説明

粘弾性導光体を有する再帰反射物品及びデバイス

本明細書は、光源と、粘弾性導光体と、光の再帰反射に適した再帰反射フィルムと、を有する光学デバイスを開示するものである。光源からの光は、粘弾性導光体に進入し、かつ全反射によって導光体内部で輸送される。輸送された光は、導光体から抽出され、再帰反射フィルムの構造化表面で再帰反射される。光学デバイスは、導光体及び再帰反射フィルムの相対的な位置決めに応じて、「フロントライト」又は「バックライト」構成を有することができる。再帰反射フィルムは、プリズム型再帰反射性シーティング、ホログラフィックフィルム、又は回折格子で構造化されたフィルムを備えることができる。光学デバイスは、例えば、標識若しくはマーキング、ナンバープレートアセンブリ、車両用テールライトアセンブリ、文書を不正変更から保護するためのセキュリティラミネート、又は照明装置として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学物品及びデバイスに関し、特に再帰反射性のものに関する。光学物品及びデバイスには、粘弾性材料で作製された導光体が含まれる。
【背景技術】
【0002】
再帰反射フィルムは、入射光を発光源に反射し返す能力を特徴とする。「プリズム型」再帰反射性シーティングと呼ばれることもあるキューブコーナー再帰反射性シーティングは、通常、実質的に平面の第1の表面と、複数のキューブコーナー要素を含む第2の構造化表面とを有する、薄い透明層を備える。各キューブコーナー要素は、薄い透明層の表面に、3つの反射面で形成される。反射面への入射光は、光源に戻るよう方向づけられる前に、多数の追加的な反射を受けることがある。プリズム型再帰反射性シーティングは、ナンバープレート、道路標識、バリケード、路面表示、標識テープ用といった交通安全用途、並びに衣服、ヘッドギア、車両など用のテープを含む個人の安全用途において、使用され得る。プリズム型再帰反射性シーティングは、グラフィックアートの用途において看板を提供するために使用することもある。
【0003】
プリズム型再帰反射性シーティングは、入射光の大部分を発光源に反射し返すことができる点が知られている。しかしながら、プリズム型再帰反射性シーティングは、光源がなければ、一部の条件下で見えにくい場合がある。
【0004】
導光体は、光源よりもはるかに大きい領域にわたる、光源からの配光を促進するために使用される。導光体は、光透過性材料を含み、スラブ、楔、擬楔など、異なる形状を有し得る。ほとんどの導光体は、端面で光を受容するように設計されており、この光が、全反射によって、裏面と出力面との間を、光の進入とは反対の端面に向かって伝播することを可能にする。光は、出力面上に様々なパターンで配置された抽出機構を用いて、出力面から均一に発光される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、光源と、粘弾性導光体(viscoelastic lightguide)と、光の再帰反射に適した再帰反射フィルムと、を有する光学デバイスを開示するものである。光源からの光は、粘弾性導光体に進入し、かつ全反射によって導光体内部で輸送される。光学デバイスは、輸送された光が、導光体から抽出され、かつ再帰反射フィルムの構造化表面で再帰反射されるように、「フロントライト(front lit)」構成を有することができる。光学デバイスは、輸送された光が、導光体から抽出され、かつ再帰反射フィルムを透過するように、「バックライト(back lit)」構成を有することができる。構造化表面における再帰反射は、光学デバイスの特定の構成に応じ、屈折による反射又は回折による反射を含むことができる。
【0006】
再帰反射フィルムは、交通標識及びマーキングに使用されるものなど、プリズム型再帰反射性シーティングを含むことができる。再帰反射フィルムは、ホログラフィックフィルム又は回折格子で構造化されたフィルムも含むことができる。
【0007】
光学デバイスは、例えば標識若しくはマーキング、ナンバープレートアセンブリ、車両用テールライトアセンブリ、文書を不正変更から保護するためのセキュリティラミネート、又は照明装置として使用することができる。
【0008】
本発明のこれらの態様及び他の態様について、以下の「発明を実施するための形態」に記載する。上記の概要は、いかなる場合にも特許請求される発明の主題を限定するものとして解釈されるべきではなく、発明の主題は、本明細書に記載される特許請求の範囲によってのみ定義されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の利点及び特徴は、以下の「発明を実施するための形態」と関連させて以下の図を考慮することにより、更に十分に理解することができる。図は、様々な物品の概略図であり、必ずしも縮尺どおりに描画されているわけではない。
【図1a】フロントライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図1b】フロントライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図1c】フロントライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図1d】フロントライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図2】フロントライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図3a】フロントライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図3b】フロントライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図4a】バックライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図4b】バックライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図5】バックライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図6】バックライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図7】バックライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図8】バックライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【図9】バックライト構成を有する代表的なデバイスの概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、いずれも参照によって本明細書に引用したこととする、2008年7月10日に申請された米国仮出願第61/079639号(64347US002、Shermanら)、2008年8月8日に申請された同第61/087387号(64691US002、Shermanら)、2008年11月14日に申請された同第61/114865号(64347US003、Shermanら)、2008年11月14日に申請された同第61/114849号(64691US003、Shermanら)、及び2009年4月16日に申請された同第61/169973号(64347US008、Shermanら)に関する。
【0011】
本明細書に開示する光学デバイスは、光を発する光源と、光を扱うための粘弾性層と、光を光源の全体的方向に戻るよう方向転換させるための再帰反射フィルムと、を含む。光学物品とは、光源を伴わない類似の光学デバイスを指す。
【0012】
光学デバイスは、1つ以上の利点を提供することができる。例えば、粘弾性導光体は、光が導光体に進入できるように光源を導光体に簡単に結合できるように、一般に柔らかく追従性である。一部の実施形態では、粘弾性導光体は、室温では通常粘着性のあるPSAを含む。その結果、光源を粘弾性導光体に結合させて導光体に付着させることができる。これにより、光学デバイスそのもの又はデバイスを使用した構成体の組立が容易になり得る。
【0013】
一般的に、光は、導光体の1つ以上の所望の場所又は領域において、粘弾性導光体から抽出される。一部の実施形態では、粘弾性導光体から光を抽出するために抽出層を使用することができる。この場合も、粘弾性導光体の柔らかく追従性であるという性質上、抽出層を導光体に簡単に結合して、光がこの層に進入することができるようにすることができる。粘弾性導光体がPSAを含む場合は、抽出層を導光体に直接的に付着させることができ、これら2つを接着させるのに追加的な物質を使用する必要はない。その結果、光源から発せられる光で光学物品を照らし出すように、抽出層からの光を再帰反射フィルムによって再帰反射させることができる。
【0014】
一部の実施形態では、粘弾性導光体からの光の抽出に再帰反射フィルムを使用することができる。この場合も、粘弾性導光体の柔らかく追従性であるという性質上、再帰反射フィルムを導光体に簡単に結合して、光が再帰反射フィルムに進入することができるようにすることができる。粘弾性導光体がPSAを含む場合は、再帰反射フィルムを導光体に直接的に付着させることができ、これら2つを接着させるのに追加的な物質を使用する必要はない。その結果、光源から発せられる光で光学物品を照らし出すように、粘弾性導光体からの光を再帰反射フィルムによって再帰反射させることができる。
【0015】
光学デバイスは、所望の任意の場所に光を提供するために使用することができる。光学デバイスは、内部及び/又は外部での使用向けに設計することができる。光学デバイスは、家庭用、商用及び/又は産業用に設計することができる。光学デバイスは、携帯可能となるように、つまり携帯可能な光源となるように、構成体において使用及び/又は提供することができる。光学デバイスを用いて作製することのできる携帯可能な構成体の例として、点灯カード(lighted cards)、テープ、標識、ラベル、シール、切り抜きなどが挙げられる。光学デバイスは、ナンバープレートアセンブリにおいて、又は車両外部に照明を提供するために使用される照明アセンブリの一部として、例えばテールライトであれば、非常に場所を取るテールライトの空洞とそれらの照明アセンブリに代えて、より固定された構成体において使用することもできる。光学デバイスは、「要求に応じた光」を提供するために使用することもでき、例えば、特定の条件が満たされた場合に光源を選択的に起動させることができる。
【0016】
光学デバイスは、異なる照明の形態及び構成体において使用し得るよう、使用者によってでさえも、非常に適応性をもたせることができる。例えば、光学物品は、様々な形状及び寸法に切断できるロール又はシート形態で提供することができる。光源は、例えば光源が使用不能になった場合、又は別の色の光が所望される場合などに、光学物品と交換することができる。更に、標識構成体において使用する場合は、例えば広告を更新したいときなどに、グラフィックを交換することができる。光学デバイスは、多様な再帰反射フィルムと使用することができ、フィルムは、観察者の位置に対して正面で点灯させても、背面で点灯させてもよい。
【0017】
光学デバイスは、更に多くの利点を提供することができる。光学デバイスは、特定の領域にわたり、明るく、拡散し、均一かつ/又は集中した光を提供するために使用し得る。光学デバイスは、薄く、可撓性があり、かつ/又は軽量であることによって、利点を提供することができる。粘弾性導光体は、広い面積の再帰反射フィルムを点灯するためにタイル状に張ることができ、これは導光体同士を貼り付けることができるとより容易に行うことができる。粘弾性導光体は、粘弾性という性質によって、光学デバイス又はデバイスを使用した構成体が受ける応力を弱めることもできる。粘弾性導光体は、基板上に配置される場合、時間とともに取り外し可能及び/又は再配置可能にすることができる。光学デバイスは、市販の光源、粘弾性材料、及び再帰反射フィルムで作製することができるため、コストに関連する利点を提供することもできる。更なる利点を以下に記載する。
【0018】
本明細書に開示する光学デバイス及び物品に関する光の挙動は、幾何光学の法則を用いて説明できる。これらの法則は周知であり、ここでは提示しない。上記に引用したShermanらの参照文献に、より詳細な説明を見出すことができる。一般的に、三次元構造体、材料組成、層構造、光の角度分布などを変化させたときに、本明細書に開示する光学デバイス及び物品に関する光の挙動にどのような影響が及び得るかを理論上判断するためには、屈折の法則及び全反射の法則を、光追跡技法と併せて適用することができる。
【0019】
フロントライト構成
図1aは、代表的な光学デバイス100の概略断面図を示す。本実施形態は、粘弾性導光体110が、再帰反射フィルム140の上部にある、つまり再帰反射板よりも目120によって示される観察者に近い、フロントライト構成の例である。光源105は、光源から発せられる光が粘弾性導光体110に進入し、かつ全反射によって層内部で輸送されるように、粘弾性導光体110に対して位置づけられる。光源から発せられる光は、光源から受光するように適応された入力面113を介して粘弾性導光体110に進入する光線で表される。粘弾性導光体内の光は、全反射によって輸送される単一の光線130で表される。粘弾性導光体の少なくとも一部は、光学的に平滑な表面111及び/又は112を有する。
【0020】
光源から発せられた光は、粘弾性導光体に進入し、かつ全反射によって導光体内部で輸送される。一般的に、全反射は、特定の角度成分又は分布を有する光が、臨界角θを超える1つ以上の角度で境界面上に入射するときに起こる。本明細書において使用する場合、光学的に平滑な表面とは、表面上に入射する光が、表面から望ましくない影響を受けないように、表面が十分に平滑であることを意味し、例えば表面に、入射光の波長よりも大きい少なくとも1つの寸法を有する欠陥がない状態である。光学的に平滑な表面は、粘弾性導光体に進入する光の少なくとも一部が、その光が全反射の法則に従い層内部で伝播し続けるように、表面で反射されることを可能にする。光学的に平滑な表面上に入射した光の反射について、観察される反射角は、算出された反射角の約10°以内である。全反射は、導光体から意図的に抽出される場合を除き、所定の量又は所定の量の少なくとも約10%以内の光が粘弾性導光体を脱出しない場合に起こる。
【0021】
代表的な光学デバイス100は、上部構造化表面141及び下部構造化表面142を有する再帰反射フィルム140を更に含む。粘弾性導光体内部で伝播する光は、光線131によって示されるように、導光体から抽出し、再帰反射フィルム140のいずれか一方の構造化表面から再帰反射させることができる。
【0022】
粘弾性導光体は、再帰反射フィルムと直接的に接触していなくてもよい。所望の効果に応じて、粘弾性導光体と再帰反射フィルムとの間に1つ以上の層を配置することができる。粘弾性導光体と再帰反射フィルムとが接触していない実施形態を、以下に記載する。
【0023】
粘弾性導光体は、再帰反射フィルムと直接的に接触していてもよい。図1bは、フロントライト構成を有する代表的な光学デバイス150の概略断面図を示す。本実施形態では、粘弾性導光体155は、境界面156が形成されるように、再帰反射フィルム140と直接的に接触している。図1cは、フロントライト構成を有する別の代表的な光学デバイス160の概略断面図を示す。本実施形態では、粘弾性導光体110は、境界面168が形成されるように、再帰反射フィルム165と直接的に接触している。
【0024】
粘弾性導光体は、図1a及び1cに示されるように、実質的に構造化されていない対向する主表面を有することができる。これらの主表面は、複数の特徴で構造化してもよく、又は一方の主表面を実質的に構造化せずに他方を複数の特徴で構造化してもよい。図1bでは、境界面156における粘弾性導光体の表面は、複数の特徴で構造化されている。図1dは、フロントライト構成を有する代表的な光学デバイス170の概略断面図を示す。本実施形態では、粘弾性導光体175は、再帰反射フィルム140に直接的に接触していない。粘弾性導光体175は、上部構造化表面176及び下部表面177を含む。
【0025】
粘弾性導光体の構造化表面は、レンズ状、プリズム状、楕円形、円錐形、放射線状、角錐形、正方形、若しくは矩形の形状、又はそれらの組み合わせを有する、凸部及び/又は凹部を含み得る、複数の特徴を含む。(図1dにおいて表面176について示されているような)レンズを含む特徴は、光を好ましい角度分布に方向づけるのに特に有用である。また、(図1bにおいて表面141について示されているような)線形プリズム又は細長いプリズムを含む特徴も特に有用である。その他の代表的な特徴は、細長い、不規則な、傾斜の一定しないレンズ状の若しくはランダムな円柱形の形状、又はそれらの組み合わせを有する、凸部及び/又は凹部を含む。例えば細長い放射線状、角錐プリズム状、矩形ベースのプリズム状、及び頂点が丸いプリズム状の形状など、形状を任意に組み合わせたハイブリッドを使用してもよい。特徴は、形状のランダムな組み合わせを含むことができる。
【0026】
特徴の大きさは、三次元におけるそれらの全体的な形状によって描写することができる。一部の実施形態では、各特徴は、約1〜100μm、例えば約5〜約70μmの寸法を有することができる。表面の特徴は、全く同じ形状を有することができるが、形状の大きさは、少なくとも1つの寸法において異なっていてもよい。表面の特徴は、異なる形状を有することができ、それらの特徴の大きさは、所定の寸法において異なっていても、異なっていなくてもよい。
【0027】
特徴の表面構造も変化させることができる。特徴の表面構造とは、一般的に、特徴のサブ構造を指す。代表的な表面構造として、光学的に平滑な表面、不規則な表面、パターン化された表面、又はそれらの組み合わせが挙げられる。複数の特徴を有する所定の表面に関し、全て又は一部の特徴が同一の表面構造を有していてもよいし、全てが異なっていてもよい。特徴の表面構造は、その特徴の部分部分にわたって異なっていてもよい。特徴の光学的に平滑な表面は、粘弾性導光体の光学的に平滑な表面の一部を形成していてもよい。特徴の光学的に平滑な表面及び粘弾性導光体は、互いに連続的であっても不連続であってもよい。複数の特徴を使用する場合は、一部の特徴の表面が光学的に完全に平滑であってもよいし、いくつかが部分的に光学的に平滑であってもよい。
【0028】
所定の構造化表面について特徴を使用する場合、その数は、少なくとも1つである。複数の特徴、つまり少なくとも2つを使用することもできる。一般的に、例えば0、1、2、3、4、若しくは5つの特徴、1を超え、10を超え、20を超え、30を超え、40を超え、50を超え、100を超え、200を超え、500を超え、1000を超え、若しくは2000を超える特徴、又は約1〜約10、約1〜約20、約1〜約30、約1〜約40、約1〜約50、約1〜約100、約1〜約200、約1〜約500、約1〜約1000、若しくは約1〜約2000の特徴など、任意の数の特徴を含めることができる。
【0029】
特徴は、ランダムに配置、何らかの種類の規則的なパターンに配置、又はその両方にすることができる。特徴間の距離も、異なっていてもよい。特徴は、別個であっても、重なり合っていてもよい。特徴は、互いにごく近接させて、互いに実質的に接触させて、互いに直接隣接させて、又はこれらの何らかの組み合わせにおいて配置することができる。特徴間の実用的な距離は、約10μmまで、又は約0.05μm〜約10μmである。特徴は、互いに対して、角度的に並びに横方向にオフセットしていてもよい。特徴の面密度は、長さ、幅、又はその両方にわたって変化してもよい。
【0030】
特徴は、再帰反射フィルムから抽出される光の量及び/又は方向を制御するために使用することができる。特徴は、所望の光学的効果を得るために配置することができる。特徴は、像の提供、一様な若しくは粘弾性導光体からの勾配としての光の抽出、分離した光源の隠蔽、又はモワレの低減のために配置することができる。これは、一般に、特徴の形状、大きさ、表面構造、及び/又は向きを変化させることによって、実施することができる。複数の特徴を使用する場合、特徴の数及び/又は配置、並びに特徴間の互いに対する向きが異なっていてもよい。
【0031】
特徴の形状が、粘弾性層から抽出される光量を増加又は低減させ得る光の角度成分を変化させることがあり得る。光が粘弾性導光体内部で全反射によって伝播し、粘弾性導光体及び再帰反射フィルムであってもなくてもよい隣接する基板について、臨界角より小さい、同等の、又は超える角度で、特徴の表面に衝突する場合は、これに該当し得る。粘弾性導光体から抽出する光量は、これに応じて増加又は減少し得る。特徴の大きさは、より多い又はより少ない光が特徴の表面から反射するように変更して、その結果、粘弾性層から抽出される光量を増加又は減少させることができる。特徴の表面構造は、粘弾性層から抽出される光の配光を制御するように使用することができる。特定の角度分布を有する光は、特徴に衝突することができ、かつ均一及び/又はランダムに抽出されることができる。光は、均一にパターンで、又はランダムにパターンで抽出することもできる。
【0032】
粘弾性導光体は、概して少なくとも1つの媒質に接触している。媒質は、空気又は基板を含むことができ、基板は、再帰反射フィルム、高分子フィルム、金属、ガラス、及び/又は繊維であってよい。様々な代表的構成体に関し、以下に特定の基板について説明する。便宜上、基板に接触している粘弾性導光体について以下に記載するが、この基板は、空気などの任意の種類の媒質を含むことができる。
【0033】
粘弾性導光体に接触している特定の再帰反射フィルム又は基板を考えると、導光体から及び基板によって抽出される光量は、導光体に進入する総光量の約10〜約50%、約20〜約50%、約30〜約50%、約50〜約70%、約50〜約80%、又は約10〜約90%にすることができる。
【0034】
粘弾性導光体から再帰反射フィルム又は基板によって抽出された光の透過角度は、約5°超〜約95°未満、約5°超〜約60°未満、又は約5°超〜約30°未満にすることができる。
【0035】
粘弾性導光体の屈折率は、再帰反射フィルム又は基板の屈折率より大きくてよい。粘弾性導光体の屈折率は、再帰反射フィルム又は基板の屈折率と比較したとき、約0.002超、約0.005超、約0.01超、約0.02超、約0.03超、約0.04超、約0.05超、約0.1超、約0.2超、約0.3超、約0.4超、又は約0.5超であってよい。
【0036】
粘弾性導光体の屈折率は、再帰反射フィルム又は基板の屈折率よりも小さくてよい。粘弾性導光体の屈折率は、再帰反射フィルム又は基板の屈折率と比較したとき、約0.002未満、約0.005未満、約0.01未満、約0.02未満、約0.03未満、約0.04未満、約0.05未満、約0.1未満、約0.2未満、約0.3未満、約0.4未満、又は約0.5未満であってよい。
【0037】
粘弾性導光体及び再帰反射フィルム又は基板は、光にほとんど又は全く変化がない状態で、光を再帰反射フィルム又は基板内に抽出できるように、同一又はほぼ同一の屈折率を有してよい。粘弾性導光体及び再帰反射フィルム又は基板の屈折率差は、約0.001〜約0.002未満にすることができる。
【0038】
粘弾性導光体及び再帰反射フィルム又は基板の屈折率差は、約0.002〜約0.5、約0.005〜約0.5、約0.01〜約0.5、約0.02〜約0.5、約0.03〜約0.5、約0.04〜約0.5、約0.05〜約0.5、約0.1〜約0.5、約0.2〜約0.5、約0.3〜約0.5、又は約0.4〜約0.5にすることができる。
【0039】
粘弾性導光体は、所定の用途について必要な際に任意の三次元バルク形状を有することができる。粘弾性導光体は、正方形又は矩形の層、シート、フィルムなどの形態であってよい。粘弾性導光体は、以下に記載される形状に切断又は分割してもよい。
【0040】
粘弾性導光体の厚さは、所望の機能を発揮できる限り、特に制限されない。粘弾性導光体の厚さは、光源に基づいて又は光源と併せて、選択することができる。例えば、設計パラメータは、特定の光源の使用を制限する又は更に要求する場合があり、粘弾性導光体に進入する必要のある光の最低量又は量の範囲が存在する場合もある。故に、粘弾性導光体の厚さは、所定の光源から必要量の光が導光体に進入できるように選択すればよい。特に薄く設計される光学デバイスにおける使用については、粘弾性導光体の最大厚さを要求することができる。粘弾性導光体の代表的な厚さは、約0.01mm〜約25.4mm(0.4mil〜約1000mil)、約0.025mm〜約7.62mm(1mil〜約300mil)、約0.025mm〜約1.52mm(1mil〜約60mil)、又は約0.013mm〜約0.76mm(0.5mil〜約30mil)の範囲である。
【0041】
粘弾性導光体から抽出された光量と光の方向は、最低限でも、特徴の形状、大きさ、数、構成など、粘弾性導光体の及び導光体が接触している媒質の屈折率、粘弾性導光体の形状及び大きさ、並びに粘弾性導光体への進入が許されている光の角度分布によって制御することができる。これらの変数は、導光体に進入する総光量に対し、約10〜約50%、約20〜約50%、約30〜約50%、約50〜約70%、約50〜約80%、又は約10〜約90%の光が粘弾性導光体から抽出されるように、選択することができる。
【0042】
粘弾性導光体は、1つ以上の粘弾性材料を含む。一般的に、粘弾性材料は、変形するときに、弾性と粘性の両方の挙動を呈する。弾性特性とは、過渡荷重を取り除いた後で元の形状に戻る材料の能力を指す。材料についての弾性の尺度の1つは、張力設定値(tensile set value)と呼ばれるもので、これは、材料を引っ張りその後引っ張り時と同じ条件下で回復(引っ張り除去)させた後に残っている伸びの関数である。材料が0%の張力設定値を有する場合は、弛緩時に元の長さに戻っており、張力設定値が100%の場合は、その材料は弛緩時に元の長さの2倍である。張力設定値は、ASTM D412を用いて測定することができる。有用な粘弾性材料は、約10%を超える、約30%を超える、若しくは約50%を超えるか、又は約5〜約70%、約10〜約70%、約30〜約70%、若しくは約10〜約60%の張力設定値を有し得る。
【0043】
ニュートン液体である粘性材料は、応力が剪断勾配とともに線形に増加するとした、ニュートンの法則に従う粘性特性を有する。液体は、剪断勾配が除去される際にその形状を回復しない。有用な粘性材料の粘性特性には、材料が分解しないような適度な温度下における材料の流動性が含まれる。
【0044】
粘弾性導光体は、粘弾性導光体と再帰反射フィルムとが光学的に結合されるように、再帰反射フィルム又は基板といった導光体から光を抽出するように設計された材料の少なくとも一部による十分な接触又は湿潤を促進する特性を有することができる。光は、そのうえで粘弾性導光体から抽出することができる。粘弾性導光体は、一般的に柔らかく、追従性及び可撓性である。故に、粘弾性導光体は、十分な接触を得ることができるように弾性率(又は貯蔵弾性率G’)、層が望ましくなく流れることのないように粘性係数(又は損失率G”)、及び層の相対的な減衰程度についての減衰係数(G”/G’、tan D)を有することができる。
【0045】
有用な粘弾性材料は、10rad/秒及び約20〜約22℃の温度で測定されて、約300,000Pa未満の貯蔵弾性率G’を有し得る。有用な粘弾性材料は、10rad/秒及び約20〜約22℃の温度で測定されて、約30〜約300,000Paの貯蔵弾性率G’を有し得る。有用な粘弾性材料は、10rad/秒及び約20〜約22℃の温度で測定されて、約30〜約150,000Paの貯蔵弾性率G’を有し得る。有用な粘弾性材料は、10rad/秒及び約20〜約22℃の温度で測定されて、約30〜約30,000Paの貯蔵弾性率G’を有し得る。有用な粘弾性材料は、10rad/秒及び約20〜約22℃の温度で測定されて、約30〜約150,000Paの貯蔵弾性率G’、並びに約0.4〜約3の損失係数(tan d)を有し得る。材料の粘弾性特性は、例えばASTM D4065、D4440、及びD5279によるDynamic Mechanical Analysisを用いて測定することができる。
【0046】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、ダルキスト基準線(Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology,Second Ed.,D.Satas,ed.,Van Nostrand Reinhold,New York,1989)に記載されるPSA層を含む。
【0047】
粘弾性導光体は、特定の剥離力を有することができ、又は特定の範囲内の剥離力を少なくとも呈することができる。例えば、粘弾性導光体は、約19.7〜約1181.1g/cm(50〜約3000g/インチ)、約118.1〜約1181.1g/cm(300〜約3000g/インチ)、又は約196.9〜約1181.1g/cm(500〜約3000g/インチ)の90°の剥離力を有することができる。剥離力は、IMASSの剥離試験機を用いて測定することができる。
【0048】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、可視光スペクトル(約400〜約700mm)の少なくとも一部にわたり約80〜約100%、約90〜約100%、約95〜約100%、又は約98〜約100%の高い光透過率を有する、光学的に透明な導光体を含む。一部の実施形態では、粘弾性導光体は、約5%未満、約3%未満、又は約1%未満のヘイズ値を有する。一部の実施形態では、粘弾性導光体は、約0.01〜約5%未満、約0.01〜約3%未満、又は約0.01〜約1%未満のヘイズ値を有する。透過におけるヘイズ値は、ASTM D1003に従いヘイズメーターを使用して判断できる。
【0049】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、高い光透過率と低いヘイズ値を有する光学的に透明な導光体を含む。高い光透過率は、可視光スペクトル(約400〜約700mm)の少なくとも一部にわたり、約90〜約100%、約95〜約100%、又は約99〜約100%であることができ、ヘイズ値は、約0.01〜約5%未満、約0.01〜約3%未満、又は約0.01〜約1%未満であることができる。粘弾性導光体は、約50〜約100%の光透過率を有することもできる。
【0050】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、曇りがあり、光、特に可視光を拡散させる。曇りのある粘弾性導光体は、約5%を超える、約20%を超える、又は約50%を超えるヘイズ値を有し得る。曇りのある粘弾性導光体は、約5〜約90%、約5〜約50%、又は約20〜約50%のヘイズ値を有し得る。
【0051】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、光を反射かつ透過させる半透明にすることができる。
【0052】
粘弾性導光体は、約1.3〜約2.6、1.4〜約1.7、又は約1.5〜約1.7の範囲の屈折率を有することができる。粘弾性導光体について選択される特定の屈折率又は屈折率の範囲は、光学デバイスの全体的な設計、及びデバイスを使用することのできる特定の用途によって決定し得る。
【0053】
粘弾性導光体は、概して少なくとも1つのポリマーを含む。粘弾性導光体は、少なくとも1つのPSAを含むことができる。PSAは、被接着体の接着に有用であり、(1)強く恒久的な粘着、(2)わずかな指圧による付着力、(3)被接着体を保持する十分な能力、及び(4)被接着体からきれいに除去することのできる十分な貼着強度などの特性を呈する。感圧性接着剤として十分に機能することがわかっている材料は、粘着力、引き剥がし接着力、及び剪断保持力の望ましいバランスをもたらす、必要な粘弾性を呈するように設計及び処方されたポリマーである。特性の適正なバランスを得るのは、単純なプロセスではない。PSAの定量的な説明は、上記に引用したダルキストの基準に見出すことができる。
【0054】
有用なPSAは、上記に引用したShermanらの参考文献に詳述されている。ここでは、有用なPSAの簡単な説明だけを含める。代表的なポリ(メタ)アクリレートPSAは、PSAの可撓性と粘着性に貢献する、モノエチレン的に不飽和の少なくとも1つのアルキル(メタ)アクリレートモノマーを含むモノマーA、及びPSAのTgを引き上げ、PSAの貼着強度に貢献する、モノエチレン的に不飽和で遊離基によって共重合可能な少なくとも1つの補強モノマーを含むモノマーBから得られる。モノマーBは、モノマーAのものよりも高いホモポリマーガラス転移温度(Tg)を有する。本明細書において、(メタ)アクリルは、アクリル種とメタクリル種の両方を指し、(メタ)アクリレートも同様である。
【0055】
モノマーAは、好ましくは、約0℃以下のホモポリマーTgを有する。(メタ)アクリレートのアルキル基は、好ましくは、平均で約4〜約20の炭素原子を有する。モノマーAの例として、2−メチルブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、及びイソノニルアクリレートが挙げられる。アルキル基は、エーテル、アルコキシエーテル、エトキシル化又はプロポキシル化メトキシ(メタ)アクリレートを含み得る。モノマーAは、ベンジルアクリレートを含むことができる。
【0056】
モノマーBは、好ましくは、例えば約10〜約50℃など、少なくとも約10℃のホモポリマーTgを有する。モノマーBは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド及びそのN−モノアルキル若しくはN−ジアルキル誘導体、又は(メタ)アクリレートを含み得る。モノマーBの例として、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチル-N−アミノエチルアクリルアミド、N−エチル−N−ヒドロキシエチルアクリルアミ、N,N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、及びN−オクチルアクリルアミドが挙げられる。モノマーBのその他の例として、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、2,2−(ジエトキシ)エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート又はメタクリレート、メチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、2−(フェノキシ)エチルアクリレート又はメタクリレート、ビフェニリルアクリレート、t−ブチルフェニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジメチルアダマンチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、フェニルアクリレート、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、及びN−ビニルカプロラクタムが挙げられる。
【0057】
一部の実施形態では、(メタ)アクリレートPSAは、結果として得られるTgが約0℃未満、及びより望ましくは約−10℃未満になるように処方される。そのような(メタ)アクリレートPSAは、いずれも(メタ)アクリレートPSAコポリマーの総重量に対し、約60〜約98重量%の少なくとも1つのモノマーA、及び約2〜約40重量%の少なくとも1つのモノマーBを含む。
【0058】
有用なPSAとしては、天然ゴム系及び合成ゴム系のPSAが挙げられる。ゴム系PSAとしては、ブチルゴム、イソブチレン及びイソプレンのコポリマー、ポリイソブチレン、イソプレンのホモポリマー、ポリブタジレン、並びにスチレン/ブタジエンゴムが挙げられる。これらのPSAは、本質的に粘着性であるものでも、粘着付与剤を必要とするものでもよい。粘着付与剤としては、ロジン及び炭化水素樹脂が挙げられる。
【0059】
有用なPSAとしては、熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらのPSAには、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ(エチレン/ブチレン)、ポリ(エチレン−プロピレン)のゴム状ブロックを伴うスチレンブロックコポリマーが含まれる。エラストマーそのものに十分な粘着性がない場合は、ゴム相と結合する樹脂を熱可塑性エラストマーPSAとともに使用することができる。ゴム相を結合する樹脂の例としては、脂肪族オレフィン誘導樹脂、水素化炭化水素、及びテルペンフェノール樹脂が挙げられる。エラストマーに十分な剛性がない場合は、熱可塑性相と結合する樹脂を熱可塑性エラストマーPSAとともに使用することができる。熱可塑性相に結合する樹脂としては、多環芳香族、クマロンインデン樹脂、コールタール又は石油に由来する樹脂が挙げられる。
【0060】
有用なPSAとしては、米国特許第7,005,394号(Ylitaloら)に記載される粘着化熱可塑性エポキシ感圧接着剤が挙げられる。これらのPSAには、熱可塑性ポリマー、粘着付与剤、及びエポキシ成分が含まれる。
【0061】
有用なPSAとしては、米国特許第3,718,712号(Tushaus)に記載されるポリウレタン感圧接着剤が挙げられる。これらのPSAには、架橋されたポリウレタン及び粘着付与剤が含まれる。
【0062】
有用なPSAとしては、米国特許第2006/0216523号(Shusuke)に記載されるポリウレタンアクリレートが挙げられる。これらのPSAには、ウレタンアクリレートオリゴマー、可塑剤、及び反応開始剤が含まれる。
【0063】
有用なPSAとしては、米国特許第5,214,119号(Leirら)に記載される、ポリジオルガノシロキサン、ポリジオルガノシロキサンポリオキサミド、及びシリコーン尿素ブロックコポリマーなどのシリコーンPSAが挙げられる。シリコーンPSAは、シリコン結合水素及び脂肪族不飽和を有する1つ以上の成分間のヒドロシリル化(hyrosilylation)反応から形成することができる。シリコーンPSAは、ポリマー又はゴム及び任意の粘着付与樹脂を含むことができる。粘着付与樹脂は、トリアルキルシロキシ基で末端封鎖された三次元ケイ酸塩構造を備えることができる。
【0064】
有用なシリコーンPSAとしては、参照によって本明細書に引用したこととする米国特許第7,361,474号(Shermanら)に記載されるポリジオルガノシロキサンポリオキサミド及び任意の粘着付与剤も挙げられる。有用な粘着付与剤としては、参照によって本明細書に引用したこととする米国特許第7,090,922 B2号(Zhouら)に記載されるシリコーン粘着付与樹脂が挙げられる。
【0065】
PSAは、PSAの分子量及び強度を構築するために架橋することができる。化学的架橋、物理的架橋、又はその組み合わせの形成には、架橋剤を使用することができ、架橋剤は、熱、紫外線などで活性化させることができる。
【0066】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、米国特許第7,255,920 B2号(Everaertsら)に記載される、(メタ)アクリレートブロックコポリマーから形成されるPSAを含む。一般的に、これらの(メタ)アクリルブロックコポリマーは、アルキルメタクリレート、アラルキルメタクリレート、アリールメタクリレート、又はそれらの組み合わせを含む第1のモノマー組成物の反応生成物であって、それぞれが少なくとも50℃のTgを有し、メタクリレートブロックコポリマーが、20〜50重量パーセントのAブロックを含む、少なくとも2つのAブロックポリマー単位と、アルキル(メタ)アクリレート、ヘテロアルキル(メタ)アクリレート、ビニルエステル、又はそれらの組み合わせを含む第2のモノマー組成物の反応生成物であって、20℃以下のTgを有し、(メタ)アクリレートブロックコポリマーが、50〜80重量パーセントのBブロックを含む、少なくとも1つのBブロックポリマー単位と、を含み、Aブロックポリマー単位は、Bブロックポリマー単位のマトリックスにおいて約150nm未満の平均寸法を有するナノドメインとして存在する。
【0067】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、例えば3M Companyの転写テープVHB(商標)Acrylic Tape 4910F、及び3M(商標)Optically Clear Laminating Adhesives(8140及び8180シリーズ)などの、透明アクリルPSAを含む。
【0068】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、米国特許第6,663,978 B1号(Olsonら)に記載される、置換又は非置換の芳香族部分を含有する、少なくとも1つのモノマーから形成されたPSAを含む。
【0069】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、(a)ペンダントビフェニル(bephenyl)基を有するモノマー単位と、(b)アルキル(メタ)アクリレートモノマー単位と、を含む、米国シリアル番号第11/875194号(63656US002、Determanら)に記載されるコポリマーを含む。
【0070】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、(a)ペンダントカルバゾール基を有するモノマー単位と、(b)アルキル(メタ)アクリレートモノマー単位と、を含む、米国仮出願シリアル番号第60/983735号(63760US002、Determanら)に記載されるコポリマーを含む。
【0071】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、ルイス酸塩基対を形成するように接着剤マトリックスに分散させたブロックコポリマーを含む、米国仮出願シリアル番号第60/986298号(63108US002、Schafferら)に記載される接着剤を含む。ブロックコポリマーは、ABブロックコポリマーを含み、Aブロック相は分離して、Bブロック/接着剤マトリックス内にマイクロドメインを形成する。例えば、接着剤マトリックスは、アルキル(メタ)アクリレートとペンダント酸官能基を有する(メタ)アクリレートとのコポリマーを含むことができ、ブロックコポリマーは、スチレン−アクリレートコポリマーを含むことができる。マイクロドメインは、入射光を前方散乱させるのに十分に大きいものにすることができるが、入射光を後方散乱させるほどには大きくしない。一般的に、これらのマイクロドメインは、可視光の波長(約400〜約700nm)よりも大きい。一部の実施形態では、マイクロドメインの大きさは、約1.0〜約10μmである。
【0072】
粘弾性導光体は、引き伸ばし剥離可能なPSAを含むことができる。引き伸ばし剥離可能なPSAとは、ゼロ度又はほぼゼロ度の角度で引き伸ばした場合に基板から除去することができるPSAである。一部の実施形態では、粘弾性導光体又は粘弾性導光体に使用される引き伸ばし剥離PSAは、1rad/秒及び−17℃で測定されたときに約10MPa未満の、又は1rad/秒及び−17℃で測定されたときに約0.03〜約10MPaの剪断貯蔵弾性率を有する。引き伸ばし剥離可能なPSAは、分解、再加工、又はリサイクルが望まれる場合に使用することができる。
【0073】
一部の実施形態では、引き伸ばし剥離可能なPSAは、米国特許第6,569,521 B1号(Sheridanら)又は米国仮出願第61/020423号(63934US002,Shermanら)及び同第61/036501号(64151US002、Determanら)に記載されるシリコーン系PSAを含むことができる。そのようなシリコーン系PSAには、MQ粘着付与樹脂及びシリコーンポリマーの組成物が含まれる。例えば、引き伸ばし剥離可能なPSAは、MQ粘着付与樹脂と、尿素系シリコーンコポリマー、オキサミド系シリコーンコポリマー、アミド系シリコーンコポリマー、ウレタン系シリコーンコポリマー、及びそれらの混合物から成る群から選択されるエラストマーシリコーンポリマーと、を含むことができる。
【0074】
一部の実施形態では、引き伸ばし剥離可能なPSAは、米国仮出願第61/141767号(64418US002、Yamanakaら)及び同第61/141827号(64935US002、Tranら)に記載されるアクリレート系PSAを含むことができる。そのようなアクリレート系PSAには、アクリレート、無機粒子、及び架橋剤の組成物が含まれる。これらのPSAは、単一又は多層であり得る。
【0075】
粘弾性導光体は、エアロゲルを含んでもよい。エアロゲルは、ゲルの液体成分を空気で置換した、ゲルに由来する低密度の固体物質である。使用することのできる代表的なエアロゲルとして、シリカ、アルミナ、及び炭素のエアロゲルがある。
【0076】
粘弾性導光体は、所望により、充填剤、粒子、可塑剤、連鎖移動剤、反応開始剤、酸化防止剤、安定剤、遅炎剤、粘度調整剤、発泡剤、帯電防止剤、色素及び顔料、蛍光染料及び顔料、燐光染料及び顔料といった着色剤、繊維強化剤、並びに織布及び不織布など、1つ以上の添加剤を含み得る。
【0077】
粘弾性導光体は、ナノ粒子(直径約1μm未満)、微少球(直径1μm以上)、又は繊維などの粒子を含めることにより、曇り及び/又は拡散性をもたせることができる。代表的なナノ粒子としては、TiOが挙げられる。曇り及び拡散性の特性は、導光体への泡の混入によっても粘弾性導光体に取り入れることができる。泡は、約0.01〜約1μmの直径を有することができる。泡は、例えば発泡剤を加えることによって取り入れてもよい。粘弾性導光体に加えることのできる追加の添加剤の例としては、ガラスビーズ、反射粒子、及び伝導性粒子が挙げられる。一部の実施形態では、粘弾性導光体は、光学的に透明なPSA及びPSAの屈折率よりも低い屈折率を有するシリコン樹脂粒子を含む、参照によって本明細書に引用したこととする米国仮出願第61/097685号(64740US002、Shermanら)に記載されるPSAマトリックス及び粒子を含むことができる。一部の実施形態では、粒子、泡、空気などの存在が、光の拡散及び均一性を増大させる。
【0078】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、像をもたらす。像は、上述のように導光体の表面を構造化することによって作られ得る。例えば、図1dの表面176は、像をもたらすように構造化することができる。像は、粘弾性導光体内に粒子などの物質を含める又は埋め込むことによって作られてもよい。像はまた、例えば表面176など、導光体の表面上に像を形成することによって作られてもよい。導光体の複数の表面が、像を含んでもよい。粘弾性導光体の表面に、インクジェット印刷、レーザー印刷、静電印刷などの印刷又はマーキングによって像を作ってもよい。像は、白黒などの単色であっても、色付きであってもよい。像の形成に使用される材料は、可視領域においてなど、特定の波長範囲内の全て又は一部の光を反射してもよい。像の形成に使用される材料は、可視領域においてなど、特定の波長範囲内の光を透過させるカラーフィルタとして機能してもよい。代表的な材料としては、顔料及び染料といった着色剤が挙げられる。
【0079】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、導光体内の穴により像をもたらす。穴は、導光体を貫通して穴をあけることによって作製することができる。
【0080】
光学デバイスは、再帰反射フィルムを備える。一般的に、再帰反射フィルムは、フィルム上の入射光が、入射光の方向に対して1つ以上の有用な方向に反射し返される場合に、光を再帰反射させるのに適している。光は、入射光の方向から180°又はほぼ180°の方向に反射し返すことができる。光は、入射光の方向に対し約45°〜約180°の間の任意の1つ以上の方向に反射し返しすことができる。
【0081】
一般的に、光は再帰反射させることができ、つまり光は、屈折により反射させること、又は回折により反射させることができる。これまでに記載した実施形態では、光は屈折により反射される。これらのいずれの実施形態でも、再帰反射フィルムの表面は、光が回折により反射されるように、回折格子で構造化することができる。例えば、図1cに示す再帰反射フィルム165の下部構造化表面167は、ホログラフィー像をもたらすように配置された回折格子特徴のレリーフパターンを有することができる。
【0082】
再帰反射フィルムは、実質的に構造化されていない、複数の特徴で構造化された、又はそれらの組み合わせである、対向する主表面を有することができる。図1a及び1bでは、再帰反射フィルム140の両方の主表面141及び142は、複数の特徴で構造化されており、図1cでは、再帰反射フィルム165の下部構造化表面167は、構造化されており、境界面168における上部構造化表面166は、構造化されていない。再帰反射フィルムの表面は、粘弾性導光体について上述した複数の特徴のいずれか1つを含むことができる。
【0083】
粘弾性導光体から抽出した光は、再帰反射フィルム内に透過しても、しなくてもよい。一部の実施形態では、再帰反射フィルムは、抽出された光の少なくとも一部が内部に透過される透明な材料を含む。一部の実施形態では、再帰反射フィルムは、抽出された光が、実際に抽出されるのではなく、むしろ導光体と金属の再帰反射フィルムとの間の境界面に衝突するように、金属を含む。
【0084】
一部の実施形態では、再帰反射フィルムは、ホログラフィックフィルムを含む。ホログラフィックフィルムは、ホログラフィー像をもたらすよう配置された複数の特徴又はレリーフパターンを形成するために層の下部表面がエンボス加工された、光透過性の熱可塑性ポリマーの層であり得る。例えば、図1cに示す再帰反射フィルム165の下部構造化表面167は、ホログラフィー像をもたらすためのレリーフパターンを有する、エンボス加工された表面であり得る。レリーフパターンは、透明又は不透明の金属などの反射層でコーティングすることができる。フロントライト構成では、粘弾性層からの光は、エンボス加工層を透過し、反射層によって再帰反射される。
【0085】
再帰反射フィルムは、プリズム型シーティングと呼ばれることがある再帰反射性シーティングを含むことができる。図2は、フロントライト構成を有する代表的な光学デバイス200の概略断面図を示す。再帰反射性シーティング240は、キューブコーナーフィルム242が上に配置された本体層241を含む。キューブコーナーフィルム242は、それぞれが3つの収束面により形成されている、複数のキューブコーナー特徴を含む。特徴は、切頭キューブコーナー特徴であってもよい。特徴は、一般的に、約20〜約500μmの高さを有する。シーリングフィルム243は、例えば六角形形状のセルなど、キューブコーナー要素のセルが形成されるように、本体層の一部に付着される。シーリングフィルムは、再帰反射が増進されるように、キューブコーナー要素との間に空気界面を維持する。この種のシーティングは、道路標識、バリケード、ナンバープレート、路面表示及び標識テープ、並びに車両及び衣服用の再帰反射テープなど、多くの交通安全及び個人の安全用物品において採用されている。代表的な再帰反射性シーティングが、参照によって本明細書に引用されたこととする、2008年10月22日に申請された米国仮出願第61/107586号(64846US002、Smithら)、米国特許第2007/0242356 A1号(Thakkarら)、同第6,280,822 B1号(Smithら)、同第5,450,235号(Smithら)、及び同第5,784,197号(Freyら)に説明されている。代表的な再帰反射性シーティングは、3M(商標)Diamond Grade(商標)Reflective Sheeting及び3M(商標)Diamond Grade(商標)Fluorescent Reflective Sheetingとして、いずれも3M(商標)Companyから入手可能である。
【0086】
本体層は、光透過性高分子フィルムなどの光透過層を含むことができ、キューブコーナー要素は、金属コーティングを伴う構造化高分子フィルムなどの構造化反射フィルムを含むことができ、シーリングフィルムは、金属酸化物などの粒子を通常含む高分子材料を含むことができる。
【0087】
図2に示す実施形態の変形を採用することができる。例えば、再帰反射フィルムは、シーリングフィルム243なしで本体層241に配置されたキューブコーナーフィルム242を含むことができる。別の例としては、再帰反射フィルムは、本体層及び/又は密封層のないキューブコーナーフィルムを含むことができる。
【0088】
一般的に、再帰反射フィルムは、寸法安定性、耐久性、耐候性、及び可撓性があり、所望の三次元形状に形成することができる。
【0089】
再帰反射フィルムの厚さは、要望どおりに機能し得る限り、特に制限されない。再帰反射フィルムの代表的な厚さは、約0.010mm〜約25.4mm(0.4mil〜約1000mil)、約0.025mm〜約7.62mm(1mil〜約300mil)、約0.025mm〜約1.52mm(1mil〜約60mil)、又は約0.013mm〜約0.76mm(0.5mil〜約30mil)の範囲である。
【0090】
再帰反射フィルム、すなわちシーリングフィルムは、約1.45〜約1.65の屈折率を有することができる。材料には、Rohm and Haas Co.のPLEXIGLASといった塑性体、並びにアルキレンオキシド、ビニルエーテル、ポリメチルメタクリレート及びエチレン/アクリル酸などの(メタ)アクリレート、セルロース、酢酸酪酸セルロース及びエチレンビニルアセテートなどのセルロースアセテート、更にポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、エポキシ、ポリビニルアルコール、天然及び合成ゴム、ポリアセタール、ポリアクリロニトリル、ポリカプロラクタム、芳香族ポリシロキサン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、及びナイロンのポリマーが含まれる。再帰反射フィルムは、粒子、染料又は顔料などの着色剤、紫外線安定剤などを含むことができる。
【0091】
粘弾性導光体及び再帰反射フィルムの特定の組み合わせを考えると、再帰反射される光量は、導光体に進入する総光量に対し、約10%を超える、約20%を超える、約30%を超える、約40%を超える、約50%を超える、約60%を超える、約70%を超える、約80%を超える、又は約90%を超えることができる。粘弾性導光体及び再帰反射フィルムの特定の組み合わせを考えると、再帰反射される光量は、導光体に進入する総光量の約10〜約50%、約20〜約50%、約30〜約50%、約50〜約70%、約50〜約80%、又は約10〜約90%にすることができる。
【0092】
本明細書に記載する光学デバイスの光学物品は、特定の用途に応じて、多様な多層構成体において使用することができる。図3aは、光学物品301及び光源105を含む、代表的な光学デバイス300の概略断面図を示す。このフロントライト構成では、粘弾性導光体110は、目120によって示される観察者に、より近い。光源105は、光源から発せられる光が粘弾性導光体110に進入し、かつ全反射によって層内部で輸送されるように、粘弾性導光体110に対して位置づけられる。光学物品301は、再帰反射性シーティング240を含む。一般的に、本明細書に記載する再帰反射フィルムは、再帰反射性シーティング240の代わりに使用し得るものであり、例えば再帰反射フィルム140を使用することができる。光学物品301は、第1の任意層305を備える。
【0093】
第1の任意層は、粘弾性導光体から抽出され、かつ/又は再帰反射フィルムによって再帰反射される、光の挙動に干渉するように又は干渉しないように設計することができる。第1の任意層は、実質的に構造化されていない、複数の特徴で構造化された、又はそれらの組み合わせである、対向する主表面を有することができる。
【0094】
第1の任意層の厚さは、光学デバイスが要望どおりに機能し得る限り、制限されない。第1の任意層の代表的な厚さは、約0.010mm〜約25.4mm(0.4mil〜約1000mil)の範囲である。
【0095】
第1の任意層は、多様な光透過性及び曇り特性を有することができる。一部の実施形態では、第1の任意層は、可視光スペクトルの少なくとも一部にわたり約80〜約100%、約90〜約100%、約95〜約100%、又は約98〜約100%という高い光透過率を有する光学的に透明な基板を含む。一部の実施形態では、第1の任意層は、例えば約0.1〜約70%、約0.1〜約50%、又は約0.1〜約20%という低い光透過率を有する。一部の実施形態では、第1の任意層は、約0.01〜約5%未満、約0.01〜約3%未満、又は約0.01〜約1%未満のヘイズ値を有する。一部の実施形態では、第1の任意層は、曇りがあり、光、特に可視光を拡散させる。曇った第1の任意層は、約5〜約90%、約5〜約50%、又は約20〜約50%のヘイズ値を有し得る。一部の実施形態では、第1の任意層は、光を反射かつ透過させる半透明である。
【0096】
一部の実施形態では、第1の任意層は、高分子フィルムを含む。有用な高分子フィルムとしては、セルロースアセテート、ポリ(メタ)アクリレート(アクリレート及び/又はメタクリレート)、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、シンジオタクチックポリスチレン、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナフタレンジカルボン酸系コポリマー若しくは配合物、又はそれらの何らかの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、第1の任意層は、粘弾性導光体の屈折率よりも高い屈折率を有するポリ(メタ)アクリレートを含む。
【0097】
第1の任意層は、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、アクリルガラス、飴ガラスなどの、硬く、脆性のある無定形固体を通常含む、ガラスを含むことができる。
【0098】
図3bは、光学物品321及び光源105を含む、代表的な光学デバイス320の概略断面図を示す。このフロントライト構成では、粘弾性導光体110は、目120によって示される観察者に、より近い。光源105は、光源から発せられる光が粘弾性導光体110に進入し、かつ全反射によって層内部で輸送されるように、粘弾性導光体110に対して位置づけられる。光学物品321は、再帰反射性シーティング240を含む。一般的に、本明細書に記載する再帰反射フィルムは、再帰反射性シーティング240の代わりに使用し得るものであり、例えば再帰反射フィルム140を使用することができる。光学物品301は、第2の任意層325及び第3の任意層330を備える。
【0099】
第2の任意層は、粘弾性導光体から抽出され、かつ/又は再帰反射フィルムによって再帰反射される、光の挙動に干渉するように又は干渉しないように設計することができる。第2の任意層は、実質的に構造化されていない、複数の特徴で構造化された、又はそれらの組み合わせである、対向する主表面326及び327を有することができる。第2の任意層の表面は、粘弾性導光体について上述した複数の特徴のいずれか1つを含むことができる。例えば、主表面326は、光を好ましい角度分布に方向づけるにあたり特に有用な(図1dの表面176について示されるような)レンズを含む特徴を有することができる。
【0100】
第2の任意層の厚さは、光学デバイスが要望どおりに機能し得る限り、制限されない。第2の任意層の代表的な厚さは、約0.010mm〜約25.4mm(0.4mil〜約1000mil)の範囲である。
【0101】
第2の任意層は、多様な光透過性及び曇り特性を有することができる。一部の実施形態では、第2の任意層は、可視光スペクトルの少なくとも一部にわたり約80〜約100%、約90〜約100%、約95〜約100%、又は約98〜約100%という高い光透過率を有する光学的に透明な基板を含む。一部の実施形態では、第2の任意層は、例えば約0.1〜約70%、約0.1〜約50%、又は約0.1〜約20%という低い光透過率を有する一部の実施形態では、第2の任意層は、約0.01〜約5%未満、約0.01〜約3%未満、又は約0.01〜約1%未満のヘイズ値を有する。一部の実施形態では、第2の任意層は、曇りがあり、光、特に可視光を拡散させる。曇った第2の任意層は、約5〜約90%、約5〜約50%、又は約20〜約50%のヘイズ値を有し得る。一部の実施形態では、第2の任意層は、光を反射かつ透過させる半透明である。
【0102】
一部の実施形態では、第2の任意層は、高分子フィルムを含む。有用な高分子フィルムとしては、セルロースアセテート、ポリ(メタ)アクリレート(アクリレート及び/又はメタクリレート)、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、シンジオタクチックポリスチレン、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナフタレンジカルボン酸系コポリマー若しくは配合物、又はそれらの何らかの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、第2の任意層は、粘弾性導光体の屈折率よりも高い屈折率を有するポリ(メタ)アクリレートを含む。
【0103】
第2の任意層は、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、アクリルガラス、飴ガラスなどの、硬く、脆性のある無定形固体を通常含む、ガラスを含むことができる。
【0104】
第2の任意層は、剥離ライナを備えることができる。剥離ライナは、一般的に、接着層と接触するために接着力の低い表面を有する。剥離ライナは、クラフト紙などの紙、又はポリ(塩化ビニル)、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロースアセテート、エチレンビニルアセテート、ポリウレタンなどの高分子フィルムを含むことができる。剥離ライナは、シリコーン含有材料又はフッ化炭素含有材料などの剥離剤の層でコーティングすることができる。剥離ライナは、紙、又はシリコーン含有材料でコーティングされたポリエチレンでコーティングされている高分子フィルムを含むことができる。代表的な剥離ライナとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にシリコーン剥離コーティングを有する、「T−30」及び「T−10」という商品名でCP Films Inc.から市販されているライナが挙げられる。
【0105】
代表的な剥離ライナとしては、構造化された剥離ライナが挙げられる。代表的な剥離ライナには、ミクロ構造化剥離ライナ(microstructured release liner)と呼ばれるものが含まれる。ミクロ構造化剥離ライナは、接着層の表面上にミクロ構造を付与するために使用される。ミクロ構造化表面は、接着層と隣接層との間の空気の退出を補助することができる。一般的に、光学的性質への干渉を防ぐために、ミクロ構造は、時間とともに消失することが望ましい。ミクロ構造は、一般的に、少なくとも二次元において微細な(つまり局所及び/又は断面図が微細な)三次元構造体である。本明細書で用いるとき、「微細な」とは、顕微鏡の助けなしに目視で解像するのが困難である寸法を指す。
【0106】
ミクロ構造は、様々な形状を取ることができる。代表的な例としては、半球、プリズム(正方形プリズム、矩形プリズム、円筒形プリズム、及びその他類似の多角形の特徴など)、角錐、楕円形、溝(V溝など)、チャネルなどが挙げられる。場合によっては、物品が層に積層されるときに接合界面における空気の退出を促進するトポグラフィーの特徴を含めることが望ましいこともあり得る。この点で、物品の端部まで延出できるV溝及びチャネルが、特に有用である。ミクロ構造を特徴付ける特定の寸法及びパターンは、物品が意図される特定の用途に基づいて選択される。有用なミクロ構造の別の例が、米国特許第2007/0292650 A1号(Suzuki)に説明されており、そこではミクロ構造化された接着層表面は、表面の内部領域のみに存在しかつ層の側面には開放されていない、1つ以上の溝を有する。これらの溝は、上から見て直線、分岐した直線、十字、円、楕円、又は多角形の形状にすることができ、それぞれの形状は、複数の不連続な溝で構成されることができる。これらの溝は、5〜100マイクロメートルの幅、及び5〜50マイクロメートルの深さを有することができる。
【0107】
一部の実施形態では、第2の任意層は、像をもたらすために使用することができる。像をもたらすために、粘弾性導光体及び第2の任意層の様々な異なる構成体を作製することができる。第2の任意層は、層のどちらか一方に印刷された像を含むことができ、又は像を層内に埋め込むことができる。像は、第2の任意層の材料とは異なる1つ以上の材料を含むことができ、その1つ以上の材料は、像をもたらすよう配置された、層の領域内にあってよい。これらの領域は、特定の画像形成材料に応じて、波長の特定の範囲内で光を反射又は光を透過させるように設計される。
【0108】
画像形成材料は、インクジェット印刷、レーザー印刷、静電印刷などの、印刷又はマーキングによって堆積させることができる。像は、白黒像のような単色であってもよく、色付きの像であってもよい。像は、例えば均一な色の層など、全体に1つ以上の色を含むことができる。一般的又はカスタム表面を提供する像を使用することができる。例えば、像は、光学物品が、プラスチック、金属粒子若しくは木目、布地、革、不織布などのように見えるように設計することができる。また、像は、表面又は境界面上に配置することのできる白点を含むことができる。白点は、例えば米国特許第2008/232135 A1号(Kinderら)に記載される、従来の固体導光体の抽出機構についての記載のように配置することができる。有用な画像形成材料には、波長の特定の範囲内の全て又は一部の光を反射するものが含まれる。有用な画像形成材料には、波長の特定の範囲内の全て又は一部の光を透過するものが含まれる。代表的な画像形成材料には、顔料及び染料といった着色剤が含まれる。また画像形成材料は、フォトニック結晶を含むこともできる。
【0109】
第3の任意層は、再帰反射フィルムによって再帰反射中の光を反射する反射体であってもよい。一部の実施形態では、反射体は、光の反射角が入射角の約16°以内である、鏡面反射体を含む。鏡面反射体は、入射角の一部の範囲にわたり、反射体として完全に又はほぼ完全に正反射性であってもよい。また、鏡面反射体は、例えば可視領域など、電磁スペクトルの特定の領域にわたり、約85〜約100%、約90〜約100%、又は約95〜約100%の反射性を有することができる。好適な鏡面反射体としては、ガラス上にコーティングされた一般的に金属である反射材料フィルムを備えた、平面鏡のような鏡が挙げられる。
【0110】
一部の実施形態では、反射体は、反射体上への入射光が拡散反射体の表面で反射及び散乱される、拡散反射体を含む。拡散反射体については、所定の入射角の光は、複数の反射角で反射し、反射角の少なくとも一部は、入射角の約16°を超える。拡散反射体は、入射光の一部の範囲にわたり、完全に又はほぼ完全に反射性であってもよい。また、拡散反射体は、例えば可視領域など、電磁スペクトルの特定の領域にわたって、約85〜約100%、約90〜約100%、又は約95〜約100%の反射性を有することができる。拡散反射体は、基板上に配置された有機粒子、無機粒子、又は有機/無機ハイブリッド粒子の層を含むことができる。粒子は、高分子材料又は結合剤に分散させてもよい。例えば、拡散反射体は、ポリエチレンテレフタレートフィルムに装填された硫酸バリウム粒子の層を含むことができる。
【0111】
第3の任意層は、ポリエステルを含む第1及び第2のポリマー層の交代層を約10〜約10,000有する多層光学フィルムを含むことができる。多層光学フィルムは、スリークウォーターミラーを含んでもよい。多層光学フィルムは、鏡を含んでもよい。多層光学フィルムは、反射フィルム、偏光フィルム、反射偏光フィルム、拡散混合反射偏光フィルム、拡散フィルム、輝度増強フィルム、又は転向フィルムを含むことができる。代表的な多層光学フィルムは、米国特許第5,825,543号、同第5,828,488号(Ouderkirkら)、同第5,867,316号、同第5,882,774号、同第6,179,948 B1号(Merrillら)、同第6,352,761 B1号、同第6,368,699 B1号、同第6,927,900 B2号、同第6,827,886号(Neavinら)、同第6,972,813 B1号(Toyooka)、同第6,991,695号、同第2006/0084780 A1号(Hebrinkら)、同第2006/0216524 A1号、2006/0226561 A1号(Merrillら)、同第2007/0047080 A1号(Stoverら)、国際特許公開第WO 95/17303号、同第WO 95/17691号、同第WO 95/17692号、同第WO 95/17699号、同第WO 96/19347号、同第WO 97/01440号、同第WO 99/36248号、及び同第WO 99/36262号に記載されている。代表的な鏡面反射体としては、例えば、3M(商標)Companyから入手可能なもの、例えばHigh Reflective Visible Mirror Film及びHigh Transmission Mirror Filmといった3M(商標)High Intensity Grade Reflective Products、並びにVikuiti(商標)Enhanced Specular ReflectorなどのVikuiti(商標)フィルムが挙げられる。
【0112】
第3の任意層は、アルミニウムを含むことができる。
【0113】
第3の任意層は、直径が約100nm未満の孔を含むナノ構造の多孔性材料を通常含む、ナノフォームを含むことができる。例えば、第3の任意層は、ゲルの液体成分を空気で置換した、ゲルに由来する低密度の固体物質であるエアロゲルを含むことができる。使用することのできる代表的なエアロゲルとして、シリカ、アルミナ、及び炭素のエアロゲルがある。第3の任意層は、白色粒子で充填されたポリマーフィルムなど、屈折率の低い材料を含むことができる。
【0114】
バックライト構成
図4aは、代表的な光学デバイス400の概略断面図を示す。この実施形態は、粘弾性導光体110が、再帰反射フィルム140の後方、つまり目120によって示される観察者から再帰反射フィルムよりも遠い、バックライト構成の例である。代表的な光学デバイス400は、上部構造化表面141及び下部構造化表面142を有する再帰反射フィルム140を更に備える。粘弾性導光体内で伝播する光は、光線405によって示されるように、導光体から抽出し、再帰反射フィルム140を透過させることができる。
【0115】
バックライト構成では、粘弾性導光体は、再帰反射フィルムに直接的に接触していなくてもよい。所望の効果に応じて、粘弾性導光体と再帰反射フィルムとの間に1つ以上の層を配置することができる。粘弾性導光体と再帰反射フィルムとが接触していない実施形態を、以下に記載する。
【0116】
バックライト構成では、粘弾性導光体は、再帰反射フィルムと直接的に接触していてもよい。図4bは、バックライト構成を有する代表的な光学デバイス410の概略断面図を示す。この実施形態では、粘弾性導光体110は、再帰反射フィルム240、特に再帰反射フィルムのシーリングフィルム243と直接的に接触している。
【0117】
バックライト構成では、粘弾性導光体は、実質的に構造化されていない、複数の特徴で構造化された、又は1つの主表面が実質的に構造化されておらず、他方が複数の特徴で構造化されている、対向する主表面を有することができる。バックライト構成で使用される粘弾性導光体の構造化表面は、フロントライト構成について上述した構造化表面のいずれかを含むことができ、つまりバックライト構成で使用される粘弾性導光体の構造化表面は、フロントライト構成において使用される粘弾性導光体について上述した、形状、大きさ、形状及び大きさの組み合わせ、表面構造などを有する、複数の特徴を含むことができる。更に、バックライト構成における粘弾性導光体の構造化表面の特徴の数及び構成は、フロントライト構成について上述したものと同じとすることができる。フロントライト構成について上述したように、特徴の形状及び/又は大きさは、粘弾性層から抽出される光の量及び/又は分配を変更し得る。
【0118】
フロントライト構成について上述したように、バックライト構成において使用される粘弾性導光体は、少なくとも1つの媒質、例えば空気又は基板、例えば再帰反射フィルム、高分子フィルム、金属、ガラス、及び/若しくは繊維と通常接触している。様々な代表的構成体に関し、以下に特定の基板について説明する。便宜上、基板に接触している粘弾性導光体について以下に記載するが、この基板は、空気などの任意の種類の媒質を含むことができる。粘弾性導光体に接触している特定の再帰反射フィルム又は基板を考えると、導光体から及び基板によって抽出される光量は、導光体に進入する総光量の約10〜約50%、約20〜約50%、約30〜約50%、約50〜約70%、約50〜約80%、又は約10〜約90%にすることができる。粘弾性導光体から再帰反射フィルム又は基板によって抽出された光の透過角度は、約5°超〜約95°未満、約5°超〜約60°未満、又は約5°超〜約30°未満にすることができる。
【0119】
バックライト構成では、粘弾性導光体の屈折率は、再帰反射フィルム又は基板の屈折率より大きくてよい。粘弾性導光体の屈折率は、再帰反射フィルム又は基板の屈折率と比較したとき、約0.002超、約0.005超、約0.01超、約0.02超、約0.03超、約0.04超、約0.05超、約0.1超、約0.2超、約0.3超、約0.4超、又は約0.5超であってよい。粘弾性導光体の屈折率は、再帰反射フィルム又は基板の屈折率よりも小さくてよい。粘弾性導光体の屈折率は、再帰反射フィルム又は基板の屈折率と比較したとき、約0.002未満、約0.005未満、約0.01未満、約0.02未満、約0.03未満、約0.04未満、約0.05未満、約0.1未満、約0.2未満、約0.3未満、約0.4未満、又は約0.5未満であってよい。粘弾性導光体及び再帰反射フィルム又は基板は、光にほとんど又は全く変化がない状態で、光を再帰反射フィルム又は基板内に抽出できるように、同一又はほぼ同一の屈折率を有してよい。粘弾性導光体及び再帰反射フィルム又は基板の屈折率差は、約0.001〜約0.002未満にすることができる。粘弾性導光体及び再帰反射フィルム又は基板の屈折率差は、約0.002〜約0.5、約0.005〜約0.5、約0.01〜約0.5、約0.02〜約0.5、約0.03〜約0.5、約0.04〜約0.5、約0.05〜約0.5、約0.1〜約0.5、約0.2〜約0.5、約0.3〜約0.5、又は約0.4〜約0.5にすることができる。
【0120】
バックライト構成では、粘弾性導光体は、所定の用途について必要な際に任意の三次元バルク形状を有することができる。粘弾性導光体は、正方形又は矩形の層、シート、フィルムなどの形態であってよい。粘弾性導光体は、以下に記載される形状に切断又は分割してもよい。
【0121】
バックライト構成では、粘弾性導光体の厚さは、所望の機能を発揮できる限り、特に制限されない。バックライト構成で使用される粘弾性導光体の厚さは、フロントライト構成について上述したように、光源に基づき又は光源と併せて、選択することができる。バックライト構成における粘弾性導光体の代表的な厚さは、約0.010mm〜約25.4mm(0.4mil〜約1000mil)、約0.025mm〜約7.62mm(1mil〜約300mil)、約0.025mm〜約1.52mm(1mil〜約60mil)、又は約0.013mm〜約0.76mm(0.5mil〜約30mil)の範囲である。
【0122】
バックライト構成において粘弾性導光体から抽出される光の量及び方向は、フロントライト構成について上述したように、最低限でも、特徴の形状、大きさ、数、構成など、粘弾性導光体の及び導光体が接触している媒質の屈折率、粘弾性導光体の形状及び大きさ、並びに粘弾性導光体への進入が許されている光の角度分布によって制御することができる。これらの変数は、導光体に進入する総光量に対し、約10〜約50%、約20〜約50%、約30〜約50%、約50〜約70%、約50〜約80%、又は約10〜約90%の光が粘弾性導光体から抽出されるように、選択することができる。
【0123】
バックライト構成で使用される粘弾性導光体は、1つ以上の粘弾性材料を含む。有用な粘弾性材料は、フロントライト構成において使用される粘弾性導光体について上述されている。バックライト構成で使用される粘弾性導光体は、必要に応じて、上述のように1つ以上の添加剤を含むことができる。
【0124】
フロントライト構成について上述した再帰反射フィルムは、バックライト構成での使用に適している。
【0125】
バックライト構成では、粘弾性導光体及び再帰反射フィルムの特定の組み合わせを考えると、再帰反射フィルムを透過する光量は、導光体に進入する総光量に対し、約10%を超える、約20%を超える、約30%を超える、約40%を超える、約50%を超える、約60%を超える、約70%を超える、約80%を超える、又は約90%を超えることができる。粘弾性導光体及び再帰反射フィルムの特定の組み合わせを考えると、再帰反射フィルムを透過する光量は、導光体に進入する総光量の約10〜約50%、約20〜約50%、約30〜約50%、約50〜約70%、約50〜約80%、又は約10〜約90%にすることができる。
【0126】
一般的に、バックライト構成で使用される粘弾性導光体は、光源から発せられる光の少なくとも一部を受光するように適応されている。一部の実施形態では、光源は、光結合が生じるように粘弾性導光体に押し込むことができるため、特別な設計の入力面を必要としなくてもよい。一部の実施形態では、例えば導光体がPSAを含む場合など、光源を粘弾性導光体に付着させることができる。一部の実施形態では、光源は、粘弾性導光体内に埋め込むことができる。フロントライト構成について上述したように、粘弾性導光体は、光源から受光するように適応された入力面を含んでもよく、又は光源から発せられる光の少なくとも一部との光結合を促進するために抽出物品若しくは結合剤を使用してもよい。
【0127】
バックライト構成では、光源及びその動力供給手段は、フロントライト構成について上述したものと同じとすることができる。
【0128】
本明細書に記載する光学デバイスの光学物品は、特定の用途に応じて、様々な多層構成体で使用することができる。図5は、光学物品501及び光源105を含む、代表的な光学デバイス500の概略断面図を示す。このバックライト構成では、粘弾性導光体110は、目120によって示される観察者から、より離れている。光源105は、光源から発せられる光が粘弾性導光体110に進入し、かつ全反射によって層内部で輸送されるように、粘弾性導光体110に対して位置づけられる。光学物品501は、再帰反射性シーティング240を含む。一般的に、本明細書に記載する再帰反射フィルムは、再帰反射性シーティング240の代わりに使用し得るものであり、例えば再帰反射フィルム140を使用することができる。光学物品501は、第1の任意層505、第2の任意層510、及び第3の任意層515を備える。
【0129】
バックライト構成では、第1及び/又は第2の任意層は、粘弾性導光体から抽出され、かつ/又は再帰反射フィルムを透過中の、光の挙動に干渉するように又は干渉しないように設計することができる。第1及び/又は第2の任意層は、実質的に構造化されていない、複数の特徴で構造化された、又はそれらの組み合わせである、対向する主表面を有することができる。例えば、主表面511は、光を好ましい角度分布に方向づけるにあたり特に有用な(図1dの表面176について示されるような)レンズを含む特徴を有することができる。
【0130】
第1及び/又は第2の任意層の厚さは、光学デバイスが要望どおりに機能し得る限り、制限されない。第1及び/又は第2の任意層の代表的な厚さは、約0.010mm〜約25.4mm(0.4mil〜約1000mil)の範囲である。
【0131】
第1及び/又は第2の任意層は、多様な光透過性及び曇り特性を有することができる。一部の実施形態では、第1の任意層は、可視光スペクトルの少なくとも一部にわたり約80〜約100%、約90〜約100%、約95〜約100%、又は約98〜約100%という高い光透過率を有する光学的に透明な基板を含む。一部の実施形態では、第1の任意層は、例えば約0.1〜約70%、約0.1〜約50%、又は約0.1〜約20%という低い光透過率を有する。一部の実施形態では、第1の任意層は、約0.01〜約5%未満、約0.01〜約3%未満、又は約0.01〜約1%未満のヘイズ値を有する。一部の実施形態では、第1の任意層は、曇りがあり、光、特に可視光を拡散させる。曇った第1の任意層は、約5〜約90%、約5〜約50%、又は約20〜約50%のヘイズ値を有し得る。一部の実施形態では、第1の任意層は、光を反射かつ透過させる半透明である。
【0132】
一部の実施形態では、第1及び/又は第2の任意層は、高分子フィルムを含む。有用な高分子フィルムとしては、セルロースアセテート、ポリ(メタ)アクリレート(アクリレート及び/又はメタクリレート)、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、シンジオタクチックポリスチレン、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナフタレンジカルボン酸系コポリマー若しくは配合物、又はそれらの何らかの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、第1の任意層は、粘弾性導光体の屈折率よりも高い屈折率を有するポリ(メタ)アクリレートを含む。
【0133】
第1及び/又は第2の任意層は、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、アクリルガラス、飴ガラスなどの、硬く、脆性のある無定形固体を通常含む、ガラスを含むことができる。
【0134】
第2の任意層は、上述した剥離ライナを備えることができる。
【0135】
一部の実施形態では、第2の任意層は、上述のように像をもたらすために使用することができる。一部の実施形態では、第2の任意層は接着剤であってもよい。有用な接着剤としては、光学的に透明な接着剤、光拡散性接着剤、放射線硬化性接着剤、熱硬化性接着剤、ホットメルト接着剤、コールドシール接着剤、熱活性化接着剤、室温硬化性接着剤が挙げられる。
【0136】
バックライト構成では、第3の任意層を、粘弾性導光体内を輸送中の光を反射する反射体にすることができる。有用な反射体としては、鏡面反射体及び拡散反射体が挙げられる。第3の任意層は、多層光学フィルムを含むことができる。
【0137】
第3の任意層は、直径が約100nm未満の孔を含むナノ構造の多孔性材料を通常含む、ナノフォームを含むことができる。例えば、第3の任意層は、ゲルの液体成分を空気で置換した、ゲルに由来する低密度の固体物質であるエアロゲルを含むことができる。使用することのできる代表的なエアロゲルとして、シリカ、アルミナ、及び炭素のエアロゲルがある。第3の任意層は、白色粒子で充填されたポリマーフィルムなど、屈折率の低い材料を含むことができる。
【0138】
フロント及びバックライト構成
フロント及びバックライト構成のいずれにおいても、粘弾性導光体は、光源から発せられる光の少なくとも一部を受光するように適応されている。一部の実施形態では、光源は、光結合が生じるように粘弾性導光体に押し込むことができるため、特別な設計の入力面を必要としなくてもよい。一部の実施形態では、例えば導光体がPSAを含む場合など、光源を粘弾性導光体に付着させることができる。一部の実施形態では、光源は、粘弾性導光体内に埋め込むことができる。
【0139】
一部の実施形態では、粘弾性導光体は、光源から受光するように適応された入力面を含む。入力面は、光結合手段及び/又は特定の光源に応じて、様々なトポグラフィーを有することができる。入力面は、適切な曲率を有することができる。入力面を含む入力端は、光源の凸レンズを受容するために、例えば凹状の半球型空洞など、特定の空洞を有してもよい。あるいは、入力面は、光源からの光を粘弾性導光体内に光結合するために、プリズム又はレンズのような屈折構造を有してもよい。
【0140】
一部の実施形態では、光源と入力端との間に配置された抽出物品を使用して、光源から発せられる光の少なくとも一部との光結合を促進することができる。有用な抽出物品は、光源から光を抽出するための適切な曲率を有し得る。粘弾性導光体及び光源の一部の要素の屈折率を適合させるために、結合剤を使用してもよい。粘弾性導光体を光源の何らかの部分に取り付け、次に熱及び/又は光を用いて硬化させて架橋材料を形成するために、架橋可能な材料を使用してもよい。
【0141】
結合剤は、シリコーンゲルを含むことができる。シリコーンゲルは架橋されてもよい。シリコーンゲルは、シリコーンオイルと混合してもよい。シリコーンゲルは、例えばジメチルシリコーン、ジフェニルシリコーン、又はフェニルメチルシリコーンのような、1つ以上のシリコーン材料を含み得る。シリコーンゲルは、架橋されたフェニルメチルシリコーン部分を含んでもよい。シリコーンゲルは、架橋されたフェニルメチルシリコーン部分及びフェニルメチルシリコーンオイルを含んでもよい。シリコーンゲルは、架橋されたフェニルメチルシリコーン部分及びフェニルメチルシリコーンオイルを、重量比0.2:1〜5:1で含むことができる。シリコーンゲルは、架橋されたフェニルメチルシリコーンを含んでもよい。シリコーンゲルの代表的な使用は、参照によって本明細書に引用されたこととする米国特許第7,315,418号(DiZioら)に記載されている。
【0142】
フロント及びバック構成のいずれにおいても、光源は、光源からの光の少なくとも一部が導光体に進入することができるように、粘弾性導光体に光結合させることができる。例えば、光源は、光源から発せられた光の約1〜約10%、約1〜約20%、約1〜約30%、約1〜約40%、約1〜約50%、約1〜約100%、約1〜約100%、約50〜約100%、又は約1〜約100%が粘弾性導光体に進入するように、粘弾性導光体に対して光結合させることができる。光源は、ランダムな又は特定の角度分布を有する光を発することができる。
【0143】
光源は、任意の適した光源を含むことができる。代表的な光源としては、冷陰極蛍光ランプなどの線光源、及び発光ダイオード(LED)などの点光源が挙げられる。代表的な光源として、有機発光デバイス(OLED)、白熱電球、蛍光灯、ハロゲンランプ、紫外線電球、赤外線源、近赤外線源、レーザー、ケミカルライト源も挙げられる。一般的に、光源から発せられる光は、可視であっても不可視であってもよい。少なくとも1つの光源を使用することができる。例えば、1〜約10,000の光源を使用することができる。光源は、粘弾性導光体の端又は端近くに配置される1列のLEDを含むことができる。光源は、LEDから発せられた光が所望の領域全体にわたって継続的又は均一に粘弾性導光体を照らし出すように回路上に配置されたLEDを含むことができる。光源は、色が粘弾性導光体内で混合され得るよう、異なる色の光を発するLEDを含むことができる。これにより、使用中、異なる時点で異なって表示されるように、グラフィックを設計することが可能になる。
【0144】
光源には、任意の適切な手段で電力供給することができる。光源には、電池、直流電源、交流−直流電源、交流電源、又は太陽光発電セルを用いて電力供給することができる。
【0145】
粘弾性導光体は、粘弾性材料の作製に一般的に使用される任意の方法又はプロセスを使用して、作製することができる。一般的なプロセスは、連続鋳造及び硬化、押し出し成形、ミクロ複製、及びエンボス方法といった連続的なプロセスを含む。架橋など、材料を硬化させる必要のあるプロセスには、様々な種類の放射を使用することができる。従来の成形プロセスを使用することもできる。型は、型材をミクロ加工及び研磨して、所望の特徴、構造化表面などを作り出すことにより作製することができる。粘弾性導光体及び型の表面の構造化には、レーザーアブレーションを使用することができる。これらのプロセスの更に詳細な説明は、上記に引用したShermanらの参照文献に記載されている。
【0146】
粘弾性導光体及び再帰反射フィルムを備える光学物品は、多くの方法で作製することができる。一部の実施形態では、導光体及び再帰反射フィルムは、別個に作製し、接触させ、指圧、ハンドローラー、エンボッサー、又はラミネータで押しつけ合わせることができる。一部の実施形態では、再帰反射フィルム材を導光体上にコーティングすることによって、再帰反射フィルムを粘弾性導光体上に形成することができる。次いで、再帰反射フィルム材を処理して再帰反射フィルムを形成することができる。例えば、再帰反射フィルム材を粘弾性導光体上に層状に押し出し成形し、材料を冷却し固化して再帰反射フィルムを形成することができる。あるいは、再帰反射フィルム材は、硬化性であってよく、加熱及び/又は放射線の適用により処理して再帰反射フィルムを形成することができる。再帰反射フィルム材は、溶媒を含むことができ、再帰反射フィルムは、その溶媒を除去することにより形成される。
【0147】
一部の実施形態では、再帰反射フィルム上に粘弾性材料をコーティングすることによって、粘弾性導光体を再帰反射フィルム上に形成することができる。次いで、粘弾性材料を処理して粘弾性導光体を形成することができる。例えば、粘弾性材料を再帰反射フィルム上に層状に押し出し成形し、材料を冷却し固化して導光体を形成することができる。あるいは、粘弾性材料は、硬化性であってよく、加熱及び/又は放射線の適用により処理して導光体を形成することができる。粘弾性材料は、溶媒を含むことができ、導光体は、その溶媒を除去することにより形成される。
【0148】
再帰反射フィルム材又は粘弾性材料が硬化性である場合は、部分的に硬化されたそれぞれ再帰反射フィルム又は導光体を有する光学物品を作製することができる。再帰反射フィルム材又は粘弾性材料が硬化性である場合は、材料が架橋されるように、化学的に硬化する材料を使用することができる。再帰反射フィルム材又は粘弾性材料が硬化性である場合は、再帰反射フィルム材を、別の材料又は光源との接触の前、後、又は間に硬化させることができる。
【0149】
再帰反射フィルム材又は粘弾性材料が光を用いて硬化可能である場合、光源を材料に光結合させ、光源から光を注入することにより硬化を実施することができる。
【0150】
再帰反射フィルムは、粘弾性導光体の表面を構造化するために使用することができ、例えば粘弾性導光体は、自ら構造化せずにむしろ再帰反射フィルムの構造化表面に接触したときに構造化されるようにすることができる。再帰反射フィルムの表面を変形させて境界面を作り出すように、粘弾性導光体に構造化表面をもたせることも可能である。
【0151】
本明細書において開示する光学物品及び光学デバイスは、任意の数の方法で提供することができる。光学物品及び光学デバイスは、平らに置いたシート又はストリップとして提供することができ、又は巻き上げてロールを形成してもよい。光学物品及び光学デバイスは、単一の物品としてパッケージ化してもよいし、複数、セットなどにすることもできる。光学物品及び光源は、アセンブリ形態、つまり光学デバイスとして提供してもよい。光学物品及び光源は、両者が互いに別個であり、ある時点で使用者により組み立てられるキットとして提供してもよい。光学物品及び光源はまた、使用者のニーズに応じて様々に組み合わせることができるように、別個に提供してもよい。光学物品及び光学デバイスは、点灯させるために、一時的に又は恒久的に組み立ててもよい。
【0152】
本明細書に開示する光学物品は、特定の使用に応じて変更することができる。例えば、光学物品は、はさみ又は打抜き方法を用いるなど、任意の適切な手段で切断又は分割することができる。特に有用な打抜き方法が、参照によって本明細書に引用されたこととする米国仮出願シリアル番号第61/046813号(64033US002、Shermanら)に記載されている。光学物品及びデバイスは、英字、数字、及び正方形、矩形、三角形、星といった幾何学的図形など、異なる形状に切断又は分割することができる。
【0153】
光学物品及び光学デバイスは、グラフィックアートの用途向けなど、看板に使用することができる。光学物品及び光学デバイスは、窓、壁、壁紙、壁掛け、写真、ポスター、ビルボード、柱、ドア、フロアマット、車両、又は看板が使用される任意の場所の上又は中に使用することができる。代表的な光学物品は、2009年4月16日に申請された米国特許第61/169973号(64347US008、Shermanら)の図19に示される曲面上に使用することができる。
【0154】
光学物品及び光学デバイスは、標識、マーキングなどの両面で光を観察できるように、両面にすることができる。図6は、光学物品601と光源605及び606とを備えた代表的な光学デバイス600の概略断面図を示す。この実施形態では、光は、目620及び621によって示されるように、デバイスの両側で観察可能である。第1の粘弾性導光体610及び第2の粘弾性導光体611は、第3の任意層650の対向する面上に配置される。第1の再帰反射フィルム640は、第3の任意層650とは反対側の第1の粘弾性層610上に配置される。同様に、第2の再帰反射フィルム641は、第3の任意層650とは反対側の第2の粘弾性層611上に配置される。
【0155】
光学物品601は、第3の任意層650の対向する面上のグラフィックがバックライト構成を有する、両面グラフィックの例である。一般的に、光学物品は、様々な用途について両面になるように設計することができる。両面の光学物品は、2つのバックライト構成、2つのフロントライト構成、又はそれらの組み合わせを有することができる。
【0156】
光学物品及びデバイスは、光が所望される場所であればどこでも、安全目的で使用することができる。例えば、光学物品及びデバイスは、梯子の1つ以上の踏み段、階段の踏み段、航空機、映画館などの通路、歩行通路、出口、手すり、作業区間識別標識及びマーキングを照明するために使用することができる。これらの用途の1つに関する代表的な光学物品が、2009年4月16日に申請された米国特許第61/169973号(64347US008、Shermanら)の図20に示されている。
【0157】
光学物品及び光学装置は、読書灯、帽子、オーナメント、ロープライト、風船、ギフトバッグ、挨拶状、包装紙などのパーティ及び祝日の装飾、デスクマット、マウスパッド、メモ帳ホルダー、筆記用具などのデスク及びコンピュータの付帯物、釣り用疑似餌などのスポーツ用品、編み針などの手芸用品、歯ブラシなどの身の回り品、時計の文字盤、ライトスイッチ用ウォールプレート、フック、工具などの家庭及びオフィス用品といった、様々な品目に使用することができる。これらの用途の1つに関する代表的な光学物品が、2009年4月16日に申請された米国特許第61/169973号(64347US008、Shermanら)の図21に示されている。
【0158】
光学物品及び光学デバイスは、装飾及び/又は安全目的で衣服及び装身具上に使用することができる。例えば、光学物品及び光学デバイスは、サイクリストの上着上又は鉱山労働者のヘッドギア上に使用することができる。別の例を挙げると、光学物品及び光学デバイスは、腕時計のストラップ及びリストバンドの上若しくは中、又は時計の文字盤の上若しくは中に使用することができる。これらの用途の1つに関する代表的な光学物品が、2009年4月16日に申請された米国特許第61/169973号(64347US008、Shermanら)の図22に示されている。
【0159】
光学物品及び光学デバイスは、光が必要又は所望される場所であればどこでも使用することができる。光学物品及び光学デバイスを棚の上部表面上に配置して、それぞれ物品又はデバイスからの光が、上方向に発せられるようにすることができる。同様に、光学物品及び光学デバイスを棚の下部表面上に配置して、それぞれ物品又はデバイスからの光が、下方向に発せられるようにすることができる。光学物品及び光学デバイスは、光透過性部分を有する棚の上又は内部に配置することもできる。物品及びデバイスは、光が光透過性部分から発せられるように配置することができる。これらの用途の1つに関する代表的な光学物品が、2009年4月16日に申請された米国特許第61/169973号(64347US008、Shermanら)の図23に示されている。
【0160】
光学物品及びデバイスは、懐中電灯として使用することができる。例えば、光学物品及び光学デバイスは、手持ち式電子機器の電池のカバープレート又はその他の部分の、外部又は内部上に配置することができる。光学物品及び光学デバイスは、電子機器の電池に配線接続してもしなくてもよいが、自らの電源を有し得る。電子装置の電池カバーは、ディスプレイを備えるデバイスの残りの部分から取り外し可能にしてもしなくてもよい。
【0161】
光学物品及び光学デバイスは、自動車、海上船舶、バス、トラック、鉄道車両、トレーラー、航空機、及び航空宇宙機といった車両向けに使用することができる。光学物品及びデバイスは、外部、内部、又は任意の中間の表面を含む、車両のほぼどの表面上においても使用することができる。例えば、光学物品及びデバイスは、車両の外部及び/又は内部のドアハンドルを照らし出すのに使用することができる。光学物品及びデバイスは、トランクコンパートメントの照明に使用することができ、例えば、トランクのふたの下側又はコンパートメント内に配置することができる。光学物品及びデバイスは、バンパー、スポイラー、床板、窓上に、テールライト、シルプレートライト、パドルライト、非常灯、中央ハイマウント停止灯、若しくは車幅灯及びマーカー上に、又はこれらとして使用できる。光学物品及びデバイスは、エンジンコンパートメント内部の照明に使用することができ、例えばボンネットの下側、コンパートメント内、又はエンジン部品上に配置することができる。
【0162】
光学物品及びデバイスは、ドアの外部及び内部パネル間の車両ドアの端面上に使用することもできる。これらの光学物品及びデバイスは、使用者、製造者などに様々な情報を提供するために使用することができる。光学物品及びデバイスは、一般的に点灯領域が表示される車両の計器盤を照明するために使用することができる。光学物品及びデバイスは、カップホルダー、コンソール、取っ手、座席、ドア、ダッシュボード、ヘッドレスト、ハンドル、ホイール、携行型ライト、コンパスなど、その他の内部品目上に使用することができる。光学物品及びデバイスは、後方若しくは助手席領域で読書灯に、又は車両内部のアンビエント照明の提供に使用することができる。2009年4月16日に申請された米国特許第61/169973号(64347US008、Shermanら)の図24には、光学物品2400及び2401を有する代表的な自動車が示されている。
【0163】
光学物品及び光学デバイスは、品目の製造において、又は品目の交換部品として使用することができる。例えば、光学物品及び光学デバイスは、自動車製造業者、又は自動車の何らかの特定の部品の組立若しくは修理のための自動車修理工場に販売することができる。2009年4月16日に申請された米国特許第61/169973号(64347US008、Shermanら)の図25には、テールライト2500を有する代表的な自動車が示されている。光学物品又は光学デバイス(図示せず)は、一般的に赤、黄、又は透明のプラスチックである、テールライトの外部層の後方に配置される。テールライトは、光源として電球又はLEDを有する空洞を含んでもよい。光学物品又はデバイスを、光源の代わりに空洞内で使用してもよい。あるいは、テールライトは、空洞を含まなくてもよく、又は今日の自動車で使用されているよりもずっと小さい空洞を少なくとも含んでもよい。光学物品又は光学デバイスは、テールライトの全体的寸法が縮小されるように、テールライトの外部層の後方又は内部に配置することができる。
【0164】
光学物品及び光学デバイスは、交通標識、道路標識、ハイウェイの分離帯及び障壁、料金所、路面標識、並びに作業区間の識別標識及びマーキング用など、交通安全のために使用することができる。光学物品及びデバイスは、装飾用、車両登録などの情報を提供するためなど、ナンバープレート上に使用することができる。光学物品及びデバイスは、ナンバープレートが側方、上部などから照らし出されるように、ナンバープレート付近に光をもたらすために使用することもできる。
【0165】
光学物品及び光学デバイスは、バックライトアセンブリと呼ばれることもある、中空の光再利用空洞を含む照明器具とともに使用することができる。バックライトアセンブリは、看板又は照明全般に使用することができる。代表的なバックライトアセンブリは、参照によって本明細書に引用されることとなる国際特許公開第WO 2006/125174号(Hoffmanら)及び米国特許第2008/0074901号(Davidら)に開示されている。本明細書に開示する光学物品及び光学デバイスは、これらの参照文献に記載される光源に代えて使用することができる。
【0166】
図7は、代表的なバックライトアセンブリ700の概略断面図を示す。バックライトアセンブリは、複数の内面706a〜cと、断面の平面に実質的に平行な対向する2つの側面707a及びb(図示せず)と、を有するハウジング705を備える。これらの内面706a〜c並びに707a及びbのうちの少なくとも1つは、反射性である。バックライトアセンブリ700は、アセンブリの底部に沿って配置された光源710も備えるが、これらの光源は、ハウジングのその他のいずれの側面に沿って配置してもよい。バックライトアセンブリ700は、光学物品720も含む。ハウジング705及び光学物品720は、密閉されたバックライトを形成する。ハウジング705は、金属及び/又はポリマーを含んでもよい。反射性の内面は、上記の反射体及び反射面のいずれかを備えることができる。
【0167】
本実施形態では、光学物品720は、多層光学フィルム721、多層光学フィルム上に配置された粘弾性導光体722、多層光学フィルムとは反対側の導光体上に配置された再帰反射フィルム723、及び導光体とは反対側の再帰反射フィルム上に配置された追加層724を備える。多層光学フィルムは、上述のようにスリークウォーターミラーを含むことができる。粘弾性導光体722及び再帰反射フィルム723は、それぞれ上記のいずれかを含むことができる。追加層724は、密閉されたバックライトの内部から外部照明装置700に光を透過させる任意の材料を含むことができる。追加層724は、拡散性かつ/又は半透明であってよい高分子フィルムを含むことができる。高分子フィルム724は、上記及び2009年4月16日に申請された米国特許第61/169973号(64347US008、Shermanら)に記載されるように、像をもたらすこともできる。
【0168】
光学物品及び光学デバイスは、携帯電話、パーソナルデジタル端末、MP3プレーヤー、デジタルフォトフレーム、モニタ、ラップトップコンピュータ、ミニ投影機などの投影機、GPSディスプレイ、テレビといった、表示装置の上又は中に使用することができる。光学物品は、表示装置の表示パネルの背後から光を当てるために使用される従来の導光体の代わりに使用することができる。例えば、粘弾性導光体は、1つ以上の実質的に線又は点の光源からの光を配光する中実又は中空の導光体に代えて使用することができる。表示装置は、表示コンポーネントを粘弾性導光体に結合するための接着剤を必要とすることなく、組み立てることができる。代表的な表示装置としては、LCD及びプラズマ表示パネルを有するものが挙げられる。代表的な表示装置は、2009年4月16日に申請された米国特許第61/169973号(64347US008、Shermanら)、米国特許第2008/232135 A1号(Kinderら)及び米国特許第6,111,696号(Allenら)に記載されている。
【0169】
光学物品及びデバイスは、上述した表示装置を含む、様々な電子装置における点灯ボタン及びキーパッドに使用することができる。この場合、光学物品及びデバイスは、いずれも参照によって本明細書に引用されたこととする、2009年4月16日に申請された米国特許第61/169973号(64347US008、Shermanら)、同第7,498,535号(Hoyle)、同第2007/0279391 A1号(Marttilaら)、同第2008/0053800 A1号(Hoyle)、及び米国特許シリアル番号第12/199862号(63619US006、Sahlinら)に記載される従来の導光体に代えて使用される。
【0170】
本明細書に開示する光学物品及び光学デバイスは、セキュリティフィルム又はラミネートに組み込むことができる。これらのセキュリティラミネートは、下にある品目が不正変更されることのないように文書又はパッケージを保護するために使用される。セキュリティラミネートは、運転免許、パスポート、不正開封防止シールなどを作製するのに使用することができる。代表的なセキュリティフィルム構成体は、いずれも参照によって本明細書に引用されたこととする、米国特許第5,510,171号(Faykish)、同第6,288,842号(Florczakら)、及び米国特許シリアル番号第12/257223号(64812US002、Endleら)に記載されている。
【0171】
図8は、粘弾性導光体801及び再帰反射フィルム802を備える代表的な光学物品800の概略断面図を示す。再帰反射フィルム802は、ホログラフィックフィルムを含んでもよい。類似の構成体が、Faykishの図1に示されている。接着層820は、像の形状にパターン化されており、この層が、再帰反射フィルム802と接着層825との間に配置される。接着層825は、保護対象の文書である文書830上に配置される。保護層840は、粘弾性導光体の表面、及び/又は保護層と導光体との間にあるその他の層を保護する。保護層840は、一般的に高分子フィルム又はガラスである。光学物品800は、フロントライト構成を有するが、バックライト構成を使用することもできる。
【0172】
光学物品及び光学デバイスは、照明されるナンバープレートの構成体において使用することができる。有用な光学物品としては、米国特許第2007/0006493号(Eberwein)、同第2007/0031641 A1号(Frischら)、同第20070209244号(Prolliusら)、国際特許公開第WO 2008/076612 A1号(Eberwein)、同第WO 2008/121475 A1号(Frisch)、同第WO 2008/016978号(Wollnerら)、及び同第WO 2007/92152 A2号(Eberwein)に記載されるフロントライト及びバックライト光学物品が挙げられる。
【0173】
図9は、バックライト構成を有する、代表的なナンバープレートアセンブリ900の概略断面図を示す。類似のアセンブリが、Prolliusらの図6に示されている。ナンバープレートアセンブリ900は、光源905が配置されるフレーム901を含む。粘弾性導光体910は、光源に隣接する。再帰反射フィルム930は、目950として示される観察者にとって、粘弾性導光体の上になるように配置される。再帰反射フィルム930と粘弾性導光体910との間には、再帰反射フィルム930の屈折率に比べて比較的低い屈折率を有する何らかの材料940が配置される。材料940は、上述のように空気、ポリマー、又はエアロゲルを含むことができる。表示部961を有するナンバープレート960は、接着層970で再帰反射フィルム930に接着される。粘弾性導光体910は、PSAを含むことができる。有用な接着剤としては、光学的に透明な接着剤、光拡散性接着剤、放射線硬化性接着剤、熱硬化性接着剤、ホットメルト接着剤、コールドシール接着剤、熱活性化接着剤、室温硬化性接着剤が挙げられる。
【0174】
別の代表的なナンバープレートアセンブリは、再帰反射フィルム上に配置された表示部を含み、それ故ナンバープレート960及び接着層970の必要性が除去される。この場合は、ナンバープレートが再帰反射フィルムである。
【0175】
再帰反射性シーティングを含む実施形態では、シーリングフィルムが観察者にとって本体層よりも近くなるように、シーティングを「反転」させることができる。フロントライト構成では、粘弾性導光体は、シーリングフィルムに隣接する。ポリメチルメタクリレートなどの光学透過性フィルムの層(保護用)は、粘弾性導光体の反対側に配置することができる。鏡面反射体などの反射体は、粘弾性導光体とは反対側の再帰反射性シーティング上に配置することができる。バックライト構成では、粘弾性導光体は、本体層に隣接する。鏡面反射体などの反射体は、粘弾性導光体とは反対側の再帰反射性シーティング上に配置することができる。
【0176】
「接触している」及び「上に配置された」という用語は、通常、品目全体が要望どおりに機能できるように2つの品目が互いに隣接していることを説明するのに使用される。これは、その品目が要望どおりに機能する限り、隣接する品目間に追加的な材料が存在してもよいことを意味し得る。
【実施例】
【0177】
(実施例1)
3層の積層体が、1mmの公称厚さ、及びアッベ屈折計で測定された際に1.473の屈折率を有する透明のアクリルPSAを含む3枚のテープ(3M CompanyのVHB(商標)Acrylic Tape 4910F)から作製された。3層の積層体の作製には、ハンドローラーを使用した。次いで、この3層の積層体を、3M(商標)Companyの3M(商標)Diamond Grade(商標)Reflective Sheeting(10.2cm×20.3cm(4インチ×8インチ)の領域)の正面の表面(観察者側)に積層し、その結果、フロントライトのシーティングとなった。一方の端からコアPSAに測面発光LEDを圧入し、光は3層の積層体20.3cm(8インチ)全体を容易に通過し、光が退出する様子が視認可能であった。また、光は、シーティングの白い六角形のシールパターンに沿った光源に対して垂直に抽出された。
【0178】
(実施例2)
90/10イソオクチルアクリレート/アクリル酸、0.3重量%のヘキサンジオールジアクリレート、及び0.2重量%のIRGACURE 651光反応開始剤(phototinitiator)(Ciba Specialty)で処方された接着剤組成物を、2本のリボン状の側面発光ダイオード(LED)を22.9cm(9インチ)間隔に(両面接着剤で)取り付けた、0.13mm(5mil)のミラーフィルム(3M(商標)Co.のVikuiti(商標)Enhanced Specular Reflector)にコーティングした。接着剤組成物は、ノッチバーナイフコーター(notched bar knife coater)を用いてコーティングし、かつシリコーン剥離ライナ(CP Films T10 0.05mm(2.0mil)ポリエステル剥離ライナ)で被覆した。低強度の紫外線ランプを用いて、接着剤組成物を15分間硬化させた。LEDリボンが完全に封入されるように、接着剤組成物を湿潤厚さ1.78mm(70mil)でコーティングした。接着剤は、厚さ1.02mm(40mil)及び屈折率1.474(アッベ屈折計での計測による)であった。LEDに電力供給できるように、結合点においてリボンから接着剤を除去した。次いで、このLEDが埋め込まれた導光体構成体(22.9cm×91.4cm(9インチ×36インチ)の領域)上に3M(商標)Diamond Grade(商標)DG3 Reflective Sheeting(シリーズ4000)を積層した。封入された側面発光LEDに電力供給し、光はPSAの全長22.9cm(9インチ)を容易に通過し、光が反射性シーティングを通って退出する様子が視認可能であった。
【0179】
(実施例3)
90/10イソオクチルアクリレート/アクリル酸、0.3重量%のヘキサンジオールジアクリレート、及び0.2重量%のIRGACURE 651光反応開始剤(phototinitiator)(Ciba Specialty)で処方された接着剤組成物を、2本のリボン状の側面発光ダイオード(LED)を22.9cm(9インチ)間隔に(両面接着剤で)取り付けた、0.13mm(5mil)のミラーフィルム(3M(商標)Co.のVikuiti(商標)Enhanced Specular Reflector)にコーティングした。接着剤組成物は、ノッチバーナイフコーターを用いてコーティングし、かつシリコーン剥離ライナ(CP Films T10 0.51mm(2.0mil)ポリエステル剥離ライナ)で被覆した。低強度の紫外線ランプを用いて、接着剤組成物を15分間硬化させた。LEDリボンが完全に封入されるように、接着剤組成物を湿潤厚さ1.78mm(70mil)でコーティングした。接着剤は、厚さ1.02mm(40mil)及び屈折率1.474(アッベ屈折計での計測による)であった。LEDに電力供給できるように、結合点においてリボンから接着剤を除去した。次いで、このLEDが埋め込まれた導光体構成体(22.9cm×91.4cm(9インチ×36インチ)の領域)上に、ポリカーボネートフィルムのない3M(商標)Diamond Grade(商標)Reflective Sheetingを含む可撓性の反射性シーティングを積層した。封入された側面発光LEDに電力供給し、光はPSAの全長22.9cm(9インチ)を容易に通過し、光が反射性シーティングを通って退出する様子が視認可能であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
粘弾性導光体であって、前記光源から発せられた光が前記粘弾性導光体に進入し、かつ全反射によって前記導光体内部で輸送される、粘弾性導光体と、
光の再帰反射に適した再帰反射フィルムであって、前記粘弾性導光体内を輸送中の光が前記導光体から抽出され、かつ前記再帰反射フィルムの構造化表面から再帰反射する、再帰反射フィルムと、
を備える、光学デバイス。
【請求項2】
再帰反射は屈折による反射を含む、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項3】
再帰反射は回折による反射を含む、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項4】
光源と、
粘弾性導光体であって、前記光源から発せられた光が前記粘弾性導光体に進入し、かつ全反射によって前記導光体内部で輸送される、粘弾性導光体と、
光の再帰反射に適した再帰反射フィルムであって、前記粘弾性導光体内を輸送中の光が前記導光体から抽出され、かつ前記再帰反射フィルムを透過する、再帰反射フィルムと、
を備える、光学デバイス。
【請求項5】
前記粘弾性導光体内を輸送中の光の少なくとも約80%が前記導光体から抽出される、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項6】
前記粘弾性導光体が感圧性接着剤を含む、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項7】
前記デバイスが可撓性である、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項8】
前記粘弾性導光体が、約90〜約100%の光透過率と、約0.01〜約5%未満のヘイズ値と、を有する、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項9】
前記再帰反射フィルムが、前記粘弾性導光体の屈折率よりも大きい屈折率を有する、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項10】
前記粘弾性導光体が前記再帰反射フィルムに接触する、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項11】
前記粘弾性導光体と前記再帰反射フィルムとの間に高分子フィルムが配置されている、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項12】
前記再帰反射フィルムがプリズム型再帰反射性シーティングを含む、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項13】
前記再帰反射フィルムが鏡上に配置されている、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項14】
前記粘弾性層が、印刷されたグラフィックフィルム上に配置されている、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項15】
前記粘弾性層がホログラフィックフィルム上に配置されている、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項16】
前記粘弾性導光体が、スリークウォーターミラーを含む多層光学フィルム上に配置されている、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項17】
前記再帰反射フィルムが再帰反射性シーティングを含み、前記粘弾性導光体が、前記シーティングとスリークウォーターミラーを含む多層光学フィルムとの間に配置されている、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項18】
光拡散層が、前記再帰反射フィルムと前記粘弾性導光体との間に配置されている、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項19】
前記粘弾性導光体が鏡上に配置されている、請求項4に記載の光学デバイス。
【請求項20】
前記再帰反射フィルムが再帰反射性シーティングを含み、前記粘弾性導光体が、前記シーティングと鏡との間に配置されている、請求項4に記載の光学デバイス。
【請求項21】
前記粘弾性導光体が剥離ライナ上に配置されている、請求項1又は4に記載の光学デバイス。
【請求項22】
請求項1又は4に記載の光学デバイスを含む、標識又はマーキング。
【請求項23】
請求項1又は4に記載の光学デバイスを含む、ナンバープレートアセンブリ。
【請求項24】
請求項1又は4に記載の光学デバイスを含む、セキュリティラミネート。
【請求項25】
ハウジングと、透明カバーと、請求項1又は4に記載の光学デバイスと、を含む、車両との使用に適したテールライトアセンブリ。
【請求項26】
ハウジングと、発光層と、請求項1又は4に記載の光学デバイスと、を含む、照明装置。
【請求項27】
前記照明装置が、最大輝度の少なくとも約70%である最小輝度を有する均一な照明を提供する、請求項26に記載の照明装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−527771(P2011−527771A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517470(P2011−517470)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/048876
【国際公開番号】WO2010/005810
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】