説明

粉粒繊維系材料充填方法及びその装置

【課題】 細口ボトル容器等の内部に粉粒繊維系材料を充填する場合における煩雑で非効率的な作業を有効に回避し得る粉粒繊維系材料充填方法及びその装置を提供する。
【解決手段】 所定量の粉粒繊維系材料を口部を通じて容器内に投入し得るように圧縮する圧縮工程と、圧縮工程によって圧縮された所定量の粉粒繊維系材料を口部を通じて容器内に投入する投入工程と、を含む粉粒繊維系材料充填方法及びそれを具現化する装置である。投入工程によって投入された所定量の粉粒繊維系材料を圧縮される前の状態に復元する復元工程を含むこととしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として細口ボトル容器内に粉状物、粒状物、繊維状物その他の粉粒繊維系材料を充填するに当たって用いられる粉粒繊維系材料充填方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における粉粒繊維系材料充填方法としては、例えば所定量の粉状物をホッパー排出口及び容器の口部を通じて容器内に投入する投入工程を含む粉状物充填方法であって、投入工程に併せてホッパー内部で撹拌棒を回動させる撹拌工程を行うことにより、粉状物がホッパー排出口や容器の口部で詰まることなく容器内に円滑に投入されるようにしたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平4−253683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、粉状物を充填すべき容器が細口ボトル容器のような口部の内径寸法が比較的小さい容器である場合には、投入工程に併せて撹拌工程を行うだけの従来の粉状物充填方法では、空気層が多く比重が小さいという特質を有する粉状物が、狭い容器の口部を通過出来ずに詰まったり、狭い容器の口部を通過できた場合でも空隙が過剰となり容器内に入りきれなくなったりする場合も少なくない。
【0004】
このような場合には、容器の口部を通過できなかった粉状物や容器内に入りきれなかった粉状物を棒状部材を用いて容器内に何度も繰り返し押し込むという煩雑で非効率的な作業を余儀なくされてしまう。
【0005】
なお、口部の内径寸法が比較的大きい広口ジャー容器内に充填する場合でも、繊維状物等を充填するような場合には、細口ボトル容器内に粉粒状物を充填する場合と同様の問題が生じることも少なくない。
【0006】
そこで、本考案の課題は、細口ボトル容器等の内部に粉粒繊維系材料を充填する場合における煩雑で非効率的な作業を有効に回避することができる粉粒繊維系材料充填方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る粉粒繊維系材料充填方法は、所定量の粉粒繊維系材料を口部を通じて容器内に投入し得るように圧縮する圧縮工程と、圧縮工程によって圧縮された所定量の粉粒繊維系材料を口部を通じて容器内に投入する投入工程と、を含むことを特徴としている。
【0008】
このような粉粒繊維系材料充填方法によれば、投入工程の前に所定量の粉粒繊維系材料を口部を通じて容器内に投入し得るように圧縮する圧縮工程を含むので、細口ボトル容器等の内部に所定量の粉粒繊維系材料を充填する場合において容器の口部を通過できない粉粒繊維系材料や容器内に入りきれない粉粒繊維系材料の発生を確実に回避することが可能となる。
【0009】
したがって、これによれば、細口ボトル容器等の内部に所定量の粉粒繊維系材料を充填する場合において容器の口部を通過できない粉粒繊維系材料等を棒状部材により容器内に何度も繰り返し押し込むという煩雑で非効率的な作業を有効に回避することが可能となる。
【0010】
このような技術的手段において、製品の性質上粉状等であることが要求される場合に適切かつ効率的に対処しようとする観点からすれば、投入工程によって投入された所定量の粉粒繊維系材料を圧縮される前の状態に復元する復元工程を含むことが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る粉粒繊維系材料充填装置は、粉粒繊維系材料の投入口を有する底板と、上下両側及び片側である横側に向けて開口するスリットを有し、底板上に載置され底板の上面に対する相対的な横方向摺動可能に設けられたブロック部材と、スリットの高さ寸法に対応した幅寸法及びスリットの内幅寸法に対応した厚さ寸法を有し、先端側がスリット内に差し込まれ底板の上面及びスリットの内周面に対する相対的な横方向摺動可能に設けられた板状部材とを備えた粉粒繊維系材料充填装置であって、ブロック部材のスリット、板状部材の先端側及び底板の投入口を相互に位置決めすることにより、底板の上面のうち投入口のない部分、スリットの内周面及び板状部材の先端面によって所定量の粉粒繊維系材料が収容されるべき収容部を確保する収容部確保手段と、板状部材の先端面をスリットの基端面に対して幅寄せすることにより、収容部確保手段によって確保された収容部で収容された所定量の粉粒繊維系材料を口部を通じて容器内に投入され得る柱状に圧縮する圧縮手段と、ブロック部材のスリット、板状部材の先端側及び底板の投入口を相互に位置決めすることにより、圧縮手段によって圧縮された所定量の柱状粉粒繊維系材料の真下位置に底板の投入口を確保する投入口確保手段と、圧縮手段によって板状部材の先端面がスリットの基端面に対して幅寄せされ、かつ、投入口確保手段によって投入口が確保された場合においてスリットの内周面によって保持された所定量の柱状粉粒繊維系材料を投入口を通じて棒状部材により押し出す材料押出手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
このような粉粒繊維系材料充填装置によれば、収容部で収容された所定量の粉粒繊維系材料を口部を通じて容器内に投入され得る柱状に圧縮する圧縮手段を備えたので、細口ボトル容器等の内部に所定量の粉粒繊維系材料を充填する場合において容器の口部を通過できない粉粒繊維系材料や容器内に入りきれない粉粒繊維系材料の発生を確実に回避することが可能となる。
【0013】
したがって、これによれば、細口ボトル容器等の内部に所定量の粉粒繊維系材料を充填する場合において容器の口部を通過できない粉粒繊維系材料等を棒状部材により容器内に何度も繰り返し押し込むという煩雑で非効率的な作業を有効に回避することが可能となる。
【0014】
このような技術的手段において、製品の性質上粉状等であることが要求される場合に適切かつ効率的に対処しようとする観点からすれば、投入手段によって容器内に投入された所定量の柱状粉粒繊維系材料を圧縮手段によって圧縮される前の状態に復元するため当該容器に対して振動を付与する振動付与手段を備えたことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る粉粒繊維系材料充填方法及びその装置によれば、細口ボトル容器等の内部に所定量の粉粒繊維系材料を充填する場合における煩雑で非効率的な作業が有効に回避されることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施の形態に係る粉粒繊維系材料充填装置の全体構成を示す側面図(収容部確保時)、図2は同粉粒繊維系材料充填装置の部分構成を示す斜視図(収容部確保時)、図3は同粉粒繊維系材料充填装置の全体構成を示す側面図(投入口確保時)、図4は同粉粒繊維系材料充填装置の部分構成を示す斜視図(投入口確保時)、図5は同粉粒繊維系材料充填装置の全体構成を示す側面図(材料投入時)、図6は同粉粒繊維系材料充填装置の部分構成を示す斜視図(材料投入時)、図7は同粉粒繊維系材料充填装置の全体構成を示す側面図(材料押出時)、図8は同粉粒繊維系材料充填装置の部分構成を示す斜視図(材料押出時)である。
【0018】
本実施の形態において、粉粒繊維系材料充填装置は、図1〜図8に示すように、有底円筒形状に形成された細口ボトル容器101内に粉状物を充填することを目的として用いられるものであり、所定量の粉状物を口部101aを通じて細口ボトル容器101内に投入し得るように圧縮すると共に圧縮された所定量の粉状物を口部101aを通じて細口ボトル容器101内に投入する役割を果たすものとして構成されている。
【0019】
また、この粉粒繊維系材料充填装置は、図示しないが、細口ボトル容器101内に投入された所定量の粉状物を圧縮される前の状態に復元する機能が付加されたものとして構成されている。
【0020】
なお、本実施の形態においては、図1、図3、図5及び図7に示すように、細口ボトル容器101が装着される装着部102aが周方向に沿って複数設けられ、装着部102aに装着された細口ボトル容器101が後述する材料押出部11の真下に適宜タイミングで順次配置されるように回転する円盤状の回転式移送装置102を備えている。
【0021】
具体的には、この粉粒繊維系材料充填装置は、これらの図に示すように、ベース1と、底板2と、ブロック部材3と、板状部材4と、ホッパー装置5と、収容部確保手段(図示外)と、圧縮手段(図示外)と、投入口確保手段(図示外)と、材料押出手段6と、振動付与手段(図示外)とを含むものとして構成されている。
【0022】
以下、これらの各構成要素についてさらに詳細に説明する。
【0023】
(1)ベース1
ベース1は、図1、図3、図5及び図7に示すように、材料押出手段6によって粉状物を押し出すための材料押出部11を有する、比較的厚い平板状部材として構成されている。
【0024】
ベース1は、その上に載置された底板2を横方向摺動可能に下側から支持する役割を果たすと共に、ホッパー装置5のホッパー51を所定の高さ位置及び姿勢で支持する役割を果たすものとして構成されている(これらの図参照)。
【0025】
(2)底板2
底板2は、図1〜図8に示すように、粉状物の投入口21を有する比較的薄い平板状部材として構成されている。
【0026】
底板2は、その上に載置されたブロック部材3を横方向摺動可能に下側から支持する役割を果たすと共に、その上に載置された板状部材4をブロック部材3とは別個独立に横方向摺動可能に下側から支持する役割を果たすものとして構成されている(これらの図参照)。
【0027】
ここで、底板2は、所定量の粉状物を収容部103内に収容する工程においては、図1及び図2に示すように、収容部103内に落とし込まれた粉状物の下端位置を限界付ける、収容部103の底面としての役割を果たす。
【0028】
また、底板2は、圧縮工程によって圧縮された所定量の粉状物を口部101aを通じて細口ボトル容器101内に投入する工程においては、図5〜図8に示すように、収容部103内に確保された所定量の粉状物を投入口21を通じて通過させる役割を果たす。
【0029】
(3)ブロック部材3
ブロック部材3は、図1〜図8に示すように、上下両側が表面が平らな頂面及び底面として形成され、かつ、横側である前後左右が互いに平行で表面が平らな二対の側面として形成されたブロック状部材として構成されている。
【0030】
ここで、このブロック部材3は、図2、図4、図6及び図8に示すように、上下両側及び前後左右のうちの一の横側に向けて開口するスリット31を有するものとして構成されている。
【0031】
そして、このブロック部材3は、図1、図3、図5及び図7に示すように、底板2の上面に対して底面の相対的な横方向摺動が可能となるように設けられると共に、フランジ部51aの下面に対して頂面の相対的な横方向摺動が可能となるように設けられたものとして構成されている。
【0032】
(4)板状部材4
板状部材4は、図1〜図8に示すように、スリット31の高さ寸法と略同一の幅寸法及びスリット31の内幅寸法と略同一又は僅かに小さい厚さ寸法を有するものとして構成されている。
【0033】
すなわち、この板状部材4は、これらの図に示すように、先端側がスリット31内に差し込まれることにより、底板2の上面に対する相対的な横方向摺動可能に設けられると共にスリット31の内周面に対する相対的な横方向摺動可能に設けられたものとして構成されている。
【0034】
(5)ホッパー装置5
ホッパー装置5は、図1、図3、図5及び図7に示すように、粉状物を一時的に貯留する役割を果たすと共に貯留された粉状物を順次収容部103側に向けて供給する役割を果たすものとして構成されている。
【0035】
具体的には、ホッパー装置5は、これらの図に示すように、下端開口及び下端開口を囲むフランジ部51aを有し、このフランジ部51aの下面がブロック部材3の上面に当接するようにベース1によって支持されたホッパー51と、軸体52a及びこの軸体52aに基端部が固着された撹拌棒52bを有し、この撹拌棒52bを軸体52aと共に回転させることによりホッパー51内の粉状物を撹拌する撹拌装置52とを備えたものとして構成されている(これらの図参照)。
【0036】
(6)収容部確保手段
収容部確保手段は、図1及び図2に示すように、ブロック部材3のスリット31、板状部材4の先端側及び底板2の投入口21を相互に位置決めすることにより、底板2の上面のうち投入口21のない部分、スリット31の内周面及び板状部材4の先端面によって所定量の粉状物が収容されるべき収容部103を確保する役割を果たすものとして構成されている。
【0037】
ここで、この収容部確保手段には、エアー圧力を直線運動に変換することによりベース1の頂面に沿った方向である横方向でのブロック部材3、板状部材4及び底板2のスライド移動を具体化するエアーシリンダの他、これらブロック部材3、板状部材4及び底板2のスライド移動にガタツキを生じないようにする直送案内機器等の機械要素をも含む。
【0038】
(7)圧縮手段
圧縮手段は、図3及び図4に示すように、板状部材4の先端面をスリット31の基端面に対して幅寄せすることにより、収容部確保手段によって確保された収容部103で収容された所定量の粉状物を口部101aを通じて細口ボトル容器101内に投入され得る柱状(本実施の形態では円柱形状)に圧縮するものとして構成されている。
【0039】
ここで、この圧縮手段には、エアー圧力を直線運動に変換することによりベース1の頂面に沿った方向である横方向でのブロック部材3及び板状部材4のスライド移動を具体化するエアーシリンダの他、これらブロック部材3及び板状部材4のスライド移動にガタツキを生じないようにする直送案内機器等の機械要素をも含む。
【0040】
(8)投入口確保手段
投入口確保手段は、図5及び図6に示すように、ブロック部材3のスリット31、板状部材4の先端側及び底板2の投入口21を相互に位置決めすることにより、材料押出手段6に係る棒状部材61の真下位置に圧縮手段によって圧縮された所定量の柱状粉状物を確保すると共にこの所定量の柱状粉状物の真下位置に底板2の投入口21を確保する役割を果たすものとして構成されている。
【0041】
ここで、この投入口確保手段には、エアー圧力を直線運動に変換することによりベース1の頂面に沿った方向である横方向でのブロック部材3、板状部材4及び底板2のスライド移動を具体化するエアーシリンダの他、これらブロック部材3、板状部材4及び底板2のスライド移動にガタツキを生じないようにする直送案内機器等の機械要素をも含む。
【0042】
なお、この投入口確保手段によって投入口21を確保するに当たっては、粉状物を充填すべき細口ボトル容器101が材料押出部11の真下に配置されるように回転式移送装置102を適宜回転させると共に、細口ボトル容器101の口部101aが材料押出部11の材料押出用開口に当接するように回転式移送装置102全体を適宜上昇させる準備的動作が必要となる。
【0043】
(10)材料押出手段6
材料押出手段6は、図7及び図8に示すように、圧縮手段によって板状部材4の先端面がスリット31の基端面に対して幅寄せされ、かつ、投入口確保手段によって投入口21が確保された場合においてスリット31の内周面によって保持された所定量の柱状粉状物を投入口21を通じて棒状部材61により押し出す役割を果たすものとして構成されている。
【0044】
ここで、この材料押出手段6には、エアー圧力を直線運動に変換することにより細口ボトル容器101の軸線方向に沿った棒状部材61のスライド移動を具体化するエアーシリンダの他、この棒状部材61のスライド移動にガタツキを生じないようにする直送案内機器等の機械要素をも含む。
【0045】
(11)振動付与手段
振動付与手段は、図示しないが、材料押出手段6によって細口ボトル容器101内に投入された所定量の柱状粉状物を圧縮手段によって圧縮される前の状態に復元するため当該細口ボトル容器101に対して機械的に振動を付与する役割を果たすものとして構成されている。
【0046】
なお、当該細口ボトル容器101に対する振動の付与は、作業者によるタッピングによって行うようにしてもよい。
【0047】
このような振動付与手段により、製品の性質上粉状等であることが要求される場合に適切かつ効率的に対処することが可能となっている。
【0048】
次に、この粉粒繊維系材料充填装置を用いて行う粉粒繊維系材料充填方法は、圧縮工程と、この圧縮工程に続いて行われる投入工程と、この投入工程に続いて行われる復元工程とを含むものとして構成されている。
【0049】
以下、これらの各工程についてさらに詳細に説明する。
【0050】
(1)圧縮工程
圧縮工程は、所定量の粉状物を口部101aを通じて細口ボトル容器101内に投入し得るように圧縮するというものである。
【0051】
具体的には、先ず、収容部確保手段により、所定の収容部103ブロック部材3のスリット31、板状部材4の先端側及び底板2の投入口21を相互に位置決めされることにより、底板2の上面のうち投入口21のない部分、スリット31の内周面及び板状部材4の先端面によって所定量の粉状物が収容されるべき収容部103が確保される。
【0052】
同時に、収容部確保手段によって確保された収容部103に向けて荷重計量により確保された所定量の粉状物がホッパー51内から下端開口を通じて落とし込まれる。
【0053】
これにより、所定量の粉状物が、収容部103内に収容されることとなる。
【0054】
そして、圧縮手段により、板状部材4の先端面がスリット31の基端面に対して幅寄せされることにより、収容部確保手段によって確保された収容部103内に収容された所定量の粉状物が口部101aを通じて細口ボトル容器101内に投入され得る柱状に圧縮される。
【0055】
(2)投入工程
投入工程は、圧縮工程によって圧縮された所定量の柱状粉状物を口部101aを通じて細口ボトル容器101内に投入するというものである。
【0056】
具体的には、先ず、投入口確保手段により、ブロック部材3のスリット31、板状部材4の先端側及び底板2の投入口21が相互に位置決めされることにより、材料押出手段6に係る棒状部材61の真下位置に圧縮手段によって圧縮された所定量の柱状粉状物が確保されると共にこの所定量の柱状粉状物の真下位置に底板2の投入口21が確保される。
【0057】
そして、材料押出手段6により、圧縮手段によって板状部材4の先端面がスリット31の基端面に対して幅寄せされ、かつ、投入口確保手段によって投入口21が確保された場合においてスリット31の内周面によって保持された所定量の柱状粉状物が投入口21を通じて棒状部材61により押し出される。
【0058】
これにより、所定量の柱状粉状物は、口部101aを通じて細口ボトル容器101内に落とし込まれることとなる。
【0059】
(3)復元工程
復元工程は、投入工程によって投入された所定量の粉状物を圧縮される前の状態に復元するというものであり、本実施の形態のように、製品の性質上粉状等であることが要求される場合に適切かつ効率的に対処することを可能とするものである。
【0060】
具体的には、材料押出手段6によって細口ボトル容器101内に落とし込まれた所定量の柱状粉状物を圧縮手段によって圧縮される前の状態に復元するため機械的な手段により当該細口ボトル容器101に対して振動が付与される。
【0061】
これにより、所定量の柱状粉状物は、細口ボトル容器101内において所定量の粉状物に復元されることとなる。
【0062】
上記したように、本実施の形態における粉粒繊維系材料充填装置方法及びその装置にあっては、収容部103で収容された所定量の粉状物を口部101aを通じて細口ボトル容器101内に投入され得る柱状に圧縮する圧縮手段を備えたものとして構成されている。
【0063】
したがって、このような粉粒繊維系材料充填装置方法及びその装置によれば、細口ボトル容器101等の内部に所定量の粉状物を充填する場合において、狭い細口ボトル容器101の口部101aを通過できない粉状物や細口ボトル容器101内に入りきれない粉状物の発生を確実に回避することが可能となっている。
【0064】
それゆえ、細口ボトル容器101等の内部に所定量の粉状物を充填する場合において細口ボトル容器101の口部101aを通過できない粉状物等を棒状部材61により細口ボトル容器101内に何度も繰り返し押し込むという煩雑で非効率的な作業を有効に回避することが可能となっている。
【0065】
以上、本発明に係る粉粒繊維系材料充填装置の一実施の形態として、化粧品としての粉状物を圧縮し細口ボトル容器101内に投入するものについて説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。例えば、化粧品としての粉状物を圧縮し広口ジャー容器内に投入するものであってもよく、また、化粧品以外の食品等の粉状物を圧縮し投入するものであっても差し支えない。また、充填物も、粉状物に限定されず、粒状物、繊維状物その他の粉粒繊維系材料を用いることが可能であり、特に繊維状物を充填する場合に適用すれば優れた作用効果を奏することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施の形態に係る粉粒繊維系材料充填装置の全体構成を示す側面図(収容部確保時)である。
【図2】同粉粒繊維系材料充填装置の部分構成を示す斜視図(収容部確保時)である。
【図3】同粉粒繊維系材料充填装置の全体構成を示す側面図(投入口確保時)である。
【図4】同粉粒繊維系材料充填装置の部分構成を示す斜視図(投入口確保時)である。
【図5】同粉粒繊維系材料充填装置の全体構成を示す側面図(材料投入時)である。
【図6】同粉粒繊維系材料充填装置の部分構成を示す斜視図(材料投入時)である。
【図7】同粉粒繊維系材料充填装置の全体構成を示す側面図(材料押出時)である。
【図8】同粉粒繊維系材料充填装置の部分構成を示す斜視図(材料押出時)である。
【符号の説明】
【0067】
1 ベース
2 底板
3 ブロック部材
4 板状部材
5 ホッパー装置
6 材料押出手段
11 材料押出部
21 投入口
31 スリット
51 ホッパー
51a フランジ部
52 撹拌装置
52a 軸体
52b 撹拌棒
61 棒状部材
101 細口ボトル容器
101a 口部
102 回転式移送装置
102a 装着部
103 収容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の粉粒繊維系材料を口部を通じて容器内に投入し得るように圧縮する圧縮工程と、
前記圧縮工程によって圧縮された所定量の粉粒繊維系材料を口部を通じて容器内に投入する投入工程と、を含むことを特徴とする、
粉粒繊維系材料充填方法。
【請求項2】
前記投入工程によって投入された所定量の粉粒繊維系材料を圧縮される前の状態に復元する復元工程を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の粉粒繊維系材料充填方法。
【請求項3】
粉粒繊維系材料の投入口を有する底板と、
上下両側及び片側である横側に向けて開口するスリットを有し、前記底板上に載置され前記底板の上面に対する相対的な横方向摺動可能に設けられたブロック部材と、
前記スリットの高さ寸法に対応した幅寸法及び前記スリットの内幅寸法に対応した厚さ寸法を有し、先端側が前記スリット内に差し込まれ前記底板の上面及び前記スリットの内周面に対する相対的な横方向摺動可能に設けられた板状部材とを備えた粉粒繊維系材料充填装置であって、
前記ブロック部材のスリット、前記板状部材の先端側及び前記底板の投入口を相互に位置決めすることにより、前記底板の上面のうち投入口のない部分、前記スリットの内周面及び前記板状部材の先端面によって所定量の粉粒繊維系材料が収容されるべき収容部を確保する収容部確保手段と、
前記板状部材の先端面を前記スリットの基端面に対して幅寄せすることにより、前記収容部確保手段によって確保された前記収容部で収容された所定量の粉粒繊維系材料を口部を通じて容器内に投入され得る柱状に圧縮する圧縮手段と、
前記ブロック部材のスリット、前記板状部材の先端側及び前記底板の投入口を相互に位置決めすることにより、前記圧縮手段によって圧縮された所定量の柱状粉粒繊維系材料の真下位置に前記底板の投入口を確保する投入口確保手段と、
前記圧縮手段によって前記板状部材の先端面が前記スリットの基端面に対して幅寄せされ、かつ、前記投入口確保手段によって前記投入口が確保された場合において前記スリットの内周面によって保持された所定量の柱状粉粒繊維系材料を前記投入口を通じて棒状部材により押し出す材料押出手段とを備えたことを特徴とする、
粉粒繊維系材料充填装置。
【請求項4】
前記投入手段によって容器内に投入された所定量の柱状粉粒繊維系材料を前記圧縮手段によって圧縮される前の状態に復元するため当該容器に対して振動を付与する振動付与手段を備えたことを特徴とする、
請求項3に記載の粉粒繊維系材料充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−269650(P2009−269650A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121778(P2008−121778)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(591147339)株式会社トキワ (141)
【Fターム(参考)】