説明

糖尿病性網膜症診断用のバイオマーカー

【課題】糖尿病性網膜症の早期診断用のバイオマーカーを提供する。
【解決手段】本発明は、特定タンパク質の糖尿病性網膜症診断用バイオマーカーとしての用途に関し、具体的に、糖尿病患者よりも糖尿病性網膜症患者の涙液からその発現量が減少又は増加するタンパク質の糖尿病性網膜症診断用バイオマーカーとしての用途並びに前記タンパク質に対する抗体を含む糖尿病性網膜症の診断キット用組成物及びキットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖尿病性網膜症診断用のバイオマーカーに関し、より具体的には、糖尿病性網膜症患者の涙からその発現量が減少又は増加するタンパク質を指標とした糖尿病性網膜症診断用バイオマーカーとしての用途と、前記タンパク質に対する抗体を含む糖尿病性網膜症診断用の組成物及びキットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、糖尿病(diabetes mellitus)とは、血液中にブドウ糖の濃度(糖分)が非正常的に増加し、長期間持続されて誘導される代表的な代謝異常であり、全身の非伝染性慢性疾病である。糖尿病は、自己免疫の機作によってすい臓のベータ細胞が破壊されて誘導されるインスリンの絶対的又は相対的産生欠乏の結果であるか又はインスリンが分泌されたとしても標的臓器におけるインスリンの効果的作用低下(インスリンの抵抗性)の結果によるもので、血糖は持続的な上昇状態を示し、体内のブドウ糖代謝を含む新陳代謝機能が円滑に行えなくなる。
【0003】
糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)は、糖尿病の3大微小血管合併症(microvascular complications)の1つで、持続的な高血糖と、これによる代謝異常によって網膜の微小血管が次第に変形、閉鎖されて循環障害が起き、網膜への円滑な血液供給が行われなくなって発病する。このような糖尿病性網膜症は、糖尿病を患った期間が長いほどその頻度が増えるため、定期的に糖尿病性網膜の変化を検査しなければならない。
【0004】
最近、このような糖尿病性網膜症の早期発見のための診断マーカーを見つけ出そうとする試みと、効果的なマススクリーニング(mass screening)法開発の要求とが増えている。これに従い、エンドセリン−1(endothelin-1:ET-1),プロテインキナーゼC(protein kinase C:PKC),E−セレクチン(E-selectin)を含む血管接着因子(vascular adhesion molecule), トロンビン切断型オステオポンチン(thrombin-cleaved osteopontin)とトロンビン切断型ホスホイノシチド(thrombin-cleaved phosphoinositides),トロンビン刺激による血小板の凝集(thrombin-stimulated platelet aggregation),硝子体VEGF(vitreous VEGF),循環可溶性ICAM−1(circulating soluble ICAM-1:sICAM-1),最終糖化産物(advanced glycation end products:AGEs), 一酸化窒素(nitric oxide),インターロイキン−1(IL-1), インターロイキン−6(IL-6),インターロイキン−8(IL-8)と腫瘍壊死因子−α(tumor necrosis factor-α)等のサイトカイン, HLA DRI, A9, B40アレル,グリコヘモグロビン(HbAlc),マイクロアルブミン,アルドース還元酵素(aldose reductase:AR),Fas, PEDF等が糖尿病性網膜症マーカーとして提示されてきたが、これらは全て糖尿病性網膜症だけのための特異性を示すことができなかった。
【0005】
従来、糖尿病性網膜症の早期発見のための診断バイオマーカーを、主に血清を用いて分析を行ってきた。しかし、このような研究の場合、血清内タンパク質のグリコシル化(glycosylation)と、アルブミン(albumin)及び免疫グロブリン(immunoglobulin)のような大量に存在するタンパク質のため、分析において多くの困難があった。
【0006】
一般的に、涙は、ムチン(mucin)、脂質(lipid)、塩(salt)、糖タンパク質(glycoprotein)、及びその他多様なタンパク質によって構成されている。主な涙液タンパク質は、リゾチーム(lysozyme), ラクトフェリン(lactoferrin),分泌型イムノグロブリン(secretory immunoglobulin A:sIgA),リポカリン(lipocalin),アルブミン(albumin),リポフィリン(lipophilin)であり、これらの量又は質的変化は我々の多様な病理学的状態の変化によって解析することができる。しかし、このような涙液タンパク質は、持続的に研究されてきたにも拘らず、ほとんどの場合、単一タンパク質と特定疾患との相互の関連性を明らかにするのに限られていた。
【0007】
これに対し、本発明では、2次元電気泳動技術(two-dimensional gel electrophoresis, 2-DE)を用い、このような涙液タンパク質を分析することによって、構成タンパク質をより正確に且つ効率的に分析した。また、分析したタンパク質を用いて、糖尿病性網膜症の早期診断及び進行程度を予め予測可能な糖尿病性網膜症診断用の組成物及び診断キット、並びに糖尿病性網膜症の治療及び予防用の組成物を調製する事によって本発明を完成するに至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、糖尿病性網膜症の早期診断用バイオマーカー又はその免疫原性断片を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、前記バイオマーカーたんぱく質又はその免疫原性断片に対する抗体を有効成分として含有する糖尿病性網膜症診断用の組成物及び診断キットを提供することにある。
【0010】
又、本発明の他の目的は、前記バイオマーカー又はその免疫原性断片を有効成分として含有する糖尿病性網膜症の治療及び予防用の組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、具体的に、本発明の一様態において、下記タンパク質よりなる群から選ばれたタンパク質又はその免疫原性断片の糖尿病性網膜症診断用バイオマーカーとしての用途を提供する:
配列番号1及び2のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、24-26 kDaの分子量及び5.83-6.83のpIを有するDJ-1タンパク質(DJ-1 protein)、
配列番号3及び4のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、15-17 kDaの分子量及び5.27-6.27のpIを有するベータ2-マイクログロブリン(beta 2-microglobulin, B2M)、
配列番号5及び6のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するエンベロープタンパク質(envelope protein)、
配列番号7のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び4.24-5.24のpIを有するタンパク質SAP1(protein SAP1)、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-23 kDaの分子量及び4.13-5.43のpIを有するリポカリン1-ライク1(lipocalin 1-like 1)、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.3-5.3のpIを有するリポカリン(lipocalin(hCG201503), LCN-1)、
配列番号9, 10, 11, 12, 13及び14のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.64-5.64のpIを有するサイトケラチン4(cytokeratin4)、
配列番号15のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び6.01-7.01のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A8(S100 calcium-binding protein A8)、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び4.89-5.89のpIを有するリポカリン1の前駆体(lipocalin 1 precursor)、
配列番号16及び17のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び4.34-5.34のpIを有するケラチン31(keratin 31)、
配列番号18, 19及び20のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、30-32 kDaの分子量及び7.53-8.53のpIを有する熱ショックタンパク質(heart shock protein 27, Hsp27)、
配列番号21のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び5.28-6.28のpIを有するアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼアイソフォーム(adenine phosphoribosyltransferase isoform)、
配列番号22のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-22 kDaの分子量及び4.70-5.80のpIを有するリン酸化ヒスチジンリン酸加水分解酵素(phosphohistidine phosphatase)、
配列番号23, 24及び25のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-21 kDaの分子量及び5.96-6.96のpIを有するベータグロビン(beta globin)、
配列番号26及び27のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-20 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するリゾチーム前駆体(Lysozyme precursor)、
配列番号28, 29及び30のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、14-16 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A9(S100 calcium-binding protein A9)、
配列番号31のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、13-15 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するクリスタル構造のカルプロテクチン(Crystal Structure Of Human Calprotectin)、及び
配列番号32のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、11-13 kDaの分子量及び6.28-7.28のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A4(S100 calcium-binding protein A4)。
【0012】
本発明において、上記「トリプシン分解されているペプチド」とは、あるタンパク質をトリプシン(trypsin)によって分解したときに生成されるタンパク質のペプチドを意味する。又、上記タンパク質の分子量と等電点(pI)は、2次元電気泳動(Two-dimentional electrophoresis)上において確認された値として一般的に許容される実験上の誤差範囲を含む。
【0013】
本発明において、「糖尿病患者」とは、網膜症症状がない2型の糖尿病患者を意味し、「糖尿病性網膜症患者」とは、非増殖性の糖尿病性網膜症症状がある2型の糖尿病患者を意味する。
【0014】
本発明において、上記「免疫原性の断片」とは、本発明のバイオマーカーに対する抗体によって認識され得る一以上のエピトープ(epitope)を有するバイオマーカータンパク質の断片を意味する。
【0015】
本発明の一様態によると、本発明は、糖尿病患者の涙より糖尿病性網膜症患者の涙から発現が相対的に増加する、DJ-1タンパク質及びベータ2-マイクログロブリン(B2M)よりなる群から選ばれたタンパク質又はその免疫原性断片の糖尿病性網膜症診断用の用途を提供する。
【0016】
上記タンパク質又はその免疫原性断片は、糖尿病患者の涙よりも糖尿病性網膜症患者の涙の方がその発現が100%以上、好ましくは200%以上、より好ましくは300%以上増加する。
【0017】
本発明の他の様態によると、本発明は、糖尿病患者の涙よりも糖尿病性網膜症患者の涙の方がその発現が相対的に減少する、エンベロープタンパク質、SAP1、リポカリン1-ライク1、リポカリン((hCG201503), Science 291 (5507), 1304-1351(2001))、サイトケラチン4、S100カルシウム結合タンパク質A8、リポカリン1の前駆体、ケラチン31、熱ショックタンパク質(Hsp27)、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼアイソフォーム、リン酸化ヒスチジンリン酸加水分解酵素、ベータグロビン、リゾチーム前駆体、S100カルシウム結合タンパク質A9、クリスタル構造のカルプロテクチン、及びS100カルシウム結合タンパク質A4よりなる群から選ばれた、タンパク質又はその免疫原性断片の糖尿病性網膜症診断用の用途を提供する。
【0018】
上記タンパク質又はその免疫原性断片は、糖尿病患者の涙よりも糖尿病性網膜症患者の涙の方がその発現が30%以上、好ましくは50%以上減少する。
【0019】
本発明の他の様態によると、本発明は、上記タンパク質又はその免疫原性断片に特異的な抗体を有効成分として含有する糖尿病性網膜症診断用の組成物を提供する。
【0020】
本発明の糖尿病性網膜症診断用の組成物において、上記抗体は、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体であり、モノクローナル抗体が望ましい。
【0021】
本発明において、上記ポリクローナル抗体は、当業者に公知の従来方法に従い、免疫源であるバイオマーカータンパク質又はその免疫原性断片を外部の宿主に注射することによって調製することができる。外部の宿主は、マウス、ラット,ヤギ、ウサギのような哺乳類を含む。免疫源は、筋内、腹腔内又は皮下注射の方法で注射され、一般的に抗原性を増加させるための補助剤(adjuvant)と共に投与される。外部宿主から定期的に血液を採取し、向上した力価及び抗原に対する特異性が見られる血清を回収するか又はこれらから抗体を分離及び精製する。
【0022】
本発明において、上記モノクローナル抗体は、当業者に公知の従来方法によるハイブリドーマ生成技術(Koeher and Milstein(1975) Nature, 256:495)によって調製することができる。
【0023】
又、本発明の他の様態によると、本発明は、上記タンパク質又はその免疫原性断片に特異的な抗体を有効成分として含有する、糖尿病性網膜症の診断キットを提供する。
【0024】
上記の構成によると、本発明の診断キットは当業者に公知の調製方法によって調製され、典型的に、凍結乾燥形態の抗体とバッファ、安定化剤、不活性タンパク質等を含んでいる。上記抗体は、放射種(radionuclides)、蛍光源(fluorescors)、酵素(enzymes)等によって標識化することができる。
【0025】
より具体的に、本発明の診断キットは、1)前記タンパク質又はその免疫原性の断片に特異的な抗体、2)基質との反応によって発色する標識体が接合されている2次抗体の接合体、3)前記標識体と発色反応する発色基質の溶液、4)各反応ステップに用いる洗浄液、及び5)酵素反応の停止溶液を含んでいる。
【0026】
上記診断キットは、抗原-抗体の結合反応を介して上記タンパク質を定量分析又は定性分析することによって糖尿病性網膜症を診断することができ、上記抗原-抗体の結合反応は、当分野において公知の免疫学的方法、望ましくは酵素免疫吸着分析法(enzyme linked immunosorbent assay;ELISA)、放射線免疫測定法(radioimmunoassay; RIA)、サンドウィッチ免疫測定法(sandwich ELISA)、ポリアクリルアミドのゲル状のウエスタンブロット、免疫ドットブロット分析法(Immuno dot blotting assay)、免疫蛍光測定法(Immunofluorence Assay, IFA)、免疫発光測定法(Immunochemiluminescence Assay)、免疫組織化学染色法、又は免疫クロマトグラフィー測定法(Immunochromatograghy Rapid)等の方法によって測定することができる。例えば、上記抗体を表面にコートした96ウェルマイクロタイタープレート等を用いてELISAを行うように上記の診断キットを提供することができる。
【0027】
上記二次抗体の標識体は、発色反応をする通常の発色剤が望ましく、HRP(horseradish peroxidase)、塩基性脱リン酸化酵素(alkaline phosphatase)、コロイドゴールド(coloid gold)、FITC(poly L-lysine-fluoresceinisothiocyanate)、RITC(rhodamine-B-isothiocyanate)等の蛍光物質(fluorescein)及び色素(dye)等の標識体を使用することができる。本発明では、例えば抗-ウサギのIgG-HRP接合体(anti-rabbit IgG-HRP conjugate)を用いる。
【0028】
上記発色を誘導する基質は、発色反応をする標識体に応じて使用するのが好ましく、TMB(3,3`,5,5`-tetramethyl bezidine), ABTS[2,2`-azino-bis (3-ethylbenzothiazoline-6-sulfonic acid)], OPD(ophenylenediamine)等を用いることができる。この際、発色剤の基質は緩衝溶液(0.1M NaAc, pH 5.5)に溶解している状態で提供されるのがより好ましい。TMBのような発色基質は、二次抗体接合体の標識体として使用されたHRPによって分解され発色浸漬体を生成し、その発色浸漬体の浸漬度を肉眼で確認することによって、試料内の上記タンパク質の濃度を測定する。
【0029】
上記洗浄液は、リン酸塩緩衝溶液、NaCl及びツイン20を含んでいるのが好ましく、0.02Mのリン酸塩緩衝溶液(phosphate buffer)、0.13MのNaCl、及び0.05%のツイン20(Tween 20)により構成された緩衝溶液がより好ましい。洗浄液は、抗原-抗体結合反応後の抗原-抗体結合体に二次抗体を反応させ、次に適量を反応器に加えて3回乃至6回洗浄する。ブロッキング溶液は0.1%のBSAを含有する緩衝溶液が、反応停止溶液は2Nの硫酸溶液が好ましい。
【0030】
又、本発明の他の様態によると、本発明は、糖尿病患者の涙よりも糖尿病性網膜症患者の涙の方が減少する、エンベロープタンパク質、SAP1、リポカリン1-ライク1、リポカリン((hCG201503), LCN-1)、サイトケラチン4、S100カルシウム結合タンパク質A8、リポカリン1の前駆体、ケラチン31、熱ショックタンパク質(Hsp27)、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼアイソフォーム、リン酸化ヒスチジン リン酸加水分解酵素、ベータグロビン、リゾチーム前駆体、S100カルシウム結合タンパク質A9、クリスタル構造のカルプロテクチン、及びS100カルシウム結合タンパク質A4よりなる群から選ばれたタンパク質又はその免疫原性断片を有効成分として含有する、糖尿病性網膜症の治療及び予防用の組成物を提供する。
【0031】
本発明の糖尿病性網膜症の治療及び予防用の組成物は、眼薬組成物等の形態で患者の目に投与することによって、糖尿病性網膜症を予防及び治療することができる。
【0032】
本発明において眼薬組成物は、医薬分野で公知の方法によって、薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤等と混合し、点眼用液剤の剤形で調製することができる。これらは、目に直接点滴して投与することができる。
【0033】
本発明における眼薬組成物の投与量は、患者の年齢、性別、状態、疾病の症状に応じて適切に選択することができ、好ましくは成人を基準として1日0.1-0.5mgのタンパク質を眼薬の形態で投与することができる。
【0034】
又、本発明の他の様態によると、本発明は、被験者の涙液から、DJ-1タンパク質、ベータ2-マイクログロブリン、エンベロープタンパク質、SAP1、リポカリン1-ライク1、リポカリン((hCG201503),LCN-1)、サイトケラチン4、S100カルシウム結合タンパク質A8、リポカリン1の前駆体、ケラチン31、熱ショックタンパク質(Hsp27)、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼアイソフォーム、リン酸化ヒスチジンリン酸加水分解酵素、ベータグロビン、リゾチーム前駆体、S100カルシウム結合タンパク質A9、クリスタル構造のカルプロテクチン、及びS100カルシウム結合タンパク質A4よりなる群から選ばれたタンパク質又はその免疫原性断片の発現程度を測定し、健常者のものと比較することを含む、糖尿病性網膜症の診断方法を提供する。
【0035】
具体的に、本発明の診断方法は、1)被験者及び健常者の涙液試料が各々コーティング又は結合されている反応器に、上記記タンパク質又はその免疫原性断片に特異的な抗体を加えて反応させるステップと、2)上記反応を介して生成された抗原−抗体の反応物を、2次抗体-標識体の接合体(conjugate)及び標識体の発色基質溶液を用いて検出するステップと、及び3)被験者と健常者とに対する検出結果を比較するステップとを含む、糖尿病性網膜症の診断方法を提供する。
【0036】
上記反応器には、ニトロセルロース膜、ポリビニル(Polyvinyl)樹脂で合成された96ウェルプレート(96 well plate)、ポリスチレン(Polystyrene)樹脂で合成された96ウェルプレート及びガラスよりなるスライドグラス等を用いることができる。
【0037】
被験者の涙液に、上記で述べたタンパク質の内DJ-1タンパク質、ベータ2-マイクログロブリン又はこれらの免疫原性断片の量が、糖尿病患者の涙液よりも100%以上、好ましくは200%以上、より好ましくは300%以上多い場合や、上記で述べたタンパク質の残りのタンパク質又はこれらの免疫原性断片の量が、糖尿病患者の涙液よりも30%以上、好ましくは50%以上減少した場合、糖尿病性網膜症と診断することができる。
【0038】
又、本発明の他の様態によると、本発明は、DJ-1タンパク質、ベータ2-マイクログロブリン、エンベロープタンパク質、SAP1、リポカリン1-ライク1、リポカリン((hCG201503),LCN-1)、サイトケラチン4、S100カルシウム結合タンパク質A8、リポカリン1の前駆体、ケラチン31、熱ショックタンパク質(Hsp27)、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼアイソフォーム、リン酸化ヒスチジンリン酸加水分解酵素、ベータグロビン、リゾチーム前駆体、S100カルシウム結合タンパク質A9、クリスタル構造のカルプロテクチン、及びS100カルシウム結合タンパク質A4よりなる群から選ばれたタンパク質又はその免疫原性断片を、それを必要とする対象の眼に投与することを含む、糖尿病性網膜症の治療又は予防方法を提供する。
【発明の効果】
【0039】
以上説明したように、本発明の結果によって得られる、糖尿病性網膜症において発現が増加した2個のタンパク質と、発現が減少した16個のタンパク質は、糖尿病性網膜症の早期診断のためのバイオマーカーとして用いることができる。本発明のバイオマーカータンパク質は、糖尿病性網膜症患者の涙液から測定することができる。
【0040】
又、本発明のバイオマーカータンパク質を基に調製された単一クローン抗体は、糖尿病性網膜症の早期診断のためのイムノアッセイキットに用いることができるばかりではなく、より高い特異性と敏感性を示す抗体の開発を通じた多様な糖尿病性網膜症の早期診断のための検出スペクトラムを持つタンパク質チップの開発にも用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0042】
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
【0043】
実施例1:二次元電気泳動を用いた涙液タンパク質の分析
ステップ1:試料の用意(Sample preparation)
韓国の中央大学病院から供給された、健常者14名、網膜症症状のない2型糖尿病患者(以下、糖尿病患者と記す) 10名、及び非増殖性の糖尿病網膜症症状がある2型糖尿病患者(以下、糖尿病性網膜症患者と記す)17名の涙液メニスカス(meniscus)から、ポリエステルの心棒(polyester wick)を用い涙液の試料(tear fluid)を得た。心棒を1.5mlチューブ内のマイクロピベットチップの端に置き、10,000rpmで5分間、遠心分離 (Union-55R centrifuge, ハニル科学、Korea)した。分離された涙液タンパク質をブラッドフォード法(Bradford method)により定量を行い、−70℃の冷凍庫に保管した。
【0044】
ステップ2:二次元電気泳動(Two-Dimensional Electrophoresis)
(2-1)一次元電気泳動(Isoelectrofocusing, IEF)
上記ステップ1で得た涙液タンパク質の試料60μgを用い、一次元電気泳動を実施した。試料の総体積が450μLとなるように再水和緩衝液(8Mウレア, 2%CHAPS, 13mM DTT, 1%IPG緩衝液, ブロモフェノールブルー(Bromophenol Blue:BPB))を混合し、一次元電気泳動を行うことのできる2cm ストリップホルダ(strip holder)に加えた後、pH 4-7範囲のドライストリップ(Drystrip(Amerahsm Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden))をストリップホルダ(strip holder)に装着した。ストリップ(Strip)を電流無しで五時間、80Vの電流で五時間再水和した後、IPGphore IEF system(Amerahsm Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)を用い、総100,000Vhrで一次元電気泳動を行った。
【0045】
(2-2)二次元電気泳動
二次元電気泳動(Sodium Dodecyl Sulfate Polyacrylamide Gel Electrophoresis, SDS-PAGE)を実施するため、(2-1)で一次元電気泳動が終了したストリップをキャップチューブに加え、一次平衡化溶液(6M ウレア, 50 mM Tris-Cl(pH8.8), 20% グリセロール, 2% SDS, 1% DTT)10mlを加えて15分間反応させた後、溶液を除去した。次いで、二次平衡化溶液(6M ウレア, 50 mM Tris-Cl(pH8.8), 30% グリセロール, 2% SDS, 1.5% IAA)10mlを加えて10分間再反応させた。11〜16%のポリアクリルアミドゲル(グラジエントゲル, 25×30cm)上に、反応終了後のストリップを装着し、0.5%のアガロースでシーリングをした。2次元電気泳動は、Ettan Dalt(Amerahsm Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)に電気泳動緩衝液(24 mM Tris, 192 mM グリシン, 0.1% SDS)を加えて70Vで1時間、140Vで2時間、及び320Vで5時間の条件で電気泳動を実施した。
【0046】
(2-3)染色
(2-2)で二次元電気泳動が終了したゲルを可視化するため、銀染色を行った。銀染色過程は、次のように行った。ゲルを、50% メタノール, 12% 酢酸及び0.05% ホルムアルデヒドよりなる溶液に入れ、2時間以上反応させて固定化(Fixation)し、50%のエタノールで20分間3回洗浄(Washing)した後、0.2%のチオ硫酸ナトリウム溶液で一分間反応させて敏感化(Sensitizing)させた。D.W.で洗浄(Washing)した後、0.1%の 硝酸銀, 0.075%のホルムアルデヒド(37%)溶液と20分間反応させて反応化(Improving)し、D.W.で更に洗浄(Washing)した後、予め冷やした6% 炭酸ナトリウム, 0.075% ホルムアルデヒド(37%)の溶液によって約7分間反応させて可視化(Developing)し、50% メタノール, 12% 酢酸の溶液で処理し、反応を停止させた。
【0047】
(2-4)イメージ分析(Image Analysis)
実験したゲルのイメージを分析するため、先ずイメージスキャナ(Amerahsm Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)でスキャンした。タンパク質の発現に差異が認められる点等を分析するため、二次元電気泳動分析専用プログラムであるイメージマスター2Dプラチナムバージョン6.0(Image Master 2D Platinum version 6.0(GE Healthcare, UK))によって分析を行った。
【0048】
健常者の涙液から発現するタンパク質、糖尿病患者の涙液から発現するタンパク質及び糖尿病性網膜症患者の涙液から発現するタンパク質の二次元電気泳動イメージの結果を図1a, 1b及び1cに示す。
【0049】
又、図1a, 1b及び1cに示すタンパク質のイメージを拡大して図2aに示し、上記タンパク質の相対的な強度を図2bに示す。上記の図面において、Healthyは健常者、No DMRは網膜症症状がない糖尿病患者、NPDRは非増殖性の糖尿病性網膜症症状がある糖尿病患者を意味する。
【0050】
その結果、図1a乃至図2bに示すように、健常者及び糖尿病患者よりも糖尿病性網膜症患者の涙液から新たに発現するか又は発現量が減少及び増加するタンパク質が認められた。具体的に、糖尿病性網膜症患者群を対象に電気泳動を行った結果、糖尿病患者からよりも発現が減少した18個のタンパク質(#10699, #10861, #11035, #11038, #11055, #11056, #11057, #11069, #11078, #10530, #10765, #11051, #10825, #10852, #10889, #10894, #10927及び#11058)と、増加した2個のタンパク質(#10688及び#11046)とを見つけることができた。(図1a, 1b, 1c及び図2a, 図2b参照)。発現が減少した18個のタンパク質は、健常者(Healthy)及び糖尿病患者(No DMR)の群よりも、糖尿病患者群のタンパク質から約50%以上減少し、増加した2個のタンパク質は約300%以上増加した。
【0051】
又、糖尿病から糖尿病性網膜症へと進行する際、発現が減少及び増加したタンパク質スポットのおおよその分子量及び等電点pIを下記の[表1]に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
実施例2:質量分析器を用いたタンパク質の同定(ESI-Q-TOF/MS/MS Analysis)
上記実施例1においてイメージ分析プログラムで見つけ出したタンパク質を同定するため、2次元電気泳動終了後のゲルからスポット(spot)を切り出した。先ず、銀を無くすため、30 mM フェリシアン化カリウムと100mM チオ硫酸ナトリウム溶液とが1:1で混合された脱染色溶液100μLをゲル片に五分間処理した。この後400μLの水で3回洗浄した。再び200mM 炭酸水素アンモニウムと10分間反応させた後、水で洗浄した。アセトニトリルを加えてゲルが白くなるするまで脱水した。このゲルを真空遠心分離機(Speed vacuum centrifuge)に入れ、完全に乾燥させた。乾燥したゲル片を、0.2μgのトリプシン(promega)が入っている50mMの炭酸水素アンモニウム 20μLで、氷の上で45分間再水和(hydration)させた。溶液を除去し、50mMの炭酸水素アンモニウムを30μL加えた後、37℃で夜通し反応させた。C18 ナノカラム(homemade)を用い、得られたペプチド溶液の塩分を除去した。
【0054】
注文制作したクロマトグラフィカラムを、質量分析より前に、ペプチドを塩分除去して濃縮するために使用した。多孔質リバースR2材料(Porous reverse R2 material(20-30 umbead size, PerSeptive Biosystems)) 100-300nLで構成されたカラムを、堅く締められたGEローディングチップ(GELoader tip(Eppendorp, hamburg, Germany))に詰めた。10mL シリンジを用い、空気圧でカラムを介して物質を通過させた。ペプチド溶液30μLを希釈してカラムにローディングした後、ギ酸溶液20μで洗浄した。MS/MS分析のため、ペプチドを50% メタノール/49% 水/1% ギ酸を用い、ホウケイ酸ナノエレクトロスプレーニードル(borosilicate nanoelectrospray needle(Micromass, Manchester, UK))で溶出させた。
【0055】
ペプチドのMS/MS分析は、Q−TOF2マス分光計(Q-TOF2 mass spectrometer(Micromass, Manchester, UK))上でナノ-ESIにて行った。ソース(source)温度は80℃である。安定した流速(10-3- nL/min)を生成するため、0-5 psiの窒素背圧(nitrogen back-pressure)と共に1kVの電圧をイオンソース(ion source)にあるホウケイ酸ナノエレクトロスプレーニードル(borosilicate nanoelectrospray needle(Micromass, Manchester, UK))に適用した。角(cone)電流は40Vにした。四極子型質量分析計(Quadrupole analyser)は、六極子衝突セル(hexapole collision cell)において断片化(fragmentation)するため、前駆イオン(precursor ion)を選択するのに使用された。衝突ガス(collision gas)は6-7×10−5mbarのアルゴン(Ar)で、衝突エネルギー(collision energy)は20-30Vである。生成イオンを反射器(reflector)と、マイクロチャンネルプレート検出器(micro channel plate detector)、並びにタイム−デジタル変換器に合わせられるTOF分析気を用いて分析した。得られた資料をMass Lynx Windows NT PC systemを用いて分析した。
【0056】
タンパク質を同定するため、全てのMS/MSスペクトラムをMASCOT search program(
1232078647187_0
)を用い、NCBInrデータベース(http://222.ncbi.nlm.nih.gov/)でタンパク質配列を調べた。
【0057】
下記の[表2]及び[表3]は各々糖尿病性網膜症患者から発現が増加及び減少したタンパク質の同定結果を示すものである。
【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
実施例3:ウエスタンブロッティング
(3-1)SDS-PAGE電気泳動
糖尿病及び糖尿病性網膜症患者の涙液タンパク質試料40-50μgを用い、12% SDS-PAGEを実施した。涙液タンパク質の試料にSDS-PAGE ローディング緩衝液(60 mM Tris-Cl, 2% SDS, 25% グリセロール, 14.4 mM 2-メルカプトエタノール, 0.1% ブロモフェノールブルー, pH 6.8)を混合し、ミニゲル(6×8cm)において分子量別(セパレーティングゲル上で120Vにする)に分離した。この時使用したランニング緩衝液の組成は、0.025 M Tris-Cl, 0.192 M グリシン, 1% SDS(pH8.3)である。
【0061】
(3-2)ブロッティング
SDS-PAGE終了後、ゲルのタンパク質をセミドライ形態のトランスファーキット(Bio-rad)を用い、ニトロセルロース膜に移し、50mAで1時間30分間ブロッティングを実施した。
【0062】
(3-3)抗体反応
糖尿病性網膜症患者の涙液から同定されたLCN-1(lipocalin(hCG201503); #11038), Hsp27(heat shock protein 27; #10530), B2M(beta-2-microglobulin; #11046)タンパク質を対象に抗体反応を実施した。ニトロセルロース(Nitro Cellulose) メンブレンを5% w/v 脱脂粉乳によって1時間ブロッキングさせた。LCN-1(1:1000), Hsp27(1:1000), B2M(1:500)のための一次抗体をブロッキング溶液と共に使用し、4時間乃至24時間反応させた。一次抗体として、ウサギから、公知のハイブリドーマ生成技術(Koeher and Milstein(1975) Nature, 256:495)によって調製されたモノクローナル抗体を使用した。TBS/T(0.1%, Tris-buffered saline-tween 20)で洗浄後、二次抗体によって室温で1時間反応させた。二次抗体は、HRPで標識されている抗-ラビット(Santa Cruz) 抗体を使用し、希釈濃度は1/10,000である。二次抗体反応後にTBS/Tで洗浄した後、ECL(Pierce Biotechnology, Inc., USA.)によって可視化した。
【0063】
上記LCN-1, Hsp27及びB2Mタンパク質をウエスタンブロットした結果を図3aに示し、
上記タンパク質の相対的強度を各々図3b, 3c 及び3dに示す(この時、独立スチューデント t-テストによる各群との有意差が、*はp<0.05; **はp<0.01; 及び***はp<0.001であることを示す)。その結果、網膜症の進行程度に応じて、LCN-1とHsp27タンパク質の量が有意的に減少し、B2Mの量が増加することがわかった。このような結果は、二次電気泳動の結果と一致した。これらから、涙液のLCN-1, Hsp27及びB2Mは、網膜症の早期診断バイオマーカー及び糖尿病性網膜症の治療及び予防用組成物として極めて有用であると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、糖尿病性網膜症の早期診断バイオマーカー及び糖尿病性網膜症の治療及び予防用の組成物として極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1a】健常者の涙液から発現するタンパク質を示す2次元電気泳動のイメージ図である。
【図1b】糖尿病患者の涙液から減少及び増加するタンパク質を示す2次元電気泳動のイメージ図である。
【図1c】糖尿病性網膜症患者の涙液から減少及び増加するタンパク質を示す2次元電気泳動のイメージ図である。
【図2a】図1a, 1b及び1cで示したタンパク質を拡大したイメージ図であり、Healthyは健常者、No DMRは網膜症症状がない糖尿病患者、NPDRは非増殖性の糖尿病性網膜症症状がある糖尿病患者を示している。
【図2b】図1a, 1b及び1cのタンパク質の相対的な強度を示した結果図である。
【図3a】糖尿病性網膜症患者の涙液から同定されたLCN-1, Hsp27及びB2Mのタンパク質が確認されたウエスタンブロット法による結果図である。
【図3b】LCN-1, Hsp27及びB2Mタンパク質の相対的強度を示す結果図である。
【図3c】LCN-1, Hsp27及びB2Mタンパク質の相対的強度を示す結果図である。
【図3d】LCN-1, Hsp27及びB2Mタンパク質の相対的強度を示す結果図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記タンパク質よりなる群から選ばれたタンパク質又はその免疫原性断片の糖尿病性網膜症診断用バイオマーカーとしての用途:
配列番号1及び2のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、24-26 kDaの分子量及び5.83-6.83のpIを有するDJ-1タンパク質(DJ-1 protein)、
配列番号3及び4のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、15-17 kDaの分子量及び5.27-6.27のpIを有するベータ2-マイクログロブリン(beta 2-microglobulin, B2M)、
配列番号5及び6のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するエンベロープタンパク質(envelope protein)、
配列番号7のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び4.24-5.24のpIを有するタンパク質SAP1(protein SAP1)、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-23 kDaの分子量及び4.13-5.43のpIを有するリポカリン1-ライク1(lipocalin 1-like 1)、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.3-5.3のpIを有するリポカリン(lipocalin(hCG201503), LCN-1)、
配列番号9, 10, 11, 12, 13及び14のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.64-5.64のpIを有するサイトケラチン4(cytokeratin4)、
配列番号15のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び6.01-7.01のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A8(S100 calcium-binding protein A8)、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び4.89-5.89のpIを有するリポカリン1の前駆体(lipocalin 1 precursor)、
配列番号16及び17のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び4.34-5.34のpIを有するケラチン31(keratin 31)、
配列番号18, 19及び20のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、30-32 kDaの分子量及び7.53-8.53のpIを有する熱ショックタンパク質(heart shock protein 27, Hsp27)、
配列番号21のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び5.28-6.28のpIを有するアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼアイソフォーム(adenine phosphoribosyltransferase isoform)、
配列番号22のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-22 kDaの分子量及び4.70-5.80のpIを有するリン酸化ヒスチジンリン酸加水分解酵素(phosphohistidine phosphatase)、
配列番号23, 24及び25のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-21 kDaの分子量及び5.96-6.96のpIを有するベータグロビン(beta globin)、
配列番号26及び27のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-20 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するリゾチーム前駆体(Lysozyme precursor)、
配列番号28, 29及び30のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、14-16 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A9(S100 calcium-binding protein A9)、
配列番号31のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、13-15 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するクリスタル構造のカルプロテクチン(Crystal Structure Of Human Calprotectin)、及び
配列番号32のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、11-13 kDaの分子量及び6.28-7.28のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A4(S100 calcium-binding protein A4)。
【請求項2】
請求項1に記載の用途において、
前記タンパク質が、糖尿病患者の涙液よりも糖尿病性網膜症患者の涙液の方が発現が相対的に増加する、DJ-1タンパク質及びベータ2-マイクログロブリン(B2M)よりなる群から選ばれたタンパク質である、用途。
【請求項3】
請求項1に記載の用途において、
前記タンパク質が、糖尿病患者の涙液よりも糖尿病性網膜症患者の涙液の方が発現が相対的に減少する、エンベロープタンパク質、SAP1、リポカリン1-ライク1、リポカリン(hCG201503), LCN-1)、サイトケラチン4、S100カルシウム結合タンパク質A8、リポカリン1の前駆体、ケラチン31、熱ショックタンパク質(Hsp27)、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼアイソフォーム、リン酸化ヒスチジンリン酸加水分解酵素、ベータグロビン、リゾチーム前駆体、S100カルシウム結合タンパク質A9、クリスタル構造のカルプロテクチン、及びS100カルシウム結合タンパク質A4よりなる群から選ばれたタンパク質である、用途。
【請求項4】
下記タンパク質よりなる群から選ばれたタンパク質又はその免疫原性断片に特異的な抗体を有効成分として含んでいる、糖尿病性網膜症診断用の組成物:
配列番号1及び2のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、24-26 kDaの分子量及び5.83-6.83のpIを有するDJ-1タンパク質、
配列番号3及び4のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、15-17 kDaの分子量及び5.27-6.27のpIを有するベータ2-マイクログロブリン(B2M)、
配列番号5及び6のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するエンベロープタンパク質、
配列番号7のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び4.24-5.24のpIを有するタンパク質SAP1、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-23 kDaの分子量及び4.13-5.43のpIを有するリポカリン1-ライク1、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.3-5.3のpIを有するリポカリン(LCN-1)、
配列番号9, 10, 11, 12, 13及び14のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.64-5.64のpIを有するサイトケラチン4、
配列番号15のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び6.01-7.01のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A8、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び4.89-5.89のpIを有するリポカリン1の前駆体、
配列番号16及び17のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び4.34-5.34のpIを有するケラチン31、
配列番号18, 19及び20のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、30-32 kDaの分子量及び7.53-8.53のpIを有する熱ショックタンパク質(Hsp27)、
配列番号21のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び5.28-6.28のpIを有するアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼアイソフォーム、
配列番号22のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-22 kDaの分子量及び4.70-5.80のpIを有するリン酸化ヒスチジンリン酸加水分解酵素、
配列番号23, 24及び25のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-21 kDaの分子量及び5.96-6.96のpIを有するベータグロビン、
配列番号26及び27のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-20 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するリゾチーム前駆体、
配列番号28, 29及び30のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、14-16 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A9、
配列番号31のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、13-15 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するクリスタル構造のカルプロテクチン、及び
配列番号32のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、11-13 kDaの分子量及び6.28-7.28のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A4。
【請求項5】
請求項4に記載の糖尿病性網膜症診断用の組成物において、
前記抗体が、モノクローナル抗体であることを特徴とする、糖尿病性網膜症診断用の組成物。
【請求項6】
下記タンパク質よりなる群から選ばれたタンパク質又はその免疫原性断片に特異的な抗体を有効成分として含む、糖尿病性網膜症の診断キット:
配列番号1及び2のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、24-26 kDaの分子量及び5.83-6.83のpIを有するDJ-1タンパク質、
配列番号3及び4のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、15-17 kDaの分子量及び5.27-6.27のpIを有するベータ2-マイクログロブリン(B2M)、
配列番号5及び6のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するエンベロープタンパク質、
配列番号7のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び4.24-5.24のpIを有するタンパク質SAP1、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-23 kDaの分子量及び4.13-5.43のpIを有するリポカリン1-ライク1、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.3-5.3のpIを有するリポカリン(LCN-1)、
配列番号9, 10, 11, 12, 13及び14のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.64-5.64のpIを有するサイトケラチン4、
配列番号15のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び6.01-7.01のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A8、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び4.89-5.89のpIを有するリポカリン1の前駆体、
配列番号16及び17のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び4.34-5.34のpIを有するケラチン31、
配列番号18, 19及び20のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、30-32 kDaの分子量及び7.53-8.53のpIを有する熱ショックタンパク質(Hsp27)、
配列番号21のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び5.28-6.28のpIを有するアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼアイソフォーム、
配列番号22のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-22 kDaの分子量及び4.70-5.80のpIを有するリン酸化ヒスチジンリン酸加水分解酵素、
配列番号23, 24及び25のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-21 kDaの分子量及び5.96-6.96のpIを有するベータグロビン、
配列番号26及び27のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-20 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するリゾチーム前駆体、
配列番号28, 29及び30のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、14-16 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A9、
配列番号31のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、13-15 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するクリスタル構造のカルプロテクチン、及び
配列番号32のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、11-13 kDaの分子量及び6.28-7.28のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A4。
【請求項7】
請求項6に記載の診断キットにおいて、
1)前記タンパク質又はその免疫原性の断片に特異的な抗体、
2)基質との反応によって発色する標識体が接合されている2次抗体の接合体、
3)前記標識体と発色反応する発色基質の溶液、
4)各反応ステップに用いる洗浄液、及び
5)酵素反応の停止溶液を含むことを特徴とする、診断キット。
【請求項8】
糖尿病患者の涙液よりも糖尿病性網膜症患者の涙液の方が発現が減少する、下記タンパク質よりなる群から選ばれたタンパク質を有効成分として含む、糖尿病性網膜症の治療及び予防用の組成物:
配列番号5及び6のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するエンベロープタンパク質、
配列番号7のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び4.24-5.24のpIを有するタンパク質SAP1、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-23 kDaの分子量及び4.13-5.43のpIを有するリポカリン1-ライク1、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.3-5.3のpIを有するリポカリン(LCN-1)、
配列番号9, 10, 11, 12, 13及び14のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.64-5.64のpIを有するサイトケラチン4、
配列番号15のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び6.01-7.01のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A8、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び4.89-5.89のpIを有するリポカリン1の前駆体、
配列番号16及び17のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び4.34-5.34のpIを有するケラチン31、
配列番号18, 19及び20のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、30-32 kDaの分子量及び7.53-8.53のpIを有する熱ショックタンパク質(Hsp27)、
配列番号21のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び5.28-6.28のpIを有するアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼアイソフォーム、
配列番号22のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-22 kDaの分子量及び4.70-5.80のpIを有するリン酸化ヒスチジンリン酸加水分解酵素、
配列番号23, 24及び25のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-21 kDaの分子量及び5.96-6.96のpIを有するベータグロビン、
配列番号26及び27のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-20 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するリゾチーム前駆体、
配列番号28, 29及び30のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、14-16 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A9、
配列番号31のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、13-15 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するクリスタル構造のカルプロテクチン、及び
配列番号32のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、11-13 kDaの分子量及び6.28-7.28のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A4。
【請求項9】
被験者の涙液から、下記タンパク質よりなる群から選ばれたタンパク質又はその免疫原性断片の発現程度を測定し、健常者のものと比較することを含む、糖尿病性網膜症の診断方法:
配列番号1及び2のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、24-26 kDaの分子量及び5.83-6.83のpIを有するDJ-1タンパク質、
配列番号3及び4のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、15-17 kDaの分子量及び5.27-6.27のpIを有するベータ2-マイクログロブリン、
配列番号5及び6のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するエンベロープタンパク質、
配列番号7のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び4.24-5.24のpIを有するタンパク質SAP1、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-23 kDaの分子量及び4.13-5.43のpIを有するリポカリン1-ライク1、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.3-5.3のpIを有するリポカリン(LCN-1)、
配列番号9, 10, 11, 12, 13及び14のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.64-5.64のpIを有するサイトケラチン4、
配列番号15のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び6.01-7.01のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A8、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び4.89-5.89のpIを有するリポカリン1の前駆体、
配列番号16及び17のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び4.34-5.34のpIを有するケラチン31、
配列番号18, 19及び20のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、30-32 kDaの分子量及び7.53-8.53のpIを有する熱ショックタンパク質(Hsp27)、
配列番号21のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び5.28-6.28のpIを有するアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼアイソフォーム、
配列番号22のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-22 kDaの分子量及び4.70-5.80のpIを有するリン酸化ヒスチジンリン酸加水分解酵素、
配列番号23, 24及び25のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-21 kDaの分子量及び5.96-6.96のpIを有するベータグロビン、
配列番号26及び27のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-20 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するリゾチーム前駆体、
配列番号28, 29及び30のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、14-16 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A9、
配列番号31のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、13-15 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するクリスタル構造のカルプロテクチン、及び
配列番号32のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、11-13 kDaの分子量及び6.28-7.28のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A4。
【請求項10】
請求項9に記載の糖尿病性網膜症の診断方法において、
前記糖尿病性網膜症の診断方法が、
1)被験者及び健常者の涙液の試料が各々コーティング又は結合されている反応器に、前記タンパク質又はその免疫原性断片に特異的な抗体を加えて反応させるステップ、
2)前記反応を介して生成された抗原−抗体の反応物を、2次抗体-標識体の接合体(conjugate)及び標識体の発色基質溶液を用いて検出するステップ、及び
3)被験者と健常者とに対する検出結果を比較するステップを含むことを特徴とする、糖尿病性網膜症の診断方法。
【請求項11】
下記タンパク質よりなる群から選ばれたタンパク質又はその免疫原性の断片を、それを必要とする対象の目に投与することを含む、糖尿病性網膜症の治療又は予防方法:
配列番号1及び2のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、24-26 kDaの分子量及び5.83-6.83のpIを有するDJ-1タンパク質、
配列番号3及び4のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、15-17 kDaの分子量及び5.27-6.27のpIを有するベータ2-マイクログロブリン、
配列番号5及び6のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するエンベロープタンパク質、
配列番号7のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び4.24-5.24のpIを有するタンパク質SAP1、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-23 kDaの分子量及び4.13-5.43のpIを有するリポカリン1-ライク1、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.3-5.3のpIを有するリポカリン(LCN-1)、
配列番号9, 10, 11, 12, 13及び14のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、20-22 kDaの分子量及び4.64-5.64のpIを有するサイトケラチン4、
配列番号15のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び6.01-7.01のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A8、
配列番号8のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、21-23 kDaの分子量及び4.89-5.89のpIを有するリポカリン1の前駆体、
配列番号16及び17のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、27-29 kDaの分子量及び4.34-5.34のpIを有するケラチン31、
配列番号18, 19及び20のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、30-32 kDaの分子量及び7.53-8.53のpIを有する熱ショックタンパク質(Hsp27)、
配列番号21のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-21 kDaの分子量及び5.28-6.28のpIを有するアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼアイソフォーム、
配列番号22のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、19-22 kDaの分子量及び4.70-5.80のpIを有するリン酸化ヒスチジンリン酸加水分解酵素、
配列番号23, 24及び25のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-21 kDaの分子量及び5.96-6.96のpIを有するベータグロビン、
配列番号26及び27のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、18-20 kDaの分子量及び6.5-7.5のpIを有するリゾチーム前駆体、
配列番号28, 29及び30のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、14-16 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A9、
配列番号31のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、13-15 kDaの分子量及び5.21-6.21のpIを有するクリスタル構造のカルプロテクチン、及び
配列番号32のトリプシン分解されているペプチド配列を含み、11-13 kDaの分子量及び6.28-7.28のpIを有するS100カルシウム結合タンパク質A4。

【図2b】
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【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【公開番号】特開2009−168819(P2009−168819A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8028(P2009−8028)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(509017561)コリア ユニバーシティ リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション (1)
【Fターム(参考)】