説明

粘性物用ミキサー

【課題】 回転抵抗が小さく、低出力の駆動手段を利用でき、均一に撹拌でき、混合がスムーズに、能率良く、短時間で行え、構成簡素で、耐久性、作業性に優れ、取扱いやメンテナンスが容易で、低廉で、経済的な粘性物用ミキサーを提供する。
【解決手段】 撹拌ケースCと外側回転羽根体Aと一対の内側回転体Bと駆動手段Dとを備え、撹拌ケースCの左右側壁部C2には羽根取付部材4を回転自在に装着し、羽根取付部材4には回転体取付部材13を回転自在に装着し、外側回転羽根体Aは、一対の撹拌用羽根片1を備え、内側回転体Bに干渉しないよう形成し、一対の内側回転体Bは、軸部B1と複数の突起12とを備え、回転体取付部材13に対して回転自在に装着し、外側回転羽根体Aは、羽根片1が周胴部C1内周面に沿って摺動するよう構成し、一対の内側回転体Bは、上方から下方に向う巻込回転をし、粘性物と被混合材を混合するよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、産業廃棄物となっている汚泥(ヘドロや脱水ケーキも含む)等の粘性物の減量化、固形化が図れるようにすると共に、この粘性物の資源化(例えば、埋立土材、土壌改良資材、路盤材料等)による有効利用が図れるようにするための前処理として、粘性物に適宜被混合材(例えば、セメント、石灰系固化剤、水溶性高分子、凝集剤等)を加えて撹拌、混合する際に、これらをスムーズに且つ能率良く行えるように工夫した粘性物用ミキサーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の粘性物用ミキサーとしては、例えば、特許文献1に示すような汚泥の造粒濃縮装置が開示されている。これは、円筒槽と、該円筒槽の中心に沿って設けられた回転軸に上下に攪拌翼を付けた攪拌機とからなり、円筒槽の底部中心部に汚泥とポリマーを供給するようにした造粒濃縮装置であって、前記回転軸の下端部に、前記回転軸に中心を固定され槽内の底の中心に供給された汚泥とポリマーの混合物を遮って回転軸沿いの短絡流を生じないようにする円板と、その周縁部に円周方向に等間隔離して複数枚の平羽根が取付けられ、前記底部の汚泥とポリマーを供給する口径と略同じ直径を有したタービン翼を設けたものである。
【0003】
【特許文献1】特許第3460842号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の如き汚泥の造粒濃縮装置にあっては、水分が少なくなる程、汚泥自身の粘度が高くなって、撹拌翼の回転抵抗が大きくなるため、高出力のモーターが必要となる難点や、均一な撹拌や、造粒化等が、スムーズに且つ能率良く行い難い難点等があった。すなわち、その処理を行うのに多くの時間がかかる問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、前述の如き難点等を解消すべく創出されたもので、請求項1記載の粘性物用ミキサーSにあっては、周胴部C1の両端部分を左右側壁部C2で閉塞したような撹拌ケースCと、周胴部C1の少なくとも底部がわ内表面に沿うように撹拌ケースC内で回転する外側回転羽根体Aと、周胴部C1の中心線に沿うように配されると共に、相互に接近した状態となるよう配されて回転する一対の内側回転体Bと、外側回転羽根体Aや一対の内側回転体Bを夫々所定向きに回転せしめる駆動手段Dとを備え、撹拌ケースCの左右側壁部C2には、羽根取付部材4を正逆回転自在に夫々装着し、この羽根取付部材4には、回転体取付部材13を正逆回転自在に夫々装着し、外側回転羽根体Aは、周胴部C1の内表面に沿うように移動する一対の撹拌用羽根片1を備え、しかも、左右羽根取付部材4に架設状に取付けられると共に、その回転時に一対の内側回転体Bに干渉しないように形成され、一対の内側回転体Bは、軸部B1と、この軸部B1に突設される複数の突起部B2とを備え、しかも、左右回転体取付部材13に架設状に取付けられると共に、回転体取付部材13に対して正逆回転自在となるよう装着され、外側回転羽根体Aは、駆動手段Dによって回転せしめられる羽根取付部材4と共に回転して、羽根片1が撹拌ケースCの周胴部C1内周面に沿って摺動するよう構成され、一対の内側回転体Bは、駆動手段Dを介して上方から下方に向って巻込回転をするよう構成され、撹拌ケースC内に投入された適宜粘性物及び適宜被混合材を混合できるよう構成する手段を採用した。
【0006】
また、請求項2記載の粘性物用ミキサーSにあっては、外側回転羽根体Aは、一対の羽根片1と、撹拌ケースCの左右方向中央部分に配されると共に、一方の羽根片1の他端部分と他方の羽根片1の一端部分とが取付けられる中央連結部材2と、中央連結部材2と羽根取付部材4とを架設状に連結する複数の補強連結部材3とで構成する手段を採用した。
【0007】
更に、請求項3記載の粘性物用ミキサーSにあっては、内側回転体Bは、回転体取付部材13に正逆回転自在に軸支されると共に、駆動手段Dによって回転する回転軸10と、この回転軸10に着脱自在に外装される軸外装体11と、この軸外装体11に突設される複数の突起12とで構成する手段を採用した。
【発明の効果】
【0008】
従って、本発明の請求項1記載の粘性物用ミキサーSによれば、外側回転羽根体Aの回転抵抗を小さく形成でき、低出力の駆動手段Dを利用できるようになる。
特に、外側回転羽根体Aの回転と、一対の内側回転体Bの回転とによって、粘性物と被混合材とが均一に撹拌できるようになり、しかも、粘性物と被混合材を造粒化し易くなり、スムーズで能率的な混合が行えるようになる。ひいては、混合処理が短時間で行えるようになる。
また、構成が簡素で、耐久性に優れ、取扱いやメンテナンス等が容易となり、作業性に優れ、量産に適し、比較的低廉に提供でき、経済的な粘性物用ミキサーSとなる。
更に、周胴部C1の中心線に沿うように配されると共に、相互に接近した状態となるよう配されて回転する一対の内側回転体Bを設けてあるので、撹拌ケースC内の粘性物と被混合材を、スムーズに且つ確実に混合できるようになると共に、ある程度塊状となっているような粘性物等を細かく砕くことができるようになる。
そして、外側回転羽根体Aや一対の内側回転体Bを夫々所定向きに回転せしめる駆動手段Dを設けてあるので、外側回転羽根体Aや一対の内側回転体Bを夫々任意の回転速度、回転向き、回転時間(反復動作等を含む)に設定して回転せしめられるようになり、粘性物及び被混合物に応じた最適な設定が得られ易くなる。
それから、撹拌ケースCの左右側壁部C2には、羽根取付部材4を正逆回転自在に夫々装着し、この羽根取付部材4には、回転体取付部材13を正逆回転自在に夫々装着してあるので、外側回転羽根体Aや一対の内側回転体Bを夫々所定向きに自由に回転せしめられるようになる。しかも、構成が簡素となり、メンテナンス等も行い易いものとなる。
加えて、一対の内側回転体Bは、駆動手段Dを介して上方から下方に向って巻込回転をするよう構成され、撹拌ケースC内に投入された適宜粘性物及び適宜被混合材を混合できるよう構成したので、粘性物と被混合材を、よりスムーズに且つ確実に混合できるようになると共に、ある程度塊状となっているような粘性物等をより細かく砕くことができるようになる。しかも、粘性物と被混合材を造粒化し易いものとなる。
【0009】
また、本発明の請求項2記載の粘性物用ミキサーSによれば、撹拌ケースC内の粘性物と被混合材を、大きく移動せしめて撹拌できるようになり、より均一な撹拌が期待できるようになる。加えて、羽根片1で移動せしめた粘性物と被混合材を、撹拌ケースC中央部分の一対の内側回転体Bに確実に送り込めるようになり、よりスムーズで、効率の良い撹拌が行えるようになる。
【0010】
更に、本発明の請求項3記載の粘性物用ミキサーSによれば、撹拌ケースC内の粘性物と被混合材を、よりスムーズに且つ確実に混合できるようになる。しかも、内側回転体B自身の構成が簡素となり、耐久性に優れ、メンテナンスや、軸外装体11及び突起12の回転軸10への互換装着が簡単に行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を図示例に基づいて説明すると、次の通りである。
図中Sは、本発明の粘性物用ミキサーを示し、この粘性物用ミキサーSは、例えば、産業廃棄物となっている汚泥(ヘドロや脱水ケーキも含む)等の粘性物の減量化、固形化が図れるようにすると共に、この粘性物の資源化(例えば、埋立土材、土壌改良資材、路盤材料等)による有効利用が図れるようにするための前処理として、粘性物に被混合材(例えば、セメント、石灰系固化剤、水溶性高分子、凝集剤等)を加えてスムーズに撹拌、混合(造粒化も含む)する際に、これらを能率良く行えるように工夫したものである。
【0012】
具体的には、少くとも下半分は略半割円筒状となるような周胴部C1の両端部分を左右側壁部C2で閉塞したような撹拌ケースCと、周胴部C1の略半割円筒状内表面に沿うように撹拌ケースC内で回転する外側回転羽根体Aと、周胴部C1の中心線に沿うように配されると共に、相互に接近した状態となるよう配されて回転する一対の内側回転体Bと、外側回転羽根体Aや一対の内側回転体Bを夫々所定向きに回転せしめる駆動手段Dと、撹拌ケースCや駆動手段D等を支持する架台Eとを備えたものである。
【0013】
更に、撹拌ケースCの左右側壁部C2には、羽根取付部材4を正逆回転自在に夫々装着し、この羽根取付部材4には、回転体取付部材13を正逆回転自在に夫々装着してある。
【0014】
そして、外側回転羽根体Aは、周胴部C1の略半割円筒状内表面に沿うように移動する一対の撹拌用羽根片1を備え、しかも、左右羽根取付部材4に架設状に取付けられると共に、その回転時に一対の内側回転体Bに干渉しないように形成されている。
【0015】
また、一対の内側回転体Bは、軸部B1と、この軸部B1に突設される突起部B2とを備え、しかも、左右回転体取付部材13に架設状に取付けられると共に、回転体取付部材13に対して正逆回転自在となるよう装着されている。尚、一対の内側回転体Bは、相互に接近した状態となるよう配されてはいるが、一対の内側回転体B(突起部B2)が相互に干渉しないように形成されている。しかも、ある程度塊状となっているような粘性物等をより細かく砕くことができて、これらが造粒化し易くなるように構成されている。
【0016】
加えて、外側回転羽根体Aは、駆動手段Dによって回転せしめられる羽根取付部材4と共に回転して、羽根片1が撹拌ケースCの周胴部C1内周面に沿って摺動するよう構成されている。また、一対の内側回転体Bは、駆動手段Dを介して上方から下方に向って(或いは、下方から上方に向って)巻込回転をするよう構成されており、撹拌ケースC内に投入された適宜粘性物と適宜被混合材を、よりスムーズに、確実に、且つ能率良く混合(造粒化も含む)できるよう構成したものである。
【実施例】
【0017】
先ず、図1乃至図4に示す粘性物用ミキサーSについて説明すると、この粘性物用ミキサーSは、本発明の一実施例を示すもので、具体的には、適宜架台Eの上に撹拌ケースCと適宜駆動手段Dを載置し、撹拌ケースCに、外側回転羽根体Aと一対の内側回転体Bを夫々内装し、適宜駆動手段Dによって、外側回転羽根体Aと一対の内側回転体B夫々を所定向きに駆動回転せしめて、撹拌ケースC内に投入された粘性物と被混合材を、撹拌すると共に混合して造粒化できるようにしたものである。
【0018】
そして、前記外側回転羽根体Aは、例えば、撹拌ケースCの左右側壁部C2に回転自在に装着した羽根取付部材4に取付けできるように構成されており、撹拌ケースCの周胴部C1内周面に沿って摺動するように回転する一対の羽根片1と、撹拌ケースCの左右方向略中央部分に配される中央連結部材2と、羽根取付部材4と中央連結部材2とを結ぶように装着される一対の補強連結部材3とからなっている。
【0019】
前記羽根片1は、例えば、略帯板状に形成されると共に、外側回転羽根体Aの回転方向に対して斜めに捩れるように配置されており、一方の羽根片1は、撹拌ケースCの略右半分部分に配され、撹拌ケースC内の右側にある粘性物等が中央部分側に常時送られるように形成され、他方の羽根片1は、撹拌ケースCの略左半分部分に配され、撹拌ケースC内の左側にある粘性物等が中央部分側に常時送られるように形成されている。
【0020】
前記中央連結部材2は、一対の羽根片1を撹拌ケースCの左右方向略中央部分で連結するためのもので、例えば、略帯板状或いはその他の適宜形状に形成され、しかも、内側回転体Bに干渉しないように形成されていると共に、粘性物等のスムーズな移動を邪魔しないように形成されている。
【0021】
前記補強連結部材3は、例えば、略帯板状に形成され、外側回転羽根体Aの回転中心を基準として羽根片1に対して略対峙するように配設されると共に、羽根取付部材4と中央連結部材2とを連結するように構成されている。すなわち、外側回転羽根体A全体の回転バランスが良くなると共に、外側回転羽根体A全体の強度、剛性が増すように設けられている。尚、補強連結部材3も、粘性物等のスムーズな移動を邪魔しないように形成されている。
【0022】
前記羽根取付部材4は、例えば、側壁部C2に正逆回転自在に装着される大径筒状部と、この大径筒状部の外側がわに連設される小径筒状部とからなり、外側回転羽根体Aを安定的に支持できると共に、スムーズに回転せしめられるように構成されている。
そして、他方(左側)の羽根取付部材4の小径筒状部にはスプロケット5が固着されている。すなわち、駆動手段D(羽根体用モーター25)の回転力がチェーン等を介してスプロケット5に伝達されて、羽根取付部材4が回転すると共に、同芯状態の外側回転羽根体Aが所定向きにスムーズに回転できるよう構成されている。
【0023】
また、前記一対の内側回転体Bは、例えば、羽根取付部材4に同芯状態で回転自在に装着した回転体取付部材13に装着できるように構成されており、しかも、この回転体取付部材13の回転中心を挟むような位置で正逆回転自在に軸支されている。更に、軸部B1は、駆動手段Dによって回転する回転軸10と、この回転軸10に着脱自在に外装、固着される軸外装体11とからなり、突起部B2は、軸外装体11の外表面全体に突設される多数の突起12によって構成されている。
【0024】
前記回転軸10は、例えば、適宜ベアリングやパッキング等を介して一対の回転体取付部材13に正逆回転自在となるように横架装着されている。
【0025】
前記軸外装体11は、例えば、略円筒状(或いは、一対の半割円筒状)を呈し、回転軸10に対して外装状に配されると共に、ボルト・ナット等を介して着脱自在となるように固着されている。すなわち、突起12等が損傷したときに、軸外装体11ごと互換装着できるように構成されており、メンテナンスが簡単に行えるように配慮されている。尚、回転軸10の長手方向中央部分には軸外装体11が設けられておらず、外側回転羽根体Aの中央連結部材2が干渉することがないようにしてあるが、この部分に軸外装体11を配するようにしても良い。
【0026】
前記突起12は、軸外装体11に多数固着されており、例えば、短小円柱状を呈し、基筒11の外表面に放射方向に突出するよう多数設けてある。しかも、一方の内側回転体Bの突起12と、他方の内側回転体Bの突起12とを互い違いに配して、相互で干渉しないように形成されており、これら多数の突起12によって挟圧されることで粘性物と被混合材が確実に混合できて、しかも、造粒化できるように構成されている。尚、この複数の突起12は、ある程度の硬さや大きさがある粘性物や被混合材を細かく砕けるようにも構成されている。
【0027】
前記回転体取付部材13は、例えば、羽根取付部材4の大径筒状部内に適宜ベアリングやパッキング等を介して正逆回転自在となるように装着される短大径中空円筒部と、この短大径中空円筒部の外側がわに連設されると共に、羽根取付部材4の小径筒状部内に適宜ベアリングやパッキング等を介して正逆回転自在となるように装着される小径筒状部とからなり、一対の内側回転体Bを安定的に支持できると共に、スムーズに回転せしめられるように構成されている。
そして、一方(右側)の回転体取付部材13の小径筒状部は、撹拌ケースC等に固定され、一方(右側)の回転体取付部材13が回転しないように形成されている。すなわち、回転体取付部材13に装着される一対の内側回転体Bは、回転体取付部材13に対しては正逆回転自在となるが、回転体取付部材13と共に公転しないように形成してある。尚、一方(右側)の回転体取付部材13の小径筒状部を、撹拌ケースC等に固定せずに、適宜制御できるようにすれば、一対の内側回転体Bを任意に公転させることは可能となる。
【0028】
図中14は、回転軸10や中継回転軸15の端部等に固定される歯車で、図中16は、中継回転軸15の端部に固着されるスプロケットである。すなわち、駆動手段D(回転体用モーター26)の回転力がチェーン等を介してスプロケット16に伝達されて、中継回転軸15が回転し、この中継回転軸15の回転力が歯車14を介して一対の回転軸10に伝達されて、一対の内側回転体Bが所定向きに同期回転できるように構成されている。
【0029】
更に、前記撹拌ケースCは、例えば、下半分が略半割円筒状を呈し、この略半割円筒状の上端縁部分夫々から一対の平行な正面板と背面板を上方に向って延設して形成したような周胴部C1と、この周胴部C1の両端部分(左右端部)に夫々連設される左右側壁部C2とで、上方が開放された容器状に構成されている。しかも、左右側壁部C2の略中央部分には、適宜ベアリングやパッキング等を介して羽根取付部材4が正逆回転自在となるように夫々装着され、この羽根取付部材4の略中央部分には、適宜ベアリングやパッキング等を介して回転体取付部材13が正逆回転自在となるように夫々装着されている。
ところで、周胴部C1の一対の平行な正面板及び背面板の内表面が、下部の湾曲面に連続するような湾曲面に形成しても良いし、或いは、正面板及び背面板の内表面に、下部の湾曲面に連続するような湾曲面を備えた部材を着脱自在に固定できるように形成しても良い。
【0030】
加えて、周胴部C1の底部には、混合された粘性物等を撹拌ケースC外に排出するための排出口20が開口され、この排出口20の下方には、開閉蓋板21が摺動自在に装着されている。すなわち、この開閉蓋板21が駆動手段D(例えば、開閉用モーター27)の作動によって摺動して、排出口20を開閉できるように構成されている。尚、排出口20の配設位置は、例えば、周胴部C1の左右方向中央部に設けて、その排出がスムーズに行えるように形成されている。また、排出口20は複数設けても良い。
【0031】
そして、前記駆動手段Dは、例えば、羽根体用モーター25や、回転体用モーター26や、開閉用モーター27等によって構成されているが、その他の適宜駆動手段を利用できると共に、その数等も自由に設定できるものである。
【0032】
それから、前記架台Eは、例えば、適宜型材等を利用して組立てられるもので、撹拌ケースCや駆動手段Dを安定的に支えられるように構成されたものであれば良い。
【0033】
また、図5に示す粘性物用ミキサーSは、一方(右側)の回転体取付部材13を、例えば、大径中空円筒部で構成し、この大径中空円筒部を一対の内側回転体Bの回転軸10が貫通するように延長し、この回転軸10夫々に歯車14を固定すると共に、一方の回転軸10にスプロケット16を固定して構成したものである。すなわち、駆動手段D(回転体用モーター26)の回転力がスプロケット16に伝達され、一方の回転軸10が回転すると共に、歯車14を介して他方の回転軸10が同期回転するように構成されており、構成の簡素化が図れると共に、メンテナンスがより簡単に行えるように構成したものである。
【0034】
更に、図6及び図7に示す粘性物用ミキサーSは、一対の内側回転体Bを夫々別の駆動手段D(回転体用モーター26)で回転せしめられるように構成したもので、内側回転体Bに於いてより強力な回転力が得られるようにすると共に、一対の内側回転体B夫々の回転速度等を簡単に変えることができるように構成されたものである。
【0035】
それから、図8、図9に示す内側回転体Bは、一対の略半割円筒状の軸外装体11をボルト・ナット等を介して回転軸10に着脱自在となるように外装させ、この軸外装体11の外表面に多数の略短小円柱状の突起12を放射方向に突設して構成したものである。
【0036】
また、図10、図11に示す内側回転体Bは、一対の略L形鋼状の軸外装体11をボルト・ナット等を介して回転軸10に着脱自在となるように外装させ、この軸外装体11の外表面に多数の突起12を突設したもので、この突起12は、軸外装体11に固着される略長尺帯板状の突起基板12aと、この突起基板12aの左右側面に固着される略矩形板状の突起小片12bとで構成されている。
【0037】
更に、図12、図13に示す内側回転体Bは、一対の略半割円筒状の軸外装体11をボルト・ナット等を介して回転軸10に着脱自在となるように外装させ、この軸外装体11の外表面に多数の突起12を突設したもので、この突起12は、軸外装体11に固着される略帯板状の延長板12cと、この延長板12cの先端に固着される略矩形板状の突起基板12dと、この突起基板12dの外表面に固着される略短小円柱状の突起12eとで構成されている。
【0038】
そして、図14、図15に示す内側回転体Bは、一対の略半割円筒状の軸外装体11をボルト・ナット等を介して回転軸10に着脱自在となるように外装させ、この軸外装体11の外表面に多数の突起12を突設したもので、この突起12は、軸外装体11に固着される略矩形板状の取付板12fと、この取付板12fに固着される略し字状の湾曲突片12gとで構成されている。
【0039】
尚、一対の内側回転体Bにあっては、相互に接近するように配されており、しかも、突起12(突起基板12a及び突起小片12b、延長板12c及び突起基板12d及び突起12e、湾曲突片12g)夫々は、互いに他の内側回転体Bの突起12の間に、その一部が干渉することなく納まるよう形成されており(或いは、その一部が納まることなく僅かに離れた状態であっても良い。)、粘性物と被混合材が確実に混合できて、造粒化し易く、ある程度の硬さや大きさがある粘性物や被混合材を細かく砕けるように構成されている。
【0040】
ところで、粘性物用ミキサーSの具体的構成、形状、寸法、外側回転羽根体Aの具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、羽根片1の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、中央連結部材2の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、補強連結部材3の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、羽根取付部材4の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、スプロケット5の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、内側回転体Bの具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、軸部B1の具体的構成、形状、寸法、材質、突起部B2の具体的構成、形状、寸法、材質、数、配設位置、回転軸10の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、軸外装体11の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、突起12の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、突起基板12aの具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、突起小片12bの具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、延長板12cの具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、突起基板12dの具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、
突起12eの具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、取付板12fの具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、湾曲突片12gの具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、回転体取付部材13の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、歯車14の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、中継回転軸15の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、スプロケット16の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、撹拌ケースCの具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、周胴部C1の具体的構成、形状、寸法、材質、側壁部C2の具体的構成、形状、寸法、材質、排出口20の具体的構成、形状、寸法、配設位置、数、開閉蓋板21の具体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数、駆動手段Dの具体的構成、配設位置、数、羽根体用モーター25の具体的構成、形状、寸法、配設位置、回転体用モーター26の具体的構成、形状、寸法、配設位置、開閉用モーター27の具体的構成、形状、寸法、配設位置、架台Eの具体的構成、形状、寸法、材質等は、図示例のもの等に限定されることなく適宜自由に設定、変更できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の粘性物用ミキサーを例示する一部切欠正面図である。
【図2】本発明の粘性物用ミキサーを例示する一部切欠平面図である。
【図3】本発明の粘性物用ミキサーを例示する側面図である。
【図4】本発明の粘性物用ミキサーを例示する一部切欠部分平面図である。
【図5】本発明の他の粘性物用ミキサーを例示する一部切欠部分平面図である。
【図6】本発明の他の粘性物用ミキサーを例示する側面図である。
【図7】本発明の他の粘性物用ミキサーを例示する一部切欠部分平面図である。
【図8】他の内側回転体を例示する部分正面図である。
【図9】他の内側回転体を例示する側面図である。
【図10】他の内側回転体を例示する部分正面図である。
【図11】他の内側回転体を例示する側面図である。
【図12】他の内側回転体を例示する部分正面図である。
【図13】他の内側回転体を例示する側面図である。
【図14】他の内側回転体を例示する部分正面図である。
【図15】他の内側回転体を例示する側面図である。
【符号の説明】
【0042】
S 粘性物用ミキサー
A 外側回転羽根体
B 内側回転体
B1 軸部
B2 突起部
C 撹拌ケース
C1 周胴部
C2 側壁部
D 駆動手段
E 架台
1 羽根片
2 中央連結部材
3 補強連結部材
4 羽根取付部材
5 スプロケット
10 回転軸
11 基筒
12 突起
12a 突起基板
12b 突起小片
12c 延長板
12d 突起基板
12e 突起
12f 取付板
12g 湾曲突片
13 回転体取付部材
14 歯車
15 中継回転軸
16 スプロケット
20 排出口
21 開閉蓋板
25 羽根体用モーター
26 回転体用モーター
27 開閉用モーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周胴部の両端部分を左右側壁部で閉塞したような撹拌ケースと、周胴部の少なくとも底部がわ内表面に沿うように撹拌ケース内で回転する外側回転羽根体と、周胴部の中心線に沿うように配されると共に、相互に接近した状態となるよう配されて回転する一対の内側回転体と、外側回転羽根体や一対の内側回転体を夫々所定向きに回転せしめる駆動手段とを備え、撹拌ケースの左右側壁部には、羽根取付部材を正逆回転自在に夫々装着し、この羽根取付部材4には、回転体取付部材を正逆回転自在に夫々装着し、外側回転羽根体は、周胴部の内表面に沿うように移動する一対の撹拌用羽根片を備え、しかも、左右羽根取付部材に架設状に取付けられると共に、その回転時に一対の内側回転体に干渉しないように形成され、一対の内側回転体は、軸部と、この軸部に突設される複数の突起部とを備え、しかも、左右回転体取付部材に架設状に取付けられると共に、回転体取付部材に対して正逆回転自在となるよう装着され、外側回転羽根体は、駆動手段によって回転せしめられる羽根取付部材と共に回転して、羽根片が撹拌ケースの周胴部内周面に沿って摺動するよう構成され、一対の内側回転体は、駆動手段を介して上方から下方に向って巻込回転をするよう構成され、撹拌ケース内に投入された適宜粘性物及び適宜被混合材を混合できるよう構成したことを特徴とする粘性物用ミキサー。
【請求項2】
外側回転羽根体は、一対の羽根片と、撹拌ケースの左右方向中央部分に配されると共に、一方の羽根片の他端部分と他方の羽根片の一端部分とが取付けられる中央連結部材と、中央連結部材と羽根取付部材とを架設状に連結する複数の補強連結部材とで構成したことを特徴とする請求項1記載の粘性物用ミキサー。
【請求項3】
内側回転体は、回転体取付部材に正逆回転自在に軸支されると共に、駆動手段によって回転する回転軸と、この回転軸に着脱自在に外装される軸外装体と、この軸外装体に突設される複数の突起とで構成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の粘性物用ミキサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−742(P2007−742A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182339(P2005−182339)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(000177483)三和産業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】