説明

粘性材料のための注入器

【課題】
【解決手段】 外科的な目的で、眼など、体内に微少量の粘性材料を供給するための注入器が提供されている。その注入器は、容積移送機構に結合されたプランジャを内部に配置されたシリンジ本体を備えており、容積移送機構は、プランジャを徐々に前進させることで、一定または所定の供給速度で微少量の材料を正確に供給することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
眼科手術では、外科用粘弾性体としばしば呼ばれる高粘度材料が、外科手術を補助するものとして眼内に注入される。眼科手術で用いられる粘弾性材料としては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、または、化学修飾セルロースを含む組成が挙げられる。かかる材料に特異的なせん断による減粘すなわちチキソトロピー性により、粘弾性体は、小径の針またはカニューレを通して注入可能であり、注入後には、固いゲル状の特性を示す材料に戻る。粘弾性体は、しばしば、白内障の手術の際に前眼房に注入され、眼内の空間を維持すると共に物理的な損傷から角膜内皮を保護する。粘弾性体の注入は、緑内障の手術の際にシュレム管などの組織腔を拡張するために用いられる。また、粘弾性体の注入は、水晶体嚢や網膜などの組織を切開するために用いられる。
【0002】
粘弾性体は、通例、外科医が手動で制御するシリンジによって組織に送られる。手動のシリンジを用いて、シリンジの先端のルアーコネクタに取り付けられた針またはカニューレを通して粘弾性体を注入する。材料の粘度が高いことから、特に小径のカニューレまたは針を用いる場合には、シリンジを用いて十分な力を手動で引き起こすことは、困難なことが多い。さらに、粘弾性材料が動的に流れる特性により、正確かつ制御された方法で少量の材料を供給することは困難である。
【0003】
本発明は、カニューレまたは針を通して組織内に高粘度材料を良好に供給する手段に関する。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、流出口を有する遠位端と、近位端と、それらの端部をつなぐ空洞とを有するシリンジ本体を備える粘性材料用の注入器を提供する。プランジャが、空洞内に配置されると共に容積移送機構に結合されており、容積移送機構は、プランジャを遠位端に向かって徐々に前進させることにより、流出口を通して空洞内の流体材料を押し出すことができる。
【0005】
容積移送機構は、プランジャに取り付けられたネジが螺刻されたロッド、または、一連の機械的ストッパを有する直線移動手段を備えてよい。
【0006】
容積移送機構は、一様かつ一定の力を供給してプランジャを駆動する動力付きの駆動手段に結合されてよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の注入器は、近位端と、その反対側の遠位端と、2つの端部の間の空洞とを有するシリンジ本体を備える。プランジャが、空洞の中に配置されており、作動の際にプランジャの容積移送を実現する機構に結合されている。容積移送機構は、粘性材料、特に粘弾性材料をシリンジ本体の遠位端から高い精度で供給することを可能にする。「容積移送」とは、制御可能な方法で一定または徐々に正確さを増すようにシリンジ本体の遠位端から材料を供給するよう、プランジャに力が加えられること、および/または、プランジャの直線移動が徐々に制限されることを意味する。容積移送機構は、不連続に増分するプランジャの漸進的な直線移動によって供給の制御を実現できるよう構成されてよい。シリンジ本体は、遠位端に流出口を有しており、遠位端は、針またはカニューレを取り付けるためのルアー継ぎ手などのコネクタを終端としてよい。
【0008】
図1によると、一実施形態の注入器3では、ネジが螺刻されたロッド1が、その遠位端においてプランジャ6に取り付けられている。 プランジャ6は、近位フランジ8を有するシリンジ本体4の中に配置されている。フランジ8には、キャップ5が結合されている。棒1の近位端には、棒を回してプランジャ6を前進させるためのサムホイールとして機能するハンドル2が取り付けられている。シリンジ本体4の中には、栓7が配置されており、前進するプランジャの力がシリンジ本体内の粘性材料に加えられた際に気密シールを形成する。粘性材料は、シリンジ本体の遠位端を通して適切な受け入れ手段の中に押し出される。
【0009】
別の実施形態の注入器10では、図に示すように、粘弾性材料を事前に充填されると共に遠位端にゴム隔壁22を備えるカートリッジ12を、シリンジ本体11内に装填し、シリンジ本体11内で摺動可能なプランジャ19とスラストブッシュ20とゴム栓23とを備える遠位プランジャアセンブリ16に取り付けられたネジが螺刻されたロッド18を備えるねじ機構を用いて制御下で注入を行うことができる。注入器10は、キャップアセンブリ15とシリンジ本体11とを備える。プランジャ19は、プランジャ19とシリンジ本体11との間の流体密封シールの形成を助けるOリングまたはゴムフランジ(図示せず)などのシールを備えてよい。ネジが螺刻されたロッド18は、シリンジ本体11の近位端に位置するキャップアセンブリ15の結合用ねじ穴を通して外側に伸びている。棒18の端部を回転させることで、プランジャ19を前進させ、カートリッジ12内に収容された粘性材料を押し出す。キャップ15は、事前に充填されたカートリッジ12をシリンジ本体11の空洞に挿入するために取り外されてよい。シリンジ本体が、注入器の遠位端において内部針13を受け入れると、内部針13はカートリッジ内に突き抜ける。針は、カートリッジから注入器の遠位端に位置する雄ルアー継ぎ手14への流路を提供する。ゴム隔壁22は、内部針に対するカートリッジの流体の封止を実現する。プランジャアセンブリ16の端部における内部のスラストブッシュ20およびゴム栓23は、カートリッジ12の近位端に接している。注入器のハンドル21を回転させると、ネジが螺刻されたロッド18が、プランジャアセンブリ16に作用して、カートリッジに対して容積移送作用を提供することで、遠位のルアー継ぎ手14を通してカートリッジの内容物が供給される。
【0010】
容積移送機構を用いることにより、圧縮性の要素がなくなるため、正確な供給特性を保証した供給が可能である。本発明の注入器は、通例5から25マイクロリットルの範囲の小さい増分(微少量)の粘性流体を正確に供給する。本発明は、小径の針、マイクロカニューレ、またはマイクロカテーテルを通して供給する際には、少量の粘性流体の供給が困難であることから、特に有利である。少量の粘性流体の正確な供給は、傷つきやすい組織構造を拡張または切開するために流体を用いる顕微手術で、特に重要である。
【0011】
図3によると、別の実施形態では、容積移送機構は、シリンジ本体側プレート41を、それに平行なプランジャ側プレート44に取り付けるネジが螺刻されたロッド40を備える。棒40を回転させることにより、互いに近づく方向または離れる方向にプレート41および44を移動させる。プレート41がシリンジ本体42に取り付けられると共にプレート44がプランジャ軸43に取り付けられていることで、プランジャを移動させて、シリンジ本体からの材料の供給を正確に制御することができる。
【0012】
別の実施形態では、容積移送機構は、一連の離間した機械的ストッパを備えるプランジャを備えており、一連のストッパは、プランジャが1つの機械的ストッパから次のストッパまで直線的に前進することを可能にするよう配置された所定の間隔を有する。プランジャを次のストッパまで前進させ続けるために、解除機構を用いてもよいし推進力を追加してもよい。各ストッパによって許容されるプランジャの移動量を調整して、注入器の供給精度を設定してよい。
【0013】
別の実施形態では、容積移送機構は、従来のシリンジ本体に取り付けられ、様々な包装済みの粘弾性体シリンジキットと共に利用できるようになっている。例えば、その機構は、シリンジのフランジに取り付けられて、備えられているプランジャに作用してもよいし、その代わりとして機能してもよい。したがって、この注入器は、注入器、注入器から手術部位に材料を供給するための1または複数のマイクロカニューレ、および/または、外科または内科的な用途に有用な粘弾性材料を含む包装済みのカートリッジを備えるキットとして提供されてよいことも特徴である。
【0014】
注入器は、金属やポリマなど、任意の適切な高強度材料から製造されてよい。材料は、オートクレーブ、エチレンオキシド処理、または、電離放射線への暴露など、従来の手段によって滅菌されることが好ましい。適切な材料としては、鋼鉄やチタンなどの金属や、ポリスルホン、ポリエチレン、ナイロン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびポリカーボネートなどのポリマが挙げられる。
【0015】
注入器は、所定の様々または一定の注入圧力を維持することにより、低い所定の流速で粘性流体を正確に供給する流速制御のために用いられてもよい。マイクロカニューレやマイクロカテーテルなどの小径の器具を通して、制御された注入圧力で注入すると、一定の流速または所定の特性の流速で粘性流体が注入される。注入器の流出口または注入器の内部で測定される注入圧力を調整することにより、流速の制御が可能になる。図4によると、圧力計36または変換器を注入器35に取り付けることにより、圧力調整を実現してよい。注入圧力を監視しつつ容積移送機構を手動制御することにより、あるいは、注入機構を駆動する動力アクチュエータに電気的なフィードバックを供給することにより、一定の注入圧力が維持されてよい。他の実施形態では、容積移送機構によって加えられる力を制限する機械的な手段によって、圧力調整を実現してもよい。例えば、ねじ駆動機構にクラッチ機構を組み込んで、粘性材料を供給するために加えられる力の最大値を制限してもよい。
【0016】
注入器は、圧力逃し弁を組み込んで、粘性流体を供給する際の過加圧や圧力の急上昇を防止してもよい。圧力逃し弁は、ボールとばねとの組立品からなってよく、ボールは、ばねの力によって開口部を覆うように押しつけられているが、注入圧力がばねの力を超えると、流体の流れおよび圧力の解放が行われる。圧力逃し弁は、使用者が最大注入圧力を調節できるよう設計されてよい。
【0017】
以下の例は、説明のために提示するものであり、決して本発明の範囲の限定を意図するものではない。
【0018】
例1:
粘弾性材料を事前に充填したカートリッジを受け入れるよう設計し、ポリカーボネートから機械加工したシリンジ本体を用いて注入器を製造した。その遠位端では、シリンジ本体における軸方向の小さい貫通孔の中に、尖った22ゲージ針が接着された。針と同心円状に、雄ルアー継ぎ手を受ける座ぐりを形成した。針の尖った近位端をシリンジの空洞内に挿入して、シリンジ本体に装填されたカートリッジのゴム隔壁に穴を開けた。近位端では、シリンジ本体の外側に、キャップおよびプランジャのアセンブリと結合するためのねじ山を形成した。キャップアセンブリは、内側にねじ山(1/2−13UNC)の付いた機械加工のポリカーボネート製のキャップからなり、キャップの中心には、ねじ山の付いたステンレス鋼の棒を挿入するための小さいねじ穴(5−40UNC)を形成した。ネジが螺刻されたロッドの遠位端には、低摩擦のアセチル製のスラストブッシュを正面に固定されたポリカーボネートのプランジャを取り付けた。ネジが螺刻されたロッドの近位端には、ギザ付きのサムホイールを取り付けた。製造業者(Advanced Medical Optics Inc.)によって供給される粘弾性材料のカートリッジは、遠位端のゴム隔壁と空洞内のゴム栓とによって封止されていた。シリンジの空洞内にカートリッジを装填して、隔壁に穴を開けた後に、キャップアセンブリをシリンジにねじ込んで、ねじのプランジャ端をカートリッジの穴に挿入した。スラストブッシュがゴム栓に接触するまで、ねじを前進させた。ねじを前進させ続けることにより、針およびルアー継ぎ手を通してシリンジ本体から粘弾性材料を押し出した。アセチルのスラストブッシュは、回転するねじが、栓にトルクを与えることを防止し、カートリッジ空洞内での栓による封止を維持する助けとなった。ねじのピッチ(1インチ当たり40山)と、カートリッジの穴(6.72mm)とに基づいて、正確な量の粘弾性材料をシリンジから押し出すことができた。
ねじ:1回転=1/40インチ=0.025インチ=0.635mm
カートリッジの穴の面積:π*(6.72)2 /4=35.4mm2
体積/回転:0.635*35.4=22.5mm3
【0019】
例2:
従来のシリンジ本体を受け入れるよう設計されたねじ駆動シリンジプランジャを備える注入器を製造した。その器具は、シリンジのフランジを挿入するためのスロットを有するキャップ部と、プランジャを前進させるための送りねじと、送りねじを回転させるためのサムホイールとを備える。使用の準備として、ねじの送りを最も近位の位置に後退させた。次いで、シリンジのフランジをキャップのスロット内に挿入して、シリンジの穴とキャップの軸とを整列させた。次に、プランジャがシリンジ内の栓に接触するまで、シリンジの空洞内にねじを前進させた。ねじを前進させ続けることにより、針およびルアー継ぎ手を通してシリンジ本体から粘弾性材料を押し出した。
【0020】
例3:
例1の注入器は、300,000mPas、3,000,000mPas、および7,000,000mPasのゼロせん断粘度をそれぞれ有する3つの外科用粘弾性材料、すなわち、Healon、Healon GV、およびHealon 5(Advanced Medical Optics Inc.)の供給について試験された。注入器のねじ機構を1/4、1/2、および1回転させて、各粘弾性材料を供給した。結果として供給された材料は、風袋重量を量った皿に配置して、化学天秤(Mettler AG285)で重さを量った。その結果を以下の表1に示す。注入器からの粘弾性材料の供給の結果は、ねじ機構の回転に対して線形の供給特性を示した。粘弾性材料はすべて、1mg/mm3に近い密度を有するため、供給された材料の重さも、算出された供給体積に良好な対応を示した。
【0021】
【表1】

【0022】
例4:
90ミクロンの内径を有する眼科用マイクロカニューレ(カリフォルニア州レッドウッドシティのiScience Surgical Corporation)を通して定流量で外科用粘弾性材料を供給できることを示すために、圧力計と直列に配置されたマイクロカニューレに、例1の注入器を取り付けた。粘弾性材料(Healon GV、Advanced Medical Optics Inc.)を供給して、そのシステムを満たした。300psi±5%の供給圧力を実現するように、注入器のねじを締め、60秒間その範囲に維持した。その期間にマイクロカニューレの先端から押し出された流体はすべて、皿に回収して重さを測定した。次いで、5回の試験のデータの平均値と標準偏差とを算出した。その結果を表2に示す。
【0023】
【表2】

注入器は、毎分約5.4マイクロリットルに対応する毎分約5.4ミリグラムの定流量で粘弾性材料を供給した。
【0024】
例5:
定流量の供給を制御する能力を示すために、90ミクロンの内径を有する眼科用マイクロカニューレ(iScience Surgical Corporation)を通る外科用粘弾性材料(Healon GV、Advanced Medical Optics Inc.)の流速を、100から400psiの間の一連の定圧力下で測定した。各圧力で最低限3つのサンプルについて3回の試験を行い、合計9つの圧力レベルを試験した(100、150、175、200、225、250、300、350、および400psi)。各サンプルは、キャリブレートされた圧力計と直列に例1の容積移送式注入器を結合して、さらに、マイクロカニューレに結合することにより試験された。粘弾性材料がマイクロカニューレを満たして遠位端から押し出されるまで、注入器におけるねじの送りを進めた。次に、ねじを進める速度を手動で調節して、注入圧力を目標のレベルに維持した。目標の圧力レベルを最低3分間維持し、小さいカップに粘弾性流体を回収した。3分後に、押し出された粘弾性流体の重さを測定し、流速を算出した。図5によると、グラフのデータは、各圧力での平均値を示している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に従って、第1の実施形態の注入器を示す略断面図である。
【図2】本発明に従って、第2の実施形態の注入器を示す略断面図である。
【図3】本発明に従って、第3の実施形態の注入器を示す略断面図である。
【図4】本発明に従って、注入器の流出口における圧力を測定および調整するために圧力計を備える第4の実施形態の注入器を示す略断面図である。
【図5】例5で説明した、注入器から粘弾性材料を供給する際の圧力と流速との関係を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性材料のための注入器であって、
近位端と、流出口を備えた遠位端と、前記近位端および前記遠位端の間の空洞とを有するシリンジ本体と、
前記空洞内に配置されると共に容積移送機構に結合されたプランジャとを備え、
前記容積移送機構は、前記プランジャを前記シリンジ本体の前記遠位端に向かって徐々に前進させることにより、前記流出口を通して前記空洞内の前記材料を押し出す注入器。
【請求項2】
請求項1に記載の注入器であって、前記容積移送機構は、前記プランジャに取り付けられたネジが螺刻されたロッドを備える注入器。
【請求項3】
請求項2に記載の注入器であって、前記ネジが螺刻されたロッドは、インチ当たり40山以上のねじピッチを有する注入器。
【請求項4】
請求項1に記載の注入器であって、前記容積移送機構は、前記プランジャの直線移動を制御するための一連の離間した機械的ストッパを備える注入器。
【請求項5】
請求項1に記載の注入器であって、前記容積移送機構は、動力付きの駆動手段に結合されている注入器。
【請求項6】
請求項1に記載の注入器であって、前記容積移送機構は、供給体積が約25マイクロリットル未満の材料を、徐々に供給可能である注入器。
【請求項7】
請求項1に記載の注入器であって、さらに、注入圧力を調整する手段を備える注入器。
【請求項8】
請求項1に記載の注入器であって、さらに、注入圧力監視手段を備える注入器。
【請求項9】
請求項8に記載の注入器であって、前記監視手段は、圧力に関するフィードバック情報をアクチュエータに供給し、前記アクチュエータは、前記容積移送機構を駆動するための動力を供給する注入器。
【請求項10】
請求項7に記載の注入器であって、前記注入圧力を調整する手段は、前記材料に掛かる力を制限するための減衰器を備える注入器。
【請求項11】
請求項10に記載の注入器であって、前記減衰器は、前記容積移送機構に係合可能なクラッチを備える注入器。
【請求項12】
請求項1に記載の注入器であって、さらに、前記空洞内の圧力を解放する圧力逃し弁を備える注入器。
【請求項13】
微少量の粘性材料を供給するための装置であって、
粘性材料用の注入器と、
マイクロカニューレとを備え、
前記注入器は、
近位端と、流出口を備えた遠位端と、前記近位端および前記遠位端の間の空洞とを有するシリンジ本体と、
前記空洞内に配置されると共に容積移送機構に結合されたプランジャとを備え、前記容積移送機構は、前記プランジャを前記シリンジ本体の前記遠位端に向かって徐々に前進させることにより、前記流出口を通して前記空洞内の前記材料を押し出す装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、前記微少量は、約5から25マイクロリットルの範囲である装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置であって、前記注入器における前記容積移送機構は、前記プランジャに取り付けられたネジが螺刻されたロッドを備える装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、前記ネジが螺刻されたロッドは、インチ当たり40山以上のねじピッチを有する装置。
【請求項17】
請求項13に記載の装置であって、前記注入器における前記容積移送機構は、一連の離間した機械的ストッパを有する直線移動機構を備える装置。
【請求項18】
請求項13に記載の装置であって、前記注入器における前記容積移送機構は、動力付きの駆動手段に結合されている装置。
【請求項19】
請求項13に記載の装置であって、前記注入器における前記容積移送機構は、供給体積が約25マイクロリットル未満の材料を、徐々に供給可能である装置。
【請求項20】
請求項13に記載の装置であって、前記注入器は、さらに、注入圧力を調整する手段を備える装置。
【請求項21】
請求項13に記載の装置であって、前記注入器は、さらに、注入圧力監視手段を備える装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置であって、前記監視手段は、圧力に関するフィードバック情報をアクチュエータに供給し、前記アクチュエータは、前記容積移送機構を駆動するための動力を供給する装置。
【請求項23】
請求項20に記載の装置であって、前記注入圧力を調整する手段は、前記材料に掛かる力を制限するための減衰器を備える装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置であって、前記減衰器は、前記容積移送機構に係合可能なクラッチを備える装置。
【請求項25】
請求項13に記載の装置であって、前記注入器は、さらに、前記空洞内の圧力を解放する圧力逃し弁を備える装置。
【請求項26】
微少量の粘性材料を供給するためのキットであって、
粘性材料用の注入器と、
マイクロカニューレとを備え、
前記注入器は、
近位端と、流出口を備えた遠位端と、前記近位端および前記遠位端の間の空洞とを有するシリンジ本体と、
前記空洞内に配置されると共に容積移送機構に結合されたプランジャとを備え、前記容積移送機構は、前記プランジャを前記シリンジ本体の前記遠位端に向かって徐々に前進させることにより、前記流出口を通して前記空洞内の前記材料を押し出すキット。
【請求項27】
請求項26に記載のキットであって、さらに、前記注入器内に収容されるよう構成され、前記粘性材料を収容する包装済みのカートリッジを備えるキット。
【請求項28】
微少量の粘性材料を供給するためのキットであって、
粘性材料用の注入器と、
前記注入器内に収容されるよう構成され、前記粘性材料を収容する包装済みのカートリッジとを備え、
前記注入器は、
近位端と、流出口を備えた遠位端と、前記近位端および前記遠位端の間の空洞とを有するシリンジ本体と、
前記空洞内に配置されると共に容積移送機構に結合されたプランジャとを備え、前記容積移送機構は、前記プランジャを前記シリンジ本体の前記遠位端に向かって徐々に前進させることにより、前記流出口を通して前記空洞内の前記材料を押し出すキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−520276(P2007−520276A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549602(P2006−549602)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/001123
【国際公開番号】WO2005/069831
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(505097125)アイサイエンス・インターベンショナル・コーポレーション (13)
【氏名又は名称原語表記】ISCIENCE INTERVENTIONAL CORPORATION
【Fターム(参考)】