説明

糖ラクトンを含有するヘアトリートメント組成物

a)蜜ロウを、組成物全体の0.01%から10重量%と;
b)糖ラクトンを、組成物全体の0.01%から10重量%と;を含有する、水性ヘアトリートメント組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアトリートメント組成物に関する。特に、本発明は、毛髪を直毛化するヘアトリートメント組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
スタイル及びファッションを考える場合、所望する毛髪の状態/外観が変化し得る。消費者のある一群は、トリートメント後に毛髪が真っ直ぐになり、扱いやすくなることを望むが、これは、毛髪のボリュームが抑えられ、ふわふわ感が低下し、髪の流れが良くなることを意味する。
【0003】
毛髪直毛化組成物は、以前から存在している。市場にあるそのような組成物の多くは、チオール又は水酸化物ベースの還元剤を用い、次いで、中和又は酸化段階が行われるといった、2段階プロセスで毛髪を化学的に処理することに基づく。このようなシステムは、それらの処理に関連する様々な欠点を有し、そのプロセスそのものが比較的長時間を要し、処理を行うのが困難で、多くの場合、この直毛化プロセスは、プロフェッショナルサロンで有資格の美容師により行われる。さらに、この直毛化プロセスは、毛髪に損傷を与え、不快な臭いがあり、頭皮に刺激を与える場合がある。
【0004】
毛髪を直毛化するための代替的方法は、シリコーン(ポリジアルキルシロキサン)といった高分子量重合体又は炭化水素油又はワックスなどの粘着性のあるコンディショニング物質を毛髪に塗布することである。組成物中にこのような物質が含まれていることで、毛髪ボリュームを抑え、ふわふわ感を低下させ、髪の流れを良くするといった所望する特性を与え得るが、被覆され、油っぽくベタツキを毛髪に残し得るといった感覚的欠点についての問題も引き起こし得る。
【0005】
本発明は、上述の欠点のない毛髪直毛化処方物に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の局面において、本発明は、
a)蜜ロウを、組成物全体の0.01%から10重量%と;
b)糖ラクトンを、組成物全体の0.01%から10重量%と;を含有する、水性ヘアトリートメント組成物を提供する。
【0007】
本発明は、上述の組成物を毛髪に塗布することによる、毛髪を直毛化するための方法にも関する。
【0008】
本発明はまた、毛髪を直毛化するための上述の組成物の使用にも関する。
【0009】
定義
水不溶性とは、物質が、25℃にて水に対して0.1重量%以下の水中溶解度を有することを意味する。非揮発性とは、物質が、25℃で1000Pa未満の蒸気圧を有することを意味する。
【0010】
別段の記載がない限り、粘度とは、動的粘度である。これらは、コーンプレート型レオメーターを用いて、25℃及び0.01s−1のせん断速度で測定し得る。
【0011】
記述中で粒子に言及する場合、広義の粒子を意味し、つまり、物質が分割された形態で存在することを示す。その物質が液体である場合、粒子は、液滴の形態となろう。
【0012】
液滴の大きさは、適切に、MalvernTM Mastersizerなどの機器を用いて、レーザー光散乱により測定する。粒径は、中央粒径(D50)として表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
水性組成物
本発明による組成物は、水を含有する。適切に、本発明による組成物は、水を、60重量%以上、好ましくは65重量%以上、より好ましくは、70重量%以上含有する。
【0014】
単糖類
本発明の組成物は、単糖類、特に糖ラクトン、好ましくはグルコノラクトン、特に、グルコノ−δ−ラクトンを含有する。
【0015】
グルコノラクトンの濃度は、好ましくは、本組成物全体の、0.5重量%超、より好ましくは、グルコノラクトンの濃度は、本組成物全体の1重量%から8重量%、最も好ましくは、2重量%から6重量%である。
【0016】
蜜ロウ
本発明の組成物は、蜜ロウを含有する。ワックスは、蜂蜜の収穫及び精製の市販の副産物として入手可能である。蜜ロウは、好ましくは、50マイクロメーター以下の中位径(D50)を有する粒子、好ましくは、20マイクロメーター以下、より好ましくは、10マイクロメーター以下、さらにより好ましくは、1マイクロメーター以下であるような、微粒子形態で使用される。
【0017】
本蜜ロウは、適切に、本組成物の、0.2重量%から4重量%、好ましくは、0.4重量%から3重量%、より好ましくは、0.6重量%から2重量%で存在する。本蜜ロウは、本組成物の残りの部分に添加する前に、エマルジョン又は分散液の形態に成され得る。
【0018】
蜜ロウを本組成物に組み込むための好ましいプロセスは、(i)蜜ロウなしで、本組成物を65℃以上、好ましくは75℃以上の温度に加熱し、(ii)蜜ロウを溶融させ、(iii)撹拌しながらその蜜ロウと本組成物の残りの部分とを混合し、(iv)本組成物を室温、通常は25℃、まで冷却する、段階を含む。
【0019】
驚くべきことに、本蜜ロウは、このようなプロセスに従う場合、激しく撹拌する必要なく自己乳化する。
【0020】
蜜ロウを本組成物に組み込むための代替的なプロセスは、次の段階を含む:
i)65℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは、80℃以上の温度で、乳化剤の水溶液又は分散液を調製する。
ii)65℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは、80℃以上の温度で、溶融蜜ロウを調製する。
(iii)段階(i)と(ii)との液体を混合して均一化する。
(iv)穏やかに撹拌しながら、得られた分散液を室温に冷却する。
【0021】
乳化剤は、あらゆる適切な界面活性剤であり得るが、好ましくは、乳化剤の、蜜ロウに対する重量比が1:100から1:10、好ましくは1:50から1:20であるように存在する、陽イオン界面活性剤と脂肪アルコールとの混合物である。好ましい乳化剤システムは、1:5から5:1の重量比でセチルアルコールを有する、塩化セチルトリメチルアンモニウムである。
【0022】
シリコーン重合体
存在する場合、本発明の組成物中のシリコーン重合体は、25℃にて0.01s−1のせん断速度で測定して、600Pa.sの粘度、好ましくは1,000Pa.sを超え、より好ましくは少なくとも10,000Pa.sを超え、さらにより好ましくは100,000Pa.sを超える粘度を有する。
【0023】
本シリコーン重合体は、何らかの適切なポリジアルキル又はポリジアリールシロキサンをベースにし得るが、ポリジメチルシロキサンベースであることが好ましい。本シリコーン重合体は、好ましくは、水に対して不溶性及び非揮発性である。
【0024】
適切に、このシリコーン重合体は、本発明の組成物において、50μm以下、好ましくは、20μm以下、より好ましくは10μm以下、さらにより好ましくは1μm以下の中位径(D50)を有するばらばらの粒子として存在する。
【0025】
本発明の代替的な実施形態において、このシリコーン重合体は、0.15μm未満の中央粒径を有するマイクロエマルジョンの形態であり得る。
【0026】
好ましくは、このシリコーン重合体は、本組成物の残りの部分に添加することができる、前もって形成されたエマルジョンとして使用される。これにより、本組成物中でシリコーン重合体の適切な大きさの粒子を形成するための本組成物の高せん断混合の必要性がなくなる。
【0027】
このシリコーン重合体が、構造:
【0028】
【化1】

(式中、x、y及びzは全て1より大きい整数である。)を有する、ジビニルジメチコン及びジメチコンの共重合体であれば非常に好ましい。この共重合体が0.01sec−1のせん断速度で、100,000Pa.sを超える粘度を有する場合、特に好ましい。水性エマルジョンとして供給される適切な市販の物質は、Dow Corning HMW 2220である。
【0029】
このシリコーン重合体は、適切に、本組成物の0.1重量%から4重量%、好ましくは0.3重量%から3重量%、より好ましくは0.5重量%から2重量%として存在する。
【0030】
水性ヘアコンディショニング組成物
本発明の適用のための適切な組成物には、ムース、ローション及びクリームが含まれる。特に好ましい組成物は、クレンジングシャンプー又はシャワージェルである。
【0031】
シャンプー及びシャワージェル
ある特定の局面において、本発明による組成物は、化粧品として許容可能であり毛髪への局所適用に適切な1又は複数の洗浄界面活性剤をさらに含有する、クレンジングシャンプー又はシャワージェルである。
【0032】
洗浄界面活性剤
適切な洗浄界面活性剤は、単独で、又は組み合わせて使用することができ、陰イオン性、非イオン性、両性及び両性イオン性界面活性剤ならびにそれらの混合物から選択される。陰イオン性及び両性界面活性剤の混合物が好ましい。
【0033】
陰イオン洗浄界面活性剤
本発明によるシャンプー組成物は、通常、化粧品的に許容可能であり毛髪への局所適用に適切な、1又は複数の陰イオン洗浄界面活性剤を含有する。
【0034】
適切な陰イオン洗浄界面活性剤の例は、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルカリルスルホン酸塩、アルカノイルイセチオン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、N−アルキルサルコシン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩及びα−オレフィンスルホン酸塩であり、特に、それらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウム及びモノ、ジ及びトリエタノールアミン塩である。このアルキル及びアシル基は、通常、8個から18個の炭素原子を含有し、不飽和であり得る。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩及びアルキルエーテルカルボン酸塩は、1分子あたり1個から10個のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位を含有し得る。
【0035】
本発明のシャンプー組成物中で使用するための代表的な陰イオン洗浄界面活性剤には、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム及びN−ラウリルサルコシン酸ナトリウムが含まれる。最も好ましい陰イオン界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(n)EO(ここで、nは、1から3の範囲である。)、ラウリル硫酸アンモニウム及びラウリルエーテル硫酸アンモニウム(n)EO(ここで、nは、1から3の範囲である。)である。
【0036】
先行する陰イオン洗浄界面活性剤の何らかの混合物もまた、適切であり得る。
【0037】
本発明のシャンプー組成物中の陰イオン洗浄界面活性剤の総量は、通常、本組成物の、0.5重量%から45重量%、好ましくは1.5重量%から35重量%、より好ましくは5重量%から20重量%である。
【0038】
界面活性助剤(co−surfactant)
本組成物は、審美的、物理的又は洗浄特性を本組成物に与えるのを促進するために、界面活性助剤(co−surfactant)を含み得る。
【0039】
好ましい例は、両性又は両性イオン性界面活性剤であり、これらは、0から約8重量%、好ましくは1重量%から4重量%の範囲で含まれ得る。
【0040】
両性及び両性イオン性界面活性剤の例には、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシン酸塩、アルキルカルボキシグリシン酸塩、アルキルアンフォプロピオン酸塩、アルキルアンフォグリシン酸塩、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウリン(acyl taurate)及びアシルグルタミン酸塩(ここで、アルキル及びアシル基は、8個から19個の炭素原子を有する。)が含まれる。本発明のシャンプーにおいて使用するための代表的な両性及び両性イオン性界面活性剤には、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン及び好ましくはラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン及びコカンファプロピオン酸ナトリウム(sodium cocamphopropionate)が含まれる。
【0041】
別の好ましい例は、非イオン性界面活性剤であり、これは、本組成物の、0から8重量%、好ましくは2重量%から5重量%の範囲の量で含まれ得る。
【0042】
例えば、本発明のシャンプー組成物に含まれ得る代表的な非イオン性界面活性剤には、通常エチレンオキシドであるアルキレンオキシドとの、脂肪族(C−C18)一級又は二級 直鎖又は分子鎖アルコール又はフェノールの縮合生成物が含まれ、これは一般に6個から30個のエチレンオキシド基を有する。
【0043】
他の代表的な非イオン性界面活性剤には、モノ又はジ−アルキルアルカノールアミドが含まれる。例としては、ココモノ又はジ−エタノールアミド及びココモノ−イソプロパノールアミドが挙げられる。
【0044】
本発明のシャンプー組成物に含まれ得るさらなる非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APG)である。一般に、APGは、1又は複数のグリコシル基のブロックに(場合によっては架橋原子団を介して)連結するアルキル基を含有するものである。好ましいAPGは、次の式:
【0045】
【化2】

により定義される(式中、Rは、飽和又は不飽和であり得る、分枝鎖又は直鎖アルキル基であり、Gは糖の基である。)。Rは、約Cから約C20の平均アルキル鎖長を表し得る。好ましくは、約Cから約C12の平均アルキル鎖長を表し得る。最も好ましくは、Rの値は、約9.5から約10.5の間である。Gは、C又はC単糖残基から選択され得、好ましくはグルコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノース及びそれらの誘導体からなる群から選択され得る。好ましくはGはグルコースである。
【0046】
重合の度合い、nは、約1から約10以上の値を有し得る。好ましくは、nの値は、約1.1から約2の範囲にある。最も好ましくは、nの値は、約1.3から約1.5の範囲にある。
【0047】
本発明において使用するための適切なアルキルポリグリコシドは市販されており、例えば、Oramix NS10 ex Seppic;Plantaren 1200及びPlantaren 2000 ex Henkelとして特定される物質を含む。
【0048】
本発明の組成物中に含まれ得るその他の糖由来非イオン性界面活性剤には、C10−C18 N−アルキル(C−C)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えばWO92 06154及び米国特許第5 194 639号に記載されているような、C12−C18 N−メチルグルカミドなど、及びN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えばC10−C18 N−(3−メトキシプロピル)グルカミドなど、が含まれる。
【0049】
本発明による組成物はまた、場合によっては、本組成物の、0.01重量%から10重量%、より好ましくは0.05重量%から5重量%、最も好ましくは0.05重量%から2重量%の量で含まれる、1又は複数の陽イオン性の界面活性助剤(co−surfactant)を含み得る。
【0050】
本発明の組成物中の洗浄界面活性剤の総量(あらゆる界面活性助剤(co−surfactant)及び/又はあらゆる乳化剤を含む。)は、一般に、本組成物の、1重量%から25重量%、好ましくは2重量%から20重量%、より好ましくは5重量%から17重量%である。
【0051】
洗浄界面活性剤の好ましい混合物は、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、PEG 5コカミド及びコカミドMEA(CTFA表記)の組み合わせである。
【0052】
陽イオン性沈積重合体
陽イオン性重合体は、本蜜ロウ又は本シリコーン重合体の中央粒子サイズが10μm以下である場合、シャンプーのコンディショニング性能を促進するために、本発明のシャンプー組成物において好ましい成分である。
【0053】
陽イオン性重合体は、ホモ重合体であり得るか、又は、2以上の型の単量体から形成され得る。この重合体の分子量は、一般に5000から10,000,000ダルトンの間、通常は少なくとも10,000及び好ましくは100,000から2,000,000である。この重合体は、四級アンモニウムもしくはプロトン化アミノ基又はそれらの混合物などの陽イオン性窒素含有基を有する。
【0054】
陽イオン性窒素含有基は、一般に、陽イオン性重合体の全単量体ユニットの一部における置換基として存在する。したがって、この重合体がホモ重合体でない場合、それは、スペーサー非陽イオン性単量体ユニットを含有し得る。このような重合体は、CTFA Cosmetic Ingredient Directory,第3版に記載されている。陽イオン性単量体ユニットの、非陽イオン性単量体ユニットに対する比は、所用の範囲の陽イオン電荷密度を有する重合体を与えるように選択される。
【0055】
適切な陽イオン性コンディショニングには、例えば、(メタ)アクリルアミド、アルキル及びジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトン及びビニルピロリジンなどの、水溶性スペーサー単量体との、陽イオン性アミン又は四級アンモニウム官能基を有するビニル単量体の共重合体が含まれる。このアルキル及びジアルキル置換単量体は、好ましくは、C−Cアルキル基、より好ましくはC1−3アルキル基を有する。その他の適切なスペーサーには、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコール及びエチレングリコールが含まれる。
【0056】
この陽イオン性アミンは、特定の種及びその組成物のpHに依存して、一級、二級又は三級アミンであり得る。一般に、二級及び三級アミン、特に三級が好ましい。
【0057】
アミン置換ビニル単量体及びアミンは、アミン型で重合化され、次に、四級化によりアンモニウムに変換され得る。
【0058】
この陽イオン性コンディショニング重合体は、アミン及び/又は四級アンモニウム置換単量体及び/又は適合するスペーサー単量体由来の単量体ユニットの混合物を含有し得る。
【0059】
適切な陽イオン性コンディショニング重合体には、例えば以下のものが含まれる:
Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,(CTFA)によりPolyquaternium(ポリクオタニウム)−16とこの業界で呼ばれる、1−ビニル−2−ピロリジン及び1−ビニル−3−メチル−イミダゾリウム塩(例えば塩化物)の共重合体。この物質は、BASF Wyandotte Corp.(Parsippany,NJ,USA)から、LUVIQUAT商標(例えば、LUVIQUAT FC 370)のもとで市販されている。
【0060】
Polyquaternium(ポリクオタニウム)−11とこの業界(CTFA)で呼ばれる、1−ビニル−2−ピロリジン及びジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体。この物質は、Gaf Corporation(Wayne,NJ,USA)から、GAFQUAT 商標(例えば、GAFQUAT 755N)のもと市販されている。
【0061】
例えば、Polyquaternium(ポリクオタニウム)6及びPolyquaternium(ポリクオタニウム)7とそれぞれこの業界(CTFA)で呼ばれる、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモ重合体及び、アクリルアミド及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドの共重合体を含む、陽イオン性ジアリル四級アンモニウム含有重合体。
【0062】
3個から5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモ及び共重合体のアミノ−アルキルエステルの無機酸塩(米国特許第4,009,256号に記載されている。)。
【0063】
陽イオン性ポリアクリルアミド(WO95/22311に記載されている。)。
【0064】
使用することができるその他の陽イオン性コンディショニング重合体には、陽イオン性セルロース誘導体、陽イオン性デンプン誘導体及び陽イオン性グアーガム誘導体などの、陽イオン性多糖類重合体が含まれる。適切に、このような陽イオン性多糖類重合体は、0.1meq/gから4meq/gの電荷密度を有する。
【0065】
本発明の組成物における使用に適切な陽イオン性多糖類重合体には、式:
【0066】
【化3】

のものが含まれる(式中、Aは、デンプン又はセルロースアンヒドログルコース残基などのアンヒドログルコース残基である。Rは、アルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレンもしくはヒドロキシアルキレン基又はそれらの組み合わせである。R、R及びRは独立に、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル又はアルコキシアリール基を表し、各基は、約18個以下の炭素原子を含有する。各陽イオン性部分に対する炭素原子の総数(つまりR、R2及びRでの炭素原子の合計)は、好ましくは約20以下であり、Xは、陰イオン性対イオンである。)。
【0067】
陽イオン性セルロースは、それらの、Polymer JR(商標)及び重合体のLR(商標)シリーズにおいて、この業界(CTFA)においてPolyquaternium(ポリクオタニウム)10と呼ばれる、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させられたヒドロキシエチルセルロースの塩として、Amerchol Corp.(Edison,NJ,USA)から市販されている。別のタイプの陽イオン性セルロースには、この業界(CTFA)においてPolyquaternium(ポリクオタニウム)24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させられたヒドロキシエチルセルロースの高分子四級アンモニウム塩が含まれる。これらの物質は、商品名 Polymer LM−200のもと、Amerchol Corp.(Edison,NJ,USA)から市販されている。
【0068】
その他の適切な陽イオン性多糖類重合体には、四級窒素含有セルロースエーテル(例えば、米国特許第3,962,418号で記載されているようなもの)及びエーテル化セルロース及びデンプンの共重合体(例えば、米国特許第3,958,581号で記載されているようなもの)が含まれる。
【0069】
使用することができる特に適切なタイプの陽イオン性多糖類重合体は、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(Rhone−Poulencから、それらのJAGUAR商標シリーズにおいて市販されている。)などの陽イオン性グアーガム誘導体である。
【0070】
その例は、陽イオン性基の置換の度合いが低く粘度が高い、JAGUAR C13Sである。置換が中程度であり、粘度が低いJAGUAR C15、JAGUAR C17(置換の度合いが高く、粘度が高い。)、低濃度の置換基ならびに陽イオン性四級アンモニウム基を含有するヒドロキシプロピル化陽イオン性グアー誘導体であるJAGUAR C16及び透明度が高く、置換の程度が低い中程度の粘度のグアーである、JAGUAR 162である。
【0071】
好ましくは、この陽イオン性コンディショニング重合体は、陽イオン性セルロース及び陽イオン性グアー誘導体から選択される。特に好ましい陽イオン性重合体は、JAGUAR C13S、JAGUAR C15、JAGUAR C17及びJAGUAR C16ならびにJAGUAR C162である。
【0072】
陽イオン性コンディショニング重合体は、通常、本発明の組成物中に、本組成物の、0.01重量%から5重量%、好ましくは0.02重量%から1重量%、より好ましくは、0.04重量%から0.5重量%の濃度で存在する。
【0073】
懸濁化剤
場合によっては、本発明による組成物は、さらに、懸濁化剤 0.1重量%から10重量%、好ましくは0.6重量%から6重量%を含有し得る。適切な懸濁化剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋重合体、疎水性単量体とのアクリル酸の共重合体、カルボン酸含有単量体及びアクリル酸エステルの共重合体、アクリル酸及びアクリレートエステルの架橋共重合体、ヘテロ多糖類ガム及び結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。この長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアレート、16個から22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミド及びそれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレート及びポリエチレングリコール3ジステアレートは、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488又はCarbopol 493として市販されている。多官能性試薬と架橋されたアクリル酸の重合体もまた使用することができ、それらは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 940、Carbopol 941及びCarbopol 980として市販されている。単量体を含有するカルボン酸及びアクリル酸エステルの適切な共重合体の例は、Carbopol 1342である。Carbopol(商標)物質は全て、Goodrichから市販されている。
【0074】
アクリル酸及びアクリレートエステルの適切な架橋重合体は、Pemulen TR1又はPemulen TR2である。適切なヘテロ多糖類ガムは、キサンタンガム(例えば、Kelzan muとして市販されている。)である。
【0075】
しかし、蜜ロウ及びシリコーン重合体の粒子の中位径が10μm未満である場合、本組成物が懸濁化剤不含(これは、本発明の組成物に含有される懸濁化剤が0.01重量%未満であることを意味する。)であれば好ましい。これは、懸濁化剤が毛髪に沈積し得、それにより被覆感を持つユーザーがいるからである。
【0076】
その他の成分
本発明による組成物は、さらに、毛髪の洗浄及びコンディショニング組成物において使用するのに適切なその他の成分を含有し得る。本発明の物に加えて、他の疎水性、水不溶性コンディショニングオイルが含まれ得る。
【0077】
本発明の組成物はまた、ヘアケアに適切な佐剤を含有し得る。通常、このような成分は、個々に、総組成物の2重量%以下のレベルで含まれる。
【0078】
適切なヘアケア佐剤中には、アミノ酸及び糖などの天然の毛根の栄養分が含まれる。適切なアミノ酸の例には、アルギニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、セリン及びバリン及び/又はそれらの前駆体及び誘導体が含まれる。このアミノ酸は、単独で、混合物で、又は例えばジ及びトリペプチドなどのペプチドの形態で、添加され得る。このアミノ酸はまた、ケラチン又はコラーゲン加水分解物などのタンパク質加水分解物の形態でも添加され得る。適切な糖は、グルコース、デキストロース及びフルクトースである。これらは、単独で、又は例えば果実エキスの形態で添加され得る。本発明の組成物に添加するのに特に好ましい天然毛根栄養分の組み合わせは、イソロイシン及びグルコースである。特に好ましいアミノ酸栄養分は、アルギニンである。別の適切な佐剤は、グリコール酸である。
【0079】
使用様式
本発明の組成物は、主に、洗い流しタイプ又はリーブオンタイプの組成物におけるヒト対象の毛髪及び/又は頭皮への局所適用を意図する。本組成物は、毛髪乾燥後に、ヘアスタイルを直毛状にし、ボリューム及び/又はふわふわ感を抑えるために使用される。この有益性を達成するために、熱風の毛髪乾燥装置を用いて毛髪を乾燥させる必要はなく、タオルで拭きブラッシングした後自然に毛髪を乾燥させるのが好ましい。
【実施例】
【0080】
表1
表1の重量%は、本組成物中の実際の活性化学物質を指し、希釈原料を指してはいない。
【0081】
【表1】

【0082】
レーザーボリューム解析
長さ25cmのアジア人種の毛髪のヘアピース 2gを、ジエチルエーテルを用いて脱脂し、水ですすいだ。各トリートメントあたり5個のヘアピースを用いて、シャンプー組成物(A、B又は1のいずれか)各0.2mlをヘアピースの縦方向に沿って広げ、30秒間揺り動かし、その後、30秒間すすいだ。ヘアピースの縦方向に沿って置いたシャンプー 0.2mlを用いて、再び洗浄プロセスを繰り返し、30秒間揺り動かし、その後、水中で1分間すすいだ。そのヘアピースをクランプスタンドから垂直に吊るして梳かし、次いで、水ボトルからの水の噴霧によりすすいだ。次に、そのヘアピースを一晩自然乾燥させた。
【0083】
乾燥後、各ヘアピースをクランプスタンドから垂直に吊るし、2mW、λ=632.8ナノメートル波長のヘリウム−ネオンレーザーをそのままのヘアピースに対して垂直に、そのヘアピースの下から約5cmに照射し、35mmカメラを用いて光ディスクに被照像を記録した。
【0084】
各ヘアピースの下から5cmでの各ヘアピースの広がりを評価するために、得られた画像に対して画像解析を行った(mm単位の平均動径分布として表す。)。広がりに対する値が小さいほど、そのヘアピースの見かけボリュームが小さく、繊維が真っ直ぐである。
【0085】
動径分布に対して得られた平均の結果は、
実施例1 13.2
実施例A 16
であった。したがって、本発明による製品は、扱いやすさを向上させながら、毛髪をより直毛化することが示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)蜜ロウを、組成物全体の0.01%から10重量%と;
b)糖ラクトンを、組成物全体の0.01%から10重量%と;を含む、水性ヘアトリートメント組成物。
【請求項2】
前記糖ラクトンが、グルコノラクトンである、請求項1に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項3】
糖ラクトンのレベルが、前記組成物全体の0.5重量%を超える、請求項1又は請求項2に記載のヘアケア組成物。
【請求項4】
糖ラクトン濃度が、前記組成物全体の2重量%から6重量%である、請求項3に記載のヘアケア組成物。
【請求項5】
洗い流しタイプ組成物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヘアケア組成物。
【請求項6】
前記組成物が、洗浄界面活性剤を該組成物全体の1%から25重量%さらに含む、クレンジング組成物である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
シリコーン重合体をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記蜜ロウ及びシリコーン重合体が、50μm以下の中位径(D50)の粒子の形態で存在する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物を毛髪に塗布することによる、毛髪を直毛化する方法。
【請求項10】
毛髪を直毛化するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2007−527877(P2007−527877A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502216(P2007−502216)
【出願日】平成17年2月11日(2005.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001408
【国際公開番号】WO2005/084622
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】