粒剤、錠剤および造粒
本発明は特に、粉末に低圧縮力を加えて微粒子および顆粒の混合物を含む圧縮塊を製造し、ガス気流に微粒子を同伴させることで顆粒から微粒子を分離する、粉末から顆粒を製造する方法を提供する。さらには、前記方法で使用される装置ならびに得られる顆粒の圧縮によって形成される錠剤も提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒剤および錠剤ならびにそれらの製造方法および製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
錠剤は、ほとんどの医薬製剤に最も頻繁に用いられる送達形態の1つである。この状況は、この剤形によって、医薬製剤の活性成分の正確な投与が可能となるという事実によって説明することができる。さらに、取り扱いおよび包装が比較的容易であり、これら製剤の有効期間および安定性は、他の製剤の場合より総じて良好である。
【0003】
これらの同じ議論は、菓子製品、芳香剤もしくは甘味料などの食品、洗剤、染料または植物検疫製品などの他の用途用の媒体として使用される場合が多いことの理由の説明にもなる。
【0004】
錠剤を製造する上で必要な粒状塊の固体バルクは、湿式造粒または乾式造粒という2つの主要な方法を用いて製造することができる。錠剤は、直接圧縮を用いて製造することもできる。直接圧縮は、原材料の製造ではなく打錠プロセス自体に関するものである。
【0005】
湿式造粒では代表的には、成分を混和し、湿潤結合剤を用いて造粒する。得られた湿潤顆粒を篩に通し、乾燥させ、場合により粉砕してから、圧縮して錠剤とする。湿式造粒は製薬業界において広く用いられているが、顆粒および錠剤製造プロセスで必要な液体が医薬有効成分(API)の特性および/または錠剤などの最終製品に対して有害な効果をもたらす場合が多いことを主たる理由として、それが難しい方法であることが明らかになっている。
【0006】
乾式造粒は通常、スラッギングまたは二つの二重反転ロール間の材料の通過によって密度を上げたプレ圧縮粉剤の制御された粉砕の方法と説明される。より具体的には、非常に微細な粒子を含むことができる粉末成分を混和してから圧縮して硬スラグを得て、それを粉砕および篩分けしてから、他の成分を添加し、最終圧縮を行って錠剤を形成するのが普通である。乾式造粒プロセスでは液体は実質的に使用しないことから、湿式造粒に関係する問題は回避される。多くの場合で、乾式造粒はAPIを含む錠剤などの製品を製造する上での最良の方法であるように思われるが、所望の種類の粒剤を製造したり、製造方法において顆粒化材料を管理する上で問題があるために、用いられる場合は比較的少なかった。既知の乾式造粒方法ならびにそれに関係する既知の問題については、ペーター・クライネブッデ(Peter Kleinebudde)執筆の総覧論文(”Roll compaction/dry granulation: pharmaceutical applications”, European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 58 (2004), pp.317-326で刊行)などの科学論文で十分に説明されている。
【0007】
直接圧縮は通常、錠剤を製造する上で最も簡単で最も経済的な方法であると考えられている。しかしながら、それは、打錠前に造粒する必要がない材料のみに適用可能である。直接圧縮には、全ての成分の混和とこの混合物の圧縮という2つのみの主要なステップが必要とされる。しかしながら、錠剤の成分が、それらを圧縮可能なものとしたり、かつ/またはその均一性および流動性を高めるための何らかの造粒技術によって処理する必要がある場合が多いため、直接圧縮は比較的少数の物質にのみ適用可能である。
【0008】
錠剤の成分は通常、賦形剤または有効成分のいずれかであると説明される。有効成分は通常、医薬的、化学的または栄養学的効果を誘発するものであり、それらは所望の効果を提供するのに必要な量のみで錠剤中に存在する。賦形剤は、製剤の製造を容易にしたり、または有効成分の放出特性を調節したり、または有効成分の目的に対して補助的な他の目的のために含有される不活性成分である。
【0009】
賦形剤は、例えば潤滑剤、流動促進剤、充填剤(または希釈剤)、崩壊剤、結合剤、香味剤、甘味料および色素のように、製剤中でのそれらの機能に従って特徴付けることができる。
【0010】
潤滑剤は、錠剤製造装置のダイスからの圧縮錠剤の離れを改善し、パンチでの粘着を防止するためのものである。
【0011】
流動促進剤は、粉末の流動性を高めるために添加される。それは代表的には、圧縮に先だって成分混合物がダイスに均等かつ均一に充填されるのを助けるために用いられる。
【0012】
充填剤は、最終製剤における有効成分の濃度を低下させるための増量剤として使用される場合がある不活性成分である。多くの場合で結合剤は、充填剤としても機能する。
【0013】
崩壊剤は、液体環境に置くことで有効成分を放出する場合に、錠剤が崩壊するのを助けることを目的として製剤に添加することができる。崩壊特性は通常、水または胃液などの液体の存在下に崩壊剤が膨潤する能力に基づいたものである。この膨潤は、錠剤構造の一体性を乱すことから、溶液または懸濁液中への異なる成分の侵入を可能にするものである。
【0014】
結合剤は、錠剤の構造をまとめておくのに用いられる。それは、十分な圧縮力を加えた後に他の成分を一体で結合させる能力を有しており、錠剤の完全性に寄与する。
【0015】
特定のAPIに適した賦形剤を見出し、賦形剤およびAPIの組み合わせの適切な製造法を決定することは時間を要する作業となる場合があり、それによって、錠剤などの医薬製品の設計プロセスが、数年も延長される可能性がある。
【0016】
先行技術の乾式および湿式の両方の造粒方法は、顆粒の粒子間に固体架橋を生じさせる可能性があり、それは例えば、その後の錠剤特性が不十分なものとなるという点で望ましくない場合がある。固体架橋は、部分融解、結合剤の硬化または溶解している物質の結晶化によって生じ得る。部分融解は、例えば乾式造粒方法で高い圧縮力を用いた場合に起こり得る。圧縮プロセスにおける圧力が解除された時、粒子の結晶化が起こり、粒子同士が結合する可能性がある。結合剤を造粒溶媒中に含有させている場合に、医薬湿式造粒では硬化性結合剤の導入が一般的である。溶媒は液体架橋を形成し、乾燥時に結合剤が硬化または結晶化して、粒子間の固体架橋を形成する。このように機能し得る結合剤の例は、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体(例:カルボキシメチルセルロース)およびアルファ化デンプンである。湿式造粒プロセス中に溶解し得る乳糖などの物質は、後に乾燥時に硬化性結合剤として作用して結晶化し得る。
【0017】
粉末の粘着および例えば混和時の初期凝集体形成が生じる上で、静電気力も重要となり得る。それは、顆粒の最終的な強度にあまり重要な寄与はしない。しかしながら、ファンデルワールス力が静電気力より約4桁大きい可能性があり、乾式造粒によって生じるものなどの顆粒の強度に大きく寄与し得る。その力の大きさは、粒子表面間の距離が小さくなるにつれて大きくなる。
【0018】
医薬製品の実際の製造方法を見出すことに加えて、その製造方法のバリデーションが非常に重要である。バリデーションとは、その方法が、その方法を用いる都度、一貫して許容され予測可能な結果を高信頼性で生じることができなけれならないことを意味している。湿式造粒プロセスは、この点に関して管理が非常に難しいものである。湿式造粒プロセスは多くの場合、製造条件における軽微な変化に対して非常に脆弱である。例えば、乾燥後の製造方法におけるデンプンの水分含有量の変動によって、吸湿性が非常に高く、有効期限の短くなった錠剤が生じる可能性がある。医薬製品を実験室条件で開発している時は、その条件は比較的容易に制御することができる。しかしながら、大量製造環境で利用可能な条件は正確に制御するのが容易ではないのが普通であることから、製造方法のバリデーションは困難で時間を要する作業となる。同じことが、最終製品の品質がAPIおよび賦形剤の物理特性によって決まる直接圧縮方法についても言える。そのような特性におけるわずかな変化によって、例えば分離や流動性上の問題が生じる可能性がある。
【0019】
湿式造粒および直接圧縮方法に関係する製造およびプロセスバリデーションの問題のため、特に製薬業界において、可能な場合は常に、乾式造粒技術を用いることが望ましい。しかしながら、先行技術で公知の乾式造粒方法では、錠剤製造方法でほとんど使用できない顆粒が生じる。矛盾するプロセス設計パラメータのため、得られた粒状生成物の一部の品質が良好になり得るが、他の望まれる品質は低くなるか無くなってしまうという妥協が生じる可能性がある。例えば、顆粒の流動特性が不十分なものとなる可能性があり、顆粒の非均質性のために製造プロセスまたは錠剤におけるキャッピングにおいて分離が生じる可能性があり、あるいは顆粒の一部が過度に硬くなる可能性があり、それらが全て、打錠プロセスを非常に困難なものとしたり、遅くしたり、場合によっては実行不可能なものにしてしまう可能性がある。さらに、バルク顆粒を圧縮して錠剤とするのが困難になる場合がある。あるいはまたはさらに、得られた錠剤の崩壊特性が至適なものより劣る可能性がある。そのような問題は一般に、圧縮機によって生じる顆粒塊の非均質性および粒状構造に関係するものである。例えば、その塊は粒子のパーセントが高すぎる可能性があったり、圧縮機によって生じる顆粒の一部が有効な打錠を行うには密度が高すぎるものとなり得る。
【0020】
均一な錠剤を得るためには、打錠されるバルクは均質でなければならず、良好な流動特性を有するものでなければならないことも知られている。
【0021】
ロール圧縮などの先行技術の乾式造粒方法では、例えば非常に小さい(例:1〜30μm)粒子とともに比較的大きく(1〜3mm)密な顆粒が存在するために、得られるバルクは均一に流動しない。それにより、例えば打錠時に粒状塊が製造プロセスで送られていく時、先行技術の大きい、代表的には高密度かつ/または硬い顆粒が微細粒子とは異なる形態で流動するに連れて分離が生じ得る。その分離のため、許容可能な錠剤の製造を確実に行うことが困難な場合が多い。そのため、当該技術分野においては、小さい粒子および場合によって最大の粒子も、(1組の)振動篩などの分別装置の助けを借りて、顆粒の残りの部分から分離する装置がいくつか知られている。このプロセスは通常は複雑かつ騒音が大きく、結果的に比較的均質に流動するバルクが得られるが、その場合に顆粒は硬く、圧縮して錠剤とするのは困難である。さらに、顆粒から小さい粒子を分離するプロセスは、材料が粘性で篩の大きさが十分大きくない場合には非常に困難なものとなる。通常このプロセスでは、篩の開口は、少なくとも500μmの最小寸法を有するものでなければならない。
【0022】
先行技術の乾式造粒方法で生じる別の問題は、開発段階で、製造バルクを代表するものであるパイロットバルクの製造が困難であるという点である。従って、実験室規模で用いられる圧縮力および他の圧縮パラメータは、製造規模で用いられるものと非常に異なったものである可能性がある。結果的に、例えば製造バルクの流動性などの特性は、パイロット施設で製造されたものと非常に異なったものとなり得る。実験室規模で適用可能な1つの篩分け方法は、空気篩分けである。ある従来の空気篩は、所定の径のメッシュに粉末を通過させて、指定の径以下の粒子の排除を行う(所望の顆粒はメッシュ上に保持され、不合格の粒子は通過して下に落ちる)。空気をメッシュに通して、微細粒子は取り除く。先行技術の空気篩における問題は、その能力が粒状塊の工業的生産には不十分であるという点である。さらに、不合格材料の分離でメッシュの径に依存する空気篩は、塊錠物から微細粒子を分離するときに、許容される粒状塊から所望の小粒子を排除してしまう場合が多い。さらに、脆い顆粒が篩分けプロセスで破壊され、基準以下の径の粒子が篩の開口を通って吸引される可能性がある。
【0023】
特許出願WO99/11261には、APIのみを含むことができる乾式造粒顆粒が開示されている。その出願に開示の方法では、先行技術で知られている空気篩が、100%以下のAPIを含む顆粒から微粒子(150または125μより小さい粒子および顆粒)を分離するのに用いられる。その篩分けでは、メッシュ径が不合格粒子のほぼ最大粒径、例えば150μmである篩が用いられる。圧縮後の微粒子(125μmより小さい)の割合が多くとも26%前後であることから、開示内容の顆粒は、比較的高圧縮力を用いて作られているように思われる(表1参照)。その方法によって、篩分け後に、流動が均一な粒状塊が生じ、それは硬い粒子を含むと予想され、150μmまたは125μmより小さい顆粒および粒子を実質的に含まない。
【0024】
米国特許US4161516号には、柔らかい錠剤または吸入投与用の粒剤を用いる気道疾患を治療するための組成物が記載されている。その特許の方法は、気流中でバラバラになるだけの柔らかさを有する顆粒を製造する上で適している。
【0025】
米国特許第6752939号には、小さいサンプル量を用いるローラー圧縮による乾式造粒用の物質の好適性を予測する方法および装置が記載されている。
【0026】
英国特許第1558153号には、微粉砕粒子から有機色素材料を製造する方法であって、前記微粉砕粒子を圧縮してコヒーレント材料塊を製造し、前記コヒーレント材料塊を粉砕し、前記粉砕材料から粒径範囲100〜1000ミクロンの粒状材料を回収することで行う方法が開示されている。最も微細な粒子は空気流によって除去される。
【0027】
本発明者らは、改善された粒剤および錠剤の製造方法を見出した。その方法は、APIおよび賦形剤などの非常に多様な固体粉末物質、ならびに例えば化学業界および食品業界で用いられるものなどの非医薬製品に適用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】国際公開第WO99/11261号
【特許文献2】米国特許第4161516号
【特許文献3】米国特許第6752939号
【特許文献4】英国特許第1558153号
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】Peter Kleinebudde,“Roll compaction/dry granulation:pharmaceutical applications”,European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 58 (2004),pp.317−326.
【発明の概要】
【0030】
本発明によれば、低圧縮力を粉末に加えて微粒子および顆粒の混合物を含む圧縮塊を製造し、前記微粒子をガス気流に同伴させることで前記顆粒から微粒子を分離する、粉末から顆粒を製造する方法が提供される。
【0031】
前記方法は代表的には、顆粒を回収するステップをさらに含む。
【0032】
下記で説明するように、前記方法は代表的には、連続プロセスとして行うことができる。
【0033】
好適には前記方法は、実質的に液体非存在下で行う。
【0034】
本発明の造粒方法で使用される、製薬業界で使用可能なAPIおよび/または賦形剤などの粉末は、一般的に微粒子を含む。さらにその粉末は代表的には、100、50または20μm未満の平均粒径を有することができる。粉末中の微粒子は代表的には、2、5または10μmの最小粒径および150、100または75μmの最大径を有することができる。本明細書に開示の方法の発明的概念は、0.001、0.01または1μmなど、最小粒径が上記の代表的な最小径より小さい粉末からも顆粒を形成するのに適用可能である。
【0035】
平均粒径は、例えば一組の篩を用いて測定することができる。非常に微小な粉末の場合、顕微鏡を用いて粒径を分析することもできる。そのような粉末の流動性は、例えば打錠に関しては不十分である。塊の十分な流動性を測定する方法の例を、図9についての詳細な説明に開示している。
【0036】
従って、「微粒子」または「微粉」は、代表的には平均粒径が100、50または20μm未満であり、最大径が150、100または75μmである個々の粒子である。
【0037】
いくつかの微粒子(例:3、5、10またはそれ以上)が凝集して最大径150、100または75μmの顆粒を形成する場合、それらは小顆粒と称される。最大径より大きい顆粒は、「許容可能な顆粒」と称される。微粒子および/または小顆粒がガス気流に同伴された後に残る顆粒は、「合格顆粒」と称される。
【0038】
前記低圧縮力は、例えばローラー圧縮機を用いて与えることができる。ローラー圧縮機には、場合により、フレーク粉砕スクリーンまたは圧縮材料から顆粒を製造する上で好適な振動ミルまたは回転ミルなどの他の装置を取り付けても良い。必要に応じて、フレーク粉砕スクリーンその他の装置を用いる、場合により設けられるステップにより、微粒子および/または小顆粒を他の顆粒から分離するための材料が製造される。
【0039】
従って代表的には、ローラー圧縮機を使用するプロセスを有する方法によって粉末に圧縮力を加えることで圧縮粉末のリボンを形成し、それを例えばフレーク粉砕器によって破壊して顆粒を製造する。フレーク粉砕器または同様の装置により、例えば顆粒をスクリーンに通すことで、顆粒の上側の径を制御することが可能となる。フレーク粉砕スクリーンの開口径は、例えば0.5mm、1.0mmまたは1.2mmであることができる。
【0040】
前記低圧縮力は、少なくとも、粉末物質の少なくとも1、5、10または15パーセントが圧縮段階および/または分別段階時に許容可能な顆粒となり、材料の残りの部分が微粒子および/または小顆粒で留まるように調節することができる。
【0041】
使用される圧縮力が低すぎる場合、その方法によって合格とされる顆粒が、例えば打錠目的には脆すぎるものになる可能性があることが認められた。そのような顆粒は大きすぎる場合もあり、例えば3mmより大きい場合がある。脆い顆粒は十分に流動しない可能性があるか、例えば打錠工程で扱うには強度が不十分となる可能性がある。
【0042】
最大低圧縮力を調節して、粉末の75パーセント以下、70パーセント以下、65パーセント以下、50パーセント以下または40パーセント以下が許容可能な顆粒に圧縮され、残りが微粒子および/または小顆粒として留まるようにすることができる。最大低圧縮力は代表的には、最小低圧縮力の500%以下、250%以下または150%以下である。
【0043】
例えば、圧縮力は、粉末の75重量%以下が150μmより大きい粒径(および/または100μm以上の平均径)を有する許容可能な顆粒に圧縮され、残りが微粒子および/または小顆粒として留まるには十分低いものであることができる。
【0044】
当然のことながら、最大および最小低圧縮力は、使用される特定の圧縮機および粉末によって決まる。従って、例えば最小低圧縮力を調節して、それがホソカワ(Hosokawa(商標名), Osaka, Japan)ベペックス・ファーマパクター(Bepex Pharmapaktor)L200/50Pローラー圧縮機での最小可能圧縮力15kN、20kNまたは30kNとなるようにすることができる。最大低圧縮力を調節して、それがホソカワ(商標名)ベペックス・ファーマパクターL200/50Pローラー圧縮機で80kN以下、70kN以下、60kN以下または45kN以下となるようにすることもできる。
【0045】
代表的には、低圧縮力は60kN以下、例えば45kN以下である。代表的には、低圧縮力は16kN以上である。
【0046】
最大低圧縮力を調節して、例えば塊の加熱のために、得られる塊の顆粒において固体架橋が実質的に形成されないようにすることもできる。当業界で公知の一部の圧縮機は、圧縮材料を冷却して、高圧縮力によって生じる加熱の問題を軽減する手段を提供する。本発明の方法およびシステムにより、この予防措置は不要となる。
【0047】
圧縮力は、使用される圧縮機に適した方法を用いて、例えば圧縮機への送り込み速度の制御によって調節することができる。
【0048】
ガス気流は、吸い込みファンなどのいずれか好適な手段によって提供することができる。空気などのガス気流は、分別チャンバを通って流すことができる。ガス気流は、許容可能な顆粒、小顆粒および微粒子を含む塊から少なくとも一部の微粒子および/または小顆粒を分離する。ガス気流に同伴されて分離された微粒子および/または小顆粒は、分別チャンバから、キャリアガスが微粒子および/または小顆粒から分離されるサイクロンなどの分離装置に送ることができる。次に、微粒子および/または小顆粒を、即時再処理用の系に戻すことができるか(すなわち、それは圧縮用に再循環される)、または後の再処理用に容器に入れることができる。
【0049】
従って簡便には、微粒子および/または小顆粒は、分別手段を含む装置によって許容可能な顆粒から分離される。望ましくは、分別手段は分別チャンバを含む。
【0050】
実施例においてより詳細に説明するように、分別チャンバから出てくる最大の許容可能な顆粒は、分別チャンバに進入する最大顆粒より大きい径のものであるのが普通である。材料が分別チャンバを通って運搬される間に、小顆粒および/または微粒子がより大きい顆粒と凝集するプロセスが起こるものと本発明者らは考えている。
【0051】
好適には、ガス気流の流れの方向は、圧縮塊全般、特には合格顆粒の流れの方向の成分と反対の成分を有する。代表的には、ガス気流の流れの方向は、圧縮塊の流れの方向に対して実質的に反対(例えば、約150〜180°)、好ましくはその方向に対して反対である。
【0052】
ガスは、例えば空気(好適には乾燥空気)であることができる。
【0053】
分別手段は、ガス気流を分別手段に導く手段、圧縮塊を運動状態とするための手段および例えば再処理用に分別手段からガス気流に同伴されて除去された微粒子および/または小顆粒を導く手段を有することができる。圧縮塊は、単純に重力の効果により、および/または機械的手段によって運動状態とすることができる。
【0054】
本発明の実施で用いる上で好適と考えられる多くの分別手段が知られている。分別手段には、例えば軸方向に圧縮塊がガス気流に乗って移動する円柱(または円錐)などの回転装置のような移動装置などがあり得る。圧縮塊の運動は重力手段によるものであることができるか、機械的手段によるものであることができるか、装置の部品(例:円柱)によるものであることができる。回転装置は、らせん構造の提供などの、回転装置内部で圧縮塊をガイドするための少なくとも1つの構造を有することができる。そのらせん構造は、圧縮塊の運動をガイドするチャネルまたはバッフルで形成されていても良い。回転装置の軸を傾けることにより、重力の助けまたは抵抗の成分を提供することができる。
【0055】
有利には、分別手段では、圧縮塊を篩(メッシュスクリーンなど)を通過させる必要がない。篩は軽く圧縮された顆粒を破壊する傾向を有することから、篩の使用が回避されることで、好ましい特性を有する軽く圧縮された顆粒を例えば打錠用に保存することができる。さらに、篩は詰まりを起こしやすく、そのために、特に連続運転で実施している場合には、プロセスが中段することになる。さらに、篩の目の大きさは、一次的な目詰まりのために運転期間中に変わる可能性がある。
【0056】
分別手段は、微粒子および/または小顆粒が通過して同伴される開口を含むことができる。本発明の1つの具体的な実施形態では、ガス気流は回転装置内にその軸方向に進入し(圧縮塊の運動に対して反対の意味で)、回転装置の側壁にある開口(穿孔)から回転装置を出る。
【0057】
上記のように、分別手段は、回転装置などの運動装置を有することで、分別手段において圧縮塊を運動させることができる。その運動装置は、ガス気流が運動装置から出入りし、微粒子および/または小顆粒が同伴される開口を有することができる。ガスが装置から流出する開口は、不合格となる微粒子の径よりかなり大きいものとすることができ、例えば合格顆粒の平均直径の少なくとも50%、100%または150%である。絶対的には開口は、例えばほぼ250μm、500μmまたは750μm以上の最小直径を有することができる。それは、比較的大きい体積の粘着性を有する可能性がある材料の微粒子を圧縮塊から分離する必要がある場合であっても、開口が目詰まりするのを防止する上で役立つ。この意味において、移動装置は、篩メッシュサイズが最大不合格粒子とほぼ同じサイズでなければならない従来技術の空気篩とは大きく異なるものである。篩分けにおけるメッシュサイズに基づくのではなく、本発明の分別装置は、ガス気流が移動する圧縮塊から微粒子を同伴する能力に基づいたものである。許容可能顆粒の径の測定は、その重力(例えば機械力および遠心力などの他の力とともに)をガス気流の力に対して均衡させることで行われる。
【0058】
微粒子および/または小顆粒のうちの一部は、例えば機械力、引力および静電気力のようなキャリアガス気流の個別もしくは組み合わせた影響により、分別手段および/または空気圧式運搬手段において他の顆粒に凝集する可能性がある。従って、そのプロセスにより、系のフレーク粉砕スクリーンによって製造されるものより大きい顆粒を製造することができる。一部の実施形態では、分別相での圧縮塊の凝集度は、かなり高いものとなり得る。
【0059】
ガス気流での塊の運動は、例えば機械力、重力、遠心力またはこれらの組み合わせを加えることで行うことができる。一部の実施形態では、分別手段での機械的に運動する成分は、本発明の効果を実現する上で全く必要ない可能性がある。一部の実施形態では、許容可能な顆粒は、例えば重力の作用によってガス気流に入り、不合格粒子および顆粒は、ガス気流によって少なくとも部分的に反対の方向に動く。
【0060】
代表的には、分別手段内での圧縮塊の平均滞留時間は少なくとも2秒、おそらくは少なくとも5秒であるが、それより短い時間枠でも、所望の分別効果(凝集効果など)を達成することは可能である。
【0061】
さらに留意すべき点として、塊の不合格部分も、許容可能な顆粒を含む可能性がある。許容可能な顆粒の一部リサイクルを可能とすることにより、分別装置の目詰まりがより容易に回避できることから、装置全体がより効率的となり、維持がより容易となり得る。再処理される他の不合格材料とともに、これらの不合格の許容可能な顆粒を、造粒プロセスの開始点に運搬することができる。効率を高めるためには、許容可能な顆粒の多くとも30、45、60または75パーセントを微粉とともにリサイクルすることが好ましい。リサイクルによって生じる粒状塊に対する悪影響は、まだ認められていない。これは、低圧縮力を用いることによる。
【0062】
本発明のさらに別の特徴によれば、圧縮手段および例えば空気などのガス気流に微粒子および/または小顆粒を同伴させることで微粒子および/または小顆粒を圧縮塊から分離するように作られた手段を含む装置が提供される。
【0063】
従って、本発明による装置は、例えば回転装置(例えば、図面における(401)を参照)を有する前記分別手段が、前記ガス気流が前記手段前記から流れ出る少なくとも1つの出口開口(例えば、図面における(511)を参照)を含み、その開口が許容できる特性(例:流動性、打錠性、大きさ、特には大きさ)を有する顆粒が前記装置から流れ出ることができるようにするには十分な大きさを有することを特徴とすることができる。
【0064】
その装置はさらに、圧縮塊から除去された粒子からガス気流を分離するための分離手段(例:サイクロン)を有することができる。
【0065】
本発明の別の具体的な態様は、低圧縮力を発生させることができる圧縮手段およびガス気流に微粒子および/または小顆粒を同伴させることで微粒子および/または小顆粒を圧縮塊から分離するように作られた分別手段を有する、乾式造粒用の装置が提供される。その装置は好適には、圧縮粉末のリボンを形成するためのローラー圧縮機を含むことができ、そのリボンは次に破壊されて顆粒を生じる。前記装置は、前記分別手段が前記圧縮塊を移動させる手段を有することを特徴としても良い。前記圧縮塊を移動させる前記手段は、重力手段または機械的手段によって前記圧縮塊を移動させる手段を有していても良い。本発明による装置は例えば、前記分別手段が前記分別手段内の前記圧縮塊をガイドするための少なくとも1つの構造(例えば、図面における(403)参照)を有することを特徴とすることができる。
【0066】
本発明による装置は、ガス気流の流れの方向が、圧縮塊の流れの方向の成分に対して反対の成分を有する(例えば、ガス気流の流れの方向が、圧縮塊の流れの方向に対して実質的に反対である)ガス気流を提供する手段を有することができる。
【0067】
本発明による装置には代表的には、軸方向に圧縮塊が前記ガス気流に乗って移動する回転装置(例:円柱または円錐、特には円柱)を有する分別手段が設けられている。回転装置の軸方向での圧縮塊の運動は、圧縮塊の運動をガイドするらせん構造によって促進することができる。回転装置などの分別手段は、微粒子および/または小顆粒が通過して同伴される開口を有することができる。平均径xの顆粒を製造することが望まれる場合、開口は0.5x、または1.0xまたはさらには1.5xの最小寸法を有することができる。絶対的には、開口は、例えば250μm、500μmまたは750μmの最小寸法を有することができる。
【0068】
本発明はさらに、ガス気流に微粒子を同伴させることで圧縮塊から微粒子および/または小顆粒を分離するよう作られた分別装置であって、軸方向に圧縮塊が前記ガス気流中で移動する円柱または円錐などの回転装置を有し、その回転装置が微粒子および/または小顆粒が通過して同伴される開口を含む分別装置を提供するものである。
【0069】
一実施形態において、分別装置は分別チャンバを有しており、そのチャンバ内には開口円柱(または円錐)が取り付けられている。開口円柱(または円錐)は、ローラー上で回動自在に支持されていることができる。キャリアガスは、開口円柱(または円錐)内部に供給される。円柱(または円錐)のジャケットには、開口を設けて、そこを通って微粒子および/または小顆粒がキャリアガスに同伴されるようにすることができる。別の箇所に記載のように、同伴された微粒子および/または小顆粒を捕捉してリサイクルすることができる。
【0070】
本発明による方法および装置では、空気圧式輸送を用いることができる。好適には、圧縮塊中の微粒子を同伴するのに用いられるガスは、材料を連続操作で輸送するのに用いられるキャリアガスと流体連通している。
【0071】
従って好適には、圧縮用の粉末が、空気圧式コンベアの使用を含む手段によって貯留部から圧縮力を加える手段に運搬される。
【0072】
空気圧式輸送は、微粒子からキャリアガスを分離するのにサイクロンなどの装置を用いることができる。その装置は、分別プロセスで用いられるキャリアガス気流が、各種フィルターを開いた状態に維持するのに必要なものなどの、圧力変化、例えば圧力ショックによっては乱れないという意味において例えばほぼ均一なガス流量での連続運転を行うことができる。
【0073】
この文脈における「連続運転」は、少なくとも1時間、8時間または24時間にわたり、メンテナンスその他の中断を生じることなく運転することができることを意味する。
【0074】
本発明の一態様は、本発明の方法によって得ることができる顆粒を含む乾燥粒状塊である。
【0075】
本発明によれば、顆粒が50、100、200または500μmより大きい平均顆粒径、3、2または1mmの最大顆粒径および良好な流動性を有することができる粒状塊も提供される。その塊は、あるいはまたはさらに、顆粒内の粒子間に固体架橋が実質的に含まれないこと、良好な均質性、顆粒の多孔構造、塊中での小顆粒および/または微粒子の割合がかなり高いこと(代表的には、他の顆粒との関連)、良好な圧縮性および打錠性という特性のうちの少なくとも1つ、2つ、3つまたは4つを有することができる。好適にはその顆粒は、100μmを超える平均顆粒径および3mmの最大顆粒径を有する。
【0076】
さらに、理論に限定されるものではないが、粉末が系を通過することによって生じる摩擦電気的効果によって、本発明の方法の生成物が影響を受けるものと本発明者らは考えている。例えば、ガス気流によって運搬されるか、他の形態でガス気流で移動する場合に、小さい粒子は負電荷を発生させ得る傾向があるが、相対的に大きい粒子は正電荷(または、少なくとも比較的小さい負電荷)を発生させることが先行技術で提案されている(例えば、論文「Generation of bipolar electric fields during industrial handling of powders」, Ion. I. Inculet et al, Chemical Engineering Science 61 (2006), pages 2249-2253参照)。従って、本発明のある想到される実施形態によれば、代表的には(a)ファンデルワールス力によって会合した材料の微粒子を含む圧縮コア;および(b)静電気力によって前記圧縮コアと結びついている前記材料の微粒子および/または小顆粒を含むコーティング層からなる、50μm〜3mm(例えば、100μm〜3mm)の平均粒径を有する顆粒を含む乾式造粒粒状塊が提供される。本発明の別の想到される実施形態によれば、(a)ファンデルワールス力によって会合している材料の微粒子を含む圧縮コア;および(b)前記材料の微粒子および/または小顆粒を含む多孔質コーティング層からなる50μm〜3mm(例えば100μm〜3mm)の平均径を有する顆粒を含む乾式造粒粒状塊が提供される。一実施形態において、コーティング層(b)はほとんどの場合、小顆粒とは対照的に、例えば70、80または90%の微粒子を含む。別の実施形態では、コーティング層(b)はほとんどの場合、微粒子とは対照的に、例えば70、80または90%の小顆粒を含む。
【0077】
好適には、圧縮コアは固体架橋を実質的に含まない。
【0078】
そのような乾燥粒状塊は、材料粒子の平均粒径が1〜100μmであり、圧縮コアの平均径が50〜3000μmであり、コーティング層の材料の微粒子および/または小顆粒の平均粒径の圧縮コアの平均径に対する比率が少なくとも1:10、例えば少なくとも1:30であることを特徴とすることもできる。
【0079】
粒状塊の最も望ましい特徴は代表的には、良好な流動性、良好な打錠性、良好な均質性、顆粒の多孔構造、塊中での小顆粒の割合がかなり高いこと、塊中に微粒子が実質的に存在しないことである。
【0080】
粒状塊の粒径を分析するため、篩の開口サイズが例えば850μm、500μm、250μmおよび106μmである、例えば4個の篩を重ねたものを用いることができる。
【0081】
分別手段によって合格とされる材料の平均顆粒径は、重ねた篩のうちの2個の隣接する篩における直径開口の幾何平均として計算することができる。
【0082】
di=(du×d0)0.5
式中、
di=重ねた篩のうちのi番目の篩の直径
du=粒子が通過する直径開口(i番目の前の篩)
d0=粒子が通過しない直径開口(i番目の篩)。
【0083】
各粒子を個別にカウントし、平均を計算することは実際的ではないことから、平均粒径は重量基準で計算することができる。これは、例えば下記の方程式を用いて行うことができる:
dgw=log−1[Σ(Wilogdi)/ΣWi]
標準偏差は、下記のように計算することができる:
Sgw=log−1[ΣWi(logdi−logdgw)2/ΣWi]0.5
【0084】
ここに示したサイズ分析方法例についてのより詳細な説明は、論文に記載されている(Scott Baker and Tim Herrman, Evaluating Particle Size, Kansas State University, May 2002.)。
【0085】
留意すべき点として、粒状塊の粒径を上記の方法によって分析する場合、コーティング粒子/小顆粒のうちの少なくとも一部が圧縮コアから脱離する可能性がある。
【0086】
良好な流動性などの流動特性は、例えば濾過漏斗などの円錐の狭い方の端に丸い開口を有する開口円錐を用いて測定することができる。そのような円錐および関連する試験方法の組み合わせについては、図9との関連でより詳細に説明する。
【0087】
顆粒構造に固体架橋が実質的に存在しないということは、例えば平均で顆粒の粒子の30%または10%未満が固体架橋した状態にある構造を意味している。顆粒構造での固体架橋の存在は、例えば走査型電子顕微鏡を用いて分析することができる。そのような装置を用いると、粒状構造中の個々の微粒子ならびに顆粒の粒子間の結晶化構造などの肉眼で見ることができる固体架橋を確認することが可能である。
【0088】
この文脈において良好な均質性とは、例えば平均顆粒径からの標準偏差が2.5未満、2.25未満または2.0未満である顆粒からなる粒状塊を意味することができる。本発明者らはさらに、本発明の実施形態の粒状塊の均一特性は、少なくとも部分的に顆粒の多孔構造によって達成可能であると考えている。塊の均一特性のため、その塊は、材料の分離をほとんど起こすことなく製造工程において運搬することができる。さらに、粒状塊の良好な均質性は、例えばキャッピング現象が起こりにくいことで示される塊の良好な打錠性に寄与し得るものである。
【0089】
合格顆粒、特にはコーティング層の構造は多孔性であることができ、すなわち粒状塊中に密顆粒が実質的に存在しないものであることができる。顆粒のコアは、低圧縮力を用いるために多孔性であると予想される。顆粒の多孔構造は、あるいはまたはさらに、例えば顆粒の表面が孔および/または約少なくとも1、2または5μmおよび150、100または50μm未満の大きさの緩く結合した小顆粒および/または微粒子を含むのが観察され得ることを意味することができる。例えば多孔構造を有する顆粒についての写真に関しては、図2d、2eおよび2fを参照する。
【0090】
密顆粒が実質的に存在しないということは、得られる塊重量のうちの20または10パーセント未満が密顆粒であることを意味する。密顆粒とは、例えば表面が圧縮された非多孔性のものであるように見える顆粒である(例えば、図2c参照)。
【0091】
粒状塊は、かなり高い割合の小顆粒および/または微粒子を含んで、例えば静電気力を介して緩く結合した比較的大きい顆粒上にコーティング層を形成していても良い。小顆粒および/または微粒子のかなり高い割合は、粒状塊の全体重量の2%、5%または10%強であることができる。小さく、好ましくは多孔性の顆粒および/または微粒子の存在は、例えば粒状塊の流動性および圧縮性に対して良好に寄与し得る。これによって例えば、粒状塊から圧縮される錠剤の引っ張り強度が改善されたり、ないしは崩壊時間が早くなったりし得る。驚くべきことに、そして例えばWO99/11261での先行技術で説明されている内容とは逆に、本発明の粒状塊における小顆粒および/または微粒子の割合がかなり高いことは、いかなる重大な望ましくない形態でも粒状塊の流動性に影響を与えないように思われる。
【0092】
本発明者らはさらに、少なくとも一部の場合で、本発明の方法によって得られる顆粒を取り、微粒子から構成される原料の一定割合を戻す場合(例えば、15%以下の微粒子を、例えば20%の微粒子および/または小顆粒をすでに有している粒状塊、例えば「流動性例3」の塊に戻す)、粒状塊の均質性、流動性および打錠性は重大な形で悪影響を受けないことを発見した。加えられる微粉はおそらく、本発明の方法によって形成される顆粒の多孔性表面に取り込まれる。そこで本発明者らは、一部の実施形態において、キャリア顆粒として同一もしくは異なる材料を含む10%、20%、30%以上までの微粒子および/または小顆粒を顆粒の孔に吸収することができる「キャリア顆粒」として本発明の一部の実施形態の顆粒を用いることが可能であると考えている。そのような混合物の流動性は、優良、非常に良好または良好なレベルであることができる。
【0093】
少なくとも顆粒の表面が多孔性であることから、粒状塊は良好な圧縮性を有するものと考えられている。本発明の粒状塊の圧縮性は良好であることができ、すなわち1.15、1.20または1.25より大きいハウスナー比を有することができる。本発明の低圧縮力は、ハウスナー比によって示される圧縮性が良好なレベルに留まるように調節することができる。
【0094】
ハウスナー比は、式ptap/pbulk(ptapは粒状塊のタップかさ密度を表し、pbulkは粒状塊のルーズかさ密度を表す)を用いて計算することができる。かさ密度は、粒状塊50mgを内径3.8mmを有するガラス円柱(例:型式FORTUNA、モデル250:2mL)に注ぎ込むことで測定することができる。塊を円柱中に注ぎ込んだ後、塊の体積をガラス円柱の目盛りから観察し、塊のルーズかさ密度を計算する。タップかさ密度を測定するには、ガラス円柱を、5cmの高さからの落下に相当する力を用いて台の上面に100回当てる。タッピングされた塊の体積を、ガラス円柱の目盛りから観察し、塊のタップかさ密度を計算する。
【0095】
驚くべきことに、そして例えばWO99/11261での先行技術で説明されている内容とは逆に、本発明の粒状塊の圧縮性は、粒状塊の流動性に対する悪影響を示さない。例えば、ハウスナー比が1.25より高い本発明の一実施形態の粒状塊は、非常に良好または優良な流動特性を示す。
【0096】
多孔性で流動性に優れた顆粒は、例えば多孔性顆粒から改善された錠剤を製造することが可能となることから、製薬業界では一般に望まれているものである。そのような錠剤は例えば、密顆粒から製造される錠剤よりかなり早く崩壊し得る。さらに、多孔性顆粒から圧縮された錠剤は多くの場合、密顆粒から圧縮された錠剤より高い引っ張り強度を示す。高い引っ張り強度は、そのような錠剤は脆い錠剤より包装および輸送が容易であることから、錠剤には望ましい場合が多い。
【0097】
粒状塊は打錠可能であることから、標準的な打錠技術を用いて、例えば広く用いられている打錠機で加えることができる打錠力を用いて、それを引っ張り強度が少なくとも5N、10Nまたは15Nである錠剤に成形することが可能である。引っ張り強度は、例えば型式MECMESIN(商標名)(Mecmesin Limited, West Sussex, UK)およびBFG200N型の測定装置を用いて測定することができる。
【0098】
粒状塊は、少なくとも1つのAPIおよび/または医薬製品で使用可能な少なくとも1つの賦形剤を含むことができる。一実施形態では、粒状塊は、少なくとも1つの(例えば1つ)APIを含む(例えば、それからなる)。別の実施形態では、粒状塊は少なくとも1つの(例えば1つ)APIおよび少なくとも1つの(例えば1つ)賦形剤を含む。
【0099】
そこで本発明は、場合により1以上の別の賦形剤と混合した本発明による乾式造粒粒状塊を圧縮する段階を有する、錠剤の製造方法も提供する。前記1以上の別の賦形剤は代表的には、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤を含む。そのような方法によって得ることができる錠剤は、本発明の別の態様である。
【0100】
本発明のさらに別の特徴によれば、乾式造粒顆粒を含む錠剤が提供される。その錠剤は、錠剤が、錠剤を形成する顆粒内で粒子を結合させる固体架橋を実質的に含まないことができることを特徴とする。あるいはまたはさらに、その錠剤は、高い引っ張り強度、高い薬剤負荷量、低量の潤滑剤、短い崩壊時間および保管時間に対する非感受性という特性のうちの少なくとも2つまたは3つを有することができる。
【0101】
保管時間に対する非感受性は、例えば新しい錠剤と比較した錠剤の重量増が、40℃の温度および相対湿度75%で4ヶ月間保管した後に、2.0%、1.5%または1.0%未満であることを意味することができる。
【0102】
高薬剤負荷量とは、例えば錠剤が、錠剤の全重量の少なくとも40パーセント、60パーセントまたは80パーセントのAPIを含むことができることを意味する。
【0103】
短い崩壊時間は、錠剤をほぼ体温(すなわち、37℃)の水に投入した時に600、120または30秒であることができる。
【0104】
しかしながら、実施例からわかるように、高い引っ張り強度を有する本発明の錠剤は、水中で急速に崩壊することができる。
【0105】
錠剤の高引っ張り強度は、例えばMECMESIN(商標名)BFG200N装置による測定で、100N、60N、30Nまたは15Nより大きいものであることができる。
【0106】
低量の潤滑剤は、錠剤重量の1.0%、0.5%、0.3%または0.2%未満であることができる。ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤材料は、錠剤の引っ張り強度、崩壊時間および/または溶解時間に対して有害効果を有する場合が多いことが、当業界では知られている。先行技術の顆粒と潤滑剤を混合すると、潤滑剤材料は、例えば(密)顆粒周囲に薄膜を形成する傾向を有する場合がある。その薄膜は、打錠時に顆粒間の適切な結合の形成を妨害する可能性がある(例えば、リートマらの論文(”A coherent matrix model for the consolidation and compaction of an excipient with magnesium stearate”, K.A. Rietma et. al., International Journal of Pharmaceutics, 97 (1993), pages 195-203.)を参照する)。従って、本発明の顆粒とともに低量の潤滑剤を用いることは、錠剤の引っ張り強度および崩壊時間に対して好ましい効果をもたらし得る。本発明者らは、顆粒が、潤滑剤が結合するのに利用可能なより大きくより均等な表面を有することができることから、本発明の顆粒の柔らかく多孔性と考えられる表面により、そのような薄膜の形成が防止され得ると予想している。従って、得られる錠剤の特性をさらに改善することができる。
【0107】
潤滑剤は実質的に、錠剤の顆粒の多孔性表面上に分布していることができる。潤滑剤は例えば、実質的に錠剤を形成する顆粒の表面上および表面の孔に配置されていることができるが、顆粒のコア内には潤滑剤はほとんどない。潤滑剤は例えば、潤滑剤の90、80または70パーセント強が、錠剤の全断面積の10、20または30パーセント未満である断面積(切断表面)に配置されるように分布することができる。錠剤の断面積上の潤滑剤粒子の位置は、例えば走査型電子顕微鏡および特に潤滑剤材料を含む粒子を確認することができる別の装置を有するシステムを用いて観察することができる。
【0108】
錠剤は好適には、水などの水素結合液体のパーセントがかなり低いものであることができる。
【0109】
錠剤は好適には、液体および/または水素結合のパーセントがかなり低いものであり、潤滑剤が錠剤全体に均一に分布しており、錠剤はさらに、短い崩壊時間、高い引っ張り強度、高い薬剤負荷量および低量の潤滑剤という特性のうちの少なくとも2つを有する。
【0110】
本発明の錠剤は、乾式造粒デンプンを含む賦形剤を含むことができる。例えばそれは、60%以下の乾式造粒デンプンを含む賦形剤を含むことができる。
【0111】
本発明の粒状塊または錠剤は代表的には、少なくとも1、5または10パーセント(重量基準)および多くとも100、95、90、80または70%の少なくとも1つの医薬有効成分を含むことができる。一部の実施形態では、前記粉末は、少なくとも60%、例えば少なくとも80%の量の医薬有効成分を含む。粒状塊または錠剤はさらに、少なくとも5、10、20または30%(重量基準)および多くとも99、95または90%の少なくとも1つの賦形剤、例えば長鎖ポリマー、例えばデンプンまたはセルロースを含むことができる。
【0112】
本発明の錠剤の崩壊および溶解時間を制御するため、90、70または50パーセント(重量基準)以下のメトロース(metholose)またはヒプロメロース(hypromellose)(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)などを製剤に加えることができる。そのような錠剤の溶解時間は、胃系で少なくとも1、4、8または12時間であることができる。
【0113】
例えばヒプロメロースを含む製剤の溶解プロファイルは、例えば約2時間後に、約12%〜約60%のAPIが放出され;約4時間後に、約25%〜約80%のAPIが放出され;約8時間後に、約50%〜約100%のAPIが放出され;約12時間後に、約75%より多いAPIが放出されるようなものであることができる。
【0114】
少なくとも5、20または30パーセント(重量基準)の少なくとも1つの医薬有効成分を含む錠剤について短い崩壊時間を達成するため、錠剤はさらに、少なくとも1、3または5パーセントおよび多くとも7、10または20パーセント(重量基準)の崩壊剤を含むことができる。一部の実施形態において、錠剤中の崩壊剤のパーセントは、20パーセントより高いものであることもできる。崩壊剤は、例えばある種のデンプンまたはカルボキシメチルセルロース(CMC、例:ニムセル(Nymcel;商標名))またはこれらの組み合わせであることができる。粒状塊または錠剤はまた、少なくとも1、5または10パーセントおよび多くとも60、80または94%(重量基準)の充填剤(希釈剤)、例えば微結晶セルロースを含むこともできる。API、崩壊剤および充填剤は、本発明の方法を用いて、一緒にまたは別個に造粒することができる。
【0115】
速崩壊性錠剤(経口崩壊性錠剤)などの味を改善するため、50、70または90%以下の甘味料、例えばキシリトールを錠剤に含有させることができる。必要に応じて、甘味料は、本発明の方法の一実施形態を用いて造粒することができる。さらに、甘味料は、製剤の少なくとも1つの他の成分(APIまたは賦形剤)と別個にまたは一緒に造粒することができる。本発明者らは、少なくともいくつかのAPIで、錠剤中に別個に造粒した甘味料(キシリトール)を用いることで、甘味料を他の成分と一緒に造粒した錠剤と比較して、放出時間が迅速になり得ることを認めている。
【0116】
本発明の錠剤は、良好な含有量均一性を有することができる。例えば、錠剤重量の標準偏差は、錠剤の平均重量の3.0%、2.0%または1.0%未満であることができる。
【0117】
本発明の造粒方法および装置は、製薬、化学および食品の業界で多くの目的に適用することができる。その方法および装置は、低圧縮力およびガス気流を利用して、所望の特性の顆粒を形成する。圧縮力を調節することで、圧縮段階で、固体架橋の導入を実質的に回避することができる。その方法および装置は、生成物顆粒を優しく処理することで、その破壊を回避し、許容可能顆粒から微粒子および/または小顆粒を分離し、場合により系での再処理用に不合格材料を再循環するように作られる。その装置および方法は、容易に調節可能、制御可能およびほぼ連続運転可能とすることができる。
【0118】
前記装置によって製造される顆粒の粒径分布および/または流動性をリアルタイムで分析することができ、顆粒の粒径分布をその分析に基づいて調節することができる。例えば、フレーク粉砕スクリーン(下記の図1aおよび1b参照)は、フレーク粉砕に用いられるメッシュの開口サイズを、何らかの調節手段を用いることで変えられるようにすることができる。別の調節可能なパラメータには代表的には、分別装置のガス流量がある。
【0119】
前記方法は、不合格材料の再処理が可能となって廃棄物が実質的に無くなることから経済的であることができ、多量の材料を迅速に処理できるように作ることができる。本発明の装置は、クリーニングおよび組立が容易になるように作ることができ、前記方法は安定かつ予測可能となるように調整して、制御が簡単になるようにすることができる。
【0120】
例えば、得られる顆粒の均質性および/または流動性のため、分離に関連する問題を回避することができる。本発明の方法は、小規模および大規模の両方の用途で用いることができる。従って、APIを含む顆粒または錠剤などの製品が実験室条件下で良好に開発された場合、バリデーションされた大規模製造プロセスを構築するのに必要な時間を短縮することができる。
【0121】
本システムの方法および装置は、100%APIからなるものを含めた各種の粉末を造粒することができることから、別個の造粒プロセスで別個の物質から粒状塊を製造し、それらの個々の造粒後に得られた顆粒を一緒に混和することが可能である。APIおよび賦形剤を別個に造粒してから混合することは、例えば原料が非常に異なる粒径を有する場合に有利となり得る。
【0122】
錠剤、経口懸濁液およびカプセルなどの各種最終製品を、その粒状塊から製造することができる。
【0123】
本発明によれば、本発明による顆粒または本発明の方法を用いて製造される顆粒を打錠する段階を有する、錠剤の製造方法も提供される。
【0124】
本発明者らは、本発明の方法を用いて、製薬業界で使用可能な非常に多様な粉末物質の製造を行うことが可能であることを見出した。
【0125】
従って本発明の方法は、1つの分類または複数の分離のAPIのうちのAPIを含む材料から、本発明の顆粒および錠剤を製造するのに適用することができ、その分離には例えば解熱薬、鎮痛薬、消炎剤、催眠鎮静薬、覚醒薬、制酸剤、消化助剤、強心薬、抗不整脈薬、血圧降下薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸剤、骨粗鬆症の治療薬、鎮咳薬、去痰薬、抗喘息薬、抗真菌薬、排尿改善薬、滋養強壮剤、ビタミン類および他の経口投与剤などがある。APIは、単独で用いることができるか、それらのうちの2以上を組み合わせて用いることもできる。
【0126】
本発明の方法は、例えばパラセタモール、アセブトロール、メトホルミン、フルオキセチン、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、イソチペンジル、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、ジフェテロール、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジラミン、フェネタジン、メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、メチレンジサリチル酸プロメタジン、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロロフェニルアミン、d−マレイン酸クロロフェニルアミン、リン酸ジフェテロール、アロクラミド、クロペラスチン、ペントキシベリン(カルベタペンタン)、チペピジン、臭化水素酸デキストロメトルファン、フェノールフタリン酸デキストロメトルファン、ヒベンズ酸チペピジン、フェンジゾ酸クロペラスチン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、ノスカピン、dl−メチルエフェドリン・サッカリン塩、スルホン酸カリウムグアヤコール、グアイフェネシン、カフェイン、無水カフェイン、ビタミンB1およびその誘導体、ビタミンB2およびその誘導体、ビタミンCおよびその誘導体、ヘスペリジンおよびその誘導体およびその塩、ビタミンB6およびその誘導体ならびにニコチンアミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酢酸塩、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、グリシン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム/炭酸水素塩の共沈生成物、水酸化アルミニウム/炭酸カルシウム/炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム/硫酸カリウムアルミニウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ラニチジン、シメチジン、ファモチジン、ナプロキセン、ジクロフェナク、ピロキシカム、アズレン、インドメタシン、ケトプロフェン、イブプロフェン、ジフェニドール、プロメタジン、メクリジン、ジメンヒドリナート、タンニン酸フェネタジン、フマル酸ジフェンヒドラミン、スコポラミン臭化水素酸塩、オキシフェンサイクリミン、ジサイクロミン、メチキセン、臭化メチルアトロピン、臭化メチルアニソトロピン、臭化メチルスコポラミン、臭化メチルベナクチジウム、ベラドンナ・エキス、ヨウ化イソプロパミド、パパベリン、アミノ安息香酸、シュウ酸セシウム、アミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン、硝酸イソソルビド、エフェドリン、セファレキシン、アンピシリン、スクラルファート、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素および適切な場合には、これらの(他の)製薬上許容される酸もしくは塩基付加塩(例:一般に使用される塩)および欧州薬局方第3版に記載されている他のそのような医薬有効成分ならびにそれらの1、2もしくはそれ以上の組み合わせなどの特定のAPIを含む材料から本発明の顆粒および錠剤を製造するのに適用することもできる。
【0127】
本発明の方法は、例えば安息香酸などの解熱性鎮痛薬、キニーネ、グルコン酸カルシウム、ジメルカプロール、スルファミン、テオブロミン、リボフラビン、メフェネシン、フェノバルビタール、チオアセタゾン、ケルセチン、ルチン、サリチル酸、ピラビタール、イルガピリン、ジギトキシン、グリセオフルビン、フェナセチン、神経系薬、鎮静麻酔薬、筋弛緩剤、血圧降下薬、抗ヒスタミン剤、アセチルスピラマイシン、エリスロマイシン、キタサマイシン、クロラムフェニコールなどの抗生物質、ニスタチン、硫酸コリスチン、メチルテストステロン、プロゲステロン、安息香酸エストラジオール、エチニルエストラジオール、酢酸デオキシコルチコステロンなどのステロイドホルモン、硫酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセンなどの非ステロイド系卵黄ホルモン(yolk hormone)、他の脂溶性ビタミン類、ならびに適切な場合はそれらの(他の)製薬上許容される酸もしくは塩基付加塩(例:一般に使用される塩)および欧州薬局方第3版に記載されている他のそのような医薬有効成分ならびにそれらの1、2もしくはそれ以上の組み合わせのような水にほとんど溶けない固体APIを含む材料から本発明の顆粒および錠剤を製造するのに適用することも可能である。
【0128】
医薬有効成分は、例えばアセブトロールHCl、フルオキセチンHCl、パラセタモール、バルプロ酸ナトリウム、ケトプロフェンおよびメトホルミンHClから選択されることができる。
【0129】
本発明の方法は、例えばL−アスパラギン酸、小麦グルテン粉末、アカシア粉末、アルギン酸、アルギン酸塩、アルファ−デンプン、エチルセルロース、カゼイン、果糖、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、寒天、キシリトール、クエン酸、グリセリン、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレイ、クロスカルメロースナトリウム、ニムセル(商標名)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、クロスポビドン、ケイ酸カルシウム、シナモン粉末、結晶セルロース−カルメロースナトリウム、合成ケイ酸アルミニウム、小麦デンプン、米デンプン、酢酸カリウム、酢酸フタル酸セルロース、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウム、2,6−ジブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、水酸化マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、精製セラック、精製ショ糖、D−ソルビトール、スキムミルク粉末、タルク、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、粉末トラガカント、乳酸カルシウム、乳糖、ショ糖、ジャガイモデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グルコース、部分アルファ化デンプン、プルラン、粉末セルロース、ペクチン、ポリビニルピロリドン、マルチトール、麦芽糖、D−マンニトール、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、粒状トウモロコシデンプン、dl−リンゴ酸および恐らくは文献(Arthur H. Kibbe: Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition)で賦形剤として分類される他のそのような物質ならびにそれらの1、2もしくはそれ以上の組み合わせのような例えば製薬業界で使用可能な賦形剤その他の成分を含む材料から本発明の顆粒および錠剤を製造するのに適用することも可能である。
【0130】
本発明の方法は、例えばカルボキシメチルセルロース、ニムセル(商標名)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、コメデンプン、コムギデンプン、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、部分アルファ化デンプンなどのデンプンならびに文献(Arthur H. Kibbe: Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition)で崩壊剤と分類されている他のものならびにそれらの1、2もしくはそれ以上の組み合わせなどの崩壊剤を含む材料から本発明の顆粒および錠剤を製造するのに適用することもできる。
【0131】
本発明の方法は、例えばクロスポビドンなどの合成ポリマー、ショ糖、グルコース、乳糖および果糖などのサッカリド、マニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトールなどの糖アルコール類、結晶セルロース、微結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびメチルセルロースのようなセルロース類などの水溶性多糖類、デンプン類、ポリビニルピロリドンなどの合成ポリマー、炭酸カルシウムなどの無機化合物ならびに文献(Arthur H. Kibbe: Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition)で結合剤として分類されている他のものおよびそれらの1、2もしくはそれ以上の組み合わせなどの結合剤を含む材料からの本発明の顆粒および錠剤の製造に適用可能である。
【0132】
流動化剤の例には、二酸化ケイ素水和物、軽無水ケイ酸などのケイ素化合物ならびに文献(Arthur H. Kibbe: Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition)で流動化剤と分類されている他のものおよびそれらの1、2もしくはそれ以上の組み合わせなどがある。
【0133】
本発明の別の態様によれば、塊が打錠可能であり、良好な流動性を有し、塊が下記の医薬成分:
アセブトロールHCl、
フルオキセチンHCl、
パラセタモール、
バルプロ酸ナトリウム、
ケトプロフェンおよび
メトホルミンHCl
のうちの少なくとも1つを少なくとも10%含む粒状塊が提供される。
【0134】
本発明の別の態様によれば、錠剤の引っ張り強度が少なくとも10Nであり、錠剤が下記の医薬有効成分:
アセブトロールHCl、
フルオキセチンHCl、
パラセタモール、
バルプロ酸ナトリウム、
ケトプロフェンおよび
メトホルミンHCl
のうちの少なくとも1つを少なくとも10%(重量基準)含む乾式造粒顆粒から製造される錠剤が提供される。
【0135】
本発明の別の態様によれば、パラセタモール、メトホルミンHCl、アセブトロールHClおよびバルプロ酸ナトリウムから選択される医薬有効成分を60%以上(例えば70%または80%以上)含む乾燥粒状塊の圧縮によって形成される錠剤が提供される。乾燥粒状塊の組成物の残りの部分は、例えばデンプン、セルロースおよびセルロース誘導体から選択される1以上の崩壊剤であることができる。本発明の別の態様によれば、(i)パラセタモール、メトホルミンHCl、アセブトロールHClおよびバルプロ酸ナトリウムから選択される医薬有効成分を80%以上(例えば、90%以上、例えば100%)含む顆粒および(ii)デンプン、セルロースおよびセルロース誘導体から選択される1以上の崩壊剤を含む顆粒を含む乾燥粒状塊の圧縮によって形成される錠剤が提供される。いずれの場合も、場合により潤滑剤を乾燥粒状塊と混合させてから、それを圧縮して錠剤とすることができる。
【0136】
一部の実施形態において、その錠剤は、ほぼ体温、すなわち37℃の水中にて60秒未満で崩壊する。錠剤を急速に崩壊させるには、APIは好適には、錠剤組成物の95%を超えず、組成物は少なくとも2%の崩壊剤を含む。その錠剤は好適には、40Nより大きい引っ張り強度を有する。一実施形態において錠剤は、90%以下の量でキシリトールを含むことができる。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態が本明細書に記載されているが、本発明のさらなる利用分野および適応については当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1a】本発明の一実施形態による装置の例を示す図である。
【図1b】本発明の一実施形態による装置の例を示す図である。
【図2a】本発明の一実施形態によるローラー圧縮機の使用を示す図である。
【図2b】回避可能な密顆粒(従来技術による)および望ましい多孔性顆粒の両方を製造するローラー圧縮機の使用を示す図である。
【図2c】先行技術の方法によって製造される顆粒の一例を示す図である。
【図2d】本発明の一実施形態による顆粒の一例を示す図である。
【図2e】本発明の一実施形態による顆粒の別の例を示す図である。
【図2f】本発明の一実施形態による顆粒のさらに別の例を示す図である。
【図2g】本発明の一実施形態の粒状塊の形成についての一例を示す図である。
【図2h】図2gに示した材料の粒径分布図である。
【図2i】本発明の実施形態による各種低圧縮力を用いて製造される顆粒の表面画像を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による分別装置の例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に従って使用可能な別の回転装置を含む分別装置の例を示す図である。
【図5a】図4に示した分別装置で用いることができる2つの円柱状構成要素の代替例を示す図である。
【図5b】図4に示した分別装置で用いることができる2つの円柱状構成要素の代替例を示す図である。
【図5c】本発明の一実施形態により回転装置の一部として使用可能な有孔スチールシートの一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態の系の連続運転を可能とするための二重フィルター配置の一例を示す図である。
【図7】リアルタイムで合格顆粒の特徴をモニタリングおよび調節するための配置の一例を示す図である。
【図8】別個に圧縮された物質からの粒状塊を混和するための配置の一例を示す図である。
【図9】粉末または粒状塊の流動性を測定するための装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0139】
下記において、添付の図面を参照しながら本発明について説明するが、本発明はいかなる形でもそれらに限定されるものではない。
【0140】
本発明の一実施形態の装置100(図1aおよび1b)は、粉末材料を圧縮して顆粒とする圧縮装置および許容可能な顆粒から少なくとも一部の微粒子および/または小顆粒を分別する分別装置を含む。分別装置の2つの異なる選択肢を図1aおよび1bに示してある。図1aにおける分別装置112を、図3により詳細に示してある。図1bにおける分別装置112を、図4により詳細に示してある。図1aおよび図1bに示した装置には、原料供給容器101があり、その中に造粒される材料が供給される。その供給容器は空気圧式コンベアパイプライン102に連結されており、それに材料がフィーダーバルブ103を通って来る。空気圧式コンベアシステムの管は直径約47mmを有することから、それらの材料は例えば何らかの好適なプラスチック材料、例えばポリエテンであることができる。フィーダーバルブは、いわゆる星形形状のフラップバルブであることができる。1つのそのようなバルブが、イタリアの医薬装置製造者CO.RA(商標名;Lucca, Italy)によって製造されている。動作に際しては、バルブの閉鎖要素がいずれかの方向に交互に180°回ることで、容器中の粉末物質の蓄積を回避することができる。コンパートメントフィーダーなどの粉末物質の連続装填のための他の装置も使用可能である。
【0141】
コンベア102内で流れる空気の圧力を、周囲圧力より低くなるように調節することができる。これは例えば、換気吸い込みファン104を用いて達成することができる。その吸い込みファンは、型式BUSCH(商標名;Maulburg, Germany)およびモデルMinkMM1202AVのものである。そのファンは、例えば1860RPMで動作させることができる。補給キャリアガスは、連結管105を通って供給することができる。供給容器から供給される材料は、コンベア102を通って分離装置106内に輸送され、そこで微細不合格粒子と容器101からの新しい供給材料がキャリアガスから分離される。ファンには、分離装置の横に配置されたフィルター(図6に図示)を設けることができる。その装置は、連続運転することができる。1つのそのような装置はサイクロンである。分離ステップ後、分離された粉末は、中間容器107に落ちる。
【0142】
容器107は、負荷セル108上に搭載して、材料の重量を測定することができる。中間容器107にはバルブ109が設けられており、それは供給容器バルブ103と同じ種類のものであることができる。中間容器107から、粉末は圧縮装置、例えばローラー圧縮機110に移動して、圧縮材料のリボンが形成され、それが次にフレーク粉砕スクリーン111に送られて、そこでリボンの粉砕によって顆粒が形成される。本発明の文脈では、圧縮は、別のスクリーンやまたは製粉装置111を使用するか否かとは無関係に、分別される顆粒を製造するプロセスのステップと見なされる。圧縮機110の圧縮力は、例えば粉末物質の供給速度、ローラー圧縮機のロールの回転速度、圧縮機装置のロールに加えられる圧力および/または得られるリボンの厚さを変えることで調節することができる。圧縮機によって加えられる圧縮力を低レベルに調節して、圧縮塊の所望の特性、例えば得られる顆粒の多孔性および/または微粒子および/もしくは小顆粒の割合を達成することができる。圧縮機およびフレーク粉砕スクリーンは、当業者には周知の装置である。圧縮およびフレーク粉砕装置を通った後、材料は部分的に顆粒の形態であるが、材料の一部はその時点でもなお、微粒子および/または小顆粒の形態である。顆粒の最大径ならびに顆粒の平均径は、例えばフレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズによって影響され得る。しかしながら留意すべき点として、顆粒の大きさは、プロセスの分別ステップおよび/または運搬ステップでの凝集の結果として大きくなり得るものである。
【0143】
一部の実施形態(図には示していない)では、装置100が複数の圧縮装置、例えばローラー圧縮機を有することで、例えば装置の収容量および/または連続処理能力を高めることができる。圧縮装置では、例えばクリーニングのために、若干の定期点検停止期間が必要な場合がある。装置100は、圧縮装置のうちの1つが点検中である場合であっても、運転を続けることができる。
【0144】
微粒子および多孔性顆粒を含み、静電気で帯電していることができる(例えば、摩擦帯電によって)上記ステップからの生成物は、分別チャンバ112に運ばれる。圧縮装置と分別装置の間には1個もしくは2個の例えば星形フラップバルブがあって、分別装置への圧縮材料の流れを制御することができる。分別装置は、分別装置を流れるキャリアガス気流によって塊のうちの異なる粒子がどの程度影響を受けるかに基づいて、粒状塊を合格画分と不合格画分に分ける。不合格画分は、供給キャリアガス気流とともに通過して供給コンベア102に行って再処理され、合格画分は生成物容器113中に送られる。これにより、生成物顆粒はやさしく処理され、ほとんど微粒子および/または小顆粒からなる比較的大きい体積の材料が塊から除去される。
【0145】
分別チャンバ112の運転について、図3〜6を参照してより詳細に説明する。多くの考えられる分別装置の選択肢がある。
【0146】
図1aおよび図1bに示した実施形態では、負荷セル108が容器107に装着されている。そのようなセンサーおよび他の機器は、系の他の容器および構成要素に配置することもできる。図には、考えられる機器全てが示してあるわけではない。例えば、必要に応じて、空気圧式コンベアに、少なくとも1つの圧力差センサー114を取り付けることができ、それからの情報を用いて、装置の運転を制御することができる。
【0147】
本発明はまた、不合格画分がコンベア102を用いて系に直接戻るのではなく、不合格材料の容器に送られるバッチプロセスとして実施することもできる。そのような系については詳細に説明しないが、その構成および使用については当業者であれば容易に理解できるであろう。
【0148】
その装置は、圧力差センサー114などの各種センサー、負荷セル108およびバルブ103から受け取った情報ならびに回転速度およびモーターの負荷に関する情報を制御ユニットに送り、当業者には公知の方式で適切な制御論理および制御回路を適用することで自動化することができる。顆粒構造ならびに微粒子および/または小顆粒の割合が使用される圧縮力によって大きく影響されることから、圧縮装置、例えばローラー圧縮機の圧縮力の制御は特に有用である。圧縮力は、ロールの回転速度および粉末物質の供給速度などの多くのパラメータによって決まる。例えば、所定のローラー回転速度に対して粉末物質の供給速度が高いほど、圧縮力は高くなる。
【0149】
コンベア102の材料は、例えばPVC、例えばFDA PVCであることができる。系の各種構成要素が、接地のための電線と接続されていても良い。好適には、系全体が接地されている。
【0150】
図2aにおいて、ローラー圧縮機200は、圧縮される塊に機械力を加えるロール201、202を用いて、原料および場合により分別装置からリサイクルされた粒子を含む塊203を圧縮してリボン204、205、206とする。塊に加わる圧縮力およびリボンの厚さに応じて、顆粒204、205に圧縮される塊の量は変動する。残りの塊206は、リボン中央で小顆粒および/または微粒子のまま残り得る。小顆粒および/または微粒子は、許容可能な顆粒のみを形成することができない可能性がある。しかしながら、そのような塊の存在は、例えば摩擦帯電および静電気力などによってプロセスの分別ステップおよび/または運搬ステップで許容可能な顆粒を形成する上で効果的な役割を果たし得る。供給材料およびリボンの厚さなどの圧縮パラメータに応じて、微粒子および/または小顆粒の割合は変動し得る。
【0151】
系の運転パラメータを調節する簡便な方法は、ローラー圧縮機の圧縮力を、少なくとも一部の顆粒を製造する最小値に設定し、分別装置の回転速度(図4に関係する説明を参照)を型式ROTAB(商標名;Warren, MI, USA)およびモデル400EC/200の装置で利用可能な最大値(例えば、約100RPM)に設定し、キャリアガス流量を調節して、所望の流動特性を有する許容可能な顆粒が系を流れ始めるようにするというものである。分別装置におけるガス流が少なすぎると、合格顆粒の塊において微粒子および/または小顆粒の割合が高くなり、高すぎるガス流を用いると、大きい割合の許容可能な顆粒が不必要に再処理されることになる。至適なガス流の設定は、例えば合格顆粒の流れのリアルタイム測定およびその顆粒の特性を用いて手動または自動で行うことができる。1つのそのような測定配置を図7に示してある。
【0152】
図2bには、先行技術でのような高い圧縮力を用いた場合の、望ましくない密顆粒および/または固体架橋を有する顆粒210、211が形成される例を示してある。塊中に密顆粒が多くあるほど、打錠に関して塊の品質が低くなり得る。先行技術の高圧縮力(または比較的低い力による繰り返し圧縮)を用いて生じる塊の流動特性は分別を行わなくとも許容できるものとなる可能性があるが、塊の圧縮性および/または打錠性は、一部の材料を用いた場合は、かなり低くなる場合があるか、崩壊時間などの錠剤の一部の他の特徴が望ましくないものとなる可能性がある。さらに、先行技術の造粒プロセスの圧縮ステップで材料のかなりの加熱が認められる場合があり、それによって例えば顆粒の成分の結晶化および/もしくは分解による固体架橋の形成または粒状塊の望ましくない特徴が生じる。さらに、高圧縮力を用いると、得られる粒状塊中での小顆粒および/または微粒子206の割合が低くなるのが普通である。プロセスの分別ステップおよび/または運搬ステップでそのような小顆粒および/または微粒子のパーセントが低すぎると、得られる合格顆粒の品質に対する悪影響が生じ得る。
【0153】
図2cには、先行技術の乾式造粒方法の代表的なものである高圧縮力(例えば、トウモロコシデンプン(CERESTAR(商標名)製品コードC*Gel03401、バッチ番号SB4944)用のホソカワ・ベペックス・ファーマパクター(Hosokawa Bepex Pharmapaktor)L200/50Pロール圧縮機を用いて80kN強))を用いて得られる密トウモロコシデンプン顆粒の一例の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示してある。
【0154】
図2dには、低圧縮力(この場合、同じホソカワロール圧縮機を用いて30〜35kN)およびそれに続いて本発明の一実施形態によるガス気流を用いる分別を用いて製造される同じデンプンの多孔性デンプン顆粒の一例の画像を示してある。異なる材料の場合、多孔性顆粒を生じる「低圧縮力」および許容できない量の密顆粒および/または固体架橋を有する顆粒を生じる「高圧縮力」は変動し得る。本発明者らは、図2cの顆粒の表面が図2dの顆粒と比較して有孔度が低い(すなわち、密度が高い)ことを認めている。図2cの密顆粒の場合と比較して、図2dの多孔性顆粒の方が個々の粒子間の自由空間(すなわち、孔)が大きい。図2dの密顆粒の場合と比較して、図2dの多孔性顆粒の表面の方が、緩く付着した粒子の割合も大きいように思われる。さらに、図2cの顆粒は、図2dの顆粒より縁が多い。多孔性顆粒の丸い形状は、そのような顆粒を含む粒状塊の良好な流動特性に寄与する可能性がある。図2dに示した多孔性顆粒の表面上の粒子間にある孔は、顆粒の圧縮性を高めることができる。
【0155】
図2eには、本発明の顆粒の別の実施形態を示してある。画像250は、本発明の一実施形態の装置によって製造される複数の100%パラセタモール顆粒251を示してある。造粒プロセスでは、60kNの圧縮力を用いた。本発明者らの観察によれば、パラセタモールは、ほとんどの他の材料より高い圧縮力を用いて造粒することができる。別段の断りがない限り、本例および下記の例の方法で用いられる分別装置は、図4および5cに記載のものと同様である。このサンプル中の顆粒251の代表的な大きさは、500〜1000μmである。画像252には、そのような顆粒の1つの表面の拡大写真を示してある。画像252から、その顆粒の圧縮表面254が、小顆粒255(例えば約5μm〜50μmの範囲)によってほとんど覆われているのを観察することができる。そのような個々の小顆粒257は、画像256にも示してある。小顆粒255が、顆粒251に対して比較的緩く付着していることで、顆粒に多孔性の表面を形成している。従って、使用した圧縮力は代表的な材料の場合より高かったが、得られた顆粒の表面は、見た目から多孔性であると認めることができる。本発明者らは、小顆粒および/または微粒子が、例えばそのプロセスの分別ステップ中に摩擦帯電によって生じる静電気力を介してより大きい顆粒に付着していた可能性があると予想している。本発明者らはさらに、合格顆粒の表面上の緩く付着した小顆粒を介して得られた多孔性表面が粒状塊の流動特性および打錠特性にかなり好影響を与える可能性があると考えている。
【0156】
図2fには、本発明の顆粒のさらに別の実施形態を示してある。画像260には、70%の微結晶セルロースおよび30%のトウモロコシデンプンを含む複数の賦形剤顆粒261を示してある。造粒プロセスでは、16kNの圧縮力を用いた。このサンプル中の顆粒261の代表的な大きさは、500〜1000μmである。画像262には、そのような顆粒の1つの表面の拡大写真を示してある。画像262から、その顆粒の圧縮表面が、小顆粒および/または微粒子263(例えば約5μm〜100μmの範囲)によって覆われているのを観察することができる。そのような個々の小顆粒265および個々の微粒子266は、画像264にも示してある。小顆粒265および微粒子266が、顆粒261に対して比較的緩く付着していることで、顆粒に多孔性の表面を形成している。小顆粒の割合(この例では、106μmより小さい顆粒)は約20%であった。その塊の流動性は、優れたものであることが認められた。
【0157】
図2gには、50%の微結晶セルロースおよび50%のトウモロコシデンプンを含む原料からの顆粒の形成を示してある。画像270には、未処理原料のSEM画像を示してある。画像271には、圧縮されているが分別はまだされていない粒状塊のSEM画像を示してある。実験では25kNの圧縮力を用いた。画像272には、本発明の一実施形態の分別装置によって合格とされた粒状塊のSEM画像を示してある。画像270および271の倍率は実質的に同様であり、画像272は画像270および271と比較して0.1倍の倍率を有する。画像270には実際には顆粒は示されていない。画像271では、圧縮ステップで製造された顆粒の大きさが比較的小さいことが注目される。ローラー圧縮機およびフレーク粉砕器(図1aおよび1bにおける110および111)によって形成された圧縮塊271における顆粒は500μmより小さいが、分別装置(図4参照)によって合格とされた顆粒272の大半は500μmより大きい。この驚くべき所見から本発明者らは、新しい許容可能な顆粒を作ることが可能であるか、かつ/または本発明の一実施形態の方法の分別段階に際して顆粒をさらに凝集させることが可能であると考えている。
【0158】
図2hには、図2gの画像271および272に描かれた材料の粒径分布チャートを示してある。使用した原料の製品証明データによれば、原料粒子の粒径分布(不図示)は、塊の実質的に全ての粒子が106μmより小さくなるようなものである。その塊を圧縮すると、画像280に示したように、合格サイズの顆粒の割合が若干高くなるが、大半(約73%)の粒子がなお106μmより小さい。画像281から、分別後に、106μmより大きい顆粒の割合が大幅に増えることがわかる。合格の画分はなお、106μmより小さい小顆粒および/または微粒子を約10%含んでいる。小顆粒および/または微粒子の割合が比較的大きいにも拘わらず、塊は優れた流動性を示す。分別ステップで圧縮塊からの合格とされる顆粒の全割合は約10%であった。従って塊の約90%が、分別装置によって不合格とされた。
【0159】
図2iには、本発明の実施形態を用いて製造された顆粒の表面のSEM画像を示してある。造粒プロセスにおいて、各種圧縮力を用いている。示した材料は、50%の微結晶セルロースおよび50%のトウモロコシデンプンを含む。画像290、291、292にはそれぞれ、圧縮力25kN、40kNおよび60kNを用いて得られた顆粒を描いてある。圧縮力が高くなると表面有孔度が低下することが注目される。画像290および291の顆粒では多くの孔が容易に検出可能であるが、画像292の顆粒には大きな密領域がある。顆粒表面に孔がないと、粒状塊の特性、例えば塊の流動性、塊の打錠性および/または得られる錠剤の崩壊時間の少なくとも一部が低下する可能性がある。従って、この原料から顆粒を製造する上での至適な圧縮力は恐らく60kN未満であることが示唆される。SEM画像290、291では顆粒表面の構造にあまり大きな差は示されていないが、圧縮力25kNを用いて製造された粒状塊は、圧縮力40kNで製造された塊と比較して、引っ張り強度が高く崩壊時間の短い錠剤を形成する。
【0160】
図3には、圧縮機によって製造される粒状塊303から微粒子および/または小顆粒を除去するための分別装置の例を示してある。その装置は、各種目的のための開口を含むチャンバ300を有する。圧縮機およびフレーク粉砕器からの投入材料301が、1個もしくは複数の開口302を通って送られる。重力の作用によって、材料305の流れは開口304に向かって下降し、そこから合格粒状塊306は系から流れ出て容器に入る。同じ開口304から、キャリアガス(空気)307が系に流れ込む。そのガスは、キャリアガス流の所望の微粒子および/または小顆粒除去効果が達成されるように配置されている何らかの他の開口からも系に流れ込むことができる。キャリアガスは、合格顆粒の流れとは異なる方向(その流れに対して向流)で流れる。合格の顆粒は、重力の作用により、管304を通って落ちて、分別装置から出る。顆粒が分別装置300中を移動している間、微粒子および/または小顆粒は他の顆粒と凝集することができることから、顆粒はさらに成長する。微粒子および/または小顆粒308は、キャリアガス流309によって運搬されて、開口310を通って分別装置から出て行く。合格顆粒のため、ならびに不合格の微粒子および/または小顆粒のための複数の開口があってもよい。
【0161】
図4には、改善された分別装置の一例を示してある。図において、装置内にある構成要素および構造は、点線を用いて描いてある。装置400には、分別チャンバおよび、チャンバ内に取り付けられ、ローラー410上で回動可能に支持された開口円柱(または円錐形状装置、図示していない)401が含まれる。円柱の回転速度は、例えば型式ROTAB(商標名;Warren, MI, USA)およびモデル400EC/200の装置で使用可能な最大値となるように調節することができる。円柱または円錐のジャケットには孔を開けることができる。同伴微粒子とともにガス(空気)が通過して円柱を出ることができるように構成されているべきであるという点以外は、考えられる開口またはその縁部の数および形状に関して制限はない。開口は例えば、円形、楕円またはスロットであることができる。一実施形態では、開口は円形であり、それはレーザ切断技術を用いてカットしたものである。一実施形態において、円形開口の直径は1.5mmである。円柱を好適な速度、例えば100RPMで回転させるために、駆動モーター402が配置されている。円柱が回転するに連れて供給端411から出口404へと固体材料を送るため、円柱内部にはらせん構造403が設けられている。らせんではなく、各種のフィンその他の構造を円柱内部に設けて、圧縮材料の運動およびそのガス気流との相互作用を得ることができる。円柱の傾斜角度は、必要に応じて、例えばサスペンジョン構造413、414における分別装置400全体の位置を変えることで調節することができる。
【0162】
圧縮装置を出た粉末405は、装填連結部412を通って円柱の供給端411に落下し、らせん403によって移動して出口管404に向かう。出口404を通って流れるキャリアガス406は、合格顆粒407に対して反対方向に移動する。許容可能な顆粒は円柱401に沿って進み、重力の作用によって、出口404を通って落下して、生成物容器(不図示)に至る。管404まで許容可能な顆粒を伴っている可能性がある不合格となり得る微粒子および/または小顆粒は、ガス気流406によって管404から円柱401まで運び戻される。本装置では、出口404は下向きの管であり、その長さは70mmで、直径は40mmである。微粒子および/または小顆粒408の不合格の画分はキャリアガス気流とともに、連結部409を通って供給コンベア(図1での102参照)に流れて、再処理に供される。その顆粒は、分別装置400(または図3での300)において大きくなる場合がある。この凝集は、例えば摩擦帯電および静電気力によって生じ得るものである。
【0163】
合格画分の特性は、例えば円柱の回転速度、円柱の傾斜角度、らせんのピッチならびに円柱における開口の大きさ、数および位置そして形状を変えることで、さらにはキャリアガスの流量を変動させることで影響され得る。
【0164】
図5aおよび5bには、分別装置(図4における400参照)内にある2つの異なる形の円柱形装置を示してある。円柱500は開口501を有しており、その開口は図5aでは円柱のジャケット全体に配置されているが、図5bでは円柱の一端のみに開口がある。顆粒および微粒子の両方を含む投入材料502は、円柱の一端から回転する円柱に送られる。円柱500および円柱内のらせん(図4における403参照)の回転運動503により、投入材料は円柱の他端に向かって押されていく。材料が円柱内を移動している間、キャリアガス流504が、許容可能な顆粒を不合格微粒子および/または小顆粒505から分離し、後者はキャリアガス流によって開口501を通って円柱外に運ばれる。合格顆粒506は最終的に、円柱内部にあるらせん構造によって円柱外へ押し出される。
【0165】
図示の実施形態では、回転装置は直径190mmおよび長さ516mmの円柱であり、それぞれが直径1.5mmを有する開口を持っており、その開口は、互いに平均6mm離れて配置されている。開口404(図4)を通って分別装置に入る空気流は、直径50mmの開口(図4における409)を通って分別チャンバから出て、再処理に供される。円柱内部には、合格の材料506の開口方向に1回転当たり80mm進むスクリュー形ガイド構造がある。ガイド構造の高さは25mmである。図5cには、好適な円柱を構築するのに用いることが可能な有孔ステンレスシートの例の図を示してある。そのシートの厚さは約0.8mmである。前述のROTAB(商標名)装置は、円柱を図5cのスチールシートから組み立てたものに変えることで改造されており、分別チャンバは、図4の400に示したものと同様の形状を有するものに変えてある。
【0166】
図5aおよび5bに示した装置は開口した円柱形状のものであり、関与する運動は回転運動であるが、他の形状のコンベア装置および他の種類の運動の使用を行うことで、塊を分別空気流で運ぶこともできる。
【0167】
その装置は場合により、その連続処理能力を向上させるように作製することができる。1つのそのような作製を図6に開示しており、図では二重フィルターアッセンブリを図示してある。大半の微粒子および/または小顆粒がサイクロン602(図1aまたは1bでの106も参照)で例えば空気などのキャリアガスから分離されるが、一部の微粒子および/または小顆粒はキャリアガスとともにサイクロンから吸引除去され得る。その粒子は、キャリアガスが系を出る前に濾去する必要がある場合がある。フィルター607a、607bは、フィルターをクリーニングするまで微粒子および/または小顆粒を捕集するものである。一方のフィルター607a、607bを活動させ、他方を例えばその振動によってクリーニングするようにすることができる。バルブ605、612を用いて、ガス流を活動フィルターに通すようにガイドし、クリーニングするフィルターをガス気流から分離することができる。フィルタークリーニングによって得られる粉末はフィルターから下に落下し、バルブ608a、608bがそれぞれ開いていると管609a、609bにさらに送られる。管の他端には、上側バルブ608a、608bが閉じた後に開く下側バルブ610a、610bがあってもよい。下側バルブを開けることで、粉末は循環に再度戻されて再処理に供される。この配置によって、装置が運転状態のままで、フィルターの一方をクリーニングすることができ、クリーニング操作によって装置でキャリアガスの望ましくない圧力衝撃が生じない。
【0168】
その装置には場合により、例えばリアルタイムで合格顆粒の大きさを測定するセンサーを搭載することもできる。そのような配置を図7に示してある。合格顆粒は、管701を通って分別装置700を出る。発光装置702ならびに光感知センサー703が、通過する合格顆粒の大きさを観察するために管に取り付けられている。センサーが発生させた情報に基づいて、システムの制御論理が装置の動作パラメータを調節することができる。1つのそのような調節可能なパラメータは、例えばフレーク粉砕スクリーン704によって製造される顆粒の大きさであることができる。別のそのような調節可能なパラメータは、系のガス流量であることができる。
【0169】
図8には、粉末を別個に造粒し、その顆粒を一緒に混和する、考えられる配置の例を示してある。例えば錠剤などの最終製造物の崩壊時間などの特性は、複数の造粒プロセスで製剤の成分を造粒するか1回のプロセスで一緒に造粒するかで影響を受ける可能性がある。
【0170】
造粒系801、802はそれぞれ、異なる物質から(または同一の物質であるが、圧縮力または合格顆粒の大きさなどの造粒パラメータが異なるものから)顆粒を製造する。各系は、造粒パラメータを調節するそれ自体の手段811、812を有する。各造粒系からの合格顆粒はコンベア803、804から顆粒混和装置に至り、その装置は最終混合物中の各顆粒の量を制御する手段806、807を有する。混和装置は、粒状塊が最終生成物810の容器または直接に打錠機(不図示)に流れる前に、顆粒を一緒に混合する顆粒混和手段808を有することもできる。図8におけるコンベア803、804は、混和装置に至る管であるが、コンベアは、顆粒を中間貯蔵容器に入れるものであってもよく、その容器から塊を混和装置に運ぶことができる。
【0171】
図9には、粉末または粒状塊の流動性を測定するための簡単な装置を示してある。異なる大きさの装置を用いて、異なる流動性度を測定する。流動性度は、十分、良好、非常に良好または優良であることができる。
【0172】
十分な流動性を測定する装置は、高さ901が45mmであり、円錐角902が約59°であり、直径12mmの円形開口903を有する平滑プラスチック表面円錐900を備える。管904の長さは23mmである。流動性試験手順では、円形開口903を閉じたままとしながら、円錐に粉末または粒状塊を充填する。開口部を開け、円錐を軽く叩いて流動を開始し、単に重力による開口からの粉末の流れを観察する。試験中の円錐の別の振盪その他の種類の運動は行ってはならない。円錐が実質的に空になる場合は、その材料は流動性試験を合格とする。この場合の「実質的」は、少なくとも85%、90%または95%の粉末が円錐から出ることを意味する。
【0173】
上記で説明した試験手順を用いて良好な流動性を測定する装置は、高さ901が50mmであり、円錐直径905が70mmであり、直径7mmの円形開口903を有する平滑ガラス表面円錐900を有する。管904の長さは70mmである。
【0174】
非常に良好な流動性を測定する装置は、高さ901が35mmであり、円錐直径905が48mmであり、直径4mmの円形開口903を有する平滑プラスチック表面円錐900を有する。管904の長さは50mmである。
【0175】
優良な流動性を測定する装置は、高さ901が40mmであり、円錐直径905が55mmであり、直径3mmの円形開口903を有する平滑プラスチック表面円錐900を有する。管904の長さは60mmである。
【0176】
本発明の上記その他の実施形態を用いると、例えば良好な流動性、良好な圧縮性、良好な打錠性、錠剤の短い崩壊時間および高い薬剤負荷量などのいくつかの望ましい特徴のうちの1つまたは複数を有する顆粒を製造することが可能である。本発明者らは、それらの特徴が多くのAPIおよび賦形剤に適用可能であることを観察している。従って、先行技術の医薬製剤設計プロセスのいくつかの時間と費用を要する可能性のある部分を、多くのAPIで回避することができる。示した実施形態は、構築および使用する上で比較的コスト効率の高いものでもある。例えば、1時間当たり数kgまたは数10kgの顆粒を製造する能力を有する配置を構築することが可能である。その方法は、例えば先行技術の湿式造粒方法と比較して、比較的単純であり、制御しやすい。示した実施形態では、調節が必要になる可能性のあるパラメータはほとんどない。
【0177】
本明細書で与えられているパーセント(%)値は、別段の断りがない限り重量基準である。
【0178】
平均値は、別段の断りがない限り幾何平均値である。
【0179】
下記の実施例は、本発明の実施形態を用いて達成可能ないくつかの代表的な顆粒および錠剤の特徴について説明するものである。
【実施例】
【0180】
本発明の各種実施形態の粒状塊の特徴およびそれらの打錠性を観察するため、一連の試験を実施した。いずれの試験でも、本明細書に記載の方法および装置(例えば図1bおよび図4)を用いている。装置のガス流量を調節して、ガス流の分別効果により、良好、非常に良好または優良な流動性を有する粒状塊が生じるようにした。試験におけるガス流量は、デフォルト速度約1860RPMで系の吸い込みファン(BUSCH(商標名)Mink MM1202AV)を運転して達成された。一部の材料では、速度をデフォルトから変えて、粒状塊の所望の品質を得た。ローラー圧縮機の圧縮力を調節して、至適な打錠特性を有する顆粒を製造した。使用した力は、試験で用いたローラー圧縮機(ホソカワ・ベペックス・ファーマパクターL200/50P)によって示されるキロニュートン値として記録した。圧縮機のロールの直径は200mmであり、ロールの作業幅は50mmである。圧縮機によって製造されるリボンの厚さは約4mmである。ロールの回転速度は、代表的には10〜12RPMである。ローラー圧縮機によって正確な回転速度を調節して、所望の圧縮力を得る。フレーク粉砕スクリーンのデフォルトのメッシュサイズは1.00mmである。一部の実験では、フレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズをデフォルト値から変更した。
【0181】
別段の断りがない限り、約100RPMで動作する図4に示した回転装置を、試験の装置の分別手段として用いた。回転手段の円柱における開口のデフォルトサイズは、1.5mmであった。
【0182】
全ての打錠試験において、0.25%のステアリン酸マグネシウムを、打錠前に潤滑剤として粒状塊に加えた。
【0183】
これらの試験で用いたトウモロコシデンプンは、粒径5〜30μmを有すると推算された。
【0184】
錠剤の引っ張り強度は、型式MECMESIN(商標名、Mecmesin Limited, West Sussex, UK)およびモデルBFG200Nの測定装置を用いて測定した。
【0185】
粒状塊の粒径分布は、積層篩を用いて測定した。その測定において、4個の篩の積層物を、パワー設定6で電磁篩振盪器(製造者:C.I.S.A Cedaceria Industrial, S. L.、モデルRP08)を用いて5分間振盪した。使用した篩の開口サイズは、850μm、500μm、250μmおよび106μmであった。
【0186】
打錠例1−90%アセブトロールHCl
90%のアセブトロールHCl粉末(平均粒径27μm)および10%のデンプンを有する5.0kgの粉末塊を混合した。圧縮力40kNを用いて塊を圧縮して、分別後に平均径877μmおよび標準偏差1.421を有する顆粒とした。得られた塊のルーズかさ密度は0.68g/mLであり、塊は良好な流動性を有していた。直径10mmおよび重量500mgの円形錠剤を、6〜8kNの打錠力を用いて作製した。錠剤の平均引っ張り強度は、80N(N=10)であった。錠剤崩壊時間は、ほぼ体温の水中で約6.5分であることが認められた。
【0187】
打錠例2−20%フルオキセチンHCl
20%(2.24kg)のフルオキセチンHCl(製造者:SIFAVITOR SpA, Casaletto Lodigiano. Italy;ロット番号2700/01/06)、64%(7.168kg)の微結晶セルロース(EMCOCEL CAS番号9004−34−6、ロット5S3682)および16%(1.792kg)のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401;ロット01015757)を有する粉末塊を混合した。圧縮力35kNを用いて、塊を圧縮して、分別後に平均径461μmおよび標準偏差2.358を有する顆粒とした。フレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズは1.25mmに設定した。得られた塊のルーズかさ密度は0.595g/mLであり、塊は良好な流動性を有していた。キャッピングを起こさない最大打錠力を用いて、直径6mmおよび平均重量112mg(N=10、標準偏差=1.89%)の円形錠剤を作った。錠剤の平均引っ張り強度は44N(N=10、標準偏差=11.17%)であった。錠剤崩壊時間は、ほぼ体温の水中で約10秒であることが認められた。
【0188】
打錠例3−60%パラセタモール
60%のパラセタモール微粉末(製造者:Mallinckrodt Inc.、Raleigh(米国)、ロット7845906C563、20μmより小さい粒子59%、75μmより小さい粒子96%)、20%の微結晶セルロース(EMCOCEL CAS番号9004−34−6、ロット:5S3689、71μmより小さい粒子50%)および20%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を有する粉末塊約4.0kgを混合した。圧縮力30kNを用いて、塊を圧縮して、分別後に平均径645μmおよび標準偏差1.464を有する顆粒とした。フレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズは、1.00mmに設定した。得られた塊のかさ密度は0.586g/mLであり、塊は良好な流動性を有していた。キャッピングを生じない最大打錠力を用いて、直径10mmおよび平均重量454mg(N=10、標準偏差=0.6%)の円形凸型錠剤を作製した。今まで、乾式造粒方法を用いて製造した顆粒の圧縮によってパラセタモールの高負荷錠剤を製造することは、不可能ではないとしても困難であると考えられてきたことから、これは非常に良好な結果であった。錠剤の平均引っ張り強度は49N(N=10、標準偏差=12.73%)であった。錠剤崩壊時間は、ほぼ体温の水中で1分未満であることが観察された。
【0189】
打錠例4−90%バルプロ酸ナトリウム
90%のバルプロ酸ナトリウム(製造者:Chemische Fabrik Berg)、5%のヒプロメロース(PHARMACOAT606、ロット:5115055)および5%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を有する粉末塊5.56kgを混合した。圧縮力35kNを用いて、塊を圧縮して、平均径550μmおよび標準偏差1.686を有する顆粒を得た。フレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズは1.25mmに設定した。得られた塊のルーズかさ密度は0.532g/mLであり、塊は良好な流動性を有していた。キャッピングを生じない最大打錠力を用いて、直径12mmおよび平均重量560mg(N=10、標準偏差=1.29%)の円形凸型錠剤を作製した。錠剤の平均引っ張り強度は84Nであった(N=10、標準偏差=11.80%)。賦形剤としてのヒプロメロースによって導入された徐放特性のため、錠剤崩壊時間は、ほぼ体温の水中で40分であることが認められた。
【0190】
打錠例5−50%ケトプロフェン
50%のケトプロフェン(製造者:Ketoprofen S.I.M.S. Societa italiana medicinali Scandicci、ロット:121.087、60μm未満の粒子79%)および50%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:SB4944)を有する粉末塊約8.0kgを混合した。圧縮力40kNを用いて塊を圧縮して、平均径900μmおよび標準偏差1.418を有する顆粒とした。フレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズは、1.00mmに設定した。得られた塊のルーズかさ密度は0.625g/mLであり、塊は良好な流動性を有していた。キャッピングを生じない最大打錠力を用いて、直径6mmおよび平均重量94mg(N=10、標準偏差=1.94%)の円形凸型錠剤を作製した。錠剤の平均引っ張り強度は39Nであった(N=10、標準偏差=14.56%)。錠剤崩壊時間は、ほぼ体温の水中で約10秒であることが認められた。
【0191】
打錠例6−80%メトホルミンHCl
100%のメトホルミンHCl(供給者:SIM Strading(Firenze, Italy)、ロット:21.039)を有する粉末塊約4.0kgを、圧縮力35kNを用いて圧縮して、平均径668μmおよび標準偏差1.554を有する顆粒を製造した。フレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズは、1.00mmに設定した。得られた塊のルーズかさ密度は0.694g/mLであり、塊は良好な流動性を有していた。別個に、70%の微結晶セルロース(EMCOCELCAS番号9004−34−6、ロット:5S3689)および30%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を含む賦形剤顆粒を混合し、同じ圧縮力を用いて造粒した。次に、80%のメトホルミン顆粒を20%の賦形剤顆粒と混和し、圧縮して錠剤とした。キャッピングを生じない最大打錠力を用いて、直径12mmでメトホルミン500mgを含む円形凸型錠剤を作製した。錠剤の平均引っ張り強度は59N(N=3)であった。錠剤崩壊時間は測定しなかった。
【0192】
打錠例に加えて、塊のハウスナー比を測定し、塊の流動性を観察することで、本発明の実施形態の粒状塊の圧縮性および流動性を調べた。塊のハウスナー比を算出し、流動性を観察するのに使用可能な方法については、本開示において前述している。
【0193】
流動性例1−100%パラセタモール
100%パラセタモール(製造者:Mallinckrodt Inc.、Raleigh(米国)、ロット:6088906C107)を有する粉末塊4.0kgを、圧縮力12kNおよびフレーク粉砕スクリーンメッシュサイズ1.00mmを用いて圧縮して、分別後に平均径708μmおよび標準偏差1.349を有する顆粒とした。塊の顆粒の0.58%が、106μmより小さい直径を有していた。得られた塊のかさ密度は0.610g/mLであり、タップかさ密度は0.758g/mLであった。塊のハウスナー比は1.24と計算された。ハウスナー比によって示された比較的高い圧縮性にも拘わらず、塊の流動性は優良であることが認められた。
【0194】
流動性例2−90%メトホルミンHCl
90%(4.0kg)のメトホルミン(メトホルミン塩酸塩USP、ロット番号17003742、USV LIMITED, B.S.D. Marg. Govandi, Mumbay 400088, INDIA)、8%(356g)の微結晶セルロース(EMCOCEL、CAS番号9004−34−6、ロット:5S3682)および2%(88g)のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を有する粉末塊を混合した。圧縮力30kN、フレーク粉砕スクリーンメッシュサイズ1.00mmおよび吸い込みファン速度2100RPMを用いて、分別後に平均径477μmおよび標準偏差2.030を有する顆粒を製造した。塊の顆粒の11.0%が、106μmより小さい直径を有していた。得られた塊のルーズかさ密度は0.581g/mLであり、タップかさ密度は0.714g/mLであった。塊のハウスナー比は、1.23と測定された。ハウスナー比によって示された比較的高い圧縮性にも拘わらず、塊の流動性は優良であることが認められた。メトホルミンを用いて実験を行った場合、本発明者らは、100%メトホルミン微粉末が、室温および環境湿度で保存した時にかなりの凝集(大きく硬い凝集物を形成)を示すが、本発明の方法を用いてそのような粉末から製造された100%メトホルミン顆粒は、貯蔵時間中にそのような凝集は実質的に示さないという驚くべき知見も得た。
【0195】
流動性例3−賦形剤
70%の微結晶セルロース(EMCOCEL、CAS番号9004−34−6、ロット:5S3689)および30%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を含む粉末塊約3.0kgを混合した。圧縮力16kNおよびフレーク粉砕スクリーンメッシュサイズ1.00mmを用いて、分別後に平均径318μmおよび標準偏差2.159を有する顆粒を製造した。塊の顆粒の19.6%が、106μmより小さい直径を有していた。得られた塊のルーズかさ密度は0.379g/mLであり、タップかさ密度は0.510g/mLであった。塊のハウスナー比は、1.35と測定された。ハウスナー比によって示された塊の高圧縮性にも拘わらず、流動性が優良であることが認められた。
【0196】
流動性例4−20%ケトプロフェン
20%のケトプロフェン(S.I.M.S. Societa italiana medicinali Scandicci、ロット:121.087)および80%の微結晶セルロース(EMCOCEL、CAS番号9004−34−6、ロット:5S3689)を含む粉末塊約4.0kgを混合した。圧縮力24kNおよびフレーク粉砕スクリーンメッシュサイズ0.71mmを用いて、顆粒を製造した。系の吸い込みファン速度を1980RPMに設定した時、分別後に、合格顆粒の平均径は304μmであり、標準偏差は2.275であった。塊の23.0%は、106μmより小さい粒径を有していた。塊のルーズかさ密度は0.510g/mLであり、タップかさ密度は0.676g/mLであった。塊のハウスナー比は、1.325と測定された。塊の流動性は十分であることが認められた。系の吸い込みファン速度を2400RPMに設定した場合、分別後に合格顆粒の平均径は357μmであり、標準偏差は2.121であった。塊の13.7%が、106μmより小さい粒径を有していた。塊のルーズかさ密度は0.521g/mLであり、タップかさ密度は0.714g/mLであった。塊のハウスナー比は1.371と測定された。塊の流動性は優良であることが認められた。本例は、系のガス流量を変動させることで、異なる流動特性を有する粒状塊を得ることができることを示している。本例はさらに、例えば米国特許第6752939号などの先行技術で知られている内容とは逆に、ハウスナー比は粒状塊の流動性を必ずしも予見するものではないことも示している。例えば、粒状塊の顆粒粒径分布は、粒状塊の圧縮性より流動性に対しての効果が大きい可能性がある。そうして、同一粒状塊において、良好な圧縮性および流動性が共存し得る。
【0197】
能力例
本開示に記載の実施形態は、かなりの量の粒状塊を製造する能力を有する。図4の分別装置を含む一実施形態の能力試験では、パラセタモール(7845パラセタモール微粉末、Mallinckrodt Inc.、Raleigh(米国)、ロット:7845906C563)5.98kg、微結晶セルロース(CAS番号9004−34−6、JRS PHARMA LP-Patterson(米国)、ロット:5S3689)10.69kg、トウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)37.10kg、乳糖(乳糖・1水和物、DMV International Pharmatose 80M DP5500、ロット:10209285906535704)12.19kg、セルロース(「テクノセル(Technocel)」、CFF GmbH、Gehren Germany、ロット:G13060620)34.04kgを混合し、圧縮力約40kNおよび吸い込みファン速度2160RPMを用いて造粒した。装置を2時間38分運転して顆粒94.66kgを得て、それは少なくとも良好な流動性特性を有していた。
【0198】
分別例1
50%の微結晶セルロース(EMCOCEL、CAS番号9004−34−6、ロット:5S3689)および50%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を含む粉末塊約5.0kgを混合し、造粒した。不合格画分の再処理は、造粒プロセスで防止した。これを行うなため、処理対象の塊を手動で中間容器(図1bにおける107)に送り、そこからバルブ(図1bにおける109)を開けることで、プロセス開始前に圧縮機(図1bにおける110)に運んだ。次に、プロセスを開始し、塊5.0kgを造粒および分別した。その処理中、バルブ(図1bにおける109)は閉じたままとして、不合格画分の再処理を防止した。圧縮力40kNおよびフレーク粉砕スクリーンメッシュサイズ1.00mmを用いて、分別後に平均径523μm(標準偏差1.70)を有する顆粒を製造した。試験運転により、合格顆粒1630g(32.6%)を製造した。合格顆粒の表面のSEM画像を、図2iの画像291に示してある。塊の残りの部分は、分別装置によって不合格とされた。合格塊の顆粒/粒子の4.0%は、106μmより小さい直径を有していた。得られた塊のルーズかさ密度は0.56g/mLであり、タップかさ密度は0.641g/mLであった。塊のハウスナー比は1.15と測定された。合格画分の流動性は、優良であることが観察された。他方、不合格画分の流動性は不十分であることが認められた。
【0199】
不合格画分は250μmより大きい顆粒16.4%を含んでおり、合格画分は250μmより大きい顆粒92%を含んでいた。
【0200】
粒状塊の合格画分の打錠性を観察するため、0.5%のステアリン酸マグネシウムを塊に加え、平均重量588mgの錠剤を製造した。錠剤の平均引っ張り強度(N=6)は23.56Nであると測定され、標準偏差は1.308であった。錠剤の崩壊時間は、約12秒であることが観察された。
【0201】
分別例2
50%の微結晶セルロース(EMCOCEL、CAS番号9004−34−6、ロット:5S3689)および50%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を含む粉末塊約4.0kgを混合し、造粒した。上記の例とは異なり、本開示の図1aおよび3の実施形態による分別装置を、プロセスの分別ステップで用いた。不合格画分の再処理は、造粒プロセスで防止した。これを行うなため、処理対象の塊を手動で中間容器(図1aにおける107)に送り、そこからバルブ(図1aにおける109)を開けることで、プロセス開始前に圧縮機(図1aにおける110)に運んだ。次に、プロセスを開始し、塊4kgを造粒および分別した。その処理中、バルブ(図1aにおける109)は閉じたままとして、不合格画分の再処理を防止した。圧縮力16kNおよびフレーク粉砕スクリーンメッシュサイズ1.00mmを用いて、分別後に平均径437μm(標準偏差2.42)を有する顆粒を製造した。試験運転により、合格顆粒670g(16.75%)を製造した。塊の残りの部分は、分別装置によって不合格とされた。合格塊の顆粒/粒子の20.9%は、106μmより小さい直径を有していた。得られた塊のルーズかさ密度は0.455g/mLであり、タップかさ密度は0.568g/mLであった。塊のハウスナー比は1.248と測定された。ハウスナー比によって示される合格塊の高圧縮性にも拘わらず、流動性は優良であることが観察された。他方、不合格画分の流動性は不十分であることが認められた。
【0202】
不合格画分は250μmより大きい顆粒7.1%を含んでおり、合格画分は250μmより大きい顆粒68.4%を含んでいた。
【0203】
粒状塊の合格画分の打錠性を観察するため、0.5%のステアリン酸マグネシウムを塊に加え、平均重量584mgの錠剤を製造した。錠剤の平均引っ張り強度は63.34Nであると測定され、標準偏差は6.78であった(N=6)。注目すべき点として、錠剤の引っ張り強度は、分別例1の場合よりかなり高い。錠剤の崩壊時間は、約12秒であることが観察された。
【0204】
当業者にとっては、前記の例示的実施形態は、本願で提供されるモデルを説明するものであり、それにより、自明な形で、本願で提供される発明的概念を利用する、各種の方法、システム、顆粒および錠剤を設計することが可能となる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒剤および錠剤ならびにそれらの製造方法および製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
錠剤は、ほとんどの医薬製剤に最も頻繁に用いられる送達形態の1つである。この状況は、この剤形によって、医薬製剤の活性成分の正確な投与が可能となるという事実によって説明することができる。さらに、取り扱いおよび包装が比較的容易であり、これら製剤の有効期間および安定性は、他の製剤の場合より総じて良好である。
【0003】
これらの同じ議論は、菓子製品、芳香剤もしくは甘味料などの食品、洗剤、染料または植物検疫製品などの他の用途用の媒体として使用される場合が多いことの理由の説明にもなる。
【0004】
錠剤を製造する上で必要な粒状塊の固体バルクは、湿式造粒または乾式造粒という2つの主要な方法を用いて製造することができる。錠剤は、直接圧縮を用いて製造することもできる。直接圧縮は、原材料の製造ではなく打錠プロセス自体に関するものである。
【0005】
湿式造粒では代表的には、成分を混和し、湿潤結合剤を用いて造粒する。得られた湿潤顆粒を篩に通し、乾燥させ、場合により粉砕してから、圧縮して錠剤とする。湿式造粒は製薬業界において広く用いられているが、顆粒および錠剤製造プロセスで必要な液体が医薬有効成分(API)の特性および/または錠剤などの最終製品に対して有害な効果をもたらす場合が多いことを主たる理由として、それが難しい方法であることが明らかになっている。
【0006】
乾式造粒は通常、スラッギングまたは二つの二重反転ロール間の材料の通過によって密度を上げたプレ圧縮粉剤の制御された粉砕の方法と説明される。より具体的には、非常に微細な粒子を含むことができる粉末成分を混和してから圧縮して硬スラグを得て、それを粉砕および篩分けしてから、他の成分を添加し、最終圧縮を行って錠剤を形成するのが普通である。乾式造粒プロセスでは液体は実質的に使用しないことから、湿式造粒に関係する問題は回避される。多くの場合で、乾式造粒はAPIを含む錠剤などの製品を製造する上での最良の方法であるように思われるが、所望の種類の粒剤を製造したり、製造方法において顆粒化材料を管理する上で問題があるために、用いられる場合は比較的少なかった。既知の乾式造粒方法ならびにそれに関係する既知の問題については、ペーター・クライネブッデ(Peter Kleinebudde)執筆の総覧論文(”Roll compaction/dry granulation: pharmaceutical applications”, European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 58 (2004), pp.317-326で刊行)などの科学論文で十分に説明されている。
【0007】
直接圧縮は通常、錠剤を製造する上で最も簡単で最も経済的な方法であると考えられている。しかしながら、それは、打錠前に造粒する必要がない材料のみに適用可能である。直接圧縮には、全ての成分の混和とこの混合物の圧縮という2つのみの主要なステップが必要とされる。しかしながら、錠剤の成分が、それらを圧縮可能なものとしたり、かつ/またはその均一性および流動性を高めるための何らかの造粒技術によって処理する必要がある場合が多いため、直接圧縮は比較的少数の物質にのみ適用可能である。
【0008】
錠剤の成分は通常、賦形剤または有効成分のいずれかであると説明される。有効成分は通常、医薬的、化学的または栄養学的効果を誘発するものであり、それらは所望の効果を提供するのに必要な量のみで錠剤中に存在する。賦形剤は、製剤の製造を容易にしたり、または有効成分の放出特性を調節したり、または有効成分の目的に対して補助的な他の目的のために含有される不活性成分である。
【0009】
賦形剤は、例えば潤滑剤、流動促進剤、充填剤(または希釈剤)、崩壊剤、結合剤、香味剤、甘味料および色素のように、製剤中でのそれらの機能に従って特徴付けることができる。
【0010】
潤滑剤は、錠剤製造装置のダイスからの圧縮錠剤の離れを改善し、パンチでの粘着を防止するためのものである。
【0011】
流動促進剤は、粉末の流動性を高めるために添加される。それは代表的には、圧縮に先だって成分混合物がダイスに均等かつ均一に充填されるのを助けるために用いられる。
【0012】
充填剤は、最終製剤における有効成分の濃度を低下させるための増量剤として使用される場合がある不活性成分である。多くの場合で結合剤は、充填剤としても機能する。
【0013】
崩壊剤は、液体環境に置くことで有効成分を放出する場合に、錠剤が崩壊するのを助けることを目的として製剤に添加することができる。崩壊特性は通常、水または胃液などの液体の存在下に崩壊剤が膨潤する能力に基づいたものである。この膨潤は、錠剤構造の一体性を乱すことから、溶液または懸濁液中への異なる成分の侵入を可能にするものである。
【0014】
結合剤は、錠剤の構造をまとめておくのに用いられる。それは、十分な圧縮力を加えた後に他の成分を一体で結合させる能力を有しており、錠剤の完全性に寄与する。
【0015】
特定のAPIに適した賦形剤を見出し、賦形剤およびAPIの組み合わせの適切な製造法を決定することは時間を要する作業となる場合があり、それによって、錠剤などの医薬製品の設計プロセスが、数年も延長される可能性がある。
【0016】
先行技術の乾式および湿式の両方の造粒方法は、顆粒の粒子間に固体架橋を生じさせる可能性があり、それは例えば、その後の錠剤特性が不十分なものとなるという点で望ましくない場合がある。固体架橋は、部分融解、結合剤の硬化または溶解している物質の結晶化によって生じ得る。部分融解は、例えば乾式造粒方法で高い圧縮力を用いた場合に起こり得る。圧縮プロセスにおける圧力が解除された時、粒子の結晶化が起こり、粒子同士が結合する可能性がある。結合剤を造粒溶媒中に含有させている場合に、医薬湿式造粒では硬化性結合剤の導入が一般的である。溶媒は液体架橋を形成し、乾燥時に結合剤が硬化または結晶化して、粒子間の固体架橋を形成する。このように機能し得る結合剤の例は、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体(例:カルボキシメチルセルロース)およびアルファ化デンプンである。湿式造粒プロセス中に溶解し得る乳糖などの物質は、後に乾燥時に硬化性結合剤として作用して結晶化し得る。
【0017】
粉末の粘着および例えば混和時の初期凝集体形成が生じる上で、静電気力も重要となり得る。それは、顆粒の最終的な強度にあまり重要な寄与はしない。しかしながら、ファンデルワールス力が静電気力より約4桁大きい可能性があり、乾式造粒によって生じるものなどの顆粒の強度に大きく寄与し得る。その力の大きさは、粒子表面間の距離が小さくなるにつれて大きくなる。
【0018】
医薬製品の実際の製造方法を見出すことに加えて、その製造方法のバリデーションが非常に重要である。バリデーションとは、その方法が、その方法を用いる都度、一貫して許容され予測可能な結果を高信頼性で生じることができなけれならないことを意味している。湿式造粒プロセスは、この点に関して管理が非常に難しいものである。湿式造粒プロセスは多くの場合、製造条件における軽微な変化に対して非常に脆弱である。例えば、乾燥後の製造方法におけるデンプンの水分含有量の変動によって、吸湿性が非常に高く、有効期限の短くなった錠剤が生じる可能性がある。医薬製品を実験室条件で開発している時は、その条件は比較的容易に制御することができる。しかしながら、大量製造環境で利用可能な条件は正確に制御するのが容易ではないのが普通であることから、製造方法のバリデーションは困難で時間を要する作業となる。同じことが、最終製品の品質がAPIおよび賦形剤の物理特性によって決まる直接圧縮方法についても言える。そのような特性におけるわずかな変化によって、例えば分離や流動性上の問題が生じる可能性がある。
【0019】
湿式造粒および直接圧縮方法に関係する製造およびプロセスバリデーションの問題のため、特に製薬業界において、可能な場合は常に、乾式造粒技術を用いることが望ましい。しかしながら、先行技術で公知の乾式造粒方法では、錠剤製造方法でほとんど使用できない顆粒が生じる。矛盾するプロセス設計パラメータのため、得られた粒状生成物の一部の品質が良好になり得るが、他の望まれる品質は低くなるか無くなってしまうという妥協が生じる可能性がある。例えば、顆粒の流動特性が不十分なものとなる可能性があり、顆粒の非均質性のために製造プロセスまたは錠剤におけるキャッピングにおいて分離が生じる可能性があり、あるいは顆粒の一部が過度に硬くなる可能性があり、それらが全て、打錠プロセスを非常に困難なものとしたり、遅くしたり、場合によっては実行不可能なものにしてしまう可能性がある。さらに、バルク顆粒を圧縮して錠剤とするのが困難になる場合がある。あるいはまたはさらに、得られた錠剤の崩壊特性が至適なものより劣る可能性がある。そのような問題は一般に、圧縮機によって生じる顆粒塊の非均質性および粒状構造に関係するものである。例えば、その塊は粒子のパーセントが高すぎる可能性があったり、圧縮機によって生じる顆粒の一部が有効な打錠を行うには密度が高すぎるものとなり得る。
【0020】
均一な錠剤を得るためには、打錠されるバルクは均質でなければならず、良好な流動特性を有するものでなければならないことも知られている。
【0021】
ロール圧縮などの先行技術の乾式造粒方法では、例えば非常に小さい(例:1〜30μm)粒子とともに比較的大きく(1〜3mm)密な顆粒が存在するために、得られるバルクは均一に流動しない。それにより、例えば打錠時に粒状塊が製造プロセスで送られていく時、先行技術の大きい、代表的には高密度かつ/または硬い顆粒が微細粒子とは異なる形態で流動するに連れて分離が生じ得る。その分離のため、許容可能な錠剤の製造を確実に行うことが困難な場合が多い。そのため、当該技術分野においては、小さい粒子および場合によって最大の粒子も、(1組の)振動篩などの分別装置の助けを借りて、顆粒の残りの部分から分離する装置がいくつか知られている。このプロセスは通常は複雑かつ騒音が大きく、結果的に比較的均質に流動するバルクが得られるが、その場合に顆粒は硬く、圧縮して錠剤とするのは困難である。さらに、顆粒から小さい粒子を分離するプロセスは、材料が粘性で篩の大きさが十分大きくない場合には非常に困難なものとなる。通常このプロセスでは、篩の開口は、少なくとも500μmの最小寸法を有するものでなければならない。
【0022】
先行技術の乾式造粒方法で生じる別の問題は、開発段階で、製造バルクを代表するものであるパイロットバルクの製造が困難であるという点である。従って、実験室規模で用いられる圧縮力および他の圧縮パラメータは、製造規模で用いられるものと非常に異なったものである可能性がある。結果的に、例えば製造バルクの流動性などの特性は、パイロット施設で製造されたものと非常に異なったものとなり得る。実験室規模で適用可能な1つの篩分け方法は、空気篩分けである。ある従来の空気篩は、所定の径のメッシュに粉末を通過させて、指定の径以下の粒子の排除を行う(所望の顆粒はメッシュ上に保持され、不合格の粒子は通過して下に落ちる)。空気をメッシュに通して、微細粒子は取り除く。先行技術の空気篩における問題は、その能力が粒状塊の工業的生産には不十分であるという点である。さらに、不合格材料の分離でメッシュの径に依存する空気篩は、塊錠物から微細粒子を分離するときに、許容される粒状塊から所望の小粒子を排除してしまう場合が多い。さらに、脆い顆粒が篩分けプロセスで破壊され、基準以下の径の粒子が篩の開口を通って吸引される可能性がある。
【0023】
特許出願WO99/11261には、APIのみを含むことができる乾式造粒顆粒が開示されている。その出願に開示の方法では、先行技術で知られている空気篩が、100%以下のAPIを含む顆粒から微粒子(150または125μより小さい粒子および顆粒)を分離するのに用いられる。その篩分けでは、メッシュ径が不合格粒子のほぼ最大粒径、例えば150μmである篩が用いられる。圧縮後の微粒子(125μmより小さい)の割合が多くとも26%前後であることから、開示内容の顆粒は、比較的高圧縮力を用いて作られているように思われる(表1参照)。その方法によって、篩分け後に、流動が均一な粒状塊が生じ、それは硬い粒子を含むと予想され、150μmまたは125μmより小さい顆粒および粒子を実質的に含まない。
【0024】
米国特許US4161516号には、柔らかい錠剤または吸入投与用の粒剤を用いる気道疾患を治療するための組成物が記載されている。その特許の方法は、気流中でバラバラになるだけの柔らかさを有する顆粒を製造する上で適している。
【0025】
米国特許第6752939号には、小さいサンプル量を用いるローラー圧縮による乾式造粒用の物質の好適性を予測する方法および装置が記載されている。
【0026】
英国特許第1558153号には、微粉砕粒子から有機色素材料を製造する方法であって、前記微粉砕粒子を圧縮してコヒーレント材料塊を製造し、前記コヒーレント材料塊を粉砕し、前記粉砕材料から粒径範囲100〜1000ミクロンの粒状材料を回収することで行う方法が開示されている。最も微細な粒子は空気流によって除去される。
【0027】
本発明者らは、改善された粒剤および錠剤の製造方法を見出した。その方法は、APIおよび賦形剤などの非常に多様な固体粉末物質、ならびに例えば化学業界および食品業界で用いられるものなどの非医薬製品に適用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】国際公開第WO99/11261号
【特許文献2】米国特許第4161516号
【特許文献3】米国特許第6752939号
【特許文献4】英国特許第1558153号
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】Peter Kleinebudde,“Roll compaction/dry granulation:pharmaceutical applications”,European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 58 (2004),pp.317−326.
【発明の概要】
【0030】
本発明によれば、低圧縮力を粉末に加えて微粒子および顆粒の混合物を含む圧縮塊を製造し、前記微粒子をガス気流に同伴させることで前記顆粒から微粒子を分離する、粉末から顆粒を製造する方法が提供される。
【0031】
前記方法は代表的には、顆粒を回収するステップをさらに含む。
【0032】
下記で説明するように、前記方法は代表的には、連続プロセスとして行うことができる。
【0033】
好適には前記方法は、実質的に液体非存在下で行う。
【0034】
本発明の造粒方法で使用される、製薬業界で使用可能なAPIおよび/または賦形剤などの粉末は、一般的に微粒子を含む。さらにその粉末は代表的には、100、50または20μm未満の平均粒径を有することができる。粉末中の微粒子は代表的には、2、5または10μmの最小粒径および150、100または75μmの最大径を有することができる。本明細書に開示の方法の発明的概念は、0.001、0.01または1μmなど、最小粒径が上記の代表的な最小径より小さい粉末からも顆粒を形成するのに適用可能である。
【0035】
平均粒径は、例えば一組の篩を用いて測定することができる。非常に微小な粉末の場合、顕微鏡を用いて粒径を分析することもできる。そのような粉末の流動性は、例えば打錠に関しては不十分である。塊の十分な流動性を測定する方法の例を、図9についての詳細な説明に開示している。
【0036】
従って、「微粒子」または「微粉」は、代表的には平均粒径が100、50または20μm未満であり、最大径が150、100または75μmである個々の粒子である。
【0037】
いくつかの微粒子(例:3、5、10またはそれ以上)が凝集して最大径150、100または75μmの顆粒を形成する場合、それらは小顆粒と称される。最大径より大きい顆粒は、「許容可能な顆粒」と称される。微粒子および/または小顆粒がガス気流に同伴された後に残る顆粒は、「合格顆粒」と称される。
【0038】
前記低圧縮力は、例えばローラー圧縮機を用いて与えることができる。ローラー圧縮機には、場合により、フレーク粉砕スクリーンまたは圧縮材料から顆粒を製造する上で好適な振動ミルまたは回転ミルなどの他の装置を取り付けても良い。必要に応じて、フレーク粉砕スクリーンその他の装置を用いる、場合により設けられるステップにより、微粒子および/または小顆粒を他の顆粒から分離するための材料が製造される。
【0039】
従って代表的には、ローラー圧縮機を使用するプロセスを有する方法によって粉末に圧縮力を加えることで圧縮粉末のリボンを形成し、それを例えばフレーク粉砕器によって破壊して顆粒を製造する。フレーク粉砕器または同様の装置により、例えば顆粒をスクリーンに通すことで、顆粒の上側の径を制御することが可能となる。フレーク粉砕スクリーンの開口径は、例えば0.5mm、1.0mmまたは1.2mmであることができる。
【0040】
前記低圧縮力は、少なくとも、粉末物質の少なくとも1、5、10または15パーセントが圧縮段階および/または分別段階時に許容可能な顆粒となり、材料の残りの部分が微粒子および/または小顆粒で留まるように調節することができる。
【0041】
使用される圧縮力が低すぎる場合、その方法によって合格とされる顆粒が、例えば打錠目的には脆すぎるものになる可能性があることが認められた。そのような顆粒は大きすぎる場合もあり、例えば3mmより大きい場合がある。脆い顆粒は十分に流動しない可能性があるか、例えば打錠工程で扱うには強度が不十分となる可能性がある。
【0042】
最大低圧縮力を調節して、粉末の75パーセント以下、70パーセント以下、65パーセント以下、50パーセント以下または40パーセント以下が許容可能な顆粒に圧縮され、残りが微粒子および/または小顆粒として留まるようにすることができる。最大低圧縮力は代表的には、最小低圧縮力の500%以下、250%以下または150%以下である。
【0043】
例えば、圧縮力は、粉末の75重量%以下が150μmより大きい粒径(および/または100μm以上の平均径)を有する許容可能な顆粒に圧縮され、残りが微粒子および/または小顆粒として留まるには十分低いものであることができる。
【0044】
当然のことながら、最大および最小低圧縮力は、使用される特定の圧縮機および粉末によって決まる。従って、例えば最小低圧縮力を調節して、それがホソカワ(Hosokawa(商標名), Osaka, Japan)ベペックス・ファーマパクター(Bepex Pharmapaktor)L200/50Pローラー圧縮機での最小可能圧縮力15kN、20kNまたは30kNとなるようにすることができる。最大低圧縮力を調節して、それがホソカワ(商標名)ベペックス・ファーマパクターL200/50Pローラー圧縮機で80kN以下、70kN以下、60kN以下または45kN以下となるようにすることもできる。
【0045】
代表的には、低圧縮力は60kN以下、例えば45kN以下である。代表的には、低圧縮力は16kN以上である。
【0046】
最大低圧縮力を調節して、例えば塊の加熱のために、得られる塊の顆粒において固体架橋が実質的に形成されないようにすることもできる。当業界で公知の一部の圧縮機は、圧縮材料を冷却して、高圧縮力によって生じる加熱の問題を軽減する手段を提供する。本発明の方法およびシステムにより、この予防措置は不要となる。
【0047】
圧縮力は、使用される圧縮機に適した方法を用いて、例えば圧縮機への送り込み速度の制御によって調節することができる。
【0048】
ガス気流は、吸い込みファンなどのいずれか好適な手段によって提供することができる。空気などのガス気流は、分別チャンバを通って流すことができる。ガス気流は、許容可能な顆粒、小顆粒および微粒子を含む塊から少なくとも一部の微粒子および/または小顆粒を分離する。ガス気流に同伴されて分離された微粒子および/または小顆粒は、分別チャンバから、キャリアガスが微粒子および/または小顆粒から分離されるサイクロンなどの分離装置に送ることができる。次に、微粒子および/または小顆粒を、即時再処理用の系に戻すことができるか(すなわち、それは圧縮用に再循環される)、または後の再処理用に容器に入れることができる。
【0049】
従って簡便には、微粒子および/または小顆粒は、分別手段を含む装置によって許容可能な顆粒から分離される。望ましくは、分別手段は分別チャンバを含む。
【0050】
実施例においてより詳細に説明するように、分別チャンバから出てくる最大の許容可能な顆粒は、分別チャンバに進入する最大顆粒より大きい径のものであるのが普通である。材料が分別チャンバを通って運搬される間に、小顆粒および/または微粒子がより大きい顆粒と凝集するプロセスが起こるものと本発明者らは考えている。
【0051】
好適には、ガス気流の流れの方向は、圧縮塊全般、特には合格顆粒の流れの方向の成分と反対の成分を有する。代表的には、ガス気流の流れの方向は、圧縮塊の流れの方向に対して実質的に反対(例えば、約150〜180°)、好ましくはその方向に対して反対である。
【0052】
ガスは、例えば空気(好適には乾燥空気)であることができる。
【0053】
分別手段は、ガス気流を分別手段に導く手段、圧縮塊を運動状態とするための手段および例えば再処理用に分別手段からガス気流に同伴されて除去された微粒子および/または小顆粒を導く手段を有することができる。圧縮塊は、単純に重力の効果により、および/または機械的手段によって運動状態とすることができる。
【0054】
本発明の実施で用いる上で好適と考えられる多くの分別手段が知られている。分別手段には、例えば軸方向に圧縮塊がガス気流に乗って移動する円柱(または円錐)などの回転装置のような移動装置などがあり得る。圧縮塊の運動は重力手段によるものであることができるか、機械的手段によるものであることができるか、装置の部品(例:円柱)によるものであることができる。回転装置は、らせん構造の提供などの、回転装置内部で圧縮塊をガイドするための少なくとも1つの構造を有することができる。そのらせん構造は、圧縮塊の運動をガイドするチャネルまたはバッフルで形成されていても良い。回転装置の軸を傾けることにより、重力の助けまたは抵抗の成分を提供することができる。
【0055】
有利には、分別手段では、圧縮塊を篩(メッシュスクリーンなど)を通過させる必要がない。篩は軽く圧縮された顆粒を破壊する傾向を有することから、篩の使用が回避されることで、好ましい特性を有する軽く圧縮された顆粒を例えば打錠用に保存することができる。さらに、篩は詰まりを起こしやすく、そのために、特に連続運転で実施している場合には、プロセスが中段することになる。さらに、篩の目の大きさは、一次的な目詰まりのために運転期間中に変わる可能性がある。
【0056】
分別手段は、微粒子および/または小顆粒が通過して同伴される開口を含むことができる。本発明の1つの具体的な実施形態では、ガス気流は回転装置内にその軸方向に進入し(圧縮塊の運動に対して反対の意味で)、回転装置の側壁にある開口(穿孔)から回転装置を出る。
【0057】
上記のように、分別手段は、回転装置などの運動装置を有することで、分別手段において圧縮塊を運動させることができる。その運動装置は、ガス気流が運動装置から出入りし、微粒子および/または小顆粒が同伴される開口を有することができる。ガスが装置から流出する開口は、不合格となる微粒子の径よりかなり大きいものとすることができ、例えば合格顆粒の平均直径の少なくとも50%、100%または150%である。絶対的には開口は、例えばほぼ250μm、500μmまたは750μm以上の最小直径を有することができる。それは、比較的大きい体積の粘着性を有する可能性がある材料の微粒子を圧縮塊から分離する必要がある場合であっても、開口が目詰まりするのを防止する上で役立つ。この意味において、移動装置は、篩メッシュサイズが最大不合格粒子とほぼ同じサイズでなければならない従来技術の空気篩とは大きく異なるものである。篩分けにおけるメッシュサイズに基づくのではなく、本発明の分別装置は、ガス気流が移動する圧縮塊から微粒子を同伴する能力に基づいたものである。許容可能顆粒の径の測定は、その重力(例えば機械力および遠心力などの他の力とともに)をガス気流の力に対して均衡させることで行われる。
【0058】
微粒子および/または小顆粒のうちの一部は、例えば機械力、引力および静電気力のようなキャリアガス気流の個別もしくは組み合わせた影響により、分別手段および/または空気圧式運搬手段において他の顆粒に凝集する可能性がある。従って、そのプロセスにより、系のフレーク粉砕スクリーンによって製造されるものより大きい顆粒を製造することができる。一部の実施形態では、分別相での圧縮塊の凝集度は、かなり高いものとなり得る。
【0059】
ガス気流での塊の運動は、例えば機械力、重力、遠心力またはこれらの組み合わせを加えることで行うことができる。一部の実施形態では、分別手段での機械的に運動する成分は、本発明の効果を実現する上で全く必要ない可能性がある。一部の実施形態では、許容可能な顆粒は、例えば重力の作用によってガス気流に入り、不合格粒子および顆粒は、ガス気流によって少なくとも部分的に反対の方向に動く。
【0060】
代表的には、分別手段内での圧縮塊の平均滞留時間は少なくとも2秒、おそらくは少なくとも5秒であるが、それより短い時間枠でも、所望の分別効果(凝集効果など)を達成することは可能である。
【0061】
さらに留意すべき点として、塊の不合格部分も、許容可能な顆粒を含む可能性がある。許容可能な顆粒の一部リサイクルを可能とすることにより、分別装置の目詰まりがより容易に回避できることから、装置全体がより効率的となり、維持がより容易となり得る。再処理される他の不合格材料とともに、これらの不合格の許容可能な顆粒を、造粒プロセスの開始点に運搬することができる。効率を高めるためには、許容可能な顆粒の多くとも30、45、60または75パーセントを微粉とともにリサイクルすることが好ましい。リサイクルによって生じる粒状塊に対する悪影響は、まだ認められていない。これは、低圧縮力を用いることによる。
【0062】
本発明のさらに別の特徴によれば、圧縮手段および例えば空気などのガス気流に微粒子および/または小顆粒を同伴させることで微粒子および/または小顆粒を圧縮塊から分離するように作られた手段を含む装置が提供される。
【0063】
従って、本発明による装置は、例えば回転装置(例えば、図面における(401)を参照)を有する前記分別手段が、前記ガス気流が前記手段前記から流れ出る少なくとも1つの出口開口(例えば、図面における(511)を参照)を含み、その開口が許容できる特性(例:流動性、打錠性、大きさ、特には大きさ)を有する顆粒が前記装置から流れ出ることができるようにするには十分な大きさを有することを特徴とすることができる。
【0064】
その装置はさらに、圧縮塊から除去された粒子からガス気流を分離するための分離手段(例:サイクロン)を有することができる。
【0065】
本発明の別の具体的な態様は、低圧縮力を発生させることができる圧縮手段およびガス気流に微粒子および/または小顆粒を同伴させることで微粒子および/または小顆粒を圧縮塊から分離するように作られた分別手段を有する、乾式造粒用の装置が提供される。その装置は好適には、圧縮粉末のリボンを形成するためのローラー圧縮機を含むことができ、そのリボンは次に破壊されて顆粒を生じる。前記装置は、前記分別手段が前記圧縮塊を移動させる手段を有することを特徴としても良い。前記圧縮塊を移動させる前記手段は、重力手段または機械的手段によって前記圧縮塊を移動させる手段を有していても良い。本発明による装置は例えば、前記分別手段が前記分別手段内の前記圧縮塊をガイドするための少なくとも1つの構造(例えば、図面における(403)参照)を有することを特徴とすることができる。
【0066】
本発明による装置は、ガス気流の流れの方向が、圧縮塊の流れの方向の成分に対して反対の成分を有する(例えば、ガス気流の流れの方向が、圧縮塊の流れの方向に対して実質的に反対である)ガス気流を提供する手段を有することができる。
【0067】
本発明による装置には代表的には、軸方向に圧縮塊が前記ガス気流に乗って移動する回転装置(例:円柱または円錐、特には円柱)を有する分別手段が設けられている。回転装置の軸方向での圧縮塊の運動は、圧縮塊の運動をガイドするらせん構造によって促進することができる。回転装置などの分別手段は、微粒子および/または小顆粒が通過して同伴される開口を有することができる。平均径xの顆粒を製造することが望まれる場合、開口は0.5x、または1.0xまたはさらには1.5xの最小寸法を有することができる。絶対的には、開口は、例えば250μm、500μmまたは750μmの最小寸法を有することができる。
【0068】
本発明はさらに、ガス気流に微粒子を同伴させることで圧縮塊から微粒子および/または小顆粒を分離するよう作られた分別装置であって、軸方向に圧縮塊が前記ガス気流中で移動する円柱または円錐などの回転装置を有し、その回転装置が微粒子および/または小顆粒が通過して同伴される開口を含む分別装置を提供するものである。
【0069】
一実施形態において、分別装置は分別チャンバを有しており、そのチャンバ内には開口円柱(または円錐)が取り付けられている。開口円柱(または円錐)は、ローラー上で回動自在に支持されていることができる。キャリアガスは、開口円柱(または円錐)内部に供給される。円柱(または円錐)のジャケットには、開口を設けて、そこを通って微粒子および/または小顆粒がキャリアガスに同伴されるようにすることができる。別の箇所に記載のように、同伴された微粒子および/または小顆粒を捕捉してリサイクルすることができる。
【0070】
本発明による方法および装置では、空気圧式輸送を用いることができる。好適には、圧縮塊中の微粒子を同伴するのに用いられるガスは、材料を連続操作で輸送するのに用いられるキャリアガスと流体連通している。
【0071】
従って好適には、圧縮用の粉末が、空気圧式コンベアの使用を含む手段によって貯留部から圧縮力を加える手段に運搬される。
【0072】
空気圧式輸送は、微粒子からキャリアガスを分離するのにサイクロンなどの装置を用いることができる。その装置は、分別プロセスで用いられるキャリアガス気流が、各種フィルターを開いた状態に維持するのに必要なものなどの、圧力変化、例えば圧力ショックによっては乱れないという意味において例えばほぼ均一なガス流量での連続運転を行うことができる。
【0073】
この文脈における「連続運転」は、少なくとも1時間、8時間または24時間にわたり、メンテナンスその他の中断を生じることなく運転することができることを意味する。
【0074】
本発明の一態様は、本発明の方法によって得ることができる顆粒を含む乾燥粒状塊である。
【0075】
本発明によれば、顆粒が50、100、200または500μmより大きい平均顆粒径、3、2または1mmの最大顆粒径および良好な流動性を有することができる粒状塊も提供される。その塊は、あるいはまたはさらに、顆粒内の粒子間に固体架橋が実質的に含まれないこと、良好な均質性、顆粒の多孔構造、塊中での小顆粒および/または微粒子の割合がかなり高いこと(代表的には、他の顆粒との関連)、良好な圧縮性および打錠性という特性のうちの少なくとも1つ、2つ、3つまたは4つを有することができる。好適にはその顆粒は、100μmを超える平均顆粒径および3mmの最大顆粒径を有する。
【0076】
さらに、理論に限定されるものではないが、粉末が系を通過することによって生じる摩擦電気的効果によって、本発明の方法の生成物が影響を受けるものと本発明者らは考えている。例えば、ガス気流によって運搬されるか、他の形態でガス気流で移動する場合に、小さい粒子は負電荷を発生させ得る傾向があるが、相対的に大きい粒子は正電荷(または、少なくとも比較的小さい負電荷)を発生させることが先行技術で提案されている(例えば、論文「Generation of bipolar electric fields during industrial handling of powders」, Ion. I. Inculet et al, Chemical Engineering Science 61 (2006), pages 2249-2253参照)。従って、本発明のある想到される実施形態によれば、代表的には(a)ファンデルワールス力によって会合した材料の微粒子を含む圧縮コア;および(b)静電気力によって前記圧縮コアと結びついている前記材料の微粒子および/または小顆粒を含むコーティング層からなる、50μm〜3mm(例えば、100μm〜3mm)の平均粒径を有する顆粒を含む乾式造粒粒状塊が提供される。本発明の別の想到される実施形態によれば、(a)ファンデルワールス力によって会合している材料の微粒子を含む圧縮コア;および(b)前記材料の微粒子および/または小顆粒を含む多孔質コーティング層からなる50μm〜3mm(例えば100μm〜3mm)の平均径を有する顆粒を含む乾式造粒粒状塊が提供される。一実施形態において、コーティング層(b)はほとんどの場合、小顆粒とは対照的に、例えば70、80または90%の微粒子を含む。別の実施形態では、コーティング層(b)はほとんどの場合、微粒子とは対照的に、例えば70、80または90%の小顆粒を含む。
【0077】
好適には、圧縮コアは固体架橋を実質的に含まない。
【0078】
そのような乾燥粒状塊は、材料粒子の平均粒径が1〜100μmであり、圧縮コアの平均径が50〜3000μmであり、コーティング層の材料の微粒子および/または小顆粒の平均粒径の圧縮コアの平均径に対する比率が少なくとも1:10、例えば少なくとも1:30であることを特徴とすることもできる。
【0079】
粒状塊の最も望ましい特徴は代表的には、良好な流動性、良好な打錠性、良好な均質性、顆粒の多孔構造、塊中での小顆粒の割合がかなり高いこと、塊中に微粒子が実質的に存在しないことである。
【0080】
粒状塊の粒径を分析するため、篩の開口サイズが例えば850μm、500μm、250μmおよび106μmである、例えば4個の篩を重ねたものを用いることができる。
【0081】
分別手段によって合格とされる材料の平均顆粒径は、重ねた篩のうちの2個の隣接する篩における直径開口の幾何平均として計算することができる。
【0082】
di=(du×d0)0.5
式中、
di=重ねた篩のうちのi番目の篩の直径
du=粒子が通過する直径開口(i番目の前の篩)
d0=粒子が通過しない直径開口(i番目の篩)。
【0083】
各粒子を個別にカウントし、平均を計算することは実際的ではないことから、平均粒径は重量基準で計算することができる。これは、例えば下記の方程式を用いて行うことができる:
dgw=log−1[Σ(Wilogdi)/ΣWi]
標準偏差は、下記のように計算することができる:
Sgw=log−1[ΣWi(logdi−logdgw)2/ΣWi]0.5
【0084】
ここに示したサイズ分析方法例についてのより詳細な説明は、論文に記載されている(Scott Baker and Tim Herrman, Evaluating Particle Size, Kansas State University, May 2002.)。
【0085】
留意すべき点として、粒状塊の粒径を上記の方法によって分析する場合、コーティング粒子/小顆粒のうちの少なくとも一部が圧縮コアから脱離する可能性がある。
【0086】
良好な流動性などの流動特性は、例えば濾過漏斗などの円錐の狭い方の端に丸い開口を有する開口円錐を用いて測定することができる。そのような円錐および関連する試験方法の組み合わせについては、図9との関連でより詳細に説明する。
【0087】
顆粒構造に固体架橋が実質的に存在しないということは、例えば平均で顆粒の粒子の30%または10%未満が固体架橋した状態にある構造を意味している。顆粒構造での固体架橋の存在は、例えば走査型電子顕微鏡を用いて分析することができる。そのような装置を用いると、粒状構造中の個々の微粒子ならびに顆粒の粒子間の結晶化構造などの肉眼で見ることができる固体架橋を確認することが可能である。
【0088】
この文脈において良好な均質性とは、例えば平均顆粒径からの標準偏差が2.5未満、2.25未満または2.0未満である顆粒からなる粒状塊を意味することができる。本発明者らはさらに、本発明の実施形態の粒状塊の均一特性は、少なくとも部分的に顆粒の多孔構造によって達成可能であると考えている。塊の均一特性のため、その塊は、材料の分離をほとんど起こすことなく製造工程において運搬することができる。さらに、粒状塊の良好な均質性は、例えばキャッピング現象が起こりにくいことで示される塊の良好な打錠性に寄与し得るものである。
【0089】
合格顆粒、特にはコーティング層の構造は多孔性であることができ、すなわち粒状塊中に密顆粒が実質的に存在しないものであることができる。顆粒のコアは、低圧縮力を用いるために多孔性であると予想される。顆粒の多孔構造は、あるいはまたはさらに、例えば顆粒の表面が孔および/または約少なくとも1、2または5μmおよび150、100または50μm未満の大きさの緩く結合した小顆粒および/または微粒子を含むのが観察され得ることを意味することができる。例えば多孔構造を有する顆粒についての写真に関しては、図2d、2eおよび2fを参照する。
【0090】
密顆粒が実質的に存在しないということは、得られる塊重量のうちの20または10パーセント未満が密顆粒であることを意味する。密顆粒とは、例えば表面が圧縮された非多孔性のものであるように見える顆粒である(例えば、図2c参照)。
【0091】
粒状塊は、かなり高い割合の小顆粒および/または微粒子を含んで、例えば静電気力を介して緩く結合した比較的大きい顆粒上にコーティング層を形成していても良い。小顆粒および/または微粒子のかなり高い割合は、粒状塊の全体重量の2%、5%または10%強であることができる。小さく、好ましくは多孔性の顆粒および/または微粒子の存在は、例えば粒状塊の流動性および圧縮性に対して良好に寄与し得る。これによって例えば、粒状塊から圧縮される錠剤の引っ張り強度が改善されたり、ないしは崩壊時間が早くなったりし得る。驚くべきことに、そして例えばWO99/11261での先行技術で説明されている内容とは逆に、本発明の粒状塊における小顆粒および/または微粒子の割合がかなり高いことは、いかなる重大な望ましくない形態でも粒状塊の流動性に影響を与えないように思われる。
【0092】
本発明者らはさらに、少なくとも一部の場合で、本発明の方法によって得られる顆粒を取り、微粒子から構成される原料の一定割合を戻す場合(例えば、15%以下の微粒子を、例えば20%の微粒子および/または小顆粒をすでに有している粒状塊、例えば「流動性例3」の塊に戻す)、粒状塊の均質性、流動性および打錠性は重大な形で悪影響を受けないことを発見した。加えられる微粉はおそらく、本発明の方法によって形成される顆粒の多孔性表面に取り込まれる。そこで本発明者らは、一部の実施形態において、キャリア顆粒として同一もしくは異なる材料を含む10%、20%、30%以上までの微粒子および/または小顆粒を顆粒の孔に吸収することができる「キャリア顆粒」として本発明の一部の実施形態の顆粒を用いることが可能であると考えている。そのような混合物の流動性は、優良、非常に良好または良好なレベルであることができる。
【0093】
少なくとも顆粒の表面が多孔性であることから、粒状塊は良好な圧縮性を有するものと考えられている。本発明の粒状塊の圧縮性は良好であることができ、すなわち1.15、1.20または1.25より大きいハウスナー比を有することができる。本発明の低圧縮力は、ハウスナー比によって示される圧縮性が良好なレベルに留まるように調節することができる。
【0094】
ハウスナー比は、式ptap/pbulk(ptapは粒状塊のタップかさ密度を表し、pbulkは粒状塊のルーズかさ密度を表す)を用いて計算することができる。かさ密度は、粒状塊50mgを内径3.8mmを有するガラス円柱(例:型式FORTUNA、モデル250:2mL)に注ぎ込むことで測定することができる。塊を円柱中に注ぎ込んだ後、塊の体積をガラス円柱の目盛りから観察し、塊のルーズかさ密度を計算する。タップかさ密度を測定するには、ガラス円柱を、5cmの高さからの落下に相当する力を用いて台の上面に100回当てる。タッピングされた塊の体積を、ガラス円柱の目盛りから観察し、塊のタップかさ密度を計算する。
【0095】
驚くべきことに、そして例えばWO99/11261での先行技術で説明されている内容とは逆に、本発明の粒状塊の圧縮性は、粒状塊の流動性に対する悪影響を示さない。例えば、ハウスナー比が1.25より高い本発明の一実施形態の粒状塊は、非常に良好または優良な流動特性を示す。
【0096】
多孔性で流動性に優れた顆粒は、例えば多孔性顆粒から改善された錠剤を製造することが可能となることから、製薬業界では一般に望まれているものである。そのような錠剤は例えば、密顆粒から製造される錠剤よりかなり早く崩壊し得る。さらに、多孔性顆粒から圧縮された錠剤は多くの場合、密顆粒から圧縮された錠剤より高い引っ張り強度を示す。高い引っ張り強度は、そのような錠剤は脆い錠剤より包装および輸送が容易であることから、錠剤には望ましい場合が多い。
【0097】
粒状塊は打錠可能であることから、標準的な打錠技術を用いて、例えば広く用いられている打錠機で加えることができる打錠力を用いて、それを引っ張り強度が少なくとも5N、10Nまたは15Nである錠剤に成形することが可能である。引っ張り強度は、例えば型式MECMESIN(商標名)(Mecmesin Limited, West Sussex, UK)およびBFG200N型の測定装置を用いて測定することができる。
【0098】
粒状塊は、少なくとも1つのAPIおよび/または医薬製品で使用可能な少なくとも1つの賦形剤を含むことができる。一実施形態では、粒状塊は、少なくとも1つの(例えば1つ)APIを含む(例えば、それからなる)。別の実施形態では、粒状塊は少なくとも1つの(例えば1つ)APIおよび少なくとも1つの(例えば1つ)賦形剤を含む。
【0099】
そこで本発明は、場合により1以上の別の賦形剤と混合した本発明による乾式造粒粒状塊を圧縮する段階を有する、錠剤の製造方法も提供する。前記1以上の別の賦形剤は代表的には、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤を含む。そのような方法によって得ることができる錠剤は、本発明の別の態様である。
【0100】
本発明のさらに別の特徴によれば、乾式造粒顆粒を含む錠剤が提供される。その錠剤は、錠剤が、錠剤を形成する顆粒内で粒子を結合させる固体架橋を実質的に含まないことができることを特徴とする。あるいはまたはさらに、その錠剤は、高い引っ張り強度、高い薬剤負荷量、低量の潤滑剤、短い崩壊時間および保管時間に対する非感受性という特性のうちの少なくとも2つまたは3つを有することができる。
【0101】
保管時間に対する非感受性は、例えば新しい錠剤と比較した錠剤の重量増が、40℃の温度および相対湿度75%で4ヶ月間保管した後に、2.0%、1.5%または1.0%未満であることを意味することができる。
【0102】
高薬剤負荷量とは、例えば錠剤が、錠剤の全重量の少なくとも40パーセント、60パーセントまたは80パーセントのAPIを含むことができることを意味する。
【0103】
短い崩壊時間は、錠剤をほぼ体温(すなわち、37℃)の水に投入した時に600、120または30秒であることができる。
【0104】
しかしながら、実施例からわかるように、高い引っ張り強度を有する本発明の錠剤は、水中で急速に崩壊することができる。
【0105】
錠剤の高引っ張り強度は、例えばMECMESIN(商標名)BFG200N装置による測定で、100N、60N、30Nまたは15Nより大きいものであることができる。
【0106】
低量の潤滑剤は、錠剤重量の1.0%、0.5%、0.3%または0.2%未満であることができる。ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤材料は、錠剤の引っ張り強度、崩壊時間および/または溶解時間に対して有害効果を有する場合が多いことが、当業界では知られている。先行技術の顆粒と潤滑剤を混合すると、潤滑剤材料は、例えば(密)顆粒周囲に薄膜を形成する傾向を有する場合がある。その薄膜は、打錠時に顆粒間の適切な結合の形成を妨害する可能性がある(例えば、リートマらの論文(”A coherent matrix model for the consolidation and compaction of an excipient with magnesium stearate”, K.A. Rietma et. al., International Journal of Pharmaceutics, 97 (1993), pages 195-203.)を参照する)。従って、本発明の顆粒とともに低量の潤滑剤を用いることは、錠剤の引っ張り強度および崩壊時間に対して好ましい効果をもたらし得る。本発明者らは、顆粒が、潤滑剤が結合するのに利用可能なより大きくより均等な表面を有することができることから、本発明の顆粒の柔らかく多孔性と考えられる表面により、そのような薄膜の形成が防止され得ると予想している。従って、得られる錠剤の特性をさらに改善することができる。
【0107】
潤滑剤は実質的に、錠剤の顆粒の多孔性表面上に分布していることができる。潤滑剤は例えば、実質的に錠剤を形成する顆粒の表面上および表面の孔に配置されていることができるが、顆粒のコア内には潤滑剤はほとんどない。潤滑剤は例えば、潤滑剤の90、80または70パーセント強が、錠剤の全断面積の10、20または30パーセント未満である断面積(切断表面)に配置されるように分布することができる。錠剤の断面積上の潤滑剤粒子の位置は、例えば走査型電子顕微鏡および特に潤滑剤材料を含む粒子を確認することができる別の装置を有するシステムを用いて観察することができる。
【0108】
錠剤は好適には、水などの水素結合液体のパーセントがかなり低いものであることができる。
【0109】
錠剤は好適には、液体および/または水素結合のパーセントがかなり低いものであり、潤滑剤が錠剤全体に均一に分布しており、錠剤はさらに、短い崩壊時間、高い引っ張り強度、高い薬剤負荷量および低量の潤滑剤という特性のうちの少なくとも2つを有する。
【0110】
本発明の錠剤は、乾式造粒デンプンを含む賦形剤を含むことができる。例えばそれは、60%以下の乾式造粒デンプンを含む賦形剤を含むことができる。
【0111】
本発明の粒状塊または錠剤は代表的には、少なくとも1、5または10パーセント(重量基準)および多くとも100、95、90、80または70%の少なくとも1つの医薬有効成分を含むことができる。一部の実施形態では、前記粉末は、少なくとも60%、例えば少なくとも80%の量の医薬有効成分を含む。粒状塊または錠剤はさらに、少なくとも5、10、20または30%(重量基準)および多くとも99、95または90%の少なくとも1つの賦形剤、例えば長鎖ポリマー、例えばデンプンまたはセルロースを含むことができる。
【0112】
本発明の錠剤の崩壊および溶解時間を制御するため、90、70または50パーセント(重量基準)以下のメトロース(metholose)またはヒプロメロース(hypromellose)(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)などを製剤に加えることができる。そのような錠剤の溶解時間は、胃系で少なくとも1、4、8または12時間であることができる。
【0113】
例えばヒプロメロースを含む製剤の溶解プロファイルは、例えば約2時間後に、約12%〜約60%のAPIが放出され;約4時間後に、約25%〜約80%のAPIが放出され;約8時間後に、約50%〜約100%のAPIが放出され;約12時間後に、約75%より多いAPIが放出されるようなものであることができる。
【0114】
少なくとも5、20または30パーセント(重量基準)の少なくとも1つの医薬有効成分を含む錠剤について短い崩壊時間を達成するため、錠剤はさらに、少なくとも1、3または5パーセントおよび多くとも7、10または20パーセント(重量基準)の崩壊剤を含むことができる。一部の実施形態において、錠剤中の崩壊剤のパーセントは、20パーセントより高いものであることもできる。崩壊剤は、例えばある種のデンプンまたはカルボキシメチルセルロース(CMC、例:ニムセル(Nymcel;商標名))またはこれらの組み合わせであることができる。粒状塊または錠剤はまた、少なくとも1、5または10パーセントおよび多くとも60、80または94%(重量基準)の充填剤(希釈剤)、例えば微結晶セルロースを含むこともできる。API、崩壊剤および充填剤は、本発明の方法を用いて、一緒にまたは別個に造粒することができる。
【0115】
速崩壊性錠剤(経口崩壊性錠剤)などの味を改善するため、50、70または90%以下の甘味料、例えばキシリトールを錠剤に含有させることができる。必要に応じて、甘味料は、本発明の方法の一実施形態を用いて造粒することができる。さらに、甘味料は、製剤の少なくとも1つの他の成分(APIまたは賦形剤)と別個にまたは一緒に造粒することができる。本発明者らは、少なくともいくつかのAPIで、錠剤中に別個に造粒した甘味料(キシリトール)を用いることで、甘味料を他の成分と一緒に造粒した錠剤と比較して、放出時間が迅速になり得ることを認めている。
【0116】
本発明の錠剤は、良好な含有量均一性を有することができる。例えば、錠剤重量の標準偏差は、錠剤の平均重量の3.0%、2.0%または1.0%未満であることができる。
【0117】
本発明の造粒方法および装置は、製薬、化学および食品の業界で多くの目的に適用することができる。その方法および装置は、低圧縮力およびガス気流を利用して、所望の特性の顆粒を形成する。圧縮力を調節することで、圧縮段階で、固体架橋の導入を実質的に回避することができる。その方法および装置は、生成物顆粒を優しく処理することで、その破壊を回避し、許容可能顆粒から微粒子および/または小顆粒を分離し、場合により系での再処理用に不合格材料を再循環するように作られる。その装置および方法は、容易に調節可能、制御可能およびほぼ連続運転可能とすることができる。
【0118】
前記装置によって製造される顆粒の粒径分布および/または流動性をリアルタイムで分析することができ、顆粒の粒径分布をその分析に基づいて調節することができる。例えば、フレーク粉砕スクリーン(下記の図1aおよび1b参照)は、フレーク粉砕に用いられるメッシュの開口サイズを、何らかの調節手段を用いることで変えられるようにすることができる。別の調節可能なパラメータには代表的には、分別装置のガス流量がある。
【0119】
前記方法は、不合格材料の再処理が可能となって廃棄物が実質的に無くなることから経済的であることができ、多量の材料を迅速に処理できるように作ることができる。本発明の装置は、クリーニングおよび組立が容易になるように作ることができ、前記方法は安定かつ予測可能となるように調整して、制御が簡単になるようにすることができる。
【0120】
例えば、得られる顆粒の均質性および/または流動性のため、分離に関連する問題を回避することができる。本発明の方法は、小規模および大規模の両方の用途で用いることができる。従って、APIを含む顆粒または錠剤などの製品が実験室条件下で良好に開発された場合、バリデーションされた大規模製造プロセスを構築するのに必要な時間を短縮することができる。
【0121】
本システムの方法および装置は、100%APIからなるものを含めた各種の粉末を造粒することができることから、別個の造粒プロセスで別個の物質から粒状塊を製造し、それらの個々の造粒後に得られた顆粒を一緒に混和することが可能である。APIおよび賦形剤を別個に造粒してから混合することは、例えば原料が非常に異なる粒径を有する場合に有利となり得る。
【0122】
錠剤、経口懸濁液およびカプセルなどの各種最終製品を、その粒状塊から製造することができる。
【0123】
本発明によれば、本発明による顆粒または本発明の方法を用いて製造される顆粒を打錠する段階を有する、錠剤の製造方法も提供される。
【0124】
本発明者らは、本発明の方法を用いて、製薬業界で使用可能な非常に多様な粉末物質の製造を行うことが可能であることを見出した。
【0125】
従って本発明の方法は、1つの分類または複数の分離のAPIのうちのAPIを含む材料から、本発明の顆粒および錠剤を製造するのに適用することができ、その分離には例えば解熱薬、鎮痛薬、消炎剤、催眠鎮静薬、覚醒薬、制酸剤、消化助剤、強心薬、抗不整脈薬、血圧降下薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸剤、骨粗鬆症の治療薬、鎮咳薬、去痰薬、抗喘息薬、抗真菌薬、排尿改善薬、滋養強壮剤、ビタミン類および他の経口投与剤などがある。APIは、単独で用いることができるか、それらのうちの2以上を組み合わせて用いることもできる。
【0126】
本発明の方法は、例えばパラセタモール、アセブトロール、メトホルミン、フルオキセチン、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、イソチペンジル、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、ジフェテロール、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジラミン、フェネタジン、メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、メチレンジサリチル酸プロメタジン、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロロフェニルアミン、d−マレイン酸クロロフェニルアミン、リン酸ジフェテロール、アロクラミド、クロペラスチン、ペントキシベリン(カルベタペンタン)、チペピジン、臭化水素酸デキストロメトルファン、フェノールフタリン酸デキストロメトルファン、ヒベンズ酸チペピジン、フェンジゾ酸クロペラスチン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、ノスカピン、dl−メチルエフェドリン・サッカリン塩、スルホン酸カリウムグアヤコール、グアイフェネシン、カフェイン、無水カフェイン、ビタミンB1およびその誘導体、ビタミンB2およびその誘導体、ビタミンCおよびその誘導体、ヘスペリジンおよびその誘導体およびその塩、ビタミンB6およびその誘導体ならびにニコチンアミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酢酸塩、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、グリシン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム/炭酸水素塩の共沈生成物、水酸化アルミニウム/炭酸カルシウム/炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム/硫酸カリウムアルミニウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ラニチジン、シメチジン、ファモチジン、ナプロキセン、ジクロフェナク、ピロキシカム、アズレン、インドメタシン、ケトプロフェン、イブプロフェン、ジフェニドール、プロメタジン、メクリジン、ジメンヒドリナート、タンニン酸フェネタジン、フマル酸ジフェンヒドラミン、スコポラミン臭化水素酸塩、オキシフェンサイクリミン、ジサイクロミン、メチキセン、臭化メチルアトロピン、臭化メチルアニソトロピン、臭化メチルスコポラミン、臭化メチルベナクチジウム、ベラドンナ・エキス、ヨウ化イソプロパミド、パパベリン、アミノ安息香酸、シュウ酸セシウム、アミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン、硝酸イソソルビド、エフェドリン、セファレキシン、アンピシリン、スクラルファート、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素および適切な場合には、これらの(他の)製薬上許容される酸もしくは塩基付加塩(例:一般に使用される塩)および欧州薬局方第3版に記載されている他のそのような医薬有効成分ならびにそれらの1、2もしくはそれ以上の組み合わせなどの特定のAPIを含む材料から本発明の顆粒および錠剤を製造するのに適用することもできる。
【0127】
本発明の方法は、例えば安息香酸などの解熱性鎮痛薬、キニーネ、グルコン酸カルシウム、ジメルカプロール、スルファミン、テオブロミン、リボフラビン、メフェネシン、フェノバルビタール、チオアセタゾン、ケルセチン、ルチン、サリチル酸、ピラビタール、イルガピリン、ジギトキシン、グリセオフルビン、フェナセチン、神経系薬、鎮静麻酔薬、筋弛緩剤、血圧降下薬、抗ヒスタミン剤、アセチルスピラマイシン、エリスロマイシン、キタサマイシン、クロラムフェニコールなどの抗生物質、ニスタチン、硫酸コリスチン、メチルテストステロン、プロゲステロン、安息香酸エストラジオール、エチニルエストラジオール、酢酸デオキシコルチコステロンなどのステロイドホルモン、硫酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセンなどの非ステロイド系卵黄ホルモン(yolk hormone)、他の脂溶性ビタミン類、ならびに適切な場合はそれらの(他の)製薬上許容される酸もしくは塩基付加塩(例:一般に使用される塩)および欧州薬局方第3版に記載されている他のそのような医薬有効成分ならびにそれらの1、2もしくはそれ以上の組み合わせのような水にほとんど溶けない固体APIを含む材料から本発明の顆粒および錠剤を製造するのに適用することも可能である。
【0128】
医薬有効成分は、例えばアセブトロールHCl、フルオキセチンHCl、パラセタモール、バルプロ酸ナトリウム、ケトプロフェンおよびメトホルミンHClから選択されることができる。
【0129】
本発明の方法は、例えばL−アスパラギン酸、小麦グルテン粉末、アカシア粉末、アルギン酸、アルギン酸塩、アルファ−デンプン、エチルセルロース、カゼイン、果糖、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、寒天、キシリトール、クエン酸、グリセリン、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレイ、クロスカルメロースナトリウム、ニムセル(商標名)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、クロスポビドン、ケイ酸カルシウム、シナモン粉末、結晶セルロース−カルメロースナトリウム、合成ケイ酸アルミニウム、小麦デンプン、米デンプン、酢酸カリウム、酢酸フタル酸セルロース、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウム、2,6−ジブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、水酸化マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、精製セラック、精製ショ糖、D−ソルビトール、スキムミルク粉末、タルク、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、粉末トラガカント、乳酸カルシウム、乳糖、ショ糖、ジャガイモデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グルコース、部分アルファ化デンプン、プルラン、粉末セルロース、ペクチン、ポリビニルピロリドン、マルチトール、麦芽糖、D−マンニトール、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、粒状トウモロコシデンプン、dl−リンゴ酸および恐らくは文献(Arthur H. Kibbe: Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition)で賦形剤として分類される他のそのような物質ならびにそれらの1、2もしくはそれ以上の組み合わせのような例えば製薬業界で使用可能な賦形剤その他の成分を含む材料から本発明の顆粒および錠剤を製造するのに適用することも可能である。
【0130】
本発明の方法は、例えばカルボキシメチルセルロース、ニムセル(商標名)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、コメデンプン、コムギデンプン、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、部分アルファ化デンプンなどのデンプンならびに文献(Arthur H. Kibbe: Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition)で崩壊剤と分類されている他のものならびにそれらの1、2もしくはそれ以上の組み合わせなどの崩壊剤を含む材料から本発明の顆粒および錠剤を製造するのに適用することもできる。
【0131】
本発明の方法は、例えばクロスポビドンなどの合成ポリマー、ショ糖、グルコース、乳糖および果糖などのサッカリド、マニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトールなどの糖アルコール類、結晶セルロース、微結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびメチルセルロースのようなセルロース類などの水溶性多糖類、デンプン類、ポリビニルピロリドンなどの合成ポリマー、炭酸カルシウムなどの無機化合物ならびに文献(Arthur H. Kibbe: Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition)で結合剤として分類されている他のものおよびそれらの1、2もしくはそれ以上の組み合わせなどの結合剤を含む材料からの本発明の顆粒および錠剤の製造に適用可能である。
【0132】
流動化剤の例には、二酸化ケイ素水和物、軽無水ケイ酸などのケイ素化合物ならびに文献(Arthur H. Kibbe: Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition)で流動化剤と分類されている他のものおよびそれらの1、2もしくはそれ以上の組み合わせなどがある。
【0133】
本発明の別の態様によれば、塊が打錠可能であり、良好な流動性を有し、塊が下記の医薬成分:
アセブトロールHCl、
フルオキセチンHCl、
パラセタモール、
バルプロ酸ナトリウム、
ケトプロフェンおよび
メトホルミンHCl
のうちの少なくとも1つを少なくとも10%含む粒状塊が提供される。
【0134】
本発明の別の態様によれば、錠剤の引っ張り強度が少なくとも10Nであり、錠剤が下記の医薬有効成分:
アセブトロールHCl、
フルオキセチンHCl、
パラセタモール、
バルプロ酸ナトリウム、
ケトプロフェンおよび
メトホルミンHCl
のうちの少なくとも1つを少なくとも10%(重量基準)含む乾式造粒顆粒から製造される錠剤が提供される。
【0135】
本発明の別の態様によれば、パラセタモール、メトホルミンHCl、アセブトロールHClおよびバルプロ酸ナトリウムから選択される医薬有効成分を60%以上(例えば70%または80%以上)含む乾燥粒状塊の圧縮によって形成される錠剤が提供される。乾燥粒状塊の組成物の残りの部分は、例えばデンプン、セルロースおよびセルロース誘導体から選択される1以上の崩壊剤であることができる。本発明の別の態様によれば、(i)パラセタモール、メトホルミンHCl、アセブトロールHClおよびバルプロ酸ナトリウムから選択される医薬有効成分を80%以上(例えば、90%以上、例えば100%)含む顆粒および(ii)デンプン、セルロースおよびセルロース誘導体から選択される1以上の崩壊剤を含む顆粒を含む乾燥粒状塊の圧縮によって形成される錠剤が提供される。いずれの場合も、場合により潤滑剤を乾燥粒状塊と混合させてから、それを圧縮して錠剤とすることができる。
【0136】
一部の実施形態において、その錠剤は、ほぼ体温、すなわち37℃の水中にて60秒未満で崩壊する。錠剤を急速に崩壊させるには、APIは好適には、錠剤組成物の95%を超えず、組成物は少なくとも2%の崩壊剤を含む。その錠剤は好適には、40Nより大きい引っ張り強度を有する。一実施形態において錠剤は、90%以下の量でキシリトールを含むことができる。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態が本明細書に記載されているが、本発明のさらなる利用分野および適応については当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1a】本発明の一実施形態による装置の例を示す図である。
【図1b】本発明の一実施形態による装置の例を示す図である。
【図2a】本発明の一実施形態によるローラー圧縮機の使用を示す図である。
【図2b】回避可能な密顆粒(従来技術による)および望ましい多孔性顆粒の両方を製造するローラー圧縮機の使用を示す図である。
【図2c】先行技術の方法によって製造される顆粒の一例を示す図である。
【図2d】本発明の一実施形態による顆粒の一例を示す図である。
【図2e】本発明の一実施形態による顆粒の別の例を示す図である。
【図2f】本発明の一実施形態による顆粒のさらに別の例を示す図である。
【図2g】本発明の一実施形態の粒状塊の形成についての一例を示す図である。
【図2h】図2gに示した材料の粒径分布図である。
【図2i】本発明の実施形態による各種低圧縮力を用いて製造される顆粒の表面画像を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による分別装置の例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に従って使用可能な別の回転装置を含む分別装置の例を示す図である。
【図5a】図4に示した分別装置で用いることができる2つの円柱状構成要素の代替例を示す図である。
【図5b】図4に示した分別装置で用いることができる2つの円柱状構成要素の代替例を示す図である。
【図5c】本発明の一実施形態により回転装置の一部として使用可能な有孔スチールシートの一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態の系の連続運転を可能とするための二重フィルター配置の一例を示す図である。
【図7】リアルタイムで合格顆粒の特徴をモニタリングおよび調節するための配置の一例を示す図である。
【図8】別個に圧縮された物質からの粒状塊を混和するための配置の一例を示す図である。
【図9】粉末または粒状塊の流動性を測定するための装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0139】
下記において、添付の図面を参照しながら本発明について説明するが、本発明はいかなる形でもそれらに限定されるものではない。
【0140】
本発明の一実施形態の装置100(図1aおよび1b)は、粉末材料を圧縮して顆粒とする圧縮装置および許容可能な顆粒から少なくとも一部の微粒子および/または小顆粒を分別する分別装置を含む。分別装置の2つの異なる選択肢を図1aおよび1bに示してある。図1aにおける分別装置112を、図3により詳細に示してある。図1bにおける分別装置112を、図4により詳細に示してある。図1aおよび図1bに示した装置には、原料供給容器101があり、その中に造粒される材料が供給される。その供給容器は空気圧式コンベアパイプライン102に連結されており、それに材料がフィーダーバルブ103を通って来る。空気圧式コンベアシステムの管は直径約47mmを有することから、それらの材料は例えば何らかの好適なプラスチック材料、例えばポリエテンであることができる。フィーダーバルブは、いわゆる星形形状のフラップバルブであることができる。1つのそのようなバルブが、イタリアの医薬装置製造者CO.RA(商標名;Lucca, Italy)によって製造されている。動作に際しては、バルブの閉鎖要素がいずれかの方向に交互に180°回ることで、容器中の粉末物質の蓄積を回避することができる。コンパートメントフィーダーなどの粉末物質の連続装填のための他の装置も使用可能である。
【0141】
コンベア102内で流れる空気の圧力を、周囲圧力より低くなるように調節することができる。これは例えば、換気吸い込みファン104を用いて達成することができる。その吸い込みファンは、型式BUSCH(商標名;Maulburg, Germany)およびモデルMinkMM1202AVのものである。そのファンは、例えば1860RPMで動作させることができる。補給キャリアガスは、連結管105を通って供給することができる。供給容器から供給される材料は、コンベア102を通って分離装置106内に輸送され、そこで微細不合格粒子と容器101からの新しい供給材料がキャリアガスから分離される。ファンには、分離装置の横に配置されたフィルター(図6に図示)を設けることができる。その装置は、連続運転することができる。1つのそのような装置はサイクロンである。分離ステップ後、分離された粉末は、中間容器107に落ちる。
【0142】
容器107は、負荷セル108上に搭載して、材料の重量を測定することができる。中間容器107にはバルブ109が設けられており、それは供給容器バルブ103と同じ種類のものであることができる。中間容器107から、粉末は圧縮装置、例えばローラー圧縮機110に移動して、圧縮材料のリボンが形成され、それが次にフレーク粉砕スクリーン111に送られて、そこでリボンの粉砕によって顆粒が形成される。本発明の文脈では、圧縮は、別のスクリーンやまたは製粉装置111を使用するか否かとは無関係に、分別される顆粒を製造するプロセスのステップと見なされる。圧縮機110の圧縮力は、例えば粉末物質の供給速度、ローラー圧縮機のロールの回転速度、圧縮機装置のロールに加えられる圧力および/または得られるリボンの厚さを変えることで調節することができる。圧縮機によって加えられる圧縮力を低レベルに調節して、圧縮塊の所望の特性、例えば得られる顆粒の多孔性および/または微粒子および/もしくは小顆粒の割合を達成することができる。圧縮機およびフレーク粉砕スクリーンは、当業者には周知の装置である。圧縮およびフレーク粉砕装置を通った後、材料は部分的に顆粒の形態であるが、材料の一部はその時点でもなお、微粒子および/または小顆粒の形態である。顆粒の最大径ならびに顆粒の平均径は、例えばフレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズによって影響され得る。しかしながら留意すべき点として、顆粒の大きさは、プロセスの分別ステップおよび/または運搬ステップでの凝集の結果として大きくなり得るものである。
【0143】
一部の実施形態(図には示していない)では、装置100が複数の圧縮装置、例えばローラー圧縮機を有することで、例えば装置の収容量および/または連続処理能力を高めることができる。圧縮装置では、例えばクリーニングのために、若干の定期点検停止期間が必要な場合がある。装置100は、圧縮装置のうちの1つが点検中である場合であっても、運転を続けることができる。
【0144】
微粒子および多孔性顆粒を含み、静電気で帯電していることができる(例えば、摩擦帯電によって)上記ステップからの生成物は、分別チャンバ112に運ばれる。圧縮装置と分別装置の間には1個もしくは2個の例えば星形フラップバルブがあって、分別装置への圧縮材料の流れを制御することができる。分別装置は、分別装置を流れるキャリアガス気流によって塊のうちの異なる粒子がどの程度影響を受けるかに基づいて、粒状塊を合格画分と不合格画分に分ける。不合格画分は、供給キャリアガス気流とともに通過して供給コンベア102に行って再処理され、合格画分は生成物容器113中に送られる。これにより、生成物顆粒はやさしく処理され、ほとんど微粒子および/または小顆粒からなる比較的大きい体積の材料が塊から除去される。
【0145】
分別チャンバ112の運転について、図3〜6を参照してより詳細に説明する。多くの考えられる分別装置の選択肢がある。
【0146】
図1aおよび図1bに示した実施形態では、負荷セル108が容器107に装着されている。そのようなセンサーおよび他の機器は、系の他の容器および構成要素に配置することもできる。図には、考えられる機器全てが示してあるわけではない。例えば、必要に応じて、空気圧式コンベアに、少なくとも1つの圧力差センサー114を取り付けることができ、それからの情報を用いて、装置の運転を制御することができる。
【0147】
本発明はまた、不合格画分がコンベア102を用いて系に直接戻るのではなく、不合格材料の容器に送られるバッチプロセスとして実施することもできる。そのような系については詳細に説明しないが、その構成および使用については当業者であれば容易に理解できるであろう。
【0148】
その装置は、圧力差センサー114などの各種センサー、負荷セル108およびバルブ103から受け取った情報ならびに回転速度およびモーターの負荷に関する情報を制御ユニットに送り、当業者には公知の方式で適切な制御論理および制御回路を適用することで自動化することができる。顆粒構造ならびに微粒子および/または小顆粒の割合が使用される圧縮力によって大きく影響されることから、圧縮装置、例えばローラー圧縮機の圧縮力の制御は特に有用である。圧縮力は、ロールの回転速度および粉末物質の供給速度などの多くのパラメータによって決まる。例えば、所定のローラー回転速度に対して粉末物質の供給速度が高いほど、圧縮力は高くなる。
【0149】
コンベア102の材料は、例えばPVC、例えばFDA PVCであることができる。系の各種構成要素が、接地のための電線と接続されていても良い。好適には、系全体が接地されている。
【0150】
図2aにおいて、ローラー圧縮機200は、圧縮される塊に機械力を加えるロール201、202を用いて、原料および場合により分別装置からリサイクルされた粒子を含む塊203を圧縮してリボン204、205、206とする。塊に加わる圧縮力およびリボンの厚さに応じて、顆粒204、205に圧縮される塊の量は変動する。残りの塊206は、リボン中央で小顆粒および/または微粒子のまま残り得る。小顆粒および/または微粒子は、許容可能な顆粒のみを形成することができない可能性がある。しかしながら、そのような塊の存在は、例えば摩擦帯電および静電気力などによってプロセスの分別ステップおよび/または運搬ステップで許容可能な顆粒を形成する上で効果的な役割を果たし得る。供給材料およびリボンの厚さなどの圧縮パラメータに応じて、微粒子および/または小顆粒の割合は変動し得る。
【0151】
系の運転パラメータを調節する簡便な方法は、ローラー圧縮機の圧縮力を、少なくとも一部の顆粒を製造する最小値に設定し、分別装置の回転速度(図4に関係する説明を参照)を型式ROTAB(商標名;Warren, MI, USA)およびモデル400EC/200の装置で利用可能な最大値(例えば、約100RPM)に設定し、キャリアガス流量を調節して、所望の流動特性を有する許容可能な顆粒が系を流れ始めるようにするというものである。分別装置におけるガス流が少なすぎると、合格顆粒の塊において微粒子および/または小顆粒の割合が高くなり、高すぎるガス流を用いると、大きい割合の許容可能な顆粒が不必要に再処理されることになる。至適なガス流の設定は、例えば合格顆粒の流れのリアルタイム測定およびその顆粒の特性を用いて手動または自動で行うことができる。1つのそのような測定配置を図7に示してある。
【0152】
図2bには、先行技術でのような高い圧縮力を用いた場合の、望ましくない密顆粒および/または固体架橋を有する顆粒210、211が形成される例を示してある。塊中に密顆粒が多くあるほど、打錠に関して塊の品質が低くなり得る。先行技術の高圧縮力(または比較的低い力による繰り返し圧縮)を用いて生じる塊の流動特性は分別を行わなくとも許容できるものとなる可能性があるが、塊の圧縮性および/または打錠性は、一部の材料を用いた場合は、かなり低くなる場合があるか、崩壊時間などの錠剤の一部の他の特徴が望ましくないものとなる可能性がある。さらに、先行技術の造粒プロセスの圧縮ステップで材料のかなりの加熱が認められる場合があり、それによって例えば顆粒の成分の結晶化および/もしくは分解による固体架橋の形成または粒状塊の望ましくない特徴が生じる。さらに、高圧縮力を用いると、得られる粒状塊中での小顆粒および/または微粒子206の割合が低くなるのが普通である。プロセスの分別ステップおよび/または運搬ステップでそのような小顆粒および/または微粒子のパーセントが低すぎると、得られる合格顆粒の品質に対する悪影響が生じ得る。
【0153】
図2cには、先行技術の乾式造粒方法の代表的なものである高圧縮力(例えば、トウモロコシデンプン(CERESTAR(商標名)製品コードC*Gel03401、バッチ番号SB4944)用のホソカワ・ベペックス・ファーマパクター(Hosokawa Bepex Pharmapaktor)L200/50Pロール圧縮機を用いて80kN強))を用いて得られる密トウモロコシデンプン顆粒の一例の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示してある。
【0154】
図2dには、低圧縮力(この場合、同じホソカワロール圧縮機を用いて30〜35kN)およびそれに続いて本発明の一実施形態によるガス気流を用いる分別を用いて製造される同じデンプンの多孔性デンプン顆粒の一例の画像を示してある。異なる材料の場合、多孔性顆粒を生じる「低圧縮力」および許容できない量の密顆粒および/または固体架橋を有する顆粒を生じる「高圧縮力」は変動し得る。本発明者らは、図2cの顆粒の表面が図2dの顆粒と比較して有孔度が低い(すなわち、密度が高い)ことを認めている。図2cの密顆粒の場合と比較して、図2dの多孔性顆粒の方が個々の粒子間の自由空間(すなわち、孔)が大きい。図2dの密顆粒の場合と比較して、図2dの多孔性顆粒の表面の方が、緩く付着した粒子の割合も大きいように思われる。さらに、図2cの顆粒は、図2dの顆粒より縁が多い。多孔性顆粒の丸い形状は、そのような顆粒を含む粒状塊の良好な流動特性に寄与する可能性がある。図2dに示した多孔性顆粒の表面上の粒子間にある孔は、顆粒の圧縮性を高めることができる。
【0155】
図2eには、本発明の顆粒の別の実施形態を示してある。画像250は、本発明の一実施形態の装置によって製造される複数の100%パラセタモール顆粒251を示してある。造粒プロセスでは、60kNの圧縮力を用いた。本発明者らの観察によれば、パラセタモールは、ほとんどの他の材料より高い圧縮力を用いて造粒することができる。別段の断りがない限り、本例および下記の例の方法で用いられる分別装置は、図4および5cに記載のものと同様である。このサンプル中の顆粒251の代表的な大きさは、500〜1000μmである。画像252には、そのような顆粒の1つの表面の拡大写真を示してある。画像252から、その顆粒の圧縮表面254が、小顆粒255(例えば約5μm〜50μmの範囲)によってほとんど覆われているのを観察することができる。そのような個々の小顆粒257は、画像256にも示してある。小顆粒255が、顆粒251に対して比較的緩く付着していることで、顆粒に多孔性の表面を形成している。従って、使用した圧縮力は代表的な材料の場合より高かったが、得られた顆粒の表面は、見た目から多孔性であると認めることができる。本発明者らは、小顆粒および/または微粒子が、例えばそのプロセスの分別ステップ中に摩擦帯電によって生じる静電気力を介してより大きい顆粒に付着していた可能性があると予想している。本発明者らはさらに、合格顆粒の表面上の緩く付着した小顆粒を介して得られた多孔性表面が粒状塊の流動特性および打錠特性にかなり好影響を与える可能性があると考えている。
【0156】
図2fには、本発明の顆粒のさらに別の実施形態を示してある。画像260には、70%の微結晶セルロースおよび30%のトウモロコシデンプンを含む複数の賦形剤顆粒261を示してある。造粒プロセスでは、16kNの圧縮力を用いた。このサンプル中の顆粒261の代表的な大きさは、500〜1000μmである。画像262には、そのような顆粒の1つの表面の拡大写真を示してある。画像262から、その顆粒の圧縮表面が、小顆粒および/または微粒子263(例えば約5μm〜100μmの範囲)によって覆われているのを観察することができる。そのような個々の小顆粒265および個々の微粒子266は、画像264にも示してある。小顆粒265および微粒子266が、顆粒261に対して比較的緩く付着していることで、顆粒に多孔性の表面を形成している。小顆粒の割合(この例では、106μmより小さい顆粒)は約20%であった。その塊の流動性は、優れたものであることが認められた。
【0157】
図2gには、50%の微結晶セルロースおよび50%のトウモロコシデンプンを含む原料からの顆粒の形成を示してある。画像270には、未処理原料のSEM画像を示してある。画像271には、圧縮されているが分別はまだされていない粒状塊のSEM画像を示してある。実験では25kNの圧縮力を用いた。画像272には、本発明の一実施形態の分別装置によって合格とされた粒状塊のSEM画像を示してある。画像270および271の倍率は実質的に同様であり、画像272は画像270および271と比較して0.1倍の倍率を有する。画像270には実際には顆粒は示されていない。画像271では、圧縮ステップで製造された顆粒の大きさが比較的小さいことが注目される。ローラー圧縮機およびフレーク粉砕器(図1aおよび1bにおける110および111)によって形成された圧縮塊271における顆粒は500μmより小さいが、分別装置(図4参照)によって合格とされた顆粒272の大半は500μmより大きい。この驚くべき所見から本発明者らは、新しい許容可能な顆粒を作ることが可能であるか、かつ/または本発明の一実施形態の方法の分別段階に際して顆粒をさらに凝集させることが可能であると考えている。
【0158】
図2hには、図2gの画像271および272に描かれた材料の粒径分布チャートを示してある。使用した原料の製品証明データによれば、原料粒子の粒径分布(不図示)は、塊の実質的に全ての粒子が106μmより小さくなるようなものである。その塊を圧縮すると、画像280に示したように、合格サイズの顆粒の割合が若干高くなるが、大半(約73%)の粒子がなお106μmより小さい。画像281から、分別後に、106μmより大きい顆粒の割合が大幅に増えることがわかる。合格の画分はなお、106μmより小さい小顆粒および/または微粒子を約10%含んでいる。小顆粒および/または微粒子の割合が比較的大きいにも拘わらず、塊は優れた流動性を示す。分別ステップで圧縮塊からの合格とされる顆粒の全割合は約10%であった。従って塊の約90%が、分別装置によって不合格とされた。
【0159】
図2iには、本発明の実施形態を用いて製造された顆粒の表面のSEM画像を示してある。造粒プロセスにおいて、各種圧縮力を用いている。示した材料は、50%の微結晶セルロースおよび50%のトウモロコシデンプンを含む。画像290、291、292にはそれぞれ、圧縮力25kN、40kNおよび60kNを用いて得られた顆粒を描いてある。圧縮力が高くなると表面有孔度が低下することが注目される。画像290および291の顆粒では多くの孔が容易に検出可能であるが、画像292の顆粒には大きな密領域がある。顆粒表面に孔がないと、粒状塊の特性、例えば塊の流動性、塊の打錠性および/または得られる錠剤の崩壊時間の少なくとも一部が低下する可能性がある。従って、この原料から顆粒を製造する上での至適な圧縮力は恐らく60kN未満であることが示唆される。SEM画像290、291では顆粒表面の構造にあまり大きな差は示されていないが、圧縮力25kNを用いて製造された粒状塊は、圧縮力40kNで製造された塊と比較して、引っ張り強度が高く崩壊時間の短い錠剤を形成する。
【0160】
図3には、圧縮機によって製造される粒状塊303から微粒子および/または小顆粒を除去するための分別装置の例を示してある。その装置は、各種目的のための開口を含むチャンバ300を有する。圧縮機およびフレーク粉砕器からの投入材料301が、1個もしくは複数の開口302を通って送られる。重力の作用によって、材料305の流れは開口304に向かって下降し、そこから合格粒状塊306は系から流れ出て容器に入る。同じ開口304から、キャリアガス(空気)307が系に流れ込む。そのガスは、キャリアガス流の所望の微粒子および/または小顆粒除去効果が達成されるように配置されている何らかの他の開口からも系に流れ込むことができる。キャリアガスは、合格顆粒の流れとは異なる方向(その流れに対して向流)で流れる。合格の顆粒は、重力の作用により、管304を通って落ちて、分別装置から出る。顆粒が分別装置300中を移動している間、微粒子および/または小顆粒は他の顆粒と凝集することができることから、顆粒はさらに成長する。微粒子および/または小顆粒308は、キャリアガス流309によって運搬されて、開口310を通って分別装置から出て行く。合格顆粒のため、ならびに不合格の微粒子および/または小顆粒のための複数の開口があってもよい。
【0161】
図4には、改善された分別装置の一例を示してある。図において、装置内にある構成要素および構造は、点線を用いて描いてある。装置400には、分別チャンバおよび、チャンバ内に取り付けられ、ローラー410上で回動可能に支持された開口円柱(または円錐形状装置、図示していない)401が含まれる。円柱の回転速度は、例えば型式ROTAB(商標名;Warren, MI, USA)およびモデル400EC/200の装置で使用可能な最大値となるように調節することができる。円柱または円錐のジャケットには孔を開けることができる。同伴微粒子とともにガス(空気)が通過して円柱を出ることができるように構成されているべきであるという点以外は、考えられる開口またはその縁部の数および形状に関して制限はない。開口は例えば、円形、楕円またはスロットであることができる。一実施形態では、開口は円形であり、それはレーザ切断技術を用いてカットしたものである。一実施形態において、円形開口の直径は1.5mmである。円柱を好適な速度、例えば100RPMで回転させるために、駆動モーター402が配置されている。円柱が回転するに連れて供給端411から出口404へと固体材料を送るため、円柱内部にはらせん構造403が設けられている。らせんではなく、各種のフィンその他の構造を円柱内部に設けて、圧縮材料の運動およびそのガス気流との相互作用を得ることができる。円柱の傾斜角度は、必要に応じて、例えばサスペンジョン構造413、414における分別装置400全体の位置を変えることで調節することができる。
【0162】
圧縮装置を出た粉末405は、装填連結部412を通って円柱の供給端411に落下し、らせん403によって移動して出口管404に向かう。出口404を通って流れるキャリアガス406は、合格顆粒407に対して反対方向に移動する。許容可能な顆粒は円柱401に沿って進み、重力の作用によって、出口404を通って落下して、生成物容器(不図示)に至る。管404まで許容可能な顆粒を伴っている可能性がある不合格となり得る微粒子および/または小顆粒は、ガス気流406によって管404から円柱401まで運び戻される。本装置では、出口404は下向きの管であり、その長さは70mmで、直径は40mmである。微粒子および/または小顆粒408の不合格の画分はキャリアガス気流とともに、連結部409を通って供給コンベア(図1での102参照)に流れて、再処理に供される。その顆粒は、分別装置400(または図3での300)において大きくなる場合がある。この凝集は、例えば摩擦帯電および静電気力によって生じ得るものである。
【0163】
合格画分の特性は、例えば円柱の回転速度、円柱の傾斜角度、らせんのピッチならびに円柱における開口の大きさ、数および位置そして形状を変えることで、さらにはキャリアガスの流量を変動させることで影響され得る。
【0164】
図5aおよび5bには、分別装置(図4における400参照)内にある2つの異なる形の円柱形装置を示してある。円柱500は開口501を有しており、その開口は図5aでは円柱のジャケット全体に配置されているが、図5bでは円柱の一端のみに開口がある。顆粒および微粒子の両方を含む投入材料502は、円柱の一端から回転する円柱に送られる。円柱500および円柱内のらせん(図4における403参照)の回転運動503により、投入材料は円柱の他端に向かって押されていく。材料が円柱内を移動している間、キャリアガス流504が、許容可能な顆粒を不合格微粒子および/または小顆粒505から分離し、後者はキャリアガス流によって開口501を通って円柱外に運ばれる。合格顆粒506は最終的に、円柱内部にあるらせん構造によって円柱外へ押し出される。
【0165】
図示の実施形態では、回転装置は直径190mmおよび長さ516mmの円柱であり、それぞれが直径1.5mmを有する開口を持っており、その開口は、互いに平均6mm離れて配置されている。開口404(図4)を通って分別装置に入る空気流は、直径50mmの開口(図4における409)を通って分別チャンバから出て、再処理に供される。円柱内部には、合格の材料506の開口方向に1回転当たり80mm進むスクリュー形ガイド構造がある。ガイド構造の高さは25mmである。図5cには、好適な円柱を構築するのに用いることが可能な有孔ステンレスシートの例の図を示してある。そのシートの厚さは約0.8mmである。前述のROTAB(商標名)装置は、円柱を図5cのスチールシートから組み立てたものに変えることで改造されており、分別チャンバは、図4の400に示したものと同様の形状を有するものに変えてある。
【0166】
図5aおよび5bに示した装置は開口した円柱形状のものであり、関与する運動は回転運動であるが、他の形状のコンベア装置および他の種類の運動の使用を行うことで、塊を分別空気流で運ぶこともできる。
【0167】
その装置は場合により、その連続処理能力を向上させるように作製することができる。1つのそのような作製を図6に開示しており、図では二重フィルターアッセンブリを図示してある。大半の微粒子および/または小顆粒がサイクロン602(図1aまたは1bでの106も参照)で例えば空気などのキャリアガスから分離されるが、一部の微粒子および/または小顆粒はキャリアガスとともにサイクロンから吸引除去され得る。その粒子は、キャリアガスが系を出る前に濾去する必要がある場合がある。フィルター607a、607bは、フィルターをクリーニングするまで微粒子および/または小顆粒を捕集するものである。一方のフィルター607a、607bを活動させ、他方を例えばその振動によってクリーニングするようにすることができる。バルブ605、612を用いて、ガス流を活動フィルターに通すようにガイドし、クリーニングするフィルターをガス気流から分離することができる。フィルタークリーニングによって得られる粉末はフィルターから下に落下し、バルブ608a、608bがそれぞれ開いていると管609a、609bにさらに送られる。管の他端には、上側バルブ608a、608bが閉じた後に開く下側バルブ610a、610bがあってもよい。下側バルブを開けることで、粉末は循環に再度戻されて再処理に供される。この配置によって、装置が運転状態のままで、フィルターの一方をクリーニングすることができ、クリーニング操作によって装置でキャリアガスの望ましくない圧力衝撃が生じない。
【0168】
その装置には場合により、例えばリアルタイムで合格顆粒の大きさを測定するセンサーを搭載することもできる。そのような配置を図7に示してある。合格顆粒は、管701を通って分別装置700を出る。発光装置702ならびに光感知センサー703が、通過する合格顆粒の大きさを観察するために管に取り付けられている。センサーが発生させた情報に基づいて、システムの制御論理が装置の動作パラメータを調節することができる。1つのそのような調節可能なパラメータは、例えばフレーク粉砕スクリーン704によって製造される顆粒の大きさであることができる。別のそのような調節可能なパラメータは、系のガス流量であることができる。
【0169】
図8には、粉末を別個に造粒し、その顆粒を一緒に混和する、考えられる配置の例を示してある。例えば錠剤などの最終製造物の崩壊時間などの特性は、複数の造粒プロセスで製剤の成分を造粒するか1回のプロセスで一緒に造粒するかで影響を受ける可能性がある。
【0170】
造粒系801、802はそれぞれ、異なる物質から(または同一の物質であるが、圧縮力または合格顆粒の大きさなどの造粒パラメータが異なるものから)顆粒を製造する。各系は、造粒パラメータを調節するそれ自体の手段811、812を有する。各造粒系からの合格顆粒はコンベア803、804から顆粒混和装置に至り、その装置は最終混合物中の各顆粒の量を制御する手段806、807を有する。混和装置は、粒状塊が最終生成物810の容器または直接に打錠機(不図示)に流れる前に、顆粒を一緒に混合する顆粒混和手段808を有することもできる。図8におけるコンベア803、804は、混和装置に至る管であるが、コンベアは、顆粒を中間貯蔵容器に入れるものであってもよく、その容器から塊を混和装置に運ぶことができる。
【0171】
図9には、粉末または粒状塊の流動性を測定するための簡単な装置を示してある。異なる大きさの装置を用いて、異なる流動性度を測定する。流動性度は、十分、良好、非常に良好または優良であることができる。
【0172】
十分な流動性を測定する装置は、高さ901が45mmであり、円錐角902が約59°であり、直径12mmの円形開口903を有する平滑プラスチック表面円錐900を備える。管904の長さは23mmである。流動性試験手順では、円形開口903を閉じたままとしながら、円錐に粉末または粒状塊を充填する。開口部を開け、円錐を軽く叩いて流動を開始し、単に重力による開口からの粉末の流れを観察する。試験中の円錐の別の振盪その他の種類の運動は行ってはならない。円錐が実質的に空になる場合は、その材料は流動性試験を合格とする。この場合の「実質的」は、少なくとも85%、90%または95%の粉末が円錐から出ることを意味する。
【0173】
上記で説明した試験手順を用いて良好な流動性を測定する装置は、高さ901が50mmであり、円錐直径905が70mmであり、直径7mmの円形開口903を有する平滑ガラス表面円錐900を有する。管904の長さは70mmである。
【0174】
非常に良好な流動性を測定する装置は、高さ901が35mmであり、円錐直径905が48mmであり、直径4mmの円形開口903を有する平滑プラスチック表面円錐900を有する。管904の長さは50mmである。
【0175】
優良な流動性を測定する装置は、高さ901が40mmであり、円錐直径905が55mmであり、直径3mmの円形開口903を有する平滑プラスチック表面円錐900を有する。管904の長さは60mmである。
【0176】
本発明の上記その他の実施形態を用いると、例えば良好な流動性、良好な圧縮性、良好な打錠性、錠剤の短い崩壊時間および高い薬剤負荷量などのいくつかの望ましい特徴のうちの1つまたは複数を有する顆粒を製造することが可能である。本発明者らは、それらの特徴が多くのAPIおよび賦形剤に適用可能であることを観察している。従って、先行技術の医薬製剤設計プロセスのいくつかの時間と費用を要する可能性のある部分を、多くのAPIで回避することができる。示した実施形態は、構築および使用する上で比較的コスト効率の高いものでもある。例えば、1時間当たり数kgまたは数10kgの顆粒を製造する能力を有する配置を構築することが可能である。その方法は、例えば先行技術の湿式造粒方法と比較して、比較的単純であり、制御しやすい。示した実施形態では、調節が必要になる可能性のあるパラメータはほとんどない。
【0177】
本明細書で与えられているパーセント(%)値は、別段の断りがない限り重量基準である。
【0178】
平均値は、別段の断りがない限り幾何平均値である。
【0179】
下記の実施例は、本発明の実施形態を用いて達成可能ないくつかの代表的な顆粒および錠剤の特徴について説明するものである。
【実施例】
【0180】
本発明の各種実施形態の粒状塊の特徴およびそれらの打錠性を観察するため、一連の試験を実施した。いずれの試験でも、本明細書に記載の方法および装置(例えば図1bおよび図4)を用いている。装置のガス流量を調節して、ガス流の分別効果により、良好、非常に良好または優良な流動性を有する粒状塊が生じるようにした。試験におけるガス流量は、デフォルト速度約1860RPMで系の吸い込みファン(BUSCH(商標名)Mink MM1202AV)を運転して達成された。一部の材料では、速度をデフォルトから変えて、粒状塊の所望の品質を得た。ローラー圧縮機の圧縮力を調節して、至適な打錠特性を有する顆粒を製造した。使用した力は、試験で用いたローラー圧縮機(ホソカワ・ベペックス・ファーマパクターL200/50P)によって示されるキロニュートン値として記録した。圧縮機のロールの直径は200mmであり、ロールの作業幅は50mmである。圧縮機によって製造されるリボンの厚さは約4mmである。ロールの回転速度は、代表的には10〜12RPMである。ローラー圧縮機によって正確な回転速度を調節して、所望の圧縮力を得る。フレーク粉砕スクリーンのデフォルトのメッシュサイズは1.00mmである。一部の実験では、フレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズをデフォルト値から変更した。
【0181】
別段の断りがない限り、約100RPMで動作する図4に示した回転装置を、試験の装置の分別手段として用いた。回転手段の円柱における開口のデフォルトサイズは、1.5mmであった。
【0182】
全ての打錠試験において、0.25%のステアリン酸マグネシウムを、打錠前に潤滑剤として粒状塊に加えた。
【0183】
これらの試験で用いたトウモロコシデンプンは、粒径5〜30μmを有すると推算された。
【0184】
錠剤の引っ張り強度は、型式MECMESIN(商標名、Mecmesin Limited, West Sussex, UK)およびモデルBFG200Nの測定装置を用いて測定した。
【0185】
粒状塊の粒径分布は、積層篩を用いて測定した。その測定において、4個の篩の積層物を、パワー設定6で電磁篩振盪器(製造者:C.I.S.A Cedaceria Industrial, S. L.、モデルRP08)を用いて5分間振盪した。使用した篩の開口サイズは、850μm、500μm、250μmおよび106μmであった。
【0186】
打錠例1−90%アセブトロールHCl
90%のアセブトロールHCl粉末(平均粒径27μm)および10%のデンプンを有する5.0kgの粉末塊を混合した。圧縮力40kNを用いて塊を圧縮して、分別後に平均径877μmおよび標準偏差1.421を有する顆粒とした。得られた塊のルーズかさ密度は0.68g/mLであり、塊は良好な流動性を有していた。直径10mmおよび重量500mgの円形錠剤を、6〜8kNの打錠力を用いて作製した。錠剤の平均引っ張り強度は、80N(N=10)であった。錠剤崩壊時間は、ほぼ体温の水中で約6.5分であることが認められた。
【0187】
打錠例2−20%フルオキセチンHCl
20%(2.24kg)のフルオキセチンHCl(製造者:SIFAVITOR SpA, Casaletto Lodigiano. Italy;ロット番号2700/01/06)、64%(7.168kg)の微結晶セルロース(EMCOCEL CAS番号9004−34−6、ロット5S3682)および16%(1.792kg)のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401;ロット01015757)を有する粉末塊を混合した。圧縮力35kNを用いて、塊を圧縮して、分別後に平均径461μmおよび標準偏差2.358を有する顆粒とした。フレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズは1.25mmに設定した。得られた塊のルーズかさ密度は0.595g/mLであり、塊は良好な流動性を有していた。キャッピングを起こさない最大打錠力を用いて、直径6mmおよび平均重量112mg(N=10、標準偏差=1.89%)の円形錠剤を作った。錠剤の平均引っ張り強度は44N(N=10、標準偏差=11.17%)であった。錠剤崩壊時間は、ほぼ体温の水中で約10秒であることが認められた。
【0188】
打錠例3−60%パラセタモール
60%のパラセタモール微粉末(製造者:Mallinckrodt Inc.、Raleigh(米国)、ロット7845906C563、20μmより小さい粒子59%、75μmより小さい粒子96%)、20%の微結晶セルロース(EMCOCEL CAS番号9004−34−6、ロット:5S3689、71μmより小さい粒子50%)および20%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を有する粉末塊約4.0kgを混合した。圧縮力30kNを用いて、塊を圧縮して、分別後に平均径645μmおよび標準偏差1.464を有する顆粒とした。フレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズは、1.00mmに設定した。得られた塊のかさ密度は0.586g/mLであり、塊は良好な流動性を有していた。キャッピングを生じない最大打錠力を用いて、直径10mmおよび平均重量454mg(N=10、標準偏差=0.6%)の円形凸型錠剤を作製した。今まで、乾式造粒方法を用いて製造した顆粒の圧縮によってパラセタモールの高負荷錠剤を製造することは、不可能ではないとしても困難であると考えられてきたことから、これは非常に良好な結果であった。錠剤の平均引っ張り強度は49N(N=10、標準偏差=12.73%)であった。錠剤崩壊時間は、ほぼ体温の水中で1分未満であることが観察された。
【0189】
打錠例4−90%バルプロ酸ナトリウム
90%のバルプロ酸ナトリウム(製造者:Chemische Fabrik Berg)、5%のヒプロメロース(PHARMACOAT606、ロット:5115055)および5%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を有する粉末塊5.56kgを混合した。圧縮力35kNを用いて、塊を圧縮して、平均径550μmおよび標準偏差1.686を有する顆粒を得た。フレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズは1.25mmに設定した。得られた塊のルーズかさ密度は0.532g/mLであり、塊は良好な流動性を有していた。キャッピングを生じない最大打錠力を用いて、直径12mmおよび平均重量560mg(N=10、標準偏差=1.29%)の円形凸型錠剤を作製した。錠剤の平均引っ張り強度は84Nであった(N=10、標準偏差=11.80%)。賦形剤としてのヒプロメロースによって導入された徐放特性のため、錠剤崩壊時間は、ほぼ体温の水中で40分であることが認められた。
【0190】
打錠例5−50%ケトプロフェン
50%のケトプロフェン(製造者:Ketoprofen S.I.M.S. Societa italiana medicinali Scandicci、ロット:121.087、60μm未満の粒子79%)および50%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:SB4944)を有する粉末塊約8.0kgを混合した。圧縮力40kNを用いて塊を圧縮して、平均径900μmおよび標準偏差1.418を有する顆粒とした。フレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズは、1.00mmに設定した。得られた塊のルーズかさ密度は0.625g/mLであり、塊は良好な流動性を有していた。キャッピングを生じない最大打錠力を用いて、直径6mmおよび平均重量94mg(N=10、標準偏差=1.94%)の円形凸型錠剤を作製した。錠剤の平均引っ張り強度は39Nであった(N=10、標準偏差=14.56%)。錠剤崩壊時間は、ほぼ体温の水中で約10秒であることが認められた。
【0191】
打錠例6−80%メトホルミンHCl
100%のメトホルミンHCl(供給者:SIM Strading(Firenze, Italy)、ロット:21.039)を有する粉末塊約4.0kgを、圧縮力35kNを用いて圧縮して、平均径668μmおよび標準偏差1.554を有する顆粒を製造した。フレーク粉砕スクリーンのメッシュサイズは、1.00mmに設定した。得られた塊のルーズかさ密度は0.694g/mLであり、塊は良好な流動性を有していた。別個に、70%の微結晶セルロース(EMCOCELCAS番号9004−34−6、ロット:5S3689)および30%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を含む賦形剤顆粒を混合し、同じ圧縮力を用いて造粒した。次に、80%のメトホルミン顆粒を20%の賦形剤顆粒と混和し、圧縮して錠剤とした。キャッピングを生じない最大打錠力を用いて、直径12mmでメトホルミン500mgを含む円形凸型錠剤を作製した。錠剤の平均引っ張り強度は59N(N=3)であった。錠剤崩壊時間は測定しなかった。
【0192】
打錠例に加えて、塊のハウスナー比を測定し、塊の流動性を観察することで、本発明の実施形態の粒状塊の圧縮性および流動性を調べた。塊のハウスナー比を算出し、流動性を観察するのに使用可能な方法については、本開示において前述している。
【0193】
流動性例1−100%パラセタモール
100%パラセタモール(製造者:Mallinckrodt Inc.、Raleigh(米国)、ロット:6088906C107)を有する粉末塊4.0kgを、圧縮力12kNおよびフレーク粉砕スクリーンメッシュサイズ1.00mmを用いて圧縮して、分別後に平均径708μmおよび標準偏差1.349を有する顆粒とした。塊の顆粒の0.58%が、106μmより小さい直径を有していた。得られた塊のかさ密度は0.610g/mLであり、タップかさ密度は0.758g/mLであった。塊のハウスナー比は1.24と計算された。ハウスナー比によって示された比較的高い圧縮性にも拘わらず、塊の流動性は優良であることが認められた。
【0194】
流動性例2−90%メトホルミンHCl
90%(4.0kg)のメトホルミン(メトホルミン塩酸塩USP、ロット番号17003742、USV LIMITED, B.S.D. Marg. Govandi, Mumbay 400088, INDIA)、8%(356g)の微結晶セルロース(EMCOCEL、CAS番号9004−34−6、ロット:5S3682)および2%(88g)のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を有する粉末塊を混合した。圧縮力30kN、フレーク粉砕スクリーンメッシュサイズ1.00mmおよび吸い込みファン速度2100RPMを用いて、分別後に平均径477μmおよび標準偏差2.030を有する顆粒を製造した。塊の顆粒の11.0%が、106μmより小さい直径を有していた。得られた塊のルーズかさ密度は0.581g/mLであり、タップかさ密度は0.714g/mLであった。塊のハウスナー比は、1.23と測定された。ハウスナー比によって示された比較的高い圧縮性にも拘わらず、塊の流動性は優良であることが認められた。メトホルミンを用いて実験を行った場合、本発明者らは、100%メトホルミン微粉末が、室温および環境湿度で保存した時にかなりの凝集(大きく硬い凝集物を形成)を示すが、本発明の方法を用いてそのような粉末から製造された100%メトホルミン顆粒は、貯蔵時間中にそのような凝集は実質的に示さないという驚くべき知見も得た。
【0195】
流動性例3−賦形剤
70%の微結晶セルロース(EMCOCEL、CAS番号9004−34−6、ロット:5S3689)および30%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を含む粉末塊約3.0kgを混合した。圧縮力16kNおよびフレーク粉砕スクリーンメッシュサイズ1.00mmを用いて、分別後に平均径318μmおよび標準偏差2.159を有する顆粒を製造した。塊の顆粒の19.6%が、106μmより小さい直径を有していた。得られた塊のルーズかさ密度は0.379g/mLであり、タップかさ密度は0.510g/mLであった。塊のハウスナー比は、1.35と測定された。ハウスナー比によって示された塊の高圧縮性にも拘わらず、流動性が優良であることが認められた。
【0196】
流動性例4−20%ケトプロフェン
20%のケトプロフェン(S.I.M.S. Societa italiana medicinali Scandicci、ロット:121.087)および80%の微結晶セルロース(EMCOCEL、CAS番号9004−34−6、ロット:5S3689)を含む粉末塊約4.0kgを混合した。圧縮力24kNおよびフレーク粉砕スクリーンメッシュサイズ0.71mmを用いて、顆粒を製造した。系の吸い込みファン速度を1980RPMに設定した時、分別後に、合格顆粒の平均径は304μmであり、標準偏差は2.275であった。塊の23.0%は、106μmより小さい粒径を有していた。塊のルーズかさ密度は0.510g/mLであり、タップかさ密度は0.676g/mLであった。塊のハウスナー比は、1.325と測定された。塊の流動性は十分であることが認められた。系の吸い込みファン速度を2400RPMに設定した場合、分別後に合格顆粒の平均径は357μmであり、標準偏差は2.121であった。塊の13.7%が、106μmより小さい粒径を有していた。塊のルーズかさ密度は0.521g/mLであり、タップかさ密度は0.714g/mLであった。塊のハウスナー比は1.371と測定された。塊の流動性は優良であることが認められた。本例は、系のガス流量を変動させることで、異なる流動特性を有する粒状塊を得ることができることを示している。本例はさらに、例えば米国特許第6752939号などの先行技術で知られている内容とは逆に、ハウスナー比は粒状塊の流動性を必ずしも予見するものではないことも示している。例えば、粒状塊の顆粒粒径分布は、粒状塊の圧縮性より流動性に対しての効果が大きい可能性がある。そうして、同一粒状塊において、良好な圧縮性および流動性が共存し得る。
【0197】
能力例
本開示に記載の実施形態は、かなりの量の粒状塊を製造する能力を有する。図4の分別装置を含む一実施形態の能力試験では、パラセタモール(7845パラセタモール微粉末、Mallinckrodt Inc.、Raleigh(米国)、ロット:7845906C563)5.98kg、微結晶セルロース(CAS番号9004−34−6、JRS PHARMA LP-Patterson(米国)、ロット:5S3689)10.69kg、トウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)37.10kg、乳糖(乳糖・1水和物、DMV International Pharmatose 80M DP5500、ロット:10209285906535704)12.19kg、セルロース(「テクノセル(Technocel)」、CFF GmbH、Gehren Germany、ロット:G13060620)34.04kgを混合し、圧縮力約40kNおよび吸い込みファン速度2160RPMを用いて造粒した。装置を2時間38分運転して顆粒94.66kgを得て、それは少なくとも良好な流動性特性を有していた。
【0198】
分別例1
50%の微結晶セルロース(EMCOCEL、CAS番号9004−34−6、ロット:5S3689)および50%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を含む粉末塊約5.0kgを混合し、造粒した。不合格画分の再処理は、造粒プロセスで防止した。これを行うなため、処理対象の塊を手動で中間容器(図1bにおける107)に送り、そこからバルブ(図1bにおける109)を開けることで、プロセス開始前に圧縮機(図1bにおける110)に運んだ。次に、プロセスを開始し、塊5.0kgを造粒および分別した。その処理中、バルブ(図1bにおける109)は閉じたままとして、不合格画分の再処理を防止した。圧縮力40kNおよびフレーク粉砕スクリーンメッシュサイズ1.00mmを用いて、分別後に平均径523μm(標準偏差1.70)を有する顆粒を製造した。試験運転により、合格顆粒1630g(32.6%)を製造した。合格顆粒の表面のSEM画像を、図2iの画像291に示してある。塊の残りの部分は、分別装置によって不合格とされた。合格塊の顆粒/粒子の4.0%は、106μmより小さい直径を有していた。得られた塊のルーズかさ密度は0.56g/mLであり、タップかさ密度は0.641g/mLであった。塊のハウスナー比は1.15と測定された。合格画分の流動性は、優良であることが観察された。他方、不合格画分の流動性は不十分であることが認められた。
【0199】
不合格画分は250μmより大きい顆粒16.4%を含んでおり、合格画分は250μmより大きい顆粒92%を含んでいた。
【0200】
粒状塊の合格画分の打錠性を観察するため、0.5%のステアリン酸マグネシウムを塊に加え、平均重量588mgの錠剤を製造した。錠剤の平均引っ張り強度(N=6)は23.56Nであると測定され、標準偏差は1.308であった。錠剤の崩壊時間は、約12秒であることが観察された。
【0201】
分別例2
50%の微結晶セルロース(EMCOCEL、CAS番号9004−34−6、ロット:5S3689)および50%のトウモロコシデンプン(CERESTAR材料番号03401、ロット:01015757)を含む粉末塊約4.0kgを混合し、造粒した。上記の例とは異なり、本開示の図1aおよび3の実施形態による分別装置を、プロセスの分別ステップで用いた。不合格画分の再処理は、造粒プロセスで防止した。これを行うなため、処理対象の塊を手動で中間容器(図1aにおける107)に送り、そこからバルブ(図1aにおける109)を開けることで、プロセス開始前に圧縮機(図1aにおける110)に運んだ。次に、プロセスを開始し、塊4kgを造粒および分別した。その処理中、バルブ(図1aにおける109)は閉じたままとして、不合格画分の再処理を防止した。圧縮力16kNおよびフレーク粉砕スクリーンメッシュサイズ1.00mmを用いて、分別後に平均径437μm(標準偏差2.42)を有する顆粒を製造した。試験運転により、合格顆粒670g(16.75%)を製造した。塊の残りの部分は、分別装置によって不合格とされた。合格塊の顆粒/粒子の20.9%は、106μmより小さい直径を有していた。得られた塊のルーズかさ密度は0.455g/mLであり、タップかさ密度は0.568g/mLであった。塊のハウスナー比は1.248と測定された。ハウスナー比によって示される合格塊の高圧縮性にも拘わらず、流動性は優良であることが観察された。他方、不合格画分の流動性は不十分であることが認められた。
【0202】
不合格画分は250μmより大きい顆粒7.1%を含んでおり、合格画分は250μmより大きい顆粒68.4%を含んでいた。
【0203】
粒状塊の合格画分の打錠性を観察するため、0.5%のステアリン酸マグネシウムを塊に加え、平均重量584mgの錠剤を製造した。錠剤の平均引っ張り強度は63.34Nであると測定され、標準偏差は6.78であった(N=6)。注目すべき点として、錠剤の引っ張り強度は、分別例1の場合よりかなり高い。錠剤の崩壊時間は、約12秒であることが観察された。
【0204】
当業者にとっては、前記の例示的実施形態は、本願で提供されるモデルを説明するものであり、それにより、自明な形で、本願で提供される発明的概念を利用する、各種の方法、システム、顆粒および錠剤を設計することが可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低圧縮力を粉末に加えて微粒子および顆粒の混合物を含む圧縮塊を製造し、該微粒子をガス気流に同伴させることで該顆粒から微粒子を分離する、粉末から顆粒を製造する方法。
【請求項2】
前記圧縮力が、前記粉末の75重量%以下が150μmより大きい粒径を有する許容可能な顆粒に圧縮され、残りのものが微粒子および/または小顆粒として留まるのに十分に低いものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮力が60kN未満またはそれより小さい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮力が45kN以下である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記圧縮力が16kN以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ローラー圧縮機を用いて、破壊されて顆粒を生じる圧縮粉末のリボンを形成するステップを含む方法によって、前記圧縮力を前記粉末に加える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ガス気流の流れの方向が、前記圧縮塊の流れの方向の成分に対して反対の成分を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ガス気流の流れの方向が、前記圧縮塊の流れの方向に対して実質的に反対である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記圧縮塊が、重力の作用および/または機械的手段によって前記ガス気流中で移動する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記微粒子が、分別手段を含む装置によって前記顆粒から分離される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記分別手段が分別チャンバを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記圧縮塊が前記ガス気流中を移動する軸に沿って、前記分別手段が円柱または円錐などの回転装置を含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記回転装置の軸に沿った前記圧縮塊の運動がらせん構造によって導かれる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記分別手段が、前記微粒子および/または小顆粒が通過して同伴される開口を有する、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記開口が最小寸法0.5xを有する、平均所望サイズxの顆粒を製造するための請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記開口が最小寸法250μmを有する、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記分別手段が、前記圧縮塊を篩に通過させることを必要としない、請求項10〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記圧縮塊の前記分別手段内での滞留時間が少なくとも2秒である、請求項10〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記粉末が、医薬製品および/または医薬有効成分で使用可能な賦形剤を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記粉末が、アセブトロールHCl、フルオキセチンHCl、パラセタモール、バルプロ酸ナトリウム、ケトプロフェンおよびメトホルミンHClから選択される医薬有効成分を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記粉末が、少なくとも60%の量の医薬有効成分を含む、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記粉末が少なくとも80%の量の医薬有効成分を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記同伴微粒子および/または小顆粒が圧縮用に再循環される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記粉末が、空気圧式コンベアの使用を含む手段によって、貯留部から前記圧縮力を加えるための手段に運ばれる、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記顆粒を回収するステップをさらに含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
連続プロセスとして行われる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項25または26に記載の方法に従って得ることができる顆粒を含む、乾式造粒粒状塊。
【請求項28】
顆粒が良好な流動性を有し、塊が、該顆粒内の粒子間で固体架橋が実質的に存在しないこと、良好な均質性、該顆粒の多孔構造、該塊における小顆粒および/または微粒子のかなり高い割合、良好な圧縮性および打錠性という特性のうちの少なくとも2つを有する、乾式造粒粒状塊。
【請求項29】
(a)ファンデルワールス力によって会合している材料の微粒子を含む圧縮コア;および(b)静電気力によって該圧縮コアと結びついている該材料の微粒子および/または小顆粒を含むコーティング層からなる、平均径が50μm〜3mmである顆粒を含む、乾式造粒粒状塊。
【請求項30】
(a)ファンデルワールス力によって会合している材料の微粒子を含む圧縮コア;および(b)前記材料の微粒子および/または小顆粒を含む多孔質コーティング層からなる、50μm〜3mmの平均径を有する顆粒を含む、乾式造粒粒状塊。
【請求項31】
前記圧縮コアが固体架橋を実質的に持たない、請求項29または30に記載の乾式造粒粒状塊。
【請求項32】
前記材料粒子の平均粒径が1〜100μmであり、前記圧縮コアの平均径が50〜3000μmであり、前記コーティング層の材料の前記微粒子および/または小顆粒の平均粒径と前記圧縮コアの平均径との比が少なくとも1:10である、請求項29〜31のいずれか1項に記載の乾燥粒状塊。
【請求項33】
前記材料が、アセブトロールHCl、フルオキセチンHCl、パラセタモール、バルプロ酸ナトリウム、ケトプロフェン、およびメトホルミンHClから選択される医薬有効成分を含む、請求項29〜32のいずれか1項に記載の乾燥粒状塊。
【請求項34】
場合により1以上の追加の賦形剤と混合した請求項27〜33のいずれか1項に記載の乾式造粒粒状塊を圧縮するステップを含む、錠剤の製造方法。
【請求項35】
前記1以上の追加の賦形剤が、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
請求項34または35に記載の方法によって得ることができる錠剤。
【請求項37】
錠剤を形成する顆粒内に粒子を結合させる固体架橋が実質的に存在せず、高い引っ張り強度、高薬剤負荷量、低量の潤滑剤、短い崩壊時間および保管時間に対する非感受性という特性のうちの少なくとも2つを有する、乾式造粒顆粒を含む錠剤。
【請求項38】
低圧縮力を生じることができる圧縮手段、およびガス気流に微粒子を同伴させることで圧縮塊から微粒子を分離するよう作られた分別手段を備える、乾式造粒装置。
【請求項39】
前記圧縮手段が、破壊されて顆粒を生じる圧縮粉末のリボンを生成するローラー圧縮機を含む、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記分別手段が前記圧縮塊を移動させる手段を含む、請求項38または39に記載の装置。
【請求項41】
前記圧縮塊を移動させる手段が、重力または機械的手段によって該圧縮塊を移動させる手段を含む、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記ガス気流を提供する手段を含み、該ガス気流の流れの方向が前記圧縮塊の流れの方向の成分と逆の成分を有する、請求項38〜41のいずれか1項に記載の装置。
【請求項43】
前記ガス気流の流れの方向が、前記圧縮塊の流れの方向と実質的に逆である、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記分別手段が、該分別手段内部で前記圧縮塊を導くための構造を少なくとも1つ含む、請求項38または43に記載の装置。
【請求項45】
前記分別手段が分別チャンバを含む、請求項38〜44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
前記分別手段が、前記圧縮塊が軸に沿って前記ガス気流中で移動する円柱または円錐などの回転装置を含む、請求項38〜45のいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
前記回転装置の軸に沿った前記圧縮塊の運動が、らせん構造によって促進される、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記分別手段が、前記微粒子および/または微顆粒が通過して同伴される開口を有する、請求項38〜47のいずれか1項に記載の装置。
【請求項49】
前記開口が最小寸法0.5xを有する、平均所望サイズxの顆粒を製造するための請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記開口が最小寸法250μmを有する、請求項48または49に記載の装置。
【請求項51】
前記分別手段が、前記圧縮塊が篩を通過することを必要としない、請求項38〜50のいずれか1項に記載の装置。
【請求項52】
前記分別手段が、前記ガス気流が通って該手段から流れ出る少なくとも1つの出口開口を含み、該開口が、許容可能な大きさの顆粒が前記装置から流れ出るのに十分な大きさを有する、請求項38〜51のいずれか1項に記載の装置。
【請求項53】
ガス気流中に微粒子および/または小顆粒を同伴させることで圧縮塊から微粒子を分離するよう作られた分別装置であって、該記圧縮塊が軸に沿って該ガス気流中で移動する円柱または円錐などの回転装置を含み、該回転装置が、該微粒子および/または小顆粒が通過して同伴される開口を有する、上記分別装置。
【請求項54】
前記ガス気流を提供する手段を含み、該ガス気流の流れの方向が、前記圧縮塊の流れの方向の成分と逆の成分を有する、請求項53に記載の分別装置。
【請求項55】
前記ガス気流の流れの方向が、前記圧縮塊の流れの方向と実質的に逆である、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記回転装置の軸に沿った前記圧縮塊の運動が、らせん構造によって導かれる、請求項53〜55のいずれか1項に記載の装置。
【請求項57】
請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法での請求項38〜56のいずれか1項に記載の装置(apparatus)または装置(device)の使用。
【請求項58】
図2bおよび図2cを除く実施例および図を参照することで、実質的に本明細書において記載されている方法、乾式造粒塊、錠剤、装置(apparatus)または装置(device)。
【請求項59】
打錠可能であり、良好な流動性を有し、下記の医薬成分:
アセブトロールHCl、
フルオキセチンHCl、
パラセタモール、
バルプロ酸ナトリウム、
ケトプロフェンおよび
メトホルミンHCl
のうち少なくとも1つを少なくとも10%含む、粒状塊。
【請求項60】
錠剤の引っ張り強度が少なくとも10Nであり、下記の医薬有効成分:
アセブトロールHCl、
フルオキセチンHCl、
パラセタモール、
バルプロ酸ナトリウム、
ケトプロフェンおよび
メトホルミンHCl
のうち少なくとも1つを少なくとも10%含む乾式造粒顆粒から製造される錠剤。
【請求項61】
液体および/または水素結合のパーセントがかなり低いものであり、潤滑剤が錠剤全体に均一に分布しており、さらに、短い崩壊時間、高い引っ張り強度、高い薬剤負荷量および低量の潤滑剤という特性のうちの少なくとも2つを有する錠剤。
【請求項62】
パラセタモール、メトホルミンHCl、アセブトロールHClおよびバルプロ酸ナトリウムから選択される60%以上の医薬有効成分を含む乾燥粒状塊の圧縮によって形成される錠剤。
【請求項63】
ほぼ体温の水中で60秒未満で崩壊する、請求項62に記載の錠剤。
【請求項64】
95%を超えない量で医薬有効成分を含み、前記組成物が少なくとも2%の崩壊剤を含む、請求項62または63に記載の錠剤。
【請求項65】
90%以下の量でキシリトールを含む、請求項61〜64のいずれか1項に記載の錠剤。
【請求項1】
低圧縮力を粉末に加えて微粒子および顆粒の混合物を含む圧縮塊を製造し、該微粒子をガス気流に同伴させることで該顆粒から微粒子を分離する、粉末から顆粒を製造する方法。
【請求項2】
前記圧縮力が、前記粉末の75重量%以下が150μmより大きい粒径を有する許容可能な顆粒に圧縮され、残りのものが微粒子および/または小顆粒として留まるのに十分に低いものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮力が60kN未満またはそれより小さい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮力が45kN以下である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記圧縮力が16kN以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ローラー圧縮機を用いて、破壊されて顆粒を生じる圧縮粉末のリボンを形成するステップを含む方法によって、前記圧縮力を前記粉末に加える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ガス気流の流れの方向が、前記圧縮塊の流れの方向の成分に対して反対の成分を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ガス気流の流れの方向が、前記圧縮塊の流れの方向に対して実質的に反対である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記圧縮塊が、重力の作用および/または機械的手段によって前記ガス気流中で移動する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記微粒子が、分別手段を含む装置によって前記顆粒から分離される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記分別手段が分別チャンバを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記圧縮塊が前記ガス気流中を移動する軸に沿って、前記分別手段が円柱または円錐などの回転装置を含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記回転装置の軸に沿った前記圧縮塊の運動がらせん構造によって導かれる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記分別手段が、前記微粒子および/または小顆粒が通過して同伴される開口を有する、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記開口が最小寸法0.5xを有する、平均所望サイズxの顆粒を製造するための請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記開口が最小寸法250μmを有する、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記分別手段が、前記圧縮塊を篩に通過させることを必要としない、請求項10〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記圧縮塊の前記分別手段内での滞留時間が少なくとも2秒である、請求項10〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記粉末が、医薬製品および/または医薬有効成分で使用可能な賦形剤を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記粉末が、アセブトロールHCl、フルオキセチンHCl、パラセタモール、バルプロ酸ナトリウム、ケトプロフェンおよびメトホルミンHClから選択される医薬有効成分を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記粉末が、少なくとも60%の量の医薬有効成分を含む、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記粉末が少なくとも80%の量の医薬有効成分を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記同伴微粒子および/または小顆粒が圧縮用に再循環される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記粉末が、空気圧式コンベアの使用を含む手段によって、貯留部から前記圧縮力を加えるための手段に運ばれる、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記顆粒を回収するステップをさらに含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
連続プロセスとして行われる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項25または26に記載の方法に従って得ることができる顆粒を含む、乾式造粒粒状塊。
【請求項28】
顆粒が良好な流動性を有し、塊が、該顆粒内の粒子間で固体架橋が実質的に存在しないこと、良好な均質性、該顆粒の多孔構造、該塊における小顆粒および/または微粒子のかなり高い割合、良好な圧縮性および打錠性という特性のうちの少なくとも2つを有する、乾式造粒粒状塊。
【請求項29】
(a)ファンデルワールス力によって会合している材料の微粒子を含む圧縮コア;および(b)静電気力によって該圧縮コアと結びついている該材料の微粒子および/または小顆粒を含むコーティング層からなる、平均径が50μm〜3mmである顆粒を含む、乾式造粒粒状塊。
【請求項30】
(a)ファンデルワールス力によって会合している材料の微粒子を含む圧縮コア;および(b)前記材料の微粒子および/または小顆粒を含む多孔質コーティング層からなる、50μm〜3mmの平均径を有する顆粒を含む、乾式造粒粒状塊。
【請求項31】
前記圧縮コアが固体架橋を実質的に持たない、請求項29または30に記載の乾式造粒粒状塊。
【請求項32】
前記材料粒子の平均粒径が1〜100μmであり、前記圧縮コアの平均径が50〜3000μmであり、前記コーティング層の材料の前記微粒子および/または小顆粒の平均粒径と前記圧縮コアの平均径との比が少なくとも1:10である、請求項29〜31のいずれか1項に記載の乾燥粒状塊。
【請求項33】
前記材料が、アセブトロールHCl、フルオキセチンHCl、パラセタモール、バルプロ酸ナトリウム、ケトプロフェン、およびメトホルミンHClから選択される医薬有効成分を含む、請求項29〜32のいずれか1項に記載の乾燥粒状塊。
【請求項34】
場合により1以上の追加の賦形剤と混合した請求項27〜33のいずれか1項に記載の乾式造粒粒状塊を圧縮するステップを含む、錠剤の製造方法。
【請求項35】
前記1以上の追加の賦形剤が、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
請求項34または35に記載の方法によって得ることができる錠剤。
【請求項37】
錠剤を形成する顆粒内に粒子を結合させる固体架橋が実質的に存在せず、高い引っ張り強度、高薬剤負荷量、低量の潤滑剤、短い崩壊時間および保管時間に対する非感受性という特性のうちの少なくとも2つを有する、乾式造粒顆粒を含む錠剤。
【請求項38】
低圧縮力を生じることができる圧縮手段、およびガス気流に微粒子を同伴させることで圧縮塊から微粒子を分離するよう作られた分別手段を備える、乾式造粒装置。
【請求項39】
前記圧縮手段が、破壊されて顆粒を生じる圧縮粉末のリボンを生成するローラー圧縮機を含む、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記分別手段が前記圧縮塊を移動させる手段を含む、請求項38または39に記載の装置。
【請求項41】
前記圧縮塊を移動させる手段が、重力または機械的手段によって該圧縮塊を移動させる手段を含む、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記ガス気流を提供する手段を含み、該ガス気流の流れの方向が前記圧縮塊の流れの方向の成分と逆の成分を有する、請求項38〜41のいずれか1項に記載の装置。
【請求項43】
前記ガス気流の流れの方向が、前記圧縮塊の流れの方向と実質的に逆である、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記分別手段が、該分別手段内部で前記圧縮塊を導くための構造を少なくとも1つ含む、請求項38または43に記載の装置。
【請求項45】
前記分別手段が分別チャンバを含む、請求項38〜44のいずれか1項に記載の装置。
【請求項46】
前記分別手段が、前記圧縮塊が軸に沿って前記ガス気流中で移動する円柱または円錐などの回転装置を含む、請求項38〜45のいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
前記回転装置の軸に沿った前記圧縮塊の運動が、らせん構造によって促進される、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記分別手段が、前記微粒子および/または微顆粒が通過して同伴される開口を有する、請求項38〜47のいずれか1項に記載の装置。
【請求項49】
前記開口が最小寸法0.5xを有する、平均所望サイズxの顆粒を製造するための請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記開口が最小寸法250μmを有する、請求項48または49に記載の装置。
【請求項51】
前記分別手段が、前記圧縮塊が篩を通過することを必要としない、請求項38〜50のいずれか1項に記載の装置。
【請求項52】
前記分別手段が、前記ガス気流が通って該手段から流れ出る少なくとも1つの出口開口を含み、該開口が、許容可能な大きさの顆粒が前記装置から流れ出るのに十分な大きさを有する、請求項38〜51のいずれか1項に記載の装置。
【請求項53】
ガス気流中に微粒子および/または小顆粒を同伴させることで圧縮塊から微粒子を分離するよう作られた分別装置であって、該記圧縮塊が軸に沿って該ガス気流中で移動する円柱または円錐などの回転装置を含み、該回転装置が、該微粒子および/または小顆粒が通過して同伴される開口を有する、上記分別装置。
【請求項54】
前記ガス気流を提供する手段を含み、該ガス気流の流れの方向が、前記圧縮塊の流れの方向の成分と逆の成分を有する、請求項53に記載の分別装置。
【請求項55】
前記ガス気流の流れの方向が、前記圧縮塊の流れの方向と実質的に逆である、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記回転装置の軸に沿った前記圧縮塊の運動が、らせん構造によって導かれる、請求項53〜55のいずれか1項に記載の装置。
【請求項57】
請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法での請求項38〜56のいずれか1項に記載の装置(apparatus)または装置(device)の使用。
【請求項58】
図2bおよび図2cを除く実施例および図を参照することで、実質的に本明細書において記載されている方法、乾式造粒塊、錠剤、装置(apparatus)または装置(device)。
【請求項59】
打錠可能であり、良好な流動性を有し、下記の医薬成分:
アセブトロールHCl、
フルオキセチンHCl、
パラセタモール、
バルプロ酸ナトリウム、
ケトプロフェンおよび
メトホルミンHCl
のうち少なくとも1つを少なくとも10%含む、粒状塊。
【請求項60】
錠剤の引っ張り強度が少なくとも10Nであり、下記の医薬有効成分:
アセブトロールHCl、
フルオキセチンHCl、
パラセタモール、
バルプロ酸ナトリウム、
ケトプロフェンおよび
メトホルミンHCl
のうち少なくとも1つを少なくとも10%含む乾式造粒顆粒から製造される錠剤。
【請求項61】
液体および/または水素結合のパーセントがかなり低いものであり、潤滑剤が錠剤全体に均一に分布しており、さらに、短い崩壊時間、高い引っ張り強度、高い薬剤負荷量および低量の潤滑剤という特性のうちの少なくとも2つを有する錠剤。
【請求項62】
パラセタモール、メトホルミンHCl、アセブトロールHClおよびバルプロ酸ナトリウムから選択される60%以上の医薬有効成分を含む乾燥粒状塊の圧縮によって形成される錠剤。
【請求項63】
ほぼ体温の水中で60秒未満で崩壊する、請求項62に記載の錠剤。
【請求項64】
95%を超えない量で医薬有効成分を含み、前記組成物が少なくとも2%の崩壊剤を含む、請求項62または63に記載の錠剤。
【請求項65】
90%以下の量でキシリトールを含む、請求項61〜64のいずれか1項に記載の錠剤。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図2g】
【図2h】
【図2i】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図2g】
【図2h】
【図2i】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−508929(P2010−508929A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535758(P2009−535758)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【国際出願番号】PCT/FI2007/000265
【国際公開番号】WO2008/056021
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(509129473)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【国際出願番号】PCT/FI2007/000265
【国際公開番号】WO2008/056021
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(509129473)
【Fターム(参考)】
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