説明

精算システム及び精算システム用サーバ

【課題】経費精算作業をスムーズに行えるようなシステムを構築する。
【解決手段】ICを有するICカード10と、ICチップを有する携帯電話機30と、ICカード10又は携帯電話機30のICチップに蓄積されている経理用情報(コード番号及び金額情報)を読み出す経理端末20と、経理端末20又は携帯電話機30とサーバ50とを接続するネットワーク40と、ICカード10から送信された経理用情報を処理するサーバ50と、各店舗のレジスター付近或いは自動改札機などに設けられているカードリーダ/ライタ70と、コード番号とカードリーダ/ライタ70の設置場所とが一対で登録されているDB60とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通費を含む経費の精算システム及び精算システム用サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、定期券の機能やストアードフェア機能を有するICカードには乗降履歴が記憶されるようになっていることを利用した交通費清算方法について開示されている。特許文献1に記載されている交通費清算方法は、ICカードに記録された乗降履歴データを、パーソナルコンピュータに接続されたカードリーダで読み取るステップと、該カードリーダで読み取られた該乗降履歴データを、該パーソナルコンピュータ上で動作する表計算ソフトウエアに読み込むステップと、該乗降履歴データを該表計算ソフトウエア上で編集するステップとからなることを特徴とする、とされている。
【0003】
近年、この種のICカードの利便性に着目して、企業内においても、各社員にICカードを配布したり、各社員が既に所有しているICカードを利用したりして、当該ICカードを使って交通費の支払いがされた場合に、追って、精算するということがなされつつある。
【0004】
【特許文献1】特開2007−079911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のICカードは、普及の一途をたどり、例えば、コンビニエンスストア、ショッピングセンター、レストランなどの種々の店舗においても、代金の支払時に利用することも可能になりつつある。このような状況下においては、単に交通費のみならず飲食代などの経費を、ICカードを用いて支払いをする場合もある。
【0006】
しかし、「ICカードに記録された乗降履歴データ」は、実際には、各店舗のレジスター付近、自動改札機などに設けられているカードリーダ/ライタに対して固有に割り当てられたコード番号と、それに対応する金額(交通費等)情報とが対応付けられているだけに過ぎない。
【0007】
したがって、例えば、新規店舗に新たにコード番号を割り当てたり、店舗移転等によってコード番号が変更されたりした場合には、「表計算ソフトウエア」に係るデータベース(以下、「DB」と称する。)に、上記コード番号が登録されておらず、経費精算作業がスムーズに行えないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、経費精算作業をスムーズに行えるようなシステムを構築することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の精算システム及び精算システム用サーバは、
IC内に記録されているコード番号を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信されたコード番号が割り当てられたカードリーダ/ライタの設置場所が登録されているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記カードリーダ/ライタの設置場所が登録されていないと判断された場合に当該カードリーダ/ライタの設置場所を特定可能な情報の送信を促す促進手段と、を備える。
【0010】
前記判断手段によって前記カードリーダ/ライタの設置場所が登録されていると判断された場合に、当該設置場所を示す情報を送信する送信手段を備える。
【0011】
前記設置場所を特定可能な情報が送信された場合であって、当該情報が前記登録されている設置場所に対応する情報とは異なる場合に、当該送信された情報を蓄積する蓄積手段を備える。
【0012】
前記ICは、カード又は携帯電話機に備えられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の経費精算システムの模式的な構成図である。本実施形態では、新規店舗に新たにコード番号を割り当てられた場合、或いは、店舗移転等によってコード番号が変更された場合に好適に対処するための手法について説明する。
【0015】
図1には、ICを有するICカード10と、ICチップを有する携帯電話機30と、ICカード10又は携帯電話機30のICチップに蓄積されている経理用情報(コード番号及び金額情報)を読み出す経理端末20と、経理端末20又は携帯電話機30とサーバ50とを接続するネットワーク40と、ICカード10から送信された経理用情報を処理するサーバ50と、各店舗のレジスター付近或いは自動改札機などに設けられているカードリーダ/ライタ70と、コード番号とカードリーダ/ライタ70の設置場所とが一対で登録されているDB60とを示している。
【0016】
ICカード10は、例えば、ストアードフェア機能又はストアードライド機能を有していて、ICチップ及びアンテナ等が組み込まれており、店舗のレジスター付近に設置されているカードリーダ/ライタ70に翳すと、カードリーダ/ライタ70内のアンテナとの間で通信が行われ、カードリーダ/ライタ70側で、ICの検知、認証、ICカード10内のデポジットデータの読み取り又は更新、ICカード10への経理用情報の書き込み等が行われるように構成してある。
【0017】
経理端末20は、典型的には、図示しないパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する。)に、USBケーブルなどのインターフェイスを通じて接続される。このPCには、経理端末20によって読み出された経理用情報を、サーバ50に送信するためのソフトウエアがインストールされている。このため、ICカード10等が、経理端末20に対して所定領域内に近づくと、無線通信によってICカード10内等に書き込まれている経理用情報が読み出されて、経理担当者等が上記PCを操作すると、インターネット、イントラネット等のネットワーク40を通じて、当該経理用情報がサーバ50に送信される。もっとも、経理端末20自体を、ICカード10等に格納されている情報を読み取る読取手段と、読取手段によって読み取られた情報を出力する出力手段と、出力手段によって出力された情報のうち操作者によって選択された情報を経理用情報として送信する送信手段とを備える端末としてもよい。
【0018】
携帯電話機30は、その通信手段を用いて、ネットワーク40に接続し、サーバ50に経理用情報を送信してもよいし、上記のように経理端末20を通じてサーバ50に経理用情報を送信してもよい。なお、携帯電話機30は例示であり、PDA(Personal
Digital Assistant)、時計、自動車のETC(Electronic Toll
Collection System)などとしてもよく、上記のICチップが搭載可能なデバイスであればよい。
【0019】
サーバ50は、経理端末20又は携帯電話機30との間の通信を行う通信手段52と、DB60に対して情報の書き込み又は更新を行うDB管理手段54と、通信手段52によって受信されたコード番号自体又はこれに対応する設置場所がDB60に登録されているか否かを判断する判断手段56と、経理端末20又は携帯電話機30から送信されたコード番号を蓄積する蓄積手段58とを備えている。これらの各手段は、ハード的に備えてもよいし、これらの手段の動作に対応するプログラムをメモリ(図示せず)に格納しておき、CPU(図示せず)に実行させることで、当該動作を実現してもよい。
【0020】
図2は、図1に示すICカード10に書き込みされる経理用情報例を示す図である。図2には、「コード番号」と「金額情報」とが対応して書き込みされている状態を示している。「コード番号」とは、各店舗、自動改札機などに設けられているカードリーダ/ライタ70に割当てられている固有の番号である。「金額情報」とは、コード番号に係る店舗等にする支払い金額を示す情報である。
【0021】
図2に示す経理用情報は、例えば、
「0001」という「コード番号」が割り当てられているカードリーダ/ライタ70を通じて、「120円」分の支払いをしたこと、
「0101」という「コード番号」が割り当てられているカードリーダ/ライタ70を通じて、「150円」分の支払いをしたこと、などを意味する。
【0022】
図3は、図2に示す経理用情報に関する具体的な説明図である。図2,図3を用いて、ICカード10内への経理用情報の書き込みについて説明する。
【0023】
なお、ここでの説明は、東京駅付近のオフィスに勤めている社員が、電車で東京駅から品川駅まで移動し(途中、東京駅のプラットホームの売店で私的にジュースを購入)、品川駅付近のレストランで商談し、その後、電車で品川駅から東京駅まで移動してオフィスに戻るという、ICカード10の利用シーンを例にする。
【0024】
なお、ステップS1,S3〜S6を実線で示し、ステップS2を破線で示しているのは、前者が経費としての利用、後者が私的な利用をしていることを意味している。
【0025】
まず、ICカード10を所有している社員が、「東京駅改札」の自動改札機にICカード10を翳して入場したときには、この自動改札機内のカードリーダ/ライタ70に「0001」という「コード番号」が割り当てられていたならば、ICカード10には、「コード番号」として「0001」が書き込まれ、かつ、「金額情報」として「120円」が書き込まれる(ステップS1)。
【0026】
つぎに、その社員が、東京駅のプラットホームの「売店」でジュース(150円)を私的に購入し、その購入代金をICカード10のデポジットから支払いするときには、この売店内のカードリーダ/ライタ70に「0101」という「コード番号」が割り当てられていたならば、ICカード10には、「コード番号」として「0101」が書き込まれ、かつ、「金額情報」として「150円」が書き込まれる(ステップS2)。
【0027】
その後、その社員が、電車で品川駅まで移動して「品川駅改札」の自動改札機にICカード10を翳して出場したときには、この自動改札機内のカードリーダ/ライタ70に「0002」という「コード番号」が割り当てられていたならば、ICカード10には、「コード番号」として「0002」が書き込まれ、かつ、「金額情報」として例えば「40円」(交通運賃の差額)が書き込まれる(ステップS3)。
【0028】
それから、その社員が、品川駅付近のレストランで商談をしてから、飲食代(10000円)をICカード10のデポジットから支払いするときには、このレストラン内のカードリーダ/ライタ70に「0200」という「コード番号」が割り当てられていたならば、ICカード10には、「コード番号」として「0200」が書き込まれ、かつ、「金額情報」として「10000円」が書き込まれる(ステップS4)。
【0029】
その後、電車で品川駅から東京駅まで移動してオフィスに戻るまでには、ステップS1,S2に相当する「コード番号」及び「金額情報」が、ICカード10に書き込まれる(ステップS5,S6)。
【0030】
図4は、図1に示すDB60に登録されている「コード番号」と「設置場所」との説明図である。図4には、DB60内に、カードリーダ/ライタ70に割り当てられている「コード番号」を基準として、そのカードリーダ/ライタ70の「設置場所」が対応付けられて登録されている状態を示している。
【0031】
すなわち、図4には、
「0001」という「コード番号」は、「東京駅改札」に設置されているカードリーダ/ライタ70に割り当てられて、
「0002」という「コード番号」は、「品川駅改札」に設置されているカードリーダ/ライタ70に割り当てられている、ということを示している。
【0032】
一方、図4には、
「1000」という「コード番号」は、どこに設置されているカードリーダ/ライタ70に割り当てられているか登録されていなく、
「1000」に続く「コード番号」に至っては、「コード番号」自体が登録されていない、ということを示している。
【0033】
図5は、図3に示した経理用情報に関する説明の補足図である。図5には、図3に示したステップS1〜S6に加えて、居酒屋で私的に8000円分の飲食をしてICカード10を用いて支払を行い(ステップS7)、更に、タクシーを私的に利用して帰路につきICカード10を用いて4000円分の支払を行った(ステップS8)を示している。
【0034】
ここで、ステップS7に係る居酒屋内のカードリーダ/ライタ70には、「1000」という「コード番号」が割り当てられていて、ステップS8に係るタクシー内のカードリーダ/ライタ70には、「1001」という「コード番号」が割り当てられているとする。
【0035】
その一方で、図4に示したように、DB60内には、「1000」という「コード番号」は、どこに設置されているカードリーダ/ライタ70に割り当てられているか登録されていないし、「1001」という「コード番号」は、「コード番号」自体が登録されていない。
【0036】
本実施形態では、このような場合に、DB60内に、「1000」という「コード番号」に対応する「設置場所」に「居酒屋」と登録し、かつ、「1001」という「コード番号」に対応する「設置場所」に「タクシー」と登録できるようにするものである。具体的には、図6を用いて後述するが、経理用情報の送信元に対して、「設置場所」を特定可能な情報を送信するように促すことで、これを実現する。
【0037】
図6は、図1に示すサーバ50の動作例を示すフローチャートである。本実施形態における今までの説明を踏まえて、サーバ50の動作について説明する。
【0038】
まず、サーバ50では、定期的に或いは不定期的に、ネットワーク40を介して、経理端末20又は携帯電話機30から送信される情報を、通信手段52によって受信したか否かを確認する(ステップS11)。
【0039】
確認の結果、経理端末20等から送信される情報の受信がなければ、図6に示す処理を終了する。一方、経理端末20等から送信される情報の受信があれば、受信した情報の内容を判別する(ステップS12)。
【0040】
判別の結果、受信した情報の内容が「経理用情報」である場合には、判断手段56は、当該「経理用情報」に含まれるコード番号に基づいてDB60を参照して、当該コード番号がDB60内に登録されているか否か判断する(ステップS21)。
【0041】
判断の結果、コード番号がDB60内に登録されていない場合には、ステップS24へ移行する。一方、コード番号がDB60内に登録されている場合には、判断手段56は、そのコード番号に基づいてDB60を参照して、当該コード番号に対応する設置場所がDB60内に登録されているか否かを判断する(ステップS22)。
【0042】
判断の結果、設置場所がDB60内に登録されていない場合には、ステップS25へ移行する。一方、設置場所がDB60内に登録されている場合には、その設置場所を、通信手段52によって、「経理用情報」の送信元の経理端末20等へ通知する(ステップS23)。
【0043】
なお、ステップS25を実行することによって、ICカード10の所有者等に対して、ICカード10のデポジットの利用店舗等が正しく処理されているか否かを確認させることを意図している。さらに、ステップS25の実行の意図は、店舗移転等によってコード番号が変更された場合に対応するものでもある。
【0044】
このため、ステップS25に係る通知は、「お客様がICカードを利用した店舗等は、下記のとおりでよろしいでしょうか。誤りがある場合には、正しい店舗名を入力のうえ、ご返信ください。」という旨の本文とするとよい。この結果、後述するように、ステップS31、ステップS33という手順で処理がなされることになる。
【0045】
なお、この通知の例は、一例であって、仮にこのような通知としなくとも、ICカード10の所有者にとっては、ICカード10のデポジットを実際に利用した覚えのない店舗名(設置場所)が送信されてくれば、「その店でICカード10を利用していない。」或いは、「その店でICカード10を利用しておらず、○○で利用した」という旨の返信が予想されるので、前者の場合、サーバ50の管理者等によって、ステップS25に相当する処理を実行すればよいし、後者の場合、サーバ50の管理者等によって、ステップS32又はステップS33に相当する処理を実行すればよい。
【0046】
このような処理を行えるように、ステップS23の実行の際には、設置場所には固有の通知IDを付すとともに、その通知IDと対応するコード番号とを一対で、DB60に記憶しておく。
【0047】
以上説明した、ステップS11、ステップS12、ステップS21、ステップS22、ステップS23という手順で処理がなされる場合というのは、DB60内に「コード番号」と「設置場所」との双方が登録されている場合である。
【0048】
一方、図4に示すように、DB60内に「1000」という「コード番号」は登録されているものの、これに対応する「設置場所」が登録されていない場合には、ステップS11、ステップS12、ステップS21、ステップS22、ステップS25という手順で処理がなされる。
【0049】
ここで、ステップS25に示す処理とは、通信手段52によって、「経理用情報」の送信元の経理端末20等に対して、「設置場所」を特定可能な情報の送信するように促進する処理である。
【0050】
この処理は、図5に示す例でいえば、ステップS6に係る「東京駅改札」を出場したことをサーバ50側で把握できるので、例えば、「ICカードを用いて支払した場所を入力のうえ、ご返信ください。」という旨の本文をデフォルトで用意しておき、このデフェルトの前に「東京駅改札を出た後に」という上記把握事項に基づく文を追加した通知を、上記経理端末20等に対して送信するというものである。
【0051】
この際、事後の処理の際に、どの通知に対する返信がなされたかを特定できるように、当該通知には固有の通知IDを付すとともに、その通知IDと対応するコード番号とを一対で、DB60に記憶しておく。
【0052】
また、図4に示すように、DB60内に「1001」という「コード番号」自体がそもそも登録されていない場合には、ステップS11、ステップS12、ステップS21、ステップS24、ステップS25という手順で処理がなされる。
【0053】
ここで、ステップS24に示す処理とは、DB管理手段54によって、DB60に対して、「コード番号」を追加登録する処理である。
【0054】
一方、ステップS12の判別の結果、受信した情報の内容が「設置場所情報」である場合には、判断手段56は、当該「設置場所情報」に含まれる通知IDに基づいてDB60を参照して、当該通知IDに対応するコード番号を特定し、そのコード番号に対応する「設置場所情報」がDB60内に登録されているか否か判断する(ステップS31)。
【0055】
判断の結果、「設置場所情報」がDB60内に登録されていない場合(この判断は、ステップS25が実行されていた場合になされる)には、DB管理手段45は、その「設置場所情報」をDB60内に登録する(ステップS32)。
【0056】
なお、送信されてきた「設置場所情報」が、
(1)一般的に多数人が理解できるような形態でない場合(例えば、当該「設置場所情報」が単に「コンビニ」の場合)、
(2)表記ゆれがある場合(当該「設置場所情報」が「東京駅の売店」、「駅の売店」、「東京駅ホームの売店」と送信されてくる場合)、或いは、
(3)他の「設置場所情報」との整合がとれていない場合(他の「設置場所情報」が「レストラン○○ 新宿支店」であるにも拘らず、当該「設置場所情報」が同チェーン店であるが「○○ 池袋店」である場合)も考えられる。
【0057】
このような状況に対処するために、ステップS32の実行に代えて、当該「設置場所情報」についての情報が所定数収集できたか否かを判断するステップと、その収集ができたと判断された場合にサーバ50の管理者にその旨を報知するステップと、当該管理者によって入力された「設置場所情報」をDB60に登録するステップとを実行してもよい。
【0058】
一方、「設置場所情報」がDB60内に登録されている場合(この判断は、典型的には、店舗移転等によってコード番号が変更された場合になされる)には、DB管理手段45は、その「設置場所情報」をDB60内に対して、対応する「コード番号」とともに仮登録する(ステップS33)。
【0059】
ステップS33の処理は、ICカード10の利用者の勘違い或いは操作ミス等によって、「設置場所情報」が送信された場合、つまり、実際には、店舗移転等によってコード番号が変更されていないにも拘わらず「設置場所情報」が送信された場合に、即座に、「設置場所情報」を更新することで、再度、「設置場所情報」を更新前の状態に再更新しなければならないという不都合を回避するために行うものである。
【0060】
つぎに、既に、同じ「設置場所情報」及び「コード番号」が仮登録されているか否かを確認する(ステップS34)。
【0061】
確認の結果、仮登録件数が所定件数(例えば5件)を超えていない場合には、図6に示す処理を終了する。一方、仮登録件数が所定件数(例えば5件)を超えている場合には、店舗移転等によってコード番号が変更された可能性が高いので、DB60内に登録されている「設置場所情報」を、仮登録している「設置場所情報」に更新する(ステップS35)。
【0062】
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2に係る携帯電話機30の模式的な構成を示すブロック図である。図7には、例えば筐体側面に設けられたボタン32と、ボタン32の押下を検知する押下検知手段34と、カードリーダ/ライタ70との間の無線通信を実行するリーダ/ライタ手段36と、リーダ/ライタ手段36によって各種情報が読み書きされるメモリ38とを示している。
【0063】
メモリ38は、経費用情報が格納される経費用情報領域38aと、私的なデポジットの利用情報が格納される私用情報領域38bと、経費用情報の送信履歴に係るログ情報が格納されるログ情報領域38cとを有する。
【0064】
本実施形態では、ボタン32の押下の有無によって、経費用情報については経費用情報領域38aに格納し、私的なデポジットの利用情報については私用情報領域38bに格納する。そして、私用情報領域38b内の情報は、例えば認証を経ないと読み出せないようにするなど経理端末20からのアクセス制限を行うようにする。
【0065】
具体的には、このために、例えば、携帯電話機30の所持者は、ボタン32を押下した状態で、携帯電話機30をカードリーダ/ライタ70に翳すと、経費用情報を経費用情報領域38aに格納し、ボタン32を押下せずに携帯電話機30をカードリーダ/ライタ70に翳すと、デポジットの利用情報を私用情報領域38bに格納するようにしている。
【0066】
また、本実施形態では、経理端末20が接続されるPCにインストールされているソフトウエアは、以下のようなステップを、PCに実行させるようにしている。すなわち、このソフトウエアは、私用情報領域38bへのアクセスに先立って予め登録した認証パスワードなどの入力を促すステップと、入力された認証パスワードと登録済みの認証パスワードとを照合するステップと、両認証パスワードが一致した場合にのみ私用情報領域38bへのアクセス制限を解除するステップとを、PCに実行させる。なお、経費用情報領域38aへのアクセス制限はしない。このため、カードリーダ/ライタ70は、PCからの情報の読み出し命令があった場合には、経費用情報領域38aにのみアクセスすることになる。この場合には、私用情報領域38bから無制限に情報が読み出されることを防止できるので、個人情報の保護に寄与する。
【0067】
或いは、このソフトウエアは、カードリーダ/ライタ70に対して経費用情報領域38a及び私用情報領域38bからの情報の読み出し命令を行うステップと、経費用情報領域38a及び私用情報領域38bから読み出した情報をディスプレイに表示するのに先立って予め登録した認証パスワードなどの入力を促すステップと、入力された認証パスワードと登録済みの認証パスワードとを照合するステップと、両認証パスワードが一致した場合に経費用情報領域38a及び私用情報領域38bから読み出した情報をディスプレイに表示するステップと、両認証パスワードが一致しない場合に経費用情報領域38aから読み出した情報のみをディスプレイに表示するステップとを、PCに実行させる。この場合にも、私用情報領域38bから読み出した情報が無制限にディスプレイに表示されることを防止できるので、個人情報の保護に寄与する。
【0068】
図8は、図7に示す携帯電話機30の動作を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、以下説明する各ステップを携帯電話機に実行させるアプリケーションソフトウェアを図示しないアプリケーションサーバなどに記録しておき、携帯電話機30のユーザが携帯電話機30を操作するなどして、アプリケーションソフトウェアを、携帯電話機30にダウンロードし、かつ、携帯電話機30にインストールすることで、私用情報領域38b内の情報を、サーバ50に対して送信しないことを実現する例について説明する。
【0069】
まず、携帯電話機30は、カードリーダ/ライタ70に対する所定領域内に位置されると、カードリーダ/ライタ70との間で無線通信を行い、ICの検知、認証、ICカード10内のデポジットデータの読み取り又は更新する(ステップS41)。
【0070】
つぎに、携帯電話機30では、押下検知手段34によって、ボタン32が押下されているか否かを検知する(ステップS42)。
【0071】
ボタン32が押下されている場合には、押下検知手段34は、リーダ/ライタ36に対して、経費用情報の格納先を経費用情報領域38aに設定するように指示する(ステップS43)。
【0072】
一方、ボタン32が押下されていない場合には、押下検知手段34は、リーダ/ライタ36に対して、デポジットの利用情報の格納先を私用情報領域38bに設定するように指示する(ステップS44)。
【0073】
つぎに、携帯電話機30では、リーダ/ライタ36が、ステップS43又はステップS44によって設定された格納先に、経理用情報又はデポジットの利用情報を書き込む(ステップS45)。
【0074】
図9は、図8に示す携帯電話機30の動作に後続する動作を示すフローチャートである。まず、携帯電話機30は、経費用情報領域38a及び私用情報領域38b内に所定数の情報が格納されたか否かを判定する(ステップS51)。
【0075】
判定の結果、経費用情報領域38a及び私用情報領域38b内に所定数(例えば10件)の情報が格納されていない場合には、図9に示す処理を終了する。一方、経費用情報領域38a及び私用情報領域38b内に所定数の情報が格納されている場合には、携帯電話機30からアラーム音を出力する又はバイブレーションモータをオンするなどする(ステップS52)。
【0076】
つぎに、携帯電話機30では、リーダ/ライタ36が、経費用情報領域38aから経費用情報を読み出す(ステップS53)。
【0077】
つづいて、携帯電話機30では、リーダ/ライタ36が、私用情報領域38bからデポジットの利用情報を読み出す(ステップS54)。
【0078】
その後、携帯電話機30は、選択的に、各情報に係るコード番号を含めた設置場所の返信要求をサーバ50に送信して、各コード番号に対応する設置場所を受信する。そして、各設置場所と対応する金額情報とを一対で、経費用情報であるかデポジットの利用情報であるかを識別可能な態様で、携帯電話機30のディスプレイに表示する(ステップS55)。
【0079】
この際、携帯電話機30では、一対の設置場所と金額情報とに対して、チェックボックスを設け、経費用情報としてサーバ50に送信したい情報を選択可能とするとよい。こうすると、携帯電話機30の所有者が、誤ってボタン32を押下した状態で携帯電話機30をカードリーダ/ライタ70に翳した場合、又は、誤ってボタン32を押下せずに携帯電話機30をカードリーダ/ライタ70に翳した場合に、その修正が可能となる。なお、ステップS55での「識別可能な態様で」表示は、チェックボックスに対するチェックの有無としてもよい。
【0080】
携帯電話機30は、その所有者から画面内の送信ボタンが押下されたことを検知した場合には、チェックボックスにチェックが付されている選択済みの情報を、ネットワーク40を介して、サーバ50に送信する(ステップS56)。
【0081】
つぎに、携帯電話機30は、ログ記録領域38cに対して、ステップS56での送信内容の送信履歴をログ記録する(ステップS57)。
【0082】
なお、図9では、経費用情報領域38aに所定数の経費用情報が格納されたことを条件として、経費用情報領域38aに格納されている経費用情報を、ネットワーク40を介してサーバ50に送信しているが、経費用情報領域38aに経費用情報が格納される度に、当該送信を行ってもよい。
【0083】
また、例えば、携帯電話機30にインストールされているアプリケーションソフトウェアとして、携帯電話機30に設けられている時計が例えば午前3時などの低トラフィック時間帯(時刻)に到達したことを検知するステップと、当該検知がされたことを条件に経費用情報領域38aに格納されている経費用情報を読み出すステップと、当該経費用情報をネットワーク40を介してサーバ50に送信するステップとを携帯電話機30に実行させるものにしてもよい。
【0084】
(実施形態3)
図10は、本発明の実施形態3に係る交通費精算システムの説明図である。図10(a)には、例えば、東京駅と新横浜駅との間の路線情報を示している。具体的には、図10(a)には、
パターン1:交通運賃540円(特急電車利用せず)、乗換回数1回、乗車時間45分
パターン2:交通運賃680円(特急電車利用せず)、乗換回数1回、乗車時間38分
パターン3:交通運賃1690円(特急電車利用)、乗換回数1回、乗車時間40分
パターン4:交通運賃2670円(特急電車(新幹線)利用)、乗換回数0回、乗車時間19分
パターン5:交通運賃2890円(特急電車(新幹線)利用)、乗換回数0回、乗車時間16分
という、5つのパターンの経路を示している。
【0085】
このような5つのパターンの経路がある場合、どの経路であれば交通費支給を認めるか否かは、会社によって異なることが考えられる。
【0086】
図10(b)には、A社からD社という例えば4社の交通費の支給指針例を示す図である。具体的には、図10(b)には、
会社A:交通運賃優先という考え方で、特急電車を用いない場合の最安交通運賃540円と、特急電車を用いる場合の最安交通運賃1690円とだけ、交通費支給を認める、
会社B:乗車時間優先という考え方で、乗車時間が相対的に少ない交通運賃2670円と、交通運賃2890円とだけ、交通費支給を認める、
会社C:交通運賃優先という考え方で、特急電車を用いない場合の最安交通運賃540円と、その次点安交通運賃680円とだけ、交通費支給を認める、
会社D:交通運賃優先という考え方ではあるが、乗換回数が減る或いは乗車時間が少なくなるなどの条件下では、又は、交通運賃の上昇率が例えば20%以下であれば、最安交通運賃ではない経路パターンの場合であっても交通費支給を認め、具体的には、最安交通運賃540円と、乗車時間が相対的に少ない交通運賃2670円と、交通運賃2890円とに交通費支給を認める、という例を示している。
【0087】
このような交通費支給を認める場合の指針は、結局のところ、設定条件に一致する場合(会社A、会社B)、交通運賃が設定額以下の場合(会社C)、設定条件に幅を持たせて一定条件下で交通費支給を許容する場合(会社D)という3パターンに大別される。後述するように、本実施形態では、これらに対応する、「一致モード」、「以下モード」、「許容モード」を用意しておき、経理担当者等よって選択されたモードで、交通費支給を認めるケースとそうでないケースとを判別できるようにしている。
【0088】
本実施形態の交通費精算システムは、以上、図10(a),図10(b)を用いて説明したような前提条件の下で、社員が経費端末20を用いて、ICカード10などから読み取った情報のうち、経費用情報のみを選択して経理担当者等が操作するサーバ50に送信し、経理担当者等が、その経費情報を効率よく処理できるようにするものである。
【0089】
図11は、社員が経理担当者等に送信する経費用情報例とDB60に蓄積されている経費用情報例とを示す図である。図11(a)には社員が経理担当者等に送信する経費用情報例を示し、図11(b)には例えばA社に係るDB60に蓄積されている経費用情報例を示している。
【0090】
図11(a)には、
出発駅として「東京駅」、到着駅として「新横浜駅」、交通運賃「540円」、乗換回数として「1回」、乗車時間として「45分」という読取情報に加えて、社員が行き先として「○×商事」を入力した経費用情報と、
出発駅として「東京駅」、到着駅として「新横浜駅」、交通運賃「680円」、乗換回数として「1回」、乗車時間として「38分」、という読取情報に加えて、社員が行き先として「○×商事」を入力した経費用情報と、
出発駅として「東京駅」、到着駅として「新宿駅」、交通運賃「190円」、乗換回数として「0回」、乗車時間として「15分」という読取情報に加えて、社員が行き先として「ABC証券」を入力した経費用情報と、
出発駅として「東京駅」、到着駅として「新宿駅」、交通運賃「260円」、乗換回数として「0回」、乗車時間として「21分」という読取情報に加えて、社員が行き先として「ABC証券」を入力した経費用情報と、を示している。
【0091】
これらの経費用情報が、社員から経理担当者等に対して送信される場合というのは、その社員が、「○×商事」に訪問する場合に、あるときには交通運賃が「540円」の経路パターンを用い、別の時には交通運賃が「680円」の経路パターンを用いたことを意味する。
【0092】
図11(b)には、
出発駅として「東京駅」、到着駅として「新横浜駅」、交通運賃「540円」、乗換回数として「1回」、乗車時間として「45分」、行き先として「○×商事」が蓄積され、
出発駅として「東京駅」、到着駅として「新横浜駅」、交通運賃「1690円」、乗換回数として「1回」、乗車時間として「40分」、行き先として「○×商事」が蓄積され、
出発駅として「東京駅」、到着駅として「新宿駅」、交通運賃「190円」、乗換回数として「0回」、乗車時間として「15分」、行き先として「ABC証券」が蓄積されている例を示している。
【0093】
ここで、図10(b)を用いて説明したように、例えば、A社に係るDB60は、出発駅が「東京駅」であって到着駅が「新横浜駅」であれば、交通運賃「540円」の場合と、交通運賃「1690」円の場合にのみ、交通費支給を認めるのであるから、上記の2つの経費用情報が社員から経理担当者等に送信されてきた場合には、経理担当者等に対して、交通運賃「540円」の経路パターンについては承認すべきであるが、交通運賃が「680円」の経路パターンについては承認すべきでないという注意を提供することが望ましい。そこで、本実施形態では、以下説明するような手法を採用する。
【0094】
図12は、社員が操作する経理端末20に接続されたPCの動作を示すフローチャートである。まず、社員等は、経理端末20とPCとを、USB端子などを経由して接続しておく。そして、PCでは、以下説明するステップを、PCに実行させるためのソフトウェアを起動しておく。
【0095】
この状況下で、社員が経理端末20に対してICカード10を翳し、このことをPCが検知すると、PCは経理端末20に対して、経理端末20とICカード10との間で無線通信を行い、ICの検知、認証、ICカード10内のデポジットデータの読み取り又は更新するように指示する(ステップS61)。
【0096】
経理端末20は、当該指示に従って、デポジットデータの読み取り等を行うと、読み取ったデータを、USB端子等を経由してPCに出力することになるので、PCは、このデータを入力する(ステップS62)。
【0097】
つぎに、PCは、入力したデータと、経費用情報としてサーバ50に送信を希望する情報を選択するためのチェックボックスとを一対として、ディスプレイに一覧表示する(ステップS63)。
【0098】
その後、社員が、送信を希望する経費用情報の選択を決定する旨の指示が入力すると、PCは、その決定内容を、予め作成しておいたログ用ファイル等に登録する(ステップS64)。
【0099】
そして、PCは、社員によって決定された経費用情報を、イントラネットなどのネットワーク40を介して、サーバ50に対して送信する(ステップS65)。
【0100】
なお、サーバ50は、経費用情報が送信されてきた場合には、当該経費用情報と送信元を特定可能な情報(例えば社員名)とを一対でDB60に登録する。また、DB60には、本システムを採用することによって、既に集積されている経費用情報が登録されているものとする。
【0101】
図13は、経理担当者等が操作するサーバ50の動作を示すフローチャートである。まず、経理担当者等は、予め、サーバ50に対して、既述の「一致モード」、「以下モード」、「許容モード」の別を設定し、かつ、「以下モード」又は「許容モード」を設定する場合には併せて設定条件も登録しておく。
【0102】
サーバ50は、図12を参照して説明したように、社員から送信された経費用情報を処理する場合には、まず、設定されているモードがいずれであるかを判別するというモード判別を行う(ステップS70)。
【0103】
判別の結果、「一致モード」に設定されている場合には、ステップS71へ移行する。「以下モード」に設定されている場合には、ステップS81へ移行する。「許容モード」に設定されている場合には、ステップS91へ移行する。
【0104】
「一致モード」に設定されている場合には、サーバ50は、DB60に登録されている社員の経費用情報を読み出して、その中から「行き先」を抽出する。そして、その「行き先」に基づいて、DBの蓄積済みの経費用情報を参照する(ステップS71)。
【0105】
こうして、社員の経費用情報の「行き先」がDBの蓄積済みの経費用情報内にあるか否かを判別する(ステップS72)。
【0106】
判別の結果、社員の経費用情報の「行き先」がDBの蓄積済みの経費用情報内になければ、その「行き先」をDB60に新たに登録する(ステップS75)。
【0107】
一方、社員の経費用情報の「行き先」がDBの蓄積済みの経費用情報内にあれば、さらに、社員の経費用情報の「出発駅」、「到着駅」、「交通運賃」が、DB60に蓄積済みのものと一致するか否かを判別する(ステップS73)。
【0108】
判別の結果、「出発駅」、「到着駅」、「交通運賃」が、DB60に蓄積済みのものと一致しなければ、当該経路パターンに係る経費用情報を承認すべきでないという注意を促すために、当該経路パターンに係る経費用情報を承認すべきであるか否かの判断を、経理担当者等に促すための表示処理を実行する(ステップS76)。
【0109】
一方、「出発駅」、「到着駅」、「交通運賃」が、DB60に蓄積済みのものと一致すれば、その経費用情報を承認すべきである旨を、サーバ50に付帯するディスプレイ等に表示するための処理を行う(ステップS74)。
【0110】
以上の処理を実行することによって、「一致モード」に設定されている場合には、「行き先」がDBの蓄積済みであって、かつ、「出発駅」、「到着駅」、「交通運賃」がDB60に蓄積済みのものと一致すれば、その経費用情報を承認すべきである旨の表示がなされることになる。
【0111】
なお、承認すべきでないという注意の表示がなされた経費用情報は、その経理用情報を送信した社員の上長等へ送信し、当該上長に対してその経理用情報の承認の有無を打診してすることができる。こうすれば、例えば、特別の事情が生じて例外的に新幹線を利用して「○×商事」に行った場合でも、上長がその経理用情報を承認することも可能となる。
【0112】
したがって、例えば、図10に示す設定条件下で本システムを採用しているA社では、交通運賃「540円」の経路パターンに係る経費用情報に対しては、承認すべきである旨の表示がなされことになる、一方で、交通運賃「680円」の経路パターンに係る経費用情報に対しては、承認すべきでない旨の表示がなされことになる。
【0113】
これに対して、例えば、図10に示す設定条件下で本システムを採用しているB社では、交通運賃「540円」の経路パターンに係る経費用情報と、交通運賃「680円」の経路パターンに係る経費用情報とのいずれに対しても、その経費用情報を承認すべきでないという注意の表示がなされることになる。
【0114】
つぎに、「以下モード」に設定されている場合のサーバ50の動作について説明する。ステップS81,S82の動作は、ステップS71,S72の場合と同様である。
【0115】
ステップS82の判別の結果、社員の経費用情報の「行き先」がDBの蓄積済みの経費用情報内になければ、ステップS75へ移行する。一方、社員の経費用情報の「行き先」がDBの蓄積済みの経費用情報内にあれば、さらに、社員の経費用情報の「行き先」に対応する「出発駅」、「到着駅」が、DB60に蓄積済みのものと一致するか否かを判別する(ステップS83)。
【0116】
判別の結果、「出発駅」、「到着駅」が、DB60に蓄積済みのものと一致しなければ、ステップS76へ移行する。一方、「出発駅」、「到着駅」が、DB60に蓄積済みのものと一致すれば、社員の経費用情報の「交通運賃」がDB60に蓄積済みの金額以下であるか否かを判別する(ステップS84)。
【0117】
判別の結果、社員の経費用情報の「交通運賃」がDB60に蓄積済みの金額以下である場合には、ステップS74へ移行し、社員の経費用情報の「交通運賃」がDB60に蓄積済みの金額以下でない場合には、ステップS76へ移行する。
【0118】
以上の処理を実行することによって、「以下モード」に設定されている場合には、「行き先」、「出発駅」、「到着駅」がDBの蓄積済みであって、かつ、「交通運賃」がDB60に蓄積済みのもの以下であれば、その経費用情報を承認すべきである旨の表示がなされることになる。
【0119】
したがって、例えば、図10に示す設定条件下で本システムを採用しているC社では、交通運賃「540円」の経路パターンに係る経費用情報と、交通運賃「680円」の経路パターンに係る経費用情報とのいずれに対しても、その経費用情報を承認すべきであるという表示がなされることになる。
【0120】
つぎに、「許容モード」に設定されている場合のサーバ50の動作について説明する。ステップS91〜S93の動作は、ステップS81〜S83の場合と同様である。
【0121】
ステップS93の判別の結果、「出発駅」、「到着駅」が、DB60に蓄積済みのものと一致しなければ、ステップS76へ移行する。一方、「出発駅」、「到着駅」が、DB60に蓄積済みのものと一致すれば、予め経理担当者等によって登録されている設定条件をロードする(ステップS94)。
【0122】
つづいて、当該設定条件に基づいて「交通運賃」と対比する金額を算出する(ステップS95)。
【0123】
具体的には、例えば、DB60に対して、出発駅として「東京駅」、到着駅として「新横浜駅」、交通運賃「540円」、乗換回数として「1回」、乗車時間として「45分」、行き先として「○×商事」が登録されていたとする。そして、DB60の登録情報に対して「交通運賃の上昇率が例えば20%以下」であれば交通費支給を認めるという設定条件が登録されていたとする。係る場合には、DB60から「540円」という情報を読み出し、「540×1.2」という計算を行い「648円」という金額を算出する。
【0124】
つぎに、算出した金額内に「交通運賃」が収まるか否かを判別して、算出した金額内に「交通運賃」が収まる場合にはステップS74に移行し、算出した金額内に「交通運賃」が収まらない場合にはステップS75に移行する(ステップS96)。
【0125】
なお、上記の例では、「交通運賃の上昇率が例えば20%以下」という設定条件が登録されている場合の動作について説明したが、設定条件として「乗換回数が減る」、「交通運賃の上昇率が例えば20%以下かつ乗換回数が減る」或いは「乗車時間が少なくなる」「交通運賃の上昇率が例えば20%以下かつ乗車時間が少なくなる」などの設定条件が登録されていた場合には、サーバ50への経費用情報の送信に先立って、社員に対して「行き先」に加えて、「乗換回数」或いは「乗車時間」を入力させ、これらに基づいて経費用情報を承認すべきか否かを判別してもよい。
【0126】
以上の処理を実行することによって、「以下モード」に設定されている場合には、「行き先」、「出発駅」、「到着駅」がDBの蓄積済みであって、かつ、「交通運賃」がDB60に蓄積済みのもの以下であれば、その経費用情報を承認すべきである旨の表示がなされることになる。
【0127】
したがって、例えば、図10に示す設定条件下で本システムを採用しているD社では、交通運賃「540円」の経路パターンに係る経費用情報に対しては、その経費用情報を承認すべきであるという表示がなされることになる、一方、交通運賃「680円」の経路パターンに係る経費用情報に対しては算出済みの「648円」内に収まらないので、その経費用情報を承認すべきでないという注意の表示がなされることになる。
【0128】
なお、図12,図13に示したフローチャートは、一動作例を示したものであり、これに限定されるものではない。例えば、ステップS75に代えて、「行き先」の登録を促す指示を経理担当者等に表示する処理を実行してもよい。
【0129】
また、本実施形態では、交通費精算を行う場合を例に説明したが、交通費以外の経費を精算する場合にも適用できる。具体的には、例えば、DB60に対して、交際費という分類内に、「喫茶店」と「一人当たり500円〜1000円」という一対の情報、「ファミリーレストラン」と「一人当たり1000円〜1500円」という一対の情報などを蓄積していけば、これらとICカード10等から読み出した情報とを対比することで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の実施形態1の経費精算システムの模式的な構成図である。
【図2】図1に示すICカード10に書き込みされる経理用情報例を示す図である。
【図3】図2に示す経理用情報に関する具体的な説明図である。
【図4】図1に示すDB60に登録されている「コード番号」と「設置場所」との説明図である。
【図5】図3に示した経理用情報に関する説明の補足図である。
【図6】図1に示すサーバ50の動作例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態2に係る携帯電話機30の模式的な構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示す携帯電話機30の動作を示すフローチャートである。
【図9】図8に示す携帯電話機30の動作に後続する動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態3に係る交通費精算システムの説明図である。
【図11】社員が経理担当者等に送信する経費用情報例とDB60に蓄積されている経費用情報例とを示す図である。
【図12】社員が操作する経理端末20に接続されたPCの動作を示すフローチャートである。
【図13】経理担当者等が操作するサーバ50の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0131】
ICカード10、経理端末20、携帯電話機30、ネットワーク40、サーバ50、DB60、カードリーダ/ライタ70

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IC内に記録されているコード番号を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信されたコード番号が割り当てられたカードリーダ/ライタの設置場所が登録されているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記カードリーダ/ライタの設置場所が登録されていないと判断された場合に当該カードリーダ/ライタの設置場所を特定可能な情報の送信を促す促進手段と、を備える精算システム用サーバ。
【請求項2】
前記判断手段によって前記カードリーダ/ライタの設置場所が登録されていると判断された場合に、当該設置場所を示す情報を送信する送信手段を備える、請求項1記載の精算システム用サーバ。
【請求項3】
前記設置場所を特定可能な情報が送信された場合であって、当該情報が前記登録されている設置場所に対応する情報とは異なる場合に、当該送信された情報を蓄積する蓄積手段を備える、請求項1記載の精算システム用サーバ。
【請求項4】
前記ICは、カード又は携帯電話機に備えられている、請求項1記載の精算システム用サーバ。
【請求項5】
IC内に記録されているコード番号を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信されたコード番号が割り当てられたカードリーダ/ライタの設置場所が登録されているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記カードリーダ/ライタの設置場所が登録されていないと判断された場合に当該カードリーダ/ライタの設置場所を特定可能な情報の送信を促す促進手段と、を備える精算システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−104467(P2009−104467A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276745(P2007−276745)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(504287310)
【Fターム(参考)】