説明

糸巻取ユニット

【課題】糸切れや糸切断が発生した後、糸端が正常な糸道以外の領域に通されることや、糸が接触ローラに巻き付くことを防止した糸巻取ユニットを提供する。
【解決手段】接触ローラ14の周面に近接する領域であって、かつトラバースガイド17から接触ローラ14とパッケージPの接触部Nに至る糸道以外の領域NTに配置され、糸切れ又は糸切断で生じた糸端YPや糸端YSの通過を阻止する規制部61、を備える。糸切れや糸切断が発生した際、規制部61が糸端YPや糸端YSの通過を阻止し、糸端が規制部61を超えて正常な糸道以外の領域NTに通されることが防止される。また、糸Yが接触ローラ14に巻き付くことが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸をパッケージとして巻き取る糸巻取ユニットの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パッケージを回転駆動して、糸をパッケージとして巻き取る巻取部と、パッケージに接触する接触ローラと、パッケージの駆動に対して独立して駆動され、パッケージに巻き取られる糸をトラバースするトラバースガイドと、を備えた糸巻取ユニットが知られている。巻取部と接触ローラとトラバースガイドの配置は、例えば図7Aに示すような配置である。接触ローラ14は、パッケージPの下部に接触している。接触ローラ14の下方はトラバースガイド17が往復動するための空間が空いている。糸Yが走行する糸道は、トラバースガイド17から、糸Yと接触ローラ14との接点を経て、接触ローラ14とパッケージPとの接触部に至る経路である。
【0003】
このような糸巻取ユニットにおいて、糸Yの巻き取り中に糸切れする場合や、糸欠点を発見してカッターで糸Yを切断する場合がある。尚、糸切れとは、糸Yのテンション変動により糸Yが切れることや、糸供給側の糸Yが無くなることである。糸巻取ユニットは、糸切れが発生したり、糸切断を行った場合は、所定の処理が完了した後にパッケージP側の糸端YPと糸供給側の糸端を捕捉して糸継ぎ作業を行う。パッケージP側の糸端YPは、サクションマウス27でパッケージPの表面を吸引することで捕捉される。
【0004】
図7Bに示すように、糸端YPを捕捉する場合、パッケージPは糸Yを巻き取る方向とは逆の方向に回転して糸Yを送り出す。このとき、図7Cに示すように、通常はパッケージP側の糸端YPは、パッケージPの表面に付着した状態で、接触ローラ14とパッケージPの接触部Nを通過する。図7C及び図7Dに示すように、サクションマウス27は、接触ローラ14とパッケージPの接触部Nを通過した糸端YPを吸引捕捉する。この後、パッケージP側の糸端YPと糸供給側の糸端の糸継ぎが完了すれば、正常な糸道で糸Yの巻き取りを再開できる。
【0005】
しかしながら、図8Aに示すように、パッケージPの表面から、糸端YPが離れる場合がある。パッケージPは糸Yを巻き取る方向とは逆の方向に回転して糸Yを送り出すため、図8Bに示すように、パッケージPの表面から、ある程度の長さの糸端YPが垂れ下がる状態となる。ここで図8Cに示すように、サクションマウス27がパッケージPに接近すると、接触ローラ14の下方の空間にサクションマウス27の吸引力が及ぶ。その結果、図8Dに示すように、糸端YPが接触ローラ14の下方から吸引されサクションマウス27に捕捉されることがある。この状態は、糸端YPが接触ローラ14とパッケージPの接触部Nを通過しておらず、糸端YPが正常な糸道上で吸引捕捉されていない状態である。尚、接触ローラ14の下方の空間にまでサクションマウス27の吸引力が及んで、糸端YPを吸引捕捉する原因として、従来の綾振り溝を備えた巻取ドラムと比較して接触ローラ14の径が細く、サクションマウス27の吸引力が妨げられにくいということも挙げられる。
【0006】
上記のように糸端YPが正常な糸道上で吸引捕捉されていない状態のままでも、パッケージP側の糸端YPと糸供給側の糸端との糸継ぎ作業が完了し、糸Yの巻き取りが再開される場合もある。しかしながら、糸道が正常ではないためトラバースガイド17に糸Yが掛からない等の異常が発生し、その段階で糸巻取ユニットは異常を検出して糸Yの巻き取りを停止する。このため、異常の検出までに長時間を要し、糸巻取ユニットの運転効率が低下する。
【0007】
まれに、トラバースガイド17に糸Yが掛からないまま糸Yの巻き取りが続行される場合もあるが、その場合にはいわゆる棒巻等の不良パッケージが形成される。このため、異常が検出されないまま不良パッケージの巻き取りを続けることになり、糸巻取ユニットの運転効率が低下する。
【0008】
一方、糸巻取ユニットにおいては、巻き取り中に糸Yのテンションが変動し、糸切れが発生する場合がある。糸切れは、接触ローラ14を備えた糸巻取ユニットの場合には、図9Aに示すように、パッケージPと接触ローラ14の接触部N付近で発生することが多い。通常は糸切れが発生すると、糸YがパッケージPに巻き取られなくなるため、糸走行方向の上流側に配置したヤーンクリアラが、糸Yの走行速度の低下等を検出して、糸巻取ユニットは糸Yの巻き取りを停止する。
【0009】
ところが、図9Bに示すように、切れた糸供給側の糸端YSが静電気等で接触ローラ14に付着し、糸端YSが接触ローラ14に巻き付いていく場合がある。通常はこの時点でヤーンクリアが糸Yの走行速度の低下等を検出して、糸巻取ユニットは糸Yの巻き取りを停止する。
【0010】
しかしながら、まれに正常時と変わらない速度で糸Yが接触ローラ14に巻き付いていくことがあり、ヤーンクリアラが異常を検出するまで時間が掛かる場合がある。この場合、図9Cに示すように、ヤーンクリアラが異常を検出して糸巻取ユニットが糸Yの巻き取りを停止するまでに、大量の糸Yが接触ローラ14に巻き付くことになる。その結果、接触ローラに巻き付いた糸層YLの除去作業に手数を要し、糸巻取ユニットの運転効率が低下する。
【0011】
尚、パッケージに接触する接触ローラではないが、綾振り溝を備えた巻取ドラムの後方に巻取ドラムに摺接するブラシを配置する技術が知られている。このブラシは、ドラムに付着する糸屑や風綿を除去し、糸切れ時に糸端が巻取ドラムに巻き付くことを防止するものである(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】実開平3−56766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものである。第1の目的は、糸切れや糸切断が発生した後、糸端が正常な糸道以外の領域に通されることを防止した糸巻取ユニットを提供することである。第2の目的は、糸切れが発生した場合に、糸が接触ローラに巻き付くことを防止した糸巻取ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0015】
即ち、第1の発明の糸巻取ユニットは、巻取部と、接触ローラと、トラバースガイドと、規制部と、を備える。巻取部は、パッケージを回転駆動して、糸をパッケージとして巻き取る。接触ローラは、パッケージに接触する。トラバースガイドは、パッケージの駆動に対して独立して駆動され、パッケージに巻き取られる糸をトラバースする。規制部は、接触ローラの周面に近接する領域であって、かつトラバースガイドから接触ローラとパッケージの接触部に至る糸道以外の領域に配置され、前記パッケージ側の糸端の通過を阻止する。
【0016】
第2の発明の糸巻取ユニットは、第1の発明であって、糸端捕捉部を更に備える。糸端捕捉部は、パッケージ側の糸端を吸引により捕捉する捕捉動作を行う。
【0017】
第3の発明の糸巻取ユニットは、第1又は第2のいずれかの発明であって、給糸部と、糸継装置と、を更に備える。給糸部は、パッケージに巻き取られる糸を供給する。糸継装置は、パッケージ側の糸端と給糸部側の糸端とを継ぐ糸継動作を行う。
【0018】
第4の発明の糸巻取ユニットは、第1から第3のいずれかの発明であって、巻取部は、パッケージを直接回転駆動する駆動部を備える。
【0019】
第5の発明の糸巻取ユニットは、第1から第4のいずれかの発明であって、ローラ回転検出センサと、ローラ回転速度検出部と、制御部と、を更に備える。ローラ回転検出センサは、接触ローラの回転に基づく信号を出力する。ローラ回転速度検出部は、ローラ回転検出センサの出力信号に基づいて接触ローラの回転速度を検出し、回転速度信号を出力する。制御部は、ローラ回転速度検出部の回転速度信号に基づいて、接触ローラの回転速度が低下したことを検出した場合、少なくとも巻取部の運転を停止する。
【0020】
第6の発明の糸巻取ユニットは、第5の発明であって、ローラ回転検出センサは、磁石と、ホールICと、を備える。磁石は、接触ローラと一体的に回転する。ホールICは、磁石の回転によって引き起こされる磁界の変化を検知する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0022】
第1の発明によれば、糸切れや糸切断が発生した際、規制部が糸端の通過を阻止し、糸端が規制部を超えて正常な糸道以外の領域に通されることが防止される。また、糸が接触ローラに巻き付くことが防止される。
【0023】
第2の発明によれば、パッケージ側の糸端を吸引により捕捉する捕捉動作を行う場合に、規制部により糸端が正常な糸道以外の領域に通されることが防止される。
【0024】
第3の発明によれば、規制部により糸端が正常な糸道以外の領域に通されることが防止され、また、糸が接触ローラに巻き付くことを防止されているため、糸継装置への糸端の案内をスムーズに行なうことができ、糸継装置による糸継ぎ作業を効率良く行なうことができる。
【0025】
第4の発明によれば、パッケージを直接回転駆動する駆動部を設けたことにより、従来の綾振り溝を備えた巻取ドラムと比較して、接触ローラの径を小さくすることができ、接触ローラの付近に空間の余裕ができる。これにより、糸切れや糸切断が発生した後、糸端が正常な糸道以外の領域に通される可能性が増すが、規制部により糸端が正常な糸道以外の領域に通されることが防止される。また、糸が接触ローラに巻き付くことが防止される。
【0026】
第5の発明によれば、規制部は、接触ローラの周面に近接する領域に配置されており、接触ローラに糸が巻き付いた場合には、巻き付いた糸が規制部に接触して接触ローラの回転速度が低下する。接触ローラの回転速度が低下した場合、制御部は、少なくとも巻取部の運転を停止する。このため、接触ローラに大量の糸が巻き付く前に巻取部の運転を停止できる。よって、接触ローラに大量の糸が巻き付くことを防止でき、糸巻取ユニットの運転効率が向上する。
【0027】
第6の発明によれば、ホールICはコンパクトな構成であるので、限られた設置スペースであってもローラ回転検出センサを設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る糸巻取ユニット1を示す正面簡略図及びブロック図。
【図2】巻取部2及び規制部61の側面図。
【図3】図2矢印A方向から見た巻取部2及び規制部61を示す図。
【図4】パッケージP側の糸端YPを吸引捕捉する動作を示す図。
【図5】パッケージPと接触ローラ14の接触部N付近で糸切れが発生した状態を示す図。
【図6】パッケージPと接触ローラ14の接触部N付近で糸切れが発生し、接触ローラ14に糸Yの巻き付きが発生した状態を示す図。
【図7】従来の糸巻取ユニットにおいて、パッケージP側の糸端YPを吸引捕捉する動作が、正常に行われた状態を示す図。
【図8】従来の糸巻取ユニットにおいて、パッケージP側の糸端YPを吸引捕捉する動作が、正常に行われない状態を示す図。
【図9】従来の糸巻取ユニットにおいて、パッケージPと接触ローラ14の接触部N付近で糸切れが発生し、接触ローラ14に糸Yの巻き付きが発生した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の実施形態に係る糸巻取ユニット1について、図1から図6を用いて説明する。
【0030】
本実施例の糸巻取ユニット1は、図1に示すように、給糸ボビン81の糸Yをトラバース装置12でトラバース(綾振り)させながら巻取チューブ82上に糸層を形成し、パッケージPを形成するものである。糸Yの走行方向は、給糸ボビン81からパッケージPに向かう方向である。図1に示す糸巻取ユニット1は1台であるが、このような糸巻取ユニット1を複数台列設することで、自動ワインダが構成される。図1では、糸巻取ユニット1は、コーン形状のパッケージPを巻き取るように図示されているが、チーズ形状等、その他の形状のパッケージも巻き取ることが可能である。
【0031】
本明細書では、巻取チューブ82及びパッケージPを総称して巻取ボビンBとする場合がある。すなわち、糸層が形成されていない巻取ボビンBが巻取チューブ82であり、糸層が形成された巻取ボビンBがパッケージPである。
【0032】
まず糸巻取ユニット1の概略について説明する。図1に示すように、糸巻取ユニット1は、巻取部2、接触ローラ14、規制部61(図2参照。)、トラバース装置12、給糸部3を備えている。
【0033】
巻取部2は、糸YをパッケージPに巻き取る部分である。巻取部2は、クレードル13、ベアリング(図示せず)、巻取ボビン駆動モータ18、巻取ボビン回転速度センサ32、巻取ボビン径センサ33を備えている。クレードル13は揺動軸15を中心に揺動自在である。ベアリングはクレードル13に設けられる。ベアリングには巻取ボビンBが着脱可能であり、クレードル13は、巻取ボビンBの両端を回転自在に把持する。巻取ボビンBに糸Yが巻取られることで巻取ボビンBの径が増大すると、クレードル13が揺動する。これによって巻取ボビンBの周面と接触ローラ14との適度な接触が保たれる。
【0034】
巻取ボビン駆動モータ18は、巻取ボビンBを直接回転駆動させる駆動部である。巻取ボビン駆動モータ18の駆動軸は、巻取ボビンBをクレードル13のベアリングに把持させたときに、巻取ボビンBと相対回転不能に連結され(いわゆるダイレクトドライブ方式)、巻取部2は、巻取ボビン駆動モータ18により巻取ボビンBを積極的に回転駆動して糸Yを巻き取る。
【0035】
巻取ボビン回転速度センサ32は、巻取ボビンBの回転数(又は回転速度)を検出する。巻取ボビン径センサ33は、巻取ボビンBの径を検出する。巻取ボビン径センサ33はロータリエンコーダ又はレゾルバ等で構成され、クレードル13の揺動角を検出することで巻取ボビンBの径を検出する。
【0036】
接触ローラ14は、巻取ボビンBの周面に接触して従動回転する円筒状のローラである。接触ローラ14は、糸Yを巻取ボビンBの表面に対して適度な圧力で押し付けるとともに、巻取ボビンB(パッケージP)の形状を整える。接触ローラ14は、綾振り溝を備えた巻取ドラムとは異なり、表面に綾振り溝は形成されていない。接触ローラ14は、表面に凹凸のない滑らかなローラの他、例えば特開2010−23937号公報に記載された、糸Yの挙動を規制するための微細な溝が形成されたローラであってもよい。また、接触ローラ14は、円筒形状のローラの他、大径側と小径側を有するコーン形状のローラであってもよい。
【0037】
接触ローラ14の一端側には、ローラ回転検出センサ36が設けられている。ローラ回転検出センサ36は、接触ローラ14の回転に基づく信号を出力するものである。ローラ回転検出センサ36は、ホールICと、周方向に多極着磁された円板状の磁石を備えている。円板状磁石は接触ローラ14の回転軸と一体的に回転するように構成されている。ホールICは円板状磁石の端部に近接して配置されている。接触ローラ14が回転すると、円板状磁石の回転によって引き起こされる磁界の変化をホールICが検知する。接触ローラ14の1回転あたり所定個数のパルス信号がローラ回転検出センサ36から出力される。糸巻取ユニット1内に設置スペースの余裕がある場合は、ローラ回転検出センサ36は、その他のセンサで構成してもよい。磁石とホールICの組み合わせは一例である。
【0038】
図2に示すように、規制部61は、接触ローラ14の周面に近接して配置される部材である。規制部61は、糸切れ又は糸切断で生じたパッケージP側の糸端YP、又は給糸部3側の糸端YSの通過を阻止する。規制部61については後に詳細に説明する。
【0039】
図1と図2に示すように、トラバース装置12は、巻取ボビンB(パッケージP)の近傍に設けられる。トラバース装置12は、巻取ボビンBの駆動に対して独立して駆動され、巻取ボビンBに巻き取られる糸Yをトラバース(綾振り)する。トラバース装置12は、アーム部材16、トラバースガイド17及びトラバースガイド駆動モータ19を備えている。
【0040】
トラバースガイド17は、糸Yと係合して糸Yをトラバースするフック状の部材である。トラバースガイド17は、揺動自在に構成したアーム部材16の先端に設けられている。トラバースガイド駆動モータ19は、アーム部材16を図1の矢印のように巻取ボビンBの巻取幅の方向、つまり巻取ボビンBの第1の端部(図示左側の端部)と第2の端部(図示右側の端部)の両端を往復するように駆動させることでトラバースガイド17を往復移動させる。本実施形態ではトラバースガイド駆動モータ19としてサーボモータを用いているが、ステップモータ等を用いてもよい。トラバースガイド17の形状は、フック状の部材の他に、先端が開放された2本の棒状の部材により形成されるものであってもよい。
【0041】
図1に示すように、給糸部3は、巻取ボビンBに巻き取られる糸Yを供給する部分である。給糸部3には給糸ボビン81が装着される。給糸部3と接触ローラ14との間の糸走行経路中には、給糸部3側から順に、テンション付与装置20、糸継装置21、ヤーンクリアラ22が設けられている。テンション付与装置20は糸Yに適切なテンションを付与するものである。ヤーンクリアラ22は、検出部の部分を通過する糸Yの太さをセンサで検出し、センサからの信号をアナライザ23で分析することで、スラブ等の糸欠点を検出する。ヤーンクリアラ22は、糸Yの太さ異常以外にも、糸Yに含まれる異物の有無も検出するように構成されていてもよい。ヤーンクリアラ22には、糸欠点を検出したために糸Yを切断(クリアラーカット)したり、糸欠点ではないが、トラバース不良により巻き取りを中断するために糸Yを切断(アディショナルカット)するためのカッタが付設されている。糸継装置21は、ヤーンクリアラ22による糸切断時や給糸ボビン81からの糸Yの糸切れ時に、給糸ボビン81側の下糸の糸端YSと、巻取ボビンB(パッケージP)側の上糸の糸端YPとを糸継ぎする糸継動作を行う。
【0042】
糸継装置21の下側(糸Yの走行方向の上流側)には、給糸ボビン81側の糸端YSを吸引により捕捉して糸継装置21に案内する下糸捕捉案内部としてのサクションパイプ24が設けられる。糸継装置21の上側(糸Yの走行方向の下流側)には、巻取ボビンB側の糸端YPを吸引により捕捉して糸継装置21に案内する、糸端捕捉部としてのサクションマウス27が設けられる。サクションパイプ24はパイプ状に構成されており、軸25を中心に上下回動可能に設けられるとともに、その先端側には吸引口26を設けている。サクションマウス27もパイプ状に構成されており、軸28を中心に上下回動可能に設けられるとともに、その先端側にマウス29を設けている。サクションパイプ24及びサクションマウス27には不図示の負圧源が接続されており、先端の吸引口26及びマウス29に吸引作用を生じさせる。
【0043】
次に、糸巻取ユニット1の動作を制御するための構成について説明する。本実施形態では図1に示すように、巻取ボビンBを駆動する巻取ボビン駆動モータ18と、トラバースガイド17を駆動するトラバースガイド駆動モータ19とは、別個独立に設けられており、巻取ボビンBとトラバースガイド17とは別個独立に駆動が制御される。糸巻取ユニット1には、各糸巻取ユニット1を個別に制御するユニット制御部41が設けられている。ユニット制御部41には、巻取ボビン駆動制御部31と、トラバース制御部34とが接続されている。巻取ボビン駆動制御部31はユニット制御部41からの制御信号に基づいて巻取ボビン駆動モータ18の駆動と停止等を制御する。トラバース制御部34はユニット制御部41からの制御信号に基づいてトラバースガイド駆動モータ19の駆動と停止等を制御する。
【0044】
巻取ボビン回転速度センサ32で検出される巻取ボビンBの回転速度信号は、ユニット制御部41、巻取ボビン駆動制御部31及びトラバース制御部34へ送信される。巻取ボビン径センサ33で検出される巻取ボビンBの径信号は、ユニット制御部41へ送信され、ユニット制御部41から巻取ボビン駆動制御部31及びトラバース制御部34へ転送される。
【0045】
接触ローラ14の一端側に設けられたローラ回転検出センサ36からの出力信号(前記パルス信号)は、ローラ回転速度検出部37に入力される。ローラ回転速度検出部37は、この出力信号に基づいて、接触ローラ14の回転速度(単位時間あたりの回転数)を検出し、接触ローラ14の回転速度信号を出力する。ローラ回転速度検出部37から出力された接触ローラ14の回転速度信号は、ユニット制御部41へ入力される。ユニット制御部41は、ローラ回転速度検出部37からの回転速度信号に基づいて、接触ローラ14の回転速度の変化を検出する。
【0046】
ユニット制御部41には、ヤーンクリアラ22と、糸継装置21と、サクションパイプ24と、糸端捕捉部としてのサクションマウス27が接続されている。ユニット制御部41は、糸欠点を検出したことにより巻き取りを中断する場合や、糸欠点ではないが、トラバース不良により巻き取りを中断する場合等に糸Yを切断するため、ヤーンクリアラ22による糸切断動作を制御する。ユニット制御部41は、ヤーンクリアラ22による糸切断時や給糸ボビン81からの糸Yの糸切れ時に、給糸ボビン81側の糸端YSと、巻取ボビンB側の糸端YPとを糸継ぎする、糸継装置21による糸継動作を制御する。ユニット制御部41は、サクションパイプ24及びサクションマウス27による糸端の捕捉動作と、糸端を糸継装置21に案内する案内動作を制御する。
【0047】
ユニット制御部41は機台制御部42に接続されている。機台制御部42は自動ワインダを構成する複数の糸巻取ユニット1を統括して制御する。ユニット制御部41、ローラ回転速度検出部37、機台制御部42、巻取ボビン駆動制御部31、トラバース制御部34は、演算部としてのCPUや、記憶部としてのROM、RAM等を備えている。これらのROMには、CPU等のハードウェアを制御部として動作させる制御ソフトウェアが記憶されている。
【0048】
次に、規制部61について詳しく説明する。
【0049】
まず、図1に示すように、糸YをパッケージPに巻き取る際に糸Yが通過する領域を糸道とする。また、図2を用いて、接触ローラ14付近における糸Yの糸道を具体的に説明すると、糸道は、トラバースガイド17から、糸Yと接触ローラ14との接点を経て、接触ローラ14がパッケージPに接する接触部Nまでの領域である。ここで、図2に示すように、接触ローラ14の周面に近接する領域であって、かつ糸Yの糸道にあたる領域を領域Tとする。また、接触ローラ14の周面に近接する領域であって、糸道以外の領域を領域NTとする。
【0050】
図2及び図3に示すように、規制部61は、前述の領域NTに配置され、糸切れ又は糸切断で生じたパッケージP側の糸端YP又は、給糸部3側の糸端YSの通過を阻止する部材である。本実施形態の規制部61は板状の部材である。図3に示すように、パッケージPの巻幅と平行な方向を規制部61の幅とすると、規制部61の幅は、パッケージPの巻幅よりも広く形成されている。規制部61の幅と直交する方向の長さを規制部61の長さとすると、規制部61の長さは、トラバース装置12の上方を覆うことができる長さである。規制部61は、図示しない装置フレームにボルト等で固定される。
【0051】
図2に示すように、規制部61の接触ローラ14側には、図示上方に屈曲させた屈曲部62を備えている。つまり屈曲部62は、糸Yの巻き取り時における接触ローラ14の回転方向の上流側に向けて屈曲させている。屈曲部62により、規制部61に沿って接触ローラ14から遠ざかる方向に空気の流れが発生しやすくなる。また後に説明するが、接触ローラ14に巻き付いた糸Yの糸層YLに対して規制部61が食い込みやすくなる。
【0052】
図2に示すように、規制部61の先端部63は、接触ローラ14の周面に間隔Dをおいて接近させている。間隔Dは可能な限り小さくし、規制部61の先端部をできるだけ接触ローラ14に接近させることが好ましい。
【0053】
本実施形態では、規制部61が配置される位置は、領域NTのうち、接触ローラ14とパッケージPとが接する接触部Nと、接触ローラ14の下端部(図2において、接触ローラ14の回転軸線に対して接触部Nとは反対側の位置)との略中間位置である。但し、規制部61が配置される位置は、この位置に限定されない。また、規制部61は、トラバース装置12のアーム部材16の上方(糸Yの走行方向の上流側)に配置されているが、この点も限定されない。規制部61の幅及び長さは、パッケージP側の糸端YP又は、給糸部3側の糸端YSの通過を阻止できる大きさであればよい。
【0054】
尚、本実施形態では、規制部61は、トラバース装置12の上方を覆うことができる大きさを有している。このため、アーム部材16のカバーとしての機能も有する。規制部61をアーム部材16のカバーとして機能させない場合や、アーム部材16のカバーには別部材を設ける場合は、規制部61の長さを、本実施形態のものよりも短くしてもよい。ただし、規制部61によりアーム部材16のカバー機能を兼用させることにより、糸巻取ユニット1の構成を簡素化することができる。
【0055】
続いて、規制部61の作用について説明する。まず、糸切れ又は糸切断の後の糸継ぎ作業において、パッケージP側の糸端YPを捕捉する場合について説明する。
【0056】
図4Aに示すように、糸Yを巻き取っている場合に、糸切れ又は糸切断が発生したとする。所定の処理が完了した後にパッケージP側の糸端YPと糸供給側の糸端YSを捕捉して糸継ぎ作業を行う。この場合、図4Bに示すように、パッケージPは、糸Yを巻き取る方向とは逆の方向に回転して糸端YPを送り出す。通常はパッケージP側の糸端YPは、パッケージPの表面に付着した状態で、接触ローラ14とパッケージPの接触部Nを通過する。
【0057】
しかしながら、図4Cに示すように、パッケージPの表面から、糸端YPが離れる場合がある。パッケージPは糸Yを巻き取る方向とは逆の方向に回転して糸Yを送り出すため、パッケージPの表面から、ある程度の長さの糸端YPが垂れ下がる状態となる。しかしながら、図4Dに示すように、規制部61に糸端YPが当接して、糸端YPの通過が阻止されるため、糸端YPが規制部61を超えて正常な糸道以外の領域NTに通されることが防止される。具体的には、規制部61により、糸端YPが接触ローラ14の下方に行くことが阻止される。尚、接触ローラ14の下方に行くとは、パッケージPからの糸端YPが接触部Nを通過せずに糸道の上流側に案内され、パッケージPと接触ローラ14によりニップされないことを意味する。
【0058】
また、図4Dに示すように、サクションマウス27がパッケージPに接近しても、規制部61が設けられているため、従来のように接触ローラ14の下方(パッケージPとは反対に位置する)の空間にサクションマウス27の吸引力が及ばない。よって、規制部61が糸端YPの通過を阻止し、糸端YPが規制部61を超えて正常な糸道以外の領域NTに通されることが防止される。
【0059】
この後、サクションマウス27は糸端YPの捕捉ができないため、ユニット制御部41は、異常を検出し、糸継ぎ作業を中止するとともに、アラームを表示して、糸継ぎ作業において異常が発生したことをオペレータに報知する。
【0060】
このように、規制部61を設けることで、糸継ぎ作業において異常が発生したことを早い段階で検出できる。このため、糸巻取ユニット1の運転効率の低下を回避できる。また、従来のように、糸端YPが接触ローラ14の下方を通った状態で糸継ぎ作業が行われることや、その状態で不良パッケージの巻き取りが行われることも防止できる。このため、糸巻取ユニット1の運転効率が向上する。
【0061】
次に、パッケージPと接触ローラ14の接触部N付近で糸切れが発生した場合について説明する。
【0062】
図5Aに示すように、パッケージPと接触ローラ14の接触部N付近で糸切れが発生したとする。この切れた給糸部3側の糸端YSが、図5Bに示すように、静電気等で接触ローラ14に付着し、糸端YSが接触ローラ14に巻き付き始める場合がある。
【0063】
しかしながら、図5Cに示すように、規制部61に糸端YSが当接して、糸端YSの通過を阻止するため、糸端YSが接触ローラ14に巻き付くことが防止される。この時点で糸Yの走行速度が低下するため、ヤーンクリアラ22が糸Yの走行速度の低下等を検出して、ユニット制御部41は、糸Yの巻き取りを停止する。
【0064】
このように、規制部61を設けることで、糸端YSが接触ローラ14に巻き付くことが防止される。これにより、接触ローラ14に巻き付いた糸Yの除去作業のために糸巻取ユニット1を長時間停止させることが防止され、糸巻取ユニット1の運転効率が向上する。
【0065】
ところで、図6Aに示すように、パッケージPと接触ローラ14の接触部N付近で糸切れが発生した場合、図5Cに示したように、規制部61を設けることで、通常は糸端YSが接触ローラ14に巻き付くことを防止できるのであるが、図6Bに示すように、まれに、糸端YSが規制部61に当接せずに通過し、正常時と変わらない速度で糸Yが接触ローラ14に巻き付き始めることがある。
【0066】
この場合、図6Cに示すように、接触ローラ14が糸Yで巻太ってくると、糸層YLが規制部61の先端部63に接触する。規制部61の先端部63が糸層YLに接触することにより、接触ローラ14のブレーキになる。接触ローラ14はパッケージPに従動しているが、ブレーキがかかることでパッケージPとの間にスリップが生じて、接触ローラ14の回転速度が低下する。
【0067】
ここで、ユニット制御部41は、ローラ回転速度検出部37からの回転速度信号に基づいて、接触ローラ14の回転速度の変化を検出している。上記のように接触ローラ14の回転速度が低下した場合、ユニット制御部41は、ローラ回転速度検出部37からの回転速度信号に基づいて、接触ローラ14の回転速度が低下したことを検出し、接触ローラ14に糸Yが巻き付いたと判断する。ユニット制御部41は、直ちにヤーンクリアラ22により糸Yを切断し、巻取部2とトラバース装置12を停止し、連続巻き取り運転を停止する。ユニット制御部41は、アラームを表示して、糸Yの巻き取りにおいて異常が発生したことをオペレータに報知する。
【0068】
このように、規制部61を設けることで、糸端YSが接触ローラ14に巻き付いたことが早期に検出できる。このため、大量の糸Yが接触ローラ14に巻き付くことを防止できる。その結果、接触ローラに巻き付いた糸層YLの除去作業も容易となり、糸巻取ユニット1の運転効率が向上する。
【0069】
以上説明した実施例1に係る糸巻取ユニット1によれば、次のような効果を有する。
【0070】
糸巻取ユニット1は、規制部61を備える。規制部61は、接触ローラ14の周面に近接する領域であって、かつトラバースガイド17から接触ローラ14とパッケージPの接触部Nに至る糸道以外の領域NTに配置され、糸切れ又は糸切断で生じた糸端YP及び/又は糸端YSの通過を阻止するこのため、糸切れや糸切断が発生した際、規制部61が糸端YP及び/又は糸端YSの通過を阻止し、糸端YP及び/又は糸端YSが規制部61を超えて正常な糸道以外の領域NTに通されることが防止される。また、糸Yが接触ローラ14に巻き付くことが防止される。
【0071】
糸巻取ユニット1は、パッケージP側の糸端YPを吸引により捕捉する捕捉動作を行うサクションマウス27を備えている。このため、パッケージP側の糸端YPを吸引により捕捉する捕捉動作を行う場合に、規制部61により糸端YPが正常な糸道以外の領域NTに通されることが防止される。
【0072】
糸巻取ユニット1は、パッケージPに巻き取られる糸Yを供給する給糸部3と、パッケージP側の糸端YPと給糸部3側の糸端YSとを継ぐ糸継動作を行う糸継装置21と、を更に備える。規制部61により糸端YP及び/又は糸端YSが正常な糸道以外の領域NTに通されることが防止され、また、糸Yが接触ローラ14に巻き付くことを防止されている。このため、糸継装置21への糸端YPや糸端YSの案内をスムーズに行なうことができ、糸継装置21による糸継ぎ作業を効率良く行なうことができる。
【0073】
巻取部2は、パッケージPを直接回転駆動する巻取ボビン駆動モータ18を備える。このため、接触ローラ14の付近に空間が空いており、糸切れや糸切断が発生した後、糸端YP及び/又は糸端YSが正常な糸道以外の領域NTに通される可能性がある。しかしながら、規制部61により糸端YP及び/又は糸端YSが正常な糸道以外の領域NTに通されることが防止される。また、糸Yが接触ローラ14に巻き付くことが防止される。
【0074】
糸巻取ユニット1は、接触ローラ14の回転に基づく信号を出力するローラ回転検出センサ36と、ローラ回転検出センサ36の出力信号に基づいて接触ローラ14の回転速度を検出し、回転速度信号を出力するローラ回転速度検出部37と、ローラ回転速度検出部37の回転速度信号に基づいて、接触ローラ14の回転速度が低下したことを検出した場合、巻取部2とトラバース装置12の運転を停止するユニット制御部41と、を備える。規制部61は、接触ローラ14の周面に近接する領域に配置されており、接触ローラ14に糸Yが巻き付いた場合には、巻き付いた糸Yが規制部61に接触して接触ローラ14の回転速度が低下する。接触ローラ14の回転速度が低下した場合、ユニット制御部41は、巻取部2とトラバース装置12の運転を停止する。このため、接触ローラ14に大量の糸Yが巻き付く前に巻取部2の運転を停止できる。よって、接触ローラ14に大量の糸Yが巻き付くことを防止でき、糸巻取ユニット1の運転効率が向上する。
【0075】
ローラ回転検出センサ36は、接触ローラ14と一体的に回転する磁石と、磁石の回転によって引き起こされる磁界の変化を検知するホールICと、を備えている。ホールICはコンパクトな構成であるので、限られた設置スペースであってもローラ回転検出センサ36を設置することができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、糸巻取ユニット1の動作を制御するための構成については実施例に限定されず、例えば、巻取ボビン駆動制御部31とトラバース制御部34を、ユニット制御部41に設けてもよい。
【0077】
糸巻取ユニット1は、規制部61により糸端YP及び/又は糸端YSの通過を阻止するだけの場合は、接触ローラ14への糸Yの巻き付きを検出するためのローラ回転検出センサ36等の構成を省略してもよい。
【0078】
図1では、ローラ回転検出センサ36は、巻取ボビンBの小径側に配置されているが、巻取ボビンBの大径側に配置してもよい。ユニット制御部41等は、糸巻取ユニット1において巻取ボビンBの大径側に配置されている。ローラ回転検出センサ36も巻取ボビンBの大径側に配置することにより、ローラ回転検出センサ36からユニット制御部41への信号線の距離を短縮することができるなどのメリットもある。
【0079】
トラバース装置12は、アーム部材16の長手方向が糸巻取ユニット1の設置方向(上下方向)に対して平行になるように構成したが、アーム部材16の長手方向が糸巻取ユニット1の設置面に対して垂直になるように構成されていてもよい。また、トラバース装置12は、トラバースガイド駆動モータ19によってアーム部材16を往復駆動させる構成としたが、接触ローラ14の近傍に無端状のタイミングベルトを配置し、このタイミングベルト31にトラバースガイド17を取り付けるとともに、タイミングベルトを、例えばパルスモータによって往復駆動する構成としてもよい。
【0080】
巻取ボビン駆動モータ18は、巻取ボビンBを直接回転駆動する代わりに、接触ローラ14を回転駆動して、巻取ボビンBを従動回転させてもよい。
【0081】
上記の実施形態では、巻取ボビンBの径は巻取ボビン径センサ33により検出しているが、巻取ボビンBの径を検出できる構成であれば、その他の構成を採用してもよい。例えば、巻取ボビンBに巻き取られた糸Yの量を計測することにより、巻取ボビンBの径を算出してもよい。
【0082】
本実施形態では、自動ワインダに規制部61を適用した例を説明したが、精紡機等の他の糸巻取ユニットにも適用することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 糸巻取ユニット
2 巻取部
3 給糸部
12 トラバース装置
13 クレードル
14 接触ローラ
15 揺動軸
16 アーム部材
17 トラバースガイド
18 巻取ボビン駆動モータ
19 トラバースガイド駆動モータ
20 テンション付与装置
21 糸継装置
22 ヤーンクリアラ
23 アナライザ
24 サクションパイプ
25 軸
26 吸引口
27 サクションマウス
28 軸
29 マウス
31 巻取ボビン駆動制御部
32 巻取ボビン回転速度センサ
33 巻取ボビン径センサ
34 トラバース制御部
36 ローラ回転検出センサ
37 ローラ回転速度検出部
41 ユニット制御部
42 機台制御部
61 規制部
62 屈曲部
63 先端部
81 給糸ボビン
82 巻取チューブ
P パッケージ
B 巻取ボビン
Y 糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージを回転駆動して、糸を前記パッケージとして巻き取る巻取部と、
前記パッケージに接触する接触ローラと、
前記パッケージの駆動に対して独立して駆動され、前記パッケージに巻き取られる糸をトラバースするトラバースガイドと、
前記接触ローラの周面に近接する領域であって、かつ前記トラバースガイドから前記接触ローラと前記パッケージの接触部に至る糸道以外の領域に配置され、前記パッケージ側の糸端の通過を阻止する規制部と、
を備えたことを特徴とする糸巻取ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の糸巻取ユニットであって、
前記パッケージ側の糸端を吸引により捕捉する捕捉動作を行う糸端捕捉部、
を更に備えたことを特徴とする糸巻取ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項に記載の糸巻取ユニットであって、
前記パッケージに巻き取られる糸を供給する給糸部と、
前記パッケージ側の糸端と前記給糸部側の糸端とを継ぐ糸継動作を行う糸継装置と、
を更に備えることを特徴とする糸巻取ユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の糸巻取ユニットであって、
前記巻取部は、前記パッケージを直接回転駆動する駆動部を備えることを特徴とする糸巻取ユニット。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の糸巻取ユニットであって、
前記接触ローラの回転に基づく信号を出力するローラ回転検出センサと、
前記ローラ回転検出センサの出力信号に基づいて前記接触ローラの回転速度を検出し、回転速度信号を出力するローラ回転速度検出部と、
前記ローラ回転速度検出部の回転速度信号に基づいて、前記接触ローラの回転速度が低下したことを検出した場合、少なくとも前記巻取部の運転を停止する制御部と、
を更に備えたことを特徴とする糸巻取ユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の糸巻取ユニットであって、
前記ローラ回転検出センサは、
前記接触ローラと一体的に回転する磁石と、
前記磁石の回転によって引き起こされる磁界の変化を検知するホールICと、
を備えていることを特徴とする糸巻取ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−67477(P2013−67477A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206540(P2011−206540)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】