照)が設けられている。
本実施形態では、これら材料センサー19,29,39,49は、各貯留部15,25,35,45の各フラップダンパー18,28,38,48の揺動を検出することで、各貯留部15,25,35,45の材料有無を検出する構成とされている。
つまり、各捕集器17,27,37,47において捕集した粉粒体材料は、その自重によってフラップダンパー18,28,38,48を開放させることで、上記投入管を介して各貯留タンク16,26,36,46内に投入されて貯留される。満レベルから材料要求レベル直前まで貯留された状態では、各捕集器17,27,37,47の下部の投入管に貯留された粉粒体材料によってフラップダンパー18,28,38,48が開放された状態となる。一方、粉粒体材料の排出を伴い粉粒体材料が減少し、フラップダンパー18,28,38,48の開放を維持する粉粒体材料が無くなれば、錘やバネ等の付勢部材等の閉止手段によってフラップダンパー18,28,38,48が閉止される。
【0023】
本実施形態では、これらフラップダンパー18,28,38,48の閉止を材料センサー19,29,39,49によって検出可能としており、これら材料センサー19,29,39,49は、材料要求信号(材料無し信号)を出力する構成とされている。このような材料センサー19,29,39,49としては、リミットスイッチ等をフラップダンパー18,28,38,48の軸部等に設ける態様としてもよく、その他、適宜の検出手段の採用が可能である。このようなフラップダンパー18,28,38,48による開閉態様及びその揺動の検出による材料有無の検出態様とすることで、簡易な構成とできる。
なお、このような態様に限られず、各貯留タンク16,26,36,46と各捕集器17,27,37,47との間にスライドダンパー等の開閉バルブを設け、これを開閉させる態様としてもよい。この場合には、各貯留タンク16,26,36,46乃至は各捕集器17,27,37,47の適宜箇所に、別途、材料センサーを設けるようにしてもよい。
【0024】
各捕集器17,27,37,47には、末端が材料タンク等の材料元に接続された材料輸送管2と、各捕集器17,27,37,47内の空気を吸引する吸引管3とがそれぞれに接続されている。この吸引管3の末端には、輸送空気源としての材料輸送用の吸引ブロワー5(図3(b)参照)が接続されている。
この吸引ブロワー5の吸込側には、吸引管の一端が接続され、この吸引管の他端には、輸送空気切り替え弁4(図3(b)参照)が接続されている。この輸送空気切り替え弁4に、供給部の数に応じた本数(本実施形態では4本)の吸引管3が接続され、これら吸引管3のそれぞれが上記した各供給部10,20,30,40の各捕集器17,27,37,47に接続されている。
【0025】
上記した各貯留部15,25,35,45への材料輸送手段を構成する吸引ブロワー5及び輸送空気切り替え弁4、並びに各材料センサー19,29,39,49は、図3(b)に示すように、信号線等を介して後記する制御部としてのCPU51に接続されており、このCPU51によって所定のプログラムに従って粉粒体材料の輸送補給制御がなされる。
すなわち、各貯留部15,25,35,45のうちのいずれかの材料センサー19,29,39,49から材料要求信号が出力されれば、材料要求のあった貯留部の捕集器に接続された吸引管3と吸引ブロワー5とを連通させるように輸送空気切り替え弁4を切り替え、吸引ブロワー5を起動させることで、その捕集器に対応する材料タンク等の材料元に貯留された粉粒体材料が材料輸送管2を介して捕集器に向けて輸送される。そして、当該捕集器において捕集され、貯留タンクに投入されて貯留される。
つまり、これら各貯留部15,25,35,45には、当該配合供給装置1の作動中は常時、所定量以上の各材料が貯留されるように、各材料センサー19,29,39,49の材料要求信号により、適宜、各材料の輸送、補給がなされる。
【0026】
なお、これら貯留部15,25,35,45としては、上記のようなものに限られず、材料元からの粉粒体材料を捕集し、一時的に貯留し得るものであればどのようなものでもよい。また、各捕集器17,27,37,47への粉粒体材料の空気輸送は、吸引輸送に限られず、材料元の排出部等に、輸送空気源としての圧縮機等からの圧縮空気を供給することで空気輸送管路を介して粉粒体材料を圧送する態様としてもよい。また、単一の輸送空気源を用いて各材料元からの粉粒体材料を各貯留部15,25,35,45へ切り替えて輸送する態様に限られず、各貯留部15,25,35,45毎に輸送空気源を設け、個別に空気輸送し得る態様としてもよい。
さらには、各貯留部15,25,35,45への粉粒体材料の補給は、粉粒体材料を空気輸送して補給する態様に限られず、材料元の排出部等から自重落下させて補給する態様としてもよい。
また、各貯留部15,25,35,45への輸送補給制御を、当該配合供給装置1の制御部としてのCPU51によって実行させる態様に代えて、上記材料輸送手段に信号線等を介して別途、輸送補給制御部としてのCPU等を接続し、これによって上記輸送補給制御を実行させる態様としてもよい。
【0027】
これら貯留部15,25,35,45のそれぞれの下部に設けられた切出部11,21,31,41は、本実施形態では、モーター等の回転駆動部14,24,34,44によって回転駆動されるスクリュー12,22,32,42を備えたスクリュー式の切出部(スクリューフィーダ)とされている。
これら切出部11,21,31,41は、回転駆動部14,24,34,44の単位時間当たりの回転数(モーターの回転速度、モーターへの動作出力)を変更することで、単位時間当たりに切り出す切出量(切出能力)の変更が可能とされている。つまり、各供給部10,20,30,40は、各切出部11,21,31,41の回転駆動部14,24,34,44の単位時間当たりの回転数を変更することで、各切出部11,21,31,41の切出能力を変更し、これにより、単位時間当たりに供給する供給量(供給能力)の変更が可能とされている。
また、これら切出部11,21,31,41の各回転駆動部14,24,34,44は、図3(b)に示すように、信号線等を介して制御部としてのCPU51に接続されており、詳細については後述するが所定プログラムに従って作動制御がなされる。
【0028】
これら切出部11,21,31,41は、図2に示すように、各貯留部15,25,35,45の下端の投入口の下方に各スクリュー12,22,32,42の基端部位が位置するように設けられたケーシングをそれぞれに備えている。これらケーシングの一側壁(前壁)から突出するように、各スクリュー12,22,32,42に沿って筒状のトラフ(供給筒)13,23,33,43が設けられている。各スクリュー12,22,32,42及び各トラフ13,23,33,43は、図例では、粉粒体材料の自重落下方向に対して略直交する水平方向に延びるように設けられている。なお、これらの先端が基端よりも上方位置となるようにこれらを傾斜させた配設構造とするようにしてもよい。
これら各トラフ13,23,33,43は、それぞれの先端開口が後記する投入貯留部60の漏斗状部61に臨むように設けられている。
【0029】
また、本実施形態では、図2(b)に示すように、各ケーシングの上記一側壁に対向する側壁(後壁)に各スクリュー12,22,32,42を受け入れる開口を設け、これら各スクリュー12,22,32,42と連結される各回転駆動部14,24,34,44が該側壁に付設されるように連結固定されている。図例では、蝶番等の連結具を介して各回転駆動部14,24,34,44の一側部を各ケーシングの一側部に回動自在に連結固定し、その他側部をパチン錠等の締付具によって各ケーシング他側部に対して着脱自在に連結固定した例を示している。これら回転駆動部14,24,34,44と各スクリュー12,22,32,42とは、図2(a)及び図2(b)の実線で示すように、各回転駆動部14,24,34,44がケーシングに連結固定された状態では、連結がなされ、各スクリュー12,22,32,42の回転駆動が可能となる。一方、図2(b)の二点鎖線で示すように、上記締付具を解除乃至は取り外し、上記連結具を支点として各回転駆動部14,24,34,44を回動させれば、これら回転駆動部14,24,34,44と各スクリュー12,22,32,42との連結が解除され、各スクリュー12,22,32,42をケーシングから抜き取り可能とされている。このような構成によれば、各スクリュー12,22,32,42やケーシング内、トラフ13,23,33,43内等の清掃を容易に行うことができる。なお、回転駆動部14,24,34,44を上記ケーシングに対して容易に着脱可能に取り付ける態様としてもよく、または、容易には取り外せない構成としてもよい。
また、上記各ケーシングの底部には、材料排出用開口が設けられており、この材料排出用開口を開放または閉塞する残材抜き用シャッターが設けられている。
【0030】
また、本実施形態では、各切出部11,21,31,41として、単位時間当たりに切り出し可能な切出量(切出可能能力)が異なるものを採用している。図2(b)に示すように、第1切出部11、第2切出部21、第3切出部31及び第4切出部41の順に切出可能能力が大きくなるように、形状(径やピッチ、羽根形状、条数など)が設定されたスクリュー12,22,32,42及びトラフ13,23,33,43をそれぞれに採用している。
これら各切出部11,21,31,41の各切出可能能力は、各スクリュー12,22,32,42及び各トラフ13,23,33,43の上記形状等から設定され、例えば、図9(a)に示すように、本実施形態では、第1切出部11の切出可能能力が0.0936kg/h〜5.35kg/hとされ、第2切出部21の切出可能能力が0.5kg/h〜21kg/hとされ、第3切出部31の切出可能能力が0.846kg/h〜101kg/hとされ、第4切出部41の切出可能能力が5kg/h〜212kg/hとされたものを採用している。これら各切出部11,21,31,41の各切出可能能力の範囲内で、後記する単一の必要供給能力の設定がなされる。
【0031】
なお、各切出部11,21,31,41としては、上記のような切出手段としてのスクリューを備えたスクリューフィーダに限られず、モーター等の回転駆動部と、これに回転される切出手段とを備え、回転駆動部の回転数を変更することで単位時間当たりの切出量の変更が可能とされたものであればどのようなものでもよい。例えば、周面に材料を収容する凹部(マス部)を有した回転体を回転させることで切り出すマスフィーダー(ロータリーフィーダー)や、径方向に複数の回転羽を突設した回転体を回転させることで切り出すロータリーバルブを切出部として採用するようにしてもよい。または、上面に材料を収容する凹部(マス部)等を有した回転テーブルを回転させ、排出口から切り出すテーブルフィーダーや、ホッパー排出口に近接して設置したテーブルを回転させ、スクレーパーでテーブル上の材料をかき出して切り出すミニテーブルフィーダー等を切出部として採用するようにしてもよく、その他の切出部を採用するようにしてもよい。
また、図9(a)で示した各切出部の切出可能能力は一例であり、各切出部の種類や型式等によって適宜、設定される値である。
【0032】
これら各切出部11,21,31,41から切り出された粉粒体材料を受け入れる投入貯留部60は、上記した各切出部11,21,31,41のトラフ13,23,33,43のそれぞれの先端部を受け入れる空間を有し、下部が下方に向けて先細り状とされた漏斗状部61と、この漏斗状部61の下端に連設された検量ボックス挿入部62と、この検量ボックス挿入部62の下端に連設されたシュート部67とを備えている。
漏斗状部61は、図例では、略四角筒形状とされた上部の下端に略逆四角錐台形状とされた下部を連成した構成とされている。
【0033】
検量ボックス挿入部62は、漏斗状部61の下端の形状に対応させて略四角筒形状とされ、その一側壁には、図1及び図3(a)に示すように、検量ボックス66を挿入するためのボックス挿入開口63が設けられている。また、この検量ボックス挿入部62には、図1及び図2(a)に示すように、このボックス挿入開口63を開放または閉塞する開閉扉64が設けられている。この開閉扉64は、一側部が検量ボックス挿入部62の一側部に蝶番等の連結具によって回動自在に連結固定され、他側部が検量ボックス挿入部62の他側部に設けられたマグネットラッチ等のプッシュオープン式ラッチによって閉状態が維持されるように、該他側部にラッチ受けを設けた構成とされている。なお、この開閉扉64の開閉構造としては、ボックス挿入開口63を開放または閉塞する構造であればどのようなものでもよく、例えば、磁石によって開閉扉の他側部が吸着されて開閉扉の閉状態が維持されるマグネットキャッチ構造としてもよく、開閉扉の他側部が締付具によって締め付けられて開閉扉の閉状態が維持される構造とされたものとしてもよい。さらには、シャッター式(スライド式)や着脱式の開閉扉としてもよい。
【0034】
検量ボックス66は、ボックス挿入開口63に抜き差し可能とされ、図3(a)に示すように、一方向に開口した有底の略直方体箱形状とされている。この検量ボックス66の一側壁には、把手が付設され、また、他の側壁には、検量ボックス挿入部62に設けられたマグネットラッチに吸着(磁着)されるラッチ受け部が設けられている。
この検量ボックス66は、ボックス挿入開口63に挿入された状態では、漏斗状部61を経た粉粒体材料の全量の受け入れが可能なように形成されている。つまり、検量ボックス66をボックス挿入開口63に挿入した状態では、漏斗状部61を経た粉粒体材料は、当該検量ボックス66によって遮断されて下部側へは流下せず、検量ボックス66内に収容される。一方、検量ボックス66をボックス挿入開口63から脱離させれば、漏斗状部61を経た粉粒体材料は、検量ボックス挿入部62を経てその下部側のシュート部67へと流下する構成とされている。
【0035】
なお、この検量ボックス66は、ボックス挿入開口63に挿入する必要がない場合には、図1及び図2(a)に示すように、当該配合供給装置1の適所に設けた引掛部に把手を引っ掛けることで保持されるものとしてもよい。
検量ボックス挿入部62には、ボックス挿入開口63への検量ボックス66の挿入の有無を検出する検量ボックスセンサー65(図3(b)参照)が設けられている。この検量ボックスセンサー65としては、上記したマグネットラッチのラッチ部に設けたリミットスイッチ等の接触式センサーを採用するようにしてもよい。これによれば、開閉扉64が閉止または検量ボックス66が挿入されていない場合に、エラーメッセージ等を出力させることも可能となる。なお、接触式のセンサー限られず、非接触式の光センサーや磁気センサー等を採用するようにしてもよい。
この検量ボックスセンサー65は、信号線等を介して制御部としてのCPU51に接続されている。
【0036】
検量ボックス挿入部62の下端に連設されたシュート部67は、検量ボックス挿入部62を経た粉粒体材料を受け入れる形状とされ、下端には、供給先に向けて粉粒体材料を排出する排出口68が設けられている。
また、このシュート部67には、図1及び図3(b)に示すように、当該投入貯留部60内の粉粒体材料の貯留レベルの低下を検出し、材料要求信号(材料無し信号)を出力する材料センサー(レベル計)69が設けられている。図例では、当該シュート部67をサイトグラスとし、非接触式の静電容量式レベル計を材料センサー69として採用した例を示しているが、その他の非接触式のセンサーを採用するようにしてもよく、または、接触式のレベルスイッチ等を採用するようにしてもよい。また、この材料センサー69は、シュート部67に限られず、当該投入貯留部60の適所に設けるようにすればよい。
【0037】
この材料センサー69は、信号線等を介して制御部としてのCPU51に接続されており、この材料センサー69の材料要求信号に基づいて、CPU51によって上述の各切出部11,21,31,41の回転駆動部14,24,34,44の作動制御がなされ、各供給部10,20,30,40からの供給(計量)が開始される。つまり、本実施形態では、供給先に連続的に配合した粉粒体材料を供給(連続供給)する態様ではなく、この材料センサー69の材料要求信号を供給開始信号として、材料要求信号が出力される度に粉粒体材料を配合供給(バッチ供給)する態様としている。
なお、供給先に連続供給する態様とする場合には、材料センサー69を設けないようにしてもよい。
【0038】
制御盤50は、図1及び図2(a)に示すように、当該配合供給装置1の側部(図例では、投入貯留部60の側部)に付設されるように設けられている。
この制御盤50は、図3(b)に示すように、制御部としてのCPU51と、このCPU51に信号線を介してそれぞれ接続された、各種設定などを設定、入力したり、表示したりするための表示操作部を構成する操作パネル53と、この操作パネル53の操作により設定、入力された設定条件や入力値、後記する各動作等を実行するための制御プログラムなどの各種プログラム、予め設定された各種動作条件、各種データテーブル等が格納され、各種メモリ等から構成された記憶部52とを備えている。
CPU51は、クロックタイマー等の計時手段や演算処理部を備え、上記した各機器を制御し、所定のプログラムに従って、上記した材料元から当該配合供給装置1への粉粒体材料の輸送補給動作、後記する当該配合供給装置1の配合供給(計量)動作(定常運転モード)、後記する検量モード及び検量データ確認モードを実行させる。
【0039】
記憶部52には、各供給部10,20,30,40における各切出部11,21,31,41の回転駆動部14,24,34,44の回転数(回転速度)と単位時間当たりの供給量(供給能力)との対応関係を示すそれぞれの初期検量データが予め格納されている。
この初期検量データは、工場等において出荷前に経験的乃至は実験的に設定するようにしてもよく、または、設置後に初期設定項目として設定するようにしてもよい。
例えば、第1切出部11の回転駆動部14の回転数(rpm)と、供給能力(kg/h)との対応関係は、図4(a)に示すように、回転数が810rpmで供給能力が2kg/hの点と原点とを通る略直線状の検量線(校正曲線)として表され、第2切出部21の回転駆動部24の回転数と、供給能力との対応関係は、図4(b)に示すように、回転数が300rpmで供給能力が2kg/hの点と原点とを通る略直線状の検量線として表され、第3切出部31の回転駆動部34の回転数と、供給能力との対応関係は、図4(c)に示すように、回転数が500rpm(1500rpm)で供給能力が15kg/h(45kg/h)の点と原点とを通る略直線状の検量線として表され、第4切出部41の回転駆動部44の回転数と、供給能力との対応関係は、図4(d)に示すように、回転数が220rpm(660rpm)で供給能力が15kg/h(45kg/h)の点と原点とを通る略直線状の検量線として表される。これら検量線上の一点または複数点の離散的な値がそれぞれの初期検量データとして格納されている。
なお、図4では、便宜的にそれぞれの初期検量データを表す検量線を略直線状に示しているが、これら検量線は、対数関数的に回転数が大きくなるに従い供給能力の増加度合いが小さくなる曲線となる傾向がある。
【0040】
操作パネル53は、図3(b)に示すように、複数の操作キーを備えている。図例では、各種事前設定項目を設定、入力するための設定キー54や、検量モードの実行の入力を受け付ける検量モードキー55、検量に先立ち各切出部の回転駆動部を作動させて事前充填させるための入力を受け付ける充填操作部としての充填キー56、検量のために回転駆動部を作動させるための入力を受け付ける検量開始キー57、排出された粉粒体材料の質量の入力を受け付ける検量値入力キー58、検量データ確認モードの実行の入力を受け付ける確認モードキー59などを備えている。
この操作パネル53としては、各操作キーを構成する操作ボタンやテンキー、キーボード等の入力部を配置したものとしてもよいが、操作性の観点から各種モードに合わせて画面表示が切り替わるタッチパネル式のものとしてもよい。
【0041】
次に、上記構成とされた本実施形態に係る粉粒体材料の配合供給装置1において実行される基本動作の一例を、図5〜図8に基づいて説明する。
本動作例では、各種事前設定項目の入力等がなされ、各種設定値を格納させた後、初期準備運転段階において、検量モードを実行させて予め設定された上記初期検量データを更新する態様としている。また、本動作例では、更新された検量データに基づいて決定された必要供給能力に応じた回転数でさらに確認のための検量を実行させ、回転数を更新する検量データ確認モードを更に実行可能としている。そして、検量データが更新された後に、排出させるときには、各供給部の必要供給能力に応じたそれぞれの回転数で各供給部の回転駆動部を所定の1バッチ供給時間が経過するまで同期的に作動させて各供給部から粉粒体材料を排出させて、投入貯留部60において配合し、投入貯留部60から供給先(射出成形機6)に向けて供給する定常運転モードを実行するようにしている。
検量モードにおいては、詳細については後述するが、操作パネル53から入力された所定の必要供給データに基づいて設定された各供給部における単一の必要供給能力に応じた単一の検量回転数で各供給部の切出部の回転駆動部を所定の検量時間が経過するまで個別に作動させて各貯留部の粉粒体材料を排出させる。そして、この排出された供給部毎の粉粒体材料の質量の入力を受け付ければ、この入力された質量及び上記検量時間と検量回転数とに基づいて、各供給部の上記初期検量データをそれぞれ更新するようにしている。
【0042】
<各種事前設定>
まず、当該配合供給装置1を起動後の適時において、図5に示すように、操作パネル53の各種設定キー54等から各種事前設定項目を入力させ、各種事前設定値を記憶部52に格納させる。
本動作例では、バッチ供給する態様としているため、1バッチ当たりに供給する1バッチ供給量を入力させ、格納させるようにしている。この1バッチ供給量は、投入貯留部60の容量(材料要求レベル程度から満レベルまでの容量)等に応じて適宜、設定可能である。本動作例では、一例として、1バッチ供給量を250gとして説明する。
なお、この1バッチ供給量は、下限値及び上限値を予め格納させておき、下限値未満の供給量または上限値を超える供給量の入力がなされないようにしてもよい。
【0043】
また、各材料の配合比率を入力させ、格納させる。本動作例では、粉粒体材料としてナチュラル材、粉砕材、マスターバッチ材を各供給部から排出させ、投入貯留部60に供給する態様とし、これら材料の配合比率を一例として、マスターバッチ材:粉砕材:ナチュラル材=1:10:30として説明する。また、これら3種の粉粒体材料をそれぞれに計量供給する供給部として、マスターバッチ材用に第1供給部10、粉砕材用に第3供給部30、ナチュラル材用に第4供給部40を用いた例について説明する。なお、このように本実施形態に係る配合供給装置1は、複数の供給部のうちの単一または複数の供給部のみを用いて計量供給乃至は配合供給することも可能である。また、例えば、上記3種の粉粒体材料に加えて、他のマスターバッチ材や添加剤等を更に配合する場合には、上記に加えて、第2供給部20を用いるようにすればよい。さらには、5つ以上の供給部を設け、5種以上の粉粒体材料を配合供給する態様とすることも可能である。
【0044】
また、1バッチ当たりの1バッチ供給時間を入力させ、格納させる。本動作例では、一例として、1バッチ供給時間を15秒として説明する。
なお、この1バッチ供給時間は、各切出部11,21,31,41の切出可能能力や、上記1バッチ供給量、上記配合比率などに基づいて下限値及び上限値を算出し、設定可能な範囲として操作パネル53に表示させるようにしてもよい。この場合、下限値未満の供給時間または上限値を超える供給時間の入力がなされないようにしてもよい。
【0045】
上記各入力項目の入力がなされ、格納されれば、これらに基づいて、各供給部10,30,40における単一の必要供給能力をCPU51によって自動算出し、記憶部52に格納させる。つまり、本動作例では、各供給部10,30,40の単一の必要供給能力を、操作パネル53から事前設定項目として入力された所定の必要供給データとしての配合比率、1バッチ供給量及び1バッチ供給時間に基づいて自動算出するようにしている。
例えば、上述のように、1バッチ供給量が250g、配合比率がマスターバッチ材:粉砕材:ナチュラル材=1:10:30、1バッチ供給時間が15秒であった場合には、1バッチ供給量と配合比率とに基づいて各供給部10,30,40における1バッチ当たりに供給する必要がある供給量をそれぞれ算出し、これを1バッチ供給時間で除せば、第1供給部10の必要供給能力が約1.46kg/h、第3供給部30の必要供給能力が約14.6kg/h、第4供給部40の必要供給能力が約43.9kg/hとなる。
つまり、1バッチ供給時間(15秒)の間に、1バッチ供給量(250g)の配合済み材料を上記配合比率で供給するために必要な各供給部10,30,40における単一の必要供給能力を算出し、格納させる。
なお、各供給部10,30,40から1バッチ当たりに供給させる必要のある各供給量を入力させ、これらと1バッチ当たりの供給時間とを必要供給データとし、これらに基づいて各供給部10,30,40における単一の必要供給能力を自動算出することも可能である。
【0046】
上記各必要供給能力の格納がなされれば、これらに基づいて各供給部10,30,40における単一の検量回転数を設定し、記憶部52に格納させる。
各供給部10,30,40における単一の検量回転数は、更新前の検量データ(本動作例では、上記した各初期検量データ)を参照して、各必要供給能力に応じた値となるように決定し、記憶部52に格納させるようにすればよい。
例えば、図4(a)に示すように、第1供給部10の第1切出部11の上記初期検量データを参照すれば、上記必要供給能力(1.46kg/h)に応じた値が593rpmとなり、これを第1切出部11の回転駆動部14の単一の検量回転数として格納させる。また、図4(c)に示すように、第3供給部30の第3切出部31の上記初期検量データを参照すれば、上記必要供給能力(14.6kg/h)に応じた値が488rpmとなり、これを第3切出部31の回転駆動部34の単一の検量回転数として格納させる。また、図4(d)に示すように、第4供給部40の第4切出部41の上記初期検量データを参照すれば、上記必要供給能力(43.9kg/h)に応じた値が644rpmとなり、これを第4切出部41の回転駆動部44の単一の検量回転数として格納させる。
【0047】
なお、この各種事前設定における上記入力項目の入力が、当該配合供給装置1の起動後、所定の時間が経過するまで、または、後記する検量モードの実行前になされなければ、アラームやエラーメッセージ等を操作パネル53に表示させたり、スピーカ等の報知手段から鳴動させたりするようにし、入力を促すようにしてもよい。
また、上記した各種事前設定項目のうち各入力項目については上記した順に入力される必要はなく、どのような順序で入力されるようにしてもよい。
また、後記する検量モードの実行に先立ち、当該配合供給装置1を起動後の適時において、上記した輸送補給動作を実行させ、各供給部10,30,40の各貯留部15,35,45に各材料を貯留させるようにすればよい。
【0048】
<検量モード>
上記のように各種事前設定項目の入力、設定等がなされ、各種設定値の格納がなされれば、図6に示すように、所定の検量モード実行プログラムに従って検量モードを実行させる。なお、以下では、各供給部における検量データの更新を、第1供給部10、第3供給部30、第4供給部40の順に実行する場合について説明する。
この検量モードの実行は、操作パネル53の検量モードキー55の押下操作により開始される(ステップ100)。この検量モードキー55の押下げがなされ、検量ボックス66がボックス挿入開口63に挿入され(ステップ101)、充填キー56の押下げがなされれば(ステップ102)、第1供給部10の回転駆動部14を作動させ、第1供給部10のスクリュー12を回転させて、第1供給部10のトラフ13にマスターバッチ材を事前充填させる((ステップ103)事前充填工程)。
【0049】
ステップ101において検量ボックス66の挿入有無の判別は、上記した検量ボックスセンサー65の検出信号に基づいて検出し、判別するようにすればよい(後記するステップ104及び図7のステップ112においても同様)。また、検量モードキー55の押下げがなされた後、所定時間が経過するまでに検量ボックス66の挿入がなされなければ、エラーメッセージ等を出力させたり、タイムアップさせたりするようにしてもよい(後記するステップ104及び図7のステップ112においても略同様にしてもよい)。また、ステップ102においても略同様、検量ボックス66の挿入がなされた後、所定時間が経過するまでに充填キー56の押下げがなされなければ、エラーメッセージ等を出力させたり、タイムアップさせたりするようにしてもよい(後記するステップ105及び図7のステップ113においても略同様にしてもよい)。
【0050】
また、ステップ103において、充填キー56の押下げ操作による事前充填は、ユーザーの目視観察によって、トラフに十分に充填がなされるまで、例えば、検量ボックス66に粉粒体材料が落下するまで押下げ操作をユーザーに継続させる態様としてもよい。または、予め所定の充填時間を設定しておき、充填キー56の押下げ操作がなされれば、この充填時間が経過するまで回転駆動部を作動させて、トラフに粉粒体材料を事前充填させる態様としてもよい。なお、この際の回転駆動部の回転数は、上記のように格納された検量回転数としてもよく、または、予め事前充填時における回転数を設定しておくようにしてもよい。
上記事前充填がなされれば、検量ボックス66に粉粒体材料が落下、収容されている場合があるため、検量ボックス66を脱離させて検量ボックス66内の粉粒体材料を除去することが好ましい。
【0051】
次いで、検量ボックス66の挿入がなされ(ステップ104)、検量開始キー57の押下げがなされれば(ステップ105)、上記のように格納された第1切出部11の回転駆動部14の単一の検量回転数としての593rpmで第1切出部11の回転駆動部14を所定の検量時間が経過するまで作動させ、マスターバッチ材を排出させて検量ボックス66に収容させる((ステップ106)排出工程)。
上記所定の検量時間としては、余りにも短すぎれば、回転駆動部の立上り時間や作動停止後の落差量等に起因してバラツキが生じる傾向がある一方、余りにも長すぎれば、当該検量モードの実行時間が長くなり、また、検量に使用した粉粒体材料を廃棄する必要がある場合には粉粒体材料の廃棄量が多くなる傾向がある。従って、数秒程度〜10秒程度としてもよい。本動作例では、一例として、上記検量時間を5秒として説明する。
そして、検量ボックス66をボックス挿入開口63から脱離させ、検量ボックス66に収容されたマスターバッチ材の質量を電子秤等でユーザーに測定させる。本動作例では、一例として、マスターバッチ材の質量が2.2gであったとする。
【0052】
次いで、上記のように測定された粉粒体材料の質量が検量値として検量値入力キー58から入力されれば((ステップ107)質量入力工程)、上記検量回転数(593rpm)、上記検量時間(5秒)及び上記検量値(2.2g)に基づいて検量データを更新する((ステップ108)検量データ更新工程)。つまり、検量値と検量時間とから検量モード実行時における供給能力を算出する。上記例では、1.584kg/hとなる。そして、この供給能力と検量回転数とから、第1供給部10の第1切出部11の回転数と供給能力との対応関係を示す予め設定された上記初期検量データを更新する。これにより、図8(a)に示すように、第1供給部10の第1切出部11の検量データを表す検量線は、二点鎖線で示す上記初期検量データを表す検量線から一点鎖線で示すものとなる。本動作例では、初期検量データに基づく作動制御では、供給が過多であったこととなる。
そして、この更新された検量データを参照して第1供給部10の必要供給能力に応じた第1切出部11の回転駆動部14の回転数を決定し、記憶部52に格納させる((ステップ109)必要回転数決定工程)。つまり、必要供給能力が上記のように1.46kg/hであった場合、更新後の検量データから、回転駆動部14を作動させる際の回転数は、547rpmとなる(図8(a)参照)。このような回転数の決定は、更新後の検量データを参照してCPU51の自動演算によりなされる。
なお、検量開始キー57の押下げがなされた後、所定時間が経過するまでに上記検量値の入力がなされなければ、上記同様、エラーメッセージ等を出力させたり、タイムアップさせたりするようにしてもよい(後記する図7のステップ115においても略同様にしてもよい)。
【0053】
上記のように第1供給部10の第1切出部11の検量データを更新し、回転数を格納させ、他材料(検量未実施の他材料を供給する供給部)があれば(ステップ110)、ステップ101に戻り、上記同様にして、他の供給部(第3供給部30)の検量データの更新を実行する(ステップ101〜109)。
この第3供給部30の検量において、上記検量値が18gであったとすれば、上記同様、この検量値と上記検量時間とから検量モード実行時における供給能力を算出する。この例では、12.96kg/hとなる。そして、この供給能力と上記した第3供給部30の単一の検量回転数(488rpm)とから、第3供給部30の第3切出部31の回転数と供給能力との対応関係を示す予め設定された上記初期検量データを更新する。これにより、図8(b)に示すように、第3供給部30の第3切出部31の検量データを表す検量線は、二点鎖線で示す上記初期検量データを表す検量線から一点鎖線で示すものとなる。本動作例では、初期検量データに基づく作動制御では、供給が過少であったこととなる。
そして、この更新された検量データを参照して第3供給部30の必要供給能力に応じた第3切出部31の回転駆動部34の回転数を決定し、記憶部52に格納させる(ステップ109)。つまり、必要供給能力が上記のように14.6kg/hであった場合、更新後の検量データから、回転駆動部34を作動させる際の回転数は、550rpmとなる(図8(b)参照)。
【0054】
また、上記のように第3供給部30の第3切出部31の検量データを更新し、回転数を格納させ、他材料(検量未実施の他材料を供給する供給部)があれば(ステップ110)、ステップ101に戻り、上記同様にして、他の供給部(第4供給部40)の検量データの更新を実行する(ステップ101〜109)。
この第4供給部40の検量において、上記検量値が58gであったとすれば、上記同様、この検量値と上記検量時間とから検量モード実行時における供給能力を算出する。この例では、41.76kg/hとなる。そして、この供給能力と上記した第4供給部40の単一の検量回転数(644rpm)とから、第4供給部40の第4切出部41の回転数と供給能力との対応関係を示す予め設定された上記初期検量データを更新する。これにより、図8(c)に示すように、第4供給部40の第4切出部41の検量データを表す検量線は、二点鎖線で示す上記初期検量データを表す検量線から一点鎖線で示すものとなる。本動作例では、初期検量データに基づく作動制御では、供給が過少であったこととなる。
そして、この更新された検量データを参照して第4供給部40の必要供給能力に応じた第4切出部41の回転駆動部44の回転数を決定し、記憶部52に格納させる(ステップ109)。つまり、必要供給能力が上記のように43.9kg/hであった場合、更新後の検量データから、回転駆動部44を作動させる際の回転数は、677rpmとなる(図8(c)参照)。
【0055】
そして、他材料(検量未実施の他材料を供給する供給部)があれば(ステップ110)、ステップ101に戻るが、本動作例では、他の材料がないため、以上により検量モードが終了する。
上記のように更新された検量データに基づいて決定された必要供給能力に応じた回転数で各回転駆動部14,34,44を作動させることで、必要供給能力近傍の範囲で比較的に正確な供給を行うことが可能となる。
また、本動作例では、供給精度を更に向上させるための検量データ確認モードを実行可能としている。この検量データ確認モードは、特に更新前の検量データ(上記例では、初期検量データ)と更新後の検量データとの乖離度合いが大きい場合など、つまり、更新前の検量データに基づいて設定した必要供給能力に応じた検量回転数と、更新後の検量データに基づいて決定された必要供給能力に応じた回転数とに乖離度合いが大きい場合等では、その決定された回転数で作動させた場合の供給能力に誤差が生じることも考えられるため、実行可能とされている。この検量データ確認モードでは、上記検量モードを実行した後、上記のように更新された検量データに基づいて決定された必要供給能力に応じた回転数でさらに確認のための検量を実行させ、回転数を更新するようにしている。
【0056】
<検量データ確認モード>
上記検量モードの実行により、各供給部10,30,40における各必要供給能力に応じた回転数の格納がなされた後、図7に示すように、確認モードキー59の押下げがなされ(ステップ111)、上記同様に検量ボックス66の挿入がなされ(ステップ112)、開始キー(検量データ確認操作部、例えば、検量開始キー57と共通のものでもよい。)の押下げがなされれば(ステップ113)、上記のように格納された回転数で回転駆動部を確認時間が経過するまで作動させて材料を排出させ、検量ボックス66に収容させる(ステップ114)。
上記確認時間は、上記検量時間と同じ時間でもよく、または、1バッチ供給時間と同じ時間でもよい。例えば、第1供給部10を例にすれば、上記のように1バッチ供給時間が15秒で、格納された回転数が547rpmであった場合、第1切出部11の回転駆動部14を15秒が経過するまで547rpmで作動させるようにしてもよい。
そして、上記検量モードと同様、検量ボックス66をボックス挿入開口63から脱離させ、検量ボックス66に収容された材料の質量を電子秤等でユーザーに測定させる。
【0057】
次いで、上記のように測定された粉粒体材料の質量が確認値として、例えば、検量値入力キー58等を介して入力されれば(ステップ115)、この確認値(確認データ)に基づいて上記のように格納された回転数、すなわち、必要供給能力に応じた回転数を更新する(ステップ116)。
例えば、各事前設定項目等が上記各値であった場合、第1供給部10からは、15秒(1バッチ供給時間)の間に、約6.09g(1バッチ当たりの必要供給量)のマスターバッチ材を排出させる必要があり、これを目標値として、これと上記確認値との差分から自動演算によって回転駆動部の回転数を更新(オフセット)するようにしてもよい。つまり、確認値が目標値よりも小さければ回転数を増加させ、確認値が目標値よりも大きければ回転数を減少させるようにしてもよい。
【0058】
そして、上記検量モードと同様、他材料(確認未実施の他材料を供給する供給部)があれば(ステップ117)、ステップ112に戻り、上記同様にして、他の供給部(例えば、第3供給部30、第4供給部40)の回転数の更新(オフセット)を実行する(ステップ112〜116)。
なお、上記では、確認時間を1バッチ供給時間とし、確認データをこの確認時間の間に排出された材料の質量とした例を示しているが、例えば、目標値を必要供給量ではなく必要供給能力とした場合は、確認値を確認時間で除した値を確認データとし、これと必要供給能力とを比較することで回転数を更新するようにしてもよい。
また、ステップ111において、確認モードキー59の押下げがなされない場合、つまり、上記検量モードを実行した後、確認モードキー59の押下げがなされない場合は、検量データ確認モードを実行することなく後記する定常運転モードへの移行を許可するようにしてもよい。または、検量データ確認モードの実行がなされるまでは、定常運転モードへの移行を不能としてもよい。
また、ステップ112,113を省略し、確認モードキー59を検量データ確認操作部として機能させるようにしてもよい。
【0059】
<定常運転モード>
上記検量モードを実行した後、または検量データ確認モードを実行した後、操作パネル53等に設けられた定常運転キー等の押下げ操作等がなされれば、図示は省略するが、定常運転モードへ移行させる。
この定常運転モードでは、投入貯留部60に設けられた材料センサー69から材料要求信号が出力されれば、各供給部10,30,40の各回転駆動部14,34,44を略同時に起動させるとともに、上記のように格納されたそれぞれの回転数で各回転駆動部14,34,44を1バッチ供給時間が経過するまで作動させ、同時に停止させる。つまり、各供給部10,30,40から各材料を同期的に排出させるようにしている。これにより、投入貯留部60において、所望の配合比率で配合された粉粒体材料が一時的に貯留され、この投入貯留部60を介して供給先としての射出成形機6へ供給される。
そして、射出成形機6において逐次、消費され、投入貯留部60における材料の貯留レベルが低下し、材料センサー69から材料要求信号が出力される毎に、上記同様、各供給部10,30,40から各材料を同期的に排出させる動作が繰り返し実行される。
【0060】
なお、上記動作例では、検量モードにおいて各供給部における検量を一度のみ実行した例を示しているが、各供給部において複数回の検量を実行させるようにしてもよい。例えば、ステップ104〜ステップ106を複数回、繰り返し実行させ、排出された質量の平均値をステップ107において検量値としてユーザーに入力させたり、ステップ104〜ステップ107を複数回、繰り返し実行させ、入力された検量値の平均値をCPU51によって自動算出し、この平均値をステップ108において検量データを更新するための検量値としたりしてもよい。
また、このように定常運転を実行した後、材料替えや材料点数の増減、配合比率の変更などを行う場合には、上記同様にして、各種事前設定項目等を入力させ、検量モードまたはこれに加えて検量データ確認モードを実行させて検量データ等を更新するようにしてもよい。この際、更新前の検量データに基づいて各必要供給能力に応じたそれぞれの検量回転数を決定するようにしてもよく、または、更新前の検量データをリセットし、初期検量データに基づいて各必要供給能力に応じたそれぞれの検量回転数を決定するようにしてもよい。
【0061】
以上のように、本実施形態に係る粉粒体材料の配合供給装置1によれば、各供給部10,20,30,40における検量データの更新を簡易に行うことができる。つまり、材料替えの度等、比較的頻繁に行う必要がある検量データ更新の際の作業性を向上させることができる。また、この結果、検量に使用される粉粒体材料を少なくすることができ、これを廃棄する必要がある場合には、廃棄量を少なくすることができる。
また、本動作例では、各供給部における必要供給能力を、操作パネル53から事前設定項目として入力された所定の必要供給データとしての必要供給量(1バッチ供給量と配合比率から算出される)と供給時間とに基づいて算出し、これに応じた単一の検量回転数で検量モードを実行させるようにしている。従って、この単一の検量回転数は、実使用の範囲に極めて近い必要供給能力に応じたものとなるので、更新された検量データの正確性を向上させることができ、より正確な供給を行うことができる。つまり、種々の使用態様を想定して広範囲な必要供給能力に応じた複数の異なる回転数で検量を行わせるのではなく、実使用に対応させた単一の必要供給能力に応じた検量回転数で検量モードを実行させるようにしているので、更新後の検量データに基づいて必要供給能力に応じた回転数を決定し、その回転数で供給させることで、正確な供給を行うことが可能となる。
【0062】
さらに、本動作例では、操作パネル53に、各切出部11,21,31,41に粉粒体材料を事前充填させるための入力を受け付ける充填キー56を設け、切出部に粉粒体材料が充填された後に、検量を実行させるようにしている。つまり、切出部から安定して粉粒体材料が排出される状態とした後に、検量のために回転駆動部を作動させるようにしている。このような構成によれば、比較的に少ない検量回数で比較的に正確な検量値(排出量)を取得でき、これに基づいて検量データを更新でき、上記動作例のように、一度の検量の実行によっても誤差の少ない検量データの更新設定が可能となる。従って、材料替えの度等、比較的頻繁に行う必要がある検量データ更新の際の作業性を飛躍的に向上させることができる。
さらにまた、本動作例では、検量モードを実行した後に、検量データ確認モードを実行可能としているので、より正確な供給を行うことができる。つまり、検量モードの実行により更新された検量データから決定される必要供給能力に応じた回転駆動部の回転数を、再度、検量データ確認モードの実行により更新できるので、より誤差の少ない供給が可能となる。
【0063】
また、本実施形態に係る粉粒体材料の配合供給装置1によれば、各供給部10,20,30,40における検量データを簡易に更新可能でありながらも、各供給部10,20,30,40において誤差の少ない供給が可能となるため、誤差の少ない配合比率で粉粒体材料を配合することができる。
さらに、本動作例では、各供給部(上記例では、第1供給部10、第3供給部30、第4供給部40)の切出部11,31,41の回転駆動部14,34,44を同期的に作動させて排出させるようにしているので、投入貯留部60に投入された際には複数種の粉粒体材料が投入貯留部60内において適度に混在した状態となり、下流側に混合手段等を設けないようにすることもできる。つまり、供給先としての射出成形機6と当該配合供給装置1との間に混合ドラムや気流混合ホッパー等の混合手段を設けないようにすることもでき、当該配合供給装置1を図例のように射出成形機6上に直接的に設置することも可能となる。
【0064】
なお、上記動作例では、検量データ確認モードにおいて、必要供給能力に応じた回転数を更新する態様とした例について説明したが、上記確認データに基づいて、検量データを更に更新する態様とすることも可能である。または、このように回転数や検量データを自動更新する態様に代えて、上記確認値等を参照させ、ユーザーの操作により回転駆動部の回転数を微調整し得る態様としてもよい。
また、上記動作例では、検量モードにおいて切出部に粉粒体材料を事前充填させる充填工程を設け、そのための充填キー56を操作パネル53に設けた例について説明したが、これらを設けないようにしてもよい。この場合は、誤差を少なくする観点等から、上記したように各供給部において検量を複数回、繰り返し実行させることが好ましい。
【0065】
また、上記動作例では、検量モードを実行した後、更に検量データ確認モードを実行可能とし、そのための検量データ確認操作部や確認モードキー59を操作パネル53に設けた例について説明したが、これらを設けないようにしてもよい。
また、上記動作例では、各供給部の切出部の回転駆動部を略同時に起動させ、各材料を同期的に排出させる態様とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、各供給部の切出部の回転駆動部を個別に順次、作動させる態様としてもよい。この場合は、投入貯留部やその下流側に混合手段を更に設けるようにしてもよい。
【0066】
また、上記動作例では、供給先に未配合の粉粒体材料が供給されないようにする観点等から検量ボックス66の挿入有無を検出する工程を設け、当該配合供給装置1に検量ボックスセンサー65を設けた例を示しているが、これらを設けないようにしてもよい。
また、上記例では、当該配合供給装置1の投入貯留部60にボックス挿入開口63を有した検量ボックス挿入部62を設け、このボックス挿入開口63に抜き差しされる検量ボックス66を設けた例について説明したが、このような検量ボックス66を設けないようにしてもよい。この場合は、市販の袋や皿等を試料収容手段として採用するようにしてもよい。
【0067】
次に、本実施形態に係る配合供給装置1において実行される検量モードの基本動作の他例を図9(b)、(c)を参照して説明する。
図9(b)は、各供給部における貯留対象と推奨供給能力とを対応させた表、図9(c)は、同基本動作例において用いられる各供給装置における予め設定された必要供給能力の一例及び検量回転数の一例を対応させて示す表である。
なお、上記動作例と同様の動作については説明を省略または簡略に説明する。
上記動作例では、操作パネル53から事前設定項目として入力された必要供給量及び1バッチ供給時間に基づいて各供給部10,20,30,40における単一の必要供給能力を設定した例を説明したが、本動作例では、この単一の必要供給能力の設定態様が異なる。
【0068】
本動作例では、使用態様に応じて定められる推奨供給能力の範囲内の単一の必要供給能力を予め記憶部52に格納している。
この推奨供給能力は、上記した各切出部11,21,31,41の切出可能能力(図9(a)参照)の範囲内で適宜、設定可能であるが、当該配合供給装置1の仕様上、例えば、取り扱う粉粒体材料の種類等に応じて定めるようにしてもよい。
例えば、本実施形態に係る配合供給装置1を、上記のように合成樹脂材料のナチュラル材や粉砕材、マスターバッチ材などの配合供給のために用いる場合には、図9(b)に示すように、各材料に対応させて、各切出部11,21,31,41の推奨供給能力を定めるようにしてもよい。このような種類の材料は、ナチュラル材が他の材料よりも多く配合される傾向があり、次いで、粉砕材が多く配合される傾向があり、マスターバッチ材が他の材料よりも少なく配合される傾向がある。そこで、本動作例では、各材料に対応させて使用されると想定される切出部を設定するとともに、それに対応させて推奨供給能力を定めるようにしている。
【0069】
図例では、第1供給部10及び第2供給部20の第1切出部11及び第2切出部21は、マスターバッチ材の供給に望ましく使用されるものと想定し、その推奨供給能力を、1kg/h〜3kg/hとした例を示している(図4(a)、(b)の太い実線も参照)。また、第3供給部30及び第4供給部40の第3切出部31及び第4切出部41は、粉砕材の供給に望ましく使用されるものと想定し、その推奨供給能力を、6kg/h〜24kg/hとした例を示している(図4(c)、(d)の太い実線も参照)。また、第3供給部30及び第4供給部40の第3切出部31及び第4切出部41は、ナチュラル材の供給にも望ましく使用されるものと想定し、その推奨供給能力を、30kg/h〜60kg/hとした例を示している(図4(c)、(d)の太い実線も参照)。
なお、この推奨供給能力は、当該配合供給装置1の仕様上、設定されるもので、記憶部等に格納しておく必要はない。または、記憶部に格納しておき、推奨供給能力の範囲外の使用がなされないように警告等を出力するようにしてもよい。また、切出可能能力と推奨供給能力とを同じ値としてもよい。
【0070】
上記推奨供給能力の範囲内で設定される単一の必要供給能力は、例えば、図9(c)に示すように、各推奨供給能力の略中間の値を単一の必要供給能力として設定し、記憶部52に格納させるようにしてもよい。そして、この単一の必要供給能力に応じた単一の検量回転数を設定する場合は、上記動作例と略同様、上記した初期検量データ(図4参照)を参照して、設定するようにすればよい。図例では、対象材料がマスターバッチ材であった場合には、必要供給能力を、2kg/hとし、第1切出部11の検量回転数を、810rpm、第2切出部21の検量回転数を、300rpmとした例を示している。また、対象材料が粉砕材であった場合には、必要供給能力を、15kg/hとし、第3切出部31の検量回転数を、500rpm、第4切出部41の検量回転数を、220rpmとした例を示している。また、対象材料がナチュラル材であった場合には、必要供給能力を、45kg/hとし、第3切出部31の検量回転数を、1500rpm、第4切出部41の検量回転数を、660rpmとした例を示している(図4も参照)。
【0071】
また、本動作例では、操作パネル53に、各供給部10,20,30,40に貯留される貯留対象としての粉粒体材料の種類を事前設定項目として選択乃至は入力させる材料選択操作部を設けている。この場合、例えば、各種設定キー54を材料選択操作部として機能させてもよい。そして、本動作例では、この材料選択操作部の入力を受け付けて、各供給部10,20,30,40における単一の必要供給能力の設定を行うようにしている。つまり、本動作例では、粉粒体材料の種類を所定の必要供給データとし、これに基づいて単一の必要供給能力の設定を行うようにしている。
このような必要供給能力の設定態様によっても上記動作例と略同様の動作の実行が可能であり、概ね同様の効果を奏する。すなわち、実使用の範囲に近い必要供給能力に応じた単一の検量回転数で検量モードを実行させることができるので、その範囲近傍では更新された検量データの正確性が向上され、誤差の少ない正確な供給を行うことができる。
【0072】
なお、本動作例では、対象材料を事前設定項目として選択乃至は入力させる材料選択操作部を設けた例について説明したが、材料の種類に代えて、例えば、大供給材料、中供給材料、小供給材料などの選択操作が可能な操作部を設けるようにしてもよい。
また、本動作例では、検量データを更新した後、この検量データを参照して各供給部の回転駆動部の回転数を決定する場合には、事前設定項目として入力された必要供給量及び1バッチ供給時間に基づいて実必要供給能力を上記動作例と略同様に算出し、この実必要供給能力に応じた回転数を更新後の検量データを参照して決定し、格納させるようにしてもよい。このような場合にも、上記推奨供給能力の範囲内で設定した単一の必要供給能力に応じた検量回転数で検量データの更新がなされているので、上記推奨供給能力の範囲内では比較的に誤差の少ない供給が可能となる。
また、上記各例における必要供給能力の設定態様に代えて、当該配合供給装置1によってなされる供給態様が連続供給等である場合には、供給先において単位時間当たりに処理される処理量(処理能力)等を必要供給データとして入力させ、この処理能力に見合った値となるように必要供給能力を設定する態様としてもよい。
【0073】
さらには、上記各例のように操作パネル53から入力等された必要供給データに基づいて必要供給能力を設定し、これに応じた検量回転数を決定する態様に代えて、各供給部が使用されると想定される仕様上の範囲で、単一の必要供給能力を予め設定しておき、これに応じた単一の検量回転数も予め設定し、格納しておくようにしてもよい。例えば、上記同様にして、各切出部の切出可能能力に基づいて各供給部の推奨供給能力を定めておき、この推奨供給能力の範囲内で上記単一の必要供給能力を設定するようにしてもよい。例えば、上記推奨供給能力の略中間の値を必要供給能力と推定して事前に設定しておき、これに応じた単一の検量回転数を事前に設定しておくようにしてもよい。
このような構成とすれば、上記のような各種事前設定を不要とすることもでき、簡易な操作で検量モードの実行が可能でありながらも、比較的、実使用に応じた誤差の少ない供給を行うことができ、想定される使用範囲内では、概ね正確な供給を行うことができる。
【0074】
なお、上記実施形態では、4つの供給部を備えた配合供給装置1を例示しているが、少なくとも2つの供給部を備えたものとしてもよい。
また、上記実施形態では、複数の供給部を備えた配合供給装置1について説明したが、各供給部を、供給先に向けて粉粒体材料を定量供給乃至は計量供給する供給装置として把握するようにしてもよい。この場合は、当該供給装置に上記のような各種動作や各モードを実行させる制御部や各種入力操作等を受け付ける操作部、記憶部等を設けるようにすればよい。
【符号の説明】
【0075】
1 粉粒体材料の配合供給装置
10 第1供給部(供給装置)
11 第1切出部
14 第1回転駆動部
15 第1貯留部
20 第2供給部(供給装置)
21 第2切出部
24 第2回転駆動部
25 第2貯留部
30 第3供給部(供給装置)
31 第3切出部
34 第3回転駆動部
35 第3貯留部
40 第4供給部(供給装置)
41 第4切出部
44 第4回転駆動部
45 第4貯留部
51 CPU(制御部)
53 操作パネル(操作部)
56 充填キー(充填操作部)
57 検量開始キー(検量データ確認操作部)
59 確認モードキー(検量データ確認操作部)
60 投入貯留部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体材料を貯留する貯留部の下部に設けた切出部の回転駆動部の単位時間当たりの回転数を変更することで、単位時間当たりに供給する粉粒体材料の供給量の変更が可能とされた粉粒体材料の供給装置であって、
前記切出部の切出可能能力の範囲内で予め設定される単一の必要供給能力に応じた単一の検量回転数で前記回転駆動部を所定の検量時間が経過するまで作動させて、前記貯留部に貯留された粉粒体材料を排出させるための入力を受け付けるとともに、この排出された粉粒体材料の質量の入力を受け付ける操作部と、
前記操作部からの前記排出入力に基づいて前記回転駆動部を作動させるとともに、前記入力された質量及び前記検量時間と前記検量回転数とに基づいて、前記回転駆動部の回転数と単位時間当たりの供給量との対応関係を示す予め設定された検量データを更新する検量モードを実行させる制御部と、
を備えていることを特徴とする粉粒体材料の供給装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御部は、前記必要供給能力を、前記操作部から入力される所定の必要供給データに基づいて設定することを特徴とする粉粒体材料の供給装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記操作部には、前記切出部に粉粒体材料を事前充填させるための入力を受け付ける充填操作部が設けられており、
前記制御部は、前記充填操作部からの入力に基づいて前記回転駆動部を作動させ、前記切出部に粉粒体材料が充填された後に、前記排出入力に基づいて前記回転駆動部を作動させることを特徴とする粉粒体材料の供給装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記操作部には、更新された検量データに基づいて決定された前記必要供給能力に応じた回転数で前記回転駆動部を所定の確認時間が経過するまで作動させて前記貯留部に貯留された粉粒体材料を排出させるための入力を受け付ける検量データ確認操作部が設けられており、
前記制御部は、前記検量データ確認操作部からの前記排出入力に基づいて前記回転駆動部を作動させ、この排出された粉粒体材料の質量の入力を、前記操作部を介して受け付け、この入力された質量に基づいて前記必要供給能力に応じた回転数を更新する検量データ確認モードを更に実行可能としていることを特徴とする粉粒体材料の供給装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複数の粉粒体材料の供給装置と、これら供給装置の各切出部から排出された粉粒体材料を受け入れる投入貯留部とを備え、各供給装置の切出部から排出させるときには、前記必要供給能力に応じたそれぞれの回転数で各切出部の回転駆動部を同期的に作動させて排出させる構成とされていることを特徴とする粉粒体材料の配合供給装置。
【請求項6】
粉粒体材料を貯留する貯留部の下部に設けた切出部の回転駆動部の単位時間当たりの回転数を変更することで、単位時間当たりに供給する粉粒体材料の供給量の変更を可能とした粉粒体材料の供給方法であって、
前記切出部の切出可能能力の範囲内で予め設定される単一の必要供給能力に応じた単一の検量回転数で前記回転駆動部を所定の検量時間が経過するまで作動させ、前記貯留部に貯留された粉粒体材料を排出させる排出工程と、
この排出された粉粒体材料の質量の入力を受け付ける質量入力工程と、
前記入力された質量及び前記検量時間と前記検量回転数とに基づいて、前記回転駆動部の回転数と単位時間当たりの供給量との対応関係を示す予め設定された検量データを更新する検量データ更新工程と、
を備えていることを特徴とする粉粒体材料の供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−101471(P2012−101471A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252803(P2010−252803)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000146054)株式会社松井製作所 (70)
【Fターム(参考)】