説明

糞尿有効利用システムおよび事業系生鮮品の有効利用システム

【課題】環境汚染を引き起こすことなく、糞尿等の被処理物を効率良く利用して発酵処理および堆肥化処理する。
【解決手段】畜舎10から生じる糞尿や事業系から生じる生鮮品等の被処理物を有効利用すると共に、その被処理物のうち液類を必要に応じて浄化処理するために、前記の被処理物のうち低含水固形類を貯留する撹拌貯留槽11と、低含水固形類を搾汁する搾汁機14と、搾汁液を発酵させ可燃性ガスを発生させる発酵槽16と、可燃性ガスを用いて駆動する発電機19と、前記被処理物のうち液類を貯留し前記低含水固形類を希釈することが可能な液類貯留槽12と、分離固形物,液類,消化液の堆肥化が可能な堆肥化施設13と、液類を浄化処理することが可能な浄化処理施設20と、により有効利用システムを構成する。前記浄化処理施設での余剰汚泥は濃縮槽21で濃縮し、その濃縮汚泥を撹拌貯留槽11に移送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畜舎から生じる糞尿等,事業系の野菜等の生鮮品を有効利用する糞尿有効利用システムおよび事業系生鮮品の有効利用システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境保全の目的で、家畜(畜舎)から生じる糞尿等(廃棄物や廃液;以下被処理物と称する)において家畜排泄物法が制定され、その被処理物に関する処理方法が種々検討されている。一般的な被処理物の処理方法としては、例えば糞尿等を堆肥化(コンポスト化)して肥料にしたり、発酵させて電力用の可燃性ガス(メタンガス等)を発生させる発酵方式の処理システムが適用されている。
【0003】
前記のように被処理物から肥料や可燃性ガスを得る方法の一例として、該被処理物を予め分離して処理、例えば糞等の比較的含水率の低い固形類(尿等と比較して水分の少ない固形類;以下、低含水固形類と称する)と、尿等の比較的水分の多い液類と、に分離して処理する形態が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
前記の液類は、液類貯留槽に貯留した後、堆肥化施設にて所定の好気腐熟処理を経て堆肥化(スラリー化)することにより堆肥(液肥)が得られる。また、前記の低含水固形類は、撹拌貯留槽にて撹拌した後、搾汁機にて固形物(発酵に寄与しない夾雑物を含む)と搾汁液とに分離される。なお、前記の撹拌貯留槽での低含水固形類は、流動性(システム内における固形類の流動性)を考慮し、必要に応じて前記液類貯留槽の液類で希釈する。
【0005】
前記の分離された固形物(以下、分離固形物と称する)は、前記の堆肥化施設にて堆肥化(コンポスト化)することにより堆肥を得たり、または炭化炉にて炭化処理することにより土壌改良材や活性炭が得られる。前記の搾汁液においては、通性嫌気性菌と絶対嫌気性菌(メタン菌)とが共存状態にある発酵槽(メタン発酵槽)内に貯留され、その発酵槽内を所定温度(発酵に最適な温度)に保つことにより、可燃性ガス(メタンガス)が発生する。
【0006】
前記の可燃性ガスを内燃機関やガスタービンエンジン等の原動機(図示省略)の燃料として用い、その原動機に連結された発電機を駆動することにより、温水,電力,温風(排気ガス)を得ることができる。また、前記の発酵槽内に残留する消化液(および残渣)は、臭気が低く窒素,リン,カリウム等の肥料成分(非常に高いBOD,SS)が含まれているため、前記の堆肥化施設に供給することにより堆肥化される。
【特許文献1】特開2001−29430号公報(段落[0032],[0033],図3等)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記のような処理システムでは、例えば畜舎からの液類が予想以上に多く発生(例えば、畜舎の状況(家畜の状況等)の変化により多く発生)した場合、その液類が液類貯留槽の許容量(あるいは、撹拌貯留槽に対する供給量や堆肥化施設で処理できる量)を超えてしまうため、例えば該処理システム内に放置されて環境汚染を引き起こす可能性があった。
【0008】
本発明は、前記課題に基づいてなされたものであり、環境汚染を引き起こすことなく、糞尿等の被処理物を効率良く利用して発酵処理および堆肥化処理することができる糞尿有効利用システムおよび事業系生鮮品の有効利用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題の解決を図るために、請求項1記載の発明は、糞尿有効利用システムに関するものであり、畜舎から生じる被処理物(例えば、糞尿等)のうち低含水固形類(例えば、糞等の廃棄物)を貯留する撹拌貯留槽と、前記の低含水固形類を搾汁液と固形物とに分離する搾汁機と、前記の搾汁液を発酵させ可燃性ガスを得る発酵槽と、前記の可燃性ガスを燃料とする原動機により駆動する発電機と、前記の被処理物のうち液類(例えば、尿等の廃液)を貯留し前記低含水固形類を希釈(液類を撹拌貯留槽に供給して希釈)することが可能な液類貯留槽と、前記の分離固形物,発酵槽で生じる消化液,液類を堆肥化することが可能な堆肥化施設と、前記の液類を浄化処理することが可能な浄化処理施設と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の発明において、浄化処理施設の余剰汚泥を濃縮する濃縮槽を備え、その濃縮槽で濃縮された余剰汚泥(後述の濃縮汚泥)を前記撹拌貯留槽に移送し、前記の濃縮槽の上澄み液を浄化処理施設で浄化処理することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記請求項1または2記載の発明において、発電機の駆動により電力,温水を得、その電力により有効利用システムを動作させ、前記温水を前記発酵槽に循環または供給することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記請求項1〜3の何れか記載の発明において、発電機を駆動する際に発生する排気ガスを前記堆肥化に利用したことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、前記請求項1〜4の何れかに記載の発明において、発電機は、マイクロガスタービン発電機であることを特徴とする。
【0014】
請求項6〜10記載の発明は、事業系生鮮品の有効利用システムに関するものであり、それぞれ請求項1〜5記載の発明と同様の構成を備え、被処理物が事業系から排出される生鮮品であることを特徴とする。
【0015】
本発明のように、撹拌貯留槽,搾汁機,発酵槽,発電機,液類貯留槽,堆肥化施設,浄化処理施設を備えた構成により、畜舎から生じる糞尿や事業系から生じる生鮮品等の被処理物を有効利用することができると共に、その被処理物のうち液類を必要に応じて浄化処理することができる。また、濃縮槽を構成したことにより、消化処理施設で生じる返送汚泥を減少できると共に、余剰汚泥を容易に有効利用できる。
【発明の効果】
【0016】
以上示したように本発明によれば、以上示したとおり本発明によれば、悪臭や排水等の環境汚染を引き起こすことなく、畜舎から生じる糞尿や事業系から生じる生鮮品等の被処理物を効率良く利用して発酵処理および堆肥化処理することができ、その処理システムの小型化,簡略化,低コスト化を図ることもできる。
【0017】
ゆえに、将来的な自然環境の保全を図ることができ、クリーンで無限のエネルギーを発生させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態における糞尿有効利用システムおよび事業系生鮮品の有効利用システムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
本実施の形態では、畜舎の状況(家畜の状況等)の変化に対応し、環境汚染を引き起こすことなく糞尿等の被処理物を効率良く利用して発酵処理および堆肥化処理するシステムであり、単に前記の液類の全てを希釈水として用いたり堆肥化施設に供給して液肥にするのではなく、例えば活性汚泥法等に準拠した浄化処理施設により浄化処理するものである。
【0020】
[実施例]
図1は、本実施の形態における糞尿有効利用システムおよび事業系生鮮品の有効利用システムの一例を示す概略説明図である。図1において、畜舎10から生じた糞等の廃棄物を含んだ低含水固形類は、図示しない配管,タイヤローダ等の搬送手段により撹拌貯留槽11に供給する。畜舎10から生じた尿(および汚水)等の廃液を含んだ液類は液類貯留槽12に貯留する。
【0021】
前記の液類貯留槽12に貯留された液類の一部においては、必要に応じて、水中ポンプ等を介して撹拌貯留槽11に供給し、前記の低含水固形類用の希釈水として用いる。また、残りの液類においては、水中ポンプ等を介して堆肥化施設13に供給し、所定の好気腐熟処理を経てスラリー化することにより、堆肥(液肥)が得られる。
【0022】
前記のように、畜舎10から生じた液類(尿や汚水)の一部を希釈水として用いることにより、水道水や井戸水を用いることなく糞等の低含水固形類を希釈して流動性(システム内における固形類の流動性)を付与することができ、撹拌貯留槽11での低含水固形類の撹拌が容易になる。
【0023】
前記の撹拌貯留槽11にて希釈された低含水固形類(希釈水として用いた液類を含む)は、搾汁機(固液分離機)14に供給され、分離固形物(発酵に寄与しない夾雑物を含む)と搾汁液とに分離される。その分離固形物は、前記の堆肥化施設13に供給してコンポスト化処理することにより堆肥が得られる、または炭化炉15に供給し炭化処理することにより土壌改良材や活性炭が得られる。
【0024】
前記の搾汁液においては、ポンプ,配管等を介して、通性嫌気性菌と絶対嫌気性菌(メタン菌)とが共存状態にある発酵槽(メタン発酵槽)16内に導入し、その発酵槽16内に温水等を循環させ温度を例えば36℃(発酵槽16内の通性嫌気性菌と絶対嫌気性菌とに応じた温度)に保ちながらメタン発酵処理(例えば、約20日間処理)する。
【0025】
これにより、搾汁液の有機物(高分子有機物;炭水化物,脂肪,タンパク質など)は、前記の通性嫌気性菌により低分子中間生成物(酸性の中間生成物;アルコール,酪酸,プロピオン酸など)に分解された後、前記の絶対嫌気性菌により可燃性ガス(メタンガス)に変換される。なお、前記の発酵槽16に温水を循環させる手段としては、例えば発酵槽16内にコイル状の配管(図示省略)を備え、その配管を加温装置として用いる。この加温装置の配管に温水を循環させることにより、発酵槽16内を所定温度に保つことができる。
【0026】
前記の発酵槽16内に対して、単に被処理物を導入するのではなく、搾汁液を導入することにより、その発酵槽16内でのスラッジの堆積、スカムの発生,ポンプや配管の閉塞を防止できる。また、前記の搾汁液は有機物濃度が高く流動性を有することから、希釈水を用いる必要がなく、発酵槽16の容積を比較的小さくすることができる。さらに、前記の発酵槽16に循環させる温水は少量で良い。
【0027】
前記の可燃性ガスは、水分除去し脱硫装置17により硫化水素(H2S)を除去してから、ガスホルダー18に貯蔵する。前記の発酵槽16内に残留した消化液においては、前記の堆肥化施設13に供給し堆肥化する。
【0028】
符号19は、例えば内燃機関やガスタービンエンジン等の原動機に連結された発電機(例えば、300kW以下のマイクロガスタービン発電機)を示すものであり、前記のガスホルダー17内のメタンガスを燃料として駆動(原動機で燃焼して発電機を駆動)させることにより温水や電力が得られる。前記の温水は、例えば発酵槽16内に備えられた加温装置(図示省略)に循環させる。前記の電力は、例えば処理システム全体における各設備(ポンプ等)の動力エネルギーとして利用できる。なお、発酵槽16の容積を比較的小さくでき、その発酵槽16に循環させる温水は少量にできることから、前記発電機19としては例えば30kW級のマイクロガスタービンでも十分であり、処理システムの小型化を図ることができる。
【0029】
前記発電機19を駆動させると高温(例えば、200〜300℃)の排気ガス(原動機による排気ガス)が生じる。この排気ガスを温風として前記の堆肥化施設13内(後述する調整槽25や撹拌発酵槽26)に供給することにより、加温装置や送風装置を用いることなく消化液に対して空気を供給すると共に、その消化液を加温し、水分を蒸発除去することができる。なお、前記の堆肥化施設13内に供給される排気ガスは、その排気ガス圧力を考慮し、必要に応じてブロア,コンプレッサを用いて供給する。
【0030】
前記の発酵槽16内に残留した消化液(および残渣)は、臭気が低く窒素,リン,カリウム等の肥料成分(非常に高いBOD,SS)が含まれているため、堆肥化施設13に供給し、所定の好気腐熟処理を経てスラリー化することにより液肥が得られる。
【0031】
符号20は、活性汚泥法等に準拠した浄化処理施設を示すものであり、例えば畜舎10からの液類が予想以上に多く発生(例えば、畜舎10の状況(家畜の状況等)の変化により多く発生)した場合において、前記の液類貯留槽12の液類を浄化処理するものであり、その浄化処理された液類は河川等の公共水域に放流される。
【0032】
符号21は濃縮槽を示すものであり、前記の浄化処理施設20による浄化処理の際に発生する余剰汚泥を所定時間貯留し、その余剰汚泥を濃縮(例えば、2〜5倍程度に重力濃縮)するものである。このように濃縮された汚泥(以下、濃縮汚泥と称する)においては、前記の撹拌貯留槽11に移送することにより低含水固形類と共に撹拌された後、搾汁機14にて分離固形物と搾汁液とに分離される。また、前記濃縮槽21における上澄み液においては、浄化処理施設20にて浄化処理され、河川等の公共水域に放流される。
【0033】
前記のように余剰汚泥を濃縮して得た濃縮汚泥を撹拌貯留槽に移送する構成により、浄化処理施設により発生し得る返送汚泥量を減少することができ、該浄化処理施設の小型化を図ることが可能となる。
【0034】
図2は、堆肥化施設13の一例を示す概略説明図である。なお、図1に示すものと同様なものには同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。図2において、符号13aは調整槽を示すものであり、その調整槽13aに対し発酵槽16からの消化液を投入し、発電機19の原動機からの排気ガスで強制曝気しながら滞留(例えば、4日間)することにより、前記消化液を好気的条件下(空気があり、その空気を好む好気性微生物が活動し易い条件下(酸化還元電位ORP;50〜100mV))に調整する。
【0035】
符号13bは撹拌装置(例えば、ロータリ撹拌装置)および床面散気管を備えた撹拌発酵槽を示すものであり、その撹拌発酵槽13bに対して搾汁機14からの分離固形物を投入し、その分離固形物における見かけ上の水分が60%となるように、水分調整材(例えば、籾殻)を用いて調整する。その後、撹拌発酵槽13bに対して前記の調整槽13a内の消化液を定量移送する。
【0036】
そして、前記の撹拌発酵槽13b内を撹拌して空気貫入を行うと共に、床面散気管を介し前記の排気ガスを曝気して、通性好気性微生物の生物化学作用による一次発酵(酸化・発酵)を進行させる。その一次発酵により、撹拌発酵槽13b内の温度は、立ち上がり時点で65〜75℃に上昇する。その後、微生物における高温菌から中温菌への変遷により撹拌発酵槽13b内の温度は室温程度(常温)に下降し、一次発酵が終了する。
【0037】
次に、前記の一次発酵を経た発酵物は、複数個(例えば、4個)の後熟槽13c〜13cのうち一つに搬送し、例えば1週間毎に他の後熟槽13cに順次移動させながら二次発酵(完全腐熟化)することにより、堆肥や腐熟堆肥が得られる。
【0038】
図3は、浄化処理施設20の一例を示す概略説明図である。なお、図1に示すものと同様なものには同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。図3において、符号20aは沈砂・汚水槽を示すものであり、液類貯留槽12から導入された液類中の例えば砂等を沈殿させるためのものである。このように砂等が沈殿された液類を曝気槽20bに導入し、空気等を用いて曝気処理する。この曝気処理後に沈殿分離して得た処理水は、消毒槽20cに導入して塩素等による消毒処理を行った後、河川等の公共水域に放流される。なお、前記の曝気槽20bにて生じた余剰汚泥は、図1に示したように濃縮槽21にて濃縮される。
【0039】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【0040】
例えば、所望の制御装置を用いて図1,図2の各設備(例えば、撹拌貯留槽,搾汁機,発酵槽,発電機,堆肥化施設,浄化処理施設,ポンプ,配管等)を動作させることにより、糞尿有効利用システムを自動的に運転することができる。堆肥化施設においては、単に排気ガスを用いて加温するだけでなく、例えば堆肥化施設をビニールハウスで覆い太陽光により加温しても良い。
【0041】
また、発電機(原動機)やガスホルダーが硫化水素の影響を受けるものでなければ、脱硫装置は用いなくても良く、有効利用システムをより小型化することができる。さらに、発酵槽から生じる消化液は、従来と同様に液肥として利用しても良い。さらにまた、発電機によって得られる温水は、本実施の形態では発酵槽(加温装置)に循環させたが、搾汁液の有機物濃度等に応じて、発酵槽内に直接供給しても良い。
【0042】
なお、本発明の有効利用システムにおける被処理物は、畜舎からの糞尿等の廃棄物や廃液に限らず、事業系から排出される野菜,残飯等の生鮮品の処理に適用した場合においても、本実施の形態に示した作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施の形態における糞尿有効利用システムの概略説明図。
【図2】本実施の形態における堆肥化施設の概略説明図。
【図3】本実施の形態における浄化処理施設の概略説明図。
【符号の説明】
【0044】
10…畜舎
11…撹拌貯留槽
12…液類貯留槽
13…堆肥化施設
13a…調整槽
13b…撹拌発酵槽
13c…後熟槽
14…搾汁機
15…炭化炉
16…発酵槽
17…脱硫装置
18…ガスホルダー
19…発電機
20…浄化処理施設
21…濃縮槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
畜舎から生じる被処理物のうち低含水固形類を貯留する撹拌貯留槽と、前記の低含水固形類を搾汁液と固形物とに分離する搾汁機と、前記の搾汁液を発酵させ可燃性ガスを得る発酵槽と、前記の可燃性ガスを燃料とする原動機により駆動する発電機と、前記の被処理物のうち液類を貯留し前記低含水固形類を希釈することが可能な液類貯留槽と、前記の分離固形物,発酵槽で生じる消化液,液類を堆肥化することが可能な堆肥化施設と、前記の液類を浄化処理することが可能な浄化処理施設と、を備えたことを特徴とする糞尿有効利用システム。
【請求項2】
前記の浄化処理施設の余剰汚泥を濃縮する濃縮槽を備え、その濃縮槽の濃縮汚泥を前記撹拌貯留槽に移送し、前記の濃縮槽の上澄み液を浄化処理施設で浄化処理することを特徴とする請求項1記載の糞尿有効利用システム。
【請求項3】
前記の発電機の駆動により電力,温水を得、その電力により有効利用システムを動作させ、前記温水を前記発酵槽に循環または供給することを特徴とする請求項1または2記載の糞尿有効利用システム。
【請求項4】
前記の発電機を駆動する際に発生する排気ガスを前記堆肥化に利用したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の糞尿有効利用システム。
【請求項5】
前記発電機は、マイクロガスタービン発電機であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の糞尿有効利用システム。
【請求項6】
事業系から排出される被処理物のうち低含水固形類を貯留する撹拌貯留槽と、前記の低含水固形類を搾汁液と固形物とに分離する搾汁機と、前記の搾汁液を発酵させ可燃性ガスを得る発酵槽と、前記の可燃性ガスを燃料とする原動機により駆動する発電機と、前記の被処理物のうち液類を貯留し前記低含水固形類を希釈することが可能な液類貯留槽と、前記の分離固形物,発酵槽で生じる消化液,液類を堆肥化することが可能な堆肥化施設と、前記の液類を浄化処理することが可能な浄化処理施設と、を備えたことを特徴とする事業系生鮮品の有効利用システム。
【請求項7】
前記の浄化処理施設の余剰汚泥を濃縮する濃縮槽を備え、前記の濃縮槽の濃縮汚泥を前記撹拌貯留槽に移送し、前記の濃縮槽の上澄み液を浄化処理施設で浄化処理することを特徴とする請求項6記載の事業系生鮮品の有効利用システム。糞尿有効利用システム。
【請求項8】
前記の発電機の駆動により電力,温水を得、その電力により有効利用システムを動作させ、前記温水を前記発酵槽に循環または供給することを特徴とする請求項6または7記載の事業系生鮮品の有効利用システム。
【請求項9】
前記の発電機を駆動する際に発生する排気ガスを前記堆肥化に利用したことを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の事業系生鮮品の有効利用システム。
【請求項10】
前記発電機は、マイクロガスタービン発電機であることを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の事業系生鮮品の有効利用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−305429(P2006−305429A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−128803(P2005−128803)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【Fターム(参考)】