説明

糖化ミルクおよびその使用

ヒトまたは他の哺乳動物に対する催眠効果を有するペプチドを含む「睡眠ミルク」は、ベータ−カゼインに対するA1対立遺伝子について同型の乳牛からのミルクタンパク質を使用する。ミルクまたはタンパク質に糖化亢進プロセスを施すと、摂取して腸において加水分解され、腸壁を通じて吸収された後に得られるベータ−カソモルフィン−7のようなペプチドの半減期が実質的に長くなる。睡眠ミルクは、アスコルビン酸のような炭水化物の存在下における改変したUHTプロセスでA1ミルクを糖化することによって製造される。得られる製品の催眠効果は、糖化生成物の測定によって推定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の形態の同定タンパク質またはその断片を含む乳製品および飲料、ならびにそのような乳製品および飲料の睡眠促進における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
定義
「催眠剤(soporific)」は、本明細書において、睡眠誘導効果を有する材料に対する用語として使用される。「鎮静剤(sedative)」および「睡眠剤(hypnotic)」などの確立した用語は、薬物などの比較的強いタイプの物質を意味すると考えられる。
【0003】
「AGE」は、糖化最終産物(advanced glycation end-product)の略称である。例えば、ペプチドまたはタンパク質の糖化における第1段階は、グルコース(または同種のもの)の分子のアルデヒド基がペプチド鎖におけるリシン分子のアミノ基と結合して、グルコースの炭素原子とリシンの窒素原子の間に二重結合を有するイミンまたはシッフ塩基を形成するときのシッフ塩基の形成である。「アマドリ(Amadori)生成物」は、炭素−窒素二重結合に隣接するヒドロキシル基からの水素原子が移動して当該窒素に結合し、ケトンを残す再編成によってなされるこの種類のAGEの形成における第2段階である。最後の段階(不可逆的段階)はアマドリ生成物の酸化である。
【0004】
糖化はより一般的には、酵素の支配する作用を伴わずに、グルコースまたはフルクトースなどの糖分子がタンパク質または脂質分子に結合する結果と定義される。本明細書では体外で起こる外因性糖化をいう。タンパク質の糖化は、酵素開裂に対する抵抗性をタンパク質に付与する傾向があり、体内でのタンパク質の半減期を大幅に増加させる。
【0005】
「メイラード反応」または配列とはアミノ酸と還元糖の間の化学反応をいい、この反応は通常、熱を必要とし、ある程度の非酵素的褐変、ならびに1種のAGEである「メイラード生成物」の類の一部である香気の発生をもたらす。
【0006】
「UHT」は、典型的には数秒の間だけ約140℃で行なわれる殺菌法の一種である超高温処理(ultra-high temperature treatment)の略称であり、従来の殺菌法によって得られる密封容器のミルクと比較して保存性を持続させることが知られている。
解決しようとする課題
人はときに、または場合によってしばしば催眠剤を必要とするが、多くの人は何らかの比較的強い睡眠薬を、特にある種の依存性が生じる可能性がある場合に定期的に服用したり、あるいは直接的な効果がその副作用によって台無しになりうるアルコールを服用したりすることに慎重である。それにもかかわらず、ニュージーランドでは2005年にわずか400万未満の人の間で551,426もの睡眠薬の処方箋が調剤された。「自然な」睡眠薬または少なくとも代替品が必要であると思われる。
背景
約100〜250mlの量の温めたミルクを飲むことにより眠気すなわち睡眠が誘発されうることは数世紀にわたって知られている。「sleep“warm milk”」に対する2008年4月における「Google」検索で得られたヒットを確認すると、その効果を完全に否定する多くのサイトが見られる。さらに多くのサイトはその「迷信」を受け入れている。いくつかのサイトは、心理学およびトリプトファンの効果等を含む様々な方法でそれを説明しようとしている。しかしながら、この効果の基礎となる生理学的または薬理学的メカニズムは、たとえあったとしても直接的に確立されてはいない。ミルクの中の有効成分は(あるとすれば)いったい何であろうか?
ヒトの場合、l−トリプトファンが催眠成分であることが示唆されているが、そのような効果に必要な量(約1g)は約2.5リットルのミルクを飲むことを必要とする。
【0007】
メラトニンは3〜5mgの量で一部の人に対して催眠効果を有しうるが、そのような効果に必要な量は約25リットルを飲むことを必要とする。
カルシウムは神経鎮静剤となりうるが、錠剤ではその効果は見られない。
【0008】
ラクトースが催眠効果を有するという証拠はない。
本発明の理論的基礎は以下の通りである。この理論はガイダンスとして提示するにすぎず、記載のものとは異なるメカニズムまたは有効成分の正しいことがたとえ後に示されたとしても、本発明が実際に効果的であることがわかるであろう。
【0009】
ゲドン(Guesdon)らによって“ペプチド(Peptides)”、2006年、第27巻、p. 1476-82において報告されている実験は、ウシアルファ−S1カゼインのトリプシン加水分解物を与えたラットにおける催眠効果を示している。
【0010】
発明者の理論は、(少なくともまず第一に)熱処理したA1牛乳において見出される種類の糖化型カゼインが約100〜250mlの温めたミルクのような合理的な量で摂取され、次いで腸酵素によってペプチドに加水分解され、その後、摂取者の体内に糖化ペプチドとして吸収されるときに、有効な催眠物質であるか、あるいは有効な催眠物質になると見ている。特に、他の糖化ペプチドまたは他の物質も直接または間接的に関与しているかもしれないが、糖化されたペプチドベータ−カソモルフィン−7は今のところ、催眠効果に主にに関与すると考えられている。さらにこの理論は、糖化がおそらくは体内からの活性ペプチドの除去を遅らせることによって、非糖化ペプチドと比較して催眠効果を向上させ、その一方で、糖化によって催眠効果が直接に遮断されないことを提示している。明らかなことに、この理論についての1つの試験は、A1型ミルクの有効性を、同様に処理された(ヒト腸内での消化中にベータ−カソモルフィン−7に変換されない)A2型ミルクと比較することである。その試験は、他の糖化ペプチドが関与することを示すかもしれない。
【0011】
ペプチダーゼに対する抵抗性が糖化によって一般にペプチドに付与されることの証拠は、アメリカ質量分析学会ジャーナル(J Am Soc Mass Spectrom.)、2004年4月、第15巻、第4号、p. 496-509の“糖化最終産物/ペプチドの研究における酵素消化および質量分析(Enzymatic digestion and mass spectrometry in the study of advanced glycation end products/peptides)”との論文(イタリアのパドヴァにあるパドヴァ大学(Universita degli Studi di Padova)内科外科学科(Dipartimento di Scienze Mediche e Chirurgiche)代謝疾患教室(Cattedra di Malattie del Metabolismo)のラポッラ・エイ(Lapolla A)、フェデレ・ディ(Fedele D)、レイターノ・アール(Reitano R)、アリコ・エヌシー(Arico NC)、セラグリア・アール(Seraglia R)、トラルディ・ピー(Traldi P)、マロッタ・イー(Marotta E)およびトナニ・アール(Tonani R))にあるように、入手が可能である。この論文には、糖化されたヒト血清アルブミン(HSA)の酵素消化に由来する特定の糖化ペプチドの同定を目的として、トリプシンおよびエンドプロテイナーゼLys−Cを用いた酵素消化によりHSAおよび非酵素的に糖化されたHSAに対して行われた広範な研究が報告されている。これらのペプチドは第一近似として糖化最終産物/ペプチドと見なすことができる。糖尿病および腎障害の対象において全身レベルで重要なこれらの化合物は、インビボ(in vivo)糖化タンパク質の酵素消化によって生成される。それらは患者の病理的状態に関連し、組織修飾に関与すると考えられてきた。2つの酵素によって得られる消化混合物は、プロテオミクス技術MALDI/MS(マトリックス支援レーザー脱離/イオン化/飛行時間)質量分析)およびLC/ESI/MSn(液体クロマトグラフィー電気スプレーイオン化タンデム型質量分析)によって分析され、明確な差が見出された。まず第一に、糖化HSAの消化生成物は一般に、非糖化HSAの場合に観察されるものほど豊富ではなく、このことは糖化HSAの方が酵素消化の傾向が小さいことを説明する。二重荷電イオンに対するMS/MS実験、タンパク質データベースとの比較、および最も糖化しやすいリシンNH基を同定するための分子モデルにより、両タイプの酵素消化から得られる消化混合物中のいくつかの糖化ペプチドが同定された。233K、276K、378K、545K、および525Kの残渣は、分子モデルによって計算される部分溶媒露出表面の値に一致し、優先的な糖化部位であると思われる。
【0012】
上記の論文(PMID: 15047055)からメドライン(PUBMED)リンクを通じて引用文献として関連する論文、例えば、“糖化最終産物/ペプチド:インビボ研究(Advanced glycation end products/peptides: an in vivo investigation.)”、ニューヨーク科学アカデミー年報(Ann N Y Acad Sci.)、2005年、PMID: 16037247(同著者)、及び“糖尿病における非酵素タンパク質糖化の研究での質量分析の役割:最新版(The role of mass spectrometry in the study of non-enzymatic protein glycation in diabetes: An update)”、質量分析レビュー(Mass Spectrom Rev.)、2006年、PMID: 16625652を入手することができる。
【0013】
受容体に対するその効果を向上したり、あるいはその分解を遅らせたりするために、ペプチド、特にモルフィンの糖化を用いる先行文献を発明者は知らない。一方、ロンゴバルド・エル(Longobardo L)ら、“生物有機医化学レター(Bioorg Med Chem Lett.)”、2000年6月5日、第10巻、第11号、p. 1185−8では、ウシベータ−カソモルフィン−7と、3位のフェニルアラニンの代わりにベータ−ホモフェニルアラニンを含むベータ−カソモルフィン−5という2つの類似体について、それらのミュー−オピオイド受容体親和性が試験された。その修飾により、天然ペプチドと比較した場合、修飾されたベータ−CM−7では5倍、修飾されたベータ−CM−5では2倍、ミュー受容体親和性が向上した。クレイル・ジー(Kreil G)ら、“ライフサイエンス(Life Sci.)”、1983年、第33巻、増補第1巻、p. 137-40では、ベータカソモルフィン分解に関与する内在性酵素は、ジペプチジル−ペプチダーゼIVと同一または類似すると考えられている。彼らは、2位のプロリン残基がD−アラニンに取って代わられたベータ−カソモルフィン(ベータ−CM)類似体が血漿中での酵素の攻撃に対して完全な抵抗性を有するようであることを見出した。したがって、改変されたペプチドは分解されにくくなる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】ゲドンら、“ペプチド”、2006年、第27巻、p. 1476-82(Guesdon et al, Peptides (2006) vol 27, pp 1476-82)
【非特許文献2】ラポッラ・エイ、フェデレ・ディ、レイターノ・アール、アリコ・エヌシー、セラグリア・アール、トラルディ・ピー、マロッタ・イー、およびトナニ・アール、“糖化最終産物/ペプチドの研究における酵素消化および質量分析”、アメリカ質量分析学会ジャーナル、2004年4月、第15巻、第4号、p. 496-509(Lapolla A, Fedele D, Reitano R, Arico NC, Seraglia R, Traldi P, Marotta E, and Tonani R, "Enzymatic digestion and mass spectrometry in the study of advanced glycation end products/peptides", J Am Soc Mass Spectrom. 2004 Apr; 15(4): 496-509)
【非特許文献3】“糖化最終産物/ペプチド:インビボ研究”、ニューヨーク科学アカデミー年報、2005年、PMID: 16037247("Advanced glycation end products/peptides: an in vivo investigation." [Ann N Y Acad Sci. 2005] PMID: 16037247)
【非特許文献4】“糖尿病における非酵素タンパク質糖化の研究での質量分析の役割:最新版”、質量分析レビュー、2006年、PMID: 16625652("The role of mass spectrometry in the study of non-enzymatic protein glycation in diabetes: An update" [Mass Spectrom Rev. 2006] PMID: 16625652)
【非特許文献5】ロンゴバルド・エルら、“生物有機医化学レター”、2000年6月5日、第10巻、第11号、p. 1185−8(Longobardo L, et al; Bioorg Med Chem Lett. 2000 Jun 5; 10(11): 1185−8)
【非特許文献6】クレイル・ジーら、“ライフサイエンス”、1983年、第33巻、増補第1巻、p. 137-40(Kreil G et al, Life Sci. 1983; 33 Suppl 1: 137-40)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、安全かつ便利な催眠剤を提供すること、すなわち有益な選択肢を大衆に少なくとも提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の広範な態様において、本発明は、ヒトまたは他の哺乳動物による摂取のための催眠性組成物を提供し、その組成物は、好ましくはウシ由来の糖化ミルクからなり、当該ミルクのミルクタンパク質は、製造工程による処理の結果として少なくとも部分的に前もって糖化されている。
【0017】
好ましくは、その製品は、少なくとも1種の糖化された催眠性ペプチドまたはその前駆体を含み、そのペプチドの吸収されたときの催眠効果は、非糖化型の催眠性ペプチドまたはその前駆体と比較して実質的に持続する。(「実質的に持続する」により、熱処理されてそれにより比較的広範に糖化された特定の種類のミルクに由来する修飾(糖化)ベータ−カソモルフィン−7が循環内において分単位ではなく時間単位の半減期を有することを発明者は意図する。)
別の態様において、本発明は可食催眠性の加工飲食製品を提供し、その飲料又は製品は、人によって消化された後および腸酵素によって加水分解された後に、その人の循環内に吸収されることが可能な少なくとも1種の糖化された催眠性ペプチドを放出可能な少なくとも1種の糖化タンパク質を含む。
【0018】
好ましくは、催眠性組成物は実質的に糖化されたベータ−カゼインA1を含む。
好ましくは、そのミルクをベースした催眠性組成物は100〜250mlの経口投与量で成人に有効である。
【0019】
好ましくは、その組成物は加温後に飲まれる。
好ましくは、選択される糖化タンパク質は、糖化されたウシA1/A1ベータ−カゼインを含む。
【0020】
好ましくは、糖化された催眠性ペプチドは、糖化されたウシベータカソモルフィン−7である。
関連する態様において、製品は、A1ベータ−カゼイン遺伝子について実質的に同型になるように予め選択された少なくとも1種の乳牛を含む個体群から採取されるミルクからなり、そのミルクは、その組成内のタンパク質の少なくとも部分的な糖化を引き起こすために製造時に処理されており、そのため、哺乳動物またはヒトによって消化されると有効量の糖化された催眠性ペプチドを循環内に放出および吸収する。
【0021】
あるいは、製品は、本項で既に記載したように、A1ベータ−カゼイン遺伝子について実質的に同型になるように予め選択された少なくとも1種の乳牛を含む個体群から採取されるミルクから誘導されるものであり、そのミルクの誘導体は、糖化されたウシA1/A1ベータ−カゼインまたはその一部を含み、消化の後に有効量の糖化された催眠性ペプチドを循環内に放出することが可能である。
【0022】
第2の広範な態様において、本発明は、本項で既に記載している種類の催眠性製品を製造するための方法を提供し、その方法は、(a)A1型牛乳を取得すること、(b)糖化を促進する炭水化物材料を添加すること、(c)高温滅菌処理の最中または後に糖化させること、および(d)製品を包装することを含む。
【0023】
好ましくは、その方法は、(e)糖化の量を測定するために製品を試験する工程、および(f)その期待される催眠効果に応じて製品にラベル標示する工程をさらに含む。
あるいは、試験後の製品は、既知の量の糖化されたベータ−カゼインを含む。
【0024】
さらなる態様において、糖化は、「UHT」型の低温殺菌(pasteurisation)によって調製されるミルクを室温以上の温度でおそらく1〜6ヶ月間にわたって単に長期保存することによって促進される。
【0025】
関連する態様において、その方法は、その時点での糖化の程度を確認するために製品を試験する工程と、次いでその糖化試験の結果によって示される均一な催眠効果を達成するべく製品を希釈する工程とを含み、その希釈物は、製品の各包装物が均一な量の糖化を有し、かつ、その製品におけるA1−ベータカゼインの割合が試験結果に応じて変動する点を除いて製品のすべての構成要素に関して均一となるように、A2/A2ミルクを使用すること以外は同様にして製造された同等の製品を含む。
【0026】
好ましくは、糖化を促進する材料は、糖化反応を引き起こすことが可能な一連の材料、すなわち、フルクトース、ガラクトース、マンノース、グルコースおよびアスコルビン酸の類から選択される。
【0027】
第3の広範な態様において、本発明は、本項で既に記載している糖化されたA1/A1ミルクに基づく医薬品を提供し、糖化型のペプチドのベータカソモルフィン−7を糖化されたA1/A1ミルクから抽出して、適切な防腐剤および賦形剤等と一緒に経口、頬内または非経口投与に適したペプチドとして包装し、その製品は催眠効果を有する糖化ペプチドを提供する。
【0028】
催眠性の糖化ペプチドを糖化されたベータ−カゼインA1から抽出する好適な方法は、エキソペプチダーゼ加水分解、エンドペプチダーゼ加水分解(ペプシン加水分解、トリプシン加水分解、およびキモトリプシン加水分解を含む)、またはそれらの組合せを含んだ範囲から選択される酵素加水分解を含む。
【0029】
第4の広範な態様において、本発明は、(ヒトを含む)哺乳動物の消化管においてA1型ベータ−カゼインから放出されるペプチドに類似する特定の睡眠促進または睡眠誘発ペプチドの製造に対する明確な指針を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここに示される本発明の説明は、純粋に例として示されるものであり、本発明の範囲または程度を限定するものとして一切捉えられるべきではない。
本明細書の全体を通じ、本文が別に定める場合を除いて、「含む(comprise)」および「含んでいる(comprising)」または「含む(comprises)」などの変形は、単一の指定の整数もしくは工程、または一群の整数もしくは工程を含むことを示唆し、他の単一の整数もしくは工程、または一群の整数もしくは工程を除外することを示唆するものでないことは理解されるであろう。
【実施例1】
【0031】
本発明は特に、好ましくは消化後に内在性の腸酵素によって、催眠性の糖化ポリペプチドに変換することが可能な糖化最終産物を含んだ特定の種類のミルクに基づく催眠剤に関する。また、特定の種類のミルクから得られる糖化ペプチドを含んだ比較的長時間作用する催眠剤に関する。
【0032】
これまで知られているように、この目的のための唯一の有効な種類の牛乳は、ミルクタンパク質のベータ−カゼインの配列を制御するA1遺伝子について同型の乳牛に由来するものである。そのような乳牛はたいていの酪農群に広く存在する。例えばホルスタイン、すなわちフリージアン(Friesian)種は主にA1/A1型ミルクを生成するのに対して、ジャージー(Jersey)種は主にA1/A2またはA2/A2を生成する。(A1およびA2遺伝子の他の対立遺伝子も知られているが、重要でないかあるいはウシにおける頻度が低いと考えられる。)A1型ミルクとA2型ミルクの混合物は本特許における用途で有効でありうるが、催眠効果が薄められて予測が比較的しにくい。A2遺伝子および他の遺伝子とは異なるA1遺伝子について同型の乳牛の選択のためのよく知られているDNAに基づく(遺伝子型)および表現型の技術が存在しており、そのような乳牛は、A1/A1雄牛をそれらに対して使用すると純血種を産むことになる。
【0033】
牛乳は約3.4〜4.5%のタンパク質を含み、その80%がカゼインである。カゼインの約31%(100ml当たり約1g)がベータ−カゼイン、主にA1またはA2変異型である。腸内での消化時にA2型ベータ−カゼインは加水分解されないでA1型ベータ−カゼインが加水分解された後に、67位にヒスチジン残基を有するA1(またはB)型のカゼインの1モル毎に約1モルのペプチドベータ−カソモルフィン−7が生成される。このペプチドは、ヒトにおいて催眠剤として機能することが可能である。ベータ−カソモルフィン−7は「オピオイド」に分類され、ラット、ニワトリおよびゴキブリにおいて鎮静および抗不安効果を有することが知られている。
【0034】
背景の欄で述べたような一連の可能性のある催眠性成分について続けて検討すると、一杯のミルクの中には摂取者のヒトに対して催眠効果を有するのに十分なベータ−カソモルフィン−7が存在する。循環内での通常のベータ−カソモルフィン−7の半減期はおよそ数分間である。ベータ−カソモルフィン−7は身体で、おそらくは血漿、肝臓または腎臓での酵素開裂によって、他の化学種に変換される。
【0035】
したがって発明者は、ベータ−カソモルフィン−7が有効成分であると仮定し、眠気または睡眠を「自然」に誘発する目的で、A1カゼインの豊富な種々のミルクを販売することを提案する。選択されたA1−A1乳牛(1頭、または乳牛の群れもしくは集団のような複数頭)由来のミルクは、残りのカゼインのほとんどがA2−カゼインで他の型のカゼインを少量含んだ小売りされている通常の酪農ミルクを使用した場合の量の約2倍のベータ−カソモルフィン−7を提供する。
【0036】
さらに、ベータ−カソモルフィン−7の短い半減期の問題が存在する。発明者は、熱処理されてそれにより比較的広範に糖化された特定の種類のミルクに由来する修飾(糖化)ベータ−カソモルフィン−7が分単位ではなく時間単位の半減期を有することに注目した。
【0037】
従って、以下に記載するように、ミルクに基づいた強化催眠性の飲料として、任意の量の糖化されたベータ−カソモルフィン−7、またはベータ−カソモルフィン−7の天然に存在する前駆体を製造および販売することの方が、ペプチド鎖に沿って置換基を有するベータ−カソモルフィン−7を同様の目的で合成することよりも容易である。本発明は、A1型のベータ−カゼインを主に含んだ選択されたミルクを、有効量の糖化されたベータ−カソモルフィン−7を生成するように処理することを提供する。一般に、AGE含有量を増加させる効果、または製品中の糖化されたベータ−カゼインの割合を増加させる効果を有するミルクの処理は、以下の処理を含む。
【0038】
1. 低温殺菌時、好ましくはUHT型の低温殺菌の前、最中および/または後に、より長時間にわたってミルクを加熱する(すなわち、改変した低温殺菌またはUHTプロセスを提供する)
2. 無菌ミルクを高温または室温で長時間保管する。
【0039】
3. 販売の前または後に保管と並行して、アスコルビン酸、またはフルクトース、ガラクトースもしくはグルコース(などの糖)を添加する。フルクトース(レブロース(laevulose)としても知られる)およびガラクトースは、活性がグルコースのような糖化剤の約10倍であると言われるが、グルコースは一般に利用可能である。ミルク中の有用な糖化を亢進する材料の類にはアスコルビン酸が含まれる。
【0040】
4. 上記の(3)に挙げた成分を加熱/低温殺菌の工程の前に添加してもよい。
5. 得られた製品を試験してその中の糖化された材料の含有量を確認する。FAST指数は、初期の糖化生成物を検出するための試験方法の一例であり、カルボキシメチルリシンに対するアッセイは、AGE生成物についての1つの適切な試験である。製品は好ましくは少なくとも均一な量の催眠性成分を含むべきであるが、その量は保管中に上昇することが知られており、保存寿命を計算するに際してこの影響は考慮されるべきである。
【0041】
糖化をもたらすミルク又は乳製品の処理が過去において偶然に行われている。FAST指数法に従って試験した場合、摂氏4度でそのまま保持した(A1/A2の状態が不定の)全低温殺菌ミルクは、以下のようにAGEに関連する化合物が増加することを示した。24時間で10、48時間で10.7、72時間で17.4、および1週間で22.6。また、メイラード反応に特徴的である褐変は、推奨される条件に従って一定の時間にわたってそのまま保管したUHTミルクで認められた。
【0042】
したがって、発明者は、効果的な催眠剤または睡眠剤を製造するために、特定の炭水化物の存在下で加熱することによって糖化され、かつ、「UHT」プロセスが施されたA1−A1乳牛からのミルクを、睡眠を促進させる目的で販売することを提案する。というのも、糖化工程は、後に吸収されるベータ−カソモルフィン−7を人体内で不活性型に転化するのに対して比較的抵抗性を有するものとするからである。有効性に対するさらなる保管の効果は一般には、糖化の量を増加させることである。商業的に製造されるような物質の有効性は、その中に含有される糖化タンパク質または糖化ベータカゼインの試験によって確定された量で表すことができる。
【0043】
このミルクは、UHTミルク向けのものと同様の単回用の紙容器で販売することができ、飲用の前にミルク飲料を加温できるように、電子レンジでの加熱や、あるいは密封した状態のままで湯に入れて加熱するのに容器が適合すれば便利である。加温の有益性は、就寝のしきたりの一部を形成することによる単に精神的なものでありうる。
【0044】
当然ながら、糖化食品は、糖化された材料の全量が少なくても、特に糖尿病患者にとっては有害でありうることが知られている。したがって、本発明は、高齢者、または糖尿病患者、または透析を受けている人によっては注意深く使用されるべきである。好ましくは、催眠性製品は、推奨される用量の記述、および製品を摂取した後に運転または機械操作などの危険な行為を行うことに対する警告を付して販売される。
【実施例2】
【0045】
製造方法の非限定的な例を以下に示す。
1. A1/A1ベータ−カゼイン表現型を主として、好ましくはすべて有する乳牛から得られる牛乳を処理タンクに注ぎ込む。
【0046】
2. 安定剤として1〜2グラム/リットル(0.1〜0.2%)のクエン酸ナトリウムを添加する。
3. クエン酸塩が溶解するまで撹拌する。
【0047】
4. 糖化促進剤として1グラム/リットルのアスコルビン酸(0.1%)を添加する。
5. 摂氏45度に達するまで約20分間にわたって撹拌及び加熱する。
【0048】
6. 30分間にわたって摂氏45度に保持する。
7. 工業的に標準の均質化の技術を用いて均質化する。
8. 摂氏141度で4秒間、UHT処理を施す。
【0049】
9. 充填容器をUHT処理液で滅菌して密封する。
10. 消費者は飲む前にミルクを温めることが望ましい。
室温で保管中または冷凍していても糖化は継続しうる、発明者は、上記した処理の間およびその直後、特に組成物が高温である間に糖化反応の大部分が起こると見ている。製造工程の品質保証/品質管理は一態様においてはpHの監視によって実施され、表1は一連の許容可能なpHの結果を示す。
【0050】
【表1】

他の形態の品質管理には、製造時における糖化の程度の測定が含まれる。すべてのミルクが、すべてA1/A1表現型を有する乳牛から得られる場合にのみ、加工製品の催眠効果を予期することが可能である。市場への輸送の間のさらなる糖化を予期することは賢明かもしれない。本発明によって製造された「睡眠ミルク(sleep milk)」と他の形態のミルクとの比較が表2であり、そこには当業者によく知られているいくつかの試験、すなわち(a)mg/ml単位のフロシン(Furosine)(初期の糖化生成物の測定)、(b)FAST指数(後期の糖化/アマドリ生成物の測定)、および(c)ng/ml単位のCML(カルボキシメチルリシン試験−AGEの代替マーカー)の結果が示されている。これらの試験は、ベータ−カソモルフィン−7の前駆体を特異的に同定しないことに留意されたい。純粋なA1/A1ミルクを使用すれば、AGEに関連する試験と催眠効果の相関性はより確実である。発明者の理論によれば、以上のようにして処理されたA2/A2乳牛に由来するミルクには催眠効果がほとんどない。
【0051】
【表2】

発明者は、糖化工程が比較的複雑であること、および「睡眠ミルク」の調製についてのこの説明には糖化のすべての側面が考慮されていないことを認識している。しかしながら、本明細書には原理を記載している。
変形
1. ミルクから製造されてはいないが、同等の機能的(糖化されたモルフィン)基礎を有する飲料。グリアドモルフィン(gliadomorphins)は、催眠効果を有するという点でベータ−カソモルフィン−7と同等でありうる。特許請求される催眠効果を有する1つのよく知られている飲料は通常、ミルク、麦芽処理された大麦、および熱乾燥された小麦を含んだ「Horicks」(商標)(グラクソ・スミスクライン製)として知られる製品である。麦芽処理は、大麦および小麦タンパク質と化合して糖化生成物を生成することができるグルコースを放出する。これらの糖化タンパク質は消化されると、グリアドモルフィンまたは糖化グリアドモルフィンを放出する。グリアドモルフィンが有用な催眠効果を有するかどうかはまだ評価されていない。
【0052】
2. 好ましくはAGEに関連する成分の試験後に、本発明による製品の催眠効果を標準的な程度にまで低下させるために、その製品の一般的な(味および栄養などの)特性を変えることのないまま催眠効果を調整することができるように、製品を製造する際に使用されるミルクの一部をA2/A2表現型の乳牛から取得してもよい。A2/A2乳牛のベータ−カゼインは、有効性のあるベータ−カソモルフィン−7を与えない。
【0053】
3. この方法において言及されている糖化促進剤は、糖化反応を引き起こすことが可能な一連の炭水化物、すなわちフルクトース、ガラクトース、マンノースおよびグルコースを含む炭水化物、ならびにアスコルビン酸から選択することができる。
【0054】
4. 処理時、典型的には糖化工程を受ける前に、脂肪および/または糖が除去された、あるいは少なくとも部分的に除去されたA1ミルク誘導体などの基本的なミルク製品の誘導体。香料を添加してもよい。これらの改良は、様々な程度の顧客訴求効果を有する「全乳」の多くの変形形態が現在販売されているという所見に基づいている。
【0055】
5. 糖化されたベータ−カゼインのみ、または1つもしくは複数の糖化された合成ポリペプチドのみを含んだ製品のような変形。上記したロンゴバルド(Longobardo)およびクレイル(Kreil)の出版物には、これらの出版物のいずれにも記載されている置換ベータカソモルフィン−7も糖化されると、それらの効果が向上することが示唆されている。そのようなペプチドは、製造環境の便利さを鑑みて、天然源から精製するか、遺伝子操作した微生物によって製造するか、あるいはアミノ酸から合成してもよく、その後に糖化して、滅菌した飲料に入れて、または経口、経頬もしくは非経口投与用の医薬品として安定した許容可能な形態で販売する。このような製品は、少なくとも牛乳にアレルギーを有する人に有用である。7−アミノ酸ペプチドを単独で容易に糖化できない場合には製造はより大きいペプチドに向けられ、その配列および構成によって、ベータカソモルフィン−7類似体を放出させる腸内の酵素加水分解の間に複数の位置での開裂が提供される。
【0056】
6. 上記したオプションから発展して、本発明はまた、催眠効果を有する糖化ペプチドを提供する。この粉末を、粉末または無菌溶液として製造し、改質食品ではなく医薬品としての使用に向けて販売してもよい。有効性のある材料は、経口、経頬または非経口投与用の好適な賦形剤および担体と一緒に提供される。このオプションにおいて、一連の好適な糖化ペプチドには、糖化されたベータカソモルフィン−7が含まれる。先に記載した糖化されたA1/A1ミルクから医薬品を製造してもよく、インビトロのタンパク質加水分解(エキソペプチダーゼ加水分解、エンドペプチダーゼ加水分解(ペプシン加水分解、トリプシン加水分解およびキモトリプシン加水分解を含む)またはそれらの組合せを含んだプロテアーゼの類から選択される酵素加水分解など)に続いて、適切な質量のペプチドを抽出することによって製造するか、あるいは抽出または合成したベータカソモルフィン−7等、または後に糖化される前駆体ペプチドを用いて開始することによって製造することができる。
産業上の利用可能性及び効果
UHT処理された形態で販売されるある種の糖化されたベータ−カゼインA1型ミルクを必然的に含んだ通常の牛乳がしばらくの間利用可能であったため、本発明は、既存の物質の精製および増強した形態を提供する。したがって、規定された均一な程度の催眠活性を有するとともに栄養価を有するように製品が試験された場合には特に、同様の成分を含んだ「設計した」製品を公衆に向けて販売することに異論はないはずである。
【0057】
既存の鎮静剤および睡眠剤と比較した場合の本発明の利点としては、コスト、依存性がおそらくないこと、ならびに天然の成分および一般的な方法に頼っていることなどが挙げられるのと同時に、付加価値のある乳製品の販路を提供することである。
【0058】
禁忌としては、臨床的もしくは診断未確定の糖尿病、またはAGEの摂取に特に影響を受けやすい他の症状の消費者の存在を挙げることができる。概略を示した材料などの機能的に特異的な材料の使用は、糖化タンパク質に基づく材料のヒトによる全摂取量にとってほとんど重要でない。糖化タンパク質またはその断片の用量は、全糖化を想定すると、催眠用量でミルク100ml当たりせいぜい約3.4〜4.5gである。
【0059】
最後に、例として記載され、かつ/または本明細書に例示されている本発明の範囲は、特定の実施形態に限定されないことが理解されるであろう。先述の説明において、既知の同等物を有する本発明の具体的な構成要素または整数が参照された場合には、当該同等物は、個々に記載されているかの如く含まれる。以下の特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲および主旨から逸脱することなく様々な変形、追加、既知の同等物および代用が可能であることを当業者なら理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトを含む哺乳動物の体内に導入された後に催眠効果を有する加工製品であって、該製品は、少なくとも1種の糖化された催眠性ペプチドまたはその前駆体を含み、その糖化ペプチドの催眠効果は、前記催眠性ペプチドの非糖化型またはその前駆体と比較して実質的に持続することを特徴とする加工製品。
【請求項2】
前記糖化ペプチドが糖化されたウシベータカソモルフィン−7であることを特徴とする、請求項1に記載の加工製品。
【請求項3】
哺乳動物による摂取後および腸酵素による加水分解後に当該哺乳動物の循環内に吸収されることが可能な少なくとも1種の糖化された催眠性ペプチドを放出可能な少なくとも1種の糖化タンパク質を含むことを特徴とする、請求項1に記載の可食催眠性の加工飲食製品。
【請求項4】
選択される前記糖化タンパク質が糖化されたウシA1/A1ベータ−カゼインを含むことを特徴とする、請求項3に記載の製品。
【請求項5】
前記製品は、A1ベータ−カゼイン遺伝子について実質的に同型になるように予め選択された少なくとも1種の乳牛を含む個体群から採取されるミルクからなり、そのミルクは、その組成内のタンパク質の少なくとも部分的な糖化を引き起こすために製造時に処理されており、そのため、哺乳動物によって消化されると有効量の糖化された催眠性ペプチドを循環内に放出および吸収することを特徴とする、請求項4に記載の製品。
【請求項6】
前記製品は、A1ベータ−カゼイン遺伝子について実質的に同型になるように予め選択された少なくとも1種の乳牛を含む個体群から採取されるミルクから誘導されるものであり、そのミルクの誘導体は、糖化されたウシA1/A1ベータ−カゼインまたはその一部を含み、前記ミルクの誘導体は、その中のタンパク質の少なくとも部分的な糖化を引き起こすために製造時に処理されており、そのため、哺乳動物によって消化されると有効量の糖化された催眠性ペプチドを循環内に放出することを特徴とする、請求項4に記載の製品。
【請求項7】
前記製品は、既知の量の糖化されたベータ−カゼインを含むことを特徴とする、請求項5または6に記載の催眠性の加工飲料または製品。
【請求項8】
請求項5に記載の種類の催眠性の製品を製造するための方法であって、(a)A1型牛乳を取得する工程、(b)糖化を促進する炭水化物材料またはアスコルビン酸を添加する工程、(c)高温滅菌処理の最中または後に糖化させる工程、および(d)製品を包装する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
(e)糖化の量を測定するために前記製品を試験する工程、および(f)その期待される催眠効果に応じて前記製品にラベル標示する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の催眠性の製品を製造するための方法。
【請求項10】
(e)糖化の程度を確認するために前記製品を試験する工程と、次いで、前記製品の各包装物が均一な量の糖化を有し、かつ、A1ベータカゼインの割合が変動する点を除いて前記製品のすべての構成要素に関して均一となるように、A2/A2ミルクを使用すること以外は同様にして製造された同等の製品を用いた糖化試験の結果によって示される均一な催眠効果を達成するべく前記製品を希釈する工程とをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の催眠性の製品を製造するための方法。
【請求項11】
糖化を促進する材料は、糖化反応を引き起こすことが可能な一連の材料、すなわちフルクトース、ガラクトース、マンノース、グルコースおよびアスコルビン酸の類を含む炭水化物から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の催眠性の製品を製造するための方法。
【請求項12】
不眠症を治療するための医薬品を調製するための糖化されたウシA1/A1ベータ−カゼインの使用。
【請求項13】
請求項1に記載の糖化されたA1/A1ミルクに基づく医薬品であって、糖化型のペプチドのベータカソモルフィン−7を糖化されたA1/A1ミルクから抽出して経口、頬内または非経口投与に適したペプチドとして包装し、催眠効果を有する糖化ペプチドを提供する医薬品。

【公表番号】特表2010−524497(P2010−524497A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506108(P2010−506108)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際出願番号】PCT/NZ2008/000092
【国際公開番号】WO2008/130255
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(509294531)サムナシューティクス リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SOMNACEUTICS LIMITED
【Fターム(参考)】