説明

粒子状担体およびこれを用いた生体関連物質の処理方法

【課題】本発明は、正確に試料の定量を行うことができる磁気ビーズ、および該ビーズを使用した生体関連物質の処理方法を提供することを目的とする。より詳細には、磁気ビーズの回収方法、回収率を正確に定量する方法、回収時にトラップされなかった磁気ビーズのリーク量を測定する方法、および磁気ビーズの容器への吸着を減少させる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、希土類元素を含むガラスであることを特徴とするガラス粒子を提供する。また、本発明は、生体関連物質の処理方法であって、前記生体関連物質と上記ガラス粒子を結合させる工程と、前記ガラス粒子に励起光を照射する工程と、前記ガラス粒子から発生する蛍光を検出する工程を含むことを特徴とする生体関連物質の処理方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子状担体およびこれを用いた生体関連物質の処理方法、検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核酸等の抽出、回収、分離等を行うために、種々の装置が開発されている。たとえば、特許文献1には、磁気ビーズと分注機を使用して核酸等の抽出、回収、分離等を行うことができる装置が開示されている。この開示において用いられている従来の磁気ビーズの担体は、金属酸化物(たとえは酸化鉄)などの磁性体を含むポリスチレン(PS)等の樹脂の不透明な粒子であった。また、このような粒子に、親水性処理などの各種表面コーティング、または各種抗体・アビジンなどの特異的な結合を形成する物質で表面処理を施した粒子であった。これらの磁気ビーズと磁石を組み合わせて、試料の分離・抽出などを行なっていた。
【0003】
しかし、これらの磁気ビーズを使用して試料の分離・抽出などを行なう場合は、以下のような問題が生じていた。
1.磁石による磁気ビーズのトラップを行なう際に、磁気ビーズ自体が必ずしも100%回収されない。
2.磁石による磁気ビーズのトラップの際に、トラップされた量を確認することは困難であった。磁石付近にトラップされたビーズの見かけ量から、または溶液の濁度の変化から確認するしかなく、安定した形状を取らないため見積もるのが困難であった。このため、磁石にトラップされた磁気ビーズの量を正確に見積もることはできなかった。
3.磁気ビーズが磁石にトラップされずにリークした場合、そのリーク量を見積もることが困難であった。
4.磁石による磁気ビーズのトラップを行なう際に特にプラスチックの容器を用いると、磁気ビーズが器壁に付着してしまい回収量が減少してしまった。
【0004】
その他、磁気ビーズを使用して試料の分離・抽出などを行なう際の問題点として、特許文献2には、従来のガラスを含まない表面の磁気ビーズは分離したくない成分も捕捉してしまう旨が開示されている。
【0005】
一方、磁性体をガラスコーティングしたビーズで核酸を分離することが、特許文献2に開示されている。このようなビーズは、ガラス表面を有するので、球形にし易く、自己凝集が起こりにくいといった特徴があることや、また、磁性体は、フェライト系(褐色)であるので、色素として機能する旨が開示されている。
【0006】
しかし、磁性体をガラスコーティングしたビーズを使用しても、磁気ビーズのトラップの際に回収できないビーズの量、すなわちリークしたビーズの量を定量することはできなかった。したがって、回収された磁気ビーズを正確に定量することができ、正確に試料の定量を行うことができる方法が望まれている。
【特許文献1】特許第3115501号公報
【特許文献2】特表2002−531084号公報
【特許文献3】特表2003−514383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、磁気ビーズを使用して試料の分離・抽出などを行なう際の上記問題点を解決することを目的とする。
【0008】
すなわち、本発明は、正確に試料の定量を行うことができる磁気ビーズ、および該ビーズを使用した生体関連物質の処理方法を提供することを目的とする。より詳細には、磁気ビーズの回収方法、回収率を正確に定量する方法、回収時にトラップされなかった磁気ビーズのリーク量を測定する方法、および磁気ビーズの容器への吸着を減少させる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決すべく鋭意研究の結果、磁性と蛍光の両方を兼ねる材料を使用した磁気ビーズを利用することによって、生体関連物質の処理の際に回収された磁気ビーズを正確に定量することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、希土類元素を含むガラスであることを特徴とする粒子状担体を提供する。
【0011】
また、本発明は、子状の担体であって、光透過性および磁性を有する希土類化合物を含有することを特徴とする粒子担体を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、光透過性の基剤内部に、前記光透過性および磁性を有する希土類化合物を含有することを特徴とする粒子担体を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、光透過性および磁性を有する希土類化合物が、ガラスであることを特徴とする粒子担体を提供する。
【0014】
さらに、本発明は、光透過性および磁性を有する希土類化合物が、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ディスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテリビウムから選択される1種類を含有することを特徴とするガラス粒子を提供する。
【0015】
さらに、本発明は、光透過性および磁性を有する希土類化合物が、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ディスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテリビウムから選択される2種類以上を含有していることを特徴とするガラス粒子を提供する。
【0016】
さらに、本発明は、粒子状担体がさらにSiO2で被覆された粒子であることを特徴とする粒子状担体を提供する。
【0017】
さらに、本発明は、粒子状担体がさらに磁気粒子をコアとする粒子であることを特徴とする粒子状担体を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、粒子状担体がさらにジルコニウムを含有することを特徴とする粒子状担体を提供する。
【0019】
さらに、本発明は、粒子状担体が粒子状担体がさらに結晶化ガラスを含むこと特徴とする粒子状担体を提供する。
【0020】
さらに、本発明は、粒子状担体の表面に、生体関連物質と結合可能な物質が修飾されていることを特徴とする粒子状担体を提供する。
【0021】
また、本発明は、生体関連物質の処理方法であって、生体関連物質と上記粒子状担体を結合させる工程と、粒子状担体に励起光を照射する工程と、粒子状担体から発生する蛍光を検出する工程を含むことを特徴とする生体関連物質の処理方法を提供する。
【0022】
さらに、本発明は、上記生体関連物質の処理方法であって、上記粒子状担体に励起光を照射する工程において、上記粒子状担体は溶液に分散されており、かつ上記粒子状担体への照射は該溶液に励起光を照射することを特徴とする生体関連物質の処理方法を提供する。
【0023】
さらに、本発明は、生体関連物質の処理方法であって、生体関連物質と結合可能な物質で修飾されている粒子状担体を、その希土類元素の含有量によってアドレッシングする工程と、生体関連物質と粒子状担体を結合させる工程と、粒子状担体に励起光を照射する工程と、粒子状担体から発生する蛍光を検出する工程とを含むことを特徴とする生体関連物質の処理方法を提供する。
【0024】
さらに、本発明は、上記生体関連物質の処理方法であって、検出された蛍光の波長および/または強度の比の割合によって前記ガラス粒子をソートする工程をさらに含むことを特徴とする生体関連物質の処理方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の粒子状担体について説明する。
【0026】
本発明の1つの態様において、本発明の粒子状担体は、の磁性と蛍光の両方を兼ねる材料を含む粒子状担体、特にガラス粒子であることを特徴とする。本発明者らは、このような特性を有する材料として、希土類元素に着目した。
【0027】
希土類元素を高濃度含有したガラスの磁気的な性質を測定すると、たとえば、25B2O3-15SiO2-5P2O5-15Ga2O3-40Dy2O3 (mol%)の組成のガラスと25B2O3-15SiO2-5P2O5-15Ga2O3-40Tb2O3(mol%)のガラスの最大体積磁化は、15〜20emu/cm3であり、磁化率は0.9〜1.3x10-2である。これらのガラスは、大きな磁化率を有しており、磁石に付着する。希土類元素は、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ディスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテリビウムを含むが、磁力の強さより、本発明のガラス粒子の材料として好ましい希土類元素は、ガドリニウム、テルビウム、ディスプロシウム、ホルミウム、エルビウムである。また、希土類元素を高濃度に含有させるためには、複数の希土類元素を使用することが好ましい。希土類元素を多く含有させることのでき、かつ、化学的に安定なガラス組成は、B2O3系ガラス、SiO2-B2O3系ガラス、SiO2-B2O3-P2O5系ガラス、SiO2-Al2O3系ガラスが挙げられる。
【0028】
一方、希土類元素を高濃度で含有したガラスは、励起光を照射することによって蛍光を発光させることができる。蛍光の波長は、希土類元素により異なっている。たとえば、ユウロピウム、テルビウム、サマリウム、ネオジム、ディスプロシウム、ガドリニウムを含有したガラスは、特に強い蛍光を発生する。
【0029】
したがって、このようなガラス粒子は、生体関連物質の標識としても使用することも可能である。ガラス中の希土類元素は、酸化物として非常に安定な状態で存在しているので、励起光を照射しても、生体関連物質の標識として通常使用される蛍光色素に見られるような褪色の減少がほとんどない。
【0030】
また、生体関連物質の処理を行う場合は、ピペットチップやウエルプレート等の樹脂容器を用いることが多く、これらの容器に光を照射すると蛍光を発光することが多い。これらの容器によって発生される蛍光の寿命は、nsec.(ナノ秒)以下である。しかし、希土類元素による蛍光寿命は、非常に長く、数百μsec.(マイクロ秒)程度またはそれ以上である。従って、励起後にこれらの容器から発生した蛍光が消光した後も、ガラス粒子からは蛍光が発生されたままであり、ガラス粒子からの蛍光のみを測定することができる。このため、このようなガラス粒子は、樹脂容器を用いた種々の処理や検出に適用することができる。
【0031】
また、従来の磁気ビーズは、磁性粒子の表面に樹脂をコーティングしていることが多く、静電気的に特に樹脂容器の器壁へ吸着してしまったが、本発明のガラス粒子は、ガラスなので表面に水酸基が多く存在するので電荷を帯びにくく、容器の器壁へ吸着が減少する。したがって、ガラス粒子の回収率を向上させることができる。
【0032】
ガラス中に含有させる希土類元素は、使用目的により、磁気的な性質と発光波長を勘案して選択することができる。上述のとおり、希土類元素は、200〜400nmの励起光を照射することにより種々の波長の蛍光を発光させることが可能である。例えば、テルビウム(Tb)を用いた場合は約540nm、ディスプロシウム(Dy)では約580nm、ユーロピウム(Eu)では約620nm、サマリウム(Sm)では約650nmの蛍光を発光させることができる。また、複数の希土類元素を含有していたときでも同じ励起波長で、異なる蛍光を発光するので、発光波長が異なる複数の希土類元素を任意の割合で含有したガラス粒子を使用することにより、ガラス粒子間の識別に使用することも可能である。すなわち、各ガラス粒子を予め種々の蛍光成分に対応づけておくことにより(すなわち、アドレッシングすることにより)、励起光によって発光される蛍光波長および/またはその強度の比率を測定することによってガラス粒子を識別することができる。
【0033】
たとえば、2種類の希土類元素を使用して、ガラス粒子を2次元でアドレッシングする場合を想定する。図5に示したように、RとBの2種の希土類元素を蛍光成分としてガラス粒子に加えることにより、ガラス粒子自体をアドレッシングすることができる。R元素とB元素は、それぞれ独立して測定可能な蛍光を発生する元素を選択することが好ましい。各元素の量を10段階でアドレッシングしておけば、R元素とB元素の量元素からの蛍光の比率を測定することにより、10×10=100の合計100種のガラス粒子を識別することが可能になる。さらに元素を追加したり(すなわち、次元(蛍光の種類)を増加する)、蛍光強度の分解能を上げることによって多数のアドレッシングが可能になる。
【0034】
本発明のガラス粒子を励起させるための励起波長は、たとえば希土類元素レーザーを用いてガラス粒子を励起する場合には、He-Cdレーザー(325nm)、N2レーザー(337nm)を用いることができる。紫外線ランプ等を用いても良い。また、別の検出方法として、アップコンバージョンと言われているエネルギーの継ぎ足しによる吸光と発光の関係を用いることが可能である。近赤外域の波長の光を希土類元素を含有した担体に照射すると可視光に変換される。例えば、ツリウム(Tm)を含有した担体では、650nmの光を照射すると、450nmのアップコンバージョン蛍光が発光する。また、エルビウム(Er)とイッテリビウム(Yb)を含有した担体では、エルビウムによるアップコンバージョン蛍光がイッテリビウムにより増感されるのでより好ましい。この場合も、近赤外域の光に対して緑色の可視光を発生する。エネルギーの低い長波長の光で検出可能になるので、処理対象または検出対象である生体関連物質にダメージを与えることが少ない。以上に述べた、アップコンバージョンの作用は、化学的な耐性が高いSiO2系ガラスでは弱く、化学的な耐性があまり高くないフッ化物ガラスで良好である。したがって、アップコンバージョンの作用の高いフッ化物ガラスを、化学的な耐性が高いSiO2系ガラス等でコーティングして用いると、生体関連物質の種々の処理または検出に良好に用いることができる。たとえば、図12に示したものなどの表面がSiO2で被覆されたガラス粒子である。
【0035】
本発明の粒子状担体に使用する「ガラス」は、測定用の波長の光に対して透過率が70%以上であることが好ましい。ガラス粒子全体が不透明であったり、着色されていると、検出のための光が散乱されたり、吸収されてしまい、十分に励起光が照射されないことがある。しかし、測定波長に対して透明であるほど検出のための光が散乱されたり、吸収されにくくなるので、励起されないガラス粒子が非常に少なくなるので好ましい。本発明のガラス粒子は、ガラス以外にも、例えば、SiO2-Al2O3-PbF2-CdF2-YbF3-ErF3を熱処理して得られた透明結晶化ガラスを用いることも可能である。なお、本発明における蛍光や磁気の特性は、希土類元素に性質によるものが支配的であり、ガラスだけでなく希土類元素を含んだセラミックスも本発明を適用することが可能である。
【0036】
また、本発明の粒子状担体は、光透過性の基剤内部に、光透過性および磁性を有する希土類化合物を含有していてもよい。「光透過性の基剤内部に、光透過性および磁性を有する希土類化合物を含有する」とは、粒子が複層構造であることを意味している。光透過性の基剤には、ガラス、セラミックス、樹脂等の検出等に用いる光に対して透過性を有するものであれば特に制限はない。たとえば、好ましくはケイ酸塩ガラスであり、より好ましくは、SiO2やさらにジルコニウムを含むガラスが挙げられる。また、樹脂を用いることも可能であり、樹脂は、蛍光を発することが多いが、時間分解蛍光法により樹脂からの発光が減衰してから信号の取得を行うとよい。
【0037】
上述のようなガラスの粒子は、当業者に既知の種々の方法で作製可能である。たとえば、任意の希土類元素を含有するガラスを粉砕した後に、分級し、熱処理を行なった後に、再び分級して作製することができる。また、ガラスファイバーを粉砕して作製しても良い。
【0038】
本発明のガラス粒子の形状は、グラスファイバー形状、ピラー(円柱)形状、円盤形状、板状、多角体、不定形等、種々の形状のものを使用することができる。ガラスは、軟化点以上の高温にすると、容易に球状になる。これを分級することにより容易に粒径をそろえることができるので、重さ等の特性の揃ったガラス粒子を製造することができる。
【0039】
また、本発明のガラス粒子のみの磁力だけではなく、従来からの磁性粒子に本発明のガラスをコーティングすることにより、さらに強い磁性と蛍光の両方の特性を有する粒子を作製することも可能である。従来の磁性粒子を用いた場合は、被検物質が酸化されたり、還元されたりしてダメージを与えてしまう場合があるが、本発明において、酸化物ガラス粒子を用いたときは、非常に安定な物質であるので、被検物質にダメージを与えることがない。
【0040】
また、本発明のガラス粒子は、任意の粒径を有することができるが、たとえば、0.1μm〜1mm、好ましくは0.1μm〜500μm、より好ましくは1μm〜20μmである。
【0041】
また、被検物質の溶解用のバッファーは、アルカリ性の場合があるので、このような場合は、ガラス粒子にZrを含有させておくことで耐アルカリ性が向上するのが好ましい。
【0042】
作製したガラス粒子は、ガラス粒子の表面に、生体関連物質と結合可能な物質で修飾されていてもよい。たとえば、ガラス粒子表面に種々の処理を行って、生体関連物質を捕捉する物質を付加しておくことができ、該ガラス粒子を種々の処理に使用することができる。ガラス表面への生体関連物質と結合可能な物質の付加は、従来の磁気ビーズに該物質を付加する場合と同様の方法を使用することができる。たとえば、上記ガラス粒子を種々のシランカップリング剤溶液と接触させて、アミノ基、チオール基、エポキシ基等の種々の官能基を付加することができる。より具体的には、シランカップリング剤であるアミノシラン溶液によりガラス粒子を処理し、表面にアミノ基を付加した後、DMSOまたはDMF溶液中で大過剰のDSS(Disuccinimidyl suberate)処理を行ってリンカーを付加し、最後に水相でアミノ標識した核酸と反応させることによって、ビーズ表面に核酸を固定することができる。シランカップリング剤でガラス粒子を処理した後に、アビジン溶液を接触させて、アビジンを付加することも可能である。
【0043】
本発明のもう1つの態様において、生体関連物質の処理方法であって、前記生体関連物質と上記ガラス粒子を結合させる工程と、ガラス粒子に励起光を照射する工程と、ガラス粒子から発生する蛍光を検出する工程を含むことを特徴とする生体関連物質の処理方法が提供される。
【0044】
従来、生体関連物質を分離する場合、たとえばストレプトアビジンとビオチンの結合を利用して核酸を抽出する処理を行う場合、以下のような工程で行われていた。
【0045】
1.生体関連物質としてビオチン標識化された核酸溶液を使用する。たとえば、ビオチン標識化されたプライマーを使用するPCR産物などによって得ることができる。これに塩を加えて、ビオチン-アビジン結合を形成するのに好適な塩濃度にする。
2.上記修飾された磁気ガラス粒子のコンディショニング(保存料の洗浄除去など)および磁気トラップを用いた液体の除去を行う。
3.溶媒を除去した磁気ビーズに核酸溶液を加え、反応(キャプチャー)させる。
4.磁気トラップを用いた試料溶液の除去。
5.磁気トラップを用いたビーズの洗浄。場合によっては複数回行う。
6.磁気トラップを用いた核酸の溶出。この工程以降は、任意の工程である。
【0046】
このように、磁気ビーズによる抽出は、溶液中から特定の物質を蒸留・乾固・再結晶など大きなエネルギーやストレスを与えることなく分離することが可能である。しかし、磁気ビーズを用いることで、器壁への吸着、磁気トラップでのリーク、特異結合の効率などによりいくらかの割合でロスを生じるため収率の見積もりが難しかった。
【0047】
一方、本発明に用いられる蛍光磁気ビーズを用いると、少なくとも特異結合の効率を除くビーズ自体の収率を見積もることができる。
【0048】
以下、上記ガラス粒子を使用した生体関連物質の処理方法について、図面を参照して説明する。
【0049】
本方法では、磁気ビーズによる分離・抽出・精製操作において、磁気ビーズとして、所望の生体関連物質と特異的に結合する物質で修飾されたガラス粒子を使用する。該ガラス粒子が磁力に応答する性質およびガラス粒子表面に修飾した物質が所望の生体関連物質と特異的に結合する性質を利用する。
【0050】
本明細書において使用される「生体関連物質」とは、生体から抽出、単離等された物質を意味するが、生体から直接抽出されたものだけでなく、これらを化学処理、化学修飾等したものも含まれる。たとえばホルモン類、サイトカイン、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、糖鎖、アブザイム、その他のタンパク、核酸、cDNA、DNA、mRNA、RNA、人工核酸、その他の核酸などの物質である。これらの「生体関連物質」と特異的に結合可能な物質が磁性ガラス粒子の表面に処理されることにより、処理対象である生体関連物質を捕捉することができる。たとえば、ホルモン類、サイトカイン、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、糖鎖、アブザイム、その他のタンパク質、並びに核酸、cDNA、DNA、RNA、人工核酸、その他の核酸等を上記磁性ガラス粒子の表面に処理することができる。
【0051】
まず、検出対象の生体関連物質の試料溶液および該生体関連物質を捕捉するための表面処理を行なった磁気ガラス粒子溶液を準備する(図1および2、第1段)。磁気ガラス粒子には、上記生体関連物質と結合可能な物質で修飾されたガラス粒子を使用すればよい。たとえば、生体関連物質にビオチン標識化された核酸溶液を捕捉する場合、磁気ガラス粒子をアビジンで修飾しておけばよい。また、ガラス粒子は、コンディショニング(保存料の洗浄除去など)を行うことが好ましい(図1および2、第2段)。試料溶液は、ガラス粒子の表面に結合された生体関連物質を捕捉するための分子との結合を形成させるために適した条件の溶液にすることが好ましい(図1および2、第1段)。
【0052】
次いで、準備した試料溶液に含まれる検出対象の生体関連物質を、上記磁気ガラス粒子に結合させる。結合は、たとえば、試料溶液と、ガラス粒子の表面に結合された生体関連物質を捕捉するための分子との結合を形成させるために適した条件下において、試料溶液とガラス粒子溶液を混合することによって行うことができる(図1および2の第3段)。
【0053】
このとき、混合液中のガラス粒子の量を測定することもできる。たとえば、混合液に励起光を照射して、ガラス粒子からの蛍光を測定することによって、混合液に含まれる全ガラス粒子の蛍光量を見積もることができる(図3、第1段)。
【0054】
また、生体関連物質をガラス粒子に結合させた後、洗浄操作などのさらなる操作を行ってもよい。通常、磁気ビーズによる分離・抽出・精製操作では、洗浄操作を行うことが好ましいであろう。たとえば、洗浄操作のために、上記混合液中の磁気ガラス粒子を磁気トラップによってトラップする(図1、第4段)。次いで、試料溶液を別の容器に移す。任意に、さらに洗浄するために、洗浄用の溶液をトラップされたガラス粒子を含む容器に添加して洗浄し、再度ガラス粒子をトラップし、添加した溶液を別の容器に移してもよい。これらの回収した溶液中には、磁気トラップによってトラップされずにリークしたガラス粒子が含まれていると考えられる。
【0055】
次いで、リークしたガラス粒子に励起光を照射する。励起光の照射は、上述のとおりに、たとえば希土類元素レーザーを用いてガラス粒子を励起する場合には、He-Cdレーザー(325nm)、N2レーザー(337nm)を用いることができる。紫外線ランプ等を用いても良い。また、別の検出方法として、アップコンバージョンと言われているエネルギーの継ぎ足しによる吸光と発光の関係を用いることが可能である。近赤外域の波長の光を希土類元素を含有した担体に照射すると可視光に変換される。例えば、ツリウム(Tm)を含有した担体では、650nmの光を照射すると、450nmのアップコンバージョン蛍光が発光する。
【0056】
また、ガラス粒子に励起光を照射する際に、ガラス粒子は、溶液中に分散されていてもよく、この場合、ガラス粒子への照射は、該分散液に励起光を照射してもよい。
【0057】
次いで、ガラス粒子から発生する蛍光を検出する。蛍光の検出は当業者に既知のいずれの方法を使用して行うこともできる。たとえば、実施例4に記載したものなどの蛍光量測定装置を使用して、試料溶液を収容する容器内において蛍光を測定することもできる(図6)。
【0058】
上記方法によって、捕捉されずにリークした磁気ガラス粒子の量を正確に定量することが可能となる。したがって、試料溶液中に含まれていた検出対象の生体関連物質を正確に定量することも可能となる。
【0059】
また、上記方法において、2種類以上の希土類元素を組み合わせて含有するガラス粒子を使用することにより、ガラス粒子をアドレス化して、複数の生体関連物質の処理を行うことができる方法が提供される。
【0060】
たとえば、上述したように2次元でアドレッシングしたガラス粒子を使用する場合を想定する(図5)。
【0061】
まず、希土類元素の含有率の異なるガラス粒子を準備する。これらのアドレッシングされたガラス粒子の表面を、各アドレス毎に特定の物質で修飾しておく。これらのガラス粒子と検出対象の生体関連物質を使用して上記方法を行うことにより、複数の生体関連物質について同時に処理が可能となる。
【0062】
まず、希土類元素の含有率の異なるガラス粒子を、それぞれ生体関連物質と結合可能な物質で修飾する。このとき、結合可能な生体関連物質と該ガラス粒子を、その希土類元素の含有量によってアドレッシングする。
【0063】
次いで、これらのガラス粒子と検出対象の生体関連物質を結合させる。次いで、これらのガラス粒子に励起光を照射する。次いで、励起されたガラス粒子から発生する蛍光を検出する。このとき、ガラス粒子に含まれるそれぞれの希土類からの蛍光を測定する。蛍光の検出は当業者に既知のいずれの方法を使用して行うこともできる。
【0064】
このとき、アドレッシングされたガラス粒子を、検出された蛍光に基づいてソートする。たとえば、フローサイトメトリーを利用してガラス粒子をソートすることができる。次いで、ソートされたガラス粒子毎に、修飾されたガラス粒子に結合した生体関連物質を処理することができる。たとえば、ガラス粒子をソートする場合、〜500μm程度の径のフローセル内が完全な層流となるように調整してシース液を流す。ここに、検出対象の生体関連物質と結合させたガラス粒子をインジェクトする。次いで、フローセル内を流れるビーズに向かいレーザーを照射し、ガラス粒子のアドレスである蛍光情報(すなわち、ガラス粒子に含まれる各希土類元素からの蛍光)を読み取る。読み取ったガラス粒子のアドレスにしたがって、フローセル内に磁場をかけてガラス粒子が流れる位置を変化させる。変化させたガラス粒子の流れる位置にしたがってフラクションを行なう。
【0065】
上記方法によれば、1つの容器内において、試料に含まれる複数の生体関連物質を同時に分離・抽出・精製することが可能となる。
【実施例】
【0066】
実施例1 磁気トラップ時にリークしたビーズ量を計測する方法
たとえば、ストレプトアビジンで修飾された25B2O3-15SiO2-5P2O5-15Ga2O3-40Tb2O3(mol%)の磁気ガラス粒子によるビオチンで修飾された核酸の抽出を例に取ると、以下の工程で核酸を抽出することができる。
【0067】
1.検出対象のビオチンで修飾された核酸を含む試料溶液および該核酸を捕捉するためのストレプトアビジンで表面修飾を行なった磁気ガラス粒子溶液を準備する(図1および2、第1段)。
【0068】
2.ビオチン標識化された核酸溶液に塩を加え、ビオチン-アビジン結合を形成するのに好適な塩濃度にする(図1、2段目左)。
【0069】
3.磁気ガラス粒子のコンディショニング(保存料の洗浄除去など)、磁気トラップを用いた液体の除去(図1、2段目右)を行う。
【0070】
4.次いで、上記液体を除去した磁気ガラス粒子に核酸溶液を加え、反応(キャプチャー)させる。
【0071】
5.磁気トラップを用いて試料溶液の除去を行う(図1、4段目)。たとえば、磁気とラップとしては、生体関連物質の処理に使用する容器の形態に適した磁石を使用することができる。
【0072】
6.除去した試料溶液中の蛍光測定を行う(図1、5段目)。すなわち、上記工程で除去した試料溶液を廃棄せずに、該溶液に励起光を照射して、該溶液に含まれているガラス粒子からの蛍光を測定する。
【0073】
上記各工程に適した反応条件などは、当業者であれば容易に見出すことができるであろう。
【0074】
上記方法により、上記工程で磁気トラップによって捕捉されずに、除去した試料溶液中にリークしたガラス粒子の量を見積もることが可能となる。あるいは、除去した試料溶液中のガラス粒子を計数することによってもリークしたビーズ量を見積もることができる。たとえば、フローサイトメトリーなどを使用して、ガラス粒子からの蛍光を利用してガラス粒子を計数することができる。上記方法によって、捕捉されずにリークした磁気ガラス粒子の量を正確に定量することが可能となる。したがって、試料溶液中に含まれていた検出対象の生体関連物質を正確に定量することも可能となる。
【0075】
図1下段では、除去した試料溶液中での磁気トラップ、蛍光測定を図示しているが、ピペットチップ中での磁気トラップ(図6)、蛍光測定、フローサイトメトリーを用いてのカウントも可能である。
【0076】
実施例2 回収したビーズ総量を見積もる方法
上記のリークしたガラス粒子量の測定方法と同様に、本発明のガラス粒子を使用することにより、磁気とラップによって回収されたガラス粒子の量(ガラス粒子の収率)も見積もることが可能である。たとえば、以下の工程によって実施することができる。
【0077】
1.PCR産物などのビオチン標識化された核酸溶液に塩を加え、ビオチン-アビジン結合を形成するのに好適な塩濃度にする(図2、2段目左)。
【0078】
2.磁気ガラス粒子のコンディショニング(保存料の洗浄除去など)、磁気トラップを用いた液体の除去を行う(図2、2段目右)。
【0079】
3.溶媒を除去した磁気ビーズに核酸溶液を加える(図2、3段目)。次いで、これらを反応(キャプチャー)させる(図2、4段目)、その間に懸濁状態の溶液に励起光を照射して蛍光量を測定し、この値を蛍光量F0とする(図3、1段目)。
【0080】
4.磁気トラップを用いた試料溶液を除去する(図3、2段目)。
【0081】
5.トラップされたガラス粒子に洗浄液を添加し(図3、3〜図4、1段目)、次いで磁気トラップでガラス粒子をトラップすることにより(図4、2段目)、ビーズを洗浄する。これを繰り返して、適当な回数洗浄してもよい。
【0082】
6.洗浄後、トラップされたガラス粒子に適切な溶液を添加する。次いで、懸濁状態の溶液に励起光を照射して蛍光量を測定する(図4、3段目)。この値をF1とすると、F0- F1によってリークしたガラス粒子の量を見積もることができる。
【0083】
ここでは、容器中での磁気トラップ、蛍光測定を図示しているが、ピペットチップ中での磁気トラップ、蛍光測定、フローサイトを用いてのカウントも可能である。
【0084】
上記方法により、回収された磁気粒子の量(F1)のみならず、磁気トラップによって捕捉されずに、除去した試料溶液中にリークしたガラス粒子の量を見積もることが可能となる(F0- F1)。また、ガラス粒子の蛍光から見積もるのではなく、除去した試料溶液中のガラス粒子を計数することによってもリークしたビーズ量を見積もることができる。たとえば、フローサイトメトリーなどを使用して、ガラス粒子からの蛍光を利用してガラス粒子を計数することができる。上記方法によって、捕捉されずにリークした磁気ガラス粒子の量を正確に定量することが可能となる。したがって、試料溶液中に含まれていた検出対象の生体関連物質を正確に定量することも可能となる。
実施例3 容器器壁に付着した蛍光ビーズ量の測定
上記生体関連物質の処理方法において、ガラス粒子を含む懸濁液をいくつかの容器間で移動させる場合、器壁に吸着し回収されないガラス粒子の量を計測することができる。
たとえば、図5に示したように、ガラス粒子を含む懸濁液を容器から除去した後に、該容器に励起光を照射して発生する蛍光を測定することにより、容易に残留するガラス粒子の量を計測することができる。
【0085】
実施例4 ビーズ量の測定をピペットチップ内で行なうガラス粒子蛍光量測定装置の例
実施例1〜2に示した蛍光量の測定は、容器内でおこなれているが、図6に例示したようにリキッドハンドラー内部に光路を配置された装置を使用することにより、ピペットチップ内でガラス粒子の量の計測が可能となる。簡単には、該装置は、リキットハンドラー6の一部に透化窓8を設置し、この透化窓8を透過してレーザー/PMT9からの励起光がリキットハンドラー6内に照射され、光学ミラー7介してピペットチップ5内のガラス粒子3を含む懸濁液に照射される。励起されたガラス粒子3からは、蛍光が発光され、この蛍光が光学ミラー7を介して透化窓を透過して、レーザー/PMT9によって検出される。また、リキットハンドラー6をエアシリンダー10に接続しておくことにより、自動装置等によってピペットチップ5内にガラス粒子3を含む懸濁液を吸引することができる。
【0086】
また、同様の原理でピペットチップ5内に残留したガラス粒子量の検出も可能である。さらに、従来、無蛍光材料ではないピペットチップ基材を使用すると、該材料からの蛍光のためにガラス粒子のみの蛍光を測定することが困難であったが、本発明の遅延蛍光性をもつガラス粒子を利用することにより、材料由来の蛍光が消失後にガラス粒子由来の蛍光のみを測定することも可能である。
【0087】
なお、図6においては、レーザーPMTを使用しているが、その他の光源、受光装置であってもかまわない。
【0088】
実施例5 2次元でアドレッシングしたビーズアレイに応用した例を示す
図7では、2色の蛍光成分としてRとBの2種の希土類元素ガラス粒子に加えることで、ガラス粒子自体がアドレッシングされている。R成分とB成分は、それぞれ独立しており、各希土類元素を10段階でガラス粒子に含有させてアドレッシングした場合、RとBの両希土類元素からの蛍光を測定することにより、10x10=100の合計100種のガラス粒子を区別することが可能になる。さらに次元(色)を追加するために希土類元素の種類を増加したり、蛍光強度の分解能をあげることにより、希土類元素の含有量を変化させて多数のアドレッシングが可能になる。
【0089】
これらの100種のアドレッシングされたガラス粒子の表面を各アドレスごとに特定の物質で修飾し、ガラス粒子と標的物質の間で特異結合を形成させることで、標識した100種類の物質の検出、ソートが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明のガラス粒子を使用した生体関連物質の処理方法の一つの態様を示す図。
【図2】本発明のガラス粒子を使用した生体関連物質の処理方法の一つの態様を示す図。
【図3】本発明のガラス粒子を使用した生体関連物質の処理方法の一つの態様を示す図。
【図4】本発明のガラス粒子を使用した生体関連物質の処理方法の一つの態様を示す図。
【図5】本発明のガラス粒子を使用した生体関連物質の処理方法の一つの態様を示す図。
【図6】本発明のガラス粒子を使用した生体関連物質の処理方法に使用することができるガラス粒子蛍光量測定装置の一つの態様を示す図。
【図7】本発明のガラス粒子を使用したアドレッシングの例を示す図であって、図中、矢印方向に各成分の含有量を増大させた場合の例を示す図。
【図8】本発明のガラス粒子の一つの態様を示す図。
【符号の説明】
【0091】
1・・・チューブ
2・・・試料溶液
3・・・ガラス粒子
4・・・磁気トラップ
5・・・ピペットチップ
6・・・リキットハンドラー
7・・・光学ミラー
8・・・透化窓
9・・・レーザー光源
10・・・エアシリンダー
11・・・ガラス粒子
12・・・SiO2被覆
13・・・光検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子状の担体であって、光透過性および磁性を有する希土類化合物を含有することを特徴とする粒子担体。
【請求項2】
光透過性の基剤内部に、前記光透過性および磁性を有する希土類化合物を含有することを特徴とする、請求項1に記載の粒子状担体。
【請求項3】
前記光透過性および磁性を有する希土類化合物が、ガラスであることを特徴とする、請求項1または2に記載の粒子状担体。
【請求項4】
前記光透過性および磁性を有する希土類化合物が、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ディスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテリビウムから選択される1種類を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒子状担体。
【請求項5】
前記光透過性および磁性を有する希土類化合物が、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ディスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテリビウムから選択される2種類以上を含有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子状担体。
【請求項6】
前記粒子状担体がさらにSiO2で被覆された粒子であることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の粒子状担体。
【請求項7】
前記粒子状担体がさらに磁気粒子をコアとする粒子であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粒子状担体。
【請求項8】
前記粒子状担体がさらにジルコニウムを含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒子状担体。
【請求項9】
前記粒子状担体がさらに結晶化ガラスを含むこと特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子状担体。
【請求項10】
前記粒子状担体の表面に、生体関連物質と結合可能な物質が修飾されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の粒子状担体。
【請求項11】
生体関連物質の処理方法であって、
前記生体関連物質と請求項10に記載の粒子状担体を結合させる工程と、
前記粒子状担体に励起光を照射する工程と、
前記粒子状担体から発生する蛍光を検出する工程、
を含むことを特徴とする生体関連物質の処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の生体関連物質の処理方法であって、前記粒子状担体に励起光を照射する工程において、前記粒子状担体は溶液に分散されており、かつ前記粒子状担体への照射は該溶液に励起光を照射することを特徴とする生体関連物質の処理方法。
【請求項13】
生体関連物質の処理方法であって、
前記生体関連物質と結合可能な物質で修飾されている請求項10に記載の粒子状担体を、その希土類元素の種類および/または含有量によってアドレッシングする工程と、
前記生体関連物質と前記粒子状担体を結合させる工程と、
前記粒子状担体に励起光を照射する工程と、
前記粒子状担体から発生する蛍光を検出する工程と、
【請求項14】
請求項13に記載の生体関連物質の処理方法であって、前記検出された蛍光の波長および/または強度の比のによって前記ガラス粒子をソートする工程をさらに含むことを特徴とする生体関連物質の処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−170662(P2006−170662A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−360166(P2004−360166)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】