説明

粘着シート

【課題】安定的で且つ優れた外観品質を有する粘着シートを提供する。
【解決手段】優れた粘着力、作業性及び再剥離性を有し、多様な被着物に付着した後にも、優れた外観品質を示す粘着シートが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、外装材として使用される接着シートまたは粘着シートは、施工性を確保するために、エンボシング形状が付与された離型ライナーを含む。
【0003】
前記接着シートまたは粘着シートは、優雅な外観及び多様な機能を付与するために、金属、ガラス、プラスチックシート及びコーティングされた表面または扁平な表面を有する被着物のような多様な被着物に付着される。
【0004】
図1に示されたように、前記接着シートまたは粘着シートは、表面処理層1、基材層2、接着または粘着層3及び離型ライナー4を含むことができる。また、図2に示されたように、前記接着シートまたは粘着シートは、基材層2、接着層または粘着層3及び離型ライナー4を含むことができる。
【0005】
追加的な機能を付与するために、多様な形態の加工が前記基材層2に行われることができる。例えば、図1の表面処理層1に付加して、基材層2の上に印刷層が形成されることができる。
【0006】
外観のような施工品質を向上させるために、離型ライナー4は、突出部を有するエンボシングされた形状であり、離型ライナー4の上に形成される突出部は、接着層または粘着層3に転写される。前記離型ライナー4が除去されれば、接着層または粘着層3は、陰刻形状で刻まれたエンボスパターンを有する。接着または粘着シートが被着物に付着すれば、接着または粘着層3に形成された陰刻形状は、施工過程で捕集された気泡または空気を外部に排出する役目をし、これにより、施工品質が改善することができる。しかし、前記エンボシングパターンは、接着コーティング液が前述のような離型ライナー上にコーティングされにくくする。さらに、離型ライナーまたは粘着層の上に形成されたパターンは、シートの外観品質を悪化させる。
【0007】
接着または粘着剤組成物をエンボシングされたパターンを有する離型ライナー4の上にコーティング及び乾燥し、基材層にラミネートする場合、シートの外観で不均一な表面が発生することがある。このような外観の不均一性は、突出部の縦方向に沿って主に発生し、線形状に形成される。また、前記不均一な表面に起因して誘導された光沢の差異によって、シートにむらや点が発生する。このような外観品質の問題は、扁平な離型ライナーが使用されるときより、エンボシングされた離型ライナー4が使用されるときにさらにしきりに発生する。しかも、エンボシングされた離型ライナー4の不均一な表面は、基材層2に転写または反映されることができ、これにより、様々な品質問題を誘発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第1999−0066055号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0172104号明細書
【特許文献3】米国特許第6524675号明細書
【特許文献4】米国特許第6197397号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、高い分子量及び低い固形分含量を有する粘着剤組成物を使用して、前記組成物がエンボシングされた離型ライナーに塗布される場合にも、製品の外観品質を低下させる要因を除去したり、最小化することができる、エンボシングされた離型ライナーを有する粘着シートに関する。本発明では、安定的で且つ優れた外観品質を有する粘着シートを提供することができる。また、本発明では、優れた接着力、作業性及び再剥離性を有する粘着シートを提供することができる。
【0010】
なお、本発明の他の目的は、下記の本発明の明細書及び例示的な実施例によって理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様では、基材層と;前記基材層上に形成された粘着層と;前記粘着層上に形成されたエンボシングされた離型ライナーと;を含む粘着シートを提供する。
【0012】
前記粘着層は、22重量%以下の固形分含量を有する粘着剤組成物の硬化物を含むことができる。前記固形分の含量は、前記粘着剤組成物の粘度が23℃で3,000cpsになるように制御した後に測定されたものであることが好ましい。
【0013】
粘着剤組成物は、100万以上の重量平均分子量を有する粘着樹脂を含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明による粘着シートは、製造及び適用過程で外観の不均一現象を誘発しない。さらに、前記粘着シートは、優れた耐熱性及び接着特性を有する。したがって、本発明の粘着シートは、内装材または外装材に安定的に適用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の1つの例示的な実施例によるエンボシングされた離型ライナーを有する粘着シートの断面図である。
【図2】本発明の他の例示的な実施例によるエンボシングされた離型ライナーを有する粘着シートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、基材層と;前記基材層上に形成され、23℃及び3,000cpsで22重量%以下の固形分含量を有し、100万以上の重量平均分子量を有する粘着樹脂を含む粘着剤組成物の硬化物を含む粘着層と;前記粘着層上に形成された離型ライナーと;を含む粘着シートに関する。
【0017】
以下、本発明の粘着シートをより詳しく説明する。
【0018】
本発明において、基材層の種類は、特に限定されず、伸張性プラスチックフィルムのように、この分野において一般的な基材層を使用することができる。また、前記基材層の厚さは、特に限定されず、粘着シートの適用用途を考慮して調節されることができる。
【0019】
本発明において、粘着層は、粘着剤組成物の硬化物を含むことができる。前記用語「硬化物」は、粘着剤組成物の乾燥物、架橋物、半硬化物または硬化物を意味することができる。
【0020】
本発明において、前記粘着剤組成物は、22wt%以下、好ましくは、20wt%以下、より好ましくは、19wt%以下の固形分含量を有することができる。本発明において、用語「wt%」は、重量%を意味する。本発明において、固形分含量は、粘着剤組成物の粘度を3,000cpsに調節し、23℃で測定する。上記において、粘度を調節する具体的な方法は、特に限定されず、例えば、溶媒を使用して粘着剤組成物を希釈する方法を含むことができる。本発明において、粘度は、ブルックフィールド(BROOKFIELD)粘度計のような通常的な測定機器を用いて測定することができる。本発明において、粘着剤組成物の固形分含量を前記範囲に調節することによって、優れた外観品質を有する粘着シートを提供することができる。本発明において、固形分含量の下限は、特に限定されず、例えば、5wt%以上、好ましくは、10wt%以上の範囲に調節することができる。
【0021】
本発明において、粘着剤組成物は、重量平均分子量が100万以上の粘着樹脂を含むことができる。前記粘着樹脂の重量平均分子量は、130万以上であってもよい。前記粘着樹脂の重量平均分子量が100万未満なら、粘着シートの外観品質が低下するおそれがある。本発明において、前記重量平均分子量の上限は、特に限定されず、生産性を考慮して、例えば250万以下に調節されることができる。
【0022】
本発明の粘着剤組成物は、100万未満、好ましくは、90万以下の重量平均分子量を有する粘着樹脂をさらに含むことができる。100万以上の重量平均分子量を有する粘着樹脂と、100万未満の重量平均分子量を有する粘着樹脂とを混合することによって、シートの外観、接着力、作業性及び再剥離性などの物性をさらに向上させることができる。粘着剤組成物が、100万未満の重量平均分子量を有する粘着樹脂を含む場合、100万以上の重量平均分子量を有する粘着樹脂は、前記粘着剤組成物に含まれる全体固形分100重量部に対して、50重量部以上の量で含まれることができる。前記含量が50重量部未満なら、粘着シートの外観が悪化するおそれがある。
【0023】
本発明において、前記粘着樹脂の具体的な組成は、特に限定されず、この分野において通常的な樹脂が使用されることができる。本発明の一態様において、前記粘着樹脂は、10重量部乃至25重量部の単量体成分及び75重量部乃至90重量部の溶媒を含む単量体混合物の重合体であることができる。
【0024】
本発明において、単量体成分は、(メタ)アクリル酸エステルのようなアクリル単量体を含むことができる。本発明において使用することができる前記(メタ)アクリル酸エステルの種類は、特に限定されるものではない。例えば、アルキル(メタ)アクリレートが使用されることができる。この場合、(メタ)アクリル酸エステル単量体に含まれるアルキル基が長すぎれば、粘着剤の凝集力が減少するか、または、ガラス転移温度(T)または接着力の調節が困難になるおそれがある。したがって、炭素数が1乃至14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。前記単量体の例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレートが含まれることができる。本発明において、前記単量体から選択された一種または二種以上の混合物を使用することができる。
【0025】
本発明の一態様において、前記単量体成分は、架橋性単量体をさらに含むことができる。本発明において、用語「架橋性単量体」は、粘着樹脂に硬化剤または架橋剤と反応することができる架橋性官能基を導入することができる単量体を意味する。前記架橋性単量体の例として、ヒドロキシ基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、グリシジル基含有単量体及び窒素含有単量体を挙げることができる。本発明においては、粘着剤組成物に含まれる架橋剤の種類などを考慮して、前記単量体のうち1つ以上を適宜選択及び使用することができる。ヒドロキシ基含有単量体の具体的な例として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。カルボキシル基含有単量体の例として、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシアセテート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピレート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチレート、アクリル酸二量体、イタコン酸、マレ酸及びマレ酸無水物などを挙げることができる。グリシジル基含有単量体の例として、グリシジル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。窒素含有単量体の例として、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタムなどを挙げることができるが、架橋性単量体の種類が前記単量体に限定されるものではない。本発明において、前記単量体から選択された一種または二種以上の混合物を使用することができる。
【0026】
本発明において、単量体成分は、他の機能性単量体をさらに含むことができる。前記機能性単量体の例として、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミドまたはN−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドのような窒素含有単量体;スチレンまたはメチルスチレンのようなスチレン系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート;及びビニルアセテートのようなカルボン酸ビニルアセテートなどが含まれる。
【0027】
本発明において、前記粘着樹脂の組成は、原料及び温度などのような多様な要素によって変更されることができる。
【0028】
単量体混合物は、溶媒の含量に対して10重量部乃至25重量部の量で前記単量体成分を含むことができる。使用される単量体成分が10重量部未満なら、乾燥速度が非常に遅くなって、生産性が減少するおそれがある。また、使用される単量体成分が25重量部を超過すれば、粘度が増加することができ、これにより、コーティング工程で粘着層に気泡または空気が発生し、外観特性が低下するおそれがある。
【0029】
単量体混合物に含む溶媒として、この分野において一般的な溶媒を使用することができる。前記溶媒の例として、ベンゼン、トルエンエチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、サイクロヘキサノン、n−ヘプタン及びn−ヘキサンなどを含むことができ、これらに限定されない。本発明において、上記のような溶媒のうち1つ以上を選択して使用することができる。
【0030】
前記単量体混合物は、前記単量体組成物の含量に対して、75重量部乃至90重量部の量で溶媒を含むことができる。前記使用される溶媒が75重量部未満なら、コーティング性が低下するおそれがある。また、使用される溶媒が90重量部を超過すれば、乾燥速度が低下し、生産性が低下するおそれがある。
【0031】
単量体混合物は、開始剤をさらに含むことができる。好ましくは、前記開始剤は、油溶性開始剤である。本発明において、開始剤の種類は、特に限定されず、例えば、この分野において一般的な種類の開始剤を使用することができる。前記開始剤の例として、ペルオキシカルボネート、ケトンペルオキサイド及びペルオキシケタルなどのような有機過酸化物;及び/または2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(ジメチルイソブチレート)及び2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのようなアゾ系開始剤を含むことができるが、これらに限定されない。
【0032】
単量体混合物は、前記単量体混合物に含まれる固形分100重量部に対して、0.0002重量部乃至0.002重量部の量で開始剤を含むことができる。前記使用される開始剤の含量が0.0002重量部未満なら、反応速度が非常に遅くなって、生産性が低下するおそれがある。また、開始剤が0.002重量部を超過すれば、重合途中に反応熱が過度に発生し、温度制御が難しくなるおそれがある。
【0033】
本発明において、粘着樹脂の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、粘着樹脂は、溶液重合、懸濁重合または乳化重合のような一般的な重合方法によって製造されることができる。
【0034】
本発明において、粘着剤組成物は、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン化合物または金属キレート化合物などのような架橋剤または硬化剤、可塑剤または光沢付与剤などの添加剤をさらに含むことができる。
【0035】
本発明において、粘着層の形成方法は、特に限定されるものではない。例えば、本発明において、前記粘着層の形成方法は、粘着樹脂の重合段階と、前記各成分を混合して粘着剤組成物を製造する段階と、前記粘着剤組成物を基材層またはエンボシングされた離型ライナー上にコーティングする段階と、コーティング物を乾燥、熟成及び/または硬化する段階とを含むことができる。粘着剤組成物が基材層上にコーティングされる場合、乾燥、熟成及び/または硬化工程を行う前に、前記コーティング層に離型ライナーがラミネートされることができる。本発明において、粘着剤組成物のコーティング方法は、特に限定されず、例えば、バーコーター、ナイフコーター、ロールコーター、スプレーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、コンマコーター及び/またはリップコーターなどを使用することができる。本発明において、粘着剤組成物の硬化方法は、特に限定されず、一般的な熱硬化または光硬化を利用することができる。
【0036】
本発明の粘着シートは、粘着層上に形成されたエンボシングされた離型ライナーを含む。本発明において、用語「エンボシングされた離型ライナー」は、使用過程で捕集された空気や気泡などを粘着シートの外部に放出する機能を付与するために、その表面に多様な凹凸、線形チャネルまたは突出部などが形成されている離型ライナーを意味する。本発明において、エンボシングされた離型ライナーの種類は、特に限定されず、この分野において一般的な離型ライナーを使用することができる。一般的に、前記エンボス離型ライナーは、下地を製造する段階と、前記下地にポリエチレン(PE)をコーティングする段階と、エンボシング処理を行う段階と、離型処理を行う段階とを含む方法で製造されることができる。前記PEコーティングは、下地の一面または両面に適用されることができ、一般的に両面に適用されることができる。前記エンボシング及び離型処理は、下地の一面にだけ行われることができる。この場合、離型処理剤としてシリコーン化合物が一般的に使用されることができ、前記離型処理剤は、エンボシングされた表面に適用され、離型ライナーが製造されることができる。本発明において、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3または特許文献4などに開示された離型ライナーを使用することもできる。
【0037】
本発明において、前記エンボシングされた離型ライナーによる粘着シートの表面粗さは、前記離型ライナーの表面粗さの30%以下であることが好ましい。本発明において、前記表面粗さは、日本国のミツトヨ社(Mitutoyo Cop.)で製造されたSJ−301のような一般的な測定装置によって測定されることができる。本発明において、表面粗さを上記範囲に調節することによって、優れた外観特性を有する粘着シートを提供することができる。本発明において、表面粗さの下限は、特に限定されるものではない。
【0038】
以下、本発明を実施例により説明する。下記の実施例は、本発明を説明するための例示的なものであって、本発明の権利範囲は、実施例の範囲に限定されず、下記の特許請求範囲及びそれと均等な範囲の置換または変更は、本発明の範囲に属する。
【0039】
(実施例)
【0040】
比較例1
2−エチルヘキシルアクリレート40重量部、ブチルアクリレート50重量部、メチルアクリレート10重量部及びアクリル酸5重量部を含む単量体混合物をトルエン25重量部、エチルアセテート65重量部及びアセトン10重量部を含む溶媒で重合し、粘着剤組成物を製造した。
【0041】
前記製造された粘着剤組成物の物性を表1に示した。
【0042】
比較例2
2−エチルヘキシルアクリレート40重量部、ブチルアクリレート50重量部、メチルアクリレート5重量部及びアクリル酸10重量部を含む単量体混合物をトルエン25重量部、エチルアセテート65重量部及びアセトン25重量部を含む溶媒で重合し、粘着剤組成物を製造した。
【0043】
前記製造された粘着剤組成物の物性を表1に示した。
【0044】
比較例3
2−エチルヘキシルアクリレート40重量部、ブチルアクリレート50重量部、メチルアクリレート5重量部及びアクリル酸10重量部を含む単量体混合物をトルエン10重量部、エチルアセテート85重量部及びアセトン5重量部を含む溶媒で重合し、粘着剤組成物を製造した。
【0045】
前記製造された粘着剤組成物の物性を表1に示した。
【0046】
比較例4
2−エチルヘキシルアクリレート40重量部、ブチルアクリレート50重量部、メチルアクリレート5重量部及びアクリル酸10重量部を含む単量体混合物をトルエン10重量部、エチルアセテート85重量部及びアセトン5重量部を含む溶媒で重合し、粘着剤組成物を製造した。
【0047】
前記製造された粘着剤組成物の物性を表1に示した。
【0048】
実施例1
2−エチルヘキシルアクリレート40重量部、ブチルアクリレート50重量部、メチルアクリレート10重量部及びアクリル酸5重量部を含む単量体混合物をトルエン20重量部及びエチルアセテート80重量部を含む溶媒で重合し、粘着剤組成物を製造した。
【0049】
前記製造された粘着剤組成物の物性を表1に示した。
【0050】
実施例2
2−エチルヘキシルアクリレート40重量部、ブチルアクリレート50重量部、メチルアクリレート5重量部及びアクリル酸10重量部を含む単量体混合物をトルエン20重量部及びエチルアセテート80重量部を含む溶媒で重合し、粘着剤組成物を製造した。
【0051】
前記製造された粘着剤組成物の物性を表1に示した。
【0052】
実施例3
比較例1の粘着剤組成物50重量部と実施例1の粘着剤組成物50重量部とを混合し、粘着剤組成物を製造した。
【0053】
前記製造された粘着剤組成物の物性を表1に示した。
【0054】
実施例4
比較例2の粘着剤組成物50重量部と実施例2の粘着剤組成物50重量部とを混合し、粘着剤組成物を製造した。
【0055】
前記製造された粘着剤組成物の物性を表1に示した。
【0056】
【表1】

【0057】
実験方法
1.粘着剤組成物の固形分含量は、23℃でトルエンで粘着剤組成物を希釈して、3,000cpsに前記粘着剤組成物の粘度を調節し、アルミニウムプレートを使用して約3g乃至5gの粘着剤組成物を採取した後、130℃オーブンで2時間乾燥する段階を含む方法で測定した。前記工程後に、採取した組成物の量に対して、乾燥工程後に残存する固形分の量を測定し、固形分含量を百分率で計算した。上記において、組成物の粘度は、ブルックフィールド(BROOKFIELD)粘度計を使用して測定し、ELV−タイプ3番スピンドルを使用して12の速度で1分経過後の値を測定した。
【0058】
2.粘着シートを適用した後の外観評価は、アクリルまたはアルミニウム基材などの被着体に粘着シートを付着する前後の表面粗さの差異を測定し、また、目視による観察で行った。この際、表面粗さは、日本国ミツトヨ社で製造されたSJ−301を使用して測定した。平均表面粗さ値であるRz値を使用して差異を比較した。
【0059】
実験結果
比較例1及び2において、外観は、非常に不均一であり、表面粗さは、約17μm乃至19μmであった。実施例1及び2において、シートの外観は、実質的に均一であり、この際、表面粗さは、約12μm以下であった。比較例1及び実施例1の間の重量平均分子量を有する粘着樹脂を使用した比較例3及び4において、表面粗さは、約14μm乃至15μmであり、これは、表面粗さが比較例1または2に比べて改善したことを意味する。しかし、この場合にも、外観品質は、実施例1及び2に比べて非常に不均一であった。低分子量を有する樹脂及び高分子量を有する樹脂を混合、すなわち、比較例1と実施例1及び比較例2と実施例2をそれぞれ混合した実施例3及び実施例4において、表面粗さは、約13μm乃至14μmであり、これは、比較例3及び4より低かった。すなわち、表面特性が向上したことが分かる。
【0060】
実施例において、重量平均分子量が1,300,000の樹脂を使用する場合、シートの外観品質が最も良好であった。上記において、重量平均分子量が500,000の樹脂及び重量平均分子量が1,300,000の樹脂を50対50の割合で混合した場合、優れた外観品質を有する粘着シートを製造することができた。
【0061】
本発明による粘着シートは、製造及び適用過程で外観の不均一現象を誘発しない。また、前記粘着シートは、優れた耐熱性及び接着特性を有する。したがって、本発明の粘着シートは、内装材または外装材に安定的に適用されることができる。
【0062】
たとえ、本発明を特定の例示を参照して説明したが、この分野の平均的技術者は、本発明の特許請求範囲の要旨及び範囲を脱しない範囲で、その形態及び詳細事項などに多様な変化が行われることができることを理解することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 表面処理層
2 基材層
3 粘着層
4 離型ライナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と;
前記基材層上に形成され、23℃及び3,000cpsで固形分含量が22重量%以下であり、重量平均分子量が100万以上の粘着樹脂を含む粘着剤組成物の硬化物を含む粘着層と;
前記粘着層上に形成されたエンボス離型ライナーとを含む粘着シート。
【請求項2】
粘着樹脂は、重量平均分子量が130万以上であることを特徴とする請求項1に記載のシート。
【請求項3】
粘着剤組成物は、前記粘着剤組成物内に含まれた固形分100重量部に対して、50重量部以上の粘着樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
【請求項4】
粘着樹脂は、10重量部乃至25重量部の単量体成分と、75重量部乃至90重量部の溶媒とを含む単量体混合物の重合体であることを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
【請求項5】
単量体成分は、(メタ)アクリル酸エステル、架橋性単量体及び機能性単量体よりなる群から選択される1つ以上を含むことを特徴とする請求項4に記載の粘着シート。
【請求項6】
溶媒は、ベンゼン、トルエン、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテイト、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、サイクロヘキサノン、ノルマルヘプタン及びノルマルヘキサンよりなる群から選択された1つ以上を含むことを特徴とする請求項4に記載の粘着シート。
【請求項7】
単量体混合物は、開始剤をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の粘着シート。
【請求項8】
開始剤は、ペルオキシカルボネート系化合物、ケトンペルオキサイド系化合物、ペルオキシケタル系化合物、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(ジメチルイソブチレート)及び2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)よりなる群から選択された1つ以上を含むことを特徴とする請求項7に記載の粘着シート。
【請求項9】
粘着剤組成物は、ガラス光沢剤、可塑剤、硬化剤または架橋剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
【請求項10】
離型ライナーによる前記シートの表面粗さは、前記離型ライナーの表面粗さの30%以下であることを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−106273(P2010−106273A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−247777(P2009−247777)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(509286787)エルジー・ハウシス・リミテッド (49)
【Fターム(参考)】