説明

粘性化粧品

【課題】粘性化粧料を中味戻し可能な押出し容器内に収納した粘性化粧品において、粘性化粧料を効果的に塗布し操作できる容器の形状と、その形状に適した粘性化粧料の粘度を兼ね備えた粘性化粧品。
【解決手段】粘性化粧料を中味戻し可能な押出し容器内に収納した粘性化粧品において、塗布部は弾性材からなり、塗布面は、容器本体の縦軸に対して傾斜している平らな傾斜面であり、容器の筒状の粘性化粧料供給パイプは直径1.7乃至2.2mmであり、そこから連通して粘性化粧料を外方に吐出すための吐出口が開口状態で塗布面に設けられ、粘性化粧料は、ずり速度が0乃至5sec−1において19000mPa・s以上の粘度を有し、ずり速度が40sec−1で11000mPa・s以下の粘度を有し、さらにジプロピレングリコールを0.2wt%以上で含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘性化粧品に関し、より詳細には、粘性化粧料を中味戻し可能な押出し容器内に収納した粘性化粧品において、粘性化粧料を効果的に塗布し操作できる容器の形状と、その形状に適した粘性化粧料の粘度を兼ね備えた粘性化粧品に関し、また、微生物による二次汚染防止の配合で調製された粘性化粧料を収納部に収納した粘性化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からの固形の棒状に形成した化粧料を用いずに、近年では、筒状の収納部内に粘性化粧料を収納し、この化粧料を、収納部から連通した導入孔部を介して容器先端に設けた塗布部材により唇等の被塗布部に塗布する容器形状の粘性化粧品が市販されている。(例えば、特許文献1参照。)このような容器を用いた粘性化粧品を使用する場合、筒状の収納部内に粘性化粧料を収納し、この収納部内に配置してピストン作用をする中皿などの部材(ピストン体など)を押上げる機構によって、粘性化粧料を収納部の先端に形成した吐出口から外方に吐出しすることにより、唇等の被塗布部に塗布する容器形状の粘性化粧品も市販されている。また、このような化粧品は、収納部内の中皿を上下することにより、使用するだけの粘性化粧料を調節できたり、塗布面に吐出した余分な粘性化粧料を収納部内に再度戻すこともでき、よって、使用後に塗布面に残存する粘性化粧料を収納部内に再度戻すことが可能な粘性化粧品である。しかしながら、このような容器の塗布部先端に形成された吐出口は、通常、収納部内の中皿を上方に押上げた際の粘性化粧料の圧力によって開口するような閉じた状態である。そのため、このような吐出口の形状のために、塗布面に吐出した余分な粘性化粧料は、中皿を容器の底部方向に下げても十分に収納部内に戻らないという問題があった。
【0003】
また、唇等の被塗布部に接する塗布部先端の塗布面は、基本的には傾斜した形状ではあるが、吐出口が段差を持って形成されており、被塗布部に対して平らな形状ではなく、加えて、プラスチック製のために柔軟性がなくて硬く、唇等の柔らかい被塗布部に好適に塗布するための十分な形質・形状ではなかった。
【0004】
さらに、そのような粘性化粧品の容器に対して使用する粘性化粧料の粘度によっては、容器の操作性が困難であった。それは、収納部内の中皿を上下させる速度や度合い、つまり、粘性化粧料の収納容器底部などに設けられた、収納部内の中皿に連動して上下させる回動体(操作変換部など)の回転速度や回転回数の加減により、塗布部先端に形成した吐出口から外方に吐出し過ぎたり、または吐出し難かったりして、回動体の回転速度や回転回数の調節が困難であった。例えば、高粘性の粘性化粧料を収納する粘性化粧品を使用して唇等の被塗布部に塗布する場合、回動体の回転速度や回転回数をかなり高めても、塗布部先端に形成された吐出口から吐出されず、また、一方で低粘性の粘性化粧料を収納する粘性化粧品を使用して塗布する場合、回動体の回転速度や回転回数を相当抑えるように調節しながら操作しないと塗布部先端に形成された吐出口から吐出し過ぎたり、わずかな回動操作で吐出口から液ダレしたり、収納部内での粘性化粧料の保持度が低く、容器の先端部を下方に向けると回動体の回転速度や回転回数によっては、吐出口から漏れ出すなどの問題があった。
【0005】
さらに、このような問題は粘性化粧料が存在し、移動する容器内部の形状とも関係していることが分かっている。
【0006】
したがって、粘性化粧料を容器内に効果的に保持し、塗布部先端に形成した吐出口から外方に効率よく吐出し、かつ、塗布面に吐出した余分な粘性化粧料も容器内に効率よく再度戻すためには、容器内の形状と粘性化粧料の粘度を適切に調節する必要があった。
【0007】
さらにまた、このような粘性化粧品において、使用後の塗布面に残存する粘性化粧料を収納部内に再度戻す場合、被塗布部と接触した粘性化粧料が収納部内の未使用の粘性化粧料と接触して、肌あるいは唇等に付着している微生物および汗、皮脂、各層の剥離片、食べカスなど微生物が資化可能なものにより、収納部内の未使用の粘性化粧料が汚染されやすく不衛生なものとなっていた。
【0008】
一方、肌や唇等の被塗布部に接触する化粧料において、微生物等の雑菌などによる汚染に対抗して、化粧料に防腐効果をもたせるために、一般的にパラベンが多用されてきたが、近年、パラベンに代わる防腐剤として、ジプロピレングリコールなどの2価アルコールが使用されてきている。(例えば、特許文献2、3参照。)ジプロピレングリコールなどの2価アルコールは、従来は保湿成分として化粧料の原料の一部として使用されてきたが、防腐剤としての効果も見出され、処方系によってはパラベンよりも有効に防腐効果を有する可能性があり、その有用性が重視されており、粘性化粧料の処方系に依存して、パラベンとジプロピレングリコールなどの2価アルコールを共に含有した配合や、パラベンを全く含有せずにジプロピレングリコールなどの2価アルコールを含有した配合で調製されるなど、様々な化粧料に応用されてきている。
【0009】
しかしながら、このような中味戻し可能な押出し容器を用いる粘性化粧品において、上述した粘性化粧料の粘度を有して、なおかつ、微生物による二次汚染防止のための防腐剤としてジプロピレングリコールなどの2価アルコールを含有して調製された粘性化粧料を用いた粘性化粧品は未だ存在していなかった。
【特許文献1】特開平9−322819号公報
【特許文献2】特開平6−239731号公報
【特許文献3】特開2003−40725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は上述に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、粘性化粧料を中味戻し可能な押出し容器内に収納した粘性化粧品において、粘性化粧料を効果的に塗布し操作できる容器の形状と、その形状に適した粘性化粧料の粘度を兼ね備えた粘性化粧品を提供することである。
【0011】
より詳細には、容器が、粘性化粧料を効果的に塗布する形質および形状の塗布部と、粘度の異なる粘性化粧料でも操作しやすいパイプ径を有し、そのパイプ径に適した容器内の粘性化粧料が、容器内を効率的に移動し、かつ、容器内で効果的に保持する粘度を有することを特徴とする粘性化粧品である。
【0012】
また、本発明の別の目的は、上述した特徴に加え、微生物等の汚染の可能性を回避するため、防腐剤としてジプロピレングリコールなどの2価アルコールを含有して調製された粘性化粧料を用いた粘性化粧品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、鋭意検討した結果、粘性化粧料を中味戻し可能な押出し容器内に収納した粘性化粧品において、容器が、粘性化粧料を効果的に塗布する形質および形状の塗布部と、粘度の異なる粘性化粧料でも操作しやすいパイプ径を有し、そのパイプ径に適した容器内の粘性化粧料が、容器内を効率的に移動し、かつ、容器内で効果的に保持する粘度を有し、また、微生物等の汚染の可能性を回避するため、防腐剤としてジプロピレングリコールなどの2価アルコールを含有することによって、本発明の粘性化粧品を開発するに到った。
【0014】
すなわち、請求項1記載の発明は、
粘性化粧料を筒状の収納部を形成する中味戻し可能な押出し容器内に収納し、この容器の先端に塗布部を設け、該容器の一部に位置する回動体を一方向に回転させることによって、収納部内に収納した粘性化粧料を押圧して、粘性化粧料を塗布部の塗布面に設けた吐出口から外方に押出し可能にし、及び該回動体を逆方向に回転させることによって、塗布部上の余分な粘性化粧料を塗布面の吐出口から収納部内に戻すことを可能とする中皿を収納部内に装着した粘性化粧品において、
該塗布部は弾性材からなり、該塗布面は、容器本体の縦軸に対して傾斜している平らな傾斜面であり、該容器の筒状の粘性化粧料供給パイプは直径1.7乃至2.2mmであり、そこから連通して該粘性化粧料を外方に吐出すための吐出口が開口状態で該塗布面に設けられ、
該容器の収納部に収納された粘性化粧料は、ずり速度が0乃至5sec−1において19000mPa・s以上の粘度を有し、ずり速度が40sec−1で11000mPa・s以下の粘度を有することを特徴とする粘性化粧品によって達成される。
【0015】
上記発明によれば、容器に形成する弾性材、例えば、樹脂ラバーからなる塗布面の形状を容器本体の縦軸に対して傾斜している平らな傾斜面とすることによって、使用する際の粘性化粧料の塗布効果を高めることができ、直径1.7乃至2.2mmの該容器の筒状の粘性化粧料供給パイプから連通して該粘性化粧料を外方に吐出すための開口状態の吐出口が該塗布面に設けられることによって、使用後に塗布部に残存する粘性化粧料を容器内に容易に戻すことができる。さらに、該容器の収納部に収納された粘性化粧料が、ずり速度0乃至5sec−1において19000mPa・s以上の粘度を有し、ずり速度40sec−1で11000mPa・s以下の粘度を有することによって、収納部を包含する容器の一部に設けられた回動体の一方向あるいはそれとは逆方向の回転に応じて、(すなわち、当該収納部内に配置した中皿の適切な上下移動に応じて、)粘性化粧料が当該容器内を効率的に移動し、かつ、粘性化粧料を容器内で効果的に保持することができるために、化粧に適量なだけの粘性化粧料を無駄なく使用することができる。
【0016】
また、請求項2記載の発明は、
請求項1に記載の粘性化粧品において、
前記粘性化粧料はジプロピレングリコールを0.2wt%以上含有することを特徴とする。
【0017】
上記発明によれば、上記粘度に加え、筒状の収納部内にジプロピレングリコールの配合量が0.2wt%以上含有した微生物による二次汚染防止の配合で調製した粘性化粧料を収納することによって、容器の一部に設けられた回動体を一方向あるいはそれとは逆方向に回転させて当該収納部内に配置した中皿を上下することによって、化粧に適量なだけの粘性化粧料を無駄なく使用することができるだけでなく、特に、化粧後の塗布面上に残存する粘性化粧料を、回動体を逆方向に回転させて収納部内に再収納しても、使用後の塗布面が不衛生にならず、0.2wt%以上配合したジプロピレングリコールなどの2価アルコールの汚染防止効果により、微生物による二次汚染を効果的に防止することができ、保存時にも汚染などに対して有効な防腐効果を有し、粘性化粧料を良好な状態に保つことが可能である。
【発明の効果】
【0018】
したがって、本発明によると、粘性化粧料を中味戻し可能な押出し容器内に収納した粘性化粧品において、容器に形成する樹脂ラバーなどの弾性材からなる塗布面の形状を容器本体の縦軸に対して傾斜している平らな傾斜面とすることによって、使用する際の粘性化粧料の塗布効果を高めることができ、さらに、直径1.7乃至2.2mmの該容器の筒状の粘性化粧料供給パイプから連通して該粘性化粧料を外方に吐出すための開口状態の吐出口が該塗布面に設けられることによって、使用後に塗布部に残存する粘性化粧料を容器内に容易に戻すことができる。加えて、そのパイプ径に適した容器内の粘性化粧料が、ずり速度0乃至5sec−1において19000mPa・s以上の粘度を有し、ずり速度40sec−1で11000mPa・s以下の粘度を有することによって、粘性化粧料が当該容器内を効率的に移動し、かつ、容器内で効果的に保持することができ、さらに、収納部を包含する容器の一部に設けられた回動体を一方向あるいはそれとは逆方向に回転させて当該収納部内に配置した中皿を上下することによって、化粧に適量なだけの粘性化粧料を無駄なく使用することができる。
【0019】
さらにまた、上記の適度な粘度に加えて、ジプロピレングリコールなどの2価アルコールの配合量が0.2wt%以上で調製された粘性化粧料を収納部に収納した粘性化粧品を形成することによって、特に、化粧後の塗布面上に残存する化粧料を、回動体を逆方向に回転させて収納部内に再収納しても、使用後の塗布面が不衛生にならず、0.2wt%以上配合したジプロピレングリコールなどの2価アルコールの効果により、微生物による二次汚染に対する効果的な防止となり、保存時にも汚染などに対する防腐効果を有し、未使用の粘性化粧料を良好な状態に保ち、製品の劣化を防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明にしたがって実施した具体例を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本発明の趣旨及び範囲を逸脱しない限り、その細部については様々な態様が可能である。
【0021】
本発明による粘性化粧品は、粘性化粧料を筒状の収納部を形成する中味戻し可能な押出し容器内に収納し、この容器の先端に塗布部を設け、該容器の一部に位置する回動体を一方向に回転させることによって、収納部内に収納した粘性化粧料を押圧して、粘性化粧料を塗布部の塗布面に設けた吐出口から外方に押出し可能にし、及び該回動体を逆方向に回転させることによって、塗布部上の余分な粘性化粧料を塗布面の吐出口から収納部内に戻すことを可能とする中皿を収納部内に装着した粘性化粧品において、粘性化粧料を塗布するための塗布部を当該容器の先端部に設け、該塗布部は弾性材からなり、該塗布面は、容器本体の縦軸に対して傾斜している平らな傾斜面であり、該容器内の筒状の粘性化粧料供給パイプのパイプ径は1.7乃至2.2mmであり、そこから連通して該粘性化粧料を外方に吐出すための吐出口が開口状態で該塗布面に設けられたことを特徴とし、該容器の収納部に収納された粘性化粧料は、ずり速度が0乃至5sec−1において19000mPa・s以上の粘度を有し、ずり速度が40sec−1で11000mPa・s以下の粘度を有することを特徴とし、さらに防腐剤としてジプロピレングリコールなどの2価アルコールを0.2wt%以上で含有して調製した粘性化粧料を中味戻し可能な押出し容器に収納したことを特徴とする。
【0022】
まず、本発明の粘性化粧品の容器の構成を説明する。本発明の容器は、容器内に設けた収納部に収納する粘性化粧料を被塗布部に塗布するための容器先端の塗布部が粘性化粧料を効率的に塗布しやすく、かつ塗布時に扱いやすいような形質・形状で設けたものであり、さらに、粘性化粧料を効果的に塗布しやすいように操作できる容器の形状を有することを特徴とする。
【0023】
より詳細に説明すると、本発明の容器先端の塗布部が弾性材からなり、該塗布部の塗布面が容器本体の縦軸に対して傾斜している平らな傾斜面であり、該容器内の筒状の粘性化粧料供給パイプのパイプ径が1.7乃至2.2mmであり、そこから連通して該粘性化粧料を外方に吐出すための吐出口が開口状態で該塗布面に設けられていることを特徴とする。
【0024】
本発明の粘性化粧品に設けられた塗布部の一つの態様として、例えば、ウレタンラバーなど樹脂ラバーの弾性材からなる塗布部の形態は、図6に示すように、筒状の容器先端を傾斜して切断したような形状、つまり、該塗布面は、容器本体の縦軸に対して傾斜している平らな傾斜面とし、上部の外面が塗布部を兼ねた塗布面となり、パイプ径が1.7乃至2.2mmの粘性化粧料供給パイプとそこから連通して該粘性化粧料を外方に吐出すための吐出口が開口状態で該塗布面に設けられた構成である。この構成とすることにより、塗布部が肌あるいは唇等の任意の被塗布部に対して柔軟で適切に接触するように、表面積が広くて、例えば、肌あるいは唇等の被塗布部につきやすく、塗布面上の吐出口から吐出された粘性化粧料は、塗布面上に拡がり、より簡便に肌あるいは唇等の任意の被塗布部に対して容易に塗布することができる。また、パイプ径が1.7乃至2.2mmの粘性化粧料供給パイプが塗布面に形成された吐出口と連通していることにより、粘性化粧料が当該容器の粘性化粧料供給パイプ内を効率的に移動し、使用に必要なだけの粘性化粧料を調節することができ、無駄なく効果的に使用することができる。
【0025】
本発明の粘性化粧料を中味戻し可能な押出し容器の先端塗布部以外は公知であるため、特に詳細な説明はしないが、本発明の好ましい態様によれば、例えば、本発明の容器は、収納部内にピストン体などの中皿が設けられており、その中皿には容器内をピストン状に移動するための機構が容器底部として設けられた回動体から接続されている。この回動体を左右に回転させることで、中皿が上下して、粘性化粧料を塗布部から吐出し、かつ戻すことが可能である。この回動体は、容器の操作を変換する役目をするため、操作変換部とも呼ぶ。したがって、本発明の粘性化粧料は、収納部の上部から中皿までの領域に収納されており、使用に必要なだけの粘性化粧料を調節することができ、無駄なく効果的に使用することができる。本実施態様によれば、回動体は容器の底部に設けられており、左右方向に回転して作動するものであるが、容器の一部として容器のいずれかの部位に設けられて、その作動も任意の動作によってなされてよく、本発明の粘性化粧料を中味戻し可能な押出し容器は、本発明の趣旨および請求の範囲内であれば、その形態にこだわらず、様々な形態とすることが可能である。
【0026】
次に、本発明の粘性化粧品の粘性化粧料を説明する。本発明の粘性化粧品の容器内に設けられた収納部に収納された粘性化粧料は、パイプ径が1.7乃至2.2mmの粘性化粧料供給パイプに適した粘性化粧料であり、当該容器の収納部内を効率的に移動し、かつ、容器の収納部内で効果的に保持されるための適度な粘度に調製されたことを特徴とする。
【0027】
本発明の好ましい態様によると、本発明の粘性化粧品の該容器の収納部に収納された粘性化粧料は、静置時において、つまり、ずり速度0乃至5sec−1で19000mPa・s以上の粘度を有し、ずり速度が高い時、つまり、ずり速度40sec−1で11000mPa・s以下の粘度を有する。これは、図9の四角の曲線と丸の曲線で示す、粘度とずり速度の関係を示す。使用時のずり速度、つまり、ずり速度40sec−1での粘度が11000mPa・sよりも大きいと、粘性化粧料の粘度が高すぎて容器底部に設けられた回動体の回転速度を上げても、または回転回数を増やしても収納部内を移動し難いために吐出口から吐出し難い。また、静置時のずり速度0乃至5sec−1での粘度が19000mPa・sよりも小さいと、粘性化粧料の粘度が柔らかすぎて容器底部に設けられた回動体を少し回しただけで、収納部と連通する吐出口から垂れ出てしまうなど、収納部内で保持され難い。
【0028】
本発明の粘性化粧品の粘性化粧料は、適切な粘度を保つように、固化剤としてデキストリンパルチミン酸エステルを2wt%乃至3wt%、増粘剤としてシリル化無水ケイ酸を2.5wt%乃至3.0wt%配合するものである。
【0029】
また、本発明の粘性化粧品の粘性化粧料が上記の粘度を有することによって、高温下での保管を行なっても、液ダレによる粘性化粧料の漏れの心配がなく、清潔で快適な使用性を持続させることが可能であるとともに、被塗布部に粘性化粧料を塗布した際に、軽く滑らかな塗り心地を得ることができ、肌や唇などの任意の被塗布部に均一に塗布することが可能で、塗布部におけるにじみの少ない良好な仕上がりを得ることもできる。
【0030】
また、本発明の別の好ましい態様によると、本発明の粘性化粧品の粘性化粧料は、ジプロピレングリコールなどの2価アルコールを0.2wt%以上含有することを特徴とする。これにより、本発明の粘性化粧品の粘性化粧料は、微生物による二次汚染防止の配合とした、粘性口紅(リップグロス)などの粘性化粧料となり、この粘性化粧料を筒状の収納部を形成する中味戻し可能な押出し容器内に収納することで、回動体を逆方向に回転させて、塗布部上の余分な粘性化粧料を塗布面の吐出口から収納部内に戻しても未使用の粘性化粧料に対する微生物による汚染を防ぎ、さらなる劣化を防止することができる。なお、本発明の粘性化粧品の粘性化粧料の処方系によっては、1,3−ブタンジオール、イソプロピレングリコール、プロピレングリコール、ペンタンジオール、へキシレングリコールなどの2価アルコールでも同様の効果を有する。したがって、本発明の粘性化粧品の粘性化粧料で使用する防腐剤は、ジプロピレングリコールに限ったものではなく、粘性化粧料の処方系に依存して、これらの2価アルコール群から選択して使用することができる。
【0031】
これらの特性により、本発明の粘性化粧品の粘性化粧料は、1.7乃至2.2mmのパイプ径を有する容器に適した粘度を有するだけでなく、粘性化粧料の処方系に応じて、ジプロピレングリコールなどの2価アルコール群から選択された防腐剤を0.2wt%以上で含有して微生物による二次汚染を防止する防腐効果を有する。
【0032】
なお、本発明の粘性化粧品の粘性化粧料の詳細な組成は下記の実施例に示すが、適正な粘度とするための固化剤及び増粘剤、防腐剤としてのジプロピレングリコールなどの2価アルコールは公知である。また、本発明の粘性化粧料のその他の成分は、油分として、脱臭ポリブデン、ワセリン、流動パラフィン、トリイソステアリン、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒマシ油およびその他流動油分を用い、色材として赤色202号、ベニバナ赤を用いるが、これらは全て公知のものである。本発明の粘性化粧料の製造方法も公知であるので、当業者であれば、従来の粘性化粧料の製造法にしたがって容易に成すことができる。
【0033】
本実施態様の粘性化粧品の粘性化粧料は、粘性口紅であるが、本発明の趣旨および請求の範囲を逸脱しない限り、化粧品として使用するものであれば、その形態にこだわらず、任意の形態であってよい。
【実施例】
【0034】
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
【0035】
本発明の粘性化粧品の中味戻し可能な押出し容器について説明する。
【0036】
まず、本発明の粘性化粧料を容器から押出す際の実施形態を図1で説明し、図2乃至4では塗布部を形成する塗布体の様々な形状を説明する。
【0037】
図1に示すように、第1の実施形態に係る粘性化粧品1は、本体2内部の粘性化粧料4を加圧する液押圧機構(液押圧手段)6を具備し、その先端に中皿としてのピストン体35が設けられている。つまり、ピストン体35は、液押圧機構6の押圧により粘性化粧料4を塗布体10へと供給するように形成されたものである。
【0038】
粘性化粧品1の塗布体10は弾性材からなり、また塗布体10には、本体2内と外部に通じる連通路24が形成されている。塗布体10の先端部の塗布部10aは、テーパ部21と一体となって塗布面を形成し、その塗布面のほぼ中央に連通路24から粘性化粧料4を吐出すための吐出口24aが設けられる。
【0039】
また、図1に示すように、粘性化粧品1は主要部材として外筒である本体2、先軸3、粘性化粧料4、液押圧機構6、キャップ7を有してなる。
【0040】
本体2は、概略中空筒状を呈し、その先端部に先細のキャップ7の内径とほぼ同一の外径を有する小径部2aが形成され、その小径部2aに着脱可能にキャップ7が着脱自在に嵌合される。
【0041】
本体2の小径部2aの開口内には、先軸3の基端が液密に嵌着され、本体2の後端には液押圧機構6が配されて、液押圧機構6のピストン体35は本体2の後端の開口内壁に密着して摺動可能に設けられている。
【0042】
従って、本体2内と、先軸3の後端部と、ピストン体35とに囲まれる部分は粘性化粧料4の粘性化粧料収容空間(貯留タンク)2bとして形成されている。
【0043】
液押圧機構6は、主要部材として回動体(回転操作部材とも呼ぶ)31、ねじ棒32(押子)、ねじ棒32の保持部材34、及び上述のピストン体35とからなる。
【0044】
回動体31は互いに回転不能に接合させた外筒キャップ36と内筒材37とからなり、回動体31全体は本体2に回転可能に設けられる。
【0045】
保持部材34は環状部材からなり、本体2に回転不能に取り付けられている。保持部材34および回動体31(内筒材37先方外周面)同士の噛合わせ部38はラチェットが形成され、回動体31は、保持部材34(それの固定された本体2)に対して一方向のみに回転するように回転規制されている。なおその他、その一方向に一定以上の回転力が加わった時に、その規制を解除して回転可能にするトルクリミッタ機能を付与することができる。
【0046】
ねじ棒32の外周には雄ねじが形成され、その雄ねじは保持部材34の中心部孔内に形成された雌ねじに螺合される。また、ねじ棒32の外周面部は、横断面視して異形のカム形状を呈し(例えば、横断面視で径方向端部に切り欠きが形成されて概略小判型形状を呈する)、回動体31の内筒材37(噛合わせ部38のさらに先方部)の係合部39はその中心孔内形状がねじ棒32外周形状に対応した異形のカム形状を呈している。上記のねじ棒32が係合部39の中心孔に挿通していることによって、ねじ棒32が内筒材37(係合部39を介して)に軸方向に摺動可能にかつ相対回転不能に係合している。
【0047】
ねじ棒32の先端部はピストン体35に連結され、回動体31が所定方向に回転すると、ねじ棒32は保持部材34を介して本体2の先端方向に向けて前進し、これによって、ピストン体35を先端方向へと移動させ、粘性化粧料4を押圧する。
【0048】
図2に示すように、先軸3は先端に向かうに従って縮径する先細り形状の筒体構造を呈して形成され、その前後に解放した内部空間に塗布体10をその先端部を突出させた状態で収容し、かつ、収容状態で本体2に固定する。塗布体10は後述するように、先方になるほど平たく細くなる形状を呈している。
【0049】
先軸3の後方部外周には環状の嵌合凹部3aが形成されている。嵌合凹部3aは本体2における小径部2aの内面に形成された環状の嵌合凸部(図示せず)に圧入嵌合し、先軸3が本体2から抜脱することを防止している。
【0050】
また、先軸3の外周部には鍔部3bが形成され、鍔部3bが小径部2aの前端面に当接している。この先軸3の内面には、軸方向に延出するリブ3cが内周面の等間隔に複数本形成され、このリブ3cの後端面とパイプ継手12の前端面とによって塗布体10後端部の拡径したフランジ状部分を挟み付けて、塗布体10を先軸3内で挟持・固定するようになっている。
【0051】
塗布体10は弾性材からなり、パイプ継手12及び粘性化粧料供給パイプ13に支持される。また、後に詳述するが、粘性化粧料供給パイプ13の径は1.7乃至2.2mmであることが好ましい。粘性化粧料供給パイプ13はパイプ継手12の中央の貫通孔12aに嵌挿固定されると共に、塗布体10に設けた孔部10bの後端部から孔部の大径である中間部(先軸3の先端部)まで挿入され、液漏れ抑制機構を兼ねる。
【0052】
塗布体10は両面がテーパ部21、22で、偏平な先細り形状となっている。上面のテーパ部21は、塗布面と一体になって平面に形成される。塗布体10の塗布部10aは、特に、ウレタンラバーで形成されている。
【0053】
連通路24は塗布体10の孔部10bと連通され、さらに塗布液供給パイプ13と連通されている。連通路24の吐出口24aは開口状態である。
【0054】
本発明では、塗布体10は全体が弾性材から構成され、塗布部10aと同様にウレタンラバーから構成されている。塗布体10の材質としては、ゴム、エラストマー等の弾性材を挙げることができる。
【0055】
例えば、
(1)ゴムとしては、NBR、シリコンゴム、EPDM、フロロシリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム等がある。
(2)エラストマーとしては、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ウレタン系エラストマー等がある。
(3)独立気泡体としては、ポリエチレンフォーム、塩ビフォーム、ポリスチレンフォーム等がある。
【0056】
図2に示すように、塗布部10aは、その塗布部が滑らかな平面部25として形成される。連通路24の吐出口24aから吐出した粘性化粧料4は、吐出口24aから先端側の平面部25に保持される。
【0057】
このように構成された粘性化粧品1にあっては、その状態において、粘性化粧料4は、本体2内、先軸3のパイプ継手12内、粘性化粧料供給パイプ13内、及び塗布体10の孔部10bに充填されている。使用する場合、液押圧機構6の回動体31が回転させられる。回動体31の回転により、ねじ棒32は係合部39の駆動伝達により先端に向けて前進する。これにより、ピストン体35が先端に前進し、粘性化粧料4を加圧する。粘性化粧料4の加圧によって、粘性化粧料4は吐出口24aから所定量吐出される。
【0058】
吐出された粘性化粧料4は、吐出口24aから先端に延在する平面部25に一時的に保持され、皮膚などの軟質な被塗布面へと誘導され塗布される。
【0059】
また、液押圧機構6はラチェットを利用しているため、回動体31の一回の操作で、回動体31は決められた量だけ回動し、ピストン体35を操作毎に所定量だけ押し出す機構を有する。後述するが、直径2mmの塗布液供給パイプに適した粘性化粧料4の粘度と相まって、粘性化粧料を所望の所定量だけ、正確に塗布部10a上、つまり平面部25に供給することができる。
【0060】
また、連通路24の吐出口24aに、吐出した粘性化粧料4を一時保持する平面部(液保持部)25を塗布部10aに設けることによって、吐出粘性化粧料4の急激な飛び出し等に対してボタ落ちを防止することができる。
【0061】
図3及び図4は、図1の粘性化粧品の塗布体の塗布部の変形例を示す図である。
【0062】
図3及び図4に示す粘性化粧品は、その塗布体10以外の部分が、図2の先軸の構造とほぼ同様な構造となっているので、同様な部分或いは類似の部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0063】
図3に示すように、塗布体10のテーパ部から一体となって平面状に形成された塗布面に存在する連通路24の吐出口24aから更に先端に向けて櫛部44が形成されている。吐出口24aから吐出される粘性化粧料4は一時的に櫛部44に付着或いはその液の表面張力などにより保持され、櫛部44は一時保持する液保持部となると共に、塗布部10aの中心的な役割をしている。
【0064】
図4に示すように、塗布体10のテーパ部から一体となって平面状に形成された塗布面に存在する連通路24の吐出口24aから更に先端に延在する一時的な液保持部41は、先端が鋭角部42に形成されたナイフ状になっている。このような形状とすることにより、一時的に液の保持が可能な一方、唇等の輪郭に沿って正確に粘性化粧料4を塗布することができる。
【0065】
図5は、本発明の中味戻し可能な押出し容器内に粘性化粧料を収納した粘性化粧品の実施形態に係る全体を示す縦断面図、図6はその塗布部の詳細説明図、図7は回転動体の詳細説明図である。
【0066】
図5に示す粘性化粧品20は、その液減圧機構(液減圧手段)54の構成以外は、図1、図2に示す本発明の粘性化粧品の第1の実施形態とほぼ同様な構造となっているので、同様な部分或いは類似の部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0067】
図5に示すように、粘性化粧品20は、本体2内部の粘性化粧料4を減圧する液減圧機構54を設けている。
【0068】
液押圧機構6および液減圧機構54は、本体2内部の粘性化粧料収容空間2b内に前進動・後退動する中皿として作用する粘性化粧料4を加圧・減圧するピストン体(圧力作用部)35と、本体2の外部に面する回動体31への使用者による回転操作をピストン体35の上記前進動・後退動作動に変換する回動体(その作用的な目的から、以降、操作変換部と呼ぶ)55とを有している。
【0069】
具体的には、図5に示す粘性化粧品20は、図6、7に示すように、主要部材として外筒である本体2、先軸3、粘性化粧料4、液押圧機構6、液減圧機構54、操作変換部55及びキャップ7からなり、これら液減圧機構54および操作変換部55の構成が、図1に示した第1の実施形態における粘性化粧品1の液押圧機構6のみのものと異なる。
【0070】
塗布体10は、図2に示したものと同様構成の図6に示すものを採用する。つまり、塗布体10は、図6(a)に斜方向視し、(b)に各部断面視するように、先軸3先方にから突出して露出する先端部が、両面テーパ部21、22で、偏平な先細り形状となっている。上面のテーパ部21は塗布面と一体になって平面状に形成され、塗布体10の塗布部10aは吐出口24aから更に先方に向けて形成されている。塗布体10には、図2および図6に示すものの他、図3、4に示したものを採用できる。
【0071】
図5に示すように、上記粘性化粧品20においては、本体2の後端には一体になった液押圧機構6および液減圧機構54が配されており、液押圧機構6および液減圧機構54のピストン体35は本体2の後端の開口内壁に密着して摺動可能に設けられている。
【0072】
液押圧機構6および液減圧機構54は、主要部材として操作変換部55、ねじ棒32(押子)、ねじ棒32の保持部材34、及び上述のピストン体35とからなる。
【0073】
操作変換部55は互いに通常は相対回転不能で一定以上の回転力によって相対回転するように接合させた外筒キャップ56と内筒材(「繰り出し体」とも称する)57とからなり、操作変換部55全体は本体2に回転可能に設けられる。
【0074】
詳しくは、図7に示すように、内筒材57は、各所に切り欠きを設けた、前部(57f)、中央部(57c)から後部(57r)に行くにかけて段階的に拡径した概略筒体状のものである。
【0075】
内筒材57には、その後部の側面部にU字形状の切り欠きによって少なくとも径方向外側に弾性を付与した片持ち梁状の弾性構造58が,また、前部の側面図にU字形状の切り欠きによって少なくとも径方向外側に弾性を付与した片持ち梁状の弾性構造59がそれぞれ形成されている。
【0076】
各片持ち梁状の弾性構造58および59のそれぞれの表面部には、軸方向視の断面が三角屋根状の突起58aおよび59aが径方向外側に向けて突出して設けられている。
【0077】
内筒材57の後部の中央部側には、その中央部よりも段状に拡径した複数の環状凸部が外周にあるフランジ部60が形成される。内筒材57前部を本体2内に装着した際に、このフランジ部60前端面が本体2の後端面に当接して、それ以上本体2内に潜り込まないようにしており、外筒キャップ56を内筒材57後部に外着したときに外筒キャップ56の内周の段部が上記のフランジ部60の外周に回動可能に嵌り込み抜け止めしている。
【0078】
また、外筒キャップ56の内周面の後部には、軸方向に沿う溝が形成されていて、その溝に上記片持ち梁状の弾性構造58表面の突起58aが噛み合って、内筒材57と外筒キャップ56とが操作時に一体に回るようにしており、一定以上の回転力が付与されたならば弾性構造58の突起58aが外筒キャップ56の溝からはずれて相対回転するクラッチ構造をなしている。
【0079】
内筒材57前部に設けられた係合部39は、その前部中心孔内がねじ棒32外周形状に対応した異形のカム形状を呈した孔である。上記のねじ棒32が係合部39の中心孔に挿通していることによって、ねじ棒32が操作変換部55(係合部39を介して)に軸方向に摺動可能にかつ相対回転不能に係合している。
【0080】
また、この係合部39に挿通・係合するねじ棒32の切り欠き部分以外の外周面には、雄ねじが形成され、その雄ねじは保持部材34の中心部孔内に形成された雌ねじに螺合される。
【0081】
本実施形態では雄ねじ及び雌ねじは右ねじであり、操作変換部55の外筒キャップ56を本体4に対して右回転させると、係合部39を介してねじ棒32が右回転し、これによって、ねじ棒32の雄ねじが保持部材34の雌ねじによって前進し、ピストン体35を押して、粘性化粧料収容空間(貯留タンク)2b内の粘性化粧料を加圧する(液押圧機能)。逆に、前記外筒キャップ56を本体4に対して左回転させると、係合部39を介してねじ棒32が左回転し、これによって、ねじ棒32の雄ねじが保持部材34の雌ねじによって後退し、ピストン体35を引いて、粘性化粧料収容空間2b内の粘性化粧料を減圧する(液減圧機能)。
【0082】
なお、必要に応じて、ねじ棒32と保持部材34の各螺合箇所を左ねじとすることができる。その場合には、上記と逆に左回転で粘性化粧料4を加圧し、一方、右回転で粘性化粧料4を減圧する。
【0083】
この保持部材34は、太径部34aの内側の先方に細径部34bを固定した概略二重筒状を呈した環状部材であり、太径部34a外周面が本体2内に嵌められて回転不能に取り付けられている。そして、保持部材34の細径部34b内周面には、右ねじの雌ねじが形成され、太径部34aの内周面には、前記弾性構造58の突起58aが嵌り込む歯状のラチェット溝からなる、噛合わせ部61が内面全周に形成されている。
【0084】
噛合わせ部61の歯は、図7(c)に示すように、内周側角部が一方側がなだらかで他方側が切り立っている。前記内筒材57を保持部材34後方からはめ込んだ状態で、噛合わせ部61に前記弾性構造59の突起59aが嵌り込む。
【0085】
操作変換部55を本体2に対して右回り(図7中、矢印R方向)に回転(一方側回転)させると外筒キャップ56を介して内筒材57が右回りに回転し、係合部39を介してねじ棒32が右回転し保持部材34の雌ねじとの螺合によってねじ棒32が前進しピストン体35を繰り出して本体内の粘性化粧料を加圧状態にする。
【0086】
操作変換部55、ねじ棒32および保持部材34に亘っては、操作変換部55の内筒材57を一方側回転させる際に(R方向回転)、突起59aは歯同士の間の溝に嵌り込んだ状態から上記のなだらかな角部に当たりその角部を乗り越えて次の溝に嵌り込むので、クリック感を感じさせつつ軽く回る加圧構造を構成する。一方、同様の操作変換部55、ねじ棒32および保持部材34に亘っては、この内筒材57を他方側回転させる際に(反R方向回転)、突起59aは歯同士の間の溝に嵌り込んだ状態から上記の切り立った角部に当たりその角部を乗り越えて次の溝に嵌り込むので、回転させるには一方方向よりも強い力(トルク)を加えなければ回転しないので、規制感を感じさせつつ重く回る減圧構造を構成する。
【0087】
このように、噛合わせ部61では、保持部材34と操作変換部55(内筒材57先方外周面)同士は粘性化粧料4の吐出を望むときには、一方側にラチェットして容易に回転し吐出しやすくする。一方、使用後に粘性化粧料4を容器内に戻すときには他方側に回転可能にする。
【0088】
減圧時に、操作変換部55に一定以上の回転力が加わった時に、粘性化粧料4の急激な引き込みをしないように、上記の外筒キャップ56の内周面と内筒材57と弾性構造58突起58aとの係合を外して、トルク伝達を解除して空回転可能にするトルクリミッタ機能を付与する。
【0089】
図8は、本発明の粘性化粧品のさらに別の実施形態に係る液押圧機構(液押圧手段)を示す図である。
【0090】
図8に示す粘性化粧品50は、図2の粘性化粧品1とほぼ同様な構造となっているので、同様な部分或いは類似の部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0091】
図8に示すように、粘性化粧品50のキャップ51は二重キャップで形成され、より気密に先軸3の構造部を保護している。
【0092】
図8に示す液押圧機構は、本体2がフレキシブルな可撓性の粘性化粧料の貯留タンク(粘性化粧料収容空間)52となっている。このような手動式の液押圧機構では、本体2を指などで軽く押圧することによって、粘性化粧料4が本体2内で加圧され、粘性化粧料4は連通路24から平面部(一時液保持部)25に吐出される。また、本体2を多少過剰に押圧しても平面部25が在ることにより、液が一時保持されるのでボタ落ちなどが回避される。また、押圧後に押圧を解除することによって粘性化粧料が減圧する液減圧機構を構成し、塗布部上の余分な粘性化粧料を塗布面の吐出口から収納部内に戻すことを可能とする。
【0093】
次に、上記の如き粘性化粧品において、本発明の粘性化粧品の容器内に収納する粘性化粧料4について説明する。本実施例において、粘性化粧料4は粘性口紅とした。本実施例では、粘性化粧料4の処方例によって配合量が異なるが、油分として、脱臭ポリブデン、ワセリン、流動パラフィン、トリイソステアリン、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒマシ油およびその他流動油分を用い、色材として赤色202号、ベニバナ赤を用いた。なお、これらは全て公知のものであるので、ここでは詳細な説明はしない。また、本実施例の粘性化粧料4は、従来から公知の製造法を採用して作製した。
【0094】
一般的に、中味戻し可能な押出し容器内に収納した粘性化粧品において、容器内の粘性化粧料の粘度が高すぎると、吐出口から吐出しにくくなるとともに、塗布抵抗が高くなって被塗布部に伸ばしにくく、また、使用中のうるおい感等も低いものとなる。逆に、粘性化粧料の粘度が低すぎると、使用時において、被塗布部に塗布した際に被塗布部にじみを生じたり、吐出口から粘性化粧料の漏れ(液ダレ)を生じやすくなる。また、保存時においても、外気温が上昇した場合には粘性化粧料の粘度が低くなって液ダレを生じ易くなる。
【0095】
また、粘性化粧料の粘度に対して、それを収容する容器内の形状によっては、粘性化粧料の挙動に影響を及ぼして上述したような問題が発生する。
【0096】
したがって、粘性化粧料が粘性化粧品の容器内を効率的に移動し、かつ、粘性化粧料を容器内で効果的に保持するためには、粘性化粧料の粘度を調節するだけでなく、収容する容器内の形状も検討する必要があり、下記の表1に示すように、粘度が異なる粘性化粧料と粘性化粧品の容器内の塗布液供給パイプのパイプ径が異なる容器を用いた吐出試験を行なった。粘性化粧料は、25℃の粘度が約50000mPa・sと約100000mPa・sになるように油分を用いて調製した。
【0097】
また、調製した粘性化粧料を収容する粘性化粧品の容器は、図5に示す容器を用い、塗布液供給パイプのパイプ径を1.2mm、1.7mm、2.0mm及び2.2mmにした4種類の容器を用いた。
【0098】
表1に、上記2種類の粘度の粘性化粧料を、上記4種類のパイプ径を有する図5の容器の塗布液収納空間2bに収納した粘性化粧品として吐出試験を行なった結果を示す。なお、粘性化粧料の粘度は、25℃の雰囲気下にてウベローデ型粘度計(希釈型ガラス管式粘度計)によって測定した。また、粘性化粧料を粘性化粧品から吐出す際のずり速度は20sec−1で行なった。この速度は、粘性化粧品の回動体を急激に回した場合のずり速度に相当する。
【0099】
【表1】

表1から、粘性化粧料の粘度が高いものほど吐出しされにくく、粘性化粧品の容器内の塗布液供給パイプの太いパイプ径が必要となることが分かった。これにより、例えば、5mm程の太いパイプ径の塗布液供給パイプとしても有効に用いることが認識できる。
【0100】
本実施例では、2.2mmのパイプ径を有する塗布液供給パイプを備えた容器を設定し、そのパイプ径に適して容器内を効率的に移動し、かつ、容器内で効果的に保持する粘性化粧料を検討した。
【0101】
そのために、5種類の粘度の異なる粘性化粧料を2.2mmのパイプ径を有する図5の容器の塗布液収納空間2bに収納した粘性化粧品として、吐出した際のずり速度と粘度を測定し、図9に示すグラフを得た。後述するが、図9に菱型、四角、三角及び丸で表す曲線は、それぞれ、表3に示す処方例3−1、−2、−3及び−4に対応する。なお、図9に*で表す曲線は、比較例として、固化剤は含有するが、増粘剤を含有しない粘性化粧料とした。よって、図9において菱型、四角、三角及び丸で表す曲線の粘性化粧料は、表3の配合を有する粘性化粧料として、それぞれの処方例に調製して作製した。なお、図9において*で表す曲線の粘性化粧料は、表3に示す処方例3−1、−2、−3及び−4のいずれかにおいて、固化剤は含有するが、増粘剤を含有しない配合比を有するものであればよい。粘性化粧料のその他の油分や色材などの組成物も上述したように、化粧料に必須な公知な物質であるので、本実施例の粘性化粧料は、従来から公知の製造法を採用して作製した。
【0102】
詳述するが、表3の処方例3−2及び3−4の粘性化粧料が上記の形状を有する本発明の容器に適した粘性化粧料であり、図9の四角の曲線と丸の曲線で示す、粘度とずり速度の関係を有する粘性化粧料が好ましい。
【0103】
一方、本発明の粘性化粧品は、塗布面に一旦吐出した粘性化粧料を容器内に再収容することができるが、粘性化粧料の微生物による二次汚染を防止するための粘性化粧料の防腐効果を検討した。
【0104】
粘性化粧料の防腐剤は、粘性化粧料の処方系によって、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、イソプロピレングリコール、プロピレングリコール、ペンタンジオール、へキシレングリコールなどの2価アルコール群から選択して配合することができるが、本実施例では、以下の配合例で処方した粘性化粧料4を用いて防腐効果の評価を行ない、その結果を下記表2に示す。
【0105】
処方例1は、低粘度の粘性化粧料であり、処方例2は高粘度の粘性化粧料である。処方例1と2では、粘度に差をもたらすために、粘性化粧料4に添加する油分と色材の配合比を大きく変えたが、防腐剤としての2価アルコールの配合比は処方例1と2で変更せず、本実施例では2価アルコールをジプロピレングリコールとして選択し、その配合量は、共に変わらず、0wt%、0.05wt%、0.1wt%、0.2wt%及び0.3wt%で処方例1及び2に配合した。
【0106】
表2の配合を有する粘性化粧料をそれぞれの処方例に調製して作製した。なお、防腐剤として、ジプロピレングリコールなどの2価アルコールを含有して、微生物による二次汚染を防止する粘性化粧料は公知であり、かつその他、固化剤、増粘剤、油分としての脱臭ポリブデン、ワセリン、流動パラフィン、トリイソステアリン、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒマシ油およびその他流動油分、色材として赤色202号、ベニバナ赤も全て化粧料に必須な公知の物質であるので、本実施例の粘性化粧料は、従来から知られている公知の粘性化粧料の製造法を採用して作製した。そして、作製した10例の処方例1−1乃至1−5、2−1乃至2−5の粘性化粧料4を図5に示す容器の塗布液収納空間2bに収納した粘性化粧品とし、細菌、酵母及びカビに対する評価を行い、それぞれの処方例に対して、表2の結果を得た。
【0107】
【表2】

表2から分かるように、粘性の高低にかかわらず、防腐剤として、2価アルコールのジプロピレングリコールの配合量が、好適には0.2wt%以上で十分な防腐効果があることが確認された。
【0108】
なお、本発明の粘性化粧品の粘性化粧料の処方系によっては、ジプロピレングリコール以外に、1,3−ブタンジオール、イソプロピレングリコール、プロピレングリコール、ペンタンジオール、へキシレングリコールなどの2価アルコールでも同様の防腐効果を有することが分かっている。したがって、本発明の粘性化粧品の粘性化粧料で使用する防腐剤は、ジプロピレングリコールに限ったものではなく、粘性化粧料の処方系に依存して、これらの2価アルコール群から適宜選択して使用してすることができる。
【0109】
また、本発明の粘性化粧品を確認するために、図5に示す本発明の容器で、塗布液供給パイプのパイプ径を2.2mmとし、表3の配合で処方した3−1乃至3−4の粘性化粧料4を塗布液収納空間2bに収納した粘性化粧品として吐出試験、防腐効果試験を行なった。なお、処方例3−1、2、3及び4は、それぞれ図9に菱型、四角、三角及び丸で表す曲線に対応する。
【0110】
【表3】

表3の処方で作製した粘性化粧料4は、ずり速度が低い場合には粘度が高く、ずり速度が高い場合には、粘度が低くなる配合で処方することによって、塗布液供給パイプのパイプ径を2.2mmとした本発明の粘性化粧品の容器に適した粘性化粧料となることが分かった。なお、本実施例では、容器の塗布液供給パイプのパイプ径を2.2mmとしたが、例えば、5mm程の太いパイプ径を容器の塗布液供給パイプとして用いることもできる。
【0111】
したがって、処方例3−2及び3−4の粘性化粧料が上記の形状を有する本発明の容器に適した粘性化粧料であり、図9に示す四角の曲線と丸の曲線を描く、粘度とずり速度の関係を有する粘性化粧料が好ましい。つまり、粘性化粧品の静置時、すなわちずり速度0乃至5sec−1において19000mPa・s以上の粘度を有し、ずり速度が高い時、つまり、実際に使用者が使用する際の一般的なずり速度である、ずり速度40sec−1で11000mPa・s以下の粘度を有することで、本発明の容器の形状に適切な粘性化粧料を成すことが分かる。特に、また、表3からも分かるように、粘性化粧料がこの範囲の粘度を有するために、固化剤としてデキストリンパルチミン酸エステルを2wt%乃至3wt%配合し、増粘剤としてシリル化無水ケイ酸を2.5wt%乃至3.0wt%配合するものである。
【0112】
また、上記範囲の粘度を有し、さらにジプロピレングリコールを0.2wt配合した処方例3−2及び3−4の粘性化粧料4は、微生物による二次汚染を防止する防腐効果も十分に有することが確認された。
【0113】
本実施例では、本発明の粘性化粧品の粘性化粧料を粘性口紅としたが、これに限ったものではなく、例えば、コンシーラーなど肌の一部に適用するものとなすことも可能であり、本発明の趣旨および請求の範囲を逸脱しない限り、任意の形態とすることができる。
【0114】
以上、容器の先端に塗布部を設け、該容器の一部に位置する回動体を一方向に回転させることによって、収納部内に収納した粘性化粧料を押圧して、粘性化粧料を塗布部の塗布面に設けた吐出口から外方に押出し可能にし、及び該回動体を逆方向に回転させることによって、塗布部上の余分な粘性化粧料を塗布面の吐出口から収納部内に戻すことを可能とする中皿を収納部内に装着した粘性化粧品において、
容器の特徴として、該塗布部は弾性材からなり、該塗布面は、容器本体の縦軸に対して傾斜している平らな傾斜面であり、該容器の筒状の粘性化粧料供給パイプは直径1.7乃至2.2mmであり、そこから連通して該粘性化粧料を外方に吐出すための吐出口が開口状態で該塗布面に設けられた中味戻し可能な押出し容器である。また、容器内に、粘性化粧品の静置時、つまりずり速度0乃至5sec−1において19000mPa・s以上の粘度を有し、ずり速度が高い時、つまり、実際に使用者が使用する際の一般的なずり速度である、ずり速度40sec−1で11000mPa・s以下の粘度を有し、さらにジプロピレングリコールなどの2価アルコールの配合量が0.2wt%で含有した微生物による二次汚染防止の配合で調製した粘性化粧料を収容することを特徴とする。したがって、本発明の粘性化粧品は、粘性化粧料が当該容器内を効率的に移動し、かつ、粘性化粧料を容器内で効果的に保持することができ、収納部を包含する容器の一部に設けられた回動体を一方向あるいはそれとは逆方向に回転させて当該収納部内に配置した中皿を上下することによって、化粧に適量なだけの粘性化粧料を無駄なく使用することができる。さらにまた、上記の適度な粘度に加えて、ジプロピレングリコールなどの2価アルコールの配合量が0.2wt%以上で調製された粘性化粧料を収納部に収納した粘性化粧品を形成することによって、特に、化粧後の塗布面上に残存する化粧料を、回動体を逆方向に回転させて収納部内に再収納しても、使用後の塗布面が不衛生にならず、0.2wt%以上配合したジプロピレングリコールなどの2価アルコールの効果により、微生物による二次汚染に対する効果的な防止となり、保存時にも汚染などに対する防腐効果を有し、未使用の粘性化粧料を良好な状態に保ち、製品の劣化を防ぐことが可能となる。
【0115】
また、本発明の粘性化粧品は、上述した容器と粘性化粧料の組み合わせ方によっては、バラエティーに富んだ粘性化粧品とすることが可能である。
【0116】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の粘性化粧品の断面図である。
【図2】本発明の粘性化粧品の容器先端部の拡大断面図である。
【図3】本発明の粘性化粧品の別の容器先端部の拡大断面図である。
【図4】本発明の粘性化粧品のさらに別の容器先端部の拡大断面図である。
【図5】本発明の粘性化粧品の断面図である。
【図6】本発明の粘性化粧品の容器の塗布体の斜視図、縦断面図である。
【図7】図5に示す粘性化粧品の回動体の縦断面図、斜視図及び図5のC−C線に沿う横断面視図である。
【図8】本発明の粘性化粧品の別の実施形態の断面図である。
【図9】本発明の粘性化粧品の粘性化粧料の粘度とずり速度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0118】
1 中味戻し可能な押出し容器
2 本体
2a 小径部
2b 塗布液収容空間(貯留タンク)
3 先軸
3a 嵌合凹部
3b 鍔部
3c リブ
4 塗布液
6 液押圧機構(液押圧手段)
7 キャップ
10 塗布体
10a 塗布部
12 パイプ継手
12a 貫通孔
13 塗布液供給パイプ
20 粘性化粧品
21 テーパ部
24 連通路(スリット)
24a 吐出口
25 平面部(一時液保持部)
31 回動体
32 ねじ棒
34 保持部材
34a 太径部
34b 細径部
35 ピストン体(中皿)
36 外筒キャップ
37 内筒材
38 噛合わせ部
39 係合部
41 液保持部
44 櫛部
45 連通路
45a 吐出口
47 液保持部
50 粘性化粧品
51 キャップ
52 貯留タンク
54 液減圧機構(液減圧手段)
55 操作変換部(回動体)
56 外筒キャップ
57 内筒材
58 弾性構造
58a 突起
59 弾性構造
59a 突起
60 フランジ部
61 噛合わせ部
R 右回転方向(加圧方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性化粧料を筒状の収納部を形成する中味戻し可能な押出し容器内に収納し、この容器の先端に塗布部を設け、該容器の一部に位置する回動体を一方向に回転させることによって、収納部内に収納した粘性化粧料を押圧して、粘性化粧料を塗布部の塗布面に設けた吐出口から外方に押出し可能にし、及び該回動体を逆方向に回転させることによって、塗布部上の余分な粘性化粧料を塗布面の吐出口から収納部内に戻すことを可能とする中皿を収納部内に装着した粘性化粧品において、
該塗布部は弾性材からなり、該塗布面は、容器本体の縦軸に対して傾斜している平らな傾斜面であり、該容器の筒状の粘性化粧料供給パイプは直径1.7乃至2.2mmであり、そこから連通して該粘性化粧料を外方に吐出すための吐出口が開口状態で該塗布面に設けられ、
該容器の収納部に収納された粘性化粧料は、ずり速度が0乃至5sec−1において19000mPa・s以上の粘度を有し、ずり速度が40sec−1で11000mPa・s以下の粘度を有することを特徴とする粘性化粧品。
【請求項2】
前記粘性化粧料はジプロピレングリコールを0.2wt%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の粘性化粧品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−319392(P2007−319392A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−152547(P2006−152547)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【出願人】(000005957)三菱鉛筆株式会社 (692)
【Fターム(参考)】