説明

粘着シート及び粘着剤

【課題】 本発明は、被着体に粘着した粘着シートや粘着剤を容易に、しかも被着体に残渣を殆ど残さずに剥離させることを目的とする。
【解決手段】 本発明によれば、離型剤を内包した熱溶融性マイクロカプセルを粘着剤層内に分散配置したことにより、加熱処理をするだけで、容易に、しかも被着体に殆ど残渣を残さずに、剥離することが可能となる。また、上述の粘着剤層に、熱膨張性粒子を組み合わせれば、熱膨張性粒子の膨張により、粘着剤層に隙間を形成でき、その隙間に離型剤が染み込んでいくため、粘着剤層の接着力を大幅に低下させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着シート及び該粘着シートに用いられる粘着剤に関し、特に、被着体からの剥離を容易とする粘着シート及び粘着剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粘着シートは、粘着剤層を支持体上に設けたものであり、このような粘着シートは取り扱いが簡便であり、強い接着力を有することからラベル等広い用途で使用されている。しかしながら、このような粘着シートは、粘着剤層を被着体に貼り付けた後に剥離することは困難であり、無理に剥がそうとすると粘着シート自体が破れたり、剥がれた跡に粘着剤が残ってしまうという問題が生じる。
【0003】
このような問題を解決すべく、粘着シートの粘着剤層に、熱膨張性樹脂粒子を混入分散させておき、被着体から剥離する際、粘着シートを加熱して、熱膨張性樹脂粒子を膨張させることにより被着体と粘着シートとを剥がしやすくすることが提案されている。(特許文献1)
また、粘着剤層に離型剤を内包するマイクロカプセルを含有させておき、被着体から剥離する際、粘着シートを加圧することで、マイクロカプセルを破壊し、離型剤を粘着剤層に放出し、粘着剤の粘着力を弱まらせることが提案されている。(特許文献2)
【特許文献1】特開昭60−252681号公報
【特許文献2】特開平9−95650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された粘着シートでは、粘着剤の粘着力を弱まらせるのではなく、熱膨張性樹脂粒子の膨張力で、被着体と粘着剤とを剥離するものであり、十分な剥離性が得られるものでなく、被着体に粘着剤の残渣が残ってしまうことがある。
【0005】
一方、特許文献2に開示された粘着シートでは、離型剤の作用により、粘着剤の粘着力を弱めるものであるため、粘着剤の粘着力を大幅に低減することができ、被着体に粘着剤の残渣が残る可能性は低くなる。しかしながら、このような作用効果を得るためには、粘着シート全体にわたって加圧する必要があり、大きな粘着シートや、加圧することができないような狭い筐体内に貼付された粘着シートなどの場合、容易に剥離させることが困難である。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであって、被着体に強固に接着すると共に、被着体からの剥離を容易かつ被着体に残渣を殆ど残すことのない粘着シート及び粘着剤を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、基材と、前記基材上に形成された粘着剤層と、を有し、前記粘着剤層は、離型剤を内包した熱溶融性マイクロカプセルを含むことを特徴とする粘着シートにより達成される。これにより、粘着シートを加熱するだけで、マイクロカプセルが溶融することになり、マイクロカプセルに内包された離型剤が粘着剤層内に放出される。従って、粘着剤層の接着力は、低下することになり、粘着シートを容易に剥離することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、離型剤を内包した熱溶融性マイクロカプセルを粘着剤層内に分散配置したことにより、加熱処理をするだけで、容易に、しかも被着体に殆ど残渣を残さずに、剥離することが可能となる。
【0009】
また、上述の粘着剤層に、熱膨張性粒子を組み合わせれば、熱膨張性粒子の膨張により、粘着剤層に隙間を形成でき、その隙間に離型剤が染み込んでいくため、粘着剤層の接着力を大幅に低下させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本願発明者らは、離型剤を内包したマイクロカプセルを直接破壊するのでなく、間接的に破壊できれば、大きな粘着シートや狭い筐体内に貼付された粘着シートでも容易に、しかも被着体に残渣を殆ど残すことなく剥離することができることを見出した。
【0011】
本発明は、上記のような検討に基づいてなされたものであって、マイクロカプセルを熱溶融性の材料で形成することに主な特徴があるものである。
【実施例1】
【0012】
本発明の第1実施例による粘着シートについて、図1乃至図5を用いて説明する。
【0013】
図1は、本発明による粘着シートの断面を示す概略図である。
【0014】
図1に示す本実施例における粘着シート1は、主として、基材2と、粘着剤層3と、離型剤5を内包したマイクロカプセル4とによって構成されている。
【0015】
基材2は、後述する粘着剤層3の支持体となるものであって、プラスチックフィルム、紙、布、不織布、金属箔、それらのラミネート体など、主に薄葉体が用いられる。また、基材2の厚さは、500μm以下、特に5〜250μmが一般的に用いられているが、これに限定されるものではない。また、基材2を、導電体層や磁性体層からなる積層構造にしたり、基材2に、導電粉や磁性粉を含有させたりすれば、高周波を介し誘導加熱できるようになり、離れた場所からでも容易に加熱することができる。
【0016】
粘着剤層3は、被着体に粘着する粘着剤からなり、25℃における、ステンレス板に対する180°剥離接着力(剥離速度300mm/min)が800g/25mm以上のものである。また、後述する離型剤5の作用によって、その接着力が80g/25mm以下となるものである。その接着力が30g/25mm以下となるとより剥がしやすくなり、効果的である。
【0017】
このように、粘着剤層3は、通常は、800g/25mm以上の強力な接着力を有しているが、離型剤5と触れ合うことによって、80g/25mm以下にその接着力を低下させるものである。
【0018】
粘着剤層3としては、例えば、ゴム系、アクリル系、ビニルアルキルエーテル系、シリコン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ウレタン系、スチレン・ジエンブロック共重合体系の融点が200℃以下の熱溶融性樹脂を配向してクリープ特性を改良したものなど、公知の粘着剤の1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、粘着剤に架橋剤、粘着性付与剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤など、添加剤を適宜配合してもよい。更に、天然ゴムや各種の合成ゴムをベースポリマーとするゴム系粘着剤、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基のような炭素数が20以下のアルキル基を有するアクリル酸やメタクリル酸などのエステルからなるアクリル酸系アルキルエステルの1種または2種以上を用いたアクリル系重合体をベースポリマーとするアクリル系粘着剤などを用いてもよい。また、加熱後の接着力の大きな低下を達成する観点などから、常温から150℃における動的弾性率が5万〜1000万dyn/cm2のポリマーをベースポリマーとすると好適である。
【0019】
マイクロカプセル4は、粘着剤層3に接触すると、粘着剤層3の接着力を低下させる働きを有する後述する離型剤5を内包すると共に、熱溶融性の材料で構成されている。
【0020】
マイクロカプセル4は、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどといった熱溶融性材料で構成される。特に、マイクロカプセル4として、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、イソシアネート樹脂などの合成樹脂を使用すると、耐水性、耐溶剤性に優れ、より好適である。また、マイクロカプセル4の融点は、60℃〜150℃のものを用いると好適である。これは、融点が60℃未満のものであると、加熱処理をしなくても、例えば室温でも一部のマイクロカプセル4が自然に溶融してしまうおそれがあるためである。また、マイクロカプセル4の融点が150℃以上であると、マイクロカプセル4を熱溶融させるために200℃以上の加熱が必要となり、一般的な被着体を熱劣化させる可能性があることから好ましくない。ここで、融点とは、熱示差走査熱量計(DSC)を用い、JIS K7121に準じて10±1℃/分の昇温速度で測定したときの溶解ピーク温度を意味している。
【0021】
また、後述する離型剤5を内包するマイクロカプセル4は、公知技術である、コアセルベーション法、界面重合法、in−situ重合法などを用いて作製することができる。
【0022】
また、マイクロカプセル4の平均粒径は、1〜50μmであると好ましい。これは、マイクロカプセル4の平均粒径が1μm以下であると、一つのマイクロカプセル4に内包される離型剤5の含有量が少なくなってしまい、粘着剤層3の接着力を十分に低下させることができないためである。また、マイクロカプセル4の平均粒径が50μm以上であると、それ自身で接着力のないマイクロカプセル4が粘着剤層3の体積の大半を占めてしまい、粘着剤層3が十分な接着力を得られなくなってしまう。
【0023】
離型剤5は、前述の通り、通常、マイクロカプセル4に内包された状態であるが、マイクロカプセル4が熱溶融すると、粘着剤層3内に放出され、粘着剤層3の接着力を、例えば、80g/25mm以下に低下させる働きをするものである。
【0024】
離型剤5としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸誘電体、オルガノポリシロキサン化合物、ワックス、高級アルコール、鉱油、動物油、植物油、シリコン油、またはその混合物などが利用できる。また、必要に応じて、酸化防止剤や紫外線吸収剤を含有させるようにしても良い。ここで、離型剤5の粘性は、低い方が好ましい。これは、離型剤5の粘性が高すぎると、粘着剤層3内に放出されたとしても、粘着剤層3内で十分に拡散することができず、それによって、粘着剤層3との接触面積が少なくなり、その粘着剤層3の接着力を十分に低下させることができなくなるからである。また、粘着シート1が十分な接着力、剥離容易性を得るには、離型剤5が粘着剤層3に対して、重量割合で、1〜20wt%の範囲とすることが好ましい。
【0025】
次に、被着体に貼付された粘着シート1を剥離する方法について以下説明をする。
【0026】
図2は、本実施例による粘着シート1の剥離方法を示す図である。
【0027】
図2(a)に示すように、被着体6に粘着シート1が貼付されている。尚、このときの接着力は、800g/25mm以上である。
【0028】
次に、図2(b)に示すように、加熱手段7を用いて、粘着シート1を加熱すると、マイクロカプセル4は、溶融し、マイクロカプセル4に内包された離型剤5が粘着剤層3内に放出される。これによって、粘着剤層3の接着力は著しく低下することになり、被着体5からの剥離を容易に行うことができる。例えば、その接着力は、80g/25mm以下となる。ここで、加熱手段7は、例えば、100〜250℃に設定されたホットプレートであり、粘着シート1を1〜90秒間加熱するものである。本実施例では、加熱手段6をホットプレートで説明したが、粘着シート1を加熱できるものであれば、これに限定するものではなく、例えば、前述のように、基材2に磁性体を含ませておけば、高周波を発するもので構成してもよい。
【0029】
このように、本実施例では、粘着剤層3の接着力を低下させる離型剤5を、熱溶融性のマイクロカプセル4に内包させている。従って、強力な接着力を有しているにもかかわらず、加熱するだけで、被着体から容易に、かつ残渣なく粘着シート1を剥離することができる。
【0030】
図3は、本実施例の変形例を示す図である。
【0031】
図3は、図1に示す基材2の粘着剤層3形成面の他方の面にも、図1と同様の離型剤5を内包したマイクロカプセル4が分散配置された粘着剤層3が形成され、その粘着剤層3に接して、ラベル8が形成されている例を示すものである。
【0032】
ラベル8は、紙、プラスチックなどからなるラベルであり、このようなラベルを回収して再利用する要望もある。
【0033】
図3のように粘着シート1を構成すると、被着体に貼付された粘着シート1を1度加熱するだけで、ラベル8と接着する粘着剤層3及び被着体と接着する粘着剤層3双方の接着力が弱まる。従って、被着体からの剥離を容易とするだけでなく、ラベル8からの剥離も容易となり、ラベル8の回収が容易となる。しかも、1回の加熱だけで、被着体、ラベル8双方の剥離を容易とするため、剥離作業を効率的に行うことが可能となる。
【0034】
図4は、本実施例の他の変形例を示す図である。
【0035】
図4は、図1に示す粘着剤層3を、離型剤5を内包したマイクロカプセル4の分散配置された第1の粘着剤層3−1と、マイクロカプセル4を含まない粘着剤層のみからなる第2の粘着剤層3−2との2層で構成した例である。
【0036】
図4のように粘着シートを構成すると、被着体との最表面となる第1の粘着剤層3−1のみに離型剤5を内包したマイクロカプセル4が分散配置されるため、被着体と近接する部分から接着力を低下させ、剥離を容易にする速度を高めることができる。また、被着体への粘着剤層の残渣を極めて少なくできる。接着力などを考えると、第1の粘着剤層3−1の厚さは、5μm〜20μmとするのが好適である。
【0037】
次に、本実施例で説明した粘着シートを作製し、その接着力について調べた結果について説明をする。
(実験例1)
フッ素変性シリコンオイル(FS1265 1000CS、繁和産業(株)製)80重量部を、pHを6.0に調整したエチレン−無水マレイン酸共重合体の4%水溶液180重量部に添加し、ホモジナイザを用いて乳化した後、この乳化液を60℃に昇温した。
【0038】
次に、40%ホルムアルデヒド水溶液40重量部にメラミン20重量部を加え、60℃で15分間反応させて得たプレポリマー水溶液を前記乳化液中に滴下し、攪拌しながら0.1Nの塩酸を滴下してpHを5.3に調整した。そして、80℃まで昇温して1時間、10000rpmの攪拌速度で攪拌し、続いて、0.2Nの塩酸を滴下してpHを3.5に下げ、更に3時間攪拌した後、冷却することで、平均粒径10μmの離型剤を内包するマイクロカプセル分散液を得た。
【0039】
このマイクロカプセルの融点は、DSCで測定したところ、約100℃であった。
【0040】
次に、このマイクロカプセル分散液をフィルタープレスし、風乾させ、粉状マイクロカプセルを製造した。
【0041】
次に、粉状マイクロカプセル30重量部をアクリル系粘着剤100重量部に混合し、厚さ100μmのポリエステルフィルムの片面に塗布し、厚さ50μmのマイクロカプセルを含有する粘着剤層を形成した。
【0042】
尚、離型剤の粘着剤層に対する重量割合は、10wt%とした。
【0043】
このようにして、粘着シート(実験例1)を作製した。
(実験例2)
フッ素変性シリコンオイル(FS1265 1000CS、繁和産業(株)製)80重量部を、pHを6.0に調整したエチレン−無水マレイン酸共重合体の4%水溶液180重量部に添加し、ホモジナイザを用いて乳化した後、この乳化液を50℃に昇温した。
【0044】
次に、40%ホルムアルデヒド水溶液40重量部にメラミン20重量部を加え、50℃で10分間反応させて得たプレポリマー水溶液を前記乳化液中に滴下し、攪拌しながら0.1Nの塩酸を滴下してpHを5.3に調整した。そして、70℃まで昇温して0.5時間、10000rpmの攪拌速度で攪拌し、続いて、0.2Nの塩酸を滴下してpHを3.5に下げ、更に3時間攪拌した後、冷却することで、平均粒径10μmの離型剤を内包するマイクロカプセル分散液を得た。
【0045】
このマイクロカプセルの融点は、DSCで測定したところ、約55℃であった。
【0046】
次に、このマイクロカプセル分散液をフィルタープレスし、風乾させ、粉状マイクロカプセルを製造した。
【0047】
次に、粉状マイクロカプセル30重量部をアクリル系粘着剤100重量部に混合し、厚さ100μmのポリエステルフィルムの片面に塗布し、厚さ50μmのマイクロカプセルを含有する粘着剤層を形成した。
【0048】
尚、離型剤の粘着剤層に対する重量割合は、10wt%とした。
【0049】
このようにして、粘着シート(実験例2)を作製した。
(実験例3)
フッ素変性シリコンオイル(FS1265 1000CS、繁和産業(株)製)80重量部を、pHを6.0に調整したエチレン−無水マレイン酸共重合体の4%水溶液180重量部に添加し、ホモジナイザを用いて乳化した後、この乳化液を60℃に昇温した。
【0050】
次に、40%ホルムアルデヒド水溶液40重量部にメラミン20重量部を加え、60℃で20分間反応させて得たプレポリマー水溶液を前記乳化液中に滴下し、攪拌しながら0.1Nの塩酸を滴下してpHを5.3に調整した。そして、85℃まで昇温して1.5時間、10000rpmの攪拌速度で攪拌し、続いて、0.2Nの塩酸を滴下してpHを3.5に下げ、更に3時間攪拌した後、冷却することで、平均粒径10μmの離型剤を内包するマイクロカプセル分散液を得た。
【0051】
このマイクロカプセルの融点は、DSCで測定したところ、約155℃であった。
【0052】
次に、このマイクロカプセル分散液をフィルタープレスし、風乾させ、粉状マイクロカプセルを製造した。
【0053】
次に、粉状マイクロカプセル30重量部をアクリル系粘着剤100重量部に混合し、厚さ100μmのポリエステルフィルムの片面に塗布し、厚さ50μmのマイクロカプセルを含有する粘着剤層を形成した。
【0054】
尚、離型剤の粘着剤層に対する重量割合は、10wt%とした。
【0055】
このようにして、粘着シート(実験例3)を作製した。
(実験例4)
実験例1の粉状マイクロカプセルとアクリル系粘着剤との混合比率を操作することで、離型剤の粘着剤層に対する重量割合を、0.5wt%とした粘着シート(実験例4)を作製した。
(実験例5)
実験例1の粉状マイクロカプセルとアクリル系粘着剤との混合比率を操作することで、離型剤の粘着剤層に対する重量割合を、21wt%とした粘着シート(実験例5)を作製した。
(実験例6)
実験例1の1時間の攪拌速度を30000rpmで攪拌することで、マイクロカプセルの平均粒径を0.5μmとした粘着シート(実験例6)を作製した。
(実験例7)
実験例1の1時間の攪拌速度を2000rpmで攪拌することで、マイクロカプセルの平均粒径を55μmとした粘着シート(実験例7)を作製した。
(実験例8)
厚さ100μmのポリエステルフィルムからなる基材に、マイクロカプセルを含まないアクリル系粘着剤を塗布して、厚さ40μmの第2の粘着剤層を形成し、実験例1で作製した粉状マイクロカプセルとアクリル系粘着剤との混合粘着剤を第2の粘着剤層上に塗布して、厚さ30μmの第1の粘着剤層を形成し、粘着シート(実験例8)を作製した。
【0056】
上記の実験例1乃至実験例8に示すように作製された粘着シートを用いて、以下の条件で180°剥離試験を行った。
【0057】
・被着体 ステンレス板(SUS 304、BA仕上げ面)
・温度 25℃(室温)、110℃(10分加熱)、160℃(10分加熱)
・耐性 30日放置
尚、110℃、160℃の加熱後の剥離試験においては、それぞれ10分間の加熱後に剥離試験を行った。
【0058】
本実施例における粘着シートの剥離試験の結果を図5に示す。
【0059】
図5に示すように、実験例1においては、室温においては、高い接着力を有し、加熱後においては、高い剥離性を有することが分かる。
【0060】
また、実験例2においては、室温で粘着後30日放置した場合、その接着力は、実験例1に比して大幅に低下している。これは、マイクロカプセルの融点が55℃と低いため、時間の経過と共にマイクロカプセルから離型剤が染み出したためであると考えられる。
【0061】
実験例3においては、加熱後においてもその接着力が低下していない。これは、マイクロカプセルの融点が155℃と高いためであり、加熱温度を高めれば、実験例1と同様の結果を示すものと考えられる。
【0062】
実験例4においては、加熱後においてもその接着力が低下していない。これは、粘着剤層に対する離型剤の量が少なく、粘着剤層の接着力を十分に低下させることができなかったためと考えられる。
【0063】
実験例5においては、室温においては、高い接着力を有し、加熱により高い剥離性を有しているが、離型剤の量が多すぎ、離型剤によって、被着体が汚染されてしまった。
【0064】
実験例6においては、加熱後においてもその接着力が低下していない。これは、マイクロカプセルの粒径が小さい、つまり、粘着剤層に対する離型剤の量が十分でなく、粘着剤層の接着力を十分に低下させることができなかったためであると考えられる。
【0065】
実験例7においては、実験例1に比して、加熱後に高い剥離性を有しているものの、室温における接着力が十分でなかった。
【0066】
実験例8においては、室温においては、高い接着力を有し、加熱により高い剥離性を有することが分かる。
【実施例2】
【0067】
次に、本発明の第2実施例による粘着シートについて、図6乃至図8を用いて説明する。
【0068】
本実施例では、先に説明した実施例1の粘着シートの粘着剤層に、離型剤を内包したマイクロカプセルだけでなく、熱膨張性粒子を含ませた粘着シートについて説明をする。
【0069】
図6は、本発明による粘着シートの断面を示す概略図である。
【0070】
図6に示す本実施例における粘着シート2−1は、主として、基材2と、粘着剤層3と、離型剤5を内包したマイクロカプセル4と、熱膨張性粒子2−9によって構成されている。尚、実施例1と同様のものについては、同一符号を付している。
【0071】
本実施例における粘着シート2−1は、粘着剤層3に、熱膨張性粒子2−9が分散配置されている点で、実施例1に示した粘着シート1と異なっている。
【0072】
熱膨張性粒子2−9は、マイクロカプセル4と共に、粘着剤層3内に分散して配置されており、加熱によって、5〜10倍に体積膨張し、その後破裂(発泡)する性質のものである。
【0073】
本実施例では、粘着剤層3に、熱膨張性粒子2−9を含むように構成した。従って、被着体に接着した粘着シート2−1を加熱手段により加熱すると、加熱によって、熱膨張性粒子2−1が膨張していき、その膨張による押圧力によって、粘着剤層3内部に隙間を形成する。この隙間に、マイクロカプセル4の溶融とともに放出された離型剤5が入り込むことにより、粘着剤層3の接着力をより低下させることが可能となる。また、熱膨張により、近接するマイクロカプセル4を押圧し、その押圧力によって、マイクロカプセル4の破壊を助ける作用もある。
【0074】
熱膨張性粒子2−9としては、イソブタン、プロパン、ペンタンなどのような、容易にガス化して、熱膨張性を示す物質を、コアセルベーション法や界面重合法などで、殻型性物質内に内包させたものを用いる。殻型性物質としては、例えば、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどのような熱溶融性物質や熱膨張で破壊される物質であればよい。熱膨張性粒子2−9としては、例えば、松本油脂社製のマイクロスフェアなどが用いられる。
【0075】
また、粘着剤層3として、熱膨張性粒子2−9の膨張による押圧力によって、隙間のできるものを用いるとより好適である。
【0076】
また、熱膨張性粒子2−9は、80〜200℃で熱膨張を開始するものを用いると好適である。80℃以下で熱膨張するものであると、加熱処理をしなくても、例えば常温でも一部の熱膨張粒子2−9が熱膨張してしまう可能性があり、それによって粘着剤層3の接着力を弱めてしまうからである。また、熱膨張性粒子2−9が200℃以上で熱膨張するものであると、熱膨張させるために200℃以上の加熱が必要となり、一般的な被着体を熱劣化させる可能性があり好ましくない。
【0077】
また、粘着シート2−1が十分な接着力、剥離容易性を得るには、熱膨張性粒子2−9が粘着剤層3に対して、重量割合で、1〜20wt%の範囲とすることが好ましい。
【0078】
また、熱膨張性粒子2−9の平均粒径は、1〜50μmであると好ましい。熱膨張性粒子2−9の平均粒径が1μm以下であると、熱膨張性粒子2−9が熱膨張して、粘着剤層3を押し広げて形成する隙間が小さすぎ、十分な効果が得られないためである。また、熱膨張性粒子2−9の平均粒径が50μm以上であると、それ自身で接着力のない熱膨張性粒子2−9が粘着剤層3の体積の大半を占めてしまい、粘着剤層3が十分な接着力を得られなくなってしまう。
【0079】
このように、本実施例における粘着シートは、実施例1で説明した粘着シートの粘着剤層に、熱膨張性粒子を分散配置している。従って、熱膨張性粒子の膨張により、粘着剤層が押し広げられ、粘着剤層内に隙間が生じる。そして、その隙間にマイクロカプセルから放出された離型剤が染み込んでいくため、粘着剤層の接着力を大幅に低下させることが可能となる。
【0080】
図7は、本実施例における粘着シートの変形例を示す図である。
【0081】
図7に示す粘着シート2−1は、図7(b)に示すように、マイクロカプセル2−4が、熱膨張性粒子2−9及び離型剤5を内包するように構成されたものである。
【0082】
マイクロカプセル2−4をこのように構成すると、加熱することで熱膨張した熱膨張性粒子2−9の作用によって、マイクロカプセル2−4を内部から確実に破壊することができる。更に、離型剤5をマイクロカプセル2−4内から押し出す作用もあり、離型剤5の放出を促進させると共に、粘着剤層3への拡散を促進させることができる。
【0083】
また、マイクロカプセル2−4内において、熱膨張性粒子2−9よりも離型剤5の比率を高めておくほうが、粘着剤層3の接着力の低下をもたらすために好適である。
【0084】
また、図6に示すように、粘着剤層3内に熱膨張性粒子2−9を分散配置しつつ、図7に示すように、マイクロカプセル2−4内に熱膨張性粒子2−9及び離型剤5を内包させるように構成してもよい。このようにすると、主に、粘着剤層3内に配置された熱膨張性粒子2−9によって、粘着剤層3内に隙間を形成し、主に、マイクロカプセル2−4内の熱膨張性粒子2−9によって、マイクロカプセル2−4の破壊、離型剤5の放出の促進、粘着剤層3内への拡散がなされることになる。
【0085】
このように、本実施例における粘着シートは、熱膨張性粒子を、粘着剤層やマイクロカプセル内に配置したため、加熱時における、離型剤の粘着剤層内への分散性を高めることが可能となる。
【0086】
次に、本実施例で説明した粘着シートを作製し、その接着力について調べた結果について説明をする。
(実験例9)
イオン交換水600g、塩化ナトリウム150g、アジピン酸−ジエタノールアミン縮合物1.5g、コロイダルシリカ20%水溶液40gを混合し,硫酸でpHを3.7〜4.1に調整し、これを水相とした。
【0087】
次に,アクリロニトリル180g、メタクリロニトリル105g、メタクリル酸メチル15g、ジメタクリル酸エチレングリコール1.5g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルアクリレート2.0g、イソペンタン75g、アゾビスイソブチロニトリル1gを混合、撹拌、溶解し、これを油相とした。
【0088】
次に,前述のように作製した水相と油相を混合し、TKホモミキサーで20000rpmで5分間撹拌し、懸濁液とした。
【0089】
更に,これを1.5L加圧反応機に移して窒素置換をしてから、撹拌しつつ70℃で15時間反応させた。
【0090】
得られた反応生成物をろ過、乾燥し、平均粒径が10μmである熱膨張性粒子を得た。
【0091】
次に、熱膨張性粒子と実施例1の実験例1と同様の工程で作製した粉状マイクロカプセル、アクリル系粘着剤と混合して、粘着シート(実験例9)を作製した。尚、熱膨張性粒子は、熱膨張開始温度が100℃であり、粘着剤層に対して、10wt%含有するようにした。
(実験例10)
実験例9で作製した熱膨張性粒子の熱膨張開始温度を75℃に調整したこと以外は、実験例8同様の工程によって粘着シート(実験例10)を作製した。
(実験例11)
実験例9で作製した熱膨張性粒子の熱膨張開始温度を210℃に調整したこと以外は、実験例9同様の工程によって粘着シート(実験例11)を作製した。
(実験例12)
実験例9で作製した熱膨張性粒子を、粘着剤層に対して0.5wt%含有するように調整したこと以外は、実験例9同様の工程によって粘着シート(実験例12)を作製した。
(実験例13)
実験例9で作製した熱膨張性粒子を、粘着剤層に対して21wt%含有するように調整したこと以外は、実験例9同様の工程によって粘着シート(実験例13)を作製した。
(実験例14)
実験例9で作製した熱膨張性粒子の平均粒径を0.5μmに調整したこと以外は、実験例9同様の工程によって粘着シート(実験例14)を作製した。
(実験例15)
実験例9で作製した熱膨張性粒子の平均粒径を55μmに調整したこと以外は、実験例9同様の工程によって粘着シート(実験例15)を作製した。
(実験例16)
フッ素変性シリコンオイル(FS 1265 1000、繁和産業(株)製)80重量部を、pHを6.0に調製したエチレン−無水マレイン酸共重合体の4%水溶液180重量部に添加し、ホモジナイザを用いて乳化した後、実施例9で作製した熱膨張性粒子100重量部を混合し分散させ,この乳化液を60℃に昇温した。
【0092】
別に、40%ホルムアルデヒド水溶液40重量部にメラミン20重量部を加え、60℃で15分間反応させて得たプレポリマー水溶液を前記乳化液中に滴下し、更に攪拌しながら0.1Nの塩酸を滴下してpHを5.3とした後、系を80℃まで昇温して1時間攪拌し、続いて0.2Nの塩酸を滴下してpHを3.5まで下げ、更に3時間攪拌をした後に冷却して平均粒子径が10μmの熱膨張性粒子と離型剤とを含有するマイクロカプセル分散液を得た。
【0093】
このマイクロカプセルの殻材の融点はDSCにより測定し,100℃であった。
【0094】
次いで、この分散液をフィルタープレスし、続いて風乾して熱膨張性粒子と離型剤とを含有する粉状マイクロカプセルとした。
【0095】
後は、実施例1における実験例1と同様の工程によって、粘着シート(実験例16)を作製した。
(実験例17)
実験例16の粉状マイクロカプセルにおける熱膨張性粒子を、離型剤に対して重量割合で1.1に調整したこと以外は、実験例16同様の工程によって粘着シート(実験例17)を作製した。
(実験例18)
実験例16の粉状マイクロカプセルを用いて、実験例9同様の工程によって、熱膨張性粒子と離型剤とを内包するマイクロカプセル及び熱膨張性粒子の分散配置された粘着剤層を有する粘着シート(実験例18)を作製した。
(比較例)
実施例1の実験例1の粉状マイクロカプセルを混合せずに実験例9の熱膨張性粒子のみを粘着剤層に含ませた従来技術相当の粘着シート(比較例)を作製した。
【0096】
上記の実験例9乃至実験例18、比較例に示すように作製された粘着シートを用いて、実施例1と同様の条件で180°剥離試験を行った。
【0097】
本実施例における粘着シートの剥離試験の結果を図8に示す。
【0098】
図8に示すように、実験例9においては、実験例1に比して、室温における接着力が低下するものの、加熱後の接着力を低下させることができる。
【0099】
実験例10においては、室温で粘着後30日放置した場合、その接着力は、実験例9に比して大幅に低下している。これは、熱膨張性粒子の熱膨張開始温度が75℃と低いため、時間の経過と共に熱膨張粒子が自然に膨張し、その接着力が低下したためであると考えられる。
【0100】
実験例11においては、加熱後の接着力は、実施例1の実験例1と同様であった。これは、熱膨張性粒子の熱膨張開始温度が210℃と高いためであり、加熱温度を高めれば、実験例9と同様の結果を示すものと考えられる。
【0101】
実験例12においては、熱膨張性粒子の混合比率が低く、加熱後でも実施例1の実験例1と同等の接着力であった。
【0102】
実験例13においては、熱膨張性粒子の混合比率が高く、室温における粘着剤層の接着力が低下した。
【0103】
実験例14においては、熱膨張性粒子の平均粒径が小さすぎ、加熱後の接着力は、実施例1の実験例1と同様のものであった。
【0104】
実験例15においては、熱膨張性粒子の平均粒径が大きすぎ、室温における粘着剤層の接着力が低下した。
【0105】
実験例16においては、室温で高い接着力を有し、加熱後、粘着剤層の接着力を極めて低下させた。
【0106】
実験例17においては、離型剤の割合が小さく、加熱後、十分に接着力を低下できなかった。
【0107】
実験例18においては、室温での接着力は低下するものの、加熱後の接着力を極めて低下させた。
【0108】
比較例においては、熱膨張性粒子の熱膨張力によって剥離をさせる従来技術相当のものであり、加熱後においても、接着力を十分に低下させるには至らなかった。
【0109】
以上の実施例1及び実施例2を含む実施例に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 基材と、
前記基材上に形成された粘着剤層と、を有し、
前記粘着剤層は、離型剤を内包した熱溶融性マイクロカプセルを含むことを特徴とする粘着シート。(1)
(付記2) 前記離型剤は、粘着層に対して、1〜20wt%混合されていることを特徴とする付記1記載の粘着シート。
(付記3) 前記基材は、導電体又は磁性体が含まれていることを特徴とする付記1又は2記載の粘着シート。
(付記4) 前記熱溶融性マイクロカプセルは、60〜150℃で溶融することを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の粘着シート。
(付記5) 前記熱溶融性マイクロカプセルは、平均粒径が1〜50μmであることを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の粘着シート。
(付記6) 前記粘着剤層は、離型剤を内包した熱溶融性マイクロカプセルを含む第1の層と、粘着剤のみからなる第2の層とからなることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の粘着シート。(2)
(付記7) 前記第1の層は、被着体対向面に設けられることを特徴とする付記6記載の粘着シート。
(付記8) 前記粘着剤層は、熱膨張性粒子を含むことを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の粘着シート。(3)
(付記9) 前記熱溶融性マイクロカプセルは、熱膨張性粒子を含むことを特徴とする付記1乃至8のいずれかに記載の粘着シート。(4)
(付記10) 前記熱膨張性粒子は、80〜200℃で熱膨張を開始することを特徴とする付記8又は9記載の粘着シート。
(付記11) 離型剤を内包した熱溶融性マイクロカプセルを含むことを特徴とする粘着剤。(5)
(付記12) 前記粘着剤は、更に、熱膨張性粒子を含むことを特徴とする付記11記載の粘着剤。
(付記13) 前記熱溶融性マイクロカプセルは、熱膨張性粒子を含むことを特徴とする付記11又は12記載の粘着剤。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の第1実施例による粘着シートを示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施例による粘着シートの剥離方法を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例による粘着シートの変形例を示す概略図である。
【図4】本発明の第1実施例による粘着シートの他の変形例を示す概略図である。
【図5】本発明の第1実施例による粘着シートの剥離試験の結果を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例による粘着シートを示す概略図である。
【図7】本発明の第2実施例による粘着シートの変形例を示す概略図である。
【図8】本発明の第2実施例による粘着シートの剥離試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0111】
1、2−1 粘着シート
2 基材
3 粘着剤層
4、2−4 マイクロカプセル
5 離型剤
6 被着体
7 加熱手段
8 ラベル
3−1 第1の粘着剤層
3−2 第2の粘着剤層
2−9 熱膨張性粒子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材上に形成された粘着剤層と、を有し、
前記粘着剤層は、離型剤を内包した熱溶融性マイクロカプセルを含むことを特徴とする粘着シート。
【請求項2】
前記粘着剤層は、離型剤を内包した熱溶融性マイクロカプセルを含む第1の層と、粘着剤のみからなる第2の層とからなることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着シート。
【請求項3】
前記粘着剤層は、熱膨張性粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粘着シート。
【請求項4】
前記熱溶融性マイクロカプセルは、熱膨張性粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の粘着シート。
【請求項5】
離型剤を内包した熱溶融性マイクロカプセルを含むことを特徴とする粘着剤。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−262131(P2007−262131A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85373(P2006−85373)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】